説明

多結晶半導体材料、特にシリコンを取得する装置及び該装置内の温度を制御するための方法

多結晶シリコンを取得するための装置(1)であり:そのシリコンに対して石英で作られ、カップ形状のグラファイト容器(4)に除去可能に収納された少なくとも1つのるつぼ(3);流体密封の開けることが可能なケーシング(5);グラファイトプレート(14)が介在した状態でるつぼに向かい合って配置された上部誘導コイル(12)、グラファイト容器の側壁(17)の周りに配置された側部誘導コイル(16)、及びそのグラファイト容器の底壁(19)に向かい合って配置され、その底壁からの距離(D)を変更するために垂直に可動式である底部誘導コイル(18);及び誘導コイルの交流電力供給のための第1手段(20)、及びそれらの誘導コイルのそれぞれの中空巻き内で冷却剤を供給するための第2手段(21);を含み、その底部誘導コイルは、格子柄スキームに従って、絶縁された支持プレー多(35)によって定められる全く同一の平面においてお互いに平行に配置された4つのらせん状の巻き(31‐34)を含み;電気スイッチ手段(40)は、使用中においてその4つの巻き(31‐34)を異なる構成に従ってお互いに選択的に接続することを可能にする。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多結晶半導体材料、特にシリコンを、その半導体材料の融解及びそれに続くその半導体材料の方向性凝固によって取得する装置及びその半導体材料の温度のより良い制御を確保するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「ソーラー純度(solar purity)」として呼ばれる高い純度を有する半導体材料、特にシリコンに対する需要は、その材料が高効率の光起電力セルの生産において必要な限りますます高くなっている。
【0003】
そのような材料を取得するために、精製が従来の治金学的方法によって最初に行われ、最後に、インゴット(ingot)が形成される。そのインゴットから、光起電力セルの生産に必要なウエハを次に分割することができる。そのインゴットは、「方向性凝固システム」(DSS)として知られる方法で、すなわち、その半導体材料をるつぼにおいて融解し、次にその方向性凝固が生じるようにして最後に多結晶シリコンを取得することによって、形成される。
【0004】
方向性凝固を取得するためには、そのるつぼにおいて、1‐2 cm/hの凝固先端の前進を得るような冷却率を得るように形成されているインゴットの垂直温度勾配を維持することによって凝固を起こすことが必要である。当該技術の利点は、その出発原料において存在する不純物が、溶融物質において優先的に残り、その結果、凝固先端とともに上向きに上昇することである。一度そのインゴットが凝固すると、それは、結果として、精製された多結晶シリコンを望まれる純度で得るように、そのインゴット自体の上部分を除去するのに十分である。
【0005】
前記の結果を得るためには、熱流の非常に正確な制御をかけることが必要である。さらに、その精製されるべき固体半導体材料の溶融のステップは、長時間と高レベルのエネルギー消費を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、通常は実施がシンプル且つ安価な「ソーラー」程度の純度を持つ多結晶シリコンである半導体材料を取得する装置及びその装置の温度を制御する方法を提供することによって、従来技術における欠点を克服し、熱流の信頼性が高く効果的な制御を可能にし、必要とされる器具の全体の寸法及びエネルギー消費のレベルの減少を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本文献において、「ソーラー」程度の純度は、高効率の光起電力セルを生産するために必要な程度の純度を意味する。
【0008】
本発明は、従って、請求項1によると、通常、ソーラー程度の純度を持つ多結晶シリコンを取得するための半導体材料の融解及びそれに続く方向性凝固に対する装置に関し、また、請求項9に従って、その半導体材料が融解され、次に方向性凝固にさらされる半導体材料の精製のプロセスにおいて温度の制御を実行する方法に関する。
【0009】
特に、当該装置は:その半導体材料に対する、カップ形状のグラファイト容器に除去可能に収納された石英又はセラミック材料で望ましくは作られた、少なくとも1つのるつぼ;そのグラファイト容器を内部に収納している開放可能な流体密封のケーシング;グラファイトプレートが介在した状態でグラファイト容器の口に向かい合って配置された1つ以上の上部誘導コイル;そのグラファイト容器の側壁の周りに配置された1つ以上の側部誘導コイル;そのグラファイト容器の底壁に向かい合っている1つ以上の底部誘導コイル;それらの誘導コイルを別々に且つお互いに独立して供給する交流電力供給手段;及び、それらの誘導コイルの関連する中空巻きの内部において冷却剤を供給する冷却手段;を含む。
【0010】
本発明の1つの態様に従って、誘導コイルの底部ブロックは、絶縁された支持プレートによって定められる全く同一の平面においてお互いに平行に配置された複数の巻線を含み、電気スイッチ手段は、その底部誘導コイルの巻線とそれぞれの交流電力供給手段との間に、それらの巻線をお互いに選択的に接続するために事前に配置されている。それは、お互いに平行に配置されたそれぞれの巻線における電流の循環方向に関してお互いに異なっている構成に従っている。
【0011】
結果として、本発明の方法によると、その融解ステップは、るつぼに含まれる半導体材料をグラファイト・サセプタによって加熱することによって実施され、それらのグラファイト・サセプタの各々は、少なくとも1つの関連する誘導コイルに動作可能に関連しており、そのるつぼを取り囲むように配置され、その温度の望ましい制御を得るように:
‐そのるつぼの下に、全く同一の平面においてお互いに平行に配置された複数の巻線を含む少なくとも1つの底部誘導コイルに動作可能に関連したサセプタを配置するステップ;及び
‐お互いに平行に配置されたそれぞれの巻線における電流の循環方向に関してお互いに異なっている構成に従って、それらの巻線をお互いに及び底部誘導コイルの供給に対するそれぞれの交流電力供給手段に選択的に接続する手段;が実施される。
【0012】
この方法では、極度な簡単さで全く同一のプロセスの間に何度も実施することが出来る方法において、当該装置の、特に誘導コイルの他の如何なる動作パラメータも変えずに、底部グラファイト・サセプタがるつぼに供給する熱を変えることが可能である。
【0013】
さらに、その底部誘導コイルは、それに関連するサセプタからのその距離が、融解のステップ及び凝固のステップの両方の間に変わり得るように可動式であるのが望ましい。特に、後者の間に、その底部誘導コイルは無効化され、そのサセプタに接触させられ、その巻きにおいてそのサセプタに存在する熱を直接除去するように、冷却剤を供給し続ける。
【0014】
本発明のさらなる特徴及び利点は、それに続く添付の図面を参照して単に例として示される実施形態の非限定的な例の記載から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に従って作成された、高さにおいて、半導体材料の融解及びそれに続く方向性凝固に対する装置の垂直対称の軸に平行に断面が取られた、半分だけを示し除外した部分は対称的である概略図である。
【図2】図1の装置の底部誘導コイルの上から4分の3の斜視図を拡大した寸法で示した図である。
【図3】図2の誘導コイルの3つの異なる可能な動作構成及び誘導コイルと加熱されるべき半導体材料を含むるつぼとの間に配置されたグラファイトプレートにおける温度の結果としての分布の関連する概略図である。
【図4】図2の誘導コイルの3つの異なる可能な動作構成及び誘導コイルと加熱されるべき半導体材料を含むるつぼとの間に配置されたグラファイトプレートにおける温度の結果としての分布の関連する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0016】
図1及び2を参照すると、全体として1で指定されているものは、通常「ソーラー」の程度の純度を持つ多結晶シリコンを取得するための半導体材料2の融解及びそれに続く方向性凝固に対する装置である。
【0017】
装置1は:望ましくは石英又はセラミック材料で作られ、カップ形状のグラファイト容器4において除去可能に収納された、半導体材料2に対する少なくとも1つのるつぼ3;及びグラファイト容器4を内部に収納し、カップ形状である底部ハーフシェル6及び上部ハーフシェル7によって範囲が定められる流体密封のケーシング5;を含み、後者は、スチールで作られているのが望ましく、通常は、それらの凹面がお互いに向かい合い、関連する端部8、9が流体密封の方法で共に隣接し適切なガスケット(非表示)が備えられた状態でお互いに重なり合っている(図1)。
【0018】
装置1は、さらに、適切な場合に、ケーシング5がグラファイト容器4へのアクセスを可能にするための「開放」構成を取るように上部ハーフシェル7を底部ハーフシェル6から垂直に動かす手段10を含む。
【0019】
装置1は、さらに、本発明の1つの態様に従って:巻き13を含む平面構成で示される非限定的な例における少なくとも1つの上部誘導コイル12であり、その巻き13は、例えば、平面らせんに従って形作られ、その誘導コイルは、それに動作可能に関連するグラファイトプレート14が介在した状態でグラファイト容器4の口に向かい合って配置されている、少なくとも1つの上部誘導コイル12;使用中にグラファイト容器4の側壁17の周りに結合されたハーフシェル6、7の形において配置された少なくとも1つの側部誘導コイル16;及びグラファイト容器4の底壁19に向かい合って配置された底部誘導コイル18;を含む。
【0020】
装置1は、さらに:周知であり、結果として概略的にブロックとして表わされた、誘導コイル12、16及び18を別々に及びお互いに独立して供給するための交流電力供給手段20;及び、また周知であり、結果として概略的にブロックとして表わされた、誘導コイル12、16及び18の管状素子によって構成される限り中空である巻き13の内部に冷却剤を供給するための冷却手段21;を含む。
【0021】
本発明の1つの態様に従って、底部誘導コイル18は、それの底壁19からの距離D(図3)を、動作手段30によって使用中に変えることが可能であるように垂直に可動式である。一方、側部誘導コイル16(図5及び6)は、複数の平面巻き、すなわち、各々が全く同一の平面上において発達し、ハーフシェル6、7の対称の軸Aに関して同軸に配置され、垂直方向においてお互いに重なって配置されている。
【0022】
周知の技術に従って、グラファイト容器4の側壁17及び底壁19及びグラファイトプレート14は、側部誘導コイル16、底部誘導コイル18及び上部誘導コイル12に対して電磁サセプタをそれぞれ構成するような構成及び寸法を有する。
【0023】
冷却手段21は、中空巻き13において循環する、それらによって使用される冷却剤が水の代わりに透熱性のオイルであるようにすることができる。この方法では、ケーシング5内における如何なる冷却剤の漏洩の場合も、融解又は方向性凝固のプロセスの間に、あるいは、るつぼ3が故障し、結果として底部ハーフシェル6において融解したシリコン2の漏れがある場合、シリコンと水との可能な化学反応の結果である爆発の危険性は無い。
【0024】
本発明の主な態様に従って、底部誘導コイル18(図2)は、平面展開で示される実施形態において、複数の巻線31、32、33及び34を含み、それらの巻線は、絶縁された支持プレート35によって定められる全く同一の平面においてお互いに平行して配置され、その絶縁された支持プレートは、同様に、使用中に距離Dを変えるために動作手段30によってハーフシェル6内で動かされるステム又はハブ36によって支えられる。
【0025】
さらに、本発明に従って、ブロックで概略的に表わされた、機能が識別され説明される際に当業者にとって明らかである限り詳しく記載されない電気スイッチ手段40が底部誘導コイル18の巻線31‐34とその巻線31‐34を選択的にお互いに接続し、異なる構成に従って手段20に選択的に接続するためのそれぞれの交流電力供給手段20との間に事前に配置されている。その異なる構成は、お互いに平行して配置されたそれぞれの巻線31‐34における電流の循環の方向に関してお互いに異なり、それは例えば、図3において概略的に表わされている。
【0026】
望ましい実施形態に従って、底部誘導コイル18は、正確に31、32、33、34で指定され、格子柄のスキームに従って2個ずつお互いに平行して配置されている。
【0027】
巻線31‐34は、特に、中空巻き13を形成するように銅管をそれ自体において何度も曲げることによって得られる平面らせん(図2)として各々が形作られており、底部誘導コイル18を、それぞれの隣り合ったセクターにさらに分割し、それらは図4において概略的に表わされ、巻線31‐34は、また、それにおける電流の循環の方向と調和する方向を有する円形矢印によって概略的に表わされ、セクターにおいて誘導コイル18によって生成される磁場の磁束Lのそれぞれのラインは、同様のパターンを有する。
【0028】
スイッチ手段40は、従って、隣り合うセクター間において磁束Lのラインのパターンを選択的に決定するように設計され、つまり、1つのセクターと次のセクターとの間で境界ラインKに対して接線方向(例えば、図4a)であるか、又は垂直(図4c)であるか、あるいは、この場合も混合(図4b)しているかをそれぞれ決定する。
【0029】
述べたように、少なくとも底部誘導コイル18の冷却手段21は、例えば、巻線31‐34の各々1つずつに対し、それぞれの導管結合体50によってハブ又はステム36を通して、それの中空巻き13にて透熱性のオイル又はそうでない場合は水を供給するように設計され;特に、巻線31‐34の各々は、口60(図2)で始まって終わり、それは、ハブ又はステム36内の水(油)圧パイプ61を通して導管結合体50に接続され、それらは同様に、冷却手段21に周知の方法で接続されている。
【0030】
場合によっては、巻線31‐34と冷却手段21との間には、必要な場合、様々な巻線31‐34の巻き13において冷却剤の異なる流れを供給するために水(油)圧スイッチ手段70(図1)が備えられてよい。
【0031】
記載されてきた事項に基づいて、装置1によって、半導体材料2の方向性凝固に対するプロセスにおいてその材料の温度の制御を実行する方法を効果的に実施することが可能であることが明らかであり、その材料は、融解され、続いて制御された凝固にさらされ、その融解ステップは、るつぼ3に含まれた半導体材料をグラファイト・サセプタ14、17、19によって加熱することによって実施され、そのグラファイト・サセプタの各々は、誘導コイル12、16及び18の少なくとも1つにそれぞれ動作可能に関連し、るつぼ3を取り囲むように配置されている。
【0032】
特に、るつぼ3においてシリコン2の温度を制御する方法は:
‐平面展開を有し全く同一の平面においてお互いに平行に配置された複数の巻線31‐34を含む底部誘導コイル18に動作可能に関連した、容器4の底壁を定める基盤プレートで構成される適切な場合、るつぼ3の下にサセプタ19を配置するステップ;及び
‐巻線31‐34をお互いに選択的に接続し、図3において概略的に示される異なる構成に従って底部誘導コイル18を供給するためのそれぞれの交流電力供給手段20に選択的に接続するステップであり、その異なる構成は、お互いに平行に配置されたそれぞれの巻き31‐34において円形矢印の方向によって概略的に表されている電流の循環の方向に関してお互いに異なっており、それらの巻きは、また、図3において円形矢印によって概略的に表されている。
【0033】
特に、底部誘導コイル18の巻線31‐34は、巻線31‐34の各々が磁場の磁束Lのそれぞれのラインが同様のパターンを有し、組み合わせにおいて、隣り合ったセクターの磁束Lのラインが、1つのセクターと次のセクターとの間において境界ラインKに常にそれぞれ接線方向(図3a)であるか又は垂直(図3c)であるパターンを有するように、お互いに接続されている。
【0034】
さらに、底部誘導コイル18とそれに関連するそれぞれのグラファイト・サセプタ19との間の距離Dは、本発明の方法に従って、必要に応じて、特に底部誘導コイル18の電力供給を妨害するが、その中空巻き13において冷却剤の循環を維持し、誘導コイル18を、それが実質的にサセプタ19に接触するまでそのサセプタ19に近づけ、既に述べたように透熱性のオイル又は他の場合は水を冷却剤として使用することによって実施される凝固のステップの間に、変更される。
【0035】
この目的で、誘導コイル19は、サセプタ14、17、19を取り囲むそれぞれの断熱素子100によって定められる区画内に配置される一方、誘導コイル12及び16は、その区画の外側に配置されるのが望ましいことから、断熱素子100はそれらに関連するサセプタ14、17とそれらとの間に配置される。
【0036】
この方法において、図4においてハイライトされているように、底部グラファイト・サセプタ19がるつぼ3に供給する熱は、極度に簡単に、全く同一のプロセスの間に何度も実施できる方法において変えることが可能であることが、実験で発見されている。図4aは、特に、巻線31‐34における電流の構成が、図3aの構成である場合、サセプタ19における温度のパターンを示す(図4のグラフに使用されるグレースケールによると、より高い温度の領域は、より明るい領域である)。図4b及び4cは、同様に、電流の構成が図4b及び4cの構成である場合のサセプタ19における温度の分布の状態をそれぞれ示す。
【0037】
さらに、凝固の間のシリコン2の温度の制御もまた、一度その誘導コイルがそれ自体の交流電力供給手段20を取り外すことによって誘導コイル18の特定の構造上の構成、及びそれの熱交換器としての使用によって著しく促進される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体材料の融解及びその次に方向性凝固に対する、通常は「ソーラー」程度の純度を持つ多結晶シリコンを取得するための装置であり、前記半導体材料に対して、望ましくは石英又はセラミック材料で作られ、カップ形状のグラファイト容器に除去可能に収納されている少なくとも1つのるつぼを含み;
少なくとも1つの上部誘導コイルであり、該上部誘導コイルに動作可能に関連するグラファイトプレートが少なくとも介在している状態で前記グラファイト容器の口に向かい合って配置された、少なくとも1つの上部誘導コイル;
前記グラファイト容器の側壁の周りに配置された少なくとも1つの側部誘導コイル;
前記グラファイト容器の底壁に向かい合って配置された少なくとも1つの底部誘導コイル;
別々に且つお互いに独立して前記誘導コイルに供給するための交流電力供給手段;及び前記誘導コイルのそれぞれの中空巻き内において冷却剤を供給するための冷却手段;を含み、組み合わせにおいて:
‐前記少なくとも1つの底部誘導コイルは、絶縁された支持プレートによって定められる全く同一の平面においてお互いに平行に配置された複数の巻きを含み;
‐電気スイッチ手段が、前記少なくとも1つの底部誘導コイルの巻きとそれぞれの前記交流電力供給手段との間において、該交流電力供給手段と前記巻きとを異なる構成に従ってお互いに接続するために事前に配置されている;
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であり、前記異なる構成は、お互いに平行に配置されたそれぞれの前記巻きにおいて電流の循環の方向に関して、お互いに異なっていることを特徴とする、装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の装置であり、前記少なくとも1つの底部誘導コイルは、格子柄のスキームに従って2個ずつお互いに平行に配置された、4つの前記巻きを含むことを特徴とする、装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の装置であり、お互いに平行に配置された前記巻きは、各々が平面らせんとして形作られている平面展開を有することを特徴とする、装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の装置であり、前記巻きは、前記少なくとも1つの底部誘導コイルを、それぞれ隣り合ったセクターに分割し、該セクターにおいて、前記誘導コイルによって生成された磁場の磁束のそれぞれのラインが同様のパターンを有し;前記スイッチ手段は、隣り合うセクターの間において、前記磁束のラインのパターンが1つのセクターと次のセクターとの間の境界線に対してそれぞれ接線方向にあるか又は垂直であるかを選択的に決定するように設計されていることを特徴とする、装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の装置であり、前記少なくとも1つの底部誘導コイルは、該コイルの前記グラファイト容器の底壁からの距離を使用中に変更することが可能であるように垂直に可動式であることを特徴とする、装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の装置であり、前記少なくとも1つの底部誘導コイルの前記冷却手段は、該コイルの中空巻きにおいて透熱性のオイルを供給するように設計されていることを特徴とする、装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の装置であり、内部に前記グラファイト容器及び前記誘導コイルを収納している開放可能な流体密封のケーシングをさらに含むことを特徴とする、装置。
【請求項9】
半導体材料が融解され、次に制御された凝固にさらされる、該半導体材料の方向性凝固に対するプロセスにおいて温度の制御を実施する方法であり、前記の融解ステップは、るつぼに含まれる半導体材料をグラファイト・サセプタによって加熱することによって実施され、該グラファイト・サセプタの各々は、少なくとも1つの個別の誘導コイルに動作可能に関連し、前記るつぼを取り囲むように配置され:
‐全く同一の平面においてお互いに平行に配置された複数の巻きを含む少なくとも1つの底部誘導コイルに動作可能に関連した前記サセプタの1つを、前記るつぼの下に配置するステップ;及び
‐前記巻きをお互いに及び異なる構成に従って前記底部誘導コイルへの供給のための個別の交流電力供給手段に選択的に接続するステップであり、前記異なる構成は、お互いに平行に配置されたそれぞれの前記巻きにおける電流の循環の方向に関してお互いに異なっている、ステップ;
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であり、前記少なくとも1つの底部誘導コイルの前記巻きは、該巻きの各々が、磁場の磁束のラインそれぞれが同様のパターンを有する前記誘導コイルのセクターを定めるように;及び、組み合わせにおいて、隣り合ったセクターの磁束のラインが、1つのセクターと次のセクターとの間の境界線に対してそれぞれ接線方向又は垂直であるパターンを有するように、お互いに接続されることを特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の方法であり、前記少なくとも1つの底部誘導コイルと該コイルに関連する前記個別のグラファイト・サセプタとの間の距離は変えられることを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項9乃至11に記載の方法であり、前記の制御された凝固のステップは、前記少なくとも1つの底部誘導コイルの電力供給を中断し、該コイルの中空巻きのそれぞれにおいて冷却剤の循環を維持し、且つ前記誘導コイルを該コイルに関連するサセプタに、該コイルが該サセプタに実質的に接触するまで近づけることによって実施されることを特徴とする、方法。
【請求項13】
透熱性のオイルが冷却剤として使用されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【公表番号】特表2013−508252(P2013−508252A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534788(P2012−534788)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/IB2010/002686
【国際公開番号】WO2011/048474
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(512105048)サエト ソシエタ ペル アチオニ (2)
【Fターム(参考)】