説明

多透孔薄板

【課題】 本発明は食品を調理する際に用いる調理器具の補助品として用い、鍋底や鉄板や焼き網と調理品の間に敷いて使用し、
調理品が焦げ付くのを防止し、多透孔薄板の両端を持ち上げて食器へ盛り付けることにより調理品が崩壊するのを防止し、
また、調理器具の洗浄を容易にする多透孔薄板を提供する。
【手段】 薄い板状部材に丸形状、または、多角形状の多数の透孔を設け多透孔薄板を構成し、また、多透孔薄板に凹溝凸山を交互に
多数設けることを特徴とする多透孔薄板である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は調理器具と調理品の間に敷いて用い、調理品の崩壊防止や焦げ付きを
防止する多透孔薄板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来鍋で調理品を煮沸する際、鍋の中の調理品が鍋底に膠着したり、調理品を鍋から取り出し食器に移す際型崩れて調理品の外観を損ねたり、また、煮物をする際穴あき落し蓋を使用していたが、穴あき落し蓋の洗浄に手間がかかったり、穴に付着した汚れが完全に落ちず不衛生であった。
【0003】
また、調理品を網や金属板で焼く場合、調理品が焦げ付いて剥がれず取り出す際調理品が崩壊したり、調理品の下に脂が溜まり調理品が脂に浸り味を損ねていた。
また、焼き物や煮物では調理用紙を鉄板や鍋底に敷いたりすることが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため次のような問題点があった。
ア、鍋底や鉄板と調理品の間に紙を敷いていたため熱の伝導が悪く調理時間が長くなり熱源費用が増加し、紙の味が溶出し調理品の味を損ね、また、焼き網には使用不可能であった。
【0005】
イ、焼き網や金属板に焦げ付き防止の脂を塗り調理品を焼いていたが、調理品が焼き網やフライパンに膠着し剥がれにくく調理品が崩壊し外観を損ねたり、また、調理品から滲出した脂に調理品が浸り味を損ねたり、意に反し脂を多く摂取し健康を損ねる状態であった。
【0006】
ウ、使用頻度が低い落し蓋を取り出し洗浄し収納する手間がわずらわしいため、落し蓋を使用しない場合が多く、調理の仕上がりが悪く、洗浄に手間が掛かっていた。
エ、調理品を網焼きする際、火力の調節が困難であるため、焼きすぎたり、燃えたりしていた。
本発明は以上の問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、薄い板状部材(たとえばアルミニューム箔または樹脂板)に多数の透孔を設けた多透孔薄板である。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、多数の透孔を設けた多透孔薄板に凹溝凸山を交互に多数折り曲げて波形状を有することを特徴とする多透孔薄板とした。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明において多透孔薄板は円筒形部材の表面に巻きつけて収納することを特徴とする多透孔薄板とした。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、本発明の多透孔薄板を鍋底に敷いて使用する際、鍋底の熱は多数の透孔を通じて上部へ熱伝導し煮沸し、また、鍋底に本発明の多透孔薄板(たとえばアルミニューム箔または樹脂板)を敷き、調理品を入れて煮沸後、多透孔薄板(たとえばアルミニューム箔または樹脂板)の両端を持ち取り出して食器に移し、多透孔薄板(たとえばアルミニューム箔または樹脂板)を抜去すると調理品が崩壊しない。
【0009】
また、焼き網や金属板に本発明の多透孔薄板(たとえばアルミニューム箔または樹脂板)を敷き、ギョーザや魚等の調理品を乗せて焼いた後、多透孔薄板(たとえばアルミニューム箔または樹脂板)の両端を持ち食器に移し、多透孔薄板(たとえばアルミニューム箔または樹脂板)を抜去すると調理品が崩壊せず、また、抜去しなければ食品残渣を抱合して廃棄できる。
【0010】
本発明の多透孔薄板を焼き網や金属板に敷き調理品を焼く際、熱源からの熱は多数の透孔を通じて上部へ熱伝導し、焼き網やフライパンに調理品の焦げた残渣が膠着しないので、焼き網やフライパンの洗浄が簡単であり、また、魚など残渣が生じる調理品では、多透孔薄板(たとえばアルミニューム箔または樹脂板)に乗せた状態で食器に移すと、
【0011】
食後の残渣を多透孔薄板(たとえばアルミニューム箔または樹脂板)に内包したまま廃棄できて便利であり、落し蓋として使用する場合には、鍋の内径大に多透孔薄板(たとえばアルミニューム箔または樹脂板)を切断し、利用すると使い捨てとなり衛生的であり便利である。
【0012】
請求項2の発明によれば、焼き網や金属板に、凹溝凸山を交互に多数有する多透孔薄板(たとえばアルミニューム箔または樹脂板)を敷き、各凸頂部に渡り調理品を乗せて焼くと、調理品からの脂が凹溝へ流れ落ち脂が調理品に付着せず、味わいが向上し、また、凹溝の幅を変化させて火元からの距離を変化させると火力調節が容易になり焼過ぎや焼きむらが減少する。
【0013】
請求項3の発明によれば、円筒形状部材の長手方向に多透孔薄板を巻き付けて収納しておけば、必要量を切断して使用できる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、方形形状の薄い板状部材に多数の透孔(1)を設けて多透孔薄板(2)を構成し、当該多透孔薄板(2)を円筒形状部材(A)に巻きつけ収納しておき、必要量を切断して使用する。
【0015】
また、やや厚手の多透孔薄板(2)に凸山(4)と凹溝(5)を規則的に多数設け、凸山(4)と凹溝(5)を交互に多数有する波型多透孔薄板(3)を構成する。
本発明は以上のような構造で、これを使用するときは、図2に示すように、凸山(4)と凹溝(5)を交互に多数有する多透孔薄板(2)を焼網(B)から落下しない角度に置き、
【0016】
多数の凸山(4)の上に調理品(E)をのせて調理することで脂(C)が垂下し調理品(E)が脂(C)に浸漬しない。
また、波型多透孔薄板(3)を波状方向に伸縮し凸山(4)と凹溝(5)の高さを変化させて熱源(D)から距離を変化させることで熱線(F)の量を調節することが出来る。
【0017】
図3に示すように、多透孔薄板(2)を必要量切断し、鍋(H)の底に敷いた上に調理品(E)をおき、調理後は多透孔薄板(2)の両端を持ち上げて食器へ移し、多透孔薄板(2)を抜去して盛り付け、または、抜去しなくて盛り付けてもよい。
また、多透孔薄板(2)を必要量切断し調理品(E)上に乗せて落とし蓋(G)として用いることが出来る。
【0018】
図4に示すように、鉄板(I)の上に多透孔薄板(2)を敷いて調理品(E)を置き、調理後は多透孔薄板(2)の両端を持ち食器へ移し、多透孔薄板(2)を抜去しても盛り付け、または、抜去せず盛り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の、(A)多透孔薄板の斜視図、(B)は凸山と凹溝(5)を交互に多数有する波型多透孔薄板の斜視図である。
【図2】この発明の、波型多透孔薄板を用いた調理状態を示す斜視図である。
【0020】
【図3】この発明の、多透孔薄板を鍋底に敷いて用いる方法と、落し蓋に用いる状態を示す断面斜視図である。
【図4】この発明の、多透孔薄板を鉄板に敷いて調理する状態を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
A 円筒形状部材
B 焼網
C 脂
D 熱源
E 調理品
F 熱線
G 落とし蓋
H 鍋
I 鉄板
1 透孔
2 多透孔薄板
3 波型多透孔薄板
4 凸山
5 凹溝


【特許請求の範囲】
【請求項1】
方形形状の薄い板状部材に丸形状、または、多角形状の多数の透孔を設けた多透孔薄板。
【請求項2】
前記多透孔薄板は凹溝凸山を交互に多数有することを特徴とする、請求項1に記載の多透孔薄板。
【請求項3】
前記多透孔薄板は円筒形状部材に巻きつけて収納することを特徴とする、請求項1に記載の多透孔薄板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−65770(P2012−65770A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211884(P2010−211884)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(500536249)
【Fターム(参考)】