説明

天然ガス液化用の改良された駆動装置及びコンプレッサシステム

【課題】熱効率を向上させた天然ガス液化システム、熱回収システムを提供する。
【解決手段】(a)第1のガスタービン700を使用して第1のコンプレッサ268,256,234及び第2のコンプレッサ270,258,236を駆動し、これによって各コンプレッサ内の第1及び第2の冷媒をそれぞれ圧縮する段階と、(b)第2のガスタービン702を使用して第3のコンプレッサ及び第4のコンプレッサを駆動し、これによって各コンプレッサ内の前記第1及び第2の冷媒をそれぞれ圧縮する段階と、(c)前記第1及び第2のガスタービンの少なくとも1つから廃熱を回収する段階と、(d)前記回収された廃熱の少なくとも一部を使用して第1のスチームタービン704に動力を部分的に供給する段階と、(e)前記第1のスチームタービン704によって駆動される第5のコンプレッサ内の第3の冷媒を圧縮する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天然ガスを液化する方法と装置に関する。別の実施態様において、本発明はカスケード型天然ガス液化プラント用の改良された駆動装置及びコンプレッサの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガスの極低温液化は、天然ガスを輸送と貯蔵により便利な形に変換する手段として日常的に実施されている。このような液化は体積を約600分の1に低減し、大気圧近くで貯蔵と輸送ができる製品をもたらしている。
【0003】
貯蔵のし易さに関して、天然ガスはしばしば供給源から遠方のマーケットへパイプラインによって輸送される。パイプラインは実質的に一定でかつ高い負荷率のもとで運転することが望ましいが、パイプラインの配送可能量又は能力が需要を超えることがしばしばあり、一方、それ以外の場合は需要がパイプラインの配送可能量を超える可能性がある。需要が供給を超えるピーク又は供給が需要を超える谷間を削減するためには、供給が需要を超える場合は、配送できるようなやり方で過剰なガスを貯蔵することが望ましい。このようなやり方によって貯蔵から払い出した物質で将来の需要ピークを満たすことが可能になる。こうするための1つの実際的な手段は、貯蔵のためそのガスを液化状態に変換し、その後需要の要求に応じてその液体を蒸発させることである。
【0004】
市場候補地から非常に遠く離れている供給源からガスを輸送し、かつパイプラインが利用できないか又は非実際的である場合には、天然ガスの液化はいっそう重要性が増す。このことは、外航船舶によって輸送を行わなければならない場合について特に言えることである。ガス状態での海上輸送は、ガスの比容積を大幅に低減するにはかなりの加圧が必要になるので、一般に実際的でない。このような加圧を行うにはより費用の掛かる貯蔵コンテナの使用が必要である。
【0005】
天然ガスを液体状態で貯蔵、輸送するために、天然ガスは、液化天然ガス(LNG)が大気圧に近い蒸気圧を持つ−151℃から−162℃(華氏−240度から−260度)の温度に冷却することが好ましい。高圧のガスを複数の冷却段階に段階的に通し、その結果、液化温度に達するまで、ガスが連続的により低い温度に冷却されることによりガスが液化される天然ガスの液化については従来技術において多数のシステムが存在する。冷却は一般に、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、メタン、窒素又はこれら冷媒の組み合わせ(たとえば、混合冷媒系)等の1つ又は複数の冷媒と熱交換することにより達成される。本発明に特に適用できる液化手法は、最終冷凍サイクルには開放メタンサイクルを用いている。この開放メタンサイクルでは、加圧されたLNGを含む流れがフラッシュされ、フラッシュ蒸気(すなわち、フラッシュガス流)が冷却剤として段階的に用いられ、再圧縮、冷却され、処理された天然ガス供給原料流と一緒になって液化され、これによって加圧されたLNGを含む流れを生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
天然ガス液化プラントを設計する場合に考慮しなければならない5つの重要な経済的要因がある。すなわち、1)設備費、2)運転費、3)稼働率、4)生産効率、及び5)熱効率の5つである。設備費及び運転費は、プロジェクトの経済的可能性を分析するのに用いられる共通の経済的基準である。しかしながら、稼働率、生産効率、及び熱効率は、ある一定速度である一定量の製品を製造するために複雑な機器類と熱エネルギーを用いる各プロジェクトに適用する条件としてはそれほど一般的ではない。天然ガス液化の分野では、「稼働率」は、プラントが稼動している間に生産されるLNGの量は度外視して、プラントが稼動している(すなわち、LNGを製造している)時間量の1つの尺度にすぎない。LNGプラントの「生産効率」は、プラントが稼動し、設計能力一杯で製造している時間の尺度である。LNGプラントの「熱効率」は、ある一定量のLNGを製造するのに要するエネルギー量の1つの尺度である。
【0007】
LNGプラントのコンプレッサ及び機械的駆動装置の構成(たとえば、ガスタービン、スチームタービン、電動機等)は、そのプラントの設備費、運転費、稼働率、生産効率、及び熱効率に大きく影響する。一般に、LNGプラントのコンプレッサ及び駆動装置の数が増加するにつれて、プラントがより長期間の間運転を維持する能力のためにプラントの稼働率も増加する。このような稼働率の増加は、冷凍サイクルの各コンプレッサが並列になって冷凍サイクルに連結され、その結果1つのコンプレッサが停止しても冷凍サイクルは製造能力を落として運転を継続することができる「2系列を1つにする」設計によって実現することができる。多くの「2系列を1つにする」設計において要求される冗長性の欠点の1つは、コンプレッサ及び駆動装置の数を増加しなければならないことにあり、これによってプロジェクトの設備費が増加する。
【0008】
LNGプラントのある熱生成運転から熱を回収し、回収した熱をプラントの熱消費運転に移動させることによって、天然ガス液化プラントの熱効率を増加できることが知られている。しかしながら、熱回収システムに必要な機器、配管、及び建設の費用の追加によって、LNGプラントの設備費は著しく増加する。
【0009】
それゆえ、すべてのLNGプラント設計について設備費、運転費、稼働率、生産効率、及び熱効率の間のバランスが存在することが容易に明白となるだろう。経済的に競争力のあるLNGプラントを実現する鍵は、設備費、運転費、稼働率、生産効率、及び熱効率の間の最適バランスを用いる設計を提供することである。
【0010】
稼働率、生産効率、及び熱効率を最大にしながら設備費及び運転費を最小限にする最適な駆動装置及びコンプレッサの構成を有する新規な天然ガス液化システムを提供することが望ましい。
【0011】
さらにまた、設備費又は運転費を大幅に追加せずに熱効率を大きく向上させる廃熱回収システムを有する新規な天然ガス液化システムを提供することが望ましい。
【0012】
上記の各要求は模範的なものであり、請求された発明によってすべてを達成する必要は無いことに注意すべきである。本発明のその他の目的及び利益は成文化された説明及び図面から明白になろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明の1つの実施形態において、(a)第1のガスタービンを使用して第1のコンプレッサを駆動し、これによって第1の冷凍サイクルの第1の冷媒を圧縮する段階と、(b)第2のガスタービンを使用して第2のコンプレッサを駆動し、これによって上記第1の冷凍サイクルの第1の冷媒を圧縮する段階と、(c)第1のスチームタービンを使用して第3のコンプレッサを駆動し、これによって第2の冷凍サイクルの第2の冷媒を圧縮する段階と、(d)第2のスチームタービンを使用して第4のコンプレッサを駆動し、これによって上記第2の冷凍サイクルの第2の冷媒を圧縮する段階とを含む天然ガスの液化方法が提供される。
【0014】
本発明の別の実施形態においては、(a)第1のガスタービンを使用して第1のコンプレッサ及び第2のコンプレッサを駆動し、これによって上記第1及び第2のコンプレッサ内の第1及び第2の冷媒をそれぞれ圧縮する段階と、(b)第2のガスタービンを使用して第3のコンプレッサ及び第4のコンプレッサを駆動し、これによって上記第3及び第4のコンプレッサ内の上記第1及び第2の冷媒をそれぞれ圧縮する段階と、(c)上記第1及び第2のガスタービンの少なくとも1つから廃熱を回収する段階と、(d)上記回収された廃熱の少なくとも一部を使用して第1のスチームタービンに動力を供給する手助けをする段階と、(e)上記第1のスチームタービンによって駆動される第5のコンプレッサ内の第3の冷媒を圧縮する段階とを含む天然ガスの液化方法が提供される。
【0015】
本発明のさらに別の実施形態においては、(a)第1の冷媒を第1のガスタービンで駆動される第1のコンプレッサ内で圧縮する段階と、(b)上記第1のガスタービンから廃熱を回収する段階と、(c)上記第1のガスタービンから回収された廃熱の少なくとも一部を使用して第1のスチームタービンに動力を供給する手助けをする段階と、(d)大部分がメタンを含む第2の冷媒を上記第1のスチームタービンで駆動される第2のコンプレッサ内で圧縮する段階とを含む天然ガスの液化方法が提供される。
【0016】
本発明のさらに別の実施形態においては、(a)大部分が、プロパン、プロピレン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つの炭化水素を含む第1の冷媒を、第1のタービンで駆動される第1のコンプレッサ内で圧縮する段階と、(b)大部分が、エタン、エチレン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つの炭化水素を含む第2の冷媒を、上記第1のタービンで駆動される第2のコンプレッサ内で圧縮する段階と、(c)第1の冷却器内の上記第1の冷媒を使用して天然ガスを冷却する段階と、(d)第2の冷却器内の上記第2の冷媒を使用して天然ガスを冷却する段階とを含む天然ガスの液化方法が提供される。
【0017】
本発明のさらに別の実施形態においては、(a)天然ガスの少なくとも一部を第1の冷媒として使用して上記天然ガスを冷却する段階と、(b)上記第1の冷媒の少なくとも一部を、第1のスチームタービンで駆動される第1群のコンプレッサで圧縮する段階と、(c)上記第1の冷媒の少なくとも一部を、第2のスチームタービンで駆動される第2群のコンプレッサで圧縮する段階とを含む天然ガスの液化方法が提供される。
【0018】
本発明のさらに別の実施形態においては、複数冷媒を用いて天然ガスを多段階で冷却する天然ガス液化装置が提供される。この装置は第1、第2、第3、第4及び第5のコンプレッサ、第1及び第2のガスタービン、第1のスチームタービン及び熱回収システムを備えている。上記第1及び第3のコンプレッサは第1の冷媒を圧縮するように動作可能であり、上記第2及び第4のコンプレッサは第2の冷媒を圧縮するように動作可能であり、上記第5のコンプレッサは第3の冷媒を圧縮するように動作可能である。上部第1のガスタービンは上記第1及び第2のコンプレッサを駆動し、上記第2のガスタービンは上記第3及び第4のコンプレッサを駆動し、上記第1のスチームタービンは上記第5のコンプレッサを駆動する。上記熱回収システムは、上記第1及び第2のガスタービンの少なくとも1つから廃熱を回収し、上記回収された廃熱を使用して上記第1のスチームタービンに動力を供給する手助けをするように動作可能である。
【0019】
本発明のさらに別の実施形態においては、天然ガスの少なくとも一部を第1の冷媒として用いる天然ガス液化装置が提供される。上記装置は第1及び第2の各スチームタービン並びに第1群及び第2群の各コンプレッサを備える。上記第1群のコンプレッサは上記第1のスチームタービンで駆動され、上記第1の冷媒の少なくとも一部を圧縮するように動作可能である。上記第2群のコンプレッサは上記第2のスチームタービンで駆動され、上記第1の冷媒の少なくとも一部を圧縮するように動作可能である。
【0020】
本発明のさらに具体的な実施形態は以下のとおりである。
[1]
(a)第1のガスタービンを使用して第1のコンプレッサを駆動し、これによって第1の冷凍サイクルの第1の冷媒を圧縮する段階と、
(b)第2のガスタービンを使用して第2のコンプレッサを駆動し、これによって前記第1の冷凍サイクルの第1の冷媒を圧縮する段階と、
(c)第1のスチームタービンを使用して第3のコンプレッサを駆動し、これによって第2の冷凍サイクルの第2の冷媒を圧縮する段階と、
(d)第2のスチームタービンを使用して第4のコンプレッサを駆動し、これによって前記第2の冷凍サイクルの第2の冷媒を圧縮する段階とを含む天然ガスの液化方法。
[2]
(e)前記第1のガスタービンを使用して第5のコンプレッサを駆動し、これによって第3の冷媒を圧縮する段階と、
(f)前記第2のガスタービンを使用して第6のコンプレッサを駆動し、これによって前記第3の冷媒を圧縮する段階とを含む[1]に記載の方法。
[3]
前記第2及び第3の冷媒は実質的に異なった組成を有する[2]に記載の方法。
[4]
前記1及び第3の冷媒は実質的に異なった組成を有する[2]に記載の方法。
[5]
前記第1の冷媒は大部分がプロパンを含む[4]に記載の方法。
[6]
前記第2の冷媒は大部分がメタンを含み、前記第3の冷媒は大部分がエチレンを含む[5]に記載の方法。
[7]
前記第1の冷媒サイクルは密閉冷媒サイクルである[1]に記載の方法。
[8]
前記第2の冷媒サイクルは開放冷媒サイクルである[7]に記載の方法。
[9]
前記第1及び第2のコンプレッサは並列になって前記第1の冷凍サイクルに連結され、前記第3及び第4のコンプレッサは並列になって前記第2の冷凍サイクルに連結されている[1]に記載の方法。
[10]
(g)前記第1及び第2のガスタービンの少なくとも1つから廃熱を回収する段階と、
(h)前記回収された廃熱の少なくとも一部を使用して前記第1及び第2のスチームタービンの少なくとも1つに動力を供給する手助けをする段階とを含む[1]に記載の方法。
[11]
(g)前記第1及び第2のガスタービンの両方から廃熱を回収する段階と、
(h)前記回収された廃熱の少なくとも一部を使用して前記第1及び第2のスチームタービンに動力を供給する手助けをする段階とを含む[1]に記載の方法。
[12]
(k)第3のスチームタービンを使用して前記第1のコンプレッサの駆動を助ける段階と、
(l)第4のスチームタービンを使用して前記第2のコンプレッサの駆動を助ける段階とを含む[1]に記載の方法。
[13]
(a)第1のガスタービンを使用して第1のコンプレッサ及び第2のコンプレッサを駆動し、これによって前記第1及び第2のコンプレッサ内の第1及び第2の冷媒をそれぞれ圧縮する段階と、
(b)第2のガスタービンを使用して第3のコンプレッサ及び第4のコンプレッサを駆動し、これによって前記第3及び第4のコンプレッサ内の前記第1及び第2の冷媒をそれぞれ圧縮する段階と、
(c)前記第1及び第2のガスタービンの少なくとも1つから廃熱を回収する段階と、
(d)前記回収された廃熱の少なくとも一部を使用して第1のスチームタービンに動力を供給する手助けをする段階と、
(e)前記第1のスチームタービンによって駆動される第5のコンプレッサ内の第3の冷媒を圧縮する段階とを含む天然ガスの液化方法。
[14]
前記第1、第2及び第3の各冷媒はそれぞれ第1、第2及び第3の異なった炭化水素を50モル%以上含む[13]に記載の方法。
[15]
前記第1の炭化水素はプロパン又はプロピレンであり、前記第2の炭化水素はエタン又はエチレンであり、前記第3の炭化水素はメタンである[14]に記載の方法。
[16]
前記第1、第2及び第3の各冷媒はそれぞれ前記第1、第2及び第3の炭化水素を75モル%以上含む[15]に記載の方法。
[17]
前記第1及び第3のコンプレッサは並列になって第1の冷凍サイクルに連結され、前記第2及び第4のコンプレッサは並列になって第2の冷凍サイクルに連結されている[13]に記載の方法。
[18]
(f)前記回収された廃熱の少なくとも一部を使用して第2のスチームタービンに動力を供給する手助けをする段階と、
(g)前記第2のスチームタービンによって駆動される第6のコンプレッサ内の前記第3の冷媒を圧縮する段階とを含む[13]に記載の方法。
[19]
前記第1及び第3のコンプレッサは並列になって第1の冷凍サイクルに連結され、前記第2及び第4のコンプレッサは並列になって第2の冷凍サイクルに連結され、前記第5及び第6のコンプレッサは並列になって第3の冷凍サイクルに連結されている[18]に記載の方法。
[20]
(h)前記第1のスチームタービンによって駆動される第7及び第8のコンプレッサ内の前記第3の冷媒を圧縮する段階と、
(i)前記第2のスチームタービンによって駆動される第9及び第10のコンプレッサ内の前記第3の冷媒を圧縮する段階とを含む[19]に記載の方法。
[21]
前記第5、第7及び第8のコンプレッサは直列になって前記第3の冷凍サイクルに連結され、前記第6、第9及び第10のコンプレッサは直列になって前記第3の冷凍サイクルに連結されている[20]に記載の方法。
[22]
前記第5、第7及び第8のコンプレッサは、前記第6、第9及び第10のコンプレッサと並列になって前記第3の冷凍サイクルに連結されている[21]に記載の方法。
[23]
前記第1の冷媒は大部分がプロパンを含み、前記第2の冷媒は大部分がエチレンを含み、前記第3の冷媒は大部分がメタンを含む[22]に記載の方法。
[24]
(j)前記第3の冷媒の少なくとも一部を前記天然ガスと一緒にする段階を含む[13]に記載の方法。
[25]
(k)天然ガスの少なくとも一部を開放メタン冷凍サイクルにおける前記第3の冷媒として使用する段階を含む[13]に記載の方法。
[26]
(l)前記第1及び第2の冷媒で前記第3の冷媒を冷却する段階を含む[13]に記載の方法。
[27]
前記プロセスはカスケード式の天然ガス液化プロセスである[13]に記載の方法。
[28]
(a)第1の冷媒を第1のガスタービンで駆動される第1のコンプレッサ内で圧縮する段階と、
(b)前記第1のガスタービンから廃熱を回収する段階と、
(c)前記第1のガスタービンから回収された廃熱の少なくとも一部を使用して第1のスチームタービンに動力を供給する手助けをする段階と、
(d)大部分がメタンを含む第2の冷媒を前記第1のスチームタービンで駆動される第2のコンプレッサ内で圧縮する段階とを含む天然ガスの液化方法。
[29]
前記第1の冷媒は大部分が、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つの炭化水素を含む[28]に記載の方法。
[30]
前記第1の冷媒は大部分がプロパン又はプロピレンを含み、前記第2の冷媒はメタンを少なくとも約75モル%含む[28]に記載の方法。
[31]
(e)第1の冷却器内の前記第1の冷媒で天然ガスを冷却する段階と、
(f)前記第1の冷却器の下流において、エコノマイザ内で前記第2の冷媒を使用して天然ガスを冷却する段階とを含む[28]に記載の方法。
[32]
(g)第3の冷媒を第2のガスタービンで駆動される第3のコンプレッサ内で圧縮する段階と、
(h)前記第2のガスタービンから廃熱を回収する段階と、
(i)第2のガスタービンから回収された廃熱の少なくとも一部を使用して前記第1のスチームタービンに動力を供給する手助けをする段階とを含む[31]に記載の方法。
[33]
(j)前記第1の冷却器の下流かつ前記エコノマイザの上流において、第2の冷却器内で前記第3の冷媒を使用して天然ガスを冷却する段階を含む[32]に記載の方法。
[34]
前記第1の冷媒は大部分がプロパン又はプロピレンを含み、前記第2の冷媒は大部分がメタンを含み、前記第3の冷媒は大部分がエタン又はエチレンを含む[33]に記載の方法。
[35]
(k)前記第2の冷却器の下流で、第2の冷媒として使用するために天然ガスの少なくとも一部を分離する段階を含む[34]に記載の方法。
[36]
(h)前記第3の冷媒の少なくとも一部を、前記第1のガスタービンで駆動される第4のコンプレッサ内で圧縮する段階と、
(m)前記第1の冷媒の少なくとも一部を、前記第2のガスタービンで駆動される第5のコンプレッサ内で圧縮する段階とを含む[33]に記載の方法。
[37]
(n)前記第1のガスタービンから回収された廃熱の少なくとも一部を使用して第2のスチームタービンに動力を供給する手助けをする段階と、
(o)前記第2の冷媒の少なくとも一部を、前記第2のスチームタービンで駆動される第6のコンプレッサ内で圧縮する段階とを含む[28]に記載の方法。
[38]
(p)前記第2の冷媒の少なくとも一部を、前記第1のスチームタービンで駆動される第7及び第8のコンプレッサ内で圧縮する段階と、
(q)前記第2の冷媒の少なくとも一部を、前記第2のスチームタービンで駆動される第9及び第10のコンプレッサ内で圧縮する段階とを含む[37]に記載の方法。
[39]
前記第1の冷媒は大部分がプロパンを含み、前記第2の冷媒は大部分がメタンを含み、前記第3の冷媒は大部分がエチレンを含む[38]に記載の方法。
[40]
(a)大部分が、プロパン、プロピレン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つの炭化水素を含む第1の冷媒を、第1のタービンで駆動される第1のコンプレッサ内で圧縮する段階と、
(b)大部分が、エタン、エチレン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つの炭化水素を含む第2の冷媒を、前記第1のタービンで駆動される第2のコンプレッサ内で圧縮する段階と、
(c)第1の冷却器内の前記第1の冷媒を使用して天然ガスを冷却する段階と、
(d)第2の冷却器内の前記第2の冷媒を使用して天然ガスを冷却する段階とを含む天然ガスの液化方法。
[41]
(e)前記第1の冷媒の少なくとも一部を、第2のタービンで駆動される第3のコンプレッサ内で圧縮する段階と、
(f)前記第2の冷媒の少なくとも一部を、前記第2のタービンで駆動される第4のコンプレッサ内で圧縮する段階を含む[40]に記載の方法。
[42]
前記第1及び第2のタービンはガス駆動タービンである[41]に記載の方法。
[43]
エコノマイザ内で天然ガスの一部を第3の冷媒として使用して天然ガスを冷却する段階を含む[42]に記載の方法。
[44]
(h)前記第3の冷媒の少なくとも一部を、スチーム駆動タービンである第3のタービンで駆動される第5のコンプレッサ内で圧縮する段階を含む[43]に記載の方法。
[45]
(i)前記第1及び第2のタービンの少なくとも1つから廃熱を回収する段階と、
(j)前記回収された廃熱の少なくとも一部を使用して前記第3のタービンに動力を供給する手助けをする段階とを含む[44]に記載の方法。
[46]
前記第2の冷却器は前記第1の冷却器の下流に配置され、前記エコノマイザは前記第2の冷却器の下流に配置されている[45]に記載の方法。
[47]
前記第1の冷媒は大部分がプロパンを含み、前記第2の冷媒は大部分がエチレンを含み、前記第3の冷媒は大部分がメタンを含む[46]に記載の方法。
[48]
(k)前記第3の冷媒の少なくとも一部を、スチーム駆動タービンである第4のタービンで駆動される第6のコンプレッサ内で圧縮する段階を含む[47]に記載の方法。
[49]
(a)天然ガスの一部を第1の冷媒として使用して前記天然ガスを冷却する段階と、
(b)前記第1の冷媒の少なくとも一部を、第1のスチームタービンで駆動される第1群のコンプレッサで圧縮する段階と、
(c)前記第1の冷媒の少なくとも一部を、第2のスチームタービンで駆動される第2群のコンプレッサで圧縮する段階とを含む天然ガスの液化方法。
[50]
前記第1群及び第2群の各コンプレッサは、並列になって第1の冷凍サイクルに連結されている[49]に記載の方法。
[51]
前記第1群のコンプレッサは、直列になって前記第1の冷凍サイクルに連結された少なくとも2つの個別のコンプレッサを含み、前記第2群のコンプレッサは、直列になって前記第1の冷凍サイクルに連結された少なくとも2つの個別のコンプレッサを含む[50]に記載の方法。
[52]
段階(b)は、前記第1群のコンプレッサの個別のコンプレッサを実質的に同一速度で回転させること含み、段階(c)は、前記第2群のコンプレッサの個別のコンプレッサを実質的に同一速度で回転させることを含む[51]に記載の方法。
[53]
前記第1群のコンプレッサの隣接する個別のコンプレッサは、ギアボックスを使用せずに駆動系がお互いに結合されており、前記第2群のコンプレッサの隣接する個別のコンプレッサは、ギアボックスを使用せずに駆動系がお互いに結合されている[49]に記載の方法。
[54]
前記第1群のコンプレッサは、直列になって第1の冷凍サイクルに連結された少なくとも3つの個別のコンプレッサを含み、前記第2群のコンプレッサは、直列になって前記第1の冷凍サイクルに連結された少なくとも3つの個別のコンプレッサを含む[53]に記載の方法。
[55]
(d)第2の冷媒を第1のガスタービンで駆動される第2の冷媒コンプレッサで圧縮する段階と、
(e)前記第2の冷媒で前記天然ガスを冷却する段階と、
(f)前記第1のガスタービンからの廃熱を回収する段階と、
(g)前記回収された廃熱を使用して前記第1及び第2のスチームタービンの少なくとも1つに動力を供給する手助けをする段階とを含む[49]に記載の方法。
[56]
前記第1の冷媒は大部分がメタンを含み、前記第2の冷媒は大部分が、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つの炭化水素を含む[55]に記載の方法。
[57]
(a)蒸気発生器で高圧水蒸気を発生する段階と、
(b)前記高圧水蒸気の第1の部分を使用して、第1のガスタービンに駆動系が結合された第1のスタータスチームタービンに動力を供給する段階と、
(c)前記高圧水蒸気の第2の部分を使用して、第2のガスタービンに駆動系が結合された第2のスタータスチームタービンに動力を供給する段階と、
(d)前記高圧水蒸気の第3の部分を使用して、第1群のコンプレッサに駆動系が結合された第1のメインスチームタービンに動力を供給する段階と、
(e)前記高圧水蒸気の第4の部分を使用して、第1群のコンプレッサに駆動系が結合された第2のメインスチームタービンに動力を供給する段階とを含むLNGプラントの立ち上げ方法。
[58]
多段階で天然ガスを冷却する複数冷凍サイクルにおいて複数冷媒を用いる天然ガス液化装置であって、
第1の冷凍サイクルの第1の冷媒を圧縮する第1のコンプレッサと、
第2の冷凍サイクルの第2の冷媒を圧縮する第2のコンプレッサと、
前記第1及び第2のコンプレッサを駆動する第1のガスタービンと
前記第1の冷凍サイクルの前記第1の冷媒を圧縮する第3のコンプレッサと、
前記第2の冷凍サイクルの前記第2の冷媒を圧縮する第4のコンプレッサと、
前記第3及び第4のコンプレッサを駆動する第2のガスタービンと、
第3の冷凍サイクルの第3の冷媒を圧縮する第5のコンプレッサと、
前記第5のコンプレッサを駆動する第1のスチームタービンと、
前記第1及び第2のガスタービンの少なくとも1つから廃熱を回収し、前記回収された廃熱を使用して前記第1のスチームタービンに動力を供給する手助けをする熱回収システムとを備える装置。
[59]
前記第1のガスタービンは排気出口を備え、前記第1のスチームタービンは水蒸気入口を備え、前記熱回収システムは、前記第1のガスタービンの前記排気出口に流体の流れが結合された第1の側及び前記第1のスチームタービンの前記水蒸気入口に流体の流れが結合された第2の側を有する間接熱交換器を備える[58]に記載の装置。
[60]
前記第1及び第3のコンプレッサの流体の流れは並列になって前記第1の冷凍サイクルに連結され、前記第2及び第4のコンプレッサの流体の流れは並列になって前記第2の冷凍サイクルに連結されている[58]に記載の装置。
[61]
前記第3の冷凍サイクルの前記第3の冷媒を圧縮する第6のコンプレッサと、
前記第6のコンプレッサを駆動する第2のスチームタービンとを備える[60]に記載の装置。
[62]
前記第5及び第6のコンプレッサの流体の流れは並列になって前記第3の冷凍サイクルに連結されている[61]に記載の装置。
[63]
前記第1のスチームタービンによって駆動され、前記第3の冷媒を圧縮する第7のコンプレッサと、前記第2のスチームタービンによって駆動され、前記第3の冷媒を圧縮する第8のコンプレッサとを備える[62]に記載の装置。
[64]
前記第1のスチームタービンによって駆動され、前記第3の冷媒を圧縮する第9のコンプレッサと、前記第2のスチームタービンによって駆動され、前記第3の冷媒を圧縮する第10のコンプレッサとを備える[63]に記載の装置。
[65]
前記第5、第7及び第9のコンプレッサの流体の流れは直列になって前記第3の冷凍サイクルに連結され、前記第6、第8及び第10のコンプレッサの流体の流れは直列になって前記第3の冷凍サイクルに連結されている[64]に記載の装置。
[66]
前記第5、第7及び第9のコンプレッサの流体の流れは前記第6、第8及び第10のコンプレッサの流体の流れと並列になって前記第3の冷凍サイクルに連結されている[65]に記載の装置。
[67]
第1の冷凍サイクルの第1の冷媒を用いて天然ガス冷却の手助けをする天然ガス液化装置であって、
第1のスチームタービンと、
前記第1のスチームタービンで駆動され、前記第1の冷媒の少なくとも一部を圧縮するように動作可能である第1群のコンプレッサと、
第2のスチームタービンと、
前記第2のスチームタービンで駆動され、前記第1の冷媒の少なくとも一部を圧縮するように動作可能である第2群のコンプレッサとを含む装置。
[68]
前記第1群のコンプレッサは、直列になって前記第1の冷凍サイクルに連結された少なくとも2つの個別のコンプレッサを含み、前記第2群のコンプレッサは、直列になって前記第1の冷凍サイクルに連結された少なくとも2つの個別のコンプレッサを含む[67]に記載の装置。
[69]
前記第1群のコンプレッサの個別のコンプレッサは、前記第1のスチームタービンによって駆動される場合に、前記第1群のコンプレッサの個別のコンプレッサが全て実質的に同一速度で回転することを要するように駆動系がお互いに結合されており、前記第2群のコンプレッサの個別のコンプレッサは、前記第2のスチームタービンによって駆動される場合に、前記第2群のコンプレッサの個別のコンプレッサが全て実質的に同一速度で回転することを要するように駆動系がお互いに結合されている[68]に記載の装置。
[70]
前記第1群のコンプレッサ及び第2群のコンプレッサは、並列になって前記第1の冷凍サイクルに連結されている[68]に記載の装置。
[71]
前記第1の冷媒は大部分がメタンを含む[70]に記載の装置。
[72]
前記第1群のコンプレッサの個別のコンプレッサは、ギアボックスを使用せずに駆動系が相互に結合されており、前記第2群のコンプレッサの個別のコンプレッサは、ギアボックスを使用せずに駆動系が相互に結合されている[68]に記載の装置。
[73]
前記第1群のコンプレッサは、直列になって前記第1の冷凍サイクルに連結された少なくとも3つの個別のコンプレッサを含み、前記第2群のコンプレッサは、直列になって前記第1の冷凍サイクルに連結された少なくとも3つの個別のコンプレッサを含む[72]に記載の装置。
[74]
前記第1の冷媒はメタンを少なくとも75モル%含む[73]に記載の装置。
[75]
(m)段階(a)〜(d)によって製造された液化天然ガスを気化させる段階を含む[1]に記載の方法。
[76]
(m)段階(a)〜(e)によって製造された液化天然ガスを気化させる段階を含む[13]に記載の方法。
[77]
(r)段階(a)〜(d)によって製造された液化天然ガスを気化させる段階を含む[28]に記載の方法。
[78]
(l)段階(a)〜(d)によって製造された液化天然ガスを気化させる段階を含む[40]に記載の方法。
[79]
(h)段階(a)〜(c)によって製造された液化天然ガスを気化させる段階を含む[49]に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】新規な駆動装置/コンプレッサシステムの構成及び熱回収システムを用いるLNG製造用のカスケード冷凍プロセスの簡略流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を以下に詳細に説明する。
【0023】
本明細書で用いられている開放サイクルカスケード冷凍プロセスの用語は、少なくとも1つの密閉冷凍サイクルと、開放サイクルで用いられた冷凍/冷却剤の沸点が、(1つ又は複数の)密閉サイクルで用いられた冷凍剤の沸点よりも低く、圧縮された開放サイクルの冷凍/冷却剤を凝縮する冷却負荷の一部が1つ又は複数の密閉サイクルによって供給される1つの開放冷凍サイクルとを含むカスケードされた冷凍プロセスを指している。本発明においては、メタン又はメタンが主体の流れが開放サイクルの冷凍/冷却剤として用いられる。この流れは処理された天然ガス供給原料流及び圧縮されたメタン開放サイクルのガス流からなっている。
【0024】
カスケード冷凍プロセスの設計には、熱力学的効率と資本コストの釣り合いをとることが含まれる。熱移動プロセスにおいて、加熱流体と冷却流体間の温度勾配が小さくなるにつれ熱力学的不可逆性は低下するが、このように小さな温度勾配を得るには一般に、両方の流量並びに入口及び出口各温度が所定の加熱/冷却負荷に確実に対応するように、電熱面積の著しい増加、各種プロセス機器の大幅な変更及びこのような機器を通る流量の適正な選択を必要とする。
【0025】
天然ガスを液化する最も効率的かつ効果的な手段の1つが、膨張型冷却と組み合わせた最適化されたカスケード型運転による方法である。このような液化プロセスは、たとえば、約4.30MPa(625psia)の高圧において、多段プロパンサイクル、多段のエタン又はエチレンサイクル、及びメタン供給源として供給ガスの一部を用い、中に多段膨張サイクルを含んでメタンをさらに冷却し、大気圧近くまで圧力を下げる開放端メタンサイクル(open−end methane cycle)を通過させることでガス流を逐次的に冷却することにより天然ガス流を逐次的に冷却することからなっている。一連の冷却サイクルでは、沸点の最も高い冷媒が最初に用いられ、中間沸点の冷媒がこれに続き、沸点の最も低い冷媒が最後に用いられる。本明細書で用いられているように、「プロパン冷却器」の用語は、プロパン又はプロピレンの沸点と同一か又は同様の沸点を有する冷媒を用いる冷却システムを表す。本明細書で用いられているように、「エチレン冷却器」の用語は、エタン又はエチレンの沸点と同一か又は同様の沸点を有する冷媒を用いる冷却システムを表す。本明細書で用いられているように、「上流」及び「下流」の用語は、天然ガス液化プラントの各種構成要素の、プラントの天然ガス流路に沿って見た相対的な位置を説明するのに用いられる。
【0026】
各種の予備処理工程によって、設備に供給される天然ガス供給原料流から酸性ガス、メルカプタン、水銀及び水分等の望ましくない成分を除去する手段が与えられる。このガス流の組成は大幅に変化してもよい。本明細書で用いられているように、天然ガス流は主にメタンからなるどんな流れでもよく、このメタンは大部分が天然ガス供給原料流から生じるものであり、天然ガス供給原料流は、たとえば、メタンを少なくとも85容積%含み、残りがエタン、沸点がより高い炭化水素、窒素、二酸化炭素及び少量の、水銀、硫化水素及びメルカプタン等のその他の汚染物質である供給原料流等である。予備処理工程は、最初のサイクルの冷却サイクルの上流と、冷却の初期段階の1つの下流のどちらにも配置する分割した工程にしてもよい。以下のことは当業者が容易に入手できるいくつかの利用可能な手段の非包括的なリスト項目である。酸性ガス及びより少ない程度にメルカプタンは水性のアミンを含む溶液を用いる吸着プロセスにより慣行的に除去される。この処理工程は一般に最初のサイクルの冷却段階の上流で行われる。最初の冷却サイクルの上流で及び最初の冷却サイクルの第一冷却段階の下流でもガスを圧縮、冷却した後、大部分の水は慣行的に2相のガス−液分離により液体として除去される。水銀は慣行的に水銀吸着床により除去される。残量の水及び酸性ガスは、慣行的に適正に選択した、再生可能なモレキュラーシーブ等の吸収剤床を使用して除去される。
【0027】
予備処理された天然ガス供給原料流は一般に高圧で液化プロセスに供給されるか、又は3.44MPa(500psia)より大きな圧力、好ましくは約3.44MPaから約6.20MPa(約500psiaから約900psia)、さらに好ましくは約3.44MPaから約4.65MPa(約500psiaから約675psia)、さらにより好ましくは約4.13MPaから約4.65MPa(約600psiaから約675psia)、最も好ましくは約4.30MPa(625psia)の高圧に圧縮される。流れの温度は一般に大気温度近くから大気温度よりわずかに高い温度にある。代表的な温度範囲は15.5℃から58.8℃(華氏60度から華氏138度)である。
【0028】
前述したように、天然ガス供給原料流は複数の多段(たとえば、3段)サイクル又は工程で複数の冷媒(好ましくは3つの冷媒)との間接熱交換によって冷却される。あるサイクルの包括的な冷却効率は段の数が増加するとともに向上するが、この効率の増加にはこれに対応した正味の資本コスト及びプロセスの複雑性の増加が伴う。供給原料ガスは、比較的沸点が高い冷媒を用いる最初の密閉冷凍サイクルにおいて有効冷凍段数、規準は2段、好ましくは2から4段、より好ましくは3段を通過することが好ましい。このような冷媒は大部分が、プロパン、プロピレン、又はそれらの混合物からなることが好ましく、冷媒がプロパンを少なくとも約75モル%含むことがより好ましく、プロパンを少なくとも90モル%含むことがさらにより好ましく、本質的にプロパンからなることが最も好ましい。その後、処理された供給原料ガスは、沸点がより低い冷媒との熱交換における2番目の密閉冷凍サイクルにおいて、有効段数、規準は2段、好ましくは2から4段、より好ましくは2から3段を通過することが好ましい。このような冷媒は大部分が、エタン、エチレン、又はそれらの混合物からなることが好ましく、冷媒がエチレンを少なくとも約75モル%含むことがより好ましく、冷媒がエチレンを少なくとも90モル%含むことがさらにより好ましく、本質的にエチレンからなることが最も好ましい。各冷却段は別々の冷却区域を含んでいる。前述したように、処理された天然ガス供給原料流は、2番目のサイクルの種々の位置で1つ又は複数の循環流(すなわち、圧縮された開放メタンサイクルのガス流)と一緒になり、これによって液化流を生成する。2番目の冷却サイクルの最終段において、この液化流は大部分が、好ましくは全体が凝縮(液化)し、これによって加圧されたLNGを含む流れを生成する。一般に、この位置におけるプロセス圧力は、1番目のサイクルの第一段階に送られる予備処理された供給原料ガスの圧力よりもわずかに低いだけに過ぎない。
【0029】
一般に、天然ガス供給原料流は、1つ又は複数の冷却段階においてC及びこれより重質な成分を多く含んだ液体の形成をもたらすような量のC及びこれより重質な成分を含んでいる。この液体はガス−液分離手段、好ましくは1つ又は複数の従来のガス−液分離器によって除去される。メタン中心のガス流並びにかなりの量のエタン及びこれより重質な成分を含む液体流を製造するために、一般に、各段階における天然ガスの逐次的冷却は、液体天然ガスからC及びこれより大きな分子量の炭化水素をできるだけ多く除去するように制御される。C及びこれより重質な成分を多く含んだ液体流の除去のために、冷却区域下流の戦略的な箇所に有効数のガス/液分離手段が配置される。ガス/液分離手段、好ましくは従来のガス/液分離器の正確な位置と数は、天然ガス供給原料流のC及びこれより重質な成分の組成、LNG製品の望ましい英熱量(BTU)含有量、他の用途向けのC及びこれより重質な成分の値、LNGプラント及びガスプラントの運転の当業者が日常的に考えるその他の要因等の運転パラメータの数によって変わってくる。このC及びこれより重質な1つ又は複数の炭化水素流は、単一段フラッシュ又は分留塔により脱メタン化することができる。後者の場合、得られたメタンを多く含んだ流れは、圧力で液化プロセスに直接戻すことができる。前者の場合には、メタンを多く含んだ流れは再加圧して循環させることができ、さもなければ燃料ガスとして使用することができる。C及びこれより重質な1つ若しくは複数の炭化水素流又は脱メタン化したC及びこれより重質な炭化水素流は燃料として使用するか、又は1つ若しくは複数の分留区域で分留する等によってさらに処理して特定の化学成分(たとえば、C、C、C及びC)を多く含んだ個々の流れを生成することができる。
【0030】
加圧されたLNGを含んだ流れは、その後、後で述べるようなやり方で第3サイクルにおいて発生されたフラッシュガス(すなわち、フラッシュガス流)とメインメタンエコノマイザで接触すること及び加圧されたLNGを含む流れを大気圧近くまで膨張させることを通じて開放メタンサイクルと呼ばれる第3のサイクル又は段階でさらに冷却される。この第3の冷凍サイクルの冷媒として使用されるフラッシュガスは大部分が、メタンからなることが好ましく、この冷媒がメタンを少なくとも約75モル%含むことがより好ましく、メタンを少なくとも90モル%含むことがさらにより好ましく、本質的に冷媒がメタンからなることが最も好ましい。加圧されたLNGを含む流れの大気圧近くまでの膨張時に、加圧されたLNGを含む流れは、各膨張処理が圧力低下手段としてジュール−トムソン膨張弁又は流体エキスパンダを用いる、少なくとも1段階、好ましくは2から4段階、より好ましくは3段階の膨張によって冷却される。この膨張の後に分離器によるガス生成物−液生成物の分離が続く。流体エキスパンダが用いられ、適正に運転される場合、動力の回収に伴うより高い効率、より多くの流れ温度の低下、及びフラッシュ段階時のより少ない蒸気生成によって、エキスパンダに伴うより高額の資本及び運転コストが十二分に埋め合わせられることが多い。1つの実施形態において、フラッシュする前の加圧されたLNGを含む流れの冷却を増加させることは、1つ又は複数の流体エキスパンダによりこの流れの一部を最初にフラッシュし、その後、残りの加圧されたLNGを含む流れを、フラッシュする前に前記フラッシュガス流を用いる間接的熱交換手段によって冷却することにより可能になる。加温されたフラッシュガス流は、その後、開放メタンサイクルで、温度と圧力に対する考慮に基づいて適当な位置へ戻すことにより循環され、再圧縮される。
【0031】
第3のサイクルに流入する加圧されたLNGを含む流れ、好ましくは液体流が、約3.79〜4.48MPa(約550〜650psia)の好ましい圧力である場合は、3段階フラッシュ法に対する代表的フラッシュ圧力は、約1,171〜1,447(170〜210)、310〜517(45〜75)及び68.9〜276(10〜40)kPa(psia)である。加圧されたLNGを含む流れ、好ましくは液体流を大気圧近くまでフラッシュすることにより、約−151℃から−162℃(華氏約−240度から−260度)の温度を有するLNG製品が生成される。
【0032】
カスケードプロセスは、天然ガス流から冷媒に熱エネルギーを移送させるために1つ又は複数の冷媒を使用し、最終的には前記熱エネルギーを周囲環境に移送させる。本質的に、全体的な冷凍システムは、天然ガス流がより低い温度へと段々に冷却される際に天然ガス流から熱エネルギーを取り除くことによりヒートポンプとして機能する。
【0033】
液化プロセスは、これに限定はされないが(a)間接的熱交換、(b)蒸発、及び(c)膨張又は圧力低下等が挙げられるいくつかの冷却タイプのうちの1つを用いることができる。本明細書で用いられているように、間接的熱交換は、冷凍剤と被冷却物質の間で実際に物理的に接触することなく、冷媒が被冷却物質を冷却する方法を指している。間接的熱交換手段の特定の例としては管式熱交換器、コアインケトル(core in kettle)式熱交換器、蝋付けされたアルミニウム製プレートフィン式熱交換器で行われる熱交換がある。冷媒と被冷却物質の物理的状態はシステムの要求及び選択した熱交換器のタイプによって変わる可能性がある。それゆえ、管式熱交換器は一般に、冷凍剤が液体状態で被冷却物質が液体状態又はガス状態の場合、又は物質の1つが相変化を受け、プロセスの状態がコアインケトル(core in kettle)式熱交換器の使用に有利で無い場合に用いられる。1つの例として、アルミニウム及びアルミニウム合金はコアの好ましい構成材料であるが、このような材料は指定されたプロセス条件で使用するには適さないかもしれない。プレートフィン式熱交換器は一般に、冷媒がガス状態で被冷却物質が液体状態又はガス状態の場合に用いられる。最後に、コアインケトル(core in kettle)式熱交換器は一般に、熱交換時に被冷却物質が液体状態又はガス状態で冷媒が液体状態からガス状態へ相変化を受ける場合に用いられる。
【0034】
蒸発冷却とは、一定の圧力に保持したシステムについて物質の一部を気化又は蒸発させることによって物質を冷却することを指す。それゆえ、蒸発時は、気化する一部の物質が液体状態で残っている一部の物質から熱を吸収し、その結果、液体部分を冷却する。
【0035】
最後に、膨張又は圧力低減冷却とは、圧力低減手段を通過することによってガス、液体又は2相系の圧力が減少する場合に起こる冷却を指す。1つの実施形態では、この膨張手段はジュール−トムソン膨張弁である。別の実施形態では、膨張手段が流体エキスパンダか又はガスエキスパンダである。各エキスパンダは膨張プロセスから仕事エネルギーを回収するので、膨張するとプロセス流の低い温度が可能になる。
【0036】
図1に記載した流れの系統及び装置は、本発明の液化方法の好ましい実施形態である。当業者は、図1が概略的な表現に過ぎず、したがって、理解を容易にするために、商用プラントで運転をうまく行うのに必要な多くの機器項目を省略していることを理解するであろう。このような項目としては、たとえば、コンプレッサ制御手段、流量及び液面の測定及びこれに対応する制御器、温度と圧力の制御手段、ポンプ、モータ、フィルタ、その他の熱交換器及び弁類等がある。これらの項目は標準的な技術上の慣例によって与えられるだろう。
【0037】
図1の理解を容易にするために、以下の参照数字のつけ方を用いる。項目数字100〜199は、主にメタンを含む流れのライン又は管路に対応している。項目数字200〜299は、主にメタンを含む流体流を含み及び(又は)これら流体流上で稼動するプロセス容器と機器である。項目数字300〜399は、主にプロパンを含む流れのライン又は管路に対応している。項目数字400〜499は、主にプロパンを含む流体流を含み及び(又は)これら流体流上で稼動するプロセス容器と機器である。項目数字500〜599は、主にエチレンを含む流れのライン又は管路に対応している。項目数字600〜699は、主にエチレンを含む流体流を含み及び(又は)これら流体流上で稼動するプロセス容器と機器である。項目数字700〜799は機械的駆動装置である。項目数字800〜899は、図1に示したシステムの熱回収システム、蒸気発生又はその他の構成要素に関連する管路又は機器である。
【0038】
図1について説明すると、前に説明したように、天然ガス供給原料流は、天然ガスパイプラインから管路100に流入する。入口コンプレッサ202において、天然ガスは圧縮され、空気が冷却され、その結果、コンプレッサ202を出ていく天然ガスは一般に約3.44MPaから約5.51MPa(約500psiaから約800psia)の範囲の圧力と一般に約23.8℃から約79.4℃(華氏約75度から約175度)の範囲の温度を有する。天然ガスはその後管路102を経由して酸性ガス除去装置204に流れる。酸性ガス除去装置204は、CO及びHS等の酸性ガスを除去するためにアミン溶媒(たとえば、ジグリコールアミン)を用いることが好ましい。酸性ガス除去装置204は、COを50容積ppm未満までに、HSを2容積ppm未満まで除去するように動作可能であることが好ましい。酸性ガスの除去後、天然ガスは、管路104を経由して、天然ガスからほぼすべての水を除去するように動作可能である脱水装置206に移送される。脱水装置206は、天然ガスを乾燥するために多段床の再生可能なモレキャラーシーブシステムを用いることが好ましい。乾燥された天然ガスは次に、管路106を経由して水銀除去システム208に送ることができる。水銀除去システム208は、天然ガスから水銀を除去するために硫黄を含浸させた活性炭を含む少なくとも1つの固定床容器を用いることが好ましい。得られた予備処理された天然ガスは、管路108を通って液化システムに導入される。
【0039】
1番目の液化サイクルの一環として、ガス状プロパンが、第1及び第2のガスタービン駆動装置700、702によってそれぞれ駆動される第1及び第2の多段プロパンコンプレッサ400、402内で圧縮される。機械的に1つに結合され、単一の駆動装置で駆動される分離装置を用いることができるが、3段階の圧縮は単一の装置(すなわち、単一体)によって与えられることが好ましい。圧縮されると、第1及び第2のプロパンコンプレッサ400、402から出た圧縮プロパンは、それぞれ管路300、302を経由して共通管路304に導かれる。この圧縮プロパンは、その後、共通管路304を通って冷却器404に送られる。冷却器404のすぐ下流の液化プロパンの圧力と温度は、約37.7〜54.4℃(華氏約100〜130度)及び1.17〜1.45MPa(170〜210psia)であることが好ましい。図1には示してないが、液化プロパンから残りの軽質成分を除去するために冷却器404の下流かつ膨張弁406の上流に分離容器を配置することが好ましい。このような容器は、単一段のガス−液分離器からなっていてもよく又はより複雑化され、アキュムレータ部、凝縮器部及び吸収装置部からなり、これら各部の後の2つが、プロパンから残りの軽質成分を除去するために連続で運転されるか、定期的に接続状態にしてもよい。この容器から出て行く流れ又は場合によっては冷却器404から出て行く流れは、管路306を通って膨張弁406等の圧力低減手段に送られ、そこで液化プロパンの圧力が低減され、これによって液化プロパンの一部を気化又はフラッシュさせる。得られた2相の生成物は、その後、間接的熱交換手段239、210及び606を用いて、管路158経由で導入されたガス状メタン冷媒、管路108経由で導入された天然ガス供給原料及び管路506経由で導入されたガス状エチレン冷媒と間接的熱交換を行い、これによって管路160、110及び312経由でそれぞれ輸送される冷却された各ガス流を生成するために管路308を通って高段階のプロパン冷却器408に流入する。
【0040】
冷却器408から出ていくフラッシュしたプロパンガスは、管路310を経由して第1及び第2のプロパンコンプレッサ400、402の高段階の入口に戻される。残りの液体プロパンは、管路312を通って送られ、膨張弁410として示される圧力低減手段を通過することによって圧力がさらに減少され、その結果、液化プロパンの一部がさらに追加してフラッシュされる。得られた2相流はその後、管路314を通って中間段階のプロパン冷却器412に供給され、これによって冷却器412の冷媒を生成する。
【0041】
高段階のプロパン冷却器408から出て行く冷却された天然ガス供給原料流は、管路110経由でノックアウト容器210に流入し、そこでガス相と液相が分離される。C及びこれより重質な成分が豊富な液相は管路112経由で取り除かれる。ガス相は管路114経由で取り除かれ中間段階のプロパン冷却器412に搬送される。エチレン冷媒は管路508経由で冷却器412に導入される。冷却器412において、処理された天然ガス流とエチレン冷媒流はそれぞれ間接熱交換手段214及び608によって冷却され、これによって、管路116及び510経由で冷却された処理済み天然ガス流とエチレン冷媒流を生成する。このように気化されたプロパン冷媒部分が分離され、管路316を通ってプロパンコンプレッサ400、402の中間段階の入口に送られる。液体プロパンは、管路318を通って送られ、膨張弁414として示される圧力低減手段を通過することによって圧力がさらに減少され、その結果、液化プロパンの一部が余分にフラッシュされる。得られた2相流はその後、管路320を通って低い段階のプロパン冷却器/凝縮器416に供給され、これによって冷却器416の冷媒を生成する。
【0042】
図1に示すように、冷却された処理済み天然ガス流は中間段階のプロパン冷却器412から管路116経由で低い段階のプロパン冷却器/凝縮器416に流れる。冷却器416において、この流れは間接熱交換手段216によって冷却される。同じようなやり方で、エチレン冷媒流が中間段階のプロパン冷却器412から管路510経由で低段階のプロパン冷却器/凝縮器416に流れる。後者においては、エチレン冷媒流は間接熱交換手段610によってほぼ全量が凝縮される。蒸発したプロパンは低段階のプロパン冷却器/凝縮器416から取り除かれ、管路322経由でプロパンコンプレッサ400、402の低段階入口に戻される。図1は、管路116及び510によって供給される流れの冷却が同一容器内で起こる場合を示しているが、流れ116の冷却と、流れ510の冷却及び凝縮はそれぞれ別のプロセス容器(たとえば、分離冷却器及び分離凝縮器)内で行われてもよい。
【0043】
図1に示すように、冷却、圧縮された一部の開放メタンサイクルガス流が、管路162によって供給され、低段階のプロパン冷却器/凝縮器416から出て管路118を経由する処理済み天然ガス供給原料流と一緒になり、これによって液化流を形成し、この液化流はその後、管路120経由で高段階エチレン冷却器618に導入される。エチレン冷媒は管路512経由で低段階のプロパン冷却器/凝縮器416から出て、分離容器612に供給され、そこで軽質成分が管路513経由で取り除かれ、凝縮したエチレンが管路514経由で取り除かれる。分離容器612は、液化プロパン冷媒から軽質成分を除去する場合に説明した前の容器と同様のものであり、単一段のガス−液分離器でもよく、又は系から除去される軽質成分の選択性がより大きくなる多段の操作でもよい。プロセスのこの箇所におけるエチレン冷媒は、一般に約−26から約−34.4℃(華氏約−15度から約−30度)の範囲の温度と約1.86MPaから約2.07MPa(約270psiaから約300psia)の範囲の圧力である。エチレン冷媒はその後、管路514を経由して、メインエチレンエコノマイザ690へ流れ、そこで間接熱交換手段614により冷却され、管路516経由で取り除かれ、膨張弁616等の圧力低減手段に送られ、その結果、冷媒がフラッシュされて前以て選択した温度と圧力になり、管路518経由で高段階のエチレン冷却器618に供給される。蒸気は管路520経由でこの冷却器から取り除かれてメインエチレンエコノマイザ690へ送られ、そこで間接熱交換手段619を介して冷媒として機能する。エチレン蒸気はその後、管路522経由でエチレンエコノマイザ690から取り除かれ、第1及び第2のエチレンコンプレッサ600、602の高段階の入口に供給される。高段階のエチレン冷却器618で蒸発しないエチレン冷媒は管路524経由で取り除かれ、間接熱交換手段620によってさらに冷却するためにエチレンエコノマイザ690へ戻され、エチレンエコノマイザ690から管路526経由で取り除かれ、膨張弁622として示される圧力低減手段内でフラッシュされ、その結果、得られた2相の生成物は管路528経由で低段階のエチレン冷却器624内に導入される。液化流は管路122経由で高段階エチレン冷却器618から取り除かれ、低段階エチレン冷却器624に直接供給され、そこで間接熱交換手段220によって冷却と部分的凝縮をさらに追加して行う。得られた2相流はその後管路124経由で2相分離器222に流れ、そこからメタンを多く含んだ蒸気流が管路128経由で、C及びこれより重質な成分を多く含んだ液体流が管路126経由でそれぞれ生成され、C及びこれより重質な成分を多く含んだ液体流は次に容器224でフラッシュ又は分留され、これによって管路132経由の重質成分流と、管路164経由で移送され、管路150経由の第2の流れと一緒になった後、高段階のメタンコンプレッサ234、236に供給される第2のメタンを多く含んだ流れとを生成する。
【0044】
管路128内の流れと管路129によって供給される冷却、圧縮された開放メタンサイクルガス流が一緒になり、管路130経由で低段階エチレン凝縮器628に供給され、そこでこの流れは、管路532経由で低段階エチレン凝縮器628に送られる低段階エチレン冷却器624からの排出液体と間接熱交換手段226によって熱を交換する。凝縮器628において、一緒になった流れが凝縮され、凝縮器628から管路134経由で加圧されたLNGを含む流れが生成される。管路530を経由する低段階エチレン冷却器624からの蒸気、及び管路534を経由する低段階エチレン凝縮器628からの蒸気は一緒になって、管路536経由でメインエチレンエコノマイザ690へ送られ、そこで間接熱交換手段630を介して冷媒として機能する。この流れはその後、管路538経由でメインエチレンエコノマイザ690からエチレンコンプレッサ600、602の低段階の入口に送られる。図1に示すように、コンプレッサ600、602の低段階の入口経由で導入された蒸気のコンプレッサ排出ガスが取り出され、中間クーラー640、642によって冷却され、管路522内に存在する高段階の流れと共に注入するためにエチレンコンプレッサ600、602に戻される。この2段階は、それぞれ別のモジュールにし、共通の駆動装置に機械的に結合されたモジュールとすることができるが、単一モジュールであることが好ましい。エチレンコンプレッサ600、602から出ていく圧縮されたエチレン生成物は、管路500及び502を経由して共通の管路504へ送られる。圧縮されたエチレンはその後、共通の管路504を経由して下流クーラー604に導かれる。クーラー604からの生成物は管路506を通って流れ、上記で説明したように、高段階のプロパン冷却器408内に導入される。
【0045】
管路134内の加圧されたLNGを含む流れ、好ましくはその全体が液体流である流れは、一般に約−95.5℃から約−78.8℃(華氏約−140度から約−110度)の範囲の温度と約4.14MPaから約4.34MPa(約600psiaから約630psia)の範囲の圧力である。この流れは、以下で説明するように、管路134を経由し、メインメタンエコノマイザ290を通り、そこで間接熱交換手段228によりさらに冷却される。メインメタンエコノマイザ290からの加圧されたLNGを含む流れは、管路136を通り、その圧力は膨張弁229として示される圧力低減手段によって減少され、これによってガス流の一部が気化又はフラッシュし、これによってフラッシュガス流を生成する。このフラッシュされた流れは、その後、管路138を経由して高段階のメタンフラッシュドラム230に送られ、そこで、管路140を通して排出されるフラッシュガス流と管路166を通して排出される液相流(すなわち、加圧されたLNGを含む流れ)に分離される。このフラッシュガス流はその後、管路140を経由してメインメタンエコノマイザ290へ移送され、そこで間接熱交換手段232を介して冷媒として機能する。このフラッシュガス流(すなわち、加温されたフラッシュガス流)はメインメタンエコノマイザ290を出て管路150を経由し、そこで管路164によって供給されるガス流と一緒になる。これらの流れは、その後、高段階のメタンコンプレッサ234、236の入口に供給される。管路166内の液体相は第2のメタンエコノマイザ244を通り、そこで下流のフラッシュガス流により間接熱交換手段246を介してさらに冷却される。冷却されたこの液体は、管路168経由で第2のメタンエコノマイザ244を出ていき、圧力をさらに低下させ同時にその第2の部分を気化させるために膨張弁248として示される圧力低減手段を通して膨張されるか又はフラッシュされる。このフラッシュガス流は、その後、中間段階のメタンフラッシュドラム250に送られ、そこで、管路172を通過するフラッシュガス流と管路170を通過する液相流に分離される。このフラッシュガス流は、管路172を通って第2のメタンエコノマイザ244へ流れ、そこで間接熱交換手段252を介して、管路166経由でエコノマイザ244に導入された液体を冷却する。管路174は、第2のメタンエコノマイザ244内の間接熱交換手段252とメインメタンエコノマイザ290内の間接熱交換手段254の間の流れの管路としての役割を果たす。加温されたフラッシュガス流は、中間段階のメタンコンプレッサ256、258の入口に連結される管路176を経由してメインメタンエコノマイザ290を出ていく。管路170経由で中間段階のフラッシュドラム250を出ていくこの液体相は、膨張弁260として示される圧力低減手段を通過することによって圧力がさらに、好ましくは約172kPa(25psia)まで低下される。さらにまた、液化ガスの第3の部分が気化又はフラッシュされる。膨張弁260から出ていく流体は最終すなわち低段階のフラッシュドラム262に送られる。フラッシュドラム262においては、蒸気相が、フラッシュガス流として分離され、このフラッシュガス流が間接熱交換手段264を介して冷媒として機能する第2のメタンエコノマイザ244に管路180を通して送られ、フラッシュガス流が間接熱交換手段266を介して冷媒として機能するメインメタンエコノマイザ290に連結された管路182を経由して第2のメタンエコノマイザ244を出ていき、最終的には低段階のメタンコンプレッサ268、270の入口に連結される管路184を経由してメインメタンエコノマイザ290を出ていく。おおよそ大気圧であるフラッシュドラム262からの液化天然ガス製品(すなわち、LNG流)は、管路178経由で貯蔵装置に送られる。貯蔵装置からの低圧、低温のLNGが蒸発した蒸気流は、このような流れを、ガス流温度とできるだけ密接に釣り合うという要求に基づいて選択した管路である管路180、182又は184のいずれかにある低圧フラッシュガスと一緒にすることによって回収することが好ましい。
【0046】
図1に示すように、メタンコンプレッサ234、236、256、258、268、270は、機械的に1つに結合され2つの駆動装置704、706によって駆動される個別の装置として存在することが好ましい。低段階のメタンコンプレッサ268、270からの圧縮されたガスは中間クーラー280、282を通り、第2段階の圧縮前に管路176内の中間圧力のガスと一緒になる。中間段階のメタンコンプレッサ256、258からの圧縮されたガスは中間クーラー284、286を通り、第3段階の圧縮前に管路150経由で供給される高圧ガスと一緒になる。この圧縮されたガス(すなわち、圧縮された開放メタンサイクルガス流)は高段階のメタンコンプレッサ234、236から管路152,154を通して吐出され、管路156で一緒になる。圧縮されたメタンガスはその後クーラー238で冷却され、上記で述べたように、管路158経由で高段階のプロパン冷却器408に送られる。この流れは、間接熱交換手段239を介して冷却器408で冷却され、管路160経由でメインメタンエコノマイザ290に流れる。本明細書及び前の記述で用いているように、コンプレッサとは圧縮の各段及び中間冷却に関連した任意の機器を指している。
【0047】
図1に示すように、メインメタンエコノマイザ290に入る冷却器408からの圧縮された開放メタンサイクルガス流はその全体が、間接熱交換手段240を通る流れによって冷却される。この冷却された流れの一部がその後、管路162経由で取り除かれ、高段階エチレン冷却器618の上流で処理された天然ガス供給原料流と一緒になる。この冷却された流れの残りの部分は、メインメタンエコノマイザ290内の間接熱交換手段242によってさらなる冷却を受け、そこから管路129経由で生成される。この流れは、エチレン凝縮器628の上流の位置で管路128内の流れと一緒になり、その後、この液化流は、間接熱交換手段226を通る流れによってエチレン凝縮器628内で大部分が液化される。
【0048】
図1に示すように、第1のプロパンコンプレッサ400及び第1のエチレンコンプレッサ600が、単一の第1のガスタービン700によって駆動されることが好ましく、一方、第2のプロパンコンプレッサ402及び第2のエチレンコンプレッサ602は、単一の第2のガスタービン702によって駆動される。第1及び第2のガスタービン700、702は好適であればどんな市販ガスタービンでも用いることができる。ガスタービン700、702はジョージア州アトランタ市のGE Power Systems社が市販しているFrame7又はFrame9ガスタービンが好ましい。図1から、プロパンコンプレッサ400、402及びエチレンコンプレッサ600、602は、流体の流れがそれぞれ並列になってプロパン冷凍サイクル及びエチレン冷凍サイクルにそれぞれ連結され、その結果、プロパンとエチレンの各冷凍サイクルにおいて用いられる冷媒流のおおよそ半分に対し、各コンプレッサが全部の圧力増加をもたらしていることがわかる。このような複数のプロパンとエチレンのコンプレッサの並列構成は、LNGプラントの稼働率を著しく高める「2系列を1つにする」(‘‘two−trains−in−one’’)設計を提供する。それゆえ、たとえば、保守整備又は修理のために第1のガスタービン700の運転停止が必要な場合、第2のガスタービン702、第2のプロパンコンプレッサ402、及び第2のエチレンコンプレッサ602が依然としてプラントの運転継続のために使用できるので、LNGプラント全体の運転を停止する必要はない。
【0049】
このような「2系列を1つにする」理念は、さらに、メタンコンプレッサ234、236、256、258、268、270に動力を供給する2つの駆動装置704、706の使用で示される。第1のスチームタービン704は、第1の高段階メタンコンプレッサ234、第1の中間段階メタンコンプレッサ256、及び第1の低段階メタンコンプレッサ268に動力を供給するのに使用され、一方、第2のスチームタービン706は、第2の高段階メタンコンプレッサ236、第2の中間段階メタンコンプレッサ258、及び第2の低段階メタンコンプレッサ270に動力を供給するのに使用される。第1及び第2のスチームタービン704、706は好適であればどんな市販スチームタービンでも用いることができる。図1から、第1のメタンコンプレッサ234、256、268は、流体の流れがお互いに直列になって開放メタン冷凍サイクルに連結され、また第2のメタンコンプレッサ236、258、270と並列になっていることがわかる。それゆえ、開放メタン冷凍サイクルにおいてメタン冷媒流のおおよそ半分に対し、第1のメタンコンプレッサ234、256、268が協同で全部の圧力増加をもたらしており、第1のコンプレッサ268、256、234の各々はこのような全圧力増加のうちの1つの増加部分を与えている。同様に、この開放メタン冷凍サイクルにおいてメタン冷媒流の残りの半分に対し、第2のメタンコンプレッサ236、258、270が協同で全部の圧力増加をもたらしており、第2のコンプレッサ270、258、236の各々はこのような全圧力増加のうちの1つの増加部分を与えている。このようなメタンの駆動装置とコンプレッサの構成は、「2系列を1つにする」設計理念と一致するものである。それゆえ、たとえば、保守整備又は修理のために第1のスチームタービン704の運転停止が必要な場合、第2のスチームタービン706、第2のメタンコンプレッサ236、258、270が依然としてプラントの運転継続のために使用できるので、LNGプラント全体の運転を停止する必要はない。
【0050】
この開放メタンサイクル用の駆動装置/コンプレッサ構成によってもたらされた「2系列を1つにする」ことの利益のほかに、単一の駆動装置の代わりに2つのスチームタービン704、706を使用することによって、直列に連結されたメタンコンプレッサ234、256、268及び236、258、270の間の各ギアボックスを削除することが可能になる。このようなギアボックスは、購入、設置及び保守整備の費用が高価になる可能性がある。2つのスチームタービン704、706を単一の従来形の大型タービンよりも高速で運転する能力によって各ギアボックス(一般に中間段階のコンプレッサと高段階のコンプレッサの間に配置されている)を削除することが可能になる。さらに、特にこのような設計でもたらされた利益を考慮すると、より小型の2つのスチームタービンの設備費対大型の1つのタービンの設備費は最小になっている。
【0051】
開放メタン冷凍サイクルにおいてガスタービンの代わりにスチームタービン704、706を使用すれば、廃熱回収によってプラントの熱効率向上が可能になる。図1は、ガスタービン700,702を出て管路800経由で間接熱交換器802に導かれる高温排気ガスを示している。熱交換器802において、ガスタービン排気からの熱は管路804を流れる水/水蒸気流に移動される。管路804内の加熱された水蒸気は、その後水蒸気管路806、810経由で第1及び第2のスチームタービン704、706に導くことができる。したがって、ガスタービン700,702の排気から回収された熱は、スチームタービン704、706に動力を供給する手助けに使用することができ、これによってLNGプラントの熱効率を向上させる。
【0052】
ガスタービンを使用してコンプレッサを駆動するLNGプラントについて存在する1つの問題はガスタービンの立ち上げである。ガスタービンを起動するためには、先ず電動機又はスチームタービン等の外部スタータ駆動装置によってタービンを回転させなければならない。しかしながら、スチームタービンは外部のスタータ駆動装置を使用せずに起動することができる。図1は、高圧水蒸気を管路814、804、806、810経由でスチームタービン704、706に導くことにより、パッケージボイラ812等の水蒸気源をスチームタービン704、706の立ち上げに使用することができることを示している。さらに、ヘルパ/スタータスチームタービン708、710をガスタービン700,702に機械的に結合することができる。このようなヘルパ/スタータスチームタービン708、710は、パッケージボイラ812によって(管路816、818、820経由で)動力を供給し、ガスタービン700,702の回転を適切な起動回転数(RPM)まであげるのに使用することができる。さらに、ヘルパ/スタータタービン708、710は、プロパンコンプレッサ400,402及びエチレンコンプレッサ600、602を駆動するために、LNGプラントの通常運転時に用いて追加の動力を供給することができる。
【0053】
上記で説明した好ましい形態は、単なる例証として使用すべきであり、本発明の範囲を説明するという限定した意味で使用すべきではない。上に記載した模範的な実施形態に対して、本発明の精神を逸脱することなく、明らかな変更形態が当業者によって容易になされるであろう。
【0054】
本発明者らは、以下の請求項に記載するように本発明の文字通りの範囲から材料上逸脱している装置ではなくこの範囲の外にある装置に関するものとして本発明の理にかなって公正な範囲を決定、評価するために均等論に依拠する意図を本明細書で表明する。
【符号の説明】
【0055】
100〜199 主としてメタン流の管路
200〜299 主としてメタン流の機器と容器
300〜399 主としてプロパン流の管路
400〜499 主としてプロパン流の機器と容器
500〜599 主としてエチレン流の管路
600〜699 主としてエチレン流の機器と容器
700〜799 駆動装置及び関連機器
800〜899 熱回収、流れ生成用管路及び機器、並びにその他の構成要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)第1のガスタービンを使用して第1のコンプレッサ及び第2のコンプレッサを駆動し、これによって前記第1及び第2のコンプレッサ内の第1及び第2の冷媒をそれぞれ圧縮する段階と、
(b)第2のガスタービンを使用して第3のコンプレッサ及び第4のコンプレッサを駆動し、これによって前記第3及び第4のコンプレッサ内の前記第1及び第2の冷媒をそれぞれ圧縮する段階と、
(c)前記第1及び第2のガスタービンの少なくとも1つから廃熱を回収する段階と、
(d)前記回収された廃熱の少なくとも一部を使用して第1のスチームタービンに動力を部分的に供給する段階と、
(e)前記第1のスチームタービンによって駆動される第5のコンプレッサ内の第3の冷媒を圧縮する段階とを含む天然ガスの液化方法。
【請求項2】
(f)前記回収された廃熱の少なくとも一部を使用して第2のスチームタービンに動力を部分的に供給する段階と、
(g)前記第2のスチームタービンによって駆動される第6のコンプレッサ内の前記第3の冷媒を圧縮する段階と、
(h)前記第1のスチームタービンによって駆動される第7及び第8のコンプレッサ内の前記第3の冷媒を圧縮する段階と、
(i)前記第2のスチームタービンによって駆動される第9及び第10のコンプレッサ内の前記第3の冷媒を圧縮する段階とを含み、
前記第1及び第3のコンプレッサは並列になって第1の冷凍サイクルに連結され、前記第2及び第4のコンプレッサは並列になって第2の冷凍サイクルに連結され、前記第5及び第6のコンプレッサは並列になって第3の冷凍サイクルに連結されており、
前記第5、第7及び第8のコンプレッサは直列になって前記第3の冷凍サイクルに連結され、前記第6、第9及び第10のコンプレッサは直列になって前記第3の冷凍サイクルに連結されており、
前記第5、第7及び第8のコンプレッサは、前記第6、第9及び第10のコンプレッサと並列になって前記第3の冷凍サイクルに連結されており、
前記第1の冷媒は大部分がプロパンを含み、前記第2の冷媒は大部分がエチレンを含み、前記第3の冷媒は大部分がメタンを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)第1の冷媒を第1のガスタービンで駆動される第1のコンプレッサ内で圧縮する段階と、
(b)前記第1のガスタービンから廃熱を回収する段階と、
(c)前記第1のガスタービンから回収された廃熱の少なくとも一部を使用して第1のスチームタービンに動力を部分的に供給する段階と、
(d)大部分がメタンを含む第2の冷媒を前記第1のスチームタービンで駆動される第2のコンプレッサ内で圧縮する段階とを含む天然ガスの液化方法。
【請求項4】
前記第1の冷媒は大部分が、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つの炭化水素を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
(a)大部分が、プロパン、プロピレン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つの炭化水素を含む第1の冷媒を、第1のタービンで駆動される第1のコンプレッサ内で圧縮する段階と、
(b)大部分が、エタン、エチレン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つの炭化水素を含む第2の冷媒を、前記第1のタービンで駆動される第2のコンプレッサ内で圧縮する段階と、
(c)第1の冷却器内の前記第1の冷媒を使用して天然ガスを冷却する段階と、
(d)第2の冷却器内の前記第2の冷媒を使用して天然ガスを冷却する段階とを含む天然ガスの液化方法。
【請求項6】
(e)前記第1の冷媒の少なくとも一部を、第2のタービンで駆動される第3のコンプレッサ内で圧縮する段階と、
(f)前記第2の冷媒の少なくとも一部を、前記第2のタービンで駆動される第4のコンプレッサ内で圧縮する段階を含み、
前記第1及び第2のタービンはガス駆動タービンであり、
(g)エコノマイザ内で天然ガスの一部を第3の冷媒として使用して天然ガスを冷却する段階と、
(h)前記第3の冷媒の少なくとも一部を、スチーム駆動タービンである第3のタービンで駆動される第5のコンプレッサ内で圧縮する段階と、
(i)前記第1及び第2のタービンの少なくとも1つから廃熱を回収する段階と、
(j)前記回収された廃熱の少なくとも一部を使用して前記第3のタービンに動力を部分的に供給する段階とを含み、
前記第2の冷却器は前記第1の冷却器の下流に配置され、前記エコノマイザは前記第2の冷却器の下流に配置されている請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の冷媒は大部分がプロパンを含み、前記第2の冷媒は大部分がエチレンを含み、前記第3の冷媒は大部分がメタンを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
(a)天然ガスの一部を第1の冷媒として使用して前記天然ガスを冷却する段階と、
(b)前記第1の冷媒の少なくとも一部を、第1のスチームタービンで駆動される第1群のコンプレッサで圧縮する段階と、
(c)前記第1の冷媒の少なくとも一部を、第2のスチームタービンで駆動される第2群のコンプレッサで圧縮する段階とを含む天然ガスの液化方法。
【請求項9】
(d)第2の冷媒を第1のガスタービンで駆動される第2の冷媒コンプレッサで圧縮する段階と、
(e)前記第2の冷媒で前記天然ガスを冷却する段階と、
(f)前記第1のガスタービンからの廃熱を回収する段階と、
(g)前記回収された廃熱を使用して前記第1及び第2のスチームタービンの少なくとも1つに動力を供給する手助けをする段階とを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の冷媒は大部分がメタンを含み、前記第2の冷媒は大部分が、プロパン、プロピレン、エタン、エチレン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つの炭化水素を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
(a)蒸気発生器で高圧水蒸気を発生する段階と、
(b)前記高圧水蒸気の第1の部分を使用して、第1のガスタービンに駆動系が結合された第1のスタータスチームタービンに動力を供給する段階と、
(c)前記高圧水蒸気の第2の部分を使用して、第2のガスタービンに駆動系が結合された第2のスタータスチームタービンに動力を供給する段階と、
(d)前記高圧水蒸気の第3の部分を使用して、第1群のコンプレッサに駆動系が結合された第1のメインスチームタービンに動力を供給する段階と、
(e)前記高圧水蒸気の第4の部分を使用して、第1群のコンプレッサに駆動系が結合された第2のメインスチームタービンに動力を供給する段階とを含むLNGプラントの立ち上げ方法。
【請求項12】
多段階で天然ガスを冷却する複数冷凍サイクルにおいて複数冷媒を用いる天然ガス液化装置であって、
第1の冷凍サイクルの第1の冷媒を圧縮する第1のコンプレッサと、
第2の冷凍サイクルの第2の冷媒を圧縮する第2のコンプレッサと、
前記第1及び第2のコンプレッサを駆動する第1のガスタービンと
前記第1の冷凍サイクルの前記第1の冷媒を圧縮する第3のコンプレッサと、
前記第2の冷凍サイクルの前記第2の冷媒を圧縮する第4のコンプレッサと、
前記第3及び第4のコンプレッサを駆動する第2のガスタービンと、
第3の冷凍サイクルの第3の冷媒を圧縮する第5のコンプレッサと、
前記第5のコンプレッサを駆動する第1のスチームタービンと、
第2のスチームタービン、および前記第2のスチームタービンによって駆動されるコンプレッサと、
前記第1及び第2のガスタービンの少なくとも1つから廃熱を回収し、前記回収された廃熱を使用して前記第1のスチームタービンに動力を部分的に供給する熱回収システムとを備える、上記天然ガス液化装置。
【請求項13】
前記第1及び第3のコンプレッサの流体の流れは並列になって前記第1の冷凍サイクルに連結され、前記第2及び第4のコンプレッサの流体の流れは並列になって前記第2の冷凍サイクルに連結されており、
前記第3の冷凍サイクルの前記第3の冷媒を圧縮する第6のコンプレッサと、前記第6のコンプレッサを駆動する第2のスチームタービンとを備え、
前記第5及び第6のコンプレッサの流体の流れは並列になって前記第3の冷凍サイクルに連結されており、
前記第1のスチームタービンによって駆動され、前記第3の冷媒を圧縮する第7のコンプレッサと、
前記第2のスチームタービンによって駆動され、前記第3の冷媒を圧縮する第8のコンプレッサと、
前記第1のスチームタービンによって駆動され、前記第3の冷媒を圧縮する第9のコンプレッサと、前記第2のスチームタービンによって駆動され、前記第3の冷媒を圧縮する第10のコンプレッサとを備え、
前記第5、第7及び第9のコンプレッサの流体の流れは直列になって前記第3の冷凍サイクルに連結され、前記第6、第8及び第10のコンプレッサの流体の流れは直列になって前記第3の冷凍サイクルに連結されており、
前記第5、第7及び第9のコンプレッサの流体の流れは前記第6、第8及び第10のコンプレッサの流体の流れと並列になって前記第3の冷凍サイクルに連結されている請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第1の冷凍サイクルの第1の冷媒を用いて天然ガス冷却の手助けをする天然ガス液化装置であって、
第1のガスタービンおよび第1のガスタービンで駆動されるコンプレッサと、
第2のガスタービンおよび第2のガスタービンで駆動されるコンプレッサと、
第1のスチームタービンと、
前記第1のスチームタービンで駆動され、前記第1の冷媒の少なくとも一部を圧縮するように動作可能である第1群のコンプレッサと、
第2のスチームタービンと、
前記第2のスチームタービンで駆動され、前記第1の冷媒の少なくとも一部を圧縮するように動作可能である第2群のコンプレッサとを含む装置。
【請求項15】
前記第1群のコンプレッサは、直列になって前記第1の冷凍サイクルに連結された少なくとも2つの個別のコンプレッサを含み、前記第2群のコンプレッサは、直列になって前記第1の冷凍サイクルに連結された少なくとも2つの個別のコンプレッサを含み、
前記第1群のコンプレッサの個別のコンプレッサは、前記第1のスチームタービンによって駆動される場合に、前記第1群のコンプレッサの個別のコンプレッサが全て実質的に同一速度で回転することを要するように駆動系がお互いに結合されており、前記第2群のコンプレッサの個別のコンプレッサは、前記第2のスチームタービンによって駆動される場合に、前記第2群のコンプレッサの個別のコンプレッサが全て実質的に同一速度で回転することを要するように駆動系がお互いに結合されている請求項14に記載の装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−98023(P2012−98023A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243328(P2011−243328)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【分割の表示】特願2004−543014(P2004−543014)の分割
【原出願日】平成15年9月24日(2003.9.24)
【出願人】(503054111)コノコフィリップス カンパニー (12)
【Fターム(参考)】