説明

太陽調節グレイジング

【課題】乗り物のグレイジングを開示する
【解決手段】乗り物のグレイジングは色付きガラスのペインを備え、少なくとも1.0から1.8重量%までの全鉄によって色付けられ、その内面上に低放射(反射)率被膜を持つ。被膜は、0.05から0.4までの放射率を持ち、及び透明な導電性酸化物(及び随意にドーパント)、又は金属層及び少なくとも1種の誘電体層を含んでよい。好ましくは、ガラスは強化ガラスである。また、ガラスの2種のプライを備える積層グレイジングを開示し、これはそれらの間を中間層物質によって積層され、そこでは、ガラスの少なくとも1種のプライ又は中間層物質のシートが色付き本体であり、前記グレイジングはその内面上に低放射率被膜を持つ。内側プライは、清澄なガラスか、又は色付きガラスでよい。中間層物質は、清澄なPVBか、又は色付きPVBでよく、及びそれは更に赤外(線)反射性であってよい。いずれのグレイジングも、ルーフのか、又は他の乗り物のグレイジングとして用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物(vehicle、車)のグレイジング(透明板ガラス)に、特に、太陽調節乗り物グレイジングに関し、それは被覆され、及び色付けされており、及びそれはまた、乗り物における使用のためにも積層グレイジング中に組み込むことができる。
【背景技術】
【0002】
色付きグレイジングで、被膜をそれらの1種の表面上に持ち、太陽調節特性が前記グレイジングに与えられているものが知られており、とりわけ、この種類のグレイジングは、建築学上の使用を対象としている。1種のかかるグレイジングは、欧州特許出願公開第EP 1 004 550 Al号(特許文献1)において記載されており、及びビルディングの窓における、特に、二重グレイジングユニット(double glazing unit)において、使用に適切な熱-反射性ガラスと称されている。ガラス基材は、少なくとも1層の主としてケイ素から構成される薄膜(フィルム)で被覆される。得られる熱-反射性ガラスは、従って、低い可視光反射率、及び緑色(グリーン)、青銅色(ブロンズ)又は灰色(グレイ)の反射色調を持つ。
【0003】
米国特許第US 6,538,192 Bl号(特許文献2)は、色付きの、乗り物のルーフにおいて用いるための被覆されたグレイジングを記載している。それは、とりわけ、“特別に清澄な(extra clear)”ガラスの外側ペイン(典型的には、重量によって0.1%よりも少ない全鉄含量を持つ)、前記グレイジングの1部分だけを覆う光電池のアレイに適合する積層中間層、及び色付き(及び随意に被覆される)ガラスの内側ペインを備えている積層したルーフグレイジングを記載する。特別に清澄なガラスの外側ペインは、エネルギー透過(energy transmission)を最大にして、適した機能性(functioning)の光電池を可能にし、一方で、内側ペインは色付けされ、及び随意に、熱を持たない被膜を用いて被覆され、具体的には、光起電性アレイによって覆われていないグレイジングの部分を介して最大化されたエネルギーを減少させ、それによって、乗り物の乗客の気楽さ(passenger comfort)を増大させる。随意の被膜を、積層体中に面する色付きガラス(tinted glass)の内側ペインの表面上に、それが中間層に接触するように設ける。この位置において、被膜は、グレイジングに対し外側の環境との接触を欠き、及び分解及び磨耗から保護される。
【0004】
特許文献2に記述された積層ルーフグレイジングは、特定の目的を持ち;即ち、乗り物の動力源でのエネルギー流出を、グレイジング中での光電池の使用、及び適切な配置によって減らすことである。したがって、意図される積層グレイジング用の目的は、高エネルギー透過率の(即ち、80%よりも高い)外側ペインのガラス、及び色付き内側ペインのガラスで、それによって増大したエネルギー透過率(標準的な清澄ガラスに比べて)の外側ガラスを補うものについての要求を指図する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第EP 1 004 550 Al号
【特許文献2】米国特許第US 6,538,192 B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エネルギー、特に、そうでなければ前記グレイジングを介し透過する入射日射の形態において、熱エネルギーの量を減少させる乗り物グレイジングを提供するのが望ましい。
【0007】
特に、乗り物において用いるための積層グレイジングであって、エネルギー、特に熱エネルギーの量を、そうでなければ前記グレイジングを介し透過する入射日射の形態において減少させるものを提供するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、かかる乗り物グレイジングが、少なくとも鉄の使用によって色付けされるガラスのペイン、及びグレイジングの1種の表面上の低放射(反射)率(emissivity)被膜を提供することによって達成されることを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】乗り物グレイジングを介する(横)断面図である。
【図2】本発明の第2の局面に従う積層乗り物グレイジングを介する断面図である。
【図3】本発明の第3の局面に従う積層乗り物グレイジングを介する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の最初の局面に従い、乗り物グレイジングを提供するが、これは、色付きガラスのペインであって、前記ガラスが、1.0から1.8%まで(ガラスの重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)、重量で100から270ppmまでの酸化コバルト(Co3O4として算出して)及び重量で20ppmよりも少ない量のセレン(Seとして算出して)を含有する着色剤部分を持つもの、及びペインの内面上の低放射率被膜を備える。ガラスのペインの“内面”によって、グレイジングが適合され得る乗り物の内面を形成するそのペインの表面が意味される。
【0011】
ガラスの全鉄含量は、グレイジング、及びまた、グレイジングの全体的な色合いによっても達成される入射エネルギーの吸収の双方のレベルを定めるのに重要な役割を演ずる。全鉄含量は、より一層好ましくは、重量によって1.3から1.6%までの範囲におけるものである。グレイジングによって見せられる色合いは、好ましくは、灰色、青色又は緑色の色合いであり(青銅色の色合いもまた予想されるが)、及び更に好ましくは、濃い(dark、暗い)色合いである(即ち、グレイジングは50%又はそれよりも小さい可視光透過率を持つ)。
【0012】
酸化コバルトは、それが存在するガラスの可視光透過率を減らすのに役立ち、及びより一層好ましくは、重量で150から230ppmまでの範囲においてガラス中に含有される。セレンは、青銅色から灰色までの色調の達成を、コバルトとの存在におけるときに援助する。
【0013】
被膜には、通常、金属又は金属酸化物の層が包含され、及び後者の場合には、その層はまた、ドーパント(微量添加物)物質、例えば、フッ素又はアンチモンをも含み得る。多くの低放射率被膜は、この技術において既知であり、そのうちの任意のものを本発明に従って用いることができる。特定の被膜の放射率は、その被膜がエネルギーを放射する傾向について言及する。したがって、低放射率被膜は貧弱な(poor)熱輻射体(ラジエータ)である[黒体の実体(entity)であり、完全な輻射体であって、及び一体の放射率(emissivity of unity)を持つとして定義されるものに比べられる]。低放射率被膜は、以下の2種の主要な種類の1種として提供することができる:“硬質”又は“熱分解”被膜、及びオフ-ライン被膜であり、普通は、スパッター処理(sputtering)によって生産され、及び普通、典型的な熱分解被膜よりも軟らかいもの。
【0014】
硬質被膜は“オン-ライン”処理において堆積することができ、そこでは、被膜はその形成中のフロートガラスの表面上に、既知の様式において、例えば、化学蒸着処理の使用によって、熱分解的に堆積される。概して、堆積は、ガラスリボンが400及び760℃の間の温度にあるフロートラインの領域において起こり;この温度のガラスは、スズ浴の出口に向かって、ガラス焼きなまし炉(lehr)のギャップにおいて(即ち、スズ浴及びアニーリングガラス焼きなまし炉の間のギャップにおいて)及びアニーリングガラス焼きなまし炉のホット-エンドにおいて見出すことができる。ガラスが十分にアニールされるとき(即ち、次いで、そのより一層高い温度状態から室温にまで冷却され)、被膜は硬化し、従って、効果的な熱分解を経てガラス表面に最初に融合した被膜種が、最終ガラス生成物の部分を形成する。ガラスの被覆された側を更に磨き処理にかけ、被覆表面の顕微鏡的なしわ(rugosity)を減らし、より一層容易に取り扱い得るガラスを生産することができる。
【0015】
オフ-ライン被膜は、1片のガラスの表面上に堆積され、次いで、即ち、フロート処理とは別の処理において、ガラスの製造が完了されるものの1種である。したがって、堆積処理は、“オフ-ライン”処理である。オフ-ライン被膜には、例えば、真空(減圧)条件の下での磁気スパッター技術の使用によって堆積されるスパッター被膜が包含される。
【0016】
本発明にかかるグレイジングにおいて用いるガラス上に存在する低放射率被膜は、普通は、3mmの清澄なフロートガラス上で用いるとき、被覆ガラスが0.05から0.45までの範囲において放射率を持つようなものであり;実際の値はEN 12898[European Association of Flat Glass Manufacturers(欧州フロートガラス製造者協会)の刊行された標準(a published standard)]に従って測定され;0.3よりも小さい放射率においてもたらされる(3mmの清澄フロートガラスにおいて用いるときの)被膜が好ましい。硬質被膜は、概して、0.05よりも大きい(及び好ましくは、0.2よりも小さい)放射率を持ち、一方、オフ-ライン被膜では、普通は、スパッター被膜は、概して、0.05よりも大きい(及び好ましくは、0.1よりも小さい)放射率を持つ。双方の場合において、放射率は、およそ0.89の値を持つ、清澄で被覆されてない(uncoated、未被覆)ガラスの仮定される普通の放射率と比べることができる。
【0017】
硬質(又は熱分解性)の低放射率被膜は、金属酸化物の単一層を備え、これは、好ましくは、透明な導電性酸化物である。スズ、亜鉛、インジウム、タングステン及びモリブデンのような金属の酸化物は、金属酸化物の単一層において含まれ得る。通常、被膜には、更に、ドーパント、例えば、フッ素、塩素、アンチモン、スズ、アルミニウム、タンタル、ニオブ、インジウム又はガリウムが含まれ、その結果、フッ素ドープされた酸化スズ及びスズドープされた酸化インジウムのような被膜がもたらされ得る。典型的には、かかる被膜は、下層を備えており、これには、例えば、酸化ケイ素又はオキシ窒化ケイ素(silicon oxynitride)が含まれ、これは、ガラスからのアルカリ金属イオンの移動を制御するための障壁として及び/又は低放射率層の厚さにおける変動から生じる虹色の反射色を抑制するための色抑制層としてのいずれかで役立つ。
【0018】
オフ-ラインの低放射率被膜は、典型的に、多層被膜の積み重ねを含み、それは、普通には、金属層(又は導電性金属化合物)及び少なくとも1種の誘電体層を含む。多層積み重ね構造は、更に被膜の放射率を高めるために繰り返され得る。他の同様の金属の中で、銀、金、銅、ニッケル及びクロムは、多層積み重ねにおいて金属層として用いることができ;酸化インジウム、酸化アンチモン又は同様のものを導電性金属化合物として用いることができる。ケイ素、アルミニウム、チタン、バナジウム、スズ又は亜鉛の酸化物のような誘電体の層の間に挟まれる銀の1種又は2種の層を含む被膜は、典型的な多層の積み重ねである。概して、被膜が形成される1種又はそれよりも多い種類の層は、厚さにおいて数十のナノメータ程度である。
【0019】
本発明にかかるグレイジングにおいて用いられるガラスは、平坦でよく、又は曲がっていてもよく、及び加えて、例えば、熱又は化学的焼き戻しによって、強化することができる。ガラスが熱処置プロセス、例えば、焼き戻し、又は曲げにかけられるとき、これは、低放射率被膜の堆積前又は後でよい。熱処置プロセスを被膜の堆積後に起こすならば、被膜は高められた温度への暴露によって分解されないものであるべきである。
【0020】
通常、ガラスは8mm又はそれよりも薄い(まだ1.5mmよりも厚い)厚さであるが、2mmからの6mmまでの範囲における厚さが好ましい。
【0021】
本発明にかかるグレイジングにおいて用いる色付きガラスのペインは、概して、次の範囲において(重量によって):
SiO2 68-75 %
A1203 0-5 %
Na20 10-l8 %
K20 0-5 %
MgO 0-10%
CaO 5-15%
S03 0-2 %
清澄な基礎ガラス(base glass)組成を持つ。ガラスはまた、他の添加材、例えば、精製助剤を含んでもよく、これは、普通は、2%までの量で存在する。
【0022】
普通、グレイジングにおいて用いるガラスは、重量によって範囲0.05から1.6%までにおいて酸化第一鉄含量(FeOとして算出される)を持つ。グレイジング上に入射する全エネルギー(特に、未被覆グレイジングの表面上に入射するもの)、具体的には、IR(赤外)放射(線)の形態における熱エネルギーの吸収は、グレイジングの酸化第一鉄含量を調整することによって達成することができる。好ましくは、酸化第一鉄含量は、重量によって0.4%よりも多く、更に好ましくは重量によって0.8%よりも多く、及び最も好ましくは重量によって1.2%よりも多い。ガラスのより一層高い酸化第一鉄含量により、より一層多い全体エネルギーがガラスによって、とりわけ、近赤外(“NIR”)線が吸収され、それは、比較的短い波長で、及び従って高エネルギーのIR線である。特定の波長(λ)の放射とその対応するエネルギー(E)との間の関係は、次式:
E=hc/λ
(式中、hはPlanck’s(プランクの)定数及びcは光速である。)によって与えられる。
【0023】
しかしながら、ガラスによって吸収される太陽エネルギーは吸収されたままではなく;それは、ガラスによって、入射エネルギーのものとは異なる波長範囲にわたって、及びすべての方向において再放射され、従って、少なくともいくらかの放射が低放射率被膜から離れる方に向かう一方で、いくらかはそれの方に向けられる。再放射されるエネルギーには、より一層長い波長のIR成分で、及び従って入射NIR成分よりも低いエネルギーが含まれる。低放射率被膜は長波長のIR線の貧弱な輻射体であり、及び従って本発明にかかる太陽調節グレイジングでグレイズされ(嵌め込まれ)た乗り物中を通るエネルギーの総量を減らす。
【0024】
有利には、グレイジングにおいて用いるガラスは、500ppmまでの範囲において、ニッケル含量(NiOとして算出する)を持ち、及び好ましくはそれは55ppmよりも多く、更に好ましくはそれは100ppmよりも多く、及び最も好ましくは200ppmよりも多い。ニッケルは、灰色から褐色(ブラウン)の色調を達成するのにガラス組成物に添加される材料である。
【0025】
普通、グレイジングは、50%又はそれよりも小さい可視光透過率を持つ。グレイジングの可視光透過率は、C. I. E. Illuminant(シー.アイ.イー.イルミナント)A(“LTA”)をグレイジングの未被覆側から5nmの間隔で380nmから780nmまでの波長範囲にわたって用いて測定される。しかし、より一層濃い色合いのグレイジングは、より一層少ない可視光しか透過させず;従って、36%又はそれよりも小さく、まだ28%よりも小さく、及び更に20%又はそれよりも小さいのが好ましい。欧州においては、法律は、乗り物のウインドスクリーン(フロントガラス)が75%よりも小さい可視光透過率を持ってはならないことを指図する(ところが、米国における法律は70%よりも小さくないことを求める)。欧州及び米国の双方における前部乗客ドアのガラスには、70%よりも小さくない可視光透過率持つことが求められ;すべての他の乗り物ガラス(例えば、バックライト又はサンルーフ)は70%よりも小さいものを持ってよい。したがって、本発明の最初の局面に従うグレイジングは、後部乗客ドアのガラス、バックライトガラス及び屋根窓(rooflight)ガラスとしての使用が見出され、前部乗客ドアのガラスとして、またウインドスクリーンとしてではない。
【0026】
好ましくは、グレイジングは、Air Mass(空気流量)2、ISO 9050で測定されるとき、30%又はそれよりも低い透過エネルギー(transmitted energy)を持つ。さらに好ましくは、グレイジングは、20%よりも低く、及び最も好ましくは10%よりも低い透過エネルギーを持つ。透過エネルギー(“TE”)はまた、直接太陽熱透過率(貫流)[“DSHT”(direct solar heat transmission)]として知られており、Air Mass 2(水平に対し30°の角度での太陽入射からの光線を擬似する)で、50nmの間隔での波長範囲350から2100nmまでにわたって測定される。低放射率被膜は、再放射されるエネルギー、特に、より一層低いエネルギーのIR線(入射する低エネルギーIR線に加え)を抑制するのに好首尾であると思われ、それによって、前記グレイジングを介する熱透過率の量が減少する。
【0027】
より一層高いエネルギーのIR線の吸収、それに次ぐ、グレイジングにより再放射されるより一層低いエネルギーのIR線の少なくとも部分的な減少は、特に、本発明者等の現在の商用的な気候(commercial climate)での乗り物製造者に好ましい。優れた乗り物の乗客の気楽さ、例えば、乗り物の内部における熱増幅率(heat gain)の最小化によるもの、及び乗り物の資源上の減少させる要求、例えば、空調システム及び同様のものを用いる必要性の減少によるものの達成は、今日の乗り物製造者にとって最優先される。
【0028】
先に論議したように、本発明において用いる低放射率被膜は、色付きガラスのペインの内面に設けられ、その位置では、それは、グレイジングを介して通る太陽からのIR線のレベルを減少させことができる(前記グレイジングの未被覆表面上に入射するより一層短い波長のIR線の吸収の直接的な結果である、より一層長い波長の放射の再放射を含む)。この効果は、グレイジング上に入射する日射の量が通常その最大値であるとき、夏季の数月の間に最大の実用性を持つようである。
【0029】
しかし、本発明にかかる被覆される、色付きグレイジングは、追加の利益を持つ。具体的には、冬季の数月間に、乗り物内部の暖房が、例えば、乗り物の窓を曇り止めする(de-mist)のが必要なときに、低放射率被膜(それは、乗り物内に面するグレイジングの表面上にある)はまた、乗り物内部から乗り物の外部環境にまで熱線が漏れるのを抑制することができる。乗り物からの熱損失の量を最小にすることは、“冷-ショルダー効果(cold-shoulder effect)”を減少させるのに役立ち得る。この効果は、本質的には、窓に近接して、最も多くは、側部グレイジングに位置する乗り物中の乗客によって感じられることがある、温度における局所的な涼しさ(coolness)を特徴付ける。冷-ショルダー効果は、乗り物が、特に、その窓を通して、及び特に寒い日に、外界に熱を失わせる、その乗り物の傾向の結果である。低放射率被膜は、乗り物に逆戻りする、より一層長い波長(より一層低いエネルギー)のIR線を反射することによってこの熱損失を減少させ得、そこでは、それは窓に近接する局所的な冷気を加熱し得る。
【0030】
本発明の利点は、色付きガラス組成物のより一層広範な範囲を用い、又は実際、清澄な及び/又は色付きガラスプライを有する色付き中間層、及び積層構成体を用いることで達成することができる。
【0031】
本発明の第2の局面に従い、乗り物における使用のための、積層グレイジングを提供するが、これは、ガラスの2種のプライと共にそれらの間に積層される中間層のシートを備えるものであって、そこでは、少なくとも1種のガラスのプライ又は中間層物質のシートが色付き本体であるもの、及びグレイジングの内面上の低放射率被膜を備える。
【0032】
本発明に従う乗り物グレイジングは、ウインドスクリーン、サイドウインド(sidelight)又はバックライトでよいが、本発明に従う構成体は、とりわけ、屋根窓(rooflights)(ルーフグレイジング)における使用のために有用であり、それは、太陽の熱(suns heat)が最も高い強さであるとき(即ち、それが空において最も高いときに)、より一層強い日射にはっきりと曝され、及びそれは、運転者及び乗客の個人(passenger's persons)に極めて近接して配置され得る。
【0033】
意外にも、低放射率被膜の使用は、乗り物において捕捉される熱の受け入れられない蓄積をもたらすことが見出されない;実際、空調が装備される近代の乗り物では、これは、問題になりそうになく、及び空調を備えるか、又は備えなくても、それは、乗り物の乗員へのグレイジングを介して透過するか、又はそれにより再放射される高レベルの熱輻射からもたらされる不快よりもほとんどあまり重大でない。
【0034】
本発明の1種の好ましい局面に従う、乗り物に用いるための積層グレイジングは、色付きガラスのプライで、前記ガラスが、0.5から4.0%まで(ガラスの重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)を含有する着色剤部分を持つもの、ガラスの更なるプライ及びそれらの間に積層される中間層物質のシート、及びグレイジングの内面上の低放射率被膜を備える。
【0035】
本発明の更に好ましい局面に従う、乗り物に用いるための積層グレイジングは、ガラスの外側プライ、ガラスの内側プライ及びそれらの間に積層される色付き本体(body-tinted)の中間層物質のシート、及びグレイジングの内面上の低放射率被膜を備える。
【0036】
積層グレイジングの“内面”によって、前記グレイジングの露出表面が意味され、それは、乗り物内に面し、その中に、グレイジングが適合し得る(即ち、内側プライの外面)。慣習的な表面番号付けの専門用語を用いる場合、そこでは、乗り物に対する外部環境に接触する積層体(laminate)の表面が表面1として既知であり、及び内側環境に接触する表面は表面4として既知であり、次に、被膜は表面4上に支持される(低放射率被膜の性能は、目下、表面4上において、それが表面2又は表面3上であるよりも著しく良好である)。
【0037】
典型的に、色付きガラスのプライは、積層体の外側プライ(乗り物の内部に関してグレイジング中に適合し得る)であり、及びガラスの更なるプライで、それは、清澄なガラス又は色付きガラスであり得、内側プライであるが、逆の状態もまた可能である。
【0038】
かかるグレイジングは、随意に、10mm又はそれよりも薄い(まだ3mmよりも厚い)厚さにおいて提供されるが、しかし、4mmから7mmまでの範囲における厚さが好ましい。なお更に、積層体において含まれる各プライは、有利には、1.5mmから5mmまでの範囲における厚さであるが、2mmから3.5mmまでが好ましい。
【0039】
中間層物質のシートは、透明なプラスチック、例えば、ポリビニルブチラール(polyvinylbutyral)又はかかる他の適切な積層物質のシートであることが多く、及びたいていは、0.76mmの厚さで提供される。代わりに、中間層物質のシートは、35%又はそれよりも小さく、好ましくは、18%又はそれよりも小さい最適可視光透過率を持つように色付けされ得る。さらに、中間層物質のシートは、例えば、それが、スズ-ドープド酸化インジウムから構成されるときに、赤外線を吸収することができる。“赤外吸収性”であるものとしての中間層物質のシートの記述によって、かかるシート(0.76mm厚において)が2片の清澄ガラス(各々2.1mm厚)の間に挟まれるとき、得られる積層体が0.5よりも大きく、及び好ましくは1よりも大きい選択率(selectivity)を持ち、そこでは、“選択率”は、全エネルギーの割合(パーセンテージ)によって可視光透過率の割合を除することによって、即ち、LTA/TEで、各々が積層体について測定されることによって算出される。
【0040】
色付きガラスのプライの全鉄含量は、好ましくは、0.8(ガラスの重量による割合において)から2.0まで、更に好ましくは1.0から1.8まで、及び最も好ましくは1.3から1.6までの範囲においてでよい。色付きガラスのプライはまた、他の着色剤成分、例えば、ガラスの重量によって5から350ppmまでの範囲における1種又はそれよりも多い種類の酸化コバルト(Co3O4として算出して)(好ましくは40から320まで、より一層好ましくは100から270まで、及び最も好ましくは150から230まで)、ガラスの重量によって500ppmまでの量における酸化ニッケル(NiOとして算出して)(好ましくは55よりも多く、より一層好ましくは100よりも多く、及び最も好ましくは200よりも多い)、及びガラスの重量によって70ppmまでの量におけるセレン(好ましくは55よりも少なく、より一層好ましくは35よりも少なく、及び最も好ましくは20よりも少ない)を含むことができる。
【0041】
ガラスの更なるプライは、低放射率被膜が設けられる表面上で、清澄なガラス(“オプションA”)であってよく、その組成には、例えば(重量によって)、72.1%のSi02、1.1%のAl2O3、13.5%のNa2O、0.6%のK2O、8.5%のCaO、3.9%のMgO、0.2%のSO3、及び随意に0.2%までのFe2O3(好ましくは0.15%よりも少ない)を含むことができ、又はそれは、色付きガラス(“オプションB”)であってよく、それは、0.5から4.0%まで(ガラスの重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)、重量によって0.05から1.6%までの酸化第一鉄(FeOとして算出して)、重量によって5から350ppmまでの酸化コバルト(Co3O4として算出して)を含む着色剤部分、2.1mmで75%又はそれよりも小さい可視光透過率及び45%又はそれよりも低い透過エネルギーを持つ。
【0042】
ガラスの更なるプライの全鉄含量は、色付けされるとき、好ましくは、0.8から2.0まで(重量による%)、更に好ましくは1.0から1.8まで、及び最も好ましくは1.3から1.6までの範囲におけるものである。同様に、コバルト含量は、好ましくは、40からの320ppmまで、更に好ましくは100から270ppmまで、及び最も好ましくは150から230ppmまでの範囲におけるものである。たいていは、色付けされる場合、ガラスの更なるプライは、灰色、青色又は緑色の色付きか、又は場合によっては(possibly even)青銅色の色付きのガラスであってよい。ガラスの更なるプライの酸化第一鉄含量は、典型的には、重量によって0.4%よりも多く、好ましくは重量によって0.8%よりも多く、及びより一層好ましくは重量によって1.2%よりも多い。
【0043】
通常、ガラスの更なるプライは、55%又はそれよりも小さい可視光透過率を持つが、36%又はそれよりも小さく、及びまだ更に20%又はそれよりも小さいのが好ましく、一方で、透過エネルギーは、有利には、30%よりも少なく、及び更にまた21%よりも少ない。
【0044】
好ましくは、積層グレイジングは、35%又はそれよりも小さく、更に好ましくは18%又はそれよりも小さく、及び最も好ましくは10%又はそれよりも小さい可視光透過率を持つ。有利には、積層グレイジングは、20%又はそれよりも低い透過エネルギーを持つ。さらに有利には、15%又はそれよりも低く、及びまだ更に、11%又はそれよりも低い透過エネルギーである。
【0045】
さらに、代わりに、積層グレイジングのガラスの更なるプライは、色付きガラス(“オプションC”)でよく、これは、0.4から4.0%まで(ガラスの重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)、重量で0.05から1.6%までの酸化第一鉄(FeOとして算出して)を含有する着色剤部分、及び3.9mmのガラス厚で測定されるときに82%又はそれよりも小さい可視光透過率及び60%よりも低い透過エネルギーを持つ(2.1mmのガラス厚で測定されるときには、88%又はそれよりも小さい可視光透過率及び72%又はそれよりも低い透過エネルギー)。
【0046】
ガラスのかかる色付きプライの全鉄含量は、0.45から2.0までの(重量による割合として表現される)、更に好ましくは0.5から1.5まで、及び最も好ましくは0.58から1.1までの範囲におけるものである。酸化第一鉄含量(FeO として表現される)は、好ましくは0.07%よりも多く、更に好ましくは0.09%よりも多く、及び最も好ましくは0.1%よりも多い。
【0047】
典型的に、色付きガラスのかかるプライは、緑色の配色(colouration)を持つ。それは、3.9mm厚において80%より小さい可視光透過率を持つことができ(2.1mm厚において87%よりも小さい)、一方で、透過エネルギーは、有利には、3.9mm厚において57%より低くてよい(2.1mm厚において70%よりも低い)。
【0048】
上記オプションCに従い色付けられるプライガラスを、その“更なるプライ”として組み込む積層グレイジングは、典型的に、70%よりも大きく、可能なら、75%よりも大きい可視光透過率、及び60%又はそれよりも低く、及び好ましくは55%又はそれよりも低い透過エネルギーを持つ。
【0049】
色付き本体の中間層物質を用いるとき、積層グレイジングは、随意に、10mm又はそれよりも薄い(まだ3mmよりも厚い)厚さにおいて設けられるが、しかし、4mmから8mmまでの範囲における厚さが好ましい。さらに、積層体において含まれる各プライは、有利には、1.5mmから5mmまでの範囲における厚さであるが、2mmから3.5mmまでが好ましい。
【0050】
中間層物質のシートは、典型的には、プラスチック、例えば、ポリビニルブチラール又は他のかかる適切な積層物質のシートであり、それは、0.76mmの厚さで35%又はそれよりも小さい可視光透過率を持つように色付けされる。好ましくは、中間層物質は、30%よりも小さく、及び更に好ましくは25%よりも小さい光透過率を持つように色付けされる。さらに、中間層物質は、典型的には、例えば、それが、スズ-ドープド酸化インジウム、六ホウ化ランタン又は他のかかる適切な赤外線吸収物質から構成されるときには、赤外線を吸収する。中間層物質は、25%又はそれよりも低く、好ましくは20%又はそれよりも低く、及び最も好ましくは15%又はそれよりも低い透過エネルギーを見せることができる。
【0051】
積層グレイジングにおける少なくとも1種のプライは、清澄ガラスでよく、その組成には、例えば(重量によって)、72.1%のSiO2、1.1%のAl2O3、13.5%のNa2O、0.6%のK2O、8.5%のCaO、3.9%のMgO、0.2%のSO3及び随意に0.2%までのFe2O3(好ましくは0.15%よりも少ない)を含むことができる。代わりに、ガラスの少なくとも1種のプライは、着色剤部分を持つ色付きガラスでよく、着色剤部分は、0.4%から4.0%まで(ガラスの重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出される)及び重量によって0.05から1.6%までの酸化第一鉄(FeOとして算出される)を含む。
【0052】
ガラスのかかる色付きプライの全鉄含量は、好ましくは0.50(重量による%)から2.0まで、更に好ましくは0.54から1.5まで、及び最も好ましくは0.56から1.1までの範囲におけるものである。酸化第一鉄含量(FeO として表現される)は、好ましくは0.09%よりも多く、更に好ましくは0.1%よりも多く、及び最も好ましくは0.12%よりも多い。
【0053】
色付き中間層を有する積層グレイジングは、好ましくは50%又はそれよりも小さく、更に好ましくは40%又はそれよりも小さく、及び最も好ましくは35%又はそれよりも小さい可視光透過率を持つ。有利には、積層グレイジングは、30%又はそれよりも低く、及び更にまだ20%又はそれよりも低い透過エネルギーを持つ。
【0054】
本発明に従う好ましい積層グレイジング、特に、ルーフグレイジングとして用いるための積層グレイジングは、少なくとも15%、特に少なくとも20%の可視光透過率(LTA)、及び15%以下、好ましくは10%以下、それらの光透過率よりも高い総太陽熱貫流を見せる。
【0055】
本発明の最初のか、又は第2の局面に従うグレイジングは、乗り物におけるルーフグレイジングとして用いることができる。それは、慣習的なサン-ルーフグレイジングとしてか、又は乗り物の全体のルーフ領域を実質的に構成するグレイジングとしてのいずれかで提供することができ、それは多くは“全領域屋根窓(full-area roof light)”と称される。本発明の第2の局面に従うグレイジングは、適切な可視光透過率の要求に適合するときには、更に乗り物のウインドスクリーンとして用いることができる。
【実施例】
【0056】
より一層良好な理解のために、次に、本発明を、非制限的な例によって、添付図面、そこでは:
図1は乗り物グレイジングを介する(横)断面図であり、
図2は低放射率被膜が表面4上に設けられる、本発明の第2の局面に従う積層乗り物グレイジングを介する断面図であり、及び
図3は低放射率被膜が表面4上に設けられる、本発明の第3の局面に従う積層乗り物グレイジングを介する断面図である。
を参照して、及びそれに示されるように、より一層具体的に説明する。
【0057】
図1の乗り物グレイジング10は、ガラスペイン(窓ガラス)11を備え、それは、内側面12及び外側面13を持つ(乗り物に関してその中でグレイジング10が適合され得るのもを標識付ける)。内側面12は被膜14を備え;被膜14は直接内側面12上に配置されてよく、又はそれは、1種又はそれよりも多い種類の更なる被覆層(示していない)上に配置されてよく、それらは内側面12上に配置される。かかる更なる被覆層は、グレイジング10を、そうでなければ、被膜14からグレイジング10中に移動する傾向を持つことがある種からグレイジング10を保護する障壁層であってよい。
【0058】
ガラスペイン11は、72.1%(重量によって)のSiO2、1.1%のAl2O3、13.5%のNa2O、0.6%のK2O、8.5%のCaO、3.9%のMgO及び0.2%のSO3、を含有する基礎ガラス組成、及び着色剤部分を持ち、着色剤部分は、1.45%(重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)、0.30%の酸化第一鉄(FeOとして算出して)、230ppmのCo3O4、210ppmのNiO及び19ppmのSeを含む-以下に組成物1と称する。かかるガラスは英国(United Kingdom)においてPilkington plc(ピルキントン社)からGALAXSEETM[ギャラクシー(商標)]として目下入手し得る。
【0059】
被膜14は低放射率被膜(コーティング)である。被膜14が、以下の表1において示すような放射率、εを持ち、及びガラスペイン11(上述のような組成物1ものの)上に設けられるとき、得られるグレイジング10は、特定の厚さで次の特性を見せる:
【0060】
【表1】

【0061】
グレイジングの総太陽熱貫流(“TSHT”)は、グレイジングを介して直接透過する熱(即ち、TE)及びグレイジングのガラスにより吸収され、及び次いで再放射される熱の合計である。TSHT測定値は、the Society of Automotive Engineers' published standard SAE J1796(自動車技術者協会刊行の標準SAE J1796)に従って、14 k.p.h.(時間当たりのキロメータ)で採取された。パラメータズa*及びb*は、CIELAB(シエラブ)システム(D65、2°観測者で測定される)に従う色座標(colour co-ordinates)であり、及びグレイジング10の色を定めるのに用いる。
【0062】
例4及び8は、被膜14を備えないグレイジング10の従来技術の説明を例示する比較例である。例1から4まで及び5から8までは、問題の色付きガラスのペイン上の低放射率被膜の存在が、グレイジングの可視光透過率に及ぼす最小効果を持ち[2.1パーセンテージ点(percentage points)の最大低下(maximum drop)が、5mmで、及び1.3パーセンテージ点が6mmで観察される]、一方で、被覆グレイジングのTE及びTSHT値の双方ともが、対応する未被覆グレイジングに比べて低い(及び若干の例では2等分される)ことをはっきりと示す。
【0063】
代わりに、ガラスペイン11は、前述するガラスペイン11と同じ基礎ガラス組成、及び着色剤部分を持つ緑色ガラス(原料ガラス)でよく、及び着色剤部分は、1.57%(重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)、0.31%の酸化第一鉄(FeOとして算出して)、115ppmのCo3O4、0ppmのNiO及び5ppmのSeを含む-以下に組成物2と称する。かかるガラスは、目下、SUNDYM 435TM[サンディム435(商標)]として、再び、英国におけるピルキントン社から入手可能である。被膜14が以下の表2に示すような放射率を持ち、及び組成物2のガラスペイン11上に提供されるとき、得られるグレイジング10は、特定の厚さで次の特性を見せる:
【0064】
【表2】

【0065】
例12及び16は、更に、被膜14を設けないグレイジング10の従来技術の説明を例示する比較例である。例9から12まで、及び13から16までは、再び、問題の色付きガラスのペイン上の低放射率被膜の存在が、グレイジングの可視光透過率に及ぼす最小効果を持ち(4.6パーセンテージ点の最大低下が5mmで、及び3.6パーセンテージ点が6mmで観察される)、一方で、被覆グレイジングのTE及びTSHT値の双方ともが、対応する未被覆グレイジングに比べて低い(及び若干の例では3倍より一層低い)ことをはっきりと示す。
【0066】
さらに、代わりに、ガラスペイン11は緑色ガラスでよく、これは、前述した組成物1及び2に似た基礎ガラス組成、及び着色剤部分を持ち、着色剤部分は、1.30%(重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)、0.26%の酸化第一鉄(FeOとして算出して)、128ppmのCo3O4、80ppmのNiO及び7ppmのSeを含む-以下に組成物3と称する。この組成物は、前述の組成物2と似ており、従って、このガラスがグレイジング10を形成した場合、得られるグレイジング10の特性は、表2において測定し、及び記録したものと似ている。
【0067】
図2の断面図は、積層乗り物グレイジング20が外側ガラスプライ21、内側ガラスプライ22及び中間層プライ24を、PVBシートの形態で備えることを例示し、それは、公称上、0.76mmの厚さを持つ。外側ガラスプライ21は色付きガラスであり、及び内側ガラスプライ22は色付き又は清澄なガラスのいずれかである(本明細書に記載するように)。外側ガラスプライ21が単独で色付けされるとき、ガラスペイン11のための上述した組成物1、2又は3から選ばれる組成物が好ましく;外側ガラスプライ21及び内側ガラスプライ22の双方が色付けされるとき、再び、ガラスペイン11のための上述した組成物1、2又は3から選ばれる組成物が好ましい。誤解を避けるために、外側ガラスプライ21は、グレイジング20の一種のガラスプライのみが色付けされている場合に色付けされるガラスプライとして記載しているが、しかし、内側ガラスプライ22を外側ガラスプライ21の代わりに色付けすることができることは可能である。
【0068】
図2において、グレイジング20の表面4(即ち、内側ガラスプライ22の外側面)は、被膜23を設けられ、これは、グレイジング10に関しては、前記表面上に直接又は間接的に配置することができる。中間層プライ24は、外側ガラスプライ21及び内側ガラスプライ22の間に挟まれ、すべての3種のものがオートクレーブにおける積層処理に同時にかけられるとき、2種のガラスプライは一緒に積層される。次の表は、積層グレイジング20の非制限的な例を示し、それが、種々の外側ガラスプライ21及び内側ガラスプライ22の組成物の組合せで構成されるとき、及びそれが、種々の種類の中間層物質と共に積層されるときのものである。したがって、被膜23が表において示すような放射率値を持つ低放射率被膜であるとき、積層グレイジング20は特定のガラス厚で挙げられるような特性を見せ、そこでは:
表3は、外側ガラスプライ21及び内側ガラスプライ22が双方とも、上記組成物1に従う同じ色に色付けされ、及び中間層プライ24が、(a)清澄PVB、(b)35%のLTAを持つ色付きPVB、(c)18%のLTAを持つ色付きPVB又は(d)示したようなIR吸収性PVB[PVBのシートはSolutia Inc.(ソルーシア社)、PO BOX(私書箱)66760、St. Louis(セントルイス)、Missouri(ミズーリ州) 63166-6760 USA(米国)から目下入手できる]のいずれかである場合を表示し、
表4は、外側ガラスプライ21及び内側ガラスプライ22が双方ともに、上記組成物2に従う同じ色に色付けされる以外は、表3に似ており、
表5は、外側ガラスプライ21が上記組成物1に従い色付けされ、内側ガラスプライ22が清澄ガラス(典型的には、先に記載したようなもの)であり、及び中間層プライ24が、(a)清澄PVB、(b)35%のLTAを持つ色付きPVB、(c)18%のLTAを持つ色付きPVB、又は(d)示したようなIR吸収性PVBのいずれかである場合を表示し、及び
表6は、外側ガラスプライ21が上記組成物2に従い色付けされる以外は、表5に似ている。
【0069】
【表3】

【0070】
例23、24、26、28及び30は、被膜20(23)を含まない積層グレイジング20の従来技術の説明を例示する比較例である。例17から24までは、特に、本発明に従う積層グレイジングの露出表面上での低放射率被膜の存在が、グレイジングの可視光透過率に及ぼす最小効果を持ち(2.8パーセンテージ点の最大低下が2×2.1mmのプライについて、及び2パーセンテージ点が2×2.55mmのプライについて観察される)、一方で、被覆グレイジングのTE及びTSHT値の双方ともが、対応する未被覆グレイジングに比べて低い(及び若干の例では2等分される)ことを示す。
【0071】
【表4】

【0072】
例37、38、40、42及び44は、被膜20(23)を含まない積層グレイジング20の従来技術の説明を例示する比較例である。例31から38までは、特に、本発明に従う積層グレイジングの露出表面上での低放射率被膜の存在が、グレイジングの可視光透過率に及ぼす最小効果を持ち(5.4パーセンテージ点の最大低下が2×2.1mmのプライについて、及び4.7パーセンテージ点が2×2.55mmのプライについて観察される)、一方で、被覆グレイジングのTE及びTSHT値の双方ともが、対応する未被覆グレイジングに比べて低い(及び若干の例では三分の一倍低い)ことを示す。
【0073】
【表5】

【0074】
例48、50、52及び54は、被膜20(23)を含まない積層グレイジング20の従来技術の説明を例示する比較例である。例45から48までは、再び、特に、本発明に従う積層グレイジングの露出表面上での低放射率被膜の存在が、グレイジングの可視光透過率に及ぼす最小効果を持ち(3.8パーセンテージ点の最大低下が、中間層プライ(a)を用いるときに観察される)、一方で、被覆グレイジングのTE及びTSHT値の双方ともが、対応する未被覆グレイジングに比べて低い(及び若干の例では2等分される)ことを示す。
【0075】
例45から47まで及び比較例24を比較すると、色付きの外側ガラスプライ及び清澄な内側ガラスプライと共に本発明を用いて、著しくより一層高い光透過性(LTA>20%)を有する乗り物グレイジングを、太陽性能の重大な損失を伴わずに、2種の濃い色付きペインを用い、低放射率被膜を用いないで達成されるものを超えて、達成できるようである。実際、0.2よりも小さい放射率を有する低放射率被膜を採用するとき(例45から46まで)、非常に著しく改善された太陽性能を伴う。
【0076】
【表6】

【0077】
例58、60、62及び64は、被膜23を含まない積層グレイジング20の従来技術の説明を例示する比較例である。例55から58までは、特に、本発明に従う積層グレイジングの露出表面上での低放射率被膜の存在が、グレイジングの可視光透過率に及ぼす最小効果を持ち(8パーセンテージ点の最大低下が、中間層プライ(a)を用いるときに観察される)、一方で、被覆グレイジングのTE及びTSHT値の双方ともが、対応する未被覆グレイジングに比べて低い(及び若干の例では三分の一倍低い)ことを示す。
【0078】
表3から6までにおいて挙げる積層グレイジングの例は、乗り物の側部グレイジング及びルーフグレイジングとしての使用にとって最も適しておいるが;どれもが70%を超える可視光透過率を見せないので、どれも、乗り物のウインドスクリーンとしての使用には適切でない(実際、すべてのものが50%よりも小さいLTAを見せる)。しかしながら、乗り物のウインドスクリーンとしての使用に適した積層グレイジングの例を、以下の表7に挙げる。これらのグレイジング20の外側ガラスプライ21及び内側ガラスプライ22は、それぞれ、清澄なガラス(例えば、先に記載したように)、又は上述の組成物1、2及び3と似た基礎ガラス組成、及び着色剤部分を持つ緑色の色付きガラスであり得、着色剤部分は、0.6%(重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)及び0.13%の酸化第一鉄(FeOとして算出して)を含む-以下に組成物4と称し-又は0.9%の全鉄(Fe2O3として算出して)及び0.19%の参加第一鉄(FeOとして算出して)を含む-以下に組成物5と称する。中間層プライ24は、清澄なPVBシートの形態であり、これは、公称上、0.76mmの厚さを持つ。再び、グレイジング20の表面4(即ち、内側ガラスプライ22の外側面)は、被膜23が設けられ、これは、グレイジング23に関して、前記表面上に直接又は間接的に配置されてよい。被膜23が、表7において示すような放射率を持つ低放射率被膜であるとき、積層グレイジング20は特定のガラス厚及び組成で表7において挙げる特性を見せる。
【0079】
【表7】

【0080】
例66及び68は、被膜23を設けない積層グレイジング20の従来技術の説明を例示する比較例である。表7では、DSHTを、Air Mass 1.5(水平に対して37°の角度で太陽入射からの光線を擬似する)で、波長範囲300から2500nmまでで、5nm、10nm及び50nmの間隔にわたって測定する。グレイジング上の被膜によって再放射される力(“PR”)に加えるDSHTは、被膜が配置されるグレイジングの側について算出される。これらの4種の例について、グレイジングの未被覆側上の周囲空気温度は30℃であると測定されたが、一方で、グレイジングの被覆側上のものは、20℃であると測定された。グレイジングの未被覆側上に入射する太陽エネルギー(solar power)(乗り物のウインドスクリーンとして装着される積層グレイジングの表面1上に入射する日光を表す)は、平方メータ当りのKelvin(ケルビン)当りの600Watts(ワット)の値(W m-2 K-1)を持つことが測定された。例65及び66は、米国においてウインドスクリーンとして用いるのに適切な積層グレイジング(そこでは、LTAの要求は70%又はそれよりも大きい)を例示し、及び例67及び68は、欧州におけるウインドスクリーンとして用いるのに適している(そこでは、LTAの要求は75%又はそれよりも大きい)。各場合において、被膜がグレイジング上に存在するときに、被膜が存在しないときに比べて、被膜によって放射される力の全体的な値に加えるDSHT(本発明に従う積層グレイジングを用いて適合される乗り物に実際に入る熱エネルギーの1種の尺度)が減少することが明らかである。
【0081】
図3は、積層乗り物グレイジング30を例示し、これは、外側ガラスプライ31、内側ガラスプライ32及び中間層プライ34を、公称上、0.76mmの厚さ(それは0.25mm及び1.6mmの間の厚さのどれかで用いられるかもしれないが)を持つ、色付き本体のPVBシートの形態で含む。外側ガラスプライ31及び内側ガラスプライ32の双方は清澄ガラスである(但し、ガラスの1種又は双方のプライは、色付けられ得、例えば、上述した組成物4又は5に従い色付けされる緑色であることが可能である)。グレイジング30の表面4は被膜33を設けられ、それは、グレイジング10及び20に関して、前記表面上に直接的にか、又は間接的に配置され得る。中間層プライ34は、色付けされ、及び赤外吸収性物質、例えば、六ホウ化ランタンを含有するPVBから構成される。0.76mmの厚さで、中間層プライ34は、単独で、先に記載したように清澄ガラスの2片と共に積層されるとき、20.6%の可視光透過率、13.5%のTE、37.1%のTSHTを見せ、及び-9.8及び0.7のそれぞれのa*及びb*値を持つ。次の表、表8は、積層グレイジング30の非制限的な例を示し、それは、それが、2種の2.1mmの清澄ガラスプライ(例えば、前述の組成物に従う)、2種の異なる厚さでの中間層プライ、及び示すように放射率値を持つ低放射率被膜から構成されるときのものである。
【0082】
【表8】

【0083】
例72及び76は、被膜33を含まない積層グレイジング30の従来技術の説明を例示する比較例である。例69から72まで及び73から76までは、明らかに、本発明に従う積層グレイジングの露出表面上での低放射率被膜の存在が、グレイジングの可視光透過率に及ぼす最小効果を持ち(3.3パーセンテージ点の最大低下が、中間層プライが0.76mm厚であるときに、及び7.1パーセンテージ点が、中間層プライが0.4mm厚のときに観察される)、一方で、被覆グレイジングのTE及びTSHT値の双方ともが、対応する未被覆グレイジングに比べて低い(及び若干の例では2等分される)ことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物グレイジングであって、
色付きガラスのペインで、
前記ガラスが、1.0から1.8%まで(ガラスの重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)、重量で100から270ppmの酸化コバルト(Co3O4として算出して)及び重量で20ppmよりも少ない量のセレン(Seとして算出して)を含有する着色剤部分を持っているもの、及び
ペインの内面上の低放射率被膜
を備える、乗り物グレイジング。
【請求項2】
被膜が0.05から0.45までの範囲において放射率を持つ、請求項1記載の乗り物グレイジング。
【請求項3】
被膜が透明導電性酸化物を含有する、請求項1又は2記載の乗り物グレイジング。
【請求項4】
被膜が更にドーパントを含有する、請求項3記載の乗り物グレイジング。
【請求項5】
被膜が金属層及び少なくとも1種の誘電体層を含む、請求項1又は2記載の乗り物グレイジング。
【請求項6】
色付きガラスのペインが強化ガラスである、請求項1〜5のいずれか一項記載の乗り物グレイジング。
【請求項7】
色付きガラスのペインが1.5mmから8mmまでの範囲において厚さを持つ、請求項1〜6のいずれか一項記載の乗り物グレイジング。
【請求項8】
色付きガラスのペインが重量で0.05から1.6%までの酸化第一鉄(FeOとして算出して)を含有する、請求項1〜7のいずれか一項記載の乗り物グレイジング。
【請求項9】
色付きガラスのペインが重量で500ppmまでの酸化ニッケル(NiOとして算出して)を含有する、請求項1〜8のいずれか一項記載の乗り物グレイジング。
【請求項10】
50%又はそれよりも小さい可視光透過率及び30%又はそれよりも低い透過エネルギーを持つ、請求項1〜9のいずれか一項記載の乗り物グレイジング。
【請求項11】
乗り物において用いるための、積層グレイジングであって、ガラスの2種のプライと共にそれらの間に積層される中間層のシートを備えるものであって、そこでは、少なくとも1種のガラスのプライ又は中間層物質のシートが色付き本体であるもの、及びグレイジングの内面上の低放射率被膜を備える、積層グレイジング。
【請求項12】
色付きガラスのプライであり、
前記ガラスが、0.5から4.0%まで(ガラスの重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)を含有する着色剤部分を持つもの、
ガラスの更なるプライ及びそれらの間に積層される中間層物質のシート、及び
グレイジングの内面上の低放射率被膜
を備える、請求項11記載の積層グレイジング。
【請求項13】
ガラスの外側プライ、ガラスの内側プライ及びそれらの間に積層される色付き本体の中間層物質のシート、及び
グレイジングの内面上の低放射率被膜
を備える、請求項11記載の積層グレイジング。
【請求項14】
グレイジングが3mmから10mmまでの範囲において厚さを持つ、請求項11〜13のいずれか一項記載の積層グレイジング。
【請求項15】
各プライが1.5mmから5mmまでの範囲において厚さを持つ、請求項14記載の積層グレイジング。
【請求項16】
中間層物質のシートが、透明であり、及びポリビニルブチラールから構成される、請求項11〜15のいずれか一項記載の積層グレイジング。
【請求項17】
中間層物質のシートが、35%又はそれよりも小さい可視光透過率を持つように色付けされている、請求項16記載の積層グレイジング。
【請求項18】
中間層物質のシートが、0.76mmの厚さで35%又はそれよりも小さい可視光透過率及び25%又はそれよりも低い透過エネルギーを持つように色付けされている、請求項11〜17のいずれか一項記載の積層グレイジング。
【請求項19】
中間層物質のシートが赤外線吸収性である、請求項11〜17のいずれか一項記載の積層グレイジング。
【請求項20】
少なくとも1種のガラスのプライが清澄なガラスである、請求項11〜19のいずれか一項記載の積層グレイジング。
【請求項21】
ガラスの更なるプライが、0.5から4.0%まで(ガラスの重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)、重量で0.05から1.6%までの酸化第一鉄(FeOとして算出して)、重量で5から350ppmまでの酸化コバルト(Co3O4として算出して)を含有する着色剤部分、及び2.1mmで75%又はそれよりも小さい可視光透過率及び45%又はそれよりも低い透過エネルギーを持つ色付きガラスである、請求項12及び請求項12に従属する請求項14〜19のいずれか一項記載の積層グレイジング。
【請求項22】
ガラスの更なるプライが、0.4から4.0%まで(ガラスの重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)、重量で0.05から1.6%までの酸化第一鉄(FeOとして算出して)を含有する着色剤部分、及び2.1mmで88%又はそれよりも小さい可視光透過率及び72%又はそれよりも低い透過エネルギーを持つ色付きガラスである、請求項12及び請求項12に従属する請求項14〜19のいずれか一項記載の積層グレイジング。
【請求項23】
35%又はそれよりも小さい可視光透過率及び20%又はそれよりも低い透過エネルギーを持つ、請求項11〜22のいずれか一項記載の積層グレイジング。
【請求項24】
70%又はそれよりも大きな可視光透過率及び60%又はそれよりも低い透過エネルギーを持つ、請求項11〜22のいずれか一項記載の積層グレイジング。
【請求項25】
少なくとも1種のガラスのプライが、清澄なガラスであるか、又は0.4から4.0%まで(ガラスの重量によって)の全鉄(Fe2O3として算出して)及び重量で0.05から1.6%までの酸化第一鉄(FeOとして算出して)を含有する着色剤部分を持つ色付きガラスである、請求項11〜24のいずれか一項記載の積層グレイジング。
【請求項26】
50%又はそれよりも小さい可視光透過率及び30%又はそれよりも低い透過エネルギーを持つ、請求項11〜25のいずれか一項記載の積層グレイジング。
【請求項27】
グレイジングの使用であって、ルーフグレイジングとしての、請求項1〜26のいずれか一項記載のグレイジングの使用。
【請求項28】
積層グレイジングの使用であって、ウインドスクリーンとしての、請求項11、12又は13記載の積層グレイジングの使用。
【請求項29】
積層した乗り物ルーフグレイジングであって、請求項11記載のグレイジングであり、色付きガラスの外側プライ及び低放射率被膜を積載する清澄ガラスの内側プライを備える、積層した乗り物ルーフグレイジング。
【請求項30】
積層した乗り物ルーフグレイジングであって、請求項11記載のグレイジングであり、中間層物質のシートが色付き本体である、積層した乗り物ルーフグレイジング。
【請求項31】
低放射率被膜が熱分解被膜である、請求項29又は30記載の積層した乗り物ルーフグレイジング。
【請求項32】
少なくとも15%の可視光透過率及びその光透過率よりも高く15%以下の全太陽熱透過率を持つ、請求項29〜31のいずれか一項記載の積層した乗り物ルーフグレイジング。
【請求項33】
乗り物グレイジングであって、実質的に、添付図面を参照してこれより前に記載するようなもので、及び添付図面に示すようなものである、乗り物グレイジング。
【請求項34】
積層グレイジングであって、実質的に、添付図面を参照してこれより前に記載するようなもので、及び添付図面に示すようなものである、積層グレイジング。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−67010(P2012−67010A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−270628(P2011−270628)
【出願日】平成23年12月9日(2011.12.9)
【分割の表示】特願2006−519990(P2006−519990)の分割
【原出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(591229107)ピルキントン グループ リミテッド (82)
【出願人】(506012040)ピルキントン オートモーティヴ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】