説明

女性用の痒み防止性クロス

本発明は、外陰部組織を拭った際に、痒みによる不快感を減じるように設計された、使い捨てクロスを提供する。これらの使い捨てクロスは、少なくとも1種の麻酔剤、保護剤、緩衝剤、および界面活性剤を含む組成物で湿潤されている。この組成物は、実質上透明であり、また好ましくは、該外陰部組織に適用した際に、冷却感およびヒリヒリ感をもたらさない。更に、この組成物は、外陰部用途に適したpHを有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
痒みおよびこれと関連する、皮膚の刺激を伴う不快感は、一般に厄介なものである。痒みのために生じる不快感は、身体の直腸または外陰部組織において経験する場合に、とりわけ問題となる。外陰部組織は、女性の生殖器の表面を構成するが、膣管の内部には伸びていない。
【0002】
直腸の痒みに起因する不快感を減じる、効果的な方法の一つは、肛門直腸パッド、例えばVA、リンチバーグのC.B.フリート社(FLEET Company)から入手できる、フリート(FLEETTM)ペインリリーフプレモイスンドアノレクタルパッド(Pain-Relief Pre-Moistened Anorectal Pads)を使用することであり、このものは、局所的に麻酔剤を含んでいる。1またはそれ以上の麻酔剤および保護剤に加えて、肛門直腸用途用のパッドは、快い清涼感(冷却感)をもたらす成分、例えばユーカリプトールおよびメントールを含む。顧客満足度の調査結果は、これらの成分によってもたらされる該冷却感が、肛門直腸用途にとって好ましいものであることを、明らかにしている。
【0003】
外陰部組織の痒みは、特に不愉快なものである可能性がある。その上、これらの組織は、直腸組織との関連で、極めて敏感であり、また他の型の組織と関連する、痒みによる不快感を軽減しようとする製品によって、容易に刺激される。外陰部の痒みを処置するための従来の製剤、例えばワギシル(VagisilTM)クリームは、ベンゾカインを含み、またその色は白である。ベンゾカインは、有効な局所投与用の麻酔剤であるが、これは、幾分かの使用者において、常用した場合には、望ましからぬ感受性を誘発する恐れがある。更に、クリームは、厄介であり、また適用後にも、使用者にとって視認可能な状態にある。他の公知の製剤、例えば米国特許第6,818,204号に記載されているフォーム等は、主として清浄化のためものであり、また少量の保護剤を含んでいるに過ぎない。
【発明の開示】
【0004】
一局面において、本発明は、痒み防止性組成物を提供し、該組成物は、水、麻酔薬、5〜45%なる範囲の保護剤、緩衝剤、および界面活性剤を含み、ここで該組成物は、外陰部組織に適用された場合に、該組織に冷却作用を及ぼすのに十分な量の、化学知覚成分(chemesthetic ingredient)を含んでいない。
【0005】
本発明のもう一つの局面においては、外陰部組織の痒みを処置するための痒み防止性のクロスの製造方法を開示する。このクロスは、水、麻酔薬、5〜45%なる範囲の保護剤、緩衝剤、および界面活性剤を含む、痒み防止性組成物で湿潤されており、ここで該組成物は、外陰部組織に適用された場合に、該組織に冷却作用を及ぼすのに十分な量の成分を含んでいない。
【0006】
本発明の更に別の局面では、外陰部の不快感を処置するための方法が開示され、該方法は、水、麻酔薬、5〜45%なる範囲の保護剤、緩衝剤、および界面活性剤を含む、痒み防止性組成物で湿潤させたクロスと、外陰部組織とを接触させる工程を含み、ここで該組成物は、外陰部組織に適用された場合に、該組織に冷却作用を及ぼすのに十分な量の化学知覚成分を含んでいない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
肛門直腸の痒みによって生じる不快感を、効果的に緩和するパッドは公知であるが、これらのパッドは、外陰部組織の痒みに起因する不快感を減じるには不適当である。更に、これらのパッドは、しばしば所定位置に維持して、最大限の軽減達成を意図するものである。本発明は、該外陰部組織を拭った際に、痒みに起因する不快感を減じるように設計された、使い捨てクロスを提供する。
【0008】
本発明のクロスは、少なくとも1種の麻酔剤、保護剤、緩衝剤、および界面活性剤を含む組成物で湿らせた、繊維質基質を含む。この組成物のpHは、外陰部組織と適合するように選択され、従って該組成物に起因する刺激発生の可能性を減じる。該組成物は、また実質的に明澄(透明)であり、従って使用者の外陰部組織に適用した後に、該使用者に対して殆ど透明である。このように、本発明の組成物は、不透明な白色の、従来のクリームを主成分とする調剤と比較した場合に、使用者により好まれる可能性がある。
【0009】
更に、本出願人は、予想外のことに、肛門直腸用のパッドに対する消費者の許容性を増大する、清涼感は、外陰部の痒み防止性のクロスに対する消費者の許容性を大幅に減じることを見出した。事実、肛門直腸用のパッドに対して清涼感を与える成分が、外陰部用の用途に使用された場合には、個々人は、しばしば不快な灼熱感またはヒリヒリした感触をもたらすものと評する。従って、本発明のクロスは、ユーカリプトール、メントール等の化学知覚成分を、肛門直腸用パッドにとって望ましい清涼感を与えるのに十分な量で含むことはない。一局面において、本発明の組成物は、0.018、0.015、0.013、または0.008%未満の量で、化学知覚成分を含む。
【0010】
以下、本発明を、添付図を参照して説明するが、図中の構成部品は、本発明の原理を説明する以外に、必ずしも、所定の尺度を表し、またこれを強調するものではない。
【0011】
図1は、二枚の包装された痒み防止性クロス100を表す。この包装体100は、2つの外被120各々に外陰部用途用の痒み防止性クロス110を含む。このクロス110は、痒み防止性組成物130で湿潤してある。用語「クロス(cloth)」とは、便宜的に使用するものであるが、該クロス110を作成する材料は、外陰部用途に適したものであり、また該痒み防止性組成物130と化学的に相溶性のウエブを製造することのできる、任意の繊維質材料であり得る。該クロス110は、織り構造または不織り構造を持つことができる。
【0012】
該クロス110を製造する材料は、1またはそれ以上の天然または合成ポリマー、例えば綿、セルロース、ナイロン、レーヨン等を含むことができる。好ましい一局面において、該クロス110は、不織りスパンレース、例えばWI、グリーンベイの、アールストロム-グリーンベイ(Ahlstrom-Green Bay)から入手できる、55g不織りスパンレースである。不織りスパンレースは、このものが柔軟であり、該痒み防止性組成物と相溶性であり、また外陰部用途に適しているので、好ましいものであり得る。該クロス110は、外陰部用途にとって適した任意のサイズを持つことができるが、一局面において、該クロスは、折畳まれる前には、約12.7×20.3cmなるサイズを持つことができる。
【0013】
外被120は、該クロス110を包囲し、かつ使用前に、該組成物130の含水率を実質的に維持する、任意の材料であり得得る。該外被120は、箔、箔で内張りした紙、これらの組合せ等であり得る。一局面において、該外被120は、プラスチック製の内側層、紙製の中間層、および箔の外側層を含むことができる。該プラスチックは、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、これらの組合せ等であり得る。
【0014】
該外被120は、折畳んだまたは折畳まれていない状態で、該クロス110を包囲するのに有利な任意のサイズのものであり得るが、一局面において、該外被120は、約5.7×8.9cmなるサイズを持つ。該外被120は、任意の便利な形状、例えば個別的、または1またはそれ以上の端部において完全に、または部分的に接触した、多数の外被を持つ形状で、消費者に提供することができる。
【0015】
該組成物130は、外陰部の痒みによって生じる不快感を処置するのに役立つ。この痒みは、該組織の摩擦、および/または少数の細菌および/または真菌による感染を包含する他の原因によって引起される可能性がある。
【0016】
該組成物130は、1またはそれ以上の溶媒、界面活性剤、緩衝剤、および保存剤を含むことができる。好ましい一局面において、この組成物の成分は、該溶媒で溶媒和させ、あるいはその中に懸濁させた際に、実質的に明澄(透明)である。「実質的に明澄(透明)(substantially clear)」なる用語は、該組成物の成分を併合した際に、該組成物が、0.1〜1NTU[比濁分析による濁り度単位(Nephelometric Turbidity Units: NTU)]なる範囲の、24℃における濁り度、あるいはFL、フォートマイヤーの、HFサイエンティフィック社(Scientific, Inc.)から入手できるマイクロ100(Micro100)濁り度測定装置を用いて測定した場合に、0.3〜0.8なる範囲の濁り度を持つことを意味する。好ましい一局面において、実質的に明澄な組成物は、0.45〜0.65 NTUなる範囲内の濁り度を持つ。従って、該組成物の明澄度は、都市飲料水にとって適した範囲内であり得る。
【0017】
好ましくは、該溶媒は、水を含み、該組成物は、好ましくは70〜95%なる範囲、または80〜90%なる範囲の水を含み、約82〜87%なる範囲の水が、より好ましい。特に述べない限り、該組成物中の成分に関する全ての百分率は、質量/質量(w/w)基準の値で示されている。
【0018】
該組成物の成分を溶液状態に維持するのを助けるために、該組成物は、界面活性剤を含む。有用な界面活性剤は、その性質上、ノニオン性、カチオン性、アニオン性、または両性のものであり得る。一局面において、該界面活性剤は、オクチルフェニルエーテル、例えばオクトキシノール(Octoxynol) 9;アルキルアリールポリエーテルアルコール、例えばトライトン(TRITONTM)-X;アルキルポリグルコシド、例えばPA、アンブラーの、コグニス社(Cognis Corp.)から入手できるプランタレン(PLANTARENTM)界面活性剤;またはこれらの混合物を含むことができる。
【0019】
一局面において、本発明の組成物は、0.1〜3%なる範囲、または0.1〜1%なる範囲の界面活性剤を含むことができる。好ましい一局面において、該組成物は、0.24〜0.36%なる範囲の界面活性剤を含むことができる。より好ましい一局面において、該組成物は、0.27〜0.33%なる範囲の量で界面活性剤を含むことができる。
【0020】
効果的なクレンザーを与えるために、約21%なる量の全界面活性剤を含む、米国特許第6,818,204号に記載されている、麻酔性のクレンジングフォームとは異なり、本発明の痒み防止性組成物では、少量の、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満の界面活性剤を使用して、該組成物の明澄度を高めている。従って、本発明の組成物は、効果的なクレンザーとして機能するに十分な量で、界面活性剤を含まない。
【0021】
該組成物は、またそのpHを調節するために、緩衝剤を含むことができる。この緩衝剤は、該痒み防止性のクロスの使用によって、該外陰部組織に刺激を発生する機会を減じるために、該組成物に所定のpHを付与するように選択することができる。該緩衝剤は、また望ましからぬ細菌および/または真菌の生育の幾分かの阻害をもたらすpHを与えるように選択することができる。
【0022】
好ましい一局面において、該緩衝剤は、該外陰部組織のpHに相当する、3.4〜4.1なる範囲(平均3.75)のpHを該組成物に与えるように選択される。pH値の対数的特長のために、該組成物の平均のpHは、フリート(FLEETTM)アノレクタルパッド(Anorectal Pads)に関する4.0〜5.5なる範囲(平均4.75)のpHよりも、ほぼ一桁小さい。より好ましい一局面において、該緩衝剤は、3.4〜3.9なる範囲のpHを、該組成物に与えるように選択される。このようにして、該組成物のpHは、直腸組織のより高いpHとは対照的に、該外陰部組織の、より低いpH値に調節される。従って、本発明による痒み防止性クロスの使用に起因する、外陰部組織の刺激は、軽減することができる。
【0023】
一局面において、該緩衝剤は、クエン酸/クエン酸ナトリウム、安息香酸/安息香酸ナトリウム、酢酸/酢酸ナトリウム、またはこれらの混合物を含むことができる。現時点において、より好ましい緩衝剤は、無水クエン酸とクエン酸ナトリウム2水和物とを含む。該組成物は、0.1〜1%なる範囲、または0.26〜0.38%なる範囲の、また好ましい局面においては、0.29〜0.35%なる範囲の量で、無水クエン酸を含む。該組成物は、また0.1〜1%なる範囲、または0.15〜0.5%なる範囲の、また好ましい局面においては、0.2〜0.27%なる範囲の量で、該クエン酸ナトリウム2水和物を含む。
【0024】
該痒み防止性クロス110は、該外被120内に封入して、該痒み防止性組成物130の有効性を維持することができるが、保存寿命を高めるために、保存剤を添加することができる。一局面において、該保存剤は、安息香酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム(disodium edentate) (EDTA)、セチルピリジニウムクロリド(CPC)、ベンザルコニウムクロリド、およびこれらの混合物を含むことができる。好ましい一局面において、該保存剤は、安息香酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、およびセチルピリジニウムクロリドを、ほぼ1:1:1(質量基準)の混合物として含む。該組成物は、0.1〜3%なる範囲、または0.2〜0.4%なる範囲、また好ましい局面においては、0.27〜0.35%なる範囲の量の保存剤を含むことができる。
【0025】
更に、該組成物は、活性成分として、1またはそれ以上の麻酔剤および保護剤を含有する。該麻酔剤は、該外陰部組織を麻痺させ、結果として不快感を減じる。一局面において、該麻酔剤は、プラモキシン、ベンゾカイン、ジブカイン、テトラカイン、レゾルシノール、およびこれらの混合物を含むことができる。好ましい麻酔剤は、水に可溶化されて、実質的に透明な溶液を与えることのできる、水溶性の塩を形成する。該組成物中に含まれる、該麻酔剤の濃度は、該麻酔剤の麻痺能力に依存し得る。例えば、5〜20%なる量のベンゾカインが、0.5〜2%なる量のプラモキシンと同等な麻酔効果を得るのに必要とされる可能性がある。
【0026】
プラモキシンおよびその水溶性の塩が、麻酔剤として好ましい。というのは、ベンゾカインを含む幾つかの麻酔剤とは違い、プラモキシンは、該外陰部組織を感受性とする傾向が低いからである。プラモキシンは、またその水溶性塩が、水中で溶媒和した際に、実質的に透明な溶液を生成し得ることから、好ましいものであり得る。プラモキシンの、その水溶性塩から、実質的に透明な溶液を生成する能力は、濁った、不透明な溶液を生成する、ベンゾカインを含む多くの麻酔剤とは全く対照的である。より好ましい局面において、該麻酔剤は、0.5〜2%なる範囲、好ましくは0.8〜1.5%なる範囲、およびより好ましくは0.9〜1.1%なる範囲内のプラモキシンの塩酸塩を含有する。
【0027】
該外陰部組織を被覆することにより、該保護剤は、また痒みによる不快感の減少をもたらし、該組織の更なる刺激からの保護を可能とする。かくして、これら軽微な摩擦は、周りの組織および衣類からの更なる摩擦を防止できる。また、これら摩擦は、雰囲気から部分的に孤立化でき、結果として該組織を湿潤状態に保ち、かつ真菌または細菌による攻撃の可能性を減じる上で役立つ。好ましい保護剤は、該組成物の他の成分と、および外陰部用途に対して相溶性である。より好ましくは、保護剤は、所望の相溶性を有し、また他の成分と混合した場合に、実質的に透明(明澄)な溶液を与える。
【0028】
本発明において使用するのに適した保護剤およびその好ましい濃度は、例えば21 C.F.R. §§310、347、および352(Fed. Reg., 2003(6月4日), Vol.68, No. 107, pp. 33362-81)において見出すことができる。より好ましい保護剤、および該保護剤が、FDAガイドラインの下で、皮膚保護剤として適格性をもつに必要な質量%で表した濃度は、21 C.F.R. §247.10に見出すことができる。従って、本発明の組成物において使用するのに、より好ましい保護剤は、20〜45%なる範囲の濃度のグリセリン、1〜30%なる範囲の濃度のジメチコーン、またはこれらの混合物を含む。現時点においては、グリセリンが、特に好ましい保護剤である。該組成物は、5〜45%なる範囲、8〜43%なる範囲、好ましくは10〜40%なる範囲、およびより好ましくは20〜40%なる範囲の該保護剤を含むことができる。
【0029】
顕著なクレンジング機能を持つ、発泡性組成物、例えば米国特許第6,818,204号に記載されている如きものと比して、本発明の組成物は、より高い保護剤濃度を持つ。更に、本発明の該高い保護剤濃度は、安定なフォームの生成とは相容れない。従って、本発明の痒み防止性組成物における、高い保護剤濃度は、フォームを主成分とするクレンジング製品との関連で、該外陰部組織に対して、より良好な保護性を付与し得る。
【0030】
該組成物130は、先ず酸性緩衝剤成分、例えばクエン酸と、高度に水溶性の保存剤、例えばセチルピリジニウムクロリド、および安息香酸ナトリウムとを、水中で併合することによって製造することができる。次いで、この攪拌された併合物に、該保護剤、塩基性緩衝剤成分、麻酔剤、およびエデト酸二ナトリウムを添加することができる。連続的に攪拌した後、該界面活性剤を添加する。外陰部組織および該組成物の他の成分と相溶性の、追加の成分、例えば香料等を、添加することも可能である。一局面においては、1%未満の香料を、添加することができる。
【0031】
本発明のクロス110は、ソーキング、噴霧、ブラシ塗布等を含む、任意の有利な手段により、該組成物130で湿潤することができる。好ましい一局面においては、該クロス110は、該外被120内に配置することができ、該クロスには、該外被120を封止する前に、4〜5gなる範囲の量の該組成物130を添加することができる。
【実施例】
【0032】
以下の実施例は、1またはそれ以上の本発明による好ましい態様を例示する目的で与えられる。多数の変更を、以下の実施例に対して行うことができ、これらは本発明の範囲内にある。
実施例1:以下の表1に掲載する成分を、以下に列挙する量で含む、痒み防止性組成物を製造した:
【0033】
【表1】

【0034】
実施例2:以下の表2に記載の成分を、同表に規定の量で含む、痒み防止性組成物を製造した:
【0035】
【表2】

【0036】
実施例3:以下の表3に掲載する成分を、以下に列挙する量で含む、痒み防止性組成物を製造した:
【0037】
【表3】

【0038】
実施例4:痒み防止性組成物の製造
精製水1621kgに、6.118kgのクエン酸(無水物)(顆粒) USP、1.9kgのセチルピリジニウムクロリドUSP、および1.9kgの安息香酸ナトリウムNFを、攪拌しつつ添加した。上記成分の添加後、この混合物の攪拌を、室温にて約40分間継続した。次いで、237.5kgのグリセリン99% USP、4.588kgのクエン酸ナトリウム(二水和物) USP、19kgのプラモキシンHCl USP、および1.9kgのエデト酸二ナトリウムUSPを添加した。これら成分の添加後、この混合物の攪拌を、室温にて約40分間継続した。最後に、5.7kgのオクトキシノール9、NFグレードを添加し、得られた混合物を、更に40分間攪拌した。
【0039】
以上本発明の様々な態様を説明してきたが、他の態様並びにその実行が、本発明の範囲内において可能であることは、当業者には明らかであろう。従って、本発明は、添付した特許請求の範囲およびその等価なものを除いて、何ら制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】外被で覆われた、外陰部用途用の痒み防止性クロスを示す図である。
【符号の説明】
【0041】
100・・包装された痒み防止性クロス;110・・痒み防止性クロス;120・・外被;130・・痒み防止性組成物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外陰部組織の痒みを処置するための痒み防止性クロスであって、
組成物で湿潤させたクロスを含み、
該組成物が水、麻酔薬、5〜45%なる範囲の保護剤、緩衝剤、および界面活性剤を含み、該組成物は、外陰部組織に適用された際に、該組織に冷却作用を及ぼすのに十分な量の、化学知覚成分を含まないことを特徴とする、上記クロス。
【請求項2】
該組成物が、0.1〜1 NTUなる範囲内の濁り度を持つ、請求項1記載のクロス。
【請求項3】
該組成物が、0.45〜0.65 NTUなる範囲内の濁り度を持つ、請求項1または2記載のクロス。
【請求項4】
該組成物が、3.4〜3.9なる範囲内のpHを持つ、請求項1〜3の何れか1項に記載のクロス。
【請求項5】
該組成物が、約3.7なる平均のpHを持つ、請求項1〜4の何れか1項に記載のクロス。
【請求項6】
該界面活性剤が、該組成物の10%未満の量で含まれる、請求項1〜5の何れか1項に記載のクロス。
【請求項7】
該界面活性剤が、該組成物の5%未満の量で含まれる、請求項1〜6の何れか1項に記載のクロス。
【請求項8】
該組成物が、多くとも0.015%の化学知覚冷却成分を含む、請求項1〜7の何れか1項に記載のクロス。
【請求項9】
該麻酔薬が、プラモキシン、ベンゾカイン、ジブカイン、テトラカイン、レゾルシノール、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜8の何れか1項に記載のクロス。
【請求項10】
該麻酔薬が、該組成物の0.5〜20%なる範囲の量で含まれる、請求項1〜9の何れか1項に記載のクロス。
【請求項11】
該麻酔薬が、該組成物の0.9〜1.1%なる範囲の量で含まれる、請求項1〜10の何れか1項に記載のクロス。
【請求項12】
該保護剤が、グリセリン、ジメチコーン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜11の何れか1項に記載のクロス。
【請求項13】
該保護剤が、グリセリンを含む、請求項1〜12の何れか1項に記載のクロス。
【請求項14】
該保護剤が、該組成物の10〜40%なる範囲の量で含まれる、請求項1〜13の何れか1項に記載のクロス。
【請求項15】
該保護剤が、該組成物の20〜40%なる範囲の量で含まれる、請求項1〜14の何れか1項に記載のクロス。
【請求項16】
該緩衝剤が、クエン酸/クエン酸ナトリウム、安息香酸/安息香酸ナトリウム、酢酸/酢酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜15の何れか1項に記載のクロス。
【請求項17】
該緩衝剤が、該組成物の0.1〜1%なる範囲の量で含まれる、請求項1〜16の何れか1項に記載のクロス。
【請求項18】
該界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤、オクチルフェニルエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルキルポリグルコシド、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1〜17の何れか1項に記載のクロス。
【請求項19】
該界面活性剤が、該組成物の0.1〜3%なる範囲の量で含まれる、請求項1〜18の何れか1項に記載のクロス。
【請求項20】
更に、安息香酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、セチルピリジニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、およびこれらの混合物からなる群から選択される保存剤をも含む、請求項1〜19の何れか1項に記載のクロス。
【請求項21】
本質的に、水、麻酔薬、5〜45%なる範囲の保護剤、保存剤、緩衝剤、および界面活性剤を含むことを特徴とする、外陰部組織を処置するための組成物。
【請求項22】
該組成物が、0.45〜0.65 NTUなる範囲内の濁り度を持つ、請求項21記載の組成物。
【請求項23】
該界面活性剤が、該組成物の5%未満の量で含まれる、請求項21または22記載の組成物。
【請求項24】
該組成物が、3.4〜3.9なる範囲内のpHを持つ、請求項21〜23の何れか1項に記載の組成物。
【請求項25】
該麻酔薬が、プラモキシン、ベンゾカイン、ジブカイン、テトラカイン、レゾルシノール、およびこれらの混合物からなる群から選択され、かつ該組成物の0.5〜20%なる範囲の量で含まれる、請求項21〜24の何れか1項に記載の組成物。
【請求項26】
該保護剤が、グリセリン、ジメチコーン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、かつ該組成物の10〜40%なる範囲の量で含まれる、請求項21〜25の何れか1項に記載の組成物。
【請求項27】
該保護剤が、グリセリンを含む、請求項21〜26の何れか1項に記載の組成物。
【請求項28】
該緩衝剤が、クエン酸/クエン酸ナトリウム、安息香酸/安息香酸ナトリウム、酢酸/酢酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択され、かつ該組成物の0.1〜1%なる範囲の量で含まれる、請求項21〜27の何れか1項に記載の組成物。
【請求項29】
外陰部組織の痒みを処置するための痒み防止性のクロスの製造方法であって、
水、麻酔薬、5〜45%なる範囲の保護剤、緩衝剤、および界面活性剤を含む、痒み防止性組成物でクロスを湿潤させる工程を含み、
該組成物は、外陰部組織に適用された際に、該組織に冷却作用を及ぼすのに十分な量の成分を含まないことを特徴とする、上記製造方法。
【請求項30】
該組成物が、0.1〜1 NTUなる範囲内の濁り度を持つ、請求項29記載の方法。
【請求項31】
該組成物が、3.4〜3.9なる範囲内のpHを持つ、請求項29または30記載の方法。
【請求項32】
該界面活性剤が、該組成物の10%未満の量で含まれる、請求項29〜31の何れか1項に記載の方法。
【請求項33】
該界面活性剤が、該組成物の5%未満の量で含まれる、請求項29〜32の何れか1項に記載の方法。
【請求項34】
該組成物が、多くとも0.015%の化学知覚冷却成分を含む、請求項29〜33の何れか1項に記載の方法。
【請求項35】
該麻酔薬が、プラモキシン、ベンゾカイン、ジブカイン、テトラカイン、レゾルシノール、およびこれらの混合物からなる群から選択され、かつ該組成物の0.5〜20%なる範囲の量で含まれる、請求項29〜34の何れか1項に記載の方法。
【請求項36】
該麻酔薬が、該組成物の0.9〜1.1%なる範囲の量で含まれる、請求項29〜35の何れか1項に記載の方法。
【請求項37】
該保護剤が、グリセリン、ジメチコーン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、かつ該組成物の10〜40%なる範囲の量で含まれる、請求項29〜36の何れか1項に記載の方法。
【請求項38】
該保護剤が、グリセリンを含む、請求項29〜37の何れか1項に記載の方法。
【請求項39】
該保護剤が、該組成物の20〜40%なる範囲の量で含まれる、請求項29〜38の何れか1項に記載の方法。
【請求項40】
該緩衝剤が、クエン酸/クエン酸ナトリウム、安息香酸/安息香酸ナトリウム、酢酸/酢酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択され、かつ該組成物の0.1〜1%なる範囲の量で含まれる、請求項29〜39の何れか1項に記載の方法。
【請求項41】
外陰部の不快感を処置するための方法であって、
水、麻酔薬、5〜45%なる範囲の保護剤、緩衝剤、および界面活性剤を含む、痒み防止性組成物で湿潤させたクロスと、外陰部組織とを接触させる工程を含み、
該組成物が、外陰部組織に適用された際に、該組織に冷却作用を及ぼすのに十分な量の化学知覚成分を含まないことを特徴とする、上記方法。
【請求項42】
該組成物が、0.45〜0.65 NTUなる範囲内の濁り度を持つ、請求項41記載の方法。
【請求項43】
該界面活性剤が該組成物の5%未満の量で含まれる、請求項41または42記載の方法。
【請求項44】
該組成物が、多くとも0.015%の化学知覚冷却成分を含む、請求項41〜43記載の方法。
【請求項45】
該麻酔薬が、プラモキシン、ベンゾカイン、ジブカイン、テトラカイン、レゾルシノール、およびこれらの混合物からなる群から選択され、かつ該組成物の0.5〜20%なる範囲の量で含まれる、請求項41〜44記載の方法。
【請求項46】
該保護剤が、グリセリン、ジメチコーン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、かつ該組成物の10〜40%なる範囲の量で含まれる、請求項41〜45記載の方法。
【請求項47】
該保護剤が、グリセリンを含む、請求項41〜46の何れか1項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−526739(P2008−526739A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549341(P2007−549341)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/017687
【国際公開番号】WO2006/073467
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(507220501)シー.ビー. フリート カンパニー インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】