説明

媒体撹拌型分散機および媒体撹拌型分散機の洗浄方法

【課題】分散機運転中の処理効率の低下が抑制される媒体撹拌型分散機を提供する。
【解決手段】被処理液を導入する液入口16と処理後の処理液を排出する液出口20とを有する分散容器10と、分散容器10の内部に設けられた撹拌手段と、分散容器10の内部に設けられ、液出口20を覆うスクリーン14と、分散処理中に、液出口20側からスクリーン14の内部に備えた回転ノズルよりスクリーン14の内面へ向かって流体を噴射する逆洗手段と、を有する媒体撹拌型分散機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体撹拌型分散機および媒体撹拌型分散機の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体撹拌型分散機(メディア分散機)は、回転軸周りに回転する撹拌機構を備えた容器(分散室)内で、分散媒と分散質粒子とを含む被処理液と、硬質かつ球形等の分散媒体(メディア、ビーズ等)とを撹拌し、分散媒体の衝突やせん断等によって、被処理液中の分散質粒子を小さくする湿式分散装置であり、汎用的に利用されている。
【0003】
このような媒体撹拌型分散機の液出口には、容器内の撹拌機構に充填された分散媒体と処理液とを分離するため、分散媒体よりも小さいギャップを設け、処理液を液出口より排出するギャップ式と、分散媒体よりも細かい目開きのスクリーンを備え、処理液を液出口より排出するスクリーン式とが知られている。スクリーン式はギャップ式よりも濾過面積が広く、処理能力が一般的に高い。
【0004】
このようなスクリーン式の媒体撹拌型分散機におけるスクリーンの詰まりを除去することが検討されている。例えば、特許文献1には、液出口を覆うスクリーンの液出口側に超音波探針と分散室側に圧力センサとを備え、分散室側の圧力上昇を感知し、超音波探針を作動させてスクリーン詰まりを除去する方法が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、媒体撹拌型粉砕機を使用して複数の異なる物質の分散を行う場合において、一つの物質から他の物質についての分散作業に切り換えるときの洗浄作業を効率化するために、設備を停止し、内部の残液を抜液してからの洗浄を行う場合に、液出口を覆うスクリーンに対向するように複数個の洗浄ノズルを備え、洗浄ノズルより分散室内部へ洗浄液を直接噴射し洗浄力を向上させ、スクリーンを取り外すことなく、分散媒体を損失することなく、分散機内を洗浄する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−252472号公報
【特許文献2】特開2000−354780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、分散機運転中の処理効率の低下が抑制される媒体撹拌型分散機および媒体撹拌型分散機の洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、分散媒および分散質粒子を含む被処理液を導入する液入口と分散媒体による前記被処理液の分散処理後の処理液を排出する液出口とを有する分散容器と、前記分散容器の内部に設けられた撹拌手段と、前記分散容器の内部に設けられ、前記液出口を覆うスクリーンと、分散処理中に、前記液出口側から前記スクリーンの内部に備えた回転ノズルより前記スクリーンの内面へ向かって流体を噴射する逆洗手段と、を有する媒体撹拌型分散機である。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記逆洗手段が、前記液出口側から前記スクリーンの内面へ向かって処理後の処理液を逆流させて噴射する請求項1に記載の媒体撹拌型分散機である。
【0010】
請求項3に係る発明は、分散媒および分散質粒子を含む被処理液を導入する液入口と分散媒体による前記被処理液の分散処理後の処理液を排出する液出口とを有する分散容器と、前記分散容器の内部に設けられた撹拌手段と、前記分散容器の内部に設けられ、前記液出口を覆うスクリーンとを有する媒体撹拌型分散機による分散処理中に、前記液出口側から前記スクリーンの内部に備えた回転ノズルより前記スクリーンの内面へ向かって流体を噴射する媒体撹拌型分散機の洗浄方法である。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記液出口側から前記スクリーンの内面へ向かって処理後の処理液を逆流させて噴射する請求項3に記載の媒体撹拌型分散機の洗浄方法である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によると、分散処理中に、液出口側からスクリーンの内部に備えた回転ノズルよりスクリーンの内面へ向かって液体または気体を噴射する逆洗手段を有さない場合に比較して、分散機運転中の処理効率の低下が抑制される媒体撹拌型分散機が提供される。
【0013】
請求項2に係る発明によると、逆洗手段が処理後の処理液を逆流させて噴射するものではない場合に比較して、回収された処理液の固形分比率が安定する媒体撹拌型分散機が提供される。
【0014】
請求項3に係る発明によると、分散処理中に、液出口側からスクリーンの内部に備えた回転ノズルよりスクリーンの内面へ向かって液体または気体を噴射しない場合に比較して、分散機運転中の処理効率の低下を抑制する媒体撹拌型分散機の洗浄方法が提供される。
【0015】
請求項4に係る発明によると、処理後の処理液を逆流させて噴射しない場合に比較して、回収された処理液の固形分比率が安定する媒体撹拌型分散機の洗浄方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る媒体撹拌型分散機の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る媒体撹拌型分散機におけるスクリーン部分の一例を示す概略構成図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】比較例で用いた従来の媒体撹拌型分散機の一例を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0018】
本発明の実施形態に係る媒体撹拌型分散機の一例の概略構成を図1に示し、その構成について説明する。媒体撹拌型分散機1は、分散媒および分散質粒子を含む被処理液を導入する液入口16と分散媒体による被処理液の分散処理後の処理液を排出する液出口20とを有する分散容器10と、分散容器10の内部に設けられた撹拌手段として撹拌装置12と、分散容器10の内部に設けられ、液出口20を覆うスクリーン14とを有する。図2に、媒体撹拌型分散機1におけるスクリーン14の部分の一例を示す。媒体撹拌型分散機1は、分散処理中に、液出口20側からスクリーン14の内面へ向かって流体を噴射する逆洗手段として、スクリーン14の内部に、逆洗用流体入口22と通じる1つ以上の噴射口28を有する回転ノズル24を有する。
【0019】
図1の媒体撹拌型分散機1において、液入口16は分散容器10の上部に設けられ、液出口20は分散容器10の下部に設けられてスクリーン14に覆われている。分散容器10の上部には、分散媒体を投入するための分散媒体投入口18が設けられている。分散容器10の内部は分散室26となっており、撹拌装置12は例えば撹拌羽根等の撹拌部材と撹拌軸とを有し、図示しないモータ等の駆動手段により回転軸を中心に撹拌羽根等が回転される。スクリーン14は、液出口20を覆うようにして分散容器10の下部の中央部付近に設置されている。図2に示すように、スクリーン14の内部の中央付近には、1つ以上の噴射口28を有する回転ノズル24を備え、噴射口28は分散容器10の下部に設けられた逆洗用流体入口22と通じており、図示しないモータ等の駆動手段により回転軸を中心に回転ノズル24が回転される。逆洗用流体入口22は、ジョイント30等の接続手段により、逆洗用流体配管34と接続されている。
【0020】
図3に、図2におけるA−A断面図を示すように、回転ノズル24の噴射口28は、例えば、回転ノズル24の本体部の外周部の接線方向に対して突出した筒状、スリット状等の構造となっている。
【0021】
本実施形態に係る媒体撹拌型分散機の洗浄方法および媒体撹拌型分散機1の動作について説明する。
【0022】
ビーズ等の分散媒体を分散媒体投入口18から分散室26に投入する。図示しないモータ等の駆動手段により撹拌装置12の撹拌羽根等の撹拌部材を回転させながら、水等の分散媒および顔料等の分散質粒子を含む被処理液を、液入口16より分散室26にポンプ等により導入する。導入された被処理液は、撹拌羽根等により撹拌される分散媒体の間で摩擦力を受けて分散処理され、スクリーン14を経て液出口20から処理液として排出される。被処理液に含まれる分散質粒子は、分散媒体の間で摩擦力を受けることにより、細かな粒子に粉砕される。この間に被処理液は撹拌作用を受け、粉砕された分散質粒子は分散媒内で混合されて分散状態となる。スクリーン14は、分散容器10の出口部において処理液と分散媒体とを分離する作用を果たす。このようにして分散処理が行われる(分散工程)。
【0023】
このような連続式の媒体撹拌型分散機において、分散後の処理液と分散媒体とを分離するために備えられているスクリーンは、運転時間の経過とともに目詰まりが発生する場合がある。特に、連続的に分散処理を長時間行う場合、分散媒体やその破片、もしくは未分散状態の分散質粒子等がスクリーンに捕集され、スクリーンの開口面積を減少させることにより、処理能力が低下し、予め定めた分散条件が保てない状況となる場合がある。このような状況を回避するため、通常は定期的な分解洗浄を行うが、定期的な分解洗浄を行うことにより、分散機の停止時間が長くなり、処理効率が低下する場合がある。本実施形態に係る媒体撹拌型分散機1では、連続運転中にスクリーン14を洗浄し、目詰まりを除去する機構を備えることにより、分散機運転中の処理効率の低下が抑制される。これにより、長時間の安定的な連続運転が行われ、定期的な設備停止、分解洗浄等の頻度が低くなる。
【0024】
分散処理中に、逆洗用流体入口22から液体等の逆洗用流体をポンプ等により回転ノズル24に供給し、1つ以上の噴射口28から、スクリーン14の内面へ向かって流体を噴射して逆洗を行う。このとき、図示しないモータ等の駆動手段により回転ノズル24が回転される。これにより、連続運転中にスクリーン14を洗浄し、スクリーン14の目詰まりを除去する。なお、本明細書において「分散処理中に逆洗を行う」とは、分散処理を行いながら逆洗を行う場合のみならず、被処理液の供給を停止して、分散機の分解を行うことなく逆洗を行う場合をも含む。
【0025】
また、スクリーン14の内部で回転する回転ノズル24を使用することにより、回転方向に複数のノズルを設置しなくてもよく、比較的少ない流量の流体でスクリーン14の目詰まりが除去される。
【0026】
回転ノズル24の本体部は、例えば円筒等の筒状等のものであり、金属、樹脂等により構成される。噴射口28の形状は、スクリーン14の内面へ向かって流体を噴射するものであればよく、特に制限はない。噴射口28の形状は、図3の例のような回転ノズル24の本体部の外周部の接線方向に対して突出した筒状、スリット状等の構造のものの他に、回転ノズル24の本体部に設けられた円状、スリット状等の開口部であってもよい。図3の例のような回転ノズル24の本体部の外周部の接線方向に対して突出した構造とすることにより、スクリーン14の内面と噴射口28との距離が近くなるためにスクリーン14の洗浄効果が高くなり、また、回転ノズル24の回転の駆動力も得られる。噴射口28の数は1つ以上であればよい。スクリーン14の内面にできるだけ均一に噴射できるように、噴射口28の数、配置位置、形状や、噴射流量等を適宜決めればよい。
【0027】
逆洗用流体としては、例えば、水、アルコール等の有機溶媒等の液体、空気、不活性ガス等の気体等が挙げられる。逆洗用流体として気体を用いると、処理液に気泡が混入したり、混入した気泡により分散効率が低下する場合があるので、逆洗用流体として液体を用いることが好ましい。液体を用いる場合は、被処理液の分散媒と同じものを用いることが好ましい。気体を用いる場合は、脱気手段を備えてもよい。
【0028】
本実施形態において、逆洗用流体として処理後の処理液を逆流させて使用することが好ましい。処理液を目詰まりの除去に使用することにより、回収された処理液の固形分比率が安定する。また、回収された処理液への異物の混入が抑制される。例えば、処理後の処理液を処理液槽等に貯留して、ポンプ等により逆流させて、処理液を逆流用流体として逆洗用流体入口22から回転ノズル24に供給し、噴射口28からスクリーン14の内面へ向かって噴射すればよい。
【0029】
スクリーン14は、例えば円筒等の筒状等のものであり、金属、樹脂、セラミック等により構成される。スクリーンの開口部の径等は、目的とする分散に応じて適宜決めればよい。
【0030】
分散媒体としては、分散質粒子の粉砕効果があるものであればよく、特に制限はないが、例えば、ビーズ、メディア等が挙げられる。分散媒体の材質、形状、大きさ等は、目的とする分散に応じて適宜決めればよい。
【0031】
分散質粒子としては、例えば、顔料、化粧品、半導体用研磨剤、磁気記録材料、電池材料、染料等が挙げられる。
【0032】
分散媒としては、例えば、水、アルコール等の有機溶媒等が挙げられる。
【0033】
撹拌部材としては、撹拌羽根、ロータ、ディスク等が挙げられる。ロータには外周部に凹凸部を設けたピンロータ形状も含む。また、ディスクには本体に複数の穴加工が施された多孔ディスク、さらにディスク外周部に凹凸を有したスターディスクも含む。
【0034】
本実施形態に係る媒体撹拌型分散機および媒体撹拌型分散機の洗浄方法は、例えば、静電荷像現像用トナー用材料、各種インク用材料、液晶ディスプレイ用材料、化粧品用材料等の各種材料の製造に用いられる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0036】
<実施例1>
(黒色顔料分散液の調製)
底弁付ステンレス容器に、下記の材料を秤量し、顔料の粉体が液中に取り込まれるまで撹拌し、被処理液とした。
カーボンブラック(キャボット社製、R330) 20質量部
界面活性剤(花王社製、エマール0) 2質量部
イオン交換水 78質量部
【0037】
次いで、図1および図2に示す連続式の媒体撹拌型分散機(回転ノズル式逆洗機構付き)を用いて、分散処理を行った。分散処理は、被処理液をチューブポンプで底弁から連続的に分散機へ送液し、分散機を通過した液を別の容器へ連続的に回収するパス方式で行った。被処理液の流量は、1kg/minとした。分散処理を行う間、被処理液の入ったステンレス容器は緩やかに撹拌を継続し、また、分散機のジャケットには15℃の冷却水を通水して、極力発熱を抑えた。分散室には、分散媒体として直径0.3mmのジルコニアビーズを投入し、分散室内容積に対する充填率は80%とした。分散室の撹拌羽根の周速を12m/secに設定した。スクリーンとしては、開口部の径が50mmのもの(内径44mm、高さ60mmの円筒状)を用いた。逆洗機構は、回転ノズルを30rpmの回転数にて回転させ、20kg処理毎に1.0kgの処理液を逆洗用流体として用いた。回転ノズルとしては、円筒状の本体部の外周部の接線方向に対して突出した噴射口(内径3.0mm)を本体部の軸方向に10mm間隔で5個配置したものを用いた。
【0038】
上記条件にて、200kgの被処理液を分散処理した結果、分散機内の圧力上昇もほとんどなく、3時間の運転中、安定的な運転を完了することができた。また、顔料の体積平均粒径を日機装社製マイクロトラックUPAで測定したところ、分散の初期から終盤まで、安定して150nm以上160nm以下と十分な分散性を示すと共に、回収された処理液の固形分比率も初期から終盤まで21.5質量%以上22.5質量%以下とほとんど変化することなく安定していた。
【0039】
<実施例2>
逆洗用流体としてイオン交換水を用い、その他の条件は実施例1と同条件に設定して、分散処理を行った。
【0040】
上記条件にて、200kgの被処理液を分散処理した結果、分散機内の圧力上昇もほとんどなく、3時間の運転中、安定的な運転を完了することができた。また、顔料の体積平均粒径は分散の初期から終盤まで、安定して150nm以上160nm以下と十分な分散性を示した。しかし、回収された処理液の固形分比率が18.3質量%以上21.4質量%以下とやや安定しなかった。
【0041】
<実施例3>
逆洗用流体として空気を用い、その他の条件は実施例1と同条件に設定して、分散処理を行った。
【0042】
上記条件にて、200kgの被処理液を分散処理した結果、分散機内の圧力上昇もほとんどなく、3時間の運転中、安定的な運転を完了することができた。また、顔料の体積平均粒径は分散の初期から終盤まで、安定して150nm以上160nm以下と十分な分散性を示すと共に、回収された処理液の固形分比率も初期から終盤まで21.6質量%以上22.4質量%以下とほとんど変化することなく安定していた。しかし、処理液内に気泡が混入したため、回収液から泡が溢れ出す問題が生じた。
【0043】
<比較例1>
図4に示す従来の連続式の媒体撹拌型分散機(逆洗機構なし)を用いる以外は実施例1と同様の分散処理を行った。図4の媒体撹拌型分散機3は、分散容器50と、撹拌装置52と、スクリーン54と、液入口56と、分散媒体投入口58と、液出口60とを備える。
【0044】
80kgの被処理液を分散処理した段階で、分散機内の圧力上昇が確認されると共に、処理流量の急激な低下が確認され、これ以上の運転続行は不可能な状態となった。その後、分散機の分解洗浄を実施し、再び分散処理を再開したが、同様の状態が150kg分散処理した段階でも発生し、同様の対応にて200kgの被処理液の分散を完了した。顔料の体積平均粒径は分散の初期から終盤まで、安定して150nm以上160nm以下と十分な分散性を示すと共に、回収された処理液の固形分比率も初期から終盤まで21.7質量%以上22.4質量%以下とほとんど変化することなく安定していた。しかし、200kgの被処理液の分散処理時間が実施例1に比べて分解洗浄時間を含めて約8時間超過することになり、処理効率が低下した。
【0045】
<比較例2>
回転ノズルを回転させず、その他の条件は実施例1と同条件に設定して、分散処理を行った。
【0046】
上記条件にて、200kgの被処理液を分散処理した結果、処理時間が6時間となり、処理効率の低下が確認された。顔料の体積平均粒径は分散の初期から終盤まで、安定して150nm以上160nm以下と十分であった。回収された処理液の固形分比率は初期から終盤まで21.5質量%以上22.6質量%以下とほとんど変化することなく安定していた。
【0047】
このように、実施例1〜3では、分散処理中に液出口側からスクリーンの内部に備えた回転ノズルよりスクリーンの内面へ向かって流体を噴射することにより、比較例1,2に比べて分散機運転中の処理効率の低下が抑制された。
【符号の説明】
【0048】
1,3 媒体撹拌型分散機、10,50 分散容器、12,52 撹拌装置、14,54 スクリーン、16,56 液入口、18,58 分散媒体投入口、20,60 液出口、22 逆洗用流体入口、24 回転ノズル、26 分散室、28 噴射口、30 ジョイント、34 逆洗用流体配管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散媒および分散質粒子を含む被処理液を導入する液入口と分散媒体による前記被処理液の分散処理後の処理液を排出する液出口とを有する分散容器と、
前記分散容器の内部に設けられた撹拌手段と、
前記分散容器の内部に設けられ、前記液出口を覆うスクリーンと、
分散処理中に、前記液出口側から前記スクリーンの内部に備えた回転ノズルより前記スクリーンの内面へ向かって流体を噴射する逆洗手段と、
を有することを特徴とする媒体撹拌型分散機。
【請求項2】
前記逆洗手段が、前記液出口側から前記スクリーンの内面へ向かって処理後の処理液を逆流させて噴射することを特徴とする請求項1に記載の媒体撹拌型分散機。
【請求項3】
分散媒および分散質粒子を含む被処理液を導入する液入口と分散媒体による前記被処理液の分散処理後の処理液を排出する液出口とを有する分散容器と、前記分散容器の内部に設けられた撹拌手段と、前記分散容器の内部に設けられ、前記液出口を覆うスクリーンとを有する媒体撹拌型分散機による分散処理中に、前記液出口側から前記スクリーンの内部に備えた回転ノズルより前記スクリーンの内面へ向かって流体を噴射することを特徴とする媒体撹拌型分散機の洗浄方法。
【請求項4】
前記液出口側から前記スクリーンの内面へ向かって処理後の処理液を逆流させて噴射することを特徴とする請求項3に記載の媒体撹拌型分散機の洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−59722(P2013−59722A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199459(P2011−199459)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】