説明

安定した酵素系を持つ洗剤

本発明は保存中のオキシダーゼ酵素を安定化するための方法及び組成物を提供する。ある好ましい実施の態様においては、オキシダーゼは更に少なくとも一つのオキシダーゼ基質を含む液体組成物の一つの成分である。ある好ましい実施の態様においては、オキシダーゼは液体洗剤組成物の一つの成分である。ある特に好ましい実施の態様においては、オキシダーゼは液体洗剤にオキシダーゼの可逆性抑制剤を加えることで安定する。ある特に好ましい実施の態様においては、オキシダーゼは亜硫酸水素塩で安定化される。更に好ましい実施の態様においては、可逆性抑制剤を使用することにより、液体洗剤の保存中に早期に過酸化物が生成されるのを阻止する。更なる実施の態様においては、オキシダーゼ酵素、その基質及び可逆性抑制剤を含む液体洗剤製剤は、洗濯洗液に液体洗剤を希釈させると活性酸素種(過酸化物)を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2006年7月6日に出願された係属中の米国仮特許出願第60/818,824号の優先権の利益を享受するものである。
【0002】
本発明は保存中のオキシダーゼ酵素を安定化するための方法及び組成物を提供する。ある好ましい実施の態様においては、オキシダーゼは更に少なくとも一つのオキシダーゼ基質を含む液体組成物の一つの成分である。ある好ましい実施の態様においては、オキシダーゼは液体洗剤組成物の一つの成分である。ある特に好ましい実施の態様においては、オキシダーゼは液体洗剤にオキシダーゼの可逆性抑制剤を加えることで安定する。ある特に好ましい実施の態様においては、オキシダーゼは亜硫酸水素塩で安定化される。更に好ましい実施の態様においては、可逆性抑制剤を使用することにより、液体洗剤の保存中に早期に過酸化物が生成されるのを阻止する。更なる実施の態様においては、オキシダーゼ酵素、その基質及び可逆性抑制剤を含む液体洗剤製剤は、洗濯洗液に液体洗剤を希釈させると活性酸素種(過酸化物)を生成する。
【背景技術】
【0003】
洗濯及び食器洗浄用の洗浄は広範囲にわたる種類の構成要素の複雑な混合物よりなり、その要素には通常、イオン性、非イオン性界面活性剤、溶剤、ビルダー、香料、酵素及び漂白成分の様な多くの成分を含む。その様な複雑な混合物では、保存安定性の問題、特に酵素の保存安定性の問題については良く知られている。あるケースでは、安定性の問題は洗剤の物理的安定性に関わり、他の場合では洗剤中の個々の構成要素の機能の安定性に関わる。オキシダーゼの様な酵素は液体洗剤製剤での保存安定性の問題に特に関係する。この理由によりこれらの酵素は漂白作用を起す繊維及び家庭洗浄組成物で広範囲に使用されることがない。洗剤の保存中にオキシダーゼ酵素の活性、特にまたオキシダーゼ基質成分を含む洗浄で活性を維持することは大きな課題であった。オキシダーゼ及びオキシダーゼ基質が共に存在することはそのままの状態において(in situ)過酸化水素を生成させることになる。この結果液体及び乾燥製剤の何れにおいても酵素の酸化による酵素安定性が低減する。過酸化物が酵素に対して与える損傷は種々のメカニズム(例えば、酵素中の主要アミノ酸残基が酵素補助因子と相互反応することにより酸化される)によって起きると考えられている。しかし、本発明はある特定のメカニズムに限定されるものではない。しかしながら、過酸化物が酵素に対して与える損傷はしばしばその活性を漸次減少させることとなる。乾燥製剤中で酵素は安定化させることができる(例えば、WO 96/02623に記載される様に、酵素をカプセル封入することにより本文献はその全体が、参照により本明細書に組み入れられる)。
【0004】
種々の洗濯漂白剤及び活性剤が技術分野で知られている(例えば、Grime 及びClauss, Chem. Indust., 20:647-649, 652-653 [1990]; Sheane及びWilkinson, Tinctoria 101:36-41 [2004]; 及びBroze, 洗剤ハンドブック(Handbook of Detergents) Warwick International, [1999]を参照)。最も普通に使用されている漂白剤は過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、過燐酸ナトリウム、過酸化尿素、過ケイ酸塩ナトリウム、これらのアンモニア、カリウム及びリチウム類似体、過酸化カルシウム、過酸化亜鉛、過酸化ナトリウム、過酸化カルバミドを含み、次亜塩素酸ナトリウム及び酸化塩素の様なものが通常洗剤、練り歯磨き及び他の製品に使用される。この過酸化物の低温での酸化力は「漂白活性剤」を加えることにより高められる。種々の漂白活性剤が技術分野で知られており、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)の様なアシル化合物、ナノノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(NOBS)の様なエステル化合物及びイソノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩(ISONOBS)、遷移金属複合体及び他の化合物を含む。
【0005】
この漂白系は、洗濯サイクル中に水を加えると過酸(例えば、過酢酸)、過酸化水素、及び/又は他の関連種を生成する。この系に存在する過酸及び他の活性酸素種は、繊維又は食器のある種の汚れを漂白し、又は軽減する様に作用する。しかし、漂白活性剤は液体洗剤中に過炭酸塩と共に加えることはできない。その理由は漂白活性剤は反応して過酸及び/又は他の活性化された酸化剤を形成するからである。この様に、保存中に不活性であるが、洗濯サイクルでは過酸化水素を生成するH2O2生成系に対する要請がある。
【0006】
相当量の水(1%より多い水)を含む洗剤中の漂白剤は保存安定性が低いため、漂白剤は、通常は液体洗剤中には含まれない。漂白剤の存在はまた、洗剤に含まれる酸化し易い酵素及び他の化合物の保存安定性に非常大きい否定的な影響を与える。この様に、洗液中の洗剤を薄めるとその場で(in situ)で漂白剤を生成する液体洗剤に対する要請がある。
【0007】
幾つかのオキシダーゼが紹介されている(例えば、Beck他、漂白活性剤、有機原材料IIIとしての炭水化物(Bleach activators, Carbohydrates as Organic Raw Materials III)、ワークショップ、Wageningen, 1994年11月28-29日, 295-306 ページ[1996]; Nakayama及びAmachi, J. MoI. Catalysis B: Enzymatic 6: 185-198 [1999]; WO 06/008497; WO 05/124012; 米国特許第 6,399,329号; WO 01/007555;及びWO 03/36094を参照)。しかしこれらの系の主要な限界はオキシダーゼがその基質と共に液体洗剤に貯蔵されて過酸化水素を発生し、過酸化水素自身が酵素を傷つけ、また系に存在する漂白活性剤と反応することがあり得ることである。そのため、その様なオキシダーゼ基質系は不安定である。事実、保存中に基質の存在する中で可逆性が抑制されたオキシダーゼであり、洗液中に希釈されるとその場で(in situ)漂白剤を生成するオキシダーゼを提供する方法に対する要請がある。更に、洗濯洗液中で洗剤が希釈された場合に染みを漂白し及び/又は軽減する漂白剤(例えば、活性酸素種、過酸化物及び過酸を生成する)の生産に対する要請がある。
【0008】
液体の場合と同様に、洗剤粉末中に漂白剤が存在することは、しばしば洗剤中に存在する酵素の安定に対し強い負の影響をもたらす。その結果、洗剤粉末中で酵素分子と漂白剤を分離するために多大の注意が払われる。これは通常酵素及び漂白剤を分離して製剤することで実現される。例えば、ある場合は、酵素は保存中に活性酸素種が酵素を含む顆粒に浸透することを抑えるために粒状に製剤される。その様な粉末洗剤系もまた可逆性が抑制されたオキシダーゼ基質酵素系の利益を受けることができる。
【発明の概要】
【0009】
本発明は保存中のオキシダーゼ酵素を安定化するための方法及び組成物を提供する。ある好ましい実施の態様においては、オキシダーゼは液体洗剤組成物の一成分である。ある特に好ましい実施の態様においては、オキシダーゼは、オキシダーゼの可逆性抑制剤を加えることにより安定性化される。ある特に好ましい実施の態様においては、オキシダーゼは亜硫酸水素塩(bisulfite)によって安定化される。更に好ましい実施の態様においては、可逆性抑制剤を用いることによりまた液体洗剤の保存中に過酸化物が早期に生成されることを阻止する。
【0010】
更なる実施の態様においては、オキシダーゼ酵素、その基質、及び可逆性抑制剤を含む液体洗剤製剤は、洗濯洗液中に液体洗剤を希釈することにより、活性酸素種(過酸化物)を生成する。更なる実施の態様においては、本発明は少なくとも一つのオキシダーゼ酵素、少なくとも一つのオキシダーゼ基質及び少なくとも一つの可逆性抑制剤を含む粉末洗剤製剤を提供する。特に好ましい実施の態様においては、これらの粉末洗剤製剤は洗濯洗液中に粉末洗剤を希釈することにより、酸素種(過酸化物)を生成する。本発明は少なくとも一つのオキシダーゼ及び少なくとも一つの安定剤を含む安定性されたオキシダーゼ組成物を提供する。ある実施の態様においては、オキシダーゼはグルコースオキシダーゼ、ソルビトールオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ及びアルコールオキシダーゼから選択される。他の実施の態様においては、組成物は更に、少なくとも一つのオキシダーゼのための少なくとも一つの基質を含む。ある好ましい実施の態様においては、基質はグルコース、乳酸塩、ソルビトール、コリン、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びエタノールから選択される。ある他の実施の態様においては、少なくとも一つの安定剤は少なくとも一つのオキシダーゼ抑制剤を含む。ある好ましい実施の態様においては、安定剤は少なくとも一つの亜硫酸塩を含む。特に好ましい実施の態様においては、少なくとも一つの亜硫酸塩は亜硫酸水素ナトリウム(sodium hydrogen sulfite)、メタ重亜硫酸ナトリウム、及び/又は重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)から選択される。ある他の実施の態様においては、安定剤はチオ硫酸塩及び2−アミノー2メチルー1−プロパノールから選択される。ある特に好ましい実施の態様においては、組成物は洗浄、漂白及び/又は殺菌組成物である。ある特に好ましい実施の態様においては、洗剤は洗濯洗液又は食器用洗剤である。他の更に好ましい実施の態様においては、洗剤は粉末、液体及びゲル洗剤から選択される。更なる実施の態様においては、組成物は洗剤用添加物又は事前処理用製品である。更なる実施の態様においては、組成物は更に漂白活性剤又は漂白前駆物質を含む。ある実施の態様においては、漂白活性剤は過酸前駆体、金属錯体、ペルオキシダーゼ、及びアシルトランスフェラーゼ基質系から選択される。ある特に好ましい実施の態様においては、組成物は、プロテアーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、リパーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、オキシドレダクターゼ、ヘミセルラーゼ、及びカルボヒドラーゼから選択される少なくとも一つの酵素を更に含む。更なる実施の態様においては、組成物は更に、界面活性剤、ビルダー、白色剤、抗微生物剤、重合体、溶媒、塩、緩衝剤、キレート剤、染料伝達抑制剤、沈着助剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒物質、標白活性剤、標白増強剤、事前形成過酸、高分子分散剤、粘土質土壌除去/抗再沈着剤、増白剤、せっけん泡抑制剤、染料、香水、構造弾性剤、柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、色素及びこれらの混合物から選択される少なくとも一つの補助成分を含む。
【0011】
本発明はまた、洗液中に漂白種を生成する方法を提供し、その方法は洗液に本発明の少なくとも一つの組成物を加えるステップを含む。更なる実施の態様においては、漂白種は過酸化物、又は過酸化物により活性化され得る漂白系である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】はグルコースオキシダーゼの安定性及び漂白効果に対する亜硫酸水素塩の影響を示すグラフである。
【図2】はグルコースオキシダーゼのブルベリーの汚れのついたディスクでの安定性及び漂白効果に対する亜硫酸水素塩の影響を示すグラフである。
【図3】はグルコースオキシダーゼのターゴトメーター中で試験された複数の汚れのついた布切れでの安定性及び漂白効果に対する亜硫酸水素塩の影響を示すグラフである。
【発明の詳細な説明】
【0013】
本発明は保存中のオキシダーゼ酵素の安定化の方法及びそのための組成物を提供する。ある実施の態様においては、オキシダーゼは液体洗剤組成物の一つの成分である。ある特に好ましい実施の態様においては、オキシダーゼはオキシダーゼの可逆性抑制剤を液体洗剤に加えることにより安定化される。更なる好ましい実施の態様においては、可逆性抑制剤の使用は液体洗剤の保存中に過酸化物が早期に生成されることを阻止する。更なる実施の態様においては、オキシダーゼ酵素、その基質及びその可逆性抑制剤を含む液体洗剤製剤は、洗濯洗液中に液体洗剤を希釈すると活性酸素種(過酸化物)を生成する。ある特に好ましい実施の態様においては、オキシダーゼは亜硫酸水素塩で安定化される。更なる実施の態様においては、本発明は少なくとも一つのオキシダーゼ、少なくとも一つのオキシダーゼ基質及び少なくとも一つの可逆性抑制剤を含む液体洗剤製剤を提供する。特に好ましい実施の態様においては、これらの液体洗剤製剤は、洗濯洗液中で液体洗剤を希釈すると活性酸素種(例えば、過酸化物)を生成する。
【0014】
定義
他に断らない限り、本発明では、分子生物学、微生物学、タンパク質精製、タンパク質操作、タンパク質及びDNA配列、組み換えDNA分野及び酵素の工業上利用及びその開発で通常用いられる従来技術を用い、これらは全て当業者の用いる技術範囲にある。本明細書に記載される全ての特許、特許出願、論文及び刊行物は、上に記載のもの及び以下に記載するものを問わず、参照により本明細書に組み入れられる。
【0015】
更に、本明細書に記載の見出しは本発明の各特徴又は実施の態様を限定するものではなく、本発明は本明細書を全体として参照して理解されうる。したがって、続いて以下に定義される用語は本明細書を全体として参照してより完全に規定されうる。しかしながら、本発明の理解を容易にするために、以下に多くの用語の定義を掲げる。
【0016】
他に断らない限り、本明細書で用いる全ての技術及び科学用語はこの発明が関係する分野の当業者により通常理解されるものと同様の意味を持つ。本明細書に記載される方法及び材料と同じ何れの方法及び材料も本発明を実施するために用いることができるが、本明細書では好ましい方法及び材料が記載される。したがって、続いて以下に定義される用語は本明細書の全体を参照することにより、より完全に理解されうる。本明細書においては、文意より明確に他の意味に解されない限り、単数形を示す「a」「an」及び「the」は複数形も含む。特に断らない限り、核酸は左から右へ5’から3’の方向に、アミノ酸配列は左から右へアミノ基からカルボキシ基の方向にそれぞれ記載する。本発明の特定の方法、手順及び反応試薬は、当業者により使用される文脈によって種々変わりうる為、本発明では本明細書に記載の特定の方法、手順及び反応試薬限定されるものではないことを了解すべきである。
【0017】
本明細書を通し記載される各最大限界数値は、その下限数値が本明細書に記載されているかの様に、各下限値を含むことを意図している。本明細書を通し記載される各最小限界数値は、その上限限界値が本明細書に明示的に記載されるかの様に、各上限値を含むことを意図している。本明細書を通じ記載される各数値範囲は、そのより狭い数値範囲が、全て本明細書に明示的に記載されているかの様に、その様なより広い数値範囲内にある各狭い数値範囲を含む。
【0018】
本明細書で用いる「オキシダーゼ」は分子酸素(O2)を電子受容体として用いる酸化/還元反応を触媒する酵素を言う。これらの反応では、酸素は水(H2O)又は過酸化水素(H2O2)に還元される。オキシダーゼはオキシドレダクターゼのサブクラスである。
【0019】
本明細書で用いる「グルコースオキシダーゼ」(Gox)の用語はβ―D−グルコースのD−グルコースー1.5−ラクトンへの酸化を触媒するオキシダーゼ酵素(EC1.1.3.4)を言い、その後D−グルコースー1.5−ラクトンはグルコン酸に加水分解され、同時に分子酸素を過酸化水素に還元する。
【0020】
本明細書で用いる「アルコールオキシダーゼ」(Aox)の用語はアルコールをアルデヒドに変換するオキシダーゼ酵素(EC1.1.3.13)を指し、同時に分子酸素を水素に還元する。
【0021】
本明細書で用いる「コリンオキシダーゼ」(Cox)の用語はコリンのグリシンベタインへの4電子酸化を触媒するオキシダーゼ酵素(EC1.1.3.17)を指し、ベタイン アルデヒドを中間体として、同時に分子酸素の2つの分子を2つの過酸化水素分子に還元する。
【0022】
本明細書で用いる「ヘキソースオキシダーゼ」(Hox)は単糖及び二糖類のそれらに対応するラクトンへの酸化を触媒するオキシダーゼ酵素(EC 1.1.3.5)を指し、それに伴い分子酸素の過酸化水素へ還元する。ヘキソースオキシダーゼは、D−グルコース、D−ガラクトース、マルトース、セロビオース及びラクトース等を含む種々の基質を酸化することができる。本発明は特定のヘキソースに限定することを意図するものではない。
【0023】
本明細書で用いる「グリセロオキシダーゼ」はグリセロールのグリセルアルデヒドへの酸化を触媒するポリオールオキシダーゼ酵素(EC 1.1.3.)を指し、同時に分子酸素を過酸化水素に還元する。
【0024】
本明細書で用いる、「ソルビトールオキシダーゼ」は基質(例えば、D−ソルビトール)のD−グルコースへの酸化を触媒するポリオールオキシダーゼ酵素(EC 1.1.3.)を言い、同時に分子酸素を過酸化水素に還元する。ソルビトールオキシダーゼの基質はまた種々のポリオール(例えば、キシリト−ル、アラビトール、マンニトール、リビトール、グリセロール、プロパンジオール及びプロピレングリコール)を含む。本明細書で用いる「ポリオール」は複数のヒドロキシル基を含む化合物を言う。
【0025】
本発明においては、更に次のオキシダーゼが用いられるがこれに限定されるものではない:コレステロースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、カルボキシアルコールオキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、グリシンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、グルタミン酸オキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、リジンオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、バニリルオキシダーゼ、グリコール酸オキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ウリカーゼ、シュウ酸オキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ。
【0026】
本明細書で用いる「抑制剤」は酵素の触媒活性を低減させ、又は停止させることができる化合物を言う。特に好ましい実施の態様においては、抑制剤は少なくとも一つのオキシダーゼの触媒活性を低減させ、又は停止させる。オキシダーゼ抑制剤の例として、酢酸塩、銀塩、ハロゲン化物イオン、sec-及びtert-アルコール、イソシアネート、イソチアシアネート、グルコース類似体、亜硫酸水素塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、亜鉛塩、ジエチルジカルバミル酸塩、メチルメタンスルホン酸、アクリロニトリル、2−アミノ、2−メチル 1−プロパノールを含む。
【0027】
本明細書で用いる「可逆性酵素抑制剤」は酵素と結合しそして反応速度を減少させる分子を言う。ある実施の態様においては、可逆性酵素抑制剤は抑制剤との関係で酵素基質の濃度を変えることにより影響を受ける。ある実施の態様においては、可逆性酵素抑制剤は、基質に結合させるために用いられる結合に類似する弱い結合を用いて酵素に結合する。この様に、可逆性抑制剤は常に酵素を永久に不能にするものではない。抑制剤を除去することにより酵素は基質に結合し、その基質を転換させるからである。ある実施の態様においては、可逆性酵素抑制剤は非共有的に酵素と作用し合い、及び/又は酵素の活性部位の基質と競合し、及び/又は基質、製品、及び/又は遷移状態を類似の構造を持つ競合抑制剤である。更なる実施の態様においては、可逆性抑制剤は酵素の活性部位以外に存在する部位で結合し、及び/又は触媒活性を低減させ及び/又は停止させる酵素中に構造変化を起す非競合性酵素抑制剤である。この用語は特定の機構又は種類の可逆性酵素抑制剤に限定することを意図するものではない。酵素が抑制剤及び/又は抑制剤の効果が存在しない場合に機能するためにのみ、酵素抑制剤の効果が可逆的であることが必要である。
【0028】
本明細書で用いる「両立する」の用語は、洗浄組成物材料が本明細書に記載のオキシダーゼ酵素の酵素活性を低減させず、オキシダーゼが通常の使用状況において望まれる程度ほどには効果を発揮しないことを言う。特定の洗浄組成物材料はこの後に例示して詳細に説明する。
【0029】
本明細書で用いる「効果的な量の酵素」は特定の使用場面において必要とされる酵素活性を達成するのに必要な酵素の量を言う。その様な効果的な量は当業者が容易に確認することができ、例えば、使用される特定の酵素の変異種、洗浄での使用の形態、洗浄組成物中の特定の組成物、及び液体又は乾燥(例えば、粒状)組成物が必要であるか等の様な多くの要素による。
【0030】
本明細書で用いる「洗剤の安定性」は洗剤組成物の安定性を言う。ある実施の態様においては、安定性は洗剤の使用中に判断され、他方、他の実施の態様においては、この用語は保存中の洗剤組成物の安定性を言う。
【0031】
「改善された安定性」の用語は組成物を含む基質中のより良い安定性を指すのに用いられる。ある実施の態様においては、酵素は保存中に抑制剤を含む洗濯又は食器洗い用の洗剤中で、酵素抑制剤を含まない対応する製剤に比べ安定性が改善される。好ましい実施の態様においては、酵素/基質系は、抑制剤を含む洗濯又は食器洗い用の洗剤中で酵素抑制剤を含まない対応製剤に比べて保存中の安定性が改善される。
【0032】
本明細書で用いる「オキシダーゼの安定性」は、酸化条件でタンパク質が機能する能力を言う。特にこの用語は種々の濃度のH2O2、過酸、及び他の酸化剤の存在下でタンパク質が機能する能力を言う。種々の酸化条件下での安定性は当業者に知られている標準的手順、及び/又は本明細書に記載の方法により測定することができる。酸化安定性での実質的な変化は、酸化力を持つ化合物が存在しない場合の酵素活性に比べて、酵素活性の半減期の少なくとも5%以上の増大又は減少(殆んどの実施の態様においては、好ましくは増大である)があることにより立証される。
【0033】
本明細書で用いる「pH安定性」はタンパク質が特定のpHで機能する能力を言う。通常、殆んどの酵素はそれが機能する限定された範囲のpHを持つている。中域pH(すなわち、略pH7)で機能する酵素に加えて、非常に高い又は低いpH条件で活動することのできる酵素がある。種々のpHでの安定性は当業者に知られた標準的手順及び/又は本明細書に記載の方法により測定することができる。pH安定性の本質的な変化は、酵素に最適のpHでの酵素活性に比べて、酵素活性の半減期の少なくとも約5%以上の増大又は減少(殆んどの実施の態様においては好ましくは増大である)があることにより立証される。しかし、本発明はあるpH安定性レベル又はpH範囲に限定することを意図するものではない。
【0034】
本明細書で用いる「熱安定性」はタンパク質がある特定の温度で機能する能力を言う。通常殆んどの酵素はそれが機能する限定された温度範囲を持つ。中領域温度(例えば、室温)で活動する酵素に加え、非常に高い又は低い温度で活動することのできる酵素がある。熱安定性は既知の手順又は本明細書に記載の方法により測定することができる。熱安定性の本質的な変化は、変異体がある熱に曝された場合に、変異体の触媒活性の半減期の少なくとも約5%以上の増大又は減少(殆んどの実施の態様においては好ましくは増大である)があることにより立証される。しかし、本発明はある温度安定性レベル又は温度範囲に限定することを意図するものではない。
【0035】
本明細書で用いる「化学的安定性」はタンパク質の活性に悪い影響を与える化学物質に対するタンパク質(例えば、酵素)の安定性を言う。ある実施の態様においては、その様な化学物質には、過酸化水素、過酸、アニオン性洗剤、カチオン性洗剤、ノンイオン性洗剤、キーラント(chelant)等を含むがこれに限定されるものではない。しかし、本発明はある特定の化学的安定性レベル又は化学的安定性の範囲に限定することを意図するものではない。
【0036】
本明細書で用いる「精製された」及び「分離された」の用語はサンプルから汚染物を除去することを言う。例えば、対象となる酵素は、対象となる酵素でない溶液又は調合剤内の汚染タンパク質及び他の化合物を除去することにより精製される。ある実施の態様においては、対象となる組み換え酵素は細菌又は真菌宿主細胞中で発現され、これらの対象となる組み換え酵素は他の宿主細胞成分の除去により精製され、そうすることにより対象となる組み換え酵素のポリペプチドのパーセントがサンプル中で増加する。
【0037】
本明細書で用いる「対象となるタンパク質」は分析され、同定され及び/又は修飾されるタンパク質(例えば、酵素又は対象となる酵素)を言う。組み換え(例えば、変異体)によるタンパク質のみならず天然のタンパク質は本発明で用いることができる。
【0038】
本明細書で用いる「タンパク質」はアミノ酸及び当業者によりタンパク質として認められたものよりなる任意の組成物を言う。「タンパク質」「ペプチド」及びポリペプチドは相互交換的な意味で用いられる。ペプチドはタンパク質の一部であり、当業者は文意よりこの用語の用いられる意味を理解するであろう。
【0039】
本明細書で用いる「洗浄組成物」及び「洗浄製剤」は洗浄されるもの、例えば、繊維、食器、コンタクトレンズ、他の汚染基質、髪(シャンプー)、皮膚(せっけん及びクリーム)、歯(うがい薬、練歯磨き)等から望ましくない化合物を除去するのに用いられる組成物を言う。その組成物が組成物中のオキシダーゼ及び他の酵素、及び組成物中の任意の可逆性酵素抑制剤と共存できる限り、この用語は特定の種類の、所望の洗浄組成物及び製品の形式(例えば、液体、ゲル、顆粒又は霧状組成物)から選択される任意の材料/化合物を含む。特定の洗浄組成物材料を選択することは、洗浄される表面、洗浄されるもの又は繊維、及び使用中の洗浄条件にあった組成物の所望の形を考慮して容易に決めることができる。
【0040】
この用語は更に任意のもの及び/又は表面を洗浄、漂白、消毒及び/又は殺菌するのに適している任意の組成物を言う。この用語は洗剤組成物(例えば、液体及び/又は固体洗濯洗剤及びきめの細かい繊維用洗剤;固い表面洗浄用製剤、例えば、ガラス、木、セラミック及び金属カウンター甲板及び窓;カーペットクリーナー;オーブンクリーナー、繊維消臭剤、繊維柔軟剤、及び繊維及び洗濯の事前染み抜き並びに食器洗い用洗剤を含むが、これに限定されるものではない。
【0041】
事実、本明細書で用いる「洗浄組成物」は、特に断らない限り粒状又は粉末状汎用又は強力洗濯剤、特に洗浄用洗剤;液体、ゲル又は練り状汎用洗濯剤、特にいわゆる強力液(HDL)タイプ;液状のきめの細かい繊維用洗剤;食器手洗い用又は軽質食器洗い用洗剤、特に高泡立ちタイプ;機械食器洗い用洗剤、家庭用及び産業用使用のための種々の錠剤、顆粒、液体及びリンス助剤タイプを含む;液体洗浄及び殺菌剤であって、抗菌性手洗いタイプ、棒状洗剤、うがい液、義歯洗浄剤、乗用車又はカーペットシャンプー、浴場洗剤を含む;ヘアーシャンプー及びヘアーリンス;シャワーゲル及び泡浴及び金属用洗剤;漂白添加剤及び「染み棒」又は事前処理タイプの様な洗浄補助剤を含む。
【0042】
本明細書で用いる「洗剤組成物」及び「洗剤製剤」は汚れたものの洗浄のための洗濯用媒体で使用する混合物について用いられる。ある好ましい実施の態様においては、この用語は繊維及び/又は衣服(例えば、洗浄用洗剤)の洗濯について使用される。他の実施の態様においては、この用語は食器、食卓食器等を洗浄するため使用される他の製品(例えば、食器洗い用洗剤)を言う。本発明は特定の洗浄製剤又は組成物に限定されない。事実、ペルーヒドロラーゼに加えて、この用語は界面活性剤、トランスフェラーゼ、加水分解酵素、オキシドレダクターゼ、ビルダー、漂白剤、漂白活性剤、青味剤及び蛍光染料、凝結抑制剤、マスキング剤、酵素活性剤、酵素抑制剤、抗酸化剤及び可溶化剤を含む洗剤を包む。ある好ましい実施の態様においては、洗剤製剤は、米国特許出願第10/576,331 号及び第10/581,014号, 並びにWO 05/52161及びWO 05/056782に規定されたものを含むがこれに限定されるものではない。しかし、任意の好適な洗剤製剤は本発明で用いることができるため、本発明は特定の洗剤製剤に限定することを意図するものではない。
【0043】
本明細書で用いる「食器洗い用組成物」は食卓用食器を含む食器を洗浄するための粒状及び液体の形を含む任意の形の組成物を言うが、これに限定されるものではない、本発明は特定のタイプ又は特定の食器洗い組成物に限定されるものではない。
【0044】
事実、本発明は食器類(例えば、金属製食器、コップ、グラス、ボウル等を含む食器を含むがこれらに限定されるものではない)及び任意の材料の食卓食器(例えば、スプーン、ナイフ、フォーク、調理用具を含む台所用具を含むがこれに限定されるものではない。)の洗浄に使用される。材料にはセラミック、プラスチック、金属、磁器、ガラス、アクリル等を含むがこれに限定されるものではない。本明細書で用いる「食器類」の用語は食器及び食卓食器の両方に関して用いられる。
【0045】
本明細書で用いる酵素の「洗濯能力」は、組成物に酵素を加えることなく洗剤に追加の洗浄能力を提供する、洗濯における酵素の貢献を言う。洗濯能力は相当する洗濯条件下で比較される。
【0046】
「相当する洗濯条件」の用語は、洗剤の市場分野の中で実際に家庭で用いられる条件、特に洗濯温度、時間、洗濯の仕組み、泡濃度、洗剤の種類、及び水の硬度を示すのに用いられる。
【0047】
「改善された洗濯能力」の用語は、相当する洗濯条件下で洗濯されるもの(例えば、繊維又は食器類及び/又は食卓用食器)から汚れを除去することでより良い結果が得られ、又は重量ベースで他の酵素を使用した場合に比べて同じ結果を得るのに必要な酵素の量が少なくて済むことを示すのに用いられる。
【0048】
「保持された洗濯能力」の用語は、酵素の洗濯能力が、重量ベースで、相当する洗濯条件下で他の酵素を使用した場合に比べて少なくとも80%あることを示すのに使用される。
【0049】
酵素の洗濯能力は適当な試験条件下である代表的な汚れを除去する能力により測定するのが好都合である。これらの試験システムでは、洗剤組成物、泡の濃度、水の硬度、洗濯の仕組み、時間、pH,及び/又は温度の様な他の関連する要素が、市場部門中で家庭での使用に典型的な条件に倣った条件でコントロールすることができる。
【0050】
本明細書で用いる「殺菌」の用語は、ものの表面の微生物を抑制し又は殺菌するのみならず、表面から汚染物を除去することを言う。本発明は特定の表面、もの、又は汚染物質又は微生物の除去に限定することを意図するものではない。
【0051】
洗浄及び洗剤製剤
本発明の洗剤組成物は、例えば、液体、顆粒、乳液、ゲル及びペーストを含む任意の好適な形で提供されるが、これに限定されるものではない。固体洗剤組成物が用いられる場合、洗剤は好ましくは顆粒として製剤されるのが良い。好ましくは、顆粒は更に保護剤を含む様に製剤されるのが良い(例えば、1991年1月17日出願の米国特許出願第07/642,669号を参照。同文献は参照により本明細書に組み入れられる)。同様に、ある実施の態様においては、顆粒は洗濯媒体中に溶解する顆粒の溶解速度を減少させる材料を含む様に製剤される(例えば、米国特許第5,254,283号を参照。同文献はその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。更に、本発明の酵素は、基質及び酵素が同じ顆粒中に存在する製剤において使用することができる。この様に、ある実施の態様においては、製剤中に存在する酵素の効果は酵素及び基質が高い局地濃度で提供されることにより増大する(例えば、米国特許出願公開公報第2003/0191033号を参照。本文献は参照により本明細書に組み入れられる)。任意の好適な製剤及び製剤システムは本発明で使用することができる(例えば、米国特許第5,204,015号を参照。本文献は参照により本明細書に組み入れられる)。洗浄組成物として用いられる異なる製剤は当業者に良く知られている。
【0052】
更に、タンパク質、特に本発明の安定化されたオキシダーゼは、重量で約0.001 から約5% (好ましくは 0.1%から0.5%)のレベルで、pH3から12.0の範囲を持つ既知の粉末及び液体洗剤に製剤されても良い。
【0053】
本発明の安定化されたオキシダーゼは、棒状及び液体せっけん用、食器類用製剤、表面洗浄用、コンタクトレンズ洗浄液又は製品、廃棄物処理、繊維用、パルプ漂白、殺菌剤、スキンケア、口腔ケア、ヘアケア等を含む任意の好適な洗浄組成物で使用されるが、これに限定されるものではない。
【0054】
本発明の目的との関係では必須ではないが、以下に記載のリストの添加物は本洗浄組成物で使用するのに適しており、本発明のある実施の態様、例えば、洗浄能力を助け、又はその向上に役立ち、洗浄される基質を処理し又は香水、着色剤、染料等の様な洗浄組成物の美観を変える等に使用することができる。その様な添加物は本発明の安定化された酵素に加えて用いることができると了解される。これらの追加の成分の詳しい性質及び組み入れレベルは組成物の物理的形状及びそれが用いられる洗浄作業の性質による。好適な添加物材料には、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料伝達抑制剤、沈着助剤、分散剤、追加酵素、酵素安定剤、触媒用材料、漂白活性剤、漂白推進剤、事前形成過酸、高分子分散剤、粘土質土壌除去/抗沈着剤、増白剤、せっけん泡抑制剤、染料、香水、構造弾性剤、柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、色素を含むがこれに限定されるものではない(米国特許第5,576,282号, 6,306,812号及び6,326,348号を参照。本文献は参照により本明細書に組み入れられる)。上記の添加物成分は本発明の洗剤組成物の残りの部分を構成する。
【0055】
ある好ましい実施の態様においては、本発明の洗剤組成物は、洗剤組成物での使用が良く知られている陰イオン、非イオン及び両性界面活性剤を含む表面活性剤(すなわち、界面活性剤)を使用するのが良い。本発明での使用に適したある界面活性剤は英国特許出願2 094 826 Aに記載されている。本文献は参照により本明細書に組み入れられる。ある実施の態様においては、界面活性剤の混合物が本発明で使用される。例えば、多くの知られた化合物は本発明のタンパク質の変種を含む組成物中で有用な好適な界面活性剤である。これらは非イオン、陰イオン、陽イオン、陰イオン又は両性イオン洗剤を含む(米国特許第4,404,128号及び第4,261,868号を参照)。
【0056】
本発明の洗剤組成物中で使用される好適な陰イオン界面活性剤は線状又は分枝状アルキルベンゼンスルホン酸;線状又は分枝状アルキル基又はアルケニル基を含むアルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩;アルキル又はアルケニル硫酸塩;オレフィンスルホン酸;アルカンスルホン酸等を含む。陰イオン界面活性剤の好適な対イオンは、ナトリウム及びカリウムの様なアルカリ金属イオン; カルシウム及びマグネシウムの様なアルカリ土類金属イオン;アンモニアイオン; 及び炭素数2又は3のアルカノール基を1から3持つアルカノールアミンを含む。
【0057】
本発明で使用可能な両性界面活性剤は第4級のアンモニアスルホン酸塩、ベタインタイプ両性界面活性剤等を含む。その様な両性界面活性剤は同じ分子内にプラス及びマイナスに帯電した基を持つ。
【0058】
本発明で使用可能な非イオン界面活性剤は通常、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレン酸化物付加物、脂肪酸グリセリンモノエステル等のみならずポリオキシアルキレンを含む。
【0059】
ある好ましい実施の態様においては、本発明の洗浄組成物に含まれる界面活性剤又は界面活性剤混合物は全洗剤組成物の約1重量%から約95重量%、好ましくは約5重量%から約45重量%の量であるのが良い。種々の実施の態様においては、本発明の組成物には多くの他の成分が含まれる。本発明は本明細書に記載の特定の実施例に限定されるものではない。事実、化合物を追加して本発明で使用することができる。
【0060】
ある実施の態様においては、本明細書に記載の洗剤組成物は少なくとも一つのキレート剤を含む。好適なキレート剤は銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤及びこれらの混合物を含むがこれに限定されるものではない。キレート剤が使用される場合、洗剤組成物は通常その主要洗浄組成物の重量の約0.1から約15%又は約3.0から約10%までのキレート剤を含む。
【0061】
ある実施の態様においては、本発明の洗浄組成物は沈殿助剤を含む。好適な沈殿助剤は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカルボン酸、ポリテレフタル酸の様な防汚ポリマー、カオリナイト、モンモリナイト、アタプルガイト、イライト、ベントナイト、ハロイサイト、及びこれらの混合物の様な粘土を含むがこれに限定されるものではない。
【0062】
ある更なる実施の態様においては、本発明の洗浄組成物はまた一以上の染料伝達抑制剤を含んでも良い。好適な高分子染料伝達抑制剤は、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−酸化物ポリマー、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾール、ポリビニルオキサゾリドン及びN−ビニルイミダゾール又はこれらの混合物を含むがこれに限定されるものではない。主洗浄組成物に含まれる場合は、染料伝達抑制剤は通常洗浄組成物の重量の約0.0001から約10%のレベル、約0.01から約5%のレベル、又は更に約0.1から約3%のレベルで存在する。
【0063】
更なる実施の態様においては、本発明の洗浄組成物は分散剤を含む。好適な
水可溶性有機材料は、ホモー又は共重合酸又はその塩を含み、そこではポリカルボン酸は炭素原子がお互いに2を超えて離れていない少なくとも2つのカルボキシラジカルを含む。
【0064】
ある実施の態様においては、これらの洗剤洗浄組成物は更に通常、洗浄能力及び/又は衣類の柔軟材の効果を与える他の酵素を含む。好適な酵素の例には、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、リダクターゼ、オキシダーゼ、オキシドリダクターゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、マンナナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、ペルオキシダーゼ、マラナーゼ、β―グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、エンドグリコシダーゼ及びアミラーゼ又はこれらの混合物を含むがこれに限定されるものではない。典型的な組み合わせは通常使用される酵素、例えば、プロテーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼとアミラーゼとの組合せである。
【0065】
タンパク質を通常の洗浄組成物に添加する場合、その使用に特別な制限はない。換言すると洗剤に好適な温度及びpHであれば、酵素が活性を持つ範囲のpH及び温度がタンパク質の変性温度より低いものであればどの様な温度及びpHも本発明の組成物に適している。更に本発明のタンパク質は洗剤を使用しない洗浄、漂白及び殺菌組成物で、また、単独で又は過酸化水素、エステル基質(例えば、エステルを含む汚れ、エステルを含むパルプ等の様な使用されるシステムに添加され又は本来含まれる)他の酵素、界面活性剤、ビルダー、安定剤等の様なソースと組み合わせて使用することができる。事実、本発明は特定の製剤又は使用方法に限定されるものでないことを意図している。
【0066】
更なる実施の態様においては、本発明の洗浄組成物は触媒金属複合体を含む。金属含有漂白触媒の一つの種類は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマグネシウム陽イオンの様な明確な漂白触媒活性の遷移金属陽イオン、亜鉛又はアルミニウム陽イオンの様な漂白触媒活性を殆んど又は全く持たない補助金属陽イオン及び触媒及び補助金属陽イオンとしての明確な安定係数を持つ金属封鎖剤、特にエチレンジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、及びその可水溶性塩を含む触媒系を含む。
【0067】
その様な触媒は米国特許第4,430,243号に開示されており、同文献は参照により本明細書に組み入れられる。ある実施の態様においては、本明細書に記載の組成物は触媒作用にマンガン化合物を用いる。その様な化合物及び使用レベルは技術分野で良く知られている(例えば、米国特許第5,576,282号を参照)。他の実施の態様においては、本発明で有用なコバルト漂白触媒が知られている(米国特許第5,597,936号, 第5,595,967号, 第5,597,936号及び第5,595,967号を参照)。
【0068】
ある実施の態様においては、洗浄組成物は更に大多環式固定配位子(macropolycyclic rigid ligand ("MRL"))の遷移金属複合体を含む。事実問題として、そしてその範囲を限定する意味でなく、本明細書に記載の組成物及び洗浄プロセスは、調節することにより、水性洗濯媒体中で少なくとも1億分の一のオーダーで活性MRL種を提供することができ、好ましくは洗濯液中に約0.005 ppmから約 25 ppm, より好ましくは約0.05 ppmから約10 ppm, 及び最も好ましくは約0.1 ppmから約5 ppmのMRLを提供するのが良い。本発明の遷移金属漂白触媒中の好ましい遷移金属はマンガン、鉄及びクロムを含む。本明細書の好ましいMRLは5,12- ジエチル-l,5,8,12-テトラアザビシクロ[6.6.2] ヘキサデカン(5,12- diethyl-l,5,8,12-tetraazabicyclo[6.6.2] hexadecane)の様な架橋された超固定配位子の特別な種であるのが良い。好適な遷移金属MRLは技術分野で知られている手順により容易に生成することができる(例えば、WO 00/332601及び米国特許第6,225,464号を参照)。
【0069】
ある実施の態様においては、本発明の洗浄組成物は一以上の洗浄ビルダー又はビルダー系を含む。ビルダーが使用される場合、主洗浄組成物は、通常主洗浄組成物の重量で、少なくとも約1%、約3% から約60%又は更には約5%から約40%のビルダーを含む。ビルダーは、アルカリ金属、アンモニウム及びポリリン酸のアルカノールアンモニア塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属炭酸塩、アルミノケイ酸ビルダー ポリカルボン酸化合物、ヒドロオキシポリカルボン酸塩エーテル、エチレン又はビニルメチルエーテルを持つ無水マレイン酸のコポリマー、1, 3, 5-トリヒドロキシ ベンゼン-2, 4, 6-トリスルホン酸(1, 3, 5- trihydroxy benzene-2, 4, 6-trisulphonic acid)及びカルボキシメチルオキシコハク酸及び種々のアルカリ金属、アンモニアエチレンジアミン テトラ酢酸及びニトリロトリ酢酸の様なポリ酢酸、アンモニア置換塩、並びにメリト酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5-トリカルボン酸及びカルボキシメチルオキシコハク酸及びそれらの可溶性塩を含むがこれに限定されるものではない。
【0070】
本発明のある実施の態様において、組成物は以下の化合物のアルカリ金属塩及びアルカノールアミン塩を含む群から選択される一以上のビルダー化合物を
約0から約50重量%含む:すなわち、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスホノカルボン酸塩、アミノ酸塩、アミノポリ酢酸高分子電解質、非解離ポリマー、ジカルボン酸塩、アルミノケイ酸塩。好適な二価金属イオン封鎖剤は英国特許出願2 094 826 Aに開示されており、本文献は参照により本明細書に組み入れられる。
【0071】
更なる実施の態様においては、本発明の組成物は、以下の化合物、例えば、アルカリ又は無機電解質、ケイ酸塩、炭酸塩及び硫酸塩並びにトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン及びトリイソプロパノールアミンの様な有機アルカリの一以上のアルカリ金属塩の組成物に基づき約1から約50重量%、好ましくは約5から約30重量%のビルダーを含む。
【0072】
本発明の更なる実施の態様においては、組成物は再堆積防止剤として次の一以上の化合物を約0.1から約5重量%含む:ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びカルボキシメチルセルロース。ある好ましい実施の態様においては、カルボキシメチルセルロース及び/又はポリエチレングリコールの組み合わせは本発明の組成物と共に有用な汚れ除去組成物として使用される。
【0073】
本発明の更なる実施の態様においては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム/過酸化水素付加物及び塩化ナトリウム/過酸化水素付加物の様な漂白剤、及び/又はスルホン酸フタロシアニンの亜鉛又はアルミニウム塩の様な感光性漂白染料は更に本発明の洗浄剤/漂白組成物の洗浄効果を向上させる。更なる実施の態様においては、漂白推進剤(例えば、TAED及び/又はNOBS)を使用することができる。
【0074】
本発明のある実施の態様においては、青味剤及び/又は蛍光染料は組成物に組み入れられる。好適な青味剤及び/又は蛍光染料の例は英国特許出願第2 094 826 A号に記載されており、本文献は参照により本明細書に組み入れられる。
【0075】
組成物が粉末又は固体である本発明のある実施の態様においては、凝結性抑制剤が組成物に組み入れられる。好適な凝結性抑制剤の例にはp−トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、酢酸塩、スルホコハク酸塩タルク、細かい微粉末化リカ、粘土、カルシウムケイ酸塩(例えば、Johns Manville Co.のMicro-Cell)炭酸カルシウム及び酸化マグネシウムを含む。
【0076】
ある実施の態様においては、抗酸化剤はtert-ブチル‐ヒドロキシトルエン4,4'-ブチリデンbis(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール),(tert-butyl-hydroxytoluene, 4,4'-butylidenebis(6-tert-butyl-3-ethyIphenol, 2,2'-ブチリデンbis(6-tert-ブチル-4‐メチルフェノール)(2,2'-butylidenebis(6-tert-butyl-4-methylphenol), モノスチレン化クレゾール(monostyrenated cresol)、ジスチレン化クレゾール(distyrenated cresol), モノスチレン化フェノール(monostyrenated phenol), ジスチレン化フェノール(distyrenated phenol)及びl,l-bis(4-ヒドロキシ-フェニル)シクロヘキサンキサン(l,l-bis(4- hydroxy-phenyl)cyclohexane)を含み本発明で用いることが出来るが、抗酸化剤はこれに限定されるものではない。
【0077】
更なる追加の実施の態様においては、本発明の組成物はまた、低級アルコール(例えば、エタノール、ベンゼン硫酸塩及びp−トルエン硫酸塩の様な低級アルキルベンゼン硫酸塩)、プロピレングリコールの様なグリコール、アセチルベンゼン硫酸塩、アセトアミド、ピリジンジカルボン酸アミド、安息香酸塩及び尿素を含む可溶化剤を含むが可溶化剤はこれに限定されるものではない。
【0078】
ある実施の態様においては、本発明の洗浄組成物は酸性からアルカリ性pHの範囲の広いpHで使用される。ある好ましい実施の態様においては、本発明の洗浄組成物はpHが約4から約12までのpHを持つ弱酸性、中性又はアルカリ性洗剤洗濯媒体で使用される。
【0079】
上に記載の成分に加えて、香水、緩衝液、防腐剤、染料等も本発明で使用される。これらの成分は当業者に知られた濃度及び形式で提供される。
【0080】
ある実施の態様においては、本発明の粉末洗剤基剤は噴霧乾燥及び/又は粒状化法を含む任意の知られた調製方法により調合される。特に噴霧乾燥法及び噴霧乾燥粒状化法により得られる洗剤基剤が好ましい。噴霧乾燥法により得られる
洗剤基剤はその調合条件に制約は無い。噴霧乾燥法により得られる洗剤基剤は、界面活性剤及びビルダーの様な耐熱性成分の水性スラリーを熱い空間に噴霧することにより得られる中空の顆粒である。噴霧乾燥の後に、香水、酵素、漂白剤、無機アルカリ性ビルダーを加えても良い。噴霧乾燥粒状化法の様な方法で得られた高密度、顆粒洗剤基剤では、また種々の成分を基剤の調合後に加えても良い。
【0081】
洗剤基剤が液体である場合、ある実施の態様においてはそれは均質の溶液であり、ある他の実施の態様においては、それは不均質な分散液である。
【0082】
ある好ましい実施の態様においては、本発明の洗剤組成物は、産業用及び家庭用で使用される場合にこれらの環境で通常使用される温度、反応時間及び浴比(liquor ratio)で繊維(例えば、汚れた繊維)と共に培養される。培養条件(すなわち、本発明の洗剤組成物により材料を処理するのに効果的な条件)は当業者により容易に確認される。
【0083】
上で示した様に、本発明のある実施の態様においては、洗剤は、所望の改良された軟化、けば立ち防止、繊維表面除去及び/又は洗浄行うために十分な活性が存在する中間pHにおいて適当な溶液中でプレウオシュ(pre−wash)として製剤される。ある実施の態様においては、少なくとも一つの界面活性剤も使用される。組成物の残りの部分はその従来の濃度で漬けおき(例えば、希釈剤、緩衝液、他の酵素(プロテアーゼなど)で使用される従来の成分を含む。
【0084】
ある実施の態様においては、本発明の洗浄組成物は洗濯、硬表面洗浄、自動食器洗い、並びに義歯、歯、髪、及び皮膚の洗浄の様な美容の目的で使用される。本発明の酵素はまた洗浄用の添加製品として使用される。添加製品は、その最も簡潔な形は、本発明の安定化された一以上の酵素であっても良い。
【0085】
その様な添加物は洗浄プロセスに添加するために投与形式でパッケージしても良い。単一の投与形式には、丸薬、錠剤、ジェルキャップ又は事前に計量された粉末又は溶液の様な他の単一投与ユニットを含むがこれに限定されるものではない。ある実施の態様においては、充填剤及び/又は担持材料が組成物の容量を増すため含まれる。充填剤及び/又は担持体材料はタルク、粘土等のみならず、種々の硫酸塩、炭酸塩及びケイ酸塩を含むがこれに限定されるものではない。液体組成物の充填剤又は担持体材料は水、又はポリオール及びジオールを含む低分子量第1級又は第2級アルコールであっても良い。その様なアルコールの例にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールを含むがこれに限定されるものではない。ある実施の態様においては、組成物はその様な材料を約5%から約90%含む。他の実施の態様においては、pHを下げるために酸性充填剤が用いられる。
【0086】
本発明の洗浄組成物及び洗浄添加剤は効果的な量の本発明の安定化酵素を必要とする。通常、本発明の洗浄組成物は、本発明の少なくとも一つの酵素を、少なくとも0.0001重量%、約0.0001から約1, 約0.001から約0.5, 又は更には約0.01から約0.1重量%含む。
【0087】
ある実施の態様においては、本発明の洗浄組成物は過酸ソース、過酸化水素及びこれらの混合物よりなる群から選択される材料を含み、前記過酸ソースは以下よりなる群れから選択される:
(i) 約0.01から約50, 約0.1から約20, 又は更に約1から10重量%の過酸塩、有機過酸、過酸化水素尿素、及びこれらの混合物
(ii) 約0.01から約50,約 0.1から約20, 又は更に約1から10重量%の炭水化物及び約0.0001から約1, 約0.001から約0.5, 約0.01から約0.1重量%の炭水化物オキシダーゼ;及び
(iii) これらの混合物。
【0088】
ある実施の態様においては、好適な過酸塩はアルカリ金属過ホウ酸、アルカリ金属過炭酸塩、アルカリ金属過リン酸塩、アルカリ金属過硫酸塩及びこれらの混合物よりなる群から選択されるものを含む。
【0089】
ある好ましい実施の態様においては、炭水化物はモノ‐炭水化物、ジ‐炭水化物、トリ‐炭水化物、オリゴ‐炭水化物及びこれらの混合物よりなる群から選択される。好適な炭水化物は、D-アラビノース, L- アラビノース, D-セロビオロース, 2-デオキシ-D-ガラクトース、2-デオキシ-D-リボース, D-フルクトース, L-フコース, D-ガラクトース, D-グルコース、D-グリセロ-D-グロ-ヘプトース D-ラクトース, D-リキソース, L-リキソース, D-マルトース、D-マンノース, メレチトース, L-メレビオース, パラチノース. D-ラフィノース, L-ラムノース、D-リボース, L-ソルボース, スタキオース, スクロース, D-トレハロース, D-キリロース, L-キリロース及びこれらの混合物を含む。
【0090】
ある実施の態様においては、好適な炭水化物オキシダーゼはアルドース オキシダーゼ (IUPAC 分類 ECl.1.3.9), ガラクトースオキシダーゼ (IUPAC 分類 EC 1.1.3.9), セロビオースオキシダーゼ (IUPAC 分類 EC 1.1.3.25), ピラノース オキシダーゼ (IUPAC 分類 ECl.1.3.10), ソルボースオキシダーゼ (IUPAC 分類 EC l .1.3.11), ヘキソースオキシダーゼ (IUPAC 分類 EC l.1.3.5), 及び/又はグルコースオキシダーゼ (IUPAC 分類 EC l .1.3.4) 及びこれらの混合物よりなる群から選択される炭水化物オキシダーゼを含む。
【0091】
ある他の実施の態様においては、本発明の洗浄組成物はまた、約0.01から約99.9, 約0.01から約50, 約 0.1から約20, 又はさらに約1から約15重量%のエステル少量部分を含む分子を含む。エステル少量部分を含む好適な分子は、エステル少量部分を含むポリ炭水化物を含むがこれに限定されるものではない。任意の好適なエステル少量部分は本発明で用いることができると考えられる。
【0092】
ある好ましい実施の態様においては、本明細書の洗浄組成物は、通常、水を用いた洗浄で使用される場合、洗濯水のpHは約5.0から約1 1.5, 又は更には約7.5から約10.5となるよう調製される。液体製品の製剤は通常pHが約3.0から約9.0となるように調製される。顆粒洗濯製品は通常pHが約9から約11となる様に調製される。推奨される使用レベルにpHをコントロールする技術には、緩衝液、アルカリ、酸等を用いることを含み当業者に知られている。
【0093】
ある実施の態様においては、本発明の一又は一以上の酵素が顆粒組成物又は液体で使用される場合、保存中にその様な酵素を顆粒組成物の他の成分から保護するために、カプセル状の粒子の形にするのが望ましい。更にカプセルは洗浄過程で酵素の利用程度をコントロールする手段でもあり、酵素の効果を増大させることもある。任意の好適なカプセル材料は本発明で用いることができる。カプセル化材料は通常少なくとも酵素の一部をカプセル化する。通常、カプセル化材料は可水性及び/又は水分散性である。事実、本発明の洗浄組成物は任意の好適な形に調製され、調製者により選ばれる任意のプロセスで生成されることが予定されている(例えば、米国特許第5,879,584号, 第5,691,297号, 第5,574,005号, 第5,569,645号, 第5,565,422号, 第5,516,448号, 第5,489,392号及び第5,486,303号を参照願いたい。これら文献は参照により本明細書に組み入れられる)。
【0094】
ある特に好ましい実施の態様においては、本明細書に記載の洗浄組成物はその場の(in situ)洗浄で使用される(例えば、繊維の表面又は硬表面で)。通常、その場の洗浄部分の少なくとも一部は本明細書に記載の洗浄組成物の実施の態様に示す、そのままの形、又は洗濯液に希釈させた形で接触させ、そしてその部分は任意選択的に洗濯され及び/又は濯がれる。本発明の目的との関係では、洗濯は手洗い及び機械による攪拌を含むがこれに限定されるものではない。繊維は、通常消費者が行う条件で洗濯することの可能な任意の好適な繊維を含むことが予想されている。
【0095】
開示された洗浄組成物は通常溶液中約500 ppm から約15,000 ppmの濃度で用いられる。洗濯溶媒が水である場合、水の温度は通常約5℃から約90℃であり、そしてその場の洗浄対象が繊維を含んでいる場合、水と繊維の質量比は通常約1 : 1から約30 : 1である。
【0096】
実験
次の実施例が本発明のある好ましい実施の態様及び特徴を示し、そして更にそれを説明するために提供されるが、これらは本発明の範囲を限定するものと理解してはならない。
【0097】
以下に示す実験例の開示においては、次の略称が用いられる:℃(摂氏度);rpm(分当たり回転数);HO(水);HCL(塩酸);aa(アミノ酸);bp(塩基対);kp(キロベース対)kD(キロダルトン);gm(グラム);μg及びug(マイクログラム);mg (ミリグラム); ng (ナノグラム); μl 及びul (マイクロリットル); ml (ミリリットル); mm (ミリメータ); nm (ナノメータ); μm及びurn (マイクロメータ); M (モルの); mM (ミリモルの); μM 及びuM (マイクロモルの); U (ユニット); V (ボルト); MW (分子量); sec (秒); min(s) (分); hr(s) (時間); MgCl2 (塩化マグネシウム); NaCl (塩化ナトリウム); OD280 (280 nmでの光学密度); OD600 (600 nmでの光学密度); EtOH (エタノール); PBS (リン酸緩衝食塩水[150 mM NaCl, 10 mM リン酸ナトリウム緩衝液pH 7.2]); SDS (ドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodecyl sulfate)); トリ(トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン)(Tris (tris(hydroxymethyl)aminomethane)); TAED (N,N,N'N'-テトラアセチルエチレンジアミン (TAED (N,N,N'N'-tetraacetyl-ethylenediamine); w/v (重量対容量); v/v (容量対容量); GOX及びGOx (グルコースオキシダーゼ); AOX及びAOx (アルコールオキシダーゼ); COX及びCox (コリンオキシダーゼ(choline oxidase)); HOX及びHOx (ヘキソースオキシダーゼ); SOX Sox (ソルビトール オキシダーゼ); AATCC (米国繊維化学者・色彩技術者協会(American Association of Textile and Coloring Chemists); WFK (wfk 試験織物会社(wfk Testgewebe GmbH)), Bruggen-Bracht, Germany)); TestFabric (TestFabric Inc, Pittston PA,); Warwick Equest (Warwick Equest Ltd., Warwick International, Flintshire, UK); ATCC (アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション)American Type Culture Collection, Manassas, VA)); Baker (J.T.Baker, Phillipsburg, NJ); NAEF (NAEF, Press and Dies, Inc., Bolton Landing, NY); Sigma (Sigma-Aldrich Chemical Co., St. Louis, MO); 及びMinolta (Konica Minolta. Glen Cove, NY).
実施例1
グルコース及び亜硫酸水素ナトリウムの存在下でAATCC標準洗剤中のグルコースオキシダーゼの安定性
この実施例では、基質(すなわち、グルコース)及び抑制剤(すなわち、亜硫酸水素ナトリウム)の存在下でのグルコースオキシダーゼの安定性を評価する実験について説明する。これらの実験では、AATCC標準洗剤(増白剤を含まない、米国繊維化学者・色彩技術者協会強力液体洗剤、2003年;主要成分は線状アルカン スルホン酸、アルコールエトキシレート、プロパンジオール、クエン酸、脂肪酸、苛性ソーダ(castic soda)及び水を含み、TestFabricsより購入)を使用した。
【0098】
これらの実験では、0.005% TWEEN(登録商標)-100 界面活性剤を含む100mM Tris pH 8.3が陽性対照として使用された。pH 8.3の使用はAATCC洗剤の測定されたpHに基づく。3つの2−ml管が0.990 g の AATCC洗剤(ロット# 01282004)と共に重量が測られ、他の3つの管が0.990 g の対照緩衝液と共に重量が測られた。その後、90mg (500mM)のグルコース基質が全ての管に加えられた。次に、対照緩衝液及びAATCC洗剤対照を含み、100, 50,及び10mMの亜硫酸水素ナトリウム(MW 106.1)が各管に夫々加えられた。すべての管はグルコースが洗剤と良く混合し溶解するように1時間回転板に置かれた。その後、500PPM (0.5mg, 14.88ul)グルコースオキシダーゼ (OXYGO(登録商標) L-5000, 5379 U/ml; 33.6 mg/ml; Genencor)が6つの2- ml管(3つはグルコース/亜硫酸水素塩を含む対照緩衝液であり、3つはグルコース/亜硫酸水素塩を含むAATCC洗剤である)に添加された。その後全ての管は室温で回転板(60 rpm)に置かれた。過酸化水素の生成が、時間を変えて、t =0+ 分, 12 分及び30分に、計深棒(ペルオキシダーゼ/ABTS − Baker Testrips;Baker)を用いて計測された。グルコース、グルコースオキシダーゼを液体洗剤に含む100mMの亜硫酸水素塩を含む管は、時期尚早に過酸化水素が生成されるのをモニターするため、開始後1時間, 12時間, 7日, 12日及び21日までの間モニターされた。これらの実験で得られた結果を表1(実施例2を参照)に示す。
【0099】
+0時間では、10mM亜硫酸水素抑制剤を含む対照緩衝液混合物は1PPM H2O2を生成したが、一方50又は100mMの亜硫酸水素抑制剤を含む対照緩衝液混合物は試験された各時間において過酸化水素を全く生成しなかった(表1を参照)。
【0100】
+0時間では、10又は50mMの亜硫酸水素抑制剤を含む洗剤混合物は>10PPM H2O2を生成したが、100mMの亜硫酸水素抑制剤を含む対照緩衝液混合物は試験された各時間において過酸化水素を全く生成しなかった(表1を参照)。この結果は、100mMの亜硫酸水素塩は、オキシダーゼ抑制効果により、500mMグルコース及び500PPMグルコースオキシダーゼを含む液体洗剤製剤中で過酸化水素の発生を阻害することを確認するものである。事実、時期尚早の過酸化水素の生成は、100mMの亜硫酸水素ナトリウム、500mMグルコース及び500PPMグルコースオキシダーゼを含む液体洗剤製剤中で21日に亘り見られなかった。
【0101】
実施例2
亜硫酸水素ナトリウムの存在下で洗濯洗液中のグルコースオキシダーゼによる過酸化水素の生成
この実施例では、洗濯洗液中の亜硫酸水素ナトリウムの存在下でのグルコースオキシダーゼによる過酸化水素の生成を評価する実験について説明する。
【0102】
これらの実験では、0.005% TWEEN(登録商標)-100 界面活性剤を含む100mM Tris pH 8.3が陽性対照として使用された。pH 8.3の使用はAATCC洗剤の測定されたpHに基づく。0.990 g の AATCC洗剤 (ロット# 01282004)を含む3つの2−ml管及び、0.990 g の対照緩衝液の、他の3つの管の重量が計られた。その後、90mg (500mM)のグルコース基質が各管に加えられた。次に、100, 50,及び10mMの亜硫酸水素ナトリウム(MW 106.1)(可逆性抑制剤)が各管に夫々加えられた(すなわち、対照緩衝液及びAATCC洗剤含有管の両方)。すべての管はグルコースが洗剤と良く混合し溶解するように1時間回転板に置かれた。その後、5ml洗濯水(6 GPGを含む5mM HEPES, pH 8)を含む6つの管が準備された。次に500PPM (0.5mg, 14.88ul)グルコースオキシダーゼ(OXYGO(登録商標)L-5000, 5379 U/ml; 33.6 mg/ml; Genencor)が6つの2- ml管(3つはグルコース/亜硫酸水素塩を含む対照緩衝液、及び3つはグルコース/亜硫酸水素塩を含むAATCC洗剤である)に添加された。その後全ての管は室温で回転板(60 rpm)に置かれた。H2O2の生成がt =0+ 分, 12 分及び30分に、実施例1に記載の様に計深棒(ペルオキシダーゼ/ABTS)を用いて計測された。洗剤及び対照混合物に酵素を加えた後直ちに、10ulの混合物が取り出され5ml の洗濯水と混合された。全ての管はまた、12 分及び30分に計深棒を用いて過酸化水素の生成が検査された。5ml の洗濯液について、最終的なグルコースオキシダーゼ酵素の濃度は1 PPMであり、グルコース濃度は1 mMであった。
【0103】
この結果は、緩衝液を含む対照洗濯液は12分の時点で、10mMの亜硫酸水素塩抑制剤を含む製剤については、約10 PPMの過酸化水素、50mMの亜硫酸水素塩について10PPM、及び100mM 亜硫酸水素塩に対して3PPMのH2O2を生成することを示した。この様に、これらの結果は亜硫酸水素抑制剤の可逆的性質を示す(詳細は以下の表1を参照)。
【0104】
AATCC洗剤を含む洗濯液は12分の時点で全ての3つの亜硫酸水素塩抑制剤の濃度について>3PPMを生成し、また亜硫酸水素塩抑制剤の可逆性性質を確認した。更にAATCC洗剤を含む洗濯液は30分の時点で全ての3つの亜硫酸水素塩抑制剤の濃度については〜10PPMを生成し、また亜硫酸水素塩抑制剤の可逆的性質を確認した。
【0105】
この結果は、重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)は高い基質濃度の下でグルコースオキシダーゼを抑制するのに好適な可逆性抑制剤であることを示す。しかし、洗液中に洗剤を希釈すると同時に抑制効果は消える。重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)は濃度に依存する方法でグルコースオキシダーゼを可逆的に抑制することは注目すべきである。
【表1】

【0106】
実施例3
グルコース及びメタ重亜硫酸ナトリウムを含む洗剤中のグルコースオキシダーゼの安定性
この実施例では、洗濯洗液中でのメタ亜硫酸ナトリウム(オキシダーゼの可逆性抑制剤)存在下でのグルコースオキシダーゼによる過酸化水素の生成を評価する実験について説明する。実施例1及び2の様に、AATCC標準洗剤がこれらの実験で使用された。
【0107】
これらの実験では、0.005% TWEEN(登録商標)-100 界面活性剤を含む100mM Tris pH 8.3が陽性対照として使用された。上記の様に、pH 8.3の選択はAATCC洗剤の測定されたpHに基づく。0.990 g の AATCC洗剤 (ロット# 01282004) を含む3つの2−ml管と、0.990 g の対照緩衝液を含む他の3つの管の重量が測られた。
【0108】
0.990 g の AATCC洗剤 (ロット# 01282004) を含む3つの2−ml管と、0.990 g の対照緩衝液を含む他の3つの管の重量が計られた。その後、90mg (500mM)のグルコース基質が各管に加えられた。次に、100, 50,及び10mMのメタ重亜硫酸塩が各管に夫々加えられた(すなわち、対照緩衝液、及びAATCC洗剤を含む管の両方)。すべての管はグルコースが洗剤と良く混合し溶解するように1時間回転板に置かれた。次に500PPM (0.5mg, 14.88ul)グルコースオキシダーゼ (OXYGO(登録商標)L-5000, 5379 U/ml; 33.6 mg/ml; Genencor)が6つの2- ml管(3つはグルコース/亜硫酸水素塩を含む対照緩衝液であり、3つはグルコース/亜硫酸水素塩を含むAATCC洗剤である)に添加された。その後全ての管は室温で回転板(60 rpm)に置かれた。H2O2の生成が実施例1及び2に記載の様に計深棒(ペルオキシダーゼ/ ABTS)を用いてt =0+ 分, 12 分及び30分に計測された。グルコース、グルコースオキシダーゼとともに液体洗剤に100mMの亜硫酸水素塩を含む管について、時期尚早に過酸化水素が生成されるのをモニターするため、1時間から始まって, 12時間, 7日, 12日及び21日までの期間モニターされた。結果を下の表2に示す。
【0109】
+0時間では、10mMメタ重亜硫酸塩抑制剤を含む対照緩衝液混合物は1PPM H2O2を生成したが、一方50又は100mMの亜硫酸水素を含む対照緩衝液混合物は試験中の各時間において過酸化水素を全く生成しなかった(表2を参照)。
【0110】
+0時間では、10又は50mMのメタ重亜硫酸塩抑制剤を含む洗剤混合物は>10PPM のH2O2を生成したが、100mMの亜硫酸水素を含む対照緩衝液混合物は試験中の各時間において過酸化水素を全く生成しなかった(表2を参照)。この結果は、100mMのメタ重亜硫酸塩は、オキシダーゼ抑制効果により、500mMグルコース及び500PPMグルコースオキシダーゼを含む液体洗剤製剤中で過酸化水素の発生を阻止することを確認するものであった。事実、時期尚早に過酸化水素が生成されることは、100mMのメタ亜硫酸水素ナトリウム、500mMグルコース及び500PPMグルコースオキシダーゼを含む液体洗剤製剤中で21日に亘り見られなかった。
【0111】
実施例4
メタ重亜硫酸ナトリウムの存在下で洗濯洗液中のグルコースオキシダーゼによる過酸化水素の生成
この実施例では、洗濯洗液中でのメタ重亜硫酸ナトリウム(オキシダーゼの可逆性抑制剤)存在下でのグルコースオキシダーゼによる過酸化水素の生成を評価する実験について説明する。上の実施例の様に、これらの実験でもAATCC標準洗剤が使用された。
【0112】
これらの実験では、0.005% TWEEN(登録商標)-100 界面活性剤を含む100mM Tris pH 8.3が陽性対照として使用された。pH 8.3の選択はAATCC洗剤の測定されたpHに基づく。0.990 g の AATCC洗剤 (ロット# 01282004)を含む3つの2−ml管及び、0.990 g の対照緩衝液を含む他の3つの管の重量が計られた。その後、90mg (500mM)のグルコース基質が各管に加えられた。次に、100, 50,及び10mMのメタ重亜硫酸ナトリウムが各管に夫々加えられた(すなわち、対照緩衝液、及びAATCC洗剤を含む両方の管)。すべての管はグルコースが洗剤と良く混合し溶解するように1時間回転板に置かれた。その後、5ml洗濯水(6 GPGを含む5mM HEPES, pH 8)を含む6つの管が準備された。次に500PPM (0.5mg, 14.88ul)グルコースオキシダーゼ (OXYGO(登録商標)L-5000, 5379 U/ml; 33.6 mg/ml; Genencor)が6つの2- ml管(3つはグルコース/亜硫酸水素塩を含む対照緩衝液であり、3つはグルコース/亜硫酸水素塩を含むAATCC洗剤である)に添加された。その後全ての管は室温で回転板(60 rpm)に置かれた。H2O2の生成が、実施例に記載の様に計深棒(ペルオキシダーゼ/ABTS)を用いてt =0+ 分, 12 分及び30分に計測された。洗剤及び対照混合物に酵素を加えた後直ちに、10ulの混合物が取り出され5ml の洗濯水と混合された。全ての管はまた、12 分及び30分の時点で計深棒を用いて過酸化水素の生成が検査された。5ml の洗濯液について、最終的なグルコースオキシダーゼ酵素の濃度は1 PPMであり、グルコース濃度は1 mMであった。
【0113】
この結果は、緩衝液を含む対照洗濯液は12分の時点で、10mMのメタ重亜硫酸塩抑制剤の存在下において、約10 PPMの過酸化水素、50mMのメタ重亜硫酸塩について10PPM、及び100mM メタ重亜硫酸塩に対して、3PPMの H2O2を生成することを示した。この様に、これらの結果はメタ重亜硫酸塩抑制剤の可逆的性質を示す(詳細は下記の表を参照)。
【0114】
AATCC洗剤を含む洗濯液は12分の時点で全ての3つのメタ重亜硫酸塩抑制剤の濃度において>3PPMの H2O2を生成し、またメタ重亜硫酸塩抑制剤の可逆的性質を確認した。更にAATCC洗剤を含む洗濯液は30分の時点で全ての3つのメタ重亜硫酸塩抑制剤の濃度において〜10PPMを生成し、また亜硫酸水素塩抑制剤の可逆性性質を確認した。抑制剤の存在下で3週間保存した後、洗濯液で希釈すると、液体洗剤製剤は12分で3PPMの過酸化水素を生成した。30分後までに〜10PPMの過酸化水素を生成した。
【0115】
この結果は、メタ重亜硫酸ナトリウムは高い基質濃度の存在下でグルコースオキシダーゼを抑制するのに好適な可逆的抑制剤であることを示す。しかし、洗濯水に洗剤を希釈すると同時に抑制効果は消える。メタ重亜硫酸ナトリウムは濃度に依存する方法でグルコースオキシダーゼを可逆的に抑制することは注目すべきである。
【0116】
これらの実施例に記載のメタ重亜硫酸ナトリウム及び重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)に加えて、他の抑制剤のグルコースオキシダーゼ抑制効果が試験された。これらの実施例で説明したと同様の方法が用いられた。結果は、1Mのフッ化ナトリウム又はチオ硫酸は低度のグルコースオキシダーゼ抑制効果を示した。しかし、2Mヒドロキシアミンは1Mグルコース及び500PPMグルコースオキシダーゼを含む洗剤中で過酸化水素が時期尚早に生成されるのを安定化することができることが判明した。
【表2】

【0117】
実施例5
基質及び抑制剤を含む洗剤中のアルコールオキシダーゼの安定性
この実施例では、基質(エタノール)及び抑制剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素又はチオ硫酸)の存在下でのアルコールオキシダーゼの安定性を評価するための実験について説明する。上の実施例の様に、AATCC標準洗剤がこれらの実験でも使用された。
【0118】
これらの実験では、AATCC液体洗剤中の Hansunela 種 (100U/ml. 22U/mg, 容器中全固体量13 mg 、7.7 U/mg 固体; Sigma)から得られたアルコールオキシダーゼの安定性について試験された。これらの実験では各実験で10Uのアルコールオキシダーゼが液体洗剤原料中で用いられた。試験のために、1Mエタノールが洗剤(990mgの洗剤中46mgエタノール)に混合された。1Mエタノールの存在により液体洗剤の全体の外観は影響を受けなかった。亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)、メタ重亜硫酸ナトリウム(Na2S2O5)及びチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)がアルコールオキシダーゼの可逆的抑制剤としての試験が実施された。実験は上の実施例1及び3に記載の様に行われた。
【0119】
アルコールオキシダーゼ酵素は、エタノール基質及び抑制剤の存在下で試験の期間(120分)中AATCC洗剤中で安定していることが判明した。チオ硫酸塩はアルコールオキシダーゼの弱い抑制剤であることが判明し、亜硫酸水素ナトリウム及びチオ硫酸ナトリウムは試験された100 mM濃度でアルコールオキシダーゼの可逆的抑制剤であることが判明した。100 mM濃度では、亜硫酸水素ナトリウム及びメタ重亜硫酸ナトリウムは、表3及び4に示す様に、試験期間(120分)の間AATCC洗剤原料中でH2O2が時期尚早に生成されるのを阻止することができた。
【0120】
実施例6
エタノール及び可逆性抑制剤を含む洗濯洗液中のアルコールオキシダーゼによるH2O2の生成
この実施例においては、洗濯洗液中にメタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム及びチオ硫酸ナトリウム(アルコールオキシダーゼの可逆的抑制剤)の存在下でアルコールオキシダーゼによる過酸化水素の発生を評価するための実験について説明する。上の実施例の様に、これらの実験でもAATCC標準洗剤が使用された。
【0121】
AATCC液体洗剤(Sigma, 100U/ml. 22U/mg, バイアル中固体13 mg, 7.7 U/mg 固体)中のアルコールオキシダーゼ酵素の安定性及び活性が、AATCC液体洗剤が洗濯洗液中に希釈されて試験された。これらの実験では、10Uのアルコールオキシダーゼが、各実験の液体洗剤原料で使用された。更に、1Mメタノール(基質)が洗剤中(990mg洗剤中 46 mg のエタノール)に混合された。500倍に希釈され、洗濯液は2mM エタノールを含み、最大2mM のH2O2 を生成し、洗濯洗液中の最終アルコールオキシダーゼの投与は0.02Uである。亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)、メタ重亜硫酸ナトリウム(Na2S2O5)及びチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)がアルコールオキシダーゼの可逆的抑制剤として試験された。これらの実験では10μlの最終洗剤ミックスが5mlの洗濯洗液に加えられた。実験では上の実施例2及び4に記載と同様の方法が用いられた。
【0122】
洗濯液に希釈されると、表3及び4に示す様に、アルコールオキシダーゼ、エタノール及び抑制剤(亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム)を含む洗剤の存在下で過酸化水素が形成された。
【表3】

【表4】

【0123】
更なる実験では、1M エタノール及び10Uアルコールオキシダーゼ(カンジダ種(Candida 種); Sigma)を含む洗剤中での時期尚早なH2O2 の発生を安定化する10 mM CuSO4の効果が評価された。
【0124】
実施例7
コリン及び抑制剤を含む洗剤中のコリンオキシダーゼの安定性
この実施例においては、洗濯液中に基質(すなわち、コリン)及び抑制剤(すなわち、重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)及び2-アミノ, 2-メチル, l-プロパノール)の存在下でコリンオキシダーゼの安定性効果を評価するための実験について説明する。上の実施例の様にこれらの実験でもAATCC標準洗剤が使用された。
【0125】
実験は実施例1に記載の様に実施された。コリンオキシダーゼはコリン1モル当たり2モルのH2O2を生成する。これらの実験で得られた結果はコリンオキシダーゼは、コリン及び抑制剤の存在下で試験された24時間に亙りAATCC洗剤中で安定していた。抑制剤2-アミノ, 2-メチル, l-プロパノール(AMP)はコリンオキシダーゼの可逆的抑制剤であり、200mMで使用された場合H2O2 が時期尚早に生成されるのを防ぐ。
【0126】
亜硫酸水素ナトリウムは試験された100mM濃度でコリンオキシダーゼの可逆的抑制剤であることが判明した。亜硫酸水素ナトリウム(100mM濃度)はまたAATCC洗剤原料中で H2O2 が時期尚早に生成されるのを阻止する。洗濯液に希釈されると、コリンオキシダーゼ、塩化コリン及び抑制剤(例えば、亜硫酸水素ナトリウム又は2-アミノ, 2-メチル, l-プロパノール)を含む洗剤は、表5に示す様に各時間に亙りH2O2を生成した。
【表5】

【0127】
実施例8
重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)及びグルコースを含む洗剤中のグルコースオキシダーゼ及びヘキソースオキシダーゼの安定性/効果
この実施例では、重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)及びグルコースを含む洗剤中のグルコースオキシダーゼ及びヘキソースオキシダーゼの安定性を評価する実験について説明する。汚れ見本に対するこれらの酵素の効果を評価する追加の実験についても説明する。
【0128】
4つの250 ml ガラス瓶で、100 gのof AATCC 液体洗剤が9gのグルコースと混合され、洗剤中にグルコースを溶解させるために30分攪拌された。その後、2.12 gの重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)が洗剤中で溶解された2本の瓶に加えられた。そして15,000 単位のグルコースオキシダーゼが2本の瓶(一本は亜硫酸水素塩を含み、他の一本は含まない)に加えられ、及び同様に15,000 単位のヘキソースオキシダーゼが2本の瓶(一本は亜硫酸水素塩を含み、他の一本は含まない)に加えられた。全ての4つの液体洗剤製剤は室温で保持され、12ウエルプレートにおいてディスク見本を用いて7日間に亙り汚れを除去する能力が分析された。
【0129】
ブルーベリー及びお茶で汚れた見本(CS 15-004, CS3; TestFabric)が5/8" ダイカッターを備えた繊維パンチプレス(Model 93046; NAEF)により15mm円状に切断された。単一のディスクが各24-ウエル(Costar)のマイクロプレートに置かれた。1リットル当たり1.5 ml AATCC HDL洗剤, 10mM炭酸ナトリウム, 75 mMグルコース, 6gpg硬度(1.735 M 塩化カルシウム及び0.67 M塩化マグネシウムを含む原液15000 gpg硬度溶液より希釈)及び0.05% TAED テトラアセチルエチレンジアミン(tetraacetylethylenediamine; Fluka)を含む1mlのpH10.0の洗濯溶液が各ウエルに添加された。5マイクロリットルの5−7日前に調製された、重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)を含む又は含まないオキシダーゼグルコースが一つのカラムの4つのウエルに容積式ピペットにより添加された。対照ウエル(8)は酵素を含んでいなかった。
【0130】
マイクロプレートはプラスチックのフタで覆われ、37℃、100rpmの緩い速度で回転させて培養された。5時間後に、浮遊物が吸引により除去され、各ウエルは1.5 mlのpH 7.3のDulbecco's PBSで2度洗浄され、そして1.5 mlの蒸留水で2度洗浄された。各ディスクはウエルから取除かれ空気中で一夜乾燥された。
【0131】
ディスクは視認により確認されそして標準白タイル上で調整されたMinolta 反射メーター(Reflectometer) CR-200で分析された。平均L値が計算された。繊維の表面反射率が「L値」(反射光の入射光に対する比率で、通常%で表される)と呼ばれるランバート反射率として測定される。「L値」は非常に厚い材料の表面で測定されるため、後部表面の反射率の様な他のパラメータに関わらず、反射率は厚さが増しても変わらない(すなわち、その表面の固有反射率)。防汚のパーセント(% SR = 100% X(最終反射率―当初反射率)/白標準当初反射率)と同様に、L値は上に述べた反射メーターを用いて反射率を測定することにより測る。
【0132】
5日経った後に、亜硫酸水素塩なしで調製されたグルコースオキシダーゼは黄色となり、製剤サンプル中に相当量の過酸化水素を含んでおり(>30 mg/L)、ディスク試験の間最小の過酸化水素生成活性(1mg/L)を示し、酵素を含まない対照と統計的に異ならない漂白効果を示した。対象的に、7日後、亜硫酸水素塩で調製されたグルコースオキシダーゼはディスク試験の間白色であり、強い過酸化水素生成(>100 mg/L)を示し、対照及び亜硫酸水素塩を使用しないグルコースオキシダーゼの何れよりも非常に良い効果を示した。同じ結果が14日後でも観察された。結果を表6及び7並びに図1及び2に示す。これらの結果は亜硫酸水素塩で安定化されたグルコースオキシダーゼはブルベリーの染みのついたディスク及びお茶の染みのついたディスクを対照(すなわち、酵素を含まない)又は安定化されていないグルコースオキシダーゼよりもはるかに良く漂白することを示す。
【表6】

【表7】

【0133】
実施例9
重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)及びグルコースを含む洗剤中のグルコースオキシダーゼの2ヶ月間の安定性/効果のターゴトメーター試験
この実施例では、重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)及びグルコースを含む液体洗剤中のグルコースオキシダーゼ(GOX)の安定性を評価する実験について説明する。複数の汚染された見本でのこれらの酵素の効果の評価実験についても説明する。
【0134】
洗剤中でグルコースを溶解するため、2つの250 ml ガラス瓶中で, 100 グラムのAATCC液体洗剤が9 グラムのグルコースと混合され30分間攪拌された。その後、2.12 グラムの亜硫酸水素塩(Sigma Aldrich # 243973) が一つの瓶に加えられ、洗剤に溶解された。そして15,000単位のグルコースオキシダーゼ(HPL5000, 5379 U/ml; Genencor)が両方の瓶(すなわち、亜硫酸水素塩を含む及び含まない瓶)に添加された。両方の液体洗剤製剤は室温で2月置かれ、ターゴトメーターで複数汚染された見本(Warwick- Equest)を用いて汚染除去の効果が分析された。
【0135】
これらのターゴトメーター試験では、950 ml のMilliQ水がポット1及び4に加えられ950 ml のMilliQ水がポット2及び3に加えられた。50mlの1.5 Mグルコース溶液がポット1及び4に加えられた。3mlの新しいAATCC 洗剤がポット1及び4に加えられ、一方ポット2及び3には、上に記載の様にGoX(すなわち、亜硫酸水素塩を含み及び含まない)を含む2ヶ月経過した調製ATCC 洗剤が加えられた。重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)原溶液(1M)を加えることにより最終濃度が2mMの亜硫酸水素塩がポット1及び4で作られた。水の硬度が6gpg (すなわち、北米洗濯条件)に維持された。全てのポットのTAED最終濃度が0.05%に維持されると共に、pHを8.5から9.15にするために炭酸ナトリウムが加えられた。24の複数汚染見本が事前に読み取られ、そして6つの見本が各ポットに加えられ125 RPMで攪拌された。その後、100 ulのグルコースオキシダーゼ原液がポット4に加えられ、ポット1にはグルコースオキシダーゼは加えられなかった。この様に、ポット1及び4は夫々陰性及び陽性対照をして使用された。ターゴトメーターによる実験が30℃で90分続けられた。ターゴトメーター試験の後に、見本は冷たい水道水で3度洗浄され、脱水され、そして室温で一夜乾燥された。全ての見本は蒸気プレスされ、そしてMinolta 反射メーターを用いて評価がなされた。
【0136】
ターゴトメーターによる試験の結果亜硫酸水素塩で調製されたGOXの安定性が確認され、また亜硫酸水素塩を用いないで調製されたGOX及び対照に比べて、コーヒー、メルロー、ブラックベリー、クロフサスグリ、及び混合ベリーによる汚染に対して漂白効果において優れていることが確認された(表8、及び図3を参照)。
【表8】

【0137】
本明細書に記載の全ての特許及び刊行物は、本発明が関係する当業者のレベルを示すものである。本明細書に記載の全ての特許及び刊行物は、もし個々の刊行物が特定され及び個別に参照により本明細書に組み入れられることが。示されると同様の範囲において参照により本明細書に組み入れられる。
【0138】
本発明の好ましい実施の態様についての記載より、当業者であれば開示された実施の態様に種々の変更を加えることとできるため、したがって、その様な変更は本発明の範囲内にあるものである。
【0139】
その技術分野の当業者であれば、本発明に固有のものに限らず、本発明を、本明細書に記載の目的を実施するために容易に改変されうることを、直ちに理解し、本明細書に記載の目的と利益を達成するであろう。本明細書に記載の組成物及び方法は好ましい実施の形態の代表例であり、本発明の範囲を限定するものと解してはならない。本発明の範囲及び精神から離れることなく種々の置換、修飾を加えることは当業者にとって容易なことである。
【0140】
本明細書に説明により記載された発明は、特にそこで記載されていない要素、限定が含まれていない場合においても適切に実施しうると考える。用いられた用語、及び表現は記載のために用いられるもので、限定の意味に解してはならない。そのようは用語及び表現は、その特徴を持つ同等物及びその部分を除外するものではない、しかし、本発明の特許請求の範囲内において種々の修飾が可能であることを認識すべきである。このように、本発明は、好ましい実施の形態及び任意選択された特徴により特に開示されたものであるが、本明細書に開示された概念の、修飾及び変形は当業者により実施が可能であり、したがって、そのような修飾及び変形は特許請求の範囲に記載された、本発明の範囲内であると解される。
【0141】
本発明は、広く又一般的な表現により記載されている。一般的な開示に含まれるより狭い範囲の種類、亜属のグループの夫々もまた本発明の部分を構成する。したがって、これは、排除された材料が特に本明細書に記載されているか否かを問わず、その属からあるものを除外するという条件又は否定的限定を持つ本発明の一般的な記載についても同様に適用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキシダーゼ及び安定剤を含む安定化されたオキシダーゼ組成物。
【請求項2】
前記オキシダーゼがグルコースオキシダーゼ、ソルビトールオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ及びアルコールオキシダーゼから選択される、請求項1の組成物。
【請求項3】
更に前記オキシダーゼの少なくとも一つの基質を含む、請求項1の組成物。
【請求項4】
前記基質がグルコース、乳酸塩、ソルビトール、コリン、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びエタノールから選択される、請求項3の組成物。
【請求項5】
前記安定剤が少なくとも一つのオキシダーゼ抑制剤を含む、請求項1の組成物。
【請求項6】
前記安定剤が少なくとも一つの亜硫酸塩を含む、請求項5の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも一つの亜硫酸塩が亜硫酸水素ナトリウム(sodium hydrogen sulfite)、メタ重亜硫酸ナトリウム及び/又は重亜硫酸ナトリウム(sodium bisulfite)から選択される、請求項6の組成物。
【請求項8】
前記安定剤はチオ硫酸塩及び2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールから選択される、請求項5の組成物。
【請求項9】
前記組成物が洗浄、漂白又は殺菌性組成物である、請求項1の組成物。
【請求項10】
前記洗剤が洗濯用洗剤又は食器洗い用洗剤である、請求項9の組成物。
【請求項11】
前記洗剤が粉末、液体及びゲル状洗剤である、請求項10の組成物。
【請求項12】
前記組成物が洗剤用添加剤又は前処理製品である、請求項1の組成物。
【請求項13】
更に漂白活性剤又は漂白前駆物質を含む、請求項1の組成物。
【請求項14】
前記活性剤が過酸前駆体、金属錯体、ペルオキシダーゼ、及びアシルトランスフェラーゼ基質系から選択される、請求項13の組成物。
【請求項15】
更にプロテアーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、リパーゼ、マンナナーゼ、セルラーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、オキシドレダクターゼ、ヘミセルラーゼ、及びカルボヒドラーゼから選択される少なくとも一つの酵素を含む、請求項1の組成物。
【請求項16】
更に、界面活性剤、ビルダー、白色剤、抗微生物剤、重合体、溶媒、塩、緩衝剤、キレート剤、染料伝達抑制剤、沈着助剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒物質、標白活性剤、標白増強剤、事前形成過酸、高分子分散剤、粘土質土壌除去/抗再沈着剤、増白剤、せっけん泡抑制剤、染料、香水、構造弾性剤、柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、色素及びこれらの混合物から選択される少なくとも一つの補助成分を含む、請求項1の組成物。
【請求項17】
洗液中に漂白種を生成する方法であり、前記洗液に請求項1の組成物を加えるステップを含む前記方法。
【請求項18】
前記漂白種が過酸化物、又は過酸化物により活性化され得る漂白系である、請求項17の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2009−542854(P2009−542854A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518400(P2009−518400)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/015672
【国際公開番号】WO2008/005571
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(508377015)ダニスコ・ユーエス・インク、ジェネンコー・ディビジョン (31)
【Fターム(参考)】