説明

安定な泡状クリーム

本発明は、安定な泡状クリームに関する。泡状クリームは、親油性成分、親水性成分、および発泡ガスとを含み、泡状クリームを加熱処理することによって得られる。本発明は安定な泡状クリームの製造方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡状(フォーム)クリームを熱処理することで得られる、親油性及び親水性成分、及び発泡ガスを含む安定な泡クリーム、並びに安定な泡クリームの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気泡性調合物を製造するために、一方として親油性部分または疎水性部分を、もう一方として親水性成分をそれぞれ含む乳化固体二相系の製造原理は周知である。そのような泡状調合物は、とりわけスキンクリームとして利用されている。泡は、発泡ガスを含む塩基性調合物を発泡させることによって形成する。そのような泡状調合物を使用すると、平面的な二相の網状組織が塗布した皮膚上に形成され、親水性成分が角質層のケラチンに結合して汗の蒸発を促し、一方で親油性部分が皮膚表面での水分の侵入を阻害する。そのような泡状クリームは、とりわけ、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0003】
しかしながら、エアロゾルが複雑な物理化学的形態にあるそのような泡は自由自在に製造することはできない。そのような泡の安定性は、泡形成成分である特定の成分に強く依存している。組成中のわずかな偏りでさえも泡の崩壊を引き起こす場合がある。“崩壊(kollabieren)”とは、泡が、容器から取り出された直後に示す激しい気泡の形成とその後の崩壊である。このような崩壊は泡の好ましい特性(特に皮膚に塗布した後のその急速な吸収性)を損なうため消費者に受け容れられない。従って、活性薬剤自体の混合物を泡状物質として調合することは苦心なくしてはできない。通常は安定性を有する泡は、他の成分の添加によって崩壊する傾向を有することがしばしば観察される。そのような泡(フォーム)の製造業者等には、一般的に、十分にテストされた安定な泡を製造する際、泡が崩壊してしまうロットが予想外に製造されてしまうという問題がよく知られている。そして、このロットは新たに製造され直さなくてはならない。製造業者等がこの問題を未だ認識していない場合には、結果として消費者による使用が不満足なものとなる。製造業者は、通常、崩壊又は破損した泡を再生することはできず、処分しなくてはならない。
【0004】
従来技術によれば、この問題は特定の製造方法を利用した方法で解決されている。特許文献1には、二相に分かれた相Iと相IIとが正確なプロトコルで与えられ、前処理後混合されることが開示されている。この方法は、製造業者等の手で慎重に制御するべきいくつかの行程から構成されている。
【0005】
特許文献3は、モノカルボン酸を実現する方法に関するものである。微細に分割した粒子を、例えばエタノールアミンなどの中和剤を含む水媒体中で、C10−C22カルボン酸と、その融点以下の温度で接触させる。これにより、0.3〜40重量%の石けんを含む、ポンプ注送可能な液体石けん溶液が生成される。これらは、C−又はC−の炭化水素発泡ガスと混ぜてシェービングフォームの製造に用いられる。
【0006】
特許文献4は、水中油型エマルジョン形態の泡状(フォーム)クリームの製造に関する。
特許文献2は、皮膚上に半透性の膜を形成可能な、二相系で製造されたスキンクリーム製品に関する。
【特許文献1】国際出願公開公報第WO−A−99/08649号
【特許文献2】国際出願公開公報第WO−A−98/31339号
【特許文献3】イギリス国特許出願公開明細書第GB−A−2204875号
【特許文献4】フランス国特許出願公開明細書第FR−A−2,217,405号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、実質的に崩壊せず、上記問題を呈さない泡(フォーム)を提供することにある。さらに、そのような泡(フォーム)の生成方法並びに崩壊後も再使用可能な泡の生成方法も提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことに、本発明の根底にある問題は、親油性成分と親水性成分、並びに発泡ガスを含み、熱処理に供することによって得られる安定な泡状クリームであって、該処理が少なくとも5分間、好ましくは10分間、及び/又は4分〜2時間40〜75℃で行われることを特徴とする、安定な泡状クリームによって解決される。特に、該熱処理は、発泡ガスをクリーム調合物に添加した後に行われる。あるいはまた、発泡ガスをクリーム調合物に添加する前及び/又は間に該発泡ガスを加熱することによって行われる。本発明では、両方の方法を組み合わせても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
発泡ガスの添加後の加熱処理は、時間と温度に依存して行われなければならない。一般的に、加熱処理の温度と継続時間の間には相互関係が存在する。加熱処理を比較的高い温度で実施する場合、比較的短い継続時間で十分であり、その逆のことも言える。加熱処理は少なくとも約10分間、30分間あるいは1時間実施すべきである。例えば、温度は少なくとも30℃、少なくとも40℃あるいは少なくとも50℃である。長時間の処理を避けるためには20℃を下回らないようにすべきである。加熱処理は、40〜70℃、特に45〜65℃の場合には5分〜2時間、40〜60℃の場合には10分〜5時間、あるいは30〜50℃の場合には20分から20時間、特に1時間から15時間にわたって行われ得る。
【0010】
工業的に実施される加熱処理の場合、例えば、50℃では20分間の継続時間、50℃では10時間の継続時間、あるいは38℃では12時間の継続時間を必要とし得る。
当然ながら、加熱処理中に考慮すべきこととは、使用される発泡ガスによるが、安全のために超えてはならない加熱上限があるということである。イソブタン/ブタン/プロパンの混合物を使用する場合、加熱処理は50℃以下で長時間(1時間単位)行うべきである。
【0011】
加熱処理は、例えば加熱キャビネット、加熱室あるいは保温室中での保温静置によって行われることが好ましい。加熱処理は、特に発泡ガスの添加後に実施される。本発明によれば、梱包や大量生産の前に、全てのロットを加熱処理に供することが可能である。より多量のロットの場合、泡状クリームを含有する容器の加熱処理は、加熱室内のパレット上で行ってもよい。加熱処理は、35〜40℃の温度で10〜40時間にわたって実施可能である。あるいはまた、泡状クリームをまず1回分ずつ分けるか瓶詰めし、その後加熱処理に供することもできる。
【0012】
安定な泡状クリームを製造するその他の可能な方法とは、親水性成分及び親油性成分に発泡ガスを添加する前に、発泡ガスを加熱することである。この方法は、発泡ガスが冷却しながら供給される周知の方法と対照的である。発泡ガスの加熱は、好ましくは25〜60℃、特に25〜50℃、あるいは25〜40℃で行われる。少なくとも30〜40℃で発泡ガスを加熱することが好都合であろう。
【0013】
また、発泡ガスを含むビン型容器への加圧テストを本発明による(部分的な)加熱処理
として利用してもよい。そのような場合、40〜50℃に加熱された水浴によって容器を処理する。水浴中での適切な滞留時間は保温静置時間から差し引くことができる。
【0014】
好ましくは、本発明の安定な泡状クリームは二相系である。好ましい実施態様において、親油性成分は脂肪酸及びジメチルポリシロキサンを含み、親水性成分はトリエタノールアミン、モノプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリ(エチレングリコール)及びポリ(ビニルピロリドン)からなる群から選択される。
【0015】
好ましい実施態様において、本発明の泡状クリームはC10〜C22の脂肪酸、乳化剤及び共乳化剤を含む。
特に好ましい実施態様において、本発明の泡状クリームは、
4〜15重量%の水中油型乳化剤;
1〜10重量%の脂肪酸;
0.4〜2.3重量%の保湿剤;
0.05〜1重量%のスキンケア剤;及び
全量を100重量%に調整する量の水
を含む。
【0016】
本発明の泡状クリームはまた、
1〜3重量%のグリセリルステアレート;
3〜6重量 %のセテアリルアルコール;
4〜6重量%のステアリン酸;
0.5〜2重量%のパラフィン;
0.4〜2.3重量%のトリセテアレスー4−ホスフェート;
1.5〜4重量%のプロピレングリコール;
1.3〜4.2重量%のグリセリン;
1〜3重量%のセチルサルコシネート;
0.05〜1重量%のアラントイン;及び
全量を100重量%に調整する量の水
を含んでよい。
【0017】
安定な泡状クリームは、その他の付加的な成分として、さらに、尿素、エトキシジグリコール、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、ソルビット、デキスパンテノール、乳酸ナトリウムなどの水和(水分結合)物質を含んでもよい。
【0018】
本発明の泡状クリームにさらに好ましく追加される物質としては、クロトリマゾール、オーク樹皮の抽出物、セージ、ローズマリー、アルニカ、アロエベラ、ペンタノール及び樟脳である。これらの添加物質は泡状クリームを非常に不安定なものにする。
【0019】
本発明の安定な泡状クリームは、加熱処理後に、従来の泡状クリームと比較して改善された特性を呈する。そのため、説明した泡の崩壊現象は実質的に生起しない。さらには、本発明の泡状クリームは長期間安定であり、輸送中の震盪や温度の変動といった外乱作用に対する実質的な耐性を有する。本発明の泡状クリームは、泡状クリームを不安定にする、本発明による処理を施していない物質を含んでいる場合でさえも安定である。本発明による泡状クリームが、特性を改善させる原因となる構造的変化を経ていることが推測される。
【0020】
本発明の泡状クリームは、好ましい実施態様において、化粧品用あるいは医薬用の泡状クリーム、特にスキンクリームである。本発明の泡状クリームは、そのようなスキンクリーム用として従来既知の成分や添加物質、例えばWO−A−98/31339号公報やW
O−A−99/08649号公報に開示のものを含有してもよい。
【0021】
本発明はまた、親油性成分と親水性成分、並びに発泡ガスを含む安定な泡状クリームの製造方法にも関する。該製造方法は、親油性成分と親水性成分を含むクリーム調合物が調製され、次いで発泡ガスを添加することによって泡状クリームを形成し、その泡状クリームを加熱処理及び/又は該発泡ガスを該クリーム調合物に添加する前及び/又は間に加熱処理に供することを特徴とする。さらなる実施態様において、発泡ガスはクリーム調合物へ添加する前及び/又は間に加熱される。
【0022】
本発明の泡状クリームの製造方法の好ましい実施態様において、泡状クリームは発泡ガスの添加後かつ加熱処理の実施前に崩壊、あるいは部分的に崩壊してしまう。これは、本発明の方法は、単に泡状クリームを安定化させるだけでなく、発泡ガスの添加後に崩壊した、通常はもはや使用することができない泡状クリームを加熱処理の実施によって再構成させることが可能であることを意味する。
【実施例】
【0023】
実施例1: 泡状クリームの製造
泡状クリームは、加熱及び冷却が可能で、自己放電型ホモジナイザーと加熱可能な計量漏斗を備えた閉鎖系装置内で調製される。相Iは、加熱可能な計量漏斗内で、2重量%のグリセリルステアレート、4重量%のセテアリルアルコール、5重量%のステアリン酸、1重量%のパラフィン、0.5重量%のトリセテアレス−4−ホスフェート、5重量%のオレイン酸デシル、5重量%のオクチルドデカノール及び0.2重量%のジメチコンを含む混合物を75℃で溶解させることによって生成される。この相は、加熱及び冷却が可能で、自己放電型ホモジナイザーと加熱可能な計量漏斗を備えた閉鎖系装置内で、事前に製造した相IIに対して、撹拌しながら、計量して供給される。この相IIは、5.5重量%の尿素、2.5重量%のプロピレングリコール、2.5重量%のグリセリン、2重量%のラウロイルサルコシン酸ナトリウム及び63重量%の水を含む水性混合物からなる。両方の相I、相IIの均質な配合物の形成は確実にしなくてはならない。
【0024】
相Iの計量および添加は75℃の温度で行う。ほどよい撹拌速度で永続的に撹拌している間に、両相は結合され、均一な均質化は確実に行われなくてはならない。20〜30分の間、温度を75℃に保つ。その後、0.1重量%のアラントインと1.1重量%のトリエタノールアミンを(pH値を7.8と8.0の間に調整するために)添加する。得られる混合物を30〜40℃の温度まで永続的に撹拌しながら冷却する。
【0025】
40℃の温度に到達した後、0.5重量%のアロエベラと0.1重量%のパンテノールを添加する。これら成分の添加により、泡状クリームは非常に不安定となり、典型的には泡状クリームの崩壊が生じる。
【0026】
混合物を、pH値が安定するのに十分長い時間にわたって撹拌し、その後泡状クリームを保存に適した容器、あるいは高圧ディスペンサに、それぞれ9%のイソブタン/ブタン/プロパンと共に充填する。
【0027】
実施例2
実施例1の泡状クリームを充填した後、38℃の貯蔵室内で12時間充填容器を保管することによって加熱処理を実施する。
【0028】
実施例3
実施例1の方法に従って、泡状クリームの製造方法を実行する。プロパン/ブタン混合物は添加する前に25℃に温めてよい。
【0029】
実施例4
実施例1に記載の方法に従って、泡状クリームの調製を実施する。泡状クリームの充填後、充填した容器を内部温度50℃の加熱キャビネット内で20分間加熱する。
【0030】
実施例5
実施例1に記載の方法に従って、泡状クリームの調製を実施し、プロパン/ブタン混合物は添加する前に25℃に温めてよく、かつ泡状クリームの充填後、38℃の貯蔵室内で12時間充填容器を保管する。
【0031】
実施例6
実施例1に従って泡状クリームを調製するが、アロエベラとパンテノールの代わりにクロトリマゾールを混合物に添加する。他の工程は実施例1と同一である。この成分の添加によって泡状クリームは大いに不安定になり、概して泡状クリームの崩壊を生じさせる結果となる。泡状クリームの一部を、実施例2に従って加熱処理に供し、その他の部分を実施例4に従って加熱処理に供する。
【0032】
実施例7
実施例6に記載の工程と同じ工程を実施するが、クロトリマゾールを添加する代わりにオーク樹皮抽出物を泡状クリームに添加する。この添加物により泡状クリームは不安定になることがあり、一般的には泡状クリームの崩壊が生じる。
【0033】
実施例8
実施例6に記載の工程と同じ工程を実施するが、クロトリマゾールを添加する代わりにセージを泡状クリームに添加する。この添加物により泡状クリームは非常に不安定になり、一般的には泡状クリームの崩壊が生じる。
【0034】
実施例9
実施例6に記載の工程と同じ工程を実施するが、クロトリマゾールを添加する代わりにローズマリーを泡状クリームに添加する。この添加物により泡状クリームは非常に不安定になり、一般的には泡状クリームの崩壊が生じる。
【0035】
実施例10
実施例6に記載の工程と同じ工程を実施するが、クロトリマゾールを添加する代わりにアルニカを泡状クリームに添加する。この添加物により泡状クリームは非常に不安定になり、一般的には泡状クリームの崩壊が生じる。
【0036】
実施例11
実施例6に記載の工程を繰り返すが、クロトリマゾールを添加する代わりに樟脳を泡状クリームに添加する。この添加物により泡状クリームは非常に不安定になり、一般的には泡状クリームの崩壊が生じる。
【0037】
結果
加熱処理を施した後の実施例2〜11による泡状クリームは安定である。これらクリームの崩壊は観察できなかった。加熱処理を適用しなかった実施例1による泡状クリームは崩壊する傾向にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親油性成分と親水性成分、及び発泡ガスを含む安定な泡状クリームを製造する方法であって、前記方法において、親油性成分と親水性成分を含むクリーム調合物を調製し、
次いで、泡状クリームを形成するために発泡ガスを添加して、該泡状クリームを加熱処理に供することと、
前記発泡ガスを前記クリーム調合物に添加する前及び添加する間の少なくともいずれかにおいて、加熱することとの少なくともいずれかを行うことを特徴とする、安定な泡状クリームを製造する方法。
【請求項2】
前記加熱処理が少なくとも20℃の温度で実行されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記加熱処理が、少なくとも5分間実行されることを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記泡状クリームが二相系として提供されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記親油性成分が、脂肪酸及びジメチルポリシロキサンから選択され、前記親水性成分がトリエタノールアミン、モノプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリ(エチレングリコール)及びポリ(ビニルピロリドン)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記泡状クリームが、C10〜C22の脂肪酸、乳化剤及び共乳化剤を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記泡状クリームが、
4〜15重量%の水中油型乳化剤;
1〜10重量%の脂肪酸;
0.4〜2.3重量%の保湿剤;
0.05〜1重量%のスキンケア剤;及び
全量を100重量%に調整する量の水
を含有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記泡状クリームが、
1〜3重量%のグリセリルステアレート;
3〜6重量%のセテアリルアルコール;
4〜6重量%のステアリン酸;
0.5〜2重量%のパラフィン;
0.4〜2.3重量%のトリセテアレス−4−ホスフェート;
1.5〜4重量%のプロピレングリコール;
1.3〜4.2重量%のグリセリン;
1〜3重量%のセチルサルコシネート;
0.05〜1重量%のアラントイン;及び
全量を100重量%に調整する量の水
を含有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記泡状クリームが、さらに尿素、エトキシジグリコール、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、ソルビット、デキスパンテノール、乳酸ナトリウムのような水和(水分結合)
物質、及びクロトリマゾール、オーク樹皮抽出物、セージ、ローズマリー、アルニカ、アロエベラ、パンテノール及び樟脳のような添加剤のうちの少なくともいずれかを含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記泡状クリームが、前記発泡ガスの添加後かつ該加熱処理の導入前に、少なくとも部分的に崩壊することを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記請求項1から10のいずれかに1項に記載の方法によって得られる、安定な泡状クリーム。
【請求項12】
親油性成分と親水性成分、及び発泡ガスを含み、加熱処理に供することによって得られる請求項11に記載の安定な泡状クリームであって、前記加熱処理が少なくとも5分間及び/又は5分〜20時間にわたって、少なくとも30℃〜75℃で実行されることを特徴とする、安定な泡状クリーム。
【請求項13】
前記加熱処理が、前記発泡ガスの添加後に実行されることを特徴とする、請求項11又は12のいずれか1項に記載の安定な泡状クリーム。
【請求項14】
前記泡状クリームが二相系であることを特徴とする、請求項11から13のいずれか1項に記載の安定な泡状クリーム。
【請求項15】
前記親油性成分が、脂肪酸とジメチルポリシロキサンから選択され、前記親水性成分がトリエタノールアミン、モノプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリ(エチレングリコール)及びポリ(ビニルピロリドン)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項11から14のいずれか1項に記載の安定な泡状クリーム。
【請求項16】
前記泡状クリームが、C10〜C22の脂肪酸、乳化剤及び共乳化剤を含むことを特徴とする、請求項11から15のいずれか1項に記載の安定な泡状クリーム。
【請求項17】
前記泡状クリームが、
4〜15重量%の水中油型乳化剤;
1〜10重量%の脂肪酸;
0.4〜2.3重量%の保湿剤;
0.05〜1重量%のスキンケア剤;及び
全量を100重量%に調整する量の水
を含有することを特徴とする、請求項11から16のいずれか1項に記載の安定な泡状クリーム。
【請求項18】
前記泡状クリームが、
1〜3重量%のグリセリルステアレート;
3〜6重量%のセテアリルアルコール;
4〜6重量%のステアリン酸;
0.5〜2重量%のパラフィン;
0.4〜2.3重量%のトリセテアレスー4−ホスフェート;
1.5〜4重量%のプロピレングリコール;
1.3〜4.2重量%のグリセリン;
1〜3重量%のセチルサルコシネート;
0.05〜1重量%のアラントイン;及び
全量を100重量%に調整する量の水
を含有することを特徴とする、請求項11から17のいずれか1項に記載の安定な泡状ク
リーム。
【請求項19】
前記泡状クリームが、さらに尿素、エトキシジグリコール、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、ソルビット、デキスパンテノール、乳酸ナトリウムのような水和(水分結合)物質、及びクロトリマゾール、オーク樹皮抽出物、セージ、ローズマリー、アルニカ、アロエベラ、パンテノール及び樟脳のような添加剤のうちの少なくともいずれかを含むことを特徴とする、請求項11から18のいずれ1項に記載の安定な泡状クリーム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親油性成分と親水性成分、及び発泡ガスを含む安定な泡状クリームを製造する方法であって、前記方法において、親油性成分と親水性成分を含むクリーム調合物を調製し、
次いで、泡状クリームを形成するために発泡ガスを添加して、該泡状クリームを加熱処理に供することと、
前記発泡ガスを、該前記クリーム調合物に添加する前及び添加する間の少なくともいずれかにおいて、加熱することとの少なくともいずれかを行ない、
前記加熱処理は少なくとも30℃で少なくとも1時間にわたって実行されるか、または少なくとも40℃で少なくとも5分間にわたって実行されることを特徴とする、安定な泡状クリームを製造する方法。
【請求項2】
前記泡状クリームが二相系として提供されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記親油性成分が、脂肪酸及びジメチルポリシロキサンから選択され、前記親水性成分がトリエタノールアミン、モノプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリ(エチレングリコール)及びポリ(ビニルピロリドン)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記泡状クリームが、C10〜C22の脂肪酸、乳化剤及び共乳化剤を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記泡状クリームが、
4〜15重量%の水中油型乳化剤;
1〜10重量%の脂肪酸;
0.4〜2.3重量%の保湿剤;
0.05〜1重量%のスキンケア剤;及び
全量を100重量%に調整する量の水
を含有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記泡状クリームが、
1〜3重量%のグリセリルステアレート;
3〜6重量%のセテアリルアルコール;
4〜6重量%のステアリン酸;
0.5〜2重量%のパラフィン;
0.4〜2.3重量%のトリセテアレスー4−ホスフェート;
1.5〜4重量%のプロピレングリコール;
1.3〜4.2重量%のグリセリン;
1〜3重量%のセチルサルコシネート;
0.05〜1重量%のアラントイン;及び
全量を100重量%に調整する量水
を含有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記泡状クリームが、さらに尿素、エトキシジグリコール、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、ソルビット、デキスパンテノール、乳酸ナトリウムのような水和(水分結合)物質、及びクロトリマゾール、オーク樹皮抽出物、セージ、ローズマリー、アルニカ、アロエベラ、パンテノール及び樟脳のような添加剤のうちの少なくともいずれかを含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記泡状クリームが、前記発泡ガスの添加後かつ該加熱処理の導入前に、少なくとも部分的に崩壊することを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記請求項1から8のいずれか1項に記載の方法によって得られる、安定な泡状クリーム。
【請求項10】
親油性成分と親水性成分、及び発泡ガスを含み、加熱処理に供することによって得られる請求項9に記載の安定な泡状クリームであって、前記加熱処理が少なくとも5分間及び/又は5分〜20時間にわたって、少なくとも30℃〜75℃で実行されることを特徴とする、安定な泡状クリーム。
【請求項11】
前記加熱処理が、前記発泡ガスの添加後に実行されることを特徴とする、請求項9又は10のいずれか1項に記載の安定な泡状クリーム。
【請求項12】
前記泡状クリームが二相系であることを特徴とする、請求項9から11のいずれか1項に記載の安定な泡状クリーム。
【請求項13】
前記親油性成分が、脂肪酸とジメチルポリシロキサンから選択され、前記親水性成分がトリエタノールアミン、モノプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリ(エチレングリコール)及びポリ(ビニルピロリドン)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項9から12のいずれか1項に記載の安定な泡状クリーム。
【請求項14】
前記泡状クリームが、C10〜C22の脂肪酸、乳化剤及び共乳化剤を含むことを特徴とする、請求項9から13のいずれか1項に記載の安定な泡状クリーム。
【請求項15】
前記泡状クリームが、
4〜15重量%の水中油型乳化剤;
1〜10重量%の脂肪酸;
0.4〜2.3重量%の保湿剤;
0.05〜1重量%のスキンケア剤;及び
全量を100重量%に調整する量の水
を含有することを特徴とする、請求項9から14のいずれか1項に記載の安定な泡状クリーム。
【請求項16】
前記泡状クリームが、
1〜3重量%のグリセリルステアレート;
3〜6重量%のセテアリルアルコール;
4〜6重量%のステアリン酸;
0.5〜2重量%のパラフィン;
0.4〜2.3重量%のトリセテアレスー4−ホスフェート;
1.5〜4重量%のプロピレングリコール;
1.3〜4.2重量%のグリセリン;
1〜3重量%のセチルサルコシネート;
0.05〜1重量%のアラントイン;及び
全量を100重量%に調整する量の水
を含有することを特徴とする、請求項9から15のいずれか1項に記載の安定な泡状クリーム。
【請求項17】
前記泡状クリームが、さらに尿素、エトキシジグリコール、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、ソルビット、デキスパンテノール、乳酸ナトリウムのような水和(水分結合)物質、及びクロトリマゾール、オーク樹皮抽出物、セージ、ローズマリー、アルニカ、アロエベラ、パンテノール及び樟脳のような添加剤のうちの少なくともいずれかを含むことを特徴とする、請求項9から16のいずれか1項に記載の安定な泡状クリーム。

【公表番号】特表2006−510651(P2006−510651A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558079(P2004−558079)
【出願日】平成15年12月12日(2003.12.12)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014153
【国際公開番号】WO2004/052317
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(505219912)ノイブルク スキン ケア ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー (5)
【氏名又は名称原語表記】NEUBOURG SKIN CARE GMBH & CO.KG
【Fターム(参考)】