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安定化された逆ミセル組成物およびその使用
説明

安定化された逆ミセル組成物およびその使用

【課題】薬物の経粘膜吸収を促進するのに適した薬物送達のための組成物および方法を提供する。
【解決手段】送達系は、脂肪酸エステルおよびそれらの親水性誘導体を含んでなり、脂肪酸エステルおよびそれらの親水性誘導体は水および他の極性溶媒と会合して、胃腸液、水、および他の親水性溶媒の存在下で物理的に安定化された逆ミセルを形成する。かかる安定した逆ミセルは、ポリマーまたは非ポリマー化合物と両親媒性物質との適当な混合物により形成される。これらの方法を用いて作られるミセルは比較的遅い相転移を経て、遅延された薬物放出プロファイルと持続的な吸収をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
本発明は、生物活性分子の粘膜投与および非経口投与用の送達系に関するものであり、生物活性分子としては、限定するものではないが、治療薬、ワクチン、アレルゲン、抗原および診断薬が含まれる。特に、本発明は、界面活性剤、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物、ならびに上記組成物を使用して生物活性分子を動物に投与する方法に関する。本発明の組成物は、生物活性分子が粘膜上皮障壁を横切って吸収されるのを促進する。本発明の組成物は、予防上、治療上、診断上または化粧上利用することができる。
【背景技術】
【0002】
2.発明の背景
2.1. 薬物送達
薬物送達は、送達する薬剤と投与経路に依って様々な形態をとる。薬物を体内に投与する最も好都合な方法は経口投与である。しかし、多くの薬物、特にタンパク質およびペプチドは、胃腸(GI)管通過中に吸収されにくくかつ不安定である。これらの薬物の投与は一般的に非経口注射により行われる。組換えDNA法により開発された大部分の巨大分子薬物は、皮下または静脈投与のいずれかによる注射によってのみ送達することができる。タンパク質およびペプチド治療薬分子は、存在する加水分解酵素および上皮障壁のために、経口または経粘膜で投与する場合には有効でない。これに対する少数の例外は、5,000ダルトン未満の分子量をもつ複数の公知のペプチドホルモン、例えばカルシトニン、ナファレリン(黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト類似体)およびデスモプレッシンであり、これらは、限られた程度であるが、鼻咽頭粘膜を通って浸透する。これらのペプチドは、経口投与すると治療上不活性であって生物学的に利用されない。従って、新しい巨大分子薬物の治療薬としての可能性を高める際の大きなチャレンジの1つは、経口バイオアベイラビリティーを可能にするかまたは経鼻もしくは経粘膜バイオアベイラビリティーを増加させる送達系の開発である。かかる目的に対して多数の系が記載されている。さらに、多くの薬物は経口経路で投与されて胃腸管通過中または口腔内のいずれかで吸収されるが、親水性薬物の多くは十分には吸収されない。多数の薬物はそれらの開発が非経口投与経路により制限されている。従って、様々な水溶性化合物の経口または粘膜送達を改善する系が所望されている。
【0003】
生物侵食性ポリマー微小球(microsphere)のマトリックス内にタンパク質、ペプチドまたは核酸治療薬を捕捉することに基づく様々な微粒子系が記載されている。経口投与した薬物を保護するとともに放出を遅延させるために、腸溶コーティング製剤が長年にわたり広く利用されている。例えば、米国特許第5,942,252号は、抗原取込みのために腸リンパ組織に指向させることができる微小球を作るための、ポリ乳酸-グリコール酸などの合成ポリマーから成る微小球の使用を記載している。薬物または抗原を微粒子系内に捕捉すると薬物または抗原を酸および酵素分解から保護しうるので、薬物または抗原を経口投与することが一応可能である。この概念においては、微小球の直径を10ミクロン未満のサイズとすることが、細胞の食作用または関連プロセスによる抗原含有粒子全体の取込みへと至る一連のイベントを促進させる。捕捉された薬物またはワクチンは専門化した粘膜組織および細胞により取込まれ、ビヒクルが捕捉された物質を持続して放出する。さらに、米国特許第5,985,312号は、インスリン依存性糖尿病治療用モデルとしての実験動物の血糖値を低下させるための、ポリ(フマル酸)-ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)ポリマーから成るインスリン含有生物接着性マイクロカプセルの使用を記載する。いくつかの事例において、プラスミドDNAおよび他の分子のバイオアベイラビリティーは、このような生物接着性微小球でのマイクロカプセル化により増強することができる。活性が増加する作用機構は、腸管上皮を横切る傍細胞および経細胞両方の輸送機構と上皮細胞表面への粒子の生物接着との組み合わせであると考えられる(Mathiowitzら, 1997, Nature, 386:410-414)。
【0004】
2.2 粘膜送達
脂質系は薬物送達ビヒクルおよび系の開発に広く用いられている。脂質ビヒクルのクラスで最もなじみがあるのはリポソームである。リポソームは伝統的に純粋なリン脂質もしくは混合リン脂質、またはリン脂質とコレステロールもしくは脂肪酸との混合物から形成される。リポソームの特徴は水内部コンパートメントを水外部環境から分離している界面二重層膜の形成である。薬物および他の活性物質は水性内部空間に捕捉することができる。静脈投与時のアンフォテリシンなどのある特定薬物の毒性を妨害する商業上の医薬組成物を開発するために従来のリポソームが利用され、成功をおさめている。薬物送達ビヒクルとしてのリポソームの開発における大きな問題は、それらが胃酸、胆汁酸塩およびホスホリパーゼへの曝露に耐える能力に乏しいことである。それにも関わらず、リポソームのGI管安定性を改良する1つの特別な解決手法があり、それは重合可能な基を組み入れた特定のリン脂質を組み込むことによるものである。米国特許第5,160,740号は、重合可能な2,4-ジエンリン脂質、コレステロール、および重合可能な2,4-ジエン脂肪酸を重合させることによる、重合した巨大分子小胞体(endoplasmic reticulum)の形成を記載している。さらに、米国特許第5,762,904号は、経口ワクチン送達用に重合リポソームの利用を記載している。重合リポソームは、いずれかのタイプの二重層形成性のリン脂質または非リン脂質構造体との混合物から形成される。高分子のリン脂質を存在させると、界面活性剤および胆汁酸塩による溶解に耐えかつ比較的耐酸性である、より強固な膜が得られる。さらに多数の重合可能なリン脂質が、Regan, 「Liposomes(リポソーム)」(出所「Biophysics to Therapeutics(治療薬の生物物理学)」 (Ostro編, 1987), Marcel Dekker, NY.)に記載されている。米国特許第6,004,534号は、植物レクチンをコンジュゲートさせることを特徴とする重合リポソームの表面の改変を記載している。かかるレクチンは、上皮細胞の表面にある受容体を認識し、リポソームがM細胞により強く付着するのを促進する(Chenら, 1996, Pharmaceutical Research 13:1378-1383)。ターゲッティング用のリガンドを組み込むことにより、これらのリポソーム内に保持された薬物の吸収効率が増加すると考えられる。
【0005】
候補としての粘膜送達系はさらに、サリチル酸塩、胆汁酸塩および他の表面活性剤などの吸収促進剤を含んでいてもよい。吸収促進剤は、それらとGI粘膜との相互作用および同時に起こる上皮細胞間接着結合の開口により、ペプチドおよびタンパク質分子が上皮関門を横切って浸透するのを高めるように機能しうる。様々な両親媒性分子が吸収促進剤として作用することが知られている。胆汁酸塩およびサリチル酸塩に加えて、中等度鎖脂肪酸塩およびエステル、ならびに中等度鎖モノおよびジグリセリドは粘膜吸収促進活性を有することが知られている。これらの分子による吸収促進は、中等度鎖C6-C12脂肪アシル鎖(鎖長が6〜12炭素原子)、特にC8-C10脂肪酸(鎖長が8〜10炭素原子)で誘導体化されたもの、の存在に因るものである。促進分子は、細胞間のチャンネルまたは接着結合を開くことに関わり、同時投与された分子の傍細胞輸送を可能にする。さらに、これらの分子は、P糖タンパク質などの腸流出ポンプ(intestinal efflux pump)のインヒビターとして作用しうる。経口送達を改良するための他のストラテジーとしては、投与した治療薬の分解を制限するための、治療薬とプロテアーゼ阻害剤(例えば、アプロチニン、ダイズトリプシン阻害剤)との混合が挙げられる。しかし、この手法単独では顕著な吸収促進効果はないので、商業的利用は限られている。
【0006】
粘膜からのタンパク質治療薬の吸収を促進させることはまた、米国特許第6,245,359号に記載のようにタンパク質の球状特性を改変する両親媒性物質を用いて追求されている。この事例における膜浸透の増加は、両親媒性物質と巨大分子との可逆的相互作用によって、該分子の流体力学半径が傍細胞的に浸透するのに十分なだけ変化することに因ると考えられる。
【0007】
これらのストラテジーのそれぞれは、巨大分子を分解から保護しかつ粘膜組織における吸収細胞と分子との相互作用を促進することを意図したものである。
【0008】
脂質と界面活性剤は、親水性部分と疎水性部分を有する両親媒性分子であるという点で短鎖および長鎖炭化水素から区別することができる。界面活性剤は、約1〜約45の値(非イオン界面活性剤の場合は1〜20の値)である親水親油バランス(hydrophile-lipophile balance:HLB)として知られる実験的尺度によって便宜上分類される。1により近いHLB値は親油性のより高い界面活性剤を表し、一方、約10より大きいHLB値は親水性のより高い界面活性剤を表す。水と接触すると、界面活性剤は様々な種類の凝集物を形成する。リン脂質は水中で二重層膜を形成することを特徴とするが、低濃度の他の極性脂質は水中でミセル構造を形成する。水中の極性脂質濃度に依存して、ミセルは典型的には50〜100個の脂質分子を含有する球状の巨大構造体であるか、または棒状もしくは円板状の巨大構造体のいずれかである。これらの各事例において、炭化水素テイル(tail)はミセルの内部を形成しかつ極性ヘッド(head)基が水と接触している。極性脂質の水中濃度が高くなると、逆のタイプのミセルつまり逆ミセルを形成する。通常のミセル相はL1相としても知られる。逆ミセル相はL2としても知られる。L2相においては、水は内部相を形成しかつ脂質の疎水性テイルが連続相を形成する。油、界面活性剤および水相を含有する逆ミセルはまた、油中水型(water-in-oil)ミクロエマルジョンとしても特徴づけられる(Constantinides, P. P. 「Lipid Microemulsions for Improving Drug Dissolution and Oral Absorption: Physical and Biopharmaceutical Aspects(薬物溶解および経口吸収を改良する脂質ミクロエマルジョン:物理的および生物製薬的側面)」,Pharm. Res. 12 (11) 1561-1572,1995およびそこに引用された参考文献を参照)。さらに、極性脂質と水の混合物中には六方晶系相および逆六方晶系を含む複数の液晶構造体が共存することがあり、これは通常のミセルおよび逆のミセルに類似している。伝統的に、単純な逆ミセル(水/両親媒性物質)は粘膜薬物送達系に利用されていない。
【0009】
逆ミセルと対照的に、ミクロエマルジョン系は、典型的には油相、界面活性剤、および水から形成される3成分または4成分系である。例えば、米国特許第5,707,648号は、油相、水相、および界面活性剤混合物を含有するミクロエマルジョンを記載する。ミクロエマルジョン系における1相の他相への可溶化は、引力と斥力のバランスによる影響を受ける。ミクロエマルジョンは熱力学的に安定であるので、小滴は時間が経過しても凝集したり沈殿したりしないであろう。エマルジョンの小滴ははるかに大きく、一般的にミクロン以上であるのに対して、ミクロエマルジョンの小滴は10〜200ナノメートルの範囲である。エマルジョン小滴の界面は界面活性剤の単層と考えることができる。ミクロエマルジョンは連続相中に溶解した分散相の量により特徴づけることができる。
【0010】
ミクロエマルジョンは伝統的に、油相の他に、1種以上の界面活性剤および共界面活性剤、通常は短鎖のアルコール(例えば、エタノールまたはブタノール)、グリコール(例えば、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール)、中等度鎖アルコール、アミン、または酸を用いて形成されている。
【0011】
本節、または本出願のいずれの節における参考文献の引用または同定も、かかる参考文献が本発明の先行技術として利用しうることの容認とみなしてはならない。
【0012】
2.3 黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト
黄体形成ホルモン放出ホルモン(leuteinizin hormone-releaseing hormone:LHRH)アゴニストおよびその類似体は、内因性の性腺刺激ホルモンを抑制し、性機能低下症状を起こす。LHRHアゴニストの例としては、限定されるものでないが、ロイプロリド(leuprolide)、ゴセレリン(goserelin)、ナファレリン(nafarelin)およびヒストレリン(histrelin)が挙げられる。これらのアゴニストはいずれも、次のアミノ酸配列:p-Glu-His-Trp-Ser-Tyr-Gly-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2(MW=1182)を有する天然の性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の合成類似体である。天然の化合物を改変することにより、効力の増加と天然ペプチドより長い半減期が得られる。LHRHアゴニストの長引く投与は脳下垂体に定常的な刺激作用を与え、性腺刺激ホルモンの長期抑制を招く。男性においては、テストステロンレベルが治療の14〜21日以内に去勢レベルにまで低下し、中断すると回復する。LHRHアゴニストの主な疾患の適応症は、前立腺癌、子宮内膜症および小児の性早熟症である。さらに、他の疾患および障害の適応症におけるLHRHアゴニストの使用が報じられている(Plosker G. L, Brogden R. N., 「Leuprorelin. A review of its pharmacology and therapeutic use in prostatic cancer, endometriosis and other sex hormone-related disorders(ロイプロレリン:前立腺癌、子宮内膜症および他の性ホルモン関連障害におけるその薬理学および治療用途の総括)」, Drugs 1994,48 (6):930-967)。これらの適応症としては、子宮平滑筋腫、生殖能障害、閉経前乳癌、子宮体癌、卵巣癌、良性前立腺肥大、機能的腸疾患、群発性頭痛、月経前症候群、特発性多毛または多嚢胞性卵巣疾患に二次的な多毛、腺筋症、メニエール病、鎌形赤血球貧血に関連する持続勃起症、および月経期(catamental)気胸が挙げられる。
【0013】
LHRHまたはそのアゴニストの経口投与剤形は、これらの分子の経口バイオアベイラビリティーが非常に低い(<1%)ので利用できない。従って、当技術分野では、これらの分子の腸吸収および経口バイオアベイラビリティーを、それを必要とする患者において増強する薬物送達手法に対するニーズが存在する。
【0014】
本節、または本出願のいずれの節における参考文献の引用または同定も、かかる参考文献が本発明の先行技術として利用しうることの容認とみなしてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第5,942,252号
【特許文献2】米国特許第5,985,312号
【特許文献3】米国特許第5,160,740号明細書
【特許文献4】米国特許第5,762,904号
【特許文献5】米国特許第6,004,534号明細書
【特許文献6】米国特許第6,245,359号明細書
【特許文献7】米国特許第5,707,648号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Mathiowitzら, 1997, Nature, 386:410-414
【非特許文献2】Regan, 「Liposomes(リポソーム)」(出所「Biophysics to Therapeutics(治療薬の生物物理学)」 (Ostro編, 1987), Marcel Dekker, NY.
【非特許文献3】Chenら, 1996, Pharmaceutical Research 13:1378-1383
【非特許文献4】Constantinides, P. P. 「Lipid Microemulsions for Improving Drug Dissolution and Oral Absorption: Physical and Biopharmaceutical Aspects(薬物溶解および経口吸収を改良する脂質ミクロエマルジョン:物理的および生物製薬的側面)」,Pharm. Res. 12 (11) 1561-1572,1995
【非特許文献5】Plosker G. L, Brogden R. N., 「Leuprorelin. A review of its pharmacology and therapeutic use in prostatic cancer, endometriosis and other sex hormone-related disorders(ロイプロレリン:前立腺癌、子宮内膜症および他の性ホルモン関連障害におけるその薬理学および治療用途の総括)」, Drugs 1994,48 (6):930-967
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
3.発明の概要
本発明は、親水性分子および他の吸収されにくい水溶性分子を動物へ送達するための組成物および方法を提供する。特に、本発明は、親水性分子および吸収されにくい水溶性分子を含めて、生物活性分子を送達するための組成物および方法に関する。本発明によれば、生物活性分子には、限定されるものでないが、治療薬、診断薬、抗原、抗体、ペプチド、ポリペプチド、ウイルス、核酸、成長因子、サイトカイン、および薬物が含まれる。本発明の逆ミセル組成物は、粘膜組織による生物活性分子の吸収を促進する。本発明の逆ミセル組成物はまた、動物において予防または治療効果を達成するために必要な生物活性分子の投与量を低減し、その結果、ある特定の生物活性分子のより高い用量を投与することに伴う毒性を軽減する。本発明の逆ミセル組成物は、動物における疾患または障害の状態を診断またはモニターするために必要な診断薬の投与量を低減する。さらに、安定剤を含有する本発明の逆ミセル組成物は、GI管内の逆ミセル組成物の安定性を改良し、生物活性分子の持続放出をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、界面活性剤(例えば、P糖タンパク質インヒビター)、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を提供する。一実施形態においては、逆ミセル組成物は界面活性剤としてのP糖タンパク質インヒビター、親水相、安定剤および1種以上の生物活性分子を含む。他の実施形態においては、逆ミセル組成物は1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、親水相および1種以上の生物活性分子を含む。この実施形態によれば、本発明の逆ミセル組成物は、重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。他の実施形態においては、逆ミセル組成物は1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含む。好ましくは、逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含み、逆ミセル組成物の脂肪酸エステル中の脂肪酸は約6〜約12炭素原子の鎖長を有する。
【0019】
他の実施形態においては、逆ミセル組成物はモノグリセリド、ジグリセリド、またはその親水性誘導体、親水相、安定剤および1種以上の生物活性分子を含む。他の実施形態においては、逆ミセル組成物はモノグリセリドもしくはジグリセリドまたはそれらの混合物、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含み、ここで、モノグリセリドもしくはジグリセリドのアシル基は6〜12個の炭素原子を有する脂肪酸に富んでいる。この実施形態によれば、極性を付与して水溶解度を高めるために、モノグリセリドもしくはジグリセリドを親水性成分で部分的に誘導体化してもよい。好ましくは、逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリグリセリドを含む。
【0020】
場合により、本発明の逆ミセル組成物は、経口送達のために、例えばデンプンまたはゼラチンカプセル中に封入してもよい。さらに本発明の逆ミセル組成物は、動物に投与する生物活性分子が抗原であれば、任意にアジュバントを含んでもよい。本発明の逆ミセル組成物は予防および治療上の有用性を有する。本発明の逆ミセル組成物はまた、動物における様々な疾患および障害の状態を診断および/またはモニターするうえでも有用である。
【0021】
本発明は、界面活性剤(例えば、P糖タンパク質インヒビター)、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物であって、生物活性分子の少なくとも1種がタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドである上記逆ミセル組成物を提供する。一実施形態においては、界面活性剤はP糖タンパク質インヒビターである。本発明はまた、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物であって、生物活性分子の少なくとも1種がタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドである上記逆ミセル組成物も提供する。この実施形態によれば、逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。好ましくは、本発明の逆ミセル組成物に組込まれるペプチドは500〜10,000ダルトン、さらに好ましくは500〜5,000ダルトンの範囲の分子量を有する。特に、ホルモン(例えば、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、カルシトニン、インスリン、および成長ホルモン)またはそれらのアゴニスト(例えば、LHRHアゴニスト)を本発明の逆ミセル中に含めることができる。好ましい実施形態においては、逆ミセル組成物は1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上のLHRHアゴニストを含む。LHRHアゴニストの例としては、限定されるものでないが、ロイプロリド、ゴセレリン、ナファレリンおよびヒストレリンが挙げられる。好ましくは、LHRHアゴニストはロイプロリドである。
【0022】
一実施形態においては、逆ミセル組成物は1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および成長ホルモン、好ましくはヒト成長ホルモンを含む。他の実施形態においては、逆ミセル組成物は1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および副甲状腺ホルモンを含む。他の実施形態においては、逆ミセル組成物は1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、およびカルシトニンを含む。他の実施形態においては、逆ミセル組成物は1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および低分子量ヘパリンを含む。他の実施形態においては、逆ミセル組成物は1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、およびインスリンを含む。これらの実施形態によれば、逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。
【0023】
本発明は一部には、中等度鎖モノグリセリド、ジグリセリドまたはそれらの混合物(例えば、6〜12炭素原子の脂肪酸側鎖をもつモノグリセリドまたはジグリセリド)および10%未満のトリグリセリドを含んでなる逆ミセル組成物を用いて粘膜に送達させたペプチドまたはタンパク質薬物のバイオアベイラビリティーは、従来知られる中等度鎖モノグリセリド、中等度鎖ジグリセリド、20%を超えるトリグリセリドおよび他の界面活性剤から成る逆ミセルのそれと少なくとも同等である、という本発明者らの発見に基づく。本発明はまた、一部には、本発明の単純な逆ミセル組成物が、複雑な油中水型マイクロエマルジョンの必要性なしに、ペプチドまたはタンパク質の高いバイオアベイラビリティーを与える、という本発明者らの発見にも基づく。さらに、本発明は一部には、部分的モノグリセリド、ジグリセリドまたはそのエトキシ化もしくはポリグリコール化類似体およびポリマー安定剤を含んでなる逆ミセル組成物は、治療に有効な量の治療薬を2相系中に組み込んでおり、この2相系は熱力学的に安定していて、光学的に透明で透けて見える(粒子の透明度は逆ミセル相などの等方性ミセル相の存在を示す)、という本発明者らの予想外の発見に基づく。逆ミセル組成物の疎水相または界面領域内にポリマーを組み込むと、該組成物が安定化され、その結果、封入された生物活性分子の漏出がより遅くなる。
【0024】
本発明は1種以上の生物活性分子を動物に送達する方法であって、上記動物に、界面活性剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を投与することを含むものである上記方法を提供する。さらに特に、本発明は1種以上の生物活性分子を動物に送達する方法であって、上記動物に、界面活性剤、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を投与することを含むものである上記方法を提供する。一実施形態においては、本発明は1種以上の生物活性分子を動物に送達する方法であって、上記動物に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、親水相、安定剤および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を投与することを含むものである上記方法を提供する。この実施形態によれば、逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。好ましくは、逆ミセル組成物の脂肪酸エステル中の脂肪酸は6〜20炭素原子、さらに好ましくは6〜12炭素原子、最も好ましくは8〜10炭素原子の鎖長を有する。特定の実施形態においては、本発明は1種以上の生物活性分子を動物に送達する方法であって、上記動物にモノグリセリド、ジグリセリドまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を粘膜投与することを含むものである上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は1種以上の生物活性分子を動物に送達する方法であって、上記動物にモノグリセリドもしくはジグリセリドまたはそれらの混合物、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を粘膜投与することを含み、上記モノグリセリドもしくはジグリセリドのアシル基が6〜8、6〜10、6〜12、8〜10、または8〜12個の炭素原子を有する脂肪酸に富んでいる上記方法を提供する。この実施形態によれば、モノグリセリドもしくはジグリセリドを親水性成分で部分的に誘導体化すると、極性が付与されて水溶解度を高めることができる。好ましくは、動物に投与する逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリグリセリドを含む。
【0025】
本発明は、疾患または障害に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、界面活性剤、親水相および上記疾患または障害に関連する1以上の症状の予防、治療または改善に有用である1種以上の予防薬または治療薬を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。特に、本発明は、疾患または障害に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、界面活性剤、安定剤、親水相および上記疾患または障害に関連する1以上の症状の予防、治療または改善に有用である1種以上の予防薬または治療薬を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。特定の実施形態においては、本発明は、疾患または障害に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、親水相、安定剤および上記疾患または障害に関連する1以上の症状の予防、治療または改善に有用である1種以上の予防薬または治療薬を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。好ましくは、逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。好ましい実施形態においては、逆ミセル組成物の脂肪酸は6〜12炭素原子の鎖長を有する。
【0026】
他の実施形態においては、本発明は、疾患または障害に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、モノグリセリド、ジグリセリドまたはその親水性誘導体、親水相、安定剤、および1以上の症状の予防、治療または改善に有用である1種以上の予防薬または治療薬を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を粘膜投与することを含むものである上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、疾患または障害に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、モノグリセリドもしくはジグリセリドまたはそれらの混合物、親水相、安定剤、および1以上の症状の予防、治療または改善に有用である1種以上の予防薬または治療薬を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を粘膜投与することを含み、ここでモノグリセリドもしくはジグリセリドのアシル基が6〜8、6〜10、6〜12、8〜10、または8〜12個の炭素原子を有する脂肪酸に富んでいる上記方法を提供する。この実施形態によれば、モノグリセリドもしくはジグリセリドを親水性成分で部分的に誘導体化すると、極性が付与されて水溶解度を高めることができる。好ましくは、動物に投与する逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリグリセリドを含む。
【0027】
本発明は、疾患または障害に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、上記動物に、界面活性剤、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を投与することを含み、ここで生物活性分子の少なくとも1種がタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドである上記方法を提供する。特定の実施形態においては、本発明は、疾患または障害に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、動物に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を投与することを含み、ここで生物活性分子の少なくとも1種がタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドである上記方法を提供する。この実施形態によれば、上記動物に投与される逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。特に、本発明は、本発明の逆ミセル組成物を利用して、ホルモン(例えば、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、カルシトニン、インスリン、および成長ホルモン)またはそれらのアゴニスト(例えば、LHRHアゴニスト)をそれを必要とする動物に投与し、疾患または障害に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法を提供する。
【0028】
特定の実施形態においては、本発明は、前立腺癌、子宮内膜症、性早熟症、子宮平滑筋腫、生殖能障害、閉経前乳癌、子宮体癌、卵巣癌、良性前立腺肥大、機能的腸疾患、群発性頭痛、月経前症候群、特発性多毛、多嚢胞性卵巣疾患に二次的な多毛、腺筋症、メニエール病、鎌形赤血球貧血に関連する持続勃起症、または月経期気胸、に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上のLHRHアゴニストを含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、下垂体機能不全、甲状腺機能低下症、ヒト成長ホルモン欠乏症、クッシング症候群、栄養性低身長、子宮内成長遅延、ラッセル・シルバー(Russell Silver)症候群または軟骨形成不全に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および成長ホルモン、好ましくはヒト成長ホルモンを含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、糖尿病に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、およびインスリンを含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、骨粗鬆症、転移性骨癌、整形移植片による溶骨性病変、パジェット病、または副甲状腺機能亢進症に関連する骨損失などの骨再吸収疾患に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および副甲状腺ホルモン、カルシトニンまたはその類似体を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。これらの実施形態によれば、逆ミセル組成物は、重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。
【0029】
本発明は、疾患または障害の状態を診断またはモニターする方法であって、上記動物に界面活性剤、親水相、および上記疾患または障害の診断に有用な1種以上の診断薬を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。特に、本発明は、疾患または障害の状態を診断またはモニターする方法であって、動物に界面活性剤、安定剤、親水相、および上記疾患または障害の診断に有用な1種以上の診断薬を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。一実施形態においては、本発明は、疾患または障害の状態を診断またはモニターする方法であって、動物に1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、親水相、安定剤、および上記疾患または障害の診断に有用な1種以上の診断薬を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。この実施形態によれば、逆ミセル組成物は、重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。好ましくは、逆ミセル組成物の脂肪酸は6〜12炭素原子の鎖長を有する。他の実施形態においては、本発明は疾患または障害の状態を診断またはモニターする方法であって、動物に、モノグリセリド、ジグリセリドまたはその親水性誘導体、親水相、安定剤、および上記疾患または障害の診断に有用な1種以上の診断薬を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を粘膜投与することを含むものである上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、疾患または障害の状態を診断またはモニターする方法であって、動物に、モノグリセリドもしくはジグリセリドまたはそれらの混合物、親水相、安定剤、および上記疾患または障害の診断に有用な1種以上の診断薬を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を粘膜投与することを含み、ここでモノグリセリドもしくはジグリセリドのアシル基が6〜8、6〜10、6〜12、8〜10、または8〜12個の炭素原子を有する脂肪酸に富んでいる上記方法を提供する。この実施形態によれば、モノグリセリドもしくはジグリセリドを親水性成分で部分的に誘導体化すると、極性が付与されて水溶解度を高めることができる。好ましくは、動物に投与する逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリグリセリドを含む。
【0030】
本発明は、1以上の適当な容器内に、界面活性剤、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を含むキットを提供する。特に、本発明は、適当な容器内に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を含むキットを提供する。好ましくは、本発明のキットに含まれる逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。本発明はまた、モノグリセリド、ジグリセリド、またはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を含むキットも提供する。本発明はさらに、適当な容器内に、モノグリセリドもしくはジグリセリドまたはそれらの混合物、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を含み、ここでモノグリセリドもしくはジグリセリドのアシル基が6〜12個の炭素原子を有する脂肪酸に富んでいる上記キットを提供する。本発明のキット内に含まれる逆ミセル組成物は、親水性成分で部分的に誘導体化することにより極性を付与して水溶解度を高めたモノグリセリドもしくはジグリセリドを含んでもよい。好ましくは、本発明のキットに含まれる逆ミセル組成物は、重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリグリセリドを含む。キットに含まれる本発明の逆ミセル組成物は、適合しうる製薬上の担体で製剤化することができる。好ましくは、本発明のキットには、投与に関する説明書が添付されている。本発明のキットはさらに、逆ミセル組成物を予防、治療、診断またはモニターに使用しうる対象疾患の表を含んでもよい。
【0031】
本発明は、1以上の容器内に、界面活性剤、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含む1以上の逆ミセル組成物を含むキットを提供し、ここで生物活性分子の少なくとも1種はタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドである。特定の実施形態においては、本発明のキットは、1以上の容器、ならびに、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含む1以上の逆ミセル組成物を含み、ここで生物活性分子の少なくとも1種はタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドである。この実施形態によれば、キットに含まれる逆ミセル組成物は、重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。特に、本発明は、ホルモン(例えば、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、カルシトニン、インスリン、および成長ホルモン)またはそれらのアゴニスト(例えば、LHRH アゴニスト)または低分子量ヘパリンを含んでなる逆ミセル組成物を含むキットを提供する。
【0032】
好ましい実施形態においては、本発明のキットは、1以上の容器内に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上のLHRHアゴニストを含んでなる1以上の逆ミセル組成物を含む。他の好ましい実施形態においては、本発明のキットは、1以上の容器内に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および成長ホルモン、好ましくはヒト成長ホルモンを含んでなる逆ミセル組成物を含む。他の好ましい実施形態においては、本発明のキットは、1以上の容器内に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および副甲状腺ホルモンまたはカルシトニンを含んでなる逆ミセル組成物を含む。さらに他の好ましい実施形態においては、本発明のキットは、1以上の容器内に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、およびインスリンを含んでなる逆ミセル組成物を含む。これらの実施形態によれば、キットに含まれる逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。
【0033】
3.1. 定義
本明細書に使用される用語「親水相」および「水相」は、水と混和性のある化合物を意味し、限定されるものでないが、水、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、緩衝剤、等張剤、酸化剤、還元剤、抗微生物剤、保存剤および他の安定剤またはそれらの混合物を含む。
【0034】
本明細書に使用される用語「バッファー溶液」は、溶液のpHを制御するためにバッファーが加えられている、水溶液または25%未満の混和性有機溶媒を含有する水溶液として定義される。適当なバッファーの例としては、限定されるものでないが、PBS(リン酸緩衝化生理食塩水)、TRIS(トリス-(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、HEPES(ヒドロキシエチルピペリジンエタンスルホン酸)、リン酸ナトリウムおよびTES(2-[(トリス-ヒドロキシメチル)メチル]アミノ-1-エタンスルホン酸)が挙げられる。
【0035】
本明細書に使用される用語「粘膜」は、消化管内の上皮、固有層、および平滑筋層などの粘膜組織を意味する。本明細書に使用される「粘膜送達」、「粘膜投与」および類似の用語は、組成物の粘膜組織への投与を意味する。「粘膜送達」、「粘膜投与」および類似の用語は、限定されるものでないが、気管支、歯肉、舌、鼻腔、口腔、膣、直腸、および腸の粘膜組織を通って組成物を送達することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
4.図面の簡単な説明
【図1】十二指腸内投与後の、ラットにおけるヒト成長ホルモンの薬物動態を示す。
【図2】十二指腸内投与後の、ラットにおけるLHRHの薬物動態を示す。
【図3】電解質を含有する様々なRM(逆ミセル)製剤の、脱イオン水による希釈時の抵抗率を示す。
【図4】皮下および十二指腸内投与後の、イヌにおけるロイプロリド血漿濃度プロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
5.発明の詳細な説明
本発明は、親水性分子および他の吸収されにくい水溶性分子を動物へ送達するための組成物および方法を提供する。特に、本発明は、親水性分子および吸収されにくい水溶性分子を含む生物活性分子を送達するための組成物および方法に関する。本発明によれば、生物活性分子は、限定されるものでないが、治療薬、診断薬、抗原、抗体、ペプチド、ポリペプチド、ウイルス、核酸、成長因子、サイトカイン、および薬物を含む。本発明の逆ミセル組成物は、粘膜組織による生物活性分子の吸収を促進する。本発明の逆ミセル組成物はまた、予防上または治療上の効果を達成するために必要な生物活性分子の投与量を低減し、その結果、特定の生物活性分子のより高い用量を投与することに関連する毒性を軽減する。さらに、本発明の逆ミセル組成物は、疾患または障害の状態を診断またはモニターするために必要な診断薬の投与量を低減する。
【0038】
本発明は、界面活性剤(例えば、P糖タンパク質インヒビター)、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を提供する。特に、本発明は、界面活性剤、安定剤、親水相および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を提供する。好ましくは、逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。本発明はまた、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物も提供し、ここで逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。好ましくは、逆ミセル組成物は、鎖長が約6〜12炭素原子の脂肪酸を有する脂肪酸エステルを含む。本発明はまた、モノグリセリド、ジグリセリドまたはそれらの混合物、1種以上の安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物も提供する。任意に、本発明の逆ミセル組成物を1種以上の製薬上許容される担体、希釈物または賦形剤と組み合わせてもよい。
【0039】
本発明の逆ミセル組成物は、疾患または障害に関連する症状を予防、治療、または改善する目的で、様々な生物活性分子を投与するために使用することができる。本発明の逆ミセル組成物はまた、疾患または障害の診断を容易にする診断薬を投与するために使用することもできる。本発明は、動物に生物活性分子を送達する方法であって、上記動物に界面活性剤、親水相、および生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。特に、本発明は、動物に生物活性分子を送達する方法であって、上記動物に界面活性剤、安定剤、親水相、および生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。本発明はまた、動物に生物活性分子を送達する方法であって、上記動物に1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供し、ここで逆ミセル組成物は重量で約10%未満のトリエステル、好ましくは、約5%未満のトリエステルを含む。本発明の好ましい実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物を、カプセル剤、弾力性の軟ゼラチンカプセル剤、カプレット剤、エーロゾル剤、スプレー剤、溶液剤、懸濁液剤、乳濁液剤、カシェ剤、錠剤、粉末剤または顆粒剤として、動物に粘膜投与する。好ましくは、本発明の逆ミセル組成物を、疾患または障害を予防、治療、診断またはモニターするために、哺乳動物に、さらに好ましくはヒトに投与する。
【0040】
5.1 逆ミセル
本発明は、油と界面活性剤のより複雑な混合物を回避し、しかもなお生物活性分子の適切な経上皮輸送を可能にする単一成分界面活性剤ミセルの使用を提供する。生物活性分子は、単一のタイプの界面活性剤または極性脂質の逆ミセル(L2)相の親水相に含有される。特に、本発明は、界面活性剤、親水相および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を提供する。一実施形態においては、逆ミセル組成物は、界面活性剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなり、ここで界面活性剤はP糖タンパク質である。他の実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物は1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる。好ましくは、かかる組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含み、逆ミセル組成物の脂肪酸エステル中の脂肪酸は6〜20炭素原子、さらに好ましくは6〜12炭素原子、最も好ましくは8〜10炭素原子の鎖長を有する。
【0041】
特定の実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物は、モノグリセリドもしくはジグリセリドまたはそれらの混合物、親水相、および1種以上の生物活性分子を含む。好ましい実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物は、モノグリセリド、ジグリセリドまたはそれらの混合物、親水相、および1種以上の生物活性分子を含み、ここでモノグリセリドもしくはジグリセリドのアシル基は6〜8、6〜10、6〜12、8〜10または8〜12個の炭素原子を有する脂肪酸に富んでいる。この実施形態によれば、モノグリセリドもしくはジグリセリドを親水性成分で部分的に誘導体化して極性を付与することにより、水溶解度を高めることができる。好ましくは、本発明の逆ミセル組成物は重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリグリセリドを含む。任意に、本発明の逆ミセル組成物は、生物活性分子の適度な溶解性および安定性をもたらすように、親水相中に緩衝剤、酸化剤、還元剤および/または等張剤を含んでいてもよい。好ましい実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物はさらに安定剤を含む。
【0042】
特定の実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物の親水相は、重量基準で、逆ミセルの約0〜約70%、約0〜約65%、約0〜約50%、約0〜約40%、約0〜約30%、約0〜約20%、約5%〜約70%、約5〜約65%、約5〜約50%、約5〜約40%、約5〜約30%、約5〜約20%、約5%〜約15%、または約5%〜約10%の量を構成する。他の実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物の親水相は、重量基準で、逆ミセルの0〜70%、0〜65%、0〜50%、0〜40%、0〜30%、0〜20%、5%〜70%、5〜65%、5〜50%、5〜40%、5〜30%、5〜20%、5%〜15%、または5%〜10%の量を構成する。好ましい実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物の親水相は、重量基準で、逆ミセルの約5%〜約25%、さらに好ましくは逆ミセルの5%〜25%の量を構成する。本発明の逆ミセル組成物の親水相に含めることができる化合物の例としては、限定されるものでないが、水、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、プロピレングリコール、エチレングリコールおよびポリエチレングリコールまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましい実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物の親水相は水を含む。
【0043】
本発明の逆ミセル組成物に組込まれる界面活性剤は、非イオン性(すなわち、中性の全電荷を有する)であってもよいし、イオン性(すなわち、該組成物の安定性に影響を与えることなく正または負の電荷を有する)であってもよい。本発明の好ましい実施形態においては、逆ミセル組成物に組込まれる界面活性剤は非イオン性である。本発明の逆ミセル組成物に組込まれる界面活性剤は、単一化合物または化合物の混合物であってもよい。好ましくは、本発明の逆ミセル組成物は1種の界面活性剤だけを含む。界面活性剤の例としては、限定されるものでないが、脂肪酸エステルおよびその親水性類似体が挙げられる。好ましい実施形態においては、界面活性剤は1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体である。好ましくは、界面活性剤は、(1)モノグリセリドまたはその親水性誘導体もしくは類似体;(2)ジグリセリドまたはその親水性誘導体もしくは類似体;または(3)モノグリセリドまたはその親水性誘導体もしくは類似体と、ジグリセリドまたはその親水性誘導体もしくは類似体と、の混合物である。特定の実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物に組込まれる界面活性剤はP糖タンパク質インヒビターである。
【0044】
8〜10炭素原子の鎖長の脂肪酸が富化されたモノグリセリド、ジグリセリドおよびそれらのポリオキシエチル化類似体は、例えば、アルコール分解とエステル交換反応によりヤシ油から誘導することができる。他の方法では、これらのエステルは、もし所望であればポリエチレングリコールまたは酸化エチレンの存在のもとで、C8/C10脂肪酸エステルを用いるグリセロールの直接エステル化により誘導することができる。次の中等度鎖脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド/ポリオキシエチレンエステルは、表1に掲げた様々な名称のもとで市販されていて、本発明の逆ミセル組成物に利用することができる。
【表1】

【0045】
安定な逆ミセルを形成するためには、界面活性剤を、一般的に、6〜20炭素原子(C6-C20)、好ましくは6〜12炭素原子、最も好ましくは8〜10炭素原子の鎖長の脂肪酸を有する、無置換のまたは部分的に置換されたモノグリセリドおよびジグリセリドから選択する。モノグリセリドおよびジグリセリドの最も好ましい置換はエトキシ化またはPEG化である。モノグリセリドの他の適当な親水性類似体としては、限定されるものでないが、乳酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、およびジアセチル酒石酸エステルが挙げられる。界面活性剤は典型的には、約1〜約40、好ましくは約1〜約20、最も好ましくは約5〜約20のHLB価を有する。PEG化またはポリグリコール化グリセリドはモノグリセリド、ジグリセリドおよびトリグリセリドとポリエチレングリコール(PEG)モノエステルおよびジエステル(通常、200〜10,000ダルトン、好ましくは200〜4,000ダルトンの分子量(MW)をもつ)の混合物からの合成で誘導される。ポリグリコール化グリセリドのHLB価は、PEG鎖の長さならびに脂肪酸置換体の長さおよび飽和度により調整される。本発明の好ましい実施形態においては、界面活性剤は、HLB価が20未満、好ましくは5〜15であるC8-C10置換ポリグリコール化グリセリドからなる。
【0046】
本発明の逆ミセル組成物は、その逆ミセルの親水相中に生物活性分子を機能的に可溶化する界面活性剤を用いて製造することができる。好ましくは、本発明の逆ミセル組成物は、その逆ミセルの親水相中に生物活性分子を機能的に可溶化する、化学的に修飾されたモノグリセリドもしくはジグリセリドを用いて製造する。ある特定の実施形態においては、修飾されたグリセリドの親水性部分は、様々な鎖長のポリエチレングリコールのような親水基である。中等度鎖脂肪酸グリセリドの側鎖は、6〜8、6〜10、6〜12、6〜20、8〜10、8〜12または8〜20炭素原子の鎖長である。他の界面活性基をグリセリド主鎖に化学結合することにより、逆ミセル組成物の特性を改変し調整することができる。得られる自己乳化系は、油と追加の界面活性分子を加えることなく形成しうるので、有利である。
【0047】
5.2 安定剤
本発明の処方物を用いて調製した逆ミセルは、水による希釈時または生物学的液体との接触時の安定化を改良することにより、生物活性分子の送達を改変または増強することができる。従って、本発明の逆ミセル組成物は、逆ミセル組成物を相逆転に対して安定化するために1種以上の安定剤を含みうる。安定剤は、高温でまたは有機溶媒に溶解したときに、逆ミセルの疎水相または親水相と適合しうるモノマー化合物から選択することができる。冷却するかまたは有機溶媒を除去すると、かかる成分は、水で希釈するかまたは粘膜体液と接触させたときに逆ミセルの相転移を遅らせる保護構造を形成する。安定剤はまた、生物活性分子を損傷しない条件のもとで、水と界面活性剤との界面において界面重合を受けてもよい。安定剤には、限定されるものでないが、界面活性剤の疎水相と適合しうるポリマーが含まれる。かかるポリマーは、疎水性もしくは親水性であって界面活性剤混合物に直接加えることができるポリマー、または、後で蒸発により除去しうる有機溶媒の溶液中に加えることができるポリマーから選択することができる。さらに、界面活性剤混合物の疎水相と適合しうる、微粒子、微小管、微小球、マトリックス、マイクロカプセルおよび微結晶などのミクロ構造を形成することができるポリマーを利用して、逆ミセル組成物を安定化させてもよい。かかるミクロ構造はそれらの構造内に逆ミセルを封入して、水媒質で希釈したときまたは粘膜液に接触したときに、逆ミセルの逆転を遅らせる。従って、安定剤としては、限定されるものでないが、逆ミセル小滴をコーティングすることができるポリマー、特に逆ミセル構造を保護しうるゼラチンマイクロカプセルが挙げられる。さらに、逆ミセルの存在のもとで安定なゲルを形成しうるポリマーを使用してもよい。かかるポリマーの例には、限定されるものでないが、アリルスクロースまたはペンタエリスリトールのアリルエーテルで架橋されたポリアクリル酸がある。このようにして形成されるゲルは活性化合物と界面活性剤の両方の放出を遅らせる。
【0048】
ポリマー安定剤は天然ポリマー、合成ポリマーまたはそれらの混合物であってもよい。好ましくは、ポリマー安定剤は合成ポリマーである。合成ポリマーの例としては、限定されるものでないが、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチドとポリグリコリドの混合物、炭化水素オリゴマー、炭化水素ポリマー、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリセバシン酸、ポリフマル酸、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ポリアクリルアミド、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ならびにそれらのブレンドおよびコポリマーが挙げられる。好ましい実施形態においては、ポリマーは、重合可能な脂肪酸モノマーまたは誘導体から、水による界面イオン重合により、アルキルシアノアクリレートを含むシアノアクリレートの縮合により、またはエチル2-シアノアクリレートの縮合から形成される。
【0049】
安定化は、重合可能なモノマー化合物の存在のもとで生物活性分子含有ミセルを形成し、次いでin situ重合を行うことにより達成することができる。in situ重合は、中心の親水性薬物含有コアを取り囲むポリマー網状構造を生じさせる。あるいはまた、逆ミセルの安定化は、ミセル形成物質の疎水性部分と相互作用する疎水性ポリマーを加えることにより達成することができる。ポリマー物質はミセル形成物質のアシル側鎖と相互作用することにより物理的剛性を系に加え、逆ミセル(L2)から単純ミセル(L1)または他相への急速な相転移を防止する。好ましい実施形態においては、ミセル安定性の増加は、ポリエチレングリコール極性ヘッド基をもつ重合可能な脂肪酸を含めることにより達成される。他の実施形態においては、重合可能な側鎖を有する脂肪酸を、中等度鎖脂肪酸側鎖をもつモノおよび/またはジグリセリドと一緒に、逆ミセルとして共重合させる。そのような逆ミセルは、水または模擬のもしくは実際の胃腸液と接触させた時に、より大きいin vitro安定性を有する。
【0050】
5.2.1 重合可能な脂肪酸および界面重合
米国特許第6,187,335号は重合可能な脂肪酸化合物を記載する。これらの化合物はヘッド基または脂肪族鎖に重合可能な基をもつ脂肪族の脂肪酸である。このような脂肪酸は、エチレングリコールの付加または他の親水基の付加による親水性ヘッド基の伸長により、さらに修飾可能である。これらの脂肪酸の構造は、逆ミセルと一緒に用いる場合、これらの脂肪酸にユニークな機能性と特別な有用性を与える。界面活性基は重合可能な基と酸官能基の間に配置される。酸官能基は場合により省いてもよい。界面活性基はいくつかの機能目的を果たす。界面活性基のポリマー鎖の長さは、短鎖、中等度鎖または長鎖となるように選ぶことができ、そして鎖の相対的親水性/疎水性を変えることができる。例えば、高度の親水性をもつ長鎖界面活性基は、逆ミセルの親水相に溶解している化合物と効果的に相互作用する親水基を提供することができる。
【0051】
逆ミセルにおいてポリマーをin situ形成させるために、脂肪酸の重合可能な部分の重合を当業者に周知の方法により実施することができる。例えば、逆ミセル中の不飽和脂肪酸化合物は、次の3つ方法を用いて重合することができる。すなわち、(1)化学開始剤、例えばレドックス対、の作用による;(2)増感光開始を含む物理的励起、例えば広帯域紫外線(UV)またはUV 254nmもしくはUV 302nm照射、ガンマ線照射、アルゴンレーザーを用いるシアニン染色による;および(3)これら両者の組合せ、例えば、化学開始剤とUV 365nm照射による方法である。ジエン重合可能な官能基は、短波長または中間波長の紫外線への露光により重合可能である。302nmの紫外線を用いてジエン官能基を重合して、生物学的分子(例えば、タンパク質およびペプチド)への損傷を最小化することができる。UV 365nm照射と組み合わせたフェニルアセトフェノン開始剤はアルケノ官能基の重合に広く用いられており、例えば、生物医療および分子インプリンティング(molecular imprinting)用途のためのアクリル化PEGヒドロゲル、生物材料および組織エンジニアリング用のポリメタクリレートポリマー、および薬物送達用のスチレン/アクリレート/メタクリレートナノ粒子などに広く利用されている。好ましくは、重合量は、365nmで約1%〜約95%、さらに好ましくは365nmで約5%〜約40%、最も好ましくは365nmで約10%〜約20%である。
【0052】
重合レベルの正確な制御を、化学開始剤を用いて達成することは、特に低い重合レベルを必要とするときに、困難なことがあり、未反応開始剤をすべて分離する追加のステップが通常必要である。いくつかの方法では、pHの大きな低下などの苛酷な環境変化およびタンパク質薬物の不活性化をもたらすことさえある。結果として、最も望ましい方法はポリマーを制御することができかつ活性治療物質を完全に保持しうる方法である。従って、重合に紫外線を利用する場合、紫外線の波長は、好ましくは、約320nm〜約400nmのような長波長範囲(UVバンドA)であり、さらに好ましくは、約350nm〜約370nmである。長波長範囲のUVは通常、タンパク質の吸収波長範囲の外側にあり、従ってタンパク質性物質(例えば、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチド)に損傷を与えることはない。
【0053】
重合可能な脂肪酸と逆ミセル組成物との共重合は、胃腸管内の体液、模擬体液、または水に接触したときに、比較的遅い相転移を受ける安定化された逆ミセルをもたらす。このような改変ミセルは、活性化合物の水溶液を、モノグリセリドまたはジグリセリドと重合可能な脂肪酸との混合物と混合し、次いで、生物活性分子を損傷しない波長の紫外線により脂肪酸を重合することで作られる。好ましくは、紫外線の波長は、約320nm〜約400nmなどの長波長範囲(UVバンドA)である。さらに好ましくは、紫外線の波長は約350nm〜約370nmである。上記脂肪酸は両親媒性ミセル形成物質と十分に適合しうるものであり、水と接触したときに熱力学的に安定な逆ミセルを形成し、脂肪酸の極性ヘッド基が水性内部コンパートメントの外殻を形成する。脂肪酸の重合は逆ミセルをもたらし、ここでは脂肪酸ポリマーがモノグリセリドまたはジグリセリドエステル逆ミセルを安定化している。様々な重合可能な脂肪酸化合物を本発明に利用することができ、限定されるものでないが、2,4-オクタデカジエン酸[ODA]、2,4-オクタデカジエノイル-ポリエチレングリコール(200-4000)[ODP]、2,4-オクタデカジエノイル-PEG(200-4,000)-コハク酸[OPS]、ビス-(2,4-オクタデカジエノイル)-ポリエチレングリコール(200-10,000)[BODP]およびそれらの類似体が挙げられる。適当な類似体としては、限定されるものでないが、単一アミノ酸もしくはポリペプチド鎖、イミド基、ポリアミン、ポリイミン、多糖、ポリ酸、ならびにプロピレングリコールおよびエチレングリコールのポリマーもしくはコポリマーにより改変された類似体が挙げられる。他の重合可能な成分も利用することができ、これらには、限定されるものでないが、C6-C24の共役ジエン、C6-C24の共役ジインおよびメタクリレートで改変されたまたはスルフヒドリルを含有する脂肪酸の極性基または疎水性テイルが含まれる。2,4-共役ジエンの使用は内部水相に近接した隣接アシル基と連結されるポリマーをもたらし、ここでスルフヒドリルを含有する重合可能な脂肪酸の使用は水相と疎水相の界面でのヘッド基重合をもたらす。さらに、他の重合可能な脂肪酸誘導体を使用して逆ミセルを安定化することができる。例えば、極性ヘッド基は、アミノ酸、ポリペプチド、多糖、ポリオール、ポリアクリル酸、ポリイミン、コリン、ペプチドグリコール、糖ペプチド、または複数の正電荷もしくは負電荷をもつ他の親水性ポリマーから成ってもよい。さらに、逆ミセルと適合しうるグリセロールまたはグリセリルホスファチジル誘導体の重合可能な脂肪酸誘導体である化合物を使用することもできる。
【0054】
水との接触で重合することができるモノマー化合物を使用して、水相と疎水相の界面にポリマーを生成させてもよい。重合可能な脂肪酸と同様に、適当なモノマーは、限定されるものでないが、シアノアクリレートファミリーのメンバーを含む。例えば、エチルシアノアクリレートは、塩化メチレンなどの有機溶媒に溶解することができる。塩化メチレンに溶解したエチル2-シアノアクリレート(ECA)の溶液を、水性コンパートメントを保持する混合C8-C10モノグリセリド・ジグリセリド混合物から予め形成された逆ミセルに加えてもよい。攪拌すると、ECAが水相と接触して重合を開始する。蒸発により溶媒を除去すると、主にモノグリセリド・ジグリセリドエステル-水界面の界面でECAが重合してポリマーとなる。
【0055】
5.2.2 疎水性ポリマー
水に不溶である多数のポリマーは有機溶媒には溶解するので、これらをモノまたはジグリセリド脂肪酸エステルおよび/またはそれらの親水性誘導体に加えることができる。かかるポリマーとしては、限定されるものでないが、ポリ乳酸、ポリグリコシド、ポリオルトエステル、ポリセバシン酸、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリスチレン、およびポリフマレートが挙げられる。モノおよび/またはジグリセリドを用いて予め形成された逆ミセルを、適当な有機溶媒に溶解したポリマーの溶液と直接混合してもよい。本質的に疎水性のポリマーを使用することにより、ポリマー鎖は主にモノまたはジグリセリド脂肪酸エステルの疎水性側鎖と相互作用して、ポリマー鎖の粗い網状構造を形成する。ポリマー鎖の粗い網状構造は、体液と接触したとき逆ミセルを物理的に拘束し、結果的に相転移を遅らせる。予め形成されたポリマー粒子も使用することができる。これらの粒子を有機溶媒中に懸濁して、逆ミセルと混合する。
【0056】
あるいは、他の脂質化合物を用いてモノおよび/またはジグリセリド脂肪酸エステルの疎水性脂肪酸側鎖と相互作用させることができる。適当な化合物は、限定されるものでないが、N.F.ホワイト・ビーワックス(N. F. White Beewax)、ダイズワックス(Soy wax)、カルナバワックス(Carnuba wax)、ヒマシワックス(Castor wax)、ミクロワックス(Microwax)およびそのような他のワックスを含む、低融点ワックスを含む。このようなワックスを融解して、モノおよび/またはジグリセリド脂肪酸エステルと直接混合してもよい。得られる混合物はゲル様物性をもつ逆ミセルであり、ここでは内部水相が水とさらに接触したときの相転移を遅らせる。
【0057】
5.2.3 親水性ポリマー
親水性ポリマーも安定剤として利用することができる。そのようなポリマーは、逆ミセルの水相に残留するか、逆ミセルと共にゲルを形成するか、または逆ミセル小滴の表面上にコーティングを形成することができる。適当な親水性ポリマーとしては、限定されるものでないが、ゼラチン、ペンタエリスリトールのアリルエーテルもしくはアリルスクロースのいずれかで架橋されたポリアクリル酸、カラギーナンおよびキトサンが挙げられる。
【0058】
5.3 生物活性分子
本発明の逆ミセルは、様々な生物活性分子の送達に利用することができる。本明細書に使用される用語「生物活性分子」および類似の用語は、真核生物および原核生物細胞、ウイルス、ベクター、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、核酸(例えば、限定されるものでないが、生物活性タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードするヌクレオチド配列、アンチセンスヌクレオチド配列、および三重らせんを含むDNAおよびRNAヌクレオチド)、糖類、多糖、炭水化物、脂質、糖タンパク質、およびそれらの組合わせ、ならびに動物に投与したとき生物学的効果を奏する合成有機薬物および無機薬物を意味する。好ましい実施形態においては、生物活性分子は0.1mg/mlより高い、好ましくは1mg/mlより高い水溶解度を有する。生物活性分子の例としては、限定されるものでないが、抗血管形成因子、抗体(例えば、モノクローナル抗体、scFvsおよびFabフラグメント)、抗原(例えば、ウイルス、微生物または腫瘍-関連抗原)、成長因子、ホルモン、酵素、ペプチド(好ましくは、約500〜約10,000ダルトンの分子量(MW)、さらに好ましくは、約500〜約5,000ダルトンのMWをもつペプチド)、薬物(例えば、ステロイド、化学療法剤などの抗癌剤、抗ウイルス薬、抗炎症薬および抗生物質)、殺虫剤、駆虫薬、肥料、ビタミン、または生物学的効果を有するいずれかの物質が挙げられる。本発明の逆ミセル組成物は、逆ミセル組成物のレシピエントと同じかまたは異なる種に由来する生物活性分子を含むように作製することができる。好ましくは、逆ミセル組成物中に組込まれる生物活性分子は、逆ミセル組成物のレシピエントと同じ種に由来するものである。従って、好ましい実施形態においては、ヒト由来の生物活性分子を含有する逆ミセル組成物をヒトに投与する。
【0059】
本発明の逆ミセル組成物は、広範囲のワクチンおよび/または抗原の粘膜送達に利用することができる。例えば、本発明の逆ミセル組成物は広範囲の抗原を運ぶように設計することができ、上記抗原としては、限定されるものでないが、ジフテリア毒素、破傷風毒素、ライム病細菌由来のospA抗原、HTLV-1またはHTLV-2抗原(例えば、HTLV-1エンベロープタンパク質またはその抗原性断片)、インフルエンザウイルス抗原(例えば、インフルエンザウイルスヘマグルチニンまたはその抗原性断片)、ポリオウイルス抗原、ライノウイルス抗原、狂犬病ウイルス抗原、ワクシニアウイルス抗原、エプスタイン・バーウイルス抗原、肝炎ウイルス抗原、HIV-1およびHIV-2抗原(例えば、糖タンパク質120またはその断片)、およびヘルペスウイルス抗原が挙げられる。逆ミセル組成物は、どのような生物種に由来する抗原を含むようにも作製することができる。
【0060】
本発明の逆ミセル組成物はまた、広範囲の予防薬または治療薬を粘膜送達するために利用することができる。本明細書に使用される用語「予防薬」および類似の用語は、疾患および/または障害の1以上の症状の発症、発達または進行を防止するために使用しうる生物活性分子を意味する。本明細書に使用される用語「治療薬」および類似の用語は、疾患および/または障害の1以上の症状を治療または改善するために使用しうる生物活性分子を意味する。治療薬の例としては、限定されるものでないが、化学療法剤、抗生物質、サイトカイン、ホルモン、酵素(例えば、スーパーオキシドジスムターゼ、アスパラギナーゼ、アルギナーゼ、アルギニンデアミナーゼ、アデノシンデアミナーゼ、リボヌクレアーゼ、トリプシン、キモトリプシンおよびパパイン)、タキキニン受容体アゴニストおよびアンタゴニストペプチド、血管作用性小腸ペプチド、カルシトニン、バソプレッシン、成長ホルモン放出ペプチド、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト、配列中にアルギニン-グリシン-D-アスパラギン酸を有するフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト(RGDペプチド、例えば、国際公開WO 93/02664号に記載のRGDペプチドを参照)、排卵誘発剤、抗ウイルス薬(例えば、ddI、AZT、ddC、アシクロビルなど)、抗菌薬、抗真菌薬、ならびにDNAおよびRNAヌクレオチド(タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードするヌクレオチド配列、アンチセンスヌクレオチド配列、および三重らせんを含む)が挙げられる。化学療法剤の例としては、限定されるものでないが、アラビノフラノシルアデニン、アシルグアノシン、ノルデオキシグアノシン、ジデオキシアデノシン、ジデオキシシチジン、ジデオキシイノシン、フロクスウリジン、6-メルカプトプリン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、I-ダルビシン、キニジン、シスプラチン、カルボプラチン、エピルビシン、ロイプロリド、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、ビカルタミド、ゴセレリン、ナファレリン、イリノテカン、ゲムシタビン、およびサルグラモスチムが挙げられる。国際公開WO 93/02664号に記載のペプチド、特に10〜12頁に記載のペプチドは、本明細書に参照により組み入れられる。
【0061】
抗生物質の例としては、限定されるものでないが、アミノグリコシド抗生物質(例えば、アプラマイシン、アルベカシン、バンベルマイシン、ブチロシン、ジベカシン、ネオマイシン、ネオマイシン、ウンデシレナート、ネチルマイシン、パロモマイシン、リボスタマイシン、シソマイシン、およびスペクチノマイシン)、アンフェニコール抗生物質(例えば、アジドアンフェニコール、クロラムフェニコール、フロールフェニコール、およびチアンフェニコール)、アンサマイシン抗生物質(例えば、リファミドおよびリファンピン)、カルバセフェム(例えば、ロラカルベフ)、カルバペネム(例えば、ビアペネムおよびイミペネム)、セファロスポリン(例えば、セファクロル、セファドロキシル、セファマンドールセファトリジン、セファゼドン、セフォゾプランン、セフピミゾール、セフピラミド、およびセフピロム)、セファマイシン(例えば、セフブペラゾン、セフメタゾール、およびセフミノクス)、モノバクタム(例えば、アズトレオナム、カルモナム、およびチゲモナム)、オキサセフェム(例えば、フロモキセフ、およびモキサラクタム)、ペニシリン(例えば、アンジノシリン、アンジノシリンピボキシル、アモキシシリン、バカンピシリン、ベンジルペニシリン酸、ベンジルペニシリン酸ナトリウム、エピシリン、フェンベニシリン、フロキサシリン、ペナムシリン、ペネタメートヒドリオジド、ペニシリン-o-ベネタミン、ペニシリンO、ペニシリンV、ペニシリンVベンザチン、ペニシリンVヒドラバミン、ペニメピシクリン、およびフェンシヒシリン・カリウム)、リンコサミド(例えば、クリンダマイシン、およびリンコマイシン)、マクロライド(例えば、アジスロマイシン、カルボマイシン、クラリソマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、およびエリスロマイシンアシストレート)、アンフォマイシン、バシトラシン、カプレオマイシン、コリスチン、エンヂュラシジン、エンビオマイシン、テトラサイクリン(例えば、アピシクリン、クロルテトラサイクリン、クロモサイクリン、およびデメクロサイクリン)、2、4-ジアミノピリミジン(例えば、ブロジモプリン)、ニトロフラン(例えば、フラルタドン、および塩化フラゾリウム)、キノロンとその類似体(例えば、シノキサシン、シプロフロキサシン、クリナフロキサシン、フルメキン、およびグレパグロキサシン)、スルホンアミド(例えば、アセチルスルファメトキシピラジン、ベンジルスルファミド、ノプリルスルファミド、フタリルスルファセトアミド、スルファクリソイジン、およびスルファシチン)、スルホン(例えば、ジアシモスルホン、グルコスルホン・ナトリウム、およびソラスルホン)、シクロセリン、ムピロシンおよびツベリンが挙げられる。
【0062】
サイトカインの例としては、限定されるものでないが、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-3(IL-3)、インターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-5(IL-5)、インターロイキン-6(IL-6)、インターロイキン-7(IL-7)、インターロイキン-9(IL-9)、インターロイキン-10(IL-10)、インターロイキン-12(IL-12)、インターロイキン-15(IL-15)、インターロイキン-18(IL-18)、血小板由来増殖因子(PDGF)、エリスロポエチン(Epo)、上皮成長因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、顆粒球マクロファージ刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、プロラクチン、およびインターフェロン(IFN)、例えば、IFN-α、IFN-β、およびIFN-γが挙げられる。ホルモンの例としては、限定されるものでないが、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、成長ホルモン(GH)、成長ホルモン放出ホルモン、ACTH、ソマトスタチン、ソマトトロピン、ソマトメジン、副甲状腺ホルモン、視床下部放出因子、インスリン、グルカゴン、エンケファリン、バソプレッシン、カルシトニン、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパリノイド、合成および天然オピオイド、インスリン甲状腺刺激ホルモン、およびエンドルフィンが挙げられる。
【0063】
好ましい実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物はLHRHまたはその類似体を含む。他の好ましい実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物は、ロイプロリド、ゴセレリン、ナファレリンおよびヒストレリンなどのLHRHアゴニストを含む。他の好ましい実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物は副甲状腺ホルモンまたはカルシトニンを含む。好ましい実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物はインスリンを含む。なお、さらなる好ましい実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物はヒト成長ホルモンまたはその類似体を含む。好ましくは、逆ミセル組成物に含まれる生物活性分子の量は約0.05〜約100mg/ml、さらに好ましくは約0.05〜約50mg/ml、そして最も好ましくは約0.05〜約10mg/mlである。
【0064】
言及を容易にするため、本明細書において用語「生物活性分子」は診断薬も含むものとして使用される。診断薬の例としては、限定されるものでないが、放射線不透過性化合物、磁気化合物、蛍光化合物、放射性化合物、ならびに超音波、X線、蛍光、MRI、CT、および当業者に公知の他の技術と共に使用される他のコントラスト剤が挙げられる。これらの物質の製剤化は、典型的には効果的な送達、検出感度、意図する部位へのターゲッティングのために、また、患者の快適さを向上させるために極めて重要である。
【0065】
5.4 逆ミセル組成物の動物への投与様式
逆ミセル組成物は、特に粘膜組織または上皮を通しての送達に特に適している。従って、本発明の逆ミセル組成物は好ましくは、粘膜による取込みを最適化する経路、例えば、経口、舌下、バッカル、直腸および鼻腔内投与経路により投与する。しかし、局所、経皮および非経口送達を利用することもできる。逆ミセル組成物の最も好ましい投与経路は経口投与である。本発明の逆ミセル組成物は、錠剤、カプセル剤、カシェ剤、ゲルカップ剤、溶液剤、懸濁液剤などの剤形で経口送達することができる。経口剤形はさらに、生物活性分子を、小腸および大腸などのGI管の様々な領域に時間依存的に放出するように製造することができる。抗原を含む逆ミセル組成物の投与単位剤形がカプセル剤であるときは、上記タイプの物質のほかに液状担体またはアジュバントを含有してもよい。もし局所に投与するのであれば、逆ミセルを典型的には軟膏剤、クリーム剤または経皮パッチ剤の剤形で投与することができる。もし鼻腔内に投与するのであれば、逆ミセル組成物は典型的には、エーロゾル剤、スプレー剤、ミスト剤または点鼻剤の剤形で投与しうる。適当な製剤は「Remington's Pharmaceutical Sciences(レミントンの製薬科学)」, 16版および18版, Mack Publishing, Easton, PA (1980および1990)、ならびに「Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms(製薬剤形入門)」, 4版, Lea & Febiger, Philadelphia (1985)に記載されており、これらはそれぞれ本明細書に参照により組み入れられる。
【0066】
本発明の逆ミセル組成物は、動物、特に家庭内動物および鳥類、さらに特定するとヒトに投与するのに好適である。例えば、イヌおよびネコなどの家庭内動物、ならびに家畜であるウシ、ヒツジ、ブタなどを本発明の逆ミセル組成物により治療したり、ワクチン接種したりすることができる。好ましい実施形態においては、本発明の逆ミセル組成物をヒトに投与する。
【0067】
一実施形態においては、2種以上の生物活性分子を含む本発明の逆ミセル組成物を、それを必要とする動物に投与することができる。好ましくは、本発明の逆ミセル組成物に組込まれる2種以上の生物活性分子は、一緒になって相加的または相乗的に作用して所望の生物学的効果を達成する。他の実施形態においては、同一の生物活性分子を含む本発明の2種以上の逆ミセル組成物は、それを必要とする動物に同時にまたは別々に投与しうる。他の実施形態においては、1種以上の異なる生物活性分子を含む2種以上の逆ミセル組成物は、それを必要とする動物に同時にまたは別々に投与しうる。
【0068】
逆ミセル組成物は一般的に、アンプルまたは小袋(sachet)などの気密容器に入れて提供し、室温または4℃にて保存する。本発明の逆ミセル組成物は、錠剤、カプセル剤、カシェ剤、ゲルカップ剤、溶液剤、懸濁液剤などの剤形で提供することができる。本発明の逆ミセル組成物はさらに、凍結乾燥して微粉末とし、カプセル剤形または他の適当な投与剤形で供給することができる。カプセル内の逆ミセルに使用しうる水の最大量は、カプセルのタイプと性質に依存する。通常、逆ミセルに含まれる水分量が低いほど、ゼラチンカプセルと共存しやすくなる。特定の実施形態においては、CAPSUGEL社製LiCaps(登録商標)ゼラチンカプセルに入れて使用する逆ミセルは、重量で約0〜約70%、約0〜約65%、約0〜約50%、約0〜約40%、約0〜約30%、約0〜約20%、約0〜約15%、約0〜約10%、約5〜約70%、約5〜約60%、約5〜約50%、約5〜約40%、約5〜約30%、約5〜約20%、約5〜約15%、または約5〜約10%の水含量を有する。好ましい実施形態においては、CAPSUGEL社製LiCapsゼラチンカプセル中に入れて使用する逆ミセルは、重量で約0〜約40%の水含量を有する。他の好ましい実施形態においては、CAPSUGEL社製LiCapsゼラチンカプセルに入れて使用する逆ミセルは、重量で約0〜約30%の水含量を有する。さらに好ましい実施形態においては、CAPSUGEL社製LiCapsゼラチンカプセルに入れて使用する逆ミセルは、重量で約0〜約20%の水含量を有する。最も好ましい実施形態においては、CAPSUGEL社製LiCapsゼラチンカプセルに入れて使用する逆ミセルは、重量で約0〜約15%の水含量を有する。逆ミセルとカプセルとの適合性は、水とカプセル内壁との相互作用を低下させる逆ミセル中の改変剤(例えばゲル化剤)により、カプセル内部表面にコーティングを施すことにより、または保存温度を低下させるなど、保存条件を変えることにより変更しうる。
【0069】
逆ミセル組成物の投与量(すなわち、有効量=疾患または障害の1以上の症状の治療、予防または改善などの所望の治療効果をもたらすのに十分な組成物の量)は、個々の患者、投与様式、および疾患または障害のタイプおよび重篤度に依存して様々である。好ましくは、逆ミセル組成物の投与量は約0.1〜約1000mg/kg、さらに好ましくは約0.1〜約100mg/kg、そして最も好ましくは約0.1〜約50mg/kgである。このような投与量は当業者が標準技術を用いて決定することができる。
【0070】
逆ミセル組成物は、癌、感染性疾患、および免疫障害(例えば、自己免疫障害、喘息、およびアレルギー)を含めて、多様な疾患および/または障害を予防、治療または診断するために使用することができる。
【0071】
特定の実施形態においては、本発明は、前立腺癌、子宮内膜症、性早熟症、子宮平滑筋腫、生殖能障害、閉経前乳癌、子宮体癌、卵巣癌、良性前立腺肥大、機能的腸疾患、群発性頭痛、月経前症候群、特発性多毛、多嚢胞性卵巣疾患に二次的な多毛、腺筋症、メニエール病、鎌形赤血球貧血に関連する持続勃起症、または月経期気胸に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上のLHRHアゴニストを含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、下垂体機能不全、甲状腺機能低下症、ヒト成長ホルモン欠乏症、クッシング症候群、栄養性低身長、子宮内成長遅延、ラッセル・シルバー(Russell Silver)症候群または軟骨形成不全に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および成長ホルモン、好ましくはヒト成長ホルモンを含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、骨粗鬆症、転移性骨癌、整形移植片による溶骨性病変、パジェット病、または副甲状腺機能亢進症に関連する骨損失などの骨再吸収疾患に関連する1種以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および副甲状腺ホルモンまたはカルシトニンを含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。他の実施形態においては、本発明は、糖尿病に関連する1以上の症状を予防、治療または改善する方法であって、それを必要とする動物に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、およびインスリンを含んでなる逆ミセル組成物の有効量を投与することを含むものである上記方法を提供する。これらの実施形態によれば、逆ミセル組成物は、重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリエステルを含む。
【0072】
本発明の逆ミセル組成物は、特定の疾患または障害に関連する1以上の症状を予防、治療または改善するための任意の公知の治療薬または現在使用されている治療薬と組み合わせて、動物に投与することもできる。例えば、化学療法剤を含む本発明の逆ミセル組成物は、癌を患う動物に、放射線療法と組み合わせて投与することができる。
【0073】
5.5 ワクチン製剤
ある特定の実施形態においては、逆ミセル組成物は1種以上の抗原を含み、ワクチンとして使用される。本発明のワクチン製剤は、本発明の逆ミセル組成物を含む。ワクチン製剤の適当な調製物としては、限定されるものでないが、溶液剤または懸濁液剤;カプセル剤および錠剤などの固体剤形、および注射用液体が挙げられる。本発明のワクチン製剤中に組込まれる活性免疫原性成分は、しばしば、製薬上許容されかつ活性成分と適合しうる賦形剤と混合される。適当な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖、グリセロール、エタノールなど、およびそれらの組合わせである。さらに、もし所望であれば、ワクチン調製物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、および/またはワクチンの有効性を増強するアジュバントなどの助剤を少量含んでいてもよい。
【0074】
抗原は、中性または塩の形態でワクチンに製剤化することができる。製薬上許容される塩としては、例えば、塩酸もしくはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸などの有機酸により形成される酸付加塩(ペプチドの遊離アミノ基により形成される)などが挙げられる。また、遊離カルボキシル基により形成される塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または三価鉄の水酸化物などの無機塩基およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基から誘導することができる。
【0075】
本発明のワクチン製剤は、有効量の逆ミセル組成物および製薬上許容される担体または賦形剤を含む。製薬上許容される担体は当技術分野ではよく知られていて、限定されるものでないが、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、ブドウ糖、水、グリセロール、無菌の等張水性バッファー、およびそれらの組合せを含む。このような許容される担体の一例は、安定化された加水分解タンパク質、ラクトースなどの1種以上の物質(ワクチン製剤の分解を防止する役割を果たす)を含有する生理的に平衡化された塩溶液である。ワクチン製剤に用いる担体は無菌であることが好ましく、製剤は投与様式に適合したものでなければならない。本発明のワクチン製剤は、もし所望であれば、少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝剤も含有しうる。ワクチン製剤は、溶液剤、懸濁液剤、乳濁液剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、徐放性製剤、または粉末剤であってもよい。経口投与用のワクチン製剤は標準的な担体、例えば医薬品級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含んでもよい。
【0076】
一般的に、ワクチン製剤は、アンプルまたは小袋などの気密容器に入れて提供される。ワクチン製剤は一般的に、使用前に室温または4℃にて保存される。本発明の逆ミセル組成物は、凍結乾燥により微粉末として、カプセル剤または他の適当な投与剤形で分配することができる。
【0077】
本発明のワクチン製剤は、多価または一価でありうる。本発明のワクチン製剤を導入するために多数の方法を利用することができ、限定されるものでないが、経口、皮内、筋内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、局所、直腸および乱切(例えば、二又針を用いて皮膚の表層を引っ掻く)を介する方法を含む。ワクチンを投与する患者は、好ましくは動物、さらに好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトである。
【0078】
使用すべきワクチン製剤の正確な用量は、投与経路および患者の性質に依存し、標準的な臨床技術に従って医師の判断および各患者の情況により決定されるべきである。有効な免疫感作量は、ワクチン調製物を投与する宿主において抗原に対する免疫応答を引き出すのに十分な量である。
【0079】
精製抗原をワクチン製剤として使用することは、標準技術により実施することができる。例えば、精製タンパク質を適当な濃度に調節し、いずれかの適当なワクチンアジュバントとともに製剤化し、そして逆ミセル内に封入する。適当なアジュバントは、限定されるものでないが、無機ゲル、例えば、水酸化アルミニウム;界面活性物質、例えば、リゾレシチンまたはプルロニックポリオール;ポリアニオン;ペプチド;油エマルジョン;ミョウバン、リピドAおよびリピドAの誘導体(例えば、モノホスホリルリピドA(MPLA))、サイトカイン、N-アセチル-ムラミル-L-スレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン、N-アセチルムラミル-L-イソグルタミニル-L-アラニン-2(1',2'-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン、サポニン、および微生物毒素(例えば、コレラ毒素および熱不安定毒素)およびそれらの遺伝子的に改変した誘導体を含む。
【0080】
本発明のワクチンの有効量(免疫感作量)はまた、動物モデル試験系から誘導される用量-応答曲線から外挿することもできる。
【0081】
従って、本発明は、動物を免疫感作するかまたは動物における様々な疾患または障害を治療または予防する方法であって、動物に、有効な免疫感作量の本発明のワクチン製剤を投与することを含むものである上記方法を提供する。
【0082】
5.6 キット
本発明は、1以上の適当な容器内に、界面活性剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を含むものであるキットを提供する。本発明はまた、適当な容器内に、界面活性剤、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を含むものであるキットを提供する。本発明はまた、適当な容器内に、1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を含むものであるキットを提供する。一実施形態においては、キットは、適当な容器内に、モノグリセリド、ジグリセリド、もしくはそれらの親水性誘導体、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を含むものである。他の実施形態においては、キットは、適当な容器内に、モノグリセリド、ジグリセリド、もしくはそれらの親水性誘導体、安定剤、親水相、および様々な生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を含むものである。他の実施形態においては、キットは、適当な容器内に、モノグリセリド、ジグリセリド、もしくはそれらの混合物、安定剤、親水相、および1種以上の生物活性分子を含んでなる逆ミセル組成物を含み、ここでモノグリセリドもしくはジグリセリドのアシル基は、6〜12個の炭素原子を有する脂肪酸に富むものである。この実施形態によれば、モノグリセリドもしくはジグリセリドを親水性成分で部分的に誘導体化して極性を与えると、水溶解度を高めることができる。好ましくは、本発明のキットに含まれる逆ミセル組成物は、重量で15%未満、10%未満、5%未満、または2%未満のトリグリセリドを含む。本発明の逆ミセル組成物は、適合性の製薬上の担体で製剤化される。好ましくは、本発明のキットは、本発明の逆ミセル組成物を動物に投与する方法についての説明書と一緒に包装される。本発明のキットはまた、その組成物を用いて予防、治療、診断またはモニターすることができる疾患および/または障害のリストを含んでいてもよい。
【0083】
5.7. 本発明の逆ミセル組成物により生成された抗体の使用
抗原を含有する本発明の逆ミセル組成物を用いた動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、サルなど)の免疫感作により抗原に対して生成された抗体は、診断イムノアッセイ、受動免疫治療、および抗イディオタイプ抗体の作製に有用である。
【0084】
得られた抗体は、当技術分野で知られる標準技術(例えば、免疫アフィニティクロマトグラフィ、遠心分離、沈降など)により単離して、診断イムノアッセイに使用することができる。抗体はまた、治療および/または疾患進行をモニターするのに利用することもできる。当技術分野で知られるいずれのイムノアッセイ系もこの目的に利用することができ、それらは、限定されるものでないが、放射線イムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体-固定化アッセイ、免疫放射線測定アッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイおよび免疫電気泳動法などの競合および非競合アッセイ系を含む。
【0085】
本発明の逆ミセル組成物は、受動免疫治療用の抗体を産生するために用いることができ、この場合、異種抗原に対する予め生成された抗体を投与することにより、動物の短期間防御を達成することができる。
【0086】
本発明の逆ミセル組成物により生成された抗体はまた、抗イディオタイプ抗体の作製に利用することができる。次いで抗イディオタイプ抗体は、病原微生物の初期抗原と結合する抗体のサブ集団を産生させる目的で免疫感作に使用することができる(Jerneら, Ann. Immunol. 125c:373, 1974 ;Jerneら, EMBO J 1:234, 1982)。
【0087】
免疫感作処置においては、使用する免疫原の量および免疫感作スケジュールは、当技術分野の医師により決定され、また、動物の免疫応答および抗体力価を参照して投与されるであろう。
(実施例)
【0088】
以下の実施例は、単なる説明として提示したものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
【0089】
6.実施例:ヒト成長ホルモンを含有する逆ミセル
本実施例は、逆ミセル組成物が生物活性分子のバイオアベイラビリティーを増加することを実証する。
【0090】
逆ミセルの調製
精製したヒト成長ホルモンを水中に溶解してヒト成長ホルモン(「hGH」)の溶液を調製した。逆ミセルを得るために、ヒト成長ホルモン水溶液とAcconon CC-12とを5:95(水:界面活性剤)の比で混合した。次に、この混合物をボルテックス攪拌によってよく混合し、安定な逆ミセル形成を示す透明な分散液を得た。当業者は、当技術分野で知られる2相を分散しうるいずれの混合法を用いても、本発明の逆ミセル組成物を調製できることを理解するであろう。逆ミセルは4℃および室温で保存したとき安定であった。
【0091】
ラットにおける十二指腸内投与後のhGHのバイオアベイラビリティー
Sprague-Dawley種ラット(それぞれ、ほぼ120グラムの体重)に手術により頚静脈および十二指腸カテーテルを挿入した。各群のラット(1群3〜5匹)に、600マイクログラムのヒト成長ホルモンを含むAcconon CC-12逆ミセル製剤、または、成長ホルモン水溶液もしくはAcconon CC-12水の逆ミセルからなる対照製剤を与えた。投与後の示された時間に、血液サンプルを頚静脈カテーテルから採取した。採取した血液標本から血漿サンプルを得て、hGHの存在を酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)(Alexon-Trend、BioCheck)により分析した。このアッセイ系は、固相(マイクロウエル)固定化用にポリクローナルヒツジ抗hGHを利用し、抗体-酵素(西洋わさびペルオキシダーゼ)コンジュゲート溶液ではマウスモノクローナル抗hGHを利用する。試験血清または製剤サンプルを、コーティング抗体およびコンジュゲート抗体と同時に反応させると、固相と酵素結合抗体の間に挟まれたhGH分子が生成された。室温で45分インキュベーションした後、サンプルウエルを洗浄して未結合の酵素標識抗体を除去した。3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB)の溶液を加え、15分間インキュベートすると、青色の発色が生じた。停止溶液を加えて反応を停止させると、黄色に変化する。黄色の強度は、サンプル中のhGH濃度に直接比例する。図1に示すように、逆ミセル組成物はhGHの吸収を促進したが、対照組成物の場合は吸収がほとんどまたは全く検出されなかった。
【0092】
7.実施例:黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニスト逆ミセル
本実施例は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)を逆ミセル製剤で十二指腸内投与すると、LHRHを油中水型エマルジョン製剤で十二指腸内投与する時より高いパーセントのLHRHのバイオアベイラビリティーが達成されることを実証する。
【0093】
逆ミセルの調製
LHRHは視床下部より分泌されるペプチドホルモンであり(例えば、米国特許第4,234,571号を参照)、次のアミノ酸配列を有する:
p-Glu-His-Trp-Ser-Tyr-Gly-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2(MW=1182ダルトン;配列番号1)。
【0094】
LHRHは合成(Polypeptide Labs)により酢酸塩として得た。LHRHを酢酸バッファー(pH 5.1)に溶解し、次の通り様々なビヒクル中で調製した:
a)RM-A12; 1.5グラムのLHRHの溶液を、8.5グラムのAcconon CC-12に直接加え、ボルテックス攪拌により混合して透明な分散液を得た。
【0095】
b)RM-C; Capmul MCMを7:2の比でクレモホア(cremophor)と混合した。9グラムの界面活性剤混合物に、1グラムのLHRH溶液を加え、ボルテックス攪拌により混合して透明な分散液を得た。
【0096】
c)RM-L; 1.5グラムのLHRHの溶液を8.5グラムのラブラソル(Labrasol)に加え、よく混合して透明な分散液を得た。
【0097】
d)RM-A8; 1.5グラムのLHRHの溶液を、8.5グラムのAcconon MC-8に直接加え、ボルテックス攪拌により混合して透明な分散液を得た。
【0098】
e)RM-A6; 1.5グラムのLHRHの溶液を、8.5グラムのAcconon CC-6に直接加え、ボルテックス攪拌により混合して透明な分散液を得た。
【0099】
f)RM-S; 1.5グラムのLHRHの溶液を、8.5グラムのソフチゲン767(Softigen 767)に直接加え、ボルテックス攪拌により混合して透明な分散液を得た。
【0100】
油中水型ミクロエマルジョンは次のように調製した:
g)W/O ME; 1グラムのLHRHの溶液を、6グラムのCaptex355と2グラムのCapmul MCMと1グラムのポリオキシエチル化(20)ソルビタンオレエート(Tween 80)の混合物に加え、混合して透明なミクロエマルジョンを得た。ミクロエマルジョンの最終組成は60%がCaptex、20%がCapmul MCM、10%がTween-80、そして10%がLHRHを組込んだ酢酸バッファーである。
【0101】
ラットにおけるLHRHの薬物動態学
Sprague-Dawley種ラット(それぞれ、ほぼ120グラム体重)に手術により頚静脈および十二指腸カテーテルを挿入した。各群のラット(1群3〜5匹)に0.4〜2.4mg/kgのLHRHを、溶液中に遊離の状態でまたはミセル中に組込んでのいずれかにより与えた。別の対照として、いくつかの群の動物に遊離LHRHの溶液を0.4mg/kg体重の用量にて皮下投与した。血液サンプルを、LHRHまたは対照の投与後、0、20、40、60、90、120、および240分に採取した。0時の血液採取は、LHRH製剤投与のほぼ15分前に行った。血漿サンプルを競合ELISAアッセイにより次の通り分析した。プラスチック製の96ウエルプレートに抗ウサギ免疫グロブリンをコーティングし、次いでウサギ抗LHRHおよびビオチン化LHRHをサンプル希釈液とともに加えた。ビオチン化LHRHの結合を、HRP-アビジンによる展開およびTMB(テトラメチルベンジジン)による発色によりアッセイした。薬物動態パラメーターはデータから、WinNonLinソフトウエア(Pharsight)を用いて計算した。逆ミセル組成物に製剤化しない限り、いずれの動物においても十二指腸内投与したLHRHの吸収は認められなかった(表2、図2)。他方、十二指腸内に投与したAccononまたはSoftigen型界面活性剤中のLHRHの逆ミセルは、LHRH水溶液の皮下注射に対して約10%のバイオアベイラビリティーを増進させた。Capmul MCMおよびラブラソル(Labrasol)逆ミセルから得られた絶対バイオアベイラビリティーパーセントは約5%(表2)であった。
【表2】

【0102】
8.実施例:ロイプロリド逆ミセル
本実施例は、ロイプロリドを逆ミセル製剤で十二指腸内投与すると、ロイプロリドを酢酸バッファー中の溶液製剤として十二指腸内投与する時より高いロイプロリドの絶対バイオアベイラビリティーが達成されることを実証する。
【0103】
ソフチゲン(Softigen)を含有する逆ミセル(RM-S)の調製
ロイプロリドは内因性の性腺刺激ホルモンを抑制して性機能低下性の症状を引起すLHRHアゴニストであり、次のアミノ酸構造を有する:p-Glu-His-Trp-Ser-Tyr-D-Leu-Leu-Arg-Pro-NHC2H5(MW=1209ダルトン;配列番号2)。ロイプロリド(酢酸塩、Polypeptide Labs)を適当なpH(例えば、pH=6.0)の適当なバッファー(例えば、0.1M酢酸ナトリウム)中に溶解した。1.5グラムのロイプロリド溶液を8.5グラムのソフチゲン767(Softigen 767)に加え、ボルテックス攪拌により混合して清澄かつ透明な分散液を得た。
【0104】
ラブラソル(Labrasol)を含有する逆ミセル(RM-L)の調製
ロイプロリドを適当なpH(例えば、pH=6.0)の適当なバッファー(例えば、0.1M酢酸ナトリウム)中に溶解した。1.5グラムのロイプロリド溶液を8.5グラムのラブラソル(Labrasol)に加え、ボルテックス攪拌により混合して清澄かつ透明な分散液を得た。
【0105】
HPLCによる逆ミセル製剤中のロイプロリドの定量
逆ミセル(RM)製剤中のロイプロリド濃度を、逆相HPLCにより、Waters C-18 4.6x250mm 5μmカラム、Supelguard Discovery C-18 2x4.0mmガードカラムおよびUVダイオードアレイ検出器(220nmにて)を備えたHewlett Packard 1050システムを用いて測定した。移動相Aは脱イオン水中の0.1%(v/v)トリフルオロ酢酸(TFA)で、移動相BはHPLCグレードのアセトニトリル中の0.1%(v/v)TFAであった。操作条件は、流速1.5ml/minでの25分間の10-40%B勾配とした。カラムは、0.5ml/minで5分間および1.5ml/minで10〜15分間、10%Bのアイソクラチックホールドにより再調整した。このシステムにおけるロイプロリドの保持時間は9〜14分間であった。濃度は、0.01〜0.8mg/mlの酢酸ロイプロリドの標準曲線に対するサンプルピークの曲線下面積-対-対応する曲線下面積を用いて計算した。
【0106】
ラットにおけるロイプロリドの薬物動態学
Sprague-Dawley種ラット(それぞれ、ほぼ120グラム体重)に手術により頚静脈および十二指腸カテーテルを挿入した。各群のラット(1群4〜5匹)に、0.4〜3.6mg/kgのロイプロリドを、溶液中に遊離の状態でまたはミセル中に組込んでのいずれかにより与えた。別の対照として、いくつかの群の動物に遊離ロイプロリドの溶液を皮下に与えた。血液サンプルを、ロイプロリドまたは対照の投与後、0、20、40、60、90、120、および240分に採取した。0時の血液採取は、ロイプロリド製剤投与の約15分前に行った。ラット血清中に放出されたロイプロリドの量または製剤中のロイプロリドは、競合酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)(Peninsula Laboratories,Inc)を用いることにより測定した。このアッセイ系は、固相(マイクロウエル)固定化用にヤギ抗ウサギIgGを利用する。試験血清または製剤サンプルを、コーティング抗体、ウサギ抗ロイプロリドおよびビオチン化ロイプロリドと同時に反応させた。ビオチン化ロイプロリドは、抗体結合部位に対して標準または未知サンプルのロイプロリドと競合する。室温で2時間(または一夜)インキュベーションした後、未結合のビオチン化ペプチドを洗浄により除去し、そしてストレプトアビジンコンジュゲート西洋わさびペルオキシダーゼ(SA-HRP)を加えて固定化ウサギ抗ロイプロリド/ビオチン化ロイプロリド複合体と結合させた。過剰のSA-HRPを洗浄除去した後、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB)を加え、15分間インキュベートすると、青色の発色が生じた。停止溶液を加えて反応を停止させると、青色が黄色に変化した。黄色の強度は、固定化抗体と結合したビオチン化ロイプロリドの量に依存する。限られた抗体に対して競合するサンプルのロイプロリドが多いほど、固定化されるビオチン化ロイプロリド/SA-HRPが少なくなり、基質による発色が少ない。
【表3】

【0107】
表3のデータに見られるように、溶液製剤(0.1M酢酸塩、pH 6.0)からのロイプロリドの十二指腸内バイオアベイラビリティーは非常に低い(約0.2%)が、RM-Sからの十二指腸内バイオアベイラビリティーは約22%〜約39%である。ロイプロリドの2.4mg/kg用量を用いるRM-Sによる反復実験において本質的に同じバイオアベイラビリティーが得られ、吸収データの一貫性と再現性が強調された。ロイプロリドのバイオアベイラビリティーは用量依存的であった。すなわち、用量が高いほど、CmaxおよびAUCが高く、絶対バイオアベイラビリティー%が低い(表3)。
【0108】
イヌにおけるロイプロリドの薬物動態学
Beagle種イヌ(それぞれ8〜10kg体重のメス3匹およびオス3匹)に手術により十二指腸カテーテルを挿入した。それぞれの処置については、0.4〜2.4mg/kgのロイプロリドを、溶液中に遊離の状態でまたはミセルに組込んでのいずれかでイヌに与えた。処置は十二指腸カテーテル経由で投与した。陽性対照として、イヌに、皮下注射により遊離のロイプロリドの溶液を与えた。血液サンプルは、頭部カテーテルまたは頚静脈から、ロイプロリドまたは対照の投与後0、15、30、45、60、90、120、240、360、480、および1440分に採取した。ロイプロリド濃度レベルを図4に標準曲線で示す。0時の血液採取は、ロイプロリド製剤の投与の約10分前に行った。イヌ血清中に放出されたロイプロリドの量は、ヤギ抗ウサギIgGを固相(マイクロウエル)固定化に利用するPeninsula Laboratories,Incからの競合酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いることにより測定した。試験血清を、コーティング抗体、ウサギ抗ロイプロリドおよびビオチン化ロイプロリドと同時に反応させた。室温で2時間のインキュベーション後に、未結合のビオチン化ペプチドを洗浄により除去し、そしてストレプトアビジン結合西洋わさびペルオキシダーゼ(SA-HRP)を加えて固定化ウサギ抗ロイプロリド/ビオチン化ロイプロリド複合体と結合させた。過剰のSA-HRPを洗浄除去した後、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン二塩酸塩(TMB)を加え、15分間インキュベートすると、青色の発色が生じた。停止溶液を加えて反応を停止させると、黄色に変化する。サンプル中のロイプロリドを、標準曲線とサンプル光学密度値の非線形回帰分析により定量した。薬物動態パラメーターは、非コンパートメントモデルの薬物動態ソフトウエアを用いて計算した。
【表4】

【0109】
9.実施例:逆ミセルカプセル
逆ミセルカプセルの調製
ゼラチンカプセルと適合しうる逆ミセルは、賦形剤、例えばソフチゲン767またはラブラソルをバッファー中のロイプロリド溶液と、適当な比、例えば85:15(w/w)で混合することにより調製した。動物の体重に基づいて、適量のロイプロリドを含有する逆ミセルを、適切なサイズのカプセル(例えば、サイズ00または13ゼラチンカプセル)のボディー部に入れ、次いでキャップをかぶせてロックした。カプセルに、数マイクロリットルのアルコール性溶液(例えば、イソプロパノール-水1:1溶液)を適用して、該溶液を乾かすことによりシールした。
【0110】
逆ミセルカプセルの腸溶コーティング
逆ミセルカプセルの腸溶コーティングを、当技術分野で公知の技術を用いて実施した(「Enteric Coating of Hard Gelatine Capsules Application of EUDRAGIT (登録商標) L 30 D-55(EUDRAGIT(登録商標)L30 D-55の硬質ゼラチンカプセル適用による腸溶コーティング)」, Rohm Pharma Polymers, Application Note 4.1.9.4を参照)。改変したコーティング法および改変したコーティング溶液も使用した。具体的には、Eudragit L30 D-55(10.56g)を蒸留水7.9gで希釈し、クエン酸トリエチル0.63gと混合した。これに、0.134g の30% Tween 80を加えた。得られる懸濁液を30分間攪拌した。コーティング溶液はそのまま使用するか、またはコーティングしたカプセルが十二指腸中でより良好な溶解プロファイルを有しうるようにコーティング溶液のpHを所望のレベル(例えば、pH 5.5)に調整した。カプセルのコーティングには浸漬法を用いた。コーティング処理の間、カプセル(特にサイズ13カプセル)を、上記著者らが開発したマルチポートバルブ制御真空吸引装置により保持した。あるいは、カプセルをコーター(coater)を用いてコーティングした。
【0111】
連続in situモニタリングシステムを用いる溶解試験
カプセルの溶解は、溶解試験ステーション(VanKel社、VK 7000シリーズ)でのUSP試験法(USP物理試験:<711>溶解および<724>薬物放出)を用いて試験した。サンプリングおよび測定の自動化は、本発明者らが開発した連続in situモニタリングシステムを用いて達成した。具体的には、HPLC溶媒入口フィルターを、溶解試験容器内に挿入したサンプル取込みチューブ入口に取付けた。取込みチューブをHPLCポンプに接続し、それを1以上の検出器、例えばHPLCシステムのジオール・アレイ検出器、RI検出器、蛍光検出器、UV検出器その他、およびそれらの組合せに直接接続した。検出器からの出口流は他のチューブにより試験容器内に戻した。サンプルの選択した多波長におけるUV吸収およびUVスペクトルなどの検出器からのシグナルをHPLCシステムにより連続的に回収して保存し、データをHPLCソフトウエアにより解析した。時間に対するシグナルのプロット(本明細書では「溶解曲線(Dissolugrams)」と呼ぶ)は、コーティング物質、カプセル(220nm)の溶解プロファイルならびに逆ミセル(220および540nm)およびロイプロリド(280nm)の放出を表す。腸溶コーティングした逆ミセルカプセルは、酸段階で少なくとも2時間は安定であり、これは溶解曲線で比較的変化しないUV220、280および540nmシグナルにより示される。この腸溶コーティングしたカプセルは、バッファー段階で、溶解曲線によれば10分以内に溶解した。コーティングされていない逆ミセルカプセルは、酸段階で、溶解曲線によれば、3分間以内に溶解した。
【0112】
また、ジメチルアミノピリジン(280nm)、Bactoメチレンブルー(340nm)または蛍光化合物などの特殊なUV吸収波長をもつモデル化合物をカプセル内の逆ミセル中のロイプロリドに置き換えて使用し、溶解試験を行った。
【0113】
10.実施例:様々な分子サイズの無定形デキストランを用いる逆ミセル形成の検証
分子量が異なる複数の蛍光標識デキストランを用いて逆ミセルを形成した。FITC-デキストラン4,000ダルトン、10,000ダルトン、または20,000ダルトンのいずれかを、水-対-界面活性剤の様々な比で水中に溶解した。安定な逆ミセルは、FITC蛍光のクエンチングにより測定して最大50%の全水相で形成され、透明な分散液を得た。FITCの蛍光は、安定な逆ミセルを過剰の水中に希釈することで回復することができ、これは水溶性デキストランが界面活性剤相から押出されたことを示した。
【0114】
11.実施例:電気抵抗測定による逆ミセル形成の検証
内相または分散相が水性である逆ミセル(RM)は、低い電気伝導度または高い抵抗を示すと考えられる。従って、伝導率または抵抗率測定を用いて逆ミセル構造を確認することができる。
【0115】
この点を検証するために、次の実験を実施した:様々なRMを調製するにあたって、15%(w/w)の1 X リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を85%(w/w)の対応する賦形剤と混合した。次いで脱イオン水を少しずつ加え、水の全含量を90重量%まで増加した。少しずつ加えるとともに、溶液の抵抗率をMillicell-ERS電極システム(Millipore)を用いて測定した。脱イオン水の抵抗率は電極の測定可能範囲(>19.99 KOhms)を超え、試験した賦形剤(0%水)の抵抗率は約15.5 KOhmsであり、l x PBSの抵抗率は2〜3 Ohmsであった。15%のPBSを含有するRMはまだ高い抵抗を示し、これはほとんどの電解質が賦形剤の連続相中の逆ミセル構造のコア内に残っていることに因る。異なる界面活性剤を用いるRM系は、水%の増加に伴う抵抗率の低下という点で類似のパターンを示した。抵抗率の急激な低下は、封入された電解質が非伝導性脱イオン水による希釈時にRM系のコアから媒質中へ放出されたことを示した。系の全含水量が40%を超えた後、抵抗率は一定(約15 Ohms)となった。これは逆ミセル系(L2相)が通常のミセル(L1相)に転移していることを意味し、この時点の後、連続層は水性(水)になる。
【0116】
12.実施例:逆ミセル中のローダミンデキストランの経口バイオアベイラビリティーの検証
2つのローダミンデキストラン含有逆ミセルを、ソフチゲン767(8.5g)およびローダミンデキストラン溶液(1.5ml、Mw=3,000Da)をボルテックス混合することにより、別々に調製した。Sprague-Dawley種ラット(それぞれ、ほぼ120グラム体重)に手術により頚静脈および十二指腸カテーテルを挿入した。1群5匹のラットに、逆ミセル中のローダミンデキストラン(Mw. 3,000Da)1.2mg/kgを十二指腸カテーテルから、または溶液中のローダミンデキストラン(Mw. 3,000 Da)0.4mg/kgを皮下に、別々に与えた。血液サンプルを、試験物質の投与後、0、20、40、60、90、120、および240分に採取した。0時の血液採取は、試験物質の投与の約15分前に行った。ローダミンデキストランの量は、蛍光プレートリーダーでサンプルの蛍光強度を測定して定量した。バイオアベイラビリティー%は、逆ミセル製剤を与えたラット群のローダミンデキストラン血漿レベルのAUCから、対照溶液を与えたラット群の対応するローダミンデキストラン血漿レベルのAUCと対比して計算した。こうして、ローダミンデキストラン(Mw. 3,000Da)のバイオアベイラビリティーは18%であると決定された。
【表5】

【0117】
13.実施例:様々なポリマーにより安定化した逆ミセル
Acconon/LHRH水溶液-逆ミセル中のPLGA微粒子
PLGA微粒子(18mg、RG504)をジクロロメタン(0.2ml)中に懸濁した。得られる懸濁液を徐々に、急速攪拌しながら、Acconon CC-6またはAcconon CC-12(85%w/w)およびLHRH水溶液(15%w/w)から成る逆ミセル0.5mlに加えた。次いでジクロロメタンを減圧のもとで除去すると懸濁液が得られた。
【0118】
Acconon/Carbopol/LHRH水溶液-逆ミセル中のPLGA微粒子
Carbopol 980NF(16 mg)をAcconon CC-6またはAcconon CC-12(9.8g)中に懸濁し、次いでLHRH溶液(1.7ml)と混合した。この逆ミセル1mlに、徐々に、急速攪拌しながら、ジクロロメタン(0.2ml)中のPLGA(20mg、RG504)を加えた。次いでジクロロメタンを減圧のもとで除去すると懸濁液が得られた。
【0119】
Carbapol/カラゲナンを用いて安定化したロイプロリド逆ミセル
Softigen 767(5.1g)をCarbopol 980NF(90mg)と混合した。これに0.1M酢酸ナトリウム中のロイプロリド溶液(pH=6.0)1.0mlを加え、ボルテックス攪拌により混合した。数時間後、カラゲナン溶液100マイクロリットルを加え、この混合物をボルテックス攪拌により混合するとゲルが形成された。
【0120】
14.実施例:疎水性分子により安定化した逆ミセル
Eudragit RSPO/Carbopolにより安定化したロイプロリド逆ミセル
Softigen 767(5.1g)および0.1M酢酸ナトリウム中のロイプロリド溶液(0.9ml、pH=6.0)を含有するロイプロリド逆ミセルを、Eudragit RSPO(600mg)とともにミキサーにより混合した。3時間後、この混合物をさらにCarbopol 980NF(90 mg)と混合すると懸濁液が形成された。
【0121】
これらの実施例は、ポリマー安定剤による様々な逆ミセルの安定化法を実証する。
【0122】
N.F.ホワイト・ビーワックス(N. F. White Beewax)(8.9mg)をバイアル中で急速攪拌しながら65℃まで予熱した。ワックスをAcconon CC-6またはAcconon CC-12(85%w/w)およびLHRH水溶液(15%w/w)を含有する逆ミセル1mlと混合して、清澄な逆ミセルを得た。次いで混合物を徐々に室温まで冷却して懸濁液を得た。
【0123】
N.F.ホワイト・ビーワックス(49mg)をバイアル中で急速攪拌しつつ65℃まで予熱した。ワックスをAcconon CC-6またはAcconon CC-12(85%w/w)およびLHRH水溶液(15%w/w)を含有する逆ミセル1mlと混合して、清澄な逆ミセルを得た。次いで混合物を徐々に室温まで冷却して半固体懸濁物を得た。
【0124】
ゲル化剤の使用:Carbopol 980NF(16mg)をSoftigen 767(9.8g)中に懸濁し、次いでロイプロリド溶液(1.7mL)と混合した。清澄な懸濁液を次いでCarbopol 980NF(6.5mg)と混合すると濃厚なゲルが形成された。
【0125】
15.実施例:LHRHおよびロイプロリドを含有する逆ミセルの界面重合
これらの実施例は、本発明の逆ミセルの重合方法を検証する。
【0126】
ポリエチルシアノアクリレート安定化LHRH逆ミセル
Acconon CC-6もしくはAcconon CC-12(85%w/w)およびLHRH水溶液(15%w/w)から成る逆ミセル(1g)を、急速攪拌のもとで、ジクロロメタン中のエチルシアノアクリレート溶液(100mg/ml)の200マイクロリットルと混合した。この混合物を室温にて2時間攪拌し、次いでジクロロメタンを減圧下で除去すると逆ミセルが得られた。
【0127】
ポリエチルシアノアクリレート安定化ロイプロリド逆ミセル(1)
Capmul MCM(85%w/w)およびロイプロリド溶液(15%w/w、0.1M酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)中)から成る逆ミセル(1g)を、急速攪拌のもとで、ジクロロメタン中のエチルシアノアクリレート溶液(100 mg/ml)200マイクロリットルと混合した。この混合物を室温にて2時間攪拌し、次いでジクロロメタンを減圧下で除去すると逆ミセルが得られた。
【0128】
ポリエチルシアノアクリレート安定化ロイプロリド逆ミセル(2)
(1)から得たポリエチルシアノアクリレートを含有するCapmul MCM逆ミセル(1g)を、Softigen 767(85%w/w)およびロイプロリド溶液(15%w/w、0.1M酢酸ナトリウムバッファー(pH6.0)中)から成る他の逆ミセルと混合した。
【0129】
ポリエチルシアノアクリレート安定化ロイプロリド逆ミセル(3)
Softigen 767(5.1g)および0.1M酢酸ナトリウム中のロイプロリド溶液(0.9ml、pH=6.0)を含有するロイプロリド逆ミセル(6g)を、ジクロロメタン中のエチルシアノアクリレート溶液(360mg)とボルテックス攪拌により混合した。2時間後、溶媒を減圧下で除去した。これに、上記ロイプロリド逆ミセルをさらに3g加え、この混合物をボルテックス攪拌により混合した。
【0130】
重合可能な脂肪酸誘導体の重合により安定化したロイプロリド逆ミセル
2,4-オクタデカジエン酸ポリ(エチレングリコール)エステル(2,4-ODPEG、米国特許第6,187,335号)(0.475g)およびSoftigen 767(4.625g)を、0.1M酢酸ナトリウム中のロイプロリド溶液(pH6.0)1.0mlとボルテックス攪拌により混合した。これに、急速ボルテックス攪拌をしながら、ジクロロメタン中のジメチルフェニルアセトフェノン(DMPA)溶液(0.18g/ml)100マイクロリットルを加えた。重合は逆ミセルをUV 365nm光源に露光することによって実施し、所望のレベル(例えば18%)にした。逆ミセルのアリコートを様々な時点で採取し、蒸留水を用いて希釈した。重合レベルは、希釈サンプルの254nmでの吸収を測定することによりモニターした。
【0131】
重合可能な脂肪酸誘導体の重合により安定化したLHRH逆ミセル
安定なLHRHミセル薬物送達系を、次のようにして作った:Acconon CC-12(0.5g)を(2,4-オクタデカジエノイル)ポリ(エチレングリコール)スクシネート(OPS、0.05g)と混合した。次いで、LHRH水溶液(15%w/w)を急速な攪拌のもとで混合物に加え、透明な分散液を得るまでボルテックス攪拌をした。界面にOPSのポリマーを作るために、DMPA(ジメトキシフェニルアセチルフェノン、2,4 OPSの5%mol/mol)を加え、得られる清澄な溶液を365nm UVランプを用いて4mw/cm2で1時間照射した。重合の進行は254nmの吸収の消滅を測定することによりモニターした。遊離の親水基のために、OPSは主に、界面活性剤の疎水性部分に溶解した脂肪酸テイルと水界面で相互作用した。重合レベルは、254nmでの特徴的なジエン吸収の減少により測定して、ほぼ70%に達した。界面活性剤混合物中のOPSの重合および365nmの紫外光への露光は、中心の水コアに含有されるペプチドLHRHを害わなかった。重合ミセル製剤を模擬胃液または水のいずれかに曝し、外部水環境中のLHRHの存在を上記ELISA法を用いて経時的に測定した。非重合ミセル製剤と比較して、重合ミセル中のLHRHは中心水コアからはるかに緩慢に漏出する。
【0132】
16.実施例:安定化逆ミセル中のロイプロリドおよびLHRHの定量
ロイプロリドまたはLHRHを含有する安定化逆ミセルのサンプルを、逆ミセル中のポリマー内容物に従って、ロイプロリドまたはLHRHを放出しかつほとんどのポリマーを除去するように処理した。具体的には、安定化逆ミセルを含有するポリアルキルシアノアクリレート、ポリアクリレートまたはポリアクリル酸については、サンプルを最初にアセトニトリルの適当量に溶解し、メタノールまたは水と混合し、次いで濾過した。それから濾液を、先の実施例に記載したロイプロリドまたはLHRHに対するHPLC法により分析した。逆ミセルを含有する重合可能な脂肪酸誘導体については、サンプルをアセトニトリルにより希釈し、直接HPLC分析に用いた。メタノール-水混合物に不溶のポリマーを含有する逆ミセルについては、サンプルをメタノール-水混合物で抽出し、濾過した。濾液をHPLC分析に使用した。疎水性安定剤を含有する逆ミセルについては、サンプルをメタノール-水混合物を用いて抽出し、濾過した。濾液をHPLC分析に使用した。
【0133】
17.実施例:安定化逆ミセルを用いるLHRHまたはロイプロリドのバイオアベイラビリティー
安定化ミセルを用いるLHRHのバイオアベイラビリティー
安定化したLHRH Acconon-CC-12/OPS逆ミセルを、手術により頚静脈および十二指腸カテーテルを挿入したSprague-Dawley種ラット(約120g)に与える。各群のラット(1群3匹)に、600マイクログラムのLHRHを、溶液中に遊離の状態で、またはミセルもしくは重合ミセルに複合化して与える。血液サンプルを、LHRHまたは対照の投与後、0、20、40、60、90、120、240、360、および480分に採取した。0時の血液採取は、LHRH製剤の投与の約15分前に行った。血漿サンプルを競合ELISAアッセイにより次の通り分析した。プラスチック製の96ウエルプレートに抗ウサギ免疫グロブリンをコーティングし、次いでウサギ抗LHRHおよびビオチン化LHRHをサンプル希釈液とともに加えた。ビオチン化LHRHの結合を、HRP-アビジンによる展開およびTMB(テトラメチルベンジジン)による発色によりアッセイした。薬物動態パラメーターはデータから、WinNonLinソフトウエア(Pharsight)を用いて計算した。
【0134】
安定化ミセルを用いるロイプロリドのバイオアベイラビリティー
Sprague-Dawley種ラット(それぞれ、ほぼ120グラム体重)に手術により頚静脈および十二指腸カテーテルを挿入した。各群のラット(1群4〜5匹)に、0.4〜3.6mg/kgのロイプロリドを、溶液中に遊離の状態で、または安定化ミセル中に組込んで与えた。さらなる対照として、いくつかの群の複数に遊離ロイプロリドの溶液を皮下に与えた。血液サンプルを、ロイプロリドまたは対照の投与後、0、20、40、60、90、120、240分、360、および480に採取した。0時の血液採取は、ロイプロリド製剤の投与の約15分前に行った。ラット血清中に放出されたロイプロリドの量または製剤中のロイプロリドの量は、競合酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)(Peninsula Laboratories,Inc)を用いることにより測定した。このアッセイ系は、固相(マイクロウエル)固定化用にヤギ抗ウサギIgGを利用する。試験血清または製剤サンプルを、コーティングした抗体、ウサギ抗ロイプロリドおよびビオチン化ロイプロリドと同時に反応させた。ビオチン化ロイプロリドは抗体結合部位に対して標準または未知サンプルのロイプロリドと競合する。室温にて2時間(または一夜)インキュベーションした後、未結合のビオチン化ペプチドを洗浄により除去し、そしてストレプトアビジンコンジュゲート西洋わさびペルオキシダーゼ(SA-HRP)を加えて固定化ウサギ抗ロイプロリド/ビオチン化ロイプロリド複合体と結合させた。過剰のSA-HRPを洗浄除去した後、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB)を加え、15分間インキュベートすると、青色の発色が生じる。停止溶液を加えて反応を停止させると色が黄色に変わる。黄色の強度は、固定化抗体と結合したビオチン化ロイプロリドの量に依存する。限られた抗体に対して競合するサンプルロイプロリドが多いほど、固定化しうるビオチン化ロイプロリド/SA-HRPが少なく、基質による着色が少ない。
【0135】
18.実施例:模擬腸液中の放出プロファイル
本実施例は、生物活性分子を送達するための本発明の逆ミセルの使用を検証する。
【0136】
逆ミセルと模擬腸液を1:5の比で混合して、様々な逆ミセルの放出プロファイルを調べる。様々な時点のサンプルをHPLC分析に直接使用するか、または0.2μmフィルターを通して濾過した後にHPLCを用いて分析する。HPLC分析はサイズ排除カラム(TSK-GEL 3000SW、10μm)を用い、DAD検出器を備えたHP1090 HPLCシステムで実施する。移動層:PBS(lx);流速:1ml/min、アイソクラチック。
【0137】
本発明の範囲は、本発明の単一の態様の説明を意図した例示的実施形態により限定されるものではない。実際、本明細書に示しかつ記載したものに加えて、本発明の様々な改変が、以上の説明から当業者には明らかになるであろう。かかる改変は添付の特許請求の範囲内に包含されるものとする。
【0138】
本明細書に引用した全ての特許、特許出願および非特許出版物は、本明細書に参照によりその全文が、あたかもそれぞれの個々の特許、特許出願または非特許出版物が特定してかつ個々に本明細書に参照により組み入れられたがごとく、組み入れられるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 6〜12炭素原子の鎖長の脂肪酸エステルを1種以上含む界面活性剤、
(b) 親水相、
(c) 生物活性分子、および
(d) ポリマー安定剤
を含んでなり、かつ約10重量%未満のトリエステルを含む、逆ミセル組成物。
【請求項2】
逆ミセル組成物が約5重量%未満のトリエステルを含む、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項3】
界面活性剤が1種以上の脂肪酸エステルまたはその親水性誘導体を含む、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項4】
脂肪酸エステルが約6〜約12炭素原子の鎖長を有する、請求項3に記載の逆ミセル組成物。
【請求項5】
界面活性剤がモノグリセリド、ジグリセリドまたはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項6】
界面活性剤がモノグリセリドまたはその親水性誘導体もしくは類似体を含む、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項7】
界面活性剤がジグリセリドまたはその親水性誘導体もしくは類似体を含む、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項8】
界面活性剤がモノグリセリドまたはジグリセリド混合物を含む、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項9】
脂肪酸の少なくとも1つがポリオキシエチレンポリマーにより誘導体化されている、請求項3に記載の逆ミセル組成物。
【請求項10】
界面活性剤がさらにジグリセリドまたはその親水性誘導体もしくは類似体を含む、請求項6に記載の逆ミセル組成物。
【請求項11】
ポリオキシエチレンポリマーが約200〜約10,000ダルトンの分子量を有する、請求項10に記載の逆ミセル組成物。
【請求項12】
ポリオキシエチレンポリマーが約200〜約4,000ダルトンの分子量を有する、請求項11に記載の逆ミセル組成物。
【請求項13】
モノグリセリドがポリオキシエチレンポリマーにより誘導体化されている、請求項6に記載の逆ミセル組成物。
【請求項14】
ジグリセリドがポリオキシエチレンポリマーにより誘導体化されている、請求項7に記載の逆ミセル組成物。
【請求項15】
脂肪酸エステルの少なくとも1種が酢酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、酒石酸またはそれらの混合物を用いて誘導体化されている、請求項3に記載の逆ミセル組成物。
【請求項16】
脂肪酸エステルの少なくとも1種がカプリル酸またはカプリン酸である、請求項3に記載の逆ミセル組成物。
【請求項17】
親水相が水、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの混合物を含む、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項18】
親水相がさらに、緩衝剤、等張剤、酸化剤、還元剤、抗微生物剤、保存剤、安定剤、またはそれらの混合物を含む、請求項17に記載の逆ミセル組成物。
【請求項19】
親水相が約0〜約70重量%の量で存在する、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項20】
親水相が約0〜約50重量%の量で存在する、請求項19に記載の逆ミセル組成物。
【請求項21】
親水相が約5〜約25重量%の量で存在する、請求項20に記載の逆ミセル組成物。
【請求項22】
脂肪酸エステルが約1〜約20のHLBを有する、請求項3に記載の逆ミセル組成物。
【請求項23】
脂肪酸エステルが約5〜約15のHLBを有する、請求項22に記載の逆ミセル組成物。
【請求項24】
生物活性分子が予防薬または治療薬である、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項25】
生物活性分子が診断薬である、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項26】
治療薬がLHRHまたはその類似体である、請求項24に記載の逆ミセル組成物。
【請求項27】
治療薬がLHRHアゴニストまたはその類似体である、請求項24に記載の逆ミセル組成物。
【請求項28】
LHRHアゴニストがロイプロリド、ゴセレリン、ナファレリンまたはヒストレリンである、請求項27に記載の逆ミセル組成物。
【請求項29】
生物活性分子が副甲状腺ホルモンまたはその類似体である、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項30】
生物活性分子がカルシトニンまたはその類似体である、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項31】
生物活性分子が低分子量ヘパリンである、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項32】
生物活性分子がインスリンである、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項33】
生物活性分子がヒト成長ホルモンまたはその類似体である、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項34】
生物活性分子が核酸である、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項35】
生物活性分子の濃度が親水相に0.1mg/mlを超えて溶解しうる、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項36】
生物活性分子の濃度が親水相に1mg/mlを超えて溶解しうる、請求項35に記載の逆ミセル組成物。
【請求項37】
生物活性分子の濃度が0.05〜100mg/mlである、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項38】
ポリマー安定剤が天然ポリマー、合成ポリマーまたはそれらの混合物である、請求項1に記載の逆ミセル組成物。
【請求項39】
ポリマー安定剤がODPまたはOPSである、請求項38に記載の逆ミセル組成物。
【請求項40】
ポリマーが重合可能な脂肪酸モノマーから形成される、請求項38に記載の逆ミセル組成物。
【請求項41】
ポリマーが水または他の開始剤を用いる界面イオン重合により形成される、請求項38に記載の逆ミセル組成物。
【請求項42】
ポリマーがアルキルシアノアクリレートを含むシアノアクリレートの縮合により形成される、請求項38に記載の逆ミセル組成物。
【請求項43】
ポリマーがエチル2-シアノアクリレートの縮合から形成される、請求項38に記載の逆ミセル組成物。
【請求項44】
合成ポリマーがポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチドとポリグリコリドの混合物、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリセバシン酸、ポリフマル酸、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、ポリアクリルアミド、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリアカレート、ポリビニルアルコール、そのブレンドおよびコポリマーである、請求項38に記載の逆ミセル組成物。
【請求項45】
動物における疾患または障害と関連する1以上の症状を予防、治療または改善するための医薬の製造における、請求項1〜44のいずれか1項記載の逆ミセル組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−280700(P2010−280700A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177083(P2010−177083)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【分割の表示】特願2003−548757(P2003−548757)の分割
【原出願日】平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願人】(504213685)ソリジェニックス,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】