説明

安定性の良好な布地柔軟化洗濯洗剤

布地清浄化及び柔軟化を提供するために有用な、1%溶液で約6〜約11のpHを有する液体又はゲル形態の水性洗濯洗剤組成物であって、非石鹸アニオン性界面活性剤と、任意の石鹸と、非イオン性界面活性剤と、任意のヒドロトロープと、約1000未満の分子量を有する布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤と、少なくとも200,000の分子量を有する布地柔軟化四級化ポリマーと、約5,000〜約50,000の分子量を有する香料付着ポリアミンと、非四級化非ポリアミン増粘剤と、香料と、を含有する、水性洗濯洗剤組成物。かかる組成物の使用方法、及びかかる組成物の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標準的な消費者用洗濯機で利用するとき、布地を柔軟化する効果をもたらす液体洗濯洗剤組成物の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維製品(例えば寝具、リネン、及び/又は衣類)を洗濯するための多くの水性液体洗濯洗剤製品が市販されている。これらの製品は、従来は染み除去及び清浄化効果に焦点が当てられ、洗濯機及び/又は手洗い用途で用いることができた。したがって、水性洗濯洗剤組成物は当該技術分野で周知であり、アニオン性及び非イオン性界面活性剤等の界面活性剤を含有していることが多い。
【0003】
より最近では、かかる洗濯洗剤組成物は、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethycelluloses)等の柔軟化技術を含んで配合されて、洗浄を通して清浄化効果と柔軟化効果の両方を消費者に提供する。重要なことに、これらの製剤により消費者は、すすぎサイクルのみでの別個の布地強化製品を利用するのを避けることが可能になる。かかる製剤は、消費者にとってより望ましいものとなった。
【0004】
香料及び爽やか感(freshness)技術もまた、水性液体洗濯洗剤で用いるために開発されて、洗濯された布地上で長持ちする香気を消費者に提供している。市販のLUPASOL等の香料付着技術は、デルタ−ダマスコン等の特定の香料原材料と共に用いられて、香料の布地への付着を促進し、全体的な爽やかな経験を消費者にもたらすことができる。
【0005】
しかし、現在驚くべきことに、特定の種類のカチオン性布地柔軟化物質(カチオン性ヒドロキシエチルセルロース等)を、アニオン性/非イオン性界面活性剤マトリクス中で特定の種類の香料付着促進ポリマー(Lupasol HF又はWF等)と組み合わせると、保存時、望ましくない沈殿が形成され、洗剤から析出することが発見された。このような望ましくない特性としては、例えば、見苦しい斑点又は塊として容器の壁上に固着する沈殿が挙げられる。Lupasol種の材料と組み合わせられたカチオン性ヒドロキシエチルセルロースが沈殿し、それにより製品に見苦しい残留物が形成されるという問題は以前は知られておらず、両方の技術が全体的に同じ電荷を有するため(カチオン性)予想外であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、消費者に更により良好な使用中の経験をもたらし、単一の安定した水性洗濯洗剤組成物に良好な清浄性、柔軟性、及び全体的爽やかさを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、1%溶液で約6〜約11のpHを有する液体又はゲル形態の水性洗濯洗剤組成物であって、
a)組成物の約5重量%〜約30重量%の非石鹸アニオン性界面活性剤と、
b)組成物の約0重量%〜約20重量%の石鹸と、
c)組成物の約0.5重量%〜約30重量%の非イオン性界面活性剤と、
d)組成物の0重量%〜約5重量%のヒドロトロープと、
e)組成物の約0.1重量%〜約6重量%の、約1000未満の分子量を有する布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤と、
f)組成物の約0.05重量%〜約1重量%の布地柔軟化四級化ポリマーであって、少なくとも200,000の分子量を有する、布地柔軟化四級化ポリマーと、
g)組成物の約0.01重量%〜約0.5重量%の香料付着ポリアミンであって、約5,000〜約50,000の分子量を有する、香料付着ポリアミンと、
h)組成物の約0重量%〜約0.5重量%の非四級化非ポリアミン増粘剤と、
i)組成物の0.01重量%〜約0.5重量%の香料と、
を含有する、水性洗濯洗剤組成物を包含する。
【0008】
本発明は更に、約7.5〜約9.5のpHを有する、上記組成物を包含する。
【0009】
本発明は更に、組成物の約6重量%〜約10重量%の非石鹸アニオン性界面活性剤を含む、上記組成物を包含する。
【0010】
本発明は更に、非石鹸アニオン性界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、分枝鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルポリ(エトキシレート)、アルキルサルフェート、メチルエステルスルホネート、及びこれらの混合物から選択される、上記組成物を包含する。
【0011】
本発明は更に、組成物の約0.5重量%〜約20重量%の石鹸を含む、上記組成物を包含する。
【0012】
本発明は更に、組成物の約4重量%〜約10重量%の石鹸を含み、石鹸が、オレイン酸石鹸、パルミチン酸石鹸、パーム核脂肪酸石鹸、及びこれらの混合物から選択される、上記組成物を包含する。
【0013】
本発明は更に、非イオン性界面活性剤の非石鹸アニオン性界面活性剤に対する比が少なくとも1:1である、上記組成物を包含する。
【0014】
本発明は更に、組成物の0.5重量%〜約5重量%のヒドロトロープを含む、上記組成物を包含する。
【0015】
本発明は更に、ヒドロトロープが、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカノールアンモニウム塩、並びにクメンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びこれらの混合物の酸型から選択される、上記組成物を包含する。
【0016】
本発明は更に、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤の分子量が300未満である、上記組成物を包含する。
【0017】
本発明は更に、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤が水溶性であり、4つ以下の四級化窒素原子を含む、上記組成物を包含する。
【0018】
本発明は更に、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤が水溶性であり、1つの四級化窒素原子を含む、上記組成物を包含する。
【0019】
本発明は更に、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤が1つの長鎖ヒドロカルビル基を更に含む、上記組成物を包含する。
【0020】
本発明は更に、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤が、水溶性アルキルトリメチルアンモニウム塩又はそのヒドロキシアルキル置換類似体から選択される、上記組成物を包含する。
【0021】
本発明は更に、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤が、式R(式中、RはC〜C16アルキルであり、R、R及びRはそれぞれ独立してC〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−(CO)H(式中xは2〜5の値を有し、Xはアニオンである)から選択され、R、R又はRのうち1つ以下がベンジルである)を有する化合物から選択される、上記組成物を包含する。
【0022】
本発明は更に、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤がドデシルトリメチルアンモニウムクロリドである、上記組成物を包含する。
【0023】
本発明は更に、布地柔軟化四級化ポリマーが、天然由来のヒドロキシル置換誘導体である、上記組成物を包含する。
【0024】
本発明は更に、布地柔軟化四級化ポリマーがカチオン性ヒドロキシエチルセルロースである、上記組成物を包含する。
【0025】
本発明は更に、香料付着ポリアミンが約10,000〜約30,000の分子量を有し、ポリアミンが少なくとも幾つかの一級アミン部分を含む、上記組成物を包含する。
【0026】
本発明は更に、香料付着ポリアミンがポリエチレンイミンから選択される、上記組成物を包含する。
【0027】
本発明は更に、香料付着ポリアミンが、ポリエチレンイミンポリマー;ポリ[オキシ(メチル−1,2−エタンジイル)]−(2−アミノメチルエチル)−−(2−アミノメチル−エトキシ);ポリ[オキシ(メチル−1,2−エタンジイル)]−ヒドロ−)−−(2−アミノメチルエトキシ)−エーテルと2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール;2,2’,2”−トリアミノトリエチルアミン;2,2’−ジアミノ−ジエチルアミン−I 3,3’−ジアミノ−ジプロピルアミン、1,3ビスアミノエチル−シクロヘキサン;C12ステルナミン;及びこれらの混合物から選択される、上記組成物を包含する。
【0028】
本発明は更に、香料がデルタ−ダマスコンを含む、上記組成物を包含する。
【0029】
本発明は更に、非四級化非ポリアミン増粘剤が、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、サクシノグリカン、トリヒドロキシステアリン、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシろう、及びこれらの混合物から選択される、上記組成物を包含する。
【0030】
本発明は更に、組成物が更に酵素安定剤、染料、増白剤、乳白剤、パールエッセンス剤、香料マイクロカプセル、及びこれらの混合物から選択される洗濯添加剤を含む、上記組成物を包含する。
【0031】
本発明は更に、1%溶液で約6〜約11のpHを有する液体又はゲル形態の水性洗濯洗剤組成物であって、
a)組成物の約5重量%〜約30重量%の非石鹸アニオン性界面活性剤と、
b)組成物の約1重量%〜約15重量%の石鹸と、
c)組成物の約0.5重量%〜約30重量%の非イオン性界面活性剤と、
d)組成物の0.5重量%〜約5重量%のヒドロトロープと、
e)組成物の約0.5重量%〜約5重量%の、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドから選択される布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤と、
f)組成物の約0.05重量%〜約1重量%の布地柔軟化四級化ポリマーであって、少なくとも400,000の分子量を有する、布地柔軟化四級化ポリマーと、
g)組成物の約0.01重量%〜約0.5重量%の、約10,000〜約30,000の分子量を有するポリエチレンイミンから選択される香料付着ポリアミンと、
h)組成物の約0.05重量%〜約0.5重量%の、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、及びこれらの混合物から選択される非四級化非ポリアミン増粘剤と、
i)組成物の0.05重量%〜約0.5重量%の香料と、
を含有する、水性洗濯洗剤組成物を包含する。
【0032】
本発明は更に、使用しなければ固体が沈殿する傾向がある液体又はゲル洗濯洗剤組成物を安定化させるための低分子量カチオン性補助界面活性剤の使用であって、前記組成物が、
a)200,000超の分子量を有する布地柔軟化ヒドロキシル置換四級化ポリマーと、
b)50,000未満の分子量を有する香料付着ポリアミンと、
を含有する使用を包含する。
【0033】
本発明は更に、繊維製品を清浄化及び柔軟化する方法であって、前記方法が、繊維製品及び十分な量の上記洗濯組成物を標準的な消費者用洗濯機のドラムに加える工程と、次いで洗濯機を作動させて通常の消費者用洗濯サイクルを稼働させる工程と、を含む方法を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0034】
驚くべきことに、低分子量カチオン性補助界面活性剤を、布地柔軟化四級化ポリマー及び香料付着ポリアミンも含有しているアニオン性及び非イオン性界面活性剤含有洗剤組成物に添加することにより、製品の安定性が達成され得るということが、現在見出された。更に、清浄化及び柔軟化特性を維持しながら安定性が達成される。したがって、本明細書で提供される洗剤組成物は、経済的であり、優れた清浄、布地柔軟化、及び香料付着を提供し、ボトルに見苦しい付着物が形成されることなく長期間保存できる。更に、本発明の水性洗濯洗剤は、洗濯洗剤が日本で販売可能であるために必要な厳しい保存試験条件(凍結−融解試験を含む)を満たしている。
【0035】
本明細書における水性洗濯洗剤組成物は、1%水溶液で約6〜約11のpHを有し、布地柔軟化四級化ポリマーと、香料付着ポリアミンと、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤と、アニオン性界面活性剤と、非イオン性界面活性剤と、代替実施形態では増粘剤と、を含有する。これらの組成物のそれぞれ、並びにかかる組成物の任意成分並びにかかる組成物の調製及び使用方法は、以下に詳細に記載される。
【0036】
本明細書で参照されるすべての測定値は、特に指定しない限り、室温(約21.1℃)及び大気圧でのものである。
【0037】
本発明の組成物は、本発明の構成成分並びに本明細書で記載されるその他の成分を含むことができ、それらから本質的になることができ、又はそれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「から本質的になる」とは、組成物又は成分が追加成分を包含してよいが、それら追加成分が特許請求される組成物又は方法の基本的及び新規な特徴を実質的に変化させない場合に限ることを意味する。
【0038】
すべての百分率、割合及び比率は特に指定しない限り、本発明の液体洗濯洗剤組成物の全重量に基づく。列挙する成分に関連するこのようなすべての重量は、活性レベルに基づくので、特に指定しない限り、市販の物質に包含される場合があるキャリア又は副生成物を包含しない。
【0039】
引用される全ての文献は、その関連部分において参照により本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。
【0040】
水性洗濯洗剤組成物
本発明の組成物は水性であり、これは該組成物が少なくとも5%の水を含有することを意味する。他の種類の水混和性液体、例えばアルカノール、ジオール、他のポリオール、エーテル、アミン等を、共溶媒又は安定剤として液体洗剤組成物に添加してもよい。しかし、これらの他の液体はコストが高いことが多い。本発明の水性洗濯組成物は、液体又はゲル形態であってよい。1つの実施形態では、組成物は、組成物の約30重量%〜70重量%、あるいは35重量%〜50重量%、更にあるいは約10重量%〜25重量%の水を含む。
【0041】
本明細書において洗濯洗剤組成物は、1%水溶液で約6〜約11のpHを有する。好ましくは、pHは約7.5〜約9である。
【0042】
香料付着ポリアミン(LUPASOL)
本発明の水性洗剤組成物は、組成物の約0.01重量%〜約0.5重量%、あるいは約0.01重量%〜約0.4重量%の、約5,000〜約50,000の分子量を有する香料付着ポリアミンを含有する。1つの実施形態では、分子量は約10,000〜約30,000である。
【0043】
1つの実施形態では、香料付着ポリアミンは少なくとも幾つかの一級アミン部分を含有する。好ましいポリアミンは、少なくとも幾つかの一級、二級、及び三級アミン部分を含有する。好ましいポリアミンとしては、ポリエチレンイミンが挙げられる。
【0044】
本明細書において有用なポリアミンとしては、ポリエチレンイミンポリマー、ポリ[オキシ(メチル−1,2−エタンジイル)],−(2−アミノメチルエチル)−−(2−アミノメチル−エトキシ)−(=C.A.S番号9046−10−0);ポリ[オキシ(メチル−1,2−エタンジイル)],−ヒドロ−)−−(2−アミノメチルエトキシ)−,エーテルと2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(=C.A.S.番号39423−51−3);商品名JEFFAMINES T−403、D−230、D−400、D−2000として市販;2,2’,2”−トリアミノトリエチルアミン;Mitsubushiから市販されている2,2’−ジアミノ−ジエチルアミン−I 3,3’−ジアミノ−ジプロピルアミン、1,3ビスアミノエチル−シクロヘキサン及びC12ステルナミン(プロピレンアミン)(n=3/4)のようなClariantから市販されているC12ステルナミン、並びにこれらの混合物が挙げられる。好ましいポリアミンは、LUPASOL FG、G20、WFV、PR8515、WF、FC、G20、G35、G100、HF、P、PS、SK、SNAのような商品名LUPASOLとして市販されているポリエチレンイミンである。
【0045】
重要なことに、理論に縛られるものではないが、本明細書における組成物の効果は、ポリアミン分子量が低すぎると損なわれる。例えば最低800及び2,000の分子量を有するポリアミンは良好な安定性を有する(沈殿を避けられる)が、その分子量ではポリアミンはもはや香料付着を促進する機能は有さない。
【0046】
1つの実施形態では、香料付着ポリアミンは、約10,000〜約30,000の分子量を有し、ポリアミンは少なくとも幾つかの一級アミン部分を含む。
【0047】
別の実施形態では、香料付着ポリアミンはポリエチレンイミンから選択される。
【0048】
別の実施形態では、香料付着ポリアミンは、ポリエチレンイミンポリマー;ポリ[オキシ(メチル−1,2−エタンジイル)]−(2−アミノメチルエチル)−−(2−アミノメチル−エトキシ);ポリ[オキシ(メチル−1,2−エタンジイル)]−ヒドロ−)−−(2−アミノメチルエトキシ)−エーテルと2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール;2,2’,2”−トリアミノトリエチルアミン;2,2’−ジアミノ−ジエチルアミン−I 3,3’−ジアミノ−ジプロピルアミン、1,3ビスアミノエチル−シクロヘキサン;C12ステルナミン及びこれらの混合物から選択される。
【0049】
布地柔軟化四級化ポリマー(CAT−HEC)
本発明の水性洗剤組成物は、組成物の約0.05重量%〜約1重量%、あるいは約0.1重量%〜約0.3重量%の、少なくとも200,000の分子量を有する布地柔軟化四級化ポリマーを含有する。1つの実施形態では、布地柔軟化四級化ポリマーは、400,000超の分子量を有する。
【0050】
1つの実施形態では、布地柔軟化四級化ポリマーは、カチオン性ヒドロキシエチルセルロースである。理論に縛られるものではないが、一部の消費者、特に日本の消費者は、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース等の天然由来の材料を含有する洗剤組成物を好む。しかし、好適な分子量を有する限り、代替物として合成材料(PAM/MAPTAC等)を用いてもよい。
【0051】
本明細書で有用な他の布地柔軟化四級化ポリマーとしては、任意の既知のポリクアテルニウムが挙げられるが、(a)分子量要件を満たすよう選択され、(b)25,000以上の分子量を有するポリエチレンイミンは布地柔軟化四級化ポリマーから除く(高分子量布地柔軟化四級化ポリマーと組み合わせられたポリエチレンイミンは望ましくない製剤をもたらす沈殿を形成する場合があることが見出されている)ことを条件とする。
【0052】
1つの実施形態では、布地柔軟化四級化ポリマーは、デンプン又はゴム由来であり得る任意のカチオン性ポリヒドロキシ化合物等の天然由来のヒドロキシル置換誘導体である。
【0053】
布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤
本明細書における水性洗濯洗剤組成物は、組成物の約0.1重量%〜約6重量%の、約1000未満の分子量を有する布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤を含有する。1つの実施形態では、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤は、約600未満、あるいは約300未満、あるいは更に200未満の分子量を有する。
【0054】
1つの実施形態では、組成物は、組成物の約1重量%〜約4重量%、あるいは約1重量%〜約3重量%の布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤を含有する。
【0055】
1つの実施形態では、アニオン性界面活性剤の布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤に対する比は、約3:1〜約20:1である。
【0056】
好ましい訳ではないが、本明細書では、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤としてドデシルジメチルアミン−N−オキシド等のアミンオキシドを利用することも可能である。これは特に、約6〜約8.5のpHの範囲内の低pH洗剤実施形態で選択される。理論に縛られるものではないが、pHが低下するにつれて比率が増加するアミンオキシドはプロトン化され、アミンオキシドは、永続的にカチオン性の界面活性剤の代用品として挙動する。
【0057】
1つの実施形態では、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤は水溶性であり、4つ以下の四級化窒素原子を含む。
【0058】
1つの実施形態では、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤は、10ppm未満、より好ましくは2ppm未満のトリメチルアミン及び/又はジメチルアミン不純物を含有する。理論に縛られるものではないが、10ppm超のトリメチルアミン及び/又はジメチルアミンを含有する組成物は、匂い品質が低い。
【0059】
1つの実施形態では、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤は水溶性であり、1つの四級化窒素原子を含み、更に1つの長鎖ヒドロカルビル基を含有する。別の実施形態では、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤は、水溶性アルキルトリメチルアンモニウム塩又はそのヒドロキシアルキル置換類似体から選択される。
【0060】
1つの実施形態では、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤は、式R(式中、RはC〜C16アルキルであり、R、R及びRはそれぞれ独立してC〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−(CO)H(式中xは2〜5の値を有し、Xはアニオンである)から選択され、R、R又はRのうち1つ以下はベンジルである)を有する化合物から選択される。
【0061】
好ましい実施形態では、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤は、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドであるが、代わりにブロミド、メトサルフェート、又は他の水溶性アニオンをクロリドの代用品として用いてもよい。
【0062】
増粘剤(THIXCIN)
本発明の水性洗剤組成物は、組成物の約0.05重量%〜約0.5重量%の非四級化非ポリアミン増粘剤を含有する。本明細書において有用な増粘剤としては、レオロジー変性剤、構造剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0063】
本明細書で有用な構造剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えばDow Chemical製商品名METHOCEL(登録商標)、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、サクシノグリカン及びトリヒドロキシステアリンが挙げられる。構造剤の他の代表的な例としては、非高分子ヒドロキシ官能性構造剤が挙げられる。理論に縛られるものではないが、構造剤は、液体製品中で所望のレオロジー特性を確立するために洗剤組成物に組み込まれる。
【0064】
本明細書で有用な他の構造剤としては、インサイチュでマトリクス内にて結晶化されたとき、液体マトリクス全体にわたって糸状構造系を形成できる非ポリマー結晶性ヒドロキシ官能性物質が挙げられる。かかる物質は、一般に、結晶性ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪酸エステル又は脂肪ろうとして特徴付けることができる。ヒドロキシル含有構造剤の例としては、ヒマシ油及びその誘導体が挙げられる。より具体的には、本明細書で有用なのは、硬化ヒマシ油及び硬化ヒマシろう等の硬化ヒマシ油誘導体である。市販のヒマシ油系結晶性ヒドロキシル含有構造剤としては、Rheox,Inc.製THIXCIN(登録商標)が挙げられる。米国特許第6,080,708号及び国際公開第02/40627号も参照されたい。別の市販の構造剤は、R,R及びS,S形態の1,4−ジ−O−ベンジル−D−トレイトール、並びに光学活性な又は光学活性でない任意の混合物である。
【0065】
本明細書における構造剤又は増粘剤は、好ましくは加水分解されないが、誤解を避けるために、本明細書における洗剤組成物は、種々のヒドロキシステアリン酸又はその塩等の増粘剤の加水分解により誘導される脂肪酸又は脂肪石鹸を含有していてもよい。
【0066】
1つの実施形態では、非四級化非ポリアミン増粘剤が、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、サクシノグリカン、トリヒドロキシステアリン、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシろう、及びこれらの混合物から選択される。
【0067】
アニオン性界面活性剤
本明細書における水性洗濯洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤を含有する。洗濯洗剤で用いるための当該技術分野で既知である非石鹸アニオン性界面活性剤のいずれを利用してもよい。組成物は、組成物の約5重量%〜約30重量%の非石鹸アニオン性界面活性剤を含有する。1つの実施形態では、組成物は、組成物の約6重量%〜約15重量%、あるいは約6重量%〜約8重量%の非石鹸アニオン性界面活性剤を含有する。
【0068】
1つの実施形態では、アニオン性界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、分枝鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルポリ(エトキシレート)、アルキルサルフェート、メチルエステルスルホネート、及びこれらの混合物から選択される。アニオン性界面活性剤の親水性指数は広範囲にわたって異なってもよい。
【0069】
本明細書で有用なアニオン性界面活性剤の例としては、直鎖又は修飾、例えば分枝鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、アルキルポリ(エトキシレート)界面活性剤、アルキルサルフェート、メチルエステルスルホネート、又はこれらの混合物等の一般的なアニオン性界面活性剤のいずれかが挙げられる。一般的に言えば、本明細書に有用なアニオン性界面活性剤は、米国特許第4,285,841号(Barratら、1981年8月25日発行)、及び米国特許第3,919,678号(Laughlinら、1975年12月30日発行)に開示されている。
【0070】
有用なアニオン性界面活性剤としては、水溶性塩、特に約10〜約20の炭素原子を含有するアルキル基及びスルホン酸又は硫酸エステル基を分子構造の中に有する有機硫黄反応生成物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、並びにアルキロールアンモニウム(例えば、モノエタノールアンモニウム又はトリエタノールアンモニウム)塩が挙げられる(用語「アルキル」にはアリール基のアルキル部分が含まれる)。合成界面活性剤のこの種類の例は、アルキルサルフェート、特に例えばタロー又はココナツ油のグリセリドの還元により生成されるものなどの、高級アルコール(C8〜18の炭素原子)の硫酸化により得られるものである。
【0071】
本明細書のその他のアニオン性界面活性剤は、以下の水溶性塩である:約8〜約24(好ましくは12〜18)個の炭素原子を含有するパラフィンスルホネート;アルキルグリセリルエーテルスルホネート、特にC8〜18アルコール(例えば、タロー及びココヤシ油から誘導されるもの)のエーテル;1分子当たり1〜4単位のエチレンオキシドを含有し、アルキル基に約8〜約12個の炭素原子を含有するアルキルフェノールエチレンオキシドエーテルサルフェート;並びに1分子当たり約1〜約4単位のエチレンオキシドを含有し、アルキル基に約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキルエチレンオキシドエーテルサルフェート。
【0072】
本明細書の他の有用なアニオン性界面活性剤としては、脂肪酸基の中に約6〜20個の炭素原子を、及びエステル基の中に約1〜10個の炭素原子を含有する、α−スルホン化脂肪酸のエステルの水溶性塩;アシル基の中に約2〜9個の炭素原子を、及びアルカン部分に約9〜約23個の炭素原子を含有する、2−アシルオキシ−アルカン−1−スルホン酸の水溶性塩;約12〜24個の炭素原子を含有するオレフィンスルホネートの水溶性塩;並びにアルキル基の中に約1〜3個の炭素原子を、及びアルカン部分に約8〜20個の炭素原子を含有する、β−アルキルオキシアルカンスルホネートが挙げられる。
【0073】
本明細書で特に好ましいアニオン性界面活性剤は、次式のアルキルポリエトキシレートサルフェートであり、
RO(CO)SO
式中、Rは、約10〜約22個の炭素原子を有する飽和又は不飽和のアルキル鎖であり、アルキル鎖の最も長い直鎖部分は、炭素原子数が平均して15個以下であり、Mは、化合物を水溶性にするカチオンであり、特にアルカリ金属、アンモニウム、又は置換アンモニウムカチオンであり、xは、1〜約15である。
【0074】
その他の好ましいアニオン性界面活性剤は、非エトキシル化C12〜15一級及び二級アルキルサルフェートである。冷水洗浄条件下、即ち約18.3℃(65°F)未満では、そのようなエトキシル化及び非エトキシル化のアルキルサルフェートの混合物が存在することが好ましい。
【0075】
アルキルサルフェートと上述したパラフィンスルホネート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、及びα−スルホン化脂肪酸のエステルとの混合物もまた好ましい。
【0076】
アニオン性界面活性剤はまた、アルキルベンゼンスルホネートから選択してもよい。1つの実施形態では、組成物は、組成物の6重量%未満のアルキルベンゼンスルホネートを含む。これらとしては、アルキル基が約9〜約15個の炭素原子を直鎖又は分枝鎖構成で含有するアルキルベンゼンスルホネート、例えば、米国特許第2,220,099号及び第2,477,383号に記載される種類のものが挙げられる。
【0077】
石鹸
本明細書における水性洗濯洗剤組成物は石鹸を含有してもよい。本発明は石鹸を有さない実施形態も含むが、好ましい実施形態は石鹸を含む。理論に縛られるものではないが、石鹸は部分的に界面活性剤として、及び部分的にビルダーとして作用し、発泡抑制にも有用である場合があるため、石鹸を含むことが望ましい場合がある。更に、理論に縛られるものではないが、石鹸は組成物の種々のカチオン性化合物と都合よく相互作用して、本発明の組成物で処理された(treaded)繊維製品の布地の柔軟性を高めることができる。洗濯洗剤で用いるための当該技術分野で既知である石鹸のいずれを利用してもよい。1つの実施形態では、組成物は0重量%〜約20重量%、あるいは約0.5重量%〜約20重量%、あるいは約4重量%〜約10重量%、あるいは約4重量%〜約7重量%の石鹸を含有する。
【0078】
本明細書で有用な石鹸の例としては、オレイン酸石鹸、パルミチン酸石鹸、パーム核脂肪酸石鹸、及びこれらの混合物が挙げられる。典型的な石鹸は、異なる鎖長及び置換度を有する脂肪酸石鹸の混合物の形態である。かかる混合物の1つは、抜頭(topped)パーム核脂肪酸である。
【0079】
1つの実施形態では、石鹸は遊離脂肪酸から選択される。好適な脂肪酸は、飽和及び/又は不飽和であり、植物又は動物性エステル(例えば、パーム核油、パーム油、ココヤシ油、ババス油、ベニバナ油、トール油、ヒマシ油、タロー及び魚油、グリース、並びにこれらの混合物)のような天然資源から得ることができ、又は合成的に(例えば、石油の酸化によって又はフィッシャートロプシュ(Fisher Tropsch)法による一酸化炭素の水素添加によって)調製される。本発明の組成物への使用に好適な飽和脂肪酸の例としては、カプリン(captic)酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びベヘン酸が挙げられる。好適な不飽和脂肪酸種としては、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸及びリシノール酸が挙げられる。好ましい脂肪酸の例は、飽和C12脂肪酸、飽和C12〜C14脂肪酸、及び飽和又は不飽和C12〜C18脂肪酸、並びにこれらの混合物である。
【0080】
存在するとき、布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤の脂肪酸に対する重量比は、好ましくは約1:3〜約3:1、より好ましくは約1:1.5〜約1.5:1、最も好ましくは約1:1である。
【0081】
本明細書において石鹸及び非石鹸アニオン性界面活性剤の濃度は、酸型を基準として特定した、洗剤組成物の重量%である。しかし、当該技術分野で一般的に理解されているように、アニオン性界面活性剤及び石鹸は、水酸化ナトリウム又はモノエタノールアミン等のナトリウム、カリウム、又はアルカノールアンモニウム塩基を用いて実際には中和される。
【0082】
非イオン性界面活性剤
本明細書における水性洗濯洗剤組成物は、非イオン性界面活性剤を含有する。洗濯洗剤で用いるための当該技術分野で既知の非イオン性界面活性剤のいずれを利用してもよい。組成物は、組成物の約0.5重量%〜約30重量%の非イオン性界面活性剤を含有する。1つの実施形態において、組成物は、組成物の約5重量%〜約15重量%、あるいは約8重量%〜約12重量%の非イオン性界面活性剤を含有する。
【0083】
1つの実施形態では、アニオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤に対する比は1以上である。
【0084】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の例としては、C12〜C16(EO)xH(式中EOはエチレンオキシドを表し、xは1〜8の範囲であってよい)等の長鎖アルキルポリ(エトキシレート)が挙げられる。
【0085】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の他の例としては、エトキシル化非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの物質については米国特許第4,285,841号(Barratら、1981年8月25日発行)に記載されている。1つの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、式R(OCOHのエトキシル化アルコール及びエトキシル化アルキルフェノールから選択され、式中、Rは、約8〜約15個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカル及びアルキル基が約8〜約12個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択され、nの平均値は、約5〜約15である。これらの界面活性剤は、米国特許第4,284,532号(Leikhimら、1981年8月18日発行)により詳しく記載されている。1つの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、アルコール中に平均約10〜約15個の炭素原子と、アルコール1モル当たり約6〜約12モルのエチレンオキシドの平均エトキシル化度とを有するエトキシル化アルコールから選択される。
【0086】
ヒドロトロープ
本明細書における水性洗濯洗剤組成物はヒドロトロープを含有してもよい。1つの実施形態では、組成物は、組成物の0重量%〜約5重量%、あるいは約0.5重量%〜約5重量%、あるいは約3重量%〜約5重量%のヒドロトロープを含有する。洗濯洗剤で用いるための当該技術分野で既知のヒドロトロープのいずれを利用してもよい。
【0087】
本明細書で有用なヒドロトロープの例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカノールアンモニウム塩、並びにクメンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びこれらの混合物の酸型が挙げられる。
【0088】
理論に縛られるものではないが、製剤の粘度が高くなりすぎるのを防ぐため、ヒドロトロープを利用することが望ましい。1つの実施形態では、水性洗濯洗剤の粘度は、ヒドロトロープ及び非カチオン性増粘剤の利用により独立に制御される。
【0089】
香料
本明細書における水性洗濯洗剤組成物は、組成物の約0.05重量%〜約0.5重量%、あるいは約0.01重量%〜約0.5重量%の、(LUPASOL(商標)等の)香料付着ポリアミンにより促進された付着物を有することができる香料を含有する。
【0090】
1つの実施形態では、本明細書で有用な香料は、上記中分子量ポリマー等の、少なくとも幾つかの一級アミン部分を含む中分子量水分散性又は可溶性ポリマーに特異的に相互作用する。
【0091】
本明細書で有用な香料としては、デルタ−ダマスコン、4−メトキシベンズアルデヒド;4−フェニルブタン−2−オン;3,7−ジメチル−2−メチレン−6−オクテナール;4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)ブタ−3−エン−2−オン;2,4−ジメチルシクロヘキサ−3−エン−1−カルバルデヒド;2−メチル−3−(パライソプロピルフェニル)プロピオンアルデヒド;2−ブテン−1−オン,1−(2,6,6−トリメチル−1,3−シクロヘキサジエン−1−イル)−;1−シクロヘキシル−エチレン−クロトネート;1−(2,6,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−イル)−2−ブテン−1−オン;3−メチルシクロペンタデセノン;4−(2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセニル)ブタン−2−オン;2,5−ジメチル−2−オクテン−6−オン;ジヒドロ−ノル−シクロペンタジエニルアセテート;3−(o−(及びp−)エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロピオンアルデヒド;3−(3−イソプロピルフェニル)ブタナール;3−ブテン−2−オン,3−メチル−4−(2,6,6−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−イル)−;α−メチル−3,4(メチレンジオキシ)ヒドロシンナムアルデヒド;n−ヘキシルオルトヒドロキシベンゾエート;7−アセチル−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−1,1,6,7,テトラメチルナフタレン;4−(1−エトキシビニル)−3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキサン−1−オン;2−シクロヘキセン−1−オン,2−メチル−5−(1−メチルエテニル)−,(R)−;2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド;3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オル;2,6−ジメチル−5−ヘプテナール;メチルジヒドロジャスモネート;メチルノニルアセトアルデヒド;6,6−ジメトキシ−2,5,5−トリメチルヘキサ−2−エン;2−シクロヘキセン−1−オン,2−メチル−5−(1−メチルエテニル)−,(R)−;オクトアルデヒド;2−シクロヘキシル−1,6−ヘプタジエン−3−オン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0092】
1つの実施形態では、香料はデルタ−ダマスコンである。
【0093】
pH調整剤
中和剤及び緩衝剤を用いて、目標とする組成物のpHを達成することができる。ナトリウム、カリウム、及びアルカノールアミンを中和剤として用いることができる。ホウ酸塩若しくは他の緩衝剤、又はホウ酸−ポリオールpHジャンプ系も、同様に本明細書で利用することができる。
【0094】
任意成分
本発明の洗剤組成物には任意の数のその他の任意成分が含まれてよい。これらとしては、パールエッセンス剤、洗浄性ビルダー、酵素、酵素安定剤(プロピレングリコール、ホウ酸及び/又はホウ砂など)、泡抑制剤、汚れ懸濁剤、汚れ放出剤、他の布地ケア有益剤、pH調整剤、キレート化剤、スメクタイト粘土、溶媒、相安定剤、構造剤、移染抑制剤、光学的増白剤、香料、香料マイクロカプセル、染料、及び着色剤等の従来の洗濯洗剤組成物成分が挙げられる。種々の任意の洗剤組成物成分は、本明細書の組成物中に存在する場合、それらの望ましい貢献を組成物又は洗濯操作にもたらすため、慣習的に使用されている濃度で利用されるべきである。多くの場合、そのような任意の洗剤組成物成分の合計量は組成物の約10重量%〜約50重量%、より好ましくは約30重量%〜約40重量%であることができる。
【0095】
製品形態
本明細書における水性洗濯洗剤組成物は、透明であっても曇っていてもよく、光学的に等方性である必要はない。混乱を避けるために、保存時(凍結−融解試験を含む)に固体が付着しない限り、曇り又は不透明は製品の不安定性にはならない。
【0096】
安定性
理論に縛られるものではないが、本発明の液体洗剤組成物は、凍結−融解試験条件においてでさえも非常に安定である。
【0097】
家庭用洗濯機における組成物の使用
洗濯機は様々な国に適合しているので、本組成物は、洗濯機の大きさ、汚れの程度、及び使用する地域によって、約20ミリリットル〜約130ミリリットルの典型的な用量で、家庭用洗濯機で使用することができる。日本の洗濯機で用いる場合、典型的な用量は約20ミリリットル〜約40ミリリットルである。組成物は、上開き型又は水平型若しくは傾斜軸型洗濯機で用いることができる。
【実施例】
【0098】
以下の実施例は本発明の組成物を説明するが、本明細書の発明の範囲を限定する又は別の方法で定義することを必ずしも意味しない。
【0099】
(実施例1A及び1B)
本発明による2つの組成物を、示す比率で表Iに列挙された成分を組み合わせる従来の手段により調製する。
【表1】

【0100】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」も含む。
【0101】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0102】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カチオン性布地柔軟化剤と香料付着ポリマーとを含み、6〜11のpHを有する液体又はゲル形態の水性洗濯洗剤組成物であって、
a)前記組成物の5重量%〜30重量%の非石鹸アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の0重量%〜20重量%の石鹸と、
c)前記組成物の0.5重量%〜30重量%の非イオン性界面活性剤と、
d)前記組成物の0重量%〜5重量%のヒドロトロープと、
e)前記組成物の0.1重量%〜6重量%の、1000未満の分子量を有する布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤と、
f)前記組成物の0.05重量%〜1重量%の布地柔軟化四級化ポリマーであって、少なくとも200,000の分子量を有する、布地柔軟化四級化ポリマーと、
g)前記組成物の0.01重量%〜0.5重量%の香料付着ポリアミンであって、5,000〜50,000の分子量を有する、香料付着ポリアミンと、
h)前記組成物の0重量%〜0.5重量%の非四級化非ポリアミン増粘剤と、
i)前記組成物の0.01重量%〜0.5重量%の香料と、
を含む、水性洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記非石鹸アニオン性界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、分枝鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルポリ(エトキシレート)、アルキルサルフェート、メチルエステルスルホネート、及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の洗濯組成物。
【請求項3】
前記組成物が、前記組成物の4重量%〜10重量%の石鹸を含み、前記石鹸が、オレイン酸石鹸、パルミチン酸石鹸、パーム核脂肪酸石鹸、及びこれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
非イオン性界面活性剤の非石鹸アニオン性界面活性剤に対する比が少なくとも1:1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
ヒドロトロープが、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカノールアンモニウム塩、並びにクメンスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸及びこれらの混合物の酸型から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項6】
前記布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤が水溶性であり、1つの四級化窒素原子を含み、分子量が300未満である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項7】
前記布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤が、式R(式中、RはC〜C16アルキルであり、R、R及びRがそれぞれ独立してC〜Cアルキル、C〜Cヒドロキシアルキル、ベンジル、及び−(CO)H(式中xは2〜5の値を有し、Xはアニオンである)から選択され、
、R又はRのうち1つ以下がベンジルである)を有する化合物から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項8】
前記布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤がドデシルトリメチルアンモニウムクロリドである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
前記布地柔軟化四級化ポリマーが、天然由来のヒドロキシル置換誘導体であり、好ましくはカチオン性ヒドロキシエチルセルロースである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項10】
前記香料付着ポリアミンが、ポリエチレンイミンポリマー;ポリ[オキシ(メチル−1,2−エタンジイル)]−(2−アミノメチルエチル)−−(2−アミノメチル−エトキシ);ポリ[オキシ(メチル−1,2−エタンジイル)]−ヒドロ−)−−(2−アミノメチルエトキシ)−エーテルと2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール;2,2’,2”−トリアミノトリエチルアミン;2,2’−ジアミノ−ジエチルアミン−I 3,3’−ジアミノ−ジプロピルアミン、1,3ビスアミノエチル−シクロヘキサン;C12ステルナミン;及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項11】
前記香料がデルタ−ダマスコンを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項12】
前記非四級化非ポリアミン増粘剤が、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、サクシノグリカン、トリヒドロキシステアリン、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシろう、及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項13】
前記組成物が、酵素安定剤、染料、増白剤、乳白剤、パールエッセンス剤、香料マイクロカプセル、及びこれらの混合物から選択される洗濯添加剤を更に含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項14】
1%溶液で7.5〜9.5のpHを有する請求項1〜13のいずれか一項に記載の水性洗濯洗剤組成物であって、
a)前記組成物の5重量%〜30重量%の非石鹸アニオン性界面活性剤と、
b)前記組成物の1重量%〜15重量%の石鹸と、
c)前記組成物の0.5重量%〜30重量%の非イオン性界面活性剤と、
d)前記組成物の0.5重量%〜5重量%のヒドロトロープと、
e)前記組成物の0.5重量%〜5重量%の、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドから選択される布地柔軟化カチオン性補助界面活性剤と、
f)前記組成物の0.05重量%〜1重量%の布地柔軟化四級化ポリマーであって、少なくとも400,000の分子量を有する、布地柔軟化四級化ポリマーと、
g)前記組成物の0.01重量%〜0.5重量%の、10,000〜30,000の分子量を有するポリエチレンイミンから選択される香料付着ポリアミンと、
h)前記組成物の0.05重量%〜0.5重量%の、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、及びこれらの混合物から選択される非四級化非ポリアミン増粘剤と、
i)前記組成物の0.05重量%〜0.5重量%の香料と、
を含む、水性洗濯洗剤組成物。
【請求項15】
使用しなければ固体が沈殿する傾向がある液体又はゲル洗濯洗剤組成物を安定化させるための低分子量カチオン性補助界面活性剤の使用であって、前記組成物が、
a)200,000超の分子量を有する布地柔軟化ヒドロキシル置換四級化ポリマーと、
b)50,000未満の分子量を有する香料付着ポリアミンと、
を含む、使用。

【公表番号】特表2011−522914(P2011−522914A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510648(P2011−510648)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/044513
【国際公開番号】WO2009/146275
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】