説明

実質的に気密式に流路を遮断するためのバルブ

本発明は、流路(F)を気密式に遮断するためのバルブに関する。バルブは、バルブハウジング(1)と、バルブプレート(5)と、バルブプレート(5)を開放位置(O)と閉鎖位置(C)との間でシフトすることができる駆動部(7)とを有する。本発明によると、バルブは、連結位置(K)において、バルブプレート上のバルブプレート(5)の第一のシール(21)に対して連結および分離することができ、係留位置(P)において、バルブハウジング(1)の係留部における係留部(8)の第二のシート(22)に対して連結および分離することができる、シール支持部(30)を有する。第一のシール(31)が連結位置(K)および閉鎖位置(C)でバルブシート(4)に気密式に接触し、第一のシール(31)とバルブプレート(5)上にある閉鎖表面(13)との間に気密接続が形成されるように、第一のシール(31)がシール支持部(30)上に配置される。シール支持部(30)は、第一の連結手段(33)により、連結位置(K)でバルブプレート(5)の第一のシート(21)に分離可能に連結することができる。シール支持部(30)は、第二の連結手段(34)により、係留位置(P)で係留部(8)の第二のシート(22)に分離可能に連結することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部分に従い、実質的に気密式に流路を遮断するためのバルブに関する。特に、ペンデュラムバルブまたはスライドバルブの形態のそのようなバルブは、主に真空技術で使用される。
【0002】
導入で述べた種類のバルブは、先行技術の様々な実施態様で公知であり、特に、可能な限り汚染粒子が存在しない保護された雰囲気下で行われる必要がある、IC、半導体または基板生産の領域の真空チャンバシステムに使用される。この種の真空チャンバシステムは、とりわけ、加工または製造される半導体素子または基板を受けるために提供され、半導体素子または他の基板を真空チャンバの内外に誘導することができる、少なくとも一つの真空チャンバ開口部を有する、少なくとも一つの排気可能な真空チャンバと、真空チャンバを排気するための少なくとも一つの真空ポンプも含む。一例として、半導体ウエハまたは液晶基板の生産設備では、極めてデリケートな半導体または液晶素子が順次、複数のプロセス真空チャンバを通じて通過し、プロセス真空チャンバ内に配設された部品が各加工装置によって加工される。プロセス真空チャンバ内での加工プロセス中およびチャンバからチャンバへの搬送中の両方において、極めてデリケートな半導体素子または基板は、常に、保護された雰囲気下−とりわけ、排気された環境下に配設される必要がある。
【0003】
この目的のため、第一に、ガス供給部または放出部を開放および閉鎖するための周辺バルブと、第二に、部品を内外に誘導するため、真空チャンバの移送開口部を開放および閉鎖するための移送バルブとが使用される。
【0004】
半導体部品が横断する真空バルブは、記載する適用分野および関連する寸法決めのために真空移送バルブと呼称され、その矩形の開口部断面のために矩形バルブとも呼称され、その慣習的な機能のためにスライドバルブ、矩形スライドまたは移送スライドバルブとも呼称される。
【0005】
周辺バルブは、とりわけ、真空チャンバと真空ポンプまたはさらなる真空チャンバとの間のガス流を制御または調整するために使用される。周辺バルブは、例として、プロセス真空チャンバまたは移送チャンバと、真空ポンプ、雰囲気またはさらなるプロセス真空チャンバとの間の配管システム内に配設される。ポンプバルブとも呼ばれるそのようなバルブの開口部断面は、一般的に、真空移送バルブの場合よりも小さい。周辺バルブは、使用分野に応じ、開口部を完全に開放および閉鎖するのみならず、開口部断面を全開放位置と気密閉鎖位置との間で連続的に調節することにより、通過流を制御または調整するためにも使用されることから、調整バルブとも呼称される。ガス流を制御または調整するための一つの可能な周辺バルブは、ペンデュラムバルブである。
【0006】
通常のペンデュラムバルブでは、例として、米国特許第6,089,537号(Olmsted)で公知のように、第一の工程において一般的に円形のバルブプレートが同様に一般的に円形の開口部を介し、開口部を解放する位置から開口部を覆う中間位置まで回転旋回する。スライドバルブの場合、例として、米国特許第6,416,037号(Geiser)または米国特許第6,056,266号(Blecha)に記載されるように、バルブプレートおよび開口部は、通例、矩形式に具現化され、この第一の工程では開口部を解放する位置から開口部を覆う中間位置まで直線的に押される。ペンデュラムまたはスライドバルブのバルブプレートは、この中間位置では、開口部を包囲するバルブシートに対して離間した対向位置に配設される。第二の工程では、バルブプレートおよびバルブシートが相互に均一に押し付けられ、開口部が実質的に気密式に閉鎖されるように、バルブプレートとバルブシートとの間の距離が減少する。この第二の移動は、好ましくは、バルブシートに対して実質的に垂直な方向に生じる。開口部を周方向に包囲するバルブシートに押し付けられる、バルブプレートの閉鎖側面に配置されるシールリングによるか、バルブプレートの閉鎖側面が押し付けられる、バルブシートのシールリングによるかのいずれかなどにより、密閉を生じることができる。第二の工程におけるバルブプレートの移動は、バルブシートに垂直に実質的に直進して行われることから、二つの工程で生じる閉鎖動作により、バルブプレートとバルブシートとの間の密閉リングは、密閉リングを破壊するであろう剪断力をほとんど受けない。
【0007】
先行技術、例として、ペンデュラムバルブについての米国特許第6,089,537号(Olmsted)およびスライドバルブについての米国特許第6,416,037号(Geiser)では、開口部を介したバルブプレートの平行な移動−ペンデュラムバルブの場合は回転およびスライドバルブの場合は並進−と、開口部に垂直である実質的な並進移動との組み合わせを得るため、様々な駆動部システムが開示されている。
【0008】
米国特許第2007/0138424号(Geiser)および米国特許第2007/0138425号(Geiser)は、実質的に気密式に流路を遮断するためのバルブ、とりわけ、ペンデュラムまたはスライドバルブを開示している。バルブは、第一の開口部および第一のバルブシートを有する、第一の壁を有するバルブハウジングと、密閉リングを持つ閉鎖側面を有するバルブプレートと、少なくとも一つの駆動部とを含む。駆動部により、バルブプレートが第一のバルブシートに実質的に平行な開放位置から旋回可能または変位可能であり、密閉リングと第一のバルブシートとの間の軸方向の密閉接触により、閉鎖位置で実質的に気密式に流路が遮断されるように、バルブプレートと第一のバルブシートとの間の垂直距離を減少させることができる。バルブプレートは、駆動部に接続され、第一のバルブシートに対して垂直な方向に密閉リングを固定する外側プレート部と、外側円周表面を有し、第一のバルブシートに実質的に垂直な方向において、外側プレート部に対して相対的に可動式に設置される内側プレート部とを含む。外側円周表面は、密閉リングにより、実質的に気密な内面密閉式に囲まれる。それゆえに、閉鎖位置では、外側プレート部から垂直に分離する方式で内側プレート部がバルブハウジングの一部、とりわけ、第一のバルブシートまたは水平溝で支持されるように、バルブプレートにおける圧力差が実質的に内側プレート部に作用する。
【0009】
さらに、単一の直線移動で閉鎖および密閉動作が生じるスライドバルブが公知である。これらは、多様な実施態様で記載され、例として、ウェッジバルブまたは例として、製品呼称「MONOVAT Series 02および03」で公知であり、矩形インサートバルブとして構成される、スイス国ハーグのVAT Vakuumventile AGの移送バルブがある。そのようなバルブの構造および機能は、例として、米国特許第4,809,950号(Geiser)および米国特許第4,881,717号(Geiser)に記載されている。
【0010】
様々な密閉装置が先行技術、例として、米国特許第6,629,682B2号(Duelli)に記載されている。シールリングの好適な材料は、例として、商標名Viton(商標)で公知の弾性シール材料である。
【0011】
真空バルブの動的シールと静的シールとの間で区別がなされるべきである。
【0012】
静的シールは、気密式にバルブを閉鎖する動作に直接的に関与しない。静的シールは、とりわけ、真空バルブの接続部、すなわち、例として、真空バルブ接続部と、プロセスチャンバ、搬送チャンバ、真空ポンプまたはパイプラインシステムなど、真空バルブが接続される真空装置との間に配設される。真空バルブが真空装置に設置された後、シールに作用する力が実質的に一定であり、真空バルブが設置された後、気密接触が比較的長い期間にわたって持続することから、静的シールは、一般的に動的シールよりも低い機械的負荷を受ける。また、静的シールは、バルブハウジングの内部を通じて流れる−おそらく攻撃的である−媒体にあまりさらされない。静的シールへの化学的および侵食的影響は、一般的に動的シールの場合よりも小さい。
【0013】
動的シールは、とりわけ、バルブシートと可動バルブ閉鎖部、例として、バルブプレートとの間の気密な密閉のために機能する。ここでもまた、バルブの作動ならびに気密な閉鎖および開放時に動的シールが動的負荷にさらされ、したがって、必然的に特定の機械的摩耗を受ける。また、動的シールは、バルブを通じて流れる媒体に有意な程度にさらされる。この場合、媒体が直接的に動的シールを通り過ぎて流れることから、これは、主にバルブ閉鎖部が中間位置にある場合である。バルブ閉鎖部が全開放されるときに動的シールを保護し、動的シールを媒体の通過流に直接的にさらさないため、先行技術から公知の真空バルブは、一部では、その全開放位置にあるバルブ閉鎖部が直接的な通過流領域から旋回して出る、少なくとも部分的に保護された領域をバルブハウジング内に提供する。しかし、開放断面が減少のみするように、全開放位置と気密閉鎖位置との間の中間位置にバルブ閉鎖部が配設される位置において、そのようなバルブが動作する場合、バルブを通じて流れる媒体に必然的に動的シールがさらされ、その結果、化学的効力および侵食のために動的シールの増大した摩耗が起こる。
【0014】
数多くのプロセスでは、密閉材料を相当な程度に化学的に攻撃する攻撃的ガス−例として、攻撃的プラズマ流動−が使用される。特に、半導体産業分野のエッチングプロセスまたはコーティングプロセスでは、エッチングまたはコーティングプロセスが行われるプロセス真空チャンバを通じた攻撃的ガスの流れは、周辺バルブによって調整される。好ましくは、ペンデュラムバルブが周辺バルブとして使用される。減少および増加するバルブの開口部断面により、攻撃的ガスの通過流が調整される。バルブがこの調整モードにある加工プロセスでは、バルブが規則的に調節されるものの、バルブを完全に閉鎖することが求められない。バルブプレートおよびそのシールは、開放位置と閉鎖位置との間の中間位置において、常にバルブの開口部断面に突出し、攻撃的ガスがバルブプレートおよびそのシールを通り過ぎて流れることから、この調整モードでは、バルブプレートおよびそのシールの両方が攻撃的ガスによって化学的に強く影響される。この種のプロセスでは、調整モードがバルブの使用時間の約95%を占める一方、閉鎖モードは、時間比率の5%のみを形成する。この場合、整備および清掃作業中にのみ、気密な閉鎖を生じさせる必要がある。調整に使用される周辺バルブが用いられるIC、半導体または基板生産分野のプロセスでは、バルブの調整サイクルに対する閉鎖サイクルの比が約2000000対50であることが調査で示された。そのため、気密な閉鎖ではなく、むしろ、バルブ開口部断面を減少および増加させるため、バルブが使用されるサイクルの比率がしたがって大幅に優勢である。したがって、動的シールの不定期のみの使用にもかかわらず、バルブの閉鎖により、シールが一切またはほとんど機械的負荷にさらされないものの、これらの化学的攻撃のため、動的シールを規則的な間隔で交換する必要がある。プロセスに応じ、動的シールを週毎に交換する必要がある。これは、時間を消費し、生産プロセスの遮断につながる。
【0015】
半導体技術の進歩の結果として、近年、真空バルブ技術に伴う要求も継続的に提起されている。新たな半導体生産方法では、したがって、真空バルブのシールをなおより短い間隔で交換することが要求される。これまでに先行技術から公知の真空バルブは、例として、静的シールとして具現化されるOリングを交換することにより、シールの交換を部分的に許容する。しかし、接続部が加硫静的シールを有する真空バルブは、シールの迅速な交換を不可能にし、結果として、いくつかの事例では、バルブプレート全体を交換する必要がある。
【0016】
この理由のため、例として、シールが配置されるバルブプレートの除去およびバルブプレートの新たなバルブプレートとの交換により、動的シールの簡易な交換が可能であるように、記述する種類の真空バルブは、規則的に組み立てられる。この目的で設計され、バルブプレートの簡易な除去のための保守開口部と、バルブプレートとバルブ駆動部の押しロッドとの間の−早急な交換に好適な−インタフェースとを提供する、真空スライドバルブおよび適切な多機能ツールも、米国特許第7,134,642号(Seitz)に記載されている。
【0017】
しかし、シールまたはバルブ閉鎖部全体をなお比較的高速および簡易に交換するには、チャンバに大気空気を充満させ、交換部品を使用する特定の状況下において、プロセスの遮断が要求される。シールの寿命を増大させ、したがって、保守および交換間隔を増大させることが望ましいであろう。
【0018】
そのため、本発明の一つの目標は、実質的に気密式に流路を遮断するためのバルブであって、前記バルブの動的シールが増大した寿命を有する、バルブを提供することである。
【0019】
本発明のさらなる目標は、バルブの動的シールの寿命が増大するように、先行技術から公知の記載されるバルブを改良することである。
【0020】
本発明のさらなる目標は、バルブプレートの開放位置および中間位置において、バルブを通じて流れる媒体により、動的シールが制限された程度のみに攻撃されるか、まったく攻撃されない、バルブを提供することである。
【0021】
これらの目標は、独立特許請求項の特徴的なフィーチャの実現により、達成される。代替または有利な方式で本発明を展開するフィーチャは、独立特許請求項から推察することができる。
【0022】
本発明は、バルブプレートおよびバルブハウジングの係留部に連結し、再度、分離することができるシールキャリヤを提供することに基づく。バルブプレートにより、気密式にバルブ開口部を閉鎖することができるようにするため、バルブ開口部を気密式に閉鎖することを目的として、第一のシールを持つバルブプレートがバルブシートに押し付けられることができるように、動的シールとして機能するその第一のシールを持つシールキャリヤは、バルブプレート上のいわゆる連結位置に配置される。対照的に、バルブプレートによる気密な閉鎖が要求されない場合には、むしろ、バルブ開口部の断面を減少させることのみが意図され、流路を部分的に遮断することのみが意図され、第一のシールを持つシールキャリヤがバルブプレートから分離し、いわゆる係留位置でバルブハウジングの係留部に連結することができる。シールキャリヤが前記係留位置に配設されると、動的な第一のシールは、バルブを通じて流れる媒体から保護される。その後、シールキャリヤおよび第一のシールから分離したバルブプレートを使用し、バルブ開口部の断面を少なくとも部分的に覆い、したがって、開口部断面を減少および増加させることにより、通過流を調整することができ、第一のシールは、バルブを通じて流れる媒体に直接的にさらされない。
【0023】
本発明によるバルブは、したがって、二つの動作モード、つまり、気密な閉鎖が生じない、開口部断面を減少および増加させるための第一の動作モードと、バルブを完全に気密に閉鎖するための第二の動作モードとで動作することができる。シールキャリヤが係留位置に配設される第一の動作モードでは、第一のシールが媒体の通過流にさらされないことから、この動作モードでは、第一のシールは、流れて通る媒体が引き起こす化学的または侵食的摩耗を一切またはほとんど受けない。特に、第一の動作モード、すなわち、調整モードが中心的であり、気密式にバルブを閉鎖するための第二の動作モードがとりわけ、保守目的のために不定期にのみ選択される適用分野では、第一のシールの寿命が相当に増大する。本発明によるバルブは、したがって、動作モードの比率に応じ、動的シールの有意により長い寿命と、したがって、有意により長い保守間隔とで識別される。したがって、本発明によるバルブが使用される設備では、保守用の停止時間を大幅に減少させることができる。本発明によるバルブにより、調整モードにおいて、密閉材料の存在および動的シールの侵食粒子の生成によるプロセスへの化学的影響を完全に回避することができる。
【0024】
実質的に気密式に流路を遮断するための本発明によるバルブは、流路のための少なくとも一つのバルブ開口部が提供されるバルブハウジングを有する。流路は、一般的に、二つの領域間−とりわけ、半導体生産のためのプロセスチャンバと周辺装置、例えば、ポンプ、さらなるプロセスチャンバまたは外界との間−で閉鎖される開口部路を意味することが理解されるべきである。流路は、例として、プロセスチャンバとポンプとの間または相互に接続される二つのプロセスチャンバ間の接続通路である。バルブは、とりわけ、周辺バルブ、例として、それを通じてガスを運搬するためのペンデュラムバルブか、一つのプロセスチャンバから次のプロセスチャンバまたは外界に半導体部品を移送するための移送バルブであることができる。最後に述べたバルブは、記載する適用分野のために真空移送バルブとも呼称され、その通例は矩形である開口部断面のために矩形スライドとも呼称される。しかし、当然のことながら、任意の所望の流路を実質的に気密式に閉鎖するため、本発明による真空バルブの任意の他の所望の適用も可能である。
【0025】
バルブ開口部は、例として、実質的に円形、楕円形または矩形の断面を有し、バルブ開口部の領域において流路の中央を流路に平行に延伸する中心軸を有する。この開口部軸は、例として、バルブ開口部が及ぶ領域に垂直である。開口部の周りすべてに延伸するバルブシートにより、バルブ開口部が囲まれる。一例として、バルブシートの表面は、少なくとも部分的に開口部軸に平行な方向に向く。
【0026】
また、バルブは、閉鎖側面を有する調節可能なバルブプレートと、バルブプレートを開放位置と閉鎖位置との間で調節することができる手段である、少なくとも一つの駆動部も有する。駆動部を介し、開口部軸に対して少なくとも部分的に横断方向に生じる横断移動により、開放位置と閉鎖位置との間の調節が生じる。換言すると、バルブプレートは、開口部軸に垂直な少なくとも一つの方向成分を有する少なくとも一つの方向において、駆動部によって旋回可能または変位可能である。一つの可能な実施態様では、バルブシートが及ぶ領域に対して前記方向成分が平行であり、バルブシートが開口部軸に垂直に延伸するのであれば、少なくとも部分的にバルブシートに平行に移動が生じる。しかし、本発明は、バルブプレートを一つの軸に沿ってか、一つの軸の周囲で移動させることができる手段である、単軸駆動部を有するバルブのみならず、好ましくは、バルブプレートを少なくとも一つの第二の軸に沿ってか、少なくとも一つの第二の軸の周囲で移動させることもできる手段である、多軸駆動部も包含する。
【0027】
バルブプレートの閉鎖側面は、バルブプレートの閉鎖位置でバルブ開口部、とりわけ、バルブシートに向く側面である。開放位置では、バルブプレートがバルブハウジングの係留部に位置し、前記係留部がバルブ開口部に並んで側方に配置される。係留部は、一般的に、開口部断面から移動するバルブプレートが開口部に並んで配設される、バルブの領域である。バルブ開口部および流路は、開放位置で解放される。バルブは、開放位置で全開放される。閉鎖位置では、バルブプレートは、閉鎖側面上に配置される閉鎖表面でバルブ開口部を覆う。閉鎖表面は、バルブ開口部の断面を少なくとも部分的に覆うことができる手段である、とりわけ、円板、プレートまたは薄板状の任意の所望の要素または一部分である。閉鎖表面は、バルブプレートに固定式に接続され、閉鎖側面上に延伸するバルブプレートの構成部分を形成するか、−とりわけ、開口部軸に平行な方向に−閉鎖プレート上に可動式に設置されるか、バルブプレートから分離することができるかのいずれかである。動的シールとして作用する第一のシールは、閉鎖位置では、第一のシールとバルブシートとが気密に接触するように気密式にバルブシートに当接する。バルブプレートは、流路が遮断されるように気密式にバルブ開口部を閉鎖する。
【0028】
本発明によると、バルブは、少なくとも二つの通常位置を想定することができるシールキャリヤを有する。シールキャリヤは、第一の位置でバルブプレートに連結し、第二の位置で係留部に連結し、すなわち、それぞれの場合、機械的に解放可能に一時固定式に配置される。
【0029】
第一の位置は、連結位置と呼称される。シールキャリヤの連結位置では、シールキャリヤは、バルブプレート上のバルブプレートの第一のレセプタクルに連結する。第一のレセプタクルは、一般的に、シールキャリヤとバルブプレートとの間の接続を発生させることができる手段である、バルブプレートの要素または一部である。この接続を解放可能式に固定するため、バルブは、シールキャリヤをバルブプレートの第一のレセプタクルに解放可能に連結し、したがって、連結位置に固定することができる手段である、第一の連結手段を有する。第一のレセプタクルおよび第一の連結手段は、機能的に理解されるべきである。第一のレセプタクルおよび第一の連結手段は、第一のレセプタクルおよび第一の連結手段の両方がバルブプレート上に配置される、共通の機械的要素として具現化することが可能である。あるいは、しかし、シールキャリヤを受けるための第一のレセプタクルをバルブプレート上に配置する一方、第一の連結手段、例として、ばね付勢ラッチをシールキャリヤおよび/またはバルブプレート上に配設することも可能である。
【0030】
第二の位置は、係留位置と呼称される。シールキャリヤのこの係留位置では、シールキャリヤは、バルブハウジングの係留部で係留部の第二のレセプタクルに連結する。第二のレセプタクルは、シールキャリヤとバルブハウジングとの間の接続を発生させることができる手段である、バルブハウジング上の係留部の要素または一部である。係留部の第二のレセプタクルに受けられるシールキャリヤを固定することができるように、バルブは、シールキャリヤを係留部の第二のレセプタクルに解放可能に連結し、したがって、係留位置に固定することができる手段である、第二の連結手段を有する。第二のレセプタクルおよび第二の連結手段は、一つの機能的なユニットまたは複数の機能的なユニットで形成できることから、第二のレセプタクルおよび第二の連結手段という用語も機能的に理解されるべきである。
【0031】
本発明によると、シールキャリヤがバルブプレート上に、したがって、連結位置に配設され、バルブプレートが駆動部によって閉鎖位置に移動する場合、第一のシールが気密式にバルブシートに当接するように、動的シールとして作用する第一のシールがシールキャリヤ上に配置される。それゆえに、連結位置および同時の閉鎖位置では、第一のシールとバルブシートとが気密に接続する。また、前記連結位置および同時の閉鎖位置で第一のシールと閉鎖表面とが気密に接続するように、第一のシールがシールキャリヤ上に配置され、シールキャリヤおよび閉鎖表面が具現化される。換言すると、前記閉鎖位置では、バルブシートと第一のシールとが直接的に気密に接触し、第一のシールと内包された閉鎖表面も直接的または間接的に接触する。
【0032】
例として、閉鎖表面がシールキャリヤ上に配置され、したがって、第一のシールとシールキャリヤ上の閉鎖表面とが気密に接触する事実により、第一のシールと閉鎖表面との間の直接的な接触をもたらすことができる。例として、前記閉鎖表面上で加硫されるか、閉鎖表面上の溝に固定される第一のシールにより、第一のシールを閉鎖表面上に直接的に配置することが可能である。閉鎖表面がシールキャリヤの構成部分である場合、閉鎖位置でバルブ開口部を覆うその閉鎖表面と、気密式にバルブシート上に載置されるその第一のシールとを持つシールキャリヤにより、バルブ開口部の気密な密閉および流路の遮断がもたらされる。閉鎖表面を備えるシールキャリヤは、バルブ開口部の閉鎖部として機能することができるように、とりわけ、円板、プレートまたは薄板状であり、面積が内包された形態を有する。
【0033】
例として、閉鎖表面がシールキャリヤの構成部分ではなく、むしろ、バルブプレート上に固定式または可動式に配置される事実により、第一のシールと閉鎖表面との間の間接的な接触をもたらすことができる。この場合、連結位置および閉鎖位置でシールキャリヤと閉鎖表面とを気密式に接続する、密閉手段をバルブが有する。この目的のため、一つの可能な実施態様では、密閉手段が連結位置において、閉鎖表面の少なくとも部分的に半径方向に外向きの外側表面を実質的に半径方向に気密式に囲むように、とりわけ、リング形状のシールキャリヤの少なくとも部分的に半径方向に内向きの内側表面上に密閉手段が配置される。前記閉鎖表面は、バルブプレート上に固定式に配置され、とりわけ、閉鎖表面の外側表面として作用する半径方向に外向きの境界を有する、円板状の形態を有することができる。あるいは、しかし、閉鎖表面は、バルブプレート上に可動式に配置される。一つの可能な実施態様では、バルブプレートに対して相対的な閉鎖側面に垂直な方向および移動範囲内のシールキャリヤに対して相対的な連結位置において、閉鎖表面が可動式にバルブプレート上に設置される。とりわけ、無負荷状態の閉鎖表面が移動範囲内の初期位置に保持されるように、設置が弾性的に行われる。閉鎖表面の可動設置により、閉鎖表面を直接的にバルブシートで支持するか、バルブ側面の一つに過剰または減少した圧力がある場合、バルブハウジングのいくつかの他の一部で支持することが可能である。閉鎖表面のそのような可動性は、例として、米国特許第2007/0138424号(Geiser)で公知である。前記移動範囲の少なくとも部分的な範囲で閉鎖表面の外側表面と密閉手段との間の気密接触を確保するため、少なくとも閉鎖表面の移動範囲の部分的な範囲内で、連結位置において閉鎖表面の外側表面が密閉手段によって気密式に囲まれるように、閉鎖表面の外側表面が寸法決めされる。一例として、少なくとも移動範囲に従い、閉鎖側面に垂直な方向に外側表面が寸法決めされる。
【0034】
シールキャリヤの少なくとも部分的に半径方向に内向きの内側表面上に配置され、少なくとも部分的に半径方向に内向きである第二のシールにより、前記密閉手段を形成することができる。連結位置では、前記第二のシールは、したがって、閉鎖表面の少なくとも部分的に半径方向に外向きの外側表面を実質的に半径方向に気密式に囲む。前記第二のシールは、例として、円周溝に配置されるOリング、いくつかの他の密閉リングまたは加硫シールであることができる。
【0035】
あるいは、第一のシールで前記密閉手段が形成される。この場合、第一のシールは、二つのシール機能を有する。この目的のため、第一のシールは、シールキャリヤの少なくとも部分的に半径方向に内向きの内側表面の内側端部に配置され、バルブプレートの閉鎖位置において、軸方向に向く部分的な一部でバルブシートに気密式に当接する。このシール機能は、既に先に記載したように、慣習的な動的シールに対応する。しかし、端部での配置のため、第一のシールが連結位置では、少なくとも部分的に半径方向に内向きの部分的な一部により、閉鎖表面の少なくとも部分的に半径方向に外向きの外側表面を実質的に半径方向に気密式に囲む。
【0036】
半径方向は、一般的に、とりわけ、開口部軸と垂直に交差する、閉鎖側面に平行な平面上に実質的に伸びる方向成分を意味することが理解されるべきである一方、軸方向は、一般的に、閉鎖側面に垂直であり、とりわけ、開口部軸に平行な方向成分を意味することが理解される。本発明の範囲内における半径方向という用語は、必然的には環状断面に関しないが、むしろ、矩形、楕円または他の断面に関することもできる。
【0037】
本発明の一つの特有の展開では、閉鎖表面がバルブプレート上に配置され、バルブは、連結位置および閉鎖位置でシールキャリヤと閉鎖表面とを気密式に接続する密閉手段を有する。既に先に記載したように、密閉手段が連結位置において、閉鎖表面の少なくとも部分的に半径方向に外向きの外側表面を実質的に半径方向に気密式に囲むように、密閉手段は、シールキャリヤの少なくとも部分的に半径方向に内向きの内側表面上に配置される。先に記載したように、第一のシールまたは第二のシールで密閉手段を形成することができる。しかし、この実施態様では、閉鎖表面の少なくとも部分的に半径方向に外向きの外側表面は、バルブプレートの第一のレセプタクルとして機能する。この実施態様では、半径方向に弾性である密閉手段の形態で第一の連結手段を強制ロックすることにより、第一の連結手段が形成される。シールキャリヤを連結位置で強制ロック式に解放可能に固定することができるように、密閉手段が連結位置で閉鎖表面の外側表面を弾性的に囲む。換言すると、この実施態様では、密閉手段は、密閉機能のみならず、第一の連結手段という意味で連結機能も有する。
【0038】
本発明の一つの実施態様では、駆動部によるバルブプレートの移動により、連結位置および係留位置でシールキャリヤの連結および分離が生じるように、第一の連結手段、第一のレセプタクル、第二の連結手段および第二のレセプタクルが具現化される。換言すると、シールキャリヤをバルブプレート上のその連結位置から係留部のその係留位置にもたらすことができ、逆も同じであるように、駆動部によってバルブプレートを移動させることができる。この目的のため、一例として、閉鎖側面に垂直な方向の垂直移動の形態において、少なくとも開放位置でバルブプレートを移動させることができるように、駆動部が具現化される。連結位置および係留位置に対するシールキャリヤの連結および分離が少なくとも部分的に垂直移動で生じる。換言すると、駆動部は、バルブプレートを一つの軸に沿ってか、一つの軸の周囲で移動させることができるように単に単軸ではなく、むしろ、バルブプレートを少なくとも一つの第二の軸に沿ってか、少なくとも一つの第二の軸の周囲で、つまり、閉鎖側面に垂直な方向の垂直移動の形態で移動させることができるように多軸でもある。動的シールをバルブシートに垂直に押し付けるために垂直移動が使用されることから、そのような駆動部は、スライドまたはペンデュラムバルブの場合に慣習的であり、先行技術から公知である。本発明のさらなる展開では、少なくとも部分的にこの垂直移動により、シールキャリヤを係留位置としての第二のレセプタクルに誘導し、係留位置としての第二のレセプタクルから誘導することができるように、係留部の第二のレセプタクルが具現化される。一例として、第二の連結手段は、引き込み部を有する少なくとも一つのスロットと、少なくとも一つのノブとを有する差し込み留め具として具現化される。駆動部により、ノブを垂直移動で引き込み部に導入することができ、横断移動でスロットに、したがって、係留位置に誘導することができるように、差し込み留め具が配置および具現化される。
【0039】
一つの特有の実施態様では、バルブプレートの第一のレセプタクルが並進運動の第一のレセプタクルとして具現化され、垂直移動により、シールキャリヤを連結位置としての第一のレセプタクルに誘導し、連結位置としての第一のレセプタクルから誘導することができる。換言すると、閉鎖側面に垂直であり、とりわけ、開口部軸に平行な方向に伸びる実質的な直進垂直移動でシールキャリヤを受けるため、並進運動の第一のレセプタクルおよび第一の連結手段が具現化される。この実施態様の一つの展開では、保持力が克服されるまで、第一のレセプタクル内のシールキャリヤを保持力で連結位置に保持する強制ロック式の第一の連結手段として、第一の連結手段が具現化される。保持は、とりわけ、摩擦ロックによって生じる。駆動部による分離のためのレセプタクルからの垂直移動および連結のためのレセプタクルへの垂直移動により、保持力が克服されることができるように保持力が決定される。一例として、シールキャリヤまたはバルブプレート上の第一のレセプタクルに配置されるばね付勢ラッチとして、前記強制ロック式の第一の連結手段が具現化される。
【0040】
本発明は、任意の具体的なバルブ種類に限定されない。しかし、本発明は、特に、ペンデュラムバルブの形態で有利であることが証明されている。この場合、バルブ開口部およびバルブプレートは、とりわけ、実質的に円形の断面を有する。シールキャリヤは、リング形状またはプレート形状の断面を有する。駆動部によってもたらされる横断移動は、とりわけ、開口部軸に実質的に平行に伸びる旋回軸の周囲におけるアーチ状の旋回移動である。垂直移動は、開口部軸に実質的に平行な直線移動の形態で行われる。バルブプレートが駆動部により、開放位置と中間位置との間において横断移動で旋回可能である。前記中間位置では、閉鎖側面を持つバルブプレートがバルブ開口部を少なくとも部分的に覆い、バルブシートに対して離間した対向位置に配置される。それゆえに、中間位置では、バルブプレートがバルブ開口部を減少させ、バルブシートに対して離間した対向位置のため、明らかに依然として完全ではなく、実際には部分的に流路を遮断する。バルブの開口部断面は、そのため、−とりわけ、有意に−減少する。また、バルブプレートが駆動部により、前記中間位置と閉鎖位置との間において垂直移動で調節可能であるように、駆動部が具現化される。そのようなペンデュラムバルブの基本的な構造は、例として、米国特許開第2007/0138424号(Geiser)に記載されている。
【0041】
しかし、本発明によるバルブは、スライドバルブとしても具現化することができる。この場合、バルブ開口部およびバルブプレートは、例として、実質的に矩形の断面である。シールキャリヤは、矩形フレーム状または矩形の閉鎖断面を有する。駆動部の横断移動は、とりわけ、開口部軸に実質的に垂直に伸びる、直進する押し軸に沿った直線移動である。垂直移動が開口部軸に実質的に平行な直線移動である。駆動部により、バルブプレートを開放位置と中間位置との間において横断移動で変位させることができる。中間位置では、閉鎖側面を持つバルブプレートが少なくとも部分的にバルブ開口部を覆い、バルブシートに対して離間した対向位置に配置される。それゆえに、バルブプレートがバルブ開口部を減少させ、バルブプレートがバルブシートに対して離間した対向位置に配置されることから、流路を完全に遮断することなく、部分的に遮断する。また、駆動部により、バルブプレートが中間位置と閉鎖位置との間において垂直移動で調節可能である。
【0042】
しかし、本発明によると、バルブは、単に単一の横断移動で閉鎖することができ、垂直移動なしに完全に閉鎖することができるバルブ、例として、ウェッジバルブであることもできる。
【0043】
シールキャリヤ、したがって、第一のシールがバルブプレートから分離する結果として、第一のシールおよび適切な場合には第二のシールもバルブを通じて流れる媒体に直接的にさらされずに、調整、すなわち、開口部断面を減少および増加させるためにバルブプレートを使用することができる。第二のシールを媒体から完全に隔離するため、一つの展開では、本発明は、係留部に保護表面を提供する。この保護表面は、−流路に沿って流れる媒体から第一のシールを保護するため−第一のシールがシールキャリヤの係留位置で保護表面に包囲されるように形作られる。保護表面は、例として、溝状の形態を有する。
【0044】
本発明によるバルブは、二つの異なる動作モード、つまり、開口部断面が完全に開放され、とりわけ、−気密式ではないが−ほぼ閉鎖されて有意に減少することができる、バルブの開口部断面を調整するための第一の動作モードと、バルブが完全に開放され、完全に閉鎖されることができる、第二の動作モードとを提供することを可能にする。第一の動作モードの効果として、動的な第一のシールが係留位置において、化学的および機械的影響から保護され、したがって、第一のシールの寿命を大幅に増大させることができる。
【0045】
これらの動作モードを実装するため、本発明の一つの実施態様は、駆動部に接続され、バルブが第一の動作モードおよび第二の動作モードで動作することができるように具現化される制御装置を含む。第一の動作モードでは、シールキャリヤが係留位置に配置され、バルブプレートが開放位置と中間位置との間で調節可能である。中間位置では、閉鎖側面を持つバルブプレートが少なくとも部分的にバルブ開口部を覆い、バルブシートに対して離間した対向位置に配置され、バルブ開口部を減少させ、流路が部分的に遮断される。第二の動作モードでは、シールキャリヤが連結位置に配置され、バルブプレートが開放位置と閉鎖位置との間で調節可能である。連結位置または係留位置に配設されるシールキャリヤが各レセプタクルで連結手段の一つによって維持されるように、駆動部の調節により、動作モードが変更される。一例として、強制ロック式の第一の連結手段が克服されることにより、シールキャリヤがバルブプレートから解放されるように、差し込み留め具として具現化される第二のレセプタクルおよび差し込み留め具として具現化される第二の連結手段にシールキャリヤの一部を導入し、差し込み留め具のアンダーカット領域にバルブプレートを旋回させ、バルブプレートを垂直に調節することにより、動作モードが変更される。シールキャリヤは、バルブプレートから解放される結果、したがって、係留位置の係留部に配置される。バルブプレートの対向移動により、再度、シールキャリヤを係留位置から連結位置にもたらすことができる。
【0046】
図面に概略的に図示する特有の例示的な実施態様に基づき、純粋に一例として、以下に本発明によるバルブをより詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
詳細には、:
【図1】本発明によるペンデュラムバルブの開放位置における斜視図を示す。
【図2】開放されたバルブハウジングの係留部の詳細な斜視図を示す。
【図3】閉鎖位置におけるバルブプレートおよび連結位置におけるシールキャリヤの側断面図を示す。
【図4a】係留部におけるバルブプレートおよび連結位置におけるシールキャリヤの断面図を示す。
【図4b】係留位置への移行時の係留部におけるバルブプレートおよび連結位置におけるシールキャリヤの断面図を示す。
【図4c】係留位置への移行がほぼ行われた時の係留部におけるバルブプレートおよび連結位置におけるシールキャリヤの断面図を示す。
【図4d】係留位置への移行が行われた後の係留部におけるバルブプレートおよびシールキャリヤの断面図を示す。
【図5a】係留位置への移行時の係留部、第二のレセプタクルおよび連結位置におけるシールキャリヤの平面図を示す。
【図5b】係留位置への移行が行われた後の係留部、第二のレセプタクルおよび連結位置におけるシールキャリヤの平面図を示す。
【図6】ばね付勢ラッチとして具現化された第一のレセプタクルおよび第一の連結手段の断面図を示す。
【図7】中間位置におけるシールキャリヤなしのバルブプレートの側断面図を示す。
【図8】閉鎖位置におけるバルブプレートおよび連結位置における単一のシールを有する代替シールキャリヤの側断面図を示す。
【図9】閉鎖位置におけるバルブプレートおよび連結位置における閉鎖された閉鎖表面を有する代替シールキャリヤの側断面図を示す。
【0048】
図1、2、3、4a、4b、4c、4d、5a、5b、6および7は、異なる図および異なる詳細の度合いにより、異なる状態にある本発明によるペンデュラムバルブの共通の例示的な実施態様を示す。そのため、これらの図を併せて記載し、その場合、いくつかの事例では、それまでの図で既に説明された参照符号およびフィーチャをあらためて論じない。
【0049】
図1〜7に図示したバルブは、ペンデュラムバルブとして具現化される。図1で矢印Fにより、符号式に図示される流路Fを実質的に気密式に遮断するためのバルブは、バルブハウジング1を有する。流路Fのためのバルブ開口部2は、前記バルブハウジング1に設けられる。バルブ開口部2は、実質的に円形の断面を有し、図1で一点短鎖線3によって図示される直進する開口部軸3に沿って、バルブハウジングを通して一直線に延伸する。示した例示的な実施態様のバルブは、バルブハウジング1内でバルブ内部につながる二つの開口部、つまり、上部開口部および下部開口部を有するが、このバルブ開口部2は、気密式に閉鎖できることから、下部開口部のみがバルブ開口部2と呼称される。バルブ開口部2の周りすべての平坦な表面で形成されるバルブシート4により、バルブ開口部2が囲まれる。示した例示的な実施態様では、バルブシート4の平面に開口部軸3が垂直に交差する。
【0050】
実質的に円形の断面を有する可動バルブプレート5は、バルブハウジング1内に配置される。図1で判別することができるように、バルブプレート5は、ストラット状の基本構造と、バルブプレートを駆動部7に連結する手段である、旋回アームとを有する。閉鎖表面13は、図3に示すように、バルブプレート5のストラット状の基本構造上に配置される。前記閉鎖表面13は、示したバルブの向き、すなわち、バルブ開口部2に向かう方向に下方を向く。この側面は、バルブ開口部2を閉鎖するために機能するバルブプレートの側面であり、この理由のため、以降では、図3に図示する閉鎖側面6と呼称される。閉鎖表面13は、図3で判別することができるように、断面がバルブ開口部2の断面よりも大きい、閉鎖された円形の薄板である。そのため、閉鎖表面13がバルブシート4上に載置され、閉鎖表面13により、バルブ開口部2を完全に覆うことができ、図3を参照されたい。閉鎖表面13は、矢印14で図示される移動範囲14内で、バルブプレート5に対して相対的な閉鎖側面6に垂直な方向に可動な方式において、バルブプレート5上に弾性的に設置される。ばね力は、下方、すなわち、バルブシート4およびバルブ開口部2に向かう方向に作用する。バルブプレート5に対する相対的な閉鎖表面13のこの相対的な可動性により、上側側面、すなわち、バルブプレート5の側面またはバルブシート4が向く側面で相対的に過剰な圧力が優勢な場合、閉鎖表面13をバルブシート4で支持することが可能である。それゆえに、この種類の圧力差は、実質的に閉鎖表面13およびバルブシート4に作用するが、バルブプレート5の残りおよび駆動部7にはほとんど作用しない。
【0051】
図1に示す駆動部7により、バルブプレート5は、開口部軸3に実質的に平行に伸びる旋回軸10の周囲で旋回移動を構成する横断移動xの形態において、バルブ開口部2に対して横断方向および開口部軸3に対して横断方向に旋回可能である。また、閉鎖側面6に垂直であり、横断移動xに垂直である方向の垂直移動yの形態でバルブプレート5を移動させることができる。垂直移動yは、開口部軸3に実質的に平行な直線移動である。バルブプレート5は、駆動部7により、図1に示す開放位置Oと図3に示す閉鎖位置Cとの間で調節されることができる。開放位置では、バルブプレート5がバルブハウジング1の係留部8に位置し、前記係留部がバルブ開口部2に並んで側方に配置される。バルブ開口部2および流路Fは、バルブプレート5およびその閉鎖表面13によって解放される。開放位置Oでは、開口部断面が完全に解放されるように、閉鎖プレートがバルブ開口部2の領域から横断方向に旋回する。係留部8は、図1に示すように、バルブ開口部2に並んで側方にある、バルブハウジング1内部の外側が閉鎖された一部である。より良い図示のため、係留部でその開放位置Oにあるバルブプレートを判別することができるように、図1では係留部8のカバーを除去している。しかし、動作状態では係留部が閉鎖される。図3に示す閉鎖位置では、バルブプレート5は、閉鎖側面6上に配置される閉鎖表面13でバルブ開口部2を覆う。
【0052】
バルブは、図3に示すように、閉鎖表面13を囲む基本的な形態を有する、リング形状のシールキャリヤ30を有し、シールキャリヤは、二つの通常位置、すなわち、図3および8の連結位置Kおよび図4dおよび5bの係留位置Pを想定することができる。シールキャリヤ30は、連結位置Kでバルブプレート5に連結する一方、シールキャリヤ30の係留位置Pでバルブハウジング1の係留部8に連結する。
【0053】
動的シールとして作用する第一のシール31は、図3に示すように、第一のシール31が連結位置Kおよび閉鎖位置Cで気密式にバルブシート4に当接するように、シールキャリヤ30上に配置される。連結位置Kでは、第一のシール31と、バルブプレート5上に配置される閉鎖表面13とが気密に接続する。この目的のため、バルブは、連結位置Kでシールキャリヤ30と閉鎖表面13とを気密式に接続する、密閉手段32を有する。図3に示すように、密閉手段32が連結位置Kにおいて、閉鎖表面13の半径方向に外向きの外側表面9を実質的に半径方向に気密式に囲むように、密閉手段32は、シールキャリヤ30の少なくとも部分的に半径方向に内向きの内側表面35上に配置される。
【0054】
既に述べたように、閉鎖表面13は、移動範囲14内で可動式にバルブプレート5上に設置される。連結位置Kでシールキャリヤ30と閉鎖表面13との間の気密接続を確保するため、図3に示すように、閉鎖表面13の移動範囲14の少なくとも部分的な範囲内の連結位置(K)において、密閉手段32で気密式に囲まれるように、閉鎖表面13の外側表面9が寸法決めされる。
【0055】
前記密閉手段32は、図1〜7の例示的な実施態様では、リング形状の第二のシール32で形成される。前記第二のシール32は、シールキャリヤ30の半径方向に内向きの内側表面35上に配置され、半径方向に内向きである。第二のシール32は、図3に示すように、連結位置Kで閉鎖表面13の半径方向に外向きの外側表面9を実質的に半径方向に気密式に囲む。
【0056】
しかし、図3に図示する二つのシール31および32を含むこの実施態様の代わりに、図8の代替実施態様に示すように、第一のシール31で密閉手段を形成することも可能である。図8は、図3に対応する。この場合、第一のシール31が二重の機能を有する。この目的のため、第一のシール31は、シールキャリヤ30の少なくとも部分的に半径方向に内向きの内側表面35の内側端部に配置される。第一のシール31は、図8に示すように、バルブプレート5の閉鎖位置Cにおいて、軸方向に向く部分的な一部で気密式にバルブシート4に当接する。同様に図8で判別することができるように、第一のシール31は、少なくとも部分的に半径方向に内向きの部分的な一部により、連結位置Kで閉鎖表面13の少なくとも部分的に半径方向に外向きの外側表面9を実質的に半径方向に気密式に囲む。
【0057】
図3および図8に従った例示的な実施態様は、互いに互換であり、すなわち、記載するフィーチャの残りが相応に適用可能である。
【0058】
シールキャリヤ30が連結位置Kに配設される場合、バルブは、従来のペンデュラムバルブのように動作することができる。バルブプレート7は、駆動部7により、図1の開放位置Oと横断移動xによる中間位置との間で旋回することができる。中間位置では、流路Fが部分的に遮断されるように、閉鎖側面6を持つバルブプレート5がバルブ開口部2を覆い、バルブシート4に対して離間した対向位置に配置され、バルブ開口部2を減少させる。駆動部7の垂直移動yにより、バルブプレート7は、図3および8の前記中間位置と気密閉鎖位置Cとの間で調節されることができる。
【0059】
シールキャリヤ30が連結位置Kに配設される、この従来の動作モードの一つの効果として、バルブを気密式に閉鎖することができる。しかし、多くの適用領域では、バルブは、主として開口部断面を減少または増加させ、完全に閉鎖しないことが意図される、いわゆる調整モードにあることから、バルブの完全な閉鎖が不定期にのみ要求される。調整モードでは、シールキャリヤ30の連結位置Kにおける第一のシール31は、バルブを通じて流れる媒体に化学的および機械的に継続的にさらされ、第一のシール31の増大した摩耗が起こるであろう。そのため、本発明は、バルブプレート5から分離し、バルブハウジング1の係留部8に連結し、係留位置Pを想定することができる、シールキャリヤ30を提供する。
【0060】
本発明によると、シールキャリヤ30は、シールキャリヤ30の連結位置Kにおいて、バルブプレート5上のバルブプレート5の第一のレセプタクル21に連結し、再度、分離することができ、シールキャリヤ30の係留位置Pにおいて、バルブハウジング1の係留部8で係留部8の第二のレセプタクル22に連結し、再度、分離することができる。第一のレセプタクル21および第二のレセプタクル22での解放可能な連結を許容するため、バルブは、各レセプタクル21および22に割り当てられる連結手段33および34を有する。
【0061】
第一の連結手段33により、シールキャリヤ30をバルブプレート5の第一のレセプタクル21に解放可能に連結することができ、したがって、連結位置Kで解放可能に固定することができる。第二の連結手段34により、シールキャリヤ30を係留部8の第二のレセプタクル22に解放可能に連結することができ、したがって、係留位置Pで解放可能に固定することができる。
【0062】
バルブプレート5の第一のレセプタクル21は、図3、4a、4c、4d、6および7に示すように、並進運動の第一のレセプタクル21として具現化される。すなわち、シールキャリヤ30は、バルブプレート5の直進移動により、第一のレセプタクル21に受けられる。シールキャリヤ30は、垂直移動yにより、連結位置Kとしての第一のレセプタクル21に誘導され、連結位置Kとしてのレセプタクル21から誘導されることができ、図4cおよび4dを参照されたい。シールキャリヤ30を第一のレセプタクル21に、したがって、その連結位置Kに保持するため、図6に図示するように、強制ロック式の第一の連結手段33として具現化される第一の連結手段33が提供される。強制ロック式の第一の連結手段33は、保持力が克服されるまで、第一のレセプタクル21内のシールキャリヤ30を保持力で連結位置Kに保持し、保持力は、駆動部7による分離のためのレセプタクル21からの垂直移動yにより、克服されることができる。図6に示す例示的な実施態様では、前記強制ロック式の第一の連結手段は、シールキャリヤ30に配置されるばね付勢ラッチ33として具現化される。シールキャリヤ30なしのバルブプレート5を示す図7で判別することができるように、バルブプレート5上のシールキャリヤ30の周りすべてに配置される多数のフィンガ21により、第一のレセプタクル21が形成される。くぼんだ内向きのカットアウト33cが前記フィンガ21内に形作られ、図6および7を参照されたい。フィンガ21およびカットアウト33cの数に対応する数のばね付勢ラッチ33がシールキャリヤ30に配設される。前記ばね付勢ラッチ33は、それぞれの場合、ばね33aと、ばね33aによって力が適用されるボール33bとからなる。ボール33bは、カットアウト33cに対応する形態を有し、ばね付勢ラッチとして具現化される強制ロック式の第一の連結手段33により、シールキャリヤ30が第一のレセプタクル21で強制ロック式に固定されるように、第一のレセプタクル21へのシールキャリヤ30の挿入時にばね33aで押し付けられる。それゆえに、シールキャリヤ30が連結位置Kにある。シールキャリヤ30の第一のレセプタクル21からの分離を図4cおよび4dに図示する。ばね付勢ラッチ33の保持力が克服され、図4dに矢印で図示される、駆動部7によって上方に生じる垂直移動yでバルブプレート5が垂直に調節されることにより、係留部8で第二の連結手段34によって維持されるシールキャリヤ30が第一のレセプタクル21から引き抜かれる。これを図4cから図4dへの移行で図示する。連結位置Kへのシールキャリヤの連結は、反対の順番で生じる。そのため、記載する第一のレセプタクル21および第一の連結手段33は、駆動部7の垂直移動yにより、バルブプレート5のその連結位置Kから、バルブハウジング1上に維持されるシールキャリヤ30を−以下に説明する方式で−解放することを可能にする。
【0063】
保護された係留部8において、シールキャリヤ30をバルブハウジング上のその係留位置Pに解放可能に固定することができるように、図4a〜5cに示す第二のレセプタクル22および第二の連結手段34が提供される。
【0064】
保護表面12がバルブハウジング1の係留部8に形作られ、前記保護表面は、シールキャリヤ30の第一のシール31の形態に実質的に対応する。前記保護表面12は、図2で判別することができるように、バルブハウジング1の係留部8にリング形状の溝として形作られ、前記溝は、閉鎖表面13において閉鎖側面6に向かう方向に上方を向く。図2では、係留部8のカバーが大きく除去され、その結果、バルブの内部に配設される保護表面12を判別することができる。
【0065】
また、第二のレセプタクル22が係留部8に形作られる。シールキャリヤ30を係留部で受けることができる手段である、前記第二のレセプタクル22は、その有利な構成のため、第二の連結手段34の部分も形成する。図2、5aおよび5bで判別することができるように、保護表面12の周りすべてにおいて、係留部8に四つの引き込み部42が形作られる。前記四つの引き込み部42は、それぞれ、横断移動xの方向に沿って延伸するスロット41に移行し、図1を参照されたい。引き込み部42は、機能的に第二のレセプタクル22を形成する。
【0066】
四つの引き込み部42およびスロット41に対応する方式で、四つのノブ43がシールキャリヤ上に配置され、図4a、5aおよび5bを参照されたい。シールキャリヤ30のノブ43は、駆動部7の垂直移動yにより、引き込み部42に挿入されることができる。挿入は、図4aから4bおよび図4bから図4cへの移行で図示される。図4cおよび5aの駆動部7の垂直移動yにより、シールキャリヤ30のノブ43が引き込み部43に挿入された場合、前記ノブ43は、図5aから図5bへの移行で示すように、駆動部7により、横断移動xでスロット41に、したがって、アンダーカット領域に誘導されることができる。前記アンダーカット領域では、シールキャリヤ30が垂直移動yの方向に維持される。その後、先に記載し、図4dに示すように、駆動部7が垂直移動yの方向に調節される場合、シールキャリヤ30は、この垂直移動yに加わらず、むしろ、第二のレセプタクル22に固定されたままである。それゆえに、強制ロック式の第一の連結手段33がシールキャリヤ30とバルブプレート5との間の接続を解放することから、シールキャリヤ30がバルブプレート5および第一のレセプタクル21から分離する。シールキャリヤ30が前記アンダーカット領域に配設される状態が係留位置Pである。
【0067】
換言すると、第二の連結手段34は、それぞれ引き込み部42を有する係留部8の四つのスロット41と、シールキャリヤ30上の四つのノブ43とを含む、差し込み留め具として具現化される。四つのノブ43が垂直移動yで引き込み部42に挿入されることができ、横断移動xで四つのスロット41に誘導されることができるように、差し込み留め具が配置および具現化される。シールキャリヤ30は、したがって、係留位置Pにもたらされることができる。そのため、シールキャリヤ30が少なくとも部分的に垂直移動yにより、係留位置Pとしての第二のレセプタクル22に誘導され、係留位置(P)としての第二のレセプタクル22から誘導されるように、係留部8の第二のレセプタクル22が具現化される。連結位置Kおよび係留位置Pに対するシールキャリヤ30の連結および分離は、少なくとも部分的に垂直移動yおよび横断移動xで生じる。そのため、示す例示的な実施態様では、駆動部7によるバルブプレート5の移動により、連結位置Kおよび係留位置Pでシールキャリヤ30の連結および分離が生じるように、第一の連結手段33、第一のレセプタクル21、第二の連結手段34および第二のレセプタクル22が具現化される。
【0068】
シールキャリヤ30の係留位置Pでは、流路Fに沿って流れる媒体から第一のシール31を保護するため、第一のシール31が保護表面12に包囲される。それゆえに、係留位置Pでは、第一のシール31は、化学的、侵食的および他の機械的影響から保護される。この動作モードでは、バルブは、その後、いわゆる調整モードで動作することができ、その閉鎖表面13を持つバルブプレート5は、駆動部7による横断移動xおよび垂直移動yでバルブプレート5を調節することにより、バルブ開口部2のまったくの気密ではないが実質的な閉鎖を容易に許容する。図7は、係留部8の係留位置Pに配設されるシールキャリヤ30なしのバルブプレート5を示す。判別することができるように、シールキャリヤ30がなくてもなお、バルブシート4上に載置される閉鎖表面13により、バルブ開口部2を閉鎖することが可能であるが、シールが不在であるために気密な密閉が確保されない。しかし、多くの適用では、これは、現実的にバルブの使用時間の大部分において求められない。
【0069】
示すバルブは、追加的に、図1に示す駆動部7のための一体型制御装置50を有する。前記制御装置50は、駆動部7に接続され、バルブが第一の動作モードおよび第二の動作モードで動作することができるように具現化される。第一の動作モードでは、シールキャリヤ30が係留位置Pに配置され、バルブプレート5が開放位置Oと中間位置との間で調節可能であり、閉鎖側面6を持つバルブプレート5は、少なくとも部分的にバルブ開口部2を覆い、バルブシート4に対して離間した対向位置に配置され、バルブプレート5は、バルブ開口部2を減少させ、流路(F)を部分的に遮断する。第二の動作モードでは、シールキャリヤ30が連結位置Kに配置され、バルブプレート5は、開放位置Oと閉鎖位置Cとの間で調節可能である。先に記載した方式でバルブプレート5を調節するための駆動部7の駆動により、連結位置Kおよび係留位置Pでのシールキャリヤ30の連結および分離、すなわち、一つの動作モードから他の動作モードへの移行が生じる。
【0070】
図1〜7および図8で説明し、図示する特有の例示的な実施態様は、概略的な図示に基づき、本発明を例示的に図示するために機能するに過ぎない。当然のことながら、本発明は、これらの例示的な実施態様およびそのフィーチャの組み合わせに限定されない。したがって、一例として、本発明の範囲内において、閉鎖表面13をシールキャリヤ30上に配置し、第一のシール31と閉鎖表面13とが直接的に気密に接触することも可能である。この場合、シールキャリヤ30は、とりわけ、プレート形状の断面を有する。そのような実施態様を図9に図示する。この場合、第二のシールを省略することができる。フィーチャの残りは、これまでの例示的な実施態様のフィーチャに対応する。また、これらの機能的なフィーチャを含む単一の要素の形態において、機能的に理解されるフィーチャを実装することが可能であり、その逆も同じである。したがって、例として、閉鎖表面13の少なくとも部分的に半径方向に外向きの外側表面により、バルブプレート5の第一のレセプタクル21を形成し、密閉手段31または32、とりわけ、図1〜7に従った第一の例示的な実施態様の第二のシール32または図8に従った第二の例示的な実施態様の第一のシール31により、強制ロック式の第一の連結手段33を形成することが可能である。連結位置Kでシールキャリヤ30が解放可能に固定されることができるように、連結位置Kにおいて、前記密閉手段31および32がそれぞれ閉鎖表面13の外側表面9を弾性的に囲むように、シール31および32は、それぞれ半径方向に弾性的である。この場合、図6に記載する第一の連結手段33および第一のレセプタクル21を除外することができる。フィーチャの残りは、変更しないままであることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に気密式に流路(F)を遮断するためのバルブであって、
バルブハウジング(1)と、
開口部軸(3)を有する流路(F)のためのバルブハウジング(1)のバルブ開口部(2)と、
バルブ開口部(2)を囲むバルブシート(4)と、
閉鎖側面(6)を有するバルブプレート(5)と、
バルブプレート(5)が開口部軸(3)に対して少なくとも部分的に横断方向に生じる横断移動(x)により、
バルブプレート(5)がバルブハウジング(1)の係留部(8)に位置し、前記係留部がバルブ開口部(2)に並んで側方に配置され、バルブ開口部(2)および流路(F)を解放する、開放位置(O)と、
バルブプレート(5)が閉鎖側面(6)上に配置される閉鎖表面(13)により、バルブ開口部(2)を覆い、
第一のシール(31)がバルブシート(4)に気密式に当接し、
バルブプレート(5)がバルブ開口部(2)を気密式に閉鎖し、流路(F)を遮断する、閉鎖位置(C)と
の間で旋回可能または変位可能である、少なくとも一つの駆動部(7)と
を含み、
シールキャリヤ(30)の連結位置(K)において、バルブプレート(5)上のバルブプレート(5)の第一のレセプタクル(21)に連結し、再度、分離することができ、
シールキャリヤ(30)の係留位置(P)において、バルブハウジング(1)の係留部(8)で係留部(8)の第二のレセプタクル(22)に連結し、再度、分離することができる、
シールキャリヤ(30)を特徴とし、
第一のシール(31)が連結位置(K)および閉鎖位置(C)でバルブシート(4)に気密式に当接するように、第一のシール(31)がシールキャリヤ(30)上に配置され、少なくとも連結位置(K)および閉鎖位置(C)で第一のシール(31)と閉鎖表面(13)とが気密に接続し、
シールキャリヤ(30)をバルブプレート(5)の第一のレセプタクル(21)に解放可能に連結し、したがって、連結位置(K)に固定することができる手段である、第一の連結手段(33)をバルブが有し、
シールキャリヤ(30)を係留部(8)の第二のレセプタクル(22)に解放可能に連結し、したがって、係留位置(P)に固定することができる手段である、第二の連結手段(34)をバルブが有する、
バルブ。
【請求項2】
駆動部(7)によるバルブプレート(5)の移動により、連結位置(K)および係留位置(P)でシールキャリヤ(30)の連結および分離が生じるように、第一の連結手段(33)、第一のレセプタクル(21)、第二の連結手段(34)および第二のレセプタクル(22)が具現化される、請求項1記載のバルブ。
【請求項3】
閉鎖側面(6)に垂直な方向の垂直移動(y)の形態において、少なくとも開放位置(O)でバルブプレート(5)を移動させることができるように、駆動部(7)が具現化され、
連結位置(K)および係留位置(P)に対するシールキャリヤ(30)の連結および分離が少なくとも部分的に垂直移動(y)で生じる、
請求項2記載のバルブ。
【請求項4】
少なくとも部分的に垂直移動(y)により、シールキャリヤ(30)を係留位置(P)としての第二のレセプタクル(22)に誘導し、係留位置(P)としての第二のレセプタクル(22)から誘導することができるように、係留部(8)の第二のレセプタクル(22)が具現化される、
請求項3記載のバルブ。
【請求項5】
第二の連結手段(34)が引き込み部(42)を有する少なくとも一つのスロット(41)と、少なくとも一つのノブ(43)とを有する差し込み留め具として具現化され、ノブ(43)を垂直移動(y)で引き込み部(42)に導入することができ、横断移動(x)でスロット(41)に、したがって、係留位置(P)に誘導することができるように、差し込み留め具が配置および具現化される、
請求項4に記載のバルブ。
【請求項6】
バルブプレート(5)の第一のレセプタクル(21)が並進運動の第一のレセプタクル(21)として具現化され、垂直移動(y)により、シールキャリヤ(30)を連結位置(K)としての第一のレセプタクル(21)に誘導し、連結位置(K)としてのレセプタクル(21)から誘導することができる、
請求項3〜5のいずれか一項記載のバルブ。
【請求項7】
保持力が克服されるまで、第一のレセプタクル(21)内のシールキャリヤ(30)を保持力で連結位置(K)に保持する強制ロック式の第一の連結手段(33)として、第一の連結手段(33)が具現化され、駆動部(7)による分離のためのレセプタクル(21)からの垂直移動(y)により、保持力が克服されることができる、
請求項6記載のバルブ。
【請求項8】
シールキャリヤ(30)または第一のレセプタクル(21)に配置されるばね付勢ラッチ(33)として、強制ロック式の第一の連結手段が具現化される、
請求項7記載のバルブ。
【請求項9】
閉鎖表面(13)がシールキャリヤ(30)上に配置され、
第一のシール(31)と閉鎖表面(13)とが気密に接触する、
請求項1〜8のいずれか一項記載のバルブ。
【請求項10】
閉鎖表面(13)がバルブプレート(5)上に配置され、
連結位置(K)および閉鎖位置(C)でシールキャリヤ(30)と閉鎖表面(13)とを気密式に接続する、密閉手段(31、32)をバルブが有する、
請求項1〜8のいずれか一項記載のバルブ。
【請求項11】
密閉手段(31、32)が連結位置(K)において、閉鎖表面(13)の少なくとも部分的に半径方向に外向きの外側表面(9)を実質的に半径方向に気密式に囲むように、密閉手段(31、32)がシールキャリヤ(30)の少なくとも部分的に半径方向に内向きの内側表面(35)上に配置される、
請求項10に記載のバルブ。
【請求項12】
バルブプレート(5)に対する閉鎖側面(6)に垂直な方向、および、移動範囲(14)内のシールキャリヤ(30)に対する連結位置(K)において、閉鎖表面(13)が可動式に−とりわけ、弾性的に−バルブプレート(5)上に設置され、
・ 少なくとも閉鎖表面(13)の移動範囲(14)の部分的な範囲内で、連結位置(K)において閉鎖表面(13)の外側表面(9)が密閉手段(31、32)によって気密式に囲まれるように、閉鎖表面(13)の外側表面(9)が寸法決めされる、
請求項11記載のバルブ。
【請求項13】
閉鎖表面(13)がバルブプレート(5)上に配置され、
連結位置(K)および閉鎖位置(C)でシールキャリヤ(30)と閉鎖表面(13)とを気密式に接続する、密閉手段(31、32)をバルブが有し、
密閉手段(31、32)が連結位置(K)において、閉鎖表面(13)の少なくとも部分的に半径方向に外向きの外側表面(9)を実質的に半径方向に気密式に囲むように、シールキャリヤ(30)の少なくとも部分的に半径方向に内向きの内側表面(35)上に密閉手段(31、32)が配置され、
閉鎖表面(13)の少なくとも部分的に半径方向に外向きの外側表面(9)により、バルブプレート(5)の第一のレセプタクル(21)が形成され、
半径方向に弾性である密閉手段(31、32)により、強制ロック式の第一の連結手段(33)が形成され、シールキャリヤ(30)を連結位置(K)で解放可能に固定することができるように、密閉手段(31、32)が連結位置(K)で閉鎖表面(13)の外側表面(9)を弾性的に囲む、
請求項7記載のバルブ。
【請求項14】
シールキャリヤ(30)の少なくとも部分的に半径方向に内向きの内側表面(35)上に配置され、少なくとも部分的に半径方向に内向きであり、
連結位置(K)では、閉鎖表面(13)の少なくとも部分的に半径方向に外向きの外側表面(9)を実質的に半径方向に気密式に囲む、
第二のシール(32)
または
シールキャリヤ(30)の少なくとも部分的に半径方向に内向きの内側表面(35)の内側端部に配置され、
バルブプレート(5)の閉鎖位置(C)において、軸方向に向く部分的な一部でバルブシート(4)に気密式に当接し、
連結位置(K)では、少なくとも部分的に半径方向に内向きの部分的な一部により、閉鎖表面(13)の少なくとも部分的に半径方向に外向きの外側表面(9)を実質的に半径方向に気密式に囲む、
第一のシール(31)
により、密閉手段が形成される、請求項10〜13のいずれか一項記載のバルブ。
【請求項15】
バルブ開口部(2)およびバルブプレート(5)が実質的に円形の断面を有し、
シールキャリヤ(30)がリング形状またはプレート形状の断面を有し、
横断移動(x)が開口部軸(3)に実質的に平行に伸びる旋回軸(10)の周囲における旋回移動であり、
垂直移動(y)が開口部軸(3)に実質的に平行な直線移動であり、
開放位置(O)と中間位置との間において、駆動部(7)により、バルブプレート(7)が横断移動(x)で旋回可能であり、中間位置において、閉鎖側面(6)を持つバルブプレート(5)が少なくとも部分的にバルブ開口部(2)を覆い、バルブシート(4)に対して離間した対向位置に配置され、バルブプレート(5)がバルブ開口部(2)を減少させ、流路(F)を部分的に遮断し、
バルブプレート(7)が駆動部(7)により、中間位置と閉鎖位置(C)との間において垂直移動(y)で調節可能である、
ペンデュラムバルブと;
バルブ開口部(2)およびバルブプレート(5)が実質的に矩形の断面を有し、
シールキャリヤ(30)が矩形フレーム状または矩形の閉鎖断面を有し、
横断移動(x)が開口部軸(3)に実質的に垂直に伸びる、押し軸に沿った直線移動であり、
垂直移動(y)が開口部軸(3)に実質的に平行な直線移動であり、
開放位置(O)と中間位置との間において、駆動部(7)により、バルブプレート(7)が横断移動(x)で旋回可能であり、中間位置において、閉鎖側面(6)を持つバルブプレート(5)が少なくとも部分的にバルブ開口部(2)を覆い、バルブシート(4)に対して離間した対向位置に配置され、バルブプレート(5)がバルブ開口部(2)を減少させ、流路(F)を部分的に遮断し、
駆動部(7)により、バルブプレート(7)が中間位置と閉鎖位置(C)との間において垂直移動(y)で調節可能である、
スライドバルブと
のバルブ種類の一つとしてバルブが具現化される、請求項3〜8または13のいずれか一項記載のバルブ。
【請求項16】
駆動部(7)に接続され、バルブが第一の動作モードおよび第二の動作モードで動作することができるように具現化される制御装置(50)を含み、
第一の動作モードでは、シールキャリヤ(30)が係留位置(P)に配置され、開放位置Oと、閉鎖側面(6)を持つバルブプレート(5)が少なくとも部分的にバルブ開口部(2)を覆い、バルブシート(4)に対して離間した対向位置に配置され、バルブプレート(5)がバルブ開口部(2)を減少させ、流路(F)を部分的に遮断する中間位置との間において、バルブプレート(7)が調節可能であり、
第二の動作モードでは、シールキャリヤ(30)が連結位置(K)に配置され、バルブプレート(5)が開放位置(O)と閉鎖位置(C)との間で調節可能である、
請求項1〜15のいずれか一項記載のバルブ。
【請求項17】
流路(F)に沿って流れる媒体から第一のシール(31)を保護するため、第一のシール(31)がシールキャリヤ(30)の係留位置(P)で保護表面(21)に包囲されるように、係留部(8)に保護表面(21)が形作られる、請求項1〜16のいずれか一項記載のバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−502542(P2013−502542A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525111(P2012−525111)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【国際出願番号】PCT/EP2010/060566
【国際公開番号】WO2011/020672
【国際公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(593030945)バット ホールディング アーゲー (31)
【Fターム(参考)】