説明

実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン及びその調製方法。

実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法が記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、実質的ン純粋なO−デスメチルベンラファキシンを包含する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ベンラファクシン(Venlafaxine)、すなわち(±)−1−[2−(ジメチルアミノ)−1−(4−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノールは、最初の種類の抗うつ薬である。ベンラファクシンは、ノルエピネフィリン及びセロトニンの再摂取を阻害することにより作用し、そして三環式抗うつ薬及び選択的再摂取インヒビターに代わるものである。ベンラファキシンは、次の化学式I:
【0003】
【化1】

を有する。
【0004】
O−デスメチルベンラファクシン、すなわち4−[2−(ジメチルアミノ)−1−(1−ヒドロキシクロヘキシル)エチル]フェノールは、ノルエピネフリン及びセロトニン摂取のインヒビターとしても知られているベンラファクシンの代謝物であることが報告されている;Klamerus, K. J.など., “Introduction of the Composite Parameter to the Pharmacokinetics of Venlafaxine and its Active O-Desmethyl Metabokite, “and J. Clin. Pharmacol. 32: 716-724 (1992)を参照のこと。O−デスメチルベンラファキシンは、次の化学式II:
【0005】
【化2】

を有する。
【0006】
ベンラファクシンのメトキシ基の脱メチル化の段階を含んで成る、O−デスメチルベンラファキシンの合成方法は、アメリカ特許第7,026,508号及び第6,689,912号に記載されている。
上記特許に開示される合成は、下記スキームに従って行われる:
【0007】
【化3】

【0008】
ここで“MBC”はメチルベンジルシアン化物を言及し、“CMBC”はシクロヘキシルメチルベンジルシアン化物を言及し、“DDMV”はジデスメチルベンラファクシンを言及し、そして“ODV”はO−デスメチルベンラファキシンを意味する。
【0009】
合成化合物のように、O−デスメチルベンラファキシンは、多くの源に起因する外来性化合物又は不純物を含むことができる。それらは、未反応の開始材料、反応の副産物、副反応の生成物、又は分解生成物であり得る。O−デスメチルベンラファキシン又はいずれかの活性医薬成分(API)における不純物は所望されず、そして極端な場合、APIを含む投与形により処理される患者にとって有害であり得る。
【0010】
APIにおける不純物が、貯蔵、及び製造工程、例えば化学合成の間、純粋なAPIの安定性に関連する、API自体の分解から発生することもまた知られている。加工不純物は、未反応出発材料、出発材料に含まれる不純物の化学的誘導体、合成副産物、及び分解生成物を包含する。
【0011】
APIの保存寿命における因子である安定性の他に、商業的製造工程において生成されるAPIの純度は明らかに商業化のための必要な条件である。商業的製造工程の間に導入される不純物は、非常に少量に制限されるべきであり、そして好ましくは実質的に不在である。例えば、API製造のためのICH Q7Aガイダンスは、加工不純物が、原料の品質を特定し、加工パラメーター、例えば温度、圧力、時間、及び理論的比率を調節し、そして製造工程に精製段階、例えば結晶化、蒸留及び液体−液体抽出を包含することにより、設定限界以下に維持されることを必要とする。
【0012】
化学反応の生成物混合物は、医薬標準に適合するのに十分な純度を有する単一の化合物であることはまれである。反応の副生成物及び副産物、及び反応に使用される添加剤試薬はまた、ほとんどの場合、生成物混合物に存在するであろう。API、例えばO−デスメチルベンラファキシンの加工の間、一定の段階で、連続した加工のために、及び究極的には、医薬製品への使用のために適切であるかどうかを決定するために、典型的にはHPLC又はTLC分析により純度について分析されるべきである。APIは、絶対的純度は、典型的には達成できない理論的理想であるので、絶対的に純粋である必要はない。むしろ、純度標準は、APIができるだけ不純物を有さず、そして従って、臨床使用のためにできるだけ安全であることの確保のために設定される。上記で論じられたように、アメリカ合衆国において、食品医薬品局のガイドラインは、いくつかの不純物の量が0.1%以下に制限されることを推薦している。
【0013】
一般的に、副生成物、副産物及び添加試薬(集合的には、“不純物”)は、分光的に、及び/又は他の物理的方法により同定され、そして次に、ピーク位置、例えばクロマトグラムにおけるその位置、又はTLCプレート上のスポットと結びつけられる。(S trobel p.953, Strobel, H.A.; Heineman, W.R. Chemical Instrumentations A Systematic Approach, 3rd ed. (Wiley & Sons: New York 1989))。その後、不純物は、例えばクロマトグラムにおけるその相対的位置により測定され、ここでクロマトグラムにおける位置は、カラム上へのサンプルの注入と、検出器を通しての特定成分の溶出との間で、分として従来、測定される。クロマトグラムにおけるその相対的位置は、“保持時間”として知られている。
【0014】
従って、その医学的使用のために、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンを入手することが所望される。
【発明の開示】
【0015】
発明の要約
1つの態様においては、本発明は、HPLCによれば、約5%面積以下、より好ましくは約3%面積以下、さらにより好ましくは約1%面積以下の合計不純物を含む、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンを供給する。
好ましくは、O−デスメチルベンラファキシンは、HPLCによれば、約0.7%面積以下の合計不純物を含む。O−デスメチルベンラファキシンは、より好ましくは、HPLCによれば、約0.2%面積以下、及び最も好ましくは、約0.07%面積以下の合計不純物を含む。
【0016】
もう1つの態様においては、本発明は、ベンラファキシン、有機溶媒、及びチオフェノール、硫化ナトリウム及びC1-C8アルキルチオレートから成る群から選択された試薬を、減圧下で合し、混合物を形成し;前記混合物を約30〜約220℃の温度に加熱し;そしてO−デスメチルベンラファキシンを回収することを含んで成る、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
【0017】
もう1つの態様においては、本発明は、ベンラファキシン、有機溶媒、及びC1-C8アルキルチオレート又は硫化ナトリウムを合し、混合物を形成し;前記混合物を約100〜約210℃の温度に加熱し;そしてO−デスメチルベンラファキシンを回収することを含んで成る、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
【0018】
もう1つの態様においては、本発明は、ベンラファキシン及びチオフェノールを合し、混合物を形成し;前記混合物を、約100〜約120℃の温度に加熱し;そしてO−デスメチルベンラファキシンを回収することを含んで成る、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
さらにもう1つの態様においては、本発明は、ベンラファキシンの脱メチル化のためへのC1-C8アルキルチオレート及び硫化ナトリウムの使用を提供する。
【0019】
さらにもう1つの態様においては、本発明は、同時継続出願60/849216号(引用により本明細書に組み込まれる)に記載のようにして、トリデスメチルベンラファキシンを調製し;前記トリデスメチルベンラファキシンをO−デスメチルベンラファキシンに転換し;そしてO−デスメチルベンラファキシンを回収することを含んで成る、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
【0020】
さらなる態様においては、本発明は、O−デスメチルベンラファキシンの化学的純度を試験するための分析方法に向けられる。
もう1つの態様においては、本発明は、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン及び医薬的に許容できる賦形剤を含んで成る医薬組成物を提供する。
さらにもう1つの態様においては、本発明は、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン及び医薬的に許容できるキャリヤーを混合すことを含んで成る医薬製剤の調製方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
発明の特定の記載
本明細書において使用される場合、用語“実質的に純粋”とは、HPLCにより%面積として測定される場合、約95%又はそれ以上の純度有するO−デスメチルベンラファキシンを言及する。好ましくは実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンは、HPLCによれば、約97%面積、より好ましくは約99%面積、さらにより好ましくは約99.3%面積、最も好ましくは約99.8%面積の純度を有する。
【0022】
本発明は、HPLCによれば、約5%面積以下、より好ましくは約3%面積以下、さらにより好ましくは約1%面積以下の合計不純物を含む、O−デスメチルベンラファキシン(ODV)を提供する。用語“HPLCによる%面積”とは、本明細書において使用される場合、合計面積の%で表されるHPLCクロマトグラムにおけるすべてのピークの合計面積に比較して、1又は複数のピークのHPLCクロマトグラムにおける面積を言及する。さらに、O−デスメチルベンラファキシンの純度は、“HPLC”純度として表され得る。“HPLC純度”は、HPLCクロマトグラムにおける曲線下の合計面積により割り算された、O−デスメチルベンラファキシンピーク下の面積の合計である。
【0023】
好ましくは、O−デスメチルベンラファキシンは、HPLCによれば、約0.7面積以下の合計不純物を含む。より好ましくは、O−デスメチルベンラファキシンは、HPLCによれば、約0.2%面積以下、及び最も好ましくは、約0.07%面積以下の合計不純物を含む。
本発明により供給されるO−デスメチルベンラファキシンは、ラセミ体として、又は光学的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンとして得られる。
【0024】
粗O−デスメチルベンラファキシンのさらなる結晶化が、より高い純度を提供することは、当業者に明らかである。
もう1つの態様においては、本発明は、ベンラファキシン(VNL)、有機溶媒、及びチオフェノール、硫化ナトリウム及びC1-C8アルキルチオレートから成る群から選択された試薬を、減圧下で組合し、混合物を形成し;前記混合物を約30〜約220℃、好ましくは約30〜約100℃の温度に加熱し;そしてO−デスメチルベンラファキシンを回収することを含んで成る、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
【0025】
本明細書において使用される場合、用語“減圧”とは、約1大気圧以下の圧力、好ましくは0.5大気圧以下の圧力、より好ましくは約0.1大気圧以下の圧力を言及する。
有機溶媒は、C3-C7ケトン、C3-C7エステル、C5-C8脂肪族炭化水素、C6-C12芳香族炭化水素、高沸点溶媒、C2-C8エーテル、塩素化された炭化水素及びC2-C8アルコールから成る群から選択される。より好ましくは、前記溶媒は、アセトン、酢酸エチル、トルエン、DMF、NMP、DMA、THF及びエタノールから成る群から選択される。
【0026】
本明細書において使用される場合、用語“高沸点溶媒”とは、約100℃よりも高い沸点を有する溶媒を言及する。好ましくは、高沸点溶媒は、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)及びジメチルアセトアミド(DMA)から成る群から選択される。より好ましくは、高沸点溶媒は、DNA、DMF又はNMPである。
【0027】
NMPが使用される場合、NMP:ベンラファキシンの比は、好ましくは1:20(体積による)、より好ましくは2:4(体積による)である。
DMA又はDMFが使用される場合、ベンラファキシンに対するDMA及びDMFの比率は、好ましくは少なくとも1体積、より好ましくは1〜10(体積による)、最も好ましくは約2.5体積である。
【0028】
チオフェノールが前記方法に使用される場合、触媒が好ましくは反応混合物に使用される。より好ましくは、触媒は塩基である。最も好ましくは、触媒は、アルカリ金属塩基、例えば炭酸カリウムである。
好ましくは、上記方法により得られる実質的純粋なO−デスメチルベンラファキシンは、HPLCによれば、約0.7%面積以下の合計不純物を含む。より好ましくは、前記方法により得られる実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンは、HPLCによれば、約0.2%面積以下及び最も好ましくは約0.07%面積以下の合計不純物を含む。
【0029】
O−デスメチルベンラファキシンは、当業者に知られているいずれかの方法により、混合物から回収され得る。
好ましくは、このようにして得られる結晶形でのO−デスメチルベンラファキシンは、約12.1、13.2、15.9及び20.4°2θ±0.2°2θでの粉末X−線回折反射により特徴づけられる。
【0030】
もう1つの態様においては、本発明は、ベンラファキシン、有機溶媒、及びC1-C8アルキルチオレート又は硫化ナトリウムを組合し、混合物を形成し;前記混合物を約100〜約210℃、好ましくは約100〜約190℃、より好ましくは約135〜約190℃の温度に加熱し;そして実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンを回収することを含んで成る、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
【0031】
使用される有機溶媒は、上記の通りである。
NMPが使用される場合、NMP:ベンラファキシンの比は、好ましくは1:20(体積による)、より好ましくは2:4(体積による)である。
DMA又はDMFが使用される場合、ベンラファキシンに対するDMA及びDMFの比率は、好ましくは少なくとも1体積、より好ましくは1〜10(体積による)、最も好ましくは約2.5体積である。
【0032】
好ましくは、上記方法により得られる実質的純粋なO−デスメチルベンラファキシンは、HPLCによれば、約0.7%面積以下の合計不純物を含む。より好ましくは、前記方法により得られる実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンは、HPLCによれば、約0.2%面積以下及び最も好ましくは約0.07%面積以下の合計不純物を含む。
O−デスメチルベンラファキシンは、当業者に知られているいずれかの方法により、混合物から回収され得る。
【0033】
好ましくは、このようにして得られる結晶形でのO−デスメチルベンラファキシンは、約12.1、13.2、15.9及び20.4°2θ±0.2°2θでの粉末X−線回折反射により特徴づけられる。
【0034】
もう1つの態様においては、本発明は、ベンラファキシン、及びチオフェノールを組合し、混合物を形成し;前記混合物を約100〜約210℃、好ましくは約100〜約190℃、より好ましくは約135〜約190℃の温度に加熱し;そして実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンを回収することを含んで成る、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
【0035】
任意には、上記方法は、非ヒドロキシル又は非エーテル性溶媒の存在下で行われ得る。前記溶媒は、NMP, DMSO, DMF, DMA, カルボワックス、マルロサーム(marlotherm)及びシリコーン油から成る群から選択される。好ましくは、溶媒はNMPである。
NMPが使用される場合、NMP:ベンラファキシンの比は、好ましくは1:20(体積による)、より好ましくは2:4(体積による)である。
【0036】
触媒が好ましくは、ベンラファキシン及びチオフェノールの反応混合物に使用される。より好ましくは、触媒は塩基である。最も好ましくは、触媒は、アルカリ金属塩基、例えば炭酸カリウムである。
好ましくは、上記方法により得られる実質的純粋なO−デスメチルベンラファキシンは、HPLCによれば、約0.7%面積以下の合計不純物を含む。より好ましくは、前記方法により得られる実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンは、HPLCによれば、約0.2%面積以下及び最も好ましくは約0.07%面積以下の合計不純物を含む。
【0037】
O−デスメチルベンラファキシンは、当業者に知られているいずれかの方法により、混合物から回収され得る。
好ましくは、このようにして得られる結晶形でのO−デスメチルベンラファキシンは、約12.1、13.2、15.9及び20.4°2θ±0.2°2θでの粉末X−線回折反射により特徴づけられる。
【0038】
上記実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンを調製するためのすべての方法は、塩不純物を低めるために、得られるO−デスメチルベンラファキシンを、有機溶媒及び水の混合物にスラリーすることを伴う。スラリーすることにより得られる実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンは、少なくとも約98%のアッセイ純度、より好ましくは99%のアッセイ純度を有する。好ましくは、有機溶媒/水の混合物は、アルコール/水の混合物又は水/アセト二トリルの混合物であり得、より好ましくはアルコール/水の混合物はC1-C4アルコール/水の混合物であり、最も好ましくはアルコール/水の混合物はイソプロパノール/水の混合物である。
【0039】
本明細書において使用される場合、“アッセイ純度”とは、標準の面積%に、サンプルの面積%を比較することにより、O−デスメチルベンラファキシンの質量を計算する良く知られている方法により決定される純度を言及する。
任意には、O−デスメチルベンラファキシンは、水/IPA混合物にスラリーされる。好ましくは、水/IPA混合物は、15:25〜80:20(体積による)の比、より好ましくは80:20(体積による)の比で存在する。
【0040】
前記スラリーは、約20〜約70℃、好ましくは約20〜約40℃、より好ましくはほぼ室温で、約5分〜約5時間、好ましくは約30分〜約4時間、より好ましくは1〜約3時間、最も好ましくは約2時間、維持され、約95%、好ましくは約99%のアッセイ純度を有する、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンが得られる。実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンは、当業者に知られているいずれかの方法によりスラリーから回収され得る。好ましくは、回収は、水/IPA中、水溶液又は懸濁液からのO−デスメチルベンラファキシンの沈殿を包含し、ここでpHが7.5〜13.5、好ましくは7.5〜10、より好ましくは約8のpHに調節される。pH の調節は、酸の添加を包含し、好ましくは酸はHCl又は有機酸から選択され、より好ましくは酸はクエン酸又は琥珀酸であり、最も好ましくは酸は琥珀酸である。
【0041】
さらにもう1つの態様においては、本発明は、ベンラファキシンの脱メチル化のためへのC1-C8アルキルチオレート及び硫化ナトリウムの使用を提供する。
さらにもう1つの態様においては、本発明は、同時継続出願60/849216号(引用により本明細書に組み込まれる)に記載のようにして、トリデスメチルベンラファキシン(TDMV)を調製し;前記トリデスメチルベンラファキシンをO−デスメチルベンラファキシンに転換し;そして実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンを反応混合物から回収することを含んで成る、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法を提供する。
【0042】
トリデスメチルベンラファキシンの調製方法は、ジデスメチルベンラファキシン、高沸点溶媒及びチオレートを組合し、混合物を形成し;前記混合物を、約100〜約220℃、好ましくは約140〜約210℃、より好ましくは約155〜約210℃の温度に加熱し;そして任意には、トリデスメチルベンラファキシンを、混合物から回収することを含んで成る。
上記方法により得られるトリデスメチルベンラファキシンは好ましくは、HPLCによれば、5%面積以下の合計不動物を含む。
【0043】
好ましくは、高沸点溶媒は、上記の通りである。
好ましくは、チオレートは、高分子量チオレート又はアレンチオレートである。より好ましくは、チオレートは、ナトリウムドデカンエチル又はチオフェノールである。ナトリウムドデカンチオレートは、当業者に知られているいずれかの方法、例えばナトリウムメトキシド、メタノール及びドデカンチオールを組合すことにより得られる。
【0044】
チオフェノールが使用される場合、触媒が好ましくは、反応混合物に使用される。より好ましくは、触媒は塩基である。最も好ましくは、触媒は、アルカリ金属の塩、例えば炭酸カリウムである。
好ましくは、混合物は、約155〜約210℃の温度に加熱される。
トリデスメチルベンラファキシンは、混合物から、当業者に知られているいずれかの方法により回収され得る。
【0045】
O−デスメチルベンラファキシンへのトリデスメチルベンラファキシンの転換はまた、同時継続出願60/849216号(引用により本明細書に組込まれる)に記載のようにして行われ得る。この方法は、トリデスメチルベンラファキシン及びホルムアルデヒド源の溶液と硼水素化ナトリウム又は硼水素化ナトリウムトリアセトキシとを組合し、スラリーを得;そして任意にはO−デスメチルベンラファキシンを、前記スラリーから回収することを含んで成る。
【0046】
任意には、トリデスメチルベンラファキシン開始材料は、有機溶媒、例えばC1-4アルコールとの溶液において存在する。
任意には、前記工程は、酸性条件下で行われる。好ましくは、酸性源は、有機酸、例えば蟻酸又は酢酸である。
好ましくは、硼水素化ナトリウム又は硼水素化ナトリウムトリアセトキシを組合す前、溶液は約10℃以下、より好ましくは約5℃以下の温度に冷却される。
【0047】
実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンはさらに、当業者に知られているいずれかの方法により、反応混合物から回収され得る。好ましくは、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの回収は、粗O−デスメチルベンラファキシンを含む懸濁液、例えば前記転換段階からの反応混合物のpHを、約7.5〜13.5に調節し、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンを得るすることを含んで成る。粗O−デスメチルベンラファキシンを含む懸濁液のpHの調節は、前記懸濁液からの実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの沈殿をもたらすか又は可能にすることができる。
【0048】
粗O−デスメチルベンラファキシンを含む懸濁液は、O−デスメチルベンラファキシンへのトリデスメチルベンラファキシンの転換の反応混合物からの懸濁液、又は水/C1-C4アルコール混合物における懸濁物であり得る。pHは、いずれかの適切な有機又は無機酸により調節され得、好ましくはpHはクエン酸又は琥珀酸により調節される。実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの回収においては、pHは好ましくは、約7.5〜10、より好ましくは約8に調節される。実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの回収はさらに、得られる実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの濾過を包含する。任意には、抗溶媒がpH調節された懸濁液に添加され、ここで抗溶媒は水相溶性溶媒である。好ましくは、抗溶媒は、C1-C4アルコール、より好ましくはイソプロパノール(IPA)である。
【0049】
好ましくは、上記方法により得られる実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンは、HPLCによれば、約0.7%面積以下の合計不純物を含む。より好ましくは、上記方法により得られたO−デスメチルベンラファキシンは、HPLCによれば、約0.2%面積以下、及び最も好ましくは約0.07%面積以下の合計不純物を含む。
O−デスメチルベンラファキシンは、当業者に知られているいずれかの方法により、スラリーから回収され得る。
【0050】
さらなる態様においては、本発明は、O−デスメチルベンラファキシンサンプルと、アセト二トリル:緩衝液の約3:7の比での混合物とを組合し、溶液を得;前記溶液を、C-18カラム、例えばZorbax SB C-18 4.6*250mm Part No.28105-020又は類似するカラム上記注入し;続いて、アセト二トリル:緩衝液(約3:7)の混合物(溶離剤Aとして言及される)及びアセト二トリル:緩衝液:トリフルオロ酢酸:トリエチルアミンの混合物(溶離剤Bとして言及される)の混合物を溶離剤として用いて、約55分でのカラムからのサンプルを溶出し;そして前記サンプルの化学的純度をUV検出器により測定することを含んで成る、O−デスメチルベンラファキシンの化学的純度を試験するための分析方法に向けられる。
【0051】
溶離剤Bは好ましくは、約700部のアセト二トリル及び約300部の緩衝液の混合物に、約1.6部のトリフルオロ酢酸及び約2.9部のトリエチルアミンを添加し、そして得られる混合物を約3.0のpHに調節することにより調製され、より好ましくは、溶離剤Bは、約700mlのアセトニトリル、約300mlの緩衝液、約1.6mlのトリフルオロ酢酸、及び2.9mlのトリエチルアミンを組合し、そして約3.0のpHに調節することにより調製される。
【0052】
好ましくは、前記緩衝液は、約0.4%のトリフルオロ酢酸、約0.7%のトリエチルアミン及び約98.9%の水を含み、そして約3.0のpHを有する。
好ましくは、使用される溶離剤は、溶離剤A及び溶離剤Bの混合物であり得、ここでそれらの比率は時間にわたって変化し、すなわちグラジエント溶離剤である。前記溶離剤は、時間0分で、100%の溶離剤A及び0%の溶離剤Bを含み、約21分で、約100%の溶離剤A及び約0%の溶離剤Bを含み、そして約55分で、約45%の溶離剤A及び約55%の溶離剤Bを含む。
【0053】
もう1つの態様においては、本発明は、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン及び医薬的に許容できる賦形剤を含んで成る医薬組成物を提供する。
さらにもう1つの対応においては、本発明は、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン及び医薬的に許容できるキャリヤーを混合すことを含んで成る医薬製剤の調製方法を提供する。
【0054】
医薬組成物は、経口、非経口、直腸、経皮、頬又は鼻腔内投与される薬剤として調製され得る。経口投与のための適切な形は、錠剤、圧縮された又は被覆されたピル、糖剤、香粉、硬質又はゼラチンカプセル、舌下錠剤、シロップ及び懸濁液を包含する。非経口投与の適切な形は、水性又は非水性溶液又はエマルジョンを包含し、そして直腸投与に関しては、投与のための適切な形は、親水性又は疎水性ビークルを含む坐剤を包含する。局部投与に関しては、本発明は当業界において知られている適切な経皮投与システムを提供し、そして鼻腔内供給に関しては、当業界において知られている適切なエアロゾル供給システムが提供される。
【0055】
活性成分の他に、本発明の医薬組成物は、1又は複数の賦形剤又はアジュバントを含むことができる。賦形剤の選択及び使用する量は、当業界における標準の方法及び参考研究の経験及び考慮に基づいて、配合化学者により容易に従来され得る。
【0056】
希釈剤は、固体医薬組成物の嵩を高め、そして前記組成物を含む医薬用量形を患者及び取り扱うケアー供与者を、より容易にすることができる。固体組成物のための希釈剤は、例えば微晶性セルロース(例えば、AVICEL(商標))、微小セルロース、ラクトース、スターチ、プレゲル化されたスターチ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート、デキストリン、第二リン酸カルシウム・二水和物、第三リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(例えば、EUDRAGIT(商標))、塩化カリウム、粉末化されたセルロース、塩化ナトリウム、ソルビトール及びタルクを包含する。
【0057】
投与量形、例えば錠剤に圧縮される固体医薬組成物は、圧縮の後、活性成分及び他の賦形剤を一緒に結合することための賦形剤を含むことができる。固体医薬組成物のための結合剤は、アカシア、アルギン酸、カルボマー(例えば、カルボポール)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーガム、水素化された植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、KLUCEL(商標))、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(例えば、METHOCEL(商標))、液体グルコース、珪酸アルミニウム・マグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(例えば、KOLLIDON(商標)、PLASDONE(商標))、プレゲル化されたスターチ、アルギン酸ナトリウム及びスターチを包含する。
【0058】
患者の胃における圧縮された固体医薬組成物の溶解速度は、組成物への砕解剤の添加により高められ得る。砕解剤は、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、AC−DI−SOL(商標), PRIMELLOSE(商標))、コロイド状二酸化珪素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、KOLLIDON(商標), POLYPLASDONE(商標))、グアーガム、珪酸アルミニウム・マグネシウム、メチルセルロース、微晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末化されたセルロース、プレゲル化されたスターチ、アルギ酸ナトリウム、ナトリウムスターチグリコレート(例えば、EXPLOTAB(商標))及びスターチを包含する。
【0059】
潤滑剤は、圧縮されていない固体組成物の流動性を改良するために、及び投与量の精度を改良するために添加され得る。潤滑剤として機能することができる賦形剤は、コロイド状二酸化珪素、三珪酸マグネシウム、粉末化されたセルロース、スターチ、タルク及び第三リン酸カルシウムを包含する。
【0060】
用量形、例えば錠剤が、粉末化された組成物の圧縮により製造される場合、その組成物は、パンチ及び染料からの圧縮にゆだねられる。パンチ及びダイからの圧縮にゆだねられる。いくつかの賦形剤及び活性成分は、ピット及び他の表面不規則性の生成物による獲得を引起すことができる、パンチ及び染料の表面への付着傾向を有する。滑剤は、付着性を低め、そして染料からの生成物の開放を容易にするために組成物に添加され得る。滑剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、グリセリルモノステアレート、グルセリルパルミトステアレート、水素化されたヒマシ油、水素化された植物油、鉱油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク及びステアリン酸亜鉛を包含する。
【0061】
風味剤及び風味増強剤は、用量形を、患者に対して口に合うようにする。本発明の組成物に含まれ得る、医薬生成物のための通常の風味剤及び風味増強剤は、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メンソール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトール及び酒石酸を包含する。
固体及び液体組成物はまた、それらの外観を改良し、そして/又は生成物及び/又は生成物及び単位用量レベルの患者による同定を促進するために、いずれか医薬的に許容できる着色剤を用いて着色され得る。
【0062】
本発明の液体医薬組成物においては、イバンドロネートナトリウム及びいずれか他の固体賦形剤が、液体キャリヤー、例えば水、植物油、アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセリンに溶解されるか又は懸濁される。
液体医薬組成物は、液体キャリヤーに不溶性である活性成分又は他の賦形剤を、組生物を通して均等に分散するために乳化剤を含むことができる。本発明の流体組成物において有用である乳化剤は、例えばゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、アカシア、トラガカント、コンドラス、ペクチン、メチルセルロース、カルボマー、セトステアリルアルコール及びセチルアルコールを包含する。
【0063】
本発明の液体医薬組成物はまた、生成物の口内感触を改良し、そして/又は胃腸管の内層を被覆するために粘度増強剤を含むことができる。そのような剤は、アカシア、アルギン酸ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウム又はナトリウム、セトステアリルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチングアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、プロピレンカーボネート、プロピレングリコールアルギネート、アルギン酸ナトリウム、ナトリウムスターチグリコレート、スターチトラガカント及びキサントガムを包含する。
【0064】
甘味剤、例えばソルビトール、サッカリン、ナトリウムサッカリン、スクロース、アスパータム、フルクトース、マンニトール、及び転化糖が、味覚を改良するために添加され得る。
保存剤及びキレート化剤、例えばアルコール、安息香酸ナトリウム、ブチル化されたヒドロキシルトルエン、ブチル化されたヒドロキシアニソール、及びエチレンジアミン四酢酸が、貯蔵安定性を改良するために摂取のための安全レベルで添加され得る。
【0065】
本発明によれば、液体組成物はまた、緩衝液、例えばグルコン酸、乳酸、クエン酸又は酢酸、グルコン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又は酢酸ナトリウムを含むことができる。
賦形剤の選択及び使用される量は、この分野における標準の方法及び基準研究の経験及び考慮に基づいて配合科学者により容易に決定され得る。
【0066】
本発明の固体組成物は、粉末、顆粒、凝集体及び圧縮組成物を包含する。用量は、経口、頬、直腸、非経口(皮下、筋肉内及び静脈内)、吸入及び眼投与のために適切な用量である。いずれかの所定の場合における最も適切な投与は、処理される病状の性質及び重症度に依存するが、本発明の最も好ましい経路は経口である。その用量は、単位用量形で便利には提供され、そして医薬業界において良く知られているいずれかの方法により調製され得る。
【0067】
用量形は、固体用量形、例えば錠剤、粉末、カプセル、坐剤、サケット、トローチ及びロゼンジ、並びに液体シロップ、懸濁液及びエリキシルを包含する。
本発明の用量は、組成物、好ましくは本発明の粉末化された又は顆粒化された固体組成物を含むカプセル(ハード又はソフトシェルのいずれか)であり得る。シェルは、ゼラチンから製造され、そして任意には、可塑剤、例えばグリセリン及びソルビトール、及び不透明剤又は着色剤を含む。
【0068】
活性成分及び賦形剤は、当業界において知られている方法に従って、組成物及び用量形に配合され得る。
錠剤化又はカプセル充填のための組成物は、湿式顆粒化により調製され得る。湿式顆粒化においては、粉末形での活性成分及び賦形剤のいくらか又はすべてが、ブレンドされ、そして次に、液体、典型的には粉末の顆粒への凝集を引起す水の存在下で、さらに混合される。顆粒はスクリーンされ、そして/又は微粉砕され、乾燥され、そして次に、所望する粒度にスクリーンされ、そして/又は微粉砕される。次に顆粒は錠剤化されるか、又は他の賦形剤、例えば滑剤及び/又は潤滑剤が、錠剤化の前、添加され得る。
【0069】
錠剤組成物は、便利には、ドライブレンドにより調製され得る。例えば、活性剤及び賦形剤のブレンドされた組成物が、スラグ又はシートに圧縮され、そして次に、圧縮された顆粒に微粉砕される。続いて、圧縮された顆粒が錠剤に圧縮され得る。
【0070】
乾燥顆粒化に変わるものとして、ブレンドされた組成物は、直接的圧縮技法を用いて、圧縮された用量形に直接的に圧縮され得る。直接的な圧縮は、顆粒を有さないより均等な錠剤を生成する。直接的な圧縮錠剤化のために特に適切である賦形剤は、微晶性セルロース、噴霧乾燥されたラクトース、リン酸二カルシウム・二水和物及びコロイド状シリカを包含する。直接的圧縮錠剤化におけるそれらの及び他の賦形剤の正しい使用は、当業者、特に直接的に圧縮錠剤化の配合専門家に知られている。
【0071】
本発明のカプセル充填は、錠剤化に関して記載された前述のブレンド及び顆粒のいずれかを含んで成るが、しかしながら、それらは最終錠剤化段階にゆだねられない。
もう1つの態様においては、本発明は、治療的有効量の上記の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンを、その必要な患者に投与することを含んで成る、患者の処理方法を提供する。好ましくは、前記方法は、ノルエピネフリン又はセロトニン再摂取インヒビターにより処理され得る病状の患者を処理する。そのような患者は、うつ病を有する。
【0072】
一定の好ましい態様に関して本発明を記載して来たが、他の態様も、本明細書の考慮から当業者に明らかに成るであろう。本発明はさらに、新規化合物トリデスメチルベンラファキシンの合成、及びO−デスメチルベンラファキシンへのその転換を詳細に記載する次の例により定義される。材料及び方法に対する多くの修飾が本発明の範囲内で行われ得ることは、当業者に明らかであろう。
【実施例】
【0073】
XRD回折を、ソリッドステート検出器を備えたScintag X-線粉末回折器モデルX’TRA上で行った。1.5418Åの銅放射線を使用した。サンプルホルダーは、おおまかなゼロバックグラウンドを有する丸型アルミニウムサンプルホルダーであった。走査パラメーターは次の範囲であった:2−40°2θ;連続走査;段階サイズ:0.05°;及び5°/分の速度。
【0074】
化学的純度を測定するためのHPLC方法
カラム:Zorbax SB C−18 4.6*250mmパーツ番号28105−020又は同等のカラム。
緩衝液:0.4%のトリフルオロ酢酸、0.7%のトリエチルアミン、98.9%の水(pH=3.0に調節された)。
溶離剤A:30%アセト二トリル、70%緩衝液。
溶離材B:700mlのアセト二トリル及び300mlの緩衝液の混合物に、1.6mlのトリフルオロ酢酸及び2.9mlのトリエチルアミンを添加することにより調製された(pH=3.0に調節された)。
停止時間:55分。
溶離剤のグラジエント:
【0075】
【表1】

【0076】
平衡化時間:10分。
流速 ; 1.0ml/分。
検出器 : 230nm。
注入体積:10μl。
溶離剤 :溶離剤A。
カラム温度:25℃。
【0077】
例1:NMP中、O−デスメチルベンラファキシンの調製
ベンラファキシン(50g、180mモル)、チオフェノール(20ml、195mモル)、K2CO3(1g、6mモル)及びNMP(90ml)を、撹拌機、冷却器及び温度計を備えた、500mlの3つ首フラスコに充填した。その混合物を190℃に加熱した。190℃での5時間後、加熱槽を除いた。(1.5%以下のVNL)。80℃で、IPA(300ml)を添加した。その溶液を、0〜5℃に一晩、冷却した。固形物を減圧下で濾過し、そしてIPA及び水により洗浄した。次に、固形物を真空下で50℃で一晩、乾燥し、純粋なODV塩基を得た。97%の純度及び93.5%のアッセイ純度を有するODVを得た。
【0078】
例2:NMP中、O−デスメチルベンラファキシンの調製
磁気撹拌機、デーンスターク、冷却器及び温度計を備えた1つ首フラスコに、室温で窒素の流れ下で、VNL(5g、18.2mモル)、Na2S水和物(1.58g、12mモル、アッセイ>60%)及びNMP(12ml)を添加した。反応混合物を、1時間で150℃に加熱し、そしてこの温度で7.5時間、維持した。次に、反応混合物を室温で冷却し、そしてこの温度で一晩、撹拌した。その後、Na2S水和物(0.71g、5.4mモル、アッセイ>60%)を添加した。その温度を1時間で165℃まで加熱し、そしてこの温度で5時間、維持した。この後、反応を40℃に冷却し、IPA(300ml)及びクエン酸の10%水溶液(20ml)を、軽い沈殿が観察されるまで(pH10)、滴下漏斗を通して、ゆっくり添加した。その懸濁液を室温で週末を通して撹拌し、そして固形物を減圧下で濾過し、そしてIPA(20ml)により洗浄した。固形物を、50℃での真空オーブンにおいて一晩、乾燥し、乾燥ODV(アッセイ純度55.2%、HPLC純度99.11%)を得た。
【0079】
例3:圧力下でのO−デスメチルベンラファキシンの調製
250mlのオートクレーブを、5gのVNL(0.0182モル)、3.81gのナトリウムエタンチオレート(0.0458モル、2.5当量)及びNMP(10ml)により充填する。反応混合物を、30℃〜220℃及び1〜20バールの圧力下で4時間、撹拌する。次に、その混合物を室温に冷却する。周囲温度で、IPA(10ml)及び水(10ml)を添加する。この混合物に、クエン酸の10%水溶液を添加し、pHを、約12にする。固形物が沈殿し始め、そしてRTで2.5時間、撹拌する。次に、固形物を減圧下で濾過し、そして溶媒により洗浄する。湿ったケークを、50℃での真空オーブンにおいて乾燥し、純粋OVDを得る。
【0080】
例4:DMA中、O−デスメチルベンラファキシンの調製
機械撹拌機、温度計及び冷却器を備えた、100mlの三つ首フラスコに、5gのVNL(0.0182モル)、3.81gのナトリウムエタンチオレート(0.0458モル、2.5当量)及びジメチルアセトアミド(10ml)を添加した。その混合物を4時間、135℃で加熱し、そして次にそれを室温に冷却した。周囲温度で、IPA(10ml)及び水(10ml)を添加した。その反応混合物は透明であった。この混合物(pH13)に、クエン酸の10%水溶液を添加し、pHを12.4にした。固形物が沈殿し始め、そしてRTで2.5時間、撹拌そた。次に、固形物を減圧下で濾過し、そしてIPAにより洗浄する。湿ったケークを、50℃での真空オーブンにおいて乾燥し、粗OVD(アッセイ純度78%、HPLC純度99.84%)を得る。
【0081】
例5:DMA中、O−デスメチルベンラファキシンの調製
機械撹拌機、温度計及び冷却器を備えた、100mlの三つ首フラスコに、10gのVNL(0.0364モル)、7.62gのナトリウムエタンチオレート(0.091モル、2.5当量)及びジメチルアセトアミド(20ml)を添加した。その混合物を9時間、110℃で加熱し、そして次にそれを室温に冷却した。周囲温度で、IPA(25ml)及び水(15ml)を添加した。その反応混合物は透明であった。この混合物(pH12.43)に、32%HClのを添加し、pHを10にした。固形物が沈殿し始め、そして周囲温度で2.5時間、撹拌した。次に、固形物を濾過し、そしてIPAにより洗浄する。湿ったケークを、50℃での真空オーブンにおいて乾燥し、粗OVD(アッセイ純度77.9%、HPLC純度94.98%)を得る。
【0082】
例6:DMA中、O−デスメチルベンラファキシンの調製
機械撹拌機、温度計及び冷却器を備えた、100mlの三つ首フラスコに、5gのVNL(0.0182モル)、3.81gのナトリウムエタンチオレート(0.0458モル、2.5当量)及びジメチルアセトアミド(10ml)を添加した。その混合物を3時間20分、135℃で加熱した。次にその溶液を室温に冷却した。
【0083】
この温度で、酢酸エチル(10ml)を添加し、そしていくらかの材料が沈殿した。その混合物を70℃に加熱し、そして次に、周囲温度に、ゆっくり冷却した。その混合物を、この温度で一晩、撹拌した。次に、前記混合物に、IPA、ブライン及び10%クエン酸を添加し、pHを9〜10にした。その懸濁液をRTで5分間、撹拌し、そして減圧下で濾過した。湿ったケークを、50℃での真空オーブンにおいて乾燥し、粗OVD(アッセイ純度76.3%、HPLC純度99.29%)を得る。
【0084】
例7:水/IPAにおけるスラリーによるO−デスメチルベンラファキシンの調製
1gのODV(GS1652)を、水:IPA(80:20)の混合物5mlにおいて周囲温度で2時間、撹拌した。そのスラリーを、周囲温度で2時間、撹拌し、そして固形物を減圧下で濾過し、そして2mlの水:IPA(80:20)により洗浄した。固形物を真空オーブンにおいて50℃で一晩、乾燥し、乾燥した純粋ODV(アッセイ濃度98.7%、HPLC99.93%)を得た。
【0085】
例8:水におけるスラリーによるO−デスメチルベンラファキシンの調節
磁気撹拌機を備えた100mlのフラスコに、前記生成された湿ったODV(5.65g)及び水(40ml)を室温で添加した。その懸濁液を室温で2.5時間、撹拌した。次に、その懸濁液を減圧下で濾過し、そして水(10ml)により洗浄した。固形物を真空オーブンにおいて50℃で一晩乾燥し、白色の純粋ODV(アッセイ濃度95%、HPLC純度99%)を得た。
【0086】
例9:NMPにおけるO−デスメチルベンラファキシンの調製
磁気撹拌機、デーンスターク、冷却器及び温度計を備えた3つ首フラスコに、室温で窒素の流れ下で、VNL(12g、43.26mモル)、Na2S水和物(6.2g、47.69mモル、アッセイ>60%)及びNMP(24ml)を添加した。反応混合物を、1時間で175℃に加熱し、そしてこの温度で3時間、維持した。次に、反応混合物を90℃に冷却した。水(36ml)及び琥珀酸(5g、42.34mモル)を添加し、そして弱い沈殿を観察した(pH8.0)。ジエチルカーボネート(24ml)を、前記溶液に添加し、そしてその懸濁液を60℃で0.5時間、撹拌した。次に、反応混合物を室温に冷却し、そして固形物を減圧下で濾過し、そして水(2×20ml)により洗浄した。固形物を、50℃での真空オーブンにおいて一晩、乾燥し、9.26g(の収率=79.43%)の乾燥ODV塩基(アッセイ純度97.7%、HPLC純度99.34%)を得た。
【0087】
例10:NMPにおけるO−デスメチルベンラファキシンの調製
磁気撹拌機、デーンスターク、冷却器及び温度計を備えた3つ首フラスコに、室温で窒素の流れ下で、VNL(12g、43.26mモル)、Na2S水和物(6.2g、47.69mモル、アッセイ>60%)及びNMP(24ml)を添加した。反応混合物を、1時間で175℃に加熱し、そしてこの温度で3時間、維持した。次に、反応混合物を90℃に冷却した。水(36ml)及び琥珀酸(6g、50.8mモル)を添加し、そして弱い沈殿を観察した(pH8.0)。アセトニトリル(24ml)を添加し、そしてその懸濁液を60℃で0.5時間、撹拌した。次に、反応混合物を室温に冷却し、そして固形物を減圧下で濾過し、そして水(2×20ml)により洗浄した。固形物を、50℃での真空オーブンにおいて一晩、乾燥し、純粋な乾燥ODV塩基(アッセイ純度95.8%、HPLC純度99.47%)を得た。
【0088】
例11:NMPにおけるO−デスメチルベンラファキシンの調製
磁気撹拌機、デーンスターク、冷却器及び温度計を備えた3つ首フラスコに、室温で窒素の流れ下で、VNL(12g、43.26mモル)、Na2S水和物(6.2g、47.69mモル、アッセイ>60%)及びNMP(24ml)を添加した。反応混合物を、1.5時間で175℃に加熱し、そしてこの温度で4時間、維持した。次に、反応混合物を室温に冷却した。水(60ml)及び琥珀酸(5g、42.34mモル)を添加し、そして沈殿を観察した(pH8.0)。その懸濁液を95℃に加熱し、そして95℃で1時間、撹拌した。次に、反応混合物を室温に冷却し、そして固形物を減圧下で濾過し、そして水(2×20ml)により洗浄した。固形物を、50℃での真空オーブンにおいて一晩、乾燥し、11.34gのODV塩基(アッセイ純度95.38%、HPLC純度95.8%、HPLC純度98.07%)を得た。
【0089】
例12:トリデスメチルベンラファキシンの調製
DDMV×HCl(10g、40mモル)、K2CO3(6g、44mモル)、チオフェノール(8ml、60mモル)及びNMP(40ml)を、磁気撹拌機、冷却器及び窒素入口を備えた、250mlのフラスコに充填し、そして砂槽において加熱した。槽の温度を210℃で5.5時間、維持した。HPLC分析は、DDMVの十分な消費を確認した。95%の純度を有するTDMVを得た。
【0090】
例13:実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製
TDMV(0.2g、0.85mモル)をメタノールに溶解した。ホルマリン溶液(0.4ml、5mモル)を添加し、そして得られる溶液を氷槽において冷却した。この冷溶液に、NaBH4(65mg、1.7mモル)を添加した。15分後、サンプルをHPLCにより分析し、そして反応混合物に85%のODVを含むことを決定した。
次に、前記混合物にIPAを添加し、そして10%クエン酸によりpH9〜10にした。その懸濁液をRTで5分間、撹拌し、そして減圧下で濾過した。湿ったケークを、IPAにより洗浄し、そして50℃での真空オーブンにおいて一晩、乾燥し、純粋なOVDを得た。
【0091】
WO03/048104号(例4)との比較例
メタノール(3ml)の溶解されたNaOMe(1.3g、24mモル)及びドデカンチオール(5.83ml=4.92g、24mモル)を一緒に混合し、そして90℃で減圧下で回転蒸発器に配置した。この残留物に、ベンラファキシン(5.12g、18mモル)及びPEG400(3.7g、0.75体積)を添加した。次に、その混合物を200℃で加熱した。(Tinternal=190℃)。3時間後、IPA(18ml)を添加し、そしてpHを、水性HClにより9.5に調節した。固形物を減圧下で濾過し、そしてIPA及び水により洗浄した。湿ったODVを減圧下で乾燥し、ODVを得た。73.5%の純度及び74.2%のアッセイ純度を有するODNを得た。
【0092】
WO03/048104号(例2)との比較例
ベンラファキシン(2.8g、10.1mモル)、ベンゼンチオレートナトリウム塩(3.45g、26mモル)及びPEG400(12.5g、4.5体積)を、磁気撹拌機を備えた100mlのフラスコに充填した。その混合物を砂槽において160℃に加熱した。90℃で、完全な溶解を観察した。160℃での5時間後、槽を除き、そして水(30ml)を添加した。pHを、85%H3PO4により、3.5に調節した。その混合物を25mlのヘキサンにより抽出し、有機副生成物を除去し、そして水性相のpHを、水性アンモニアにより9.5に調節した。固形物を反応混合物から沈殿した。固形物を濾過し、水(40ml)において再びスラリーし、そして減圧下で濾過した。そのようにして得られた固形物と減圧下で乾燥し、ODVを得た。95.6%の純度及び78.5%のアッセイ純度を有するODVを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン。
【請求項2】
合計不純物の量が、HPLCによれば、約5%面積以下である請求項1記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン。
【請求項3】
合計不純物の量が、HPLCによれば、約3%面積以下である請求項2記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン。
【請求項4】
合計不純物の量が、HPLCによれば、約1%面積以下である請求項3記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン。
【請求項5】
合計不純物の量が、HPLCによれば、約0.7%面積以下である請求項4記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン。
【請求項6】
合計不純物の量が、HPLCによれば、約0.2%面積以下である請求項5記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン。
【請求項7】
合計不純物の量が、HPLCによれば、約0.07%面積以下である請求項6記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン。
【請求項8】
実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法であって、
a)ベンラファキシン、有機溶媒、及びチオフェノール、硫化ナトリウム及びC1-C8アルキルチオレートから成る群から選択された試薬を合し、混合物を形成し;
b)前記混合物を加熱し;そして
c)実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンを回収することを含んで成る方法。
【請求項9】
前記有機溶媒が、C3-C7ケトン、C3-C7エステル、C5-C8脂肪族炭化水素、C6-C12芳香族炭化水素、高沸点溶媒、C2-C8エーテル、塩素化された炭化水素及びC2-C8アルコールから成る群から選択される請求項8記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項10】
前記高沸点溶媒が、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)及びジメチルアセトアミド(DMA)から成る群から選択される請求項9記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項11】
前記高沸点溶媒が、DMA、DMF又はNMPである請求項10記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項12】
前記有機溶媒が、アセトン、酢酸エチル、トルエン、DMF、NMP、DMA、THF及びエタノールから成る群から選択される請求項9記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項13】
NMPが有機溶媒であり、そして前記混合物中のベンラファキシン及びNMPが1:1〜1:20の体積比で存在する請求項12記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項14】
有機溶媒がDMF又はDMAであり、そしてベンラファキシン及び有機溶媒が1:1〜1:10の体積比で存在する請求項12記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項15】
前記試薬がチオフェノールである場合、触媒が段階(a)の混合物に添加される請求項8〜14のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項16】
前記触媒が塩基である請求項15記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項17】
前記塩基がアルカリ金属の炭酸塩である請求項16記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項18】
前記アルカリ金属の炭酸塩が炭酸カリウムである請求項17記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項19】
前記混合物が、段階(b)において、約100℃〜約210℃の温度に、約1〜約12時間、加熱される請求項8〜18のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項20】
前記混合物が、約110℃〜約190℃の温度に加熱される請求項19記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項21】
前記期間が、約3〜約10時間である請求項19〜20のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項22】
ベンラファキシン、有機溶媒及び試薬が減圧下で合され、そして前記混合物が、段階(b)において、約30〜約220℃の温度で加熱される請求項8〜21のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項23】
前記圧力が1大気圧以下である請求項22記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項24】
前記O−デスメチルベンラファキシンの回収が結晶化を包含する請求項8〜23のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項25】
前記得られる結晶性O−デスメチルベンラファキシンが、約12.1、13.2、15.9及び20.4°2θ±0.2°2θでピーク反射を有する粉末X−線回折パターンにより特徴づけられる請求項24記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項26】
実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンを回収する前、水、水/アルコール混合物及び水/アセト二トリル混合物から成る群から選択された溶媒において前記混合物をスラリーすることをさらに含んで成る請求項8〜23のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項27】
前記水/IPA混合物が、15:25〜80:20の体積比で存在する請求項26記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項28】
前記水/IPA混合物が、80:20の体積比を有する請求項27記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項29】
前記スラリーが、約20〜約70℃の温度で約5分〜約5時間、行われる請求項26〜28のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項30】
前記スラリーが、ほぼ室温で約2時間、行われる請求項28記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項31】
O−デスメチルベンラファキシンの回収が、pHを7.5−13.5に調節することにより、水/IPA中、水溶液又は懸濁液からO−デスメチルベンラファキシンを沈殿することを含んで成る請求項26〜30のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項32】
前記pHが7.5〜10に調節される請求項31記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項33】
前記pHが8に調節される請求項32記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項34】
pHの調節が酸を添加することを包含する請求項31〜33のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項35】
前記酸が無機酸及び有機酸から成る群から選択される請求項34記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項36】
前記有機酸が琥珀酸である請求項35記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項37】
請求項26〜36のいずれか1項記載の方法により生成される実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン。
【請求項38】
少なくとも約95%のアッセイ純度を有する請求項37記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン。
【請求項39】
少なくとも約99%のアッセイ純度を有する請求項38記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン。
【請求項40】
a)ベンラファキシン及びチオフェノールを組合し、混合物を形成し;
b)前記混合物を、約100〜約120℃の温度に加熱し;そして
c)実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンを回収する;
ことを含んで成る、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項41】
触媒が段階(a)の混合物に添加される請求項40記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項42】
前記触媒が塩基である請求項41記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項43】
前記塩基がアルカリ金属炭酸塩である請求項42記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項44】
段階(a)における混合物が、非ヒドロキシル又は非エーテル性溶媒をさらに含んで成る請求項40〜43のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項45】
前記溶媒が、NMP, DMSO, DMF, DMA, カルボワックス、マルロサーム(marlotherm)及びシリコーン油から成る群から選択される請求項44記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項46】
前記溶媒がNMPである請求項45記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項47】
実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの回収が結晶化を包含する請求項40〜46のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項48】
前記得られる結晶性O−デスメチルベンラファキシンが、約12.1、13.2、15.9及び20.4°2θ±0.2°2θでピーク反射を有する粉末X−線回折パターンにより特徴づけられる請求項47記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項49】
前記O−デスメチルベンラファキシンを回収する前、水、水/アルコール混合物及び水/アセト二トリル混合物から成る群から選択された溶媒混合物においてスラリーすることをさらに含んで成る請求項40〜483のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項50】
前記混合物が、80:20の体積比を有する水/IPA混合物である請求項49記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項51】
前記スラリーが、約20〜約70℃の温度で約5分〜約5時間、行われる請求項50記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項52】
前記スラリーが、ほぼ室温で約2時間、行われる請求項51記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項53】
実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの回収が、pHを7.5−13.5に調節することにより、水/IPA中、水溶液又は懸濁液からO−デスメチルベンラファキシンを沈殿することを含んで成る請求項49〜52のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項54】
前記pHが8に調節される請求項53記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項55】
請求項40〜54のいずれか1項記載の方法により生成される実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン。
【請求項56】
少なくとも約99%のアッセイ純度を有する請求項55記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン。
【請求項57】
ベンラファキシンと、C1-C8アルキルチオレート及び硫化ナトリウムとを反応することを含んで成るベンラファキシンの脱メチル化方法。
【請求項58】
a)ジデスメチルベンラファキシン、高沸点溶媒及びチオレートを組合し、混合物を形成し;
b)前記混合物を、約100〜約220℃の温度に加熱し、トリデスメチルベンラファキシンを形成し;
c)トリデスメチルベンラファキシンをO−デスメチルベンラファキシンに転換し;そして
d)実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンを回収する;
ことを含んで成る、実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項59】
前記チオレートが、ナトリウムドデカンチオレート又はチオフェノールである請求項58記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項60】
トリデスメチルベンラファキシンのO−デスメチルベンラファキシンへの転換が、トリデスメチルベンラファキシン及びホルムアルデヒド源の溶液と硼水素化ナトリウム又は硼水素化ナトリウムトリアセトキシとを組合し、スラリーを得;そしてO−デスメチルベンラファキシンを回収することを含んで成る請求項59記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項61】
トリデスメチルベンラファキシン及びホルムアルデヒド源の溶液が、硼水素化ナトリウム又は硼水素化ナトリウムトリアセトキシと組合す前、約10℃以下の温度に冷却される請求項60記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項62】
実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの回収が、段階c)における得られる粗O−デスメチルベンラファキシンの懸濁液のpHを、約7.5〜13.5に調節し、そしてさらに、前記懸濁液を濾過することを含んで成る請求項58〜61のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項63】
前記pHが7.5〜10に調節される請求項62記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項64】
前記pHが8に調節される請求項63記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項65】
前記pHが酸により調節される請求項62〜64のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項66】
前記酸が有機酸である請求項65記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項67】
前記酸が、クエン酸又は琥珀酸である請求項66記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項68】
前記pH調節された懸濁液に水相溶性抗溶媒を添加することをさらに含んで成る請求項62〜67のいずれか1項記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項69】
前記抗溶媒がイソプロパノール(IPA)である請求項68記載の実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシンの調製方法。
【請求項70】
a)O−デスメチルベンラファキシンサンプルと、アセト二トリル:緩衝液の約3:7の比での混合物(溶離剤A)とを組合し、溶液を得;
b)前記溶液を、C-18カラム上記注入し;
c)溶離剤A及び溶離剤B(約700部のアセト二トリル:約300部の緩衝液:約1.6部のトリフルオロ酢酸:及び約2.9部のトリエチルアミンの混合物;約pH3.0に調節されている)の混合物を溶離剤として用いて、約55分でのカラムからのサンプルを溶出し;そして
d)前記サンプルの化学的純度をUV検出器により測定する;
ことを含んで成る、O−デスメチルベンラファキシンの化学的純度を試験するための分析方法。
【請求項71】
前記緩衝液が、約0.4%のトリフルオロ酢酸、約0.7%のトリエチルアミン及び約98.9%の水を含み、そして約3.0のpHを有する請求項70記載の分析方法。
【請求項72】
前記溶離剤が、時間0分で、100%の溶離剤A及び0%の溶離剤Bを含み、約21分で、約100%の溶離剤A及び約0%の溶離剤Bを含み、そして約55分で、約45%の溶離剤A及び約55%の溶離剤Bを含む請求項70又は71記載の分析方法。
【請求項73】
実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン及び医薬的に許容できる賦形剤を含んで成る医薬組成物。
【請求項74】
実質的に純粋なO−デスメチルベンラファキシン及び医薬的に許容できるキャリヤーを組合すことを含んで成る医薬製剤の調製方法。

【公表番号】特表2008−546718(P2008−546718A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517241(P2008−517241)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/009558
【国際公開番号】WO2007/120923
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】