説明

容器処理機のための送りテーブル

【課題】 高い材料費及びこれと結びついた高い製造コスト及び汚れる傾向のある不利な形の大きな表面のような公知の容器処理機のための送りテーブルの欠点を回避する。
【解決手段】 ガラス、合成物質又はカートン紙からなる例えばビン、缶、カートンパック等のような容器を処理するための例えばリンサ、充填機又は閉栓機のような容器処理機のための送りテーブルにおいて、送りテーブルが、本質的に、1つの容器処理機の容器搬送要素のための収容部を構成する及び/又は2つ又はそれより多くの容器処理機を互いに結合する結合要素(13)から成ることによる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による容器処理機のための送りテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を生産するため、飲料産業では、規則的にいわゆる容器処理機が使用される。これらの容器処理機は、例えば、リンサ、フィラ、クローザ及びラベラである。
【0003】
これらの容器処理機は、直動機であっても、しかしながらいわゆる回動機であってもよい。両機械タイプが一般に知られているので、この場では正確な記載を省略する。以下では、各図において回動機だけを図示するが、これにより本発明の範囲をこれらに限定するものではない。
【0004】
例えばビン、缶又は飲料カートンのような処理すべき容器のこれら容器処理機への搬入及びこれら容器処理機からの搬出は、通常は単一軌道の送り装置を介して行なわれ、その際、送り装置と処理機間もしくは処理機と送り装置間の引渡しは、公知の入口スパイダ又は出口スパイダにより行なわれる。
【0005】
入口及び出口スパイダとこれらスパイダを機械的に結合するための要素を、設けられている容器処理機の少なくとも1つと共にいわゆる送りテーブルに統合することは、非常に有利であると分かった。この場合、場合によっては、例えば容器処理機の入口スクリュ、ハウジング又は操作要素のような更に別の要素が、同様に送りテーブルの構成要素であってもよい。
【0006】
これらの送りテーブルが、これらに伴う全ての利点を有する場合にはその費用のかかる構造及び製造に基づいて著しくなくはないコスト要因を意味し、元々知られている構造において存在する多数の個別面、縁部、角部、及びアンダカット部が、望ましくない発芽の出発点を提供するので、これまでのものにおいて既に、常にまたその製造、コスト、及び衛生もしくは掃除に関する送りテーブルの簡素化及び改善をするための提案があった。
【0007】
そして、例えば特許文献1では、送りテーブルのバリエーションが紹介されており、この送りテーブルのバリエーションの場合、送りテーブルは、本質的に比較的肉厚の平坦な金属プレートから成り、この金属プレートは、水平に対して一定の角度で空間に配設されている。この場合、同様に、金属プレートの高い位置に配置された縁部にスプレー装置が配設され、低い位置に配置された縁部に収容トラフが配設される。
【0008】
この装置の洗浄もしくは消毒をするために、洗浄液がスプレー装置によって金属プレートにスプレーされる。金属プレートの傾いた配設によって、洗浄剤の整向された流れが得られ、この流れによって、金属プレートに付着する汚れは、洗い流されて、収容トラフに入る。
【0009】
このような装置の欠点は、特に、使用される金属プレートが、高い金属の費用を条件とし、一定の角度でこのプレートに設けられる多数の穴に基づいて、機械加工は、費用がかかり、高価になるということである。
【0010】
同様に、特許文献2に記載の送りテーブルが紹介されている。この刊行物では、本質的に長方形の基体を備える送りテーブルが提案され、この場合、この基体は、薄板から成る寄せ棟屋根状の構造を備えている。
【0011】
この寄せ棟屋根状の構造は、更にまた、垂直に入口及び出口スパイダ、クローザ等のための保持装置もしくは収容部によって突破されている。
【0012】
特許文献2に応じた送りテーブルは、他の形態に比べて明らかな材料削減を提供するが、寄せ棟屋根状の構造の仕上げは、しばしば製造技術上の困難を備えている。
【0013】
付加的に、特許文献3による形態が公知である。
この形態は、公知の送りテーブルの場合に存在する部品及び面を本質的に必要なものに削減する。そして、特許文献3に応じた送りテーブルは、先ず切頭円錐形の要素から成る基体から成り、その際、これらの要素は、その上面が切妻屋根状の形態を備える真直ぐな結合部材によって結合されている。
【0014】
更に、このような送りテーブルは、円錐状もしくは円柱状の要素から成り、これらの要素は、基体から出発して垂直に上に向かって延在し、その上端で、例えば搬送スパイダ、クローザ、入口スクリュ等のような装置を収容する。
【0015】
このような送りテーブルの非常に有利な形態によって、運転中の製造及び洗浄は、明らかに簡素化され、これと結びついたコストを相応に削減する。基体のために必要な材料費だけは、改善の余地があると思われる。
【特許文献1】独国特許出願公開第195 12 849号明細書
【特許文献2】独国実用新案登録第200 02 483号明細書
【特許文献3】独国特許第298 05 957号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の課題は、例えば高い材料費及びこれと結びついた高い製造コスト及び汚れる傾向のある不利な形の大きな表面のような公知の容器処理機のための送りテーブルの欠点を回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この課題は、本発明によれば、請求項1を特徴付ける特徴によって解決される。これによれば、公知の送りテーブルは、表面が最適化されたもしくは縮小された簡単なブレーシング構造によって置換される。
【0018】
有利な発展構成は、下位の請求項に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下で、実施例を基にして本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明の発展構成、利点及び適用の可能性を、後続の実施例及び図面の説明から明らかにする。この場合、記載された及び/又は比喩的に図示された全ての特徴は、各請求項又はその引用先におけるその要約に依存せずに、単独で又は任意の組み合わせで本発明の対象を構成する。同時に各請求項の内容は、明細書の構成要素を成す。
【0021】
図1が示すように、本発明による送りテーブルは、本質的に棒状の結合要素13から成り、これら結合要素は、一方で、個々の容器処理機、ここではリンサ18、フィラ19及びクローザ20を互いに結合し、他方で、付属する搬送スパイダ15、即ち入口スパイダ、出口スパイダ及び移送スパイダを収容するか、これらを固定する可能性を提供する。
【0022】
図した実施例では、使用される容器処理機は、三角形の形に配設された結合要素13によって組まれ、これは、達成可能な安定性に関して特に有利である。
【0023】
結合要素13は、有利な方法で、容器処理機の基礎リング21の間もしくはこの基礎リングに固定される。搬送スパイダ15の収容部14もしくは搬送スパイダ自体は、適当なやり方でこれら結合要素13に固定されている。
【0024】
結合要素13は、例えば丸、三角、四角又はn角の形態のチューブであっても、しかしながらまた任意に形成された、即ちエッジング、ダイカスト、連続鋳造、圧延等によって製造された任意の横断面形状の型鋼であってもよい。
【0025】
本願の保護範囲は、図1に図示した実施例とは違って、本質的に真直ぐな形を備えるのではなく、例えば湾曲又は角度付けされている結合要素13が使用されるような形態にも及ぶ。
【0026】
本発明の別の形成では、容器処理機の組み合わせを図1及び2に示したやり方で結合するだけではない。同様に、個々の容器処理機を、例えば充填機19を、本発明による方法で必要な搬送スパイダ15と結合してもよい(図3)。
【0027】
先ず、結合要素13は、本質的に半径方向に容器処理機の中心点から外に向かって延在するように容器処理機の基礎リング21に固定される。これら結合要素13に、搬送スパイダ15のための収容部14が配設される。
【0028】
高い安定性の要求がある場合のために、同様に、半径方向外に向かって延在する結合要素13は、これら結合要素の間に配設された付加的なブレース要素16によって補強される。
【0029】
本発明の範囲は、結合要素13が上述の方法で基礎リング21に固定されていない形態にも及ぶ。このような形態の場合、結合要素13は、例えば基礎リング21に接するように又は任意の角度で固定されていてもよい。
【0030】
図2に図示されているように、本発明の枠内には、同様に、結合要素13が、1つの高さレベルに配設されるばかりでなく、複数の高さレベルにも、複数の高さレベルにわたるようにも配設される。同様に、別の形態に対しては、異なった高さレベルに配設された結合要素13が垂直ブレース17によって結合され、これにより、安定性に関する更なる利点が得られる。
【0031】
非常に有利な別の形態に対しては、結合要素13の横断面の形状が、液体又は汚れが集まる及び/又は堆積することができるいかなる外面も備えないように形成される。これは、本質的に、結合要素13の上部外面が水平な整向ではなく、傾斜した又は傾倒した整向で、及び/又は円形又はカーブ状に凸に湾曲させられて形成されていることによって得られる。
【0032】
更に、本発明では、結合要素13の端部に、少なくとも片側に結合要素13もしくは容器処理機の調整及び/又は整向をするための要素が設けられている。
【0033】
本質的に棒状の結合要素13の代わりに、平坦な、例えば薄板又は同様の材料から成る結合要素が使用される場合でも、本発明の保護範囲から逸脱しない。
【0034】
一定の様式の容器処理機は、衝撃を要求される容器を所定の機械部分に運ぶために使用されるいわゆる入口スクリュ又は配分スクリュを要する。
同様に、一定の様式の容器処理機は、容器を安全かつ支障なく容器処理機によって案内するために、ガイド要素を要し、これは、例えば、内側又は外側ガイドとすることができる。更に、一定の容器処理機に対する容器の搬入及び搬出は、搬送ベルトによって行なわれる。
【0035】
本発明の枠内では、同様に、少なくともこれらの要素、即ち、入口スパイダ、ガイド要素及び搬送ベルトも、直接的又は間接的に結合要素13に固定される。従って、搬送スパイダ15が話題に挙がった個所の前述の説明は、これら付加的な容器搬送要素がこの場所で有効である場合に、結合要素13にこれら容器搬送要素が配設されていることも開示されていると理解できる。
【0036】
本発明の別の形態の枠内では、しばしば容器処理機に設けられているような騒音防止、事故防止又は接触防止のための装飾又はハウジングが、直接的又は間接的に結合要素13に配設又は固定される。この処理方法によって、洗浄及びコスト削減の更なる利点が得られる。
【0037】
本願の枠内で提案した形態によって、重要な利点が得られる。従って、例えば、洗浄もしくは消毒は、縮小された表面サイズ及びこの表面の改善された形状に基づいて本質的に簡単で安価になる。本発明による結合要素13の使用によって、製造コスト及び容器処理機の組み立てのための消費時間は、相当の規模で削減される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による送りテーブルを装備した、入口及び出口スパイダを含めたリンス機、充填機及び閉栓機の配設を簡略化した平面図で示す。
【図2】リンサ18及び充填機19を有する実施例を簡略化した側面図で示す。
【図3】容器処理機及び付属する搬送スパイダを有する形態を示す。
【図4】2つの容器処理機を有する別の実施例を示す。
【符号の説明】
【0039】
13 結合要素
14 収容部
15 搬送スパイダ
17 垂直ブレース
18 リンサ
19 フィラ
20 クローザ
21 基礎リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス、合成物質又はカートン紙からなる例えばビン、缶、カートンパック等のような容器を処理するための例えばリンサ(18)、充填機(19)又は閉栓機(20)のような容器処理機のための送りテーブルにおいて、
送りテーブルが、本質的に、少なくとも、1つの容器処理機の容器搬送要素のための収容部を構成する及び/又は2つ又はそれより多くの容器処理機を互いに結合する結合要素(13)から成ることを特徴とする送りテーブル。
【請求項2】
結合要素(13)が、棒状の要素であることを特徴とする請求項1に記載の送りテーブル。
【請求項3】
結合要素(13)が、平坦な要素であることを特徴とする請求項1に記載の送りテーブル。
【請求項4】
容器搬送要素が、搬送スパイダ(15)及び/又は入口スクリュ及び/又は容器ガイド及び/又は搬送ベルトであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の送りテーブル。
【請求項5】
結合要素(13)が、リンサ(18)、充填機(19)及び付属する容器搬送要素を互いに結合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の送りテーブル。
【請求項6】
結合要素(13)が、充填機(19)、閉栓機(20)及び付属する容器搬送要素を互いに結合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の送りテーブル。
【請求項7】
結合要素(13)が、リンサ(18)、充填機(19)、閉栓機(20)及び付属する容器搬送要素を互いに結合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の送りテーブル。
【請求項8】
結合要素(13)が、容器処理機及び/又は容器搬送要素を、少なくとも部分的に三角形の形に互いに結合することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の送りテーブル。
【請求項9】
結合要素(13)が、異なった高さレベルに配設されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の送りテーブル。
【請求項10】
送りテーブルが、結合要素(13)を複数の高さレベルにわたって延在させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の送りテーブル。
【請求項11】
複数の高さレベルに配設された結合要素(13)が、垂直ブレース(17)によって互いに結合されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の送りテーブル。
【請求項12】
結合要素(13)の横断面の外形が、水平な面を何ら備えないことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の送りテーブル。
【請求項13】
結合要素(13)が、傾斜している及び/又は傾倒している、及び/又は円形及び/又はカーブ状に凸に湾曲させられている外表面を備えることを特徴とする請求項12に記載の送りテーブル。
【請求項14】
結合要素(13)の少なくとも一端に、結合要素(13)及び/又は容器処理機の整向及び/又は調整をするための要素が設けられていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の送りテーブル。
【請求項15】
結合要素(13)が、容器処理機の基礎リング(21)に固定されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の送りテーブル。
【請求項16】
結合要素(13)に、直接的又は間接的に容器処理機に装飾又はハウジングを取り付けるための要素が固定されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1つに記載の送りテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−111353(P2006−111353A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−294346(P2005−294346)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(598125028)カーハーエス・マシイネン− ウント・アンラーゲンバウ・アクチエンゲゼルシヤフト (125)
【Fターム(参考)】