説明

容量注入ポンプ

【課題】ポンプアセンブリの長手方向に沿って延在するV形溝を含み、固定および可動の顎と、V形溝またはシャトルのいずれか一方の端に位置する複数のバルブとに関連したポンプ本体を有する注入ポンプを提供すること。
【解決手段】本発明は、チューブセグメント8を介して流体をポンプ送出するための注入ポンプ10を提供し、この注入ポンプ10は、該流体をポンプ送出するための手段と、該チューブセグメント8を該ポンプ10に自動的に装填するための手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療環境において流体を非経口送達するための容量注入ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の医療用注入ポンプは、流体を患者に注入するための様々な方法を含む。これらの方法のうち、最も一般的なものは蠕動ポンプである。蠕動ポンプでは、複数のアクチュエータまたはフィンガーが実質的に線形に進行する非経口流体送達チューブを供給するよう機能する。蠕動ポンプ技術の主な問題は、チューブが繰り返し同じように変形することで、時間が経つとチューブの弾性回復特性が損なわれ、チューブは圧縮された状態のままになる。このようなチューブの弾性回復特性が損なわれることで、ポンプの容量出力が時間の経過と共に大幅に変化する。医療用流体の容量送達に利用されているもう1つの一般的なタイプのポンプは、一般にカセットポンプとして知られている。カセットポンプでは、蠕動ポンプの場合のようにかなり短期間で顕著な性能の劣化が起こるわけではないが、かなり手のこんだポンプカセットをIVチューブに一体化する必要がある。このため、オペレータが患者に送達する薬剤を交換したいと思うたびにIVセットと一緒にカセットを交換するための余分な費用がかかり、患者の治療に必要なコストが大幅に増す。さらに、蠕動ポンプおよびカセットポンプの他、市場に存在するその他の注入装置はいずれも、IVセットを適切な状態で確実に装備するためには特定のポンプ装置に対するかなり複雑な知識を必要とするが、医療用注入ポンプは一般に、病院環境において純粋に看護婦または医療スタッフが管理している。
【0003】
セットをIVポンプに手作業で装備する必要性は当該分野において広く知られていることである。一般に、標準的なIVセットを利用する場合、上述したように短期間のうちに精度が落ちることに加えて、当該分野において存在しているポンプにこのセットを正しく装備する際に多大なる困難さが伴う。装備技術は医療用注入ポンプと関連しているため、これに関する技術の状況はIVチューブをポンプ装置とドアまたはカバーとの間に封入し、より複雑なセンサやアラームを順に追加してチューブがポンプに正しく装備されたことを確認する状況までにしか進歩していない。たとえ、ここまで進歩しても、ここまでしても、重大な誤差を最小限にするために病院スタッフ側に大きな労力を要求する装備誤差が規則的に発生する。
【0004】
注入ポンプの従来技術についての状況は、IVセットを設置したりポンプから除去したりしている時に薬剤が自由に流れることのできる状態が発生しないような要求を含む。病院のスタッフは多大なケアの訓練を行い、自由な流れの状態が発生しないようにするために努力するが、自由な流れの状態を防止することを目的としたさらなる予防策に対する需要はヘルスケアワーカーの間で常にある関心事である。
【0005】
Danbyに付与された米国特許第5,199,852号は、柔軟なチューブをまず一方向に局所的に変形させてその容量を減らし、もとの断面を回復しやすい他の方向にスクイーズ装置のいずれかの側でチューブを遮断することにより動作する入口バルブおよび出口バルブを変形させるためのスクイーズ装置を含むポンプアレンジメントを開示している。バルブの制御は、マイクロプロセッサで制御された複数のモータによって行われている。
【0006】
Danbyらに付与された米国特許第5,151,091号には、チューブ部分を交互に圧縮回復するポンプ装置が開示されている。
【0007】
Natwickらに付与された米国特許第5,055,001号には、特定の予め定められた圧力で開くよう設計されたバネ制御バルブを有する注入ポンプが開示されている。
【0008】
Gemeinhardtに付与された米国特許第3,489,097号には、入口バルブおよび出口バルブとして機能するよう動作するユニタリ固定具と、これらの間に配置されて偏心駆動されるポンプ本体とを備える柔軟性チューブポンプが開示されている。
【0009】
Schultzに付与された米国特許第2,922,379号には、入口バルブ機構および出口バルブ機構と、その間に配置されたポンプ本体とを備え、入口バルブ機構および出口バルブ機構はいずれも単一のカムによって駆動されるマルチラインポンプが開示されている。
【0010】
Lathamに付与された米国特許第3,359,910号には、単一のカムによって駆動される入口バルブおよび出口バルブと、単一のカムと一緒に回転する偏心によって駆動されるポンプ本体とを有するカム駆動式ポンプが開示されている。
【0011】
Heinに付与された米国特許第4,239,464号には、バルブとして機能する入口プランジャおよび出口プランジャと、これらの間に配置された変位プランジャとを有する血液ポンプが開示されている。
【0012】
Olsonに付与された米国特許第5,364,242号には、少なくとも1つの回転可能なカムと、カムに係合された往復装填従動部とをチューブ内に有し、カムの回転時にチューブが従動部によって圧縮される薬剤ポンプが記載されている。開示の実施例には、3つのカムが示されている。
【0013】
Brownらに付与された米国特許第5,131,816号には、複数の線形蠕動ポンプを含む注入ポンプが開示されている。この注入ポンプは、ポンプモータシャフトに取り付けられた位置エンコーダを含み、シャフトがポンプサイクルにおいていつ停止位置に達したかを決定する。
【0014】
Brownらに付与された米国特許第4,950,245号には、ポンプ内のプログラム可能な制御装置によって個別に制御されるマルチポンプが開示されている。
【0015】
Jassawallaに付与された米国特許第4,273,121号には、カセットおよび変形可能なダイアフラムと、カセット内に収容された流体の送り出しを遮断できる入口窓および出口窓とを含む医療用注入システムが開示されている。
【0016】
Williamsに付与された米国特許第4,936,760号には、特別なチューブを利用するよう適合された注入ポンプが開示されている。このチューブは、直径方向に対向してチューブ上で長手方向に延在しているハンドルを有し、ハンドルは、これを押し引きすることでチューブが横方向に変形するようポンプアクチュエータによって把持されるように適合される。
【0017】
Meijerに付与された米国特許第5,092,749号には、一端が駆動部材に対して枢軸的に取り付けられ、他端がポンプのベースの固定点に取り付けられた結合アームと、ベースに取り付けられ、アームに対して押圧すると共に駆動部材を往復運動させる回転カムアクチュエータとを有する蠕動ポンプのフィンガを作動するための駆動機構が開示されている。
【0018】
Nasonらに付与された米国特許第4,850,817号には、カセットポンプを備
える薬剤注入システム用の機械的駆動システムが開示されている。カセット内では、単一のカムが入口バルブおよび出口バルブとポンプ機構とを駆動する。
【0019】
Rainesに付与された米国特許第5,252,044号には、カセットポンプが開示されている。
【0020】
Edwardsに付与された米国特許第3,606,596号には、薬剤分配ポンプが開示されている。
【0021】
Andersonに付与された米国特許第3,518,033号には、体外心臓が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、ポンプアセンブリの長手方向に沿って延在するV形溝を含み、固定および可動の顎と、V形溝またはシャトルのいずれか一方の端に位置する複数のバルブとに関連したポンプ本体を有する注入ポンプを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、チューブセグメントを介して流体をポンプ送出するための注入ポンプを提供し、この注入ポンプは、該流体をポンプ送出するための手段と、該チューブセグメントを該ポンプに自動的に装填するための手段とを備える。
【0024】
1つの実施形態においては、前記チューブセグメントを前記ポンプに自動的に装填するための手段は、該チューブセグメントを該ポンプから取り除くようさらに動作する。
【0025】
1つの実施形態においては、前記チューブセグメントを前記ポンプに自動的に装填するための手段は、該チューブセグメントを捕捉し、該チューブセグメントを該ポンプに引き込むための手段をさらに含む。
【0026】
1つの実施形態においては、前記チューブセグメントを捕捉し、該チューブセグメントを前記ポンプに引き込むための手段は、該ポンプにおいて該チューブを圧縮保持するための手段をさらに含む。
【0027】
1つの実施形態においては、前記チューブセグメントを前記ポンプに自動的に装填するための手段は、前記チューブが正しく装填されていない場合に、該チューブの該ポンプにおける誤装填を検出するための手段をさらに含む。
【0028】
1つの実施形態においては、前記チューブの前記ポンプにおける誤装填を検出するための手段は、該チューブの誤装填を示すアラームを発するための手段をさらに含む。
【0029】
1つの実施形態においては、前記チューブの前記ポンプにおける誤装填を検出するための手段は、該チューブを絞る圧縮手段をさらに備え、前記チューブを前記ポンプに自動的に装填するための手段は、該チューブを該ポンプに自動的に装填するための手段の移動範囲を決定するエンコーダ手段と組み合わせて、移動範囲が定められている。
【0030】
別の局面において、本発明は、注入ポンプおよび該ポンプにおいて使用されるチューブに関連した自動装填装置を提供し、この自動装填装置は、該チューブを解放可能に把持して保持する爪と、該爪を作動するよう作用するカムとを備える。
【0031】
1つの実施形態においては、前記爪は爪先端部を備える。
【0032】
1つの実施形態においては、前記爪先端部は、内側および外側を有する。
【0033】
1つの実施形態においては、前記爪先端部は、実質的に水平なチューブ係合面を備え、該実質的に水平なチューブ係合面は前記チューブと圧縮的に係合するよう作用する。
【0034】
1つの実施形態においては、前記実質的に水平なチューブ係合面は、前記爪先端部の前記内側に配置される。
【0035】
1つの実施形態においては、前記爪先端部は、該爪先端部の内側に配置される傾斜面をさらに有し、該傾斜面は前記チューブと変形して係合するよう作用する。
【0036】
1つの実施形態においては、前記爪先端部は、前記カムによって作動されると前記爪の作用下で前記チューブを捕捉するよう作用し、かつ該チューブを前記ポンプに引き込むよう動作する実質的に垂直なチューブ捕捉面をさらに備える。
【0037】
1つの実施形態においては、前記チューブを絞る前記圧縮手段は爪をさらに備え、該爪は先端部を有し、該先端部はその上に実質的に水平な誤装填作動面を規定する。
【0038】
1つの実施形態においては、前記爪先端部は、前記自動装填装置に関連した前記ポンプから前記チューブを押し出すよう作用するチューブ排除面を備える。
【0039】
1つの実施形態においては、前記爪先端部は外側および内側を有し、前記チューブ排除面は該爪先端部の前記外側に配置される。
【0040】
別の局面において、本発明は、流体輸送チューブを注入ポンプに装填するための自動装填装置を提供し、この自動装填装置は、該装置に関連したプラテンと先端部を有する装填爪とを有し、該爪を備え、該爪はその上に、チューブ排除面と、誤装填作動面と、チューブ捕捉面と、傾斜係合面と、水平係合面と外周とを規定し;該排除面、誤装填作動面、チューブ捕捉面、傾斜係合面および水平係合面は該外周のまわりに配置されている。
【0041】
1つの実施形態においては、前記プラテンは、前記爪先端部を収容するよう適合されたスロットを有する。
【0042】
1つの実施形態においては、前記プラテンは、その上に規定されたチューブ止をさらに備える。
【0043】
1つの実施形態においては、前記チューブ止は、前記水平チューブ係合面および前記傾斜係合面と協動し、前記ポンプにおける前記チューブを係止保持するよう作用する。
【0044】
1つの実施形態においては、前記スロットは、前記チューブ捕捉面と協動し、前記チューブを前記ポンプに引き込む。
【0045】
1つの実施形態においては、前記プラテンは、前記スロットを超えて延在している。
【0046】
1つの実施形態においては、前記誤装填作動面は、前記チューブを前記スロットの外にある前記プラテンに圧縮係合するよう作用する。
【0047】
1つの実施形態においては、前記爪は、コレットと、該コレットを円周で係合するレイ
シャフトを備え、該レイシャフトは該爪を作動させるよう作用する。
【0048】
1つの実施形態においては、ポンプ顎キャリアが前記レイシャフトに関連する。
【0049】
1つの実施形態においては、前記ポンプ顎キャリアは前記レイシャフトに固定されている。
【0050】
1つの実施形態においては、前記ポンプ顎キャリアは、カム従動子アームとカム従動子とをさらに備え、該カム従動子は該カム従動子アームから弾性的に延在し、該弾性延在を提供するよう作用するバネをさらに備える。
【0051】
1つの実施形態においては、前記カム従動子と摺動係合し、位置を有するカムと、該カムの位置を決定するよう作用するエンコーダと、前記顎キャリアが位置を有するときに該顎キャリアの位置を決定するよう作用するセンサとをさらに備える。
【0052】
1つの実施形態においては、前記エンコーダによって前記カム位置を求めることと、前記レイシャフトとの同時作用によって前記顎キャリアから前記カム従動子を前記弾性的に延在させることとの組み合わせ、前記爪先端部が位置をさらに有する場合に該爪先端部の位置が、前記チューブの誤装填を検出するよう作用する。
【0053】
本発明の別の局面において、関連する自動チューブ装填装置を有する注入ポンプにおいて、該自動チューブ装填装置は、レイシャフトから延在する爪と、該レイシャフトに関連し、これと同時に回転する顎キャリアであって、カム従動子アームおよび該カム従動子アーム上に設けられた位置センサを有する顎キャリアと、該カム従動子アームに関連したバネ装填カム従動子と、該カム従動子およびカムの位置情報を提供するよう作用するエンコーダと摺動接触するカムとを備え、該爪はチューブ圧縮先端部分および該チューブ圧縮先端部分と協動してチューブをその間で圧縮するプラテンとを有し、該チューブの該ポンプへの誤装填を検出するための方法は、
1. 前記チューブが、前記チューブ圧縮先端部分と前記プラテンとの間に位置する場合に、該チューブを圧縮する工程と、
2. 前記バネ装填カム従動子および前記カム従動子アームがその間に間隔を規定する場合に、前記間隔を閉じるよう前記カムを回転させる工程と、
3. 前記エンコーダが前記カムの位置を示す出力を有し、該カムが複数の位置を有する場合に、前記間隔が閉じた時に該カムの位置変化を決定する工程と、
4. 前記センサが変化可能な出力を有し、該変化が前記顎キャリアの位置を示し、該顎キャリアが複数の位置を有する場合に、前記間隔が閉じたときに該顎キャリアの位置の変化がないことを示す工程と、
5. 前記エンコーダの出力と前記センサの出力とを比較し、前記爪が前記チューブと係合しているために移動できない時に前記間隔が閉じていることを決定する工程と、
6. 前記出力がアラームと関連する場合に、該アラームを作動させる工程と、
7. 前記カムが逆転可能な動作を有する場合に、該カムの動作を逆転させる工程と、
8. 前記カム、カム従動子、顎キャリア、レイシャフト、爪およびチューブ圧縮先端部分の相互作用によって、前記カムの前記逆転によって前記チューブを該先端部分の下側から解放する工程とを含む装置が提供される。
【0054】
別の局面において、本発明は、チューブを注入ポンプに装填するための方法を提供し、この方法は、
1. 前記ポンプが、関連する装填スロットを有する場合に、該チューブを該装
填スロットに配置する工程と、
2. 前記ポンプが前記チューブを前記ポンプに引き込む手段を有する場合に、該手段を作動させる工程と、
3. 前記ポンプを作動させる工程とを含む。
【0055】
1つの実施形態においては、1. 前記チューブを前記ポンプに引き込む前記手段が、該チューブを該ポンプに引き込むよう作用する複数の爪を含む場合に、該爪を作動させる工程と、
2. 該ポンプが、顎と、前記チューブと協動して流体を移動させる移動シャトルとを有する場合に、該顎内にて該移動シャトルに対して前記チューブを配置する工程と、
3. 前記顎が閉じることができる場合に、該顎を閉じる工程と、
4. 前記チューブが対向して座するよう前記移動シャトルを循環させる工程と、
5. 前記チューブを介して前記流体のポンプ送出を開始する工程とをさらに含む。
【0056】
1つの実施形態においては、前記カムは複合表面をさらに有する。
【0057】
1つの実施形態においては、前記カム従動子アームは、これに関連しかつ前記複合面と協動し、前記カム従動子アームを非弾性的に係止する係止アームをさらに含み、前記カム従動子アームはポンプ動作位置を有する場合に、該ポンプ位置において係止する。
【0058】
別の局面において、本発明は、自動チューブ装填アセンブリ用の駆動装置を提供し、この駆動装置において、該自動チューブ装填アセンブリは、チューブを注入ポンプ内に配置するよう動作し、該駆動装置は、モータと、該モータによって駆動される複数のギアと、該チューブを該ポンプに装填するための手段を作動するよう作用する該複数のギアによって駆動されるカムシャフトとを備える。
【0059】
1つの実施形態においては、前記複数のギアおよび前記カムシャフトおよびこれと協動するクラッチであって、該クラッチは該カムシャフトを中心にして回転可能なチューブ装填カムシャフトギアを備え、該カムシャフトギアは該カムシャフトギアに形成されたクラッチスロットをさらに規定し、該クラッチスロットは該カムシャフトに関連したクラッチピンと協動して該カムシャフトギアを該カムシャフトに回転係止し、該クラッチピンは該カムシャフトに沿って長手方向に摺動可能であり、アクチュエータピンは該クラッチピンを横断し、該カムシャフトに沿った該クラッチピンの摺動運動を誘導するよう動作する。
【0060】
1つの実施形態においては、前記クラッチは、枢軸クラッチタブとハンドホイールとをさらに備え、該枢軸クラッチタブは、該ハンドホイールおよびクラッチカムと内側で関連し、該クラッチカムは前記アクチュエータピンと実質的に全面係合し、該アクチュエータピンを前記カムシャフトに沿って摺動移動させるよう作用する。
【0061】
1つの実施形態においては、前記クラッチおよびハンドホイールは、前記自動チューブ装填アセンブリの手動動作を実施するよう作用する。
【0062】
1つの実施形態においては、前記自動チューブ装填アセンブリを手動で作動させるためのクラッチ手段を備える。
【0063】
1つの実施形態においては、前記チューブセグメントを係合するための手段を有する顎を備える。
【0064】
1つの実施形態においては、前記チューブを係合するための手段は、前記チューブセグメントを捕捉して該チューブセグメントを前記ポンプに引き込むための手段をさらに備える。
【0065】
1つの実施形態においては、前記チューブを係合するための手段は、複数のチューブ係合先端部を有し、該先端部は、該チューブを係合するための複数の配向面を規定する。
【0066】
別の局面において、本発明は、チューブセグメントを介して流体をポンプ送出するよう作用する注入ポンプを提供し、この注入ポンプは、、該チューブを周期的に圧縮するよう作用する移動シャトルと、該チューブセグメントを該ポンプ内に自動的に装填するための手段とを備える。
【0067】
1つの実施形態においては、前記スロットは、前記チューブ捕捉面と協動して前記チューブを前記プラテン上で摺動させ、前記チューブ止と接触させる。
【0068】
別の局面において、本発明は、チューブを介して流体をポンプ送出するよう作用する注入ポンプを提供し、、この注入ポンプは、該チューブを自動的に装填するための手段を有し、該チューブはこれと関連するスライドクランプを有し、該チューブを自動的に装填するための手段は、該スライドクランプを解放可能に保持するための手段を有し、該スライドクランプが開位置および閉位置を有し、該スライドクランプを選択的に開閉するよう作用する。
【0069】
1つの実施形態においては、前記スライドクランプを解放可能に保持するための手段は、該クランプを前記ポンプに引き込むためのクラム手段と、該クラム手段を作動させるためのクランク手段とを備える。
【0070】
1つの実施形態においては、前記スライドクランプを解放可能に保持するための手段は、該スライドクランプの向きを該スライドクランプが好ましい向きを有する向きに優先的に固定するための位置決め手段をさらに。
【0071】
1つの実施形態においては、前記スライドクランプは、前記好ましい向きがその上で規定されるような非対称である。
【0072】
1つの実施形態においては、前記スライドクランプを解放可能に保持するための手段は、前記ポンプから該スライドクランプが外れるのを防止するためのバイザー手段をさらに備える。
【0073】
1つの実施形態においては、前記スライドクランプを解放可能に保持するための手段に関連したプラテンは、チューブ止をさらに備える。
【0074】
1つの実施形態においては、前記チューブを前記チューブ止に対して保持するよう作用する爪を有する。
【0075】
1つの実施形態においては、前記爪およびチューブ止は、前記スライドクランプが前記チューブに対して運動を実行できるよう該チューブを保持するよう作用する。
【0076】
1つの実施形態においては、前記クラム手段は、前記スライドクランプを前記チューブに対して移動させ、該スライドクランプを選択的に開閉して流体をその中に流すよう作用する。
【0077】
1つの実施形態においては、前記スライドクランプの位置を検知するための手段を備え、該スライドクランプは複数の位置を有する。
【0078】
1つの実施形態においては、前記スライドクランプの位置を検知するための手段は、該スライドクランプの有無を検知するようさらに作用する。
【0079】
1つの実施形態においては、前記スライドクランプの位置を検知するための手段は、第1の光学センサおよび第2の光学センサを備える。
【0080】
1つの実施形態においては、前記スライドクランプは溝に配置され、前記第1の光学センサおよび前記第2の光学センサは該溝に沿って存在している。
【0081】
1つの実施形態においては、前記第1の光学センサと前記第2の光学センサは各々、光源と、該光源と光通信する光送信パイプと、該光送信パイプと光通信し、関連した光電セルに光を断続的に送信する光受信パイプとを備える。
【0082】
1つの実施形態においては、前記光送信パイプおよび前記光受信パイプは各々、それぞれの内部反射面を含む。
【0083】
1つの実施形態においては、スライドクランプを収容するよう適合された溝を備え、該溝は、第1の側面と第2の側面とを有し、前記光送信パイプは前記第1の側面上に存在し、前記光受信パイプは前記第2の側面上に存在している。
【0084】
別の局面において、本発明は、注入ポンプを提供し、この注入ポンプは、該注入ポンプに関連したチューブと、該チューブに関連したスライドクランプとを備え、該スライドクランプは複数の位置を有し、該スライドクランプの位置を定めるための方法が、
1. 前記チューブが位置を有する場合、前記位置を固定する工程と、
2. 前記注入ポンプが、スライドクランプをこれと関連させて収容するよう適合された複数のセンサを有する場合、該スライドクランプを該センサ内に配置する工程と、
3. 前記センサが、前記スライドクランプがない高い状態と、前記スライドクランプがある低い状態とを有する場合、該複数のセンサの状態を示す工程と、
4. 前記複数のセンサが特定の位置に配置される場合、該複数のセンサの位置を示す工程と、
5. 前記センサの状態とその位置とを比較する工程と、
6. 前記状態情報と前記位置情報とを相関させて前記スライドクランプの前記位置の基準にする工程とを含む。
【0085】
別の局面において、本発明は、ポンプを形成するよう組み立てられた複数の要素を有する注入ポンプを製造するための方法を提供し、この方法は、
1. 前記要素のうちの1つを少なくとも1つの精密面で形成する工程と、
2. 残りの要素が相対位置を有する場合、前記精密面からの残りの要素の位置を求める工程とを含む。
【0086】
1つの実施形態においては、1. 前記残りの要素が依存する少なくとも1つの精密シャフトに前記精密面を関連させる工程と、
2. 前記精密軸からの前記残りの要素の位置を測定する工程と、をさらに含む。
【0087】
別の局面において、本発明は、チューブ経路を有する注入ポンプを提供し、この注入ポンプは、チューブを介して流体をポンプ送出するよう作用し、該流体に関する情報を発見するよう作用する複数のセンサを有し、該流体および該センサが該チューブと接触するポンプにおいて、チューブとセンサとを接触させて配置するための方法が、
1. 前記チューブを前記チューブ経路に配置する工程と、
2. 前記センサを前記チューブと接触させて前記チューブ経路に配置し、該センサは該チューブに対して垂直関係にある工程と、
3. 前記チューブが横方向の応力勾配を有する場合、該勾配が最小になるように該チューブを前記センサに押しつける工程と、を含む。
【0088】
別の局面において、本発明は、チューブに接触させてセンサを配置するための方法を提供し、該チューブおよびセンサは注入ポンプと関連し、該方法は、
1. 前記センサを前記チューブに対して配置する工程と、
2. 前記センサを前記チューブ上で回転させ、一方で該チューブを該センサに押しつける工程と、
3. 該チューブがこれに関する横方向容量勾配を有する場合、該容量勾配が最小になるように前記センサを配置する工程と、を含む。
【0089】
別の局面において、本発明は、関連するチューブと、該チューブに関連するセンサとを備える注入ポンプを提供し、 該チューブについての応力勾配が規定可能であり、該センサを該チューブに接触させて配置するための方法が、
1. 前記センサを前記チューブに対して配置する工程と、
2. 前記チューブの応力勾配が最小限になるよう該センサを配置する工程と、を含む。
【0090】
別の局面において、本発明は、関連するチューブと、該チューブに関連するセンサと、該チューブ状に規定され得る応力勾配を有する注入ポンプを提供し、該センサを該チューブに接触させて配置するための方法が、
1. 前記センサを前記チューブに対して配置する工程と、
2. 前記チューブの応力勾配が最小限になるよう該センサを配置する工程と、を含む。
【0091】
本発明の別の局面においては、関連したチューブを有する注入ポンプにおいて、該ポンプは該チューブを介して流体をポンプ送出するよう作用し、該ポンプは、該チューブと接触したセンサと、該センサを位置保持するよう作用するハウジングとを有し、該ハウジングはハウジング本体を有し、該ハウジング本体はこれによって規定されるサスペンションスロットと、ピンとを有し、該サスペンションスロットは該ピンに対して移動可能な注入ポンプ芽提供される。
【0092】
1つの実施形態においては、枢軸スロットと、該枢軸スロットに存在し前記ハウジングに固定されたリフトピンとを備え、該リフトピンと該枢軸スロットと該ピンと該サスペンションスロットとの共同作用によって、前記センサが前記チューブと実質的に垂直に接触できる。
【0093】
1つの実施形態においては、前記センサの前記チューブとの実質的に垂直な接触は、該チューブ上を回転する前記センサハウジングによって達成される。
【0094】
別の局面において、本発明は、関連した複数のセンサと、該センサに関連したチューブと、該センサを該チューブに対して配置する手段と、を有する注入ポンプを提供し、該配置手段は、該チューブにより作動される該センサを収容するための傾斜可能な手段を含む

【0095】
1つの実施形態においては、第1の軸と第2の軸とを備え、前記センサを収容するための傾斜可能な手段は、該第1の軸に沿って該センサを収容するための手段の移動を可能にするスロット手段と、該第2の軸に沿って該センサを収容するための手段の独立した移動を可能にする枢軸手段と、をさらに備え、該第2の軸は該第1の軸に対して実質的に垂直である。
【0096】
1つの実施形態においては、前記チューブは上部を有し、前記枢軸手段は、該チューブの上部と協動するスロット手段と組み合わされて、前記センサを収容するための傾斜可能な手段が該チューブの上部で回転する。
【0097】
別の局面において、本発明は、ハウジング内に存在した複数のセンサと、該ハウジングを支持および移動させるよう作用するアームと、上流プラテンと下流プラテンとを有する注入ポンプを提供し、該上流プラテンおよび該下流プラテンはこれによって規定される垂直スロットを有し、複合ロッカーアセンブリは、該アームに関連して、該ハウジングに関連したハンドルに規定された実質的に楕円形のスロットによって捕捉されるよう作用する第1のサスペンションピンを有し、該ハウジングはさらに、第2のピンを支持するよう作用するポートを規定し、該第2のピンは該実質的に楕円形のスロットの後方の該垂直スロットに存在し、該実質的に楕円形のスロットおよび垂直スロットは該第1のサスペンションピンを有し、該第2のピンは該ハウジングが複合ロック運動を実施できるよう作用する。
【0098】
1つの実施形態においては、前記サスペンションスロットが楕円形のアスペクトを有する。
【0099】
1つの実施形態においては、前記ハウジング本体に関連するハンドルを備え、前記サスペンションスロットがその中に規定されている。
【0100】
別の局面において、本発明は、流体をポンプ送出するよう作用する注入ポンプと、該流体をその中で輸送するためのチューブを提供し、該ポンプは、上流側と下流側とを有するシャトルであって、該チューブを周期的に変形および回復させるシャトルと、該シャトルに関連した第1のバルブおよび第2のバルブと、第1の面および第2の面を有するカムとを備え、該第1のバルブは該シャトルの上流側と関連し、該第2のバルブは該シャトルの下流側と接続され、該第1の面は該シャトルを作動するよう作用し、該第2の面は該第1のバルブおよび該第2のバルブを作動するよう作用する。
【0101】
1つの実施形態においては、前記第1のバルブおよび前記第2のバルブは、該第1のバルブおよび該第2のバルブが個々に作動されるよう前記カムによって作動される。
【0102】
1つの実施形態においては、前記第1のバルブは開位置および閉位置を有し、前記第2のバルブは開位置および閉位置を有し、該開位置において前記チューブは遮断されず、該閉位置において該チューブは遮断され、前記カムは、前記流体がポンプ押しだしされる間に該チューブは常に遮断される組み合わせで該バルブを作動させるよう作用する。
【0103】
本発明の別の局面においては、流体をポンプ送出するよう作用する注入ポンプと、該流体をその中で輸送するためのチューブと、移動シャトルと顎とであって、動作時、該チューブはその間に存在し、該移動シャトルは該顎と協動して該チューブを周期的に変形および回復させるよう機能し、該チューブは、周期的なその変形に対して非線形依存を有する該流体の出力を有し、シャトル作動カムは、該チューブの周期的な変形に対する該出力の
非線形な依存性を線形化するための手段を備えるポンプが提供される。
【0104】
1つの実施形態においては、前記出力の非線形依存性を線形化するための手段は、第1のカムランドをさらに備え、該ランドはプロファイルを有し、該プロファイルは該非線形依存性を実質的に線形化するよう機能する。
【0105】
1つの実施形態においては、前記出力の非線形依存性を線形化するための手段は、前記変形がそれに関連した量を有するときに、該変形量を決定するよう作用するエンコーダと、前記周期的な変形が速度を有するときに、該周期的な変形の速度を変化させる速度制御装置をさらに備える。
【0106】
1つの実施形態においては、前記エンコーダおよび前記速度制御装置は協動して、前記変形の量に依存する前記周期的な変形の速度を選択的に変化させる。
【0107】
1つの実施形態においては、前記速度制御装置および前記エンコーダは、前記カムプロファイルとさらに協動して前記非線形依存性をさらに線形化する。
【0108】
1つの実施形態においては、前記カムは、前記第1のカムランドと、協動して前記チューブの前記周期的な変形を制御する第2のカムランドとをさらに備える。
【0109】
別の局面において、本発明は、バルブを有する注入ポンプを提供し、該バルブはチューブを遮断するよう作用し、該チューブは弾性的に変形および回復が可能であり、該バルブは、バルブブレードと、該バルブブレードに関連した頂点とを有し、該頂点は丸められてそれについて規定された半径を有する。
【0110】
1つの実施形態においては、前記頂点の半径は0.5mmである。
【0111】
1つの実施形態においては、前記バルブブレードは、第1のブレード側面と第2のブレード側面とを有し、前記頂点はその間にあり、該第1のブレード側面と該頂点と該第2のブレード側面は、その間に角度を規定し、該角度は約90度である。
【0112】
1つの実施形態においては、チューブを周期的に潰したり膨張させたりする移動シャトルを備え、前記バルブと該移動シャトルとは協動して断続的に部分真空を該チューブ内に形成し、該シャトルの外側の該チューブ内には流体が存在し、該流体と該部分真空とが共同作用して該バルブの下にある前記チューブの弾性回復を助けるよう作用する。
【0113】
別の局面において、本発明は、関連するチューブを有する注入ポンプを提供し、該チューブは流体を輸送するよう作用し、該ポンプは、内部に規定されるチューブ経路と、該チューブと係合するよう作用するブレードを有する第1のセンサアームを有するチューブ感知センサと、該第1のセンサアームが枢軸する軸と、該第1のセンサアームに関連し、チューブが前記センサアームブレードと係合している時に光学スイッチを作動させるよう作用するセンサフラッグとを有する注入ポンプ。
【0114】
1つの実施形態においては、前記チューブ経路は、上流側と下流側と、該チューブ経路の該上流側に位置する第2のセンサアームと、該チューブ経路の該下流側に位置する前記第1のセンサアームとを備える。
【0115】
別の局面において、本発明は、移動シャトルと、固定顎と、可動顎とを備える注入ポンプを提供し、該移動シャトル、該固定顎および該可動顎は、チューブ経路を内部に規定し、該移動シャトルの該チューブ経路に対する変位量を求めるよう作用する位置センサを備
え、該位置センサは、第1の磁極を呈する第1の磁石と、第2の対向する磁極を呈する第2の磁石と、該第1の磁石と該第2の磁石との間に位置するホール効果センサとを備え、該第1および第2の磁石が互いに移動できるようにする。
【0116】
1つの実施形態においては、前記位置センサと協動して前記移動シャトルの前記チューブ経路に対する位置を決定するクロックエンコーダを備える。
【0117】
1つの実施形態においては、前記位置センサおよび前記クロックエンコーダおよび駆動モータは協動し、前記チューブ経路に対して前記シャトルを循環させ、該チューブ経路およびシャトルとチューブとのコンホーメーションを促進する。
【0118】
本発明の別の局面においては、上流プラテンと、下流プラテンと、その間に設けられたシャーシと、を備え、該上流プラテンと、該シャーシと、該下流プラテンは協動し、該上流プラテン、シャーシおよび下流プラテンの後方において流体バリアを提供する注入ポンプが提供される。
【0119】
1つの実施形態においては、前記上流プラテンと、前記下流プラテンと、前記シャーシに関連するシャトルとの組み合わせによって、その上にチューブ経路を部分的に規定し、流体は該チューブ経路に存在可能であり、該上流プラテン、シャーシおよび下流プラテンの後方に存在する複数の電気的構成要素を備え、前記流体バリアは該電気的構成要素から流体を排除するよう作用する。
【0120】
別の局面において、本発明は、注入ポンプを提供し、この注入ポンプは、シャトルと、該ポンプを制御するよう作用する制御機構とを備え、該ポンプは、シャトル作動機構と自動装填機構とを備え、該シャトル、シャトル作動機構および自動装填機構は、1つの制御機構によって制御される複数の該ポンプに適合する。
【0121】
別の局面において、本発明は、入口側と出口側と、IVセットを内部に収容可能なように適合されかつ端部間に配置されたチューブ装填スロットとを有する注入ポンプ用のハウジングを提供し、該チューブ装填スロットは、第1の端部と第2の端部とを備え、該第1の端部は下方向に向けられ、該第2の端は下方向に向けられている。
【0122】
1つの実施形態においては、前記第1の端部は前記入口側にあり、前記第2の端部は前記出口側にある。
【0123】
1つの実施形態においては、前記第1の端部および前記第2の端部は各々前記IVチューブの下方向への湾曲を強化するよう作用する。
【0124】
1つの実施形態においては、前記下方向への湾曲は、前記入口側および前記出口側の外で前記IVチューブにドリップループを形成するよう作用する。
【0125】
動作時、看護婦や患者などの操作者は、標準的なIVセットチューブをポンプの前面に位置したチューブ装填オリフィスに挿入することによって、薬剤の注入を開始する。さらに、操作者はチューブと関連したスライドクランプを、チューブ装填オリフィスの上流側すなわち流体源に近い側に位置する適切なスライドクランプオリフィスに同時に挿入する。次に、操作者はチューブ装填シーケンスを行い、ここで、一組の爪および移動可能な上側顎がチューブを潰してこれをチューブ経路に引き込むよう作用し、このうち一部がV形溝およびバルブから構成される。装填サイクルが進行すると、顎および爪はチューブに近づいて、チューブをチューブ経路に捕捉する。次に、バルブが閉じてチューブを遮断すると、スライドクランプがチューブを遮断できない位置までこのスライドクランプを移動さ
せる。ポンプ速度、空気の許容量、温度および圧力を決定する関連電子部品から適切な信号を受信すると、ポンプは作動され、流体は流体源から引き出されて一定かつ計量された量ずつポンプから流出する。
【0126】
チューブがチューブ経路またはチューブ装填オリフィスに正しく装填されていないと、適切なセンサがこのような状態にあることを検出し、これを示すアラームを動作させる。
【0127】
注入終了時、操作者が作動することでスライドクランプが自動的に閉じられ、チューブはポンプから解放される。
【0128】
ポンプは、ポンプを流れる流体の状態に関する情報を提供する上述したセンサに加え、薬剤注入の安全性を改善するための様々なセンサを含む。このポンプは、ポンプ自体の内部にある様々な機械的サブアセンブリの状態に関する情報を提供するよう動作する様々なセンサを含む。センサの中には、上述したシャトルまたはV字形スロットの位置、バルブの動作、スライドクランプの位置、装填ミスの検出およびチューブ装填アセンブリの手動操作を提供するための装置がある。
【0129】
ポンプを通過する流体の状態に関するセンサは、それ自体が精度に関して改善されている。これは、センサとチューブとをチューブに対して垂直に接触させ、チューブを様々なセンサと接触させてチューブ内で容量や応力の勾配が出ないようにする方法を開発することで達成されている。
【0130】
したがって、本発明の第1の目的は標準的な注入セットを利用して薬剤を正確な容量で送達することができる注入ポンプを提供することにある。
【0131】
本発明の他の目的は、ポンプシャトルおよびこれに関連したバルブを有し、ポンプシャトルおよびバルブが機械的に同期している注入ポンプを提供することにある。
【0132】
本発明のさらに他の目的は、精度を大幅に改善することで、ポンプ部材の出力がポンプサイクル全体にわたって線形になるような注入ポンプを提供することにある。
【0133】
本発明の他の目的は、バルブをチューブから解放したときにチューブの弾性回復を助長するように適合された形状であると同時に注入セットチューブを遮断するよう適合された、注入ポンプ用の複数のバルブを提供することにある。
【0134】
本発明のさらに他の目的は、注入セットに関連して自動的に装填されるスライドクランプを提供することによって薬剤誤差に対する耐性が増した注入ポンプを提供することにある。
【0135】
本発明のさらに他の目的は、上述した薬剤誤差に対する耐性が増した注入ポンプにおいて、上述したスライドクランプが開いているか閉じているかを検知するよう動作するスライドクランプセンサを提供することにある。
【0136】
本発明の他の目的は、薬剤の自由な流れが可能であるときには常に同期した自動スライドクランプクロージャを提供することにある。
【0137】
本発明のさらなる主要な目的は、標準的なIVセットを内部に自動的に装填可能な注入ポンプを提供することにある。
【0138】
本発明のさらに他の目的は、正しく装填されていないIVセットを検知することができ
るとともに、セットを通る薬剤の自由な流れを防止するよう動作する状態では、このセットをポンプから解放することができる注入ポンプを提供することにある。
【0139】
本発明のさらに他の目的は、標準的なIVセットを関連した注入ポンプから自動的に装填および解放するよう作用する自動チューブ装填アセンブリを提供することにある。
【0140】
本発明のさらに他の目的は、スライドクランプ状態とバルブ状態とを、いずれかのバルブが開いた状態にあるときには第2のバルブが閉じた状態になり、両方のバルブが開いた状態にあるときにはスライドクランプが閉じた状態になるように同期させることにある。
【0141】
本発明の他の目的は、チューブが上述したポンプ部材に正しく収まるように、チューブ装填サイクル直後にポンプ部材の部分的なサイクルを提供することにある。
【0142】
本発明の他の目的は、ポンプの出力を線形化するよう動作する、ポンプ部材に関連したカムを提供することにある。
【0143】
本発明のさらに他の目的は、ポンプサイクル全体にわたってポンプ速度を様々に変化させることにある。
【0144】
本発明の他の目的は、ポンプ部材の速度を変えることによってポンプ出力をさらに線形化することにある。
【0145】
本発明の他の目的は、ポンプ部材の速度を変えることによって、注入時全体にわたってポンプ出力を変化させることにある。
【0146】
本発明のさらに他の目的は、ポンプサイクル全体の間、チューブの弾性回復を助ける流体力学を提供することにある。
【0147】
本発明の他の目的は、他のポンプ本体と組み立てられて、制御装置が1つのマルチチャネルポンプになるように適合されたアスペクトを有するポンプ本体を提供することにある。
【0148】
本発明の他の目的は、ポンプ内でIVチューブを捕捉して保持するように適合された爪を有するチューブ装填アセンブリを提供することにある。
【0149】
本発明の更なる主要な目的は、センサハウジングと、ハウジングに関連し、センサをチューブと実質的に垂直接触させる作動アセンブリを提供することにある。
【0150】
本発明の他の目的は、センサの下にあるチューブを横切る方向の容量勾配が実質的にゼロであるようにセンサをチューブと接触して配置させるよう動作するセンサハウジングおよび作動アセンブリを提供することにある。
【0151】
本発明の他の目的は、センサの下にあるチューブの応力勾配が実質的にゼロであるようにセンサをチューブと接触して配置させるよう動作するセンサハウジングおよび作動アセンブリを提供することにある。
【0152】
本発明の他の目的は、ポンプ内の様々な要素の相対位置を固定するよう動作する単一の基準本体を提供することにある。
【0153】
本発明のさらに他の目的は、単一の基準本体に関連し、これと協動してポンプの様々な
要素の相対位置を固定する複数のシャフトを提供することにある。
【0154】
本発明の他の目的は、薬剤をポンプ送りするためのコンパクトな手段を提供することにある。
【0155】
本発明のさらに他の目的は、ポンプの様々な電気構成要素への流体の進入を防止するよう動作する流体シールバリアを提供することにある。
【0156】
本発明の他の目的は、ポンプの外側領域でチューブを強制的に下向きにするよう作用する幾何学的形状を有するケースを提供することにある。
【0157】
本発明の他の目的は、自動チューブ装填特徴を作動させるための手動手段を提供することにある。
【発明の効果】
【0158】
本発明により、ポンプアセンブリの長手方向に沿って延在するV形溝を含み、固定および可動の顎と、V形溝またはシャトルのいずれか一方の端に位置する複数のバルブとに関連したポンプ本体を有する注入ポンプが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0159】
本発明の上述した目的および他の目的は、好ましい実施態様の詳細な説明、請求の範囲、添付の図面において明らかになるであろう。
【0160】
本発明の好ましい実施態様においては、ポンプアセンブリ10は、ポンプサブアセンブリ12と協動して様々な関連機能を実施する図1に示すような複数のサブアセンブからなる。
【0161】
ポンプサブアセンブリ
図2に示すように、ポンプサブアセンブリは、さまざまの関連要素が固定されるハウジング14を有する。ハウジングあるいはシャーシ14は、組み立て及び製作を速めるために、成形プラスチックで作製されることが望ましい。シャーシ14は、シャーシ14と一体成形された後部プレート16をさらに有する。ここで、後部プレート16には複数の開孔部が形成されている。
【0162】
モータシャフトの開孔部18は、後部プレート16の実質的に中心に位置し、ポンプモータシャフト20が通過できるように構成されている。後部プレート16は、ポンプモータシャフトの開孔部18から外側に向かって放射線上に間隔を空けて配置された、ポンプモータ取り付け孔22を備える。これらの孔はモータベアリングボスと共に、シャーシ14に対してポンプモータ24の位置を正確に決める機能を持つ。シャーシ後部プレート16の後方には、複数の取り付けウイング26があり、これらは、シャーシ14の下流側にある下流プラテン500に、およびシャーシ14の上流側にある上流プラテンに、確実にシャーシを固定する役目をはたす。ここで、上流はアセンブリ10の液体の入口近くに位置する側を示し、下流はアセンブリ10の流体の出口近くに位置する側を示す。
【0163】
図2及び3に示されているように、シャーシ14は、ポンプモータシャフト20と同軸として備えられるポンプモータ軸32を実質的に横切る複数の開孔部をさらに備える。
【0164】
上流液体防壁タブ27Aと下流液体防壁タブ27Bはウイング26の前に位置し、これらは液体源(IVチューブあるいはセット)と、前述の3つの要素から構成されている、組み合わせ液体停止アセンブリの後ろに位置する、関連電子装置との間に液体遮蔽を提供
するために、スライドクランプアクチュエータサポート及び下流プラテン後方プレート580と協動する。
【0165】
これらの横方向ポートまたは開孔部は、下記に詳述されるように、シャーシの内部の種々のメカニズムへのアクセスを可能にする。また、これらの開孔部に関連した種々の部品に依存した、さまざまなサブアセンブリの相対的位置を固定する単一の基準点を提供する。この製造形式は、装置が正しく作動するために調整が必要な測定点を減らす役割を果たす一方、ポンプアセンブリ10を組み立てる正確で強固な手段を提供する。これらの孔はシャーシ14の上流側壁32と下流側壁34の両方に同様に作製される。
【0166】
第1の孔セットはバルブピボットシャフトのポート36、38で、これらはバルブピボットシャフト410を支え、シャーシ14に相対する位置を決める役割を果たす。
【0167】
第2の孔セットはチューブ装填カムシャフト510を支え、チューブ装填カムシャフトポート40、42として図示されている。
【0168】
第3の孔は、チューブ装填レイシャフト512を支え、シャーシ14に相対して位置を決める役割を果たし、チューブ装填レイシャフト孔44、48として図示されている。
【0169】
第4の孔セットは、ポンプバルブカムアクチュエータ422を、シャーシ14の内部にアクセスさせる役割を果たし、バルブアクチュエータポート46、50として図示されている。
【0170】
シャーシは、図2に表示されているポンプ駆動のサブアセンブリを収納するキャビティ52を備える。
【0171】
ポンプモータ24はこのサブアセンブリの最も後方の要素である。好ましい実施態様では、このモータは64対1までモータ速度を減速できる、内部減速ギアボックス54を備えた可変速度直流モータであることが望ましい。
【0172】
ポンプモータギアボックス54からの出力はポンプシャフト20である。ポンプシャフト20は、前述のように、ポンプシャフト孔18を通過して軸方向に延びキャビティ52まで達する。
【0173】
駆動コレット56が、キャビティ52の内部にあり、そしてポンプシャフト20と周囲で係合する。駆動コレット56は、複数のコレットフラット58の組み合わせを使用してポンプシャフト20とさらに機械的な係合を有する。コレットフラット58は、シャフト20に押し付けられ、ネジ山のついたグラブネジ穴62を介して、コレット56を通過するグラブネジ60と係合する多角形表面を提供する。この穴62は駆動コレット56を通って、シャフト軸32に放射状におよび横方向に配置される。駆動コレット56は、ポンプシャフト軸32に対して長手方向に平行に、かつポンプシャフト軸32から半径方向外方向にある駆動ピン穴61をさらに備え、コレット56とモータシャフト20の移動と共に固定ピン63を支え、駆動する機能を持つ。
【0174】
図4に示されるようなポンプインデックスホイール64は、駆動コレット56の上部にあり、同軸を持つ。
【0175】
インデックスホイール64は、ポンプの要素の位置を決定するために、関連センサーと共に作用する。インデックスホイールには、インデックスホイール64の周囲にある第一の放射状スロット66と第二の放射状スロット68が形成されている。これら2つのスロ
ットはお互いに180度離れて位置している。
【0176】
インデックスホイール64はホイールディスク部70とハブ部72とから成り、ハブ72はディスク部に対して半径方向に内側に位置し、ホイールディスク部70の前方に位置する。インデックスホイール64のハブ部72は、ハブ72からディスク70に延びる複数のウェブ74により、ホイールディスク70に連結されている。ハブ部は円筒形で縦方向に延びる円筒部76と横方向の環状部80をさらに有する。円筒部76はディスク板70の前方に延び、環状部80は円筒部76からモータシャフト20に向かって、内部に放射状に延びる。
【0177】
環状部80は、モータシャフト20と同様に延びるモータシャフトポート82と、モータシャフト20の外側でかつモータシャフトに平行に位置する固定ピンポート84とをさらに備える。モータシャフトポート82は、モータシャフト20がインデックスホイール64を通過できるようにし、一方で、固定ピンポート84が、固定ピン63を貫通させた場合に、モータシャフト20とインデックスホイール64の同時回転をさせる。
【0178】
ハブ部72は、コレットグラブネジ60がアクセス可能な2つのアクセスポート86、88を有する。これらのハブアクセスポート86、88は止めねじアクセスポート90を介して、シャーシ14の外部からアクセス可能である。
【0179】
インデックスホイール64の上であり環状部分80の前方には、図5及び6にあるような、ポンプ駆動カム100がある。ポンプカム100は正前領域102と後面領域104からなる。
【0180】
正面領域102は外部カムランド106と内部カムランド108をさらに有する。外部及び内部のカムランド106、108は、ポンプカム従動部110に正作業を提供するため、協動的に形成される。106、108の2つのランドの形状とアスペクトは、ポンプシャフト軸32からランド106、108のさまざまな部分までの距離変化に関しては、非線形である。
【0181】
カム100により実現されるように、回転から直線運動への変換は、図7に示すように、時間に対するポンプの容積出力(シャフトエンコーダ計測で計測したもの)に非線形のエラーを引き起こす。内部ランド108と外部ランド106のアスペクトは、容積に関してポンプの出力が直線になるように、このエラーを一次補正するため協動して機能する。これは前述のように、ポンプの精密度における角度エラーの影響を最小限にするために、モータシャフト軸32に関して、カムランド106、108の半径方向の変位の変化を替えることで達成される。
【0182】
特に、最初の近似により、シャフト軸32からランド106、108までの半径方向の距離により決定されたものとして、カムは逆正弦関数を示す。
【0183】
図7に見られるように、相対運動を実施する2つのV溝間にあるチューブの特徴的な容積出力は、溝の変位の非線形関数である。このシャトル200の構造は、前述のように、英国特許第2,225,065号に対応するDanbyらの米国特許第5,150,019号に記載されている。
【0184】
図5に図示するように、ここに詳述するカムプロフィールの改変は、ストローク中にシャトルの速度を上げ(カム角度30度から60度の間)、ストロークの開始時と終了時にシャトル200の速度を落とすことで、顕著な線形出力を提供する。
【0185】
図9に図示するように、この変化する線速度は、30度と70度の間のカム角度で出力が実質的に線形である、より線形化された容積出力を提供する。この上昇および下降のストローク間における変化は、カム内での単純な円弧使用によるものである。
【0186】
図5はカムランド106、108を描写している。断面を正面から見て、さまざまなカム位置をはっきりと図示している。図に示されるように、シャトル200の上下の動きに対応する、2つの重要なポンプ部110、112がある。また入口バルブと出口バルブを作動させるドウェル部114、116が見られる。これに関しては後に詳しく述べる。
【0187】
出力のさらなる線形化は、後で述べるように、位置依存速度制御を使用して電気的に制御される。
【0188】
図6ではカム100の反対側118が示されている。図示するように、同心のバルブカムランド120、122の2つがある。この実施態様では、内側のバルブカムランド120は上流(入口)バルブを、外側のカムランド122は下流(出口)バルブを駆動させる。図から見られるように、入口と出口のバルブが同時に作動することはないので、投与薬品が制約無く流動することを妨ぐことになる。バルブカムランド120、122の持続時間とドウェルは、内部バルブカムレース120と外部バルブカムレース122が、ポンプシャフト軸32から異なる半径であっても、バルブが適切に同期化するように調整されている。
【0189】
駆動カム100の後方ハブ118もまた、ポート124でカムを固定する。この124は駆動カム100の相対的位置を、固定ピン63を利用して、駆動コレット56にロックする機能を持つ。従って、モータシャフト20にロックされることになる。
【0190】
モータシャフト20は、カム100のすぐ前に位置するノーズベアリング126に覆われている。モータシャフト20は、カム100の中央にあるカムモータシャフトポート127を介して、カム100を通過する。カムモータシャフトポート127の周囲には、前方カム環128がある。これはコレット56とノーズベアリング126の間でモータシャフト20沿いに浮くカム100の揺れを調整する。
【0191】
本発明の好ましい実施態様では、ノーズベアリング126はローラー型のベアリングである。ノーズベアリング126は、シャトルプラテン130の後側で、ノーズベアリングレース132にしっかりと挿入される。
【0192】
シャトルプラテン130は、複数の止め具によって前方シャーシ面53に固定される。この止め具は、シャトルプラテン130内にある複数の止め具ポート134と、シャーシ14の前面53にある複数の二次止め具ポート136を介して、シャトルプラテン130を前方シャーシ面53に接続する。シャーシ14に対するシャトルプラテン130の相対的位置は、前方シャーシ面53内にあるシャトルプラテン位置合わせピン138によって決められる。位置合わせピンに対応するシャトルプラテン位置合わせポート140が、シャトルプラテン130の背面内にある。
【0193】
シャトルプラテン130はさらに、シャトル駆動カム従動部スルーポート142を有する。これは、シャトル作動カム従動部144が、シャトル駆動カム100にアクセスできる役目をはたす。シャトルプラテンの前面146は、シャトル200がはまる複数のチャネル148を有する。これらのシャトルプラテンチャネル148は、通過するシャトル200が自由な動きをできるように、低摩擦表面加工されている。シャトルプラテン前面146は、さらにサイドレール150、152を有する。これらは、シャトル200の作動時に、シャトル200のねじれ運動を制限する働きをする。
【0194】
スルーポート142は、前述したように、このスルーポートをカム従動部144が通過できるようにする働きをする。カム従動部144は、ポンプ駆動カムランド106、108間での運動を可能にする寸法の、環状ローラーベアリングである。シャトル駆動カム従動部144は、シャトル200の前面201と面を揃えるため、シャトル駆動ピン溝156にある、シャトル駆動ピン154に載置される。駆動ピン154はさらに、ヘッド158を有し、これは、運転力がシャトル200に均等にゆきわたる働きをし、さらにはシャトル200に効果的に押しつけて適合させるに十分な周辺領域を提供する。
【0195】
シャトル駆動ピン154のシャフト部160は、駆動ピンポート202を経由してシャトル200全体に延びている。これはシャトルプラテン130を通過するに十分な長さであり、またシャトル駆動カム従動部144に係合する。
【0196】
シャトルプラテン130は、シャーシ14及び関連部品からポンプ10全体の位置の測定に基づき、基準点あるいは位置合わせ点のセットを完成させる。
【0197】
シャトルプラテン側面レール150と152には、複数の基準面168と170が配置された、前方表面162と164がある。これらのデータムパッド168と170は、シャトル200から、ポンプアセンブリ上部顎部220(図16)の距離を固定する働きをする。この距離は、0.2mmに保つ必要があることが、実験から発見されている。この距離は、図10で見られるように、ポンプによって引き起こされるチューブ部分の初期変形が、原形は円形であるチューブ横断面の、等角四角形の横断面への変形を提供するような、稼動シャトルインデント204と固定された(不動の)インデント206との間の横方向距離に依存するポンプの幾何学的な見地から、非常に重要である。ポンプサイクルのストロークスローが駆動カムランド106と108の上昇により決定されるので、この初期変形は、ポンプがそのストロークを通してサイクルする際の、ポンプチューブ内腔6の閉鎖量に関係する。ポンプチューブ内腔の変形量は、ストロークまたはサイクルあたりのポンプの容積出力を決定する。
【0198】
側面レール150と152の下部は、シャトル200を越えて横に延びている。下部横延伸部172と174の前方表面には、これらに関連した第2のデータムパッド176と178のセットがある。このパッドはシャトル200から下部固定顎222までの距離を固定する働きをする。これらの下部顎部データムパッド176、178の機能は、前述した上部顎部データムパッド168、170の機能と類似する。
【0199】
図11に図示するように、シャトル200はその後側207を有する。シャトル後側207は、複数のスライドレール206を有する。スライドレール206は、シャトル200とシャトルプラテン130間の摩擦を最小にする働きをする。スライドレール206は、シャトルプラテン130の溝146Aと全面係合し、シャトル200とシャトルプラテン130との間の縦横揺れを両方固定する働きをする。
【0200】
シャトル200の前面201は、ポンプ溝開孔部204を備える。この開孔部、またはインデント204の横断面は実質的にV字形であり、丸い内部角211を持つ。これにより、この開口部へのチューブ5の装填時にチューブ5と溝開孔部204のコンホーメーションを提供する。
【0201】
シャトル200の後面207は、ほぼ垂直アレイ状に配列した複数のポケット203をさらに含む。これらのポケット203は、シャトル200の線上位置を感知する磁気センサー322と共に作動する複数の磁石を有するように適合されている。
【0202】
ポンプサブアセンブリに関連したセンサー
既に前述したように、ポンプサブアセンブリは、種々の要素の機能と位置に関する情報を提供する、複数の関連センサーを備える。
【0203】
図12に図示するように、センサーの最後部には駆動モータシャフトエンコーダ300がある。このセンサーは、モータ24の電機子シャフト303に取付けられるエンコーダフラッグホイール302を含む。本発明の好ましい実施態様では、ポンプモータフラッグホイール302は、ハブ306から外側に放射状に延びる12のフラッグ304を有する。
【0204】
フラッグ304は、2機の光学スイッチ308と310と提携して作動し、ポンプ駆動モータ24の電機子シャフト303の位置を固定する。図12に示すように、スイッチ308と310は、さらに発光ダイオードと光電セルを含む。光学スイッチ308と310の配置により、第一のスイッチ308はフラッグ304の縁部311Eを感知でき、第二のスイッチ310は、後続するフラッグ304の中央部311Mを感知できる。この配置は、エンコーダ300で読み込まれるモータシャフトの位置と方向のより優れた感度を可能にする。
【0205】
この好ましい実施態様では、モータシャフト20の回転に対するエンコーダ300の感度は1/3072である。エンコーダアセンブリ300は、ポンプモータエンコーダ支持カラー312内に位置する。これはモータのハウジング24に滑りはめて、ピンチクランプ313で取付けられる。
【0206】
モータエンコーダ300は電機子シャフト303の回転を直接感知する。但し、電機子シャフト303とシャトル200間にはメカニズムが存在するため、付加的なセンサーの装備が望ましい。
【0207】
モータシャフト軸32に沿って前方に移動すると、インデックスホイール64に戻る。前述したように、インデックスホイール64は、同一周上に放射状に配置された複数のスロット66と68を持つ。図4に図示するように、これらのスロットと関連するのはインデックスホイールの光学センサー314である。このセンサーは発光ダイオード315ならびに光学センサーまたはスイッチ316を含む。
【0208】
インデックスホイールセンサー314は、インデックスホイール64ならびにスロット66と68と提携してポンプモータシャフト20の回転位置の位置情報を提供する。
【0209】
作動時には、インデックスホイールセンサー314がポンプエンコーダ300と共に作動し、モータシャフト20の方向ならびに位置に関連する情報を提供する。インデックスホイールセンサーは、スロット66と68がインデックスホイールスイッチ314を通過した際の、個々の通過を計測する。2つのスロット66と68は、異なる幅を持ち、シャトル200の上昇運動または下降運動の開始時に関する情報を提供する。第1の幅が上昇運動を示した場合、第2の幅は下降運動を示す。
【0210】
図11に図示する線形全体位置センサー320はシャトル200自体と関連する。このセンサーは、線形位置ホール効果センサー322と複数の磁石324と326を有する。シャトル位置感知磁石324と326はシャトルホールスイッチ322と対面するポールに存在する。これにより、シャトル200の線形位置を明確にする働きをする、場の勾配を与える。
【0211】
前述したエンコーダ300(図12)と他の関連センサーを組み合わせることで、1つ
を超えるポンプを操作する可能性がある装置の制御メカニズムの入力事項を提供する。従って変動速度モータの速度を正確に制御できる。このような速度制御により生まれる基本的な特徴には、ポンプ10の出力に一時的な可変性を与えることがある。さらにこの速度制御では、個々のストロークあたりのポンプ出力を電子的に制御する線形化と同時に、ポンプ10の時間積分の改良を可能にする。好ましい実施態様では、ストロークあたりの出力の線形化は、前述したように駆動カム100との組み合わせで達成される。ポンプの時間積分出力は、時間に対して計測される出力プロフィールに断続性を生じる時点でポンプ速度を著しく増加することで、さらに正確にすることが可能である。これにより、このような断続性による出力への影響を最小にする。
【0212】
製造側の立場を考慮して、シャトル線型位置センサー320とインデックスホイールセンサー314は、ポンプセンサー回路ストリップとして示される共有印刷回路ストリップにより、どちらも関連信号処理電子機器に電気的に接続される。
【0213】
バルブサブアセンブリ
図13ならびに14では、関連ポンプサブアセンブリから取り外して、バルブサブアセンブリを図示している。バルブサブアセンブリは、図3に図示するピボットシャフトポート36と38でシャーシ14に支持されるバルブピボットシャフト410を含む。
【0214】
バルブ412と414はこのシャフト410の周りを旋回し、ピボットシャフト410上ならびにバルブ412と414内に隙間にはめこまれるバルブピボットベアリング416と418とによってピボットシャフト上で支持される。
【0215】
2つのバルブ412と414はそれぞれ上流バルブ412および下流バルブ414とされる。図14に図示するように、上流バルブ412は、上流バルブピボットベアリング416を適切に受けるように適合されたピボットベアリング孔420を含む。これで上流バルブは、バルブピボットシャフト410を中心に旋回する。上流バルブ412はさらに、ピボットシャフト410に対して軸方向に平行で、かつそこから実質的に垂直に変位した位置にある上流バルブシャフト孔422を含む。上流バルブシャフト孔422は、上流バルブシャフト424が滑り込めるように適合されている。上流バルブシャフト424は、上流バルブ412から横方向に延び、上流バルブシャフト孔を介してシャーシ14に入るよう配置されている。上流バルブアクチュエータシャフト424は実質的に円筒形であり、外部カムレースカットアウト426を有する。外部カムレースカットアウト426は、上流バルブアクチュエータ424がカム100上で形成される外部または下流バルブレース122をクリアできるようにする働きがある。上流バルブアクチュエータ424は、上流バルブローラーカム従動部430を支えるよう適合されたカム従動突出部428で終わる。好ましい実施態様では、上流カム従動部430は、ローラーベアリングであり、バルブカムランド部120と上流バルブアクチュエータ424の間に転がり接触を提供する。
【0216】
ここでバルブ412または414に戻ると、図15Bに示すように、バルブはさらにバルブブレード432を含む。これは、実質的にV字形の断面を有し、バルブブレードの第一の側434とバルブブレードの第二の側436の間の角度はほぼ90度である。また2つのブレードが形成する頂点438には0.5mmの丸みがある。内角と丸みを有する頂点438との組み合わせで、チューブ5がポンプサイクルの適切な時点で密封され、かつ、バルブブレード432がチューブ5から持ち上げられた時に、チューブがほぼその原形に再変形することを確実にするという、競合する必要事項間での最適な配置を提供する。
【0217】
バルブブレード434の角の丸い頂点438は、0.5mmの湾曲として形成される。この湾曲は、バルブブレード434とバルブアンビル570(図8、詳細は後述)間の0.7mmの距離との組み合わせで、確実に密封する一方で、ポンプサイクルの適切な部分
の間にチューブの弾性回復を提供するという、2つの必要事項を最適化する。
【0218】
これに加えて、上下顎部220と222とシャトル200の組み合わせによるチューブ5の変形のため、シャトル200に隣接して位置するチューブ内腔6の変形部分内に部分的な真空ができる。シャトル200の位置確認をして、入口バルブ412を開くと導通状態が生まれ、入り口バルブ412の下に存在するチューブの一部に流体力学的に弾性回復を助けることになる。
【0219】
図15Aに図示するように、上流バルブ本体412は、さらにバルブ持ち上げタング440を含む。これは、バルブ装填カムと協動して、チューブ装填操作を行っている間バルブを上昇させる。バルブ本体412は、バルブブレードアーム435の遠位端444から上向きに延びているバルブスプリングシートタング442を含む。バルブスプリングタング442は、バルブスプリングリテーナーポート446を備える。これは、図16に図示するように、バルブスプリングリテーナー450の遠位端448を支える働きをする。バルブスプリングリテーナー450は、バルブスプリングタング442と共に作動し、バルブスプリング452をそれらの間で完全に捕らえる働きをする。バルブスプリングリテーナー450は、チューブ装填レイシャフト512(これについての詳細は後述する)が滑り込む、実質的にC型のベース454を含む。バルブスプリングリテーナーベース454は、前述したチューブ装填レイシャフトに対するリテーナー450の振動を許容するように設計され、バルブ412と414の移動を調整する。
【0220】
下流バルブ414はバルブピボットシャフト410上で、シャトル200に隣接している。実質的には、下流バルブ414は、ピボットシャフト410を横切る平面に関して上流バルブ412と鏡像関係であり、図14に示すように、下流バルブは、上流バルブ412のすべての関連要素が反対の向きに示されている。下流バルブアクチュエータアーム456は、下流バルブカム従動部458が外部のバルブカムランド122と並ぶように短縮されている。
【0221】
2つのバルブ412と414の作動に関しては、ポンプサイクル中に両バルブは同時に開くことはない。さらに両方のバルブ412と414ならびにシャトル200は、単一のモータ24と駆動カム本体100のスイッチ開放により駆動するので、バルブ412と414ならびにポンプシャトル200の正確な同期化が、完全に機械的な手段により良好に達成される。
【0222】
バルブサブアセンブリに関連するセンサー
図14に図示するように、バルブ動作センサー328と330が、バルブ412と414にそれぞれ関連する。個々のバルブ動作センサー328と330は、バルブブレードタング435のバルブ外部終端444(図15A)のバルブセンサー磁石ポート332Aと334Aに挿入される磁石332と334により作動する。バルブ作動センサーホールスイッチ328と330はその下に、関連したバルブアンビル内でそこから外部に向かって位置する。これらは、関連したソフトウェアと共に、バルブセンサースイッチ328と330からの出力とその駆動モータエンコーダ300(図12)の出力に接続される。これにより、バルブ412と414が正しく作動していないときは、ポンプ10を停止したり、警報を発生したりする。実質的に、このことは、適切なバルブセンサー328と330からの予想される出力と、特定のモータ24ならびに駆動カム位置での予想される信号を比較することで達成される。
【0223】
バルブ412と414のそれぞれ外側にあり、それらからバルブピボットシャフト410上でチューブ検出アームスペーサー460で分離されているのは、チューブ検出センサーアーム340である。上流チューブ検出センサーは下流チューブ検出センサーと共に、
実際にIVチューブがポンプ10に存在するか否かを決定する働きをする。チューブ検出センサー332と334の各々は、バルブピボットシャフト410の周りを覆って配置された環状のベアリングまたはチューブセンサーピボット336を含む。チューブセンサーアームウェブ338は、チューブ感知ピボット336から外側に延び、チューブセンサーアームウェブ338から前方に延びているチューブ感知ブレード340と、センサーアームウェブ338から実質的に後方に延びているチューブセンサーフラッグ342とを支える役目をする。センサーブレード340は下方延長を含み、取り付けられた時に、センサーブレード先端344は、適切なバルブアンビルに位置することになる。従って、図17に図示するように、ブレード先端344とバルブアンビルの間にチューブ5を挿入すると、アンビル570からブレード340が上昇され、センサーアームがバルブピボットシャフト410の周りを旋回することになる。これにより、後方に延びているバルブセンサーフラッグ342が下降することになる。従って図17に示すように、チューブ検出センサー光学スイッチ346の隙間348に入っていくフラッグ342によって、チューブ検出センサーの光学スイッチ346とそれを横断している光ビームを遮断する。戻りスプリング350は、チューブ5が存在していない場合は、チューブセンサーブレード先端344が関連バルブアンビル上に置かれる位置に、センサーアームを傾けることになる。
【0224】
チューブ装填サブアセンブリ
図18と19に図示するように、チューブ装填サブアセンブリは、シャーシ14に関連する2つのシャフトを利用する。これらの2つのシャフトはチューブ装填カムシャフト510とチューブ装填レイシャフト512である。これら2つのシャフト510、512は、バルブピボットシャフト410と共に、ポンプ全体のさまざまなアセンブリと関連要素の相対的位置についての基準点を与える。これら3つのシャフトの位置を図3に示す。ポンプのすべてのポイントを、これらのシャフトと関係付け、これによってシャーシ14に関係付けると、多種多様な機械部品が精密でなくとも、全体アセンブリに必要な正確性を維持しながら、ポンプの構造を表すことができる。
【0225】
チューブ装填レイシャフト512は、バルブとスライドクランプを除いた、カムシャフト510の回転により駆動されるすべての部品の軸となる。レイシャフト512に沿って上流側に移動すると、関連要素の最も外側にあるのが下流チューブ装填機爪514である。個々の下流チューブ装填機爪は、環状体516から成る。これは、チューブ装填レイシャフト512の周りを旋回するように適合されており、関連螺旋ピン518によって固定される。螺旋ピンは、爪環体516とレイシャフト512を通って、環体の反対側まで延びている。従って、関連爪514はレイシャフト512にしっかりと固定される。爪環体またはコレット516の前方には、爪アーム518がある。爪アームは、実質的直線部520と弧状部522を有し、爪コレット516から外側および下方向に延びている。
【0226】
爪514の弧状部522の形状は、爪514が完全に下降すると、図18Aに図示するように、チューブ5をしっかりと下流プラテン500に打ち止めることによって、チューブ5を爪514とプラテン500の間に挟む。
【0227】
図18Bも参照してさらに詳述すると、爪先端部524の内部斜傾面526は、水平線に対して約45度の角度でチューブ5と交差し、それによってチューブ5を、下流プラテン500にあるチューブ移動止め501(図8)に対して下方内側に動かす。
【0228】
図18Bに図示するように、爪先端部524は複数の領域を備える。先端部の内側は、水平チューブ係合面525、傾斜チューブ係合面526、垂直チューブ捕獲面528、水平チューブ誤装填作動面530を備え、その外側には外向チューブ排除面532を持ち、上記のこれらの面は爪先端部の周囲に配置されている。これらの面は下流プラテン500と共に作動する。
【0229】
チューブ装填爪先端部524に含まれるデザインは上部ポンプ顎部220(図16)の下端でも採用されており、ここに説明したのと同じ機能を果たすものである。
【0230】
操作者がチューブをポンプ10(図1)に装填し、適切な作動器、制御ボタンまたはスイッチによってチューブ装填サイクルを開始すると、チューブ装填爪先端部524はチューブ経路8の上に下降し、これが、上部顎部220の下降動作と組み合わされて、チューブ経路8の外側の縦スロットまたは開口を完全に閉塞するよう機能する。チューブが部分的にポンプ10に挿入されても、全体としてチューブ経路8の外側に留まっている場合は、チューブ排除面532がネスティングスロット582(図8)(これらのネスティングスロットは下部顎部222の上にも存在する)と共に動作し、ポンプからチューブ5を排出する。チューブ5がチューブ経路内に部分的に装填され、一部がその外側にある場合は、誤装填作動面530が機能して、誤装填作動面530と下流プラテン500または上流プラテン800または下部顎部220のいずれかの関係部分との間のチューブ5を挟み、それによって誤装填検出をここに示すように起動する。爪先端部524のデザインで考慮されているもう1つの可能性は、チューブ5がチューブ経路8に挿入されるが、完全には引き込まれていないためにチューブストップ576に接触していない場合である。この場合、チューブ捕獲面528がチューブ5を後方へ引っ張ってチューブストップ576に接触させ、それによりチューブが正しく装填されることになる。チューブ排除面532、誤装填作動面530、およびチューブ捕獲面528の組み合わせにより、上記の装填状況のさまざまな可能性の間に明確な区別が与えられる。
【0231】
さらに、垂直チューブ捕獲面528は、傾斜チューブ係合面526および水平チューブ係合面525と組み合わされて、チューブ5をチューブストップ576にしっかりと保持し、傾斜面526、水平面525、およびチューブストップ576の共同動作によりチューブ5を変形し、縦チューブ経路孔が閉じられたときにチューブ5をチューブ経路8にしっかりと固定し、かつチューブ5を関係センサーに実質的に全面的に接触させる。
【0232】
下流プラテン500または対応する上流プラテン800は、ガラス充填ポリフェニレンスルフィドのような成形プラスチックで製作するのが望ましい。下流プラテン500はさまざまな機能を果たす。
【0233】
チューブ装填ベアリングキャップ502は、チューブ装填パワートレインのためのマウント領域を提供している。
【0234】
ギアボックス側壁503Aは、図19Aに図示する2つの斜歯歯車562、564を含むチューブ装填ギアセット560を垂直配置で収納する役目を果たしており、これにより前方および後方に取り付けられたチューブ装填モータ550(図20)からの回転を、横方向のチューブ装填カムシャフト510に伝えることができる。下流プラテン500のギアボックスのハウジングにはさらにカムシャフトブッシングレース566が含まれており、このブッシングレースは下流カムシャフトブッシング568を支持し、その中でカムシャフトが動くようになっている。下流プラテン500の前方部分は、下流バルブアンビル570と、温度センサーポート572、および下部空気センサートランスデューサーハウジング574とを有する。これらの領域の後ろには複数のチューブストップ576があり、チューブ5を後方で支持する役を果たしており、これにより、装填状態においてチューブ5の制御されたコンホーメーションを提供する。
【0235】
チューブサポート576の後ろで、下流プラテン500はさらに下流センサーピボットスロット578を提供し、これが、関連機器と協動して、これから説明されているように下流センサーアレイを正しく配置する役目を果たしている。後部障壁580は、シャーシ
14と協動して、チューブ5と後部障壁580の後ろの電子部品との間の流体障壁として機能する。後部障壁580はファスナによってシャーシ14に固定され、下流チューブ検出センサースイッチ346のための固定点としても機能している。
【0236】
下流プラテン500の前方端方向に戻ると、複数のチューブ装填爪ネスティングスロット582が見られる。これらの爪スロット582は、チューブ装填爪514および下流プラテン500の食付き部前方端584と組み合わされて、爪514がチューブを持ち上げそれを後方のチューブストップ576へ押すことにより、チューブ5がポンプ10に正しく装填されるようにしている。爪ネスティングスロット582の最外部の外側にあるチューブ保持移動止め584は、チューブ装填アセンブリがチューブ5を装填できる状態にあるときに上昇された爪514と下流プラテン500に備えられるチューブ経路8内でのチューブ5の初期配置動作中に爪514によって捕獲されるように適合された位置に、チューブ5を保持するよう機能する。
【0237】
図19Aに関して前述したように、図20に図示するチューブ装填モータ550は、複数のギアにより、チューブ装填カムシャフト510(図19)を駆動する。チューブ装填モータ550は直流モータである。チューブ装填モータ550は減速ギアセット534をさらに備え、これは、カムシャフト510に接触してレイシャフト512に存在する構成部品により与えられる抗力に抵抗して、カムシャフト510を回転させるのに十分なトルクを与えるものである。
【0238】
チューブ装填モータシャフト536はチューブ装填モータ550から前方に延びており、チューブ装填モータマウント538の中の中央孔540を通る。
【0239】
チューブ装填モータシャフト536は平坦部542を持ち、これはチューブ装填駆動ギア止めねじ544の設置部となる。止めねじ544は、チューブ装填駆動ギア562内のねじ切り止めねじ孔546を通して挿入され、チューブ装填駆動ギア562の回転をチューブ装填モータシャフト536のそれに固定する。
【0240】
図19Aに図示するように、チューブ装填駆動ギア562は螺旋状にカットされたギアで、その歯はほぼその円周部にある。これらの歯は、チューブ装填カムシャフトギア564のフェース上の対応歯とかみ合い、縦方向に取り付けられたチューブ装填モータ550による横方向に取り付けられたカムシャフト510の垂直作動を可能にする。
【0241】
図19に図示するように、チューブ装填カムシャフトギア562は、スライド可能な係合ピン588によってカムシャフト510に、解放可能状態で係合される。
【0242】
カムシャフトクラッチピン588は、カムシャフトギア564の後方または内側に向いている面上のクラッチスロット590と協動する。クラッチピン588は、カムシャフト510に備えられる長手方向のクラッチピンスロット592内に、カムシャフト510に横方向に対して横方向に配置される。カムシャフト510内に同軸的に配置されクラッチピン588と端が接触する長手方向の作動ピン594は、選択的に挿入し、かつカムシャフトギア564上のクラッチスロット590との係合からクラッチピン588を引き離すことができるようになっている。カムシャフト510内の、長手方向作動ピン594と反対の位置に、バイアススプリング596が配置されている。作動ピン594の外側端598は丸められており、関係部品とのスライド接触ができるようになっている。
【0243】
ハンドホイール600はピボットクラッチタブ602のためのハウジングを提供しており、このクラッチタブ602はその内側にクラッチカム604を含み、これが作動ピン594の外側端598とスライド係合する。クラッチタブ602はハンドホイール600の
中にあり、クラッチタブピボットピン606によってハンドホイールと蝶番になっている。動作中、クラッチタブピボットピン606の周囲で傾けることでクラッチタブ602を作動させると、クラッチカム604は作動ピン594の外側端598に突き当たりそれを押し下げ、これにより作動ピン594は、クラッチバイアススプリング596に対して内側に動き、そしてクラッチピン588は、内側に動いてカムシャフトギア564内のクラッチスロット590との接触が解除され、それによりカムシャフト510は、カムシャフトギア564を回転させることなく、ハンドホイール600によって手動で自由に回転できるようになる。
【0244】
カムシャフト510は、ポンプ10内の3つの主要基準シャフトの1つである。カムシャフトは下流カム610および上流カム620として示される2つの複合カムを支える。
【0245】
下流および上流カム610と620は、シャーシから外側に移動していくと、次のような構成部品を有する:カムシャフトデッドストップ612と622、チューブ装填爪カム614と624(これはこれ自身が複合カムである)、バルブ装填カム618と628。
【0246】
カムシャフトデッドストップ612と622は、図3に示すシャーシ回転子ストップ28および30と協動して作動し、カムシャフト回転に対して積極的な停止を与える。関連電子機器がチューブ装填モータ550の失速状態を検出し、チューブ装填アセンブリの初期インデックスサイクル中にシャーシ回転子ストップ28と30にカムシャフトデッドストップ612と622が接触するとチューブ装填モータ550への電源が切られる。その後は、チューブ装填550(図20)は、チューブ装填エンコーダ702、704、705と協動して、回転子ストップ28と30から逆カウントし、関連ソフトウェアの制御により、デッドストップ612と622がシャーシ回転子ストップ28および30と接触する前に、チューブ装填モータ550への電源を切る。
【0247】
カムシャフトデッドストップ612と622から外側に移動すると、チューブ装填爪カム614と624は、チューブ装填爪514を作動させる。さらに、チューブ装填爪カム614と624のそれぞれはロッキング面616と626をもっており、これらの面はチューブ装填レイシャフト512に関連する第2の強固に固定されたリフティング従動部を作動させ、レイシャフト512がその移動端に達したときに関連要素を積極的に固定するようになっている。
【0248】
爪カム614と624の外側には、バルブ装填カム618と628がある。これらのカムは、装填動作中にバルブ412と414をチューブ経路8から持ち上げる働きをする。バルブ装填カムは、前述したようにバルブ装填タング440(図14、15A)と協動してこの上昇を遂行する。
【0249】
カムシャフト510の最も外側には、センサーアームカム630と632がある。下流センサーアームカム630は単一表面を含み、下流センサーアームを昇降させるよう動作する。
【0250】
しかし、上流センサーアームカム632は複合カムで、センサーアーム作動面634をもち、その外側にスライドクランプ装填クランク650がありこれと一体化している。
【0251】
カムシャフト510と関連しているすべてのカムは、螺旋ピンによってカムシャフトに固定され、これらのピンは各種カムのハブと、カムシャフト510を通して横方向に駆動される。
【0252】
チューブ装填レイシャフト512は、チューブ経路8内でのチューブ5の配置に関係す
るすべての装填部品を支持している。さらに、このレイシャフトは、チューブ装填爪514とは異なる速度で駆動されるその他のエレメントを枢軸的に支持している。レイシャフト512の最も内側(最も内側は、シャーシ14に近い領域を形成する)に、上部顎爪652と654がある。
【0253】
図18に図示するように、上部顎爪は、あらかじめ負荷がかかった螺旋状スプリング656により、上方位置にバイアスされている。これらのスプリングはレイシャフト512の回りに巻かれ、そこに引っかけられており、一端が、図3に示すチューブ装填レイシャフト孔44と46に関連するトーションスプリングストップ45と47に引っかけられている。あらかじめ負荷がかかったスプリング656の他端は、それぞれの上部顎キャリア652と654に引っかけられている。上部顎キャリア652と654のそれぞれはさらに、前方に延びるアーム部658をもち、これが下方向に向いた末端660をもっている。上部顎タイロッド662と協力して、前方に延びるアーム部658が上部ポンプ顎220を支持するように適合されている。
【0254】
上部顎キャリア652、654の下方に延びる末端600はさらに、チューブ装填爪514の説明で述べたように、特徴的なチューブ装填先端部形状を形成する。
【0255】
前方に延びるアーム部658の後方にあるスプリングスロット664は上部顎キャリア652、654内に形成されており、その中に関連トーションスプリング656を保持するようになっている。上部顎キャリア652、654はさらに二股中央部667を持ち、これが、関連上部顎キャリア652、654の二股中央部667の割れ目に、上部顎キャリアロッキングタング668を保持するように適合される。
【0256】
図16に図示するように、中央部667の後方に延びている上部顎キャリアカム従動部アーム670は、そのなかに上部顎カム従動部ポート672を備え、このポートは上部顎キャリアアームカム従動部674を受容するように適合されている。これらの上部顎カム従動部674は、上部顎カム従動部ポート672の中にスライドして保持され、あらかじめ負荷がかかったスプリング675により、チューブ装填爪カム614、624に対してバイアスされている。この目的は次のようなものである。もし、チューブ5が上部顎220または爪514の下に誤装填された場合は、上部顎キャリアカム従動子アーム670と上部顎カム従動子674の放射状に延びた座部676との間の隙間が閉ざされるので、上部顎220の位置に関連するセンサーは、チューブ装填モータ電機子シャフト701と関連しているチューブ装填エンコーダ702、704、705と組み合わされて、上部顎220とレイシャフト514がその運動をやめ、その一方でチューブ装填モータが回転を続けていることを検出する。電子検出回路は、この差動運動を記録し、チューブ装填モータ550を逆回転させて、上部顎220およびチューブ装填爪514を開け、それによってチューブ5を排除する。
【0257】
レイシャフト514によって駆動された上部顎220とその他のアセンブリの最終的な固定位置合わせを確実にするために、ロッキング従動部668は、図19に示すチューブ装填爪カムまたはレイシャフト駆動カム614、624のロッキング面616、626の上に載り、図18に図示されるように、調節ねじ680により上部顎キャリアアーム652、654に相対的に調整固定される。上部顎キャリアは、螺旋ピンによりレイシャフト512に固定され、その同時回転が起こるようになる。
【0258】
図16に示すように、上部顎キャリアアームの外側には、バルブスプリング保持子450がある。バルブスプリング保持子450の外側には、前述したように、チューブ装填爪514の最内部がある。
【0259】
レイシャフト512に関連し、その枢軸上に、上流および下流センサーキャリアアーム690がある。チューブ5は、関連センサーが適用される前にチューブ経路8内に完全に装填される必要があるので、センサーキャリアアーム690は、レイシャフト512に固定されたコンポーネントの残りの動作に関して、別の遅延したカムによって作動されるようになっている。各センサーキャリアアーム690には下方向に延びるセンサーアームカム従動部692が関連し、これには下方向にバイアスされたスプリング694が付いている。センサーキャリアアーム690の中央部に固定され、センサーアームカム630、632と実質的に反対側に接するように、センサーアーム開口スプリング696がある。これは板バネが望ましい。このような配置により、上流または下流のセンサーキャリアアーム690に関連したセンサーアレイの開閉が、それぞれ1つのカムだけで実現できる。
【0260】
図16に示すように、センサーアーム690はさらに、前方の鉗子状端698をもち、これを横切って挿入されたセンサーハンドルピン799と共同して動作し、関連するセンサーサブアセンブリを支持している。
【0261】
チューブ装填サブアセンブリに関連するセンサー
前述のように、チューブ装填サブアセンブリのセンサーアーム690に関連した複数のセンサーがある。これらのセンサーのうちで最も下流にあるのが、図22に示す超音波空気検出器またはトランスデューサー728である。この超音波トランスデューサー728は、前述のように、下流プラテン500内に位置する第2トランスデューサーエレメントと協動して機能する。超音波トランスデューサー728は複合的に枢軸的なハウジング720に納められている。このセンサーハウジング720は、トランスデューサーキャビティ724を含む垂直分割のハウジング部を含む。ハウジング720はさらに実質的に水平に軸方向に延びたサスペンションスロット722を持ち、これ自身が楕円形の結合リング725を持ち、このリングは実質的に楕円形の縦方向に延びたセンサーアームピン保持子723によって形成される。サスペンションスロット722は、センサーハンドルピン799を捕獲するよう機能し、一方で、センサーアセンブリ720がそれに対して前後に動けるようにしている。センサーアセンブリ720はさらに、センサーハウジングリフトピン721と組み合わせて垂直に置かれたセンサーアームピボットスロット578(図7)によって制限されている。センサーハウジングリフトピン721は、リフトピンポート726と746の中に保持され、その中で垂直軸運動ができるようになっており、センサーアームカム630がセンサーアーム690の前方鉗子状端の実質的に下方向の運動を作動させたときに、センサー720がチューブ5の上部に対して揺れるかまたは傾斜できるようになっている。このように、チューブ5の上で回転し得るか、またはチューブ5に関して逆ロッキング運動できるので、センサーハウジング720は、チューブ5と実質的に垂直な圧縮接触の状態になることができる。これにより、チューブは、関連センサーの表面を横切って均等に延伸または伸張でき、それにより関連センサーの下のチューブ5内の容積または応力の勾配をなくすことができ、その結果としてハウジング720に関連したまたは接続したセンサーの応答精度が向上する。本質的に、センサーアーム690に関連したまたはそれによって作動されるすべてのセンサーは、上記の運動を実行して上記の結果を達成するものである。
【0262】
超音波空気検出トランスデューサー720の内側にある次のセンサーは下流圧力センサーであり、これはハウジング734に納められている。このセンサー自身は偏向ビーム740上に標準的なフルブリッジのアレイを含む。偏向ビーム740は、実質的に半球状の先端738を有するセンサー脚部730により作動される。半球状の先端738は、ハウジング734の円錐状伸長部によって囲まれる。偏向ビーム740の偏向度は、シートピン742と補強材744およびセンサー脚部ファスナ743によって制御される。半球状の先端738は、その円錐周辺エンクロージャと組み合わせて、最大精度を得るために、次のことを必要としている。すなわち、脚部の先端738と円錐エンクロージャの組み合
わせは、前述のように図21に示したトランスデューサーハウジング720に関連した複合ロッカー配置の使用によって達成される、実質的に法線方向でチューブ5上に配置される必要がある。このセンサー内では、超音波検出器720と連続して、複合ロッキング運動がトランスデューサーハウジング720のリフトピン721と楕円ロッカースロット722によって作動されるようになっている。
【0263】
ハウジング750、760内に置かれている対応上流圧力センサーは、基本的には同じレイアウトを与えるものだが、ただし次の点が異なる。すなわち、ロッカーアセンブリはハウジングハーフ750、760と一体化しており、これに関連するロッカースロットは、上流ロッカーハンドル756内に形成される上流スロット758として表記されており、このハンドルは楕円形のインサート754を含み、さらに上流プラテン800内の関連垂直スロット810(図25)内に乗り入れている個別のリフトピン752を含む。また、前述のようにチューブ装填モータエンコーダがチューブ装填アセンブリに関連している。このエンコーダはエンコーダフラッグホイール702を有し、これは、チューブ装填エンコーダフラッグホイールハブ702Aと複数のフラッグ702Fを含むことが望ましく、これらの後方にチューブ装填エンコーダ支持カラー703が置かれる。この支持カラーはチューブ装填エンコーダの光学スイッチ704、705を支持し、ピンチクランプ706によってモータ550に固定され、さらに光学スイッチプリント基板707を支持する。
【0264】
図29に図示するように、下流プラテン500は、複数の温度センサーを支持する役目も果たしている。温度センサーはサーミスタ754Tと755Tとからなり、これらのサーミスタはガスケット760Tによって下流プラテン500にガスケット接続され、その下部からサーミスタサポート762Tにより支持される。
【0265】
スライドクランプ装填サブアセンブリ
図25および26に図示するように、スライドクランプ装填サブアセンブリとその関連センサーは一般的に上流プラテン800に関連する。上流プラテン800は後方に向いた流体障壁801を含み、この障壁はシャーシ14(図3)にファスナによって接続される。流体障壁801は、シャーシの後壁と下流プラテン500の後壁と共に、電子アセンブリを液体の侵入から効果的にシールする役目を果たしている。下流プラテン500と同じように、上流プラテン800はさらにその上にチューブスイープ食付き部812を備える。下流プラテン500の内側に向いているシャトルに配された本質的に同一の食付き部により、上流チューブスイープ食付き部812が、チューブの前方シフトを許している。上流プラテン800の前方を向いた端はさらに、複数のチューブ装填爪ネスティングスロット803を備える。これらのスロットはチューブ装填爪ネスティングスロット582と機能的に同じである。さらに、上流プラテンはその中に、下流プラテン食付き部584と同じような前方を向いた食付き部を備える。
【0266】
上流プラテンはさらにその上に上流バルブアンビル805と複数のチューブストップ809を備える。これらのストップは、下流プラテン500に関連するチューブストップ576と同じ機能である。上流プラテンはさらに、キャリア807に置かれているバルブピボットシャフト410(図3、13)の上流端から支持を受けている。上流プラテン800の最上流端はさらに、その外周辺端に上流チューブ保持移動止842を備える。この移動止は対応下流チューブ保持移動止584と同じ機能を果たし、これと協動して機能する。上流プラテン800の底部はさらに、その上にスライドクランプ装填溝856を備える。この溝は、スライドクランプキャリア814内に置かれた上部スライドクランプチャネル824と組み合わされて、スライドクランプ895を捕獲する役目を果たし、この中をチ
ューブ5が通過する。さらに、スライドクランプチャネル824の中には、複数のスライ
ドクランプ装填ピン824A、824Bがあり、これらは、非対称のスライドクランプ8
95(図27)と組み合わされて、スライドクランプ895の望ましい向きを与える役目を果たし、それによってスライドクランプ895はすでにチューブ5の上に置かれているので、ポンプ10内へのチューブ5の望ましい装填方向が実現される。
【0267】
スライドクランプ装填アセンブリはカムシャフト510(図13、19)によって駆動され、スライドクランプ装填クランク650によって作動される。スライドクランプ装填クランク650はその中にスライドクランプ装填クランクピン804が挿入され、その上にはスライドクランプアクチュエータブッシング802が置かれる。このクランクの回転は、スライドクランプアクチュエータブッシング802とスライドクランプトラベラブッシングレース813の運動によるスライドクランプアクチュエータブッシング802とスライドクランプトラベラ815の共同運動によって、実質的に直線的な運動に変換される。スライドクランプトラベラ815は、スライドクランプクラムピン826と共に、スライドクランプクラム820、830の実質的な前後運動を与え、これらのクラムはスライドクランプ895を掴んで解放可能に保持する。これらのスライドクランプクラム820、830は、互いに実質的にハサミのように配置されており、スライドクランプクラムシェル832の中に納めされている。このシェル内でスライドクランプクラム820、830が前後運動できるようになっている。チューブ装填爪はさらに、スライドクランプシールド811を持ち上げる役目を果たす。これによりスライドクランプ895がポンプ10から誤って外されることはなくなる。これはスライドクランプトラベラ815の位置が次のようなことを規定するからである。すなわち、シールドまたはバイザー811はポンプ10が動作中は下がった状態になり、それによりスライドクランプ溝856からスライドクランプが外れることができないようになる。
【0268】
前述のように、スライドクランプ895は、スライドクランプクラム820、830によって掴まれるようになっている。これは、スライドクランプ895(その中に移動止または把握可能なエレメントが押しつけられている)とスライドクランプ装填クラムチップ820、822の間の協動により達成される。スライドクランプ装填クラムチップ820、822は、実質的にかえし状になっており、クラムが係合したときにスライドクランプ895が保持されるようになっている。
【0269】
動作中は、スライドクランプ装填器は、チューブ装填アセンブリと協力して、チューブ5およびその関連スライドクランプ895が正しく装填されるように機能する。チューブ装填爪514がチューブ5の回りを囲んだ後に、スライドクランプ装填アセンブリ、とくにスライドクランプクラム820、830は、チューブ5の周囲にありスライドクランプ溝856内にあるスライドクランプを掴む。爪514が閉じ、上部顎220がその動作位置に下がり、さらにバルブ412、414が下がってチューブ5を閉じた後に、クラム820、830がスライドクランプ895をスライドクランプ溝856に引き込み、それによりスライドクランプが開き、上部チューブストップ844によって保持されているチューブ5を過ぎてスライドする。
【0270】
バルブ装填カムレース120、122とチューブ装填カムとの間のカム配置により、次のことを実現している。すなわち、スライドクランプはチューブ5に対してスライドクランプ895の前述の運動の逆運動により閉じられ、チューブ5がチューブ経路8から外せる状態になる。
【0271】
スライドクランプ装填器に関連したセンサー
スライドクランプ装填器は関連する2つの主要なセンサーを有する。これらのセンサーのうちの第1のものは、スライドクランプ溝856の回りの上流プラテン800の中に置かれている。このセンサーは、スライドクランプポジショニングセンサーと呼ばれる。図28に示すように、スライドクランプポジショニングセンサーはセンサーベース880の
上に位置している。センサーベース880の上には、2つの発光ダイオード872、876があり、これらはスライドクランプ溝856の第一の側に前後して配置されている。スライドクランプ溝856の発光ダイオード872、876と反対側には、クランプ溝の側部を横切って、これらに対応するフォトセル870、874の対がある。フォトセル870、874はダイオード872、876と整列して前後に配置されている。ダイオード872、876は光送信パイプ864、868の中に光を照射する。これらのパイプは、スライドクランプ溝856の一側部の上流プラテン800の上に延びている。光パイプ864、868は45度内面反射面863内で終わり、これらの面によりダイオード872、876の出力が水平ビームへと曲げられる。水平ビームは、スライドクランプ溝856内にあるスライドクランプ895によるビームの遮断に適した高さで、スライドクランプ溝856を横切っている。光送信パイプ864、868の反対側に、それに対応した光受信パイプ860、862があり、ダイオード872、876によって発せられた光ビームを受信し、それを受信フォトセル870、874へ転送し、こうすることで光源とセンサーが光通信できるようになっている。光受信パイプ860、862もまた45度内面反射面863を持ち、これは光送信パイプ864、868の45度内面反射面と逆関係になっている。
【0272】
動作中に、スライドクランプセンサーは、スライドクランプ装填サブアセンブリ内におけるスライドクランプ895の位置と存在を検出する。外側フォトセル874と内側フォトセル870に対応する2つのセンサーセットは、協動して、装填サブアセンブリ内におけるスライドクランプ895の位置を正確に表示する。とくに、2つのセンサー874と870は、下記の真理値表に従ってスライドクランプ895の位置を決定する。この表で、「高」とはスライドクランプ溝856を横切って送信されたビームを意味し、「低」とは特定のビームが受信されなかった状態を意味している。
【0273】
外側ビーム 内側ビーム
スライドクランプなし 高 高
クランプあり、開 低 低
クランプあり、閉 高 低
クランプの不完全復帰 低 高

この表から分かるように、2つのセンサーアレイにより、スライドクランプ895の有無の検出だけでなく、そのスライドクランプ溝856内における位置の検出も可能となり、したがって、チューブ5がチューブ経路8内の固定位置にあるときに、スライドクランプ895の開閉状態の表示も与えることができる。
【0274】
スライドクランプ装填サブアセンブリにはマイクロスイッチ882もあり、アクチュエータ882Aと組み合わされている。このアクチュエータは、クランクピン804によって操作され、ハンドホイール600によるチューブ装填カムシャフト510の操作を検出するようになっており、ハンドホイール600が回転されると関連電子機器によりアラームが発せられる。
【0275】
ポンプハウジング
ポンプ10に関連している主要なサブアセンブリのうちで最後のものがポンプハウジング900である。一般的な局面では、このハウジング900は、ポンプアセンブリ10と共に、垂直にスタックできるように適合されており、別の実施態様では、1つの関連制御モジュールから複数のポンプ10を駆動できるようになっている。
【0276】
図30に示すように、ポンプハウジング900は、モータマウントストラップ955のための取付固定ポイントを提供している。モータマウントストラップ955はポンプモー
タ24とチューブ装填モータ550を支持する役目を果たしている。これらのモータは弾性グロメット960、965内で支持される。このグロメットには回転抑制インデント970、972があり、2つのモータ24、550をしっかりと保持し、インデント970、972と対応インデント係合キー972A、972Bの共同作動により捻転振動を防いでいる。
【0277】
ケース900はさらにチューブ経路アクセススロット904を含む。このスロットには上流端902と下流端901があり、そこにおいて上流端902と下流端901が幾何学的にチューブ5内のドリップループを形成するように適合されている。このループは、チューブ経路アクセススロット端901、902のそれぞれの、下方向に曲がった配向によって実現されている。このようなチューブ経路アクセススロット端901、902の幾何学的な適合により、チューブ5が均斉をとって配列されるようになり、これによりポンプ10の外側の液体搬送コンポーネントに関連するポンプ10からの液体のもれが防止できるようになる。ハウジング900はさらにその中に、チューブ装填カムシャフトハンドホイール600を受け止めるように適合されたアクセスポート906を備え、操作者がそれにアクセスできるようになっている。
【0278】
結論
本発明の好ましい実施態様の説明は、現在好ましい実施態様を示すものであって、本発明の範囲を、添付の請求の範囲より限定的であるといかなるようにも考えるべきものではなく、本発明のその他の同等の実施態様も、本発明の請求の範囲の要素に明白に含まれるものと考える。
【産業上の利用可能性】
【0279】
本発明により、ポンプアセンブリの長手方向に沿って延在するV形溝を含み、固定および可動の顎と、V形溝またはシャトルのいずれか一方の端に位置する複数のバルブとに関連したポンプ本体を有する注入ポンプが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0280】
【図1】図1は、ポンプアセンブリ全体の等角投影図である。
【図2】図2は、ポンプサブアセンブリの分解図である。
【図2A】図2Aは、モータ装填部およびポンプ駆動モータの分解図である。
【図3】図3は、シャーシまたは基準本体とこれに関連した基準シャフトとを示す等角投影図である。
【図4】図4は、インデックスホイールおよび関連センサを示す等角投影図である。
【図5】図5は、ポンプ駆動カムの正面平面図である。
【図6】図6は、主要駆動カムのバルブカムランドを示す等角投影図である。
【図7】図7は、流体出力に線形性が全くない場合のシャトルの線形変位とチューブの体積変位との関係を示すグラフである。
【図8】図8は、下流プラテンを示す等角投影図である。
【図9】図9は、カムがポンプ変位と線形相関している時のチューブの変位容量対カム角度の関係を示すグラフである。
【図10】図10は、実質的に図1の線A−Aに沿った断面図である。
【図11】図11は、シャトルプラテンおよびシャトルの後部を示す等角投影図である。
【図12】図12は、ポンプモータエンコーダの分解図である。
【図13】図13は、バルブサブアセンブリの等角投影図である。
【図14】図14は、図13に示すバルブサブアセンブリの分解図である。
【図15A】図15Aは、複数のバルブのうち、1つのバルブの実質的に後部および側面を示す分解図である。
【図15B】図15Bは、複数のバルブのうち、1つのバルブの底面またはチューブと面している側を示す等角投影図である。
【図16】図16は、チューブ装填サブアセンブリの分解図である。
【図17】図17は、チューブ検知センサがチューブに接触した状態を示す上流プラテンの等角投影図である。
【図18】図18は、チューブ装填サブアセンブリを組み立てた状態の図である。
【図18A】図18Aは、爪がチューブと係合した状態を示す下流プラテンの平面図である。
【図18B】図18Bは、チューブ装填爪の平面図である。
【図19】図19は、チューブ装填カムシャフトの分解図である。
【図19A】図19Aは、チューブ装填カムシャフトおよびチューブ装填モータを組み立てた状態を示す図である。
【図20】図20は、チューブ装填モータおよびエンコーダを示す分解図である。
【図21】図21は、センサハウジングの平面図であって、このハウジングの開位置および閉位置を影図で示したものである。
【図22】図22は、下流センサハウジングの分解図である。
【図23】図23は、上流圧力センサハウジングの分解図である。
【図24】図24は、圧力センサハウジングに接続された空気検出器ハウジングの等角投影図である。
【図25】図25は、スライドクランプ装填サブアセンブリの等角投影図である。
【図26】図26は、スライドクランプ装填サブアセンブリの分解図である。
【図27】図27は、スライドクランプの等角投影図である。
【図28】図28は、スライドクランプセンサおよび関連上流プラテンの等角投影図である。
【図29】図29は、下流プラテンの等角投影図であり、その下側に温度センサの分解図を示す。
【図30】図30は、ポンプハウジングの等角投影図である。
【符号の説明】
【0281】
10 ポンプアセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図1〜30のいずれかに記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図19A】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2006−29340(P2006−29340A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−219700(P2005−219700)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【分割の表示】特願2005−52087(P2005−52087)の分割
【原出願日】平成9年3月21日(1997.3.21)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】