説明

密着された壁構造体およびこのような構造体で備え付けられるタンク

【課題】 プレートの波形が、より大きい圧力に耐えることを可能にする、新規な密着された壁構造体を提供すること。
【解決手段】 本発明は、密着された壁構造体を提供し、この壁構造体は、少なくとも1つの密着されたプレートを備える型のものであり、この密着されたプレートの一方の面は、内面と称され、流体と接触されることが意図され、プレートは、少なくとも第一の一連の波形および第二の一連の波形において、波形成形されており、これらの波形のそれぞれの方向は、交わっており、これらの波形は、内面の側において突出しており、これらの波形は、他の一連の波形の波形との2つの連続する交線の間に位置する波形の部分において、上記一連の波形の1つのうちの少なくとも1つの波形上に作製された、少なくとも1つの強化リッジを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持構造体に一体化された、密着された断熱タンクの内側ライニングに対して特に意図された、密着された壁構造体、およびこの構造体を用いて備え付けられるタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および2から特に公知であるように、支持構造体に一体化された、密着された断熱タンクCの内側ライニングに対して意図された密着された壁構造体が存在し、添付の図面の図1に示されるこのタンクは、図2に示される2つの連続的な密着障壁を備え、一方の一次障壁1は、上記壁構造体から構成されるタンクに収容される製品と接触し、他方の二次障壁2は、一次障壁1と支持構造体13との間に配置され、これらの2つの密着障壁は、2つの断熱障壁(一次断熱障壁3および二次断熱障壁4)と交互になっている。
【0003】
特許文献3および4は、図3に示され、そして密着された波形プレート10を備える、密着された壁構造体を記載し、この波形プレートは、その内面において、第一の一連の波形(長手軸方向波形5と称される)および第二の一連の波形(横断波形6と称される)を有し、これらの波形のそれぞれの方向は、垂直であり、第一の一連の波形5は、第二の一連の波形6より高さが低く、その結果、第一の一連の波形5の波形は、第二の一連の波形6の波形との交線8において不連続であり、第二の一連の波形は、連続的である。第一の一連の波形5の波形と第二の一連の波形6の波形との間の交線8において、横断波形6の頂部6aは、1対の凹状起伏7aおよび7bを備え、これらの起伏の凹部は、内面の方へと反り返っており、そして長手軸方向波形5のいずれかの側に配置される。横断波形6は、さらに、各交線において、横方向強化材9を備え、この中に、横断波形のいずれかの側で、長手軸方向波形5が貫入する。
【0004】
この壁構造体は、大容量タンク(例えば、138000mのオーダーのタンク)の内側ライニングに付与される静水圧に抵抗するために、よく適している。しかし、より大きい容量のタンクについて、または通常の船(例えば、138000mのオーダーの船)の部分的充填については、このタンクに収容される製品(例えば、液化ガス)によって付与される静水圧は、波形の有意な可塑的変形を引き起こし得、そして特に、第二の一連の波形の波形と、第一の一連の波形の波形との間の交線からいくらかの距離にある、第二の一連の波形の波形の横方向の面の破砕を引き起こし得る。船の支持構造体に一体化されるようなタンクにおいて、輸送の間に、タンクの横壁に対する液化ガスのうねり運動はまた、動圧力衝撃を引き起こし得、その結果、波形はまた、有意な可塑的変形を受ける。このような変形は、(例えば、液化メタンを受容する場合に)有意な熱収縮に供されるプレートの機械的強度の低下をもたらし得、従って、特に、密着された壁の種々のプレートの間の接合部における溶接ゾーン12(図2を参照のこと)において、プレートの密着性を損傷し得る。
【0005】
1つの解決法は、プレートの厚さを増加させることからなり得るが、費用が顕著に増加することに加えて、この増加した厚さは、波形の剛性をもたらし得、従って、これらの波形が密着性の破壊の危険性なしに熱的に接触することを可能にするために必要とされるプレートの可撓性を損なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第248 721号明細書
【特許文献2】欧州特許第573 327号明細書
【特許文献3】仏国特許第1 376 525号明細書
【特許文献4】仏国特許第1 379 651号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記欠点を回避し、そしてプレートの波形が、より大きい圧力に耐えることを可能にする、新規な密着された壁構造体を提唱することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明の主題は、支持構造体に一体化された、密着された断熱タンクの内側ライニングに対して特に意図された、密着された壁構造体であり、この壁構造体は、少なくとも1つの密着されたプレートを備える型のものであり、このプレートの一方の面は、内面と称され、流体と接触することが意図され、このプレートは、少なくとも第一の一連の波形および第二の一連の波形において、波形成形されており、これらの波形のそれぞれの方向は、交わっており、これらの波形は、内面の側において突出しており、この波形は、上記一連の波形の1つの少なくとも1つの波形に、他方の一連の波形の波形との2つの連続する交線の間の一部分で作製された、少なくとも1つの強化リッジを備えることを特徴とし、各リッジは、内面の側、または外面と称されるその反対側に突出する凸部を有してほぼ凸状であり、このリッジは、このリッジを支持する波形の少なくとも1つの側面において局所的に作製される。
【0009】
有利には、第一の一連の波形は、第二の一連の波形より高さが低く、その結果、第一の一連の波形の波形は、第二の一連の波形の波形との交線において、不連続であり、第二の一連の波形の波形は、連続的であり、そしてここで、第一の一連の波形の波形と、第二の一連の波形の波形との間の交線において、第二の一連の波形の波形の頂部が、1対の凹状起伏を備え、これらの起伏の凹部は、内面に向かって反り返っており、そして第一の一連の波形のいずれかの側に配置されている。
【0010】
本発明の別の特徴によれば、上記リッジが、第二の一連の波形の少なくとも特定の波形に提供される。
【0011】
第一の改変によれば、各リッジは、1つの側面から、このリッジが頂部を通過する際にこのリッジを支持する他の波形へと連続的に延びる。
【0012】
第二の改変によれば、各リッジは、このリッジを支持する波形の1つの側面のみの上に、この波形の頂部および脚部からいくらかの距離で延びる。
【0013】
有利には、各リッジは、2つの連続する交線の間の実質的に中央にある。
【0014】
本発明の別の特徴によれば、波形の1つの同じ部分に存在するリッジは、波形の方向に対して垂直な面に対して対称的であり、そして2つの連続する交線の間の実質的に中央に位置する。
【0015】
好ましくは、このリッジは、このリッジを支持する波形の頂部を通り、そしてプレートの面に対して垂直な面に関して対称的である。
【0016】
本発明の特定の形態によれば、各リッジにおけるプレートの厚さは、このプレートの残りの部分と同じ厚さであるか、またはこの残りの部分よりわずかに薄い。
【0017】
本発明の好ましい実施形態において、波形の側面におけるリッジの内部半径は、このリッジを支持する波形の頂部の内部半径と実質的に等しい。
【0018】
有利には、リッジの高さ対このリッジを支持する波形の高さの比は、10%と25%との間である。
【0019】
好ましくは、各リッジは、このリッジを支持する波形の方向に対して垂直な面内でほぼ延びる方向を有する。
【0020】
本発明の別の主題は、特に船の支持構造体に一体化された、密着された断熱タンクであり、このタンクは、2つの連続的な密着障壁を備え、これらの障壁のうちの1つである一次障壁は、このタンクに収容される製品と接触し、そして他方の二次障壁は、一次障壁と支持構造体との間に配置され、これらの2つの密着障壁は、2つの断熱障壁と交互になっており、このタンクは、一次密着障壁が、少なくとも部分的に、上で規定された壁構造体から構成されることを特徴とする。
【0021】
本発明の特定の形態によれば、上記壁構造体のプレートは、タンクの上部ゾーンに配置される。
【0022】
本発明は、密着された壁構造体を提供し、この壁構造体は、支持構造体(13)に一体化される、密着された断熱タンク(C)の内側ライニングのために特に意図され、この壁構造体は、少なくとも1つの密着されたプレート(10)を備える型のものであり、この密着されたプレートの一方の面は、内面と称され、流体と接触されることが意図され、プレート(10)は、少なくとも第一の一連の波形(5)および第二の一連の波形(6)において、波形成形されており、これらの波形のそれぞれの方向(L、T)は、交わっており、これらの波形は、内面の側において突出しており、これらの波形は、他の一連の波形の波形との2つの連続する交線(8)の間に位置する波形の部分において、上記一連の波形の1つのうちの少なくとも1つの波形上に作製された、少なくとも1つの強化リッジ(11、111、211)を備え、各リッジ(11、111、211)は、内面の側、または外面と称されるその反対側において、リッジの凸部が突出して、ほぼ凸状であり、リッジ(11、111、211)は、このリッジを支持する波形の少なくとも1つの側面(5b、6b)上で局所的に作製される。
【0023】
1つの実施形態において、上記第一の一連の波形は、上記第二の一連の波形より低い高さであり、その結果、第一の一連の波形(5)の波形が、第二の一連の波形(6)の波形との交線(8)において不連続であり、第二の一連の波形の波形は、第一の一連の波形(5)の波形と第二の一連の波形(6)の波形との間交線(8)において連続であり、第二の波形(6)の頂部(6a)は、1対の凹状の起伏(7a、7b)を備え、起伏の凹部は、上記内面の方へと反り返っており、そして第一の一連の波形(5)のいずれかの面に位置する。
【0024】
1つの実施形態において、上記リッジ(11、111、211)は、上記第二の一連の波形(6)のうちの少なくとも特定の波形上に提供されている。
【0025】
1つの実施形態において、各リッジ(11)は、1つの側面(5b、6b)から他方の波形(5、6)へと連続的に延び、このリッジが波形の頂部(5a、6a)を通過する間、他方の波形が、リッジを支持する。
【0026】
1つの実施形態において、各リッジ(111、211)は、上記波形(5、6)の1つの側面(5b、6b)のみの上に延び、この波形が、波形(5、6)の上記頂部(5a、6a)から、および脚部(5c、6c)からいくらかの距離において、リッジを支持する。
【0027】
1つの実施形態において、各リッジ(11)は、2つの連続する交線(8)の間の実質的に中央にある。
【0028】
1つの実施形態において、波形(5、6)の1つの同じ部分に存在する上記リッジ(11、111、211)は、波形(5、6)の上記方向(L、T)に対して垂直な平面に関して対称的であり、そして2つの連続する交線(8)の間の実質的に中央に位置する。
【0029】
1つの実施形態において、上記リッジ(11)は、このリッジを支持する波形(5、6)の頂部(5a、6a)を通る、上記プレート(10)の平面に対して垂直な平面に関して対称的である。
【0030】
1つの実施形態において、各リッジ(11、111、211)における上記プレート(10)の厚さは、このプレート(10)の残りの部分と同じ厚さであるか、またはこの残りの部分よりわずかに薄い。
【0031】
1つの実施形態において、上記波形(5、6)の上記側面(5b、6b)における上記リッジ(11、111、211)の内部半径(R2)は、側面を支持する波形(5、6)の頂部(5a、6a)の内部半径(R4)と実質的に等しい。
【0032】
1つの実施形態において、上記リッジ(11、111、211)の高さ対このリッジを支持する波形(5、6)の高さの比は、10%と25%との間である。
【0033】
1つの実施形態において、各リッジ(11、111、211)は、このリッジを支持する波形(5、6)の方向(L、T)に対して垂直な平面内でほぼ延びる方向を有する。
【0034】
別の局面において、本発明は、特に船の支持構造体に一体化された、密着された断熱タンク(C)を提供し、このタンクは、2つの連続的な密着障壁を備え、この障壁の1つである一次障壁(1)は、タンク(C)に収容される製品と接触し、他方の二次障壁(2)は、一次障壁(1)と支持構造体(13)との間に配置され、2つの密着障壁(1、2)は、2つの断熱障壁(3、4)と交互になっており、ここで、一次密着障壁(1)は、少なくとも部分的に、上で規定される壁構造体から構成されている。
【0035】
1つの実施形態において、上記壁構造体の上記プレート(10)は、上記タンク(C)の上部ゾーンに配置されている。
【0036】
少なくとも1つの密着されたプレート(10)を備える密着された壁構造体であって、このプレート(10)は、少なくとも1つの第一の一連の波形および第二の方向の第二の一連の波形(6)で波形成形されており、この波形は、タンクの内面の方へと突出しており、この構造体は、少なくとも1つの強化リッジ(11)を備え、他の一連の波形との2つの連続する交線(8)の間のこの強化リッジの一部は、一連の波形の少なくとも1つ上に作製され、各リッジ(11)は、ほぼ凸状であり、そしてこのリッジを支持する波形の少なくとも1つの側面(6b)上に局所的に作製される。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態の、以下の例示的な詳細な説明の間に、本発明は、よりよく理解され、そして本発明の目的、詳細、特徴および利点は、より明らかになる。これらの実施形態は、添付の概略図を参照して、単に説明および非限定的な例として提供される。
【0038】
より特定すれば、本願発明は以下の項目に関し得る。
(項目1)
密着された壁構造体であって、上記壁構造体は、支持構造体(13)に一体化される、密着された断熱タンク(C)の内側ライニングのために特に意図され、上記壁構造体は、少なくとも1つの密着されたプレート(10)を備える型のものであり、上記密着されたプレートの一方の面は、内面と称され、流体と接触されることが意図され、上記プレート(10)は、少なくとも第一の一連の波形(5)および第二の一連の波形(6)において、波形成形されており、上記波形のそれぞれの方向(L、T)は、交わっており、上記波形は、上記内面の側において突出しており、上記波形は、他の一連の波形の波形との2つの連続する交線(8)の間に位置する上記波形の部分において、上記一連の波形の1つのうちの少なくとも1つの波形上に作製された、少なくとも1つの強化リッジ(11、111、211)を備え、各リッジ(11、111、211)は、上記内面の側、または外面と称されるその反対側において、上記リッジの凸部が突出して、ほぼ凸状であり、上記リッジ(11、111、211)は、上記リッジを支持する上記波形の少なくとも1つの側面(5b、6b)上で局所的に作製される、壁構造体。
(項目2)
上記第一の一連の波形が、上記第二の一連の波形より低い高さであり、その結果、上記第一の一連の波形(5)の波形が、上記第二の一連の波形(6)の波形との交線(8)において不連続であり、上記第二の一連の波形の波形は、上記第一の一連の波形(5)の波形と上記第二の一連の波形(6)の波形との間交線(8)において連続であり、上記第二の波形(6)の頂部(6a)は、1対の凹状の起伏(7a、7b)を備え、上記起伏の凹部は、上記内面の方へと反り返っており、そして上記第一の一連の波形(5)のいずれかの面に位置する、項目1に記載の壁構造体。
(項目3)
上記リッジ(11、111、211)が、上記第二の一連の波形(6)のうちの少なくとも特定の波形上に提供されている、項目1または2のいずれか1項に記載の壁構造体。
(項目4)
各リッジ(11)が、1つの側面(5b、6b)から他方の波形(5、6)へと連続的に延び、上記リッジが上記波形の頂部(5a、6a)を通過する間、上記他方の波形が、上記リッジを支持する、項目1〜3のいずれか1項に記載の壁構造体。
(項目5)
各リッジ(111、211)が、上記波形(5、6)の1つの側面(5b、6b)のみの上に延び、上記波形が、上記波形(5、6)の上記頂部(5a、6a)から、および脚部(5c、6c)からいくらかの距離において、上記リッジを支持する、項目1〜3のいずれか1項に記載の壁構造体。
(項目6)
各リッジ(11)が、2つの連続する交線(8)の間の実質的に中央にある、項目1〜5のいずれか1項に記載の壁構造体。
(項目7)
波形(5、6)の1つの同じ部分に存在する上記リッジ(11、111、211)が、上記波形(5、6)の上記方向(L、T)に対して垂直な平面に関して対称的であり、そして2つの連続する交線(8)の間の実質的に中央に位置する、項目1〜6のいずれか1項に記載の壁構造体。
(項目8)
上記リッジ(11)が、上記リッジを支持する波形(5、6)の頂部(5a、6a)を通る、上記プレート(10)の平面に対して垂直な平面に関して対称的である、項目1〜7のいずれか1項に記載の壁構造体。
(項目9)
各リッジ(11、111、211)における上記プレート(10)の厚さが、上記プレート(10)の残りの部分と同じ厚さであるか、または上記残りの部分よりわずかに薄い、項目1〜8のいずれか1項に記載の壁構造体。
(項目10)
上記波形(5、6)の上記側面(5b、6b)における上記リッジ(11、111、211)の内部半径(R2)が、上記側面を支持する波形(5、6)の頂部(5a、6a)の内部半径(R4)と実質的に等しい、項目1〜9のいずれか1項に記載の壁構造体。
(項目11)
上記リッジ(11、111、211)の高さ対上記リッジを支持する波形(5、6)の高さの比が、10%と25%との間である、項目1〜10のいずれか1項に記載の壁構造体。
(項目12)
各リッジ(11、111、211)が、上記リッジを支持する波形(5、6)の方向(L、T)に対して垂直な平面内でほぼ延びる方向を有する、項目1〜11のいずれか1項に記載の壁構造体。
(項目13)
特に船の支持構造体に一体化された、密着された断熱タンク(C)であって、上記タンクは、2つの連続的な密着障壁を備え、上記障壁の1つである一次障壁(1)は、上記タンク(C)に収容される製品と接触し、他方の二次障壁(2)は、上記一次障壁(1)と上記支持構造体(13)との間に配置され、上記2つの密着障壁(1、2)は、2つの断熱障壁(3、4)と交互になっており、ここで、上記一次密着障壁(1)は、少なくとも部分的に、項目1〜12のいずれか1項に記載の壁構造体から構成されている、タンク。
(項目14)
上記壁構造体の上記プレート(10)が、上記タンク(C)の上部ゾーンに配置されている、項目13に記載のタンク(C)。
【発明の効果】
【0039】
本発明により、上記欠点を回避し、そしてプレートの波形が、より大きい圧力に耐えることを可能にする、新規な密着された壁構造体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明が適用され得る従来のタンクの内側の、断面および斜視図での部分概略図である。
【図2】図2は、横断区画と二重シェルの底壁との間の交差角度での、図1の線II−IIに沿った断面での拡大部分図である。
【図3】図3は、従来の密着されたプレートの斜視上面図である。
【図4】図4は、本発明による壁構造体の第一の実施形態による、プレートの部分的な拡大斜視図である。
【図5】図5は、図4の線V−Vに沿った断面を示す。
【図6】図6は、図4の線VI−VIに沿った断面を示す。
【図7A】図7Aは、高い静水圧に供される波形の伸張を示す、従来のプレートの部分斜視図である。
【図7B】図7Bは、高い静水圧に供される波形の伸張を示す、本発明によるプレートの部分斜視図である。
【図8A】図8Aは、高い静水圧に供される波形の破砕を示す、従来のプレートの部分斜視図である。
【図8B】図8Bは、高い静水圧に供される波形の破砕を示す、本発明によるプレートの部分斜視図である。
【図9】図9は、本発明の第二の実施形態を表す、図4と類似の図である。
【図10】図10は、図9の線X−Xに沿った断面を表す。
【図11】図11は、本発明の第三の実施形態を表す、図4と類似の図である。
【図12】図12は、図11の線XII−XIIに沿った断面を表す。
【図13】図13は、図11のプレートの頂部の部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の図面の詳細な説明において、第二の一連の波形の波形を示すために、横断波形6が参照される。なぜなら、これらの方向Tは、船の長さの方向に対して垂直であるからである。同様に、第一の一連の波形の波形を示すために、長手軸方向波形5が参照される。なぜなら、これらの方向Lは、船の長さに平行であるからである。
【0042】
しかし、本発明はまた、本発明の文脈から逸脱することなく、第一の一連の波形からなる長手軸方向波形5に適用される。
【0043】
波形またはリッジの形状を特徴付けるために使用される、表現「ほぼ凸状」とは、主要な部分が凸状であるが、この波形またはリッジの表面の一部分または他のもの(例えば、プレートの表面と波形もしくはリッジの側面との間の接続フィレット、および波形もしくはリッジの谷ゾーン)が凹状であり得ることを意味する。
【0044】
図1は、船の現在のタンクCが、従来的に、八角形の断面を有し得、このタンクCが、支持構造体13(特に、底壁13a、天井壁13c、横壁13dおよび2つの横断区画13b(このうちの一方は図示せず)を備える)に一体化されていることを示す。
【0045】
図2は、低温液体、および特に、液化メタンの輸送のための密着された断熱タンクCの詳細な構造を示し、このタンクの主要な要素が記載される。
【0046】
一次密着障壁1は、密着された壁構造体を備え、この壁構造体は、複数の密着された波形プレート10を備え、このプレートの内面は、流体と接触することが意図される。
【0047】
密着されたプレート10は、薄い金属要素(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウムのシート)であり、そして周縁の重なりゾーン12において一緒に溶接される。この溶接は、ラップ溶接型のものであり、このプロセスは、例えば、仏国特許第1 387 955号に詳細に記載されている。
【0048】
長手軸方向波形5および横断波形6(これらは、タンクCの内面の方へと突出する)は、壁構造体が実質的に可撓性であることを可能にし、その結果、この壁構造体は、応力(特に、熱収縮によって生じる応力、ならびに上記静水圧および動圧によって生じる応力)の影響下で変形し得る。
【0049】
一次断熱障壁3および二次断熱障壁4は、その全体がPによって示されるパネルによって作製される。パネルPは、実質的に、矩形の平行六面体の形状を有する;これは、第一の断熱層4bを頂部とする木材ベニヤの第一のプレート16aから構成され、この第一の断熱層自体は、3つの層を含む材料(トリプレックス)から構成される布2aを頂部とし、そして2つの外側層は、ガラス繊維布であり、中間の層は、薄い金属シートである;この布2aの上に、第二の絶縁層4cが結合され、この第二の絶縁層自体は、木材ベニヤの第二のプレート14aを支持する。
【0050】
二次断熱障壁4を構成する第二のサブアセンブリ(4bおよび16a)は、一次断熱障壁3を構成する第一のサブアセンブリ(4cおよび14a)より厚い。
【0051】
断熱層(4bおよび4c)は、密着された断熱材料(特に、ポリウレタンまたはポリ塩化ビニルに基づく、プラスチックまたは合成不連続気泡発泡体)から構成される。
【0052】
ちょうど記載されたパネルPは、種々の構成要素が上に示される配置で互いに結合されるアセンブリを形成するために予備成形され得る;従って、このアセンブリは、一次断熱障壁3および二次断熱障壁4を形成する。パネルPは、それ自体が公知の手段(例えば、支持構造体13の壁13a、13b、13cまたは13dに溶接され、そして木材ベニヤの第一のプレート16aの穴に嵌合して通過するスタッド19)によって、支持構造体13に付着される。
【0053】
これらのスタッド19は、パネルPの第二のサブアセンブリ(4bおよび16a)の間の間隔17からいくらかの距離で、層4bを通して形成される凹部20に対向して配置される。これらの凹部20は、断熱充填材料21で満たされる。
【0054】
さらに、2つの隣接するパネルPの第二のサブアセンブリ(4bおよび16a)を分離する間隔17において、断熱材料18が配置され得る。この断熱材料は、例えば、U字型に折り畳まれ、空間17に押し込まれた発泡体のシートから構成される。従って、二次断熱障壁4の連続性は、再構成される。可撓性テープ2bが、同一のパネルPの層4bと4cとの間にある周囲縁部15に結合され、そして隣接するパネルPの外周縁部に延びる。可撓性テープ2bは、3つの層を備える複合材料(トリプレックス)から構成される。
【0055】
サブアセンブリ(4bおよび16a)を覆うトリプレックス布2aならびに可撓性テープ2bは、二次密着障壁3を構成する。
【0056】
2つの隣接するパネルPの第一のサブアセンブリ(4cおよび14a)の間で、絶縁スラブ3a(それぞれ、断熱体3bの層および木材ベニヤ板14bの層から構成される)が、テープ2b上に配置される。スラブ3aの寸法は、これらが適所に配置された後に、これらのプレート14bが、隣接するパネルPのプレート14aの間で連続的になるような寸法である。
【0057】
プレートアセンブリ(14aおよび14b)は、内部分配層14を形成し、そしてプレートアセンブリ16aは、外部分配層16を形成する。これらの内部分配層14および外部分配層16は、一次密着障壁1の変形に関する力を、断熱層3および4全体にわたっていくらか均一に分配するために使用される。
【0058】
プレート14aおよび断熱層4cにおいて、船の長さを横断する方向に延びる複数のスリット19が作製される。これらのスリットは、タンクが冷却される場合に、制御されない様式で一次断熱障壁2が分離することを防止するために存在する。
【0059】
ちょうど記載されたタンクCの一般的構造、および二重シェルの横断区画13bと底部壁13aとの間の交差によって規定されるタンクCの角部の一般的構造は、仏国特許第2781557号にさらに詳細に記載されている。
【0060】
さらなる特定の記載が、ここで、一次密着障壁1を形成する壁構造体について与えられる。
【0061】
図3は、長手軸方向波形5および横断波形6の各々が、頂部5aおよび6a、側面5bおよび6b、ならびに谷部5cおよび6cをそれぞれ有することを示す。これらはまた、半楕円のプロフィールを有する。さらに、この図は、凹部7aおよび7bもまた、半楕円形または三角形のプロフィールを有することを示す。
【0062】
図4は、横断波形6を、2つの連続的な交線8の間の部分で示すが、これらの交線8は、この図を簡単にするために、図示されない。
【0063】
図4〜6に示される、本発明の第一の実施形態によれば、強化リッジ11が、横断波形6上に、波形8の間の中央で作製される。なぜなら、波形6のこの部分において、側面6bが、高い静水圧および動圧の応力下で変形する傾向が最も大きいからである。
【0064】
さらに、2つの連続的な交線8の間の間隔によって、1つ以上のリッジ11が、横断要素6において、これらの連続的な交線8の間の部分で作製され得る。
【0065】
リッジ11は、上で定義されたように、ほぼ凸状であり、プレート10の内面の側に、突出する凸部を有する。
【0066】
リッジ11の凸部は、例えば、スタンピングによって形成される。
【0067】
図4〜6は、各リッジ11が、波形6の1つの側面6bから、頂部6aを通過して、他方の側面6bへと、連続的に延びることを示す。従って、このリッジの高さは、リッジ11の脚部11cと頂点11aとの間にある部分11b全体に沿って、実質的に一定であり、そしてプレート10の平坦な表面を次第に支持するために、リッジ11の脚部11cの近隣において減少する。有利には、この高さは、約5mmである。
【0068】
図6は、このリッジが、その頂点11aにおいて、2つの異なる曲率半径(R1およびR2)を有することを示す。R1は、横断波形6の頂部6aとリッジ11の頂点11aとの間の接続フィレットの曲率半径であり、そしてR2は、リッジ11の、その頂点11aにおける内側曲率半径である。これらの半径R1およびR2に関連する曲率中心は、プレート10のいずれかの側にある。R1の増加を使用して、リッジ11に対する応力の集中を最小にし、そしてR2の増加は、リッジ11を剛性にする効果を有する。曲率半径R1およびR2は、例えば、それぞれ、20mmおよび5mmのオーダーである。
【0069】
一例として、長手軸方向波形5は、頂部5aとプレート10の表面との間で、約36mmに等しく規定された高さを有し、そして同じ波形5の2つの谷部5cを分離する、53mmのオーダーの距離を有する。しかし、横断波形6は、頂部6aとプレート10の表面との間で、約54.5mmのオーダーに規定された高さを有し、そして同じ波形6の2つの谷部6cを分離する、約77mmの距離を有する。長手軸方向波形5の側面5bの表面は、横断波形6の側面6bより小さく、そして静水圧は、プレート10のこの表面5bに対して垂直に付与されるので、長手軸方向波形5は、この圧力に対してより抵抗性である。しかし、長手軸方向波形5にもまたリッジを適用することが可能である。
【0070】
三角形のプロフィールを有する長手軸方向波形5または横断波形6に、リッジを適用することもまた、可能である。
【0071】
主要な圧力に対する、強化リッジ11によって与えられる抵抗性の効果が、完成した要素に対する計算によってなされる種々のシミュレーションによって実証された。
【0072】
これらのシミュレーションは、横断波形6(これの寸法は、先に規定された)に対してなされた。
【0073】
これらのシミュレーションの結果の最初の出力は、高い静水圧に供される2つの横断波形6(これらのうちの一方は、強化リッジ11を有さず(図7A)、そして他方は、このようなリッジを有する(図7B))の側面6bにおける、プレート10の伸長である。この伸長は、圧力下での波形6の一部分の変形部分の表面(頂部6a、側面6b、または谷部6c)の、圧力なしでのこの部分の表面に対する比である。
【0074】
図7Bに示される波形の部分は、横断波形6の頂部6aを通過する垂直中面と、この横断波形6との交線8を構成する長手軸方向波形5の谷部5aを通る垂直面と、リッジ11の頂点11aおよび脚部11cを通過する垂直面との間にある部分(すなわち、図4の左前方の4分の1の部分)である。
【0075】
図7Aに示される波形6の部分は、リッジを有さない波形に対応することを除いて、図7Bに示される部分と同じである。すなわち、横断波形6の頂部6aを通過する垂直中面と、この横断波形6との交線8を形成する長手軸方向波形5の谷部5aを通る波形6に対して垂直な面と、2つの連続的な交線8の中央を通過する垂直面との間にある部分(すなわち、図4の左前方の4分の1の部分)である。
【0076】
強化リッジ11を有さない横断波形6は、7.07バールの圧力に供され(図7A)、一方で、強化リッジ11を有する横断波形6は、7.50バールという、わずかに高い圧力に供される(図7B)。
【0077】
強化リッジ11を有さない横断波形6は、交線8からある距離での有意な伸長を示す(交線8は、プレートの比較的剛性のゾーンを形成し、高い静水圧の影響下で変形を受けにくい)。
【0078】
具体的には、この伸長は、横断波形6の3つの異なる領域36、37および38に局在される。第一の領域36は、交線8からある距離の横断波形6の頂部6aに位置し、伸長ゾーン22(一点鎖線で境界を定められ、そして1.43〜2%の伸長を有する)およびゾーン23(破線で境界を定められ、そして2%を超える伸長を有する)を備える。領域36はまた、約4.69%の最大伸張を示す。第二の領域37は、横断波形6の側面6bに、交線8からある距離で位置し、これもまた、上記ゾーン22および23を備える。最後に、最後の領域38は、横断波形6の谷部6cに、交線8からある距離で位置し、ゾーン22(すなわち、約2%未満のみの伸長)のみを備える。
【0079】
これらの領域36、37および38は、2つの連続的な交線8の間の中央に中心を合わせる。このことは、何よりもまず、交線8が壁構造体を強化することを確認する。なぜなら、有意な伸長が、この交線8からある距離においてのみ観察されるからである。このことはまた、リッジ11のない波形6が、この交線8からいくらかの距離において、高圧に起因する応力に曝露される場合に、弱いゾーンを有することを確認する。
【0080】
他方で、強化リッジ11を有する波形は、わずかに高い圧力にもかかわらず、その側面6bでの有意な伸長を有さない(図7B)。
【0081】
具体的には、波形6の伸長は、ここで、領域39のみに局在される。この領域39は、交線8からいくらかの距離にある、横断波形6の頂部6aに位置し、破線によって境界を定められる伸長ゾーン33(2%より大きい伸長)を有する。この領域はまた、2.37%の最大伸長を示す。
【0082】
さらに、領域39は、上記領域36および37のゾーン23よりずっと小さい伸長ゾーン33および約2.37%の最大伸長を示す。この最大伸長は、領域36の最大伸長よりずっと小さい。
【0083】
従って、リッジ11は、交線8の間の中央の、比較的より剛性のゾーンを形成することによって、上記壁構造体を、圧力応力に対してより抵抗性にすることに寄与する。
【0084】
これらのシミュレーションの結果の第二の出力は、高い静水圧に供される2つの波形6(これらのうちの一方は、強化リッジ11を有さず(図8A)、そして他方は、このようなリッジを有する(図8B))の側面6bにおける、プレート10の破砕である。この破砕は、圧力下で変形する、波形6の一部分の地点(頂部6a、側面6b、または谷部6c)と、圧力なしでの同じ地点との間の距離である。
【0085】
図8Aに示される波形6の部分は、図7Aによって示される部分と同じである。同様に、図8Bに示される波形6の部分は、図7Bに示される部分と同じである。
【0086】
強化リッジ11を有さない横断波形6は、7.07バールの圧力に供され(図8A)、一方で、強化リッジ11を有する横断波形6は、7.50バールという、わずかにより高い圧力に供される(図8B)。
【0087】
強化リッジ11を有さない横断波形6は、交線8からいくらかの距離で、有意な破砕を示す。計算された最大の破砕は、8.53mmのオーダーである。それぞれ一点鎖線および破線で囲まれたゾーン24および25は、それぞれ、2〜6mmおよび6mmより大で破砕されるゾーンである(図8A)。
【0088】
この結果の第二の出力において、これらのゾーン24および25はまた、2つの連続的な交線8と、波形6の半分の高さとの間の中央で集中される。このことは、何よりもまず、交線8が壁構造体を補強することを確認する。なぜなら、有意な破砕が、波形6の側面6bの、この交線8からある距離においてのみ観察されるからである。このことはまた、リッジ11を有さない横断波形6が、この交線8からいくらか離れた位置で、高圧に起因する応力に供される場合に、弱いゾーンを有することを確認する。
【0089】
しかし、強化リッジ11が備え付けられる横断波形6は、その側面6bの有意な破砕を示さない(図8B)。具体的には、計算された最大の破砕は、約1.67mmである。
【0090】
従って、シミュレーション結果のこれらの2つの出力は、強化リッジ11が、壁構造体に、交線8からいくらかの距離において静水圧および動圧に起因する応力に対する大きな抵抗性を与えること、および従って、上記壁構造体に対する有意な強化を構成することを示す。強化リッジ11の役割は、交線8の役割と類似であり、従って、このリッジ11の設置は、交線の間隔を空け、従って、より大きい寸法のプレート10を作製することを可能にする。プレートの寸法がより大きい場合、溶接されるべきプレートの数がより少なくなる。従って、このことは、上記壁構造体を構築するための時間を減少させ、従って、節約となる。
【0091】
図9に示される部分は、図4に示される部分と実質的に同じである。ここでまた、上記交線8は、この図を簡単にするために、図示されていない。
【0092】
しかし、図9および10に示される第二の実施形態によれば、この場合のリッジ111は、波形6の各側面6bに提供され得、このリッジは、頂部6aおよび谷部6cからある距離で、この波形を支持することが見出され得る。
【0093】
この第二の実施形態において、リッジ111の頂点111aは、このリッジを支持する波形6の頂部6aの下に位置する。一方で、先の実施形態のリッジ11の頂点11aは、このリッジを支持する波形6の頂部6aより上である。逆に、リッジ111の脚部111cは、谷部6cより上に位置する。一方で、先の実施形態のリッジ11の脚部11cは、谷部6cと同じレベルである。最後に、リッジ111の頂点111aと脚部111cとの間にある部分111bは、リッジ11の頂点11aと脚部11cとの間にある部分11bと同様に、波形6の側面6bより上に突出する。
【0094】
プレート10の表面で、横方向部分111bにおいてリッジの形状を規定する上記曲率半径R1およびR2は、それぞれ20mmおよび9.4mmのオーダーであり得る(曲率半径R1およびR2は、この実施形態については図示されない)。
【0095】
さらに、ここで、リッジ111の2つの対は、2つの連続的な交線8の間の規則的な間隔で提供される。リッジのこれらの2つの対は、有利には、方向Tに対して垂直な、2つの連続的な交線8の間の中央を通る面に対して、互いに対称的であり得る。さらに、同一のリッジの対は、有利には、方向Tに平行な、頂部6aを通過する面に関して対称的であり得る。もちろん、本発明は、より多数のリッジを提供し得る。
【0096】
図11〜13に示される第三の実施形態によれば、各リッジ211は、ほぼ凸状であり得、凸部が、プレート10の外面の方へと反り返っていることが見られ得る。リッジ211は、これらのリッジを支持する波形6上で、リッジ111と同じ配置を有する。すなわち1対ごとに、波形6の各側面6bに、そして波形6の頂部6aおよび谷部6cからある距離である。
【0097】
この実施形態において、リッジ211の頂点211aおよびリッジ211の脚部211cは、先に記載された実施形態においてと同様に、波形6の側面6bに対して同一の位置を有する。しかし、リッジ211の頂点211aと脚部211cの間にある部分211bは、波形6の側面6bにおいて示されるように作製される。
【0098】
図12は、半楕円形プロフィールの横断波形6が、3つの異なる曲率半径(R3、R4およびR5)を有することを示す。R3は、プレート10と、波形6の側面6bとの間の接続フィレットの曲率半径であり、R4は、頂部6aにおける内側の曲率半径であり、そしてR5は、波形6の側面6bの曲率半径である。半径R3、R4およびR5は、例えば、それぞれ8.4mm、9.4mm、および65.4mmのオーダーである。一例として、半楕円形プロフィールの長手軸方向波形5(図12には示されない)もまた、上記3つの曲率半径R3、R4およびR5を有し、これらは、それぞれ8.4mm、8.4mmおよび38.4mmのオーダーである。
【0099】
図12に示される場合において、リッジ211の深さは、5.06mmである。
【0100】
リッジ211は、線26および27を通る対称面を有し、これらの線は、波形6の方向Tに対してそれぞれ垂直および平行であり、一方で、リッジ211の中央を通過する。
【0101】
図12および13に示される実施形態によれば、リッジ211のウェブは、実質的に直線である。
【0102】
さらに、第三の実施形態のリッジ211は、リッジ111の高さより小さいリッジ211の深さを有するので、第二の実施形態のリッジ111の強度と少なくとも同程度の良好な強度を有する。従って、上記壁構造体に第三の実施形態のリッジ211を備え付けることが有利であり得る。リッジ211の設置が、リッジ111に対してより狭いスタンピングを必要とする場合、この位置における、スタンピングに起因するプレート10の厚さの減少が少なくなり、プレート10は、リッジ211において、脆くなくなる。これは、圧力応力に対してより抵抗性である。一例として、プレート10は、約1.2mmの厚さを有する。
【0103】
同じ壁構造体は、同じプレートまたは同じ波形でさえ、異なる一連の波形5および6において、または同じ一連の波形5または6において、あるいは2つの交線8の間の波形5または6の同じ部分において、あるいは最後に、これらのリッジを支持する波形5または6に対して垂直な同じ面内に、これらのリッジを支持する波形5または6の対向する側面5bおよび6bにおいて、同時にリッジ11および/または111および/または211を備え得る。
【0104】
本発明の別の改変物によれば、リッジ211のウェブは、リッジ211の脚部211cおよび頂点211aを通過する、波形6の方向Tに平行な面に対して、側面6bの曲率に対称的な曲率を有する。この型の曲率の設置は、リッジ111の底部における曲率半径なしで、先に記載されたリッジ111の深さより大きいリッジ211の深さ(波形5または6の高さに対して25%まで)を得るという利点を有し、これは、リッジ211のこの改変物の抵抗性の増加を生じる。
【0105】
最後に、上記壁構造体を作製するための製造方法は、以下の3つの工程を包含し得る:
第一の工程は、屈曲させることによって第二の一連の波形6の波形を形成し、同時にこの第二の一連の波形6に、三角形のプロフィールを与えることにある。
【0106】
第二の工程は、屈曲させることによって第一の一連の波形5の波形と交線8とを同時に形成することにあり、この第一の一連の波形5の波形は、おそらく、この工程によって、半楕円形のプロフィールを得ている。
【0107】
最後の工程は、スタンピングによるリッジ11、111、211、ならびに第二の一連の波形6の波形における半楕円形プロフィールの同時の作製にあり、この第二の一連の波形6の波形における半楕円形プロフィールの形成は、任意のままである。
【0108】
本発明は、いくつかの特定の実施形態に関して記載されたが、本発明は、いかなる様式でも、これらの実施形態に限定されないこと、ならびに本発明は、記載される手段の技術的均等物およびこれらの組み合わせ(本発明の文脈の一部を形成する場合)の全てを包含することが、明らかに理解される。
【符号の説明】
【0109】
5 第一の一連の波形
5b 側面
6 第二の一連の波形
6b 側面
8 交線
10 プレート
11 強化リッジ
13 支持構造体
C 断熱タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図4に記載されるプレートを備える壁構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−185576(P2010−185576A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101532(P2010−101532)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【分割の表示】特願2004−302319(P2004−302319)の分割
【原出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(595133839)ガズトランスポール エ テクニガズ (24)
【氏名又は名称原語表記】GAZTRANSPORT ET TECHNIGAZ
【Fターム(参考)】