説明

密閉形圧縮機

【課題】起動時に冷媒を圧縮要素の摺動部に供給することや過剰な油上がりを抑制できる密閉形圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】この発明に係るスクロール圧縮機100は、密閉容器11の内部に、圧縮要素30と、電動要素40とを収納したスクロール圧縮機100において、以下に示す構成とし、
(a)圧縮要素30は密閉容器11の内部空間に高圧の冷媒を吐出する;
(b)密閉容器11の底部付近の温度を検出する温度センサ8を備える;
(c)冷媒にR32(ジフルオロメタン)を使用する;
さらにスクロール圧縮機100の起動時に、圧縮要素30を所定の回転数以上にはならないように駆動するとともに、温度センサ8が所定温度より高い温度を検知してから所定の回転数より高い回転数で圧縮要素30を駆動することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、密閉形圧縮機に関するもので、詳しくはR32冷媒使用時の運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
密閉形圧縮機の運転停止中において、例えば停止時間が長い場合、密閉容器の温度が運転中よりも低下する。すると、密閉容器内の冷媒の密度が小さくなって、冷媒と冷凍機油との組合せによっては、液冷媒が冷凍機油の下に沈む現象が発生する。この状態で、密閉形圧縮機を運転すると、液冷媒が油ポンプの吸入部に存在するため油ポンプで液冷媒を吸引する不具合が生じる。
【0003】
このような現象に対する対策として、従来、少なくとも所定温度以下では冷媒と分離状態となる冷凍機油を、圧縮機の摺動部の潤滑に用いる冷凍装置の制御方法であって、圧縮機の温度と圧縮機の運転周波数とを検出し、圧縮機の検出温度と圧縮機の検出周波数とに基づき、検出周波数が設定周波数を超え、かつ検出温度が設定温度未満であると判断したときに、運転周波数を保護周波数に切り換える冷凍装置の制御方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−221369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来の冷凍装置の制御方法は、その概念を述べているだけであり、具体的な内容までは記載が十分とは言えない。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、起動時に冷媒を圧縮要素の摺動部に供給することや過剰な油上がりを抑制できる密閉形圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る密閉形圧縮機は、密閉容器の内部に、圧縮要素と、電動要素とを収納した密閉形圧縮機において、
以下に示す構成とし、
(a)圧縮要素は密閉容器の内部空間に高圧の冷媒を吐出する;
(b)密閉容器の底部付近の温度を検出する温度センサを備える;
(c)冷媒にR32(ジフルオロメタン)を使用する;
さらに密閉形圧縮機の起動時に、圧縮要素を所定の回転数以上にはならないように駆動するとともに、温度センサが所定温度より高い温度を検知してから所定の回転数より高い回転数で圧縮要素を駆動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る密閉形圧縮機は、上記構成により、起動時に冷媒を圧縮要素の摺動部に供給することや過剰な油上がりを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
具体的な説明の前に、本実施の形態の基本概念を説明しておく。密閉形圧縮機は、運転を休止している状態で、密閉形圧縮機の温度が低い場合(周囲温度と略同等)、冷媒と冷凍機油との組合せによっては、冷媒の密度が冷凍機油の密度より大きくなることがある。そうなると冷媒は冷凍機油の下に沈む現象が発生する。この状態で、密閉形圧縮機(特に密閉容器内が高圧の密閉形圧縮機)を起動させると、冷媒中にある油ポンプが冷媒を吸引し圧縮要素の摺動部に冷媒が供給されるため、摺動部の潤滑不良が発生する。また、冷凍機油の下に沈んだ冷媒が密閉容器の外部に吐出されるときに上層の冷凍機油も一緒に持ち出される現象が生じる。これらの対策は、密閉形圧縮機の起動後、できるだけ早く冷媒を冷凍機油の上に移動させることである。そこで、本実施の形態では、飽和状態密度が比較的小さい冷媒、密度が比較的大きい冷凍機油を使用する。また、密閉形圧縮機の起動時に、冷凍機油及び冷媒の温度が所定温度に上昇するまでは、密閉形圧縮機の回転数を所定値より上げない準備運転を行う。冷凍機油及び冷媒の温度が所定温度に上昇し、冷媒が冷凍機油の上に移動してから、密閉形圧縮機の回転数を所定値より上げる定常運転に移行するものである。
【0009】
密閉形圧縮機の一例として、ここではスクロール圧縮機について説明する。密閉容器内が高圧のものであれば、他の形式の密閉形圧縮機(例えば、ロータリ圧縮機)にも、本実施の形態は適用される。
【0010】
図1乃至図5は実施の形態1を示す図で、図1はスクロール圧縮機100の縦断面図、図2は起動時のR32冷媒9と冷凍機油10の流れを示すスクロール圧縮機100の縦断面図、図3は起動時のR32冷媒9と冷凍機油10が混合した状態を示すスクロール圧縮機100の縦断面図、図4は準備運転実施後のR32冷媒9と冷凍機油10が分離した状態を示すスクロール圧縮機100の縦断面図、図5は冷媒の飽和状態密度[kg/m]と温度[℃]の関係を示す図である。
【0011】
図1により、スクロール圧縮機100の構成を簡単に説明する(スクロール圧縮機100は公知のものを使用するため)。スクロール圧縮機100は、密閉容器11の内部に圧縮要素30と、電動要素40とを収納している。
【0012】
圧縮要素30は、それぞれ台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するように噛み合わされた固定スクロール1および揺動スクロール2と、この揺動スクロール2を軸方向に支持するコンプライアントフレーム3と、このコンプライアントフレーム3を半径方向に支持するガイドフレーム4と、電動要素40のトルクを圧縮要素30に伝達する主軸7とを備える。
【0013】
固定スクロール1は、その外周部はガイドフレーム4にボルトによって締結されている。台板部の一方の面(図1において下側)には板状渦巻歯が形成されるとともに、外周部にはオルダム案内溝がほぼ一直線上に2個形成されている。このオルダム案内溝にはオルダムリングの爪が往復摺動自在に係合されている。さらに、固定スクロール1の側面には、吸入冷媒が通る吸入管13が密閉容器11を貫通して圧入されている。
【0014】
揺動スクロール2は、台板部の上面には固定スクロール1の板状渦巻歯と実質的に同一形状の板状渦巻歯が設けられており、幾何学的に圧縮室を形成している。台板の板状渦巻歯と反対側の面の中心部には中空円筒のボス部が形成されており、主軸7上端の揺動軸部と回転自在に係合している。また、台板の板状渦巻歯と反対側の面には、コンプライアントフレーム3のスラスト軸受けと圧接摺動可能なスラスト面が形成されている。揺動スクロール2の台板の外周部には、固定スクロール1のオルダム案内溝と90度の位相差をもつオルダム案内溝がほぼ一直線上に2ヶ形成されており、このオルダム案内溝にはオルダムリングの爪が往復摺動自在に係合されている。また台板部には圧縮室とスラスト面を貫通する抽出孔が設けられ、圧縮途中の冷媒ガスを抽出してスラスト面に導く構造となっている。
【0015】
コンプライアントフレーム3はその外周部に設けられた上下2つの円筒面を、ガイドフレーム4の内周部に設けた円筒面により半径方向に支持されており、その中心部には電動要素40により回転駆動される主軸7を半径方向に支持する主軸受けおよび副主軸受けが形成されている。
【0016】
ガイドフレーム4の外周面は焼きばめ、もしくは溶接などによって密閉容器11に固着されているものの、その外周部に設けた切り欠き部により、固定スクロール1の吐出ポートから吐出される高圧の冷媒ガスを電動要素40側に設けられた吐出管12に導く流路は確保されている。またガイドフレーム4の内周面には、コンプライアントフレーム3の外周面に形成された上下円筒面と係合する円筒面、およびシール材を収納するシール溝が2カ所設けられており、それぞれシール材が設置されている。これら2つのシール材を用いて密封されたガイドフレーム4の内周面とコンプライアントフレーム3の外周面からなるフレーム空間は、コンプライアントフレーム3の連絡通路とのみ連通しており、揺動スクロール2の抽出孔より供給される圧縮途中の冷媒ガスを封入する構造となっている。
【0017】
主軸7は、その上端部は揺動スクロール2の揺動軸受けと回転自在に係合する揺動軸が形成されており、その下側には主軸バランサが焼きばめられている。さらにその下にはコンプライアントフレーム3の主軸受けおよび副主軸受けと回転自在に係合する主軸部が形成されている。また主軸7の下側はサブフレーム17の副軸受けと回転自在に係合する副軸部が形成され、この副軸部と前述した主軸部間には電動要素40のロータ6が焼きばめられている。
【0018】
電動要素40は、ステータ5とロータ6とを備える。電動要素40には、通常DC(直流)ブラシレスモータが使用される(誘導電動機も稀に使用される)。DCブラシレスモータの場合、ステータ5には、三相の巻線が施される。巻線方式は、集中巻または分布巻である。そして、ロータ6は、永久磁石を用いるマグネットロータである。
【0019】
密閉容器11の底部(外側)に、密閉容器11の底部の温度を検出する温度センサ8を備える。温度センサ8は、例えばサーミスタで構成される。図1では、密閉容器11の底部の中央部付近に温度センサ8が設けられている。但し、この位置に限定されない。密閉容器11の底部のどの部分でもよい。また、密閉容器11の底部に連なる側壁の下部に設けてもよい。要は、後述するR32冷媒9または冷凍機油10の温度を検出できる位置であればよい。R32とは、ジフルオロメタンで、化学式はCHである。
【0020】
スクロール圧縮機100が冷凍サイクルに組み込まれた状態での運転休止中には、密閉容器11の内部の底部に冷媒または冷凍機油が貯留する。
【0021】
図1では、冷凍サイクルを循環する冷媒であるR32冷媒9が、冷凍機油10の下に沈みこんでいる。これは、例えばスクロール圧縮機100が運転休止中で、密閉容器11の温度が周囲温度に略等しい温度(常温)になっているため、R32冷媒9の飽和状態密度が冷凍機油10の密度より小さくなっているためである。
【0022】
密閉容器11の底部の温度とR32冷媒9の温度が略等しくなるので、密閉容器11の底部の温度を検出する温度センサ8は、R32冷媒9の温度を検出している。
【0023】
冷媒をR32冷媒9に限定する理由を先ず説明する。図5はスクロール圧縮機100の主要な用途である空気調和機に使用される各種冷媒の飽和状態密度[kg/m]と温度[℃]との関係を示している。図5に示すように、温度が低下すると冷媒の飽和状態密度は大きくなる。各温度における各種冷媒の飽和状態密度は、図5に示すような関係にある。即ち、R32の飽和状態密度がこの中では、最も小さい。スクロール圧縮機100の起動時における、冷凍機油10の下に沈んだ冷媒を加熱して温度を上げる準備運転において、飽和状態密度の小さい冷媒ほど早く冷凍機油10の上に移動する。
【0024】
R32の飽和状態密度は、10℃で1020kg/m、20℃で981kg/m、30℃で940kg/mである。
【0025】
準備運転においてR32冷媒9をできるだけ早く冷凍機油10の上に移動させるには、冷凍機油10は密度が大きいものが好適である。
【0026】
現在、密閉形圧縮機の冷凍機油10にはナフテン系の鉱油、パラフィン系の鉱油、アルキルベンゼン(AB)、ポリアルファオレフィン(PAO)、ポリオールエステル(POE)、ポリビニルエーテル(PVE)、ポリアルキレングリコール(PAG)などが使用されている。ナフテン系の鉱油、パラフィン系の鉱油、AB、PAOは、密度が略870kg/mであり、他のPOE、PVE、PAGは密度が略1000kg/mである。本実施の形態では、POE、PVE、PAG等の密度が980kg/m以上の冷凍機油10を選択する。
【0027】
例えば、密度が略1000kg/mのPOE、PVE、PAG等の冷凍機油10を使用すると、R22では温度が60℃になっても飽和状態密度が1030kg/mであり、冷媒の方がまだ重い。しかし、R32冷媒9では、温度が20℃で密度が略981kg/mになり、POE、PVE、PAG等の冷凍機油10よりも軽くなる。
【0028】
図2はスクロール圧縮機100の回転数を制限しないで起動させた場合のR32冷媒9の挙動を示している。この場合、R32冷媒9は冷凍機油10の層を通り抜け、図2の矢印の方向に流れる。さらに電動要素40の回転により、R32冷媒9と冷凍機油10は攪拌されて冷媒と冷凍機油の混合物15になる(図3参照)。そして、冷媒と冷凍機油の混合物15は、吐出管12からスクロール圧縮機100の外部の冷凍サイクルへ吐出され、スクロール圧縮機100内の冷凍機油10が大量にスクロール圧縮機100の外部の冷凍サイクルへ持ち出される。
【0029】
冷凍機油10がスクロール圧縮機100の外部の冷凍サイクルへ持ち出されることによって、スクロール圧縮機100内の冷凍機油10が減少する。それにより圧縮要素30の摺動部へ供給される冷凍機油10が減少する。供給される冷凍機油10が減少すると摺動部の焼付きの原因となり、スクロール圧縮機100の信頼性が低下する。
【0030】
また、固定スクロール1と揺動スクロール2の間に供給される冷凍機油10が減少することで、圧縮室を形成するように噛み合わされた板状渦巻歯のシール性が悪化し、スクロール圧縮機100の性能低下の原因となる。
【0031】
そこで、本実施の形態では、スクロール圧縮機100の起動時に、電動要素40の回転数を所定の回転数以上には上げない準備運転を行う。所定の回転数は、電動要素40の電源の周波数が例えば60Hz相当の回転数である。
【0032】
電動要素40の回転数を所定の回転数以上には上げない準備運転では、電動要素40の回転数が低いため、図1のようにR32冷媒9が冷凍機油10の下に沈んでいても、圧縮要素30の摺動部の潤滑不足、冷凍機油10のスクロール圧縮機100の外部への流出等の不具合は許容範囲内に抑制できる。
【0033】
電動要素40の回転数を所定の回転数以上には上げない準備運転を行うことにより、電動要素40及び圧縮要素30の温度が上昇し、この熱が冷凍機油10の下に沈んでいるR32冷媒9に伝熱して、R32冷媒9の温度を上昇させる。
【0034】
R32冷媒9の温度は、密閉容器11の底部の温度を検出する温度センサ8で間接的に検出する。温度センサ8が所定温度より高い温度を検知した場合、圧縮要素30を所定の回転数より高い回転数で駆動する運転に切替える。
【0035】
温度センサ8が所定温度より高い温度を検知した場合の所定温度は、例えば25℃である。温度センサ8の測定値が25℃以上であれば、内部のR32冷媒9の温度は少なくとも20℃以上になっていると推定でき、この状態では、R32冷媒9は密度が略1000kg/mのPOE、PVE、PAG等の冷凍機油10の上に浮上するからである。
【0036】
以上のように、スクロール圧縮機100の起動時に準備運転を行うことにより、以下に示す効果を奏する。
(1)電源が60Hz以下の周波数での運転となるので、電動要素40の回転運動によるR32冷媒9と冷凍機油10の撹拌を抑え、R32冷媒9と冷凍機油10が混合されて図3の状態(R32冷媒9と冷凍機油10が混合されて、冷媒と冷凍機油の混合物15になる)にならないようにすることができる。
(2)温度センサ8の測定値が25℃以上であれば、内部のR32冷媒9の温度は少なくとも20℃以上になっていると推定でき、この状態では、R32冷媒9は密度が略1000kg/mのPOE、PVE、PAG等の冷凍機油10の上に浮上する。
【0037】
図4は、以上の準備運転を行うことによって、スクロール圧縮機100内の冷凍機油10の上にR32冷媒9が浮上した状態を示している。この状態は、図5に示される通りR32冷媒は20℃弱で飽和状態密度が1000kg/mを下回り、密度が1000kg/m以上の冷凍機油(POE、PVE、PAG等)を選択することによって達成される。
【0038】
この状態から通常の運転(圧縮要素30の回転数を制限しない運転)へ移行することにより、吐出管12から外部へ流出する吐出ガスの殆どがR32冷媒9であり、スクロール圧縮機100内から持ち出される冷凍機油10の量を低減することができる。
【0039】
スクロール圧縮機100の起動時において、毎回本実施の形態の準備運転を行うことで、スクロール圧縮機100信頼性を向上することができる。
【0040】
特に、空気調和機や冷蔵庫における密閉形圧縮機の取付後の初回運転時には、冷凍サイクルの配管へ吐出された冷凍機油が圧縮機へ非常に戻り難くい。また、冷凍サイクルの配管へ残る冷凍機油も存在する。しかし、本実施の形態の準備運転により、密閉形圧縮機の信頼性を確保しつつ少しずつ冷凍機油を配管へ馴染ませることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施の形態1を示す図で、スクロール圧縮機100の縦断面図。
【図2】実施の形態1を示す図で、起動時のR32冷媒9と冷凍機油10の流れを示すスクロール圧縮機100の縦断面図。
【図3】実施の形態1を示す図で、起動時のR32冷媒9と冷凍機油10が混合した状態を示すスクロール圧縮機100の縦断面図。
【図4】実施の形態1を示す図で、準備運転実施後のR32冷媒9と冷凍機油10が分離した状態を示すスクロール圧縮機100の縦断面図。
【図5】実施の形態1を示す図で、冷媒の飽和状態密度[kg/m]と温度[℃]の関係を示す図。
【符号の説明】
【0042】
1 固定スクロール、2 揺動スクロール、3 コンプライアントフレーム、4 ガイドフレーム、5 ステータ、6 ロータ、7 主軸、8 温度センサ、9 R32冷媒、10 冷凍機油、11 密閉容器、12 吐出管、13 吸入管、15 冷媒と冷凍機油の混合物、17 サブフレーム、30 圧縮要素、40 電動要素、100 スクロール圧縮機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉容器の内部に、圧縮要素と、電動要素とを収納した密閉形圧縮機において、
以下に示す構成とし、
(a)前記圧縮要素は前記密閉容器の内部空間に高圧の冷媒を吐出する;
(b)前記密閉容器の底部付近の温度を検出する温度センサを備える;
(c)前記冷媒にR32(ジフルオロメタン)を使用する;
さらに当該密閉形圧縮機の起動時に、前記圧縮要素を所定の回転数以上にはならないように駆動するとともに、前記温度センサが所定温度より高い温度を検知してから前記所定の回転数より高い回転数で前記圧縮要素を駆動することを特徴とする密閉形圧縮機。
【請求項2】
前記圧縮要素の潤滑を行う冷凍機油に、密度が980kg/m以上の冷凍機油を使用することを特徴とする請求項1記載の密閉形圧縮機。
【請求項3】
前記温度センサが、25℃より高い温度を検知してから前記所定の回転数より高い回転数で前記圧縮要素を駆動することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の密閉形圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−138693(P2009−138693A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318045(P2007−318045)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】