説明

対象物にエネルギーを印加する装置、方法及びコンピュータープログラム

本発明は対象物にエネルギーを印加する装置に関する。上記装置は、上記対象物にエネルギーを出力するエネルギー放出要素19の構成7を有する。上記エネルギー放出要素19の少なくともいくつかは、上記対象物に対して互いに独立にエネルギーを放出するよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物にエネルギーを印加する装置、方法及びコンピュータープログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物に対してエネルギーを印加する装置は、例えば、心臓における切除手順の分野において知られている。切除の間、切除カテーテルが、心臓内に配置され、加熱により心臓組織の部分を変性させる(denaturize)ため、心臓の表面上の特定の位置で心臓組織にエネルギーを供給する(couple)。切除は、例えば、主に肺静脈における電気的障害によりもたらされる無秩序の励起を停止するべく肺静脈を電気的に絶縁するために実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
米国特許第7,052,492号は、心臓に対して電気エネルギーを印加するために複数の電極を持つ切除カテーテルを開示する。これらの電極は、これらの位置で心臓に電気エネルギーを供給するため、心臓の表面上の異なる位置で接触することができる。しかし、この既知の切除カテーテルは、異なる接触位置において異なる態様で機能することができない。例えば、エネルギーが印加される心臓又は別の対象物は、異なる位置でしばしば異なる特性を持ち、例えば医師といったユーザは、心臓又は他の対象物の異なる部分を異なる態様で治療したい場合が多いので、この異なる態様で機能することが望ましい。
【0004】
従って、本発明の目的は、対象物にエネルギーを印加する装置、方法及びコンピュータープログラムを提供することである。上記、装置、方法及びコンピュータは、対象物の異なる部分に異なる態様で機能することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の側面において、対象物にエネルギーを印加する装置が与えられる。上記装置は、上記対象物にエネルギーを出力するエネルギー放出要素の構成を有し、上記エネルギー放出要素の少なくともいくつかが、互いに独立に上記対象物にエネルギーを放出するよう構成される。
【0006】
本発明は、上記エネルギー放出要素の少なくともいくつかが互いに独立に上記対象物にエネルギーを放出するよう構成されるので、上記対象物の異なる部分に対して異なる量のエネルギーが適用されることができる、即ち上記対象物の異なる部分に異なる態様で機能することを上記発明が可能にするというアイデアに基づかれる。本発明は例えば、特定のエネルギー放出要素だけが、上記対象物にエネルギーを印加すること、及び/又は異なるエネルギー放出要素が、上記対象物に異なる量のエネルギーを印加することを可能にする。こうして、特定のエネルギー放出要素が配置される位置で必要とされるエネルギー量が、この位置で上記対象物に印加されることができる。
【0007】
対象物は、例えば、パイプラインといった技術的な対象物又は患者の器官であり、その表面、特に内部表面が治療されなければならない場所である。
【0008】
上記エネルギー放出要素の構成が、上記対象物にエネルギーを印加する間当接面を有し、上記エネルギー放出要素は、上記当接面上異なる位置に配置され、上記当接面が、対象物の表面に接することができることが好ましい。当接面が対象物の表面に接することができ、及びエネルギー放出要素が当接面上の異なる位置に配置されるので、エネルギー放出要素のこの構成は、対象物の異なる部分に対して異なる量のエネルギーを印加する能力を更に向上させる。
【0009】
当接面は、好ましくは、対象物の表面に適応するよう弾性的である。これは、対象物に対してエネルギーを印加する間、エネルギー放出要素と対象物の表面との間の距離を最小化するよう対象物の表面に当接面を従わせること、特にエネルギー放出要素により対象物の表面を接触させること(距離ゼロ)を可能にする。更に、好ましくは、エネルギーを印加する間、エネルギー放出要素及び対象物の表面間の距離が一定のままであるよう、及び/又は、エネルギーを印加する間、エネルギー放出要素が対象物の表面に連続して接触するよう、弾性面は対象物の運動に従うことができる。
【0010】
好ましい実施形態において、上記エネルギー放出要素の構成が当接面として形成される第1の状態と、上記エネルギー放出要素の構成が上記第1の状態においてより少ない空間を占める第2の状態との間で、上記エネルギー放出要素の構成が変更可能である。これはエネルギー放出要素の構成が対象物の内部に導入されることを可能にする。この場合、対象物の内部の大きさは、第1の状態におけるエネルギー放出要素の構成を導入するため、十分に小さい。これは、エネルギー放出要素の構成を導入するため、エネルギー放出要素の構成が第2の状態を有すること、及び、導入後、当接面が形成される第1の状態へと、エネルギー放出要素の構成が対象物内において変化されることができることを意味する。
【0011】
上記エネルギー放出要素の構成が、上記第1の状態へと展開可能であり、上記第2の状態へと折り畳み可能であることが好ましい。これは、エネルギー放出要素が第1の状態と第2の状態との間で単純な態様で変更可能な構成を提供することを可能にする。エネルギー放出要素の斯かる構成は、例えば、折り畳み可能なバスケット形式又はバルーンを有する。これは、第1の状態へと変化させるため液体で満たされることができ、この液体は第2の状態へと変化させるためバルーンから出されることができる。
【0012】
好ましくは、対象物にエネルギーを印加する上記装置は、上記エネルギー放出要素の構成に結合されるガイド要素を有し、上記ガイド要素から離れた上記構成における位置にエネルギー放出要素が位置する。これは、例えば、当接面が対象物の表面に接する第1の状態へとエネルギー放出要素の構成を変化させる必要性なく、ガイド要素に対して離れた上記構成の位置をこの印加位置に導くことにより、上記対象物における特定の印加位置にエネルギーを印加することを可能にする。例えば、対象物にエネルギーを印加する装置が切除カテーテルである場合、切除カテーテルのエネルギー放出要素の構成は、バスケットを有することができる。このバスケットは、好ましくは当接面が心臓の内部表面に対して接する第1の状態へと変化するよう展開可能である。エネルギー放出要素の構成がその第2の状態にある場合、即ちバスケットが一緒に折り畳まれる場合であっても、心臓の位置にエネルギーを印加するエネルギー放出要素がバスケットの遠い先端上に配置されることができる。
【0013】
エネルギー放出要素は、例えば、電極とすることができる。しかし、上記エネルギー放出要素が光エネルギーを出力するよう構成されることが好ましい。これは、例えば、磁気共鳴イメージングシステムと共に対象物にエネルギーを印加する装置を使用することを可能にする。エネルギー放出要素は好ましくは、対象物のより大きい領域に光エネルギーを印加する及び対象物に印加されるエネルギーの強度を減らす、拡散器又はマイクロレンズを有する。
【0014】
上記エネルギー放出要素の構成は、好ましくは、上記対象物を感知する感知要素を更に有する。感知要素は好ましくは、温度センサ、例えば対象物の表面の電位を感知する電気的センサ、圧力センサ又は対象物の表面から反射される光を感知する分光センサである。感知要素は好ましくは、対象物の表面を感知するよう構成される。感知要素は好ましくは、感知要素から得られる感知値から、対象物、特に対象物の表面での特性を決定する特性決定ユニットに接続される。エネルギーを印加し及び同時に対象物を感知することができるよう、感知要素及びエネルギー放出要素が共に電気的要素ではないことが好ましい。両方の種類の要素が電気的要素である場合、それらは通常、互いに影響するだろう。例えば、光エネルギーを放出するよう構成されるエネルギー放出要素と共に感知要素が使用される場合、エネルギーの印加及び電気的感知要素を用いての感知が、同時に実行されることができる。なぜなら、この場合、エネルギー放出要素及び感知要素が互いに影響しないからである。
【0015】
更に好ましくは、対象物にエネルギーを印加する上記装置が、上記エネルギー放出要素によるエネルギー印加を制御する制御ユニットを更に有し、上記感知要素は、上記制御ユニットに感知値を提供するよう構成され、上記制御ユニットは、上記感知値が動作の所与の範囲外にあるかどうかを通知するよう構成される。これは、対象物に対するエネルギーの印加の安全管理を可能にする。例えば、エネルギーの印加が、例えば温度又は電位といった対象物の特性を変化させる場合、これが感知要素により感知される。対象物の特性、即ち感知値の変化が動作の所与の範囲内にない場合、エネルギーの印加は減らされ、即ち減弱され又は停止される。動作の所与の範囲は、エネルギーが印加される対象物に依存する。例えば対象物が、心臓といった人間の器官である場合、対象物の温度は、それぞれユーザが規定した制限である80℃を超えるべきでない。即ち動作の範囲は、例えば、約37℃から80℃である。感知値が動作範囲外にあると制御ユニットが通知した場合、制御ユニットは、好ましくは警報信号、好ましくは光学及び/若しくは音響の警報信号を提供し、並びに/又は対象物に印加されるエネルギーを減らす。
【0016】
対象物が心臓であることが更に好ましい。この場合、切除のため心臓に導入されるよう上記構成が適合される。好ましくは、心臓への導入のためのこの適合は、患者の心臓又は別の部分に接触する生体適合材料の使用を含む。即ち対象物にエネルギーを印加する装置の部分であって、切除手順の間、患者と接触することができる部分が、生体適合材料できている、又は生体適合材料により覆われる。生体適合材料は、患者に悪影響を与えない物質である。
【0017】
ある実施形態において、対象物にエネルギーを印加する上記装置が、上記対象物のモデルと上記対象物の上記モデルにおける所与の経路とを具備し、上記装置は、上記対象物の上記モデルと上記当接面とを位置合わせする位置合せユニットを有し、上記経路に沿って配置される、即ち実質的に上記経路に沿って配置される上記位置合わせされた当接面の上記エネルギー放出要素が上記対象物にエネルギーを印加するよう、上記構成が構成される。即ち、所与の経路に沿って実質的にエネルギーを印加するために、経路上又は経路の近くに配置されるエネルギー放出要素がエネルギーを放出する。この経路は、例えば、線形又は閉経路とすることができる。これは、所与の経路に沿って対象物にエネルギーを印加することを可能にする。
【0018】
例えば、対象物のモデルを示し、モデル上に経路を引く手段を提供するグラフィカル・ユーザ・インタフェースを使用してモデル上に経路を提供するユーザによって、経路が与えられることができる。代替的に又は追加的に、経路は、経路決定ユニットにより自動的に決定されることができる。経路決定ユニットは、対象物のモデル及び対象物の特性を決定する感知要素の感知値、又は感知値を使用することにより対象物の特性を決定する特性決定ユニットから対象物の特性を受信する。経路決定ユニットは、対象物の所望の処置に基づき、対象物の受信した特性から経路を決定する。例えば、対象物が心臓であり、かつ感知値から、例えば感知電極を使用することにより生成される心臓の電位画像から決定されることができる肺静脈の小孔を経路が囲まなければならない場合、小孔のエッジに対して所与の距離を持って肺静脈の小孔を囲むよう、この経路が決定される。所与の距離は、医師といったユーザにより前もって決定されることができる。決定された経路は、決定された経路を変更する手段、例えば、ドラッグ・アンド・ドロップ手段を有することができるグラフィカル・ユーザ・インタフェースに示されることができる。
【0019】
例えば、開又は閉ラインに沿って整列配置される一群のエネルギー放出要素により形成される所与の経路に沿って対象物にエネルギーが印加されることができるよう、対象物にエネルギーを印加する装置が構成されることもできる。経路に沿ったエネルギー放出要素が、例えば医師といったユーザにより事前に決定されることができる。この経路は、対象物のモデルにおいて、必ずしも事前に決定されていなければならないわけではない。この経路は、エネルギー放出要素の構成上に直接与えられることもできる。
【0020】
コンピュータ断層撮影システム又は磁気共鳴イメージングシステムといったイメージングシステムによって対象物を画像化することで、モデルが提供されることができる。更に、対象物のモデルを生成するために、既知の再構成、セグメンテーション及び表面レンダリング方法が使用されることができる。上記モデルが対象物の表面モデルであることが好ましい。対象物の3次元表面モデルが対象物にエネルギーを印加する装置に提供されることが更に好ましい。対象物にエネルギーを印加する装置の感知要素を使用することにより、モデルが提供されることもできる。これらの感知要素が、対象物の表面を感知するよう構成され、結果として生じる感知値は、対象物の表面のモデルを、特に対象物の表面の3次元モデルを生成するために使用されることができる。例えば、感知要素は、対象物の表面の電位を感知することができ、これらの電位値は、対象物のモデル、特に対象物の3次元表面モデルを生成するために使用されることができる。
【0021】
対象物にエネルギーを印加する上記装置が、上記当接面のモデルを具備し、上記装置は、上記対象物及び上記当接面の画像を生成する撮像デバイスを有し、上記位置合せユニットは、上記対象物の上記モデル及び上記当接面の上記モデルと上記生成された画像とを位置合わせすることにより、上記当接面と上記対象物の上記モデルとを位置合わせするよう構成されることが更に好ましい。これは、特に信頼性が高い位置合せを可能にする。
【0022】
撮像デバイスは、好ましくは、対象物及び当接面のX線投影画像を生成する蛍光透視デバイスである。好ましくは当接面のモデルは、エネルギー放出要素の少なくとも位置及び大きさを示し、例えば、対象物のモデル上に配置されるモニタに示されることができる。対象物の好ましくは3次元モデルと当接面の好ましくは3次元モデルとの位置合せは、投影画像を好ましくは使用し、好ましくは既知の2D3D位置合せ技術により実行される。これらの2D3D位置合せ技術は、2D表現及び3D表現の両方において容易に特定されることができる要素を一般に使用する。これらの要素は、例えば対象物が患者若しくは患者の部分である場合には骨であり、又は、患者において使用されることができるが技術的な対象物においても使用されることができる造影剤である。これらの既知の2D3D位置合せ技術は、例えば、Circulation 2005, 112:3769-3776 and Lancet 2003, 362:1877-1882に開示される。
【0023】
本発明の更なる側面によれば、対象物にエネルギーを印加する方法が与えられる。この場合、エネルギー放出要素により互いに独立してエネルギーが上記対象物に出力される。好ましくは上記エネルギー放出要素が、上記対象物にエネルギーを印加する間、上記対象物の表面に対して接する当接面に配置される。
【0024】
本発明の更なる側面によれば、対象物にエネルギーを印加するためのコンピュータープログラムが与えられる。このプログラムは、請求項1に記載の装置を制御するコンピュータでコンピュータープログラムが実行されるとき、上記コンピュータに、請求項12に記載の方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を有する。
【0025】
請求項1に記載の装置、請求項12に記載の方法及び請求項14に記載のコンピュータープログラムは、従属項に記載されるのと類似する及び/又は同一の好ましい実施形態を持つ点を理解されたい。
【0026】
発明の好ましい実施形態が個別の独立した請求項と従属項との任意の組合せとすることができる点を理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に基づき対象物にエネルギーを印加する実施形態を図式的に示す図である。
【図2】第1の状態におけるバスケットを有するエネルギー放出要素の構成を図式的に示す図である。
【図3】第2の状態におけるエネルギー放出要素の構成を図式的に示す図である。
【図4】エネルギー放出要素の構成のスプラインを図式的に示す図である。
【図5】対象物の表面と接触するエネルギー放出要素の構成を図式的に示す図である。
【図6】対象物の3次元モデル上に配置されるエネルギー放出要素の構成の当接面のモデルを図式的に示す図である。
【図7】対象物にエネルギーを印加するためエネルギーを印加する装置のための制御ユニットを示す図である。
【図8】本発明に基づくエネルギー放出要素の構成の別の実施形態を図式的に示す図である。
【図9】本発明に基づき対象物にエネルギーを印加する方法を示すフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明のこれらの及び他の態様が、以下に説明される実施形態より明らとなり、これらの実施形態を参照して説明されることになる。
【0029】
図1は、対象物にエネルギーを印加する装置1を示す。装置1は、カテーテル6及びエネルギー放出要素の構成7を有する。エネルギー放出要素の構成7は、カテーテル6を介して制御ユニット5に接続される。エネルギー放出要素の構成7を備えるカテーテル6は、対象物2に導入されることができる。本実施形態において、この対象物は、患者テーブル4上に配置される患者3の心臓である。
【0030】
構成7及びカテーテル6の対象物2への導入の間、本実施形態においては蛍光透視デバイスである撮像デバイス12が、対象物2及び構成7の画像を生成する。構成7が既に対象物2内に配置されている場合も、この撮像デバイス12は、好ましくは、対象物2及び構成7の画像を生成する。
【0031】
他の実施形態においては、対象物は、例えば、患者又は技術的な対象物の別の中空器官とすることができる。特に中空の技術的な対象物は、その内部表面がエネルギーで治療されなければならないものである。
【0032】
撮像デバイス12、即ち本実施形態における蛍光透視デバイス12は、蛍光透視制御ユニット11により制御されるX線源9及び検出ユニット10を有する。蛍光透視デバイス12は、対象物2及び構成7のX線投影画像を既知の態様において生成する。X線源9のX線は、矢印35により図式的に示される。
【0033】
別の実施形態では、対象物2及び構成7を有する画像を生成するのに、蛍光透視デバイスの代わりに別の撮像デバイスが使用されることができる。対象物2及び構成7の画像を生成するのに、例えば、磁気共鳴イメージングデバイス、超音波イメージングデバイス又はコンピュータ断層撮影イメージングデバイスが使用されることができる。
【0034】
構成7及びカテーテル6の実施形態は、その詳細が図2において図式的に示される。構成7は、構成7のエネルギー放出要素19が対象物の表面に接する当接面36上に配置される第1の状態と、構成7がより小さな空間を占め、構成7が対象物2に導入されることを可能にする第2の状態との間で変更可能である。図2において、構成7は、その第1の状態において示される。構成7は、複数のスプライン16から構成されるバスケットを有する。スプラインには、エネルギー放出要素19(正方形により示される)及び感知要素17、18(円及び三角形により示される)が付けられる。図2におけるエネルギー放出要素19及び感知要素17、18の分布は、図式的かつ例示的なものにすぎず、本発明を特定の分布に限定するものではない。好ましくは、エネルギー放出要素19は、スプライン16及び当接面36に沿って均一に分散され、感知要素17、18は、エネルギー放出要素19に対してできるだけ近くに配置される。
【0035】
図2に示される第1の状態において、バスケットのスプライン16は、実質的に楕円体又は球面物体を形成する。従って、第1の状態において、当接面36は、好ましくは楕円体又は球面物体の表面である。対象物2にエネルギーを印加するため、対象物2にエネルギーを印加する間及び対象物2の表面を感知する間、エネルギー放出要素19及び感知要素17、18の位置が対象物2の表面に対して不変であるよう、当接面36が対象物2の表面に接する。好ましくは、対象物の表面に対するエネルギー放出要素19及び感知センサ17、18のこの固定された位置は、スプライン16、従って、バスケットの弾性特性により実現される。スプライン16のこの弾性は結果として、弾性力を生じさせ、この力は、対象物の表面に対してエネルギー放出要素19及び感知要素17、18を押す。スプライン16の弾性は、対象物の表面に対して当接面36を従わせ、及び対象物2の運動に従わせることも可能にする。一方、エネルギー放出要素19及び感知要素17、18は、連続して対象物の表面と接触する。また、他の実施形態においては、対象物2が移動する場合であっても、エネルギー放出要素と感知要素との間の対象物の表面に対する距離は、連続して一定のままである。
【0036】
スプライン16は、ニチノールでできているワイヤを有する。構成7を展開するため、即ちバスケットの展開のため、ニチノールの記憶合金が使用される。ニチノールワイヤは、ばねとして予め形成され、弾力的である。図3に図式的に示される、構成7がより小さな空間を占める第2の状態において、バスケットのスプライン16はカテーテル軸37内に配置される。特に、カテーテル軸37内の小さなパイプに配置される。構成7を展開するため、即ち第2の状態から第1の状態へと変化させるため、スプライン16はカテーテル軸37から移動される。この場合、ニチノールワイヤの記憶効果のため、構成7が当接面36を形成する。
【0037】
図3は、概略的な表示のみを示す。バスケットの第2の状態をより明白に説明するため、スプラインの数が減らされ、エネルギー放出要素及び感知要素が図示省略されているが、それらはきちんと存在している。
【0038】
当接面36の遠位部分に、エネルギー放出要素20が配置される。即ち、エネルギー放出要素20は、構成7の先端に配置される。スプライン16が少なくともほぼ完全にカテーテル軸37内に配置される場合、これは対象物2の特定の位置にエネルギーを印加することを可能にする。この場合、スプライン16の小さな部分だけ、即ち少なくとも放出要素20だけが、カテーテル軸37の外側に配置される。従って、構成7が第2の状態にある場合であっても、エネルギーが対象物2の特定の位置に印加されることができる。
【0039】
各エネルギー放出要素19、20に対して、エネルギーを印加するためのライン30が接続される。少なくともいくつかのエネルギー放出要素19、20が、互いに独立して対象物2にエネルギーを印加することができるよう、エネルギー放出要素19、20は、1つ又は複数のエネルギー源にこのライン30を介して接続される。各エネルギー放出要素19、20が分離して処理されることができるよう、即ち、各放出要素19、20が、他のエネルギー放出要素19、20によりもたらされるエネルギーの可能な印加とは独立してその対象物にエネルギーを印加することができるよう、エネルギー放出要素19、20が1つ又は複数のエネルギー源にライン30を介して接続されることが好ましい。
【0040】
エネルギー放出要素19、20は、本実施形態においては光学ファイバ拡散器である。この拡散器は、本実施形態では光学ファイバであるライン30を介して、1つ又は複数の光源に、好ましくはレーザーに接続される。本実施形態においては、各光学ファイバ拡散器19、20は、それぞれ光学ファイバ拡散器19、20を分離して処理するために、1つ又は複数の分離したレーザーデバイスに光学ファイバ30を介して接続される。他の実施形態においては、追加的又は代替的に、放出エネルギー要素19、20は、マイクロレンズ又は電気エネルギーを印加するための電極とすることができる。
【0041】
光学ファイバ拡散器19、20は、1つ又は複数のレーザーデバイスに接続されることができる。その結果、レーザーデバイスのレーザー光線が例えばビームスプリッタにより分割された後、各光学ファイバ拡散器19、20を分離して処理するため、各光学ファイバ拡散器が個別のレーザー光線に接続される。その場合、各個別のレーザー光線の強度が、修正されることができる。代替的に、各光学ファイバ拡散器19、20に対して複数のレーザーデバイスの1つが割り当てられるよう、各光学ファイバ拡散器19、20が個別のレーザーデバイスに接続されることができる。
【0042】
エネルギー放出要素19、20及び感知要素17、18は、例えば、接着によりニチノールワイヤに付けられる。
【0043】
各スプラインは、生体適合材料でできている弾性ケースにより囲まれる。斯かる弾性ケース38におけるスプライン16の一部が、図4に図式的に示される。図4には、エネルギー放出要素19、20の一部だけが示される。更なるエネルギー放出要素19及び感知要素17、18がケース38に配置されるが、これらの要素は図4においては省略されている。ケース38は光学的に透明な窓39を有する。この窓は、放射線がケース38から出て行くことを可能にするよう、エネルギー放出要素19、20の位置に配置される。代替的に、完全に光学的に透明なケースが使用されることができる。後者の場合、光学的に透明なウィンドウが更に必要とされることはない。
【0044】
本実施形態において、感知要素17、18は電気センサ17及び温度センサ18である。電気センサ17は対象物の電位を測定し、温度センサ18は対象物の温度を測定する。これらの感知要素17、18は好ましくは、エネルギーの印加の間、電位又は温度といった対象物の特性を監視するために使用される。
【0045】
温度センサ18は、例えば、熱電対又は温度の光ファイバ計測を介して温度を電気的に測定することを可能にする。
【0046】
これらの温度測定及び電気センサ17による電気的感知は、エネルギー放出要素19、20による光学エネルギーの印加と干渉しないので、対象物2の感知及びエネルギーの印加が同時に実行されることができる。これは、エネルギーが対象物に印加される間、対象物の、特に対象物表面の特性を監視することを可能にする。例えば、切除手順を実行するためにエネルギーが印加される場合、切除手順の間、この手順の進展が監視されることができる。
【0047】
別の実施形態では、交互にエネルギーを印加し、及び対象物を感知する、時間多重方法が使用されることができる。
【0048】
センサ要素は、対象物の表面から反射される光を感知する分光センサを有することもできる。反射光は、対象物の分光試験のため、光学ファイバを介して分光器に送信される。
【0049】
感知要素17、18は、個々に処理されることができる。例えば、電位センサ又は温度センサといった電気的センサが、ワイヤにより個々に接触され、光学センサは、光学ファイバを介して個々に接触される。これは好ましくは、各感知要素が分離したライン30を介して接触されることを意味する。
【0050】
図5は、当接面36が肺静脈31の小孔周辺で対象物の表面40に接する第1の状態で、患者の心臓に配置される構成7を図式的に示す。即ち本実施形態では、当接面36の一部が、対象物の表面40に接する。エネルギー放出要素19は、小孔又は肺静脈31周辺の心臓組織を変性させるため、互いに独立して対象物の表面40にエネルギーを、本実施形態では光エネルギーを印加することができる。
【0051】
図5は、説明の便宜上ケース及び感知要素が省略された構成7の2つのスプラインだけを図式的に示す。にもかかわらず、図5に示される状況でも、構成7は異なるスプラインを有する。その場合、各スプラインは、好ましくは例えば上述され、並びに図2及び図4において概略的に示されるようにケース内で囲まれる複数のエネルギー放出要素及び感知要素を含む。
【0052】
本実施形態において、対象物にエネルギーを印加する装置1は、対象物2の3次元モデルを具備する。この3次元モデルは、例えば、コンピュータ断層撮影デバイス、磁気共鳴イメージングデバイス又は超音波イメージングデバイスといった撮像デバイスによって対象物2の画像を生成することにより、対象物2を分割することにより、及び例えば、分割された対象物2をレンダリングすることにより、生成されることができる。更に、対象物にエネルギーを印加する装置1は、当接面36のモデルを更に具備する。このモデルは、本実施形態において、当接面36におけるエネルギー放出要素19、20の大きさ及び位置を有する。対象物2の3次元モデル21及び当接面36のモデル22が、図6において図式的に示される。当接面36のモデル22は、蛍光透視デバイス12により生成される画像を用いて、対象物の3次元モデル21と位置合わせされる(registered)。この位置合せは、装置1の位置合せユニット8により実行される。
【0053】
位置合せユニット8は、撮像デバイス12により生成される画像に対して対象物2の3次元モデル21を位置合わせするよう構成される。生成される画像は、本実施形態では、2次元投影画像である。対象物の3次元モデルを2次元投影画像に位置合わせするため、既知の2D3D位置合せ方法が使用されることができる。
【0054】
更に、位置合せユニット8は、撮像デバイス12により生成される画像に対して当接面36のモデル22を位置合わせするよう構成される。ここでも、この位置合せのため、既知の2D3D位置合せ方法が使用されることができる。両方のモデル21、22が2次元投影画像に対して位置合わせされるので、これらの2つのモデル21、22は、互いに対して位置調整される。
【0055】
対象物にエネルギーを印加する装置1は、視覚化デバイスを更に有する。この視覚化デバイスは、本実施形態において、モニタ13であり、対象物2の3次元モデル21及び当接面36のモデル22を示すよう構成される。対象物にエネルギーを印加する装置1は、ユーザが対象物の3次元モデル21上に経路23を引くことを可能にするマウス又はキーボードといった入力デバイス15を更に有する。この経路に沿って、エネルギーが対象物2に印加されることになる。この経路23に基づき、エネルギー放出要素の決定ユニット41は、この経路23上にある又はこの経路のできるだけ近くに配置される当接面36のモデル22のエネルギー放出要素を決定する。図6において、これらの決定されたエネルギー放出要素24が×印で示される。
【0056】
図6に示される例において、3次元モデル21は、肺静脈の小孔25を示す心臓の3次元モデルである。小孔25周辺の心臓組織が変性させられるべきである。従って、ユーザは肺静脈の小孔25を取り囲む経路23を入力した。×印を伴い示されるエネルギー放出要素24が、経路23上に又は経路の近くに配置され、続く切除手順の間、×印の付いたエネルギー放出要素24を介して、エネルギーが対象物2に印加されるだろう。
【0057】
エネルギーが対象物に印加されるべきである他の経路が、本発明に基づき提供されることができる。例えば、線形切除手順のため、開いた経路が、この経路に沿ってエネルギーを印加するために使用されることができる。開いた経路は、実質的に線形であり、肺静脈の2つの小孔を接続するものである。
【0058】
エネルギーが印加されないという隙間無しに、エネルギーが個別の経路に沿って連続して印加されるよう、即ち、空間的に連続的な態様でエネルギーが対象物に印加されるよう、エネルギー放出要素24は決定される。
【0059】
オプションで、対象物にエネルギーを印加する装置1は、経路決定ユニット14を更に有する。この決定ユニットは、対象物の3次元モデル21における経路23を自動的に決定する。この場合、経路決定ユニット14は、対象物の特性を決定するため、対象物の3次元モデル21及び/又は感知要素の感知値を受信し、及び経路決定ユニット14は、対象物の所望の処置に基づき、対象物のモデル21及び/又は決定された特性から経路23を決定する。対象物が心臓であり、かつモデル21及び/又は感知値から決定される、例えば、感知電極を使用することで生成される心臓の電位画像から決定される経路が、肺静脈の小孔を囲まなければならない場合、経路が小孔のエッジに対して所与の距離を持ち肺静脈の小孔を囲むよう、この経路は決定される。所与の距離は、医師といったユーザにより前もって決定されることができる。決定された経路は、視覚化デバイス13上に示される。
【0060】
ユーザが対象物の3次元モデル21上の経路23及び/又は追加的な経路状態を変更することができるよう、入力デバイス15は構成される。更に、入力デバイス15は、エネルギーを印加するべきであると決定された放出要素24を変更するために構成される。更に、対象物にエネルギーを印加する装置1は、経路23を示すか否かに関係なく、エネルギーを印加するべきエネルギー放出要素24をユーザが直接選択することを可能にするよう構成されることができる。
【0061】
図7は、対象物にエネルギーを印加する装置1の制御ユニット5を図式的に示す。本実施形態において、制御ユニット5は、複数の光源、特に、レーザーデバイス26...26を有する。ここで、これらのレーザーデバイスの数Nは、構成7の分離したエネルギー放出要素19、20の数に対応する。各レーザーデバイス26...26は、分離したエネルギー放出要素19、20に結合される。制御ユニット5は、感知要素17、18から感知値を受信する特性決定ユニット27を更に有する。特性決定ユニット27は、これらの感知値から対象物2の特性、例えば、温度又は電位を決定する。これらの特性は、決定された特性が所与の動作範囲内にあるかどうかを決定する偏差決定ユニット28に送信される。決定された特性が所与の動作範囲内にない場合、警報信号ユニット29は、決定された特性が範囲外にあることを示す音響又は光学信号を出力する。好ましくは、対象物の少なくとも1つの決定された特性が範囲外にあると偏差決定ユニット28が決定する場合、制御ユニット5は、対象物に印加されるエネルギーの強度を自動的に減らし、例えばエネルギーの印加を止める。
【0062】
図8は、構成7の代わりに図2に示される装置1と共に使用されることができる、エネルギー放出要素33の構成32の別の実施形態を示す。エネルギー放出要素33の構成32はメッシュである。メッシュのグリッド点は、感知電極34を形成し、このグリッド点の間の接続部分は、エネルギー放出要素33を形成する。互いに独立にこれらの要素を処理するため、エネルギー放出要素33及び感知要素34の一部又は全部は、分離して接触される。エネルギー放出要素33及び感知要素34は、好ましくは電極である。
【0063】
図5及び図6において、上記構成7は、肺静脈の1つの小孔をカバーするものとして示されるが、肺静脈の2つの小孔をカバーすることができるよう、切除面が必要な大きさにされることもできる。
【0064】
以下、本発明に基づき対象物にエネルギーを印加する方法が、図9に示されるフローチャートを参照して更に詳細に説明されることになる。
【0065】
ステップ101において、対象物にエネルギーを印加する装置1に対して対象物2の3次元モデル21が提供される。更に、対象物にエネルギーを印加する装置1に対して当接面36のモデル22が提供される。
【0066】
ステップ102において、内側対象物の表面に対するエネルギー放出要素の位置が、続く手順の間一定のままであるよう、エネルギー放出要素の構成7を第2の状態から当接面36が対象物2の内部表面に対して接する第1の状態へと移すため、対象物2内に既に配置されるエネルギー放出要素の構成7が展開される。
【0067】
ステップ103において、撮像デバイス12は対象物2及び当接面36の画像を生成し、この画像は位置合せユニット8へ転送される。
【0068】
対象物2の3次元モデル21及び当接面36のモデル22は、画像生成デバイス12の画像を使用することで、互いに位置合わせされる。
【0069】
位置合わせされたモデル21、22が、視覚化デバイス13に視覚化され、対象物2の3次元モデル21における経路が、入力デバイス15を介して対象物にエネルギーを印加する装置1に入力されることができる。デフォルトとして、経路決定ユニット14は、デフォルト経路を決定することができる。このデフォルト経路は、視覚化デバイス13上で視覚化され、入力デバイス15を用いてユーザにより変更されることができる。
【0070】
ステップ106において、当接面36に対して所与の経路をできるだけ良好にマッピングするために、所与の経路上に配置される又は所与の経路の近く配置されるエネルギー放出要素24が、エネルギー放出要素の決定ユニット41により決定される。対象物にエネルギーを印加するべき、これらのエネルギー放出要素の位置は、入力デバイス15を介してユーザにより変更されることができる。
【0071】
ステップ107において、ステップ106において決定され及び可能であればユーザにより変更されたエネルギーが、エネルギー放出要素により対象物に印加される。対象物にエネルギーを印加する間、対象物の特性が、感知要素17、18、特性決定ユニット27及び偏差決定ユニット28により監視される。
【0072】
対象物にエネルギーを印加する装置1に入力デバイス15を用いてユーザが対応する停止信号を入力する場合、特性決定ユニット27が、所定の特性に対応する対象物の特性に望ましい変化が起きたと決定する場合、又は、対象物の特性のうちの少なくとも1つが範囲外であることを偏差決定ユニット28が決定する場合、ステップ108においてエネルギーの印加が止められる。
【0073】
対象物にエネルギーを印加する装置1を用いる上述の方法は、エネルギー放出要素の構成7を対象物に対して大雑把に配置することを可能にする。なぜなら、対象物にエネルギーが印加されなければならない正確な経路は、切除面36の位置決めにより決定されるのではなく、ステップ106におけるエネルギー放出要素の決定及び可能であれば変更により決定されるからである。従って、時間を消費するエネルギー放出要素の位置決めは省略されることができる。
【0074】
対象物、例えば心臓の3次元モデルは、純粋な生体構造モデル又は感知電極により測定される電位を用いる電気生体構造モデルとすることができる。
【0075】
エネルギー放出要素のエネルギーは、時間調整された態様で並行して又は自動的に印加されることができる。更に、成功したエネルギー印加、特に成功した切除、即ち心臓組織の電気的絶縁は、エネルギー放出要素の構成7における感知要素により確認されることができる。
【0076】
エネルギー放出要素の構成7の感知要素は、対象物組織、特に心臓組織の電気生体構造マッピングを提供する。このマッピングは、肺静脈の小孔といった関連構造を検出するために使用されることができる。この電気生体構造マッピングは、対象物のモデルを決定するため、及び放出要素の構成の当接面のモデルと対象物のモデルとを位置合わせするために使用されることもできる。
【0077】
ステップ107において、対象物、特に、心臓組織においてあまりに高い温度が回避されるよう、対象物に印加されるエネルギーが制御されることができる。従って、温度があまりに高くなる場合、制御ユニット5が好ましくは、対象物に印加されるエネルギーを減らす。心臓組織の場合一般に、80℃より上の温度は高すぎることになる。
【0078】
心臓の4つのチャンバをマッピングするため、心臓の4つのチャンバにおける切除のため、肺静脈の電気的絶縁のため、及び基板修正のため、本発明が使用されることができる。
【0079】
光源26...26は、960ナノメートルから1100ナノメートルの範囲の波長を持つ好ましくは赤外線レーザーデバイスである。
【0080】
更に、注目する構造の位置、例えば肺静脈の小孔の位置が、感知要素によって対象物の表面で電位を感知することにより位置決めされることができる。注目する構造の位置は幾何的マップにマッピングされることができ、肺静脈の小孔の位置及びサイズに関するこの幾何的情報が、対象物、特に患者の心臓の3次元モデルにマッピングされることができる。エネルギーが印加されなければならない経路をユーザが入力することを可能にするため、又は斯かる経路を自動的に決定することを可能にするため、小孔のサイズ及び位置が視覚化デバイス13により対象物の3次元モデル上に示されるだろう。
【0081】
上記において蛍光透視デバイスは撮像デバイスとして説明されたが、対象物及びエネルギー放出要素の構成を特にリアルタイムに視覚化するため、別の撮像デバイス、例えば、磁気共鳴デバイス又は超音波イメージングデバイスが使用されることができる。
【0082】
例えば線形周囲切除(circumferential ablation linear)のため、及び/又は体節切除、及び/又は単一の点切除のため、対象物にエネルギーを印加する装置1が使用されることができる。
【0083】
本発明が図面及び前述の説明において詳細に図示され及び説明されたが、斯かる図示及び説明は、説明的又は例示的であると考えられ、本発明を限定するものではない。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。
【0084】
図面、開示及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示された実施形態に対する他の変形が、請求項に記載された発明を実施する当業者により理解され及び遂行されることができる。
【0085】
請求項において、単語「有する」は他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数性を除外するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、請求項において詳述される複数のアイテムの機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。
【0086】
コンピュータープログラムは、他のハードウェアと共に又はその一部として光学的記憶媒体又は固体媒体といった適切な媒体に格納/配布されることができるが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介してといった他の形式で配布されることもできる。
【0087】
請求項における任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物にエネルギーを印加する装置であって、前記装置は、前記対象物にエネルギーを出力するエネルギー放出要素の構成を有し、前記エネルギー放出要素の少なくともいくつかが、互いに独立に前記対象物にエネルギーを放出するよう構成される、装置。
【請求項2】
前記エネルギー放出要素の構成が、前記対象物にエネルギーを印加する間当接面を有し、前記エネルギー放出要素は、前記当接面上異なる位置に配置され、前記当接面が、対象物の表面に接することができる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記対象物の表面に適応するよう、前記当接面が弾性的である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記エネルギー放出要素の構成が当接面として形成される第1の状態と、前記エネルギー放出要素の構成が前記第1の状態より少ない空間を占める第2の状態との間で、前記エネルギー放出要素の構成が変更可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記エネルギー放出要素の構成が、前記第1の状態へと展開可能であり、前記第2の状態へと折り畳み可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記装置が、前記エネルギー放出要素の構成に結合されるガイド要素を有し、前記ガイド要素から離れた前記構成における位置に、エネルギー放出要素が位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記エネルギー放出要素が、光エネルギーを出力するよう構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記エネルギー放出要素の構成が、前記対象物を感知する感知要素を更に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記装置が、前記エネルギー放出要素によるエネルギー印加を制御する制御ユニットを更に有し、前記感知要素は、前記制御ユニットに感知値を提供するよう構成され、前記制御ユニットが、前記感知値が動作の所与の範囲外にあるかどうかを通知するよう構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置が、前記対象物のモデルと前記対象物の前記モデルにおける所与の経路とを具備し、前記装置は、前記対象物の前記モデルと前記当接面とを位置合わせする位置合せユニットを有し、前記経路に沿って配置される前記位置合わせされた当接面の前記エネルギー放出要素が前記対象物にエネルギーを印加するよう、前記構成が構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記装置が、前記当接面のモデルを具備し、前記装置は、前記対象物及び前記当接面の画像を生成する撮像デバイスを有し、前記位置合せユニットが、前記対象物の前記モデル及び前記当接面の前記モデルと前記生成された画像とを位置合わせすることにより前記対象物の前記モデルと前記当接面とを位置合わせするよう構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
対象物にエネルギーを印加する方法において、エネルギーが、エネルギー放出要素により互いに独立して前記対象物に出力される、方法。
【請求項13】
前記エネルギー放出要素が、前記対象物にエネルギーを印加する間、前記対象物の表面に対して接する当接面に配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
対象物にエネルギーを印加するためコンピュータープログラムであって、請求項1に記載の装置を制御するコンピュータでコンピュータープログラムが実行されるとき、前記コンピュータに、請求項13に記載の方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を有する、コンピュータープログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−510826(P2010−510826A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537756(P2009−537756)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054804
【国際公開番号】WO2008/065609
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】