説明

射出成形機の制御方法

【課題】金型を取り付けた際の型締力の調整時間を短縮することができる射出成形機の制御方法を提供すること。
【解決手段】型締装置(10)のトグルサポート(15)の固定位置を移動して目標型締力に近づくように型締力を調整する。トグルサポート(15)の移動量に応じて金型保護位置を変更する。型締力の調整は、規準金型を型締装置(10)に取り付けて得られた、押込量と対応する型締力との関係から求められた第1の型締力設定値に基づいて行なわれる。型締力の調整は、第1の型締力設定値を用いて型締を行ない、実際の型締力を検出して得られた型締力検出値と目標型締力との差に基づいて行なわれることとしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は成形条件設定方法及び成形機の制御方法に係り、特にトグル機構を用いた型締装置における成形条件設定方法及びトグル機構を用いた型締装置を有する射出成形機の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機等の成形機において、加熱シリンダ内で加熱されて溶融させられた樹脂を高圧で金型装置のキャビティ空間に射出して充填する。キャビティ空間に充填された樹脂は冷却され、固化することにより成形品となる。
【0003】
金型装置は、一般的に、固定金型と可動金型とよりなり、型締装置によって可動金型を固定金型に対して進退させて、型閉、型締及び型開が行なわれる。型締装置は、固定金型が取り付けられる固定プラテン、可動金型が取り付けられる可動プラテン、及び可動プラテンを進退させるための移動機構であるトグル機構を備える。すなわち、トグル機構を駆動して可動プラテンを固定プラテンに対して接近または離間方向に移動することで金型装置の型閉、型締及び型開を行なう(例えば、特許文献1参照。)
上述の型締装置において、トグル機構は、可動プラテンを移動して固定金型に接触させる(型閉)だけでなく、接触させた後に更に押圧する(型締)ことにより所望の型締力を発生させる。工場出荷前には、金型装置のサンプルとなる規準金型(いわゆるテストブロック)を型締装置に取り付けて、規準金型に対して所定の型締力が加わるようにトグル機構の調整が行なわれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−337184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
成形機が出荷され、ユーザのもとで実際に稼動する際には、規準金型ではなく実際の金型装置が取り付けられる。実際の金型装置は、その厚みや剛性において規準金型とは異なるため、規準金型により発生する所定の型締力がそのまま実際の金型装置で得られることは少ない。したがって、実際の金型装置を型締装置に取り付けた際には、トグル機構で所望の型締力を得るために、トグル機構を調整する必要がある。
【0006】
このようなトグル機構の調整は、通常、トグル機構の原点となるトグルサポートの位置を適当な位置に変更することで行なわれる。すなわち、規準金型を取り付けた際に得られる型締力とトグルサポートとの位置関係に基づいて、実際の金型装置の厚みにおいて発生する型締力を算出し、所望の型締力が得られるであろうトグルサポートの位置を決定する。
【0007】
ここで、実際の金型装置の厚みと規準金型の厚みとが異なる場合、その差分だけトグルサポートの位置を変更することで厚みに関する調整を行なうことはできる。しかし、実際の金型装置は、規準金型とは剛性が異なり、型締の際の圧縮変形量が異なる。型締力は金型装置の圧縮変形量によって変化するため、例えば、規準金型よりはるかに低い剛性の金型装置を用いた場合は(すなわち、規準金型より変形しやすい金型装置を用いた場合は)、規準金型に基づいて算出されたトグルサポート位置では、所望の型締力よりはるかに小さな型締力しか発生しないこととなる。
【0008】
また、実際の成形工程では金型の温度変化による熱膨張が加わるため、金型装置に実際に加わる型締力は、規準金型に基づいて算出されたトグルサポート位置とした場合に発生する型締力から更に異なる強さとなってしまう。
【0009】
したがって、実際の金型装置を型締装置に取り付けた際には、まず、規準金型に基づいて算出されたトグルサポート位置から始め、トグルサポート位置を少しずつ変更しながら実際に型締を行ない、所望の型締力になるトグルサポート位置を決定するという作業が必要となる。このように、トグルサポート位置を少しずつ変更しながら実際に型締を行なうという従来の調整作業は時間がかかり面倒な作業である。
【0010】
また、上述のようにトグル機構の動作を変更した場合、金型の押込量が変更されて金型タッチ位置が変更されるため、規準金型を基に設定された金型保護位置をそのまま採用することができないという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上述の問題を解決した新規で有用な成形条件設定方法及び射出成形機の制御方法を提供することである。
【0012】
本発明のより具体的な目的は、型締力の調整を行なう際に金型保護位置等の成形条件位置も補正することができる成形条件設定方法を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、金型を取り付けた際の型締力の調整時間を短縮することができる射出成形機の制御方法を提供することである。
【0014】
上述の目的を達成するために、本発明の一つの面によれば、トグル機構を用いた型締装置に適用される成形条件設定方法であって、該型締装置のトグルサポートの固定位置を移動して目標型締力に近づくように型締力を調整し、該トグルサポートの移動量に応じて成形条件位置を変更することを特徴とする成形条件設定方法が提供される。
【0015】
上述の成形条件設定方法において、型締力の調整は、規準金型を前記型締装置に取り付けて得られた、押込量と該押込量に対応する型締力との関係から求められた第1の型締力設定値に基づいて行なわれることが好ましい。また、型締力の調整は、前記第1の型締力設定値を用いて型締を行ない、実際の型締力を検出して得られた型締力検出値と前記目標型締力との差に基づいて行なわれることとしてもよい。さらに、前記型締力検出値と前記目標型締力との差を第2の型締力設定値とし、前記第1の型締力設定値の代わりに該第2の型締力設定値を用いて型締力の調整を行なうこととしてもよい。
【0016】
上述の成形条件設定方法において、前記成形条件位置は金型保護位置であることとしてよい。あるいは、前記成形条件位置は取出機の成形品取出位置であることとしてもよい。さらに、前記成形条件位置はコア設定位置であることとしてもよい。
【0017】
また、本発明の他の面によれば、トグル機構を用いた型締装置を有する射出成形機の制御方法であって、該型締装置のトグルサポートの固定位置を移動して目標型締力に近づくように型締力を調整し、前記型締装置を駆動して実際の型締力を検出して型締力検出値を求め、該型締力検出値と前記目標型締力との差を求め、該差が所定値を超えている場合は、該差が所定値以下となるまで、該トグルサポート位置を微小に移動して型締を行ない該型締力検出値を求めて前記目標型締力との差を求める動作を繰り返し行なうことを特徴とする射出成形機の制御方法が提供される。
【0018】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことにより、一層明瞭となるであろう。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、トグル機構を調整して型締力の調整を行なう際に金型保護位置、成形品取出位置あるいはコア設定位置などの成形条件位置も補正することができ、金型の保護を含む適切な成形動作を達成することができる。また、実際に使用する金型と規準金型とで、厚みや剛性が大きく異なっていても、実際の金型に用いるべき締付力設定値に近い設定値を容易に得ることができ、その値から調整を始めるので、型締力の調整時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態による金型保護設定方法が実行される射出成形機の型締装置の概略図である。
【図2】型締モータの出力トルクと可動プラテンの位置との関係を示すグラフである。
【図3】金型保護設定処理のフローチャートである。
【図4】図3に示す処理中の型締力補正処理Aのフローチャートである。
【図5】図3に示す処理中の型締力補正処理Bのフローチャートである。
【図6】規準金型に基づいて設定した型締力設定値による可動プラテンの位置を示す図である。
【図7】規準金型に基づいて設定した型締力設定値を実際の型締力と比較して補正する際のトグルサポートと可動プラテンの位置を示す図である。
【図8】実際の型締力を所望の型締力に一致させるための補正を行なう際のトグルサポートと可動プラテンとの位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明による金型保護設定方法は、押出成形装置、ラミネータ、トランスファー成形装置、ダイキャストマシーン、IJ封止プレス等の各種の成形機に適用することができる。本実施の形態においては、説明の都合上、射出成形機に適用した場合について説明する。
【0022】
図1は本発明の第1の実施の形態による金型保護設定方法が実行される射出成形機の型締装置の概略図である。図1において、射出成形機の型締装置10は、フレーム17と、フレーム17に固定された固定金型支持装置としての固定プラテン12と、固定プラテン12との間に所定の距離を置いてフレーム17に対して移動可能に配設されたベースプレートとしてのトグルサポート15とを具備する。トグルサポート15はトグル式型締装置支持装置として機能する。固定プラテン12とトグルサポート15との間には、複数(例えば、四本)のガイド手段としてのタイバー16が延在している。
【0023】
可動プラテン13は、固定プラテン12に対向して配設され、タイバー16に沿って進退(図における左右方向に移動)可能に配設された可動金型支持装置として機能する。金型装置11は、固定金型11aと可動金型11bとから成る。固定金型11aは、固定プラテン12における可動プラテン13と対向する金型取付面に取り付けられる。一方、可動金型11bは、可動プラテン13における固定プラテン12と対向する金型取付面に取り付けられる。
【0024】
なお、可動プラテン13の後端 (図における左端) には、エジェクタピン(図示せず)を移動させるための駆動装置が取り付けられてもよい。
【0025】
可動プラテン13とトグルサポート15との間には、トグル式型締装置としてのトグル機構20が取り付けられる。トグルサポート15の後端にはトグル機構20を作動させる型締用駆動源としての型締モータ26が配設される。型締モータ26は、回転運動を往復運動に変換するボールねじ機構等から成る運動方向変換装置(図示せず)を備え、駆動軸25を進退(図における左右方向に移動)させることによって、トグル機構20を作動させることができる。なお、型締モータ26は、サーボモータであることが好ましく、回転数を検出するエンコーダとしての型開閉位置センサ27を備える。
【0026】
上述のトグル機構20は、駆動軸25に取り付けられたクロスヘッド24、クロスヘッド24に揺動可能に取り付けられた第2トグルレバー23、トグルサポート15に揺動可能に取り付けられた第1トグルレバー21、及び、可動プラテン13に揺動可能に取り付けられたトグルアーム22を有する。第1トグルレバー21と第2トグルレバー23との間、及び、第1トグルレバー21とトグルアーム22との間は、それぞれ、リンク結合される。なお、トグル機構20は、いわゆる、内巻五節点ダブルトグル機構であり、上下が対称の構成を有する。
【0027】
型締モータ26が駆動して、被駆動部材としてのクロスヘッド24を進退させることによって、トグル機構20を作動させることができる。この場合、クロスヘッド24を前進(図における右方向に移動)させると、可動プラテン13が前進させられて型閉が行われる。そして、型締モータ26による推進力にトグル倍率を乗じた型締力が発生させられ、その型締力によって型締が行われる。
【0028】
また、トグルサポート15の後端(図における左端)には、固定プラテン12に対するトグルサポート15の位置を調整するために、型締位置調整装置35が配設される。トグルサポート15には、タイバー挿通孔(図示せず)が複数、例えば、四つ形成され、タイバー16の図における左端が、それぞれのタイバー挿通孔に挿入される。なお、タイバー16の右端は、固定ナット16aによって固定プラテン12に固定されている。
【0029】
タイバー16は、図における左端の外周にねじが形成されたねじ部36を有し、調整ナット37がそれぞれのタイバー16のねじ部36に螺合される。なお、調整ナット37は、トグルサポート15の後端に回転可能に、かつ、タイバー16の軸方向に移動不能に取り付けられる。また、調整ナット37の外周には被駆動用歯車37aが取り付けられている。
【0030】
トグルサポート15の後端における上方部には、型締位置調整用駆動源としての型厚モータ31が配設される。型厚モータ31の回転軸には、駆動用歯車33が取り付けられている。調整ナット37の被駆動用歯車37a及び駆動用歯車33の周囲には、チェーン、歯付きベルト等の駆動用線状体34が架け回されている。そのため、型厚モータ31を駆動して、駆動用歯車33を回転させると、それぞれのタイバー16のねじ部36に螺合された調整ナット37が同期して回転させられる。これにより、型厚モータ31を所定の方向に所定の回転数だけ回転させて、トグルサポート15を所定の距離だけ進退させることができる。なお、型厚モータ31は、サーボモータであることが好ましく、回転数を検出するエンコーダとしての型締位置センサ32を備える。
【0031】
型厚モータ31の回転を調整ナット37に伝達する手段は、タイバー16のねじ部36に螺合された調整ナット37を同期して回転させられるものであれば、いかなるものであってもよい。例えば、駆動用線状体34に代えて、駆動用歯車33及び駆動用歯車33のすべてに係合する大径の歯車をトグルサポート15の後端に回転可能に配設することとしてもよい。
【0032】
本実施の形態では、タイバー16の一つに型締力センサ18が配設される。型締力センサ18は、タイバー16の歪み(主に、伸び)を検出するセンサである。タイバー16には、型締の際に型締力に対応して引張力が加わり、型締力に比例して僅かではあるが伸長する。したがって、タイバー16の伸び量を型締力センサ18により検出することで、金型装置11に実際に印加されている型締力を知ることができる。
【0033】
上述の型締力センサ18、型開閉位置センサ27、型締モータ26及び型厚モータ31は制御装置19に接続され、型締力センサ18及び型開閉位置センサ27から出力される検出信号は制御装置19に送られる。制御装置19は、検出信号に基づいて型締モータ26及び型厚モータ31の動作を制御する。
【0034】
ここで、通常の成形時における動作について説明する。型締モータ26を正方向に駆動させると、ボールねじ軸25が正方向に回転させられ、図1に示されるように、ボールねじ軸25は前進(図1における右方向に移動)させられる。それにより、クロスヘッド24が前進させられ、トグル機構20が作動させられると、可動プラテン13が前進させられる。
【0035】
可動プラテン13に取り付けられた可動金型11bが固定金型11aに接触すると(型閉状態)、型締工程に移行する。型締工程では、型締モータ26を更に正方向に駆動することで、トグル機構20によって金型11に型締力が発生させられる。
【0036】
そして、図示されない射出装置に設けられた射出駆動部が駆動されてスクリュが前進することにより、金型11内に形成されたキャビティ空間に溶融樹脂が充填される。型開きを行なう場合、型締モータ26を逆方向に駆動すると、ボールねじ軸25が逆方向に回転させられる。それに伴って、クロスヘッド24が後退させられ、トグル機構20が作動されると、可動プラテン13が後退させられる。
【0037】
型開工程が完了すると、エジェクタ駆動部(図示せず)が駆動され、可動プラテンに取り付けられたエジェクタ装置が作動する。これにより、エジェクタピンが突き出され、可動金型11b内の成形品は可動金型11bより突き出される。また、エジェクタ駆動部の駆動と同時に、把持手段としての成形品取出機40が駆動され、成形品取出機40のアーム40aが固定金型11aと可動金型11bとの間に進入し、成形品取出位置で停止する。そして、エジェクタピンの前進により可動金型11bから突き出された成形品は成形品取出機40のアーム40aにより把持されて取り出され、射出成形機の外に設けられた搬送手段としてのコンベア装置まで搬送される。
【0038】
ところで、一般のトグル機構を利用した型締装置と同様に、トグル機構20が発生する型締力は、固定プラテン12、トグルサポート15及びタイバー16を含む型締装置10全体のばね定数、すなわち、型締剛性を比例定数として変化する。なお、型締装置10においては、タイバー16以外の部材は圧縮されるのに対して、タイバー16には引張荷重が加わる。さらに、圧縮力が加わる他の部材は、剛性が異なる複数の部材で構成されているのに対して、タイバー16は単一の部材で構成されている。したがって、トグル機構20が発生する型締力は、タイバー16の剛性としてのばね定数を比例定数として、金型装置10の型閉から型締完了までにトグルサポート15が固定プラテン12に対して移動する量に比例して変化すると言える。すなわち、固定プラテン12、トグルサポート15等の部材の剛性が十分に高いので、型締装置10が発生する型締力は、実質的に、四本のタイバー16が弾性変形して伸びることによって発生し、該タイバー16の伸び量に比例すると言える。
【0039】
次に、型締装置を駆動する型締モータ26が発生するモータトルクと、可動プラテン13(すなわち、金型装置11の可動金型11b)の位置との関係について、図2を参照しながら説明する。図2は型締モータ26のモータトルクと可動プラテン13の位置との関係を示すグラフである。
【0040】
図2において、型締モータ26が作動してトグル機構20に接続された可動プラテン13がトグルサポート15側に最も引き寄せられた位置が「型開限位置」であり、この位置で可動金型11bは固定金型11bから最も離れた状態で停止する。
【0041】
「型開限位置」から型締モータ26を駆動して可動プラテンの前進(固定プラテンに接近する方向に移動)を開始させると、型締モータ26のモータトルクは、起動時のトルク上昇によるピーク状態Aを経て安定した移動速度に移行してほぼ一定の状態Bになる。
【0042】
このトルクが一定の状態Bにおいて可動プラテン13が前進し、可動プラテン13がある程度固定プラテン12に接近した時点(すなわち、可動金型11bが固定金型11aにある程度接近した位置)において、型締モータ26の出力制限が開始され、型締モータ26のトルクが所定の低トルクの状態Cとなるように制御される。このモータトルクの制限開始位置が「低圧型締開始位置」に相当する。モータトルクの制限は、可動金型11bがある程度固定金型11aに近づいた時点で、低トルク・低速で前進するように設けられる制限である。すなわち、モータトルクの制限は、例えば異物が可動金型11bと固定金型11aとの間に挟まっていても、金型が損傷しない程度の小さな力で可動金型11bを前進させるために設けられる制限である。
【0043】
可動プラテン13が「低圧型締開始位置」から更に前進して、可動金型11bが固定金型に接触(型タッチ)する寸前の位置(例えば「型タッチ位置」から0.1mm手前の位置)が「昇圧開始位置」となる。「昇圧開始位置」において、型締モータ26の出力制限が解除され、可動プラテン13は固定プラテン12に向かって全速で前進する。すなわち、可動プラテン13は最大推力で前進することが可能となる。したがって、「昇圧開始位置」を過ぎるとトルクが急激に上昇しながら(状態D)可動プラテン13は「型タッチ位置」に到達する。「昇圧開始位置」は、型締力を発生させるためのいわば助走開始位置に相当し、「型タッチ位置」で出力制限を解除すると型締モータ26のトルクを迅速に上昇させることができないため、「型タッチ位置」の僅かに手前からトルク上昇を開始するための位置である。ただし、「昇圧開始位置」から「型タッチ位置」までの距離が大き過ぎると、可動金型11bが必要以上に加速された状態で固定金型11aに接触(衝突)することとなり、金型装置11が損傷するおそれがある。そこで、僅かな助走距離だけを設けることで金型装置を保護している。この意味で、「昇圧開始位置」は「金型保護位置」とも称される。
【0044】
「型タッチ位置」において可動金型11bは固定金型11aに当接して可動プラテン13は前進できなくなるが、型締モータ26のトルク制限が解除されているので、トルクはそのまま上昇を続ける。これにより、型締モータ26のトルクに応じた型締力が金型装置11に印加されることとなる。したがって、型締力は「型タッチ位置」から急激に上昇し、予め設定された設定型締力に到達したところで、型締モータ26は停止され、設定型締力が保持される。型締力が設定型締力に到達した位置が「設定型締力の位置」であり、固定プラテン13の原点として設定される。
【0045】
一般的に、上述の各位置は、この「設定型締力の位置」を原点とし、原点からの距離(例えば、ミリメートル)で表わされる。例えば、原点から「型タッチ位置」まで距離が3mmであれば、原点から「金型保護位置」までの距離は、例えば3.1mmに設定される。
【0046】
次に、上述の型締装置10で行なわれる金型保護設定方法について説明する。図3は本実施の形態による金型保護設定処理のフローチャートである。図4は図3に示す処理中の型締力補正処理Aのフローチャートであり、図5は図3に示す処理中の型締力補正処理Bのフローチャートである。図6は規準金型に基づいて設定した型締力設定値による可動プラテンの位置を示す図である。図7は規準金型に基づいて設定した型締力設定値を実際の型締力と比較して補正する際のトグルサポートと可動プラテンの位置を示す図である。図8は実際の型締力を所望の型締力に一致させるための補正を行なう際のトグルサポートと可動プラテンとの位置を示す図である。
【0047】
型締装置10に新たに金型装置11を取り付けた場合、設定型締力の位置(原点)において所望の型締力(目標型締力Z)が得られるように、図3に示す金型保護設定処理を行なって型締装置10を調整する必要がある。型締装置10の調整は、取り付けられた金型装置11の厚み及び剛性(圧縮変形量)に基づいて、トグルサポート15の位置を変更して行なう。上述のように、トグルサポート15の固定位置調整は、型厚モータ31を駆動してトグルサポート15を前後に移動させることで行なう。
【0048】
図3に示す金型保護設定処理において、まず、型締モータ26を駆動してトグル機構20のトグルを伸ばし、可動プラテン13を型全閉位置まで移動させる(ステップS1)。この際、トグルサポート15は、可動金型11bが固定金型11aに接触しないような位置、すなわち型タッチしない位置まで後退させられている。
【0049】
次に、規準金型を用いた場合に所定の型締力(第1の型締力設定値Z1:例えば、50T)が印加される距離d1だけ型開を行なう(ステップS2)。すなわち、型締モータ26を駆動して型締力設定値Z1が印加される距離だけ可動プラテン13を後退させる。そして、トグル機構20の状態をステップ2の状態に保ったまま、可動金型11bが固定金型11aに接触するまで、すなわち型タッチするまで、型厚モータ31を駆動してトグルサポート15を前進させる(ステップS3)。このときの型締装置10の各部の位置関係を図6(A)に示す。図6(A)に示す状態は、取り付けられた金型装置11が規準金型と同じ厚みと剛性を有する場合において50Tの締付力を発生させることのできる状態である(設定が50Tで補正なしの場合に相当)。
【0050】
続いて、金型装置11と規準金型との相違に起因してトグルのたたみ込み量を変化させたことにより生じる型締力の変化を補正するために、図4に示す型締力補正処理Aが行なわれる。
【0051】
まず、ステップS3における図6(A)に示す状態から、型締モータ26を駆動して可動プラテン13を型開限位置まで後退させる(ステップS11)。続いて、型締モータ26を駆動して可動プラテン13を設定型締力位置(原点)まで前進させ(型全閉)、型締力の昇圧を完了させる。このときの状態を図6(B)に示す。図6(B)に示す状態では、図6(A)に示す状態から、可動プラテン13が距離d1だけ前方に移動していることがわかる。金型装置11が規準金型と同じ厚みで同じ剛性を有している場合、型締力は50Tになるはずである。
【0052】
続いて、制御装置19は、タイバー16に設けられた締付力センサ18から供給される検出信号により、実際に金型装置11に印加されている締付力を検出する(ステップS13)。そして、制御装置19は、実際の締付力である型締力検出値(実績値と称する)が第1の設定型締力Z1(設定値と称する)以上か否かを判定する(ステップS14)。
【0053】
実績値が設定値以上である場合、制御装置19は、実績値と設定値との差Aを取得し(ステップS15)、補正後の型締力設定値BをB=Z−Aにより算出する(ステップS16)。例えば、設定値が50Tであるのに実際に締付力センサ18により検出した実績値が70Tであった場合、差Aは70T−50T=20Tとなる。そこで、補正後の型締力設定値Bは50T−20T=30Tに設定される。
【0054】
一方、実績値が設定値より小さい場合、制御装置19は、設定値と実績値との差Aを取得し(ステップS17)、補正後の型締力設定値BをB=Z+Aにより算出する(ステップS18)。例えば、設定値が50Tであるのに実際に締付力センサ18により検出した実績値が30Tであった場合、差Aは50T−30T=20Tとなる。そこで、補正後の型締力設定値Bは50T+20T=70Tに設定される。
【0055】
ステップS16又はステップS18において補正後の型締力設定値Bが算出された後、制御装置19は補正後の型締力設定値Bが0以上か否かを判定する(ステップS19)。補正後の型締力設定値Bが0以上の場合は、補正後の型締力設定値Bにより所望の型締力が得られるかそれに近づくと判断して、補正後の型締力設定値Bを第2の型締力設定値Z2として設定する(ステップS20)。一方、補正後の型締力設定値Bが0より小さい場合は、補正後の型締力設定値Bでは適切な補正ができないと判断して、補正後の型締力設定値Bは採用せずに、最初の第1の型締力設定値Z1を第2の型締力設定値Z2として設定する(ステップS21)。補正後の型締力設定値Bが0より小さい場合の例としては、型締力0Tと設定した場合が該当する。通常、型締力設定値が0Tの場合でも、金型同士が型タッチした際に、型締装置の慣性力によってタッチ圧が発生してしまう。この場合には、補正後の型締力設定値Bが0より小さくなり、補正後の型締力設定値Bでは適切な補正ができないと判断して、補正後の型締め力設定値Bは採用しない。
【0056】
次に、型締モータ26を駆動して可動プラテン13を「型開限位置」まで移動する(ステップS22)。その後、型厚モータ31を駆動して、トグルを型全閉位置(すなわち、「設定締付力の位置」)まで伸ばしても型タッチしない位置まで、トグルサポート15を後退させる(ステップS23)。
【0057】
以上により型締力補正処理Aが完了し、金型装置11の剛性の違いによる型締力設定値が補正される。
【0058】
次に、処理は図3のステップS5に進み、型締モータ26を駆動してトグルを伸ばし、可動プラテン13を型全閉位置(すなわち、「設定締付力の位置」)まで移動する。このとき、ステップS23においてトグルサポート15を後退させているので、型タッチする手前で可動プラテン13は停止する。
【0059】
続いて、ステップS20又はS21にて設定した第2の型締力設定値Z2に基づいて、型締モータ26を駆動して可動プラテン13を後退させる(ステップS6)。そして、このときの可動プラテン13の位置を「型タッチ位置」として、「金型保護位置」を補正する(ステップS7)。具体的には、ステップS7における「型タッチ位置」が4mmであった場合、「金型保護位置」は4mm+0.1mm=4.1mmとなるように補正する。以上により本発明による金型保護設定方法による金型保護設定処理が達成される。
【0060】
以上のように、トグル機構を調整して型締力の調整を行なう際に金型保護位置も補正することで、適切に金型の保護を達成することができる。
【0061】
次に、型厚モータ31を駆動して、可動金型11bが固定金型に接触するまでトグルサポート15を前進させる(ステップS8)。このときの状態が図7(B)に示された状態である。図7(A)は、規準金型に基づいて得られた第1の型締力設定値Z1による金型タッチ状態を示す図であり、図7(B)に示す状態では、トグルサポートの位置が、第2の型締力設定値Z2に補正された結果、トグルサポート15の位置がΔxだけ変更されていることがわかる。
【0062】
例えば、金型装置11で型締力50Tを得るために、規準金型に基づく設定値に20Tを加えた型締力設定値の補正を行なった場合、型タッチ位置から設定型締力の位置までの距離を、追加した型締力20Tに相当する距離Δxだけ増やす必要がある。これを達成するために、トグルサポート15の位置はΔxだけ前進した位置に設定される。この状態が図7(B)に示された状態である。図7(C)は、図7(B)に示す状態から補正後の型締力設定値Z2に基づいて型締を行ない、可動プラテン13が「設定型締力の位置」まで押し込まれた状態を示している。
【0063】
また、成形品取出機40を用いて成形品を取り出す場合には、固定金型11aと可動金型11bとの設定距離が変更されているため、成形品取出位置についても補正を行なう必要がある。この場合にも、金型保護位置と同様に、型締力補正処理Aにより型締力補正を行なった後、ステップS7において、成形品取出位置の補正を行なうことができる。
【0064】
ここで、成形品取出位置は、可動プラテン13の位置ではなく、型開が完了したときの可動プラテン13に対する成形品取出機40のアーム40aの位置に相当する。すなわち、型締力調整により図7(B)に示すようにトグルサポート15の位置をΔxだけ前に移動した場合、金型装置11を開いた状態、すなわちトグルを畳み込んで可動プラテン13を後退させた状態において、可動金型11bもΔxだけ前に移動した状態となる。可動金型11bがこの位置になったときに、成形品取出機40のアーム40aが可動金型11bに向かって移動し、可動金型11bに保持されている成形品を把持する。したがって、図7(D)に示すように、成形品取出機40のアーム40aが成形品を把持するためのアーム40aの位置も、Δxだけ前に移動しておく。
【0065】
さらに、可動金型内において、キャビティ空間を形成するコアを前後進駆動することにより、成形品を圧縮させるコア圧縮成形を行なう場合にも、固定金型11aと可動金型11bとの設定距離が変更されているため、コアの設定条件を補正することが必要となる。この場合にも、金型保護位置補正と同様に、型締力補正処理Aにより型締力補正を行なった後、ステップS7において、コア設定位置の補正を行なうことができる。
【0066】
以上の処理による型締力の補正は、規準金型に基づいて計算した、あるいは規準金型に基づいて予め作成されたプラテン位置と型締力との関係を記録したテーブルを参照して、型締力設定値を補正したものである。したがって、実際に金型装置11で発生する型締力が、設定したい所望の型締力である目標型締力に正確に一致するとは限らない。そこで、本実施の形態では、図3のスッテプS9に示す型締力補正処理Bを行ない、実際の型締力がより一層目標型締力に近づくように補正する。図4は型締力補正処理Bのフローチャートである。
【0067】
型締力補正処理Bでは、まず、型締モータ26を駆動して可動プラテン13を「型開限位置」まで後退させる(ステップS31)。次に、型締モータ26を駆動して可動プラテン13を「設定型締めの位置」まで前進させて型全閉を行ない、締付力の昇圧を完了させる(ステップS32)。このときの状態を図7(C)に示す。
【0068】
昇圧が完了したら、型締力センサ18の出力信号により実際の型締力を検出する(ステップS33)。そして、型締力設定値(すなわち、目標型締力)と実際の型締力の検出値との差を確認する(ステップS34)。
【0069】
設定値から検出値を引いた値(設定値−検出値)が所定の閾値C(C>0)以上であると判定されると(ステップS35)、型厚モータ31を駆動してトグルサポート15を、所定の設定時間あるいは所定の設定距離だけ前進させる(ステップS36)。例えば、設定値が50Tであった場合で実際に検出された型締力の検出値が49Tであったような場合には、50T−49T=1Tが閾値C以上であるかを判定する。例えば閾値Cが0.2Tに設定されている場合は、(設定値−検出値)=1Tが閾値C=0.2T以上であり、型締力が不足していると判断して、ステップS36においてトグルサポート15を、所定の設定時間(例えば、1秒)あるいは所定の設定距離(例えば、0.1mm)だけ前進させる。この際、可動プラテン13は後退させて金型装置11が開いている状態でトグルサポート15を移動する。すなわち、トグルサポートを少しづつ前進させることで、型締力を少しずつ増大させて、(設定値−検出値)を閾値Cより小さくする。
【0070】
また、検出値から設定値を引いた値(検出値−設定値)が所定の閾値C(C>0)以上であると判定されると(ステップS37)、型厚モータ31を駆動して可動プラテン15を、所定の設定時間あるいは所定の設定距離だけ後退させる(ステップS38)。例えば、設定値が50Tであった場合で実際に検出された型締力の検出値が51Tであったような場合には、51T−50T=1Tが閾値C以上であるかを判定する。例えば閾値Cが0.2Tに設定されている場合は、(検出値−設定値)=1Tが閾値C=0.2T以上であり、型締力が大きすぎると判断して、ステップS38においてトグルサポート15を、所定の設定時間(例えば、1秒)あるいは所定の設定距離Δy(例えば、0.1mm)だけ後退させる。このときの状態を図8(B)に示す。この際、可動プラテン13は後退させて金型装置11が開いている状態でトグルサポート15を移動する。すなわち、トグルサポートを少しづつ後退させることで、型締力を少しずつ減少させて、(検出値−設定値)を閾値Cより小さくする。
【0071】
一方、検出値から設定値を引いた値(検出値−設定値)又は設定値から検出値を引いた値(設定値−検出値)が所定の閾値Cより小さいと判定された場合は(ステップS39)、実際の締付力は設定値に十分に近い値である。したがてって、それ以上の型締力の補正は必要ないと判断して、トグルサポート15の移動は行なわない。
【0072】
ステップS36又はステップS38又はステップS39の後、型締モータ26を駆動して可動プラテン13を「設定型締力の位置」まで前進させて型全閉を行なって型締力の昇圧を完了させる(ステップS41)。昇圧が完了した状態で、(設定値−検出値)又は(検出値−設定値)が所定の閾値Cより小さいか否かが判定される。(設定値−検出値)又は(検出値−設定値)が所定の閾値Cより小さい場合は処理を終了する。一方、(設定値−検出値)又は(検出値−設定値)が所定の閾値C以上であった場合は、ステップS31に戻って再びS31〜S41までの処理を繰り返す。型締力処理補正Bの工程にて金型保護位置補正を行なう場合には、ステップS36若しくはステップS38の処理が終了した後に行なうこともできる。さらに、成形品取出位置の補正やコア設定位置の補正についても、金型保護位置補正と同様に、ステップS36若しくはステップS38の処理が終了した後に行なうこともできる。
【0073】
以上のように、トグル機構を調整して型締力の調整を行なう際に金型保護位置も補正することで、適切に金型の保護を達成することができる。さらに、成形品取出位置、コア設定位置等についても、型締力補正値に対応した補正を行なうことで、適切な成形条件を設定することができる。また、実際に使用する金型と規準金型とで、厚みや剛性が大きく異なっていても、実際の金型に用いるべき締付力設定値に近い設定値を迅速且つ容易に得ることができ、その値から調整を始めるので、型締力の調整時間を短縮することができる。
【0074】
本発明は上述の具体的に開示された実施例に限られず、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変形例及び改良例がなされるであろう。
【0075】
本出願は、2005年3月16日出願の日本特許出願第2005−075923号に基づくものであり、その全内容はここに援用される。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、トグル機構を用いた型締装置及びそのような型締装置を用いた射出成形機に適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
10 型締装置
11 金型装置
12 固定プラテン
13 可動プラテン
15 トグルサポート
16 タイバー
18 型締力センサ
19 制御装置
20 トグル機構
26 型締モータ
27 型開閉位置センサ
31 型厚モータ
32 型締位置センサ
40 成形品取出機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トグル機構を用いた型締装置を有する射出成形機の制御方法であって、
前記型締装置のトグルサポートの固定位置を移動して型締力センサで検出される型締力が目標型締力に近づくように型締力を調整する、
ことを特徴とする射出成形機の制御方法。
【請求項2】
請求項1記載の射出成形機の制御方法であって、
型締力の調整は、規準金型を前記型締装置に取り付けて得られた、押込量と該押込量に対応する型締力との関係から求められた第1の型締力設定値に基づいて行なわれることを特徴とする射出成形機の制御方法。
【請求項3】
請求項2記載の射出成形機の制御方法であって、
型締力の調整は、前記第1の型締力設定値を用いて型締を行ない、実際の型締力を検出して得られた型締力検出値と前記目標型締力との差に基づいて行なわれることを特徴とする射出成形機の制御方法。
【請求項4】
請求項3記載の射出成形機の制御方法であって、
前記型締力検出値と前記目標型締力との差を第2の型締力設定値とし、前記第1の型締力設定値の代わりに該第2の型締力設定値を用いて型締力の調整を行なうことを特徴とする射出成形機の制御方法。
【請求項5】
請求項1記載の射出成形機の制御方法であって、
前記トグルサポートの移動量に応じて成形条件位置を変更することを特徴とする射出成形機の制御方法。
【請求項6】
請求項5記載の射出成形機の制御方法であって、
前記成形条件位置は金型保護位置であることを特徴とする射出成形機の制御方法。
【請求項7】
請求項5記載の射出成形機の制御方法であって、
前記成形条件位置は取出機の成形品取出位置であることを特徴とする射出成形機の制御方法。
【請求項8】
請求項5記載の射出成形機の制御方法であって、
前記成形条件位置はコア設定位置であることを特徴とする射出成形機の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−274661(P2010−274661A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179192(P2010−179192)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【分割の表示】特願2007−508154(P2007−508154)の分割
【原出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】