説明

導光板、キーモジュール、導光板若しくはキーモジュールを用いた電子機器

【課題】蓄光材を用いて入力キーの輝度を向上させることができると共に、光源の発光強度を低下させることができ、よって省エネを実現できる導光板、キーモジュール、前記導光板若しくは前記キーモジュールを用いた電子機器の提供を課題とする。
【解決手段】所定の指令を入力するための入力キー11と、該入力キー11の下方に位置し、光源40からの光を前記入力キー11方向へ照光するための導光板20と、該導光板20の下方に位置し、前記入力キー11によってスイッチオン、スイッチオフされる回路基板50とから構成されるキーモジュール2であって、前記導光板20と前記回路基板50との間に光の蓄積と放出とを行う蓄光手段を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板、キーモジュール及び前記導光板若しくは前記キーモジュールを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、ノートパソコン、デジタルカメラ等の携帯機器においては、一般的に、入力モジュールを用いて所用の入力操作ができるようになされている。そして前記入力モジュールには、夜間などの入力操作の便宜を図るため、入力モジュールを構成するキーなどを発光させる構成とされているものがある。その構成の一部として、蓄光材がキー周辺部材へ適用され、キートップの発光を補助する構成が用いられたりする。
前記蓄光材がキー周辺部材へ適用された従来技術として、例えば下記特許文献1〜3がある。
下記特許文献1は、ハンディターミナルにおけるキーボード部に関する発明で、簡単な構成のもとに、暗い場所においても操作部の表示を判然と視認して誤操作を防止することができるキーボード部を構成する技術が開示されている。
また下記特許文献2は、表示灯に関する発明で、蓄光材の特性を最大限に活用した表示灯を提案し、キーのキー挿入口への出し入れや、フロントバンパーの端部の視認を容易にさせる技術が開示されている。
また下記特許文献3は、キー入力装置に関する発明で、キーを照明するために必要な消費電力を少なくできるキー入力装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−96000号公報
【特許文献2】特開平9−145930号公報
【特許文献3】特許第3504242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に示すハンディターミナルにおけるキーボード部では、透光性の表示シートとキーユニットとの間に夜光シートを配置する構成であり、夜光シートが随時照光されるキーモジュールにしか適用できず、例えば折り畳み式携帯電話機のような非使用時にキー部分が覆われる構成のものには、キー部分を照光する機構を別途設ける必要があるという問題があった。
また上記特許文献2に示す表示灯では、発光層内に蓄光材を含有する構成であり、バンパーのように透光性の導光板を介して日中随時照光されるキーモジュールにしか適用できず、例えば折り畳み式携帯電話機のような非使用時にキー部分が覆われる構成のものには、キー部分を照光する機構を別途設ける必要があるという問題があった。
また上記特許文献3に示すキー入力装置は、キーに蓄光材を含有させ、LEDを点灯させてキーを照明させると共に、キーに光エネルギーを蓄積させる構成である。が、蓄光材を含有させたキートップはLED光の透過性が悪く、LED光の強い光でもキーを十分に照光させることができないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は上記従来における問題点を解決し、蓄光材を用いて入力キーの輝度を向上させることができると共に、光源の発光強度を低下させることができ、よって省エネを実現できる導光板、キーモジュール、前記導光板若しくは前記キーモジュールを用いた電子機器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のキーモジュールは、所定の指令を入力するための入力キーと、該入力キーの下方に位置し、光源からの光を前記入力キー方向へ照光するための導光板と、該導光板の下方に位置し、前記入力キーによってスイッチオン、スイッチオフされる回路基板とから構成されるキーモジュールであって、前記導光板と前記回路基板との間に光の蓄積と放出とを行う蓄光手段を設けてあることを第1の特徴としている。
【0007】
上記本発明の第1の特徴によれば、所定の指令を入力するための入力キーと、該入力キーの下方に位置し、光源からの光を前記入力キー方向へ照光するための導光板と、該導光板の下方に位置し、前記入力キーによってスイッチオン、スイッチオフされる回路基板とから構成されるキーモジュールであって、前記導光板と前記回路基板との間に光の蓄積と放出とを行う蓄光手段を設けてあることから、蓄光手段に蓄積され、放出される光で入力キーを照光させることができる。よって入力キーの輝度を向上させることができる。また蓄光手段から放出される光を導光板に導入させることで、光源の発光強度を低下させることができる。よって省エネを実現できる。また蓄光手段を導光板と回路基板との間に設けることで、導光板による入力キーへの照光を蓄光手段が遮ることがない。よって導光板により入力キーを良好に照光させることができる。従って入力キーの輝度を向上させることができる。
【0008】
また本発明のキーモジュールは、上記本発明の第1の特徴に加えて、蓄光手段は、入力キーに対応した位置に設けてあることを第2の特徴としている。
【0009】
上記本発明の第2の特徴によれば、上記本発明の第1の特徴による作用効果に加えて、蓄光手段は、入力キーに対応した位置に設けてあることから、蓄光手段に蓄積され、放出される光を効率的に入力キーに照光させることができる。よって一段と入力キーの輝度を向上させることができると共に、省エネを実現できる。
【0010】
また本発明のキーモジュールは、上記本発明の第1又は第2の特徴に加えて、蓄光手段は、回路基板の上面部を覆うシートに蓄光材を含有又は積層して構成してあることを第3の特徴としている。
【0011】
上記本発明の第3の特徴によれば、上記本発明の第1又は第2の特徴による作用効果に加えて、蓄光手段は、回路基板の上面部を覆うシートに蓄光材を含有又は積層してあることから、導光板によって照光される光の内、入力キーと逆方向へ照光される光を蓄光手段に蓄積させ、入力キーを照光させることができる。よって照光効率の良いキーモジュールとすることができる。
【0012】
また本発明のキーモジュールは、上記本発明の第1〜第3の何れか1つの特徴に加えて、蓄光手段は、導光板の下面側に蓄光材を含有又は積層して構成してあることを第4の特徴としている。
【0013】
上記本発明の第4の特徴によれば、上記本発明の第1〜第3の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、蓄光手段は、導光板の下面側に蓄光材を含有又は積層してあることから、導光板に蓄光材を含有又は積層させることで、キーモジュールを薄肉なものとすることができる。
【0014】
また本発明のキーモジュールは、上記本発明の第1〜第4の何れか1つの特徴に加えて、導光板の入力キーに対応した位置に、導光板を通過してきた光を入力キー方向へ出射させる光出射構造部を備えていることを第5の特徴としている。
【0015】
上記本発明の第5の特徴によれば、上記本発明の第1〜第4の何れか1つの特徴による作用効果に加えて、導光板の入力キーに対応した位置に、導光板を通過してきた光を入力キー方向へ出射させる光出射構造部を備えていることから、導光板を通過してきた光を光出射構造部で散乱させて確実に入力キー方向へ出射させることができる。よって入力キーの輝度を一段と効率良く向上させることができる。
【0016】
また本発明のキーモジュールは、上記本発明の第5の特徴に加えて、光出射構造部は、導光板の下面側に設け、該光出射構造部に蓄光材を含有又は積層させてあることを第6の特徴としている。
【0017】
上記本発明の第6の特徴によれば、上記本発明の第5の特徴による作用効果に加えて、光出射構造部は、導光板の下面側に設け、該光出射構造部に蓄光材を含有又は積層させてあることから、導光板の下面側に設けた光出射構造部自体に蓄光材を含有又は積層させることで一段と効率良く入力キーの輝度を向上させることができると共に、省エネを実現できるキーモジュールとすることができる。
【0018】
また本発明のキーモジュールは、上記本発明の第5又は第6の特徴に加えて、光出射構造部は、凹凸形状のパターンによって構成されていることを第7の特徴としている。
【0019】
上記本発明の第7の特徴によれば、上記本発明の第5又は第6の特徴による作用効果に加えて、光出射構造部は、凹凸形状のパターンによって構成されていることから、導光板内を全反射状態で導かれてきた光を、物理的な凹凸形状のパターンの位置で確実に散乱させて入力キー方向へ放出させることができる。
【0020】
また本発明のキーモジュールは、上記本発明の第5又は第6の特徴に加えて、光出射構造部は、光散乱剤の含有されたインクによる印刷によって構成されていることを第8の特徴としている。
【0021】
上記本発明の第8の特徴によれば、上記本発明の第5又は第6の特徴による作用効果に加えて、光出射構造部は、光散乱剤の含有されたインクによる印刷によって構成されていることから、導光板内を全反射状態で導かれてきた光を、光散乱剤を含む印刷パターンの位置で確実に散乱させて入力キー方向へ放出させることができる。
【0022】
また本発明の導光板は、光源からの光の蓄積と放出を行う蓄光手段を板の上面側又は下面側の少なくとも何れか一面側に設けてあることを第9の特徴としている。
【0023】
上記本発明の第9の特徴によれば、導光板は、光源からの光の蓄積と放出を行う蓄光手段を板の上面側又は下面側の少なくとも何れか一面側に設けてあることから、光源からの光を蓄光手段に蓄積させ、放出させることができる。よって導光板による光の照光に加えて、蓄光手段による光の照光を行うことができ、被照光物の輝度を向上させることができる。また蓄光手段から放出される光を導光板に導入させることで、光源の発光強度を低下させることができ、省エネを実現できる。
【0024】
また本発明の導光板は、上記本発明の第9の特徴に加えて、蓄光手段は、板の少なくとも何れか一面側に蓄光材を含有させ又は積層させることで構成してあることを第10の特徴としている。
【0025】
上記本発明の第10の特徴によれば、上記本発明の第9の特徴による作用効果に加えて、蓄光手段は、板の少なくとも何れか一面側に蓄光材を含有させ又は積層させることで構成してあることから、導光板を薄肉なものとすることができる。
【0026】
また本発明の導光板は、上記本発明の第9又は第10の特徴に加えて、光源から導入した光を外部方向へ出射する光出射構造部を板の少なくとも何れか一面側に設け、該光出射構造部に蓄光手段を設けてあることを第11の特徴としている。
【0027】
上記本発明の第11の特徴によれば、上記本発明の第9又は第10の特徴による作用効果に加えて、光源から導入した光を外部方向へ出射する光出射構造部を板の少なくとも何れか一面側に設け、該光出射構造部に蓄光手段を設けてあることから、導光板を通過してきた光を光出射構造部で散乱させて外部方向へ出射させることができる。また光出射構造部に蓄光手段を設けることで、蓄光材に蓄積され、放出される光を外部方向へ出射させることができる。よって一段と被照光物への輝度を向上させることができると共に、省エネを実現できる。
【0028】
また本発明の電子機器は、請求項1〜11の何れか1項に記載のキーモジュール若しくは導光板を用いてなることを第12の特徴としている。
【0029】
上記本発明の第12の特徴によれば、電子機器は、請求項1〜11の何れか1項に記載のキーモジュール若しくは導光板を用いてなることから、入力キーや被照光物の輝度を向上させることができると共に、省エネを実現できる電子機器とすることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の導光板、キーモジュール、前記導光板若しくは前記キーモジュールを用いた電子機器によれば、蓄光材を用いて入力キーの輝度を向上させることができると共に、光源の発光強度を低下させることができ、よって省エネを実現できる導光板、キーモジュール、前記導光板若しくは前記キーモジュールを用いた電子機器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る電子機器としての携帯電話機を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電子機器としての携帯電話機のキーモジュールの平面図である。
【図3】図2に示すキーモジュールをA−A方向から見た断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る電子機器としての携帯電話機のキーモジュールの変形例を示す図で、図3と同様の方向から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の図面を参照して、本発明の実施形態に係る電子機器としての携帯電話機を説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は本発明の実施形態であって、特許請求の範囲に記載の内容を限定するものではない。
【0033】
まず図1を参照して、本発明の実施形態に係る携帯電話機1は、入力部1aと、表示部1bとを備える。表示部1bは、ヒンジ部1cを介して入力部1aに開閉自在とされている。
【0034】
図2、図3も参照して、前記入力部1aには、そのケース1d内に入力モジュールとしてのキーモジュール2を備えている。キーモジュール2には、入力操作部10、導光板20、ドーム状可動接点シート30、光源40、回路基板50を備えている。
【0035】
前記入力操作部10は、入力操作を行う部分で、前記入力部1aに露出した入力キー11と、入力シート12とから構成される。また図3に示すように、入力シート12における入力キー11に対応した位置には、押子12aが形成されている。
なお入力キー11は、透明性の硬質樹脂で形成され、数字、アルファベット、記号等の特定の形状が視認可能に設けられている。数字、アルファベット、記号等の特定の形状の形成方法は、特定の形状を遮光性材料でマークするものや、特定の形状以外を遮光性材料でマークするものの何れであってもよい。また入力シート12は、ゴムや軟質樹脂等で構成することができる。
【0036】
前記導光板20は、入力キー11の下方に位置し、光源40から導入した光で入力キー11を照光するためのものである。より具体的には、光源40の照光端面41から照光された光を光導入端面21から導入し、導光板20内を全反射させながら入力キー11を照光する。
また図3に示すように、導光板20における入力キー11、押子12aに対応した位置で且つ下面側には、導光板20を通過してきた光を入力キー11方向へ出射させる光出射構造部22を備えている。このような構成とすることで、導光板20を通過してきた光を入力キー11方向へ効率的に出射させることができる。
【0037】
この光出射構造部22は、図3に示すように、凹凸形状のパターンによって構成されている。このように凹凸形状のパターンによって構成することで、導光板20内を全反射状態で導かれてきた光を物理的な凹凸形状のパターンの位置で確実に散乱させて入力キー11方向へ出射させることができる。よって入力キー11の輝度を向上させることができる。
この凹凸形状はホットスタンピング、射出成形、マイクロブラスト、その他の方法で成形することが可能である。
【0038】
なお光出射構造部22は、凹凸形状のパターンによって構成するものに限るものではない。例えば光散乱剤の含有されたインクによる印刷によって形成することができる。このような構成とすることで、導光板20内を全反射状態で導かれてきた光を、光散乱剤を含む印刷パターンの位置で確実に散乱させて入力キー11方向へ出射させることができる。よって入力キー11の輝度を向上させることができる。
また印刷パターンとすることで、導光板20を薄肉なものとすることができ、キーモジュール2及び携帯電話機1の小型化を図ることができる。
【0039】
なお導光板20は、ポリカーボネート、アクリル、ポリウレタン、ノルボルネン樹脂等の可視光域の光を十分透過させることができる樹脂で形成される。
また光出射構造部22を備える導光板20の製造方法としては、射出成形やホットエンボス成形を用いることができる。
なお導光板20の厚みは、200μmで、光出射構造部22の厚みは、1μm〜50μm(一般的には20μm以下)とすることが望ましい。
【0040】
前記ドーム状可動接点シート30は、導光板20の下方に位置し、メタルドームと称するドーム状可動接点31を備えたシートで、ラバー等の軟質の弾性シートから構成することができる。このドーム状可動接点シート30は、回路基板50上に配設され、回路基板50の上面部を被覆している。
【0041】
また図3に示すように、この可動接点シート30には、蓄光材60が含有されている。このような構成とすることで、可動接点シート30を蓄光手段とすることができる。このように可動接点シート30が蓄光手段となることで、導光板20を通過し、照光される光の内、入力キー11と逆方向へ照光される光(いわゆる漏れ光)を蓄光手段たるドーム状可動接点シート30に効果的に蓄積させ、入力キー11を定常的に照光させることができる。よって入力キー11の輝度を向上させることができる。また蓄光手段たるドーム状可動接点シート30に蓄積され、放出される光を導光板20に導入させることができる。よって光源40の発光強度を低下させることがきる。従って省エネを実現できるキーモジュール2及び携帯電話機1とすることができる。
また蓄光手段たるドーム状可動接点シート30を導光板20と回路基板50との間に設けることで、導光板20による入力キー11への照光を蓄光手段が遮ることがない。よって導光板20によって入力キー11を良好に照光させることができる。よって入力キー11の輝度を向上させることができる。
【0042】
ドーム状可動接点シート30の厚みは、1μm〜200μmとすることが望ましい。
なお本実施形態においては、蓄光材60をドーム状可動接点シート30に含有させる構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではない。例えば可動接点シート30の上面に蓄光材60を含有させたラバー等の軟質の弾性シートを積層する構成とすることができる。
【0043】
前記光源40は、例えばLEDで構成することができる。この光源40は、図3に示すように、回路基板50上における導光板20の光導入端面21と対向する位置に設備される。
【0044】
前記回路基板50は、いわゆるフレキシブルプリント配線板で、樹脂層51と、導電パターン52とから構成される。
樹脂層51としては、絶縁性の樹脂材料を用いることができる。また導電パターン52は、銅箔によるパターンを樹脂層51上に形成して構成することができる。
【0045】
前記導電パターン52の一部には、図3に示すように、スイッチング用の固定接点である第1固定接点52aと、第2固定接点52bとが形成されている。なお図示していないが、第1固定接点52aは島状の固定接点とされ、第2固定接点52bは第1固定接点52aの周囲を囲む環状の固定接点とされている。第2固定接点52b上に、上記ドーム状可動接点シート30のドーム状可動接点31がそれぞれ対応して設置される。
【0046】
入力キー11が押圧されると、ドーム状可動接点シート30のドーム状可動接点31の中央部が押し下げられ、上面に回路を備える第1固定接点52aに接地する。この接地によって第1固定接点52aと第2固定接点52bとがドーム状可動接点31を介してスイッチオンされる。
また入力キー11の押圧が解除されると、押し下げられていたドーム状可動接点31の上方への復元力により、ドーム状可動接点31と第1固定接点52aとの接地が解除される。この解除によって、第1固定接点52aと第2固定接点52bとがドーム状可動接点31を介してスイッチオフされる。
なお樹脂層51の厚みは、10μm〜100μmとすることが望ましい。
【0047】
なお本実施形態においては、光導入端面21は、図3に示すように、光源40の照光端面41と平行な面とする構成としてあるが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、照光端面41に対して角度をつけた面としてもよい。また光を受ける面積を増加させるために、光導入端面21の厚みを主たる導光板20の厚みより厚肉とするものであってもよい。
また光出射構造部22は、入力キー11、押子12aに対応した位置にのみ設ける構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、導光板20の下面側の全面に設ける構成であってもよい。また必ずしも導光板20の下面側に限るものではなく、上面側に設ける構成であってもよい。また光出射構造部22の密度も光導入端面21から遠ざかる程、密に設ける構成であってもよい。
【0048】
次に図4を参照して、本発明の実施形態に係る電子機器としての携帯電話機のキーモジュールの変形例を説明する。なお図4は、キーモジュール2の変形例を示す図で、図3と同様の方向から見た断面図である。
【0049】
本変形例は、蓄光材60をドーム状可動接点シート30には含有させず、凹凸形状のパターンによって構成される光出射構造部に含有させ、光出射構造部を蓄光手段としたものである。その他の構成については、既述した本発明の実施形態と同一である。同一部材、同一機能を果たすものには、同一番号を付し、以下の説明を省略する。
【0050】
このように蓄光材60を光出射構造部22に含有させ、光出射構造部22を蓄光手段とすることで、光出射構造部22は、導光板20の入力キー11、押子12aに対応した位置で且つ下面側にあることから、蓄光手段を入力キー11に対応した位置で且つ導光板20の下面側に設けることができる。よって導光板20に導入された光を入力キー11方向へ効率的に出射させることができることに加え、蓄光材60に蓄積され、放出される光を入力キー11方向へ効率的に出射させることができる。従って入力キー11の輝度を一段と向上させることができる導光板20、キーモジュール2、携帯電話機1とすることができる。
また蓄光手段たる光出射構造部22に蓄積され、放出される光を入力キー11の照光に効率的に利用することができることで、光源40の発光強度を低下させることがきる。よって一段と省エネを実現できる導光板20、キーモジュール2、携帯電話機1とすることができる。
【0051】
なお本変形例においては、光出射構造部22は、導光板20における入力キー11、押子12aに対応した位置で且つ下面側にのみ設ける構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、導光板20の下面側の全面に設ける構成であってもよい。また必ずしも導光板20の下面側に限るものではなく、上面側に設ける構成であってもよい。
【0052】
また光出射構造部22は、凹凸形状のパターンによって構成されるものとしたが、必ずしもこのような構成に限るものではない。例えば、光散乱剤の含有されたインクによる印刷によって形成することができる。このような構成とすることで、導光板20内を全反射状態で導かれてきた光を、光散乱剤を含む印刷パターンの位置で確実に散乱させて入力キー11方向へ出射させることができる。よって入力キー11の輝度を向上させることができる。また印刷パターンとすることで、導光板20を薄肉なものとすることができ、キーモジュール2及び携帯電話機1の小型化を図ることができる。
光出射構造部22を光散乱剤を含む印刷パターンで構成する場合、光出射構造部22に蓄光材60を含有させることで、光出射構造部22を蓄光手段としてもよいし、ラバー等の軟質の弾性シートを出射構造部22に積層させ、弾性シート内に蓄光材60を含有させることで、弾性シートを蓄光手段とする構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は携帯電話機等の電子機器、それに用いられるキーモジュールとして利用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 携帯電話機
1a 入力部
1b 表示部
1c ヒンジ部
1d ケース
2 キーモジュール
10 入力操作部
11 入力キー
12 入力シート
12a 押子
20 導光板
21 光導入端面
22 光出射構造部
30 ドーム状可動接点シート
31 ドーム状可動接点
40 光源
41 照光端面
50 回路基板
51 樹脂層
52 導電パターン
52a 第1固定接点
52b 第2固定接点
60 蓄光材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の指令を入力するための入力キーと、該入力キーの下方に位置し、光源からの光を前記入力キー方向へ照光するための導光板と、該導光板の下方に位置し、前記入力キーによってスイッチオン、スイッチオフされる回路基板とから構成されるキーモジュールであって、前記導光板と前記回路基板との間に光の蓄積と放出とを行う蓄光手段を設けてあることを特徴とするキーモジュール。
【請求項2】
蓄光手段は、入力キーに対応した位置に設けてあることを特徴とする請求項1に記載のキーモジュール。
【請求項3】
蓄光手段は、回路基板の上面部を覆うシートに蓄光剤を含有又は積層して構成してあることを特徴とする請求項1又は2に記載のキーモジュール。
【請求項4】
蓄光手段は、導光板の下面側に蓄光剤を含有又は積層して構成してあることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のキーモジュール。
【請求項5】
導光板の入力キーに対応した位置に、導光板を通過してきた光を入力キー方向へ出射させる光出射構造部を備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のキーモジュール。
【請求項6】
光出射構造部は、導光板の下面側に設け、該光出射構造部に蓄光剤を含有又は積層させてあることを特徴とする請求項5に記載のキーモジュール。
【請求項7】
光出射構造部は、凹凸形状のパターンによって構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のキーモジュール。
【請求項8】
光出射構造部は、光散乱剤の含有されたインクによる印刷によって構成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のキーモジュール。
【請求項9】
光源からの光の蓄積と放出とを行う蓄光手段を板の上面側又は下面側の少なくとも何れか一面側に設けてあることを特徴とする導光板。
【請求項10】
蓄光手段は、板の少なくとも何れか一面側に蓄光剤を含有させ又は積層させることで構成してあることを特徴とする請求項9に記載の導光板。
【請求項11】
光源から導入した光を外部方向へ出射する光出射構造部を板の少なくとも何れか一面側に設け、該光出射構造部に蓄光手段を設けてあることを特徴とする請求項9又は10に記載の導光板。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか1項に記載のキーモジュール若しくは導光板を用いてなることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−205668(P2010−205668A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52276(P2009−52276)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】