説明

導電性ゴム組成物及び導電性ゴムローラ

【課題】極性ゴムを必須成分とし、可塑剤や軟化剤の染み出しによる感光体汚染がなく、低硬度で圧縮永久歪み性に優れる導電性ゴム層を形成することができる、混練りや押出し加工性にも優れた導電性ゴム組成物を提供する。
【解決手段】極性ゴム及び非極性ゴムの合計を100質量部としたとき、該極性ゴムが20質量部乃至100質量部であり、さらに、極性を有するパラフィン系オイルを含むことを特徴とする導電性ゴム組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等に代表される電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置において、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ等の導電性ゴムローラの導電性ゴム層に使用される導電性ゴム組成物及び該導電性ゴムローラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機、プリンター、ファクシミリ等に代表される電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置において、帯電、現像、転写等のプロセスはコロナ放電等の非接触方式に代わり導電性ゴムローラを用いた接触帯電方式、接触転写方式が採用されている。
【0003】
これらプロセスにおいて、感光体表面やトナーに対して均一に電荷を付与するために、導電性ゴムローラは導電性が均一であることが要求されている。また、導電性ゴム層は感光体への当接による「ヘタリ」がなく、長期間にわたり感光体に対して一様なニップ幅を保つために、適当な硬さ(軟らかさ)と圧縮変形に対する充分な回復性を有する必要がある。
【0004】
帯電ローラ、転写ローラなどに用いられる導電性ゴムローラに求められるこれら要求に対して、従来は、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の非極性ゴムにカーボンブラック等の導電性充填剤及び軟化剤を添加したものが用いられていた。しかしながら、この導電性充填剤による抵抗調整は、導電性充填剤のゴム中の存在状態で電気抵抗が大きく変動し、導電性が不均一になりやすかった。これに対して、ゴム自体がある程度導電性をもつ、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム等の極性ゴムを使用することにより、導電性が均一になった導電性ゴムが得られる。中でもエピクロルヒドリンゴムは、各種ゴムの中で電気抵抗が小さいポリマーであることが知られている。エピクロルヒドリンゴムは、エピクロルヒドリンを単位とするゴムで、ホモポリマー、エチレンオキサイドやアリルグリシジルエーテルとの共重合体が知られており、エチレンオキサイドの共重合割合により抵抗値がコントロールできる。そのため、各種導電性ゴムローラとして求められる導電性により、エピクロルヒドリンゴムが単独若しくはブレンドして、又、他のゴムやポリマーとブレンドして用いられている。
【0005】
しかしながら、これらエピクロルヒドリンゴムを用い、電気的均一性に優れた導電性ゴムを得ることは可能であるが、エピクロルヒドリンゴムを用いるとかなり硬くなり、一般的には、可塑剤を併用する。しかし、必要な硬度にするために可塑剤を配合した場合、ゴム組成物の粘度が著しく低下し、混練りや押出しの加工性が悪化することがある。また、導電性ゴムローラとしても長期間に感光体と当接しておくと、該可塑剤が染み出し、感光体を部分変質(感光体汚染)させ、良好な画像が得られないといった問題が発生するおそれがある。
【0006】
一方、可塑剤を含ませずに低硬度の導電性ゴムを得るためには、架橋密度を低いものにする、又は、フィラー等の充填剤を少量にあるいは含ませないなどの方法がある。しかし、架橋密度の低いゴムは圧縮永久歪みが悪くなりやすく、また、充填剤を少量あるいは含まないゴム組成物では、混練りや押出しの加工性が悪くて実用性がないことが多い。すなわち、可塑剤を用いないと低硬度化が難しいだけでなく、ロールによる混練りや成形加工に困難を生じるという問題がある。
【0007】
このような問題に対し、エピクロルヒドリンゴムとNBRをブレンドして用い、それにSP値6.5乃至9.5のパラフィン系オイルやナフテン系オイルを配合し、有機過酸化物により架橋させる方法がある(特許文献1)。しかし、有機過酸化物は、貯蔵安定性に乏しいために品質が不安定であり、また、酸素存在下では架橋反応が阻害されることがあり、導電性ゴム層の形成には製法が限られるといった不具合がある。
【0008】
エピクロルヒドリンゴム主体のゴム基材100質量部に、液状NBR5質量部乃至20質量部とナフテン系オイル5質量部乃至20質量部を配合したゴム組成物から形成された弾性層の表面に表面処理層や表面コート層が設けた帯電ロールがある(特許文献2)。しかし、液状NBRを添加すると、ゴム組成物に粘着性が現れるため、混練りの加工性が大きく低下することがある。また、ナフテン系オイルはエピクロルヒドリンゴムとの相溶性に乏しいために染み出しの懸念があり、表面層に染み出し防止性が要求される。このようなことから、処方設計が困難となる不具合があった。
【特許文献1】特開2006−309063号公報
【特許文献2】特開2007−121724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の課題は、極性ゴムを必須成分とし、可塑剤や軟化剤の染み出しによる感光体汚染がなく、低硬度で圧縮永久歪み性に優れる導電性ゴム層を形成することができる、混練りや押出しの加工性にも優れた導電性ゴム組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ゴム成分が極性ゴム20質量%以上としたものであっても、配合するパラフィン系オイルを酸化して極性を有するものとしておくと良いことを見出し、本発明に至った。
【0011】
すなわち、本発明は、極性ゴム及び非極性ゴムの合計を100質量部としたとき、該極性ゴムが20質量部乃至100質量部であり、さらに、極性を有するパラフィン系オイルを含むことを特徴とする導電性ゴム組成物である。
【0012】
また、本発明は、極性を有するパラフィン系オイルが、少なくとも水酸基、エステル基又はカルボキシル基を有するものである上記導電性ゴム組成物である。
【0013】
なお、極性を有するパラフィン系オイルが、酸価15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下、水酸基価20mgKOH/g以上40mgKOH/g以下、かつ、けん化価40mgKOH/g以上160mgKOH/g以下のものであることが好ましい。
【0014】
さらに、本発明は、極性ゴムが、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム及びアクリルゴムから選ばれた少なくとも1つである上記導電性ゴム組成物である。
【0015】
さらにまた、本発明は、極性を有するパラフィン系オイルの配合量が、極性ゴム及び非極性ゴムの合計100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下である上記導電性ゴム組成物。
【0016】
また、本発明は、ゴム成分がエピクロルヒドリンゴムであり、さらに、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体がエピクロルヒドリンゴム100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下配合される上記導電性ゴム組成物である。
【0017】
そして、本発明は、電子写真装置で用いられる導電性ゴムローラであって、導電性ゴム層が、上記導電性ゴム組成物にて構成されていることを特徴とする導電性ゴムローラである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の導電性ゴム組成物は、極性ゴムが必須成分であるにかかわらず、極性を有するパラフィン系オイルを用いているため、可塑剤や軟化剤の染み出しによる感光体汚染がなく、低硬度で圧縮永久歪み性に優れる導電性ゴム層を形成することができる。また、該導電性ゴム組成物は、混練りや押出しの加工性にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0020】
本発明は、極性ゴムと非極性ゴムの合計100質量部に対し、極性ゴムが20質量部乃至100質量部であり、さらに、極性を有するパラフィン系オイルを含むことを特徴とする導電性ゴム組成物である。
【0021】
極性ゴムとしては、導電性ゴムローラの弾性層に使用される、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム等が挙げられ、これらから選ばれた少なくとも1つであることが好ましい。
【0022】
極性ゴムと共に使用される非極性ゴムとしては、ブタジエンゴム、スチレンブタジエン共重合体、天然ゴム、エチレンプロピレン共重合体、エチレンプロピレンジェン共重合体などがあり、通常、これらは単独で、あるいは2種以上が併用される。
【0023】
以下、極性ゴムと非極性ゴムを併せていうときは「ゴム成分」といい、特に断らない限り、「質量部」はこのゴム成分100質量部に対する量を意味する。
【0024】
なお、極性ゴムの配合量が20質量部未満である場合、本発明でゴム成分に配される極性を有するパラフィン系オイルとの相溶性が損なわれてブリードしやすく、また、その電気特性も損なわれて抵抗調整やその安定性に不具合が生じることがある。
【0025】
本発明では用いる極性を有するパラフィン系オイルとは、電気的な偏りを示す官能基等を有するパラフィン系オイルの誘導体であり、少なくとも、水酸基、エステル基、カルボキシル基等の酸素含有官能基を有するものである。そして、極性を有するパラフィン系オイルは、通常のパラフィン系オイルを酸化して、アルコール化(水酸基の導入)、エステル化(エステル基の形成)、カルボキシル化(カルボン酸基の形成)等されることにより得られる。
【0026】
なお、パラフィン系オイルに極性基が導入されているか否は、該パラフィン系オイルの赤外分光分析により可能である。図1に以下の実施例で使用する可塑剤A(極性を有するパラフィン系オイル)及び可塑剤D(一般のパラフィン系オイル)のFT−IRのスペクトルを示す。
【0027】
つまり、本発明に使用される極性を有するパラフィン系オイルは、少なくともアルコール化、エステル化及びカルボキシル化されたパラフィン系オイルの混合物で構成されている。
【0028】
パラフィン系オイルを酸化して酸素含有官能基を導入する方法としては、特に限定されず、一般公知の方法が使用できる。例えば、高温高圧条件で、コバルト系触媒存在下、フリーラジカル反応を経由する自動酸化法がある。その他、酸素雰囲気で、金属触媒存在下に亜鉛、ヒドラジン、水素、硫化水素、アスコルビン酸塩、ヒドロキノン等の還元剤を用いて酸化する方法や、N−ヒドロキシフタルイミド(NHPI)を触媒として用いる方法等がある。
【0029】
なお、酸化に用いられるパラフィン系オイルは、分子量が数100から1000程度の液状あるいは半液状のものであり、50℃程度で粘度が殆んどないさらさらの液状を呈するものである。
【0030】
このような酸化されたパラフィン系オイルは、極性を有するので極性ゴムと相溶性を有し、かつ従来のパラフィン系オイルの特徴である高い可塑化効率も得られるため、少量添加するだけでゴム硬度を低下させることができる。一般に極性ゴムに配合される可塑剤では、染み出しを防止するため、平均分子量が数千単位の高粘度のものや液状ゴムが使用される場合が多いが、これらを配合したゴム組成物は粘着性が高くなってしまい、混練りや押出し加工性が著しく低下する場合が多い。これに対し、本発明で用いるパラフィン系オイルは粘度が低く、そのためゴム組成物中に配合しても粘着性が付与されることはないので加工性の低下も生じない。
【0031】
本発明では、該極性を有するパラフィン系オイルは、JIS K0070に基づき測定される酸価、水酸基価及びけん化価がそれぞれ以下のようであることが好ましい。すなわち、酸価15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下、水酸基価20mgKOH/g以上40mgKOH/g以下、かつ、けん化価40mgKOH/g以上160mgKOH/g以下であることが好ましい。
【0032】
酸価、水酸基価及びけん化価が上記範囲内にあるとき、本発明で使用されるゴム組成物と適度な相溶性を示し、可塑剤として好ましい。酸価、水酸基価及びけん化価が上記範囲より小さい場合、本発明で使用される極性ポリマーと非極性ポリマーの混合比率の範囲では完全に相溶しない場合があり、添加量が制限される場合がある。一方、上記範囲を越えるものは、パラフィン系オイルとしての実用性が損なわれ、生産性や品質の安定性に不具合が生じるので、好ましくない。
【0033】
なお、導電性ゴム組成物中に極性を有するパラフィン系オイルは、導電性ゴム組成物の処方及び所望とする特性に応じて適量配合されるが、0.5質量部以上10質量部以下配合することが好ましい。特に、ゴム成分を極性ゴムとし、これに極性を有するパラフィン系オイル0.5質量部以上10質量部以下を配することが特に好ましい。この範囲で使用することで、製造される導電性ゴムローラは、例えば、帯電ローラ等の電子写真形成装置用部材として使用したときに、ブリードによる感光体汚染することもなく、低硬度かつ圧縮永久歪みに優れたている。
【0034】
本発明で使用する極性を有するパラフィン系オイルは非常に優れた可塑化効率を有するため、ゴムが本来持つ圧縮永久歪み性に影響を及ぼすことなく、少量添加での低硬度化が可能である。しかし、その配合量が上記範囲に満たない場合、所望とする可塑化や低硬度化が十分に得られない場合がある。また、このパラフィン系オイルは極性ゴムとの相溶性を有するが、上記範囲を越えて添加した場合、分子量が小さいためにブリードする場合がある。しかし、いずれの場合でも、ゴム成分、併用するポリマー、他の添加剤(フィラー類等)、加工条件等の最適化により解決できるので、上記範囲に制限されない。
【0035】
本発明では、上記したようにゴム成分が、極性ゴムと非極性ゴムの合計100質量部に対し、極性ゴムが20質量部乃至100質量部であることである。そして、その極性ゴムとして、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム等が挙げられ、特に好ましいのは、エピクロルヒドリンゴムである。すなわち、ゴム成分100質量部のうちエピクロルヒドリンゴムを50質量部以上としたものである。この場合、本発明のパラフィン系オイルとの相溶性にも優れ、かつ低硬度で電気特性に優れた導電性ゴム組成物を提供することができる。
【0036】
エピクロルヒドリンゴムとしては、例えば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体がある。これらは、単独で、あるいは2つ以上を混合して使用できる。
【0037】
なお、本発明では、ゴム成分がエピクロルヒドリンゴムである時、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体0.1質量部以上10質量部以下を配合すると、圧縮永久歪み性だけでなく、更なる低硬度化を達成することができるので好ましい。
【0038】
本発明の導電性ゴム組成物は、低硬度化に必要な極性を有するパラフィン系オイルの添加量が少量で良いので、もともとゴム自身が持つ圧縮永久歪み性を損なうことなく、好適に使用することができる。さらに好適には、ゴム成分がエピクロルヒドリンゴム100質量部で、極性を有するパラフィン系オイルを0.5質量部以上10質量部以下及び2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体を0.1質量部以上10質量部以下配合した導電性ゴム組成物である。これらを組み合わせることにより、より良好な圧縮永久歪み性だけでなく、更なる低硬度化を達成することができる。2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体の添加量が0.1質量部未満の場合は良好な圧縮永久歪み性を、また、10質量部超の場合は架橋後のゴムが剛直になりすぎて期待される低硬度が、得られないことがあるので好ましくない。
【0039】
2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体は、エピクロルヒドリンゴムの架橋剤として添加される。その例として、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−イソプロピルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート等が挙げられる。
【0040】
2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体が使用されるときには、通常、受酸剤や強塩基類及びその弱酸塩を併用する。併用する受酸剤としては、ハイドロタルサイト類をはじめ、次のようなものが使用可能である。水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、酸化スズ、塩基性亜リン酸スズ等。これらは、導電性ゴム組成物の特性や加工性等に応じて適宜選択し、適量配合される。
【0041】
また、強塩基類及びその弱酸塩は、架橋促進剤としても作用する。強塩基類として、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)を使用することが知られている。それ自身を用いても良いが、その取り扱い面から炭酸塩、カルボン酸塩、フェノール塩、チオールとの弱酸塩として使用することもできる。これらDBU塩の代表的なものとしては次のようなものが挙げられる。DBU−炭酸塩、DBU−ステアリン酸塩、DBU−2−エチルヘキシル酸塩、DBU−安息香酸塩、DBU−サリチル酸塩、DBU−3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、DBU−フェノール樹脂塩、DBU−2−メルカプトベンゾチアゾール塩、DBU−2−メルカプトベンズイミダゾール塩等。これらは導電性ゴム組成物に要求される特性や加工性等に応じて適宜選択し、適量配合される。
【0042】
その他、本発明の導電性ゴム組成物には、必要な特性を付与するために、従来知られている各種配合剤、例えば、充填剤、補強剤、老化防止剤、加工助剤、導電剤、発泡剤等を適宜配合しても良い。さらに、極性を有するパラフィン系オイルと共に他の可塑剤を使用したり、硫黄や過酸化物等の架橋剤を使用したりしても差し支えない。
【0043】
本発明では、極性ゴムを使用するので、必ずしも必要でないが、一般にゴム組成物に導電性を付与するために、例えばカーボンブラック、イオン導電剤、金属酸化物や金属粉体等の各種導電剤が添加される。中では、カーボンブラックやイオン導電剤は、低抵抗化あるいは抵抗安定性を得るのに適しているため、より好ましく使用され、要求特性に応じて適宜選択される。
【0044】
カーボンブラックとしては、特に限定されるものではなく、各グレードのものが使用できる。例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボンブラック、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等があり、必要な導電性に応じて、1種以上を適宜選択して使用する。
【0045】
また、イオン導電剤としては、特に限定されるものではなく、一般に導電性ゴム組成物に配合される各種塩が、単独で、あるいは2種以上を混合して使用できる。このようなイオン導電剤として、具体的に、次のようなものが挙げられる。LiClO4、LiCF3SO3、LiBF4、LiN(CF3SO32、NaClO4等のLi+、Na+等の金属塩や過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩等。
【0046】
上述した各種原料を、リボンブレンダー、オープンロール等で混合し、導電性ゴム組成物を得る。さらに、必要な形状に加工して、硬化することにより、導電性ゴムの成形品となる。
【0047】
なお、本発明の導電性ゴム組成物は、レーザービームプリンター等の画像形成装置における帯電ローラ、転写ローラ、現像ローラ等の導電性が必要な部材の導電性ゴム層に有用であり、特にローラ形状の導電性ゴムローラの製造に好適に使用できる。ここで、本発明の導電性ゴム組成物を用いて製造される導電性ゴムローラについて、図2により説明する。図2において、1は芯金であり、その外周に本発明の導電性ゴム組成物により形成された導電性ゴム層2があり、本図では必要により設けられる抵抗調整層等の表面層3を示してある。
【0048】
本発明の導電性ゴム組成物を用いて、導電性ゴムローラを製造する方法としては、以下のようなものが挙げられる。すなわち、金型を用いる方法、チューブ状に押出したゴム組成物を加硫した後に芯金を圧入する方法、未加硫ゴムを芯金に被覆してから加硫する方法等である。これらの導電性ゴムローラの製造方法は加工性やコスト、画像形成装置用ゴムローラとして要求される寸法精度や物理的及び電気的特性を満たすためにそれぞれ適した製造方法を任意に選択することができる。さらに、導電性ゴムローラに要求される機能や性能を満たすために、導電性ゴム層の表面に、紫外線等を照射して変性したり、表面改質用塗布液を塗布したのち加熱したり、シームレスチューブを被覆したりして、表面層を設けることができる。
【実施例】
【0049】
以下、本発明について実施例により詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0050】
まず、以下の実施例において使用する成分について示す。
【0051】
ゴム成分
・GECO:エピクロルヒドリンゴム「エピクロマーCG102」(商品名)、ダイソー株式会社製。
・NBR:アクリロニトリルブタジエンゴム「Njpol DN219」(商品名)、日本ゼオン株式会社製。
・EPT:エチレンプロピレンジエンゴム:三井EPT4021(商品名)、三井化学株式会社製。
【0052】
可塑剤成分
・可塑剤A:極性を有するパラフィン系オイルA。パラフィン系オイル(ダイアナプロセスオイルPW−380(商品名)、出光興産株式会社製、Mw約700〜800)を酸化処理して作成した、下記表1に示す分析値を有する試作品。
・可塑剤B:極性を有するパラフィン系オイルB。パラフィン系オイル(ダイアナプロセスオイルPW−380(商品名)を酸化処理して作成した、下記表1に示す分析値を有する試作品。
・可塑剤C:フタル酸ジエチルヘキシル(DOP)、田岡化学工業株式会社製。
・可塑剤D:パラフィン系オイル「ダイアナプロセスオイルPW−380」(商品名)。
・可塑剤E:液状NBR「Nipol 1312」(商品名)、日本ゼオン株式会社製。
【0053】
【表1】

【0054】
可塑剤A及びBについて、フーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)を測定し、また、JIS K0070に基づいて酸価、水酸基価及びけん化価を測定した。なお、表1にはJIS K0070に基づいて測定した酸価、水酸基価及びけん化価を示してある。図1にパラフィン系オイルの酸化物である可塑剤Aと一般的な液状パラフィンである可塑剤DのFT−IRスペクトルを示す。可塑剤AのFT−IRスペクトルにおいて、1700cm-1付近にカルボニル基に由来する吸収が認められたことから、少なくともエステル基、カルボキシル基等が存在する。また、表1より、けん化価が最も大きく、酸価、水酸基価も得られたことから、可塑剤Aはエステル成分を主とし、カルボン酸成分及びアルコール成分も混在していることが分かる。
【0055】
加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤
・DM:ジベンゾチアジルジサルファイド「ノクセラーDM」(商品名)、大内新興化学株式会社製。
・TS:テトラメチルチウラムモノスルフィド「ノクセラーTS」(商品名)、大内新興化学株式会社製。
・硫黄:「サルファックス200S」(商品名)、鶴見化学株式会社製。
・XL:6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート「ダイソネットXL−21S」(商品名)、ダイソー株式会社製。
・P152:促進剤、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7「P−152」(商品名)、ダイソー株式会社製。
【0056】
その他成分
・酸化亜鉛:酸化亜鉛2種、ハクスイテック株式会社製、充填剤。
・カーボン:カーボンブラック「旭#15」(商品名)、旭カーボン株式会社製、充填剤。
・炭カル:炭酸カルシウム「シルバーW」(商品名)、白石工業株式会社製、充填剤。
・ステアリン酸:「ステアリン酸S」(商品名)、花王株式会社製、加工助剤。
・イオン導電剤:第4級アンモニウム塩「KS−555」(商品名)、花王株式会社社製。
・受酸剤:ハイドロタルサイト「DHT−4A」(商品名)、協和化学工業株式会社製。
【0057】
実施例1
<導電性ゴム組成物の作成>
ゴム成分としてGECO(エピクロルヒドリンゴム)100質量部を用い、これに充填剤等として酸化亜鉛5質量部、ステアリン酸1質量部、カーボン5質量部、炭カル40質量部、可塑剤A5質量部及びイオン導電剤2質量部を配した。さらに、これに加硫剤としてDM1質量部、TS1質量部及び硫黄1質量部を配して、密閉型混練機及びオープンロール機を用いて混練を行って未加硫のゴム組成物を得た。
【0058】
<導電性ゴムローラの作成>
押出し機を用いて上記ゴム組成物を押出すと同時に、接着剤を塗布した外径6mm長さ250mmの芯金を、連続的にクロスヘッドダイを通過させて、芯金上に未加硫ゴムを被覆した後、熱風炉にて180℃×1h加熱して加硫ゴム層を有するゴムローラを作成した。次いで、両端部から10mm位置にカッター刃を入れて両端部のゴム層を除いた後、研磨砥石GC80を取り付けた研磨機にセットし、外径が外径9mmになるように研磨し、導電性ゴムローラを作成した。なお、研磨条件としては、回転速度2000rpm、送り速度500mm/分とした。
【0059】
実施例2〜5
可塑剤Aの添加量を表2に示す量としたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物及び導電性ゴムローラを得た。
【0060】
実施例6
ゴム成分をGECO 50質量部及びNBR50質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物及び導電性ゴムローラを得た。
【0061】
実施例7
ゴム成分をGECO 20質量部及びEPT80質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物及び導電性ゴムローラを得た。
【0062】
実施例8
加硫剤組成をXL2質量部及びP−152 1質量部とし、さらに受酸剤3質量部を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物及び導電性ゴムローラを得た。
【0063】
実施例9〜10
XLの添加量を表2に示す量としたこと以外は実施例18同様にして、ゴム組成物及び導電性ゴムローラを得た。
【0064】
実施例11〜12
可塑剤Aに換え、酸価、水酸基価及びけん化価が小さい可塑剤B0.5質量部又は8質量部としたこと以外は、実施例7と同様にして、ゴム組成物及び導電性ゴムローラを得た。
【0065】
比較例1
可塑剤Aに換えて、可塑剤C5質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物及び導電性ゴムローラを得た。
【0066】
比較例2
可塑剤Aに換えて、可塑剤D5質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物及び導電性ゴムローラを得た。
【0067】
比較例3
可塑剤Aに換えて、可塑剤E5質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物及び導電性ゴムローラを得た。
【0068】
比較例4
ゴム成分をGECO 15質量部及びEPT85質量部とし、可塑剤Aに換えて、可塑剤B5質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物及び導電性ゴムローラを得た。
【0069】
上記実施例、比較例で作成した導電性ゴムローラについて、ゴム層の硬さ(ローラ硬度)、圧縮永久歪み、電気抵抗を下記により測定した。また、導電性ゴム組成物の加工性及び硬化物でのブリードも下記により調べた。
【0070】
ゴム層の硬さ(ローラ硬度)
ゴム層の硬さは、マイクロ硬度計MD−1型(商品名、高分子計器株式会社製)を用いて23.5℃/60%RH環境において測定した。測定方法としては導電性ゴムローラを金属製の板の上に置き、金属製のブロックを置いてローラが転がらないように固定し、測定端子が金属板に対して垂直方向からローラの中心に正確に当たるようにし、ピークホールドモードで測定した時の値を読み取った。これを該ローラのゴム層端部から30mmの位置の両端部及び中央部をそれぞれ周方向に3箇所、計9箇所測定し、得られた測定値の平均値をゴム層の硬さ(ローラ硬度)とした。
【0071】
圧縮永久歪み
JIS K−6262に従って、5.5.1の大型試験片(直径29mm、厚さ12.5mm)を導電性ゴム組成物から180℃×1hrの硬化条件で作成し、70℃×25%圧縮の条件下で22時間放置したときの圧縮永久歪み(%)を測定した。
【0072】
導電性ゴムローラの電気抵抗(ローラ電流値)
23℃×53%RHの環境に12時間以上なじませた後、ローラの芯金に総荷重1kgが掛かるように外径30mmのアルミニウム製のドラムに圧着させた状態で、芯金とドラムとの間に200Vの電圧を印加して、流れる電流測定した。
【0073】
加工性
導電性ゴム組成物の加工性について、主にオープンロールへの貼り付き、押出し時のゴム収縮等から、下記基準で判断した。
◎:作業上、特に問題ない。
○:多少困難を伴うが、実用レベルであった。
×:作業が非常に困難であった。
【0074】
ブリード
圧縮永久歪みの測定におけると同様に作成した試験片を、1週間室温放置して表面への染み出しを目視確認し、下記基準で判定した。
◎:表面に染み出しがない。
×:染み出しが明らかに観察される。
【0075】
総合判定
上記ローラ硬度、圧縮永久歪み、ローラ抵抗、加工性及びブリード性を総合して、導電性ゴムローラとしての適否を判断し、下記基準で評価した。
〇:適している。
×:適さない、又は製造困難。
【0076】
以上の結果を表2にまとめた。
【0077】
【表2】

【0078】
実施例1〜5は、ゴム成分としてエピクロルヒドリンゴムを使用し、極性を有するパラフィン系オイル0.3質量部乃至12質量部を配合したものである。いずれの場合も導電性及び圧縮永久歪みの悪化や、ブリードが見られず、ローラ硬度も約20乃至40の範囲と良好であった。なお、極性を有するパラフィン系オイルの使用量が少ないと、低硬度化の効果が期待されるほど得られなかった(実施例4、0.3質量部)。また多すぎると配合量がゴム組成物のタック性が失われて、ゴム練り加工時にロールに巻きつかず作業に時間がかかる場合があった(実施例5、12質量部)。しかし、いずれの場合も実用上は問題なく、処方の微調整や加工方法の改良等で十分使用できると思われる。
【0079】
実施例1、6及び7及び比較例4は、ゴム成分の違いを検討したものである。非極性ゴムを使用した実施例7及び比較例4を見ると、非極性ゴム80質量部(実施例7)では、ローラ抵抗は高くなっているものの加工性、ブリードには問題がなく、使用可能である。しかし、85質量部(比較例4)では、極性ゴム成分が少なすぎるために極性を付与したパラフィン系オイルとの相溶性が低下し、わずかながらブリードが確認され、ブリードに問題がある。また、極性ゴム同士の併用(実施例6)では、GECO単独使用(実施例1)と同様に加工性、ブリードには問題がないが、ローラ抵抗がやや高くなる。なお、いずれの場合も圧縮永久歪みには問題がなかった。しかし、実施例6、7では、導電性については、さらに導電剤の適正化等で対応する必要がる。
【0080】
実施例8〜10では、加硫剤を2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体に変更したものである。この場合は、実施例1〜5よりも更に低硬度化及び圧縮永久歪み性の改善が図られて、より好適である。しかし、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体の使用が少ない(実施例9)と、圧縮永久歪みに対する改良効果が弱くい。また、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体の使用量が多くなる(実施例10)と、圧縮永久歪みが実施例8とあまり変わらないが、マイクロ硬度だけが高くなる傾向にあった。この結果から見て、いずれも実用上問題なく、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体の使用範囲は0.1質量部乃至10質量部が好適であるといえる。
【0081】
実施例11及び12は、極性ゴムと非極性ゴムが20:80のゴム組成物に対し、極性を有するパラフィン系オイルとして、実施例1〜10で使用した可塑剤Aよりも酸価、水酸基価及びけん化価のいずれもが小さい可塑剤Bを使用したものである。ローラ硬度としては、可塑剤Bを0.5〜8質量部添加により35〜47の間で調整可能なことから、実用上問題なく、低硬度化のための可塑剤として使用できると思われる。しかし、実施例7と同様、非極性ゴムを使用しているため高抵抗化している。これに対して、イオン導電剤を増量したり、他の導電剤(カーボンブラック等)を併用したりするなどで対応可能であるので、十分導電性ゴムローラ原料として使用可能と思われる。
【0082】
比較例1では、可塑剤として、極性を有するパラフィン系オイルに換え、ゴムローラ等に一般に使用されているDOPを使用した。この場合、練り加工時に若干、ロールへの貼り付きが認められた。また、マイクロ硬度も54程度にしかならず、可塑化効率が不十分であり、更に低硬度化するには、添加量を増やす必要がある。つまり、本発明の導電性ゴム組成物に十分な低硬度化を図るために、可塑剤としてDOPを用いると、練り加工性のさらなる低下、ブリード等が懸念され、あまり実用的ではないと思われる。
【0083】
比較例2に見られるように、可塑剤として、通常のパラフィン系オイルを使用した場合、エピクロルヒドリンゴムと上手く相溶せず、練り加工時に既に染み出しが観察され、ローラ形状に成型できなかった。また、圧縮永久歪みを、測定用の試験片を作成し、測定したが、試験片からのパラフィン系オイルの染み出しがひどく、正常に測定することができなかった。
【0084】
比較例3では、可塑剤として、極性を有するパラフィン系オイルに換え、極性ゴムの可塑化に使用される液状NBRを使用した。しかし、比較例1よりもさらに強固にロール貼り付きが発生し、練り加工が非常に困難であった。また、マイクロ硬度も58と高く、可塑化効率も良くないので、液状NBRは本発明の導電性ゴム組成物の可塑剤としてあまり実用的ではないと思われる。
【0085】
なお、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ等に本発明の導電性ゴムローラを応用するには、それぞれ必要な導電性、表面性等の修正を行うことにより、使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明で使用する極性を有するパラフィン系オイル(可塑剤A)及び一般のパラフィン系オイル(可塑剤D)のFT−IRスペクトルである。
【図2】本発明の導電性組成物により成型される導電性ゴムローラの実施形態の1例の断面図である。
【符号の説明】
【0087】
1 芯金
2 導電性ゴム層
3 表面層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極性ゴム及び非極性ゴムの合計を100質量部としたとき、該極性ゴムが20質量部乃至100質量部であり、さらに、極性を有するパラフィン系オイルを含むことを特徴とする導電性ゴム組成物。
【請求項2】
極性を有するパラフィン系オイルが、少なくとも水酸基、エステル基又はカルボキシル基を有するものであることを特徴とする請求項1記載の導電性ゴム組成物。
【請求項3】
極性を有するパラフィン系オイルが、酸価15mgKOH/g以上50mgKOH/g以下、水酸基価20mgKOH/g以上40mgKOH/g以下、かつ、けん化価40mgKOH/g以上160mgKOH/g以下のものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性ゴム組成物。
【請求項4】
極性ゴムが、エピクロルヒドリンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム及びアクリルゴムから選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の導電性ゴム組成物。
【請求項5】
極性を有するパラフィン系オイルの配合量が、極性ゴム及び非極性ゴムの合計100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の導電性ゴム組成物。
【請求項6】
ゴム成分がエピクロルヒドリンゴムであり、さらに、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体がエピクロルヒドリンゴム100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下配合されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の導電性ゴム組成物。
【請求項7】
電子写真装置で用いられる導電性ゴムローラであって、導電性ゴム層が、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の導電性ゴム組成物にて構成されていることを特徴とする導電性ゴムローラ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−108240(P2009−108240A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283563(P2007−283563)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】