説明

導電性プラスチック材

【課題】 均一な導電性と電磁シールド効果にばらつきのない導電性プラスチック材を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂に、好ましくは10〜80質量%の直径:1〜50μm、長さ:50〜500μmの渦巻き状を呈するステンレス鋼製金属繊維と、あるいはさらに20質量%以下の直径:5〜30μm、長さ:1〜15mmの直線状を呈するステンレス鋼製金属繊維を均一分散させる。樹脂に、金属繊維として渦巻き状を呈する金属繊維を混練することにより、金型装入時に樹脂の層状流れが生じても金属繊維の分散が均一となり、かつ金属繊維同士の絡み合いが良好に保たれ、導電性、シールド効果が均一となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性プラスチック材に係り、とくに、電子機器用各種素子の製造工程において使用されるハンドリングトレーや、クリーンルームで使用されるキャスター、靴、床材等の静電気防止対策が必要な材料用として好適な、あるいは電磁ノイズ防止が要求される各種電子機器筐体用として好適な、導電性プラスチック材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種電子機器の製造工程において、静電気防止対策が必要なハンドリングトレーには、樹脂にカーボンブラックやカーボンファイバーを混練した導電性樹脂が使用されてきたが、カーボンブラックやカーボンファイバーなどの脱落によるコンタミ(汚染)が発生し、クリーン性に問題があった。また、電磁ノイズ防止が要求される各種電子機器筐体には、樹脂製筐体の裏面にニッケルめっきを施したり、導電性塗料を塗布することが電磁シールド用の二次加工工程として一般的に行なわれていた。しかし、これら二次加工工程は、射出成形後に行うため、コストダウンが課題となっている。最近ではこのような問題に対し、熱可塑性樹脂に金属繊維を混練し、導電性を付与した導電性樹脂が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1、特許文献2には、直線状のステンレス長繊維を切断して、樹脂に混練し導電性を付与する技術が提案されている。しかし、特許文献1、特許文献2に記載された技術で製造された導電性樹脂では、混練した金属繊維が均一に分散しておらず、かつ相互に接触しない部分が生じるため、シールド効果にばらつきが生じるという問題があった。
【0004】
このような問題に対し、例えば特許文献3には、プラスチック中に、導電性充填材として、個々が互いに絡みやすい巻き毛状である金属繊維を、所定割合で分散、配合した導電性複合プラスチック材が提案されている。特許文献3に記載された導電性複合プラスチック材では、金属繊維が互いに連繋している状態で均一に分散しているため、シールド効果にばらつきを生じることがなく、金属繊維の配合割合が少なくて済むとしている。
【特許文献1】特開昭61−51311号公報
【特許文献2】特開昭61−66755号公報
【特許文献3】特開昭63−280603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献3に記載された技術では、金属繊維は二次元的にカールした巻き毛状の金属繊維を使用しており、このような形状の金属繊維を含む樹脂を、金型内に射出した場合には、金属繊維同士の絡み合いが低減する場合がある。例えば、図6に示すように、樹脂を金型内に射出し成形する際に、樹脂の流れが層流状態となる場合があり、このような場合には、導電性付与充填材として、特許文献3に記載された技術におけるように二次元的にカールした形状の金属繊維を使用すると、金属繊維同士の絡み合いが低減し、シールド効果にばらつきが生じることになる。このような現象は、とくに肉厚の薄い射出成形製品の場合に顕著となる。
【0006】
本発明は、かかる従来技術の問題を有利に解決し、例えば、薄肉射出成形製品においても金型内の樹脂流れに左右されることなく常に、樹脂内で金属繊維が均一に分散し、かつ金属繊維同士が絡み合い、均一な導電性を有し、電磁シールド効果にばらつきがない導電性プラスチック材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記した課題を解決するために、樹脂に混練する金属繊維の形状と導電性ばらつきの関係について鋭意考究した。その結果、金型内の樹脂流れに依らず、常に金属繊維同士が絡み合うためには、樹脂に混練する金属繊維の形状を3次元的形状である、渦巻き状とすることが良いことに想到した。本発明でいう「渦巻き状」の金属繊維とは、図1に示すような、金属繊維が略閉ループを少なくとも1回を超えて形成する、3次元的形状を有する金属繊維をいうものとする。なお本発明では、閉ループは起点と終点が完全に一致する必要はなく、高さ方向に段差を有していても、また、完全な閉ループとならなくてもよく、略閉ループを形成すればよいものとする。
【0008】
このような「渦巻き状」を呈する金属繊維を樹脂中に混練すると、たとえ金型内で樹脂の層流が発生しても、図2に示すように、金属繊維の異方性がなく、金属繊維同士の絡み合い頻度は低下することはない。そのため、樹脂中に金属繊維が均一に分散し、しかもそれらが絡み合って、導電性のばらつきがなくなるという知見を得た。また、本発明者らは、たとえ金型内で樹脂の層流等の流れが発生した場合でも「渦巻き状」を呈する金属繊維の長さを500μm未満とすることが、均一分散の効果をさらに高めるために有効であることを見い出した。
【0009】
本発明は、このような知見に基づいて、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)熱可塑性樹脂に、金属繊維を均一分散させてなる導電性プラスチック材であって、前記金属繊維の一部または全部が渦巻き状を呈する金属繊維であることを特徴とする導電性プラスチック材。
【0010】
(2)(1)において、前記渦巻き状を呈する金属繊維を、質量%で10〜80%含有することを特徴とする導電性プラスチック材。
(3)(1)または(2)において、前記渦巻き状を呈する金属繊維が、直径:1〜50μm、長さ:50〜500μmの形状を有することを特徴とする導電性プラスチック材。
(4)(2)または(3)において、前記渦巻き状を呈する金属繊維に加えて、直径:5〜30μm、長さ:1〜15mmの形状の直線状を呈する金属繊維を質量%で、20%以下含有することを特徴とする導電性プラスチック材。
【0011】
(5)(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記金属繊維が、ステンレス鋼製であることを特徴とする導電性プラスチック材。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、金型内の樹脂流れに依らず、混練する金属繊維の分散が均一となり、かつ金属繊維同士が絡み合い、均一な導電性を有する導電性プラスチック材を容易にしかも安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。本発明によれば、静電気を防止できる半導体製造用樹脂製トレーや、電磁ノイズの発生を防止できる樹脂製電子機器筐体を安価に製造できるという効果もある。とくに、本発明によれば、樹脂製電子機器筐体においては、射出成形機による成形加工のみの工程でよく、成形後のニッケルめっきや導電性塗料の塗布等の電磁シールド用の二次加工工程を必要とせず、生産性向上に寄与するという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の導電性プラスチック材は、熱可塑性樹脂に、金属繊維を均一分散させてなる導電性プラスチック材であり、使用する金属繊維の一部または全部を渦巻き状を呈する金属繊維とする。本発明では使用する金属繊維の材質は特に限定する必要はないが、耐食性向上の観点から、SUS304系、SUS430系等のステンレス鋼製繊維とすることが好ましい。
渦巻き状を呈する金属繊維は、上記したように、略閉ループを少なくとも1回を超えて形成する、3次元的形状を有する金属繊維をいう。略閉ループ回数が1以下では、金属繊維の形状が二次元的となり、金型内で樹脂の流れが層流となった場合に、金属繊維同士の絡み合い頻度が低下する。このため、本発明では、略閉ループ回数(渦巻き回数)が1を超える、渦巻き状を呈する金属繊維を使用する。渦巻き回数が1以下では、金属繊維の形状が二次元的であり、金属繊維同士の絡み合いの頻度が低下する場合がある。
【0014】
金属繊維の渦巻き回数と電磁シールド効果との関係を図3に示す。
図3は、金属繊維として、直径:1〜50μm、長さ:50〜500μmのステンレス鋼製繊維を、熱可塑性樹脂(ポリプロピレン樹脂)に30質量%混練して、射出成形機により100mm角×1.5mm厚の平板状に成形して得た導電性プラスチック材について電磁シールド効果を測定したものである。なお、樹脂中に混練した金属繊維は、金属繊維を振動篩機で70メッシュ篩上品と150メッシュ篩下品を除去して選別することにより、渦巻き回数を種々揃えたものを用いた。
【0015】
本発明では、渦巻き回数の測定は、金属繊維を走査型電子顕微鏡で観察し、各金属繊維が形成する閉ループの回数を、50個以上の金属繊維について測定し、その平均をその金属繊維の渦巻き回数とした。なお、渦巻きが完全に閉ループを形成しない場合があるときは、当該ループの渦巻き完成度合いを小数点以下1桁の数字で表し、渦巻き回数に加算した。
【0016】
図3から、渦巻き回数が1を超えて増加するにしたがい、シールド効果が顕著に増加することがわかる。なお、シールド効果は、平板状のサンプル(3mm厚×150×150mm)を用いて、アドバンテスト法により30〜1000MHzにおけるシールド効果(dB)を測定した。アドバンテスト法は、MIL‐STD‐285の規定に準拠して、ループアンテナを用いた磁界減衰量の測定およびロッドアンテナを用いた電界減衰量の測定を行う方法であり、通常、プラスチック・シールド材評価器(TR17301A アドバンテスト社製)、スペクトラム・アナライザ(TR4172 アドバンテスト社製)およびプロッタからなる測定機器を用いる。なおアンテナ間の距離は10mmとするのが好ましい。
【0017】
プラスチック材中の渦巻き状を呈する金属繊維の含有量は、質量%で10〜80%とすることが好ましい。渦巻き状を呈する金属繊維の含有量が10質量%未満では、金属繊維の含有量が少なく、所望のシールド効果を確保することができない。一方、80質量%を超えて含有しても、シールド効果の向上は飽和し、却って流動性が低下する。
また、渦巻き状を呈する金属繊維は、直径:1〜50μm、長さ:50〜500μmの形状を有することが好ましい。渦巻き状を呈する金属繊維の直径が1μm未満では、細すぎて、射出成形時に金属繊維が破断することとなる。一方、50μmを超えて太くなると、略閉ループ成分が少なくなる。このため、渦巻き状を呈する金属繊維の直径は、1〜50μmの範囲とすることが好ましい。また、渦巻き状を呈する金属繊維の長さが50μm未満では、繊維長さが不足し、金属繊維同士の絡み合いに寄与する頻度が少ない。一方、500μmを超えて長くなると、凝集により流動性が低下し、均一分散しにくくなる。このため、渦巻き状を呈する金属繊維の形状を長さ:50〜500μmに限定することが好ましい。
【0018】
また、本発明では、使用する金属繊維は、上記した渦巻き状を呈する金属繊維に加えて、直線状を呈する金属繊維を含有してもよい。渦巻き状を呈する金属繊維は、樹脂中に均一に分散して互いに絡み合う作用を有し、一方、直線状を呈する金属繊維は、広範囲に渦巻き状を呈する金属繊維を繋ぎ合わせる作用がある。この状況を図5に模式的に示す。渦巻き状を呈する金属繊維に加えて直線状を呈する金属繊維を含有することにより、渦巻き状を呈する金属繊維のみとする場合に比べて、少ない金属繊維含有量で同じ導電性効果を得ることができる。本発明では、各金属繊維それぞれを適正範囲内で含有させ、それぞれの作用を有効に発揮させ、最大効果を発揮させることができるように配慮している。
【0019】
この状況を図4に示す。図4は、渦巻き状を呈する金属繊維(ステンレス鋼製繊維)のみを樹脂中に含有する場合と、直線状を呈する金属繊維(ステンレス鋼製繊維)と渦巻き状を呈する金属繊維(ステンレス鋼製繊維)を混合して金属繊維として樹脂中に含有する場合について、導電性樹脂の表面抵抗値に及ぼす金属繊維含有量の影響を図示したものである。なお、渦巻き状を呈する金属繊維(ステンレス鋼製繊維)の混合は、20質量%(一定)とした。
【0020】
なお、導電性樹脂の表面抵抗値は、金属繊維を含む導電性樹脂の導電性効果を示す指標として通常用いられる値であり、日本ゴム協会標準規格No.SRIS2301‐1969(「導電性ゴム及びプラスチックの体積抵抗率試験方法」(電圧電流法))に準拠して実施し、一対の電極をサンプル上に15mm間隔で置き、両電極に均等に荷重、印加電圧をかけ、電極間の抵抗値をテスターで測定して得られた値を用いるものとする。
【0021】
渦巻き状を呈する金属繊維に加える直線状を呈する金属繊維は、質量%で20%以下に限定することが好ましい。直線状を呈する金属繊維の含有量が、20質量%を超えて多くなると、混練中に、金属繊維が混練スクリューに絡みつき、混練できなくなる恐れがある。しかし、混練スクリューの強度を増加したりあるいは混練機の動力を増加すると、金属繊維が折損したり玉状となりプラスチックの導電性効果が低下する。なお、好ましくは直線状を呈する金属繊維の含有量は10〜15質量%である。
【0022】
また、含有する直線状を呈する金属繊維としては、直径:5〜30μm、長さ:1〜15mmの形状を有する金属繊維とすることが好ましい。直線状を呈する金属繊維の直径が5μm未満では、細すぎて射出成形時の剪断作用で破断しやすくなる。一方、30μmを超えて太くなると、アスペクト比が小となる。このため、直線状を呈する金属繊維の直径は、5〜30μmの範囲とすることが好ましい。また、直線状を呈する金属繊維の長さが1mm未満では、長さが不足し、金属繊維同士の絡み合いに寄与する頻度が少ない。一方、15mmを超えて長くなると、凝集性が大となる。このため、直線状を呈する金属繊維の形状を長さ:1〜15mmに限定することが好ましい。
【0023】
また、本発明で使用する熱可塑性樹脂は、通常公知の熱可塑性樹脂がいずれも好適であり、本発明ではとくに限定する必要はない。なお、好ましい熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS 等の汎用樹脂や、ポリカーボネート、アセタール等のエンジニアリングプラスチック系樹脂が例示できる。
つぎに、本発明の導電性プラスチック材の好ましい製造方法について説明する。
【0024】
上記した樹脂に、導電性充填材としての渦巻き状を呈する金属繊維、あるいはさらに直線状を呈する金属繊維を所定量それぞれ配合し、好ましくは一軸型押出機にて、混練、造粒後、射出成形機、押出成形機等で所望の形状の製品に成形することが好ましい。渦巻き状を呈する金属繊維の製造方法は、素材であるステンレス鋼材を研削して、繊維状に成形したのち、振動篩機等により70メッシュから150メッシュ間で分級される繊維を採取するなど、所望の形状の渦巻き状を呈する金属繊維を選別することが好ましい。一方、直線状を呈する金属繊維は、引抜伸線法と熱処理あるいはバイトで切削する方法により直線状の繊維とした長い金属繊維を所望の長さに切断して得られたものを使用することが好ましい。
【実施例】
【0025】
表1に示す種類の熱可塑性樹脂に、導電性充填材として、表1に示すSUS304製の渦巻き状を呈するステンレス鋼製繊維、あるいはさらに直線状を呈するステンレス鋼製繊維(SUS304製)を、それぞれ表1に示す含有量となるように配合し、一軸型押出機で混練、造粒したのち、射出成形機で、3mm厚×150×150mmの大きさの薄肉導電性プラスチック材とした。なお、渦巻き状を呈するステンレス鋼製繊維は、素材であるSUS304製の鋼板を研削して、繊維状に成形したのち、振動篩機により所定形状の渦巻き状を呈する金属繊維を選別することにより得た。得られた渦巻き状を呈する金属繊維は、直径:1〜50μm、長さ:50〜500μmであり、平均渦巻き回数を表1に示すものとした。
【0026】
また、直線状を呈するステンレス鋼製繊維は、引抜伸線法と熱処理を組み合わせて、直線繊維状とし、所望の長さに切断することにより得た。直線状を呈するステンレス鋼製繊維は、平均直径:8μm、平均長さ:5mmに調整した。
なお、比較例として、渦巻き回数が1以下の金属繊維を配合した。比較例1として、平均渦巻き回数:0.2回、直径:10〜30μm、長さ:1〜3mmのSUS304製ステンレス鋼繊維(プラスチック材No.E,No.J)、比較例2として、平均渦巻き回数:0.2回、直径:1〜50μm、長さ:50〜500μmのSUS304製のステンレス鋼繊維(プラスチック材No.I)とした。
【0027】
得られた導電性プラスチック材について、電磁シールド効果、又は導電性効果を測定した。電磁シールド効果、導電性効果の測定は次の方法で行なった。
(1)電磁シールド効果の測定方法
得られた導電性プラスチック材から、3mm厚×150×150mmの平板を採取し、アドバンテスト法で30〜1000MHzにおけるシールド効果を測定し、電磁シールド効果の指標(dB)とした。
【0028】
(2)導電性効果の測定方法
得られた導電性プラスチック材について、日本ゴム協会標準規格No.SRIS2301-1969に準拠し、一対の電極を15mm間隔でサンプル上に置き、両電極間に均等に荷重を付加するとともに、印加電圧(9V)を付与して、電極間の表面抵抗値(Ω/sq)を測定し、導電性効果の指標とした。
【0029】
得られた結果を表1に示す。
【0030】
【表1】

【0031】
本発明例はいずれも、高い電磁シールド効果を有し、また、低い表面抵抗値を示し高い導電性効果を有するプラスチック材となっている。一方、本発明の範囲を外れる比較例はいずれも電磁シールド効果および/または導電性効果が低くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】渦巻き状を呈する金属繊維の形状を模式的に示す説明図である。
【図2】金型内の樹脂層状流れにおける渦巻き状を呈する金属繊維の挙動の一例を模式的に示す説明図である。
【図3】金属繊維の渦巻き回数とシールド効果との関係を示すグラフである。
【図4】導電性樹脂の表面抵抗値に及ぼす金属繊維含有量の影響を示すグラフである。
【図5】渦巻き状を呈する金属繊維と直線状を呈する金属繊維との絡み合い状況を模式的に示す説明図である。
【図6】金型内の樹脂層状流れにおける二次元的形状を呈する金属繊維の挙動の一例を模式的に示す説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂に、金属繊維を均一分散させてなる導電性プラスチック材であって、前記金属繊維の一部または全部が渦巻き状を呈する金属繊維であることを特徴とする導電性プラスチック材。
【請求項2】
前記渦巻き状を呈する金属繊維を、質量%で10〜80%含有することを特徴とする請求項1に記載の導電性プラスチック材。
【請求項3】
前記渦巻き状を呈する金属繊維が、直径:1〜50μm、長さ:50〜500μmの形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の導電性プラスチック材。
【請求項4】
前記渦巻き状を呈する金属繊維に加えて、直径:5〜30μm、長さ:1〜15mmの形状の直線状を呈する金属繊維を質量%で、20%以下含有することを特徴とする請求項2または3に記載の導電性プラスチック材。
【請求項5】
前記金属繊維が、ステンレス鋼製であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の導電性プラスチック材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−9090(P2007−9090A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192979(P2005−192979)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(591006298)JFEテクノリサーチ株式会社 (52)
【Fターム(参考)】