説明

導電性微粒子、異方性導電材料、及び、導電接続構造体

【課題】微細な電極間の導電接続に用いられ、落下等による衝撃が加わってもハンダ層の亀裂や、電極と該導電性微粒子との接続界面の破壊による断線が生じにくく、加熱と冷却とを繰返し受けても疲労しにくい導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、導電接続構造体を提供する。
【解決手段】樹脂微粒子の表面に、錫を含有するハンダ層が形成された導電性微粒子であって、前記ハンダ層の表面にニッケルが付着しており、前記ハンダ層に含有される金属と前記ハンダ層の表面に付着しているニッケルとの合計に占めるニッケルの含有量が0.0001〜5.0重量%である導電性微粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細な電極間の導電接続に用いられる導電性微粒子に関する。より詳しくは、落下等による衝撃が加わってもハンダ層の亀裂や、電極と該導電性微粒子との接続界面の破壊による断線が生じにくく、加熱と冷却とを繰返し受けても疲労しにくい導電性微粒子に関する。また、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、導電接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子回路基板において、ICやLSIは、電極をプリント基板にハンダ付けすることによって接続されていた。しかし、ハンダ付けでは、プリント基板と、ICやLSIとを効率的に接続することはできなかった。また、ハンダ付けでは、ICやLSIの実装密度を向上させることが困難であった。
これを解決するためにハンダを球状にした、いわゆる「ハンダボール」でICやLSIを基板に接続するBGA(ボールグリッドアレイ)が開発された。BGAを用いれば、チップ又は基板に実装されたハンダボールを高温で溶融させ、基板とチップとを接続することができる。したがって、電子回路基板の生産効率が改善され、チップの実装密度が向上した電子回路基板を製造することができる。
【0003】
しかし、近年、基板の多層化が進み、多層基板は使用環境の影響を受けやすいことから、基板に歪みや伸縮が発生し、基板間の接続部に断線が発生するという問題があった。
例えば、ハンダボールを用いて、半導体が基板に接続されると、半導体と基板との線膨張係数が違うため、ハンダボールに応力が加わる。その結果、ハンダボールに亀裂が入り、断線することがあった。
【0004】
このような問題に対し、特許文献1には、樹脂微粒子の表面に、導電性の高い金属が含まれる金属層が形成され、さらに、金属層の表面に、ハンダ層が形成された導電性微粒子が開示されている。このような導電性微粒子を用いれば、柔軟な樹脂微粒子が導電性微粒子に加わる応力を緩和することができる。導電性微粒子の最表面にハンダ層が形成されているため、電極間を容易に導電接続することができる。
【0005】
しかしながら、樹脂微粒子の表面に、ハンダ層が形成された導電性微粒子が携帯電話等の電子機器に用いられると、落下等の衝撃が加わることによりハンダ層に亀裂ができたり、電極と導電性微粒子との接続界面が破壊されたりすることがあった。ハンダ層に亀裂ができたり、接続界面が破壊されたりすると、電極と導電性微粒子との接続が断線してしまうという問題があった。
【0006】
また、ハンダ層が形成された導電性微粒子を基板の電極に実装する場合、一方の基板に形成された電極上に、導電性微粒子を配置し、リフローすることでハンダ層を溶融させ、導電性微粒子を電極に固定する(工程1)。その後、他方の基板に形成された電極と、一方の基板に形成された電極とが対向するように配置し、リフローすることで基板の電極間が導電接続される(工程2)。
しかしながら、特許文献1に開示されている導電性微粒子を用いて、基板の電極間を導電接続すると、工程1において、ハンダ層が溶融され、図1に示すように、導電性微粒子の金属層の表面に、他方の基板に形成された電極を導電接続するハンダ層が充分に存在しなくなることがあった。結果として、導電接続できないことがあった。
また、電子機器は使用されると、電子部品の発熱によって、電子機器内部の温度が上がり、電子機器の使用後は、電子機器内部の温度が室温に戻るという加熱−冷却の繰返し、いわゆる「ヒートサイクル」が進行している。このヒートサイクルが繰返されると、ハンダ層の熱疲労が起こり、電極と導電性微粒子との接続界面が破壊され、断線することがあった。
【特許文献1】特開2001−220691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、微細な電極間の導電接続に用いられ、落下等による衝撃が加わってもハンダ層の亀裂や、電極と該導電性微粒子との接続界面の破壊による断線が生じにくく、加熱と冷却とを繰返し受けても疲労しにくい導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、導電接続構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、樹脂微粒子の表面に、錫を含有するハンダ層が形成された導電性微粒子であって、上記ハンダ層の表面にニッケルが付着しており、上記ハンダ層に含有される金属と上記ハンダ層の表面に付着しているニッケルとの合計に占めるニッケルの含有量が0.0001〜5.0重量%である導電性微粒子である。
以下に本発明を詳述する。
【0009】
本発明の導電性微粒子は、樹脂微粒子の表面に、錫を含有するハンダ層が形成されている。
【0010】
本発明の導電性微粒子は、基材微粒子として樹脂微粒子を用いているため、導電性微粒子を導電接続させた基板に、外環境変化による歪みや伸縮が発生しても、柔軟な樹脂微粒子が導電性微粒子に加わる応力を緩和できる。
上記樹脂微粒子は特に限定されず、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等で構成される樹脂微粒子が挙げられる。
上記ポリオレフィン樹脂は特に限定されず、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。
上記アクリル樹脂は特に限定されず、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリメチルアクリレート樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0011】
上記樹脂微粒子の10%K値の好ましい下限は1000MPa、好ましい上限は15000MPaである。上記10%K値が1000MPa未満であると、樹脂微粒子を圧縮変形させると、樹脂微粒子が破壊されることがある。上記10%K値が15000MPaを超えると、導電性微粒子が電極を傷つけることがある。上記10%K値のより好ましい下限は2000MPa、より好ましい上限は10000MPaである。
【0012】
なお、上記10%K値は、微小圧縮試験器(例えば、島津製作所社製「PCT−200」)を用い、樹脂微粒子を直径50μmのダイアモンド製円柱の平滑圧子端面で、圧縮速度2.6mN/秒、最大試験荷重10gの条件下で圧縮した場合の圧縮変位(mm)を測定し、下記式により求めることができる。
K値(N/mm)=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2
F:樹脂微粒子の10%圧縮変形における荷重値(N)
S:樹脂微粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:樹脂微粒子の半径(mm)
【0013】
上記樹脂微粒子は、平均粒子径の好ましい下限が10μm、好ましい上限が2000μmである。平均粒子径が10μm未満であると、樹脂微粒子が凝集しやすく、凝集した樹脂微粒子を用いて得られた導電性微粒子は隣接する電極間を短絡させることがある。平均粒子径が2000μmを超えると、異方性導電材料に適した粒子径を越えてしまうことがある。上記平均粒子径のより好ましい下限は30μm、より好ましい上限は1500μmである。上記平均粒子径の更に好ましい下限は50μm、更に好ましい上限は1000μmである。
なお、上記樹脂微粒子の平均粒子径は、光学顕微鏡、又は、電子顕微鏡を用いて無作為に選んだ50個の樹脂微粒子を観察して得られた直径の平均値を意味する。
【0014】
また、上記樹脂微粒子は、CV値の好ましい上限が15%である。CV値が15%を超えると、導電性微粒子の接続信頼性が低下することがある。CV値のより好ましい上限は10%である。なお、CV値は、標準偏差を平均粒子径で割った値の百分率(%)で示される数値である。
【0015】
上記樹脂微粒子を作製する方法は特に限定されず、例えば、重合法による方法、高分子保護剤を用いる方法、界面活性剤を用いる方法等が挙げられる。
上記重合法による方法は特に限定されず、乳化重合、懸濁重合、シード重合、分散重合、分散シード重合等の重合法による方法が挙げられる。
【0016】
本発明の導電性微粒子は、樹脂微粒子の表面に、錫を含有するハンダ層が形成されている。なお、上記ハンダ層は、導電性微粒子の最表面に形成されていることが好ましい。
本発明では、ハンダ層に錫を含有することで、ハンダ層の強度等を向上させることができる。
また、本発明では、上記ハンダ層は錫を必須金属として含有し、更に、銀、アンチモン、銅、ビスマス、インジウム、ゲルマニウム、アルミニウム、亜鉛、ニッケル等の金属を含有してもよい。上記ハンダ層として、錫、錫/銀、錫/亜鉛、錫/銀/銅、錫/ビスマス等を含有するハンダ層が挙げられる。なお、上記ハンダ層の表面にニッケルを付着させた場合、上記ハンダ層に含有する金属としてニッケルが含まれることもある。
本発明では、ハンダ層の融点が低下し、ハンダ層の強度が向上することから、錫/銀を含有するハンダ層を用いることが好ましい。
【0017】
上記ハンダ層は銀を含有してもよい。上記ハンダ層に含有される金属と上記ハンダ層の表面に付着しているニッケルとの合計に占める銀の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.5重量%、好ましい上限は10重量%である。上記ハンダ層に含有される金属と上記ハンダ層の表面に付着しているニッケルとの合計に占める銀の含有量が0.5〜10重量%の範囲内であると、上記ハンダ層の融点が低下し、上記ハンダ層の強度が向上する。上記ハンダ層に含有される金属と上記ハンダ層の表面に付着しているニッケルとの合計に占める銀の含有量のより好ましい下限は0.7重量%、より好ましい上限は5重量%である。
【0018】
上記ハンダ層に含有される金属と上記ハンダ層の表面に付着しているニッケルとの合計に占める錫の含有量は特に限定されないが、ニッケル及び銀等の錫以外の金属の残部を錫の含有量とすることができる。上記ハンダ層に含有される金属と上記ハンダ層の表面に付着しているニッケルとの合計に占める錫の含有量は、好ましい下限は85重量%、好ましい上限は99.4999重量%である。
【0019】
上記ハンダ層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は50μmである。上記ハンダ層の厚さが1μm未満であると、導電性微粒子を電極に接合できないことがある。上記ハンダ層の厚さが50μmを超えると、上記ハンダ層の形成時に、導電性微粒子が凝集することがある。
上記ハンダ層の厚さのより好ましい下限は3μm、より好ましい上限は40μmである。なお、上記ハンダ層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均した厚さである。
【0020】
本発明の導電性微粒子は、上記錫を含有するハンダ層の表面にニッケルが付着している。ニッケルが付着した導電性微粒子を、基板等の電極の接続に用いると、リフロー後に導電性微粒子と電極との接続界面に形成される金属間化合物の結晶組織が微細化される。
金属間化合物が微細な結晶組織であると、結晶組織が壊れにくくなる。金属間化合物の結晶組織が微細化されると、落下等による衝撃が加わってもハンダ層の亀裂や、電極と該導電性微粒子との接続界面の破壊による断線が生じにくくなる。さらに、加熱と冷却とを繰返し受けても疲労しにくい導電性微粒子が得られる。また、接続界面に分布する微細な金属間化合物の結晶組織が、アンカー効果を発揮することも考えられるため、落下等による衝撃が加わっても導電性微粒子と電極との接続界面が破壊されにくくなる。
また、ニッケルは上記錫を含有するハンダ層の表面に付着されているので、リフローの時にハンダ層に含有される錫とニッケルとが、優先的に微細な金属間化合物の結晶組織を形成すると考えられる。特に、本発明の導電性微粒子を、最表面に向かって、ニッケル−リンメッキ層、置換金メッキ層が順次形成された電極に実装すると、リフロー時に、錫とニッケルとが微細な金属間化合物の結晶組織を形成するため、ニッケル−リンメッキ層由来のニッケルが、ハンダ層へ拡散することを防止できる。ニッケル−リンメッキ層由来のニッケルの拡散が防止されることで、ハンダ層と電極との接続界面の強度を低下させるリン濃縮層の形成が抑制できる。
なお、ニッケルが付着しているとは、上記ハンダ層の表面にニッケルが存在しており、上記ハンダ層の表面を完全に被覆するニッケル層が形成されていない状態を意味する。
【0021】
上記ハンダ層の表面に付着させるニッケルの付着量は、上記ハンダ層に含有される金属と上記ハンダ層の表面に付着しているニッケルとの合計に占めるニッケルの含有量で定義され、ニッケルの含有量の下限が0.0001重量%、上限が5.0重量%である。ニッケルの含有量が0.0001重量%未満であると、アンカー効果が充分に発揮されず、落下等の衝撃が加わると、電極と導電性微粒子との接続界面が破壊されやすく、断線が生じる。ニッケルの含有量が5.0重量%を超えると、上記導電性微粒子の柔軟性が損なわれたり、リフロー時に電極に実装することができなかったりする。ニッケルの含有量の好ましい下限は0.002重量%、好ましい上限は3.0重量%である。
なお、上記ニッケルの含有量は、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)等を用いて測定することができる。また、上記ハンダ層の表面にニッケルが付着していることは、電界放射型走査電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所社製「S−4100」)等で確認することができる。
【0022】
本発明の導電性微粒子は、最表面に上記錫を含有するハンダ層が形成され、上記錫を含有するハンダ層にニッケルが特定の割合で付着した導電性微粒子であれば特に限定されないが、導電性微粒子と電極との接続信頼性を高めるために、上記樹脂微粒子の表面と、錫を含有するハンダ層との間に、更に金属層が形成されていることが好ましい。本発明の導電性微粒子は、上記樹脂微粒子の表面に、上記金属層、上記錫を含有するハンダ層が順次形成されていることが好ましい。
上記金属層を形成する金属は、金、銀、銅、白金、パラジウム、コバルト、ニッケル等が挙げられる。なかでも、導電性微粒子と電極との接続信頼性を高める効果に優れることから、上記金属層を形成する金属は、金、銅であることが好ましい。なお、上記金属層は、上記樹脂微粒子に直接形成されていてもよく、上記金属層と上記樹脂微粒子との間に、ニッケル層等の下地金属層が形成されていてもよい。
【0023】
上記金属層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は70μmである。上記金属層の厚さが1μm未満であると、導電性が充分に得られないことがある。上記金属層の厚さが70μmを超えると、導電性微粒子の柔軟性が損なわれることがある。上記金属層の厚さのより好ましい下限は3μm、より好ましい上限は50μmである。
なお、上記金属層の厚さは、無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均した厚さである。
【0024】
さらに、本発明の導電性微粒子は、上記錫を含有するハンダ層の表面にニッケルが付着しているため、電極間を容易に導電接続することができる。これは、上記錫を含有するハンダ層の表面にニッケルが付着しているため、本発明の導電性微粒子が、一方の基板に形成された電極に実装された後も、導電性微粒子の最表面に上記錫を含有するハンダ層が存在し、電極間が容易に導電接続されると考えられる。
【0025】
本発明の導電性微粒子の製造方法は特に限定されず、例えば、以下の方法により製造することができる。
【0026】
まず、樹脂微粒子の表面に錫を含有するハンダ層を形成させるために、樹脂微粒子の表面に無電解メッキ法により下地メッキ層としてニッケル層(以下、下地ニッケルメッキ層ともいう)を形成させる。
【0027】
次に、樹脂微粒子と錫を含有するハンダ層との間に金属層を形成させる場合、金属層を形成させる方法は特に限定されず、例えば、電解メッキ法による方法が挙げられる。
【0028】
次に、導電性微粒子の最表面に錫を含有するハンダ層を形成させる。
上記錫を含有するハンダ層を形成させる方法は特に限定されず、例えば、電解メッキ法による方法が挙げられる。
【0029】
次に、錫を含有するハンダ層に含有される金属と付着したニッケルとの合計に占めるニッケルの含有量が0.0001〜5.0重量%となるように、錫を含有するハンダ層の表面にニッケルを付着させる。
上記錫を含有するハンダ層の表面にニッケルを付着させる方法は、上記錫を含有するハンダ層がニッケルで完全に被覆されなければ特に限定されず、無電解メッキ法、電解メッキ法、スパッタリング法等が挙げられる。上記金属層の表面に、錫を含有するハンダ層を形成させ、無電解メッキ法、スパッタリング法等により錫を含有するハンダ層の表面にニッケルを付着させることにより錫を含有するハンダ層の表面に部分的にニッケルを付着させてもよい。
上記錫を含有するハンダ層の表面にニッケルを付着させることにより、上記錫を含有するハンダ層にニッケルが含有していなくとも、落下等による衝撃が加わっても、電極と導電性微粒子との接続界面が破壊されにくくなるため、断線が生じにくい。さらに、本発明の導電性微粒子を用いれば、電極間を容易に導電接続することができる。
なお、上記錫を含有するハンダ層の表面に付着したニッケルは、一部が上記錫を含有するハンダ層中に拡散していてもよい。
【0030】
上記錫を含有するハンダ層の表面にニッケルを付着させる方法は、無電解メッキ法を用いることが好ましい。無電解メッキ法を用いると、無電解メッキ液の濃度、pH、反応温度、メッキ反応時間等を適宜設定することで、ニッケルの付着量が制御できる。
【0031】
本発明の導電性微粒子をバインダー樹脂に分散させることにより異方性導電材料を製造することができる。このような異方性導電材料もまた、本発明の1つである。
【0032】
本発明の異方性導電材料は、例えば、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘着剤、異方性導電フィルム、異方性導電シート等が挙げられる。
【0033】
上記バインダー樹脂は特に限定されないが、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体、エラストマー等が挙げられる。
上記ビニル樹脂は特に限定されないが、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂は特に限定されないが、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性ブロック共重合体は特に限定されないが、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
また、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂、湿気硬化型樹脂のいずれの硬化型樹脂であってもよい。
【0034】
本発明の異方性導電材料は、必要に応じて、例えば、増量剤、可塑剤、粘接着性向上剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、有機溶媒等の各種添加剤を含有してもよい。
【0035】
本発明の異方性導電材料の製造方法は特に限定されず、例えば、上記バインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に混合して分散させ、異方性導電ペースト、異方性導電インク、異方性導電粘着剤等を製造する方法が挙げられる。また、本発明の異方性導電材料の製造方法として、上記バインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を添加し、均一に分散させるか、又は、加熱溶解させて、離型紙や離型フィルム等の離型材の離型処理面に所定の厚さとなるように塗工し、必要に応じて乾燥や冷却等を行って、異方性導電フィルム、異方性導電シート等を製造する方法も挙げられる。なお、異方性導電材料の種類に対応して、適宜の製造方法を選択することができる。
また、上記バインダー樹脂と、本発明の導電性微粒子とを混合することなく、別々に用いて異方性導電材料としてもよい。
【0036】
本発明の導電性微粒子又は本発明の異方性導電材料を用いてなる導電接続構造体もまた、本発明の1つである。
【0037】
本発明の導電接続構造体は、一対の回路基板間に、本発明の導電性微粒子又は本発明の異方性導電材料を充填することにより、一対の回路基板間を接続させた導電接続構造体である。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、微細な電極間の導電接続に用いられ、落下等による衝撃が加わってもハンダ層の亀裂や、電極と該導電性微粒子との接続界面の破壊による断線が生じにくく、加熱と冷却とを繰返し受けても疲労しにくい導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、導電接続構造体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
【0040】
(実施例1)
(1)樹脂微粒子の作製
ジビニルベンゼン50重量部と、テトラメチロールメタンテトラアクリレート50重量部とを共重合させ、樹脂微粒子(平均粒子径240μm、CV値0.42%)を作製した。
【0041】
(2)導電性微粒子の作製
得られた樹脂微粒子を無電解ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解ニッケルメッキすることにより、下地ニッケルメッキ層の厚さを5μmとした。更に、置換金メッキをすることにより、厚さ2μmの金層を形成させた。更に、電解メッキをすることにより、厚さ25μmの錫、及び、銀を含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、金層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。
【0042】
樹脂微粒子の表面に、金層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子1.5gを、下記無電解ニッケルメッキ液(液温35℃、pH10.5)30mLに添加し、メッキ液を35℃に保ちながら攪拌し、無電解ニッケルメッキ反応を開始させた。導電性微粒子を添加してから5分後に、攪拌を停止し、無電解ニッケルメッキ液を濾過した。得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させた。樹脂微粒子の表面に、金層、ハンダ層が順次形成され、ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は300μm、CV値0.98%であった。
【0043】
無電解ニッケルメッキ液組成
酢酸ニッケル :35g/L
ヒドラジン一水和物 :50g/L
エチレンジアミン四酢酸 :20g/L
乳酸 :75g/L
ホウ酸 :25g/L
【0044】
ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したニッケルとの合計に占める各金属の含有量は、銀1.2重量%、ニッケル0.002重量%であり、残部は錫であった。
なお、上記下地ニッケルメッキ層、金層、及び、ハンダ層の厚さは無作為に選んだ10個の導電性微粒子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察して測定し、測定値を算術平均することにより算出した。以下、同様である。
【0045】
(実施例2)
実施例1で作製した樹脂微粒子を無電解ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に、電解メッキすることにより、厚さ25μmの錫、及び、銀を含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。
【0046】
樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子1.5gを、実施例1と同様の無電解ニッケルメッキ液(液温35℃、pH10.5)30mLに添加し、メッキ液を35℃に保ちながら攪拌し、無電解ニッケルメッキ反応を開始させた。導電性微粒子を添加してから10分後に、攪拌を停止し、無電解ニッケルメッキ液を濾過した。得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させた。樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成され、ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.02%であった。
【0047】
ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したニッケルとの合計に占める各金属の含有量は、銀1.2重量%、ニッケル0.01重量%であり、残部は錫であった。
【0048】
(実施例3)
無電解ニッケルメッキ液の液温を40℃とし、メッキ反応時間を8分としたこと以外は実施例2と同様に、ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.02%であった。
ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したニッケルとの合計に占める各金属の含有量は、銀1.2重量%、ニッケル0.2重量%であり、残部は錫であった。
【0049】
(実施例4)
無電解ニッケルメッキ液の液温を40℃とし、メッキ反応時間を38分としたこと以外は実施例2と同様に、ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.02%であった。
ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したニッケルとの合計に占める各金属の含有量は、銀1.2重量%、ニッケル2.0重量%であり、残部は錫であった。
【0050】
(実施例5)
無電解ニッケルメッキ液の液温を40℃とし、メッキ反応時間を60分としたこと以外は実施例2と同様に、ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.02%であった。
ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したニッケルとの合計に占める各金属の含有量は、銀1.2重量%、ニッケル3.0重量%であり、残部は錫であった。
【0051】
(実施例6)
実施例1で作製した樹脂微粒子を無電解ニッケルメッキし、樹脂微粒子の表面に厚さ0.3μmの下地ニッケルメッキ層を形成させた。次いで、下地ニッケルメッキ層が形成された樹脂微粒子を電解銅メッキすることにより、厚さ10μmの銅層を形成させた。更に、電解メッキすることにより、厚さ25μmの錫、及び、銀を含有するハンダ層を形成させた。次いで、電解メッキ液を濾過し、得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させ、樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子を得た。
【0052】
樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成された導電性微粒子1.5gにパラジウム触媒を付与した。パラジウム触媒が付与された導電性微粒子1.5gを、下記無電解ニッケルメッキ液(液温40℃、pH6.5)30mLに添加し、メッキ液を40℃に保ちながら攪拌し、無電解ニッケルメッキ反応を開始させた。導電性微粒子を添加してから5分後に、攪拌を停止し、無電解ニッケルメッキ液を濾過した。得られた粒子を水で洗浄した後、50℃の真空乾燥機で乾燥させた。樹脂微粒子の表面に、銅層、ハンダ層が順次形成され、ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.02%であった。
【0053】
無電解ニッケルメッキ液組成
硫酸ニッケル :20g/L
ジメチルアミンボラン : 2g/L
ホウ酸 :20g/L
塩化アンモニウム :30g/L
ジエタノールアミン :25g/L
【0054】
ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したニッケルとの合計に占める各金属の含有量は、銀1.2重量%、ニッケル5.0重量%であり、残部は錫であった。
【0055】
(比較例1)
無電解ニッケルメッキを行わずに、ハンダ層の表面にニッケルを付着させなかったこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。導電性微粒子の平均粒子径は300μm、CV値は0.81%であった。
【0056】
(比較例2)
錫、銀、及び、銅で構成されるハンダボール(千住金属工業社製「M705」平均粒子径300μm(錫:銀:銅=96.5重量%:3重量%:0.5重量%))を導電性微粒子として用いた。
【0057】
(比較例3)
無電解ニッケルメッキのメッキ反応時間を7分としたこと以外は実施例6と同様に、ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.02%であった。
ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したニッケルとの合計に占める各金属の含有量は、銀1.1重量%、ニッケル6.0重量%であり、残部は錫であった。
なお、比較例3で得られた導電性微粒子は電極に実装することができたが、一部の導電性微粒子の剥離が確認されたため、落下強度試験、実装性評価、及び、温度サイクル試験は行わなかった。
【0058】
(比較例4)
無電解ニッケルメッキのメッキ反応時間を15分としたこと以外は実施例6と同様に、ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を得た。導電性微粒子の平均粒子径は310μm、CV値は1.1%であった。
ハンダ層の表面にニッケルが付着した導電性微粒子を、蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−800HS」)で分析したところ、ハンダ層に含有される金属と付着したニッケルとの合計に占める各金属の含有量は、銀1.1重量%、ニッケル10重量%であり、残部は錫であった。
なお、比較例4で得られた導電性微粒子は電極に実装することができなかったため、落下強度試験、実装性評価、及び、温度サイクル試験は行わなかった。
【0059】
<評価>
実施例1〜6及び比較例1〜4で得られた導電性微粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
【0060】
(1)導電性微粒子の表面観察
実施例1〜6及び比較例3〜4で得られた導電性微粒子の断面を電界放射型走査電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所社製「S−4100」)で撮影した。実施例1〜6及び比較例3で得られた導電性微粒子は、ハンダ層の表面にニッケルが付着していることが確認された。比較例4で得られた導電性微粒子は、ハンダ層の表面に、ニッケルメッキ層が形成されていることが確認された。
【0061】
(2)落下強度試験
シリコンチップ(縦6mm×横6mm)上に0.5mmピッチで112個設けられた電極ランド(直径280μm)にフラックス(クックソンエレクトロニクス社製「WS−9160−M7」)を塗布した。すべての電極ランドに、得られた導電性微粒子を配置し、リフロー(加熱温度250℃、30秒間)し、導電性微粒子を電極ランドに実装した。
次いで、銅電極(直径305μm)が形成されたプリント基板にハンダペースト(千住金属工業社製「M705−GRN360−K2−V」)を塗布した。導電性微粒子が実装されたシリコンチップ15個を、プリント基板に配置し、リフロー(加熱温度250℃、30秒間)し、シリコンチップ15個をプリント基板に実装し、導電接続構造体を得た。
JEDEC規格JESD22−B111に従い、得られた導電接続構造体の落下強度試験を行った。得られた導電接続構造体は、デイジーチェーン回路が形成されているため、1箇所の電極ランドの断線でも検出することができる。
15個のシリコンチップのすべてが断線する落下回数を測定した。
なお、電極ランドは、電極ランドの最表面に向かって、銅層、ニッケル−リン層、金層が順次形成されていた。以下、同様である。
【0062】
(3)実装性評価
シリコンチップ(縦6mm×横6mm)上に0.5mmピッチで112個設けられた電極ランド(直径280μm)にフラックス(クックソンエレクトロニクス社製「WS−9160−M7」)を塗布した。すべての電極ランドに、得られた導電性微粒子を配置し、リフロー(加熱温度250℃、30秒間)し、導電性微粒子を電極ランドに実装した。
電極ランドに実装された導電性微粒子の断面を観察するために、シリコンチップを樹脂に埋め込み、精密研磨した。電極ランドに実装された導電性微粒子の断面は、電界放射型走査電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所社製「S−4100」)で観察した。
実装性評価は以下の基準で評価した。
○:図2のように、金属層がハンダ層で完全に被覆されていた。
×:図1のように、金属層の表面に、ハンダ層が存在していなかった。
【0063】
(4)温度サイクル試験
シリコンチップ(縦6mm×横6mm)上に0.5mmピッチで112個設けられた電極ランド(直径280μm)にフラックス(クックソンエレクトロニクス社製「WS−9160−M7」)を塗布した。すべての電極ランドに、得られた導電性微粒子を配置し、リフロー(加熱温度250℃、30秒間)し、導電性微粒子を電極ランドに実装した。
次いで、銅電極(直径305μm)が形成されたプリント基板にハンダペースト(千住金属工業社製「M705−GRN360−K2−V」)を塗布した。導電性微粒子が実装されたシリコンチップ1個を、プリント基板に配置し、リフロー(加熱温度250℃、30秒間)し、シリコンチップ1個をプリント基板に実装し、導電接続構造体を得た。
得られた導電接続構造体は、デイジーチェーン回路が形成されているため、1箇所の電極ランドの断線でも検出することができる。
得られた導電接続構造体を用いて、−40℃〜125℃を1サイクルとする温度サイクル試験を行った。なお、温度サイクル試験のヒートプロファイルは、−40℃で10分間保持し、−40℃から125℃まで2分間で昇温させ、125℃で10分間保持し、125℃から−40℃まで2分間で降温させるヒートプロファイルであった。
温度サイクル試験は以下の基準で評価した。
○:導電接続構造体の断線が確認されるサイクル数が2000サイクル以上であった。
×:導電接続構造体の断線が確認されるサイクル数が2000サイクル未満であった。
【0064】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によれば、微細な電極間の導電接続に用いられ、落下等による衝撃が加わってもハンダ層の亀裂や、電極と該導電性微粒子との接続界面の破壊による断線が生じにくく、加熱と冷却とを繰返し受けても疲労しにくい導電性微粒子、該導電性微粒子を用いてなる異方性導電材料、及び、導電接続構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】実装後の導電性微粒子の断面を模式的に表した一例である。
【図2】実装後の導電性微粒子の断面を模式的に表した一例である。
【図3】実施例3における実装後の導電性微粒子の断面写真である。
【図4】比較例1における実装後の導電性微粒子の断面写真である。
【符号の説明】
【0067】
1 樹脂微粒子
2 金属層
3 ハンダ層
4 電極
5 基板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂微粒子の表面に、錫を含有するハンダ層が形成された導電性微粒子であって、
前記ハンダ層の表面にニッケルが付着しており、
前記ハンダ層に含有される金属と前記ハンダ層の表面に付着しているニッケルとの合計に占めるニッケルの含有量が0.0001〜5.0重量%である
ことを特徴とする導電性微粒子。
【請求項2】
樹脂微粒子の表面と、錫を含有するハンダ層との間に、更に金属層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の導電性微粒子。
【請求項3】
請求項1又は2記載の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散されてなることを特徴とする異方性導電材料。
【請求項4】
請求項1若しくは2記載の導電性微粒子、又は、請求項3記載の異方性導電材料を用いてなることを特徴とする導電接続構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−117332(P2009−117332A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88232(P2008−88232)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】