説明

少なくとも1つの繊維とその上の少なくとも2層の金属化層を有する多層材料、及びその製造方法

(A)少なくとも2つの繊維表面に、パターン状又は一様に少なくとも一種の金属粉(a)を成分として含む配合物を施す工程、
(B)その繊維表面に他の金属を蒸着する工程、
(C)同様に金属化されても良い1層以上の繊維を結合する工程、
により製造される、少なくとも1つの繊維とその上の少なくとも2層の金属化層を含む多層材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下の工程(A)〜(C)により製造される、少なくとも1つの繊維とその上の少なくとも2層の金属化層を有する多層材料に関する。
(A)少なくとも2つの繊維表面に、パターン状又は一様に少なくとも一種の金属粉(a)を成分として含む配合物を施す工程、
(B)その繊維表面に他の金属を蒸着する工程、
(C)同様に金属化されても良い1層以上の繊維を結合する工程。
更に、本発明は、例えば保護用衣料品及び機械的に負荷のかかる品物のために本発明にしたがい多層材料を製造する方法、及びその多層材料の使用方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
保護用衣料品、例えばフェンシング用のスポーツウェア及び、車のシート等の機械的に強い負荷のかかるものには、種々の機械的な脅威に対して保護される必要がある。例えば、その脅威として、鈍い衝撃、突刺し、切断、及び投げられることがある。
【0003】
より良好な保護性能を実現するために、種々の方法が提案されている。例えば、種々の繊維材料を互いに組み合わせて種々の材料の利点を活かすようにしても良い。しかし、このように種々の繊維材料を互いに組み合わせると、多くの場合、組み合わせたものが厚くなるという欠点がある。これは、スポーツウェアの場合において、明らかに加温効果が生じるため多くの場合において望ましくない。
【0004】
他には、金属箔を繊維混合物に組み込む方法がある。しかし、この方法の欠点は、金属箔にひびや点状の損傷部分が発生し、機械的安定性の大幅な低下にさらされることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4218218号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、十分な機械的安定性を有し、上述の欠点が回避される材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、冒頭に定義した多層材料により解決されることがわかった。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここで、発明に関するものとしても言及されている本発明の多層材料は、少なくとも1つの繊維とその上の少なくとも2層の金属化層を含む。これは、例えば、片面又は両面が金属化された繊維とその上のそれぞれ金属化された2層の繊維層である。他の実施の形態として、本発明における多層材料は、それぞれ片面が金属化された3、4、又は5層の繊維層を含んでいても良い。他の実施の形態として、本発明における多層材料は、それぞれ両面が金属化された3、4、又は5層の繊維層を含んでいても良い。本発明の他の実施の形態として、本発明に係る多層材料は、少なくとも1層の片面が金属化された繊維層、及び少なくとも1層の両面が金属化された繊維層を含んでいても良い。
【0009】
本発明の1つの実施の形態として、本発明に係る多層材料は、その外側層(外側複数層)が相互に、工程(A)〜(B)に従う方法により処理されていない繊維の多数層を含み、又は外側層が工程(A)〜(B)に従うより処理されることなく内側面が工程(A)〜(B)の方法により処理されている。
【0010】
冒頭で定義された方法は、繊維、特にシート状繊維又は3次元的に精巧繊維材料、例えば編み物、好ましくは織物、或いは繊維ウェブの不織布等を基点として実行される。本発明の目的のための繊維は、硬質又は好ましくは軟質であっても良い。繊維は、手により1又は複数回曲げられた繊維を含むことが好ましい。このように繊維を曲げることは、曲げられる前の状態と曲げられた後に元に戻された状態との差を視覚的に認識することができないように行われる。
【0011】
本発明の1つの実施の形態として、繊維は、種々の繊維を相互に組み合わせてなる組み合わせ物を含む。織物及び編み物の組み合わせは、実施例において述べる。
【0012】
本発明の目的のための繊維は、天然繊維又は合成繊維又は天然繊維と合成繊維の混合物でも良い。実施例において有用な天然繊維として、例えば、コットン、ウール、又は亜麻が含まれる。実施例において有用な合成繊維として、例えば、ポリアミド、ポリエステル、修飾ポリエステル、ポリエステル混合繊維、ポリアミド混合繊維、ポリアクリロニトリル、トリアセテート、アセテート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、及び極細繊維ポリエステルであり、好ましくは、ポリエステル及び合成繊維とコットンの混合物であり、特にコットンとポリエステルの混合物である。シート状繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、又はアラミド繊維により構成されることが好ましい。
【0013】
本発明の1つの実施の形態として、繊維は、合成物の一部を含む。例えば、複数繊維層を種類の異なる繊維を、例えば接着、キルティング、ラミネート、縫い付け又はニードリングにより組み合わせて構成しても良い。なお、この組み合わせは、それぞれ、一様、部分的又は点状に行われる。更に好ましくは、1つの複数繊維層を、別の複数繊維層を用いて、一様に積層(ラミネート)しても良いし、点状に接着しても良い。更に、部分的に縫っても良いし、又はキルトしても良い。
【0014】
また、繊維材料を、他の材料とともに混合することも可能である。繊維表面から本発明の方法が実行され、この繊維表面は、自己支持性フィルム又はシート、例えばポリエステル系の自己支持性フィルム又はシート、ポリオレフィン系の自己支持性フィルム又はシート、特にポリエチレン系の自己支持性フィルム、又はシート、或いはポリプロピレン系の自己支持性フィルム又はシート、若しくはポリアミド系の自己支持性フィルム又はシート、又はポリウレタン系の自己支持性フィルム又はシートによりラミネートされる。
【0015】
本発明の一つの実施の形態において、繊維は、例えば、ポリウレタン系の結合剤、ポリアクリレート系結合剤、又はスチレンブタジエンラテックス等の結合剤により被覆される被覆繊維層表面を含む。
【0016】
特に、広い網状に形成された編み物及び緩い織物から選択される繊維を、本発明における多層材料の構成要素として使用することが望まれる場合、上記広い網状に形成された編み物又は広い網状の織物は、被覆した形態、又は自己支持性フィルム又はシートでラミネートして使用されることが有利である。
【0017】
本発明の多層材料は、工程(A)において、少なくとも一種の金属粉(a)を含む配合物をパターン状又は一様に少なくとも2つの繊維表面に施すことにより製造される。上記配合物の塗布は、例えばブレード被覆、吹き付け、ロールコーティング、ディッピング、及び特に印刷によって行うことができる。
【0018】
少なくとも2つの繊維表面への上記配合物の施与は、例えば、配合物(A)を同じ繊維の前面及び後面に対して行うか、或いは配合物(A)を2以上の繊維層の各々の両面に対して行っても良い。好ましくは少なくとも2層の繊維層の各々の片面に対して配合物(A)を塗布する。
【0019】
少なくとも一種の金属粉(a)を含む配合物には、水性配合物、特に水性リキュール、より好ましくは印刷用配合物が含まれても良い。
【0020】
本発明の実施の形態では、工程(A)において少なくとも2つの繊維表面が、各々印刷用配合物を用いて印刷される。これら両面を印刷する配合物の種類は、異なっていても良いが、好ましくは同じ種類である。その配合物の種類としては、少なくとも一種の金属粉(a)を含む水性印刷用配合物が好ましい。
【0021】
水性印刷用配合物の例は、印刷用インク、例えば、グラビア印刷インク、オフセット印刷インク、フレキソ印刷インク、スクリーン印刷インク、Valvoline法(バルブ噴射法)に用いるインク等の液体インク、及び好ましくは印刷ペースト、より好ましくは水性印刷ペーストである。
【0022】
金属粉(a)には、純正、又は混合物或いは合金として金属粉末が含まれる。ただし、アルカリ金属及びアルカリ土類金属であるBe、Ca、Sr、及びBaは、除外される。同様に、勿論、放射性金属も除外される。
【0023】
金属粉(a)は、例えば、Al、Zn、Ni、Cu、Ag、Sn、Co、Mn、Fe、Mg、Pb、Cr、及びBiの粉末から選択可能である。また、特定金属の純正物の粉末、混合物の粉末、又は合金(同種金属同士又は異種金属同士の合金)の粉末から選択しても良い。使用される合金は、例えば、CuZn、CuSn、CuNi、SnPb、SnBi、SnCu、NiP、ZuFe、ZnNi、ZnCo、及びZnMnである。使用可能な好ましい金属粉(a)は、鉄粉及び/又は銅粉であり、特に好ましくは鉄粉である。
【0024】
一つの具体的な変形例として、金属粉(a)として炭素が、特定の形態のグラファイト、カーボンブラック、すす、又はカーボンナノチューブとして使用のために選択される。この変形例は、以下に記載される工程(B)において、外部電源が利用される場合において特に好ましい。特定の形態におけるグラファイト、カーボンブラック、すす、又はカーボンナノチューブとしての炭素は、ともに、本発明の範囲においては金属粉(a)という語に含まれるものとして解釈される。
【0025】
一つの具体的な変形例として、Al、Zn、Ni、Cu、Ag、Sn、Co、Mn、Fe、Mg、Pb、Cr、及びBiの混合物を金属粉(a)として使用し、他には特に鉄粉を使用し、更に、他方で特定の形態におけるグラファイト、カーボンブラック、すす、又はカーボンナノチューブとしての炭素を使用する。
【0026】
本発明の好ましい一つの実施の形態において、金属粉(a)は、0.01から100μmの範囲の平均粒径を有する。この平均粒径は、好ましくは0.1から50μmの範囲であり、より好ましくは1から10μmの範囲である。なお、平均粒径は、レーザー回折測定装置、例えばMicrotracX100を用いて測定される。
【0027】
一つの実施の形態として、金属粉(a)は、その粒径分布により特徴付けられる。例えば、d10は、0.01から5μmの範囲の値をとり、d50は1から10μmの範囲の値をとり、d90は3から100μmの範囲の値をとり、且つこれはd10<d50<d90の条件を満たす。100μmよりも大きな粒径を有する粒子が存在しないことが好ましい。
【0028】
金属粉(a)は、その少なくとも一部が被覆されて不動態化された形態で使用することができる。使用される被覆物は、例えば、金属酸化物SiO又はSiO・水和物、或いは金属のリン酸塩などの無機物層を含む。
【0029】
金属粉(a)の粒子は原則的に、所望の形態をとり、例えば、針状、筒状、板状、又は球状の粒子を使用することが可能である。球状、及び板状の粒子を使用することが好ましい。なお、針状、筒状、板状、又は球状という表現は、それぞれに理想的な形態に関するものである。
【0030】
球状の粒子を有する金属粉(a)を使用することが特に好ましく、球状粒子を有するいわゆるカルビニル鉄を使用することが最も好ましい。
【0031】
他の好ましい実施の形態として、球状粒子を混合してなる金属粉(a)を使用する。最も好ましくは、球状粒子、板状粒子を有するいわゆるカルボニル鉄、特に特に銅の板状粒子である。
【0032】
工程(A)の一つの具体例として、金属粉(a)を施すことができる。この金属粉(a)は、好ましくは印刷され、金属粉の粒子が相互に近接して存在する状態となっており、導電性を備える。工程(A)のもう一つの具体例として、金属粉(a)を施す、好ましくは印刷して、粉同士が相互に離間して導電性を備えないようにしても良い。
【0033】
金属粉(a)の製品自体は知られている。例えば、市販の商品を使用しても良いし、電解析出、金属塩の溶解液からの化学的還元、又は溶融金属を冷却されたガスや水等の媒体に吹き付け、或いは噴霧するなどして水素を用いて酸化粉を還元するなどの公知の方法により製造された金属粉(a)を使用しても良い。
【0034】
鉄ペンタカルボニル(本明細書では他にカルボニル鉄と記載している)の熱分解により製造される金属粉(a)を使用することが好ましい。
【0035】
熱分解によるカルボニル鉄粉、特にペンタカルボニル鉄Fe(CO)の製造は、例えば、Ullmann‘s Encyclopedia of Industrial Chemistry 5th Edition、Volume A14の599ページに記載されている。ペンタカルボニル鉄の熱分解を、例えば、大気圧及び200℃〜300℃の範囲の昇温下で、石英ガラス又はV2Aスチール等の耐熱材の管(好ましくは垂直配置された)を有する加熱式熱分解装置内において実行することができる。なお、上記耐熱材の管は、熱媒体が流れ込む熱テープ、熱ワイヤ、又は熱被覆体(heating mantle)等の加熱手段により囲まれている。
【0036】
カルボニル鉄粉の平均粒径は、熱分解段階におけるプロセスパラメーター及び反応操作により広い範囲内で調整可能である。そして、一般的にその数平均は、0.01から100μmの範囲、好ましくは0.1から50μmの範囲、より好ましくは1から8μmの範囲である。
【0037】
本発明の一つの実施の形態として、工程(A)は以下の
(a)少なくとも一種の金属粉、好ましくはカルボニル鉄粉
(b)少なくとも一種の結合剤
(c)少なくとも一種の乳化剤
(d)適宜、少なくとも一種のレオロジー改質剤
を含む配合物、好ましくは印刷用配合物を使用する。
【0038】
本発明にしたがう使用される配合物、特に印刷用配合物は、少なくとも一種の結合剤(b)、好ましくは少なくとも一種の皮膜形成ポリマーの少なくとも一種の水性分散液を含んでいても良い。なお、この結合剤(b)は、例えばポリアクリ酸塩、ポリブタジエン、少なくとも一種のジエン結合を有する少なくとも一種のビニル芳香族化合物コポリマー類、及び、適宜、他のコモノマー類、例えばスチレン−ブタジエン結合剤等である。他の好適な結合剤(b)は、ポリウレタン、好ましくはアニオン性ポリウレタン、又はエチレン−メタアクリル酸コポリマーである。
【0039】
本発明の目的に有用な結合剤(b)のポリアクリレートは、例えば、少なくとも1つのC−C10−アルキルメタアクリレートと他のコモノマーとの共重合により得られる。C−C10−アルキルメタアクリレートの例としては、アクリルメチルアクリレート、アクリルエチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メタn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートである。上記他のコモノマーは、例えば、C−C10−アルキルメタアクリレート、メタアクリル酸、メタアクリルアミド、N−メチロール、メタアクリルアミド、グリシジル、メタアクリレート、又はスチレン等のビニル芳香族化合物である。
【0040】
本発明の目的に有用な結合剤(b)のポリウレタンは、好ましくはアニオン性であり、一種以上の芳香族、好ましくは脂肪族又は脂環式ジイソシアネートと、一種以上のポリエステルジオール類及び好ましくは一種以上のヒドロキシカルボン酸(例えば、酢酸、又は好ましくはジヒドロキシカルボン酸(例えば、1,1−ジメチルオールプロピオン酸、1,1−ジメチルオール酪酸、又は1,1−ジメチルオールエタン酸))と、を反応させることで得られる。
【0041】
特に有用な結合剤(b)のエチレン−メタアクリル酸コポリマーは、例えば、エチレンと、メタアクリル酸と、必要に応じて、C−C10−アルキルメタアクリレート、無水マレイン酸、酢酸イソブテン又は酢酸ビニル等の少なくとも一種の他のコモノマーとの共重合により得られる。この共重合は、好ましくは190〜350℃の温度範囲、且つ1500から3000bar(好ましくは2000から2500bar)の圧力下で行われる。
【0042】
特に有用な結合剤(b)のエチレン−メタアクリル酸コポリマー類は、例えば、90質量%以下の共重合されたエチレンを含んでいても良く、120℃の温度において測定された溶融動粘度が、60mm/sから10000mm/sの範囲、好ましくは、100mm/sから5000mm/sであっても良い。
【0043】
特に有用な結合剤(b)のエチレン−メタアクリル酸コポリマー類は、例えば、90質量%以下の共重合されたエチレンを含んでいても良く、ENISO1133に規定される325gの負荷で160℃の温度において測定された溶融流量(MFR)が、1から50g/10minの範囲、 好ましくは5から20g/10minの範囲、及びより好ましくは7から15g/10minの範囲であっても良い。
【0044】
特に有用な結合剤(b)における、少なくとも一種のジエン結合を有する少なくとも一種のビニル芳香族化合物のコポリマー類、及び、スチレン−ブタジエン結合剤等の適宜の他のコモノマー類は、少なくとも一種のエチレン性不飽和カルボン酸又はエチレン性不飽和ジカルボン酸、又はそれらに対応する無水物、特に共重合された形態等の適切な誘導体を含んでいても良い。特に好適なビニル芳香族化合物類は、パラ−メチルスチレン、α−メチルスチレン、及び特にスチレンである。特に好適なジエン結合は、イソプロピレン、クロロプロピレン、及び特に、1,3−ブタジエンである。特に好適なエチレン性不飽和カルボン酸又はエチレン性不飽和ジカルボン酸又はそれらの適切な誘導体は、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、又は無水イタコン酸であり、これらはいくつかの例で挙げられている。
【0045】
本発明の一つの実施の形態において、特に好ましい結合剤(b)における、少なくとも一種のジエン結合を有する少なくとも一種のビニル芳香族化合物コポリマー類、及び適宜の他のコモノマー類は、
19.9質量%から80質量%のビニル芳香族化合物
19.9質量%から80質量%のジエン結合
0.1から10質量%のエチレン性不飽和カルボン酸又はエチレン性不飽和ジカルボン酸又はそれらの適切な誘導体(例えば、対応する無水物)
を共重合された形態で含む。
【0046】
本発明の一つの実施の形態において、結合剤(b)は、23℃の温度において、動粘度が10から100dPa・sの範囲、好ましくは20から30Pa・sの範囲である。なお、この動粘度は、例えば、Haake(登録商標)粘度計等の回転式粘度計を用いて測定される。
【0047】
乳化剤(c)は、アニオン性、カチオン性、又は好ましくは非イオン性の界面活性物質であっても良い。
【0048】
好適なカチオン性乳化剤(c)の例は、例えば、C−C18−アルキル−、又は1級、2級、3級、又は4級のアンモニア塩、アルカノールアンモニア塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、オキソゾリウム塩、モルホリニウム塩、チアゾリニウム塩、又は酸化アミンの塩、キノリウム塩、イソキノリウム塩、トロピリウム塩、スルホニウム塩、及びホスホニウム塩を含むヘテロシクリルである。ここで挙げられた例は、ドデシルアンモニウムアセテート、又は、種々の2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)−エチルパラフィンエステル等の対応する酢酸塩、N−セチルピリジウムクロライド、N−ラウリルピリジウムサルフェード、及びN−セチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、N−ドデシル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロマイド、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド、及び更に、ジェミニ界面活性剤N,N‘−(ラウリルジメチル)エチレンジアミンジブロマイド等の塩化物である。
【0049】
適切なアニオン性乳化剤(c)の例は、アルキル硫酸塩(アルキル基:C8からC12)のアルカリ金属及びアンモニウム塩、エトキシ化アルカノール(エトキシ度4から30、アルキル基:C12−C18)及びエトキシ化アルキルフェノールの(エトキシ度3から50、アルキル基:C4−C12)のモノエステル硫酸のアルカリ金属及びアンモニウム塩、アルキルスルホン酸(アルキル基:C12−C18)のアルカリ金属及びアンモニウム塩、アルキルアリルスルホン酸(アルキル基:C9−C18)のアルカリ金属及びアンモニウム塩、及びスルホコハク酸モノ−又はジエステル等のスルホコハク酸のアルカリ金属及びアンモニウム塩である。
【0050】
好ましくは、アリル−又はアリル−置換ポリグリコールエーテル、及びUS4218218に記載されている物質、及びy(US4218218の化学式にて定義される)の10から37の範囲における同族体である。
【0051】
特に好ましくは、単価又は多価のアルコキシル化C10−C30アルカノール等を備え、好ましくは300から400モルのC2―C4―酸化アルキレンを備え、特に好ましくはエトキシ化オキソ合成又は脂肪アルコールを備えた非イオン性乳化剤(c)である。
【0052】
特に好適な多価アルコキシ化脂肪アルコール及びオキソ合成の例は、
n-C18H37O-(CH2CH2O)80-H,
n-C18H37O-(CH2CH2O)70-H,
n-C18H37O-(CH2CH2O)60-H,
n-C18H37O-(CH2CH2O)50-H,
n-C18H37O-(CH2CH2O)25-H,
n-C18H37O-(CH2CH2O)12-H,
n-C16H33O-(CH2CH2O)80-H
n-C16H33O-(CH2CH2O)70-H,
n-C16H33O-(CH2CH2O)60-H,
n-C16H33O-(CH2CH2O)50-H,
n-C16H33O-(CH2CH2O)25-H,
n-C16H33O-(CH2CH2O)12-H,
n-C12H25O-(CH2CH2O)11-H,
n-C12H25O-(CH2CH2O)18-H,
n-C12H25O-(CH2CH2O)25-H,
n-C12H25O-(CH2CH2O)50-H,
n-C12H25O-(CH2CH2O)80-H,
n-C30H61O-(CH2CH2O)8-H,
n-C10H21O-(CH2CH2O)9-H,
n-C10H21O-(CH2CH2O)7-H,
n-C10H21O-(CH2CH2O)5-H,
n-C10H21O-(CH2CH2O)3-H,
及び上記乳化剤の混合物、例えばn-C18H37O-(CH2CH2O)50-H 及び n-C16H33O-(CH2CH2O)50-Hの混合物である。
【0053】
それぞれの指数は数平均を示している。
【0054】
本発明の一つの実施の形態として、工程(A)で使用される配合物、特に印刷用配合物は、増粘剤(d1)及び粘度抑制剤(d2)から選択される少なくとも一種のレオロジー改質剤(d)を含んでも良い。
【0055】
好適な増粘剤(d1)は、例えば天然の増粘剤、又は好ましくは合成増粘剤である。天然増粘剤は、例えば、天然製品又は抽出等の精製操作により得られる天然製品である。無機天然増粘剤の例は、ベントナイト等の層状ケイ酸塩である。有機天然増粘剤の例は、カゼイン又は好ましくは多糖等の蛋白質である。特に好ましい天然増粘剤は、寒天、カラギナン、アラビアゴム、及びナトリウムアルギン、カリウムアルギン、アンモニウムアルギン、カルシウムアルギン、プロピレングリコールアルギン等のアルギン酸塩、及びペクチン、ポリオース(polyose)、イナゴマメ粉、及びデキストリンである。
【0056】
好ましくは、増粘剤は、合成ポリマー溶液、特に例えばホワイトオイル等の水性溶液のアクリルレート、及び例えば噴霧粉等の乾燥した合成ポリマー溶液から選択される合成増粘剤を使用することが好ましい。 増粘剤(d1)として使用される合成ポリマーは、アンモニアで完全に又は所定割合中性化された酸基を含む。凝固操作の際に、アンモニアが除去され、pHが減少し、実際の凝固過程が始まる。凝固のために必要なpHの減少は、不揮発性の酸を加えることで選択的に行われる。この不揮発性の酸は、例えば、クエン酸、コハク酸、グルタミン酸、又はマレイン酸である。
【0057】
特に好ましい増粘剤は、85質量%から95質量%のアクリル酸、4質量%から14質量%のアクリルアミド、及び式1で示される0.01質量%から1質量%以下の式1の(メタ)アクリルアミド誘導体を含むコポリマー類から選択される。
【0058】
【化1】

【0059】
上記コポリマー類は、100000から2000000g/molの分子量を有する。なお、2つのR基は同じか又は異なり、それぞれメチル又は水素を表していても良い。
【0060】
更に好適な増粘剤は、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、又は1,12−ドデカンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートと、好ましくは、2個の多価アルコキシ化脂肪酸アルコール又はオキソ合成アルコールの相当物(例えば、10から150組(tuply)のエトキシ化C10−C30脂肪アルコール又はC11−C31オキソ合成アルコール)と、の反応物類から選択される。
【0061】
好適な粘度制剤(d2)は、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、N−エチルピロリドン(NEP)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブチルグリコール、ジブチルグリコール及び例えば残余アルコールの無いアルコキシ化n−C−C−アルカノール、好ましくは10個、より好ましくは3から6個の、残余アルコールの無いアルコキシ化n−C−C−アルカノール等の有機溶媒である。
【0062】
本発明の実施の形態の一つとして、工程(A)において使用される配合物、特に印刷用配合物は、
10から90質量%、好ましくは50から85質量%、より好ましくは60から80質量%の金属粉(a)、
1質量%から20質量%、好ましくは2質量%から15質量%の結合剤(b)、
0.1質量%から4質量%、好ましくは2質量%以下の乳化剤(c)、
0質量%から5質量%、及び好ましくは0.2質量%から1質量%のレオロジー改質剤を含む。
【0063】
それぞれの質量%は、全体の配合物、又は工程(A)で使用されるより正確な印刷用配合物の量に基づくものであり、結合剤(b)の場合は、各結合剤(b)の個体含有量である。
【0064】
本発明の一つの実施の形態は、金属粉(a)に加えて適宜、結合剤(b)、乳化剤(c)、更に適切であればレオロジー改質剤を含む配合物、特に印刷用配合物を用いた本発明の方法における工程(A)の印刷工程を含む。なお、配合物は適宜、少なくとも一種の助剤(e)を含む。好適な助剤(e)の例は、感触改良剤(hand improvers)、脱泡剤、湿潤剤、均染剤、尿素、腐食抑制剤、殺生物剤や難燃剤等の活性剤、及び架橋剤である。
【0065】
好適な脱泡剤は、例えば、シリコーン脱泡剤(siliconic defoamers)である。このシリコーン脱泡剤の化学式は、例えば、HO−(CH−Si(CH)[OSi(CHやHO−(CH−Si(CH)[OSi(CH][OSi(CHOSi(CH]であり、これは、20以下の当量のアルキレンオキサイド、特にエチレンオキサイドによりアルコキシ化されていない又はアルコキシ化されている。シリコーンが含まれていない脱泡剤も好適である。そのような発泡剤は、脂肪アルコールアルコキシレート等のアルコキシ化された多価アルコールであり、好ましくは2から50回エトキシ化された非分岐のC10−C20アルカノール、及び2−エチルへキサン1−オールである。他の好適な脱泡剤は、脂肪酸C−C20−アルキルエステル、好ましくはC10−C20−アルキルステアレートであり、C−C20−アルキル及び好ましくはC10−C20−アルキルは、分岐又は非分岐でも良い。
【0066】
適切な湿潤剤は、例えば非イオン性、アニオン性、又はカチオン性界面活性剤であり、特に、脂肪酸アルコール又はプロピレンオキサイド−エチレンオキサイドのブロックコポリマーのエトキシ化物及び/又はプロポキシ化物、エトキシ化又はプロポキシ化された脂肪又はオキソ合成アルコール、更にオレイン酸又はアルキルフェノールのエトキシレート、アルキルフェノールエーテルサルフェード、アルキルポリグリコサイド、アルキルホスフェート、アルキルフェノールホスフェート、アルキルホスフェート又はアルキルフェノールホスフェートである。
【0067】
好適な均染剤の例は、分子量Mが500から5000g/mol(好ましくは800から2000g/mol)の範囲である、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドのブロックコポリマーである。特に好ましくは、化学式EOPOEO(ただし、EOは、エチレンオキサイドを示し、POはプロピレンオキサイドを示す)で表されるプロピレンオキサイド−エチレンオキサイドのブロックコポリマーである。
【0068】
好適な殺生物剤は、例えば、商標名Proxelとして市販されているものである。挙げられる例は、1,2−ベンジソチアゾリン−3−1(BIT)(Avecia Lim社から商標名Proxelとして市販されている。)、及びそのアルカリ金属塩である。他の好適な殺生物剤は、2−メチル−2H−イソジアゾール−3−1(MIT)、及び5−クロロ−2−メチル−2H−イソチアゾール−3−1(CIT)である。
好適な架橋剤は、例えば、グリオキサル、尿素、ホルムアルデヒド、及び随意に一種以上のアルコールの縮合生成物である。なお、この一種以上のアルコールは、例えば、C−C−アルカノール又はエチレングリコール、特にDMDHEU(N,N’−ジヒドロキシメチロール−4,5−ジヒドロキシメチレン尿素)である。
【0069】
更に、好適な架橋剤は、メラミンやメラミンとアルデヒド(特に、ホルムアルデヒド)及び随意に一種以上のアルコールの縮合生成物との縮合生成物である。なお、この一種以上のアルコールは、例えば、C−C−アルカノール又はエチレングリコール、イソシアヌレート、特にヘキサメチレンジイソシアネートの環状三量体、及びカルボジイミド、特にポリマーカルボジイミドである。
【0070】
本発明の一つの実施の形態において、工程(A)において使用される配合物、特に印刷用配合物は、金属粉(a)、結合剤(b)、乳化剤(c)、及び適宜、レオロジー改質剤(d)の合計量に基づいて30質量%以下の助剤(e)を含む。
【0071】
本発明の一つの実施の形態は、工程(A)において、特に印刷により、金属粉(a)が直線状、又は、好ましくは曲線的な縞パターン又は直線パターンで繊維に施される。この直線は、例えば0.1μmから5mmの範囲の幅及び厚さを有しており、上記縞は、例えば、5.1mmから10cmの範囲の幅を備えている。また、この縞は、必要に応じて、0.1μmから5mmの範囲の幅か或いは、それ以上の幅を有していても良い。
【0072】
本発明における一つの具体的実施の形態では、工程(A)において、特に印刷により金属粉(a)を縞状パターン又は直線状パターンの模様に施す。縞状パターンは、相互に接触せず、また、直線パターンは相互に交差しない。
【0073】
本発明の他の実施の形態では、工程(A)において配合物が一様に施される。
【0074】
本発明の一つの実施の形態において、工程(A)における印刷が、それ自体知られている種々の方法で行われる。本発明の一つの実施の形態では、金属粉(a)を含む配合物、特に印刷用配合物がスキージーを用いて加圧される型抜き染めが用いられる。この方法は、スクリーン印刷法である。他の有用な印刷法は、グラビア印刷法やフレキソ印刷法等である。他の有用な印刷法は、バルブジェット法から選択される。バルブジェット法では、好ましくは増粘剤(d1)を含まない印刷用配合物が利用される。
【0075】
本発明にしたがう多層材料を製造するために、工程(B)において他の金属化層が繊維面に蒸着される。工程(B)において一種以上の他の金属化層を蒸着させても良い。しかし、唯一種の金属を蒸着させることが好ましい。
【0076】
本発明にしたがう多層材料を製造するために、工程(B)において他の金属化層が繊維に蒸着される。ここで、「繊維面」とは、上述の工程(A)から工程(B)、及び適宜他の工程(D)等において処理された繊維面を意味する。
【0077】
工程(B)においては、他の複数の金属を蒸着させても良い。しかし、他の1層のみの金属を蒸着させることが好ましい。
【0078】
本発明の実施の形態では、工程(A)における金属粉(a)としてカルビニル鉄粉が用いられ、工程(C)における他の金属として銀、金、又は特に銅が用いられる。
本発明の一つの実施の形態として、他の金属は、繊維層に施されるために十分であるように、100nmから500μm、好ましくは1μmから100μm、より好ましくは2μmから50μmの範囲の厚さに形成される。
【0079】
工程(B)の実行において、金属粉(a)は、ほどんどの場合、部分的に又は完全に他の金属に置き換えられ、蒸着された金属の形態は金属粉(a)の形態と一致しない。
他の金属化層の施与の完了時に、金属化された繊維表面が得られる。金属化された繊維表面を、水等で1回以上洗浄しても良い。
【0080】
本発明の一つの実施の形態において、縞状に印刷された金属化繊維は、工程(B)の後、1mΩ/cmから1MΩ/cmの範囲の特定の抵抗を有し、及び直線パターンに印刷された金属化繊維は、工程(B)の後、1μΩ/cmから1MΩ/cmの範囲の特定の抵抗を有する。なお、この抵抗は、室温で上記縞状パターン及び直線状パターンに沿って測定されたものである。
【0081】
工程(C)では、上述の少なくとも1つの金属化された繊維を、同様に金属化された1層以上の繊維層に結合する。この結合を、例えば、それぞれの表面同士を相互に取付けること、例えば、相互に表面に置くことにより行っても良い。
【0082】
表面を相互に取り付けた後、金属化された或いは金属化されていない3層以上の繊維層は、複合品を形成するために相互に複合される。この複合は、全体的、部分的、又は例えば、一点状に行うか、或いは縫い付けにより行う。
【0083】
上記複合は、縫い付け、ニードリング、接着、キルティング、アミネーティング、又は溶接により行われ、各々の場合において、一様、部分的又は点状に行われる。より好ましくは、複数層の繊維層は、一様にラミネートされ、点状に接着され、部分的に縫い合わされ、又は相互にキルティングされる。
【0084】
本発明の多層材料は、保護用衣料品の製造に有用であり、同様に、この保護用衣料品の製造は、本発明の主題を形成する。更に、本発明は、保護用衣料品の製造における多層材料の使用方法を提供する。そして、本発明は、本発明の多層材料を使用する保護用衣料品の他の方法を提供する。製造は、編集でも良い。
【0085】
保護用衣料品は、例えば、スポーツウェア、フェンシング用のベスト又はグローブ、又はペイントボールトーナメントの参加者用の衣服、更に、映画俳優やスタントマン用の衣服を意味するものとして理解される。
【0086】
本発明の保護用衣料品は、鈍い打撃、突き刺し及び切断、及び投げられることに対する保護に非常に好適である。本発明の保護用衣料品は、容易に製造することができ、厚く形成する必要がなく、従って、比較的高い温度の中でも着心地が良い。
【0087】
弾を防ぐ衣服(ballistic−resistant clothing)もまた、本発明に含まれる。これは、いわゆる防弾チョッキ等である。
【0088】
本発明の多層材料は、機械的に負荷のかかる品物の製造に使用される。なお、この品物は、同様に本発明の主題の一部を形成する。更に、本発明は、機械的に負荷のかかる品物の製造における多層材料の使用方法を提供する。そして、本発明は、更に、本発明にかかる多層材料を用いて機械的に負荷のかかる品物を製造する方法を提供する。
【0089】
機械的に負荷のかかる品物は、例えば、突き刺し、摩擦、切断、又は加圧による負荷にさらされる。例えば、人が自動車に乗り降りすることにより大きく負荷がかかる自動車のシートの側部である。また、上記品物は、種々の形態の故意に与えられる損傷や乗客の乗り降りの影響で痛めつけられる公共の輸送手段における背もたれ部を含むシートである。
本発明は、更に、本発明にかかる多層材料を製造する方法を提供する。以下では、発明の製造方法について言及する。
【0090】
本発明の製造方法は、
(A)少なくとも2つの繊維表面に、パターン状又は一様に少なくとも一種の金属粉(a)を成分として含む配合物を施す工程、
(B)その繊維表面に他の金属を蒸着する工程、
(C)同様に金属化されても良い1層以上の繊維を結合する工程、
本発明の一つの実施の形態において、工程(A)における少なくとも一種の配合物は、水性配合物を含む。
【0091】
工程(A)において使用される配合物に関する詳細は、上述した。
【0092】
金属粉(a)を含む配合物は、工程(A)において、噴霧、ブレード被覆、又はディッピング法等により施される。好ましくは、配合物の施与は、具体的に印刷である。
【0093】
本発明の一つの実施の形態は、工程(A)において、特に印刷により繊維にパターンを施すことである。金属粉(a)が、繊維に、直線状又は好ましくは曲線の縞状パターンに又は直線状パターンに施される。この直線は、例えば、0.1μmか5mmの範囲における幅及び厚さを有している。更に、言及されている縞は、例えば5.1mmから例えば10cmの範囲の幅を有していても良い。更に、適切であれば、0.1μmから5mmの範囲の厚さを有していても良い。
【0094】
特定の本発明の一つの実施の形態は、工程(A)における金属粉(a)の縞状パターン又は直線状パターンの施与、特に印刷による施与を含む。縞は、相互に接触せず、直線は相互に交差しない。
【0095】
本発明の他の実施の形態では、少なくとも一種の配合物は工程(A)において一様、すなわち、全体の領域に施される。
【0096】
本発明の一つの実施の形態において、工程(A)における印刷は、それ自体知られている種々の方法に行われる。本発明の一つの実施の形態は、配合物、特に印刷配合物用いた型抜き染めであり、これはスキージーを用いて金属粉(a)を加圧する工程を含む。上記印刷は、スクリーン印刷である。また、使用する印刷法は、グラビア印刷法、及びフレキソ印刷法である。他の有用な印刷法は、バルブジェット処理から選択される。バルブジェット処理は、好ましくは増粘剤(d1)を含まない印刷配合物を使用する。
【0097】
本発明の一つの実施の形態において、本発明の方法に使用される配合物、特に印刷配合物は、金属粉(a)、結合剤(b)、乳化剤(c)、及び適宜レオロジー改質剤(d)の総量に基づいて30質量%以下の助剤(e)を含む。
本発明の方法において使用される配合物、特に印刷配合物は、
(a)少なくとも一種の金属粉、特に好ましくはカルボニル鉄粉である
(b)少なくとも一種の結合剤
(c)少なくとも一種の乳化剤、
(d)適宜、少なくとも一種のレオロジー改質剤
及び、適宜一種以上の助剤(e)を相互に任意の順序で、
混合することによって製造される。
【0098】
本発明の方法において使用される配合物、特に印刷配合物を製造するために一つの可能な手続は、水及び適宜1以上の助剤を相互に攪拌することである。なお、この助剤は、例えば脱泡剤、シリコーンベースの脱泡剤である。その後、一種以上の乳化剤を添加する。
次に、一種以上の感触改良剤、例えば、一種以上のシリコーン乳化剤を添加しても良い。
その後、一種以上の乳化剤(c)及び金属粉(a)を添加可能である。
【0099】
次に、一種以上の結合剤(b)及び最終的に適宜、レオロジー改質剤を添加しても良く、連続混合(例えば攪拌)により均質化された混合物を添加しても良い。十分な攪拌時間は、習慣的に比較して短い、例えば5秒から5分の範囲であり、好ましくは20秒から1分の範囲である。なお、攪拌スピードは、1000から3000rpmである。
【0100】
本発明にかかる最終配合物、特に印刷配合物は、印刷ペーストとして使用される際に30質量%から70質量%のホワイトオイルを含んでいても良い。水性合成増粘剤(d1)は、好ましくは25質量%以下の増粘剤として使用される合成ポリマーを含む。増粘剤(d1)の水性配合物を使用するために、一般的に水性アンモニアが添加される。同様に、増粘剤(c)として粒状の固体配合物の使用が、印刷を排出物無しに行うのに有効である。
【0101】
本発明の一つの実施の形態において、以下で工程(B1)として言及されるように、工程(B1)において外部電源が使用されず、及び工程(B1)における他の金属が、アルカリ性又は好ましくは酸性溶液で、元素の電気化学的系列において、金属粉(a)の金属及び水素より強い正の標準電位を有している。
【0102】
一つの可能な手続は、工程(A)において印刷された繊維表面用のものであり、この繊維表面は、工程(B)において、塩基性、中性、又は好ましくは酸性の他の金属塩の溶液、適宜一種以上の還元剤を用いて、溶液に入れる等により熱的に処理される。
【0103】
本発明の一つの実施の形態は、工程(B1)における0.5分から12時間、好ましくは30分以下の処理を含む。
【0104】
本発明の一つの実施の形態は、工程(B1)における塩基性、中性、又は好ましくは酸性の他の金属塩の溶液を用いた処理を含む。なお、この溶液は、0から100℃の範囲、好ましくは10から80℃の範囲の温度を有する。
【0105】
工程(B1)において、一種以上の還元剤を任意に添加しても良い。例えば、他の金属として銅が選択される場合、添加可能な還元剤は、アルデヒド、特に糖又はホルムアルデヒドを還元するアルデヒドを含む。他の金属としてニッケルが選択される場合、添加可能な還元剤の例は、次亜リン酸アルカリ金属、特に、NaHPO・2HO又はボロン酸塩、特にNaBHである。
【0106】
他の実施の形態において、以下で本発明の工程(B2)として記載される。工程(B2)において、外部電源が使用され、工程(B2)における他の金属は、酸性又はアルカリ性溶液で、元素の電気化学系列において、金属粉(a)の金属よりも強い又は弱い正の標準電位を有する。好ましくはカルボニル鉄粉が金属粉(a)として選択され、ニッケル、亜鉛、又は特に銅が他の金属として選択される。工程(B2)における他の金属が、元素の電気化学系列において、水素や金属粉(a)の金属と比較してより強い正の標準電位を有することによって、工程(B1)と類似して、付加的な他の金属の析出が観測される。
例えば、工程(B2)を、10から100A(好ましくは12から50A)の強い電流を適用することで行うようにしても良い。
【0107】
例えば、工程(B2)を、外部電源を1から160時間の間の期間用いて行うようにしても良い。
【0108】
本発明の一つの実施の形態において、工程(B1)及び工程(B2)を、外部電源を用いずに最初から結合して同時に行い、その後、外部電源を用いて、工程(B)における他の金属に対し、元素の電気化学系列において、金属粉(a)の金属と比較してより強い正の標準電位を持たせるようにする。
【0109】
本発明の一つの実施の形態は、一種以上の助剤を他の金属の溶解液に添加する工程を含む。有用な助剤の例は、緩衝剤、界面活性剤、ポリマー、特に、10nmから10μmの径を有する微粒子ポリマー、脱泡剤、一種以上の有機溶媒、一種以上の錯化剤等である。
酢酸/酢酸塩緩衝剤が、有用な緩衝剤である。
【0110】
特に好適な界面活性剤は、カチオン性、アニオン性、及び特に非イオン性界面活性剤である。
【0111】
カチオン性界面活性剤として、例えば、C−C18−アルキル−、−アラルキル−、又は第1級、第2級、第3級、又は第4級アンモニウム塩を含むヘテロシクリル、アルカノールアンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリニウム塩、オキサゾリニウム塩、モルホリニウム塩、チアゾリニウム塩、及び他のアミンオキシドの塩、キノリウム塩、イソキノリウム塩、トロピリウム塩、スルホニウム塩、及びホスホニウム塩である。記載される例は、ドデシルアンモニウムアセテート、又は対応する塩酸塩、種々の2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)−エチルパラフィンエステル、N−セチルピリジウムクロライド、N−ラウリルピリジウムサルフェート、及びN−セチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロマイド、N−ドデシル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロマイド、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド等の塩化物又は酢酸塩、及びジェミニ界面活性剤(N,N’−(ラウリルジメチル)エチレンジアミンジブロマイド)である。
【0112】
好適なアニオン性界面活性剤の例は、アルカリ金属、及びアルキルサルフェード(アルキル基:C−C12)のアンモニウム塩、エトキシ化アルカノール(エトキシ価4から30、アルキル基:C12−C18)及びエトキシ化アルキルフェノール(エトキシ価3から50、アルキル基:C−C12)の硫酸モノエステルのアンモニウム塩、アルキルスルホン酸(アルキル基:C12−C18)のアンモニウム塩、アルキルアリルスルホン酸(アルキル基:C−C18)のアンモニウム塩、及びスルホコハク酸のアンモニウム塩(例えば、コハク酸モノ又はジエステル等)である。好ましくはアリル−又はアルキル−置換されたポリグリコールエーテル、及びUS4218218に記載されている物質、及び10から37の範囲であるy(US4218218の式から得られる)と同族体である。
【0113】
特に好ましい非イオン性界面活性剤は、例えば、一つ又は好ましくは複数のアルコシキ化C10−C30アルカノールであり、好ましくは3から100モルのC−C−アルキレンオキサイド、特に、好ましくはエトキシ化オキソ合成物、又は脂肪アルコールである。
【0114】
好適な脱泡剤は、例えば化学式HO−(CH−Si(CH)[OSi(CH又はHO−(CH−Si(CH)[OSi(CH][OSi(CHOSi(CH]のシリコーン脱泡剤であり、アルコキシ化されていないか又はアルキレンオキサイドが20価以下でアルコシキ化されている。特に、エチレンオキサイドである。シリコーンを含まない脱泡剤も好適であり、例えば、アルコキシ化多価アルコール、脂肪アルコールアルコキシレート、好ましくは2から50回エトキシ化された、好ましくは非分岐のC10−C20アルカノール、非分岐C10−C20アルカノール、及び2−エチルへキサン−1−オールである。更に、好適な脱泡剤は、脂肪酸C−C20−アルキルエステル、好ましくはC10−C20−アルキルステアレートであり、C−C20−アルキル及びC10−C20−アルキルのそれぞれは、分岐又は非分岐でも良い。
【0115】
好適な錯化剤は、キレートを形成する化合物である。この錯化剤は、少なくとも1つのカルボン酸基を支持するアミン、ジアミン、及びトリアミンから選択される。好適な例は、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、及びジエチレンペンタミン六酢酸、及び対応するアルカリ金属塩である。
【0116】
工程(C)は、上述の少なくとも一つの金属化された繊維を、同様に金属化された1層以上の繊維層と結合する工程を含む。この結合は、例えば、互いに表面を取付けること、例えば、一方の面を他方の面の上に置くことにより行われる。
【0117】
表面の取付けの後に、金属化された又は金属化されていない3層以上の繊維層が、複合品の製造のために相互に複合される。この複合は、一様又は部分的に行われ、例えば、一点(点状)又は縫い付けの形態で行われる。
【0118】
本発明の一つの実施の形態は、工程(A)又は工程(B)に続いて行われる1以上の熱処理工程(D)を含む。本発明に関し、工程(A)の直後に行われる熱処理工程は、熱処理工程(D1)として知られるべきであり、工程(B)の直後に行われる熱処理工程は、熱処理工程(D2)として知られるべきである。
【0119】
複数の熱処理工程が行われることが望まれる場合、同一温度又は異なる温度において種々の熱処理工程を行っても良い。
【0120】
工程(D)又は個々の工程(D)は、例えば50から200℃の範囲の温度における処理を含んでいても良い。工程(D)の処理は、出発材料として使用される繊維材料の表面が軟化又は溶融してしまわないように注意深く行わなければならない。従って、温度を常に、繊維材料の軟化点又は溶融点以下に保つか、或いは、熱処理の時間を軟化又は溶融が発生しない程度に短くする。
【0121】
工程(D)又はそれぞれの工程(D)における処理時間は、例えば10秒から15分に亘り、好ましくは30秒から10分に亘る。
【0122】
好ましくは、第1の工程(D1)における処理が50から110℃の温度範囲で30秒から3分の間行われ、次に第2の工程(D2)において、130℃から200℃の温度範囲で30秒から15分の間処理が行われる。
【0123】
工程(D)又は個々の工程(D)は、それ自体知られている設備を用いて行われても良い。その設備は、例えば、空気乾燥キャビネット、幅出し機、又は真空乾燥キャビネットである。
【0124】
本発明の一つの具体的な実施の形態は、工程(B)の後に行われる、以下から選択される少なくとも一つの他の工程を含む。
【0125】
(E)腐食抑制層の施与、又は
(F)柔軟層の施与
腐食抑制層は、剛性を有し、例えば曲がらないか、或いは柔軟に形成される。
【0126】
腐食抑制層の好適な例は、一以上の以下の材料:ワックス(特にポリエチレンワックス)、塗料(水性(waterbone)塗料)、1,2,3−ベンゾトリアゾール及び塩、特に四級化脂肪アルコールの硫酸塩及びメト硫酸塩(例えばラウリル/ミリスチル−トリメチルアンモニウムメト硫酸塩)からなる層である。
【0127】
柔軟層の例は、箔、特にポリエステル、塩化ポリビニル、熱可塑性ポリウレタン(TPU)又はポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンなどのポリマー箔である。なお、ポリエチレン及びポリプロピレンという語は、それぞれ、エチレン及びプロピレンのコポリマーとしても解釈されるものである。
【0128】
本発明の他の実施の形態は、柔軟層として結合剤(b2)を施す工程を含む。なお、この結合剤(b2)は、工程(A)のいずれの印刷結合剤(b1)と同じ又は異なっていても良い。
【0129】
柔軟層の施与は、ラミネート、接着、溶接、ブレード被覆、印刷、噴霧、又はキャスティングにより行われる。
工程(F)において結合剤が施された場合、次いで、工程(D)の熱処理が実行される。
【実施例】
【0130】
本発明を、実施例により説明する。
(実施例1)
印刷ペーストの製造
以下の物質を攪拌した。
・54gの水
・750gのカルビニル鉄粉:d10が3μm、d50が4.5μm、d90が9μmであり、微視的に薄い酸化鉄層により不動態化した。
125gの水性分散液:pHが6.6、固体含有量39.3質量%であり、全固体量を基準として、1質量部のN−メチロールアクリルアミド、1質量部のアクリル酸、28.3質量部のスチレン、及び69.7質量部のn−ブチルアクリレートのランダム乳化重合体で、Coulter Counter(T:−19℃)による測定で平均粒径(質量平均)が172mmであった(結合剤(b1))。23℃における動粘度は、70mPa・sであった。
【0131】
20gの以下の式の化合物
【0132】
【化2】

【0133】
イソプロパノール/水中(体積比2:3)におけるヘキサメチレンジイソシアネートとn−C1837(OCHCH15OHとの反応物の、20gで51質量%の溶解液
上記攪拌を、Ultra−Thurrax(登録商標)を用いて5000rpmで20分間行い、Haake回転粘度計を用いて測定した動粘度が23℃で30dPasである印刷ペーストを得た。
【0134】
(実施例2)
繊維の印刷(工程(A))、及び熱処理(工程(B))
上記実施例1の印刷ペーストを、基本質量(basic weight)90g/mで一方の面に一様に篩目を使用しているポリエステル不織布の印刷に使用した。
【0135】
次いで、乾燥キャビネットにおいて100℃で10分間乾燥した。印刷された及び熱的に処理されたポリエステル不織布を得た。
【0136】
(実施例3)
外部電源を用いない他の金属の析出(工程(B))
印刷された及び熱的に処理された実施例2のポリエステル不織布は、以下の組成
1.47kgのCuSO・5H
382gのHSO
5.1リットルの蒸留水
1.1gの塩化ナトリウム
5gのC13/C15−アルキル−O−(EO)10(PO)−CH
(「EO」は、CH−CH−O,「PO」は、CH−CH(CH)−O)
を有し、
このポリエステル不織布を、槽において10分間室温で処理した。
洗浄水により2度洗浄し90℃で一時間乾燥させることでポリエステル不織布を除去した。
【0137】
金属化されたポリエステル不織布PES−1を得た。
【0138】
(実施例4)
本発明にかかる多層材料の製造
金属化された実施例3の繊維層を、同じ形状に2つに切断した。各々の金属化された面を、イソシアネート含有ポリマーで構成される市販の接着配合物を用いて点状にスクリーン印刷した。そして、3層の繊維層を、他の金属化されていない繊維層(90g/mの基本質量のポリエステル不織布)の両面に置き、他の繊維層にそれぞれ面している接着配合物の印刷面、及びその集合体を、80℃で1分間圧縮成形し、本発明にかかる多層材料を形成した。すなわち、この多層材料は、2層の金属化された繊維層と一層の金属化されていない繊維層からなる柔軟な複合材料として構成された。
【0139】
本発明の多層材料は、擦り減りや鋭いキッチンナイフによる突き刺しに対して極めて安定的である。機械的安定性は、たとえ点的に損傷が負わされた場合でも、決定的に減少することは無い。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)少なくとも2つの繊維表面に、パターン状又は一様に少なくとも一種の金属粉(a)を成分として含む配合物を施す工程、
(B)その繊維表面に他の金属を蒸着する工程、
(C)同様に金属化されても良い1層以上の繊維を結合する工程、
により製造される、少なくとも1つの繊維とその上の少なくとも2層の金属化層を含む多層材料。
【請求項2】
工程(A)において使用される配合物が、
(a)少なくとも一種の金属粉
(b)少なくとも一種の結合剤
(c)少なくとも一種の乳化剤、
(d)適宜、少なくとも一種のレオロジー改質剤
を含む請求項1に記載の多層材料。
【請求項3】
工程(A)が、少なくとも一種の金属粉(a)を含む印刷用配合物で印刷を行う工程を有する請求項1又は2に記載の多層材料。
【請求項4】
乳化剤(c)が、非イオン性乳化剤類から選択される請求項1〜3の何れか1項に記載の多層材料。
【請求項5】
金属粉(a)が、ペンタカルボニル鉄の熱分解により得られる金属粉を含む請求項1〜4の何れか1項に記載の多層材料。
【請求項6】
工程(B)において蒸着された金属が、銅を含む請求項1から5の何れか1項に記載の多層材料。
【請求項7】
工程(A)及び工程(B)にしたがってそれぞれ処理された少なくとも2層の繊維層を含む請求項1〜6の何れか1項に記載の多層材料。
【請求項8】
各々内表面が工程(A)及び工程(B)において処理されており、外層が工程(A)及び工程(B)において処理されていない繊維層を含む請求項1〜7の何れか1項に記載の多層材料。
【請求項9】
3層又は4層が相互に複合して、複合品を形成している請求項1〜8の何れか1項に記載の多層材料。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載の多層材料を、保護用衣料品の製造に使用する方法。
【請求項11】
請求項1〜9の何れか1項に記載の多層材料を、機械的負荷のかかる品物の製造に使用する方法。
【請求項12】
請求項1〜9の何れか1項に記載の一以上の多層材料を含む保護用衣料品。
【請求項13】
請求項1〜9の何れか1項に記載の一以上の多層材料を含む機械的負荷のかかる品物。
【請求項14】
請求項1〜9の何れか1項に記載の多層材料を製造する方法であって、
(A)少なくとも2つの繊維表面に、パターン状又は一様に少なくとも一種の金属粉(a)を成分として含む配合物を施す工程、
(B)その繊維表面に他の金属を蒸着する工程、
(C)同様に金属化されても良い1層以上の繊維を結合する工程、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
工程(A)における配合物が、水性配合物を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
工程(B)において外部電源が使用されず、工程(B)における他の金属が、元素の電気化学系列において、金属粉(a)の金属よりも強い正の標準電位を有する請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
工程(B)において外部電源が使用され、工程(B)における他の金属が、元素の電気化学系列において、金属粉(a)の金属よりも強い又は弱い正の標準電位を有する請求項14又は15に記載の方法。
【請求項18】
一以上の熱処理工程(D)を、工程(a)又は工程(B)の後に行う請求項14〜17に記載の方法。
【請求項19】
2層以上の層を、ラミネート、接着、縫い付け、又はキルティングにより相互に結合する請求項14〜18の何れか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2011−506126(P2011−506126A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536426(P2010−536426)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066639
【国際公開番号】WO2009/071547
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】