説明

少なくとも2つのプレハブモジュールから組み立てられる自動車車体及びその製造方法

本発明は、少なくとも2つのプレハブ部分組立て品(2,3,4)を含む自動車車体と、前記車体を製造する方法とに関する。本発明の自動車車体は、低費用で製造され、そして、問題なくプレハブ部分組立て品から組み立てられることができる。プレハブ部分組立て品(2,3,4)を、接合域でその他の部分組立て品(2,3,4)の金属板(13,14;19,20;22,23;28,29)を満たすプレハブ部分組立て品(2,3,4)の1つのシートメタルセクション(13,14;19,20;22,23;28,29)とともに、ポジティブ及び/又はノンポジティブ接合によって、接合域中で相互に分離不能に接合し、ここで、シートセクション(13,14;19,20;22,23;28,29)のうちの少なくとも1つは冷間成形されるのに対して、接合域の少なくともいくつかのセクションに沿って延長して、外側から接近可能なアクセスチャンネル(Z1,Z2)を少なくとも1つの部分組立て品中に組立てることにより、接合ツールを導入することができることによって、本発明を達成する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、少なくとも2つのプレハブモジュール(vorkonfektionierten Baugruppen)から組み立てられる自動車車体、並びに、前記自動車車体を製造する方法に関する。
【0002】
車体構造部門では、可能な限り軽い重量、同時に、事故の際での最適な変形態様についての高い需要がある。減少された車体重量は、関係する自動車のドライブシステムのより低いエネルギー消費を可能にする。衝突挙動が改善されても、自動車の使用者は事故の際に最適な保護を提供される。
【0003】
自動車車体部門における経済的な製造に関する更なる要件は、製造されるべき自動車の個々のモジュールが、好ましくは、完成した自動車へ形成するために組み立てられる前に、可能な限り完全に仕上がっているものとして提示されることである。事前の個別製造のために、最適な方法を使用することにより各々のモジュールの個々の部分を単純に組み立てることが可能である。
【0004】
鋼又はプラスチック製のモジュールと結合される、軽金属又はプラスチック要素製のモジュールによって、車体重量と変形態様に関する自動車車体についての要求を最適に満たすことができる。この場合、特定の要素の適当な材料は、実際の操作に関係する部品に作用する荷重に応じて選択される。
【0005】
前記公知の原理を使用して、例えば、自家用車において、パッセンジャーコンパートメントが高強度鋼材料製であるのに対して、ドライブユニット要素と、フロント車軸とが適合する自動車のフロント部分を、完全なモジュールとして軽金属材料から鋳造することが提案されている。原則として、異なる材料を相互に溶接することができないので、適合しない材料から作られるモジュールを、通常、ボルト留め、リベット留め、又は接着剤で相互に結合させる。この場合、これらのタイプの連結を組み合わせて使用して、実際の操作で生じる動態作用下であっても望ましい連結の強度を保証する。
【0006】
この場合、今日の要件を十分に満たす車体構造要素の製造を可能にするための、複雑な設計及び技術的な製造基準が必要とされることが不利である。例えば、個々のモジュールを接着剤によって相互に結合することが意図される場合には、接着剤の実質的な量が必要とされ、それによって、一方では、モジュール構造用の軽量材料の使用により達成される重量の利点が減少され、そして、他方では、従来の製造よりもより多くの時間及び設備が必要とされる。
【0007】
溶接、ボルト留め、リベット留め、結合、又は本明細書に記載のその他の方法による公知の態様で、プレハブモジュールが相互に連結されるかどうかに関わらず、特定の場合に適用される接合方法によってプレファブリケーション(Vorfertigung)の度合いが制限されるか、あるいは、モジュールを接合するために必要な作業がかなり複雑なためにプレファブリケーションの利点が無効となるか、の問題がある。従って、車体と一緒に全体として溶接されるモジュールは、繊細な構造要素へ接着されるか、又は、溶接間に発生する熱を受ける領域で塗装されなければならない。更に、溶接又は結合と同じ方法で、ボルト又はリベット留めによる車体モジュールの連結には、前提条件として、個々の組立点での適切な接近性が必要とされる。
【0008】
前記先行技術を開始点として、本発明の目的は、経済的に製造することができ、そして、プレハブモジュールから問題なく組み立てることのできる自動車車体を作ることである。更に、前記自動車車体の製造方法も記載する。
【0009】
少なくとも2つのプレハブモジュールから組み立てられる自動車車体に関して、前記目的は、
前記モジュールが、接合域で相互に分離不能な状態で連結しており、
その連活は、一方のモジュールのシートセクション上の接合域で接触しているもう一方のモジュールのシートが、接合工程においてポジティブ(formschluessig)又はノンポジティブ嵌合(kraftschluessig)で相互に接合されるものであることと共に、
なお、前記接合工程において、シートセクションの内の少なくとも1つは、予め冷間成形(kaltverformung)されているものとし、そして、
少なくともセクション中で接合域に沿って延び、接合ツールの導入用に外側から接近可能であるアクセスチャンネルが、少なくとも1つのモジュール中に形成されていること
によって達成される。
【0010】
相当する態様において、本発明により形成される自動車車体を製造する方法を参照にしながら、以下の製造工程:
a)接合域中で互いに割り当てられるシートセクションの形成を含む、モジュール(2,3,4)のプレファブリケーション;
b)相互に割り当てられるシートセクションが接合域中で相互に隣接するように実施する、モジュールの整列;そして
c)冷間成形後に、シートセクションをポジティブ及びノンポジティブ嵌合で相互に分離不能に連結させるように実施する、相互に隣接するシートセクションの少なくとも1つの冷間成形;
に従うことにより、前記目的を達成することができる。
【0011】
本発明によると、自動車車体(特に、自家用車用の車体)のモジュールを公知の方法で最初に鋳造する。次に、本発明によると、低温で(kalt)実施される接合プロセスによって鋳造したモジュールを接合させて、分離不能な態様で相互に連結させる。この場合、個々のモジュールの接合を、相互に隣接するモジュールのシート少なくとも1つの冷間成形として実施する。前記接合では、例えば、ボルト、リベットなどの追加の連結要素を必要としない。
【0012】
本発明の方法によりモジュールの接合を実施して、簡単で少ない技術製造力及び費用で全ての車体を形成するために、本発明の自動車車体の個々のモジュールを、必要に応じて、それらが、組み立てられた状態で個々に又は一緒に接合域中で通路を形成し、それによって、冷間成形で必要とされるツールを接合域中に移動させることができるような態様で設計する。
【0013】
一方で、本発明の自動車車体の個々の鋳造されたモジュールが、相互に冷間成形によって好ましく連結していることと、そして、他方で、冷間成形が実施されなければならない領域で車体への単純な接近が保証される態様で自動車車体が好ましく設計されることとを本発明が有しているのに対して、かなりの部分が鋳造されて複雑に嵌合するモジュールと、確実に連結されるべき精密な部品とを単純に使用して、自動車車体を形成することが可能な連結概念を提供する。従って、本発明によると、既に塗装され完全に装備された接合されるべきモジュールであっても、本発明の自動車車体を形成することが可能である。
【0014】
実際の使用に関する本発明の特に好ましい実施態様によると、接合域と、それに沿って延びているアクセスチャンネルとを、直線に設計することが提案される。前記直線の実施態様によって、接合域の領域で冷間成形のために必要とされるツールを単純に移動させることができる。
【0015】
本発明の利点は、単一の材料クラス(einzigen Werkstoffklasse)から製造される車体の製造において明らかとなっている。従って、予めプレファブリケーションされて嵌合された鋼製のモジュールが、全体が鋼材料からなる自動車車体を形成するために接合される場合、例えば、車体を形成するプレハブモジュールを接合する本発明の方法は、特に好ましい効果を有する。しかしながら、更に、第1モジュールが、少なくとも第2モジュールと直接接触するそのセクションにおいて、それが接触する第2モジュールのセクションの材料とは別の材料クラスに属する材料からなることにおいて、本発明を特に好ましく適用することができる。従って、本発明の方法では、プラスチック材料製、軽金属製、及び鋼製のモジュールを、問題なく相互に連結することができる。
【0016】
実際的及び大規模の技術的な実施のために特に適当な本発明の或る実施態様は、
第2モジュール中に形成される固定スロット中に第1モジュールの周辺セクションを設置すると共に、固定スロット中に設置される前記第1モジュールの周辺セクション上で横方向にプレスされる第2モジュールの材料によって、前記第1モジュールの周辺セクションを、固定スロット中に保持する態様で、
シートセクションの間でのポジティブ及びノンポジティブ連結を形成すること
を特徴とする。
【0017】
本発明による車体の改良型の製造に特に適当な本発明方法の或る適当な実施態様は、
製造工程a)が、
固定スロットを一方のモジュールのシートセクション上で形成し、そして、ストリップ様の自由に突出している周辺セクションをもう一方のモジュール上へ形成することを含み、
ここで、前記周辺セクションの形成過程は、固定スロットの形成過程及び形状に適合するものとし;
製造工程b)が、
第1モジュールの周辺セクションを、第2モジュールの固定スロットへ挿入することを含み;そして、
製造工程c)が、
固定スロット中に設置される第1モジュールの周辺セクションに対して、固定スロットに横方向に隣接している第2モジュールの材料をプレスする操作を、固定スロットの少なくとも特定の長手方向セクションにわたって、ノンポジティブ及び/又はポジティブ嵌合により分離不能な態様で、2つのモジュールを相互に連結するように実施することを含む;
ことを特徴とする。
【0018】
本発明の実施態様によると、EP0868237B1から既知の金属形材製造方法を使用して、プレハブモジュールを連結させ自動車車体を形成する。前記公知の方法では、金属形材の最低限の2つの部分を、締結力によって、相互に連結させることが提案されている。この場合、接合されるべき部分のうちの1つにスロットが最初に形成される態様で、公知の金属形材の製造が実施される。前記形成によって、スロットがより密接に接近することについての接合での変化が生じる。次に、スロットに隣接する第1部分へ材料を衝突させることによって、フラット材料からなるその他の部分が、その狭い側でスロット中に挿入され、そして、堅固に固定される。この場合において、接合での更なる変化が生じて、ノンポジティブ及びポジティブ連結のみが2つの隣接部分の間でつくられる。前記方法において、任意の望ましい材料から製造される金属を接合できるので、材料の組み合わせ又はその他の理由であっても、その他の接合技術が適当又は最適ではない。
【0019】
溶接される部分の冷間成形特性への要求のために、固定スロットが形成される第2モジュールの少なくともセクションが金属材料からなるという、本明細書に記載の本発明の改良法(Variante)にこれらの自動車車体を適用することが特に好ましい。それらの変形特性が良好であるので、前記目的のために鋼材料が特に適当である。しかしながら、同様に、実際の操作で特定のモジュール上に生じる力を軽金属材料が見込んでいる場合には、固定スロットを備える第2モジュール用の構成材料として前記軽金属材料(例えば、マグネシウム又はアルミニウム材料)を使用することができる。
【0020】
固定スロットに設置される第1モジュールの周辺セクションが、固定スロットが形成される第2モジュールのセクションの表面に対して実質的に垂直に揃えられる場合には、本発明で使用されるモジュール用の連結の型を、特定の部分の状況に応じて特に単純な態様でつくることができる。
【0021】
接合域の領域における接合後で、モジュールが、アクセスチャンネルに相当する中空形材を形成し、前記中空形材は、少なくとも2つの相互に対向している壁によって両側で区切られ、前記の壁の一部分は、各々、第2モジュールへ割り当てられるかぎり、
前記の壁の一部分が端縁を切り取られた周辺セクションを有し、第1モジュール側のその表面には、固定スロットが形成される場合には、
これに対して、前記の壁のその他の部分は、各々、第1モジュールへ割り当てられ、そして、その周辺セクションによって固定スロット中で保持されることが、技術的製造の観点から有利である。前記実施態様において、連結領域中での接合前に、相互に連結されるべき個々のモジュールは開口形材セクション(offene Profilabschnitte)を有しており、そこで、必要な圧力を付与するために使用されるツールを問題なく導入することができる。
【0022】
製造工程C)において、固定スロットに沿って移動される2つの圧力ローラー(各々の場合において、前記ローラーの1つは、固定スロットの一方の側上へ、そこから短い間隔を設けて導かれる)によって、例えば、第1モジュールの周辺セクションに対して第2モジュールの材料をプレスするために必要な力を付与するような態様で、前記ツールを設計する。
【0023】
2つのシート部分を連結するEP0868237B1から公知の可能性を利用している、本明細書に記載の方法の改良法に対する代替品として、周辺フランジ加工として実施されるべき相互に隣接するシートセクションの冷間成形を考慮することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明を、実施態様を示す図面に基づいて、以下に詳細に説明する。
【図1】自家用車用の自動車車体の側面図である。
【図2】図1中に挿入される交差線A−Aに沿った断面図である。
【図3】図1中に挿入される交差線B−Bに沿った断面図である。
【0025】
自動車車体1は、3つのモジュール2,3,4を含み、ここで、モジュール2は、自動車のフロント部分を形成し、モジュール3は、サイド部分を形成し、そして、モジュール4は、フロアセクション〔自動車車体のA支柱及び外側シル(Aussenschweller)6を含む〕を形成する。自動車が完全に組み立てられると、自動車のフロント部分を形成するモジュール2が、自動車のドライブトレイン全体を担持するのに対して、自動車車体1のパッセンジャーコンパートメントは、モジュール3(サイド部分)及びモジュール4(フロアセクション)、自動車車体1のルーフを形成するモジュール(図示しない)、並びに、サイド部分モジュール(同様に図示しない)からなる。
【0026】
可能な限り最も軽い重量を達成するために、モジュール2は、複数のシート部分(個別に図示せず)から形成され、これらは、各々、アルミニウム材料から製造される。第1モジュール2のシート部分は、溶接による従来の方法で、相互に連結させる。この状況でのモジュール2の全体構造の設計は、適切な剛性を有する状態での操作によって発生する荷重に適応可能であると同時に、衝突が起きた際に最適のエネルギー吸収能力を有するように実施されてきた。
【0027】
対照的に、自動車車体の1のフロアセクションを形成するモジュール4は、高強度軽量鋼材料から製造される。前記材料は、その強度及び形状によって、衝突の際であっても自動車車体1のパッセンジャーコンパートメントが乗員への最適な保護を提供すること、そして、通常操作の際での自動車車体1全体の高い剛性を保証することを確実にする。
【0028】
サイドパートを形成するモジュール3は、ベースフレームから製造される。前記ベースフレームは、相互に溶接される鋼板から形成され、そして、とりわけ、モジュール4のA支柱5に連結するフロントルーフ柱7と、自動車車体1のルーフキャリア8、B支柱9、及びC支柱10と、ベースフレームにより包囲されるモジュール3の側面を満たすプラスチック表面要素11とを含む。
【0029】
モジュール2及びモジュール4は、特に、モジュール4のA支柱5の領域において、ノンポジティブ及びポジティブ嵌合で相互に連結されている(図2)。このために、A支柱5は、U型形材の形状を有する鋼板部分12から形成され、そのブレード13,14は、モジュール2の方向に配向されている。ブレード13,14の各自由端部には、各々、ブレード13,14から直角の位置で、外側に向き、端縁を切り取られた(abgekroepft)狭いセクション15,16が存在し、前記セクションの表面の内、モジュール2側の表面には、各々、ブレード13,14に沿って延びている固定スロット17,18が形成される。
【0030】
モジュール2では、モジュール4へ連結している領域中に、各々、壁セクション19,20が形成される。前記壁セクション19,20は、モジュール4の鋼板部分12の方向に突出しており、そして、各々、モジュール2と4との接合後に、それぞれの固定スロット17又は18の内の1方において、壁セクション19,20がその自由周辺領域19aを伴って立設するような態様で配置及び設置される。接合を意図している状態では、モジュール2のブレード13,14と接触しているモジュール4の壁セクション19,20が、自由に外側から接近可能なアクセスチャンネルZ1を、固定スロット17,18によって一層厳密に決定される接合域の領域中に、ブレード13,14で包囲している。そのアクセスチャンネルZ1を通して、次の冷間成形操作に必要とされるツール(図示せず)を、固定スロット17,18に沿って導くことができる。前記ツールによって、固定スロット17,18に隣接する材料をプレスした後で、関連する固定スロット17,18中に各々設置される壁セクション19,20を、分離不能な状態でポジティブ及びノンポジティブ嵌合で、その場で保持する。ツールの形成及び除去後に、アクセスチャンネルZ1の開口部をふたで閉じることができる。
【0031】
外側シル6の領域中でモジュール4をモジュール3へ連結させるために、モジュール3のベースフレームに属し、そして、外側シル6で直接結合する鋼板要素21を、U型形材(その開放部分は外側シル6の方向を向いている)として形成する。A支柱5と同じ方法で、鋼板要素21の自由ブレード22,23は、外側を向いている狭いセクション24,25で端縁が切り取られており、そこでは、各々の場合おいて、固定スロット26,27が形成され、それによって、更なる接合領域が規定される。
【0032】
前記領域では、外側シル6が、モジュール3の方向へ自由に突出している壁セクション28,29を有しており、モジュール3,4の接合後に、モジュール3の鋼板要素21のそれぞれの固定スロット26又は27の内の1方において、壁セクション28,29がその自由周辺領域を伴って立設するような態様で配置され、そして方向を決定される。外側シル6の壁セクション28,29、及び、それらと接触している鋼板要素21の自由なブレード22,23は、接合を意図している状態で、外側から接近可能なアクセスチャンネルZ2を包囲しており、続いて、前記チャンネル中に、固定スロット26,27に隣接する材料をプレスするために必要なツールを導入することができる。前記ツールによりプレス加工を実施した後で、壁セクション28,29及び自由ブレード22,23を、ポジティブ及びノンポジティブ嵌合による分離不能な状態で相互に保持する。
【0033】
モジュール2、3及び4の間に構築される連結の態様を、図2の拡大断面図に基づく実施例によって説明する。図2は、固定スロット17の領域におけるモジュール2とモジュール4との間の連結を示す。固定スロット18、26及び27の領域における連結も、相当する態様で形成される。
【0034】
モジュール4の鋼板要素5のプレファブリケーションの間に、端縁を切り取られたセクション15の表面(モジュール2側の表面)中に固定スロット17は形成されている。この場合、固定スロット17の幅は、モジュール2の壁19の周辺領域19a(固定スロット17を割り当てる周辺領域)の厚さDに相当した。
【0035】
モジュール4の鋼板要素21に対して、モジュール2の壁19のポジティブ及びノンポジティブ嵌合による分離不能な連結を提供するために、モジュール2と4とを接合した後に、固定スロット17の両側に存在するセクション15の材料を、EP0868237B1から公知である方法により、ツールによって、固定スロット17中に設置される壁19の周辺セクション19aに対してプレスする。固定スロット17の両側上に、前記材料をプレスした結果として形成される溝30,31を図2に示す(明確化のために拡大してあるが、実際とは異なる)。
【符号の説明】
【0036】
1 ・・・ 自動車車体; 2,3,4 ・・・ モジュール; 5・・・ A支柱;
6 ・・・ シル;7 ・・・ 自動車車体1のフロントルーフ支柱;
8 ・・・ 自動車車体1のルーフキャリア;9 ・・・ 自動車車体1のB支柱;
10 ・・・ 自動車車体1のC支柱10;11 ・・・ プラスチック表面材料;
12 ・・・ 鋼板部分;13,14 ・・・ 鋼板部分12のブレード;
15,16 ・・・ 端部を切り取られたセクション;
17,18 ・・・ 固定スロット;19,20 ・・・ 壁セクション;
19a ・・・ 壁セクション19の自由周辺領域19a;
21 ・・・ 鋼板要素;22,23 ・・・ 鋼板要素のブレード;
24,25 ・・・ 端部を切り取られたセクション;26,27 ・・・固定スロット;
28,29 ・・・ 壁セクション;30,31 ・・・ 溝;
Z1,Z2 ・・・ ガイドチャンネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのプレハブモジュール(2,3,4)を含む自動車車体であって、
前記モジュール(2,3,4)が、接合域で相互に分離不能な状態で連結しており、
その連活は、一方のモジュール(2,3,4)のシートセクション(13,14;19,20;22,23;28,29)上の接合域で接触しているもう一方のモジュール(2,3,4)のシート(13,14;19,20;22,23;28,29)が、接合工程においてポジティブ又はノンポジティブ嵌合で相互に接合されるものであることを特徴とすると共に、
なお、前記接合工程において、シートセクション(13,14;19,20;22,23;28,29)の内の少なくとも1つは、予め冷間成形されているものとし、そして、
少なくともセクション中で接合域に沿って延び、接合ツールの導入用に外側から接近可能であるアクセスチャンネル(Z1,Z2)が、少なくとも1つのモジュール中に形成されていることを特徴とする、
前記自動車車体。
【請求項2】
接合域と、それに沿って延びるアクセスチャンネル(Z1,Z2)とが、一直線に配列されるものとして設計されることを特徴とする、請求項1に記載の自動車車体。
【請求項3】
第1モジュール(2,3,4)が、少なくとも第2モジュール(2,3,4)と直接接触するそのセクション(19a)において、それが接触する第2モジュール(2,3,4)のセクション(15,16,24,25)の材料とは別の材料クラスに属する材料からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動車車体。
【請求項4】
第1モジュール(2)が、軽量金属材料からなることを特徴とする、請求項3に記載の自動車車体。
【請求項5】
第1モジュール(3)が、プラスチック材料からなることを特徴とする、請求項3に記載の自動車車体。
【請求項6】
第2モジュール(4)が、各々の場合において、鋼材料から製造されることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の自動車車体。
【請求項7】
第2モジュール(2,3,4)中に形成される固定スロット(17,18,26,27)中に第1モジュール(2,3,4)の周辺セクション(19a)を設置すると共に、固定スロット(17,18,26,27)中に設置される前記第1モジュール(2,3,4)の周辺セクション(19a)上で横方向にプレスされる第2モジュール(2,3,4)の材料によって、前記第1モジュール(2,3,4)の周辺セクション(19a)を、固定スロット(17,18,26,27)中に保持する態様で、
シートセクションの間でのポジティブ及びノンポジティブ連結を形成すること
を特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の自動車車体。
【請求項8】
固定スロット(17,18,26,27)が形成される第2モジュール(2,3,4)のセクション(15,16,24,25)が、少なくとも、金属材料からなることを特徴とする、請求項7に記載の自動車車体。
【請求項9】
前記金属材料が鋼材料であることを特徴とする、請求項8に記載の自動車車体。
【請求項10】
固定スロット(17,18,26,27)中に設置される第1モジュール(2,3,4)の周辺セクション(19a)が、固定スロット(17,18,26,27)が形成される第2モジュール(2,3,4)のセクション(15,16,24,25)の表面に対して本質的に垂直に揃えられていることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一項に記載の自動車車体。
【請求項11】
接合域の領域における接合後で、モジュール(2,3,4)が、アクセスチャンネルに相当する中空形材を形成し、前記中空形材は、少なくとも2つの相互に対向している壁(13,14,19,20;22,23,28,29)によって両側で区切られ、
前記の壁の一部分(13,14;22,23)は、各々、第2モジュール(3,4)へ割り当てられると共に、端縁を切り取られた周辺セクション(15,16,24,25)を有し、第1モジュール(2,3,4)側のその表面には、固定スロット(17,18,26,27)が形成され、
これに対して、前記の壁のその他の部分(19,20;28,29)は、各々、第1モジュール(2,4)へ割り当てられ、そして、その周辺セクション(19a)によって固定スロット(17,18,26,27)中で保持される、
ことを特徴とする、請求項7〜10のいずれか一項に記載の自動車車体。
【請求項12】
以下の製造工程:
a)接合域中で互いに割り当てられるシートセクション(13,14;19,20;22,23;28,29)の形成を含む、モジュール(2,3,4)のプレファブリケーション;
b)相互に割り当てられるシートセクション(13,14;19,20;22,23;28,29)が接合域中で相互に隣接するように実施する、モジュール(2,3,4)の整列;そして
c)冷間成形後に、シートセクション(13,14;19,20;22,23;28,29)をポジティブ及びノンポジティブ嵌合で相互に分離不能に連結させるように実施する、相互に隣接するシートセクション(13,14;19,20;22,23;28,29)の少なくとも1つの冷間成形;
を特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項により形成される自動車車体を製造する方法。
【請求項13】
製造工程a)が、
固定スロット(17,18,26,27)を一方のモジュール(2,3,4)のシートセクション上で形成し、そして、ストリップ様の自由に突出している周辺セクション(19a)をもう一方のモジュール(2,3,4)上へ形成することを含み、
ここで、前記周辺セクションの形成過程は、固定スロット(17,18,26,27)の形成過程及び形状に適合するものとし;
製造工程b)が、
第1モジュール(2,3,4)の周辺セクション(19a)を、第2モジュール(2,3,4)の固定スロット(17,18,26,27)へ挿入することを含み;そして、
製造工程c)が、
固定スロット(17,18,26,27)中に設置される第1モジュール(2,3,4)の周辺セクション(19a)に対して、固定スロット(17,18,26,27)に横方向に隣接している第2モジュール(2,3,4)の材料をプレスする操作を、固定スロット(17,18,26,27)の少なくとも特定の長手方向セクションにわたって、ノンポジティブ及び/又はポジティブ嵌合により分離不能な態様で、2つのモジュール(2,3,4)を相互に連結するように実施することを含む;
ことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
製造工程c)において、固定スロット(17,18,26,27)に沿って移動する2つの圧力ローラーによって、第2モジュール(2,3,4)の材料を第1モジュール(2,3,4)の周辺セクションに対してプレスするのに必要な力を付与すること特徴とし、
ここで、前記圧力ローラーのうちの1つは、各々、固定スロット(17,18,26,27)の一方の側上へ、そこから短い間隔を設けて導かれるものとする、
こと特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
製造工程c)において、周辺フランジ加工として冷間成形加工を実施することを特徴とする、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−511316(P2009−511316A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534014(P2008−534014)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【国際出願番号】PCT/EP2006/067049
【国際公開番号】WO2007/039630
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(500169782)ティッセンクルップ スチール アクチェンゲゼルシャフト (45)
【氏名又は名称原語表記】ThyssenKrupp Steel AG
【Fターム(参考)】