説明

屈曲可能な切断デバイス

組織を切断するための最小侵襲性手順のためのデバイスおよび方法が開示される。このデバイスは、一般に、プローブに対してある出口角度の遠位出口を有するプローブ、予め構成された形状を有する形状記憶を備える切断ループ、ならびにこの切断ループを貫入構成に固定するため、およびこの切断ループを切断構成に解放するためのループ固定機構を備える。この切断ループは、貫入構成において、一般に、このプローブのプロフィール内にある。切断構成において、この切断ループは、切断ループの出口を通って延び、そして出口角度によってほぼ規定される切断角度にて、予め構成された形状にほぼ戻る。この切断ループ固定機構は、例えば、このループの上をスライド可能なカバー、このプローブの遠位先端から延びるスライド可能な部材、またはこの切断ループの近くでプローブに規定される溝であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2003年2月20日に出願された、米国仮特許出願番号60/449,061(これは、その全体が本明細書中に参考として援用される)に対して優先権を主張する。
【0002】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、一般に、軟部組織を切断するためのデバイスおよび方法に関する。より具体的には、ある体積の軟部組織を切断または切除するための最小侵襲性手順(例えば、生検または癌の治療的切除)のためのデバイスおよび方法が、開示される。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の説明)
最小侵襲性手順は、閉じ込められた空間(特に、乳房組織のような軟部組織)において機能し得る外科用デバイスにおける改善を示唆している。開胸外科手順の間に代表的に使用されるデバイス(すなわち、メス、鋏、電気外科用の「ペンシル」電極)は、しばしば、最小侵襲性手順における使用に適合不可能である。さらに、実際の手順は、直接見えない。なぜなら、皮膚の切開は、代表的に、デバイスを挿入するために十分に大きいだけであるからである。最小侵襲性手順は、しばしば、腹腔鏡においてしばしば使用されるような、医療用画像化カメラまたはビデオカメラによって案内される。乳房においては、乳房X線撮影法、超音波および磁気共鳴画像化(MRI)が、最小侵襲性手順を案内するために使用される。組織を切断するために、振動する鋭利な縁部または無線周波数エネルギーを使用する、現在のデバイスは、一定体積の標本を回収し、そして異なるサイズの病巣を切除するように、または切除において病巣もしくは疾患のプロセスの範囲を含めるように、適合可能ではない。特に、乳癌は、しばしば、半径方向外向きに成長することに加えて、乳汁管内の乳頭の方へ、またはクーパー靭帯における皮膚の方へと延びる。現在の最小侵襲性デバイスは、塊を切除するように設計されており、そして関連する疾患した管またはクーパー靭帯の切除に適合可能ではない。管またはクーパー靭帯の背後に癌を残すことは、手術後の放射線療法の実施にもかかわらず、局所的な再発の危険を増加させる。
【0004】
開胸外科生検は、種々のサイズの病巣を除去し、そして病巣の範囲を含み得るが、しばしば、過剰量の正常乳房組織が、標本に含まれ、乏しい見かけ上の結果をもたらす。さらに、開胸外科生検は、代表的に、かなりの皮膚切開を必要とし、より長い、永続的な瘢痕を生じる。より重要なことには、疾患した管および/またはクーパー靭帯における疾患は、開胸外科手順の間に、直接見ることによっても、触診によっても、いずれでも検出可能ではない。主要な癌性の塊が切除され得るが、癌性細胞で満たされた疾患した管および/または疾患したクーパー靭帯は、しばしば、この手順の間に明らかにならず、そして意図されずに、切除に含まれない。
【0005】
軸方向の管超音波は、乳房の内部解剖学を実証する、乳房の超音波走査の方法である。具体的には、乳房の管およびローブが同定され、病巣のみでなく疾患した管の可視化、およびクーパー靭帯内への拡張を生じる。多病巣癌または疾患した管に付随するさらなる癌もまた、可視化され得る。従って、疾患プロセス全体(すなわち、病巣および乳房内の病巣の範囲)が可視化され、そして直接的な、リアルタイムの超音波案内の元で除去され得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、ある体積の組織内の可変のサイズの病巣を、乳房または他の軟部組織から切除する、最小侵襲性手順のためのデバイスおよび方法に対する必要性が存在する。より具体的には、疾患の主要な病巣(すなわち、病巣または塊)のみでなく、同様に罹患した管およびその疾患プロセス(例えば、クーパー靭帯内への成長)の他の解剖学的範囲もまた含む、乳房内での疾患プロセスを切除するためのデバイスおよび方法に対する必要性が存在する。好ましくは、この手順は、医療用画像化を使用して案内される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
ある体積の軟部組織を切断または切除するための最小侵襲性手順(例えば、生検または癌の治療的切除)のためのデバイスおよび方法が、開示される。本発明は、多数の様式(プロセス、装置、システム、デバイス、または方法が挙げられる)で実施され得ることが、理解されるべきである。本発明のいくつかの発明性のある実施形態が、以下に記載される。
【0008】
ある体積の軟部組織を切除するためのデバイスは、一般に、切断ループを収容するプローブを備える。このプローブは、プローブ軸を規定する長さを有し、一方で、この切断ループは、ループ軸を規定するループ高さを有する。このループは、好ましくは、超弾性特性または形状記憶能力を有する金属または金属合金から作製され、その結果、プローブ軸に対するループ軸の角度は、1つ以上の位置に構成され得る。このプローブが、位置決めの間に軟部組織内に貫入する場合、このループは、貫入構成にあり、この構成において、このループ軸は、このプローブ軸に対してほぼ約180°の角度で整列して、容易な貫入を容易にするように構成される。このプローブが所望の位置で位置決めされた後に、このループは、好ましくは、切断構成に移動され、その結果、ループ軸とプローブ軸との間の角度は、ほぼ約90°である。このループは、角度の付いた出口(このループが切断構成にある場合に、この出口は、プローブ軸に対するループ軸の角度を規定する)を通ってこのプローブを出る。貫入構成を呈するために、このループは、貫入構成に手動でかまたは機械的に押し付けられ、そして適所に保持され得る。解放される場合、このループは、切断構成に移動する。プローブ軸に対するループ軸の角度の変化は、このループを構成するために使用される金属または金属合金の超弾性特性または形状記憶能力によって、容易にされる。超弾性特性は、このループが、このループにおけるねじれまたは永続的な変形を生じることなく、構成を変化させることを可能にする。軟部組織の切断を容易にするために、このループは、1つ以上の鋭利な縁部を有し得る。さらに、このループは、無線周波数エネルギーなどでエネルギー付与され得、そして/またはこのループは、予め決定されたかもしくは可変の距離、方向および/もしくは周波数に沿って振動するように構成され得る。このループの形状および/またはサイズは、固定されて得るか、またはこのループの幅および/もしくは高さを調節することによって可変であり得る。
【0009】
ある体積の軟部組織を切断するための方法は、一般に、この軟部組織を画像化デバイスで走査する工程、および切除されるべき軟部組織の体積を決定する工程を包含する。好ましくは、この軟部組織の体積は、病巣、管、クーパー靭帯およびローブまたはローブの一部分のうちの、少なくとも1つを含む。好ましくは、このプローブは、ループが貫入構成にある状態で、標的化された体積の軟部組織に隣接して、この軟部組織内に位置決めされる。無線周波数エネルギーのようなエネルギーが、組織の貫入を容易にするために使用され得る。一旦、このプローブが所望の位置に位置決めされると、このループは、貫入構成から解放され、そして切断構成へと移動される。このループが切断構成になった後に、このプローブは、このループを移動させるように前進されるかまたは後退されて、この体積の軟部組織の周りで周囲切断を作製する。このループは、切除される軟部組織の所望の体積の変動に適合するように、幅および/または高さを伸長および/または収縮され得る。プローブの位置決めおよび/または切断の間、このループは、外部エネルギー源(例えば、無線周波数エネルギー)からエネルギー付与され、そして/または振動され得る。このループの振動は、代表敵に、プローブの前進または後退からは独立しており、そしていくつかの方向のうちの1つにおいてであり得る。一旦、切断が開始される、ある体積の軟部組織の反対側にくると、このループは、プローブ内に引き込まれるか、または代替的に、このループは、貫入構成に機械的に押し付けられて、切断プロセスを完了する。この手順は、画像化デバイスを使用して案内され得る。この画像化デバイスは、患者に対して外部であり得るか、またはこの画像化デバイスは、このプローブに組み込まれ得る。
【0010】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、本発明の原理を例として説明する、以下の詳細な説明および添付の図面において、より詳細に提供される。
【0011】
本発明は、添付の図面と組み合わせて、以下の詳細な説明によって、容易に理解される。図面において、同じ参照番号は、同じ構造要素を表す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(特定の実施形態の説明)
ある体積の軟部組織を切断または切除するための最小侵襲性の手順(例えば、生検または癌の治療的切除)のためのデバイスおよび方法が、開示される。以下の説明は、任意の当業者が、本発明を作製および使用することを可能にするために提示される。特定の実施形態および適用の説明が、例のみとして提供され、そして種々の改変が、当業者に容易に明らかになる。本明細書中に規定される一般原理は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、他の実施形態および適用に適用され得る。従って、本発明は、本明細書中に開示される原理および特徴と一致する、多数の代替物、改変および均等物を包含する、最も広い範囲を与えられるべきである。明瞭にする目的で、本発明に関連する技術分野において公知である技術的材料に関する細部は、本発明を不必要に不明瞭にしないために、詳細には記載されない。
【0013】
図1Aおよび1Bは、屈曲可能なループ34がそれぞれ引き込まれた位置および伸長された位置にある、切断デバイス100の例示的な実施形態の斜視図である。図1Aに示されるように、切断デバイス100は、一般に、プローブ20およびハンドル40を備える。プローブ20は、近位端24と遠位端22との間に、プローブ軸28を規定する。ループチャネル26が、プローブ20内に収容され、そしてプローブ軸28にほぼ沿って整列され、遠位端22またはその近くに位置する、角度の付いた出口44で終結する。角度の付いた出口44で終結する前に、ループチャネル26は、プローブ軸28とほぼ整列したものから、プローブ軸28に対して角度の付いたものへと変化する。ループチャネル26は、電極30を備え得る。電極30は、図1Aに示されるように、近位端24またはハンドル40において、電極端部32で終結する。電極30は、角度の付いた出口44にて、切断デバイス100から出、その結果、角度の付いた出口44の間の電極30は、屈曲可能なループ34を作製する。
【0014】
図1Cおよび1Dに図示される代替の実施形態の断面図において、ループ34の、角度の付いた出口44からの伸長は、ループ高さ46を規定する。ループ幅48は、角度の付いた出口44の間の角度βによって規定される。好ましくは、角度βは、予め決定されるが、角度βは、可変であり得る。図1Cに示されるように、角度βは、ループ幅48を規定し、このループ幅は、図1Dに図示される代替の実施形態におけるループ幅48より大きい。なお別の代替(図示せず)において、ループチャネル26のうちの少なくとも1つは、角度の付いた出口44で終結する、回転可能な管である。1つ以上の回転可能な管を回転させることによって、角度βが変化し、これが、ループ幅48を変化させる。
【0015】
プローブ20およびハンドル40は、金属、金属合金、セラミックおよび/またはプラスチックが挙げられる、多数の材料から構成され得る。プローブ20およびハンドル40は、単一のユニットとしてか、または一緒に固定される1つ以上の別個のユニットとして構成され得る。好ましくは、電極30は、形状記憶または超弾性特性を有するニッケルチタン合金(ニチノール)から作製されるが、形状記憶または超弾性特性を有する他の任意の適切な金属または金属合金が、使用され得る。
【0016】
図1Bは、切断構成にあるループ34を図示する。角度の付いた出口44および/または電極30(例えば、ニチノール)の形状記憶特性のうちの少なくとも1つが、ループ34を切断構成に構成することを容易にする。角度の付いた出口44は、プローブ軸28に対してループ34によって規定されるループ軸を規定する。ループ角度θは、プローブ軸28とループ軸36との間に規定される。ループ34は、ループ34が角度の付いた出口44を通って少なくとも部分的に延びる場合に、切断構成を呈する。好ましくは、角度の付いた軸44は、ループ34を、ループ角度θがほぼ90°であるように構成するが、ループ角度θは、例えば、図4Aおよび4Bに図示される実施形態においてのように、90°より小さくても大きくてもよい。1つの例示的な実施形態において、角度の付いた軸44は、ループ角度θが、図4Aに図示されるように、90°より大きいように構成され得る。代替の実施形態において、角度の付いた出口44は、ループ角度θが、図4Bに図示されるように、90°より小さいように構成され得る。
【0017】
代替(図示せず)において、ループ34は、好ましくは、電極30が切断デバイス100に組み立てられる前に、予め決定された切断構成に予め形成される。ループを予め決定された構成に予め形成するプロセスは、当業者に周知である。具体的には、電極30は、ループ34が予め決定された切断構成にあるように位置決めおよび維持され得、そして予め決定された長さの時間にわたって、特定された温度まで加熱され、引き続いて、迅速に冷却され得る。この温度および時間の長さは、電極30のために使用される材料の型に従って変化し得る。好ましくは、ループ34は、ループ角度θが約90°になるように、予め形成される。
【0018】
図1Aに戻って参照すると、ループ34は、貫入構成で示されており、この構成において、ループ34は、ループ角度θが約180°であるように位置決めされる。プローブ20の遠位端22またはその近くに位置する溝38は、ループ34を、貫入構成に保持する。少なくとも部分的に伸長する場合(図1Bに示されるように)切断構成にあるループ34は、手動でかまたは機械的に、貫入構成に位置決めされ得る。好ましくは、電極30は、超弾性特性を有する材料(例えば、ニチノール)から作製されて、ループ34が、電極30における永続的なねじれまたはひずみを生じることなく、貫入構成に位置決めされることを可能にする。この貫入構成は、ループ34を溝38内に配置し、引き続いて、ループ34をわずかに引き込むことによって、維持される。このわずかな引き込みは、ループ34を溝38内にしっかりと保持させて維持する。代替(図示せず)において、ループロック機構が、ハンドル40に提供されて、ループ34を貫入構成に固定し得る。ハンドル40に位置するループ制御器42が、ループ34の伸長および引き込みを制御する。ループ34を貫入構成に維持することによって、プローブ20に対してより線形のプロフィールを作製することにより、軟部組織へのプローブ20の貫入が増強される。部分的に伸長されたループ34をプローブ20の外側に維持し、そして溝38内に保持することによって、より小さい直径のプローブ20が可能になる。代替(図示せず)において、ループ34は、本明細書中に記載される方法によって、手動でかまたは機械的に位置決めされ、その結果、ループ34は、角度の付いた出口44の近位で角度を有し、代替の貫入構成を呈する。
【0019】
図3Eに図示される代替の実施形態において、ループ34は、プローブ20内にさらに引き込まれ、その結果、角度の付いた出口44の間の距離によって決定される最小の長さのループ34のみが、プローブ20の外側にある。好ましくは、角度の付いた出口44の間の距離は、ループ34が引き込まれる場合に、ループ34のねじれまたは永続的な変形を防止するために充分な長さである。図3Fに図示されるさらなる代替において、プローブ20は、角度の付いた出口44の近くに、溝56を規定する。ループ34(図示せず)は、ループ34が引き込まれる場合に、溝56内に位置決めされる。なお別の代替(図示せず)において、引き込まれたループ34は、プローブにおける部分的な溝または開口部内に位置決めされ得る。
【0020】
図1Bに戻って参照すると、ループ34は、ループ制御器42によってさらに伸長され、そして切断構成にされる。ループ34をさらに伸張させることによって、ループ34のサイズが増加し、そして溝38からループ34が解放され、これによって、ループ34は、切断構成に移動し得る。ループ34が貫入構成から切断構成に移動する場合の、ループ角度θの変化は、好ましくは、電極30の金属または金属合金の超弾性特性によって容易にされる。例示的な実施形態において、ループ角度θは、ループ34が切断構成にある場合に、約90°である。ある体積の軟部組織の回りでの切断は、ループ34が切断構成にある場合に、プローブ20を前進および/または引き込むことによって、達成される。ループ34の伸長および/または引き込みは、好ましくは、電極端部32の一方および/または両方の移動によって、制御される。
【0021】
組織におけるプローブ20の位置決めを容易にするためにプローブ20および/またはループ34は、位置決定機構(図示せず)を備えて、組織内でのプローブ20および/またはループ34の位置の決定を補助し得る。検出機構(好ましくは、組織の外部に位置付けられる)が、この位置決定機構を検出する。この位置決定機構としては、放射線マーカーまたは超音波マーカー、光信号エミッタまたは他の信号エミッタ、あるいは代表的には患者の外側の対応する検出機構によって検出され得るような他の機構が挙げられ得る。
【0022】
電極30の断面積は、円形、正方形、三角形、矩形、楕円形、ダイヤモンド型、多角形、または他の任意の所望の形状であり得る。ループ34および/または電極30上の1つ以上の切断縁部は、鋭利または鋸歯状であり得る。電極30は、外部エネルギー源(図示せず)(例えば、無線周波数エネルギー、レーザーおよび/または振動であるが、これらに限定されない)と連絡し得る。軟部組織を切断する他の方法が、ループおよび/または電極に組み込まれ得、この方法としては、空気アブレーションおよび/またはウォータージェットが挙げられるが、これらに限定されない。電極30が無線周波数でエネルギー付与される場合、電気回路は、能動電極として作用するループ、およびより大きい、戻り電極として作用する分散接地パッドを備える単極系として構成され得る。代替において、この戻り電極は、切断デバイス100またはその近くに位置決めされ得、双極形を生じる。さらに、ループ34および/または電極30は、部分的にかまたは完全に絶縁されて、無線周波数エネルギーを、組織に対して、ループ34上の1つ以上の予め決定された位置において曝露する。絶縁体として働き得る材料としては、セラミックおよびポリマー(例えば、ポリメチルシロキサン、パラテトラフルオロエチレン、ポリイミド、および/またはポリエーテルエーテルケトン)が挙げられるが、これらに限定されない。ループ34は、1つ以上の予め決定された方向で振動されて、軟部組織の切断を容易にし得る。ループ34は、ループチャネル26内での電極30の移動によって、振動され得る。代替において、ループ34は、プローブ20の移動によって振動され得る。
【0023】
組織の貫入を容易にするために、ループ34は、ループ34が貫入構成にある場合に、プローブ20の位置決めの間にエネルギー付与され得る。代替において、図2Aに図示されるように、溝38は、電位端22の近くにある。遠位端22は、組織の貫入を容易にし得る、鋭利な先端として構成されるが、遠位端22は、好ましくは、鋭利な縁部のような、組織の貫入を補助する多数の構成であり得る。遠位端22はまた、例えば、無線周波数エネルギーおよび/または他の任意の適切なエネルギーで、エネルギー付与され得る。さらなる代替において、遠位端22は、1つ以上の貫入器66を収容し得、この貫入器は、図2Bにおける実施形態に図示されるように、遠位に突出する。貫入器66は、鋭利であり得、そして/または例えば、無線周波数エネルギーでエネルギー付与されて、組織の貫入を容易にされ得る。好ましくは、遠位端22または貫入器66のエネルギー付与は、電極30のエネルギー付与から独立しており、そして絶縁されている。代替(図示せず)において、貫入器66は、部分的にかまたは完全に絶縁されて、無線周波数エネルギーを、組織に対して、貫入器66における1つ以上の予め決定された位置で曝露する。さらに、貫入器66は、1つ以上の予め決定された方向で振動して、軟部組織の貫入を容易にし得る。
【0024】
図3Aおよび3Bに図示される実施形態において、ループホルダ60が、ループ34を貫入構成に維持するために使用される。例示的な実施形態において、ループホルダ60のホルダ端部62は、「Y」字型の構成を備えるが、貫入構成におけるループ34の維持を容易にするためのホルダ端部62の任意の適切な構成が、使用され得る。ループホルダ60は、ハンドル(図示せず)に位置するループホルダ制御器によって引き込まれ得、例えば、その結果、ループ34が、ホルダ端部62から解放され、そして切断構成へと移動する。
【0025】
図3Cおよび3Dに図示される代替の実施形態において、ループカバー80が、プローブ20を少なくとも部分的に囲み、そしてプローブ軸28に沿って移動するように、構成される。図3Cに図示されるように、ループカバー80は、遠位端22またはその近くにあり、そしてループ34を貫入構成に位置決めする。ループカバー80が、ハンドルのほうへと近位に、プローブ軸28に沿って移動する場合、ループ34のカバーが外され、そしてもはや、ループカバー80によって閉じ込められず、そして図3Dに示されるように、切断構成に移動する。ループカバー80は、好ましくは、例えば、ハンドル上に位置するループカバー制御器(図示せず)によって制御される。切断プロセスは、ループ34をプローブ20内に引き込むこと、および/またはループカバー80をループ34上で移動させて、ループ34を貫入構成に機械的に位置決めすることによって、完了する。代替(図示せず)において、ループカバー80は、プローブ軸28に沿って、ハンドルから離れるように遠位に移動され、ループ34のカバーを外す。
【0026】
図5に図示される実施形態において、電極30の固定端部50は、プローブ20の遠位端22またはその近くに位置し、そして電極30の電極端部(図示せず)は、プローブ20またはハンドル(図示せず)の近位端24に位置する。プローブ20は、単一のループチャネル26を収容し、その結果、プローブ20は、プローブが複数のループチャネルを収容する場合より小さいプロフィール(例えば、直径)を有し、そして/またはプローブ20内に、ループチャネル26の整列の、プローブ軸28に対してほぼ平行であるものから、角度の付いた出口44にて終結するまでの、変化に対するさらなる余地を提供する。この増加した余地は、方向のより精度の低い変化を提供し、これによって、ループチャネル26内での電極30の移動を容易にする。
【0027】
図6に図示される実施形態において、画像化カテーテル70が、プローブ20内に位置決めされ、その結果、画像化カテーテル70は、ループ34に隣接するかまたはループ34を含む、画像化領域を走査する。この例示的な実施形態は、画像化カテーテル70を、ループ34を含む領域を画像化する位置で示すが、画像化カテーテル70は、プローブ20に沿った任意の適切な位置に位置決めされ得る。画像化カテーテル70は、画像化領域を広げるために、プローブ軸28の周りで回転するように構成され得る。画像化カテーテル70は、好ましくは、超音波変換器であるが、他の任意の型の適切な画像化手段でもあり得る。超音波変換器は、好ましくは、約10MHz〜100MHzの間の高い周波数を有する。超音波変換器が画像化領域に接近することによって、高い周波数の使用が提供され、このことは、画像化領域の改善された分解能を与える。画像化カテーテル70は、複数の画像を獲得し得、これらの画像は、少なくとも二次元、三次元、および/または四次元の画像を示すように処理される。
【0028】
画像化カテーテル70は、プローブ20の位置決めの間、および/または切断プロセスの間(すなわち、プローブ20がループ34によって切断構成に前進または後退される場合)に使用され得る。好ましくは、画像化カテーテル70は、リアルタイムで、切断プロセスの間、ループ34および切除されている軟部組織の体積を画像化する。好ましくは、画像化カテーテル70およびループ34は、切断プロセスの間にプローブ20が前進または後退される際に、一体的に移動される。画像化カテーテル70は、プローブ20内に固定され得るか、または好ましくは、画像化カテーテル70は、プローブ20内に収容される画像化チャネル72内にスライドする、別個の構成要素として構成される。画像化チャネル72内で所望の位置に進められる場合、画像化カテーテル70は、好ましくは、ロック機構(図示せず)を用いて、適所に固定される。画像化カテーテル70の、ループ34に体する位置は、予め決定され得るか、または画像化チャネル72内での画像化カテーテル70の位置に依存して変化し得る。プローブ20および/またはループ34は、医療用画像化を使用する、増強された可視化機構(例えば、放射線マーカーまたは超音波マーカー)をさらに備え得るか、あるいは外部検出器によって検出されるべき放出信号を提供するための、信号デバイスを備え得る。
【0029】
図7Aおよび7Bは、切断デバイスの別の実施形態を図示する。図7Aにおいて、電極30は、貫入構成にあるプローブ20の内部に完全に収容される。図7Bにおいて、電極30は、切断構成にあるプローブ20から伸長して示されている。電極30は、例えば、ハンドル(図示せず)に位置する前進制御器によって、遠位端22またはその近くに位置する出口54を通して、プローブ20から進められる。出口54を通して進められる場合に、電極30の形状記憶特性は、ループ34に、予め決定されたサイズおよび形状を呈させる。ループ34を予め決定されたサイズおよび形状に構成することは、電極が切断デバイスに組み立てられる前に実施され、そして当業者に周知である。この材料の超弾性特性は、ループ34が、ループ34におけるねじれまたは永続的な変形を生じることなく、プローブ20内に完全にかまたはほぼ安全に位置決めされることを可能にする。ループ34がプローブ20から進められる場合、ループ34は、その形状記憶特性に起因して、その予め決定されたサイズおよび形状に戻る。ループ34は、出口54を通しての前進の前およびこの前進中に、例えば、無線周波数エネルギー、レーザーおよび/または振動によって、エネルギー付与され得る。ループは、部分的にかまたは完全に絶縁されて、この切断プロセスを容易にし得る。ループの振動が、さらにかまたは代替的に適用されて、この切断プロセスを容易にし得る。
【0030】
図8A〜8Dは、切断デバイス100を乳房90の領域で使用する、切断プロセスを図示する概略図である。例示的な実施形態において、乳房90の領域は、乳頭/乳輪複合体99および管96を含むローブ97を備える。管96は、管96内の病巣94および疾患範囲95を含む。画像化デバイス110が、好ましくは、管96、病巣94、および疾患範囲95を位置決定するため、ならびに切断プロセスを案内するために使用される。この例示低長い略図において、画像化デバイス110は、超音波変換器であるが、他の任意の適切な画像化手段が使用され得る。画像化デバイス110は、複数の画像を獲得し得、これらの画像は、に次元、三次元、および/または四次元の画像化を得るために、処理される。代替(図示せず)において、上記のようなプローブ20内に収容される画像化カテーテルが、単独でか、または画像化デバイス110と組み合わせて使用されて、切断プロセスを案内し得る。
【0031】
図8Aに示されるように、プローブ20は、乳房90に、皮膚切開98(これは、好ましくは、乳頭/乳輪複合体99の境界に位置する)を通って入る。例示的な概略において、プローブ20は、管96および病巣94の下に位置決めされるが、種々の代替において、プローブ20は、管96および/または病巣94の横または表面に位置決めされ得る。好ましくは、遠位端22は、皮膚の切開98に対して、病巣94、および管96内の任意のさらなる疾患(すなわち、疾患範囲95)の遠位に位置決めされる。プローブ20は、好ましくは、貫入構成において、ループ34内に位置決めされる。ループ34は、例えば、外部無線周波数エネルギー源(図示せず)を使用してエネルギー付与され、組織の貫入およびプローブ20の位置決めを容易にし得る。図8Bにおいて、ループ34は、エネルギー付与され、そして切断構成に拡張される。拡張は、ループ34を、溝38から解放し、そしてエネルギー付与は、ループ34が切断構成に移動する際に、ループ34が、軟部組織を通って切断することを可能にする。ループ324の高さおよび幅は、調節または変化されて、病巣94および疾患範囲95の全体が、ループ34によって、切断プロセスの間に囲まれることを確実にし得る。次に、プローブ20は、図8Cに図示されるように引き込まれ、ループ34に、暴走94および疾患範囲95の周りで周囲に組織を切断させる。画像化デバイス110は、一般に、ループ34および/またはループ34に隣接する組織の領域を、画像化領域内に維持し続ける。例えば、画像化デバイス110が超音波変換器である場合、この超音波変換器は、好ましくは、ループ34と一体的に移動して、ループ34を画像化領域内に維持する。図8Dにおいて、ループ34は、病巣94および疾患範囲95の近位にある。ループ34が引き込まれ、切断プロセスを完了する。一旦、引き込まれると、ループ34のエネルギー付与が終結され得る。代替(図示せず)において、プローブ20の遠位端は、病巣94および疾患範囲95の近くに位置決めされ、ループ34が拡張され、そしてプローブ20は、切断プロセスに適合するように進められる。
【0032】
切断プロセスの間、ループ34および/またはプローブ20は、プローブ20の前進または引き込みとは別個である独立した動きで、前後に振動または移動するように構成され得る。この独立した動きは、切断プロセスを増強する。好ましくは、この独立した動きは、ループ34の曲率によって規定される方向に沿っている。あるいは、この独立した動きは、ループ軸、プローブ軸、ならびに/またはループ軸およびプローブ軸に対して1つ以上の角度である方向によって規定される、任意の方向または方向の組み合わせに沿っている。
【0033】
さらなる代替の実施形態(図示せず)において、組織収集器が、ループおよび/またはプローブに取り付けられる。この組織収集器は、好ましくは、切断プロセスの間、または切断プロセスが完了した後に、切除された組織を取り囲む。この組織収集器は、乳房から切断された組織の除去を容易にする。なおさらなる代替(図示せず)において、組織マーキング機構が、この切断デバイスに組み込まれて、乳房からの除去誤の切断された組織の配向を容易にし得る。この組織マーキング機構は、切断プロセスの間および/または切断プロセスが完了した後に、標本をマークする。なお別のさらなる代替において、軟部組織の配向および画像化の案内システムが組み込まれて、切除されるべき軟部組織の領域の標的化を容易にし得、切断プロセスの間、軟部組織の領域を配向および固定し得、そして切断デバイスに対する画像化スキャナの移動を容易にし得る。
【0034】
図9は、切断デバイスを使用し、そして画像化デバイスを使用して、この手順を案内する切断プロセス200を図示する流れ図である。工程202において、放射線画像化(好ましくは、軸方向管超音波走査)が、乳房に対して実施されて、標的化されたある体積の軟部組織(これは、病巣ならびにこの病巣が発生した管および/またはローブを含む)を同定する。好ましくは、標的化された組織はまた、病巣または疾患プロセスの任意の程度を含む(例えば、管内の疾患の拡張、クーパー靭帯内への成長、および多病巣の病巣)。軸方向の管超音波走査は、好ましくは、切断プロセス200の前に実施されて、管およびローブに対する病巣のサイズ形状および位置を描写し、そして管内の病巣の広がり、クーパー靭帯内への成長、および多病巣の病巣を同定する。軸方向管超音波走査は、超音波造影剤(例えば、同時係属中の米国特許出願番号10/167,017、発明の名称「Ultrasound Imaging Of Breast Tissue Using Ultrasound Contrast Agent」、2002年6月11日出願(その全体が、本明細書中に参考として援用される)に記載されるもの)の使用によって、増強され得る。軸方向管超音波画像は、少なくとも二次元、三次元、または四次元の画像の少なくとも1つである画像を与えるように、処理され得る。
【0035】
工程204において、切断デバイスは、乳房上の皮膚の切開を通して挿入される。この切開は、代表的に、画像化されるべき標的化された組織に比較的近く近接して作製される。好ましくは、この切開は、改善された概観を提供するために、乳輪境界に作製される。皮膚の切開を作製する前に、画像化および切断のプロセスは、軟部組織の配向および画像化案内システム(例えば、同時係属中の米国特許出願番号10/284,990、発明の名称「Soft Tissue Orientation and Imaging Guide Systems and Methods」、2002年10月31日出願(この全体は、本明細書中に参考として援用される)に記載されるようなもの)の使用によって、容易にされ得る。
【0036】
工程206において、切断デバイス(好ましくは、医療用画像化を使用して案内される)が、切断プロセスの準備において、標的化された組織に隣接して位置決めされる。好ましくは、この標的化された組織は、病巣の全体、および病巣の任意の範囲を含む疾患した管、多病巣の病巣、クーパー靭帯内への成長、または病巣を含むローブ全体もしくはローブの一部分を含む。切断デバイスの位置決めの間、ループは、貫入構成に保持されて、軟部組織内への貫入を容易にされる。このループは、外部エネルギー源(例えば、無線周波数発生器)からエネルギー付与され得る。プローブの遠位端は、皮膚の切開に対して、標的化された組織の遠位に位置決めされる。
【0037】
工程208において、ループは、エネルギー付与され、そして拡張され、これによって、このループが、貫入構成から切断構成へと移動する。このループが切断構成に移動するにつれて、組織は、この移動経路に沿って切断される。
【0038】
工程210において、ループは、さらに拡張されて、このループのサイズを増加させ、その結果、このループは、標的化された組織の回りの周囲切断を作製し得る。このループの高さおよび/または幅は、好ましくは、この切断プロセスの前または間に調節される。好ましくは、この周囲の切断は、病巣、疾患した管、クーパー靭帯内への成長、および/または多病巣の病巣を囲む正常組織の充分な周縁を含む。
【0039】
工程212において、プローブが引き込まれ、これによって、ループが、標的化された組織の周りに周囲切断を作製する。切断プロセスの間、ループおよび/またはプローブは、プローブの前進または後退とは別個の独立した動きで前後に振動または移動され、切断プロセスを容易にし得る。好ましくは、画像化デバイスは、切断プロセスの間、ループおよび/またはこのループに隣接した組織の領域を画像化する。
【0040】
工程214において、このループが皮膚の切開に対して標的化された組織の近位にある場合に、このループが引き込まれ、そしてこのループのエネルギー付与が終結され、切断プロセス200が完了される。切断プロセスの間、または切断プロセスが完了した後に、組織収集器が使用されて、切断された標的化された組織を取り囲み、乳房からの除去を容易にし得る。組織マーキングしステムがまた使用されて、標的化された組織が、一旦、乳房から除去されると、標的化された組織の配向を容易にし得る。
【0041】
代替において、工程206の間に、プローブの遠位端が、皮膚の切開に対して、標的化された組織の近位に位置決めされる。工程212において、プローブが前進されて、ループに、標的化された組織の周りで周囲切断を作製させる。工程214において、ループが標的化された組織の遠位にある場合に、このループが引き込まれる。
【0042】
本発明の例示的な実施形態が、本明細書中に記載および図示されたが、これらは単なる例示であり、そして本発明の精神および範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して改変がなされ得ることが、理解される。従って、本発明の範囲は、補正され得る添付の特許請求の範囲の観点においてのみ規定され、各請求項は、本発明の実施形態として、特定の実施形態の説明に明白に組み込まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1Aおよび1Bは、屈曲可能なループがそれぞれ貫入構成および切断構成にある、切断デバイスの例示的な実施形態の斜視側面図である。図1Cおよび1Dは、切断デバイスの代替の実施形態の断面図である。
【図2】図2Aおよび2Bは、屈曲可能なループを有する切断デバイスの代替の例示的な実施形態の斜視図である。
【図3】図3A〜3Fは、屈曲可能なループを有する切断デバイスのさらなる代替の例示的な実施形態の斜視図である。
【図4】図4Aおよび4Bは、切断構成にある、例示的な構成のループを図示する斜視図である。
【図5】図5は、屈曲可能なループを有する切断デバイスの、なお別の代替の例示的な実施形態の斜視図である。
【図6】図6は、プローブに組み込まれた画像化デバイスの例示的な構成を図示する斜視図である。
【図7】図7Aおよび7Bは、屈曲可能なループを有する切断デバイスの代替の例示的な実施形態の斜視図である。
【図8】図8A〜8Dは、ある体積の軟部組織を切断するために画像化デバイスと組み合わせて使用される、切断デバイスを図示する概略図である。
【図9】図9は、屈曲可能な切断デバイスを使用する画像化および切断のプロセスを図示する流れ図である。





【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織切断デバイスであって、以下:
プローブ軸をほぼ規定する長さを有するプローブであって、該プローブは、該プローブ軸に対するある出口角度の、少なくとも1つの切断ループ出口を規定し、該出口は、該プローブの遠位領域にある、プローブ;
予め構成された形状を有する形状記憶を有する切断ループであって、該切断ループは、選択的に、該切断デバイスが組織に貫入するために構成された貫入構成、および該切断ループが組織を切断するために構成された切断構成のうちの一方であり、該切断ループは、一般に、該貫入構成において、該プローブのプロフィールの内部にあり、そして該切断構成にある場合に、該切断ループは、該切断ループ出口を通って延び、そして該予め構成された形状にほぼ戻り、該切断ループは、該出口角度によってほぼ規定される、該プローブ軸に対する切断角度にある、切断ループ;ならびに
切断ループ固定機構であって該切断ループ固定機構は、該切断ループを、該貫入構成に選択的に固定するように、そして該切断ループを、該切断構成に解放するように構成されており、該切断ループ固定機構は、該プローブに対してスライド可能に配置されることと、該切断ループ出口の近位において該プローブ中に規定される溝のうちの1つである、切断ループ固定機構、
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記切断ループ固定機構が、前記プローブの遠位端から延び、そして該プローブ内に少なくとも部分的にスライド可能に引き込み可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記切断ループのホルダがY字型である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記切断ループホルダが、プローブを覆ってスライド可能に配置されるカバーであり、そして前記貫入構成のために、前記切断ループを、該ループカバーと該プローブとの間に固定するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記切断ループホルダが、前記切断ループ出口の近くで前記プローブに規定される溝である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記プローブが、前記切断ループ出口において終結する少なくとも1つの切断ループチャネルを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記切断ループのサイズが、前記切断ループが切断構成にある場合に、該切断ループを前記プローブ内に引き込むこと、または該切断ループを該プローブから延ばすことによって調節可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記プローブが、2つの切断ループ出口を規定し、該切断ループ出口を通って、前記切断ループが延びる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記切断ループ出口が、前記切断ループの幅の調節を容易にするために、前記プローブの周りで選択的に位置決め可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記切断ループ出口が、該切断ループ出口と前記プローブとの間の出口角度を調節するために選択的に位置決め可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記切断ループのうちの少なくとも1つの縁部が、鋭利であることと鋸歯状であることとの少なくとも一方である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記プローブの遠位端における組織貫入器をさらに備え、該組織貫入器は、エネルギー源に接続されており、該エネルギー源は、組織の貫入を容易にするために、該組織貫入器にエネルギーを供給するためのものである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記組織貫入器が、前記組織を前記エネルギーに選択的に曝露するために、部分的に絶縁されている、請求項13に記載のデバイス。
【請求項14】
前記プローブが、該プローブの遠位端にて開口部を規定しており、該開口部を通して、前記切断ループが、選択的に、前記切断構成のために延び得、そして前記貫入構成のために収縮し得る、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記プローブの上にスライド可能に配置されたループカバーをさらに備え、該ループカバーは、前記貫入構成のために、該ループカバーと前記プローブとの間に前記切断ループを固定するように、そして該貫入構成のために、該切断ループをその予め構成された形状に解放するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記切断ループが、エネルギー源に接続されており、該エネルギー源が、該切断ループによる組織の切断を容易にするために、該切断ループにエネルギーを供給するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記エネルギー源が、無線周波数、レーザー、ウォータージェット、空気アブレーション、超音波、予め決定された距離、方向および/または周波数に沿った振動、可変の距離、方向および/または周波数に沿った振動のうちの少なくとも1つから選択される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記切断ループが、前記組織を前記エネルギーに選択的に曝露するために、部分的に絶縁されている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項19】
前記プローブにほぼ収容された画像化デバイスをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記プローブに収容されたプローブ位置決定機構をさらに備え、該プローブ位置決定機構は、前記組織の外側から、該組織内での前記プローブおよび前記切断ループのうちの少なくとも1つの位置を決定することを容易にし、該プローブ位置決定機構は、光、放射性マーカー、および超音波マーカーのうちの1つである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記切断ループによって切断された組織を収集するための組織収集器をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記切断ループによって切断された組織をマークするための組織マーキング機構をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
標的化された組織を切断するための方法であって、以下:
組織切断デバイスを、該標的化された組織に隣接させて位置決めする工程であって、その結果、該組織切断デバイスのプローブの遠位端が、該標的化された組織の遠位にあり、該プローブは、プローブ軸をほぼ規定する長さを有し、そして該プローブは、該プローブ軸に対するある出口角度にて、少なくとも1つの切断ループ出口を規定し、該出口は、該プローブの遠位領域にある、工程;
該組織切断デバイスの切断ループを、貫入構成における、該プローブ軸にほぼ平行である状態から、切断構成へと開放する工程であって、該切断ループは、予め構成された形状の形状記憶を有し、その結果、該切断ループを解放するために、該切断ループは、該予め構成された形状にほぼ戻り、そして該出口角度によって規定される、該プローブ軸に対するある切断角度にてほぼ延びる、工程;ならびに
該組織切断デバイスを引き込む工程であって、その結果、該切断構成にある該切断ループが、該標的化された組織を切断する、工程、
を包含する、方法。
【請求項24】
前記切断ループが前記標的化された組織の近位にある場合に、該切断ループを前記貫入構成まで戻す工程をさらに包含する、請求項23に記載の組織切断方法。
【請求項25】
前記引き込む工程の間に、組織の切断を容易にするために、前記切断ループにエネルギーを付与する工程をさらに包含する、請求項23に記載の組織切断方法。
【請求項26】
前記エネルギーが、無線周波数エネルギー、レーザー、ウォータージェット、空気アブレーション、超音波、および振動からなる群より選択される、請求項25に記載の組織切断方法。
【請求項27】
前記組織を、前記付与されるエネルギーに選択的に曝露するために、前記切断ループが部分的に絶縁されている、請求項25に記載の組織切断方法。
【請求項28】
前記位置決めする工程が、組織の貫入を容易にするために、前記プローブの遠位端にて、前記組織貫入器にエネルギーを付与する工程を包含する、請求項23に記載の組織切断方法。
【請求項29】
前記組織を、前記付与されるエネルギーに選択的に曝露するために、前記組織貫入器が部分的に絶縁されている、請求項28に記載の組織切断方法。
【請求項30】
前記組織を画像化デバイスで走査する工程、および切断されるべき標的化された組織を決定する工程をさらに包含する、請求項23に記載の組織切断方法。
【請求項31】
前記画像化デバイスが、前記プローブによって収容されている、請求項30に記載の組織切断方法。
【請求項32】
前記標的化された組織をほぼ囲むように、前記切断ループのサイズを調節する工程をさらに包含する、請求項23に記載の組織切断方法。
【請求項33】
前記引き込む工程が、組織収集器が、前記切断ループの経路を辿って、切断された組織を収集するような工程である、請求項23に記載の組織切断方法。
【請求項34】
前記引き込む工程の間、組織マーキング機構を使用して、前記切断された組織をマークする工程をさらに包含する、請求項23に記載の組織切断方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織切断デバイスであって、以下:
プローブ軸をほぼ規定する長さを有するプローブであって、該プローブは、該プローブ軸に対するある出口角度の、少なくとも1つの切断ループ出口を規定し、該出口は、該プローブの遠位領域にある、プローブ;
予め構成された形状を有する形状記憶を有する切断ループであって、該切断ループは、選択的に、該切断デバイスが組織に貫入するために構成された貫入構成、および該切断ループが組織を切断するために構成された切断構成のうちの一方であり、該切断ループは、一般に、該貫入構成において、該プローブのプロフィールの内部にあり、そして該切断構成にある場合に、該切断ループは、該切断ループ出口を通って延び、そして該予め構成された形状にほぼ戻り、該切断ループは、該出口角度によってほぼ規定される、該プローブ軸に対する切断角度にある、切断ループ;ならびに
切断ループ固定機構であって該切断ループ固定機構は、該切断ループを、該貫入構成に選択的に固定するように、そして該切断ループを、該切断構成に解放するように構成されており、該切断ループ固定機構は、該プローブに対してスライド可能に配置されることと、該切断ループ出口の近位において該プローブ中に規定される溝のうちの1つである、切断ループ固定機構、
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記切断ループ固定機構が、前記プローブの遠位端から延び、そして該プローブ内に少なくとも部分的にスライド可能に引き込み可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記切断ループのホルダがY字型である、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記切断ループホルダが、プローブを覆ってスライド可能に配置されるカバーであり、そして前記貫入構成のために、前記切断ループを、該ループカバーと該プローブとの間に固定するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記切断ループホルダが、前記切断ループ出口の近くで前記プローブに規定される溝である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記プローブが、前記切断ループ出口において終結する少なくとも1つの切断ループチャネルを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記切断ループのサイズが、前記切断ループが切断構成にある場合に、該切断ループを前記プローブ内に引き込むこと、または該切断ループを該プローブから延ばすことによって調節可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記プローブが、2つの切断ループ出口を規定し、該切断ループ出口を通って、前記切断ループが延びる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記切断ループ出口が、前記切断ループの幅の調節を容易にするために、前記プローブの周りで選択的に位置決め可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記切断ループ出口が、該切断ループ出口と前記プローブとの間の出口角度を調節するために選択的に位置決め可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記切断ループのうちの少なくとも1つの縁部が、鋭利であることと鋸歯状であることとの少なくとも一方である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記プローブの遠位端における組織貫入器をさらに備え、該組織貫入器は、エネルギー源に接続されており、該エネルギー源は、組織の貫入を容易にするために、該組織貫入器にエネルギーを供給するためのものである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記組織貫入器が、前記組織を前記エネルギーに選択的に曝露するために、部分的に絶縁されている、請求項13に記載のデバイス。
【請求項14】
前記プローブが、該プローブの遠位端にて開口部を規定しており、該開口部を通して、前記切断ループが、選択的に、前記切断構成のために延び得、そして前記貫入構成のために収縮し得る、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記プローブの上にスライド可能に配置されたループカバーをさらに備え、該ループカバーは、前記貫入構成のために、該ループカバーと前記プローブとの間に前記切断ループを固定するように、そして該貫入構成のために、該切断ループをその予め構成された形状に解放するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記切断ループが、エネルギー源に接続されており、該エネルギー源が、該切断ループによる組織の切断を容易にするために、該切断ループにエネルギーを供給するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記エネルギー源が、無線周波数、レーザー、ウォータージェット、空気アブレーション、超音波、予め決定された距離、方向および/または周波数に沿った振動、可変の距離、方向および/または周波数に沿った振動のうちの少なくとも1つから選択される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記切断ループが、前記組織を前記エネルギーに選択的に曝露するために、部分的に絶縁されている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項19】
前記プローブにほぼ収容された画像化デバイスをさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記プローブに収容されたプローブ位置決定機構をさらに備え、該プローブ位置決定機構は、前記組織の外側から、該組織内での前記プローブおよび前記切断ループのうちの少なくとも1つの位置を決定することを容易にし、該プローブ位置決定機構は、光、放射性マーカー、および超音波マーカーのうちの1つである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記切断ループによって切断された組織を収集するための組織収集器をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項22】
前記切断ループによって切断された組織をマークするための組織マーキング機構をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
標的化された組織を切断するためのシステムであって、以下:
組織切断デバイスを、該標的化された組織に隣接させて位置決めするための手段であって、その結果、該組織切断デバイスのプローブの遠位端が、該標的化された組織の遠位にあり、該プローブは、プローブ軸をほぼ規定する長さを有し、そして該プローブは、該プローブ軸に対するある出口角度にて、少なくとも1つの切断ループ出口を規定し、該出口は、該プローブの遠位領域にある、手段
該組織切断デバイスの切断ループを、貫入構成における、該プローブ軸にほぼ平行である状態から、切断構成へと解放するための手段であって、該切断ループは、予め構成された形状の形状記憶を有し、その結果、該切断ループを解放するために、該切断ループは、該予め構成された形状にほぼ戻り、そして該出口角度によって規定される、該プローブ軸に対するある切断角度にてほぼ延びる、手段;ならびに
該組織切断デバイスを引き込むための手段であって、その結果、該切断構成にある該切断ループが、該標的化された組織を切断する、手段
備える、システム
【請求項24】
前記切断ループが前記標的化された組織の近位にある場合に、該切断ループを前記貫入構成まで戻すための手段をさらに備える、請求項23に記載の組織切断システム
【請求項25】
き込む工程の間に、組織の切断を容易にするために、前記切断ループにエネルギーを付与するための手段をさらに備える、請求項23に記載の組織切断システム
【請求項26】
前記エネルギーが、無線周波数エネルギー、レーザー、ウォータージェット、空気アブレーション、超音波、および振動からなる群より選択される、請求項25に記載の組織切断システム
【請求項27】
前記組織を、前記付与されるエネルギーに選択的に曝露するために、前記切断ループが部分的に絶縁されている、請求項25に記載の組織切断システム
【請求項28】
前記位置決めするための手段が、組織の貫入を容易にするために、前記プローブの遠位端にて、前記組織貫入器にエネルギーを付与するための手段備える、請求項23に記載の組織切断システム
【請求項29】
前記組織を、前記付与されるエネルギーに選択的に曝露するために、前記組織貫入器が部分的に絶縁されている、請求項28に記載の組織切断システム
【請求項30】
前記組織を画像化デバイスで走査するための手段、および切断されるべき標的化された組織を決定するための手段をさらに備える、請求項23に記載の組織切断システム
【請求項31】
前記画像化デバイスが、前記プローブによって収容されている、請求項30に記載の組織切断システム
【請求項32】
前記標的化された組織をほぼ囲むように、前記切断ループのサイズを調節するための手段をさらに備える、請求項23に記載の組織切断システム
【請求項33】
前記引き込むための手段が、組織収集器が、前記切断ループの経路を辿って、切断された組織を収集するような手段である、請求項23に記載の組織切断システム
【請求項34】
き込む工程の間、組織マーキング機構を使用して、前記切断された組織をマークするための手段をさらに備える、請求項23に記載の組織切断システム

【図5】
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【図6】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−518646(P2006−518646A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503767(P2006−503767)
【出願日】平成16年2月20日(2004.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/005168
【国際公開番号】WO2004/073524
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(504096642)マノア メディカル, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】