説明

層内レンズおよびその製造方法、カラーフィルタおよびその製造方法、固体撮像素子およびその製造方法、並びに電子情報機器

【課題】膜界面での光反射を極力なくすと共に、マイクロレンズから受光部までの距離をより短くして受光部への入射光の光量低下を抑制する。
【解決手段】階調マスクを用いて下地段差上に透明絶縁膜材料(現像溶解性を有した感光性のポジ型高屈折率材料)を用いて層内レンズ7を形成し、別の階調マスクを用いてその上に直にカラーフィルタ(現像溶解性を有した感光性のネガ型材料)を形成するため、従来のように受光部2〜カラーフィルタ8の間に2層の平坦化膜がない分だけ、異種膜界面の数が減り、界面で起こる光反射を抑制でき、さらにマイクロレンズ10〜受光部2までの距離が短くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素毎に離散的に所定の色配列で配列された層内レンズおよびその製造方法、この層内レンズ上または上方に設けられるカラーフィルタおよびその製造方法、この層内レンズおよび/またはカラーフィルタを通して被写体からの画像光を光電変換して撮像する半導体素子で構成された固体撮像素子およびその製造方法、この固体撮像素子を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、テレビジョン電話装置、カメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の固体撮像素子においては、カメラレンズと固体撮像素子間の短射出瞳距離化や高画素化による画素サイズの縮小に伴い、斜め光による光を受光部に取り込むための技術の一つとして凸型の層内レンズがマイクロレンズとは別にマイクロレンズ下方の層内に受光部に対応して設けられている。従来の固体撮像素子について、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。
【0003】
図13は、従来の固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
【0004】
図13に示すように、従来の固体撮像素子100は、半導体基板101上にマトリクス状に形成された、被写体からの画像光を光電変換して撮像する複数の受光部102が配設されている。半導体基板101上の隣接する受光部102間に、一方の受光部102からの信号電荷を転送する電荷転送領域103が配設され、その上に電荷転送電極104が、図示しない絶縁膜を介して配設されている。半導体基板101上および電荷転送電極104上の基板全面に絶縁膜105が形成されている。この電荷転送電極104上の絶縁膜105上には遮光膜106が形成されている。この遮光膜106は受光部102上が光入射のために開口されている。
【0005】
これらの電荷転送電極104および遮光膜106の形成領域と、受光部102の形成領域との間に下地段差が形成されている。この下地段差を平坦化するために透明の平坦化膜107が形成され、その上に、受光部102への集光用の層内レンズ108が形成されている。
【0006】
層内レンズ108上に透明の平坦化膜109が形成され、この平坦化膜109上に、受光部102および層内レンズ108の位置に対応させて各色のカラーフィルタ110が形成されている。各色のカラーフィルタ110は、第1層目のカラーフィルタ110aと、第2層目または第3層目のカラーフィルタ110bとを有している。
【0007】
各色のカラーフィルタ110上に透明の平坦化膜111を介してマイクロレンズ112が、受光部102および層内レンズ108の位置に対応させると共に、各色のカラーフィルタ110のそれぞれに対応させてマトリクス状に形成されている。
【0008】
このように、層内レンズ108の形成のために、下地段差を透明膜の平坦化膜107で平坦化し、さらに、カラーフィルタ112の形成のために層内レンズ108の段差をも透明膜の平坦化膜109で平坦化している。
【0009】
これらの平坦化膜107および109の形成は、例えば、非感光性の塗布材を塗布し、必要に応じて枚葉式マイクロ波プラズマエッチャーを用いて塗布材をエッチバックし、その膜厚を調整する。
【0010】
凸型の層内レンズ108の形成は、例えば、現像溶解性を有した感光性の高屈折率材料(ポジ型)を塗布し、透過率が最大と最小の間の透過率を持つ階調マスク、あるいは、最大かまたは最小の通常フォトマスクを用いて露光し、あるいは露光時の露光量やフォーカスを調整して露光し、現像して形成する。
【0011】
カラーフィルタ112の形成は、例えば感光性の塗布材(ネガ型)を塗布し、通常のフォトマスクを用いて露光し、現像して形成する。
【0012】
図14は、特許文献1に開示されている従来の固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
【0013】
図14に示すように、従来の固体撮像素子200の層内レンズ201の形成方法は、まず、半導体部202内に所要の不純物のイオン注入などを行って、受光部203、読み出しゲート部204およびCCD転送チャネル(電荷転送部)205をそれぞれ形成した後に、表面に絶縁膜206を介して所定のパターンに電荷転送電極207を形成し、層間絶縁膜208を介してこの電荷転送電極207を覆って遮光膜209を形成する。この遮光膜209が受光部203上に開口部を有するようにパターニングする。
【0014】
次に、遮光膜209上に、リフローにより形成した膜、例えばBPSG膜や、HDP(高密度プラズマ)CVD法によって形成した膜により、第1平坦化層210を形成し、表面の平坦化を行う。
【0015】
さらに、BPSG膜は、BPSGの組成やリフロー温度を規定することにより、リフロー後に平坦な表面を有するようにすることができる。
【0016】
このとき、第1平坦化層210の材料に用いられる平坦化の方法に対応して、遮光膜209となる材料を選択して、遮光膜209を形成しておくようにする。例えば、平坦化のために高温でのリフローが必要な場合には、遮光膜209に高融点金属例えばタングステン、タングステンシリサイド、モリブデン、チタンなどを形成する。
【0017】
一方、第1平坦化層210にHDPCVD膜を使用する場合には、低温で第1平坦化層210を形成することができるので、遮光膜209はアルミニウム膜などでも構わない。
【0018】
さらに、図示しないが周辺部の配線を形成した後、配線上を覆って全体に、層内レンズ201となる高屈折率の層内レンズ材料の層、例えばプラズマCVDによるSiN膜を0.5〜2.0μmの厚さに形成する。
【0019】
ここで、層内レンズ201の屈折率を1.9〜2.0とする場合には、層内レンズ材料の層としてプラズマCVDによるSiN膜を形成する。また、層内レンズ201の屈折率を1.5〜1.9とする場合には、層内レンズ材料の層としてプラズマCVDによるSiON膜を形成する。
【0020】
さらに、層内レンズ201となるレンズ材料層上にレジストを塗布し、このレジストに対して所望の層内レンズ201を得るためのレンズ形状のパターニングを行う。さらに、そのレンズ形状をレンズ材料層にて得るために、パターニングしたレジストに対して例えば摂氏140〜180度の温度でリフローを行う。
【0021】
このレジストには、酸素によりドライエッチングが可能である樹脂、例えばノボラック系樹脂などを用いることができる。
【0022】
さらに、ドライエッチングにより、レジストのレンズ形状をレンズ材料層に転写して層内レンズ201を形成する。
【0023】
その後は、層内レンズ201上を覆って第2平坦化層211を形成して表面を平坦化した後、カラーフィルタ212およびマイクロレンズ213を順次形成してCCD型の固体撮像素子200を形成することができる。
【0024】
図15は、特許文献2に開示されている従来の固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
【0025】
図15に示すように、従来の固体撮像素子300において、各センサ部301上に表面側が凸面とされた層内レンズ302を有する従来の固体撮像素子300を製造するに当たり、電荷転送電極303およびその上の遮光膜304とセンサ部301との下地段差を埋め込むように形成された平坦化膜305上に層内レンズ302のレンズ材料を形成する工程と、このレンズ材料上に所定のレンズ形状のレジストを形成する工程と、このレジストのレンズ形状をレンズ材料膜に転写する工程と、レンズ形状が転写されたレンズ材料膜302a上にさらに同一のレンズ材料膜302bを成膜して層内レンズ302を形成する工程とを有して製造を行う。
【0026】
図16は、特許文献3に開示されている従来の固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
【0027】
図16に示すように、シリコン基板またはシリコン基板に形成されたp型ウェル401(ここでは基板という)に、例えば、n型不純物領域などからなり基板401との間のpn接合を中心とした領域で光電変換を行って信号電荷を発生させ、信号電荷を一定期間蓄積する複数の受光部402が形成されている。受光部402の一方側と他方側に、それぞれ所定距離をおいて、主にn型不純物領域からなる電荷転送部403が形成されている。
【0028】
基板401上には、酸化シリコンなどの絶縁膜404aが形成され、電荷転送部403上には絶縁膜404aを介して、ポリシリコンなどからなる電荷転送電極405が形成されている。なお、これらの電荷転送部403と電荷転送電極405が、信号電荷を垂直方向に電荷転送する垂直転送部に相当する。
【0029】
電荷転送部403および受光部402上には、2層の絶縁膜404bおよび絶縁膜404cが形成されている。この絶縁膜404c上には、電荷転送電極405上を被覆するように、例えば、タングステン(W)などの高融点金属からなる遮光膜406が形成されている。この遮光膜406には、受光部402の上方に開口部406aが形成されている。遮光膜406が電荷転送電極405上を被覆するように形成されているのは、遮光膜406の電荷転送部403に対する遮光性を高めてスミアを抑えるためである。
【0030】
遮光膜406上および、開口部406a内の絶縁膜404c上を被覆して、例えば、酸化シリコンからなるエッチングストッパ膜407が形成されている。また、遮光膜406上には、エッチングストッパ膜407を介して、例えば、タングステンなどからなる段差調整膜408が形成されている。
【0031】
段差調整膜408およびエッチングストッパ膜407上を被覆して、例えば、PSG(Phosphosilicate glass) またはBPSG(Borophosphosilicate glass) などからなる層間絶縁膜409が形成されている。この層間絶縁膜409の表面には、上記の段差調整膜408およびエッチングストッパ膜407により形成された下地段差の形状を反映して窪み409aが形成されている。
【0032】
層間絶縁膜409上には、受光部402の上方領域にその窪み409aの形状を反映して所定の曲率のレンズ面を下面に有する層内レンズ410が形成されている。この層内レンズ410の上面は平坦化されている。層内レンズ410は、光透過率が十分高い材料、例えば、窒化シリコン膜(SiN)または酸化シリコン膜(SiO2 )などから形成されている。
【0033】
上面が平坦化された層内レンズ410上を被覆して、酸化シリコンなどからなるパッシベーション膜411が形成されている。このパッシベーション膜411上に、オンチップカラーフィルタ412が形成されている。このオンチップカラーフィルタ412は、原色系のカラーコーディング方式では赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに着色され、補色系では、例えば、シアン(Cy)、マゼンタ(Mg)、イエロー(Ye)、緑(G)などのいずれかに着色されている。
【0034】
このオンチップカラーフィルタ412上に、ネガ型感光樹脂などの光透過材料からなるオンチップレンズ(OCL)413が形成されている。このオンチップレンズ413は遮光膜上方の光も有効利用して受光部402に入射させるため、無効領域となる隙間をできるだけ少なくするように形成されている。オンチップレンズ413のレンズ曲面(凸状曲面)で受けた光が集光され、層内レンズ410で更に光が集光されて受光部402に入射されることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】特開2000−164837号公報
【特許文献2】特開2002−76316号公報
【特許文献3】特開2002−353428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
上記図13〜15の従来の固体撮像素子では、半導体基板に形成された複数の受光部(複数の光電変換素子としての複数のフォトダイオード)と、その下地段差を平坦化膜(透明膜)で平坦化し、その上に受光部毎に上に凸型の層内レンズを形成し、この層内レンズによる下地段差を別の平坦化膜(透明膜)で平坦化し、更にその上にカラーフィルタを形成し、このカラーフィルタの段差を平坦化膜(透明膜)で平坦化した後に、その上に各受光部に対応して集光用のマイクロレンズを形成している。
【0037】
このように、層内レンズの上下位置に各平坦化膜がそれぞれ存在し、異種の膜界面で起こる光反射や、マイクロレンズ〜受光部までの距離が長くなることにより、受光部に到達する入射光の光量が低下して受光感度が低下するという問題を有していた。
【0038】
上記図16の従来の固体撮像素子の下に凸の層内レンズ410では、下地段差の窪み形状を反映した層間絶縁膜409の窪み409a上に形成されているため、層内レンズ410の上下位置に各平坦化膜が存在しないものの、下に凸の層内レンズ410自体によって層間絶縁膜409の窪み409aを平坦化しており、マイクロレンズ413〜受光部402までの距離が多少は長くなることにより、その分だけ受光部402に到達する入射光の光量が低下して受光感度が低下するという問題を有していた。
【0039】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、膜界面での光反射を極力なくすと共に、マイクロレンズから受光部までの距離をより短くして受光部への入射光の光量低下を抑制することができる層内レンズおよびその製造方法、この層内レンズ上または上方に設けられるカラーフィルタおよびその製造方法、この層内レンズおよび/またはカラーフィルタを通して被写体からの画像光を光電変換して撮像する半導体素子で構成された固体撮像素子およびその製造方法、この固体撮像素子を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばカメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0040】
本発明の層内レンズは、画素毎の下地段差を埋め込む層内レンズ材料の表面側に、該画素毎に離散的にレンズ形状を形成したものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0041】
また、好ましくは、本発明の層内レンズにおける上または下に凸、または上下に凸の集光レンズである。
【0042】
本発明の層内レンズの製造方法は、画素毎の下地段差を埋め込んだ層内レンズ材料の表面側に、該画素毎に離散的に該層内レンズのレンズ表面形状を形成する層内レンズ形成工程を有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0043】
また、好ましくは、本発明の層内レンズの製造方法における層内レンズ形成工程は、光透過率が最大と最小の間の光透過率を持つ階調フォトマスクを用いて露光するかまたは、最大かまたは最小の通常フォトマスクを用いて露光するかまたは、露光時の露光量やフォーカスを調整して露光することにより前記層内レンズのレンズ表面形状を形成する。
【0044】
本発明のカラーフィルタは、本発明の上記層内レンズ上、または、層内レンズ上、被写体からの入射光を光電変換して受光する受光部に入射光を集光させるための層内レンズ上に直に、該画素毎に離散的に所定の色配列で形成したものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0045】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、本発明の上記層内レンズ上、または、層内レンズ上、被写体からの入射光を光電変換して受光する受光部に入射光を集光させるための層内レンズ上に直に、該画素毎に離散的に所定の色配列で各色のカラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成工程を有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0046】
また、好ましくは、本発明のカラーフィルタの製造方法におけるカラーフィルタ形成工程は、光透過率が最大と最小の間の光透過率を持つ階調フォトマスクを用いて露光するかまたは、最大かまたは最小の通常フォトマスクを用いて露光するかまたは、UV露光時の露光量やフォーカスを調整して露光することにより前記各色のカラーフィルタを形成する。
【0047】
本発明の固体撮像素子は、画素毎の下地段差を埋め込む層内レンズ材料の表面側に、該画素毎に離散的に層内レンズのレンズ表面形状が形成されており、該層内レンズ上に直に、該画素毎に所定の色配列のカラーフィルタが形成されて、該カラーフィルタおよび該層内レンズを通して集光された被写体からの各色の画像光を光電変換して撮像する複数の受光部が形成されたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0048】
本発明の固体撮像素子は、画素毎の下地段差を埋め込む層内レンズ材料の表面側に、該画素毎に離散的に層内レンズが形成され、該層内レンズを通して集光された被写体からの画像光を光電変換して撮像する複数の受光部が形成されたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0049】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における画素毎の下地段差は、前記受光部からの信号電荷を読み出して転送するための電荷転送電極およびその上の遮光膜の形成領域と、該受光部の形成領域との間に形成されている。
【0050】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における遮光膜は、タングステン膜またはアルミニウム膜である。
【0051】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における層内レンズとして、前記層内レンズ材料の所定厚を介した前記遮光膜の上方から立ち上がって上に凸状のレンズ表面形状が形成されている。
【0052】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における層内レンズとして、前記層内レンズ材料を介在せず、前記遮光膜上から直に立ち上がって上に凸状のレンズ表面形状が形成されている。
【0053】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における層内レンズは隣同士で互いに当接しているかまたは隣同士で互いに分離している。
【0054】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における層内レンズ材料は、感光性および高屈折率の塗布材料である。
【0055】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子における層内レンズ材料は、前記層内レンズの屈折率を1.7〜2.0とする場合はチタンおよび/またはジルコニウムなどの金属を含有する感光性塗布材料である。また、1.9〜2.0とする場合はSiN膜であり、該層内レンズの屈折率を1.5〜1.9とする場合はSiON膜である。
【0056】
本発明の固体撮像素子の製造方法は、画素毎の下地段差を表面が平坦化するように埋め込んだ層内レンズ材料の表面側に、該画素毎に離散的に該層内レンズのレンズ表面形状を形成する層内レンズ形成工程と、該層内レンズ上に直に、所定の色配列で前記画素毎に各色のカラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成工程とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0057】
また、好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法における画素毎の下地段差を表面が平坦化するように埋め込んだ層内レンズ材料の表面側に、該画素毎に離散的に該層内レンズのレンズ表面形状を形成する層内レンズ形成工程を有する。
【0058】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法において、前記層内レンズ形成工程および前記カラーフィルタ形成工程の少なくともいずれかは、光透過率が最大と最小の間の透過率を持つ階調フォトマスクを用いて露光するかまたは、最大かまたは最小の通常フォトマスクを用いて露光するかまたは、露光時の露光量やフォーカスを調整して露光することにより前記層内レンズのレンズ表面形状を形成する。
【0059】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法における層内レンズ形成工程は、 入射光を光電変換する受光部からの信号電荷を読み出して転送するための電荷転送電極およびその上の遮光膜の形成領域と、該受光部の形成領域との間に形成された下地段差上に層内レンズ材料を塗布する層内レンズ塗布工程と、塗布された層内レンズ材料を、レンズ表面形状になるようにマスクを用いて露光する層内レンズ露光工程と、露光された層内レンズ材料を所定の現像液を用いて現像して所定のレンズ表面形状を得る層内レンズ現像工程とを有する。
【0060】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法におけるカラーフィルタ形成工程は、前記レンズ表面形状の層内レンズ上に直接、カラーフィルタレジスト材料を塗布するカラーフィルタ塗布工程と、該塗布されたカラーフィルタレジスト材料に対してマスクを用いて、該層内レンズのレンズ表面形状に沿ってカラーフィルタ膜の膜厚が均一となるように露光するカラーフィルタ露光工程と、該露光されたカラーフィルタレジスト材料を所定の現像液を用いて現像してカラーフィルタを形成するカラーフィルタ現像工程とを有する。
【0061】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法におけるカラーフィルタ形成工程は、前記レンズ表面形状の層内レンズ上に直接、第1色目のカラーフィルタレジスト材料をその表面が平坦化するように塗布する第1層目のカラーフィルタ塗布工程と、塗布されたカラーフィルタレジスト材料に対してマスクを用いて、当該層内レンズのレンズ表面形状に沿ってカラーフィルタ膜の膜厚が均一となるように露光する第1層目のカラーフィルタ露光工程と、露光された第1層目のカラーフィルタレジスト材料を所定の現像液を用いて現像して第1層目のカラーフィルタを形成する第1層目のカラーフィルタ現像工程と、該レンズ表面形状の層内レンズ上に直接、第2色目のカラーフィルタレジスト材料をその表面が平坦化するように塗布する第2層目のカラーフィルタ塗布工程と、当該塗布された第2層目のカラーフィルタレジスト材料に対してマスクを用いて、当該層内レンズのレンズ表面形状に沿ってカラーフィルタ膜の膜厚が均一となるように露光する第2層目のカラーフィルタ露光工程と、当該露光された第2層目のカラーフィルタレジスト材料を所定の現像液を用いて現像して第2層目のカラーフィルタを形成する第2層目のカラーフィルタ現像工程と、該レンズ表面形状の層内レンズ上に直接、第3色目のカラーフィルタレジスト材料をその表面が平坦化するように塗布する第3層目のカラーフィルタ塗布工程と、当該塗布された第3層目のカラーフィルタレジスト材料に対してマスクを用いて、当該層内レンズのレンズ表面形状に沿ってカラーフィルタ膜の膜厚が均一となるように露光する第3層目のカラーフィルタ露光工程と、当該露光された第3層目のカラーフィルタレジスト材料を所定の現像液を用いて現像して第3層目のカラーフィルタを形成する第3層目のカラーフィルタ現像工程とを有する。
【0062】
さらに、好ましくは、本発明の固体撮像素子の製造方法における層内レンズの屈折率を1.7〜2.0とする場合はチタンおよび/またはジルコニウムなどの金属を含有する感光性塗布材料である。また、1.9〜2.0とする場合は、前記層内レンズ材料としてプラズマCVD法によるSiN膜を形成し、該層内レンズの屈折率を1.5〜1.9とする場合は、該層内レンズ材料としてプラズマCVD法によるSiON膜を形成する。
【0063】
本発明の電子情報機器は、本発明の上記固体撮像素子から出力された撮像信号に所定の信号処理をしてカラー画像信号を得る固体撮像装置を画像入力デバイスとして撮像部に用いたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0064】
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
【0065】
本発明においては、画素毎の下地段差を埋め込む層内レンズ材料の表面側に、画素毎に離散的にレンズ形状を形成した層内レンズおよびその製造方法によって、層内レンズ材料が従来の平坦化膜の代わりに用いられて、従来の平坦化膜が不要な分、膜界面での光反射を極力なくすと共に、マイクロレンズから受光部までの距離をより短くして受光部への入射光の光量低下を抑制することが可能となる。
【0066】
また、本発明においては、層内レンズ上または、被写体からの入射光を光電変換して受光する受光部に入射光を集光させるための層内レンズ上に直に、画素毎に離散的に所定の色配列で形成したカラーフィルタおよびその製造方法によっても、層内レンズ上の従来の平坦化膜が不要な分、膜界面での光反射を極力なくすと共に、マイクロレンズから受光部までの距離をより短くして受光部への入射光の光量低下を抑制することが可能となる。
【0067】
さらに、本発明においては、固体撮像素子として、画素毎の下地段差を埋め込む層内レンズ材料の表面側に、画素毎に離散的に層内レンズのレンズ表面形状が形成されており、層内レンズ上に直に、画素毎に所定の色配列のカラーフィルタが形成されて、カラーフィルタおよび層内レンズを通して集光された被写体からの各色の画像光を光電変換して撮像する複数の受光部が形成されている。
【0068】
これによって、階調マスクなどを用いて下地段差上に透明絶縁膜材料を用いてその表面に直に層内レンズを形成し、階調マスクなどを用いてその上に直にカラーフィルタを形成するため、従来のように受光部〜カラーフィルタの間に2層の平坦化膜がない分だけ、異種膜界面の数が減り、界面で起こる光反射を抑制でき、さらにマイクロレンズ〜受光部までの集光距離を短くすることにより、光を効率良く受光部に取り込むことが可能となって受光感度を向上させることが可能となる。このように、層内レンズ上下の平坦化膜を削除し、層内レンズ上に直接カラーフィルタを形成して、入射光を効率良く受光部に取り込むことが可能となる。
【発明の効果】
【0069】
以上により、本発明によれば、層内レンズの上下の従来の平坦化膜は削除し、受光部と電荷転送電極および遮光膜と受光部との下地段差を層内レンズ材料で埋め込み、かつ、その層内レンズ材料の表面に凸型の層内レンズを形成し、さらに層内レンズ上に(従来の平坦化膜を介することなく)、直接、カラーフィルタを形成することによって、異種膜界面の数が減った分だけ、膜界面での光反射が低減し、また、マイクロレンズ〜受光部までの集光距離の短縮により、より効率よく受光部に入射光を到達させることができて受光効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施形態1における固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
【図2】図1の固体撮像素子の製造方法における層内レンズ塗布工程までの要部縦断面図である。
【図3】図1の固体撮像素子の製造方法における層内レンズ露光工程までの要部縦断面図である。
【図4】図1の固体撮像素子の製造方法における層内レンズ現像工程までの要部縦断面図である。
【図5】図1の固体撮像素子の製造方法における第1層目のカラーフィルタ塗布工程までの要部縦断面図である。
【図6】図1の固体撮像素子の製造方法における第1層目のカラーフィルタ露光工程までの要部縦断面図である。
【図7】図1の固体撮像素子の製造方法における第1層目のカラーフィルタ現像工程までの要部縦断面図である。
【図8】図1の固体撮像素子20の製造方法における第2層目および第3層目のカラーフィルタ塗布工程からカラーフィルタ現像工程を行った後の要部縦断面図である。
【図9】図1の固体撮像素子の変形例を示す要部縦断面図である。
【図10】図1の固体撮像素子の更なる変形例を示す要部縦断面図である。
【図11】図1の固体撮像素子の更なる別の変形例を示す要部縦断面図である。
【図12】本発明の実施形態2として、本発明の実施形態1の固体撮像素子からの撮像信号を所定の信号処理をしてカラー画像信号を得る固体撮像装置を撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
【図13】従来の固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
【図14】特許文献1に開示されている従来の固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
【図15】特許文献2に開示されている従来の固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
【図16】特許文献3に開示されている従来の固体撮像素子の要部構成例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下に、本発明の 層内レンズおよびその製造方法、並びにカラーフィルタおよびその製造方法を含む本発明の固体撮像素子およびその製造方法の実施形態1および、この固体撮像素子の実施形態1を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばカメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器の実施形態2について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0072】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における固体撮像素子20の要部構成例を示す縦断面図である。
【0073】
図1において、本実施形態1の固体撮像素子20は、半導体基板1上にマトリクス状に形成され、被写体からの画像光を光電変換して撮像する複数の光電変換部としての複数の受光部2が配設されている。一方の受光部2から所定方向に読み出された信号電荷を垂直方向に電荷転送する電荷転送領域3が半導体基板1の隣接する受光部2間に配設されている。この電荷転送領域3上に不図示の絶縁膜を介して電荷転送電極4が配設されている。半導体基板1上および電荷転送電極4上の基板全面に絶縁膜5が形成されている。この電荷転送電極4上の絶縁膜5上には遮光膜6が形成されている。この遮光膜6は受光部2上方が光入射のために開口している。
【0074】
これらの電荷転送電極4および遮光膜6の形成領域と、受光部2の形成領域との間に下地段差が形成されている。この下地段差上に、透明絶縁膜材料が表面が平坦化されて形成され、その透明絶縁膜材料の平坦化表面が、各受光部2にそれぞれ対応するように上に凸状のレンズ表面に形成されて集光用の層内レンズ7が設けられている。要するに、下地段差上の透明絶縁膜材料(層内レンズ材料)自体の表面が層内レンズ7のレンズ形状になっている。
【0075】
層内レンズ7上に直に(平坦化膜を介することなく直に)、受光部2および層内レンズ7の各位置にそれぞれ対応させて各色のカラーフィルタ8が形成されている。各色のカラーフィルタ8は、第1層目のカラーフィルタ8aを形成した後に、空いた位置に第2層目さらに第3層目のカラーフィルタ8bをそれぞれ形成する。
【0076】
各色のカラーフィルタ8上に透明の平坦化膜9を介してマイクロレンズ10が、受光部2および層内レンズ7の各位置にそれぞれ対応させると共に、各色のカラーフィルタ8のそれぞれに対応させてマトリクス状に形成されている。
【0077】
以上により、下地段差上を埋め込んだ透明絶縁膜材料自体の表面が層内レンズ7のレンズ形状になっているため、層内レンズの上下位置に従来のように平坦化膜を設ける必要がなくなり、異種の膜界面で起こる光反射もなくなると共に、マイクロレンズ〜受光部までの距離も短くなって、受光部に到達する入射光の光量低下を抑えて受光感度を向上させることができる。
【0078】
ここで、本実施形態1の固体撮像素子20の製造方法について図2〜図8を参照して詳細に説明する。
【0079】
図2は、図1の固体撮像素子20の製造方法における層内レンズ塗布工程までの要部縦断面図である。
【0080】
図2に示すように、まず、層内レンズ塗布工程の前工程として、半導体基板1または半導体基板に形成された半導体ウェル1内に所要の不純物のイオン注入などを行って、受光部2、読み出しゲート部および電荷転送領域3がそれぞれ形成された後に、その表面に図示しない絶縁膜を介して所定のパターンに電荷転送電極4を形成し、層間絶縁膜5を介してこの電荷転送電極4上を覆って遮光膜6を形成する。このとき、遮光膜6は光入射のために受光部2上が開口するように形成される。ここでは、下地段差を平坦化するときに行う熱処理工程をしないので、遮光膜6はタングステン膜に限らずアルミニウム膜などであっても構わない。
【0081】
次に、層内レンズ塗布工程において、電荷転送電極4および遮光膜6と受光部2との下地段差上に層内レンズ材料71(例えば、現像溶解性を有した感光性のポジ型高屈折率透明材料)をその表面が平坦化するように塗布する。
【0082】
ここで、層内レンズ7の屈折率を1.7〜2.0とする場合はチタンおよび/またはジルコニウムなどの金属を含有する感光性塗布材料である。また、1.9〜2.0とする場合には、層内レンズ材料71としてプラズマCVD法によるSiN膜を形成する。また、層内レンズ7の屈折率を1.5〜1.9とする場合には、層内レンズ材料71としてプラズマCVD法によるSiON膜を形成する。
【0083】
図3は、図1の固体撮像素子20の製造方法における層内レンズ露光工程までの要部縦断面図である。
【0084】
図3に示すように、層内レンズ露光工程において、表面が平坦化されて塗布された層内レンズ材料71(例えば現像溶解性を有した感光性のポジ型高屈折率材料)を、透過率が最大と最小の間の透過率を持つ階調フォトマスク11を用いてUV露光する。
【0085】
図4は、図1の固体撮像素子20の製造方法における層内レンズ現像工程までの要部縦断面図である。
【0086】
図4に示すように、層内レンズ露光工程後の層内レンズ現像工程において、UV露光された層内レンズ材料71(例えば現像溶解性を有した感光性のポジ型高屈折率材料)を所定の現像液を用いて現像して洗い流して凸型の層内レンズ7を形成する。この層内レンズ7は、受光部2に対応し、層内レンズ材料71の所定厚みを介した遮光膜6の上方から凸型をしたレンズ表面形状である。
【0087】
図5は、図1の固体撮像素子20の製造方法における第1層目のカラーフィルタ塗布工程までの要部縦断面図である。
【0088】
図5に示すように、凸型のレンズ表面形状の層内レンズ7上に直接、カラーフィルタレジスト材料81(例えばネガ型)をその表面が平坦化するように塗布する。
【0089】
図6は、図1の固体撮像素子20の製造方法における第1層目のカラーフィルタ露光工程までの要部縦断面図である。
【0090】
図6に示すように、塗布されたカラーフィルタレジスト材料81に対して、透過率が最大と最小の間の透過率を持つ階調フォトマスク12を用いて、層内レンズ7上のカラーフィルタ膜がほぼ均一となるようにUV露光する。このときのUV露光は、第1層目の色のカラーフィルタのみ行う。例えばベイヤー配列の場合のG(緑色)では、市松模様状に第1層目のカラーフィルタの位置にUV露光する。
【0091】
図7は、図1の固体撮像素子20の製造方法における第1層目のカラーフィルタ現像工程までの要部縦断面図である。
【0092】
図7に示すように、第1層目のカラーフィルタ露光工程後の第1層目のカラーフィルタ現像工程において、露光された第1層目のカラーフィルタレジスト材料81を所定の現像液を用いて現像して洗い流して表面が凸型レンズ表面に形成される。このようにして、層内レンズ7上に直接、第1層目の色のカラーフィルタに対応した位置に第1層目のカラーフィルタ8aを形成する。
【0093】
図8は、図1の固体撮像素子20の製造方法における第2層目および第3層目のカラーフィルタ塗布工程からカラーフィルタ現像工程を行った後の要部縦断面図である。
【0094】
前述したように、第1層目のカラーフィルタの形成と同様に、第2層目のカラーフィルタ塗布工程からカラーフィルタ現像工程を順次行い、さらに、前述したように、第3層目のカラーフィルタ塗布工程からカラーフィルタ現像工程を行って、図8に示すように、第2層目および第3層目の各色のカラーフィルタ8bを、第1層目の色のカラーフィルタ8aの空いた位置に順次形成する。
【0095】
以上により、本実施形態1の固体撮像素子20の製造方法は、入射光を光電変換する受光部からの信号電荷を読み出して転送するための電荷転送電極4およびその上の遮光膜6の形成領域と、受光部2の形成領域との間に形成された下地段差上に層内レンズ材料71をその表面が平坦化するように塗布する層内レンズ塗布工程と、塗布された層内レンズ材料71を、レンズ表面形状になるようにマスクを用いて露光する層内レンズ露光工程と、露光された層内レンズ材料71を所定の現像液を用いて現像して所定のレンズ表面形状を得る層内レンズ現像工程と、そのレンズ表面形状の層内レンズ7上に直接、第1色目のカラーフィルタレジスト材料81をその表面が平坦化するように塗布する第1層目のカラーフィルタ塗布工程と、塗布されたカラーフィルタレジスト材料81に対して、マスクを用いて層内レンズ7のレンズ表面形状に沿ってカラーフィルタ膜の膜厚が均一となるように露光する第1層目のカラーフィルタ露光工程と、露光された第1層目のカラーフィルタレジスト材料81を所定の現像液を用いて現像して第1層目のカラーフィルタ8aを形成する第1層目のカラーフィルタ現像工程と、レンズ表面形状の層内レンズ7上に直接、第2色目のカラーフィルタレジスト材料81をその表面が平坦化するように塗布する第2層目のカラーフィルタ塗布工程と、塗布された第2層目のカラーフィルタレジスト材料81に対して、マスクを用いて層内レンズ7のレンズ表面形状に沿ってカラーフィルタ膜の膜厚が均一となるように露光する第2層目のカラーフィルタ露光工程と、露光された第2層目のカラーフィルタレジスト材料81を所定の現像液を用いて現像して第2層目のカラーフィルタ8bを形成する第2層目のカラーフィルタ現像工程と、レンズ表面形状の層内レンズ7上に直接、第3色目のカラーフィルタレジスト材料81をその表面が平坦化するように塗布する第3層目のカラーフィルタ塗布工程と、塗布された第3層目のカラーフィルタレジスト材料81に対して、マスクを用いて層内レンズ7のレンズ表面形状に沿ってカラーフィルタ膜の膜厚が均一となるように露光する第3層目のカラーフィルタ露光工程と、露光された第3層目のカラーフィルタレジスト材料81を所定の現像液を用いて現像して第3層目のカラーフィルタ8bを形成する第3層目のカラーフィルタ現像工程とを有している。
【0096】
このようにして、階調マスク11を用いて下地段差上に透明絶縁膜材料(現像溶解性を有した感光性のポジ型高屈折率材料)を用いて層内レンズ7を形成し、階調マスク12を用いてその上に直にカラーフィルタ(現像溶解性を有した感光性のネガ型材料)を形成するため、従来のように受光部2〜カラーフィルタ8の間に2層の平坦化膜がない分だけ、異種膜界面の数が減り、界面で起こる光反射を抑制でき、さらにマイクロレンズ10〜受光部2までの距離を短くすることにより、光を効率良く受光部2に取り込むことができて受光感度を向上させることができる。
【0097】
即ち、層内レンズ7の上下の従来の平坦化膜は削除し、受光部2と電荷転送電極4および遮光膜6との下地段差を層内レンズ材料71で埋め込み、かつ、その層内レンズ材料71の表面に凸型の層内レンズ7を形成し、さらに層内レンズ7上に(従来の平坦化膜を介することなく)、直接、カラーフィルタ8を形成することによって、異種膜界面の数が減った分だけ、膜界面での光反射が低減し、また、マイクロレンズ10〜受光部2までの距離の短縮により、より効率よく受光部2に入射光を到達させることができて受光効率を向上させることができる。
【0098】
なお、上記実施形態1では、電荷転送電極4および遮光膜6と受光部2との下地段差上に透明絶縁膜材料である層内レンズ材料71(例えば、現像溶解性を有した感光性のポジ型高屈折率透明材料)自体の表面が層内レンズ7のレンズ形状になっているが、そのレンズ表面形状は、層内レンズ材料71の所定厚みを介してその遮光膜6の上方から凸型をしたレンズ表面形状になっている。その層内レンズ7上に直にカラーフィルタ8がレンズ表面形状に沿って略均等な膜厚で形成されている。これに限らず、図9に示すような層内レンズ7aおよびカラーフィルタ82であってもよい。図1では、層内レンズ7の層内レンズ材料の所定厚を介した遮光膜6の上方から立ち上がって上に凸状のレンズ表面形状が形成されているのに対して、図9では、層内レンズ7aの層内レンズ材料を介在せず、遮光膜6上から直に立ち上がって上に凸状のレンズ表面形状が形成されている。受光部2に正確に集光できるように、層内レンズ材料の所定厚により層内レンズ7の高さ位置を調整することができる。
【0099】
図9は、図1の固体撮像素子20の変形例を示す要部縦断面図である。
【0100】
図9に示すように、固体撮像素子30において、電荷転送電極4および遮光膜6と受光部2との下地段差上に透明絶縁膜材料である層内レンズ材料71(例えば、現像溶解性を有した感光性のポジ型高屈折率透明材料)自体の表面が層内レンズ7aのレンズ形状になっているが、その層内レンズ7aのレンズ表面形状は、層内レンズ材料71の所定厚みを介在せずに、遮光膜6上から直に立ち上がった凸型をしたレンズ表面形状になっている。隣接する層内レンズ7a間は分離しており、層内レンズ7a上に直に形成されるカラーフィルタ82は、隣接するカラーフィルタ82同士が左右で当接している。カラーフィルタ82は、レンズ外周部を除いて層内レンズ7aのレンズ表面形状に沿って略均等な膜厚で形成されている。
【0101】
以下、更なる変形例について図10および図11を用いて詳細に説明する
図10は、図1の固体撮像素子20の更なる変形例を示す要部縦断面図である。
【0102】
図10に示すように、固体撮像素子40において、電荷転送電極4および遮光膜6と受光部2との下地段差上に透明絶縁膜材料である層内レンズ材料71(例えば、現像溶解性を有した感光性のポジ型高屈折率透明材料)自体の表面が層内レンズ7bのレンズ形状になっているが、その層内レンズ7bのレンズ表面形状は、層内レンズ材料71の所定厚みを介在して、遮光膜6の上方から立ち上がった凸型をしたレンズ表面形状になっている。隣接する層内レンズ7b間は当接しており、層内レンズ7b上に直に形成されるカラーフィルタ83は、隣接するカラーフィルタ83同士でも左右で当接している。カラーフィルタ83は、層内レンズ7aのレンズ表面形状に沿って全面に渡って均等な膜厚で形成されている。
【0103】
図11は、図1の固体撮像素子20の更なる別の変形例を示す要部縦断面図である。
【0104】
図11に示すように、固体撮像素子50において、電荷転送電極4および遮光膜6と受光部2との下地段差上に透明絶縁膜材料である層内レンズ材料71(例えば、現像溶解性を有した感光性のポジ型高屈折率透明材料)自体の表面が層内レンズ7cのレンズ形状になっているが、その層内レンズ7cのレンズ表面形状は、層内レンズ材料71の所定厚みを介在せずに、遮光膜6上から直に立ち上がった凸型をしたレンズ表面形状になっている。隣接する層内レンズ7c間は当接しており、層内レンズ7c上に直に形成されるカラーフィルタ83は、隣接するカラーフィルタ83同士が左右で当接している。カラーフィルタ83は、層内レンズ7cのレンズ表面形状に沿って全面に渡って均等な膜厚で形成されている。
【0105】
図10の層内レンズ7bおよび図11の層内レンズ7cは、図1の層内レンズ7および図9の層内レンズ7aに比べてレンズ曲率が小さく集光率が小さい場合を示している。また、前述したが、図1の層内レンズ7および図10の層内レンズ7bは、図9の層内レンズ7aおよび図11の層内レンズ7cに比べて層内レンズ高さを高く設定している。これらのレンズ曲率(集光率)や層内レンズ高さを調整して、受光部2により正確に入射光を集光させることができるように設定する。
【0106】
以上の固体撮像素子30、40および50の場合にも、上記固体撮像素子20の場合と同様に、層内レンズ7a〜7cの上下の従来の平坦化膜は削除し、受光部2と電荷転送電極4および遮光膜6との下地段差を層内レンズ材料71で埋め込み、かつ、その層内レンズ材料71の表面に凸型の層内レンズ7a、7bまたは7cを形成し、さらに層内レンズ7a、7bまたは7c上に(従来の平坦化膜を介することなく)、直接的に、カラーフィルタ82または83を形成することによって、異種膜界面の数が減った分だけ、膜界面での光反射が低減し、また、マイクロレンズ10〜受光部2までの距離(高さ)の短縮により、より効率よく受光部2に入射光を到達させることができて受光効率を向上させることができる。
【0107】
なお、上記実施形態1では、層内レンズ7、7a、7bおよび7cが上に凸状の集光レンズの場合について説明したが、これに限らず、その層内レンズが下に凸状の集光レンズであってもよく、さらには、その層内レンズが上下に凸の集光レンズであってもよい。いずれにしても、画素毎の下地段差を埋め込む層内レンズ材料71に層内レンズを形成すれば、平坦化膜が不要となり、膜界面での光反射を極力なくすと共に、マイクロレンズから受光部までの距離をより短くして受光部への入射光の光量低下を抑制することができる本発明の目的を達成することができる。
【0108】
なお、上記実施形態1では、画素毎の下地段差を埋め込んだ層内レンズ材料71の表面側に、光透過率が最大と最小の間の透過率を持つ階調フォトマスク11を用いて露光して現像することにより画素毎に離散的に層内レンズ7のレンズ表面形状を形成する層内レンズ形成工程と、この層内レンズ上に直に、光透過率が最大と最小の間の透過率を持つ階調フォトマスク12を用いて露光して現像することにより所定の色配列(例えばベイヤー配列など)で画素毎に各色のカラーフィルタ8を形成するカラーフィルタ形成工程とを有する場合について説明したが、これに限らず、画素毎の下地段差を埋め込んだ層内レンズ材料71の表面側に、光透過率が最大と最小の間の透過率を持つ階調フォトマスク11を用いて露光して現像することにより画素毎に離散的に層内レンズ7のレンズ表面形状を形成する層内レンズ形成工程と、層内レンズ7上に平坦化膜を介して所定の色配列で画素毎に各色のカラーフィルタ8を形成するカラーフィルタ形成工程とを有していてもよい。
【0109】
この場合のカラーフィルタ形成工程は、カラーフィルタ材料81を、最大かまたは最小の通常フォトマスクを用いてUV露光するかまたは、UV露光時の露光量やフォーカスを調整してUV露光することができる。これによって、第1層目〜第3層目のカラーフィルタ8aおよび8bを順次形成することができる。
【0110】
さらに、別の事例として、層内レンズ露光工程において、表面が平坦化されて塗布された層内レンズ材料71(例えば現像溶解性を有した感光性のポジ型高屈折率材料)を、透過率が最大と最小の間の透過率を持つ階調フォトマスク11を用いてUV露光する他に、最大かまたは最小の通常フォトマスクを用いてUV露光するかまたは、UV露光時の露光量やフォーカスを調整してUV露光してもよい。この場合にも、下地段差を埋め込んでいる層内レンズ材料71の表面側に直に凸型の層内レンズ7を形成することができる。
【0111】
さらに、別の事例として、層内レンズ露光工程において、表面が平坦化されて塗布された層内レンズ材料71(例えば現像溶解性を有した感光性のポジ型高屈折率材料)を、この層内レンズ7となる層内レンズ材料71上にレジストを塗布し、このレジストに対して所望の層内レンズ7を得るためのレンズ表面形状のパターニングを行う。さらに、そのレンズ表面形状を層内レンズ材料71から得るために、パターニングしたレジストに対して例えば摂氏140〜180度の温度でリフローを行う。このレジストには、酸素によりドライエッチングが可能である樹脂、例えばノボラック系樹脂などを用いることができる。
【0112】
さらに、ドライエッチングにより、レジストのレンズ表面形状を層内レンズ材料71に転写して層内レンズ7を形成するようにしてもよい。
【0113】
いずれにしても、層内レンズの形成方法によらず、画素毎の下地段差を埋め込む層内レンズ材料71に直に層内レンズを形成すれば、平坦化膜が不要となり、膜界面での光反射を極力なくすと共に、マイクロレンズから受光部までの距離をより短くして受光部への入射光の光量低下を抑制することができる本発明の目的を達成することができる。
【0114】
(実施形態2)
図12は、本発明の実施形態2として、本発明の実施形態1の固体撮像素子20(または30または40または50)からの撮像信号を所定の信号処理をしてカラー画像信号を得る固体撮像装置を撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
【0115】
図12において、本実施形態2の電子情報機器90は、上記実施形態1の固体撮像素子20(または30または40または50)からの撮像信号を所定の信号処理をしてカラー画像信号を得る固体撮像装置91と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を記録用に所定の信号処理した後にデータ記録可能とする記録メディアなどのメモリ部92と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を表示用に所定の信号処理した後に液晶表示画面などの表示画面上に表示可能とする液晶表示装置などの表示手段93と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を通信用に所定の信号処理をした後に通信処理可能とする送受信装置などの通信手段94と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を印刷用に所定の印刷信号処理をした後に印刷処理可能とするプリンタなどの画像出力手段95とを有している。なお、この電子情報機器90として、これに限らず、固体撮像装置91の他に、メモリ部92と、表示手段93と、通信手段94と、プリンタなどの画像出力手段95とのうちの少なくともいずれかを有していてもよい。
【0116】
この電子情報機器90としては、前述したように例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラ、ドアホンカメラ、車載用後方監視カメラなどの車載用カメラおよびテレビジョン電話用カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、カメラ付き携帯電話装置および携帯端末装置(PDA)などの画像入力デバイスを有した電子機器などが考えられる。
【0117】
したがって、本実施形態2によれば、この固体撮像装置91からのカラー画像信号に基づいて、これを表示画面上に良好に表示したり、これを紙面にて画像出力手段95により良好にプリントアウト(印刷)したり、これを通信データとして有線または無線にて良好に通信したり、これをメモリ部92に所定のデータ圧縮処理を行って良好に記憶したり、各種データ処理を良好に行うことができる。
【0118】
なお、上記実施形態1では、特に説明しなかったが、画素毎の下地段差を埋め込む層内レンズ材料の表面側に、画素毎に離散的にレンズ形状を形成した層内レンズおよびその製造方法によっても、層内レンズ材料が従来の平坦化膜の代わりに用いられて、従来の平坦化膜が不要な分、膜界面での光反射を極力なくすと共に、マイクロレンズから受光部までの距離をより短くして受光部への入射光の光量低下を抑制する本発明の目的を達成することができる。
【0119】
また同様に、上記実施形態1では、特に説明しなかったが、層内レンズ7上または、被写体からの入射光を光電変換して受光する受光部に入射光を集光させるための層内レンズ上に直に、画素毎に離散的に所定の色配列で形成したカラーフィルタおよびその製造方法によっても、層内レンズ上の従来の平坦化膜が不要な分、膜界面での光反射を極力なくすと共に、マイクロレンズから受光部までの距離をより短くして受光部への入射光の光量低下を抑制する本発明の目的を達成することができる。
【0120】
以上のように、本発明の好ましい実施形態1、2を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1、2に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1、2の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、画素毎に離散的に所定の色配列で配列された層内レンズおよびその製造方法、この層内レンズ上または上方に設けられるカラーフィルタおよびその製造方法、この層内レンズおよび/またはカラーフィルタを通して被写体からの画像光を光電変換して撮像する半導体素子で構成された固体撮像素子およびその製造方法、この固体撮像素子を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、テレビジョン電話装置、カメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器の分野において、層内レンズの上下の従来の平坦化膜は削除し、受光部と電荷転送電極および遮光膜との下地段差を層内レンズ材料で埋め込み、かつ、その層内レンズ材料の表面に凸型の層内レンズを形成し、さらに層内レンズ上に(従来の平坦化膜を介することなく)、直接、カラーフィルタを形成することによって、異種膜界面の数が減った分だけ、膜界面での光反射が低減し、また、マイクロレンズ〜受光部までの集光距離の短縮により、より効率よく受光部に入射光を到達させることができて受光効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0122】
1 半導体基板(半導体ウェル)
2 受光部
3 電荷転送領域
4 電荷転送電極
5 絶縁膜
6 遮光膜
7、7a,7b,7c 層内レンズ
71 層内レンズ材料
8,82,83 カラーフィルタ
8a,82a,83a 第1層目のカラーフィルタ
8b,82b,83b 第2層目または第3層目のカラーフィルタ
81 カラーフィルタ材料
9 平坦化膜
10 マイクロレンズ
11,12 階調フォトマスク
20、30、40、50 固体撮像素子
90 電子情報機器
91 固体撮像装置
92 メモリ部
93 表示手段
94 通信手段
95 画像出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素毎の下地段差を埋め込む層内レンズ材料の表面側に、該画素毎に離散的にレンズ形状を形成した層内レンズ。
【請求項2】
上または下に凸状、または上下に凸状の集光レンズである請求項1に記載の層内レンズ。
【請求項3】
画素毎の下地段差を埋め込んだ層内レンズ材料の表面側に、該画素毎に離散的に該層内レンズのレンズ表面形状を形成する層内レンズ形成工程を有する層内レンズの製造方法。
【請求項4】
前記層内レンズ形成工程は、光透過率が最大と最小の間の光透過率を持つ階調フォトマスクを用いて露光するかまたは、最大かまたは最小の通常フォトマスクを用いて露光するかまたは、露光時の露光量やフォーカスを調整して露光することにより前記層内レンズのレンズ表面形状を形成する請求項3に記載の層内レンズの製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の層内レンズ上または、層内レンズ上に直に、該画素毎に離散的に所定の色配列で形成したカラーフィルタ。
【請求項6】
請求項1に記載の層内レンズ上または、層内レンズ上に直に、該画素毎に離散的に所定の色配列で各色のカラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成工程を有するカラーフィルタの製造方法。
【請求項7】
前記カラーフィルタ形成工程は、光透過率が最大と最小の間の光透過率を持つ階調フォトマスクを用いて露光するかまたは、最大かまたは最小の通常フォトマスクを用いて露光するかまたは、露光時の露光量やフォーカスを調整して露光することにより前記各色のカラーフィルタを形成する請求項6に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項8】
画素毎の下地段差を埋め込む層内レンズ材料の表面側に、該画素毎に離散的に層内レンズのレンズ表面形状が形成されており、該層内レンズ上に直に、該画素毎に所定の色配列のカラーフィルタが形成されて、該カラーフィルタおよび該層内レンズを通して集光された被写体からの各色の画像光を光電変換して撮像する複数の受光部が形成された固体撮像素子。
【請求項9】
画素毎の下地段差を埋め込む層内レンズ材料の表面側に、該画素毎に離散的に層内レンズが形成され、該層内レンズを通して集光された被写体からの画像光を光電変換して撮像する複数の受光部が形成された固体撮像素子。
【請求項10】
画素毎の下地段差は、前記受光部からの信号電荷を読み出して転送するための電荷転送電極およびその上の遮光膜の形成領域と、該受光部の形成領域との間に形成されている請求項8または9に記載の固体撮像素子。
【請求項11】
前記遮光膜は、タングステン膜またはアルミニウム膜である請求項10に記載の固体撮像素子。
【請求項12】
前記層内レンズとして、前記層内レンズ材料の所定厚を介した前記遮光膜の上方から立ち上がって上に凸状のレンズ表面形状が形成されている請求項8または9に記載の固体撮像素子。
【請求項13】
前記層内レンズとして、前記層内レンズ材料を介在せず、前記遮光膜上から直に立ち上がって上に凸状のレンズ表面形状が形成されている請求項8または9に記載の固体撮像素子。
【請求項14】
前記層内レンズは隣同士で互いに当接しているかまたは隣同士で互いに分離している請求項12または13に記載の固体撮像素子。
【請求項15】
前記層内レンズ材料は、感光性および高屈折率の塗布材料である請求項8または9に記載の固体撮像素子。
【請求項16】
前記層内レンズ材料は、前記層内レンズの屈折率を1.7〜2.0とする場合は金属を含有する感光性塗布材料であり、1.9〜2.0とする場合はSiN膜であり、該層内レンズの屈折率を1.5〜1.9とする場合はSiON膜である請求項15に記載の固体撮像素子。
【請求項17】
画素毎の下地段差を表面が平坦化するように埋め込んだ層内レンズ材料の表面側に、該画素毎に離散的に該層内レンズのレンズ表面形状を形成する層内レンズ形成工程と、
該層内レンズ上に直に、所定の色配列で前記画素毎に各色のカラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成工程とを有する固体撮像素子の製造方法。
【請求項18】
画素毎の下地段差を表面が平坦化するように埋め込んだ層内レンズ材料の表面側に、該画素毎に離散的に該層内レンズのレンズ表面形状を形成する層内レンズ形成工程を有する固体撮像素子の製造方法。
【請求項19】
前記層内レンズ形成工程および前記カラーフィルタ形成工程の少なくともいずれかは、光透過率が最大と最小の間の透過率を持つ階調フォトマスクを用いて露光するかまたは、最大かまたは最小の通常フォトマスクを用いて露光するかまたは、露光時の露光量やフォーカスを調整して露光することにより前記層内レンズのレンズ表面形状を形成する請求項17または18に記載の層内レンズの製造方法。
【請求項20】
前記層内レンズ形成工程は、
入射光を光電変換する受光部からの信号電荷を読み出して転送するための電荷転送電極およびその上の遮光膜の形成領域と、該受光部の形成領域との間に形成された下地段差上に層内レンズ材料を塗布する層内レンズ塗布工程と、
塗布された層内レンズ材料を、レンズ表面形状になるようにマスクを用いて露光する層内レンズ露光工程と、
露光された層内レンズ材料を所定の現像液を用いて現像して所定のレンズ表面形状を得る層内レンズ現像工程とを有する請求項17または18に記載の固体撮像素子の製造方法。
【請求項21】
前記カラーフィルタ形成工程は、
前記レンズ表面形状の層内レンズ上に直接、カラーフィルタレジスト材料を塗布するカラーフィルタ塗布工程と、
該塗布されたカラーフィルタレジスト材料に対してマスクを用いて、該層内レンズのレンズ表面形状に沿ってカラーフィルタ膜の膜厚が均一となるように露光するカラーフィルタ露光工程と、
該露光されたカラーフィルタレジスト材料を所定の現像液を用いて現像してカラーフィルタを形成するカラーフィルタ現像工程とを有する請求項17に記載の固体撮像素子の製造方法。
【請求項22】
前記カラーフィルタ形成工程は、
前記レンズ表面形状の層内レンズ上に直接、第1色目のカラーフィルタレジスト材料をその表面が平坦化するように塗布する第1層目のカラーフィルタ塗布工程と、
塗布されたカラーフィルタレジスト材料に対してマスクを用いて、当該層内レンズのレンズ表面形状に沿ってカラーフィルタ膜の膜厚が均一となるように露光する第1層目のカラーフィルタ露光工程と、
露光された第1層目のカラーフィルタレジスト材料を所定の現像液を用いて現像して第1層目のカラーフィルタを形成する第1層目のカラーフィルタ現像工程と、
該レンズ表面形状の層内レンズ上に直接、第2色目のカラーフィルタレジスト材料をその表面が平坦化するように塗布する第2層目のカラーフィルタ塗布工程と、
当該塗布された第2層目のカラーフィルタレジスト材料に対してマスクを用いて、当該層内レンズのレンズ表面形状に沿ってカラーフィルタ膜の膜厚が均一となるように露光する第2層目のカラーフィルタ露光工程と、
当該露光された第2層目のカラーフィルタレジスト材料を所定の現像液を用いて現像して第2層目のカラーフィルタを形成する第2層目のカラーフィルタ現像工程と、
該レンズ表面形状の層内レンズ上に直接、第3色目のカラーフィルタレジスト材料をその表面が平坦化するように塗布する第3層目のカラーフィルタ塗布工程と、
当該塗布された第3層目のカラーフィルタレジスト材料に対してマスクを用いて、当該層内レンズのレンズ表面形状に沿ってカラーフィルタ膜の膜厚が均一となるように露光する第3層目のカラーフィルタ露光工程と、
当該露光された第3層目のカラーフィルタレジスト材料を所定の現像液を用いて現像して第3層目のカラーフィルタを形成する第3層目のカラーフィルタ現像工程とを有する請求項17に記載の固体撮像素子の製造方法。
【請求項23】
前記層内レンズの屈折率を1.9〜2.0とする場合は、前記層内レンズ材料としてプラズマCVD法によるSiN膜を形成し、該層内レンズの屈折率を1.5〜1.9とする場合は、該層内レンズ材料としてプラズマCVD法によるSiON膜を形成する請求項17〜19のいずれかに記載の固体撮像素子の製造方法。
【請求項24】
請求項8〜16のいずれかに記載の固体撮像素子から出力された撮像信号に所定の信号処理をしてカラー画像信号を得る固体撮像装置を画像入力デバイスとして撮像部に用いた電子情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−109033(P2011−109033A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−265414(P2009−265414)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】