説明

巡回警備支援システム、方法及びプログラム

【課題】巡回警備業務において、異常が発生した現場に向かう警備員が不審者を容易に特定することができる巡回警備支援システムを提供する。
【解決手段】本発明による巡回警備支援システムは、巡回警備員による巡回警備を支援する巡回警備支援システムであって、所定の警備領域に配置された撮影手段が撮影した映像データから、映像中に含まれる人物を検出し、検出した人物を監視する人物監視手段100と、人物監視手段100が監視する人物のうち、予め定められている検知条件を満たした人物を不審者として検知する不審者検知手段101と、不審者検知手段101が検知した不審者と巡回警備員との相対位置情報を算出する位置情報算出手段102と、位置情報算出手段102が算出した相対位置情報に基づいて、巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信する不審者情報送信手段103とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巡回警備業務を支援する巡回警備支援システム、巡回警備支援方法及び巡回警備支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラによる機械警備を行う環境でも、警備員が定期的に巡回を行う場合が多い。また、警備システムが何らかの異常を検知した場合には、状況確認や人的対応のため、警備員を現場に急派することとなる。
【0003】
このような警備業務を支援するためのシステムとして、例えば、特許文献1には、監視対象周辺に警報装置と監視カメラとを設置し、警報装置により異常が見られた場合に、監視カメラと監視者の携帯端末とを接続し、携帯端末に映像を送信するシステムが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、巡回者が所持するカメラ機能、測位手段及び指向方向測定手段を備えた端末から、遠隔地の監視センターに、撮影した画像や巡回者の位置・向きを示す情報を送信し、監視センターで、受信した情報を3次元空間上に表示するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−117575号公報
【特許文献2】特開2008−257385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
監視カメラ映像やセンサにより、不審な行動を検知する監視システムの警報が発生した場合、巡回する警備員が対応を行うために現場へ向かうが、現場に到達するまでの間に、不審者が現場を離れてしまうことや、人ごみに紛れることなど、状況が変化してしまい、警備員が誰を追えばよいのかわからないという問題がある。
【0007】
この際に、監視カメラが撮影した映像等で誰が何を起こしたかを具体的(例えば、不審者の位置や、顔・服装など)に確認した上で対応するということは困難である。特に、巡回中の警備員に現地への移動を指示する場合には、監視カメラが撮影した映像を見せて状況を把握させることが困難である。
【0008】
また、警備業務では、巡回警備員に無線トランシーバや構内PHSなどを所持させることで、映像を確認する監視センター側と巡回警備員との音声による連絡を可能とする場合が多い。しかし、この場合でも、発生した場所・状況、起こした人物の容姿やその後の行動を口頭で伝えると、時間がかかる上に正確さを欠くため、迅速かつ適切な対応が困難である。
【0009】
特許文献1に記載されたシステムを用いれば、監視カメラの映像を監視者の端末に送信することができる。しかし、異常発報を行った警報装置に対応する監視カメラの映像が端末に表示されるにすぎず、過去に遡って異常発生時の状況確認を行うことや、不審者の追跡を行うことはできない。
【0010】
そのため、現場に状況確認に向かう警備員が異常発生時の状況やその後の経過を把握することができず、不審者を容易に特定することができない。
【0011】
また、特許文献2に記載されたシステムでは、監視センターで現場の状況を把握することができるにすぎない。そのため、警備員自身が異常発生時の状況を把握するためには、監視センターからの口頭による指示に頼らざるを得ない。また、そもそも、監視センターで把握している情報は、警備員が保持する端末から送信された情報であるので、警備員自身が把握している情報(例えば、視界など)とほぼ同じである。そのため、現場に状況確認に向かう警備員を支援する目的に適用することができない。
【0012】
そこで、本発明は、巡回警備業務において、異常が発生した現場に向かう警備員が不審者を容易に特定することができる巡回警備支援システム、巡回警備支援方法及び巡回警備支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による巡回警備支援システムは、巡回警備員による巡回警備を支援する巡回警備支援システムであって、所定の警備領域に配置された撮影手段が撮影した映像データから、映像中に含まれる人物を検出し、検出した人物を監視する人物監視手段と、人物監視手段が監視する人物のうち、予め定められている検知条件を満たした人物を不審者として検知する不審者検知手段と、不審者検知手段が検知した不審者と巡回警備員との相対位置情報を算出する位置情報算出手段と、位置情報算出手段が算出した相対位置情報に基づいて、巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信する不審者情報送信手段とを含むことを特徴とする。
【0014】
本発明による巡回警備支援方法は、所定の警備領域に配置された撮影手段が撮影した映像データから、映像中に含まれる人物を検出し、検出した人物を監視する人物監視ステップと、監視する人物のうち、予め定められている検知条件を満たした人物を不審者として検知する不審者検知ステップと、検知した不審者と巡回警備員との相対位置情報を算出する位置情報算出ステップと、算出した相対位置情報に基づいて、巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信する不審者情報送信ステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明による巡回警備支援プログラムは、コンピュータに、所定の警備領域に配置された撮影手段が撮影した映像データから、映像中に含まれる人物を検出し、検出した人物を監視する人物監視処理と、監視する人物のうち、予め定められている検知条件を満たした人物を不審者として検知する不審者検知処理と、検知した不審者と巡回警備員との相対位置情報を算出する位置情報算出処理と、算出した相対位置情報に基づいて、巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信する不審者情報送信処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、巡回警備業務において、異常が発生した現場に向かう警備員が不審者を容易に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による巡回警備支援システムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図2】巡回警備支援システムを適用した環境の一例を示す模式図である。
【図3】巡回警備支援システムが実行する処理例を示すフローチャートである。
【図4】本実施形態における位置・視線判定手段8による交差判定処理の概略を示す模式図である。
【図5】巡回警備支援システムが実行する処理例を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態において警備員が保持する情報表示端末15の一例を示す模式図である。
【図7】巡回警備支援システムの最小の構成例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、巡回警備支援システムを適用した例として、空港や駅等の施設内で監視カメラを設置した領域において、特定の領域に侵入した人物を不審者として検知し、RFIDセンサと無線通信可能な情報表示端末を所持して巡回する警備員に対して追跡を指示する場合について説明する。
【0019】
図1は、本発明による巡回警備支援システムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図1に示すように、巡回警備支援システムは、映像データ入力手段1、キャリブレーション手段2、センサデータ入力手段3、認証手段4、人物検出追跡手段5、不審者検知手段6、3次元地図記録手段7、位置・視線判定手段8、送信情報選択手段9、映像録画手段10、録画映像記録手段11、地図・誘導情報作成手段12、映像・静止画抽出手段13及び情報送信手段14を含む。巡回警備支援システムは、例えば、プログラムに従って動作するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現される。
【0020】
映像データ入力手段1は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPU及びネットワークインターフェース部によって実現される。映像データ入力手段1は、通信ネットワークを介して、監視カメラ等から映像データを受信し、受信した映像データを巡回警備支援システムに入力する機能を備えている。なお、映像データ入力手段と監視カメラとは、通信ネットワークに限らず、例えば、信号線によって相互に接続されていてもよい。
【0021】
キャリブレーション手段2は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。キャリブレーション手段2は、映像データ入力手段1が入力した各監視カメラ等が撮影した映像データと、実空間上の座標系とを対応付ける機能を備えている。例えば、キャリブレーション手段2は、カメラの設置位置及び既知の物体の画像中の座標を数点抽出して計算を行うことにより、映像データを座標系に対応付ける。
【0022】
センサデータ入力手段3は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPU及びネットワークインターフェース部によって実現される。センサデータ入力手段3は、監視領域に設置されたセンサ(例えば、RFIDセンサ)から、通信ネットワークを介して、センサが検出した(RFIDタグから受信した)認証情報を受信し、受信した認証情報を巡回警備支援システムに入力する機能を備えている。
【0023】
認証手段4は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。認証手段4は、センサデータ入力手段3が入力した認証情報と、検出された人物(例えば、情報表示端末を所持する警備員)とを対応付ける機能を備えている。例えば、認証手段4は、各警備員に対応付けて識別情報を記憶しており、予め記憶する情報に基づいて、入力した認識情報と人物とを対応付ける。なお、認証手段4は、予め記憶するいずれの認証情報とも合致しない場合には、認証に失敗したものとして対応付けを行わなくてもよい。
【0024】
人物検出追跡手段5は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。人物検出追跡手段5は、映像データ入力手段1が入力した映像データから、映像中に映る人物を検出し、検出した人物を追跡する機能を備えている。例えば、人物検出追跡手段5は、映像データから人物を示す人物データを検出し、検出した人物データの変化を監視する。この場合、人物検出追跡手段5は、例えば、映像中の画素間の輝度値の差分を検出する等の画像処理をおこない、映像中の物体を検出する。そして、検出した物体が予め記憶する人物を示すパターンデータ等と合致すると、人物の映像が含まれていると判断して、映像データから抽出する。
【0025】
また、人物検出追跡手段5は、例えば、監視カメラやRFID基地局の位置に基づいて、人物や警備員の位置情報を算出する。そして、人物検出追跡手段5は、受信した映像データや認証情報に基づいて、検出した人物や警備員の位置情報を随時更新する。なお、本実施形態において、「人物を監視する」又は「巡回警備員を監視する」とは、例えば、受信した映像データや認証情報に基づいて、検出した人物や警備員の位置情報を随時更新する処理を実行することである。
【0026】
不審者検知手段6は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。不審者検知手段6は、人物検出追跡手段5が追跡する人物の行動を解析し、予め定められている検知条件を満たした人物を不審者として検知する機能を備えている。不審者検知手段6は、例えば、位置情報に基づいて、人物が存在する位置が特定の領域(例えば、立ち入り禁止区域等)内に変化したと判定すると、その人物を不審者として検知する。なお、本実施形態では、人物が存在する位置が特定の領域内に変化するか否かを、不審者の検知条件とする例について説明するが、これに限らず、例えば、人物が所定の危険物を所持しているか否かを検知条件としてもよい。
【0027】
3次元地図記録手段7は、具体的には、磁気ディスクや光ディスク等の記憶装置によって実現される。3次元地図記録手段7は、監視対象の空間や、その空間に存在する物体の3次元情報を記録する。
【0028】
位置・視線判定手段8は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。位置・視線判定手段8は、人物検出追跡手段5が追跡する人物のうち、不審者検知手段6が検知した不審者を示す情報と、認証手段4が対応付けた警備員等の関係者の位置を示す各位置情報と、3次元地図記録手段7が記録する3次元情報とに基づいて、不審者と警備員との相対位置を算出し、警備員が不審者を視認できるか否かを判定する機能を備えている。
【0029】
送信情報選択手段9は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。送信情報選択手段9は、位置・視線判定手段8の判定結果に基づいて、警備員が所持する情報表示端末に送信する情報を、所定の基準に従って、選択する機能を備えている。
【0030】
映像録画手段10は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。映像録画手段10は、映像データ入力手段1が入力する映像データを録画する(録画映像記憶手段11に記憶させる)機能を備えている。
【0031】
録画映像記録手段11は、具体的には、磁気ディスクや光ディスク等の記憶装置によって実現される。録画映像記録手段11は、映像データを記録する。
【0032】
地図・誘導情報作成手段12は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。地図・誘導情報作成手段12は、不審者検知手段6が検知した不審者の位置情報に基づいて、送信情報選択手段9が選択した情報を作成する機能を備えている。地図・誘導情報作成手段12は、例えば、送信情報選択手段9の選択結果に従って、警備員及び不審者の位置を示す地図データを作成する。
【0033】
映像・静止画抽出手段13は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPUによって実現される。映像・静止画抽出手段13は、送信情報選択手段9が映像データの送信を選択した場合に、映像録画記憶手段11が記録する映像データの中から、所定の基準に従って、映像データ(例えば、動画データや静止画データ)を抽出する機能を備えている。
【0034】
情報送信手段14は、具体的には、プログラムに従って動作する情報処理装置のCPU及びネットワークインターフェース部によって実現される。情報送信手段14は、送信情報選択手段9が選択結果に従って地図・誘導情報作成手段12が作成した情報や、映像・静止画抽出手段13が抽出した情報を、通信ネットワークを介して、警備員が所持する情報表示端末に送信する機能を備えている。
【0035】
次に、巡回警備支援システムの動作について説明する。図2は、巡回警備支援システムを適用した環境の一例を示す模式図である。また、図3及び図5は、巡回警備支援システムが実行する処理例を示すフローチャートである。
【0036】
図2に示すように、空港や駅などの大型の公共施設を想定した対象領域内には、複数の固定された監視カメラが設置されている。これらの監視カメラは、現場を巡回する警備員や、不審者を含めた人物を撮影する。そして、図示しない巡回警備支援システムは、監視カメラが撮影した映像を、有線又は無線の通信ネットワークを介して、受信している。なお、カメラの種別についての制限はなく、例えば、アナログカメラやネットワーク型カメラを用いてもよい。
【0037】
図2に示す例では、巡回中の警備員は、固有のID(認証情報)を送信可能なRFIDタグ及び巡回警備支援システムと無線通信が可能な可搬型の情報表示端末を所持している。なお、巡回中の警備員は、この両者が一体となった端末を所持するようにしてもかまわない。
【0038】
また、監視対象領域には、RFIDタグ及び情報表示端末と通信するための無線通信基地局やRFID基地局が複数設置(図2にはそれぞれ一台ずつ設置)されている。そして、無線通信基地局やRFID基地局は、監視カメラと同様に、通信ネットワークを介して、巡回警備支援システムに接続されている。
【0039】
図2に示す例において、各監視カメラが監視領域を撮影すると、映像データ入力手段1は、各監視カメラが撮影した映像データを、通信ネットワークを介して受信し、受信した映像データを巡回警備支援システムに入力する(図3に示すステップS1)。
【0040】
すると、キャリブレーション手段2は、映像データ入力手段1が入力した各監視カメラが撮影した映像データと、実空間上の座標系とを対応付ける処理を実行する(ステップS2)。ただし、ステップS2の処理は、システムの稼働を開始して初回の処理を行う場合にのみ、実行される。すなわち、監視カメラの向きが変わらない場合には、初回しか実施しなくても、映像データと実空間上の座標系との対応付けが変化することがない。そのため、後述する人物追跡処理において、映像中に映る人物の位置から実空間上の位置情報を算出することができるからである。
【0041】
また、RFID基地局が、警備員が所持するRFIDタグから認証情報を受信すると、センサデータ入力手段3は、RFID基地局から、通信ネットワークを介して認証情報を受信し、受信した認証情報を巡回警備支援システムに入力する(ステップS3)。
【0042】
そして、認証手段4は、センサデータ入力手段3が入力した認証情報と、検出された人物(認証情報を送信したRFIDタグを所持する警備員)とを対応付ける処理を実行する(ステップS4)。このように、巡回警備員が所持するRFIDタグから認証情報を受信し、認証処理をすることで、警備員と他の人物との識別や、警備員の位置情報の取得をより正確に行うことができる。
【0043】
次いで、人物検出追跡手段5は、映像データ入力手段1が入力した映像データから、映像中に映る人物を検出し、検出した人物を追跡する処理を実行する(ステップS5)。例えば、人物検出追跡手段5は、映像データから人物を示す人物データを検出し、検出した人物データの変化を監視する。例えば、人物検出追跡手段5は、監視カメラやRFID基地局、映像中に映る既知の物体の位置に基づいて、不審者や警備員の位置情報を算出する。そして、人物検出追跡手段5は、受信した映像データや認証情報に基づいて、検出した人物や警備員の位置情報を随時更新する。
【0044】
次いで、不審者検知手段6は、人物検出追跡手段5が追跡する人物の行動を解析し、予め定められている検知条件を満たした人物を不審者として検知する処理を実行する(ステップS6)。不審者検知手段6は、例えば、位置情報に基づいて、人物が存在する位置が特定の領域(例えば、立ち入り禁止区域等)内に変化したと判定すると、その人物を不審者として検知する。
【0045】
ステップS6において、不審者を検知すると、位置・視線判定手段8は、人物検出追跡手段5が追跡する人物のうち、不審者検知手段6が検知した不審者と、認証手段4が対応付けた警備員等の各位置情報と、3次元地図記録手段7が記録する3次元情報とに基づいて、不審者と警備員との間の相対位置を算出し、警備員が不審者を視認可能であるか否かを判定する(ステップS7)。
【0046】
ここで、位置・視線判定手段8は、視認可能であるか否かを判定する方法として、例えば、交差判定処理と呼ばれる手法を用いてもよい。図4は、本実施形態における位置・視線判定手段8による交差判定処理の概略を示す模式図である。以下、図4を参照して、交差判定処理について説明する。
【0047】
図4に示す環境には、柱などの構造物が空間中にあり、これらは事前に3次元データとして3次元地図記録手段7に記録されているものとする。
【0048】
まず、位置・視線判定手段8は、不審者検知手段6が検知した不審者の位置情報と、認証手段4が対応付けた警備員の位置情報とに基づいて、3次元地図上の対応する位置に、人物の大きさに対応する3次元人物モデルをそれぞれ配置する。
【0049】
なお、本実施形態では、該当位置に直立しているものと考えるが、異なる姿勢を取っていることがわかる場合(例えば、不審人物として検出した映像中の物体の大きさが変化したとき)には、この人物モデルを該当する形状に変更しても良い。
【0050】
次いで、位置・視線判定手段8は、2つの人物モデル(例えば、頭部中央)を結ぶ空間上の線分を生成する。そして、位置・視線判定手段8は、この線分を視線とみなし、視線が周辺の空間にある各物体と接触するかどうかを、各物体(構造物)を構成する全ての面との通過判定により判定する。
【0051】
そして、いずれかの面を通過すると判定した場合には、位置・視線判定手段8は、この視線が遮蔽されていると判定する。
【0052】
一方、視線と全ての物体(構造物)との接触がない(すなわち、いずれの面も通過しない)と判定した場合には、位置・視線判定手段8は、視線を遮る物体は無く、警備員と不審者とが、互いに視認可能な状況であると判定する。以上が本実施形態において位置・視線判定手段8が実行する交差判定処理である。
【0053】
位置・視線判定手段8による判定処理が終了すると、送信情報選択手段9は、位置・視線判定手段8の判定結果に基づいて、警備員に送信する情報を、所定の基準に従って選択する(ステップS8)。
【0054】
図5は、巡回警備支援システムが不審者検知後に実行する処理例を示すフローチャートである。このフローチャートを参照して、不審者検知後の動作について説明する。
【0055】
まず、送信情報選択手段9は、警備員の位置情報と不審者の位置情報とに基づいて、両者間の直線距離を算出する(ステップS9)。なお、本実施形態では、送信情報選択手段9は、直線距離として、両者の3次元位置から算出するが、対象となる施設が階層構造でなく、平面上の位置で重複なく管理できる場合には、平面上の距離を算出してもよい。
【0056】
次いで、送信情報選択手段9は、算出した距離に基づいて、警備員と不審者との間の距離が遠距離(例えば、直線距離で50m以上)であるか否かを判定する(ステップS10)。なお、遠距離か否かの判定基準として、50mに限らず、例えば、30m以上と設定してもよい。
【0057】
ステップS10において、遠距離であると判断した場合には、位置・視線判定手段8は、上記の交差判定処理により、警備員から不審者を視認できるか否かを判定する(ステップS11)。
【0058】
ステップS11において、視認できないと判定した場合には、送信情報選択手段9は、情報表示端末に送信する情報として、不審者を表示する映像データではなく、地図上の不審者の位置や不審者との距離を示す情報を選択する(ステップS12)。その後、送信情報選択手段9は、ステップS21に処理を移行する。
【0059】
一方、ステップS11において、視認できると判定した場合には、警備員から不審者を視認して状況判断を行う可能性があるため、送信情報選択手段9は、情報表示端末に送信する情報として、地図上の不審者の位置や不審者との距離を示す情報に加えて、不審者の付近に設置された監視カメラ(すなわち、不審者を撮影している監視カメラ)が撮影している映像データを選択する(ステップS13)。その後、送信情報選択手段9は、ステップS21に処理を移行する。
【0060】
ステップS10において、警備員と不審者との距離が遠距離でないと判定した場合には、送信情報選択手段9は、警備員と不審者との距離が、近距離(例えば、10m以下)であるか否かを判定する(ステップS14)。なお、近距離か否かの判定基準として、10mに限らず、例えば、5m以下と設定してもよい。
【0061】
ステップS14において、近距離でないと判定した場合には、送信情報選択手段9は、警備員と不審者との距離が中距離であり、不審者とすぐに接触する可能性が少ないものとみなして、情報表示端末に送信する情報として、地図上の不審者の位置や不審者との距離を示す情報に加え、対象(不審者)の不審行動時の映像データを選択する(ステップS15)。その後、送信情報選択手段9は、ステップS21に処理を移行する。
【0062】
ステップS14において、近距離であると判定した場合には、送信情報選択手段9は、不審者の追跡を維持できているか否かを判定する(ステップS16)。送信情報選択手段9は、例えば、この処理の時点でも、不審者として検知した人物データを映像データにおいて特定し続けている場合には、維持できていると判定する。
【0063】
ステップS16において、維持できていないと判定した場合には、不審者が付近の物陰に潜んでいる可能性があるとして、送信情報選択手段9は、情報表示端末に送信する情報として、不審者を示す人物データが特定できなくなる直前の映像データ(例えば、静止画データ)を選択する(ステップS17)。このような場合には、この情報を送信することによってで、警備員に適切な対応を促すことができる。その後、送信情報選択手段9は、ステップS21に処理を移行する。
【0064】
一方、ステップS16において、維持できていると判定した場合には、位置・視線判定手段8は、警備員と不審者との位置情報に基づいて、警備員が不審者を視認できるか否かを判定する交差判定処理を実行する(ステップS18)。
【0065】
ステップS18において、視認できないと判定した場合には、送信情報選択手段9は、情報表示端末に送信する情報として、追跡中の不審者が映る現在の映像データ(すなわち、監視カメラがリアルタイムで撮影している映像データ)を選択する(ステップS19)。この情報を送信することによって、警備員の死角を補って対象の追跡を容易にすることができる。その後、送信情報選択手段9は、ステップS21に処理を移行する。
【0066】
一方、ステップにおいて、視認できると判定した場合には、警備員が不審者を視認できるとみなして、送信情報選択手段9は、情報表示端末に送信する情報として、警備員に対して画面表示や音声を用いて警告を行う警告情報を選択する(ステップS20)。この警告情報を送信することによって、不審者の行動に留意するよう促すことができる。その後、送信情報選択手段9は、ステップS21に処理を移行する。
【0067】
以上のいずれかのステップにより、送信情報選択手段9が送信する情報を選択すると、情報送信手段14は、警備員が所持する情報表示端末に、送信情報選択手段9が選択した情報を送信する(ステップS21)。
【0068】
具体的には、このとき、地図・誘導情報作成手段12は、不審者検知手段6が検知した不審者の位置情報に基づいて、送信情報選択手段9が選択した情報を作成する。
【0069】
また、映像・静止画抽出手段13は、送信情報選択手段9が、情報表示端末に送信する情報として動画データや静止画データを選択した場合に、映像録画記憶手段11が記録する映像データから、所定の基準に従って、動画データや静止画データを抽出する。
【0070】
そして、情報送信手段14は、送信情報選択手段9により選択され、地図・誘導情報作成手段12が生成した情報や、映像・静止画抽出手段13が抽出した情報を、警備員の所持する情報表示端末15に送信する。
【0071】
次に、警備員が所持する情報表示端末について説明する。図6は、本実施形態において警備員が保持する情報表示端末15の一例を示す模式図である。情報表示端末15は、液晶ディスプレイ装置などによって実現される情報表示部と、図示しない無線通信部とを備えている。
【0072】
情報表示端末は、無線通信部が情報送信手段14から情報を受信すると、受信した情報を情報表示部に表示する。図6に示す例では、受信した情報として、監視カメラが撮影した不審者の映像や地図上での不審者位置を示す情報などを表示している。なお、表示する情報はこれに限らず、例えば、他の警備員の位置情報等を同時に表示するようにしてもよい。また、情報表示端末にタッチパネルや操作ボタン等の入力部を設け、警備員による入力部を用いた入力操作に従って、情報表示部に表示する情報を切り替えるようにしてもよい。
【0073】
以上のことから、本実施形態では、現場で不審者対応に当たる警備員が、警報を発生させた不審者を現場で容易に特定し追跡することができる。
【0074】
その理由は、本実施形態では、監視カメラの映像を解析して不審者を継続して追跡しつつ、現場へ移動する警備員が所持する情報表示端末に、不審者を特定するための情報として、地図データや監視カメラによる映像データなどを送信し、参照可能にしているからである。
【0075】
このことから、特許文献1に記載されたシステムのように、警報装置に依存することなく、本実施形態では、広域で柔軟な不審者検知条件を設定することが可能である。
【0076】
また、例えば、巡回警備において、状況確認に少数の警備員で対応する際には、追跡対象の不審者による警備員への攻撃の可能性があるため、不用意な接近遭遇を避ける必要がある。
【0077】
しかし、特許文献1に記載されたシステムでは、異常発報を行った警報装置に対応する監視カメラの映像が端末に表示されるにすぎない。そのため、現場に状況確認に向かう警備員が、その後の不審者の行動や位置について把握することができず、警備員の安全確保を支援することができない。
【0078】
これに対して、本実施形態では、対象不審者と警備員との位置関係を、監視カメラによる映像データの解析とセンサ(RFID基地局)とを用いて把握し、その距離や見通し状況を判断した上で、接近時に警告するなどの情報を、警備員が所持する情報表示端末に送信する。
【0079】
そのため、現場で不審者対応に当たる巡回警備員の安全確保を支援することができる。
【0080】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その他様々な態様での実施が可能である。巡回する警備員に所持させる情報表示端末については、映像が視認できるなどの条件を満たす限りその態様に制限はなく、例えば、頭部に装着可能なヘッドアップ型表示装置を備えるものを使用してもよい。この場合には、警備員が両手の自由や実空間の視界を維持したまま、表示される情報を確認することができるというメリットがある。
【0081】
また、上記の実施形態では、不審者が検出された際の動作を説明したが、通常の巡回監視業務中の大半の時間は不審者がいない状態であるため、この間にも警備を支援する情報を選択して送信するようにしてもよい。
【0082】
例えば、不審者が検知されていないときには、巡回警備支援システムは、警備員の背後など付近の死角を撮影した監視カメラの映像データを送信したり、警備員が過去に事件などが発生した位置に接近した際に警告情報を送信するようにしてもよい。
【0083】
以上のことから、本実施形態では、次のような特徴を備えているといえる。
【0084】
巡回警備支援システムは、対象空間に監視カメラ及びRFIDアンテナ基地局を設置し、移動する人物を追跡する。そして、巡回警備員にはRFIDタグを所持させることで、他の人物との識別と、より正確な位置追跡とを行う。また、その他の人物も監視カメラ映像を解析して検知し、特定の範囲に侵入するなど不審な行動を行った人物を、検知警告した上で不審者として追跡する。なお、これらの処理には既知の手法を用いてもよい。
【0085】
また、巡回警備支援システムは、対象空間内を移動する各巡回警備員及び不審行動を行い追跡されている不審者の位置を、すべて監視エリア内の3次元空間モデル上で管理する。そして、不審行動発生時には、巡回警備支援システムは、現在現場にいる警備員と、新たに追跡を開始した不審者との距離・位置関係や、視認の可否を空間モデル上で判断する。そして、巡回警備支援システムは、判断結果に基づいて、状況に応じた適切な映像や画像を含む情報を、監視カメラの映像や空間モデルから作成して、巡回警備員所持が所持する端末に送信することで、警備員に適切な対応を促す。
【0086】
また、空間モデルによる不審者・警備員間の見通しの判定では、それぞれが追跡されているモデル内の現在位置に、人物を近似する物体(例えば円柱)をおき、一方の頭部位置から相手モデルに向かって直線を引き、これを視線とする。そして、巡回警備支援システムは、この視線が周辺環境に存在する各物体と交差するかどうかを、構成する各面を通過するか否か3次元の幾何判定を行って判断する。
【0087】
次に、本発明による巡回警備支援システムの最小構成について説明する。図7は、巡回警備支援システムの最小の構成例を示す機能ブロック図である。図7に示すように、巡回警備支援システムは、最小の構成要素として、人物監視手段100、不審者検知手段101、位置情報算出手段102及び不審者情報送信手段103を含む。
【0088】
図7に示す最小構成の巡回警備支援システムでは、人物監視手段100は、監視カメラが撮影した映像データから、映像中の人物を示す人物データを検出し、検出した人物データを監視する。そして、不審者検知手段101は、人物監視手段100が監視する人物データのうち、不審者を示す不審者データを検知する。そして、位置情報算出手段102は、不審者検知手段101が検知した不審者データにより特定される不審者と巡回警備員との相対位置情報を算出する。そして、不審者情報送信手段103は、位置情報算出手段102が算出した相対位置情報に基づいて、巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信する。
【0089】
従って、最小構成の巡回警備支援システムによれば、現場で不審者対応に当たる警備員が、携帯端末が受信した情報に基づいて、警報を発生させた不審者を容易に特定し追跡することができる。
【0090】
なお、本実施形態では、以下の(1)〜(6)に示すような巡回警備支援システムの特徴的構成が示されている。
【0091】
(1)巡回警備支援システムは、巡回警備員による巡回警備を支援する巡回警備支援システムであって、所定の警備領域に配置された撮影手段が撮影した映像データから、映像中に含まれる人物を検出し、検出した人物を監視する人物監視手段(例えば、映像データ入力手段1、キャリブレーション手段2及び人物検出追跡手段5によって実現される)と、人物監視手段が監視する人物のうち、予め定められている検知条件を満たした人物を不審者として検知する不審者検知手段(例えば、不審者検知手段6によって実現される)と、不審者検知手段が検知した不審者と巡回警備員との相対位置情報を算出する位置情報算出手段(例えば、位置・視線判定手段8によって実現される)と、位置情報算出手段が算出した相対位置情報に基づいて、巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信する不審者情報送信手段(例えば、送信情報選択手段9及び情報送信手段14によって実現される)とを含むことを特徴とする。
【0092】
(2)巡回警備支援システムにおいて、巡回警備員が不審者を視認可能か否かを判定する視認判定手段(例えば、位置・視線判定手段8によって実現される)を含み、不審者情報送信手段は、視認判定手段の判定結果に基づいて、巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信するように構成されていてもよい。
【0093】
(3)巡回警備支援システムにおいて、視認判定手段は、監視対象の空間及び空間の内部に存在する構造物を特定可能な3次元データ(例えば、3次元地図記録手段7によって記録される)と、映像データから判定される不審者の位置情報と、巡回警備員の位置情報とに基づいて、巡回警備員が不審者を視認可能か否かを判定するように構成されていてもよい。
【0094】
(4)巡回警備支援システムにおいて、人物監視手段は、所定の警備領域に配置されたセンサが携帯端末から受信した情報に基づいて、前記巡回警備員を監視するように構成されていてもよい。
【0095】
(5)巡回警備支援システムにおいて、不審者情報送信手段は、携帯端末に不審者の位置情報(例えば、地図・誘導情報作成手段12によって作成される)を送信するように構成されていてもよい。
【0096】
(6)巡回警備支援システムにおいて、不審者情報送信手段は、携帯端末に不審者を特定可能な映像データ(例えば、映像録画記憶手段11から映像・静止画抽出手段13によって抽出される)を送信するように構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、施設における警備業務の支援、特に警備員による巡回警備と監視カメラシステムによる施設警備を併用して実施する用途に適用可能である。また、本発明は、追跡対象を人物に限定せず、例えば、車両など別の対象を追跡してもよい。例えば、施設駐車場などにおいて、不審な車両と関係者車両とを追跡し、その位置関係に応じた情報を関係者車両内の表示装置に送信する用途にも適用可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 監視カメラ映像入力手段
2 キャリブレーション手段
3 センサデータ入力手段
4 認証手段
5 人物検出追跡手段
6 不審者検知手段
7 3次元地図記録手段
8 位置・視線判定手段
9 送信情報選択手段
10 映像録画手段
11 録画映像記録手段
12 地図・誘導情報作成手段
13 映像・静止画選択手段
14 情報送信手段
15 情報表示端末
100 人物監視手段
101 不審者検知手段
102 位置情報算出手段
103 不審者情報送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巡回警備員による巡回警備を支援する巡回警備支援システムであって、
所定の警備領域に配置された撮影手段が撮影した映像データから、映像中に含まれる人物を検出し、検出した前記人物を監視する人物監視手段と、
前記人物監視手段が監視する人物のうち、予め定められている検知条件を満たした人物を不審者として検知する不審者検知手段と、
前記不審者検知手段が検知した不審者と前記巡回警備員との相対位置情報を算出する位置情報算出手段と、
前記位置情報算出手段が算出した相対位置情報に基づいて、前記巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信する不審者情報送信手段とを
含むことを特徴とする巡回警備支援システム。
【請求項2】
巡回警備員が不審者を視認可能か否かを判定する視認判定手段を含み、
不審者情報送信手段は、前記視認判定手段の判定結果に基づいて、前記巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信する
請求項1記載の巡回警備支援システム。
【請求項3】
視認判定手段は、監視対象の空間及び該空間の内部に存在する構造物を特定可能な3次元データと、映像データから判定される不審者の位置情報と、巡回警備員の位置情報とに基づいて、前記巡回警備員が前記不審者を視認可能か否かを判定する
請求項2記載の巡回警備支援システム。
【請求項4】
人物監視手段は、所定の警備領域に配置されたセンサが携帯端末から受信した情報に基づいて、前記巡回警備員を監視する
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載の巡回警備支援システム。
【請求項5】
不審者情報送信手段は、携帯端末に不審者の位置情報を送信する
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の巡回警備支援システム。
【請求項6】
不審者情報送信手段は、携帯端末に不審者を特定可能な映像データを送信する
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の巡回警備支援システム。
【請求項7】
所定の警備領域に配置された撮影手段が撮影した映像データから、映像中に含まれる人物を検出し、検出した前記人物を監視する人物監視ステップと、
監視する人物のうち、予め定められている検知条件を満たした人物を不審者として検知する不審者検知ステップと、
検知した不審者と前記巡回警備員との相対位置情報を算出する位置情報算出ステップと、
算出した相対位置情報に基づいて、前記巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信する不審者情報送信ステップとを
含むことを特徴とする巡回警備支援方法。
【請求項8】
巡回警備員が不審者を視認可能か否かを判定する視認判定ステップを含み、
不審者情報送信ステップで、判定結果に基づいて、前記巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信する
請求項7記載の巡回警備支援方法。
【請求項9】
コンピュータに、
所定の警備領域に配置された撮影手段が撮影した映像データから、映像中に含まれる人物を検出し、検出した前記人物を監視する人物監視処理と、
監視する人物のうち、予め定められている検知条件を満たした人物を不審者として検知する不審者検知処理と、
検知した不審者と前記巡回警備員との相対位置情報を算出する位置情報算出処理と、
算出した相対位置情報に基づいて、前記巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信する不審者情報送信処理とを
実行させるための巡回警備支援プログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
巡回警備員が不審者を視認可能か否かを判定する視認判定処理を実行させ、
不審者情報送信処理で、判定結果に基づいて、前記巡回警備員が保持する携帯端末に所定の情報を送信する処理を実行させる
請求項9記載の巡回警備支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−18094(P2011−18094A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160372(P2009−160372)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】