説明

差動装置

【課題】走行中でもトルク伝達の断接を切り替え可能な装置を提供する。
【解決手段】駆動力が入力されると回転するケース部材2と、ケース部材2内にケース部材2の径方向を軸として回転可能に保持される配分手段5と、配分手段5を挟持する一対の挟持手段3、4と、挟持手段3、4のそれぞれに連結される出力軸31、32と、を備える。そして、ケース部材2に入力される駆動力を配分手段5を介して各挟持手段3、4に配分する。さらに、少なくとも一方の挟持手段4を配分手段5から離れる方向に移動させ得る変位手段30を有し、変位手段30により移動可能な挟持手段4とこれに連結される出力軸32とは、互いの軸方向の相対変位を吸収するスライド手段8、40、41を介して連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクの伝達を断接する機能を有する差動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
四輪駆動車において、特定の駆動輪へのトルク伝達を断接可能な機能を有する装置を備え、四輪駆動状態と二輪駆動状態とを切り替え可能な車両が知られている。トルク伝達を断接する装置としては、特許文献1にディファレンシャルやトランスファー等においてドグクラッチによりトルク伝達を断接する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−83552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のドグクラッチは噛み合うクラッチ歯の一方を軸方向に移動させて開放状態に切り替える構成であり、走行中のようにトルクがかかった状態では一方のクラッチ歯が他方のクラッチ歯に押し付けられることで両者間の摩擦力が増大する。すなわち、走行中に締結状態のドグクラッチを開放状態に切り替えることができない。
【0005】
そこで、本発明では走行中にもトルク伝達の断接を切り替え可能な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の差動装置は、駆動力が入力されると回転するケース部材と、ケース部材内にケース部材の径方向を軸として回転可能に保持される配分手段と、配分手段を挟持する一対の挟持手段と、挟持手段のそれぞれに連結される出力軸と、を備える。そして、ケース部材に入力される駆動力を、配分手段を介して各挟持手段に配分する。さらに、少なくとも一方の挟持手段を配分手段から離れる方向に移動させ得る変位手段を有し、変位手段により移動可能な挟持手段とこれに連結される出力軸とは、互いの軸方向の相対変位を吸収するスライド手段を介して連結される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、挟持手段と出力軸との間に、互いの軸方向の相対変位を吸収するスライド手段を備えるので、走行中のように挟持手段と出力軸との間で一方を他方に押し付ける力が作用していても、挟持手段を出力軸に対して軸方向に相対移動させることができる。その結果、走行中でもトルク伝達の断接を切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる差動装置の構成図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】保持面及びボールの他の例を示す図である。
【図5】第1実施形態にかかる差動装置の別の例を示す構成図である。
【図6】第2実施形態のデフケースとサイドプレートとのトルク伝達構造を示す図である。
【図7】第2実施形態の保持面及び円錐ローラを示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態にかかる差動装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は本発明の実施形態に係る差動装置100の構成を示す断面図である。差動装置100は、車両の前輪または後輪の車軸間に配置される。本実施形態では、前輪は常時駆動し、後輪は駆動または非駆動の切り替え可能な車両の、後輪の車軸間に配置される場合を例に説明する。まず差動装置100の構成について説明する。
【0011】
差動装置100は、キャリア1と、デフケース2と、第1サイドプレート3と、第2サイドプレート4と、ボール5と、アクチュエータ30と、を備える。
【0012】
キャリア1は、車体に固定されている。デフケース2は、キャリア1の内部にベアリング9、10を介して車軸まわりに回転自在に支持されている。デフケース2は、外周にフランジ部2Aを有しており、フランジ部2Aには図示しないリングギヤが固定されている。このリングギヤはプロペラシャフト等に接続されるドライブピニオンギヤと噛み合う。
【0013】
デフケース2は、内部に車軸に対して直交する保持面2Bを有している。保持面2Bは複数の貫通孔2Cを有し、各貫通孔2Cにはボール5が少なくとも保持面2Bの半径回りに回転自在に保持されている。図2は図1のII−II線に沿った断面図であり、ボール5の配置の一例を示している。図2では4つのボール5が放射状に配置されている。
【0014】
第1サイドプレート3は、筒部3Bと、筒部3Bの一方の端部に設けたフランジ部3Aとを有する。そして第1サイドプレート3は、デフケース2にベアリング11を介して後輪の車軸まわりに回転自在に、かつフランジ部3Aがボール5に当接するよう支持されている。
【0015】
筒部3Bの内部にはドライブシャフト31が配置されている。筒部3Bの内周面とドライブシャフト31の外周面にはそれぞれ軸方向に伸びる溝が設けられており、両者は互いに噛み合っている。つまり、第1サイドプレート3とドライブシャフト31はいわゆるスプライン接合されている。
【0016】
第2サイドプレート4は、筒部4Bと、筒部4Bの一方の端部に設けたフランジ部4Aとを有する。また、第2サイドプレート4は、筒部4Bの他方の端部付近の外周部に、筒部4Bの回転方向に沿った環状のボス6を有する。
【0017】
そして、第2サイドプレート4は、デフケース2にベアリング12及びバネ7を介して後輪の車軸まわりに回転自在に、かつフランジ部4Aがボール5に当接するように支持されている。ベアリング12とデフケース2との間に配置したバネ7は、第2サイドプレート4に第1サイドプレート3方向の力を付勢する。
【0018】
筒部4Bの内部にはドライブシャフト32が配置されている。筒部4Bとドライブシャフト32の間には、複数のボール8が軸方向に並ぶボール列が複数形成されている。図3は図1のIII−III線に沿った断面図である。
【0019】
ボール8は、ドライブシャフト32の外周面に設けた窪みとしての凹部40と、筒部4Bの内周面に軸方向に延びるよう設けた凹状の溝41とによって回転自在に保持される。なお、筒部4Bの内周面に溝41を、ドライブシャフト32の外周面に凹部40を設けても構わない。これにより、第2サイドプレート4が回転すると、そのトルクはボール8を介してドライブシャフト32に伝達され、ドライブシャフト32も回転する。ボール列は、例えば図3に示すようにドライブシャフト32の周方向に均等な間隔で5本設ける。
【0020】
アクチュエータ30はキャリア1に取り付けられており、アクチュエータ30のロッド30Aはボス6に係合している。アクチュエータ30のON、OFFは、コントローラ20が車両の走行状態に応じて切り替える。コントローラ20は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。なお、コントローラ20を複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。
【0021】
アクチュエータ30がONの状態になると、ロッド30Aが第2サイドプレート4をバネ7の力に抗して移動させる。これにより、フランジ部4Aがボール5から離れる。アクチュエータ30がOFFの状態では、バネ7の力によりフランジ部4Aはボール5に押し付けられ、フランジ部3Aとフランジ部4Aでボール5を挟むことになる。
【0022】
ここで、差動装置100の動作について説明する。
【0023】
まず、アクチュエータ30がOFFの場合について説明する。
【0024】
駆動力がプロペラシャフト、ドライブピニオンギヤを介してフランジ面2Aのリングギヤに伝達され、デフケース2が回転する。デフケース2が回転すると、ボール5を挟んでいる第1サイドプレート3と第2サイドプレート4は、ボール5との摩擦力によって回転する。車両直進時のように左右輪の回転差が無い場合には、ボール5は回転せず、第1サイドプレート3と第2サイドプレート4は同じ回転数で回転する。第1サイドプレート3の回転はスプライン接合されているドライブシャフト31に、第2サイドプレート4の回転はボール8を介してドライブシャフト32に、それぞれ伝達される。
【0025】
旋回時のように左右輪に回転差が生じると、第1サイドプレート3と第2サイドプレート4の差回転に応じて、ボール5が保持面2Bの半径を軸として回転する。
【0026】
上記のように、アクチュエータ30がOFFの場合には、後輪に駆動力が伝達されて四輪駆動状態となる。四輪駆動状態にするためにアクチュエータ30を作動させる必要がないので、経年劣化等によりアクチュエータ30の動作が不安定になっても、四輪駆動状態で走行することができる。すなわち、例えば砂漠やぬかるみ路等の悪路走行時にアクチュエータ30の動作が不安定になっても、走行性能を確保することができる。
【0027】
次に、アクチュエータ30がONの場合について説明する。
【0028】
アクチュエータ30がONになると、上述したように第2サイドプレート4はバネ7の力に抗して移動し、フランジ部4Aがボール5から離れる。この状態では、デフケース2が回転しても第2サイドプレート4は回転しない。
【0029】
また、第1サイドプレート3はボール5と当接しているが、第2サイドプレート4に反対側から押圧されていないボール5は回転可能である。したがって、デフケース2が回転してもボール5がフランジ部3Aを転がるだけで、第1サイドプレート3は回転しない。
【0030】
したがって、左右の後輪へはトルクは伝達されず、二輪駆動状態となる。
【0031】
コントローラ20は、アクチュエータ30のON、OFFの切り替えを車両走行状態に応じて行う。例えば、四輪すべてにトルクを伝達して走行性能を確保したい場合にはアクチュエータ30をOFFにし、燃料消費量を抑えたい場合にはアクチュエータ30をONにして駆動系のフリクションを低減する。なお、アクチュエータ30をONの状態に維持するための消費電力は車両全体の発電量からみれば無視し得る程度なので、アクチュエータ30をONにすることで燃料消費量が増加することはない。
【0032】
ところで、車両走行中は第2サイドプレート4とドライブシャフト32は、いずれか一方が他方に対してボール8を周方向に押し付ける状態となる。例えば、内燃機関や電動モータ等の駆動源で発生したトルクで走行している場合には、第2サイドプレート4がドライブシャフト32に対してボール8を周方向に押し付ける。また、コースト走行時にはドライブシャフト32が第2サイドプレート4に対してボール8を周方向に押し付ける。
【0033】
このようにボール8が第2サイドプレート4またはドライブシャフト32に押し付けられた状態でも、ボール8は回転自在に支持された球体なので、ドライブシャフト32の軸方向に容易に回転することができる。つまり、第2サイドプレート4はドライブシャフト32に対して容易に相対移動することが可能である。したがって、アクチュエータ30は車両走行中であっても容易に第2サイドプレート4をバネ7の力に抗して移動させることができる。
【0034】
比較のため、例えば第2サイドプレート4とドライブシャフト32とがスプライン接合している場合を考える。例えば、駆動源のトルクで走行する場合は第2サイドプレート4がドライブシャフト32に押し付けられ、コースト走行の場合はドライブシャフト32が第2サイドプレート4に押し付けられ、押し付ける力が強くなるほど軸方向の摩擦力が増大する。そして、摩擦力の増大に伴って、第2サイドプレート4を軸方向に移動させるために必要な力も増大する。このため、車両走行中に第2サイドプレート4を軸方向に移動させることは困難である。
【0035】
すなわち、第2サイドプレート4とドライブシャフト32の間にボール8を介在させることで、車両走行中に第2サイドプレート4をドライブシャフト32に対して進退動させることが可能となり、四輪駆動状態と二輪駆動状態を切り替えることが可能となった。
【0036】
なお、差動装置100の伝達可能トルクをより大きくするためには、ボール5と第1サイドプレート3及び第2サイドプレート4との接触点を増大させればよい。図4は差動装置100の伝達可能トルクを増大させるための保持面2Bの一例を示す図である。接触点を増加させるためにはボール5の数を増加させればよい。そこで、例えば図4に示すように、ボール5を小径化し、これを保持面2B内に分散配置することにより、接触点を増加させる。
【0037】
第1実施形態の効果をまとめると、次のようになる。
【0038】
(1)第2サイドプレート4をボール5から離れる方向に移動させ得るアクチュエータ30を有し、第2サイドプレート4とこれに連結されるドライブシャフト32とは、凹部40と溝41の間にあるボール8を介して連結されている。これにより、走行中であっても、第2サイドプレート4をドライブシャフト32に対して容易に移動させることができる。つまり、走行中にトルクの伝達と遮断を切り替えることができる。
【0039】
なお、本効果については、図5に示すようにバネ7を設けずに、第2サイドプレート4のボール5への押し付けもアクチュエータ30により行うようにしても得られる。
【0040】
(2)第2サイドプレート4にボール5方向の弾性力を付勢するバネ7を備え、アクチュエータ30は、バネ7の弾性力に抗して第2サイドプレート4をボール5から離れる方向へ移動させる。したがって、アクチュエータ30をOFFにすればバネ7によりトルク伝達状態となる。これにより、悪路走行時等にアクチュエータ30の動作が不安定になっても、走行性能を確保することができる。
【0041】
(第2実施形態)
本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様の構成であるが、デフケース2から第1サイドプレート3及び第2サイドプレート4へトルクを伝達する部分の構成が異なる。ここでは異なる部分について説明する。
【0042】
図5は、デフケース2から第1サイドプレート3及び第2サイドプレート4へトルクを伝達する部分の構成を示す図である。
【0043】
本実施形態では、ボール5に代えて円錐ローラ50を用いる。円錐ローラ50は中心軸が保持面2Bの半径方向と一致するように、かつ保持面2Bの半径まわりに回転自在に、保持面2Bに保持されている。
【0044】
そして、第1サイドプレート3及び第2サイドプレート4の各フランジ部3A、4Aは、円錐ローラ50の側面に対応したテーパ形状となっている。つまり、円錐ローラ50の側面50Aと、第1サイドプレート3のテーパ面3T及び第2サイドプレート4のテーパ面4Tが接することで、円錐ローラ50が第1サイドプレート3と第2サイドプレート4に両側から挟まれている。
【0045】
図6は第1実施形態の図2に相当する図面、つまり図1のII−II線に沿った断面図である。図6に示すように、保持面2Bには4つの円錐ローラ50が周方向に等間隔で、かつ小径側が保持面2Bの中心向きで配置されている。
【0046】
上記のような構成でも、トルク伝達のメカニズムは第1実施形態と同様である。つまり、アクチュエータ30がOFFの場合には、デフケース2が回転すると、円錐ローラ50を挟んでいる第1サイドプレート3と第2サイドプレート4は、円錐ローラ50との摩擦力によって回転する。車両直進時のように左右輪の回転差が無い場合には、円錐ローラ50は保持面2Bの半径回りには回転せず、第1サイドプレート3と第2サイドプレート4は同じ回転数で回転する。第1サイドプレート3の回転はスプライン接合されているドライブシャフト31に、第2サイドプレート4の回転はボール8を介してドライブシャフト32に、それぞれ伝達される。旋回時のように左右輪に回転差が生じると、第1サイドプレート3と第2サイドプレート4の差回転に応じて、円錐ローラ50が保持面2Bの半径を軸として回転する。
【0047】
ところで、上記の構成では、円錐ローラ50の側面50Aと各テーパ面3T、4Tとは線接触となるので、ボール5を用いる場合のような点接触よりも大きなトルクを伝達することができる。なお、より大きなトルクを伝達可能にするためには、円錐ローラ50を小型化して保持面2Bに配置する数を増やすことによって、接触する線を増やせばよい。
【0048】
なお、円錐ローラ50の側面50Aまたは各テーパ面3T、4Tの少なくとも一方に、いわゆるクラウニング処理を施すことによって、接触部の両端の接触圧が過剰に高くならないよう調整してもよい。
【0049】
以上のように本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果に加え、さらに、円錐ローラ50と第1サイドプレート3及び第2サイドプレート4とが線接触することになるので、伝達可能トルクをより大きくすることができるという効果が得られる。
(第3実施形態)
本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様の構成であるが、図8に示すように、二輪駆動状態で第2サイドプレート4の動きを規制するロック機構60を備える点が異なる。
【0050】
ロック機構60は、キャリア1に固定されており、かつ、伸長時に筒部4Bのボス6に係合するロッド61を備える。ロッド61の伸長、収縮はコントローラ20により制御される。
【0051】
アクチュエータ30をONにして第2サイドプレート4をボール5から離したら、コントローラ20はロック機構60を駆動してロッド61をボス6に係合させる。ロッド61がボス6に係合した状態では、アクチュエータ30をOFFにしても、第2サイドプレート4はバネ7の弾性力に抗してボール5から離れた状態に維持される。すなわち、アクチュエータ30は四輪駆動状態から二輪駆動状態への切り替え時にだけ作動させればよい。
【0052】
本実施形態によれば、二輪駆動状態にするためにアクチュエータ30で消費する電力を第1実施形態と比較して低減することができる。
【0053】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0054】
1 キャリア
2 デフケース(ケース部材)
3 第1サイドプレート(挟持手段)
4 第2サイドプレート(挟持手段)
5 ボール(配分手段)
6 ボス
7 バネ(弾性部材)
8 ボール(スライド部材)
9 ベアリング
10 ベアリング
11 ベアリング
12 ベアリング
20 コントローラ
30 アクチュエータ(変位手段)
31 ドライブシャフト
32 ドライブシャフト
40 凹部(スライド部材)
41 溝(スライド部材)
50 円錐ローラ(配分手段)
60 ロック機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動力が入力されると回転するケース部材と、
前記ケース部材内に前記ケース部材の径方向を軸として回転可能に保持される配分手段と、
前記配分手段を挟持する一対の挟持手段と、
前記挟持手段のそれぞれに連結される出力軸と、
を備え、前記ケース部材に入力される駆動力を、前記配分手段を介して各挟持手段に配分する差動装置において、
少なくとも一方の挟持手段を前記配分手段から離れる方向に移動させ得る変位手段を有し、
前記変位手段により移動可能な挟持手段とこれに連結される出力軸とは、互いの軸方向の相対変位を吸収するスライド手段を介して連結されることを特徴とする差動装置。
【請求項2】
前記スライド手段は、前記挟持手段と前記出力軸の一方に設けた窪み、他方に設けた軸方向に延びる溝、及び当該窪みと当該溝の間に介在する球とで構成され、
前記軸方向の相対変位を吸収するとともに、前記球を介して前記挟持手段と前記出力軸との間の駆動力伝達も行う請求項1に記載の差動装置。
【請求項3】
前記変位手段により移動可能な挟持手段に前記配分手段方向の弾性力を付勢する弾性部材を備え、
前記変位手段は、前記弾性力に抗して前記挟持手段を前記配分手段から離れる方向へ移動させる請求項1または2に記載の差動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−24379(P2013−24379A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162357(P2011−162357)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】