説明

広告情報処理システム

【課題】CM提供者(広告主)及び遊技場におけるCMの有効利用を図るために、被CM対象の製品・サービス等が広範囲にわたるCM情報を、遊技場内の遊技機又は遊技関連機器を広告媒体として円滑に流通させることのできる広告情報処理システムの提供を目的とする。
【解決手段】
貸出装置3は、予め登録された会員(特定遊技客)を識別する識別情報(会員ID)が記録された会員カード(識別媒体)の記録情報を読み取る会員カード処理機能を有する。管理装置1には、会員カード処理端末2が接続されている。管理装置1を管理主体として、会員カードを用いた会員カードシステムと貸出カードを用いた貸出処理システムを併用した多機能管理処理システムが構成されている。遊技機は管理装置1から受信した会員属性情報に基づき、CM提供順序の変更処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、パチンコホール、カジノ、アミューズメント施設等の遊技場において、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機、又はパチンコ球やメダル等の遊技媒体貸出装置や呼出ランプ装置等の遊技関連機器により、遊技情報とは別個の広告情報を流通させる広告情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技場で使用されているパチンコ機やスロットマシンは、遊技客が比較的長時間対峙して、遊技演出用のディスプレイを見ながら遊技するものであるから、そのディスプレイを用いて、遊技内容とは別に宣伝広告を表示すれば、係る遊技機は、遊技場内において宣伝効果を期待できる広告媒体として有効利用することができる。
例えば、特許文献1の特開平9−299593号や特許文献2の特開2002−126239号には、図柄変動表示装置を用いて商業用宣伝(以下、CMという。)画像を表示することが開示されている。
【0003】
単一種の広告を流す場合には、目的、対象等にもよるが、一般的に繰り返しによる一定の伝達効果は期待できる。しかし、例えば、異なるCMスポンサによる複数種のCMを扱うとき、パチンコ機等の遊技機を複数種のCM流通用広告媒体として利用することになるため、CM情報を単に流すだけでは、CM依頼者側にとってはどの程度の宣伝効果を期待できるのかが必ずしも明確でないといった問題があった。つまり、遊技場では、個々の遊技機における遊技を目的とした遊技客がCM情報の被提供者であり、かかる遊技客を広範囲なマーケティングにおける一般消費者などとして取り扱えない面があった。
【0004】
また、流すCMの種類や数に関係なく、CM提供場所を提供する遊技場側においても、CM流通により得られるメリットが営業上明確化され、あるいは具体的に把握できるものである必要があった。一方、遊技機メーカ側においても、かかる複数種のCM流通用遊技機を提供するに際して、使用者側の遊技場経営者あるいは遊技客に対する明確なメリットを付加できるものでない限り、遊技場側で採用されないおそれがあった。
【0005】
【特許文献1】特開平9−299593号公報
【特許文献2】特開2002−126239号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、CM提供者(広告主)及び遊技場におけるCMの有効利用を図るために、被CM対象の製品や役務(サービス)等が広範囲にわたるCM情報を適切に提供して、遊技場内の遊技機又は遊技関連機器の固有性を活かしながら広告媒体として円滑に流通させることのできる広告情報処理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者達は上記課題に鑑み、TVCM、ちらし広告、ダイレクトメール等の一般的な宣伝は、同一内容のCM情報を特定ないし不特定の多数者に対して提供するCM提供態様からなるが、遊技場における遊技機等を広告媒体とする場合には、所定の遊技機で遊技する一個人向けに行うCM提供態様が可能となる点に着目した。更に、本発明者達は、係る一個人向けCM提供態様において、如何にしてきめ細かなCM流通を行えるかといった観点から、遊技場における顧客対策を検討した結果、パチンコホール等で導入している会員カードシステムとの適合可能性を見出した。現行の会員カードシステムにおいては、ホール会員になれば、ホールイベントや遊技機情報の優先入手などのメリットを享受でき、固定客を増やすことに寄与するが、更に会員数を増やす上で、会員サービスをより拡充していく必要が生じている。そこで、会員カードシステムにおける会員情報を活用して、会員個々の個性に応じた適切なCMを流すことにより、CM効率の向上及び会員サービスの向上を図ることができる点に着目した。
【0008】
請求項1に記載の発明は、複数の遊技機と、遊技機に付設される遊技機関連機器とが場内に設置され、かつ特定遊技客を識別する識別情報が記録された識別媒体の記録情報を読み取る記録情報読取手段が遊技機に近接して配置され、前記記録情報読取手段により読み取られた識別情報から、予め登録されている特定遊技客に関する登録情報を識別する識別手段を備えた遊技場において、遊技機又は遊技関連機器により、遊技情報とは別個の広告情報を流通させる広告情報処理システムであって、前記遊技機又は遊技関連機器は、複数種の広告情報を記憶する情報記憶手段と、前記広告情報を報知する広告報知手段と、前記情報記憶手段に記憶されている、いずれかの前記広告情報を前記広告報知手段により報知することを決定する広告報知決定手段とを含み、前記広告報知決定手段は、前記識別手段により識別された特定遊技客の登録情報に基づいて、報知内容を決定する広告情報処理システムである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記情報記憶手段に記憶されている複数種の前記広告情報を報知する報知順序を予め設定する報知順序設定手段と、前記情報記憶手段に記憶されている複数種の前記広告情報のうちいずれかを、特定遊技客の登録情報に含まれている属性情報に応じて前記報知順序に関係なく報知順位を優先させる報知順序優先手段とを有する広告情報処理システムである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記属性情報は、特定遊技客の個人情報であり、氏名、性別、年齢、住所、誕生日、職業、嗜好品のいずれか一つ又は2つ以上からなる広告情報処理システムである。
【0011】
請求項4に記載した発明は、請求項2に記載の発明において、前記複数種の広告情報は、特定の広告につき広告提供者が付与する特典に関する付加情報付き広告情報を含み、前記報知順序優先手段により、前記付加情報付き広告情報が付加情報のない広告情報より優先的に報知処理される広告情報処理システムである。
【0012】
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載の発明において、前記広告報知決定手段により決定された報知内容に、前記特典に関する付加情報が含まれているとき、その決定に係る特定遊技客の登録情報に、その旨を記録する記録手段を備えた広告情報処理システムである。
【0013】
請求項6に記載した発明は、請求項4又は5に記載の発明において、前記特典を付与する広告提供者のデータ受信装置と通信可能に接続され、前記特典に関する付加情報の報知が行われたとき、その報知に係る特定遊技客の登録情報の少なくとも一部を前記データ受信装置に配信する広告情報処理システムである。
【0014】
請求項7に記載した発明は、請求項1〜6に記載のいずれかの発明に係る広告情報処理システムに使用する前記遊技機であって、遊技者の遊技操作に関連して遊技抽選を行う抽選手段と、前記抽選手段により当選したことに基づき、遊技者にとって有利となる特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、前記抽選手段の抽選結果に基づき可変表示を行い、前記特別遊技状態の発生時には特別表示状態を表示する可変表示手段とを有し、前記可変表示手段を前記広告報知手段として使用する遊技機である。
【0015】
請求項8に記載した発明は、請求項1〜6に記載のいずれかの発明に係る広告情報処理システムに使用する前記遊技機関連機器であって、遊技客の購入金額に応じて遊技媒体の貸出可能情報が記録された貸出媒体が投入され、又は遊技客が所定金額の貨幣を投入したとき、前記貸出可能情報又は投入貨幣金額に応じた遊技媒体の貸出処理を実行する貸出処理手段と、前記貸出処理に関連した貸出情報を表示する表示手段とを有し、前記表示手段を前記広告報知手段として使用する遊技媒体貸出装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、前記広告報知決定手段により、前記識別手段により識別された特定遊技客の登録情報に基づいて報知内容を決定するので、特定遊技客の個性等に応じた広告情報を提供することができ、広告情報を円滑に流通させることができる。
多数のCMをランダムに流す場合には、例えば、男性客に女性用製品を宣伝したり、喫煙しない客や未成年にタバコや酒類の宣伝したりしてしまうといった不適切又は無用なCM提供態様を生ずるため、遊技客に無用な興味や不快感を生じさせ、遊技機における継続遊技を阻害してホール営業に影響するおそれを生ずるが、本発明では、例えば、会員カードシステムにおける会員情報から会員の属性情報(性別、年齢等)を読み取って、その属性に応じたCM情報を流すことにより、上記のような不適切又は無用なCM提供態様を遊技客に提供することを回避することができ、遊技者個々の一個人向けに行うCM提供態様を利用して宣伝効果の向上を図ることができるとともに広告主のスポンサニーズを満足させることに寄与する。また、会員属性に応じた適切かつ有益性のあるCM情報を会員向けにタイムリーに提供することにより、会員カードシステムのサービス向上を実現することができる。更に、本発明によれば、適切かつ有用なCM提供態様を実現できるため、種々のCMを多数流通させることが可能となり、遊技場又は遊技機メーカにとって、多数のCM契約を締結して、広告媒体使用料を徴収することが可能となり、殊に遊技機メーカとっては、使用料収入により遊技機製造コストの低減を実現することができる。なお、本発明における広告報知態様には、例えば、女性向け製品広告のみが記憶されているときなど、男性客の全部又は一部(一定年齢層等)にはCM提供しないといった制限付き報知態様が含まれる。
【0017】
本発明における広告報知は、遊技機に付設される遊技機関連機器によって行ってもよく、遊技機関連機器には、遊技媒体(パチンコ球、遊技メダル等)の貸出装置、遊技機からの出力データ(例えば、大当たり信号、図柄変動始動信号等)を表示するデータ表示装置(通称、呼出ランプ)等が含まれる。
前記広告報知手段には、液晶、エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置等からなる図柄変動表示装置や、パチスロ等で搭載される演出表示装置を兼用してもよい。また、貸出装置に搭載した貸出処理用表示装置を広告報知に使用したり、呼出ランプのデータ表示装置を使用してもよい。勿論、CM情報報知専用の表示装置を遊技機や遊技機関連機器に搭載してもよい。更に前記広告報知手段は視覚的手段に限らず、スピーカ等の音声報知手段を用いることができる。
特定遊技客の識別のための前記記録情報読取手段は、例えば会員カードシステムにおいて運用される会員カードあるいはICタグなどの識別媒体から記録情報を読み取る読取手段であり、貸出装置や呼出ランプなどに設置される。
【0018】
請求項2の発明によれば、複数種の前記広告情報を報知する報知順序を予め設定しておき、複数種の前記広告情報のうちいずれかを、特定遊技客の登録情報に含まれている属性情報に応じて前記報知順序に関係なく報知順位を優先させるので、遊技機の稼働状況に応じて広告報知を順次行うが、当該特定遊技客には、属性情報に基づき選択された、その客に適切なCMを優先的に提供することが可能となる。パチンコ遊技等では遊技客が同じ遊技機で長時間遊技を行うことには必ずしもならないが、本発明によれば、属性情報に基づき選択された適切なCMを早期に提供することができ、CMの有効提供効率の向上を図ることができる。本発明に係る優先処理は適切なCMの報知順位を高めることだけでなく、不適切CMの順位を下げたり、あるいは報知せずに回避させる態様を含む。
【0019】
請求項3の発明によれば、前記属性情報は、特定遊技客の個人情報であり、氏名、性別、年齢、住所、誕生日、職業、嗜好品のいずれか一つ又は2つ以上からなるので、特定遊客の属性に応じた適切かつ有益性のあるCM情報を特定遊技客にタイムリーに提供することができる。前記請求項2の発明に係る優先処理の場合で一例を示すと、例えば、20歳以上の酒好きの男性客にはビール等の酒類の紹介CMを優先させたり、20代から30代の女性客には若年用化粧品の新発売広告を優先させたりすることができる。
前記属性情報には、氏名や誕生日等のように、個人をより特定する特定情報と、性別や年齢といった、特定情報よりマクロな情報とが含まれており、CM提供趣旨に応じてこれらの情報を綿密に区分けして濃淡のあるCM提供を行うことができる。
【0020】
遊技客にとって通常、遊技と直接関係のないCMが遊技機を通じて無闇に提供されると、遊技の継続意志が薄れ、また不快感を生ずるおそれもあるが、所謂おまけといった特典がCMに付随されると好感度を持ってCMが遊技客に受け入れられる可能性が高くなる。
請求項4の発明によれば、前記複数種の広告情報は、特定の広告につき広告提供者が付与する特典に関する付加情報(広告主のスポンサによる新発売記念の特典景品の応募抽選による提供、海外旅行プレゼント応募特典等)付き広告情報を含み、前記報知順序優先手段により、前記付加情報付き広告情報が付加情報のない広告情報より優先的に報知処理されるので、遊技客にとって有益となるプレゼント特典等が付与された広告を優先的に報知することができ、特定遊技客向けのサービス向上を図ることができる。しかも、特典を提供するスポンサ側においても、特典の授受によりCM効果の判別を行う必要があり、特典情報の優先提供は係る判別の効率的運用を可能とする。また、結果的に特典付与CMの優先提供が行われることにより、CM提供者側はCM提供に際して特典付与を考慮することになり、有益的CMの増大をもたらすため、遊技客サービスの向上を一層図ることができる。
【0021】
特典の付与機会は一律的なものでもよいが、属性情報に基づき選別した選定遊技客に重点的に与えるようにしてもよい。例えば、CM特典の一種としてスポンサより予め誕生プレゼント提供のお知らせ付きCMを用意しておき、属性情報の誕生日が来店日に該当する遊技客が来店して遊技を行った場合には、誕生プレゼント提供のお知らせ付きプレミアCMを最優先で流すようにする。
CM提供は遊技機が稼働中である限り、随時行われてもよいが、遊技を目的とする遊技客に対してCM提供を行う場合には、遊技場本来の営業である遊技を妨げないように遊技の進行に連れて所定のタイミングで報知するのが望まれる。前記広告報知決定手段による広告報知を遊技機の遊技抽選に関連して行うことにより、適切なタイミングで遊技機の遊技を阻害することなくCM提供が可能となる。例えば、パチンコ機の図柄変動表示装置を広告媒体に利用する場合には、CM提供のタイミングは遊技者の遊技を妨げない時期が好ましい。例えば、大当たり発生時、大当たり遊技中、大当たり遊技終了時、所謂、確変状態が確定した時、所謂リーチが発生した時等は遊技者にとって有利な遊技状態であり、そのとき提供されるCMは好感度をもって受け入れられる可能性が高い。このような遊技状態は遊技機の抽選処理と関連して発生するものであり、前記抽選手段の抽選結果を参照して適切なCM提供時期を判別してCM提供を行うことができる。
【0022】
前記特典付きCMをTVCM等の広告媒体で流す場合には、被提供者側で特典情報を筆記等でメモする余裕が生ずるが、遊技機等を広告媒体に利用する場合には、そのようなメモ行為を行うために遊技の中断を余儀なくするおそれがあり好ましくない。
請求項5の発明によれば、前記広告報知決定手段により決定された報知内容に前記特典情報が含まれているとき、前記記録手段により、その決定に係る特定遊技客の登録情報に、その旨を記録するので、例えば、会員カードシステム導入の遊技場において、上記メモ行為を遊技客が行わなくても、特典に関わるデータが会員データファイルに取り込むことが可能となる。従って、会員客は、遊技を終えたときなどにおいて、遊技場に設置された会員カード処理端末を利用して、自己のデータファイルに記録されたCM特典情報の有無及び/又は詳細を確認することができ、更にその詳細データから特典提供スポンサにアクセスして特典を享受することができ、会員サービスの向上に寄与する利便性を高めることができる。このようにCMに付随した特典の授受が円滑に行われることにより、未会員客も会員客の特典授受を知って会員の優位性に着目するところとなり、会員登録の誘引につながって会員増大の波及的効果を得ることができる。
【0023】
CM提供の目的には新製品等の宣伝だけでなく、製品の市場での反応等を分析する製品市場分析、メーカ知名度の向上等を意図する場合もある。
請求項6の発明によれば、前記特典を付与する広告提供者のデータ受信装置と通信可能に接続され、前記特典情報の報知が行われたとき、その報知に係る特定遊技客の登録情報の少なくとも一部を前記データ受信装置に配信するので、例えば、特典提供スポンサや広告代理店(又は当該スポンサと受託契約した市場リサーチ会社)等と会員システムとを通信リンクさせることにより、会員データからCM対象製品・サービスの市場調査の基礎データをスポンサ等は直接的かつタイムリーに入手することができる。本発明の応用として、例えば、会員の個人情報受信の応諾を受けることを条件に、メール宛等のデータ受信後、スポンサ等は会員の連絡先に製品情報等のダイレクトメールを送信したり、上記プレミアの誕生プレゼント特典を該当者宛に直接送付したりすることも可能となる。更に、上記会員カード処理端末や貸出装置を通じて、簡易アンケート(CMの好感度有無等)なども実施すれば、市場調査データを即座に得ることができる。
【0024】
請求項7の発明によれば、例えば、パチンコ機の図柄変動表示装置やスロットマシンの演出表示装置(回胴とは別に設けられる、当選役の有無等を可変的に報知する可変報知装置)を広告媒体として用い、その広告報知を前記抽選手段の抽選結果に関連して行うことができる。従って、適切なタイミングで遊技機の遊技を阻害しないようにCM提供することができるため、本発明に係る広告情報処理システムに好適な遊技機を提供することができる。
【0025】
遊技客の人気度などによって稼働率が低迷した場合には遊技機自体が別の遊技機に入れ替えられるのがホール運営上一般的である。従って、CM情報を遊技機に固定的に記憶させる広告媒体利用態様よりも、遊技機に対して外部から書込変更可能な利用態様にすれば、新旧の遊技機の入れ替えが生じても定常的にCM情報を提供することができる。
特に、請求項8の発明によれば、例えば、パチンコ球や遊技メダルの貸出処理を行う、所謂貸出ユニットと呼ばれる遊技媒体貸出装置に設けられる表示手段を広告媒体として用いる。従って、恒常的に遊技場に設置される貸出ユニットを通じて新旧の遊技機の入れ替えに関係なく定常的にCM情報を提供することができる。
本発明に係る貸出装置には、例えば、貸出可能度数を記録したプリペイドカードなどの貸出媒体による貸出機能だけでなく、現金投入による貸出機能も含み、また、それぞれ、専用の貸出装置(カード専用球貸機、現金球貸機等)でもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態であるパチンコホールにおける広告情報処理システムを図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態である広告情報処理システムの概略構成を示す。このパチンコホールHは複数台のパチンコ機4のパチンコ島と複数台のスロットマシン5のパチスロ島からなり、かつ各遊技機には、貸出装置3が近接して設置されている。各遊技機及び貸出装置3は伝送ライン14を介して管理装置1に接続されている。
パチンコ機4は、後述の制御部100からの賞球数データ、賞球制御基板(図示せず)からの球貸し数データ、予備球タンク(図示せず)の球切れ信号、不正検知用扉開放センサ(図示せず)の検知信号等を本体に設けた外部端子板(図示せず)を介して管理装置1に出力する。スロットマシン5は、後述の制御部200からの各種ボーナスゲーム(特別遊技状態)中信号、リール始動信号、リール停止操作信号、遊技メダル投入信号、賞メダル払出信号及び不正検知用扉開放センサ(図示せず)の検知信号等を本体に設けた外部出力基板(図示せず)を介して管理装置1に出力する。
【0027】
貸出装置3は、貨幣投入口15への貨幣(紙幣)の投入に基づき、投入金額に応じた所定の度数範囲で遊技可能なデータが書き込まれた貸出媒体(貸出カード)を発行する貸出媒体発行機能を備え、隣接の遊技機と通信可能に接続されている。遊技客が、残度数のある貸出カードを貸出装置3のカード挿入口16に挿入し、遊技機側に設けた貸出ボタン(図示せず)を押操作することにより、所定の度数単位で遊技媒体(パチンコ球又は遊技メダル)の貸出を遊技機から受けることができる。貸出装置3は投入貨幣金額データ、使用金額データ等を管理装置1に出力する。本実施形態における貸出装置3は、遊技客の投入貨幣金額に応じて、所定金種の貸出カードを貸出装置自らが発行する自己発行型貸出装置である。ホール内に設置したカード販売機(図示せず)により貸出カードを発行、販売してもよい。なお、本発明においては貸出カード仕様に限らず、現金球貸機又は現金メダル貸機といった、カード仕様でない貸出装置にも適用できる。
【0028】
貸出装置3は、予め登録された会員(特定遊技客)を識別する識別情報(会員ID)が記録された会員カード(識別媒体)の記録情報を読み取る会員カード処理機能を有する。会員カード投入口17に会員カードを投入すると、会員カードに記録された会員IDを読み出して、管理装置1に出力する。投入カードは貸出装置3の前面側に設けた返却ボタン(図示せず)を押下することにより外部に排出、返却される。管理装置1は各会員につき予め登録された会員登録情報を記憶する会員情報データベース18を有し、貸出装置3から伝送された会員IDに基づき、会員情報データベース18の該当会員ファイルに遊技履歴等を記録する。管理装置1には、会員カード処理端末2が接続されている。会員カードサービスには貯玉又は貯メダルが含まれ、管理装置1は、会員客が遊技精算したとき発生する端数残球又は残メダルを貯留記憶する貯玉又は貯メダルの処理を会員IDに基づき会員情報データベース18に対して行う。貯玉情報は次回以降の遊技精算時に加算使用可能なものであるが、所定度数分に換算可能な量に達したときは、遊技媒体の貸出データに利用可能にしてもよい。なお、本発明における会員の識別媒体としては、カード状に限らずコイン型のものでもよく、また、読み取り方式も磁気等の接触式に限らず、IDチップ等の非接触通信方式でもよい。また、会員カード処理機能を貸出装置で兼用させずに、貸出装置とは別個の会員カード専用処理装置を貸出装置や遊技機に併設してもよい。
【0029】
上記のように、管理装置1を管理主体として、会員カードを用いた会員カードシステムと貸出カードを用いた貸出処理システムを併用した多機能管理処理システムが構成されている。そして、この実施形態の広告情報処理システムは、遊技機を通じて遊技演出等の遊技情報とは別個の広告情報(CM情報)を流通させ、しかも上記会員カードシステムを使用して、CM情報を円滑に流通させるようにしている。この広告情報処理システムにおいては、各遊技機は、予めスポンサ契約した複数種の広告情報を記憶し、所定の報知時にいずれかの広告情報を特別図柄変動表示装置等により報知し、遊技客に提供する。
管理装置1はネットワーク回線網6を介して、各CM提供者の管理装置7,8等と通信可能に接続され、また、各会員のパソコン端末11,12や会員の携帯電話13等によりアクセス可能に接続されている。図1の各CM提供者の管理装置7,8等にはCM顧客サービスデータベース9,10が設けられている例を示す。
【0030】
遊技機によるCM情報の提供態様は、記憶されている各種CM内容をCM契約順等に従うなどして予め設定された提供順序で順次報知する、会員カード不使用時の提供態様と、会員カード使用時の提供態様とを含む。後者の提供態様では、貸出装置3により識別された会員の登録情報に基づいて報知内容を決定する広告報知決定手段により決定される提供順序で報知する。CM情報データは遊技機に予めCM演出表示データとして内部記憶されている。CM報知は、パチンコ機4の場合には特別図柄変動表示装置19(後述の液晶表示部29)を使用して行われ、スロットマシン5の場合には回胴遊技の補助演出に用いる演出表示装置20(後述の液晶表示部46)を使用して行われる。
【0031】
パチンコ機4の電気的構成を図2に示す。制御部100は、主制御部101、副制御部102、103、I/Oポート104、108、110及びドライバ回路105,106,107を含む。副制御部102、103は、中継基板109を介して主制御部101と接続している。
主制御部101は、パチンコ機4における遊技の基本となる動作を制御するためのものであり、制御の中枢となり抽選手段として作動するCPU101A、大当たり抽選を行うための乱数発生部、コマンド制御プログラム及び図柄変動パターンデータが記憶されたROM101B、制御時に必要なデータが書込まれるRAM101Cを含むマイクロコンピュータで構成されている。なお、球切り装置(図示せず)による賞球払出や貸球排出の球供給制御は球払出制御部(図示せず)によって行われ、当該賞球払出制御は主制御部101からの払出指令が球払出制御部に与えられることにより実行される。
【0032】
主制御部101は、I/Oポート104を介して入力された各種信号に基づいて、抽選結果に応じたコマンドやデータなどを副制御部102に一方向に出力するとともに、ドライバ回路105を介して特別図柄表示部23と、普通図柄表示部24と、特別図柄用保留表示部25と、普通図柄用保留表示部26と、始動口駆動部27と、大入賞口駆動部28とに制御信号を与える。始動口駆動部27は遊技盤面に設けた役物始動口の電動チューリップの羽根を開閉駆動する。大入賞口駆動部28は、遊技盤面に設けた大入賞口(アタッカ)の開閉蓋を開閉駆動する。特別図柄抽選用保留数の表示及び普通図柄抽選用保留数の表示は、液晶表示部29画面上で行われる。
【0033】
主制御部101には、I/Oポート104を介して、始動センサ30、大入賞口センサ31、ゲートセンサ32、遊技盤面に設けた4個の普通入賞口20のそれぞれに設けられる普通入賞口センサ33の検知出力信号が入力される。始動センサ30は、遊技盤面に設けた始動入賞口及び役物始動口に設けられ、各々への遊技球の入球を検出し、大入賞口センサ31は、大入賞口への入球を検出する。始動センサ30の検出により、大当たり抽選契機が発生する。この始動入賞に基づいて行われる抽選処理はCPU101Aにより実行される。ゲートセンサ32は、遊技盤面に設けた普通図柄始動ゲートを遊技球が通過したことを検出する。普通入賞口センサ33はそれぞれの普通入賞口への遊技球の入球を検出する。遊技機前面側には、発射ハンドル操作により遊技盤面に向けて発射する発射予備球を貯留する球受皿(図示せず)が設けられ、球受皿の前側には左中右の3個の押しボタン34が設置されており、押しボタン34入力はI/Oポート108を介して副制御部102に与えられる。押しボタン34は、遊技者が押下操作することにより、遊技演出に関連した選択指示等を行うことができる。また、球受皿の左右には、効果音を放音するためのスピーカ35が配置されている。
【0034】
遊技盤の中央上側に配置された液晶表示部29は、リーチ演出等の図柄変動を表示する液晶表示装置からなる。抽選結果に基づく変動表示図柄には、1,2,3…などの数字、アルファベットなどの文字やキャラクタ絵柄などを使用することができる。なお、液晶表示部29に代えて、ブラウン管やEL表示装置、LEDドット表示装置などの可変表示装置を用いてもよい。
【0035】
始動入賞口に遊技球が入ると、予め定めた個数の賞球が遊技者に付与される。これらの始動入賞により、遊技者に大当たり遊技が付与するか否かを決定するための大当たり抽選が行われる。大当たり抽選の抽選結果は、液晶表示部29の変動図柄表示演出により遊技者に報知される。この演出表示は、例えば、3つの図柄がスクロール変動される表示態様により行われる。大当たり抽選結果は遊技盤の隅に配置した特別図柄表示部23においても小さく表示される。液晶表示部29の変動表示は、変動開始後、所定時間が経過した後、スクロールしている3つの図柄が順に停止する。大当たりの抽選結果は、3つの図柄表示が変動停止したときに、液晶表示部29に表示される停止図柄の組合せによって表示される。大当たり遊技時に、大入賞口は遊技球を受入れるように開放され、1回の開放により遊技球が所定個数(例えば、9個)入ると、開閉蓋は一旦閉じられた後、再び開放され、大当たり遊技時には、この開閉が複数回繰り返される。開閉繰り返し数、つまりラウンド回数の総数が異なる大当たりが複数種(15回と2回)設定されている。
【0036】
副制御部102はCPU102A、ROM102B及びRAM102Cを含むマイクロコンピュータで構成され、ドライバ回路106を介して液晶表示部29の表示制御を行う。CPU102Aは、CPU101Aからの抽選結果に応じたコマンドを受けて、図柄変動表示及び大当たり遊技演出表示を制御する。ROM102Bには、液晶表示部29による図柄変動表示用制御プログラム、通常の遊技演出用表示データ及びCM演出用表示データが記憶、格納されている。RAM102Cは実行演出表示のための一時記憶エリアとして使用される。CM演出用表示データは、遊技機メーカが遊技機製造の際に、予めスポンサ契約した複数種の広告情報からなり、遊技機製造段階でROM102Bに格納され、CM報知時に読み出されて液晶表示部に表示される。副制御部102は、後述のCM提供順序変更処理のために管理装置1とI/Oポート110を介して双方向通信可能に接続されている。ROM102Bには、CM提供順序変更処理用プログラムが含まれており、副制御部102は管理装置1を通じて送信された会員の属性情報データを受信して、その受信データに基づいてCM提供順序変更処理を行うとともに、CM報知時の処理データを管理装置1に送信する。
副制御部102には、双方向でデータを送受信する副制御部103が接続されている。副制御部103は、CPU103A、ROM103B、RAM103Cを含むマイクロコンピュータで構成され、ドライバ回路107を介して、スピーカ35や電飾演出するための演出ランプ類36を制御する。
【0037】
図3はスロットマシン5の電気的構成を示す。制御部200は、主制御部201、副制御部202、203、I/Oポート204、208及びドライバ回路205,206,207を含む。副制御部202、203は、中継基板209を介して主制御部201と接続している。
主制御部201は、スロットマシン5における遊技の基本となる動作を制御するためのものであり、制御の中枢となり抽選手段として作動するCPU201A、大当たり抽選を行うための乱数発生部、コマンド制御プログラム及びスロット遊技演出パターンデータが記憶されたROM201B、制御時に必要なデータが書込まれるRAM201Cを含むマイクロコンピュータで構成されている。なお、メダルホッパ装置(図示せず)による賞メダル払出や貸メダル排出のメダル供給制御は主制御部201によって行われる。
【0038】
主制御部201は、I/Oポート204を介して入力された各種信号に基づいて、抽選結果に応じたコマンドやデータなどを副制御部202に一方向に出力するとともに、ドライバ回路205を介して左リール駆動部40、中リール駆動部41,右リール駆動部42、メダル投入枚数表示部43、メダル払出枚数表示部44及びボーナスゲーム状態表示部45に制御信号を与える。メダル投入口(図示せず)へのメダル投入があると、メダル投入検知部によるメダル投入検知信号が入力され、投入メダル数はクレジットデータとしてメダル投入枚数表示部43により表示される。クレジット状態でメダル返却ボタン50が操作され、精算指示入力があると、クレジット数分のメダルがホッパ駆動によりメダル排出口に排出される。クレジット残があるとき、1枚ベット用BETボタン51又は3枚ベット用MAXBETボタン52によるベット入力が行われ、リール始動レバー53が操作され、リール始動信号が入力され、この始動時を契機に抽選処理が実行される。このリール始動信号入力によりリールの回転が行われる。ついで、左ボタン、中ボタン及び右ボタンからなるリール停止ボタン54によるリール停止操作信号が入力されると、CPU201Aの制御下、抽選結果と停止操作タイミングに基づきリール停止制御が行われる。遊技者の停止操作により所定の当選役に応じたリール図柄の停止パターンが発生すると、当該役に応じた賞メダルがホッパ駆動により前記メダル排出口より払出される。このとき、払出された賞メダル払出数はメダル払出枚数表示部44により表示される。ボーナス図柄が揃って停止し、ボーナスゲームに入賞したときは、以降のボーナスゲーム状態の間、ボーナスゲーム状態表示部45による祝福表示が行われる。
【0039】
副制御部202はCPU202A、ROM202B及びRAM202Cを含むマイクロコンピュータで構成され、ドライバ回路206を介して液晶表示部46の表示制御を行う。CPU202Aは、CPU201Aからの抽選結果に応じたコマンドを受けて、液晶表示部46における、ボーナスゲームや各種遊技役の当選又は当選の可能性に関わる遊技演出表示を制御する。ROM202Bには、液晶表示部46による演出表示用制御プログラム、通常の遊技演出用表示データ及びCM演出用表示データが記憶、格納されている。RAM202Cは実行演出表示のための一時記憶エリアとして使用される。
スロットマシン5のリール表示窓の上側に配置された液晶表示部46は、ボーナス当選演出等を表示する液晶表示装置からなる。なお、液晶表示部46に代えて、ブラウン管やEL表示装置、LEDドット表示装置などの可変表示装置を用いてもよい。
【0040】
CM演出用表示データは、遊技機メーカが遊技機製造の際に、予めスポンサ契約した複数種の広告情報からなり、遊技機製造段階でROM202Bに格納され、CM報知時に読み出されて液晶表示部に表示される。副制御部202は、パチンコ機4と同様に、後述のCM報知順序変更処理のために管理装置1とI/Oポート208を介して双方向通信可能に接続されている。ROM202Bには、CM報知順序変更処理用プログラムが含まれており、副制御部202は管理装置1を通じて送信された会員の属性情報データを受信して、その受信データに基づいてCM報知順序変更処理を行うとともに、CM報知時の特定処理データを管理装置1に送信する。
副制御部202には、双方向でデータを送受信する副制御部203が接続されている。副制御部203は、CPU203A、ROM203B、RAM203Cを含むマイクロコンピュータで構成され。ドライバ回路207を介して、効果音放出用スピーカ47や電飾演出するための演出ランプ類48を制御する。
【0041】
図4は貸出装置3の概略構成を示す。貸出装置3の主制御部300は、制御部301、I/Oポート305、306からなり、制御部301はCPU302、ROM303及びRAM304を含むマイクロコンピュータで構成されている。ROM303には、貸出カードの発行・貸出の処理プログラム及び会員カード処理プログラムが内蔵されている。RAM304は投入された貸出カードの残高データを一時記憶する残高データ一時記憶部及び投入された会員カードに関する貯玉等の記録情報を一時記憶する会員カード情報一時記憶部を含む。制御部301にはI/Oポート305を介して、紙幣投入検知部307、貸出カード挿入検知部308及び会員カード挿入検知部309の各検知信号が入力される。制御部301はI/Oポート306を介して管理装置1と通信可能に接続されている。管理装置1は、紙幣投入情報、貸出装置3からの貸出カード発行・貸出・貯玉情報を受信して記憶する貸出データファイル、会員カードに関する会員情報データベース18を有する。本実施形態では、各遊技機の遊技情報を管理するホール専用管理装置1により貸出入出金情報についても管理しているが、貸出入出金情報及び/又は会員管理情報については、ホールとは別の管理機関のデータ処理端末に送受信可能にして管理装置1とは分離して第三者管理するようにしてもよい。図4には、管理装置1と別の会員管理装置310を接続した例も併記している。
【0042】
貨幣投入口15への紙幣投入に基づき、紙幣投入検知部307により検知された投入金額に応じた所定の度数範囲で遊技可能なデータが書き込まれた貸出カードを発行する。遊技客が、残度数のある貸出カードを貸出装置3のカード挿入口16に挿入すると、隣接の遊技機(4,5)に設けた貸出ボタンを押操作することにより、所定の度数単位の遊技媒体(パチンコ球又は遊技メダル)貸出を遊技機から受けることができる。このとき、貸出装置3は当該遊技機と通信して、投入貨幣金額データ、使用金額データ等を管理装置1に出力する。
【0043】
貸出装置3は、会員カード投入口17に会員カードが投入されると、予め登録された会員を識別する識別情報(会員ID)が記録された会員カードの記録情報を読み出して、管理装置1に出力する。管理装置1は各会員につき予め登録された会員登録情報を記憶する会員情報データベース18において、貸出装置3から伝送された会員IDに基づき、会員情報データベース18の該当会員ファイルを検索して遊技履歴等を記録する。
【0044】
会員情報データベース18には、遊技客の会員申し込み手続きに基づき会員IDごとに作成された、氏名、性別、年齢、住所、誕生日、職業、嗜好品(飲酒、喫煙、グルメ志向等)の会員ファイルからなる。会員ファイルデータのうち、カード発行日、個人パスワード、固定電話や携帯電話の連絡先等の書誌的事項の他の性別や嗜好品等の属性情報は、図6及び図7に示すように、本発明のCM提供順序変更処理に使用される。なお、これらの属性情報の利用サービスにつき、個人情報に関する法律等の規制に関わる場合には予め会員の了解を得るのが好ましい。会員来店サービスは、管理装置1に接続した会員カード処理端末2を通じて行われる。例えば、会員が来店したとき、会員カード処理端末2に会員カードを挿入すると、来店ポイントが当該会員の会員ファイルに加算記憶される。
【0045】
図5は会員カード処理端末2の概略構成を示す。会員カード処理端末2の主制御部400は、制御部401、I/Oポート307、308からなり、制御部301はCPU402、ROM403及びRAM404を含むマイクロコンピュータで構成されている。ROM403には、管理装置1と通信して会員カードの記録更新・読み出し等を処理する通信制御プログラムが内蔵されている。図4に示した、管理装置1と別の会員管理装置310を使用する場合には、会員カード処理端末2と会員管理装置310との間で通信制御される。図1に示すように、会員カード処理端末2の接客面には、来店ポイント数や貯玉等の会員情報やガイダンス情報を表示する会員サービス情報表示面A、会員カード挿入口B、YES/NO選択用操作ボタンC,D、音声案内用スピーカ413の放音口E及びCM特典のスポンサ景品等と交換できる交換レシートの発行口Fが配設されている。
【0046】
RAM404は会員カード挿入口Bに投入された会員カードの情報を一時記憶する会員カード情報一時記憶部405及び管理装置1との通信により受信したデータを一時記憶する受信データ一時記憶部406を含む。制御部401にはI/Oポート305を介して、選択用操作ボタンC,Dの操作有無を検知するボタン操作検知部409,410、会員カード挿入口Bに投入された会員カードの挿入検知部の各検知信号が入力される。制御部401による制御出力はI/Oポート408を介して、会員サービス情報表示装置412、スピーカ413及び特典交換レシート発行装置414に与えられる。会員サービス情報表示装置412は会員サービス情報表示面Aにより各種サービス情報を表示する液晶からなる。特典交換レシート発行装置414は遊技機より提供されたCMにスポンサ特典が付与されているとき、商品交換券、優待券、サービスチケット、海外旅行の抽選応募券・案内等の特典情報に関する交換レシートを発行口Fより発行するプリンタからなる。
【0047】
本実施形態におけるCM情報処理を説明する。
図8は遊技機メーカ、CMスポンサ、パチンコホールの管理装置1、遊技機4,5及び貸出装置3の関係を模式的に示したCM情報処理関係の簡略流れ図である。CMスポンサ500は遊技機メーカ600に対して、遊技機設計段階でCM契約を締結して、広告媒体使用料を支払うことにより遊技機に自己のCM演出内容を搭載することができる。このとき、CM内容には、スポンサからの景品等の特典の情報も付加することができる。図8の例では、後述の処理E2に示すように、スポンサ特典の付与有無はスポンサ側での抽選で決定する。図6の例は遊技機に搭載されたCM情報の一覧を示す。これらのCM対象にはスポンサ特典があるものとないものが含まれている。各CM対象の表示データはROM102Bや202Bに記憶され、図6に示す提供順序で遊技機の副制御部102、202から読み出されて報知される。会員カード挿入を伴わない非会員遊技処理では、このCM提供順序で、遊技機の所定の遊技タイミングで予め記憶したCM演出内容が報知される。所定の遊技タイミングとは、例えば、パチンコ機の場合には、大当たり発生時、大当たり遊技中、大当たり遊技終了時、所謂、確変状態が確定した時、所謂リーチが発生した時等であり、このような遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態であり、そのとき提供されるCMは好感度をもって受け入れられる可能性が高いので好ましい。スロットマシンの場合では、同様にボーナスゲーム当選確定報知時、ボーナスゲーム入賞時、ボーナスゲーム終了報知時、特定の小役(特に、当選確率の低い小役)の成立時や当選予告時等である。なお、CM報知は各内容につき均等になされるように、一度報知されたCM対象は報知終了後、最後尾の順位に移動される。
【0048】
各CM演出内容には、会員登録情報の属性に応じた優先処理フラグ○が付与されているものが含まれている。例えば、CM内容がビール(提供:A社)の場合には、酒類の嗜好者には優先報知される。また、非優先的にあるいは回避的に報知するCM内容の区別データも予め遊技機内部に書き込まれている。例えば、上記のビールの場合には、未成年会員には報知しない禁止フラグ○○が予め付与されている。タバコの場合も同様に未成年者に報知しない禁止フラグが設けられている。
【0049】
会員登録情報の属性に応じた優先処理フラグ(図中○印)を用いて行われるCM提供順序変更処理は、まず、貸出装置3の会員カード検知処理B1に基づいて行われる。この会員カード情報は管理装置1に伝送され、管理装置1はカード情報受信処理C1により、貸出装置3からの検知会員IDを受信して、その会員ファイルを参照して該当会員の属性データを遊技機に送信する(処理C2)。遊技機は管理装置1から受信した会員属性情報に基づき、CM提供順序の変更処理を行う(処理A1、A2)。変更処理によって行われた変更処理例を図7に示す。図7は、例えば、会員の属性データが酒類・喫煙嗜好の無職男性(25歳)会員の場合である。非会員の場合には図6に示した提供順序によりCM報知が行われるが、この男性会員の場合には、図6の女性向けCMは後退され、男性かつ若年層CMが上昇する。この変更の際には特典付与の有無も二次的変更条件として判別される。即ち、図6の2位(ラーメン)から4位までのCMには特典が付与されているのでその順位は保持されるが、8位の男性用カバンは5位に上昇するはずであるがこれには特典が付与されていないので、タバコの順位が13位から5位に上昇する。なお、遊技機の電源投入時に、CM提供順序テーブルのデータを図6の初期配列状態に初期化するようにしてもよく、また遊技機内蔵のタイマ機能を利用して週単位で初期更新するようにしてもよい。
【0050】
上記変更処理後、会員が遊技を終了し、会員カードを貸出装置3から排出したときは、その旨が管理装置1に送信される(処理B2、C3)。管理装置1は会員カード排出信号の受信により会員遊技の終了とみなして、遊技機に会員遊技終了信号を送信する(処理C4)。遊技機は会員遊技終了信号を受信し、現在のCM提供順序テーブルの順位を非会員遊技処理用CM提供順序に戻す(処理A3)。処理A3の前に幾つかのCMが流れされたものは、この変更処理時には後方に移動する。例えば、図6から図7の配列に変更され、順位1のビールCMが流された後、会員遊技が終了したときは、図6の順位が全て1つ繰り上がった状態(1位がラーメンで、ビールは16位)に変更される。
【0051】
CM順序変更処理の概要をパチンコ機4側での実施例により説明する。図9は副制御部102の制御下で行われるCM順序変更処理を示す。処理6においてCM情報の報知を実行したときには(ステップS1)、CM提供順序テーブルにおける報知済みCM内容の順位を最後尾に下げるデータ更新処理を行う(ステップS2)。本実施形態では、複数のCM内容の報知を順繰りにを一律に繰り返すが、例えば、CM契約別に報知頻度を変えるようにしてもよい。例えば、報知頻度を多くするといった特約CMの場合には、一度報知した後は、最後尾まで下げずに中間順位に後退させて、次回報知の機会を多くする。CM提供順序テーブルのデータ更新の実行確認後、管理装置1からの会員遊技状態信号の受信有無を判断する(ステップS3)。会員遊技状態信号は貸出装置3による会員カード挿入検知処理B1による会員カード情報の受信に基づき、処理C2において管理装置1から遊技機に向けて送信される。会員カード挿入により会員遊技状態と判断されることにより前記会員遊技状態信号がパチンコ機4に与えられる。ついで所定時間(数SEC)以内に管理装置1から会員属性情報データの受信を待機する(ステップS4、S8)。所定時間内に属性情報の受信がないときは待機状態が解除される(ステップS8)。
【0052】
会員属性情報データを受信すると(ステップS4)、その属性情報に基づくCM提供順序テーブルのデータの配置換えによる更新処理が行われる(ステップS5)。このデータ配置換えの一例が上記の図6から変更された図7への変更パターンである。属性情報に基づくCM提供順序テーブルのデータ変更処理の後、会員カードの抜き取りがない限り、当該変更パターンに基づいた提供順序でのCM情報の提供処理が継続される。会員客が遊技を終了し、挿入していた会員カードを貸出装置3から排出すると、処理B2に示したように、貸出装置3より管理装置1に当該会員客のカード排出が通知され、管理装置1はパチンコ機4に会員遊技終了信号を送信する(処理C4)。遊技機4はこの会員遊技終了信号を受信することにより(ステップS6)、それまで使用していた、属性情報に基づいて変更されたCM提供順序テーブルのデータを解除し、非会員順序のテーブルデータに変更する(ステップS7)。CM提供順序テーブルのデータ解除により、優先順位を上げられていたCM内容は初期設定順序の順位に戻される。
【0053】
上記のCM提供順序変更処理により、会員情報から会員の属性情報(性別、年齢等)を考慮して、その属性に応じたCM情報を流すことにより、不適切又は無用なCM提供態様を遊技客に提供することを回避することができるので、遊技者個々の一個人向けに行うCM提供態様を利用して宣伝効果の向上を図ることができる。これにより、スポンサニーズを満足させることに寄与する。また、会員属性に応じた適切かつ有益性のあるCM情報を会員向けにタイムリーに提供することにより、会員カードシステムのサービス向上を図ることができる。適切かつ有用なCM提供態様を実現できるため、種々のCMを多数流通させることが可能となり、遊技機メーカにとって、多数のCM契約を締結して、広告媒体使用料を徴収することが可能となり、使用料収入により遊技機製造コストの低減を実現することができる。
【0054】
遊技機におけるCM実行は、主制御部101、201の遊技抽選処理A3の結果に応じて平行して行われる。前述のように、例えば、パチンコ機の場合には、大当たり発生時、大当たり遊技中、大当たり遊技終了時、所謂、確変状態が確定した時、所謂リーチが発生した時等において、主制御部101からの抽選結果を受信した副制御部102がCM実行を決定する。リーチ時に関しては発生頻度が高いので、抽選確率1/6によりCM実行有無が決定される。CM実行決定処理A5によりCM実行が決定されると、その実行CMデータが管理装置1に送信される。管理装置1は実行CMデータの受信処理C5により、実行CMデータの収集を行う。
【0055】
CM実行決定処理の概要をパチンコ機4側での実施例により説明する。図10は副制御部102の制御下で行われるCM実行決定処理を示す。まず、主制御部101からのコマンド受信を待機する(ステップS100)。主制御部101では始動入賞に基づき遊技抽選(乱数抽選)を行い、大当たり発生、確変付与、リーチ演出の有無等を決定する。これらの抽選結果に応じて主制御部101から副制御部102に演出表示の制御コマンド(それに関連したデータ信号も含めてよい)が与えられる。副制御部102は制御コマンドの受信により、受信コマンドの内容を判別し、大当たり当選時にはステップS101〜S106の大当たり時のCM提供処理を行う。ハズレの場合には、リーチ有無により、ステップS107〜S112の処理と、ステップS113〜S114の処理に分岐する。
【0056】
大当たり当選時には、液晶表示部29への演出画像データとして、ROM202Bの通常演出表示データに含まれている大当たり演出データの一つが抽選で選択される(ステップS101、S102)。更に、CM実行抽選(確率1/3)が行われ、CM実行が選択されると、実行CM内容がROM202BのCM演出表示データから、CM提供順序テーブルを参照して選定され(ステップS103、S104)、RAM202Cの実行演出一時記憶エリアに記憶される。実行CM内容の決定に伴い、実行CMデータ(CM内容及び特典有無に関するデータ)が管理装置1に送信される(ステップS105)。ついで、これらの演出データに基づきCM付き大当たり変動演出処理(後述の図11の(11C)参照)が実行される(ステップS106)。CM実行抽選においてCM実行が選択されなかったときは、CMなしの大当たり変動演出処理が実行される(ステップS103,S115)。上記のように、大当たり当選時の変動演出において、比較的高い頻度でCM提供が行われるが、100%CM実行にしてもよく、その場合には、CM実施が大当たり予告にならにようにハズレリーチ時においても同様に頻発させておく必要がある。勿論、リーチ状態において特定のCMを出現させることにより大当たり発生の可能性を高めて、CM報知自体を大当たり発生の報知手段として利用するようにしてもよい。
【0057】
ハズレの場合には、リーチ有無が判断され、リーチ演出がないときは、CM報知を行わずに、ハズレ変動演出データを選択する(ステップS107、S113)。ついで、選択されたハズレ変動演出データに基づいてCMなしのハズレ変動演出が実行される2(ステップS114)。リーチ実行有無の決定は主制御部101で行うが、副制御部102側で決めてもよい。また、リーチなしのハズレ時にも低頻度でCM報知を行ってもよい。
リーチ演出がある場合には(ステップS107)、ROM202Bの通常演出表示データに含まれているハズレリーチ演出データの一つが抽選で選択される(ステップS108)。更に、CM実行抽選(確率1/6)が行われ、CM実行が選択されると、実行CM内容がROM202BのCM演出表示データから、CM提供順序テーブルを参照して選定され(ステップS109、S110)、RAM202Cの実行演出一時記憶エリアに記憶される。実行CM内容の決定に伴い、実行CMデータ(CM内容及び特典有無に関するデータ)が管理装置1に送信される(ステップS111)。ついで、これらの演出データに基づきCM付きのハズレリーチ変動演出処理が実行される(ステップS112)。CM実行抽選においてCM実行が選択されなかったときは、CMなしのハズレリーチ変動演出処理が実行される(ステップS110,S116)。CM付きハズレリーチ変動演出処理(ステップS112)及び上記CM付き大当たり変動演出処理(ステップS106)が実行されると、図9のステップS2と同様に、CM提供順序テーブルにおけるデータ更新処理が行われる。
【0058】
図11はパチンコ機4の特別図柄変動表示装置19におけるCM実行例を示す。図中における破線矢印は図柄変動の様子を示す。この実行例は、(11A)及び(11B)に示すように、図柄変動を開始後、図柄「5」のリーチが発生したとき、そのときCM実行が決定されていると、(11C)に示すように、リーチ演出途中で、変動画面上にビールの宣伝が流された例である。この宣伝例では、新発売記念の応募景品が当たる旨の特典に関する付加情報も含まれている。
図12は大当たり発生時に流すCM実行例を示す。この場合、(12A)に示すように、図柄変動の停止により大当たりの図柄組み合わせ(「555」)が表示され、大当たり発生を表示した後、(12B)に示すように、大当たり遊技移行の移行画面においてラーメンのCMが表示された例である。この例でも新発売記念のキャンペーン応募の特典情報が付加されている。このように、大当たりやリーチが発生した時等は遊技者にとって有利な遊技状態であり、そのとき流されるCMは好感度をもって受け入れられる可能性が高く、宣伝効果の向上させることができる。
【0059】
CM実行を実施(処理A6)した報知済みCMに関しては前述のように、1回報知済みとしてCM提供順序テーブルの記憶順位を後方に移動させるCM情報処理A7が副制御部102、202側で行われる。管理装置1は実行CM情報を受信し(処理C5)、当該受信CMがスポンサ抽選による特典付きのものであるか否かを判断する。当該受信CMがスポンサ抽選による特典付きCMの場合には、会員ファイルにその旨を記録し(処理C6)、その会員データの一部を当該CMスポンサの管理装置7,8等に送信する(処理C7)。このときスポンサ向けに送信される会員データには、少なくとも会員識別情報(会員IDでもよいし、暗号化された固有番号でもよい)が含まれ、更に年齢、性別等の簡易データでよいし、会員の応諾を受けていることを条件に、更に詳しい属性データや書誌的事項を送信するようにしてもよい。スポンサ側では、管理装置1から会員情報データをランダムに受信して収集でき(処理E1)、後述の特典付与処理と絡めて市場調査の分析に供することができる。スポンサ抽選による特典の付与決定の場合には、CMスポンサの管理装置7,8等において実行され、特典景品等に当選したか否かの当否データが管理装置1に送信される(処理E2、E3)。管理装置1は受信した当否結果を当該会員ファイルの特典関連データを更新記録する(処理C9)。葉書による応募抽選は一般に行われているが、当否発表までに時間がかかると忘れやすいといった面があるが、会員は遊技場に出向いた際に会員カード処理端末2を通じて管理装置1をアクセスすることにより抽選特典の結果を入手することができ、会員サービスの充実をはかることができる。抽選結果が遊技場以外に得られない場合には、必然的に会員客は当否確認のために遊技場に赴くことなり、遊技場の集客効果の向上に寄与する。特典付与結果などのスポンサ場は、会員カード処理端末2において会員に直接提供することもできる。つまり、会員カードを会員カード処理端末2に挿入すると、CM特典のスポンサ景品が当たっている場合には、その旨の表示を会員サービス情報表示面Aにて行うとともに、音声案内用スピーカ413により当選音声を流し、CM特典のスポンサ景品等と交換できる交換レシートが発行口Fより発行される。
【0060】
特典情報の会員への提供は、スポンサ側の管理装置7、8に会員が直接アクセスすることにより行われてもよい。例えば、会員カード処理端末2において会員にスポンサからの特典情報がある旨伝達し、CM提供スポンサの連絡先やホームページアドレスを報知する。この報知を受けて会員は遊技場外のパソコン11,12や携帯電話13を用いて当該スポンサの管理装置にアクセスして特典情報の確認を行うことができる。また、会員カード処理端末2において、特典情報がある場合、スポンサに自己のメールアドレス等を通知するか否かを会員に確認し、会員が応諾したとき、管理装置1から当該会員の連絡先データをスポンサの管理装置7,8に送信するようにしてもよい。この会員連絡先の送信を受けた場合、スポンサ側より会員のパソコン11,12や携帯電話13に特典情報のメール送信が行われる。
【0061】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態に限定されず、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
例えば、図13は、貸出装置の表示装置を広告媒体に使用したCM情報処理システムを示す。貸出装置X(X1〜Xn)はそれぞれ、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機Y(Y1〜Yn)に隣接配置され、貸出情報、会員情報及びCM情報を報知するための表示装置Z(Z1〜Zn)を有する。図示しないが、貸出装置XにはCM音声報知用スピーカ装置も内蔵されている。貸出処理機能、会員情報処理機能及びCM情報報知機能は上記実施形態と同様であり、この実施形態では、前記実施形態において遊技機管理用の管理装置704により行う会員管理及びCM情報管理を貸出装置の貸出管理装置700により行う。貸出管理装置700には、会員カード処理端末705が接続されている。貸出管理装置700はネットワーク回線網702を介してCM提供者管理装置703a〜703mとデータ通信可能に接続されている。管理装置700には会員登録サーバ701が接続され、各貸出装置に挿入された会員カードによる会員情報のデータ処理が管理装置700を通じて会員登録サーバ701により行われる。各貸出装置は貸出管理装置700を介して会員カード処理端末2と同様の会員情報処理を行う。遊技機Y1〜Ynは、前記実施形態と同様に、遊技抽選に関連してCM情報の報知を行うか否かの決定処理を行い、CM報知時にはCM演出コマンドを貸出装置X1〜Xn側に送信する。貸出装置X1〜Xnの制御部は図4の貸出装置と同様であるが、RAM304には遊技機からのCM演出コマンドを受信し、一時記憶する一時記憶部311を設ける。CM演出コマンドを受信したとき、貸出装置X1〜Xnは予め記憶しているCM情報のうち最先のCMを表示装置Z1〜Znにより表示してCMを流す。遊技抽選に関連してCM報知が行われるので、不自然にタイミングがずれたCM報知を行わずに済み、貸出装置による円滑なCM報知を効率的に行うことができる。
なお、表示装置Zは、管理装置704を通じて各貸出装置に送信される、遊技場側の各種サービス情報(例えば、イベント開催中・イベント実施予定日、交換景品の目玉賞品紹介、会員募集等)を受信して表示するホール情報伝達手段として利用してもよい。
【0062】
図13の実施形態におけるCM情報処理を説明する。図15は、遊技機Y、遊技機管理装置704、貸出管理装置700、貸出装置XのCM情報処理関係を模式的に示したCM情報処理関係の簡略流れ図である。
CMスポンサは遊技場あるいは貸出装置又は遊技機のメーカのいずれか又は全てに対して、CM契約を締結して、広告媒体使用料を支払うことにより貸出装置に自己のCM演出内容を表示することができる。各CM対象の表示データは貸出装置の記憶部に記憶され、貸出装置は図6に示したようなCM提供順序テーブルを具備する。CM提供順序テーブル用いた処理内容は前記実施形態と同様であり詳細説明を割愛する。以下、貸出装置を中心にしたCM順序変更処理及びCM決定処理の概要を説明する。
【0063】
まず、貸出装置Xに会員カードが挿入されると、会員カード検知処理BB1に基づいて、会員カード情報が貸出管理装置700に転送される。貸出管理装置700は会員登録サーバ701と通信して、会員属性情報を取り出して貸出装置Xに送信する(処理CC1、CC2)。貸出装置Xは会員属性情報の受信により、会員登録情報の属性に応じたCM提供順序変更処理を実行する(処理BB2、BB3)。
遊技機Yは遊技者の遊技に応じて乱数抽選処理AA1を行い、大当たり遊技又はボーナスゲーム等の特別遊技を付与する、一般的なパチンコ機又はスロットマシンであり、例えば、パチンコ機であれば、乱数抽選契機となる始動信号や大当たり発生信号等を遊技機管理装置704に外部出力する(処理AA2)。遊技機管理装置704は遊技機Yから外部出力信号(図13のa)を受けて、CM報知の契機とする遊技状態信号(図13のb)を貸出装置Xに送信する(処理DD1、DD2)。貸出装置Xは遊技状態信号を受信してCM実行決定処理を行う(処理BB4、BB5)。始動信号受信毎にCM報知を行うと遊技者の遊技を阻害するおそれがるので、CM実行可否は抽選により決定されるが、大当たり発生の場合には必ずCM報知が実施される。この場合の抽選確率はパチンコ機であれば、一回の始動入賞に関する平均的なリーチ発生確率(例えば、1/15程度)を目安に設定されてよい。
【0064】
CM実行が選択されると、実行CM内容が前記実施形態と同様に、CM提供順序テーブルを参照して選定される(処理BB5)。選定されたCMは表示装置Zを用いて表示されることによりCM報知が実施される(処理BB6)。CM報知時にはCM音声も出力されるが、遊技の妨げにならないように、貸出装置前面側に設けた調節スイッチ(図示せず)を遊技客が操作してボリューム調整可能にしておくのが好ましい。CM情報の報知を実行したときには(処理BB6)、前記実施形態と同様に、CM提供順序テーブルにおける報知済みCM内容の順位を最後尾に下げるデータ更新処理が行なわれる(処理BB7)。処理BB5においてCM情報の報知が実行されたときは、貸出装置Xから貸出管理装置700に実行CM情報のデータが送信される。貸出管理装置700は実行CM情報を受信して、実行済みCM内容の回数データを記憶してCM実施管理を行うとともに特典付きCMか否かの判別を行う(処理CC3、CC4)。特典があるときには、会員ファイルにその旨を記録し、前記実施形態と同様のスポンサ特典処理に供する(処理CC5)。特典情報の会員への提供等の特典サービス処理については前記実施形態と同様に会員カード処理端末705を通じて行うことができる。
会員客が遊技を終了し、挿入していた会員カードを貸出装置Xから排出すると(処理BB8)、前記処理B2と同様に、貸出装置Xから貸出管理装置700に当該会員客のカード排出が通知される。ついで、貸出管理装置700は会員フィルに対して会員遊技終了処理を実行する(処理CC6)。また、貸出装置Xは会員遊技終了に伴い、それまで使用していた、属性情報に基づいて変更されたCM提供順序テーブルのデータを解除し、非会員順序のテーブルデータに変更する(処理BB9)。
【0065】
上記の実施形態によれば、遊技場専用の管理装置704とは分離して、貸出情報や会員情報の管理を第三者機関に委ねることが可能となり、売上管理上の経理の明確化とともに、会員情報の厳密な管理を行うことにより遊技場側の管理負担を軽減できる。殊に、CM情報提供に伴う特典付与等においてスポンサへの会員情報の送信や特典付与情報の受信も第三者機関に移管することができる。また、CM情報を貸出装置側で記憶するので、遊技機側での容量上の制約を受けることなくCM情報記憶を比較的大量に行うことができ、しかも遊技機の場合には予め遊技試験といった制約を受けるが、貸出装置においてはCM情報の内容の更新、追加等を簡易に行うことができる。勿論、本発明は随時、CM情報を追加、書換可能な遊技機を使用することはできる。CM情報を随時書換する場合においては、外部信号により記憶データの書換可能なEEPROM等の記憶媒体を使用するのが好ましい。
【0066】
更に、本発明はCM提供や特典付与の際に、会員客側の選択意思の応接を可能とし、その応接内容をスポンサ側にフィードバックして、よりきめ細かな製品市場分析のデータとして取り扱えるようにしてもよい。例えば、図12の12Aは特別図柄変動表示装置19によるCM情報提供中に、スポンサのホームページ情報に関するQRコード12Cを表示するか否かのボタン入力を促す応接画面例を示す。会員客が興味を示して押しボタン34のいずれかを押下すると、そのボタン入力は遊技機内部に記憶され、管理装置1に外部出力可能にする。図14の場合では、応接画面12Aにてボタン操作すると、12BのQRコード表示画面において、スポンサからの景品提供を報知する旨、遊技機にプログラムされている。管理装置1は実行CM情報と共にスポンサ側にボタン操作有無のデータを送信し、CM受け手側の反応データとして提供することができる。同様に、会員カード処理端末2において、CM特典提供時等において簡易アンケート(CMの好感度有無等)などを実施すれば、市場調査データを即座に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この発明の一実施形態の広告情報処理システムの概略構成を示す図である。
【図2】前記実施形態に用いるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】前記実施形態に用いるスロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】前記実施形態に用いる貸出装置3の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】前記実施形態に用いる会員カード処理端末2の概略構成を示すブロック図である。
【図6】前記実施形態に係る遊技機に搭載されたCM情報の一覧テーブルを示す図である。
【図7】図6のCM情報の一覧を会員属性に基づき提供順序を変更した変更後の一覧テーブルを示す図である。
【図8】前記実施形態におけるCM情報処理関係の簡略流れ図である。
【図9】前記実施形態におけるCM順序変更処理を示すフローチャートである。
【図10】前記実施形態におけるCM実行決定処理を示すフローチャートである
【図11】前記実施形態におけるリーチ発生時に報知するCM実行例を示す図である。
【図12】前記実施形態における大当たり発生時に報知するCM実行例を示す図である。
【図13】この発明の別の実施形態の広告情報処理システムの概略構成を示す図である。
【図14】この発明の更に別の実施形態の広告情報表示例を説明するための図である。
【図15】図13の実施形態に係る広告情報処理システムにおけるCM情報処理関係の簡略流れ図である。
【符号の説明】
【0068】
1 管理装置、2 カード処理端末、3 貸出装置、4 パチンコ機、5 スロットマシン、6 ネットワーク回線網、7 管理装置、8 管理装置、9 CM顧客サービスデータベース、10 CM顧客サービスデータベース、11 パソコン、12 パソコン、13 携帯電話、14 伝送ライン、15 紙幣投入口、16 カード挿入口、17 会員カード投入口、18 会員情報データベース、19 特別図柄変動表示装置、20 演出表示装置、23 特別図柄表示部、24 普通図柄表示部、25 特別図柄用保留表示部、26 普通図柄用保留表示部、27 始動口駆動部、28 大入賞口駆動部、29 液晶表示部、30 始動センサ、31 大入賞口センサ、32 ゲートセンサ、33 普通入賞口センサ、34 押しボタン、35 スピーカ、36 演出ランプ類、40 左リール駆動部、41 中リール駆動部、42 右リール駆動部、43 メダル投入枚数表示部、44 メダル払出枚数表示部、45 ボーナスゲーム状態表示部、46 液晶表示部、50 メダル返却ボタン、51 1枚ベット用BETボタン、52 3枚ベット用MAXBETボタン、53 リール始動レバー、54 リール停止ボタン、100 制御部、200 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機と、遊技機に付設される遊技機関連機器とが場内に設置され、かつ
特定遊技客を識別する識別情報が記録された識別媒体の記録情報を読み取る記録情報読取手段が遊技機に近接して配置され、
前記記録情報読取手段により読み取られた識別情報から、予め登録されている特定遊技客に関する登録情報を識別する識別手段を備えた遊技場において、遊技機又は遊技関連機器により、遊技情報とは別個の広告情報を流通させる広告情報処理システムであって、
前記遊技機又は遊技関連機器は、
複数種の広告情報を記憶する情報記憶手段と、
前記広告情報を報知する広告報知手段と、
前記情報記憶手段に記憶されている、いずれかの前記広告情報を前記広告報知手段により報知することを決定する広告報知決定手段とを含み、
前記広告報知決定手段は、前記識別手段により識別された特定遊技客の登録情報に基づいて報知内容を決定することを特徴とする広告情報処理システム。
【請求項2】
前記情報記憶手段に記憶されている複数種の前記広告情報を報知する報知順序を予め設定する報知順序設定手段と、
前記情報記憶手段に記憶されている複数種の前記広告情報のうちいずれかを、特定遊技客の登録情報に含まれている属性情報に応じて前記報知順序に関係なく報知順位を優先させる報知順序優先手段とを有する、請求項1に記載の広告情報処理システム。
【請求項3】
前記属性情報は、特定遊技客の個人情報であり、氏名、性別、年齢、住所、誕生日、職業、嗜好品のいずれか一つ又は2つ以上からなる請求項1又は2に記載の広告情報処理システム。
【請求項4】
前記複数種の広告情報は、特定の広告につき広告提供者が付与する特典に関する付加情報付き広告情報を含み、前記報知順序優先手段により、前記付加情報付き広告情報が付加情報のない広告情報より優先的に報知処理される請求項1又は2に記載の広告情報処理システム。
【請求項5】
前記広告報知決定手段により決定された報知内容に、前記特典に関する付加情報が含まれているとき、その決定に係る特定遊技客の登録情報に、その旨を記録する記録手段を備えた請求項4に記載の広告情報処理システム。
【請求項6】
前記特典を付与する広告提供者のデータ受信装置と通信可能に接続され、前記特典に関する付加情報の報知が行われたとき、その報知に係る特定遊技客の登録情報の少なくとも一部を前記データ受信装置に配信する請求項4又は5に記載の広告情報処理システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかの広告情報処理システムに使用する前記遊技機であって、
遊技者の遊技操作に関連して遊技抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段により当選したことに基づき、遊技者にとって有利となる特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段と、
前記抽選手段の抽選結果に基づき可変表示を行い、前記特別遊技状態の発生時には特別表示状態を表示する可変表示手段とを有し、
前記可変表示手段を前記広告報知手段として使用することを特徴とする遊技機。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかの広告情報処理システムに使用する前記遊技機関連機器であって、
遊技客の購入金額に応じて遊技媒体の貸出可能情報が記録された貸出媒体が投入され、又は遊技客が所定金額の貨幣を投入したとき、前記貸出可能情報又は投入貨幣金額に応じた遊技媒体の貸出処理を実行する貸出処理手段と、
前記貸出処理に関連した貸出情報を表示する表示手段とを有し、
前記表示手段を前記広告報知手段として使用することを特徴とする遊技媒体貸出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−307098(P2008−307098A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155106(P2007−155106)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000169477)アビリット株式会社 (294)
【出願人】(501341646)クリエイションカード株式会社 (23)
【Fターム(参考)】