説明

廃プラスチック処理システム

【課題】滅菌処理をすることができる廃プラスチック処理システムを提供することを課題とする。
【解決手段】廃プラスチックを処理するための処理システムであって、廃プラスチックを加熱することにより滅菌処理する滅菌処理装置1と、滅菌処理装置1により滅菌処理された廃プラスチックを熱分解する熱分解処理装置3と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃プラスチックを処理するための廃プラスチック処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、循環型経済社会を形成するための取り組みがさまざまな分野で行われ始め、廃プラスチックについてもそのリサイクルの必要性が高まっている。廃プラスチックのリサイクル処理の一つとして、廃プラスチックから油を取り出す廃プラスチック処理システムが知られている。このような廃プラスチック処理システムでは、まず熱分解処理装置に廃プラスチックを投入し、熱分解処理装置内の廃プラスチックを加熱分解して熱分解ガスを生成し、その生成した熱分解ガスを冷却して油を得ている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平6−220458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような廃プラスチック処理システムで、例えば医療廃棄物等の廃プラスチックを処理する場合、廃プラスチックに種々の菌が付着している可能性があるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、滅菌処理をすることができる廃プラスチック処理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る廃プラスチック処理システムは、上記課題を解決するためになされたものであり、廃プラスチックを処理するための処理システムであって、廃プラスチックを加熱することにより滅菌処理する滅菌処理装置と、前記滅菌処理装置により滅菌処理された廃プラスチックを熱分解する熱分解処理装置とを備えている。
【0006】
このように、本発明に係る廃プラスチック処理システムは、滅菌処理装置を備えているため、廃プラスチックを熱分解処理装置に送る前にその廃プラスチックを滅菌処理することができる。
【0007】
上記廃プラスチック処理システムは、種々の構成をとることができるが、例えば、上記熱分解処理装置は、加熱手段による加熱で廃プラスチックを熱分解する熱分解槽と、熱分解槽内に回転可能に支持され、廃プラスチックを攪拌する攪拌器と、攪拌器に作用する負荷トルクを検出するトルク検出手段と、トルク検出手段により検出された負荷トルクに応じて、前記攪拌器の回転を制御する制御手段と、を有していることが好ましい。
【0008】
このように構成することで以下のような効果を得ることができる。すなわち、一般的な熱分解処理装置では、攪拌器の回転の制御を、例えば廃プラスチックの温度や熱分解槽内の温度を検出して、その検出した温度に応じて行うように制御手段を構成することが考えられる。しかし、熱分解槽には通常種々の廃プラスチックが投入されるので、投入された廃プラスチックの種類によって溶融が始まる温度がそれぞれ異なる。このように、廃プラスチックの種類によって溶融が始まる温度がそれぞれ異なるので、検出した熱分解槽内の温度から廃プラスチックの溶融状態を判断することは困難であり、温度だけに基づいた制御では、溶融していない廃プラスチックを撹拌してしまうこともあり、撹拌器を損傷することが考えられる。これに対して、本発明に係る医療廃棄物処理システムにおける熱分解処理装置の上記構成によれば、熱分解槽内の温度ではなく、攪拌器に作用する負荷トルクに応じて攪拌器の回転を制御手段により制御している。ここで、攪拌器に作用する負荷トルクは廃プラスチックの溶融状態により変化する。したがって、攪拌器に作用する負荷トルクに応じて攪拌器の回転を制御することで、攪拌器の回転を熱分解槽内の廃プラスチックの溶融状態に応じて制御することができる。
【0009】
特に、上記制御手段は、検出された負荷トルクが所定値以下の時に、攪拌器が攪拌を開始するように制御するよう構成することができる。このように構成することで、例えば、攪拌器に作用する負荷トルクが大きいとき、すなわち熱分解槽内の廃プラスチックの粘度が高い状態又は廃プラスチックが溶融していない状態では、攪拌器は廃プラスチックの攪拌をしないよう制御することができる。そして、攪拌器に作用する負荷トルクが小さくなり始めるとき、すなわち熱分解槽内の廃プラスチックが溶融し始めて粘度が低くなり始めるときに、攪拌器が攪拌し始めるよう制御することができる。このため、廃プラスチックの粘度が高いとき、又は廃プラスチックが溶融していないときに攪拌が始まることに起因する攪拌器の破損等を防ぐことができる。
【0010】
また、上記制御手段は、熱分解槽内の温度をさらに制御するよう構成することができる。すなわち、上記制御手段は、廃プラスチックから熱分解ガスを生成するための第1の温度まで昇温した後、廃プラスチックを炭化させるための第2の温度まで昇温するように熱分解槽内の温度を制御することが好ましい。
【0011】
このように、熱分解槽内の温度を炭化させるための温度までいきなり昇温させるのではなく、例えば、一旦熱分解ガスを生成するための第1の温度まで昇温させてその第1の温度を所定時間維持し、その後第2の温度まで昇温させるよう2段階の昇温を行うことで、熱分解ガス中の炭素分を低減させることができ、その結果良質な油を回収することを可能にする。
【0012】
また、上記廃プラスチック処理システムは、滅菌処理装置により滅菌処理された廃プラスチックを圧縮し、圧縮された廃プラスチックを熱分解処理装置へと供給する圧縮成形装置をさらに備えていることが好ましい。
【0013】
このように、廃プラスチックを圧縮成形装置によって一旦圧縮してから熱分解処理装置へと供給することで、熱分解処理装置へ供給するプラスチックの密度を増加させ、熱分解処理装置で処理できる廃プラスチックの量を増加させて効率よく廃プラスチックから油を得ることができる。
【0014】
また、上記圧縮成形装置は、円筒状であって、一方の端部側に被圧縮物を投入するための投入口が形成されるとともに、圧縮された被圧縮物を排出するための排出口が他方の端部側に形成されたケーシングと、前記ケーシング内を軸方向に延びて回転駆動され、少なくとも一部が前記ケーシングの一方の端部側から他方の端部側に向かって径が大きくなるようテーパ状に形成されるとともに、前記ケーシングの他方の端部側に被圧縮物を送るよう螺旋状に形成された螺旋羽根を外周面に有するスクリュー軸と、を有していることが好ましい。
【0015】
このような構成をとることにより、以下の効果を得ることができる。すなわち、被圧縮物を投入口からケーシング内に投入してスクリュー軸を回転駆動させると、被圧縮物は、スクリュー軸の螺旋羽根によって、ケーシングとスクリュー軸との間によって画定される空間内でケーシングの他方の端部側に送られる。スクリュー軸は、少なくとも一部がケーシングの一方の端部側から他方の端部側に向けて径が大きくなるようなテーパ状に形成されているため、このテーパ状の部分において、スクリュー軸とケーシングとの間で画定される空間が徐々に小さくなっていく。このため、被圧縮物は、ケーシングの他方の端部側に送られる過程で、スクリュー軸とケーシングによって徐々に圧縮される。このように、被圧縮物をケーシングの径方向に徐々に圧縮させることで、被圧縮物をより十分に圧縮させることができる。なお、このように圧縮された被圧縮物は、ケーシングの他方の端部側に形成された排出口からケーシング外部に排出される。
【0016】
また、上記圧縮成形装置は、上記スクリュー軸の螺旋羽根を、ケーシングの一方の端部側から他方の端部側に向かってピッチが小さくなるように構成することが好ましい。このように構成することで、ケーシングの一方の端部側においては、被圧縮物をケーシングの他方の端部側にスピーディに送るとともに、ケーシングの他方の端部側においては、被圧縮物をケーシングの他方の端部に押し付けて軸方向に圧縮させる力を大きくすることができる。
【0017】
また、上記圧縮成形装置は、上記ケーシングの他方の端部に隣接するよう設置されるとともに、スクリュー軸と同軸上に回転軸を有する回転カッタをさらに備え、ケーシングの排出口をケーシングの他方の端部に形成し、回転した回転カッタによって排出口から排出された被圧縮物を切断するように構成することが好ましい。このように構成することで、圧縮されて排出口から排出された被圧縮物を長さ方向に短く切断することができる。さらには、回転カッタの回転軸をスクリュー軸の回転軸と同軸上に配置することにより、圧縮成形装置の振動を抑えることが可能となり、ひいては圧縮成形装置の故障を防止することができる。
【0018】
また、上記ケーシングの排出口は、排出方向に向かって径が小さくなるようテーパ状に形成されていることが好ましい。このように構成することで、排出口の排出方向側の開口部は、その断面部分が鋭角となる。このため、排出された被圧縮物に対して、排出口の排出方向側開口部と回転カッタとが作用する剪断力が大きくなり、より確実に被圧縮物を切断することができる。
【0019】
また、被圧縮物を破砕する破砕処理機をケーシングの投入口に設置することが好ましい。このように、ケーシングに投入する被圧縮物を予め破砕する破砕処理機を設けることによって、ケーシング内でより効率的に被圧縮物を圧縮することが可能となる。
【0020】
また、上記廃プラスチック処理システムは、熱分解処理装置により廃プラスチックを熱分解して発生する熱分解ガスから生ずるタールを除去するタール除去装置をさらに備えていることが好ましい。そして、このタール除去装置は、内部が密閉された中空本体と、前記中空本体外部から前記中空本体の壁部を貫通して前記中空本体内へ延び、熱分解ガスを前記中空本体内に供給する供給管と、前記中空本体壁部に設けられ、前記中空本体内の熱分解ガスを外部へ排出する排出部と、を備え、前記供給管は、前記中空本体内に位置する端部が下向きに開口していることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、熱分解ガスを供給する供給管の端部が中空本体内で下向きに開口しているために、この供給管の端部に達するまでに自然冷却されて凝固したタールを、この端部から重力によって中空本体内に落下させることができる。また、供給管の端部から中空本体内に供給された熱分解ガスは、中空本体内は密閉されるとともに排出部が設けられているため、その排出部と次工程の処理装置とを連結させることで、熱分解ガスを次の処理工程に供給させることができる。このようにして、タールを凝固させて熱分解ガス中から除去し、タールが除去された熱分解ガスを次工程に供給することができるため、より確実にガス管の閉塞を防止することができる。このとき、例えば、供給管が中空本体内を下向きに延びるように構成することで、より容易且つ確実に凝固したタールを中空本体内に落下させることができる。
【0022】
ここで、上記排出部が中空本体内に位置する供給管の端部よりも上方に位置するようにタール除去装置を構成することができる。このように中空本体内に熱分解ガスを供給する供給管の端部よりも排出部が上方に位置しているために、中空本体内に供給された熱分解ガスを排出部からよりスムーズに排出させることができる。
【0023】
上記タール除去装置では、中空本体内の上部に空間が形成されるよう中空本体内に液体(油)を封入することができる。このとき、供給管の端部を液体(油)内に位置させ、排出部を空間内に設けると、供給管の端部から供給された熱分解ガスは、液体(油)内を気泡として空間内まで上昇し、空間内に設けられた排出部から中空本体外部へ排出される。このとき、気泡として上昇した熱分解ガスは、その液体(油)内を下降することができないため、一旦供給管から供給された熱分解ガスが供給管へ逆流することを防止することができる。
【0024】
また上記タール除去装置は、中空本体の底部に設けられ、開閉自在のバルブを有する排出管をさらに備えていることが好ましい。上述したように供給管の端部から落下したタールは中空本体の底部に溜まるが、このように構成することで、バルブを開状態にすると、タールを中空本体内から排出管を介して外部へ排出することができ、タールの排出を容易に行うことを可能とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、滅菌処理をすることができる廃プラスチック処理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る廃プラスチック処理システムの一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る廃プラスチック処理システムのフロー図である。なお、本実施形態では、廃プラスチックを含む医療廃棄物を処理するものとして説明する。
【0027】
図1に示すように、廃プラスチック処理システム10は、その最上流に、医療廃棄物を滅菌処理する滅菌処理装置1が設置されており、この滅菌処理された医療廃棄物内の廃プラスチックを圧縮する圧縮成形装置2が滅菌処理装置1の下流に設置されている。そして、滅菌処理及び圧縮された廃プラスチックを熱分解し、廃プラスチックから熱分解ガスを生成するための熱分解処理装置3が圧縮成形装置の下流に配置されている。さらにこの熱分解処理装置3の下流には、熱分解ガス中のタールを除去するためのタール除去装置4、熱分解ガスを改質するための触媒装置5がこの順で配置されている。また、さらにこの下流には熱分解ガスを冷却凝縮して油を生成するための凝縮装置6、生成された油から水を分離するための油水分離装置7が配置されている。また、水が分離された油は、油タンク8に貯蔵されるとともに、凝縮装置6で凝縮されないいわゆるオフガス中の塩化水素は脱塩装置9で除去される。以下、上述した各装置について説明する。
【0028】
図2は滅菌処理装置1の正面概略図、図3は加熱滅菌部12の詳細図である。なお、図3(a)は、加熱滅菌処理する前の加熱滅菌部12の状態を示し、図3(b)は、加熱滅菌処理している加熱滅菌部12の状態を示している。図2に示すように、滅菌処理装置1は、医療廃棄物が搬送されるベルトコンベア部11と、ベルトコンベア部11によって搬送されてきた医療廃棄物を加熱して滅菌処理する2つの加熱滅菌部12と、加熱滅菌部12によって処理された医療廃棄物を圧縮する圧縮部13とを備えている。そして、圧縮部13によって圧縮されて医療廃棄物から排出された廃液を収集する廃液受部14が圧縮部13の下方に配置されている。ベルトコンベア部11は、断面L字状の側板15によって各バケット16に隔離されており、各バケット16内に医療廃棄物が収容された袋体17が投入されるように構成されている。
【0029】
このベルトコンベア部11によって搬送されてきた医療廃棄物を処理する加熱滅菌部12は、図3に詳細に示すように、支柱121及び天井枠122によって支持フレームが形成されている。そして、この天井枠122上には油圧プレス123が設置されており、この油圧プレス123のロッド(図示省略)の下端が保持板124に連結されている。また、天井枠122の両側に設けられた案内筒125に上下動可能に挿通した一対の案内杆126が保持板124に設けられたガイド筒128に上下動可能に挿通し、この案内杆126の下端には押当板129が取り付けられている。そして、保持板124と押当板129との間の案内杆126にはバネ130が装着されている。保持板124の中央部には加熱吸気管131の上部が取り付けられ、その周囲には排気管132の上部が取り付けられている。加熱吸気管131及び排気管132ともに、その下端は医療廃棄物を収容する袋体17を刺通する程度の鋭さを有するが、袋体17内の医療廃棄物に刺さるほどの鋭さは有していない。そして、加熱吸気管131及び排気管132の下端部の周側面には複数の小孔(図示省略)が形成されている。加熱吸気管131の上部には、熱風を吹き込むための熱風吹込装置133が取り付けられている。また、加熱吸気管131及び排気管132が押当板129を挿通できるように、押当板129には開口が形成されている。また、排気管132の上端部には排気パイプを介して排気ブロアーが連結されている(図示省略)。
【0030】
図2に戻って滅菌処理装置1の説明を続ける。図2に示すように、加熱滅菌部12の下流に隣接するように圧縮部13が設置されている。この圧縮部13は、加熱滅菌された医療廃棄物を圧縮するように、上下動可能な油圧ピストン134が設けられている。
【0031】
図4は、滅菌処理装置1によって滅菌処理された医療廃棄物を成形圧縮して熱分解処理装置3へと送るまでの廃プラスチック処理システムの一部を示す平面フロー図、図5は図4の正面フロー図である。
【0032】
図4及び図5に示すように、滅菌処理装置1によって処理された医療廃棄物を破砕する破砕機100が備えられている。この破砕機100は、投入ホッパー101とベルトコンベア102を介して滅菌処理装置1によって処理された医療廃棄物が投入されるように構成されている。破砕機100は、内部に回転可能に支持された回転刃と、破砕機100の内壁に設置された固定刃とを有しており(図示省略)、内部に投入された医療廃棄物を、回転する回転刃と、固定刃とによって破砕するように構成されている。
【0033】
破砕機100によって破砕された医療廃棄物はベルトコンベア103によって貯留ドラム104へと供給されるが、貯留ドラム104は、破砕機100によって破砕された医療廃棄物を貯留するように構成されており、また、貯留された医療廃棄物を適切な量だけ後述する磁選機105に送るように構成されている。
【0034】
この貯留ドラム104の下方には、磁選機105が設置されている。この磁選機105は、貯留ドラム104から供給された医療廃棄物中の金属部品を磁石によって選別し、医療廃棄物を、廃プラスチックと金属部品とに選別するように構成されている。
【0035】
磁選機105の下流には、ベルトコンベア106を介して圧縮成形装置2が設置されている。図6は本実施形態に係る圧縮成形装置の正面断面図、図7は圧縮成形装置の平面図、図8は第2の蓋部材の左側面図である。なお、図7において、説明の簡略化のため、破砕処理機は省略している。
【0036】
図6に示すように、圧縮成形装置2は、廃棄物(被圧縮物)を圧縮するためのものであって、円筒状のケーシング21と、ケーシング21内を軸方向に延びるスクリュー軸22と、廃棄物を一旦破砕してケーシング21内に投入する破砕処理機23とを備えている。そして、ケーシング21の左側面の外側に隣接するように回転カッタ24が設置されている。
【0037】
図6及び図7に示すように、ケーシング21は、両端が開口された円筒状の本体部211を備えており、右側の開口端が第1の蓋部材212(一方の端部)によって塞がれるとともに、左側の開口端が第2の蓋部材213(他方の端部)によって塞がれている。より詳細には、本体部211は、両開口端にそれぞれフランジ部214,215が形成されており、このフランジ部214,215においてボルトを締結することで、第1及び第2の蓋部材212,213が取り付けられている。本体部211は、その右側上部であって後述する第1の空間S1と対応する位置に、後述する破砕処理機23で破砕された廃棄物を投入するための投入口216が形成されている。第1の蓋部材212は、本体部211のフランジ部214の外径とほぼ同じ外径を有する円板状に形成されており、その中央部に、スクリュー軸22が貫通するための貫通孔217が形成されている。第2の蓋部材213も同様に、本体部211のフランジ部215の外径とほぼ同じ外径を有する円板状に形成されており、その中央部に、後述するスクリュー軸22の軸支部225が貫通するための貫通孔218が形成されている。また、第2の蓋部材213は、図8に示すように、後述するケーシング21の本体部211とスクリュー軸22の大径部224との間で画定される空間S3に対応する位置に、4つの排出口219が同一円周上に等間隔で形成されている。なお、第2の蓋部材213の外周縁近傍には、フランジ部215とボルトで締結するためのネジ孔25が同一円周上に等間隔で複数形成されている。
【0038】
このケーシング21内をケーシング21の軸方向に延びるようにスクリュー軸22が設置されている。スクリュー軸22は、ケーシング21内において、3つの部分に分かれるとともに、その外周面に螺旋羽根221が螺旋状に形成されている。より詳細には、スクリュー軸22は、ケーシング21内において、円柱状の小径部222と、小径部222から左側に向かって径が大きくなるようテーパ状に形成されたテーパ部223と、テーパ部223の左端と同じ径を有する円柱状の大径部224とに分かれており、ケーシング21の右側から左側にこの順で構成されている。そして、小径部222とケーシング21との間で第1の空間S1、テーパ部223とケーシング21との間で第2の空間S2、大径部224とケーシング21との間で第3の空間S3が画定されている。また、スクリュー軸22は、大径部224から左側に、第2の蓋部材213の貫通孔218の内径とほぼ同じ外径を有する円柱状の軸支部225が延びており、軸支部225は第2の蓋部材213の貫通孔218を貫通してケーシング21の外側へと延びている。また、スクリュー軸22は、小径部222から右側が第1の蓋部材212の貫通孔217を貫通して外部に延びており、その右側端部にスプロケット226が設けられている。そして、図7に示すように、スクリュー軸22を回転駆動させるためのモータ227が設置されており、このモータ227の回転軸に取り付けられたスプロケット228は、スクリュー軸22の右側端部に取り付けられたスプロケット226との間にチェーン(図示省略)が掛けられている。螺旋羽根221は、スクリュー軸22を右側から見て反時計回りに回転させることで、ケーシング21とスクリュー軸22との間で画定された空間S内にある廃棄物が左側に進行するように形成されている。また、螺旋羽根221は、左側に行くに従ってピッチPが小さくなるように形成されている。
【0039】
図9は、図6のA−A線断面図である。図6及び図7に示すように、回転カッタ24は、第2の蓋部材213の左側面に隣接するようスクリュー軸22の軸支部225に取り付けられている。また、図9に示すように、回転カッタ24は、軸支部225の外径とほぼ同じ大きさの内径を有する貫通孔241が形成された取付部242と、この取付部242から半径方向に延びるように取り付けられた刃243とから構成されている。取付部242の貫通孔241にはキー溝244が形成されており、回転カッタ24を軸支部225に取り付けた際、このキー溝244が軸支部225に設けられたキー229と係合するように構成されており、このため、スクリュー軸22が回転すると回転カッタ24も同方向に回転する。
【0040】
図10は、本実施形態に係る破砕処理機23の平面図である。なお、図10において、説明の簡略化のため、第1のホッパー部231は省略している。図6及び図10に示すように、破砕処理機23は、廃棄物を投入するための第1のホッパー部231と、第1のホッパー部231の下端と連結した本体部232と、本体部232で破砕した廃棄物をケーシング21内に投入するための第2のホッパー部233とから構成されている。本体部232は、図10に示すように、その中央部を水平方向に回転軸234が延びており、この回転軸234の外周面には、軸方向に延びる2枚の刃235が対向する位置に設けられている。そして、本体部232の右側内壁面及び左側内壁面における回転軸234と対向する位置に、回転軸234と平行に延びるように固定刃236a、bが延びている。回転軸234は、その図10の上側端部が本体部232を貫通して本体部232の外部へ延びており、その上側端部にスプロケット237が取り付けられている。このスプロケット237は、外部に設置されたモータ238の回転軸に取り付けられたスプロケット239とチェーン(図示省略)を介して連動するように構成されている。第2のホッパー部233は、本体部232内で破砕された廃棄物をケーシング21内に送るように構成されており、図6に示すように、その下端部が連結部材230を介してケーシング21における本体部211の投入口216と連結している。
【0041】
図1に戻って、廃プラスチック処理システム10の説明を続ける。同図に示すように、圧縮成形装置によって圧縮成形された廃プラスチックは、熱分解処理装置3に投入される。
【0042】
図11は熱分解処理装置3の側面断面図、図12は熱分解処理装置3の正面断面図である。図11及び図12に示すように、熱分解処理装置3は、廃プラスチックを熱分解する熱分解槽31と、この熱分解槽31を加熱する炉部(加熱手段)32とを備えている。熱分解槽31は、椀状に膨出した曲面状の底面311及び上面312を有する円筒型に構成されており、炉部32内に収容できるように構成されている。熱分解槽31の上面312には、廃プラスチックを投入するために開閉可能な蓋部313と、廃プラスチックから発生する熱分解ガスを排出する排出管314とが設けられている。なお、排出管314は、熱分解槽31を炉部32に設置したときに、タール除去装置4に繋がる第1ガス管40と連通するように構成されている。また、熱分解槽31の上面312には、槽内の温度を測定するための温度計測器315が設置されている。温度計測器315には、図1に示す制御装置316が接続されており、温度計測器315で計測した熱分解槽31内の温度信号を受信し、その熱分解槽31内の温度に応じてバーナの火力を調整する。
【0043】
また、熱分解槽31には、熱分解槽31内の廃プラスチックを攪拌するための攪拌器32が回転可能に支持されている。攪拌器32は、熱分解槽31の上面312を貫通して回転可能に支持された回転軸321と、回転軸321の下端に固定して取り付けられて熱分解槽31内を攪拌する攪拌羽根322とを備えており、回転軸321の上端には、回転軸321を回転させるモータ323が取り付けられている。攪拌羽根322は、椀状に膨出した底面311に沿うように形成された湾曲部324とその湾曲部の両端を結ぶ直線部325とから構成されており、その攪拌羽根322の平面視中心で回転軸321が連結している。また、攪拌器32の回転軸321の上端付近にはトルクセンサ(トルク検出手段)33が取り付けられ、トルクセンサ33は廃プラスチックによって攪拌器32に作用する負荷トルクを検出している。そして、上述した制御装置316は、攪拌器32にも接続されており、トルクセンサ33で検出した負荷トルクに応じて、モータ323を制御することで攪拌器32の回転を制御する。
【0044】
炉部32は、上部が開口しており、その開口部から熱分解槽31を収容できるよう構成されている。また、収容した熱分解槽31を加熱するために、対向する側壁のそれぞれにバーナ326が設置されている。このバーナ326は、サービスタンク322や脱塩装置9と接続しており、後述する脱塩装置9からのオフガスや、サービスタンク322からのオイルを燃料として燃焼を行う。また、サービスタンク322には、その燃料供給量を制御する制御装置316が接続されている。
【0045】
図1に戻って油化処理システム10の説明を続ける。同図に示すように、熱分解処理装置3の排出管314は第1ガス管40と連結しており、熱分解処理装置3で生成された熱分解ガスはタール除去装置4に供給される。
【0046】
図13は、タール除去装置4及び触媒装置5を示す拡大正面図である。図13に示すように、タール除去装置4は、中空円筒状の円筒本体41を備えており、円筒本体41内には、上部に空間ができるように一定量の油44が封入されている。円筒本体41の上部空間部の側面には、外部の油供給源(図示省略)から油44を供給するための供給ライン45が接続されている。この供給ライン45には開閉自在のバルブ46が設けられている。なお、円筒本体41内の油44が減ると自動的に開状態となって円筒本体41内に油を供給するようにバルブ46を自動制御することもできる。ここで、油の温度は250〜350℃とするのが好ましく、280〜320℃とするのがさらに好ましい。
【0047】
また、タール除去装置4は、第1ガス管40からの熱分解ガスを円筒本体41内に供給する供給管47を備えている。供給管47は、下方に屈曲するL字状に形成されている。つまり、円筒本体41の外部から外周面を貫通して上部空間へ水平に延びるとともに、そこから下方へ屈曲して下方端48が油44内に位置するように延びている。また、円筒本体41の外部へ延びた供給管47の他方端49は、第1ガス管40と連結している。このように、供給管47の下方端48が油44内に位置しているために、供給管47から排出されて円筒本体41の上部空間内まで進んだ熱分解ガスは、油44のために供給管47へ逆流することがなく、ひいては熱分解処理装置3へも逆流することがない。また、供給管47の下方端48が下向きに開口しているために、第1ガス管40内で自然冷却されて凝固したタールが、供給管47の下方端48から供給されて円筒本体41の底面に落下するように構成されている。このように底面に落下したタールを外部に排出するために、円筒本体41の底面には開閉自在のバルブ43を有する排出管42が設けられている。また、円筒本体41の上部空間の側面には、第2ガス管50と連結するよう構成された排出部411が設けられており、タールを除去した熱分解ガスを触媒装置5へ排出するよう構成されている。
【0048】
触媒装置5は、中空円筒状の円筒本体51を備えており、円筒本体51の内部には、熱分解ガスを改質するための触媒、例えばゼオライト触媒等を充填させている。また、円筒本体51の底面には三つ又状の連結管52の3つの端部の内の上端が連結されている。連結管52の水平方向を向く水平端は第2ガス管50と連結しており、連結管52の下方端は開閉自在のバルブ54を有する排出管53と連結している。このように、連結管52の下方端が排出管53と連結しているために、熱分解ガスがタール除去装置4でタールが十分に除去されずに第2ガス管50に排出された場合でも、第2ガス管50内で自然冷却されてタールが凝固し、連結管52の下方端から重力で排出管53へ落下し、バルブ54を開いて外部へ排出することが可能となる。また、円筒本体51の外周面上部には第3ガス管60と連結するよう構成された排出部55が設けられている。
【0049】
図14は凝縮装置6を示す正面断面図、図15は凝縮装置6の隔壁64をA方向から見た詳細を示す拡大図である。図14に示すように、凝縮装置6は、中空円筒状の冷却タンク61と、ストックタンク66とを備えている。冷却タンク61は、その軸方向が水平となるように設置されており、一方端側の上部に供給部62が形成されるとともに、他方端側上部に排出部63が形成されている。この供給部62には触媒装置5からの第3ガス管60が連結されており、排出部63には脱塩装置9へ繋がる第4ガス管90が連結されている。また、冷却タンク61には、その内部を軸方向(図14の左右方向)で6つの室に区画するよう5つの隔壁64が設けられている。図15に示すように、隔壁64の上半分には複数の孔65が形成されており、その孔65を熱分解ガスが通過可能となっている。
【0050】
また、冷却タンク61の外周面には、冷却水を流すための水路(図示省略)が形成されている。この冷却タンク61の外周面を流れる冷却水によって、熱分解ガスが冷却タンク61を供給部62から排出部63まで隔壁64の孔65を通過して流れる間に冷却凝縮されて、各室で油が生成される。なお、熱分解ガスは、冷却タンク61内を供給部62から排出部63に進むにしたがって冷却されるので、沸点の高い油は供給部62側の室で凝縮されて生成され、沸点の低い油は排出部63側の室で生成されるというように、沸点の差によって油が生成される室を分けることができる。
【0051】
ストックタンク66は、冷却タンク61の各室で生成された油をストックするために、冷却タンク61の下方に設置されている。ストックタンク66は、冷却タンク61の各室と対応するように複数の室が形成されており、ストックタンク66の各室は、バルブ68を有する連結管67を介して、対応する冷却タンク61の各室と連結されている。また、ストックタンク66の各室は、ストックされた油を図1に示す油水分離装置7へ送るための配管69が接続されている。
【0052】
油水分離装置7は、油と水の比重の違いを利用して油と水とに分離するよう構成されている。油水分離装置7の下流には、水が分離された油を貯蔵するための油タンク8が設置されている。
【0053】
図1に示すように、上述した冷却タンク61の排出部63と連結した第4ガス管90は、脱塩装置9と連結している。
【0054】
図16は、脱塩装置9を示す正面断面図である。図16に示すように、脱塩装置9は、中空円筒状の円筒本体91を備えている。円筒本体91は、その軸方向が水平となるように設置されている。また、円筒本体91には、円筒本体91を軸方向(図16の左右方向)に2室に分ける隔壁92が形成されている。隔壁92は円筒本体91の上部までは形成されておらず、このため、円筒本体91の2室はその上部で連通している。円筒本体91の2室のうちの一方の室には水93が溜められており、この水にオフガスが供給される。
【0055】
また、脱塩装置9は、第4ガス管90からのオフガスを円筒本体91内に供給する供給管95を備えている。供給管95は、水平方向に屈曲するL字状に形成されている。つまり、円筒本体91の外部から外周面を貫通して水93内まで鉛直下向きに延びる連結部97と、水93内まで延びた連結部97の一方端と連結し水93内を水平に延びる供給部96とから構成されている。また、円筒本体91の外部へ延びた連結部97の他方端は、第4ガス管90と連結している。供給部96は複数の孔が形成されており、その孔からオフガスが水93中に供給される。このように、供給部96が水93内に配置されているために、供給部96から供給され水93内を気泡として上昇したオフガスは、その水93のために逆流することが防止される。
【0056】
また、散布管94が、隔壁92で区切られた他方の室内の上方で水平に延びている。この散布管94は、円筒本体91を貫通して外部へ延びて水酸化ナトリウム水溶液の供給源(図示省略)と連結しており、円筒本体91の他方の室に水酸化ナトリウム水溶液を散布するよう構成されている。このように、散布管94から水酸化ナトリウム水溶液が散布されるために、円筒本体91の他方の室には塩化ナトリウム水溶液が溜まるが、この塩化ナトリウム水溶液が一方の室へ流入しないよう、円筒本体91の隔壁92上端より低い位置に第2の排出部99が設けられている。円筒本体91の他方室側端部の上部には第1排出部98が設けられており、第1排出部98は、バーナ326へと繋がる第5ガス管910が連結されている。なお、上記のように水酸化ナトリウム水溶液を散布するのではなく、他方の室内に予め水酸化ナトリウム水溶液を注入しておくこともできる。
【0057】
次に、上記のように構成された廃プラスチック処理システム10による処理方法を図面を参照しつつ説明する。
【0058】
まず、図2に示すように、医療廃棄物が収容された袋体17を滅菌処理装置1の各バケット16内へと投入する。バケット16内に投入された医療廃棄物は、ベルトコンベア部11によって加熱滅菌部12へと送られる。加熱滅菌部12へ医療廃棄物が送られると、図3(b)に示すように、油圧プレス123によって保持板124が下方へ移動し、バネ130の弾性力によって押当板129が下降して押当板129の下面が医療廃棄物が収容された袋体17の上面に当接する。この押当板129が袋体17を当接する力は、袋体17が破損しない程度の力に制御される。この制御は、例えば押当板129にセンサを設置し、センサによって感知した圧力などを基に行うことができる。そして、保持板124が下降することによって、加熱吸気管131及び排気管132は下降して下端が袋体17を刺通して袋体17内へと進入する。袋体17内へと進入した加熱吸気管131の下端の小孔から熱風吹込装置133で生成した高温の熱風が供給されて、袋体17内の医療廃棄物を加熱滅菌する。このときの温度は、医療廃棄物が180度以上に加熱されることが好ましい。加熱吸気管131の下端の小孔から袋体17内に供給された熱風は、排気管132の下端の小孔から排気パイプを介して袋体17外部へと排出される。
【0059】
このように滅菌処理装置1で加熱滅菌処理された医療廃棄物は、図4及び図5に示すように、投入ホッパー101から投入されてベルトコンベア102上を流れ破砕機100に投入される。破砕機100にて破砕された医療廃棄物は、ベルトコンベア103を介して貯留ドラム104で一旦貯留される。そして、貯留ドラム104から適切な量を磁選機105へと供給して、磁選機105にて医療廃棄物中の金属部品を選別して、廃プラスチックのみをベルトコンベア106を介して圧縮成形装置2に送る。
【0060】
磁選機105からの廃プラスチックは、図6に示すように、破砕処理機23の第1のホッパー部231から投入されて本体部232に送られる。本体部232に送られた廃プラスチックは、回転する回転軸234の刃235と固定刃45a,45bとによって破砕されて第2のホッパー部233及び連結部材230を介してケーシング21の投入口216からケーシング21内に投入される。
【0061】
破砕処理機23からケーシング21内に投入された廃プラスチックは、まず第1の空間S1に落下する。そして、モータ227を駆動させてスクリュー軸22を図15の右側から見て反時計回りに回転させることで、第1の空間S1中の廃プラスチックは左側に送られる。第1の空間S1では、スクリュー軸22とケーシング21との間の距離が十分広いため、廃プラスチックは圧縮されることなく第2の空間S2まで左側に送られる。
【0062】
第2の空間S2に送られた廃プラスチックは、続いて螺旋羽根221によって第2の空間S2内を左側に送られる。この第2の空間S2は左側に向かって徐々に小さくなっているため、第2の空間S2を左側に進行する廃プラスチックは、テーパ部223とケーシング21とによって径方向に徐々に圧縮される。このように、第2の空間S2で径方向に圧縮された廃プラスチックは、圧縮されながら第3の空間S3までさらに左側に送られる。
【0063】
第3の空間S3まで送られた廃プラスチックは、螺旋羽根221によってさらに左側に送られる。この第3の空間S3内では、大径部224の径は一定であるので、廃プラスチックは径方向には第2の空間S2で圧縮された以上の圧縮はされない。そして、ケーシング21の左端部、すなわち、第2の蓋部材213まで到達した廃プラスチックは、次から送られてくる廃プラスチックと第2の蓋部材213との間でスクリュー軸22の軸方向に圧縮される。径方向及び軸方向に圧縮された廃プラスチックは、第2の蓋部材213の4つの排出口219からケーシング21の外側へと排出され、回転カッタ24によって長さ方向に短く切断されてペレット状となって排出される。
【0064】
そして、ペレット状まで小さくされて排出された廃プラスチックは、図1、図11及び図12に示すように、投入位置に配置された熱分解槽31の蓋部313を開け、この開口部から廃プラスチックを投入する。
【0065】
廃プラスチックを熱分解槽31内に種々の手段で投入して蓋部313を閉めた後、熱分解槽31をクレーン等により投入位置から移動させて炉部32内に収容し、熱分解槽31の上部から延びる排出管314をタール除去装置4に繋がる第1ガス管40と連結させる。
【0066】
このように炉部32へ熱分解槽31を設置した後、制御装置316によってサービスタンク322からの燃料供給を開始してバーナ326の燃焼を開始させ、熱分解槽31を加熱する。バーナ326によって熱分解槽31を加熱することで、熱分解槽31内の温度は徐々に上昇すると、熱分解槽31内の廃プラスチックが溶融を始める。
【0067】
一方、熱分解槽31を炉部32に設置後、攪拌器32の回転軸321をモータ323により所定の回転数で回転させる。このようにモータ323で回転軸321を回転させることにより、攪拌羽根322には熱分解槽31内の廃プラスチックによる負荷トルクが作用する。ここで、攪拌羽根322に作用する負荷トルクは、廃プラスチックの溶融状態によって変化する。そのため、負荷トルクが所定値より大きい場合、すなわち、廃プラスチックが溶融していない、又は溶融し始めの高粘度の状態では、モータ323は攪拌羽根322が攪拌しないような低駆動トルクで回転軸321を回転させている。そして、上述したように、熱分解槽31内の温度を上昇させることで廃プラスチックが溶融を始めると、廃プラスチックの粘度が低下し、攪拌羽根322に作用する負荷トルクも低下する。負荷トルクが所定値以下となると、それを検知した制御装置316により、上記負荷トルクに打ち勝つようにモータ323による回転軸321への駆動トルクを増加させて攪拌羽根322の攪拌を開始させる。ここでいう、攪拌羽根31の攪拌を開始するための所定値とは、モータ323の出力や攪拌器32の強度、熱分解槽31内の廃プラスチックの量等によっても変わるが、6〜12N/mmとすることが好ましい。このように、廃プラスチックの溶融状態によって攪拌器32の攪拌の開始させる。
【0068】
こうして、熱分解槽31内の廃プラスチックを攪拌器32により攪拌させながら、バーナ326による熱分解槽31の加熱を続けることで、図17のグラフに示すように、熱分解槽31内の温度を上昇させる。なお、図17は、横軸を加熱時間t(分)、縦軸を熱分解槽31内の温度(℃)としたグラフである。ここで、熱分解槽31内の温度を、熱分解ガスを生成するための温度である500〜600℃程度まで一気に上昇させると、廃プラスチックの炭素―炭素結合が十分に切断されることなく熱分解してガスが発生してしまうため、生成された熱分解ガスは炭素数が多くなってしまう。
【0069】
そこで、本実施形態では、まず第1の温度Tである300〜400℃まで熱分解槽31内の温度を上昇させ、その過程で廃プラスチック中の炭素―炭素結合を切断しつつ、バーナ326による熱分解槽31の加熱を続ける。そして、熱分解槽31内の温度が第1の温度Tまで上昇したことを温度計測装置315からの信号で制御装置316が検知すると、制御装置316は第1の温度Tを保持するようサービスタンク322からの燃料供給量を調整することでバーナ67の火力を制御する。なお、第1の温度Tは180〜240分保持することが好ましい。そして、第1の温度Tを前記の所定時間保持した後、第1の温度Tからさらに、廃プラスチックを熱分解して熱分解ガスを生成するための第2の温度T2である500〜600℃まで熱分解槽31内の温度が上昇するよう、制御装置316によりサービスタンク322からの燃料供給量を調整してバーナ326の火力を制御する。熱分解槽31内の温度が第2の温度まで上昇すると、廃プラスチックが熱分解を始め、熱分解ガスが発生する。この熱分解ガスは、排出管314から排出されてタール除去装置4に送られる。このように、第1の温度T1で一旦昇温を停止して所定時間保持し、その後第2の温度T2まで昇温させることで、廃プラスチックの炭素―炭素結合を十分に切断して、炭素数の少ない熱分解ガスを生成することができる。
【0070】
第2の温度T2を約1時間程度保持し、廃プラスチックから十分に熱分解ガスを生成した後は、バーナ326による加熱を停止して、熱分解槽31を自然冷却させる。この場合、例えばブロアーによって熱分解槽31に空気を送ることで強制冷却することもできる。なお、熱分解槽31の冷却中も攪拌器32は攪拌し続けている。このような廃プラスチックの熱分解処理では、熱分解ガスと同時に残渣と呼ばれる炭化物が生成される。そのため、熱分解槽31が十分に冷却された後に熱分解槽31の蓋部313を開けて、そこから吸引機(図示省略)で熱分解槽31内の残渣を吸引して回収する。なお、上記熱分解工程中、攪拌器32により溶融した廃プラスチックを攪拌させているために、熱分解槽31内の残渣は塊状ではなく粉末状となり、吸引機等で吸引回収するなどして容易に回収することができる。
【0071】
このようにして、熱分解処理装置3によって熱分解ガスを生成するが、一般に廃プラスチックを熱分解した際には粘性のある褐色又は黒色の液体であるタールが得られる。本実施形態に係る熱分解処理装置3では500〜600℃程度の高温で熱分解を行うために、上記タールは気化して熱分解ガス中に混合している。熱分解ガスは種々の処理を行うためにガス管内を移動するが、このガス管内の移動中に外気温で自然冷却されることで、熱分解ガス中の気化していたタールが凝固してガス管内に付着し、ガス管を閉塞させるおそれがある。そこで、この問題を解決するために、熱分解処理装置3で生成された熱分解ガスを第1ガス管40を介してタール除去装置4に供給する。
【0072】
図13に示すように、タール除去装置4に供給された熱分解ガスは、供給管47の下方端48から供給されて油44内を気泡となって上昇して上部空間まで進み、第2ガス管50と連結する排出部411へと排出されて触媒装置5へと送られる。このとき、供給管47の下方端48からは、熱分解ガス中の気化したタールが第1ガス管40中で自然冷却されて凝固されたものが、重力により円筒本体41の底面に落下する。そして、底面にある程度の量のタールが溜まると、円筒本体41内の油44と一緒に排出管42から排出させる。なお、この作業は、油化処理のサイクルが終了してから行ったり、または、油化処理サイクル中に自動で行うようにしてもよい。このとき円筒本体41内の油44は、タールとともに排出されることで減少するが、外部の油供給源と繋がる供給ライン45から手動または自動で補充されることで所定量を維持している。
【0073】
円筒本体41の上部空間へと送られた熱分解ガスは、排出部411から排出されて、第2ガス管50を介して触媒装置5へ供給される。触媒装置5へ供給された熱分解ガスは、連結管52を経て、触媒が充填された円筒本体51へ供給される。熱分解ガスは、円筒本体51を通過することで触媒に接触して低沸点のガスに改質される。改質された熱分解ガスは、排出部55から第3ガス管60へ排出されて凝縮装置6へと供給される。なお、第1,第2,及び第3ガス管210,310,410に、ヒータや断熱材を取り付けて保温することもでき、こうすることで、タールの発生を抑制することも可能である。また、各ガス管をできるだけ短くすることでもタールの発生を抑制する効果がある。
【0074】
図14及び図15に示すように、第3ガス管60からの熱分解ガスは、供給部62から冷却タンク61内に供給される。冷却タンク61内に供給された熱分解ガスは、隔壁64の孔65を通過して排出部63へ進む間に、冷却タンク61の外側面を流れる冷却水により徐々に冷却される。このように熱分解ガスは、冷却されることで凝縮して各室で油が生成される。なお、各室にて生成される油は、供給部62側の室は沸点が高い重質油となっており、排出部63側の室で生成される油は一番沸点の低い軽質油となっている。各室で生成された油がある程度溜まると、バルブ68を開いて連結管67を経てストックタンク66の対応する各室へと送られる。そして、ストックタンク66の各室にストックされた油は、配管69を経てそれぞれポンプによって油水分離装置7へと送られる。油水分離装置7で水分を分離された油は、ポンプで油タンク8へと送られる。なお、冷却水の温度を変化させ、供給部62側から排出部63側に向けて温度が低くなるように構成することもできる。これによって、供給部62側では沸点の高い油を、排出部63側では沸点の低い油を確実に得ることができる。
【0075】
ここで、熱分解ガス中には凝縮装置6で凝縮されない成分も含まれている。このため、上記凝縮装置6の冷却タンク61では凝縮されずに排出部63から排出されるいわゆるオフガスが、第4ガス管90を介して脱塩装置9へと供給される。
【0076】
図16に示すように、第4ガス管90から供給管95へと送られたオフガスは、供給部96から水93内へ供給されて、気泡として水93内を上昇する。水面まで上昇したオフガスには、隔壁92の上方を越えて第1排出部98へと向かうまでの間に、他方の室で散布管94から水酸化ナトリウム水溶液が散布される。このように水酸化ナトリウム水溶液が散布されることで、オフガス中の塩化水素が中和される。塩化水素が中和されて除去されたオフガスは第1排出部98から排出された後、第5ガス管910を経てバーナ326に供給され、バーナ326の燃料として燃焼させる。以上のサイクルが繰り返されることにより、廃プラスチックを含む医療廃棄物がリサイクルされる。
【0077】
以上のように、本実施形態に係る熱分解処理装置3によれば、廃プラスチックの溶融状態により変化する攪拌器32に作用する負荷トルクに応じて攪拌器32の回転を制御装置316により制御している。このため、攪拌器32の回転を熱分解槽31内の廃プラスチックの溶融状態に応じて制御することができ、その結果、攪拌器32の損傷等を防止できるとともに、耐久性の高い熱分解処理装置3とすることが可能となる。
【0078】
特に、本実施形態では、攪拌器32に作用する負荷トルクが所定値以下の時に、攪拌器32が撹拌を開始するように制御装置316で制御させている。そのため、負荷トルクが大きい場合、すなわち廃プラスチックが溶融していない、又は溶融し始めの高粘度の状態では、例えば、攪拌器32に作用する負荷トルクが大きいので、攪拌器32は廃プラスチックの攪拌をしないよう制御することができる。そして、攪拌器32に作用する負荷トルクが小さくなり始めるとき、すなわち熱分解槽内の廃プラスチックが溶融し始めて粘度が低くなり始めるときに、攪拌器32が攪拌し始めるよう制御することができる。このため、廃プラスチックの粘度が高いとき、又は廃プラスチックが溶融していないときに攪拌が始まることに起因する攪拌器の破損等を防ぐことができる。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、従来では、熱分解槽内の残渣が塊状となって熱分解槽内に固着するために、熱分解槽を反転させるための回転台に熱分解槽を移動させ、熱分解槽を反転させて内部の残渣を掻き出していた。しかし、本実施形態では、残渣が粉末状であるので、熱分解槽を移動させずに吸引機等で吸引回収できる。したがって、熱分解槽を反転させるための回転台を設置していた分のスペースが省略される。そこで、上記実施形態では熱分解槽31は1つとして説明したが、この省略されたスペースを利用して熱分解槽31を2つ設置することもできる。これによって、一方の熱分解槽を冷却させている間に、他方の熱分解槽で熱分解を行うことができるので、生産性を向上させることができる。
【0080】
また、上記実施形態の熱分解処理装置3では、攪拌羽根322に作用する負荷トルクが所定値以下になると撹拌を開始するように構成しているが、例えば、撹拌中に加熱温度の低下等により廃プラスチックの溶融粘度が高くなり攪拌器が受ける負荷トルクが所定値以上となった場合に撹拌を停止し、再度廃プラスチックの溶融粘度が低くなり負荷トルクが所定値以下となれば撹拌を開始するように制御装置316で制御してもよい。
【0081】
また、上記実施形態の熱分解処理装置3では、攪拌器32の撹拌を開始させるために、モータ323による回転軸321への駆動トルクを増加させているが、この他にも、例えば、モータ323と回転軸321とをクラッチ装置を介して接続することで、モータ323による駆動トルクを一定としたまま、攪拌器32の撹拌を開始することができる。すなわち、攪拌羽根322に作用する負荷トルクが所定値より大きいときは、モータ323からの駆動トルクの一部しか回転軸321に伝わらないようにクラッチ装置を嵌合させる(半クラッチ)状態とすることで、攪拌羽根322が撹拌しないように制御する。そして、攪拌羽根322に作用する負荷トルクが所定値以下となると、それを検知した制御装置316により、モータ323からの駆動トルクが完全に回転軸321に伝わるようにクラッチ装置を完全に嵌合させて、攪拌羽根322による撹拌を開始させる。
【0082】
また、上記実施形態における熱分解処理装置3の攪拌羽根322が、熱分解槽31の底面311に向かって延びる複数の掻取爪を備えていてもよい。このような構成により、熱分解槽31の底面311に残渣が固着した場合であっても、掻取爪でその固着した残渣を掻き取ることができる。また、このように複数の掻取爪で攪拌羽根の湾曲部全体で底面311に付着した残渣を掻き取るのに比べて抵抗が小さくなるため、モータ323への負担を低減させることができる。
【0083】
また、上記実施形態の圧縮成形装置2では、排出口219は、排出方向に向かってストレートに延びていたが、図18に示すように、排出方向に向かって径が小さくなるようテーパ状に形成することもできる。このように排出口219を形成することで、排出口219の排出方向側の開口部の断面の角度αが鋭角となる。このため、排出口219から排出される廃プラスチックに対して、回転カッタ24の刃243と、排出口219の左側開口部とが作用する剪断力が大きくなる。この結果、圧縮されて排出口219から排出された廃プラスチックをより確実に切断することができる。
【0084】
また、上記実施形態の圧縮成形装置2では、廃プラスチックを一旦破砕処理機23によって破砕してからケーシング21内に投入していたが、破砕処理機23を設置せず、ケーシング21の投入口216から廃プラスチックを直接投入することもできる。
【0085】
また、上記実施形態の圧縮成形装置2では、回転カッタ24は、スクリュー軸22とともに同じ回転数で回転するように構成されているが、回転カッタ24の回転駆動用のモータを別途設けることなどによって、回転カッタ24の回転数をスクリュー軸22の回転数に関係なく制御できるようにすることができる。このように回転カッタ24の回転数を自由に制御可能とすることで、排出口219から排出された廃プラスチックを所望の長さで切断することが可能となる。
【0086】
また、上記実施形態では、タール除去装置4において、円筒本体41内に油44を封入することで、熱分解ガスの逆流を防止していたが、特に油に限定されるものではなく、例えば水等の液体を使用することができる。或いは、水、油、及び界面活性剤を混合したエマルジョン溶液を用いることもできる。その他にも、円筒本体41内に液体を封入させずに逆流防止弁を供給管47の下方端48に設けることで、熱分解ガスの逆流を防止することもできる。
【0087】
また、上記実施形態のタール除去装置4では、開閉自在のバルブ43を有する排出管42を円筒本体41の底部に設けているが、その他にも、例えば、円筒本体41底部に溜まったタールを吸引除去するような吸引機を設けることで、より効率的にタールを外部へ排出することができる。なお、これらのようなタール排出手段を設けずに、油化処理終了後に、溜まったタールを手作業で除去することもできる。
【0088】
また、上記実施形態において、圧縮成形装置2を省略し、滅菌処理装置1にて過熱滅菌して圧縮した医療廃棄物を熱分解装置3に供給することもできる。
【0089】
また、上記実施形態では、凝縮装置6等の各装置は1つずつしか設置していないが、2つ以上設置することもできる。
【0090】
また、上記実施形態の滅菌処理装置1では、医療廃棄物が収容された袋体17内に加熱吸気管131から熱風を送ることで医療廃棄物を加熱滅菌しているが、特にこれに限定されるものではなく、医療廃棄物を加熱滅菌するものであればよい。このときの加熱滅菌処理は、医療廃棄物を約180度以上の高温下で約30分間加熱することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係る廃プラスチック処理システムのフロー図である。
【図2】本実施形態に係る滅菌処理装置を示す正面図である。
【図3】本実施形態に係る加熱滅菌部を示す正面図である。
【図4】本実施形態に係る廃プラスチック処理システムの一部を示す平面フロー図である。
【図5】図4の正面フロー図である。
【図6】本実施形態に係る圧縮成形装置の正面断面図である。
【図7】本実施形態に係る圧縮成形装置の平面断面図である。
【図8】本実施形態に係る第2の蓋部材の左側面図である。
【図9】図6のA−A線断面図である。
【図10】本実施形態に係る破砕処理機の平面図である。
【図11】本実施形態に係る熱分解処理装置の実施形態を示す拡大側面図である。
【図12】本実施形態に係る熱分解処理装置の実施形態を示す拡大正面図である。
【図13】本実施形態に係るタール除去装置及び触媒装置の拡大図である。
【図14】本実施形態に係る凝縮装置の断面図である。
【図15】本実施形態に係る凝縮装置の隔壁を示す拡大図である。
【図16】本実施形態に係る脱塩装置の断面図である。
【図17】本発明に係る熱分解処理方法の熱分解工程の熱分解槽内の温度と時間の関係を示すグラフである。
【図18】第2の蓋部材の他の実施形態を示す正面断面図である。
【符号の説明】
【0092】
1 滅菌処理装置
2 圧縮成形装置
3 熱分解処理装置
4 タール除去装置
10 廃プラスチック処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃プラスチックを処理するための処理システムであって、
廃プラスチックを加熱することにより滅菌処理する滅菌処理装置と、
前記滅菌処理装置により滅菌処理された廃プラスチックを熱分解する熱分解処理装置と、
を備えた、廃プラスチック処理システム。
【請求項2】
前記熱分解処理装置は、
加熱手段による加熱で廃プラスチックを熱分解する熱分解槽と、
前記熱分解槽内に回転可能に支持され、廃プラスチックを攪拌する攪拌器と、
前記攪拌器に作用する負荷トルクを検出するトルク検出手段と、
前記トルク検出手段により検出された負荷トルクに応じて、前記攪拌器の回転を制御する制御手段と、
を有する、請求項1に記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項3】
前記制御手段は、検出された負荷トルクが所定値以下の時に、前記攪拌器が攪拌を開始するように制御する、請求項2に記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項4】
前記制御手段は、
廃プラスチックから熱分解ガスを生成するために第1の温度まで昇温した後、廃プラスチックを炭化させるために第2の温度まで昇温するように前記熱分解槽内の温度を制御する、請求項2に記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項5】
前記滅菌処理装置により滅菌処理された廃プラスチックを圧縮し、圧縮された廃プラスチックを前記熱分解処理装置へと供給する圧縮成形装置をさらに備えた、請求項1から4のいずれかに記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項6】
前記圧縮成形装置は、
円筒状であって、一方の端部側に被圧縮物を投入するための投入口が形成されるとともに、圧縮された被圧縮物を排出するための排出口が他方の端部側に形成されたケーシングと、
前記ケーシング内を軸方向に延びて回転駆動され、少なくとも一部が前記ケーシングの一方の端部側から他方の端部側に向かって径が大きくなるようテーパ状に形成されるとともに、前記ケーシングの他方の端部側に被圧縮物を送るよう螺旋状に形成された螺旋羽根を外周面に有するスクリュー軸と、
を有する、請求項5に記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項7】
前記スクリュー軸の螺旋羽根は、前記ケーシングの一方の端部側から他方の端部側に向かってピッチが小さくなる、請求項6に記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項8】
前記ケーシングの他方の端部に隣接するよう設置されるとともに、前記スクリュー軸と同軸上に回転軸を有する回転カッタをさらに備え、
前記ケーシングの排出口は、前記ケーシングの他方の端部に形成されており、
前記回転カッタは、前記排出口から排出された被圧縮物を切断するよう回転する、請求項6又は7に記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項9】
前記ケーシングの排出口は、排出方向に向かって径が小さくなるようテーパ状に形成されている、請求項8に記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項10】
前記ケーシングの投入口に設置された、被圧縮物を破砕する破砕処理機をさらに備えた、請求項6から9のいずれかに記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項11】
前記熱分解処理装置により廃プラスチックを熱分解して発生する熱分解ガスから生ずるタールを除去するタール除去装置をさらに備えた、請求項1から10のいずれかに記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項12】
前記タール除去装置は、
内部が密閉された中空本体と、
前記中空本体外部から前記中空本体の壁部を貫通して前記中空本体内へ延び、熱分解ガスを前記中空本体内に供給する供給管と、
前記中空本体壁部に設けられ、前記中空本体内の熱分解ガスを外部へ排出する排出部と、を有し、
前記供給管は、前記中空本体内に位置する端部が下向きに開口している、請求項11に記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項13】
前記排出部は、前記中空本体内に位置する前記供給管の端部より上方に設けられている、請求項12に記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項14】
前記中空本体には、上部に空間が形成されるよう内部に液体が封入されており、
前記供給管における前記中空本体内に位置する端部は、前記液体内に位置し、
前記排出部は、前記空間内に設けられている、請求項12または13に記載の廃プラスチック処理システム。
【請求項15】
前記中空本体の底部に設けられ、開閉自在のバルブを有する排出管をさらに備えた、請求項12から14のいずれかに記載の廃プラスチック処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−266394(P2008−266394A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−108741(P2007−108741)
【出願日】平成19年4月17日(2007.4.17)
【出願人】(398057178)株式会社オールマイティー (17)
【Fターム(参考)】