説明

建物の壁構造

【課題】壁の耐久性を向上させて超長期住宅化を達成することができる建物の壁構造を提供。
【解決手段】柱1、土台2A及び胴差2Bの建物外側の面に対して壁本体3の建物外側の面が壁厚み方向における中心側に形成されるとともに柱1、土台2A及び胴差2Bの建物内側の面に対して壁本体3の建物内側の面が壁厚み方向の中心側に形成されて柱1、土台2A及び胴差2Bが建物内外で露出される。壁本体3の内部には通気層3Aが上下に伸びて設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱及び梁から軸組が構成され、互いに対向する柱と、これらの柱の間に設けられた壁本体とを備えた建物の壁構造にかかり、特に、壁本体の平面が柱の平面より壁厚み方向中心側に位置して柱や壁が露出する真壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物には種々の壁構造が採用されている。この壁構造には、例えば、隣り合う柱やこれらの柱を連結する梁の表面を壁本体で覆う大壁構造や、隣り合う柱と梁との間に壁本体を柱の表面より壁中心側に設けて柱や梁が露出する真壁構造がある。
この真壁構造は、木からなる柱や梁等が露出されることで、大壁構造に比べて、外観が良好であるとともに壁の補修が容易であるという利点の他、吸湿性が妨げられないので、建物の耐久性が高くなるという利点がある。そのため、真壁構造は、築数百年という古民家に採用されている。
しかしながら、古民家の真壁構造をそのまま現在の建物に利用することは工業化が図れず、施工性の観点から限界がある。
【0003】
建物の耐久性を向上させるために、壁本体に通気層を設けることが知られている。例えば、建物内部が真壁構造であり、建物外部が大壁構造である壁構造において、壁仕上げ材と断熱ボードとの間に通気層を形成したものがある(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−30284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1で示される従来例では、建物外部が大壁構造であるので、柱の建物外部側が壁本体によって覆われることになり、柱等の吸湿性や放湿性、換言すれば、調湿性が十分ではなく、建物の耐久性を高くすることができない。そのため、従来例の真壁構造のままでは、200年住宅と称される超長期住宅に適用することができない。
【0006】
本発明の目的は、壁の耐久性を向上させて超長期住宅化を達成することができる建物の壁構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の建物の壁構造は、柱及び梁から軸組が構成され、互いに対向する前記柱と、これらの柱の間に設けられた壁本体とを備えた建物の壁構造であって、この壁本体の建物外側の面が前記柱の建物外側の面に対して壁厚み方向における中心側に形成されるとともに前記壁本体の建物内側の面が前記柱の建物内側の面に対して壁厚み方向の中心側に形成されて前記柱及び前記梁が露出され、前記壁本体の内部には通気層が上下に伸びて設けられていることを特徴とする。
この構成の発明では、柱及び梁の建物内外両面が露出される内外真壁構造が採用されることで、柱や梁の調湿性、つまり、吸湿性や放湿性を向上させることができる。しかも、壁本体には上下に延びる通気層が形成されているので、壁本体での湿気が溜まることを防止できる。そのため、本発明では、建物の耐久性が向上する。
【0008】
なお、本発明では、柱の材料や断面サイズは種々のものを採用できるが、例えば、柱を集成材から成形、かつ、一辺が150mmの断面正方形の5寸角の柱とすることが好ましい。柱を一辺が120mmの4寸角から形成する従来例では、壁本体の厚さ寸法が制限されるので、その内部に断熱材や通気層を設けることができず、柱を一辺が135mmの4.5寸角から形成する従来例では、壁本体を断熱材が収納される厚さに確保できるものの、この断熱材の収納スペースに加えて通気層を確保することができにくい。これらの要望を満たすためには、壁本体の厚さをより厚くすればよく、そのためには、柱の一辺が150mm(約5寸)を超える角材を用いればよいが、集成材を用いて柱をプレカットする現状の装置が使用できなくなる。つまり、集成材を用いて一辺が150mmの柱を用いることで、壁本体に十分な通気層を形成することができるとともに、柱の効率的な製造が可能となる。
【0009】
ここで、本発明では、前記通気層の上下端部に連通する開口が前記壁本体の建物外側の面にそれぞれ形成され、前記通気層は前記開口と連続し略水平に形成される水平部と、この水平部に略直角に折れ曲がって形成され上下に延びる鉛直部とを備え、前記水平部には止水部材が設けられている構成が好ましい。
【0010】
この構成の発明では、建物外部の空気が一方の開口から壁本体の内部の通気層に流入する。この通気層では一方の開口から流入された空気は当該開口と連続する一方の水平部から鉛直部及び他方の水平部を通って他方の開口から建物外部に流出される。この際、水平部と鉛直部とは略直角に折れ曲がっており、しかも、水平部に止水部材が設けられているから、開口から通気層の鉛直部に雨水が入りにくくなっている。そのため、雨水が通気層の内部に溜まることが少なく、仮に、通気層の内部に雨水が溜まることがあっても、直ちに他方の開口から流出するので、壁の耐久性をこの点からも確保することができる。
【0011】
前記止水部材は、前記壁本体の端部に一部が埋設され残りが前記梁側に向けて延びた第一片と、この第一片に一端部が接合され他端部が建物外側に向けて延びた第二片とを有するものあり、前記梁の前記止水部材に対向する部位が切り欠かれて前記水平部と連通する凹部空間が形成される構成が好ましい。なお、第二片の第一片への接合箇所は第一片の中央部でもよく、この中央部から外れた部分でもよい。
【0012】
この構成の発明では、止水部材が水平部に配置されており、開口からは第二片の端部しか見えないので、外観が良好となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には本実施形態にかかる壁構造の縦断面図が示され、図2には壁構造の水平断面図が示されている。
図1及び図2において、2階建ての建物の壁構造は複数本の柱1と梁2とで軸組が構成されるとともに柱1と梁2との間に壁本体3が設けられ、これらの柱1及び梁2のそれぞれ建物外側面と建物内側面とが露出された内外真壁構造である。なお、図1では、建物の外周部の壁構造が示されており、梁2は基礎4の上に設けられた土台2Aと、1階部分と2階部分との境界部分に設けられた胴差2Bである。
土台2Aは、集成材から形成され、かつ、その建物内外の厚さ寸法が150mm(約5寸)、高さ寸法が150mmの断面正方形に形成されている。
胴差2Bは、集成材から形成され、かつ、その建物内外の厚さ寸法が150mm、高さ寸法が300mmの断面長方形に形成されている。
【0014】
土台2Aの建物内側上端には1階床5の端部が接合されている。この1階床5は、土台2Aの上端面に配置される角材51と、この角材51に一端部が設けられる構造用合板52と、この構造用合板52の上に設けられるフローリング53とを備えている。
構造用合板52の下面には、例えば、商品名旭ファイバーAFボードからなる断熱材54が設けられている。
胴差2Bの建物内側上端には2階床6の端部が接合されている。この2階床6は、胴差2Bの上端面に一端部が設けられる構造用合板61と、この構造用合板61の上に設けられるフローリング62とを備えている。
【0015】
図2において、柱1は集成材から形成され、かつ、その建物内外の厚さ寸法が150mm(約5寸)、厚さ方向と直交する幅方向寸法が150mmの断面正方形に形成されている。
図1及び図2において、壁本体3は、その建物外側から建物内側に向けて、外壁部31、断熱部32及び内壁部33が配置されている。
外壁部31は、建物外側から建物内側に向けて、そとん壁311、耐水合板312、通気胴縁313及び構造用合板314が配置されており、このうち、そとん壁311は、その正面が柱1及び梁2の建物外側の正面に対して壁厚み方向における中心側、つまり、正面から12mm後退して形成されている。
【0016】
そとん壁311は、多孔質構造からなり、結露及び湿気に強いシラス壁である。そとん壁311は厚さ18mmであって、下地用金網(図示せず)が設けられている。
耐水合板312は厚さが9mmである。耐水合板312及びそとん壁311は重ね合わされており、その端縁部が柱1に形成された凹部1Aに嵌合されている。
構造用合板314は厚さ9mmの板材であり、その建物外側の正面全面に透湿防水シート315が設けられている。
通気胴縁313は透湿防水シート315と耐水合板312との間であって柱1に沿って上下に延びて配置されており、その厚さ寸法は18mmである。
【0017】
断熱部32は互いに対向する柱1の側面と土台2Aの上面及び胴差2Bの下面とにそれぞれ沿って配置された厚さ45mmの受材321と、これらの受材321に囲われた領域に配置された厚さ45mmの断熱材322とを備えている。この断熱材322は、例えば、商品名旭ファイバーAFボードから構成される。
内壁部33は、断熱材322に対向する厚さ12.5mmの石膏ボード331と、この石膏ボード331に設けられる厚さ5mmの自然素材塗壁仕上332とを備えている。
石膏ボード331及び自然素材塗壁仕上332は重合されており、その端縁部が柱1に形成された凹部1Aに嵌合されている。
自然素材塗壁仕上332の建物内側の面は柱1及び梁2の建物内側の面に対して壁厚み方向の中心側に21.5mmずれて形成される。
隣合う通気胴縁313と、透湿防水シート315と耐水合板312とで区画された空間から通気層3Aが形成されている。
【0018】
通気層3Aの構造が図3に拡大して示されている。
図3において、通気層3Aは外壁部31の内部に上下に伸びて設けられており、その上端部は外壁部31と胴差2Bとの間に形成された上部開口30Uと連通され、その下端部は外壁部31と土台2Aとの間に形成された下部開口30Dと連通されている。
通気層3Aは、上部開口30Uと連続し略水平に形成される上部水平部31Uと、下部開口30Dと連続し略水平に形成される下部水平部31Dと、これらの水平部31U,31Dに略直角に折れ曲がって形成され上下に延びる鉛直部31Vとを備え、建物外部から下部開口30Dを通って流入した外気Pは下部水平部31D、鉛直部31V及び上部水平部31Uを通り、上部開口30Uから建物外部へ流出される。
【0019】
上部水平部31Uに臨むように止水部材7が外壁部31に取り付けられている。この止水部材7は、図4にも示される通り、上下に延びた長さ25mmで厚さ2mmの第一片71と、この第一片71の略中心部に一端部が接合され他端部が水平方向に延びた長さ22mmで厚さ2mmの第二片72とを有する断面T形部材であり、壁本体3の幅方向に沿って連続形成されている。この止水部材7はアルミの押出成形により成型される。
図3において、第一片71は、その下端部が、そとん壁311と耐水合板312との間に埋設されるとともに上端部が胴差2B側に向けて延びて形成されている。第二片72はその下面がそとん壁311の上端面に当接され、その他端側が4mm程度、そとん壁311の平面から突出している。
【0020】
胴差2Bの止水部材7に対向する部位は切り欠かれて上部水平部31Uと連通する凹部空間31Aが形成される。この凹部空間31Aの高さは上部水平部31Uの高さと同じ10mmである。
胴差2Bの凹部空間31Aの上面にはガルバリウム鋼板から形成される上部防虫網91が設けられている。この上部防虫網91は図5(A)(B)に詳細な構造が示されている。図5(A)は上部防虫網91の端面図であり、図5(B)はその背面図である。
図5(A)(B)に示される通り、上部防虫網91は胴差2Bにねじ等で取り付ける取付片91Aと複数の孔が形成された網片91Bとが折れ曲がって断面L字形に形成されており、その幅方向寸法は壁本体3と略同じである。上部防虫網91の断面先端部は折り返し部が形成されている。この折り返し部は、図3では、止水部材7の第二片72の上面部に当接され、かつ、第一片71より建物外側に配置されている。そのため、上部防虫網91は止水機能を併せて有する。なお、本実施形態では、通気性を確保するために、上部防虫網91の折り返し部を止水部材7の第二片72の上面部から離隔してもよい。
【0021】
図3において、下部水平部31Dに臨むようにアルミ製のアングル材81が外壁部31に取り付けられている。このアングル材81は、そとん壁311と耐水合板312との間に埋設される第一片81Aと、そとん壁311の下端面を支持する第二片81Bとから構成されている。
外壁部31にはガルバリウム鋼板から形成される土台上水切82が設けられている。この土台上水切82は透湿防水シート315の下端部に取り付けられる取付部82Aと、この取付部82Aに一体形成され下部水平部31Dに配置される本体部82Bと、この本体部82Bに一体に形成され土台2Aの正面を覆う覆部82Cとから形成されている。
耐水合板312の下端部にはガルバリウム鋼板から形成される下部防虫網92が設けられている。この下部防虫網92は図6(A)(B)に詳細な構造が示されている。図6(A)は下部防虫網92の端面図であり、図6(B)はその底面図である。
図6(A)(B)に示される通り、下部防虫網92は耐水合板312の下端部にねじ等で取り付ける取付片92Aと複数の孔が形成された網片92Bとが折れ曲がって断面L字形に形成されており、その幅方向寸法は壁本体3と略同じである。下部防虫網92の断面先端部は折り返し部が形成されている。なお、本実施形態では、通気胴縁313に段差を設けておき、この段差に下部防虫網92を釘打ちで固定するものでもよい。
【0022】
従って、本実施形態では、次の作用効果を奏することができる。
(1)柱1、土台2A及び胴差2Bの建物外側の面に対して壁本体3の建物外側の面が壁厚み方向における中心側に形成されるとともに柱1、土台2A及び胴差2Bの建物内側の面に対して壁本体3の建物内側の面が壁厚み方向の中心側に形成されて柱1、土台2A及び胴差2Bが建物内外で露出されている。しかも、壁本体3の内部には通気層3Aが上下に伸びて設けられている。そのため、本実施形態では、柱1、土台2A及び胴差2Bの建物内外両面が露出される内外真壁構造が採用されることで、柱1、土台2A及び胴差2Bの吸湿性や放湿性を向上させることができるだけでなく、壁本体3に上下に延びる通気層3Aが形成されているので、壁本体3での湿気が溜まることを防止できる。これにより、壁、ひいては、建物全体の耐久性が向上する。
【0023】
(2)通気層3Aの上端部に連通する上部開口30Uと下端部に連通する下部開口30Dとが壁本体3の建物外側の面にそれぞれ形成されている。しかも、通気層3Aは、上部開口30Uに連続し略水平に形成される上部水平部31Uと、下部開口30Dに連続し略水平に形成される下部水平部31Dと、これらの水平部31U,31Dに略直角に折れ曲がって形成され上下に延びる鉛直部31Vとを備え、上部水平部31Uに望むように止水部材7が設けられている。従って、建物外部の空気が下部開口30Dから壁本体の内部の通気層3Aに流入して上部開口30Uから流出するが、通気層3Aを構成する水平部31U,31Dと鉛直部31Vとは略直角に折れ曲がっており、しかも、上部水平部31Uに止水部材7が設けられているから、上下の開口30U,30Dから通気層3Aの鉛直部31Vに雨水が入りにくくなり、壁の耐久性をこの点からも確保することができる。
【0024】
(3)止水部材7は、第一片71の略中心部に第二片72の一端が接合された断面T形部材であって、アルミの押出成形で成型されるので、構造が簡易であって、大量生産が可能であるため。壁の施工コストを下げることができる。
(4)止水部材7は第二片72の他端部のみが壁本体3から突出して形成されており、第一片71は壁本体3の奥まった箇所に配置されているので、止水部材7は上部開口30Uから第二片72の端部しか見えず、外観が良好となる。
【0025】
(5)第一片71の中心部から下端にかけて壁本体3に埋設されており、第二片72の下面が壁本体3の上端面に当接しているので、止水部材7の壁本体3への取付が強固になり、止水部材7が誤って脱落することがない。
(6)胴差2Bの止水部材7に対向する部位が切り欠かれて上部水平部31Uと連通する凹部空間31Aが形成される。そのため、止水部材7が壁本体3の上部に設けられていても、通気層3Aの断面積を大きく確保することができる。そのため、通気層3Aが止水部材7で閉塞されることがないので、確実な壁本体3の通気を確保することができる。
【0026】
(7)外壁部31に土台上水切82が設けられているので、土台2Aと壁本体3との間からの雨水の浸入を防止することができる。
(8)上部水平部31Uに上部防虫網91が設けられ、下部水平部31Dに下部防虫網92が設けられているので、建物外部から通気層3Aを通って害虫が建物内部に入り込むことを防止できる。
(9)柱1は集成材から形成され、かつ、一辺が150mm(約5寸)平方の断面正方形に形成されるので、内外真壁構造であっても、壁本体3の厚さ寸法を外壁部31及び通気層3Aを設けるに十分な厚さにすることができる。
【0027】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、上部水平部31Uに望むように止水部材7が壁本体3に設けられた構造であるが、本発明では、図7に示される通り、止水部材7を設けることなく、胴差2Bに胴差上水切83を設ける構造であってもよい。
仮に、止水部材7を設けるものであっても、前記実施形態の構造に限定されるものではなく、例えば、止水部材をアングル材から形成し、その一辺を耐水合板312の上端面に接合する構造であってもよい。仮に、止水部材7を第一片71と第二片72とから構成する場合であっても、前記実施形態のように断面T型にすることを要せず、例えば、第一片71の中央部から上方又は下方にシフトした位置に第二片72を接合する構造でもよい。
【0028】
また、本発明の内外真壁構造は2階建ての建物に限定されるものではなく、1階建ての建物にも適用できる。そして、柱1及び梁2は必ずしも集成材で形成されるものに限定されるものではなく、柱1及び梁2の断面寸法も前記実施形態に限定されるものではない。
さらに、上部防虫網91と下部防虫網92とを必ずしも設けることを要しない。そして、内壁部33を構成する石膏ボード331や外壁部31を構成する構造用合板314に代えて天然素材から形成され湿度調整な可能な内装建材(商品名モイス)を用いてもよい。
さらに、真壁を構成する部材の寸法は前記実施形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、柱及び梁から軸組が構成され、互いに対向する柱と、これらの柱の間に設けられた壁本体とを備えた真壁構造を有する建物に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態にかかる建物の壁構造の縦断面図。
【図2】前記実施形態にかかる建物の壁構造の水平断面図。
【図3】前記実施形態の要部の拡大断面図。
【図4】止水部材の端面図。
【図5】(A)は上部防虫網の端面図、(B)は背面図。
【図6】(A)は下部防虫網の端面図、(B)は底面図。
【図7】本発明の変形例を示すもので図1に対応する図。
【符号の説明】
【0031】
1…柱、2…梁、2A…土台、2B…胴差、3…壁本体、3A…通気層、7…止水部材、30D…下部開口、30U…上部開口、31…外壁部、31A…凹部空間、31D…下部水平部、31U…上部水平部、31V…鉛直部、32…断熱部、33…内壁部、54…断熱材、71…第一片、72…第二片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱及び梁から軸組が構成され、互いに対向する前記柱と、これらの柱の間に設けられた壁本体とを備えた建物の壁構造であって、
この壁本体の建物外側の面が前記柱の建物外側の面に対して壁厚み方向における中心側に形成されるとともに前記壁本体の建物内側の面が前記柱の建物内側の面に対して壁厚み方向の中心側に形成されて前記柱及び前記梁が露出され、前記壁本体の内部には通気層が上下に伸びて設けられていることを特徴とする建物の壁構造。
【請求項2】
請求項1に記載された建物の壁構造において、
前記通気層の上下端部に連通する開口が前記壁本体の建物外側の面にそれぞれ形成され、
前記通気層は前記開口と連続し略水平に形成される水平部と、この水平部に略直角に折れ曲がって形成され上下に延びる鉛直部とを備え、前記水平部には止水部材が設けられていることを特徴とする建物の壁構造。
【請求項3】
請求項2に記載された建物の壁構造において、
前記止水部材は、前記壁本体の端部に一部が埋設され残りが前記梁側に向けて延びた第一片と、この第一片に一端部が接合され他端部が建物外側に向けて延びた第二片とを有し、前記梁の前記止水部材に対向する部位が切り欠かれて前記水平部と連通する凹部空間が形成されることを特徴とする建物の壁構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−90591(P2010−90591A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260779(P2008−260779)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【出願人】(508301881)財団法人住宅都市工学研究所 (2)
【Fターム(参考)】