説明

建設機械の旋回軸受、及びその組立方法

【課題】外輪と内輪との間に形成される環状空間部における転動体の位置決め作業を不要とすることができると共に、比較的簡単にプラスチックグリースを作製できる。
【解決手段】油圧ショベルに備えられ、外輪8と内輪9との間に形成される環状空間部10に複数の鋼球11と、これらの鋼球11に接触するプラスチックグリース12とを収容させるものにあって、環状空間部10に、所定数の鋼球11とプラスチックグリース12とを一体に形成して成る長尺体13を、複数本繋げて配置した構成にしてある。外輪8は、環状空間部10に連通し、長尺体13のそれぞれを1本ずつ挿入可能にさせる案内孔15を有している。また、案内孔15を閉塞する栓16と、この栓16を外輪8に固定するピン17を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の建設機械に備えられ、外輪と内輪との間に、複数の転動体と、これらの転動体に接触するプラスチックグリースとを収容させるようにした建設機械の旋回軸受、及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として特許文献1に示されるものがある。この従来技術は、外輪と内輪との間に形成される環状空間部に複数の転動体を収容させ、転動体保持器によってこれらの転動体を所定の間隔に位置決めし、この状態において、環状空間部内にプラスチックグリースの原料を充填し、外輪と内輪を含む全体を加熱炉に入れ、これらの外輪と内輪とに施される熱処理の焼戻し工程における焼戻し温度を利用して、プラスチックグリースを硬質ゴム程度の硬さに固化させるようにしたものである。
【0003】
このように構成されたものでは、プラスチックグリースが固形であるので、内部から油が滲み出るように作用する。これによって、長期間にわたって良好な潤滑状態を確保できる。したがって、グリースの補給が不要となる。
【特許文献1】特開2003−214446公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、環状空間部内における転動体の煩雑な位置決め作業が必要となると共に、プラスチックグリースを固形にするために、外輪、内輪を含む全体を大きな加熱炉に収容させなければならないことから、プラスチックグリースの作製作業が大掛かりとなる。このために、旋回軸受の製作作業の能率向上を見込み難い問題があった。
【0005】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、外輪と内輪との間に形成される環状空間部における転動体の位置決め作業を不要とすることができると共に、比較的簡単にプラスチックグリースを作製できる建設機械の旋回軸受、及びその組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の建設機械の旋回軸受は、建設機械に備えられ、外輪と内輪との間に形成される環状空間部に複数の転動体と、これらの転動体に接触するプラスチックグリースとを収容させた建設機械の旋回軸受において、上記環状空間部に、所定数の上記転動体と上記プラスチックグリースとを一体に形成して成る長尺体を、複数本繋げて配置したことを特徴としている。
【0007】
このように構成した本発明の旋回軸受は、環状空間部に配置される複数本の長尺体のそれぞれが、環状空間部に収容させる以前の工程で作製される。その工程において作製される長尺体のそれぞれは、環状空間部の全周の長さに比べて短く設定されることから、それぞれの長尺体を作製する際の転動体の位置決めが容易となる。すなわち、各長尺体は、環状空間部に収容させる以前の工程で転動体の位置決めが既になされているので、環状空間部における転動体の位置決め作業を必要とすることがない。また、上述のように長尺体のそれぞれの長さが比較的短いことから、小型の加熱炉を用いて固形のプラスチックグリースとすることができ、このプラスチックグリースの作製が簡単である。
【0008】
また本発明は、上記発明において、上記外輪が、上記環状空間部に連通し、上記長尺体のそれぞれを1本ずつ挿入可能にさせる案内孔を有することを特徴としている。
【0009】
また本発明は、上記発明において、上記案内孔を閉塞する栓と、この栓を上記外輪に固定する固定手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
また本発明は、上記発明において、上記外輪が、上記案内孔の縁部に、上記栓の上記環状空間部方向への移動を規制するストッパを備えたことを特徴としている。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明の建設機械の旋回軸受の組立方法は、外輪と内輪との間に形成される環状空間部に、複数の転動体と、これらの転動体に接触するプラスチックグリースとを配置させる建設機械の組立方法において、あらかじめ所定の複数の上記転動体と、上記プラスチックグリースとを一体に形成して成る複数本の、それぞれ上記環状空間部の全周の長さよりも短い長尺体を用意し、これらの複数本の長尺体を1本ずつ上記環状空間部に挿入させて繋ぐことを特徴としている。
【0012】
このように構成した本発明の旋回軸受の組立方法も、あらかじめ用意される長尺体のそれぞれは、上述したように、環状空間部の全周の長さに比べて短く設定されることから、それぞれの長尺体を作製する際の転動体の位置決めが容易となる。すなわち、各長尺体は、環状空間部に収容させる以前の工程で転動体の位置決めが既になされているので、環状空間部における転動体の位置決め作業を必要とすることがない。また、上述のように長尺体のそれぞれの長さが比較的短いことから、小型の加熱炉を用いて固形のプラスチックグリースとすることができ、このプラスチックグリースの作製が簡単である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、外輪と内輪との間に形成される環状空間部における転動体の位置決め作業を不要とすることができると共に、比較的簡単にプラスチックグリースを作製でき、これらにより従来に比べて旋回軸受の製作作業の能率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下,本発明に係る建設機械の旋回軸受、及びその組立方法を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【0015】
[本発明が適用される建設機械]
図1は本発明の旋回軸受の一実施形態が備えられる建設機械の一例として挙げた油圧ショベルを示す側面図である。
【0016】
この図1に示す油圧ショベルは、走行体1上に旋回体2を備え、走行体1と旋回体2との間を本発明の対象とする旋回軸受3によって接続させてある。なお、旋回体2上には運転室4が配置され、この旋回体2にはブーム5、アーム6、バケット7等を含むフロント作業機が、上下方向の回動可能に装着されている。
【0017】
[本発明の旋回軸受の一実施形態の構成]
図2は本発明の旋回軸受の一実施形態を示す平面図、図3は図2のA−A拡大断面図、図4は本実施形態の要部構成を示す横断面図である。
【0018】
本実施形態の旋回軸受3は、図2に示すように、外輪8と、この外輪8の内側に配置される内輪9とを含んでいる。内輪9は走行体1に固定され、外輪8は旋回体2に固定される。旋回体2に備えられる図示しない旋回装置のギヤが、内輪9の歯9aと噛み合うように配置される。例えば、走行体2を静止状態に保持した場合、旋回体2に備えられる旋回装置を駆動すると、旋回装置のギヤと内輪9の歯9aとの噛み合いを介して、静止状態にある内輪に対して旋回装置が回転し、この旋回装置と一体に旋回体2が旋回し、この旋回体2と一体に外輪8が内輪9の周りに回転するようになっている。
【0019】
本実施形態は特に、図4等に示すように、外輪8と内輪9との間に形成される環状空間部10に、所定数の転動体すなわち鋼球11と、この鋼球11に接触するプラスチックグリース12とを一体に形成して成る長尺体13を、複数本繋げて配置してある。1本の長尺体13の長さは、環状空間部10の全周の長さに比べて十分に短く設定されている。
【0020】
上述したプラスチックグリース12は、超高分子ポリエチレン等の超高分子量ポリオレフィンと潤滑用グリースとの混合物である。すなわち、超高分子量ポリオレフィンと潤滑用グリースとを混合して過熱炉において超高分子量ポリオレフィンの融点温度に加熱した後、冷却して固形化した組成物である。超高分子量ポリオレフィンと潤滑用のグリースとの混合物は、未焼成の状態では潤滑用のグリースと同様に流動状態にあるが、融点温度に加熱して冷却すると、固化する性質を有する。ここで潤滑用のグリースとは狭義のグリースだけを意味するものでなく、種々の合成油及び鉱油や、これらの油の混合体等、旋回軸受の潤滑剤として使用可能な全ての油を包含する。例えば、ポリα−オレフィン油のようなパラフィン系炭化水素油、ナフテン系炭化水素油、ジアルキルジフェニルエーテル油のようなエーテル油、フタル酸エステル油及び鉱油のような種々の油や、これらの何れかの油の混合体を含む。これらのグリース中には、酸化防止剤、錆止め剤、摩擦防止剤等、所望の添加剤、さらには強度を向上させるためのガラス繊維等の添加剤を添加させるようにしてもよい。
【0021】
また本実施形態は、図3に示すように、上述した長尺体13のそれぞれを環状空間部10に収容させた状態にあって、長尺体13のプラスチックグリース12部分の上端及び下端のそれぞれを封止するシール部材14を備えている。
【0022】
さらに本実施形態は、図3,4に示すように外輪8が、環状空間部10に連通し、鋼球11及びプラスチックグリース12を含む長尺体13のそれぞれを、1本ずつ挿入可能にさせる案内孔15を有する。この案内孔15の延設方向は、例えば環状空間部10の接線方向に一致させてある。案内孔15には、この案内孔15を閉塞する栓16を挿入させてあり、この栓16は固定手段、例えば栓16に形成したピン孔、及び外輪8に形成したピン孔29に挿入されるピン17によって固定されている。
【0023】
また図4に示すように、案内孔15の縁部を形成する外輪8の部分には、栓16の環状空間部10方向への移動を規制するストッパ18を形成させてある。
【0024】
[長尺体の作製]
図5は本実施形態に備えられる長尺体を製作する成形型を示す斜視図、図6は図5のB方向から見た図、図7は本実施形態に備えられる長尺体を示す平面図、図8は図7のC部分の拡大斜視図である。
【0025】
上述した長尺体13は、例えば図5に示す成形型20によって作製される。この成形型20は、例えば外輪8、内輪9に対応した曲線形状に形成された外型21、内型22から成り、これらの外型21と内型22との間に鋼球11及びプラスチックグリース12が収容される空間部23が形成されている。成形型20の全長は、上述した外輪8と内輪9との間に形成される環状空間部10の全周の長さの例えば数分の1の長さに設定されている。
【0026】
また例えば、外型21の空間部23を形成する図5の上側の面部には、図6に示すように、破線24で例示する鋼球11の収納用の複数の凹部25と、これらの凹部25間にそれぞれ位置させた凸部26とが形成されている。凹部25は、例えば鋼球11の球面に適合する凹球面に形成されている。鋼球11のそれぞれは、これらの凹部25によって互いに所定の間隔で位置決めされる。なお、図6に示すのと同等の凹部25及び凸部26を、図5に示す外型21の空間部23を形成する下側の面部に形成してもよく、また、内型22の空間部23を形成する上側の面部、あるいは下側の面部に形成してもよい。
【0027】
1本の長尺体13の作製に際しては、所定数の鋼球11を外型21の凹部25のそれぞれに適合するように配置した状態で、外型21と内型22とを互いに密着させる。この状態でプラスチックグリース12の原料を空間部23に充填する。空間部23に充填されたこのプラスチックグリース12の原料に対し漏出防止の処置を施した後、この成形型20を図示しない所定の加熱炉に入れ、上述したように、この加熱炉で超高分子量ポリオレフィンの融点温度以上に加熱する。その後、成形型20を加熱炉から取り出して冷却する。このようにして、図7,8に示すように全体が曲線状を形成する1本の可撓性を有する長尺体13が作製される。この長尺体13の可撓性は、プラスチックグリース12部分によって得られる。以下同様にして、所定の複数本の長尺体13が作製される。
【0028】
なお例えば、図7に示すように、長尺体13のそれぞれは、一端側が鋼球11の1/2部分が露出することによって形成される凸部27から成り、他端側が鋼球11の1/2部分に相応する凹球面を有する凹部28から成っている。
【0029】
[本発明の旋回軸受の組立方法の一実施形態]
図9,10は本発明の旋回軸受の組立方法の一実施形態を説明する図で、図9は長尺体の挿入前の状態を示す要部横断面図、図10は長尺体の挿入時の状態を示す横断面図である。
【0030】
本実施形態は組立てに際し、すなわち鋼球11とプラスチックグリース12とを外輪8と内輪9との間に形成される環状空間部10に収容させるに際し、あらかじめ例えば上述した成形型20を用いて、所定の複数の鋼球11と、プラスチックグリース12とを一体に形成して成る複数本の、それぞれ上述の環状空間部10の全周の長さよりも短い長尺体13を用意しておく。
【0031】
図9に示すように、外輪8の内側に内輪9を配置し、外輪8の案内孔15から栓16を外した状態において、図10に示すように、長尺体13を1本ずつ案内孔15に挿入し、さらに押し込んでこの長尺体13を環状空間部10に挿入する。このように環状空間部10に長尺体13を挿入する際には、例えば長尺体13を図7に示す凸部27を先端に、凹部28を末端に位置させて案内孔15に挿入させた状態において、内輪9を長尺体13の挿入方向に沿う矢印30方向に回転させながら環状空間部10に挿入する。1本目の挿入が終わったら、次の1本の長尺体13を挿入する。順次、このように必要本数の長尺体13を、先行挿入させた長尺体13の末端の凹部28に、次に挿入される長尺体13の凸部27を嵌入させて互いに繋げるように挿入する。必要本数の長尺体13を環状空間部10に挿入し終えると、挿入された長尺体13の合計の長さが、環状空間部10の全周の長さに等しくなり、長尺体13の挿入作業が完了する。
【0032】
次に、前述した図4に示す栓16を案内孔15に、ストッパ18に当るまで挿入する。例えば、この状態で、外輪8の上面から栓16を貫通するキリ穴をあけて外輪8にピン穴29を形成する。ここで、図4に示すように、ピン穴29にピン17を挿入する。これによって栓16が、外輪8から離脱しないように係止される。
【0033】
なお、このように環状空間部10に複数本の長尺体13が収容された状態で、図3に示したシール部材14が取付けられ、旋回軸受3の組立て作業が終了する。
【0034】
[本発明の旋回軸受、及びその組立方法の一実施形態による効果]
上述した本発明の旋回軸受3、及びその組立方法の一実施形態によれば、外輪8と内輪9との間に形成される環状空間部10に収容させる以前に作製される複数本の長尺体13のそれぞれは、環状空間部10の全周の長さに比べて短く設定されることから、それぞれの長尺体13を作製する際の鋼球11の位置決めが容易である。特に、成形型20の例えば外型21に形成した凹部25のそれぞれに鋼球11を配置するだけで、この鋼球11を容易に位置決めすることができる。
【0035】
すなわち、各長尺体13は、環状空間部10に収容させる以前において鋼球11の位置決めが既になされているので、環状空間部10における鋼球11の位置決め作業を不要とすることができる。また、長尺体13のそれぞれの長さは比較的短いことから、小型の加熱炉を用いて固形のプラスチックグリース12にすることができ、このプラスチックグリース12の作製を比較的簡単におこなうことができる。
【0036】
以上のように、環状空間部10内における鋼球11の煩雑な位置決め作業が不要になること、プラスチックグリース作製作業が簡単になることにより、この旋回軸受3の製作作業能率を向上させることができる。
【0037】
また、案内孔15の延設方向を環状空間部10の接線方向に一致させてあるので、長尺体13の環状空間部10への挿入が容易である。
【0038】
また、案内孔15の縁部に栓17の環状空間部10方向への移動を規制するストッパ18を設けたことから、栓17を案内孔15に挿入させた際に、栓17が環状案内部10に入り込むことがない。これによって、環状案内部10に配置された長尺体13の鋼球11の転動動作を安定しておこなわせることができる。
【0039】
また、長尺体13のそれぞれは、図7に示すように、一端に鋼球11を1/2露出させて成る凸部27を有し、他端に鋼球11に適合する凹球面から成る凹部28を有することから、複数本の長尺体13それぞれの凸部27を隣接される長尺体13の凹部28に嵌入させることによって複数本の長尺体13を安定して連結できる。
【0040】
また、長尺体13を環状空間部10に挿入させるに際し、内輪9を長尺体13の挿入方向に沿う方向に回転させることにより、長尺体13と内輪9との間の摩擦力を利用して、長尺体13を環状空間部10に引き込むことができ、長尺体13の環状空間部10内への挿入作業能率を向上させることができる。
【0041】
[別の実施形態]
なお上記実施形態では、成形型20によって長尺体13を曲線状に形成したが、直線状に形成してもよい。この長尺体13は、プラスチックグリース12部分によって可撓性を有するので、直線状に形成した場合でも案内孔15を介して撓めながら環状空間部10に挿入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の旋回軸受の一実施形態が備えられる建設機械の一例として挙げた油圧ショベルを示す側面図である。
【図2】本発明の旋回軸受の一実施形態を示す平面図である。
【図3】図2のA−A拡大断面図である。
【図4】本実施形態の要部構成を示す横断面図である。
【図5】本実施形態に備えられる長尺体を製作する成形型を示す斜視図である。
【図6】図5のB方向から見た図である。
【図7】本実施形態に備えられる長尺体を示す平面図である。
【図8】図7のC部分の拡大斜視図である。
【図9】本発明の旋回軸受の組立方法の一実施形態を説明する図で、長尺体の挿入前の状態を示す要部横断面図である。
【図10】本発明の旋回軸受の組立方法の一実施形態を示す図で、長尺体の挿入時の状態を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 走行体
2 旋回体
3 旋回軸受
4 運転室
5 ブーム
6 アーム
7 バケット
8 外輪
9 内輪
9a 歯
10 環状空間部
11 鋼球(転動体)
12 プラスチックグリース
13 長尺体
14 シール部材
15 案内孔
16 栓
17 ピン(固定手段)
18 ストッパ
20 成形型
21 外型
22 内型
23 空間部
24 破線
25 凹部
26 凸部
27 凸部
28 凹部
29 ピン穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械に備えられ、外輪と内輪との間に形成される環状空間部に複数の転動体と、これらの転動体に接触するプラスチックグリースとを収容させた建設機械の旋回軸受において、
上記環状空間部に、所定数の上記転動体と上記プラスチックグリースとを一体に形成して成る長尺体を、複数本繋げて配置したことを特徴とする建設機械の旋回軸受。
【請求項2】
上記請求項1記載の発明において、
上記外輪が、上記環状空間部に連通し、上記長尺体のそれぞれを1本ずつ挿入可能にさせる案内孔を有することを特徴とする建設機械の旋回軸受。
【請求項3】
上記請求項2記載の発明において、
上記案内孔を閉塞する栓と、この栓を上記外輪に固定する固定手段とを備えたことを特徴とする建設機械の旋回軸受。
【請求項4】
上記請求項2記載の発明において、
上記外輪が、上記案内孔の縁部に、上記栓の上記環状空間部方向への移動を規制するストッパを備えたことを特徴とする建設機械の旋回軸受。
【請求項5】
外輪と内輪との間に形成される環状空間部に、複数の転動体と、これらの転動体に接触するプラスチックグリースとを配置させる建設機械の旋回軸受の組立方法において、
あらかじめ所定の複数の上記転動体と、上記プラスチックグリースとを一体に形成して成る複数本の、それぞれ上記環状空間部の全周の長さよりも短い長尺体を用意し、
これらの複数本の長尺体を1本ずつ上記環状空間部に挿入させて繋ぐことを特徴とする建設機械の旋回軸受の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−22851(P2006−22851A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199428(P2004−199428)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】