説明

建設機械の油圧回路及びその制御方法

【課題】油圧が急激に変動することを抑制すること。
【解決手段】コントロールバルブ103の作動位置が連通位置X2から中立位置X1に戻された場合、コントローラ204が、供給路107内の油圧の低下に応じてアンロードバルブ123から排出される圧油の流量を増加させるようにアンロードバルブ123の流量を制御する。これにより、アンロードバルブ123において油圧が急激に低下することを抑制できるので、キャビテーションによってアンロードバルブ123が摩耗、若しくは破損することを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の油圧回路及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械の油圧回路は、可変容量型の油圧ポンプ(以下、油圧ポンプと略記)の容量を制御する方式の違いによって、オープンセンタ方式の油圧回路とクローズドセンタ方式の油圧回路とに大別される。オープンセンタ方式の油圧回路とは、油圧シリンダへの圧油の供給方向を切り替える方向制御弁の作動位置が中立位置にある時に、油圧ポンプから吐出される圧油をタンクに排出する中立回路を備え、この中立回路を流れる圧油の流量に基づいて油圧ポンプの容量を制御するものである。一方、クローズドセンタ方式の油圧回路とは、上述の中立回路を備えずに油圧シリンダの負荷圧に基づいて油圧ポンプの容量を制御するものである。
【0003】
クローズドセンタ方式の油圧回路は、方向制御弁の作動位置が中立位置にある時に油圧ポンプから吐出される圧油をタンクに排出する中立回路を備えていない。しかし、建設機械の油圧回路に使用される油圧ポンプは、圧油を全く吐出しない零容量に制御できるものが無いわけではないが、容量を増やす動作を早くする等の目的のために、最低流量の圧油を常に吐出しているものとなっているのが通例である。このため、クローズドセンタ方式の油圧回路には、方向制御弁の作動位置が中立位置にある時に油圧ポンプから吐出される圧油をタンクに排出するためのアンロードバルブが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−209409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のクローズドセンタ方式の油圧回路では、作業機レバーが操作されているのにも係わらず油圧シリンダのストローク量が変動しない場合、油圧ポンプから吐出された圧油が供給路内を流れなくなるために、供給路内の油圧は高圧状態になる。そして、このような状態において作業機レバーの操作位置が中立位置に戻された場合、つまり方向制御弁の作動位置が中立位置に戻された場合、従来のクローズドセンタ方式の油圧回路では、アンロードバルブが閉状態から開状態に切り替わることによって、高圧状態の圧油がアンロードバルブを介してタンクに排出される。
【0006】
しかしながら、従来のクローズドセンタ方式の油圧回路では、アンロードバルブは、方向制御弁の作動位置が中立位置に戻されたタイミングで瞬時に閉状態から開状態に切り替わるために、油圧が高圧状態から急激に低下することによって、キャビテーションが発生する恐れがあった。キャビテーションの発生は、それが発生した管路(油圧ポンプから方向制御弁までの管路等)やアンロードバルブの摩耗、若しくは破損を招く可能性がある。このため、供給路内の油圧が高圧状態にある時に方向制御弁の作動位置が中立位置に戻された場合に生じる急激な油圧変動を抑制することによって、それが発生した管路やアンロードバルブの摩耗や破損を抑制可能なクローズドセンタ方式の油圧回路の提供が望まれている。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、供給路内の油圧が高圧状態にある時に方向制御弁の作動位置が中立位置に戻された場合の急激な油圧変動を抑制可能な建設機械の油圧回路及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る建設機械の油圧回路は、油圧ポンプと、供給路を介して油圧ポンプから供給された圧油によって駆動するアクチュエータと、供給路に設けられ、油圧ポンプからアクチュエータへの圧油の供給を停止する中立位置と、油圧ポンプからアクチュエータへ圧油を供給する連通位置と、の間で作動位置が切り替えられるクローズドセンタ型の方向制御弁と、アクチュエータと方向制御弁との間の供給路に設けられ、前記供給路内の圧油を排出可能なアンロードバルブと、方向制御弁の作動位置が連通位置から中立位置に切り替えられた場合、アンロードバルブから排出される圧油の流量が増加するように、アンロードバルブから排出される圧油の流量を制御する制御手段と、を備える。
【0009】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る建設機械の油圧回路の制御方法は、油圧ポンプと、供給路を介して油圧ポンプから供給された圧油によって駆動するアクチュエータと、供給路に設けられ、油圧ポンプからアクチュエータへの圧油の供給を停止する中立位置と、油圧ポンプからアクチュエータへ圧油を供給する連通位置と、の間で作動位置が切り替えられるクローズドセンタ型の方向制御弁と、前記供給路内の圧油を排出可能なアンロードバルブと、を備える建設機械の油圧回路の制御方法であって、方向制御弁の作動位置が連通位置から中立位置に切り替えられた場合、アンロードバルブから排出される圧油の流量が増加するように、アンロードバルブから排出される圧油の流量を制御するステップを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る建設機械の油圧回路及びその制御方法によれば、方向制御弁の作動位置が連通位置から中立位置に切り替えられた場合、アンロードバルブから排出される圧油の流量を増加させるので、油圧が急激に変動することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態であるホイールローダの全体構成を示す側面概略構成図である。
【図2】図2は、図1に示すホイールローダの油圧回路の構成を示す回路図である。
【図3】図3は、リフトシリンダがストロークエンド位置にある時の油圧回路の状態を示す回路図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態である油圧変動抑制処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図5は、図4に示す油圧変動抑制処理に伴う電磁弁の開閉状態、ボトム圧、パイロット圧、及び供給路内の油圧の変化を示すタイミングチャートである。
【図6】図6は、スローリターンバルブによってパイロット圧を制御した場合のパイロット圧の時間変化を示すである。
【図7】図7は、図2に示す油圧回路の一変形例の構成を示す回路図である。
【図8】図8は、図7に示す油圧回路において油圧変動抑制処理を実行する際のアンロードバルブの開閉状態、ボトム圧、及び供給路内の油圧の変化を示すタイミングチャートである。
【図9】図9は、図2に示す油圧回路の一変形例の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態であるホイールローダの構成について説明する。
【0013】
〔ホイールローダの全体構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態であるホイールローダの全体構成について説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態であるホイールローダの全体構成を示す側面概略構成図である。図1に示すように、本発明の一実施形態であるホイールローダ1は、作業機2,フレーム部3,及び車体4を備える。
【0015】
作業機2は、リフトアーム5を備える。リフトアーム5は、基端部を揺動自在にしてフレーム部3に取り付けられている。フレーム部3とリフトアーム5とは、一対のリフトシリンダ6によって連結されている。リフトアーム5は、オペレータによる作業機レバーの操作に応じてリフトシリンダ6が伸縮することによって、揺動する。また、リフトアーム5には、先端部にバケット7が、略中央部にベルクランク8が揺動自在に取り付けられている。
【0016】
ベルクランク8の一端部とフレーム部3とは、チルトシリンダ9によって連結されている。ベルクランク8の他端部とバケット7とは、チルトロッド10によって連結されている。バケット7は、オペレータによる作業機レバーの操作に応じてチルトシリンダ9が伸縮することによって、揺動する。
【0017】
車体4には、ホイールローダ1を走行させるための走行装置と、走行装置に駆動出力を供給するエンジン11とが搭載されている。走行装置は、PTO機構13,図示しないトルクコンバータ,前後進切替及び複数段の変速段切替が可能な変速機14,分配機15,及び前輪16と後輪17とを駆動する減速機18を備える。エンジン11の駆動出力は、PTO機構13,図示しないトルクコンバータ,及び変速機14を順に介して分配機15に伝達され、分配機15によって前輪16及び後輪17側の減速機18に分配される。減速機18は、分配機15によって分配されたエンジン11の駆動出力を駆動輪(前輪16及び後輪17)に伝達する。
【0018】
車体4には、また、図示しないコントロールバルブを介してリフトシリンダ6とチルトシリンダ9とに作動油を供給する可変容量型の油圧ポンプ20が搭載されている。油圧ポンプ20は、PTO機構13を介してエンジン11に連結され、エンジン11の駆動出力の一部を使って駆動される。車体4の上部には、運転室21が設けられている。運転室21内には、運転者によって操作される変速機シフトレバー,アクセルペダル,ブレーキペダル,及び作業機2を操作するための作業機レバー等を含む運転操作装置22が設けられている。運転者は、運転操作装置22を操作することにより、ホイールローダ1の前後進切替,走行速度の調節,及び作業機2の操作を行うことができる。
【0019】
〔油圧回路の構成〕
次に、図2を参照して、ホイールローダ1の油圧回路の構成について説明する。
【0020】
図2は、ホイールローダ1の油圧回路の構成を示す回路図である。図2に示すように、油圧回路100は、油圧ポンプ20と、作動油タンク101と、コントロールバルブ103と、を備える。
【0021】
油圧ポンプ20の容量制御ピストン20bには、シャトル弁104を介して斜板制御バルブ105が接続されている。斜板制御バルブ105は、電気制御バルブ106による制御に従って、容量制御ピストン20bに供給する圧油の流量を制御する。容量制御ピストン20bは、斜板制御バルブ105から供給された圧油に従って油圧ポンプ20の斜板20aの傾斜角を最大傾斜角と最小傾斜角との間で制御することによって、油圧ポンプ20の容量を制御する。
【0022】
油圧ポンプ20の吐出口とコントロールバルブ103とは、チェック弁107を介して供給路108によって接続されている。チェック弁107は、コントロールバルブ103側から油圧ポンプ20側への圧油の流れを規制する。コントロールバルブ103は、4ポート3位置のクローズドセンタ方式の方向制御弁により構成されている。コントロールバルブ103の第1ポートは、供給路108に接続され、第2ポートは、作動油タンク101に連通している。コントロールバルブ103の第3ポートは、供給路109を介してリフトシリンダ6のボトム室6aに接続され、第4ポートは、供給路110を介してリフトシリンダ6のヘッド室6bに接続されている。
【0023】
コントロールバルブ103は、作動位置が中立位置X1にある時には、油圧ポンプ20からリフトシリンダ6への圧油の供給を停止する。コントロールバルブ103は、作動位置が連通位置X2にある時には、供給路109を介して油圧ポンプ20から吐出された圧油をリフトシリンダ6のボトム室6aに供給する。コントロールバルブ103は、作動位置が連通位置X3にある時には、供給路110を介して油圧ポンプ20から吐出された圧油をリフトシリンダ6のヘッド室6bに供給する。なお、実際の油圧回路においては、リフトシリンダ6とチルトシリンダ9とにそれぞれ別個のコントロールバルブが接続され、これらのコントロールバルブが並列に油圧ポンプ20に接続されているが、図2では、説明を簡単にするためにリフトシリンダ6についてのみ図示している。
【0024】
供給路109及び供給路110にはそれぞれ、パイロットチェック弁111及びパイロットチェック弁112が設けられている。パイロットチェック弁111は、コントロールバルブ103側からリフトシリンダ6のボトム室6a側への圧油の流れを常時許容する。また、パイロットチェック弁111は、パイロット油路113によって導入された供給路110内の油圧が所定圧以上である場合、リフトシリンダ6のボトム室6a側からの圧油の通過を許容する。パイロットチェック弁112は、コントロールバルブ103側からリフトシリンダ6のヘッド室6b側への圧油の流れを常時許容する。また、パイロットチェック弁112は、パイロット油路114によって導入された供給路109内の油圧が所定圧以上である場合、リフトシリンダ6のヘッド室6b側からの圧油の通過を許容する。
【0025】
供給路109には、コントロールバルブ103とパイロットチェック弁111との間にて排出路115が接続され、供給路110には、コントロールバルブ103とパイロットチェック弁112との間にて排出路116が接続されている。排出路115は、チェック弁117と検圧用絞り118とを介して作動油タンク101に連通している。チェック弁117は、作動油タンク101側から供給路109側への圧油の流れを規制する。検圧用絞り118は、リフトシリンダ6の負荷圧に応じた流量(例えば作業機レバーのフル操作時に1〜2[L/min])の圧油を作動油タンク101に排出する。排出路116は、チェック弁119と検出用絞り120とを介して作動油タンク101に連通している。チェック弁119は、作動油タンク101側から供給路110側への圧油の流れを規制する。検圧用絞り120は、リフトシリンダ6の負荷圧に応じた流量(例えば作業機レバーのフル操作時に1〜2[L/min])の圧油を作動油タンク101に排出する。
【0026】
チェック弁117と検圧用絞り118との間の排出路115には、パイロット油路121が接続されている。パイロット油路121は、検圧用絞り118の前後差圧をリフトシリンダ6のボトム室6a側の負荷圧(以下、ボトム圧と略記)P1として取り出す。チェック弁119と検圧用絞り120との間の排出路116には、パイロット油路122が接続されている。パイロット油路122は、検圧用絞り120の前後差圧をリフトシリンダ6のヘッド室6b側の負荷圧(以下、ヘッド圧と略記)P2として取り出す。
【0027】
パイロット油路121及びパイロット油路122はそれぞれ、シャトル弁123の一端側及び他端側に接続されている。シャトル弁123は、パイロット油路121によって取り出されたボトム圧P1とパイロット油路122によって取り出されたヘッド圧P2とのうちで圧力が高い方をパイロット圧としてパイロット油路128に導入する。
【0028】
ところで、供給路108には、排出路124が接続されている。排出路124には、LSバルブ125とアンロードバルブ126が接続されている。LSバルブ125は、シャトル弁104を介して油圧ポンプ20の容量制御ピストン20bに接続されている。LSバルブ125は、パイロット油路128によって導入されたパイロット圧とパイロット油路127によって導入された供給路108内の油圧(ポンプ吐出圧)Ppとの差圧が所定圧に保持されるように、容量制御ピストン20bを介して油圧ポンプ20の容量を制御する。アンロードバルブ126は、パイロット油路128によって導入されたパイロット圧とパイロット油路129によって導入された供給路108内の油圧Ppとの差圧が所定圧ΔP(例えば20[kg/cm])以上である場合、油圧ポンプ20から吐出された圧油を作動油タンク101に排出する。
【0029】
供給路108には、バイパス管路130が接続されている。バイパス管路130は、リリーフバルブ131を介して作動油タンク101に連通している。リリーフバルブ131は、供給路108内の油圧が所定のリリーフ圧力(例えば320[kg/cm])以上である場合に開状態となり、油圧ポンプ20から吐出された圧油を作動油タンク101に排出する。リリーフバルブ131を設けることによって、供給路108における異常圧力上昇を防止し、供給路108内の油圧を所定のリリーフ圧力以下に保持することができる。
【0030】
パイロット油路128には、電磁弁132が設けられている。電磁弁132は、コントローラ204によってその開度が電気的に制御されることにより、パイロット油路128によってアンロードバルブ126に導入されるパイロット圧Pmの大きさを調整する。本実施形態では、電磁弁132の開度は、通常時はコントローラ204によって全開状態に制御され、シャトル弁123によって選択された圧力がパイロット圧Pmとしてアンロードバルブ126に導入される。
【0031】
油圧回路100は、制御系として、圧力センサ201と、ストロークセンサ202と、作業機レバーセンサ203と、コントローラ204と、を備える。圧力センサ201は、供給路108内の油圧Ppを検出し、検出された油圧の大きさを示す電気信号をコントローラ204に入力する。圧力センサ201は、本発明に係る油圧検出手段として機能する。ストローク位置センサ202は、ホールIC等の磁力センサにより構成され、リフトシリンダ6のストローク量を示す電気信号をコントローラ204に入力する。ストローク位置検出センサ202は、本発明に係るストローク量検出手段として機能する。作業機レバーセンサ203は、リフトシリンダ6を動作させるための作業機レバー205の操作位置を検出し、検出された操作位置を示す電気信号をコントローラ204に入力する。作業機レバーセンサ203は、本発明に係る作業機レバー操作位置検出手段として機能する。
【0032】
コントローラ204は、CPU,RAM,ROM,入出力回路等を含むマイクロコンピュータによって実現される。マイクロコンピュータ内のCPUは、ROM内に格納されている制御プログラムをRAM内にロードし、RAM内にロードされた制御プログラムを実行することによって、圧力センサ201,ストロークセンサ202,及び作業機レバーセンサ203から入力される電気信号に従って、油圧ポンプ20,コントロールバルブ103,電気制御バルブ106,及び電磁弁132の動作を制御する。コントローラ204は、本発明に係る制御手段として機能する。
【0033】
なお、コントローラ204のROM内に格納される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM,フレキシブルディスク,CD−R,DVD等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、ROM内に格納されている制御プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることによって提供するように構成してもよい。また、ROM内に格納されている制御プログラムをインターネット等の電気通信回線を介して提供又は配布するように構成してもよい。
【0034】
〔油圧回路の動作〕
次に、図2を参照して、油圧回路100の動作について説明する。
【0035】
オペレータが作業機レバー205を中立位置から上昇方向に操作した場合、コントローラ204は、コントロールバルブ103の作動位置を中立位置X1から連通位置X2に切り替える。作動位置が連通位置X2に切り替えられると、コントロールバルブ103は、供給路109を介して油圧ポンプ20が吐出した圧油をリフトシリンダ6のボトム室6aに供給する。また、この時、リフトシリンダ6のヘッド室6b内の圧油は、ボトム室6aへの圧油の供給に応じて供給路110を介して作動油タンク101に排出される。これにより、リフトシリンダ6のピストン6cは矢印A方向に伸長し、リフトアーム5は上昇する。
【0036】
また逆に、オペレータが作業機レバー205を中立位置から下降方向に操作した場合、コントローラ204は、コントロールバルブ103の作動位置を中立位置X1から連通位置X3に切り替える。作動位置が連通位置X3に切り替えられると、コントロールバルブ103は、供給路110を介して油圧ポンプ20が吐出した圧油をリフトシリンダ6のヘッド室6bに供給する。また、この時、リフトシリンダ6のボトム室6a内の圧油は、ヘッド室6bへの圧油の供給に応じて供給路109を介して作動油タンク101に排出される。これにより、リフトシリンダ6のピストン6cは矢印B方向に縮退し、リフトアーム5は下降する。
【0037】
そして、オペレータが作業機レバー205を中立位置に戻した場合、コントローラ204は、コントロールバルブ103の作動位置を連通位置X2又は連通位置X3から中立位置X1に切り替える。コントロールバルブ103の作動位置が中立位置X1に切り替えられると、コントロールバルブ103は、リフトシリンダ6への圧油の供給を停止する。これにより、リフトシリンダ6の油圧はパイロットチェック弁111,112によって固定され、リフトアーム5の位置は現在位置に保持される。また、パイロットチェック弁111とコントロールバルブ103との間の供給路109内にある圧油とパイロットチェック弁112とコントロールバルブ103との間の供給路110内にある圧油とはそれぞれ、排出路115及び排出路116を介して作動油タンク101に排出される。これにより、アンロードバルブ126に導入されるパイロット圧Pmはゼロとなる。従来のアンロードバルブを用いた油圧回路では、パイロット圧がゼロとなったときに、閉状態から開状態に切り替わり、供給路108内の圧油はアンロードバルブ126を介して作動油タンク101に排出される。
【0038】
〔油圧変動抑制処理〕
このような構成を有する油圧回路100では、図3に示すように、コントロールバルブ103の作動位置が連通位置X2にあり、且つ、リフトシリンダ6のピストン6cがストロークエンド位置にある場合、供給路108,109内の油圧はリリーフ圧に保持される。そして、このような状態においてコントロールバルブ103の作動位置が中立位置X1に戻された場合には、ボトム圧P1及びパイロット圧Pmが急速にゼロとなることによって、供給路108及び排出路124内の高圧状態の圧油がアンロードバルブ126を介して作動油タンク101に一気に排出されるために、急激な油圧変動によってキャビテーションが発生し、発生元の管路やアンロードバルブ126が摩耗、若しくは破損する可能性がある。
【0039】
そこで、この油圧回路100では、コントロールバルブ103の作動位置が連通位置X2にあり、且つ、供給路108,109内の油圧がリリーフ圧である場合において、コントロールバルブ103の作動位置が中立位置X1に戻された場合、コントローラ204が、以下に示す油圧変動抑制処理を実行することによって、急激な油圧変動を抑え、キャビテーションが発生することを抑制する。以下、図4に示すフローチャートを参照して、コントローラ204による油圧変動抑制処理の流れについて説明する。
【0040】
図4は、コントローラ204による油圧変動抑制処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す油圧変動抑制処理は、ホイールローダ1のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられたタイミングで開始となり、ステップS1の処理に進む。なおこの油圧変動抑制処理は、ホイールローダ1のイグニッションスイッチがオン状態である間、所定の制御周期(例えば10[msec])毎に繰り返し実行される。
【0041】
ステップS1の処理では、コントローラ204が、作業機レバーセンサ203から入力される電気信号に基づいて、作業機レバー205が操作されているか否かを判別する。判別の結果、作業機レバー205が操作されている場合、コントローラ204は、油圧変動抑制処理をステップS2の処理に進める。一方、作業機レバー205が操作されていない場合には、コントローラ204は、油圧変動抑制処理を終了する。
【0042】
ステップS2の処理では、コントローラ204が、ストロークセンサ202から入力される電気信号に基づいて、リフトシリンダ6のストローク量に変動があるか否かを判別する。判別の結果、リフトシリンダ6のストローク量に変動がある場合、コントローラ204は、供給路108内の油圧はリリーフ圧になっていないと判断し、油圧変動抑制処理を終了する。一方、リフトシリンダ6のストローク量に変動がない場合には、コントローラ204は、供給路108内の油圧がリリーフ圧になっていると判断し、油圧変動抑制処理をステップS3の処理に進める。
【0043】
本実施形態では、コントローラ204は、作業機レバー205が操作状態にあり、且つ、リフトシリンダ6のストローク量に変動がない場合、供給路108内の油圧がリリーフ圧になっていると判断したが、圧力センサ201から入力される電気信号に基づいて供給路108内の油圧がリリーフ圧になっているか否かを判別してもよい。また、リフトシリンダ6のストローク量に変動がない場合としては、リフトシリンダ6がストロークエンド位置にある場合以外に、作業負荷によってリフトシリンダ6のピストン6cが停止している場合が考えられる。
【0044】
ステップS3の処理では、コントローラ204が、作業機レバーセンサ203から入力される電気信号に基づいて、作業機レバー205の操作位置が中立位置に切り替わったか否かを判別する。判別の結果、作業機レバー205の操作位置が中立位置に切り替わった場合、コントローラ204は、急激な油圧変動によってキャビテーションが発生する可能性があると判断し、油圧変動抑制処理をステップS4の処理に進める。一方、作業機レバー205の操作位置が中立位置に切り替わっていない場合には、コントローラ204は、急激な油圧変動によってキャビテーションが発生する可能性はないと判断し、油圧変動抑制処理を終了する。
【0045】
ステップS4の処理では、コントローラ204が、供給路108内の油圧の低下に応じてアンロードバルブ126から排出される圧油の流量が増加するようにアンロードバルブ126を緩やかに開放させることによって、急激な油圧変動を抑制しながら供給路108内の圧油を作動油タンク101に排出する。これにより、ステップS4の処理は完了し、油圧変動抑制処理は終了する。
【0046】
ここで、図5に示すタイミングチャートを参照して、この油圧変動抑制処理についてさらに詳しく説明する。図5は、油圧変動抑制処理に伴う電磁弁132の開閉状態、ボトム圧P1、パイロット圧Pm、及び供給路108内の油圧Ppの変化を示すタイミングチャートである。
【0047】
図5(a)に示すように、時間T=T1においてコントロールバルブ103の作動位置が中立位置X1から連通位置X2に切り替えられると、図5(c)、(d)、(e)に示すように、ボトム圧P1、パイロット圧Pm、及び供給路108内の油圧Ppは上昇する。そして、リフトシリンダ6のピストン6cがストロークエンド位置に達すると、ボトム圧P1、パイロット圧Pm、及び供給路108内の油圧Ppはリリーフ圧に保持される。
【0048】
次に、ボトム圧P1、パイロット圧Pm、及び供給路108内の油圧Ppがリリーフ圧に保持されている状態にある時に、図5(a)に示すように、時間T=T2においてコントロールバルブ103の作動位置が連通位置X2から中立位置X1に切り替えられると、コントローラ204は、図5(b)に示すように、電磁弁132の開度を全閉状態近くまで絞った後、コントロールバルブ103の作動位置が中立位置X1に切り替えられてからの経過時間に応じて電磁弁132の開度を増加させる。
【0049】
このような電磁弁132の開度制御によれば、図5(c)に示すように、ボトム圧P1は時間T=T2において急激に低下するのに対して、図5(d)に示すように、アンロードバルブ126に導入されるパイロット圧Pmは緩やかに低下するようになる。そして、アンロードバルブ126は、パイロット圧Pmと供給路108内の油圧Ppとの差圧が所定圧ΔP以上になった時間T=T3において供給路108及び排出路124内の圧油の排出を開始し、アンロードバルブ126から排出される圧油の流量は、電磁弁132の開度の増加に応じて緩やかに増加する。これにより、図5(e)に示すように、供給路108内の油圧Ppは緩やかに低下するようになり、油圧の急激な変動によってキャビテーションが発生することを抑制できる。
【0050】
なお、コントローラ204は、圧力センサ201により検出された供給路108内の油圧Ppが所定圧以下になったタイミングで、アンロードバルブ126を全開状態にしても急激な油圧変動が発生する可能性はないと判断し、アンロードバルブ126を直ちに全開状態に制御するようにしてもよい。また、コントローラ204は、時間T=T2において電磁弁132の開度を全閉状態近くまで絞ったが、電磁弁132を完全に閉じてもよい。
【0051】
以上の説明から明らかなように、本発明の一実施形態となる油圧変動抑制処理では、コントロールバルブ103の作動位置が連通位置X2にあり、且つ、供給路108内の油圧がリリーフ圧である場合において、コントロールバルブ103の作動位置が中立位置X1に戻された場合、コントローラ204が、電磁弁132の開度を全閉状態近くまで絞った後、コントロールバルブ103の作動位置が中立位置X1に切り替えられてからの経過時間に応じて電磁弁132の開度を増加させることにより、アンロードバルブ126に導入されるパイロット圧Pmを緩やかに低下させる。そして、アンロードバルブ126は、パイロット圧Pmと供給路108内の油圧Ppとの差圧が所定圧ΔP以上になったタイミングで供給路108及び排出路124内の圧油の排出を開始し、アンロードバルブ126から排出される圧油の流量は電磁弁132の開度の増加に応じて緩やかに増加する。従って、このような油圧変動抑制処理によれば、アンロードバルブ126において油圧が急激に低下することを抑制できるので、キャビテーションによって供給路108及び排出路124やアンロードバルブ126が摩耗、若しくは破損することを抑制できる。
【0052】
なお、アンロードバルブ126に導入されるパイロット圧Pmを緩やかに低下させるために、パイロット油路128に電磁弁132ではなくスローリターンバルブを設ける方法も考えられる。しかしながら、スローリターンバルブを設けた時には、以下のような不具合が発生する可能性がある。すなわち、スローリターンバルブは、図6に示すように、前後差圧Pが高圧Pである場合には、緩やかに開放状態となることによって、パイロット圧Pmを緩やかに低下させることができる。
【0053】
しかしながら、前後差圧が低圧Pである場合には、スローリターンバルブは、一旦高圧状態Pを経由した後に開放状態となる可能性がある。従って、スローリターンバルブを設けた時には、供給路108内の圧油が低圧状態でない場合において、作業機レバー205の操作位置が中立位置に戻された場合、高圧状態Pを経由する時間T−T分だけ供給路108内の圧油を速やかに作動油タンク101に排出することができない。また、パイロット圧Pmが一旦高圧状態Pになることによって油圧脈動が生じる可能性もある。従って、油圧制御の応答性の低下や油圧脈動の発生を抑制するために、パイロット油路128には、スローリターンバルブではなく電磁弁132を設けることが望ましい。
【0054】
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば、本実施形態では、アンロードバルブ126にパイロット圧を導入するパイロット油路128に電磁弁132を設けることによって、アンロードバルブ126から排出される圧油の流量を制御したが、図7に示すように、アンロードバルブ126を電磁弁により構成し、コントローラ204がアンロードバルブ126自体の開度を直接的に制御することによりアンロードバルブ126から排出される圧油の流量を制御するようにしても良い。このような構成によれば、パイロット油路128に電磁弁132を設ける必要がないので、油圧回路の構成を簡素化することができる。
【0055】
但し、アンロードバルブ126を電磁弁により構成した場合には、コントローラ204は、油圧変動抑制処理の際にアンロードバルブ126の開度を以下のように制御する。以下、図8を参照して、アンロードバルブ126を電磁弁により構成した場合におけるアンロードバルブ126の開度制御について説明する。
【0056】
図8は、油圧変動抑制処理に伴うアンロードバルブ126の開閉状態、ボトム圧P1、及び供給路108内の油圧Ppの変化を示すタイミングチャートである。図8(a)に示すように、時間T=T1においてコントロールバルブ103の作動位置が中立位置X1から連通位置X2に切り替えられると、コントローラ204は、図8(b)に示すように、アンロードバルブ126を全開状態から全閉状態に制御する。これにより、図8(c)、(d)に示すように、ボトム圧P1及び供給路108内の油圧Ppは上昇し、リフトシリンダ6のピストン6cがストロークエンド位置に達すると、ボトム圧P1及び供給路108内の油圧Ppはリリーフ圧に保持される。
【0057】
次に、ボトム圧P1及び供給路108内の油圧Ppがリリーフ圧に保持されている状態にある時に、図8(a)に示すように、時間T=T2においてコントロールバルブ103の作動位置が連通位置X2から中立位置X1に切り替えられると、コントローラ204は、図8(b)に示すように、圧力センサ201によって検出される供給路108内の油圧Ppに応じてアンロードバルブ126の開度を増加させる。このようなアンロードバルブ126の開度制御によれば、図8(c)に示すように、ボトム圧P1は時間T=T2において急激に低下するのに対して、図8(d)に示すように、供給路108内の油圧Ppは緩やかに低下するようになるので、油圧の急激な変動によってキャビテーションが発生することを抑制できる。
【0058】
なお、コントローラ204は、供給路108内の油圧Ppに応じてアンロードバルブ126の開度を増加させたが、コントロールバルブ103の作動位置が中立位置X1に切り替えられてからの経過時間に応じてアンロードバルブ126の開度を増加させてもよい。また、コントローラ204は、圧力センサ201により検出された供給路108内の油圧Ppが所定圧以下になったタイミングで、アンロードバルブ126を全開状態にしても急激な油圧変動が発生する可能性はないと判断し、アンロードバルブ126を直ちに全開状態に制御するようにしてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、リリーフバルブ131を設けることによって供給路108を流れる油圧を所定のリリーフ圧力以下に保持したが、アンロードバルブ126の開度を制御することによって供給路108内の油圧を所定のリリーフ圧力以下に保持するようにしてもよい。このような構成によれば、図9に示すように、パイパス管路130やリリーフバルブ131を設ける必要がなくなるので、油圧回路の構成をより簡素化することができる。また、本実施形態は、本発明をリフトシリンダ6の油圧回路に適用したものであるが、本発明は本実施形態に限定されることはなく、チルトシリンダ9の油圧回路に対しても適用することができる。また、本実施形態の油圧変動抑制処理は、供給路108,109内の油圧がリリーフ圧(高圧)である状態におけるものであるが、油圧変動抑制処理を実行する条件は供給路108,109内の油圧がリリーフ圧である時に限定されることはなく、供給路108,109内の油圧が中程度の圧力以上である時や供給路108,109内の油圧に関係なく油圧変動抑制処理を実行してもよい。このように、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例、及び運用技術等は、全て本発明の範疇に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、方向制御弁の作動位置が中立位置にある時に油圧ポンプから吐出される圧油をタンクに排出するアンロードバルブを備える建設機械の油圧回路に適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 ホイールローダ
6 リフトシリンダ
6a ボトム室
6b ヘッド室
6c ピストン
20 油圧ポンプ
100 油圧ポンプ
101 作動油タンク
103 コントロールバルブ
108,109,110 供給路
115,116,124 排出路
118,120 検圧用絞り
113,114,121,122,127,128,129 パイロット油路
125 LSバルブ
126 アンロードバルブ
132 電磁弁
201 圧力センサ
202 ストロークセンサ
203 作業機レバーセンサ
204 コントローラ
205 作業機レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ポンプと、
供給路を介して前記油圧ポンプから供給された圧油によって駆動するアクチュエータと、
前記供給路に設けられ、前記油圧ポンプから前記アクチュエータへの圧油の供給を停止する中立位置と、前記油圧ポンプから前記アクチュエータへ圧油を供給する連通位置と、の間で作動位置が切り替えられるクローズドセンタ型の方向制御弁と、
前記供給路内の圧油を排出可能なアンロードバルブと、
前記方向制御弁の作動位置が連通位置から中立位置に切り替えられた場合、前記アンロードバルブから排出される圧油の流量が増加するように、前記アンロードバルブから排出される圧油の流量を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする建設機械の油圧回路。
【請求項2】
前記アクチュエータと前記方向制御弁との間の前記供給路に設けられ、検圧用絞りを介して検圧用絞りの前後差圧に応じた流量の圧油を排出する排出路と、
前記検圧用絞りの前後差圧をパイロット圧として取り出すパイロット油路と、
前記パイロット油路に設けられ、前記アンロードバルブに導入される前記パイロット圧を制御する電磁制御弁と、
を備え、
前記アンロードバルブは、前記供給路内の油圧と前記パイロット油圧から取り出されたパイロット圧との差圧が所定圧以上である場合、前記供給路内の圧油を排出し、
前記制御手段は、前記電磁制御弁の開度を制御することによって前記油圧検出手段によって検出された前記供給路内の油圧の減少又は前記方向制御弁の作動位置が中立位置に切り替えられてからの経過時間に応じて前記電磁制御弁の開度を増加させることにより、前記アンロードバルブから排出される圧油の流量を制御することを特徴とする請求項1に記載の建設機械の油圧回路。
【請求項3】
前記アンロードバルブは電磁制御弁により構成され、前記制御手段は、前記油圧検出手段によって検出された前記供給路内の油圧の減少又は前記方向制御弁の作動位置が中立位置に切り替えられてからの経過時間に応じて前記電磁制御弁の開度を増加させることにより、前記アンロードバルブから排出される圧油の流量を制御することを特徴とする請求項1に記載の建設機械の油圧回路。
【請求項4】
前記制御手段は、前記方向制御弁の作動位置が連通位置にあり、且つ、前記供給路内の油圧が高圧である状態から該方向制御弁の作動位置が中立位置に切り替えられた場合、前記アンロードバルブから排出される圧油の流量が増加するように、前記アンロードバルブから排出される圧油の流量を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の建設機械の油圧回路。
【請求項5】
前記アクチュエータのストローク量を検出するストローク量検出手段を備え、前記制御手段は、前記ストローク量検出手段により検出されたストローク量に変動がない場合、前記供給路内の油圧が高圧状態であると判定することを特徴とする請求項4に記載の建設機械の油圧回路。
【請求項6】
前記アクチュエータのストローク量を検出するストローク量検出手段を備え、前記制御手段は、前記ストローク量検出手段によって検出されたストローク量に基づいてアクチュエータがストロークエンド位置にあるか否かを判別し、アクチュエータがストロークエンド位置にあると判別された場合、前記供給路内の油圧が高圧状態にあると判定することを特徴とする請求項4に記載の建設機械の油圧回路。
【請求項7】
前記アクチュエータにより駆動される作業機を操作する作業機レバーの操作位置を検出する作業機レバー操作位置検出手段を備え、前記制御手段は、作業機レバー操作位置検出手段によって検出された作業機レバーの操作位置に基づいて、前記方向制御弁の作動位置を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1項に記載の建設機械の油圧回路。
【請求項8】
前記制御手段は、前記方向制御弁の作動位置が連通位置にある時に前記供給路内の油圧が所定のリリーフ圧力以上になった場合、前記アンロードバルブの開度を制御することによって前記供給路内の圧油をタンクに排出することを特徴とする請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1項に記載の建設機械の油圧回路。
【請求項9】
油圧ポンプと、供給路を介して前記油圧ポンプから供給された圧油によって駆動するアクチュエータと、前記供給路に設けられ、前記油圧ポンプから前記アクチュエータへの圧油の供給を停止する中立位置と、前記油圧ポンプから前記アクチュエータへ圧油を供給する連通位置と、の間で作動位置が切り替えられるクローズドセンタ型の方向制御弁と、前記供給路内の圧油を排出可能なアンロードバルブと、を備える建設機械の油圧回路の制御方法であって、
前記方向制御弁の作動位置が連通位置から中立位置に切り替えられた場合、前記アンロードバルブから排出される圧油の流量が増加するように、前記アンロードバルブから排出される圧油の流量を制御するステップを含むこと
を特徴とする建設機械の油圧回路の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−149509(P2011−149509A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12027(P2010−12027)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】