説明

建設機械用走行制御装置

【課題】作業機用制御弁の切り換え量に応じて走行直進制御弁4の切り換え量を制御する。
【解決手段】 走行直進制御弁4のパイロット室4aを、第1,2パイロット制御弁22,23を介してパイロット流路30に連通する。そして、第1,2パイロット制御弁22,23は、走行用制御弁1,5を切り換えるパイロット圧で切り換わる一方、上記パイロット流路30には、各作業機用制御弁2,3,6,7を切り換えるパイロット圧のうち、最高圧が導かれるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一対の回路系統を備えた建設機械用走行制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として特許文献1に記載の走行制御装置が従来から知られている。この従来の装置は、第1メインポンプに接続した第1回路系統と、第2メインポンプに接続した第2回路系統とを備えている。そして、第1,2回路系統には、アクチュエータを制御するための複数の制御弁を設けているが、それら制御弁のうちの最上流に位置する制御弁を、走行モータを制御する走行用制御弁とし、この走行用制御弁の下流側の制御弁を、作業機系アクチュエータを制御する作業機用制御弁としている。
【0003】
さらに、上記第2回路系統の上記走行用制御弁のさらに上流側には走行直進制御弁を設けているが、この走行直進制御弁がノーマル位置にあるとき、第1メインポンプは、第1回路系統の走行用制御弁に直接接続されるとともに、このノーマル位置にある走行直進制御弁を介して第1回路系統の作業機用制御弁に接続される。また、第2メインポンプは、ノーマル位置にある走行直進制御弁を介して第2メインポンプおよび第2回路系統の作業機用制御弁に接続される。
【0004】
走行直進制御弁が上記ノーマル位置から切換位置に切り換わると、第1メインポンプは第1回路系統の走行用制御弁に直接接続するとともに、切換位置にある走行直進制御弁を介して第2回路系統の走行用制御弁に接続される。つまり、両走行用制御弁は第1メインポンプに対して並列に接続される。また、第2メインポンプは、切換位置にある走行直進制御弁を介して第1回路系統の作業機用制御弁と第2回路系統の作業機用制御弁とに接続される。つまり、第1,2回路系統の作業機用制御弁は第2メインポンプに対して並列に接続される。
【0005】
したがって、走行直進制御弁が切換位置に切り換わると、両走行用制御弁からなる走行系回路と、第1,2回路系統の作業機用制御弁からなる作業系回路とを分離できるので、1台の第1メインポンプで2台の走行モータを駆動することになる。このようにすることによって、作業機系アクチュエータの作業状況等に応じて、走行モータの駆動が影響されなくなる。
【0006】
そして、上記走行直進制御弁のパイロット室は、上記第1,2メインポンプとは別のパイロットポンプに接続されているが、このパイロットポンプからのパイロット圧は、両走行用制御弁を切り換え、かついずれかの作業機用制御弁を同時に切り換えたときに、走行直進制御弁のパイロット室に作用する構成にしている。つまり、パイロットポンプは、各制御弁に設けたパイロット流路制御部を介してタンクに連通し、これら制御弁が切り換えられたときにこのパイロット流路制御部が閉じてパイロット圧が立つようにしている。
【0007】
ただし、上記パイロット流路制御部には、それに対応する制御弁の切り換え量に応じて開度が制御される絞り部を設け、これら制御弁の切り換え量に応じて、パイロット圧を最小圧よりも大きく最大圧よりも低く制御できるようにしている。そして、走行直進制御弁は、上記パイロット圧に応じてノーマル位置、中間位置および最大切換位置に切り換わるようにしている。
【0008】
また、走行直進制御弁が中間位置にあるときには、走行系回路と作業機系回路とが完全に分離されない状態を保ち、走行系の回路に供給される流体は、走行直進制御弁が最大切換位置にあるときよりも多くなり、その分、スピードダウンも少なくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−013753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のようにした従来の走行制御装置では、走行直進制御弁のパイロット室に作用するパイロット圧は、上記パイロット流路制御部に設けた絞り部の開度に依存しているので、絞り部の開口精度を維持しなければならず、その分、コストアップにつながるという問題があった。
この発明の目的は、作業機用制御弁を切り換えるパイロット圧で走行直進制御弁を制御できるようにして、上記従来の問題を解決した建設機械用走行制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、第1メインポンプに接続した第1回路系統と、第2メインポンプに接続した第2回路系統とを備える。そして、これら第1,2両回路系統にはその最上流にパイロット圧の作用で切り換わる走行用制御弁を設けている。これら走行用制御弁の下流側にパイロット圧の作用で切り換わる複数の作業機用制御弁を接続し、上記第2回路系統の走行用制御弁の上流側に走行直進制御弁を設けている。
【0012】
この走行直進制御弁は、通常走行位置、直進走行位置に切り換え可能になっている。そして、走行直進制御弁が上記通常走行位置にあるとき、第1メインポンプを第1回路系統の走行用制御弁に接続するとともに通常走行位置にある当該走行直進制御弁を介して第1回路系統の作業機用制御弁に接続し、第2メインポンプを通常走行位置にある当該走行直進制御弁を介して第2回路系統に接続する。
【0013】
また、走行直進制御弁が上記直進走行位置にあるとき、両走行用制御弁を第1メインポンプに対して並列に接続し、第1回路系統の作業機用制御弁からなる作業機系回路と第2回路系統の作業機用制御弁からなる作業機系回路とを第2メインポンプに対して並列に接続する構成にしている。
【0014】
上記装置を前提にしつつ、第1の発明の構成は次のとおりである。
走行直進制御弁のパイロット室に対して一対のパイロット制御弁を直列に配置している。そして、走行直進制御弁のパイロット室への流れに対して上流側となる一方のパイロット制御弁のパイロット室を一方の走行用制御弁のパイロット室に接続したパイロット流路に接続している。また、走行直進制御弁のパイロット室への流れに対して下流側になる他方のパイロット制御弁のパイロット室を他方の走行用制御弁のパイロット室に接続したパイロット流路に接続している。
【0015】
さらに、一方のパイロット制御弁はそれがノーマル位置にあるとき作業機用制御弁のパイロット室に連通するパイロット流路と他方のパイロット制御弁との連通を遮断する。また、パイロット制御弁が切換位置にあるとき作業機用制御弁のパイロット室に連通するパイロット流路と他方のパイロット制御弁とを連通させる構成にしている。そして、上記他方のパイロット制御弁は、それがノーマル位置にあるとき上記一方のパイロット制御弁と走行直進制御弁のパイロット室との連通を遮断するとともに、切換位置にあるとき一方のパイロット制御弁と走行直進制御弁のパイロット室とを連通させる構成にしている。
これら両パイロット制御弁が切換位置にあるとき、作業機用制御弁のパイロット室に作用するパイロット圧を走行直進制御弁のパイロット室に導く構成にしている。
【0016】
第2の発明は、複数の作業機用制御弁のパイロット室に導かれるパイロット圧のうちの最高圧を選択する選択手段を設け、この選択手段で選択されたパイロット圧の最高圧を走行直進制御弁のパイロット室に導く構成にしている。
【0017】
第3の発明は、一方のパイロット制御弁がノーマル位置にあるとき、作業機用制御弁のパイロット室に連通する上記パイロット流路を、絞りを介してドレンに導く構成にしている。
【0018】
第4の発明は、上記他方のパイロット制御弁がノーマル位置にあるとき、走行直進制御弁のパイロット室を、絞りを介してドレンに導く構成にしている。
【発明の効果】
【0019】
第1の発明によれば、直進走行制御弁は、作業機用制御弁を切り換えるときのパイロット圧の作用で切り換わるので、直進走行制御弁の切り換え量は作業機用制御弁の切り換え量に比例する。したがって、作業機用制御弁の切り換え量が小さいときには、走行直進制御弁の切り換え量も小さくなり、当該走行直進制御弁は中間位置を保持する。
このように走行直進制御弁が中間位置を保てば、両走行用制御弁からなる走行系回路と、作業機用制御弁からなる作業機系回路とが完全に分離されない。したがって、走行モータへの供給流量が急激に減少することがない。つまり、作業機用制御弁の切り換え量が少ないときには、走行中にショックが発生したりしない。
【0020】
第2の発明によれば、複数の作業機用制御弁に導かれるパイロット圧のうちの最高圧が走行直進制御弁のパイロット室に導かれるので、操作量の大きな作業機系アクチュエータに対して十分な供給流量を確保しつつ、それら作業系回路と走行系回路とを分離して、直進走行を維持することができる。
【0021】
第3の発明によれば、各アクチュエータの非作動時には、作業機系回路にこもっているパイロット圧を確実に開放することができる。
第4の発明によれば、各アクチュエータの非作動時には、走行直進制御弁のパイロット室にこもっているパイロット圧を確実に開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
可変容量型の第1メインポンプMP1に接続した第1回路系統には、その最上流に図示していない一方の走行モータを制御する走行用制御弁1を設けるとともに、この走行用制御弁1の下流側に図示していない作業機系アクチュエータを制御する複数の作業機用制御弁2,3を設けている。
【0024】
また、可変容量型の第2メインポンプMP2に接続した第2回路系統には、その最上流に走行直進制御弁4を設けるとともに、この走行直進制御弁4の下流に図示していない他方の走行モータを制御する走行用制御弁5を設けている。さらに、この走行用制御弁5の下流側には図示していない作業機系アクチュエータを制御する複数の作業機用制御弁6,7を設けている。
【0025】
上記第1回路系統における走行用制御弁1および作業機用制御弁2,3は、それらの中立流路8を介して第1メインポンプMP1に接続され、それら制御弁1〜3が中立位置にあるとき、第1メインポンプMP1の吐出油が上記中立流路8を経由してタンクTに導かれる。このとき絞り9前後に圧力損失が発生し、その圧力がレギュレータ10に導かれ、第1メインポンプMP1の吐出量を最少に保つ。
【0026】
また、上記走行用制御弁1はその両側にパイロット室1a,1bを設けるとともに、当該パイロット室1a,1bを、パイロット導入通路11a,11bを介して図示していないパイロット操作弁に接続している。
同様に、作業機用制御弁2,3の両側にもパイロット室2a,2b、3a,3bを設けるとともに、これらパイロット室2a,2b、3a,3bを、パイロット導入通路12a,12b、13a,13bを介して図示していないパイロット操作弁に接続している。
【0027】
一方、上記最上流にある走行用制御弁1は、第1メインポンプMP1に直接接続されているが、作業機用制御弁2,3は、走行直進制御弁4を介して連通するパラレル通路14を介して第1メインポンプMP1に接続される構成にしている。
つまり、上記走行直進制御弁4は、ノーマル状態である図示の通常走行位置にあるとき、上流側のパラレル通路14aと下流側のパラレル通路14bとを連通させる構成にしている。
【0028】
上記第2回路系統における走行用制御弁5および作業機用制御弁6,7は、それらの中立流路15を介して第2メインポンプMP2に接続され、それら制御弁5〜7が中立位置にあるとき、第2メインポンプMP2の吐出油が上記中立流路15を経由してタンクTに導かれる。このとき絞り16前後に圧力損失が発生し、その圧力がレギュレータ17に導かれ、第2メインポンプMP2の吐出量を最少に保つ。
【0029】
また、第2回路系統に設けた走行用制御弁5はその両側にパイロット室5a,5bを設けるとともに、当該パイロット室5a,5bを、パイロット導入通路18a,18bを介して図示していないパイロット操作弁に接続している。
同様に、作業機用制御弁6,7の両側にもパイロット室6a,6b、7a,7bを設けるとともに、これらパイロット室6a,6b、7a,7bを、パイロット導入通路19a,19b、20a,20bを介して図示していないパイロット操作弁に接続している。
【0030】
さらに、上記走行直進制御弁4は、そのパイロット室4aにパイロット圧が作用していないノーマル状態である図示の通常走行位置にあるとき、第1メインポンプMP1の上流側パラレル通路14aを下流側パラレル通路14bに連通させるとともに、第2メインポンプMP2を第2回路系統の走行用制御弁5に直接連通させる。
また、上記第2メインポンプMP2は、上記走行直進制御弁4を経由せずに、パラレル通路21を介して作業機用制御弁6,7に連通している。言い換えると、作業機用制御弁6,7は、走行直進制御弁4のポジションにかかわらず、上記パラレル通路21を介して第2メインポンプMP2に常時連通しているものである。
【0031】
上記走行直進制御弁4のパイロット室4aにパイロット圧が作用して、図面左側位置である直進走行位置に切り換わると、第2回路系統の走行用制御弁5は、第2メインポンプMP2との連通が遮断されて第1メインポンプMP1に連通する。また、第2メインポンプMP2は上記のように走行用制御弁5との連通が遮断されるとともに、第1回路系統の上流側パラレル通路14aに連通する。
【0032】
つまり、走行直進制御弁4が直進走行位置に切り換わると、第1メインポンプMP1は両走行用制御弁1,5のみに連通し、第2メインポンプMP2は第1,2回路系統の作業機用制御弁2,3、6,7に連通し、両走行用制御弁1,5からなる走行系回路と、作業機用制御弁2,3、6,7からなる作業機系回路とを分離することになる。
ただし、走行直進制御弁4のパイロット室4aに作用するパイロット圧の大小に応じて、上記通常走行位置と直進走行位置との中間位置を保持する。
【0033】
走行直進制御弁4が上記のように中間位置を保持したときには、上記のように走行系回路と作業機系回路とを完全に分離するのではなく、第1メインポンプMP1が、上流側パラレル通路14aに連通するとともに、第2回路系統の走行用制御弁5にも連通する。また、第2メインポンプMP2も、第2回路系統の走行用制御弁5に連通するとともに、上記上流側パラレル通路14bにも連通する。
したがって、走行直進制御弁4が中間位置にあるときには、それが直進走行位置に完全に切り換えられたときよりも、図示していない走行モータに対する供給流量が相対的に多くなる。
【0034】
上記のようにした走行直進制御弁4のパイロット室4aには、第1,2パイロット制御弁22,23を接続している。
そして、上記パイロット室4aへの流れに対して上流側に位置する第1パイロット制御弁22は、そのパイロット室22aを、パイロット流路24を介して第1回路系統の走行用制御弁1のパイロット導入通路11a,11bに連通している。ただし、その連通過程にはチェック弁25,26を設け、パイロット導入通路11a,11bに導かれたパイロット圧のうち高いほうのパイロット圧がこのパイロット流路24に導かれるようにしている。
【0035】
一方、第2パイロット制御弁23は、そのパイロット室23aを、パイロット流路27を介して第2回路系統の走行用制御弁5のパイロット導入通路18a,18bに連通している。ただし、その連通過程にはチェック弁28,29を設け、パイロット導入通路18a,18bに導かれたパイロット圧のうち高いほうのパイロット圧がこのパイロット流路27に導かれるようにしている。
【0036】
上記のようにした第1パイロット制御弁22は、その導入ポート22bをパイロット流路30に連通するとともに、その導出ポート22cをドレン通路31に連通している。
上記パイロット流路30には、第1回路系統におけるチェック弁32〜35および第2回路系統におけるチェック弁36〜39の作用で、両回路系統における作業機用制御弁に導かれるパイロット圧のうち最高圧が選択されて導かれるようにしている。
なお、上記チェック弁32〜39がこの発明の選択手段を構成するものである。
上記のようにした第1パイロット制御弁22は、図示のノーマル位置にあるとき、導入ポート22bに導かれたパイロット流量を絞り40を介してドレン通路31に連通させる。
【0037】
一方、上記第1パイロット制御弁22が図面上側位置であるノーマル位置にあると、走行直進制御弁4のパイロット室4aを、絞り41を介してドレン通路31に連通させる。また、第1パイロット制御弁22が図面下側位置である切換位置に切り換わると、第1パイロット制御弁22の導入ポート22bと走行直進制御弁4のパイロット室4aとを連通させる。
【0038】
上記のような構成のもとで、走行用制御弁1、5の両方を同時に切り換え、かつ、いずれかの作業機用制御弁を切り換えない限り、走行直進制御弁4は切り換わらない。
例えば、第1回路系統の走行用制御弁1のみを切り換えたときには、第1パイロット制御弁22がノーマル位置から切換位置に切り換わるが、第2パイロット制御弁23が図示のノーマル位置を保つので、パイロット流路30が走行直進制御弁4のパイロット室4aに連通しない。
【0039】
また、走行用制御弁1,5の両方を同時に切り換え、そのパイロット圧を第1,2パイロット制御弁22,23のパイロット室22a,23aに作用させると、両パイロット制御弁22,23が図示のノーマル位置から切換位置に切り換わり、パイロット流路30と走行直進制御弁4のパイロット室4aとを連通させる。
上記のように走行直進制御弁4のパイロット室4aがパイロット流路30に連通したとしても、いずれかの作業機用制御弁を切り換えない限り、パイロット流路30にパイロット圧が立たない。
【0040】
したがって、両走行用制御弁1,5およびいずれかの作業機用制御弁を同時に切り換えない限り、走行直進制御弁4は図示の通常走行位置を保つことになる。走行直進制御弁4が通常走行位置を保てば、これら走行用制御弁1,5に接続された走行モータのそれぞれは、第1,2メインポンプMP1,MP2の吐出油で独立して駆動される。
【0041】
一方、両走行用制御弁1,5を切り換えるとともに、いずれかの作業機用制御弁2,3,6,7を同時に切り換えたときに、言い換えると、走行中に作業機系アクチュエータを作動させたときには、第1,2パイロット制御弁22,23が図示のノーマル位置から切換位置に切り換わる。したがって、走行直進制御弁4のパイロット室4aは、第1,2パイロット制御弁22,23を介してパイロット流路30に連通する。
このとき、上記したようにいずれかの作業機用制御弁2,3,6,7が切り換わっているので、当該作業機用制御弁のパイロット室に作用させているパイロット圧が走行直進制御弁4のパイロット室4aに作用し、走行直進制御弁4がそのパイロット室4a内のパイロット圧に応じて切り換わる。
【0042】
したがって、例えば、走行中に作業機系のアクチュエータを微小操作させるようなときには、当該作業機用制御弁のパイロット室に作用させるパイロット圧も低いので、それにともなって走行直進制御弁4のパイロット室4aに作用するパイロット圧も低くなる。このようにパイロット室4aに作用するパイロット圧が低ければ、走行直進制御弁4の切り換え量も少なくなり、走行直進制御弁4は中間位置を保つことになるので、走行モータへの供給流量が急激に減少したりせず、走行中のショックも発生しなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
走行機能を備えた建設機械に最適である。
【符号の説明】
【0044】
MP1 第1メインポンプ
MP2 第2メインポンプ
1、5 走行用制御弁
2,3 作業機用制御弁
4 走行直進制御弁
4a パイロット室
6,7 作業機用制御弁
22,23 パイロット制御弁
22a、23a パイロット室
32〜39 選択手段であるチェック弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1メインポンプに接続した第1回路系統と、第2メインポンプに接続した第2回路系統とを備え、これら第1,2両回路系統にはその最上流にパイロット圧の作用で切り換わる走行用制御弁を設け、これら走行用制御弁の下流側にパイロット圧の作用で切り換わる複数の作業機用制御弁を接続し、上記第2回路系統の走行用制御弁の上流側に走行直進制御弁を設け、この走行直進制御弁は、通常走行位置、直進走行位置に切り換え可能であり、走行直進制御弁が上記通常走行位置にあるとき、第1メインポンプを第1回路系統の走行用制御弁に接続するとともに通常走行位置にある当該走行直進制御弁を介して第1回路系統の作業機用制御弁に接続し、第2メインポンプを通常走行位置にある当該走行直進制御弁を介して第2回路系統に接続し、走行直進制御弁が上記直進走行位置にあるとき、両走行用制御弁を第1メインポンプに対して並列に接続し、第1回路系統の作業機用制御弁からなる作業機系回路と第2回路系統の作業機用制御弁からなる作業機系回路とを第2メインポンプに対して並列に接続する構成にした建設機械用走行制御装置において、走行直進制御弁のパイロット室に対して一対のパイロット制御弁を直列に配置するとともに、走行直進制御弁のパイロット室への流れに対して上流側となる一方のパイロット制御弁のパイロット室を一方の走行用制御弁のパイロット室に接続したパイロット流路に接続し、また、走行直進制御弁のパイロット室への流れに対して下流側になる他方のパイロット制御弁のパイロット室を他方の走行用制御弁のパイロット室に接続したパイロット流路に接続する一方、一方のパイロット制御弁はそれがノーマル位置にあるとき作業機用制御弁のパイロット室に連通するパイロット流路と他方のパイロット制御弁との連通を遮断するとともに、切換位置にあるとき作業機用制御弁のパイロット室に連通するパイロット流路と他方のパイロット制御弁とを連通させる構成にし、上記他方のパイロット制御弁は、それがノーマル位置にあるとき上記一方のパイロット制御弁と走行直進制御弁のパイロット室との連通を遮断するとともに、切換位置にあるとき一方のパイロット制御弁と走行直進制御弁のパイロット室とを連通させる構成にし、これら両パイロット制御弁が切換位置にあるとき、作業機用制御弁のパイロット室に作用するパイロット圧を走行直進制御弁のパイロット室に導く構成にした建設機械用走行制御装置。
【請求項2】
複数の作業機用制御弁のパイロット室に導かれるパイロット圧のうちの最高圧を選択する選択手段を設け、この選択手段で選択されたパイロット圧の最高圧を走行直進制御弁のパイロット室に導く構成にした請求項1記載の建設機械用走行制御装置。
【請求項3】
一方のパイロット制御弁がノーマル位置にあるとき、作業機用制御弁のパイロット室に連通する上記パイロット流路を、絞りを介してドレンに導く請求項1または2記載の建設機械用走行制御装置。
【請求項4】
上記他方のパイロット制御弁がノーマル位置にあるとき、走行直進制御弁のパイロット室を、絞りを介してドレンに導く請求項1〜3のいずれかに記載の建設機械用走行制御装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−36951(P2012−36951A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176716(P2010−176716)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】