弾性波デバイス、フィルタ、通信モジュール、通信装置
【課題】製造コストを低減するとともに、チップサイズを小型にすることができる弾性波デバイスを提供する。
【解決手段】圧電基板1上に弾性波の励振電極2aおよび反射器2bを備え、その上を少なくとも一層の媒質で被覆された弾性波デバイスであって、媒質から露出し、励振電極2aの一部と電気的に接続された端子電極3a及び3bを備え、端子電極3a及び3bは、その一部が、媒質を挟んで少なくとも反射器2bと重なる位置に配されている。
【解決手段】圧電基板1上に弾性波の励振電極2aおよび反射器2bを備え、その上を少なくとも一層の媒質で被覆された弾性波デバイスであって、媒質から露出し、励振電極2aの一部と電気的に接続された端子電極3a及び3bを備え、端子電極3a及び3bは、その一部が、媒質を挟んで少なくとも反射器2bと重なる位置に配されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共振器およびフィルタに搭載される弾性波デバイスに関する。また、そのような弾性波デバイス、フィルタを備えた通信モジュールに関する。また、そのような通信モジュールを備えた通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性波を応用した装置の一つとして、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)デバイスが以前より良く知られている。このSAWデバイスは、例えば携帯電話に代表される45MHz〜2GHzの周波数帯における無線信号を処理する通信機器の各種回路、例えば送信バンドパスフィルタ、受信バンドパスフィルタ、局発フィルタ、アンテナ共用器、IFフィルタ、FM変調器(FM:Frequency Modulation)等に用いられている。
【0003】
弾性表面波デバイスの課題として、温度によって特性が変動する温度特性がある。温度特性を向上させるため、特許文献1においては、圧電基板上に圧電基板と温度特性の符号が異なる酸化シリコン膜(SiO2)を成膜した弾性表面波デバイスが開示されている。
【0004】
また、特許文献2、特許文献3、非特許文献1には、温度特性の改善および素子の小型化を実現させるため、ラブ波を利用する弾性波デバイスや、異なる媒質の境界を伝搬する境界波を用いる弾性境界波デバイスが開示されている。
【0005】
図13Aは、特許文献2に記載のラブ波を利用した弾性波デバイスの平面図である。図13Bは、図13AにおけるY−Y部の断面図である。図14A及び図14Bに示す弾性波デバイスは、圧電基板104上に電極102が形成され、電極102上に誘電体層105が形成されている。電極102は、弾性波を励振する櫛歯型電極102aと、弾性波を反射する反射器102bと、櫛歯型電極102aと接続し金(Au)バンプが形成される端子部102cとから構成されている。櫛歯型電極102aおよび反射器102bは誘電体層105で覆われているが、端子部102cは誘電体層105で覆われていない。誘電体層105の厚さは、電極102よりも厚く、弾性表面波の波長をλとしたときに、おおよそ0.3×λ程度である。
【0006】
図14Aは、特許文献3に記載の弾性境界波デバイスの平面図である。図14Bは、図14AにおけるY−Y部の断面図である。図13A及び図13Bに示す弾性境界波デバイスは、圧電基板104上に電極102が形成され、電極102上に第2の媒質106および第3の媒質107が形成されている例である。電極102は、弾性波を励振する櫛歯型電極102aと、弾性波を反射する反射器102bと、櫛歯型電極102aと接続しAuバンプが形成される端子部102cとから構成されている。櫛歯型電極102aおよび反射器102bは、第2の媒質106および第3の媒質107で覆われているが、Auバンプが形成される端子部102cは、第2の媒質106および第3の媒質107で覆われていない。図14A及び図14Bに示す構成例では、誘電体層(第2の媒質106および第3の媒質107)が二層で構成されているが、非特許文献2には図13A及び図13Bに示すラブ波構造のSiO2部を厚くしたような構成が開示されている。
【特許文献1】特開2003−209458号公報
【特許文献2】特開2004−112748号公報
【特許文献3】特開平10−549008号公報
【非特許文献1】Masatsune Yamaguchi, Takashi Yamashita, Ken-ya Hashimoto, Tatsuya Omori,「Highly Piezoelectric Boundary Waves in Si/SiO2/LiNbO3 Structure」, Proceeding of 1998 IEEE International Frequency Control Symposium,(米国),IEEE,1998年,p484-488
【非特許文献2】Hajime Kando,他, 2006年IEEE International Ultrasonics Symposium 6B-4 "RF Filter using Boundary Acoustic Wave"
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の弾性境界波デバイスは、温度特性が良好で、信頼性が高いなどのメリットを有するが、弾性表面波デバイスと比べると、層数が多いため製造工程が多くなり、製造コストアップにつながってしまう。また、弾性境界波デバイスは、層数が弾性表面波デバイスよりも多いため、チップサイズを小型化することができない。
【0008】
本発明は、製造コストを低減するとともに、チップサイズを小型にすることができる弾性波デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の弾性波デバイスは、圧電基板上に弾性波の励振電極および反射器を備え、その上を少なくとも一層の媒質で被覆された弾性波デバイスであって、前記媒質から露出し、前記励振電極の一部と電気的に接続された端子電極を備え、前記端子電極の一部が、前記媒質を挟んで、前記励振電極あるいは前記反射器と重なる位置に配されているものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、端子電極を2次元的に共振器および配線と一部重なる構造にすることで、基板におけるデバイス構造の占有面積を縮小し、弾性波デバイスのサイズを小さくすることができる。また、そのような弾性波デバイスを搭載することで、フィルタ、通信モジュール、通信装置の小型化が可能となる。
【0011】
また、弾性波デバイスを小型化することで、製造時、ウェハ当たりのチップ数を増加させることができるので、製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の弾性波デバイスは、圧電基板上に弾性波の励振電極および反射器を備え、その上を少なくとも一層の媒質で被覆された弾性波デバイスであって、前記媒質から露出し、前記励振電極の一部と電気的に接続された端子電極を備え、前記端子電極の一部が、前記媒質を挟んで、前記励振電極あるいは前記反射器と重なる位置に配されているものである。このような構成とすることで、弾性波デバイスを小型化することができる。また、製造時、ウェハ当たりのチップ数を増加させることができるので、製造コストを低減することができる。
【0013】
本発明の弾性波デバイスは、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
【0014】
すなわち、本発明の弾性波デバイスにおいて、前記端子電極は、前記励振電極上を被覆する媒質より露出した部分の面積よりも、前記励振電極あるいは前記反射器と重なっている部分の面積が大きく形成されている構成とすることができる。
【0015】
また、本発明の弾性波デバイスにおいて、前記励振電極と接する媒質は、SiO2で形成されている構成とすることができる。
【0016】
また、本発明の弾性波デバイスにおいて、前記媒質は、厚さが0.3μm以上である構成とすることができる。このような構成とすることで、端子電極を励振電極または反射器に重なる位置に形成したとしても、周波数特性に影響を与えない。
【0017】
また、本発明の弾性波デバイスにおいて、前記媒質は、複数の媒質で構成され、前記複数の媒質のうち最外層の媒質がAl2O3で形成されている構成とすることができる。
【0018】
本発明のフィルタは、上記のように構成された弾性波デバイスを備えたものである。このような構成とすることで、フィルタを小型化することができる。また、フィルタの製造コストを低減することができる。
【0019】
本発明の通信モジュールは、上記のように構成された弾性波デバイスまたはフィルタを備えたものである。このような構成とすることで、通信モジュールを小型化することができる。また、通信モジュールの製造コストを低減することができる。
【0020】
本発明の通信装置は、上記のように構成された通信モジュールを備えたものである。このような構成とすることで、通信装置を小型化することができる。また、通信装置の製造コストを低減することができる。
【0021】
(実施の形態)
〔1.弾性波デバイスの構成〕
図1Aは、本実施の形態における弾性波デバイスの平面図である。図1Bは、図1AにおけるB−B部の断面図である。図1Cは、図1AにおけるC−C部の断面図である。
【0022】
本実施の形態の弾性波デバイスは、圧電基板1上に電極2が形成されている。電極2は、互いに対向して配され弾性波を励振する一対の櫛歯型電極2a(励振電極の一例)と、櫛歯型電極2aの両側に隣接して配され櫛歯型電極2aから伝達される弾性波を櫛歯型電極2a側へ反射する一対の反射器2bと、櫛歯型電極2aの一部であり端子電極3a及び3b(後述)が接続される端子部2c及び2dとから構成されている。櫛歯型電極2a及び反射器2b上には、例えばSiO2からなる第1の媒質4が形成されている。第1の媒質4上には、例えばAl2O3からなる第2の媒質5が形成されている。第2の媒質5には、その上面から端子部2cに至るまで形成されたビアホール6aと、上面から端子部2dに至るまで形成されたビアホール6bとが形成されている。ビアホール6a内には、金バンプで構成された端子電極3aが配されている。また、ビアホール6b内には、金バンプで構成された端子電極3bが配されている。端子電極3aは、上端が第2の媒質5上に露出し、下端が端子部2cに電気的に接続されている。また、端子電極3bは、上端が第2の媒質5上に露出し、下端が端子部2dに電気的に接続されている。なお、端子電極3a及び3bは、チタン(Ti)、銅(Cu)を挟んで第2の媒質5上に形成されている。また、第1の媒質4及び第2の媒質5からなる媒質全体の厚さt1は、本実施の形態では3μmとした。厚さt1を3μm程度とすることで、十分な周波数特性を得ることができる。また、厚さt1を5μm以上にすると、端子電極3a及び3bにおける第2の媒質5の上面からビアホール6a及び6b内へ屈曲している部分において割れが発生する可能性が高いが、本実施の形態のように3μm程度とすることで、端子電極3a及び3bに割れが発生する可能性を低くすることができる。
【0023】
また、図1Aに示すように、端子電極3a及び3bは、その一部が反射器2bと櫛歯型電極2aの一部とに重なるように配されている。このような構成とすることで、端子電極3a及び3bの占有面積を削減することができ、弾性波デバイスのサイズを小さくすることができる。
【0024】
ここで、本実施の形態の弾性波デバイスのサイズについて説明する。図2は、端子電極と櫛歯電極及び反射器とが重ならない構成の弾性波デバイスの一例を示す。図2に示す弾性波デバイスは、圧電基板201上に櫛歯型電極202a、反射器202b、および端子部202c及び202dが形成されている。端子部202c及び202dは、櫛歯型電極202a及び反射器202bに対して重ならない位置に配されているため、弾性波デバイス全体の幅寸法L2は、少なくとも櫛歯型電極202aと端子部202c及び202dの幅寸法分は必要となる。これに対して、図1に示すように本実施の形態の弾性波デバイスは、端子電極3a及び3bの一部を、櫛歯型電極2aの一部及び反射器2bに重なるように配置したことにより、全体の幅寸法L1をL2に比べて小さくすることができる。
【0025】
なお、ビアホール6a及び6bと端子電極3a及び3bとの接続部は、第1の媒質4および第2の媒質5の膜厚は厚くても3μm程度が好ましく、一般的な真空成膜、あるいは、シードメタル成膜後のめっきなどの方法で、端子電極3a及び3bを形成することができる。
【0026】
また、本実施の形態の弾性波デバイスをフィルタに搭載することで、フィルタの基板上における弾性波デバイスの占有面積を小さくすることができるので、フィルタを小型化することができる。図3は、本実施の形態における弾性波デバイスを備えたフィルタの構成を示す平面図である。図3に示すようにフィルタは、基板11上に、直列共振器12a,12b,12cと、並列共振器13a,13bと、入出力電極14a,14bと、接地電極15a,15bと、ダミー電極16とを備え、ダミー電極16を除く各部が配線パターン17によって電気的に接続されている。これらの構成は、従来のフィルタと同等の構成であるが、本実施の形態では接地電極15a,15bに、図1A〜図1Cに示す構成の端子電極3a,3bを形成した。
【0027】
図3に示すように、フィルタのチップサイズを決める上面四隅の端子電極を、図1Aに示すように櫛歯型電極および反射器に重なるように形成することで、基板11のサイズを破線11aで示した従来の基板サイズよりも、縮小することができる。
【0028】
また、本実施の形態では、端子電極3a及び3bの一部を、櫛歯型電極2aの一部および反射器2bに重なる位置に形成したが、反射器2bのみに重なる位置に形成してもよい。端子電極3a及び3bの一部を反射器2bに重なる位置に形成することで、弾性波デバイスの占有面積を小さくすることができるとともに、櫛歯型電極2aにおける弾性波に大きな影響を与えず、共振特性の劣化も少ない。本実施の形態のように、反射器2bに加えて櫛歯型電極2aの一部に重なるように形成することで、さらなる弾性波デバイスの小型化が可能になる。
【0029】
また、端子電極3a及び3bの一部を、配線に重なる位置に形成する構成としても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0030】
〔2.弾性波デバイスの製造方法〕
本実施の形態の弾性波デバイスの製造方法について説明する。図4A〜図4Hは、弾性波デバイスの製造工程を示す。図4A〜図4Hにおいて、(a)は平面図、(b)は各図の平面図(a)におけるD−D部の断面図、(c)は各図の平面図(a)におけるE−E部の断面図である。
【0031】
まず、図4Aに示すように、圧電基板21に、レジストでリフトオフパターンを形成し、電極を蒸着する。その後、電極が付着したレジストを有機溶剤などで溶解させることでリフトオフし、櫛歯型電極22a及び22bと反射器22cとを形成する。
【0032】
次に、図4Bに示すように、圧電基板21の表面にSiO2膜24(第1の媒質)をプラズマCVD法(CVD:Chemical Vapor Deposition)や、スパッタ法などの成膜方法を用いて成膜する。なお、SiO2膜24は、櫛歯型電極22a及び22bの一部と反射器22cとを覆うように形成する。
【0033】
次に、図4Cに示すように、SiO2膜24上にレジスト27aを塗布し、ドライエッチング用のパターンを形成する。
【0034】
次に、図4Dに示すように、CF4ガスなどのガスを用いたドライエッチングにより、SiO2膜24を除去する。引き続いて、レジスト27aを有機溶剤などで溶解させることで除去し、SiO2膜24をパターニングする。
【0035】
次に、図4Eに示すように、レジスト27bで櫛歯型電極22a及び22b上にリフトオフパターンを形成する。
【0036】
次に、図4Fに示すように、圧電基板21上にAl2O3膜25を成膜する。次に、Al2O3膜25が付着したレジスト27bを有機溶剤などで溶解させることでリフトオフし、Al2O3膜25をパターニングする。
【0037】
次に、図4Gに示すように、圧電基板21及びAl2O3膜25上にレジスト27cを塗布し、リフトオフパターンを形成する。この時、レジスト27cには、開口部27dを形成する。
【0038】
次に、図4Hに示すように、開口部27d内に端子電極23a及び23bを蒸着する。その後、電極が付着したレジスト27cを有機溶剤で溶解させることでリフトオフし、端子電極23a及び23bを形成する。形成された端子電極23a及び23bは、その上端がAl2O3膜25の上面に露出し、下端が櫛歯型電極22a及び22bに接続されている。
【0039】
以上の工程により、弾性波デバイスを作製することができる。その後、端子電極23a及び23b上へのバンプ形成、および基板のダイシングによる個片化処理により、弾性波デバイスを備えたチップが完成する。
【0040】
〔3.弾性波デバイスのシミュレーション〕
本実施の形態のように、端子部電極の一部が共振器と重なるように形成した場合、重なった領域の電極の電位が周波数特性に影響することが懸念される。そこで、有限要素法(FEM:finite element method)の計算機シミュレーションを行った。計算モデルは、図5に示すように、圧電基板31上に形成された櫛歯型電極32の断面の半周期の上を、SiO2膜33およびAl2O3膜34が覆っている2次元構造とした。このような構成の計算モデルにおいて、SiO2膜33の表面およびAl2O3膜34の表面に電位を与えた場合と与えない場合とで、共振周波数および反共振周波数の変化を計算した。
【0041】
まず、Al2O3膜34がない場合の計算を行った。図6に示すように、共振周波数に関しては、SiO2膜33の膜厚に関係なく、電位の有無で周波数の差がほとんど無かった。一方、図7に示すように、反共振周波数に関しては、SiO2膜33の膜厚が薄いほど(図7に示す計算結果では0.3μm未満)、電位の有無で周波数に差が見られた。図7に示す計算結果によれば、SiO2膜33の膜厚が0.3μm以上であれば、反共振周波数の変化は電位の有無の影響を受けないことがわかった。
【0042】
次に、SiO2膜33の膜厚を0.5μmに固定し、Al2O3膜34の膜厚を変化させた場合の計算を行った。図8に示すように、共振周波数に関しては、Al2O3膜34の膜厚に関係なく、電位の有無で周波数の差がほとんどなかった。一方、図9に示すように、反共振周波数に関しては、Al2O3膜34の膜厚が薄いほど(図9に示す計算結果では0.8μm未満)、電位の有無で周波数に差が見られた。図9に示す計算結果によれば、Al2O3膜34の膜厚が0.8μm以上であれば、反共振周波数の変化は電位の有無の影響を受けないことがわかった。
【0043】
通常、境界波デバイスの場合、境界波の閉じ込め条件からAl2O3膜の膜厚は1μm以上が望ましい。よって、SiO2膜などの第1の媒質は、0.3μm以上の膜厚であれば、端子電極を共振器に重なる位置に配置しても、動作特性上の大きな問題はないと考えられる。
【0044】
〔4.デュープレクサの構成〕
携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、無線LANシステムなどの移動体通信(高周波無線通信)には、デュープレクサが搭載されている。デュープレクサは、通信電波などの送信機能及び受信機能を持ち、送信信号と受信信号の周波数が異なる無線装置において用いられる。
【0045】
図10は、本実施の形態の弾性波デバイスを備えたデュープレクサの構成を示す。デュープレクサ52は、位相整合回路53、受信フィルタ54、および送信フィルタ55を備えている。位相整合回路53は、送信フィルタ55から出力される送信信号が受信フィルタ54側に流れ込むのを防ぐために、受信フィルタ54のインピーダンスの位相を調整するための素子である。また、位相整合回路53には、アンテナ51が接続されている。受信フィルタ54は、アンテナ51を介して入力される受信信号のうち、所定の周波数帯域のみを通過させる帯域通過フィルタで構成されている。また、受信フィルタ54には、出力端子56が接続されている。送信フィルタ55は、入力端子57を介して入力される送信信号のうち、所定の周波数帯域のみを通過させる帯域通過フィルタで構成されている。また、送信フィルタ55には、入力端子57が接続されている。ここで、受信フィルタ54及び送信フィルタ55には、本実施の形態における弾性波デバイスが含まれている。
【0046】
以上のように本実施の形態の弾性波デバイスを受信フィルタ54及び送信フィルタ55に備えることで、デュープレクサを小型化することができる。また、弾性波デバイスを小型化することにより、ウェハ1枚当たりの弾性波デバイスのチップ数を多くすることができるので、そのような弾性波デバイスを備えたデュープレクサを製造する際のコストを低減することができる。
【0047】
〔5.通信モジュールの構成〕
図11は、本実施の形態の弾性波デバイスまたは図10に示すデュープレクサを備えた通信モジュールの一例を示す。図11に示すように、デュープレクサ62は、受信フィルタ62aと送信フィルタ62bとを備えている。また、受信フィルタ62aには、例えばバランス出力に対応した受信端子63a及び63bが接続されている。また、送信フィルタ62bは、パワーアンプ64を介して送信端子65に接続している。ここで、受信フィルタ62a及び送信フィルタ62bには、本実施の形態における弾性波デバイスまたはデュープレクサが含まれている。
【0048】
受信動作を行う際、受信フィルタ62aは、アンテナ端子61を介して入力される受信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、受信端子63a及び63bから外部へ出力する。また、送信動作を行う際、送信フィルタ62bは、送信端子65から入力されてパワーアンプ64で増幅された送信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、アンテナ端子61から外部へ出力する。
【0049】
以上のように本実施の形態の弾性波デバイスまたはデュープレクサを、通信モジュールの受信フィルタ62a及び送信フィルタ62bに備えることで、通信モジュールを小型化することができる。また、弾性波デバイスを小型化することにより、ウェハ1枚当たりの弾性波デバイスのチップ数を多くすることができるので、そのような弾性波デバイスを備えた通信モジュールを製造する際のコストを低減することができる。
【0050】
なお、図11に示す通信モジュールの構成は一例であり、他の形態の通信モジュールに本発明の弾性波デバイスを搭載しても、同様の効果が得られる。
【0051】
〔6.通信装置の構成〕
図12は、本実施の形態の弾性波デバイス、デュープレクサ、または通信モジュールを備えた通信装置の一例として、携帯電話端末のRFブロックを示す。また、図12に示す構成は、GSM(Global System for Mobile Communications)通信方式及びW−CDMA(Wideband Code Divition Multiple Access)通信方式に対応した携帯電話端末の構成を示す。また、本実施の形態におけるGSM通信方式は、850MHz帯、950MHz帯、1.8GHz帯、1.9GHz帯に対応している。また、携帯電話端末は、図12に示す構成以外にマイクロホン、スピーカー、液晶ディスプレイなどを備えているが、本実施の形態における説明では不要であるため図示を省略した。ここで、受信フィルタ73a、77、78、79、80、および送信フィルタ73bには、本実施の形態における弾性波デバイスが含まれている。
【0052】
まず、アンテナ71を介して入力される受信信号は、その通信方式がW−CDMAかGSMかによってアンテナスイッチ回路72で、動作の対象とするLSIを選択する。入力される受信信号がW−CDMA通信方式に対応している場合は、受信信号をデュープレクサ73に出力するように切り換える。デュープレクサ73に入力される受信信号は、受信フィルタ73aで所定の周波数帯域に制限されて、バランス型の受信信号がLNA74に出力される。LNA74は、入力される受信信号を増幅し、LSI76に出力する。LSI76では、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行ったり、携帯電話端末内の各部を動作制御する。
【0053】
一方、信号を送信する場合は、LSI76は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ75で増幅されて送信フィルタ73bに入力される。送信フィルタ73bは、入力される送信信号のうち所定の周波数帯域の信号のみを通過させる。送信フィルタ73bから出力される送信信号は、アンテナスイッチ回路72を介してアンテナ71から外部に出力される。
【0054】
また、入力される受信信号がGSM通信方式に対応した信号である場合は、アンテナスイッチ回路72は、周波数帯域に応じて受信フィルタ77〜80のうちいずれか一つを選択し、受信信号を出力する。受信フィルタ77〜80のうちいずれか一つで帯域制限された受信信号は、LSI83に入力される。LSI83は、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行ったり、携帯電話端末内の各部を動作制御する。一方、信号を送信する場合は、LSI83は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ81または82で増幅されて、アンテナスイッチ回路72を介してアンテナ71から外部に出力される。
【0055】
以上のように本実施の形態の弾性波デバイス、デュープレクサ、または通信モジュールを通信装置に備えることで、通信装置を小型化することができる。また、弾性波デバイスを小型化することにより、ウェハ1枚当たりの弾性波デバイスのチップ数を多くすることができるので、そのような弾性波デバイスを備えた通信装置を製造する際のコストを低減することができる。
【0056】
なお、図12に示す通信装置の構成は一例である。
【0057】
〔7.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、端子電極3a,3bの一部を櫛歯型電極2aの一部及び反射器2bに重ねて配置することにより、弾性波デバイスのサイズを小型化することができる。また、このような構成の端子電極をフィルタにおける端子に採用することにより、フィルタ基板上の端子電極の占有面積を縮小することができ、フィルタを小型化することができる。
【0058】
また、弾性波デバイスを小型化することで、製造時、ウェハ1枚当たりのチップ数を増加させることができるので、製造コストを低減することができる。
【0059】
(付記1)
圧電基板上に弾性波の励振電極および反射器を備え、その上を少なくとも一層の媒質で被覆された弾性波デバイスであって、
前記媒質から露出し、前記励振電極の一部と電気的に接続された端子電極を備え、
前記端子電極は、その一部が、前記媒質を挟んで前記反射器と重なる位置に配されている、弾性波デバイス。
【0060】
(付記2)
前記端子電極は、その一部が、前記媒質を挟んで前記励振電極と重なる位置に配されている、付記1記載の弾性波デバイス。
【0061】
(付記3)
前記端子電極は、前記励振電極上を被覆する媒質より露出した部分の面積よりも、前記励振電極あるいは前記反射器と重なっている部分の面積が大きく形成されている、付記1の弾性波デバイス。
【0062】
(付記4)
前記励振電極と接する媒質は、SiO2で形成されている、付記1記載の弾性波デバイス。
【0063】
(付記5)
前記媒質は、厚さが0.3μm以上である、付記4記載の弾性波デバイス。
【0064】
(付記6)
前記媒質は、複数の媒質で構成され、前記複数の媒質のうち最外層の媒質がAl2O3で形成されている、付記4記載の弾性波デバイス。
【0065】
(付記7)
付記1から6のいずれかに記載の弾性波デバイスを備えた、フィルタ。
【0066】
(付記8)
付記1から6のいずれかに記載の弾性波デバイス、または付記7に記載のフィルタを備えた、通信モジュール。
【0067】
(付記9)
付記8に記載の通信モジュールを備えた、通信装置。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の弾性波デバイスは、携帯電話端末などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1A】本実施の形態における弾性波デバイスの構成を示す平面図
【図1B】図1AにおけるB−B部の断面図
【図1C】図1AにおけるC−C部の断面図
【図2】従来の弾性波デバイスの構成を示す平面図
【図3】本実施の形態の弾性波デバイスを搭載したフィルタの構成を示す平面図
【図4】図4A〜図4Hにおいて、(a)は本実施の形態の弾性波デバイスの製造工程を示す平面図、(b)は(a)におけるD−D部の断面図、(c)は(a)におけるE−E部の断面図
【図5】本実施の形態の弾性波デバイスのFEMシミュレーションを行った際の計算モデルを示す模式図
【図6】共振周波数のSiO2膜厚依存性の計算結果を示す特性図
【図7】反共振周波数のSiO2膜厚依存性の計算結果を示す特性図
【図8】共振周波数のAl2O3膜厚依存性の計算結果を示す特性図
【図9】反共振周波数のAl2O3膜厚依存性の計算結果を示す特性図
【図10】本実施の形態におけるデュープレクサの構成を示すブロック図
【図11】本実施の形態における通信モジュールの構成を示すブロック図
【図12】本実施の形態における通信装置の構成を示すブロック図
【図13A】特許文献2に開示されている弾性波素子の構成を示す平面図
【図13B】図13AにおけるY−Y部の断面図
【図14A】特許文献3に開示されている弾性境界波素子の構成を示す平面図
【図14B】図14AにおけるY−Y部の断面図
【符号の説明】
【0070】
1 圧電基板
2 電極
2a 櫛歯型電極
2b 反射器
2c、2d 端子部
3a、3b 端子電極
4 第1の媒質
5 第2の媒質
6a、6b ビアホール
【技術分野】
【0001】
本発明は、共振器およびフィルタに搭載される弾性波デバイスに関する。また、そのような弾性波デバイス、フィルタを備えた通信モジュールに関する。また、そのような通信モジュールを備えた通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性波を応用した装置の一つとして、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)デバイスが以前より良く知られている。このSAWデバイスは、例えば携帯電話に代表される45MHz〜2GHzの周波数帯における無線信号を処理する通信機器の各種回路、例えば送信バンドパスフィルタ、受信バンドパスフィルタ、局発フィルタ、アンテナ共用器、IFフィルタ、FM変調器(FM:Frequency Modulation)等に用いられている。
【0003】
弾性表面波デバイスの課題として、温度によって特性が変動する温度特性がある。温度特性を向上させるため、特許文献1においては、圧電基板上に圧電基板と温度特性の符号が異なる酸化シリコン膜(SiO2)を成膜した弾性表面波デバイスが開示されている。
【0004】
また、特許文献2、特許文献3、非特許文献1には、温度特性の改善および素子の小型化を実現させるため、ラブ波を利用する弾性波デバイスや、異なる媒質の境界を伝搬する境界波を用いる弾性境界波デバイスが開示されている。
【0005】
図13Aは、特許文献2に記載のラブ波を利用した弾性波デバイスの平面図である。図13Bは、図13AにおけるY−Y部の断面図である。図14A及び図14Bに示す弾性波デバイスは、圧電基板104上に電極102が形成され、電極102上に誘電体層105が形成されている。電極102は、弾性波を励振する櫛歯型電極102aと、弾性波を反射する反射器102bと、櫛歯型電極102aと接続し金(Au)バンプが形成される端子部102cとから構成されている。櫛歯型電極102aおよび反射器102bは誘電体層105で覆われているが、端子部102cは誘電体層105で覆われていない。誘電体層105の厚さは、電極102よりも厚く、弾性表面波の波長をλとしたときに、おおよそ0.3×λ程度である。
【0006】
図14Aは、特許文献3に記載の弾性境界波デバイスの平面図である。図14Bは、図14AにおけるY−Y部の断面図である。図13A及び図13Bに示す弾性境界波デバイスは、圧電基板104上に電極102が形成され、電極102上に第2の媒質106および第3の媒質107が形成されている例である。電極102は、弾性波を励振する櫛歯型電極102aと、弾性波を反射する反射器102bと、櫛歯型電極102aと接続しAuバンプが形成される端子部102cとから構成されている。櫛歯型電極102aおよび反射器102bは、第2の媒質106および第3の媒質107で覆われているが、Auバンプが形成される端子部102cは、第2の媒質106および第3の媒質107で覆われていない。図14A及び図14Bに示す構成例では、誘電体層(第2の媒質106および第3の媒質107)が二層で構成されているが、非特許文献2には図13A及び図13Bに示すラブ波構造のSiO2部を厚くしたような構成が開示されている。
【特許文献1】特開2003−209458号公報
【特許文献2】特開2004−112748号公報
【特許文献3】特開平10−549008号公報
【非特許文献1】Masatsune Yamaguchi, Takashi Yamashita, Ken-ya Hashimoto, Tatsuya Omori,「Highly Piezoelectric Boundary Waves in Si/SiO2/LiNbO3 Structure」, Proceeding of 1998 IEEE International Frequency Control Symposium,(米国),IEEE,1998年,p484-488
【非特許文献2】Hajime Kando,他, 2006年IEEE International Ultrasonics Symposium 6B-4 "RF Filter using Boundary Acoustic Wave"
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の弾性境界波デバイスは、温度特性が良好で、信頼性が高いなどのメリットを有するが、弾性表面波デバイスと比べると、層数が多いため製造工程が多くなり、製造コストアップにつながってしまう。また、弾性境界波デバイスは、層数が弾性表面波デバイスよりも多いため、チップサイズを小型化することができない。
【0008】
本発明は、製造コストを低減するとともに、チップサイズを小型にすることができる弾性波デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の弾性波デバイスは、圧電基板上に弾性波の励振電極および反射器を備え、その上を少なくとも一層の媒質で被覆された弾性波デバイスであって、前記媒質から露出し、前記励振電極の一部と電気的に接続された端子電極を備え、前記端子電極の一部が、前記媒質を挟んで、前記励振電極あるいは前記反射器と重なる位置に配されているものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、端子電極を2次元的に共振器および配線と一部重なる構造にすることで、基板におけるデバイス構造の占有面積を縮小し、弾性波デバイスのサイズを小さくすることができる。また、そのような弾性波デバイスを搭載することで、フィルタ、通信モジュール、通信装置の小型化が可能となる。
【0011】
また、弾性波デバイスを小型化することで、製造時、ウェハ当たりのチップ数を増加させることができるので、製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の弾性波デバイスは、圧電基板上に弾性波の励振電極および反射器を備え、その上を少なくとも一層の媒質で被覆された弾性波デバイスであって、前記媒質から露出し、前記励振電極の一部と電気的に接続された端子電極を備え、前記端子電極の一部が、前記媒質を挟んで、前記励振電極あるいは前記反射器と重なる位置に配されているものである。このような構成とすることで、弾性波デバイスを小型化することができる。また、製造時、ウェハ当たりのチップ数を増加させることができるので、製造コストを低減することができる。
【0013】
本発明の弾性波デバイスは、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
【0014】
すなわち、本発明の弾性波デバイスにおいて、前記端子電極は、前記励振電極上を被覆する媒質より露出した部分の面積よりも、前記励振電極あるいは前記反射器と重なっている部分の面積が大きく形成されている構成とすることができる。
【0015】
また、本発明の弾性波デバイスにおいて、前記励振電極と接する媒質は、SiO2で形成されている構成とすることができる。
【0016】
また、本発明の弾性波デバイスにおいて、前記媒質は、厚さが0.3μm以上である構成とすることができる。このような構成とすることで、端子電極を励振電極または反射器に重なる位置に形成したとしても、周波数特性に影響を与えない。
【0017】
また、本発明の弾性波デバイスにおいて、前記媒質は、複数の媒質で構成され、前記複数の媒質のうち最外層の媒質がAl2O3で形成されている構成とすることができる。
【0018】
本発明のフィルタは、上記のように構成された弾性波デバイスを備えたものである。このような構成とすることで、フィルタを小型化することができる。また、フィルタの製造コストを低減することができる。
【0019】
本発明の通信モジュールは、上記のように構成された弾性波デバイスまたはフィルタを備えたものである。このような構成とすることで、通信モジュールを小型化することができる。また、通信モジュールの製造コストを低減することができる。
【0020】
本発明の通信装置は、上記のように構成された通信モジュールを備えたものである。このような構成とすることで、通信装置を小型化することができる。また、通信装置の製造コストを低減することができる。
【0021】
(実施の形態)
〔1.弾性波デバイスの構成〕
図1Aは、本実施の形態における弾性波デバイスの平面図である。図1Bは、図1AにおけるB−B部の断面図である。図1Cは、図1AにおけるC−C部の断面図である。
【0022】
本実施の形態の弾性波デバイスは、圧電基板1上に電極2が形成されている。電極2は、互いに対向して配され弾性波を励振する一対の櫛歯型電極2a(励振電極の一例)と、櫛歯型電極2aの両側に隣接して配され櫛歯型電極2aから伝達される弾性波を櫛歯型電極2a側へ反射する一対の反射器2bと、櫛歯型電極2aの一部であり端子電極3a及び3b(後述)が接続される端子部2c及び2dとから構成されている。櫛歯型電極2a及び反射器2b上には、例えばSiO2からなる第1の媒質4が形成されている。第1の媒質4上には、例えばAl2O3からなる第2の媒質5が形成されている。第2の媒質5には、その上面から端子部2cに至るまで形成されたビアホール6aと、上面から端子部2dに至るまで形成されたビアホール6bとが形成されている。ビアホール6a内には、金バンプで構成された端子電極3aが配されている。また、ビアホール6b内には、金バンプで構成された端子電極3bが配されている。端子電極3aは、上端が第2の媒質5上に露出し、下端が端子部2cに電気的に接続されている。また、端子電極3bは、上端が第2の媒質5上に露出し、下端が端子部2dに電気的に接続されている。なお、端子電極3a及び3bは、チタン(Ti)、銅(Cu)を挟んで第2の媒質5上に形成されている。また、第1の媒質4及び第2の媒質5からなる媒質全体の厚さt1は、本実施の形態では3μmとした。厚さt1を3μm程度とすることで、十分な周波数特性を得ることができる。また、厚さt1を5μm以上にすると、端子電極3a及び3bにおける第2の媒質5の上面からビアホール6a及び6b内へ屈曲している部分において割れが発生する可能性が高いが、本実施の形態のように3μm程度とすることで、端子電極3a及び3bに割れが発生する可能性を低くすることができる。
【0023】
また、図1Aに示すように、端子電極3a及び3bは、その一部が反射器2bと櫛歯型電極2aの一部とに重なるように配されている。このような構成とすることで、端子電極3a及び3bの占有面積を削減することができ、弾性波デバイスのサイズを小さくすることができる。
【0024】
ここで、本実施の形態の弾性波デバイスのサイズについて説明する。図2は、端子電極と櫛歯電極及び反射器とが重ならない構成の弾性波デバイスの一例を示す。図2に示す弾性波デバイスは、圧電基板201上に櫛歯型電極202a、反射器202b、および端子部202c及び202dが形成されている。端子部202c及び202dは、櫛歯型電極202a及び反射器202bに対して重ならない位置に配されているため、弾性波デバイス全体の幅寸法L2は、少なくとも櫛歯型電極202aと端子部202c及び202dの幅寸法分は必要となる。これに対して、図1に示すように本実施の形態の弾性波デバイスは、端子電極3a及び3bの一部を、櫛歯型電極2aの一部及び反射器2bに重なるように配置したことにより、全体の幅寸法L1をL2に比べて小さくすることができる。
【0025】
なお、ビアホール6a及び6bと端子電極3a及び3bとの接続部は、第1の媒質4および第2の媒質5の膜厚は厚くても3μm程度が好ましく、一般的な真空成膜、あるいは、シードメタル成膜後のめっきなどの方法で、端子電極3a及び3bを形成することができる。
【0026】
また、本実施の形態の弾性波デバイスをフィルタに搭載することで、フィルタの基板上における弾性波デバイスの占有面積を小さくすることができるので、フィルタを小型化することができる。図3は、本実施の形態における弾性波デバイスを備えたフィルタの構成を示す平面図である。図3に示すようにフィルタは、基板11上に、直列共振器12a,12b,12cと、並列共振器13a,13bと、入出力電極14a,14bと、接地電極15a,15bと、ダミー電極16とを備え、ダミー電極16を除く各部が配線パターン17によって電気的に接続されている。これらの構成は、従来のフィルタと同等の構成であるが、本実施の形態では接地電極15a,15bに、図1A〜図1Cに示す構成の端子電極3a,3bを形成した。
【0027】
図3に示すように、フィルタのチップサイズを決める上面四隅の端子電極を、図1Aに示すように櫛歯型電極および反射器に重なるように形成することで、基板11のサイズを破線11aで示した従来の基板サイズよりも、縮小することができる。
【0028】
また、本実施の形態では、端子電極3a及び3bの一部を、櫛歯型電極2aの一部および反射器2bに重なる位置に形成したが、反射器2bのみに重なる位置に形成してもよい。端子電極3a及び3bの一部を反射器2bに重なる位置に形成することで、弾性波デバイスの占有面積を小さくすることができるとともに、櫛歯型電極2aにおける弾性波に大きな影響を与えず、共振特性の劣化も少ない。本実施の形態のように、反射器2bに加えて櫛歯型電極2aの一部に重なるように形成することで、さらなる弾性波デバイスの小型化が可能になる。
【0029】
また、端子電極3a及び3bの一部を、配線に重なる位置に形成する構成としても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0030】
〔2.弾性波デバイスの製造方法〕
本実施の形態の弾性波デバイスの製造方法について説明する。図4A〜図4Hは、弾性波デバイスの製造工程を示す。図4A〜図4Hにおいて、(a)は平面図、(b)は各図の平面図(a)におけるD−D部の断面図、(c)は各図の平面図(a)におけるE−E部の断面図である。
【0031】
まず、図4Aに示すように、圧電基板21に、レジストでリフトオフパターンを形成し、電極を蒸着する。その後、電極が付着したレジストを有機溶剤などで溶解させることでリフトオフし、櫛歯型電極22a及び22bと反射器22cとを形成する。
【0032】
次に、図4Bに示すように、圧電基板21の表面にSiO2膜24(第1の媒質)をプラズマCVD法(CVD:Chemical Vapor Deposition)や、スパッタ法などの成膜方法を用いて成膜する。なお、SiO2膜24は、櫛歯型電極22a及び22bの一部と反射器22cとを覆うように形成する。
【0033】
次に、図4Cに示すように、SiO2膜24上にレジスト27aを塗布し、ドライエッチング用のパターンを形成する。
【0034】
次に、図4Dに示すように、CF4ガスなどのガスを用いたドライエッチングにより、SiO2膜24を除去する。引き続いて、レジスト27aを有機溶剤などで溶解させることで除去し、SiO2膜24をパターニングする。
【0035】
次に、図4Eに示すように、レジスト27bで櫛歯型電極22a及び22b上にリフトオフパターンを形成する。
【0036】
次に、図4Fに示すように、圧電基板21上にAl2O3膜25を成膜する。次に、Al2O3膜25が付着したレジスト27bを有機溶剤などで溶解させることでリフトオフし、Al2O3膜25をパターニングする。
【0037】
次に、図4Gに示すように、圧電基板21及びAl2O3膜25上にレジスト27cを塗布し、リフトオフパターンを形成する。この時、レジスト27cには、開口部27dを形成する。
【0038】
次に、図4Hに示すように、開口部27d内に端子電極23a及び23bを蒸着する。その後、電極が付着したレジスト27cを有機溶剤で溶解させることでリフトオフし、端子電極23a及び23bを形成する。形成された端子電極23a及び23bは、その上端がAl2O3膜25の上面に露出し、下端が櫛歯型電極22a及び22bに接続されている。
【0039】
以上の工程により、弾性波デバイスを作製することができる。その後、端子電極23a及び23b上へのバンプ形成、および基板のダイシングによる個片化処理により、弾性波デバイスを備えたチップが完成する。
【0040】
〔3.弾性波デバイスのシミュレーション〕
本実施の形態のように、端子部電極の一部が共振器と重なるように形成した場合、重なった領域の電極の電位が周波数特性に影響することが懸念される。そこで、有限要素法(FEM:finite element method)の計算機シミュレーションを行った。計算モデルは、図5に示すように、圧電基板31上に形成された櫛歯型電極32の断面の半周期の上を、SiO2膜33およびAl2O3膜34が覆っている2次元構造とした。このような構成の計算モデルにおいて、SiO2膜33の表面およびAl2O3膜34の表面に電位を与えた場合と与えない場合とで、共振周波数および反共振周波数の変化を計算した。
【0041】
まず、Al2O3膜34がない場合の計算を行った。図6に示すように、共振周波数に関しては、SiO2膜33の膜厚に関係なく、電位の有無で周波数の差がほとんど無かった。一方、図7に示すように、反共振周波数に関しては、SiO2膜33の膜厚が薄いほど(図7に示す計算結果では0.3μm未満)、電位の有無で周波数に差が見られた。図7に示す計算結果によれば、SiO2膜33の膜厚が0.3μm以上であれば、反共振周波数の変化は電位の有無の影響を受けないことがわかった。
【0042】
次に、SiO2膜33の膜厚を0.5μmに固定し、Al2O3膜34の膜厚を変化させた場合の計算を行った。図8に示すように、共振周波数に関しては、Al2O3膜34の膜厚に関係なく、電位の有無で周波数の差がほとんどなかった。一方、図9に示すように、反共振周波数に関しては、Al2O3膜34の膜厚が薄いほど(図9に示す計算結果では0.8μm未満)、電位の有無で周波数に差が見られた。図9に示す計算結果によれば、Al2O3膜34の膜厚が0.8μm以上であれば、反共振周波数の変化は電位の有無の影響を受けないことがわかった。
【0043】
通常、境界波デバイスの場合、境界波の閉じ込め条件からAl2O3膜の膜厚は1μm以上が望ましい。よって、SiO2膜などの第1の媒質は、0.3μm以上の膜厚であれば、端子電極を共振器に重なる位置に配置しても、動作特性上の大きな問題はないと考えられる。
【0044】
〔4.デュープレクサの構成〕
携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、無線LANシステムなどの移動体通信(高周波無線通信)には、デュープレクサが搭載されている。デュープレクサは、通信電波などの送信機能及び受信機能を持ち、送信信号と受信信号の周波数が異なる無線装置において用いられる。
【0045】
図10は、本実施の形態の弾性波デバイスを備えたデュープレクサの構成を示す。デュープレクサ52は、位相整合回路53、受信フィルタ54、および送信フィルタ55を備えている。位相整合回路53は、送信フィルタ55から出力される送信信号が受信フィルタ54側に流れ込むのを防ぐために、受信フィルタ54のインピーダンスの位相を調整するための素子である。また、位相整合回路53には、アンテナ51が接続されている。受信フィルタ54は、アンテナ51を介して入力される受信信号のうち、所定の周波数帯域のみを通過させる帯域通過フィルタで構成されている。また、受信フィルタ54には、出力端子56が接続されている。送信フィルタ55は、入力端子57を介して入力される送信信号のうち、所定の周波数帯域のみを通過させる帯域通過フィルタで構成されている。また、送信フィルタ55には、入力端子57が接続されている。ここで、受信フィルタ54及び送信フィルタ55には、本実施の形態における弾性波デバイスが含まれている。
【0046】
以上のように本実施の形態の弾性波デバイスを受信フィルタ54及び送信フィルタ55に備えることで、デュープレクサを小型化することができる。また、弾性波デバイスを小型化することにより、ウェハ1枚当たりの弾性波デバイスのチップ数を多くすることができるので、そのような弾性波デバイスを備えたデュープレクサを製造する際のコストを低減することができる。
【0047】
〔5.通信モジュールの構成〕
図11は、本実施の形態の弾性波デバイスまたは図10に示すデュープレクサを備えた通信モジュールの一例を示す。図11に示すように、デュープレクサ62は、受信フィルタ62aと送信フィルタ62bとを備えている。また、受信フィルタ62aには、例えばバランス出力に対応した受信端子63a及び63bが接続されている。また、送信フィルタ62bは、パワーアンプ64を介して送信端子65に接続している。ここで、受信フィルタ62a及び送信フィルタ62bには、本実施の形態における弾性波デバイスまたはデュープレクサが含まれている。
【0048】
受信動作を行う際、受信フィルタ62aは、アンテナ端子61を介して入力される受信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、受信端子63a及び63bから外部へ出力する。また、送信動作を行う際、送信フィルタ62bは、送信端子65から入力されてパワーアンプ64で増幅された送信信号のうち、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、アンテナ端子61から外部へ出力する。
【0049】
以上のように本実施の形態の弾性波デバイスまたはデュープレクサを、通信モジュールの受信フィルタ62a及び送信フィルタ62bに備えることで、通信モジュールを小型化することができる。また、弾性波デバイスを小型化することにより、ウェハ1枚当たりの弾性波デバイスのチップ数を多くすることができるので、そのような弾性波デバイスを備えた通信モジュールを製造する際のコストを低減することができる。
【0050】
なお、図11に示す通信モジュールの構成は一例であり、他の形態の通信モジュールに本発明の弾性波デバイスを搭載しても、同様の効果が得られる。
【0051】
〔6.通信装置の構成〕
図12は、本実施の形態の弾性波デバイス、デュープレクサ、または通信モジュールを備えた通信装置の一例として、携帯電話端末のRFブロックを示す。また、図12に示す構成は、GSM(Global System for Mobile Communications)通信方式及びW−CDMA(Wideband Code Divition Multiple Access)通信方式に対応した携帯電話端末の構成を示す。また、本実施の形態におけるGSM通信方式は、850MHz帯、950MHz帯、1.8GHz帯、1.9GHz帯に対応している。また、携帯電話端末は、図12に示す構成以外にマイクロホン、スピーカー、液晶ディスプレイなどを備えているが、本実施の形態における説明では不要であるため図示を省略した。ここで、受信フィルタ73a、77、78、79、80、および送信フィルタ73bには、本実施の形態における弾性波デバイスが含まれている。
【0052】
まず、アンテナ71を介して入力される受信信号は、その通信方式がW−CDMAかGSMかによってアンテナスイッチ回路72で、動作の対象とするLSIを選択する。入力される受信信号がW−CDMA通信方式に対応している場合は、受信信号をデュープレクサ73に出力するように切り換える。デュープレクサ73に入力される受信信号は、受信フィルタ73aで所定の周波数帯域に制限されて、バランス型の受信信号がLNA74に出力される。LNA74は、入力される受信信号を増幅し、LSI76に出力する。LSI76では、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行ったり、携帯電話端末内の各部を動作制御する。
【0053】
一方、信号を送信する場合は、LSI76は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ75で増幅されて送信フィルタ73bに入力される。送信フィルタ73bは、入力される送信信号のうち所定の周波数帯域の信号のみを通過させる。送信フィルタ73bから出力される送信信号は、アンテナスイッチ回路72を介してアンテナ71から外部に出力される。
【0054】
また、入力される受信信号がGSM通信方式に対応した信号である場合は、アンテナスイッチ回路72は、周波数帯域に応じて受信フィルタ77〜80のうちいずれか一つを選択し、受信信号を出力する。受信フィルタ77〜80のうちいずれか一つで帯域制限された受信信号は、LSI83に入力される。LSI83は、入力される受信信号に基づいて音声信号への復調処理を行ったり、携帯電話端末内の各部を動作制御する。一方、信号を送信する場合は、LSI83は送信信号を生成する。生成された送信信号は、パワーアンプ81または82で増幅されて、アンテナスイッチ回路72を介してアンテナ71から外部に出力される。
【0055】
以上のように本実施の形態の弾性波デバイス、デュープレクサ、または通信モジュールを通信装置に備えることで、通信装置を小型化することができる。また、弾性波デバイスを小型化することにより、ウェハ1枚当たりの弾性波デバイスのチップ数を多くすることができるので、そのような弾性波デバイスを備えた通信装置を製造する際のコストを低減することができる。
【0056】
なお、図12に示す通信装置の構成は一例である。
【0057】
〔7.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、端子電極3a,3bの一部を櫛歯型電極2aの一部及び反射器2bに重ねて配置することにより、弾性波デバイスのサイズを小型化することができる。また、このような構成の端子電極をフィルタにおける端子に採用することにより、フィルタ基板上の端子電極の占有面積を縮小することができ、フィルタを小型化することができる。
【0058】
また、弾性波デバイスを小型化することで、製造時、ウェハ1枚当たりのチップ数を増加させることができるので、製造コストを低減することができる。
【0059】
(付記1)
圧電基板上に弾性波の励振電極および反射器を備え、その上を少なくとも一層の媒質で被覆された弾性波デバイスであって、
前記媒質から露出し、前記励振電極の一部と電気的に接続された端子電極を備え、
前記端子電極は、その一部が、前記媒質を挟んで前記反射器と重なる位置に配されている、弾性波デバイス。
【0060】
(付記2)
前記端子電極は、その一部が、前記媒質を挟んで前記励振電極と重なる位置に配されている、付記1記載の弾性波デバイス。
【0061】
(付記3)
前記端子電極は、前記励振電極上を被覆する媒質より露出した部分の面積よりも、前記励振電極あるいは前記反射器と重なっている部分の面積が大きく形成されている、付記1の弾性波デバイス。
【0062】
(付記4)
前記励振電極と接する媒質は、SiO2で形成されている、付記1記載の弾性波デバイス。
【0063】
(付記5)
前記媒質は、厚さが0.3μm以上である、付記4記載の弾性波デバイス。
【0064】
(付記6)
前記媒質は、複数の媒質で構成され、前記複数の媒質のうち最外層の媒質がAl2O3で形成されている、付記4記載の弾性波デバイス。
【0065】
(付記7)
付記1から6のいずれかに記載の弾性波デバイスを備えた、フィルタ。
【0066】
(付記8)
付記1から6のいずれかに記載の弾性波デバイス、または付記7に記載のフィルタを備えた、通信モジュール。
【0067】
(付記9)
付記8に記載の通信モジュールを備えた、通信装置。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明の弾性波デバイスは、携帯電話端末などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1A】本実施の形態における弾性波デバイスの構成を示す平面図
【図1B】図1AにおけるB−B部の断面図
【図1C】図1AにおけるC−C部の断面図
【図2】従来の弾性波デバイスの構成を示す平面図
【図3】本実施の形態の弾性波デバイスを搭載したフィルタの構成を示す平面図
【図4】図4A〜図4Hにおいて、(a)は本実施の形態の弾性波デバイスの製造工程を示す平面図、(b)は(a)におけるD−D部の断面図、(c)は(a)におけるE−E部の断面図
【図5】本実施の形態の弾性波デバイスのFEMシミュレーションを行った際の計算モデルを示す模式図
【図6】共振周波数のSiO2膜厚依存性の計算結果を示す特性図
【図7】反共振周波数のSiO2膜厚依存性の計算結果を示す特性図
【図8】共振周波数のAl2O3膜厚依存性の計算結果を示す特性図
【図9】反共振周波数のAl2O3膜厚依存性の計算結果を示す特性図
【図10】本実施の形態におけるデュープレクサの構成を示すブロック図
【図11】本実施の形態における通信モジュールの構成を示すブロック図
【図12】本実施の形態における通信装置の構成を示すブロック図
【図13A】特許文献2に開示されている弾性波素子の構成を示す平面図
【図13B】図13AにおけるY−Y部の断面図
【図14A】特許文献3に開示されている弾性境界波素子の構成を示す平面図
【図14B】図14AにおけるY−Y部の断面図
【符号の説明】
【0070】
1 圧電基板
2 電極
2a 櫛歯型電極
2b 反射器
2c、2d 端子部
3a、3b 端子電極
4 第1の媒質
5 第2の媒質
6a、6b ビアホール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、
前記圧電基板上に設けられた弾性波の励振電極および反射器と、
前記励振電極及び前記反射器を被覆する少なくとも一層の媒質と、
前記媒質から露出し、前記励振電極の一部と電気的に接続された端子電極とを備え、
前記端子電極は、その一部が、前記媒質を挟んで前記反射器と重なる位置に配されている、弾性波デバイス。
【請求項2】
前記端子電極は、その一部が、前記媒質を挟んで前記励振電極と重なる位置に配されている、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記励振電極と接する媒質は、SiO2で形成されている、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記媒質は、厚さが0.3μm以上である、請求項3に記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記媒質は、複数の媒質で構成され、前記複数の媒質のうち最外層の媒質がAl2O3で形成されている、請求項3に記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の弾性波デバイスを備えた、フィルタ。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の弾性波デバイス、または請求項6に記載のフィルタを備えた、通信モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の通信モジュールを備えた、通信装置。
【請求項1】
圧電基板と、
前記圧電基板上に設けられた弾性波の励振電極および反射器と、
前記励振電極及び前記反射器を被覆する少なくとも一層の媒質と、
前記媒質から露出し、前記励振電極の一部と電気的に接続された端子電極とを備え、
前記端子電極は、その一部が、前記媒質を挟んで前記反射器と重なる位置に配されている、弾性波デバイス。
【請求項2】
前記端子電極は、その一部が、前記媒質を挟んで前記励振電極と重なる位置に配されている、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記励振電極と接する媒質は、SiO2で形成されている、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記媒質は、厚さが0.3μm以上である、請求項3に記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記媒質は、複数の媒質で構成され、前記複数の媒質のうち最外層の媒質がAl2O3で形成されている、請求項3に記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の弾性波デバイスを備えた、フィルタ。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の弾性波デバイス、または請求項6に記載のフィルタを備えた、通信モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の通信モジュールを備えた、通信装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【公開番号】特開2010−28459(P2010−28459A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187527(P2008−187527)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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