説明

弾球遊技機及びシミュレーションプログラム

【課題】 どのような遊技者であっても大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる弾球遊技機及びシミュレーションプログラムを提供する。
【解決手段】 パチンコ遊技機は、大当り遊技状態の終了後における遊技状態として、遊技者にとって相対的に有利な確変状態、遊技者にとって相対的に不利な通常遊技状態のいずれかを選択する。パチンコ遊技機は、大当り遊技状態の終了後における遊技状態として選択された遊技状態の種類に基づいて、複数種類の変位態様のうちいずれかを可変入球装置を変位させる変位態様として決定する。パチンコ遊技機は、決定された変位態様で可変入球装置を変位させる制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機及びシミュレーションプログラムに関するものであり、特に、遊技球が転動可能な遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な可変入球装置を備えた弾球遊技機及びシミュレーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において、遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことを主な条件として、表示装置の表示領域上に識別情報を変動表示する制御を行い、変動表示が行われている識別情報を導出表示する制御を行う表示制御手段が備えられ、導出表示された識別情報が所定の組合せ(特定の表示態様)となった場合に遊技者に相対的に有利な「大当り遊技状態」(所謂「大当り」)に移行するようにしたものが提供されている。
【0003】
この種の遊技機では、一般的に、大入賞口や、その大入賞口を開閉されるシャッタなどから構成される可変入球装置が遊技領域に設けられ、大当り遊技状態において、可変入球装置が遊技球を受け入れ可能な第1の状態に制御された後に、所定の移行条件が成立すると、遊技球を受け入れない第2の状態にするラウンド制御が行われる。このようなラウンド制御は、所定の上限回数まで実行可能とされている。
【0004】
また、大当り遊技状態の種類としては、例えば、特別大当り遊技状態と普通大当り遊技状態とが設定されている。特別大当り遊技状態は、ラウンド制御の上限回数が相対的に大きく、大当り遊技状態終了後に確変状態(大当り遊技状態に移行しやすい遊技状態)などに移行する遊技状態であり、普通大当り遊技状態は、ラウンド制御の上限回数が相対的に小さく、大当り遊技状態終了後に、通常遊技状態(確変状態より大当り遊技状態に移行しにくい遊技状態)などに移行する遊技状態である。
【0005】
このような大当り遊技状態の種類は、大当り遊技状態に移行すると決定されたことを条件に決定される。一般的には、特別大当り遊技状態に移行すると決定された場合には、識別情報の可変表示の結果が特定の表示態様のうち特別の表示態様となり、普通大当り遊技状態に移行すると決定された場合には、識別情報の可変表示の結果が特定の表示態様のうち非特別の表示態様となる。また、このような識別情報の可変表示の結果は、実際に移行する前に行われるため、遊技者にとっては、大当り遊技状態に移行してから、即ち、大当り遊技状態中において興趣の向上が図られているわけではなかった。
【0006】
このような遊技機において、例えば、特許文献1に示すように、大当り遊技状態において大入賞口の開放時間の合計が所定時間以内である場合に、相対的に有利な遊技状態(例えば、確変状態など)に移行する確率を変更させるものが開示されている。これによって、遊技者の技術介入によって、遊技状態が相対的に有利に進行することとなり、大当り遊技状態中における興趣の向上が図られていた。
【特許文献1】特開2002−95831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した弾球遊技機では、遊技に対する技量が高い遊技者であるほど、遊技状態が相対的に有利に進行することとなるため、初心者など、遊技に対する技量が高くない遊技者にとっては、遊技状態が相対的に有利に進行させることができず、不利である。このため、不利に進行されることによって、折角試みられた大当り遊技状態における興趣が反って減退し、どのような遊技者にとっても、大当り遊技状態における興趣が向上するわけでなかった。一方、上述したように、識別情報の可変表示の結果に基づいて、単に、大当り遊技状態の種類を認識させるだけでは、大当り遊技状態における興趣の向上が図られておらず、大当り遊技状態における興趣が向上しない。
【0008】
本発明は、上述したような課題に鑑みてなされたものであり、どのような遊技者であっても大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる弾球遊技機及びシミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0010】
(1) 遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことを条件に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う大当り判定手段と、前記遊技領域に設けられ、前記大当り判定手段によって大当り遊技状態に移行させると判定されたことを条件に遊技球を受け入れ易く変位する可変入球装置と、前記可変入球装置の可変制御を行う可変入球装置制御手段と、前記大当り遊技状態の終了後における遊技状態として、遊技者にとって相対的に有利な第一の遊技状態、遊技者にとって相対的に不利な第二の遊技状態のいずれかを選択する遊技状態選択手段と、を備えた弾球遊技機であって、前記遊技状態選択手段によって選択された遊技状態の種類に基づいて、複数種類の変位態様のうちいずれかを前記可変入球装置を変位させる変位態様として決定する変位態様決定手段を備え、前記可変入球装置制御手段は、前記変位態様決定手段によって決定された変位態様で前記可変入球装置を変位させる制御を行う機能を有することを特徴とする弾球遊技機。
【0011】
(2) 遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことを条件に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う大当り判定手段と、前記遊技領域に設けられ、前記大当り判定手段によって大当り遊技状態に移行させると判定されたことを条件に遊技球を受け入れ易く変位する可変入球装置と、前記可変入球装置の可変制御を行う可変入球装置制御手段と、前記大当り遊技状態の終了後における遊技状態として、遊技者にとって相対的に有利な第一の遊技状態、遊技者にとって相対的に不利な第二の遊技状態のいずれかを選択する遊技状態選択手段と、を備えた弾球遊技機であって、前記可変入球装置を変位させる変位態様として複数種類の変位態様のうちいずれかを決定する変位態様決定手段を備え、前記可変入球装置制御手段は、前記変位態様決定手段によって決定された変位態様で前記可変入球装置を変位させる制御を行う機能を有し、前記遊技状態選択手段は、前記変位態様決定手段によって決定された変位態様に基づいて、遊技状態を選択する機能を有することを特徴とする弾球遊技機。
【0012】
(3) (1)又は(2)に記載の弾球遊技機において、前記遊技領域に複数の前記可変入球装置が設けられ、前記変位態様決定手段は、前記複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させることを前記変位態様として決定する機能を有することを特徴とする弾球遊技機。
【0013】
(4) (3)に記載の弾球遊技機において、前記複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させた回数に対応した数値データに基づく数値画像を表示する数値画像表示手段と、を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【0014】
(5) (4)に記載の弾球遊技機において、数値画像表示手段は、第一数値データに基づく第一数値画像を表示した後に、第二数値データに基づく第二数値画像を表示するとともに、第一数値データと第二数値データとを加算した第三数値データに基づく第三数値画像を表示することによって、前記数値データに基づく数値画像を表示する機能を有することを特徴とする弾球遊技機。
【0015】
(6) (4)又は(5)に記載の弾球遊技機において、前記数値画像を表示させる以前に、当該数値画像を表示させる旨の報知を行う画像表示報知手段を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【0016】
(7) (3)から(6)のいずれかに記載の弾球遊技機において、前記複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させた回数を報知する決定回数報知手段を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【0017】
(8) 遊技球画像が転動可能な遊技領域に表示された始動領域を遊技球画像が通過したことを条件に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う大当り判定処理と、前記大当り判定処理において大当り遊技状態に移行させると判定されたことを条件に、前記遊技領域に表示される可変入球装置画像を、遊技球画像を受け入れ易く変位表示させる制御を行う可変入球装置表示制御処理と、前記大当り遊技状態の終了後における遊技状態として、遊技者にとって相対的に有利な第一の遊技状態、遊技者にとって相対的に不利な第二の遊技状態のいずれかを選択する遊技状態選択処理と、をコンピュータに実行させるシミュレーションプログラムであって、前記遊技状態選択処理において選択された遊技状態の種類に基づいて、複数種類の変位態様のうちいずれかを前記可変入球装置画像を変位表示させる変位態様として決定する変位態様決定処理と、前記可変入球装置表示制御処理において、前記変位態様決定処理において決定された変位態様で前記可変入球装置画像を変位表示させる制御を行う処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とするシミュレーションプログラム。
【0018】
(1)又は(8)に記載の発明によれば、選択された大当り遊技状態の種類に基づいて、複数種類の変位態様のうちいずれかを可変入球装置を変位させる変位態様として決定し、その変位態様で可変入球装置を変位させる制御を行う。従って、大当り遊技状態の終了後における遊技状態の種類に基づいて変位態様を決定することとなるため、可変入球装置の変位態様の種類によって、大当り遊技状態の終了後における遊技状態の種別を遊技者に示唆し、認識させることができ、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態の進行を予測させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、遊技に対する遊技者の技量によって遊技の有利不利が決定されるわけではないため、どのような遊技者であっても、興趣の減退なく、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0019】
(2)に記載の発明によれば、複数種類の変位態様のうちいずれかを可変入球装置を変位させる変位態様として決定し、その変位態様に基づいて、大当り遊技状態を選択する。従って、可変入球装置の変位態様に基づいて大当り遊技状態の種類を決定することとなるため、可変入球装置の変位態様の種類によって、大当り遊技状態の種別を遊技者に示唆し、認識させることができ、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態の進行を予測させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、遊技に対する遊技者の技量によって遊技の有利不利が決定されるわけではないため、どのような遊技者であっても、興趣の減退なく、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0020】
(3)に記載の発明によれば、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させることを変位態様として決定する。従って、変位態様のバリエーションを増大させることができ、どのような遊技者であっても、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0021】
(4)に記載の発明によれば、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させる回数に対応した数値データに基づく数値画像を表示する。従って、数値画像の表示と変位態様とが対応付けられる、即ち、数値画像の表示と大当り遊技状態の種類とが対応付けられており、どのような遊技者であっても、数値画像によって、変位態様、遊技状態の種類などが容易に連想可能となり、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、数値画像であるため、どのような遊技者であっても、容易に認識することができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0022】
(5)に記載の発明によれば、第一数値データに基づく第一数値画像を表示した後に、第二数値データに基づく第二数値画像を表示するとともに、第一数値データと第二数値データとを加算した第三数値データに基づく第三数値画像を表示することによって、数値データに基づく数値画像を表示する。このため、第一数値画像が表示された場合であっても、その後に、第二数値画像が表示され、その第二数値画像と第一数値画像とが加算された第三数値画像が表示されるため、例えば、第一数値画像が表示された場合であっても、その第一数値画像から発展するかもしれないという数値画像の表示に対する期待感を高揚させることができ、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、第一数値画像と第二数値画像との加算表示として第三数値画像が表示されるため、容易に認識することができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0023】
(6)に記載の発明によれば、数値画像を表示させる以前に、当該数値画像を表示させる旨の報知を行う。従って、数値画像が表示される期待感をより一層高揚させることができ、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0024】
(7)に記載の発明によれば、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させる回数を報知する。従って、可変入球装置の変位回数が報知されるため、容易に認識可能であり、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0025】
この発明によれば、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0027】
[遊技機の構成]
本実施形態における遊技機の概観について図1から図3を用いて説明する。尚、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を第1種パチンコ遊技機(「デジパチ」とも称される。)に適用した場合を示す。
【0028】
パチンコ遊技機10は、図1及び図2に示すように、ガラスドア11、木枠12、ベースドア13、遊技盤14、皿ユニット21、画像を表示する液晶表示装置32、遊技球を発射する発射装置130、基板ユニット400、遊技価値を付与する球払出ユニット500などから構成されている。
【0029】
上述したガラスドア11は、図2に示すように、ベースドア13に対して開閉自在に軸着されている。また、このガラスドア11の中央には、図1に示すように、開口11aが形成されている。また、この開口11aには、透過性を有する保護ガラス19が配設されている。この保護ガラス19は、ガラスドア11が閉鎖された状態で、後述する遊技盤14の前面に対面するように配設されている。特に、この保護ガラス19は、図2に示すように、少なくとも遊技領域15の全域と対面するように配設されておればよいが、遊技領域15に該当しない遊技盤14の前面領域16(以降、遊技領域外16と称する)に対面するように配設されてもよい。
【0030】
また、図1に示すように、ガラスドア11には、その開口11aの下方に、コントロールパネル80が配設されている。このコントロールパネル80には、遊技球の貸し出し用操作部82、メニュー画面表示、メニュー選択、決定、取り消しなどのメニュー操作部84、遊技の進行に関する操作などのゲーム操作部88などが含まれている。
【0031】
上述した皿ユニット21は、図2に示すように、ガラスドア11の下方に位置するように、ベースドア13に配設されている。皿ユニット21には、図1に示すように、その上方に上皿20が設けられている。また、上皿20の下方には下皿22が設けられている。上皿20には、後述する遊技領域15に発射させるための遊技球が貯留される。また、上皿20及び下皿22には、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口20a、22aが形成されており、所定の払出条件が成立した場合には、後述する球払出ユニット500に貯留されている遊技球が排出されることとなる。
【0032】
上述した発射装置130は、図2に示すように、皿ユニット21の側方に位置するように、ベースドア13に配設されている。この発射装置130には、図1に示すように、遊技者によって操作可能な発射ハンドル26が配設されている。発射ハンドル26は、回動自在に設けられており、遊技者によって発射ハンドル26が操作されることによりパチンコ遊技を進めることができる。また、発射ハンドル26の裏側には、発射モータ(図示せず)、球送りソレノイド(図示せず)などが設けられている。尚、遊技を行う遊技者は、発射ハンドル26等の操作が可能なパチンコ遊技機10の前方側に位置することとなる。つまり、このパチンコ遊技機10は、前方から遊技可能である。
【0033】
また、この発射ハンドル26の周縁には、タッチセンサ(図示せず)、発射停止スイッチ(図示せず)などが設けられている。このタッチセンサが触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤14に順次発射される。また、発射ハンドル26が回動操作されている場合であっても、この発射停止スイッチが操作されたときには、発射装置130によって遊技球が発射されない。
【0034】
尚、発射ハンドル26に設けられるタッチセンサは、遊技者が発射ハンドル26を握持したと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
【0035】
上述した遊技盤14は、図2に示すように、ガラスドア11における保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア13の前方に配設されている。この遊技盤14は、その全部が透過性を有する板形状の樹脂によって形成されている。この透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。つまり、遊技盤14は、透光性部材により一部又は全部が後方を視認可能に形成されている。遊技盤14は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30(図3参照)などに囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。また、遊技盤14における遊技領域15には複数の障害釘(図示せず)が設けられている。このように、発射装置130によって発射された遊技球は、遊技盤14上に設けられたガイドレール30に案内されて遊技盤14の上部に移動し、その後、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下することとなる。また、詳しくは後述するが、このような遊技盤14においては、各種の役物が取り付け可能となっている。
【0036】
この遊技盤14の前面側方には、詳しく図3を用いて後述するが、始動口44が、前面下方には、2つのシャッタ40a及び40bなどが設けられている。始動口44に遊技球が入球したことを条件として、識別情報の可変表示が実行されることとなる。また、詳しくは後述するが、この識別情報の可変表示の結果に応じて、通常遊技状態よりも遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態(特定遊技状態、所謂、「大当り」)となる。この大当り遊技状態となった場合には、シャッタ40a又は40bが開放状態に制御され、大入賞口39(例えば、第一大入賞口39aや第二大入賞口39b)に遊技球が受け入れ容易な開放状態となる。
【0037】
上述したように、ガラスドア11、遊技盤14、皿ユニット21、発射装置130が配設されたベースドア13は、図2に示すように、木枠12に軸着されている。ベースドア13の中央には開口13aが形成されている。このため、ベースドア13の後方に配設される液晶表示装置32の表示領域32aが、透過性を有する遊技盤14、保護ガラス19を介して、前方から視認可能となる。また、このベースドア13の上方には、スピーカ46L、46Rが配設される。
【0038】
また、遊技盤14の上方には、図3に示すように、詳しく後述するが、可変表示手段としての特別図柄表示装置33が背面側から配設されている。
【0039】
この特別図柄表示装置33は、7セグ表示が可能な表示装置であり、特別図柄表示装置33は、特別図柄ゲームにおいて識別情報としての特別図柄の可変表示を行う装置である。この特別図柄表示装置33における特別図柄は、一列の図柄列で構成されているが、これに限らず、例えば、複数の図柄列で構成されていてもよい。この識別情報としての特別図柄は、数字や記号等からなる図柄であり、本実施形態においては、“0”から“9”の数字、“−”の絵柄を用いる。
【0040】
「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能とするものである。また、「可変表示」は、特別図柄ゲームの結果として識別情報が表示される「導出表示」を行うことができる。また、変動表示が開始されてから導出表示されるまでを1回の可変表示と称する。
【0041】
また、この特別図柄表示装置33において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様(例えば、“0”から“9”のいずれかが導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。また、導出表示された特別図柄が非特定の表示態様(例えば、“−”が導出表示される態様、所謂「はずれ態様」)になった場合には、大当り遊技状態に移行しない。
【0042】
尚、本実施形態においては、大当り遊技状態には、相対的に有利な特別大当り遊技状態と、相対的に不利な普通大当り遊技状態とがある。特別大当り遊技状態においては、後述するラウンド制御が15ラウンドを上限として制御され、普通大当り遊技状態においては、後述するラウンド制御が2ラウンドを上限として制御される。また、特別大当り遊技状態が終了した後には、確変状態に移行する。一方、普通大当り遊技状態が終了した後には、通常遊技状態に移行する。上述したような確変状態では、通常遊技状態よりも相対的に大当り遊技状態に移行する確率が向上する。つまり、確変状態は、通常遊技状態よりも有利な状態である。
【0043】
尚、本実施形態においては、特別大当り遊技状態に移行させると決定された場合には、必ずしも、特別図柄が特定の表示態様のうちの特別の表示態様(例えば、“1”、“3”、“5”、“7”、“9”が導出表示される態様)として導出表示されなくてもよく、特別の表示態様ではない非特別の表示態様(例えば、“0”、“2”、“4”、“6”、“8”が導出表示される態様)として導出表示された場合であってもよい。つまり、大当り遊技状態に移行するか否かは、導出表示される特別図柄が特定の表示態様として導出表示されたことに関連するが、特別大当り遊技状態に移行するか、普通大当り遊技状態に移行するかは、導出表示される特別図柄には関連しない。また、本発明はこれに限らず、特別大当り遊技状態に移行するか、普通大当り遊技状態に移行するかは、導出表示される特別図柄には関連してもよい。
【0044】
上述した液晶表示装置32は、ベースドア13に配設されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像を表示するための表示領域32aを有している。この液晶表示装置32は、開口13aを介して、遊技盤14の後方(背面側)に配設されることとなる。また、液晶表示装置32は、表示領域32aが開口13aを介して遊技盤14の全部又は一部と背面側から奥行き方向に重なるように配設されている。この液晶表示装置32における表示領域32aには、詳しくは後述するが、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示に伴って可変表示を行う装飾図柄、遊技に係る背景画像、演出画像等、各種の遊技に関する画像が所定の態様で表示されることとなる。つまり、液晶表示装置32は、遊技に関する演出画像を表示する。また、言い換えると、液晶表示装置32は、遊技に関する演出画像を視認可能に表示する表示領域32aを有することとなる。
【0045】
また、この液晶表示装置32には、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示に合わせて、複数の図柄列(本実施形態においては3列)に対応する装飾図柄が可変表示される。つまり、液晶表示装置32は、識別情報としての装飾図柄の可変表示を行う。尚、本実施形態における液晶表示装置32は、可変表示手段の一例に相当する。尚、装飾図柄は、数字の“0”から“9”が用いられる。
【0046】
これら複数の図柄列において装飾図柄の導出表示が行われ、特別図柄表示装置33における特別図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となる場合には、導出表示された複数の装飾図柄の組合せが特定の組合せ(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“0”から“9”のいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様、所謂「大当り表示態様」)となり、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂大当り)に移行することとなる。
【0047】
また、液晶表示装置32には、この装飾図柄の他にも、背景画像、演出用の演出画像等が表示される。
【0048】
このように、遊技者によってパチンコ遊技機10の前方から遊技が行われている場合、つまり、ガラスドア11が閉鎖した状態である場合には、透過性を有する遊技盤14の背面側に液晶表示装置32が配設されるとともに、遊技盤14の前面側に透過性を有する保護ガラス19が配設されるので、液晶表示装置32における表示領域32aに表示された画像が、透過性を有する遊技盤14及び保護ガラス19を介して遊技者に対して視認可能となる。
【0049】
このため、透過性を有する遊技盤14の背面に液晶表示装置32が配設され、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて各種の演出を行うことによって、従来の遊技機にはなかった斬新な表示演出を提供することができ、興趣の向上を図ることができる。また、従来の遊技機においては、表示領域のサイズを大きくすることによって、遊技領域のサイズが小さくなる可能性があった。また、表示領域のサイズを大きくしないで、各種の画像を表示することは、遊技者にとって視認することが煩雑となるおそれもあった。そこで、後述するような表示演出を実行することによって、液晶表示装置32における表示領域のサイズにとらわれない多種多様な演出を実行でき、興趣の向上を図ることができる。また、遊技盤14と、その遊技盤14の後方に配設される液晶表示装置32との間に隙間を設けたので、障害釘の調整を行う際などにおける衝撃が液晶表示装置32に伝導しにくく、液晶表示装置32を傷つけることを防止し、液晶表示装置32の製品寿命を永らえることができる。尚、液晶表示装置32に、役物、入賞口、球流路、リールの配置等のための穴を設けてもよい。
【0050】
尚、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED(Light Emitting Diode)、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。
【0051】
上述した木枠12は、木製の枠体であり、図2に示すように、その前方にベースドア13が軸着される。尚、本実施形態においては、木製の木枠12を用いた構成としたが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、金属製、樹脂製の枠体を用いた構成としてもよい。また、この木枠12の中央には、開口12aが形成されている。この開口12aには、上述したベースドア13、液晶表示装置32、詳しく後述する基板ユニット400、球払出ユニット500などが配置される。
【0052】
上述した基板ユニット400は、ベースドア13の後方に軸着されている。基板ユニット400には、パチンコ遊技機10を制御するための回路が形成された各種の基板(図示せず)などが内蔵されており、それらの基板が基板ケース(図示せず)によって覆われている。
【0053】
上述した球払出ユニット500は、ベースドア13の後方に軸着されている。球払出ユニット500には、遊技球を貯留するための球貯留タンク(図示せず)と、球通路ケース(図示せず)とから構成され、球貯留タンクに貯留されている遊技球を、上述した払出口20a、22aへと導くこととなる。
【0054】
上述した遊技盤14の遊技領域15には、各種の役物が設けられている。各種の役物の一例として図3を用いて以下に説明するが、これに限定されるものではない。
【0055】
例えば、遊技盤14の上方には、上述した可変表示手段としての特別図柄表示装置33が設けられている。
【0056】
また、遊技盤14の上方には、特別図柄ゲームにおける保留個数を表示する特別図柄保留表示装置34aから34d(図4においては符号34と表す)が設けられている。
【0057】
また、遊技盤14の遊技領域15内の上方には、球通過検出器54a及び54bが設けられている。これらの球通過検出器54a及び54bが、その近傍を遊技球が通過したことを検出したときには、所定の確率で(例えば、変動表示が開始されてから所定の時間が経過した後に導出表示される普通図柄(図示せず)が所定の図柄であるときには)、後述する羽根部材48が開放状態に制御される。
【0058】
また、遊技盤14の遊技領域15内の下方には、遊技球の一般入賞口56aから56dが設けられている。
【0059】
また、遊技盤14の遊技領域15の下方には、第一大入賞口39aに対して開閉自在な第一シャッタ40aが、第二大入賞口39bに対して開閉自在な第二シャッタ40bが設けられている。上述したように、導出表示された識別情報が特定の表示態様となった場合には、遊技状態が大当り遊技状態に移行され、これら第一シャッタ40a、第二シャッタ40bのいずれかが遊技球を受け入れやすい開放状態(第一の状態)となるように駆動される。また、これら第一大入賞口39a、第二大入賞口39bには、第一カウントセンサ104、第二カウントセンサ105(ともに図4参照)が配設され、第一大入賞口39a、第二大入賞口39bのいずれかに遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで第一シャッタ40a、第二シャッタ40bのいずれかが開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口39a及び39bへの所定数の遊技球の入球又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口39a及び39bを、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態(第二の状態)にする。
【0060】
また、移行している大当り遊技状態の種別に対応する上限ラウンド数のラウンド制御が終了してない場合において、大入賞口39a及び39bが閉鎖状態となったときには、再度、大入賞口39a及び39bが開放状態となる。そして、大当り遊技状態の種別に対応する上限ラウンド数のラウンド制御が終了した場合には、その大当り遊技状態が終了される。
【0061】
尚、このような第一大入賞口39a及び第一シャッタ40aや、第二大入賞口39b及び第二シャッタ40bは、遊技領域15に設けられ、大当り遊技状態に移行させると判定されたことを条件に遊技球を受け入れ易く変位する複数の可変入球装置の一例に相当する。
【0062】
尚、本実施形態においては、移行している大当り遊技状態の種別に対応する上限ラウンド数のラウンド制御が終了してない場合において、大入賞口39a及び39bが閉鎖状態となったときには、必ず、大入賞口39a及び39bを開放状態に制御したが、これに限らず、例えば、大入賞口39a及び39bに受け入れられた遊技球が、大入賞口39a及び39bにおける特定領域に設けられたV・カウントセンサを通過したことを条件に、再度開放状態に駆動させるようにしてもよい。つまり、大入賞口39a及び39bが開放状態のときに受け入れられた遊技球が、大入賞口39a及び39b内に設けられた特定領域を通過したことを条件に、閉鎖状態となった後に再度開放状態にしてもよい。
【0063】
また、遊技盤14の側方には、始動入賞球センサ116(図4参照)を有する始動口44が設けられている。始動口44には、羽根部材48が設けられている。この羽根部材48は、球通過検出器54a及び54bの近傍を遊技球が通過したことを検出したことを主な条件として、この羽根部材48が遊技球を受け入れやすい開放状態(第一の状態)となるように駆動される。
【0064】
この始動口44に遊技球が入賞した場合に、特別図柄ゲームが開始され、識別情報を変動表示する変動表示状態に移行する。所定の可変表示開始条件としては、本実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したこと(始動領域を遊技球が通過したこと)を主な条件とする。つまり、所定の可変表示開始条件が成立したときに(始動領域を遊技球が通過したことを条件に)識別情報の可変表示を行うこととなる。尚、実施形態においては、始動口44に遊技球が入賞したこと等を所定の可変表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であってもよい。
【0065】
特別図柄ゲームにおける識別情報の可変表示中に遊技球が始動口44へ入賞した場合には、可変表示中の識別情報が導出表示されるまで、当該始動口44への遊技球の入賞に基づく識別情報の可変表示の実行(開始)が保留される、つまり、所定の可変表示実行条件が成立したが、所定の可変表示開始条件が成立していない場合には、所定の可変表示開始条件が成立するまで、識別情報の可変表示の実行(開始)が保留されることとなる。識別情報の可変表示の実行が保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示の実行が開始される。また、識別情報が導出表示された場合に実行される識別情報の可変表示の実行は一回分である。例えば、識別情報の可変表示の実行が三回分保留されている状態で、識別情報が導出表示された場合には、保留されている識別情報の可変表示のうち一回分が実行され、残りの二回分は保留される。このように特別図柄ゲームにおける識別情報の可変表示が保留された場合には、特別図柄保留表示装置34は、それぞれの保留個数を表示することとなる。
【0066】
尚、本実施形態においては、4回を上限として識別情報の可変表示を保留するように構成したが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、一回又は複数回を上限として、識別情報の可変表示を保留するように構成してもよく、更には、上限を設定することなく保留するように構成してもよい。もちろん、識別情報の可変表示を保留しないように構成してもよい。
【0067】
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図4に示す。
【0068】
パチンコ遊技機10は、主に、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技の制御を行うものである。副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うものである。
【0069】
主制御回路60は、図4に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
【0070】
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0071】
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラム、テーブルについては後述する。
【0072】
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM68を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM70等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。また、本実施形態においてはメインCPU66、メインROM68及びメインRAM70を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用してもよい。
【0073】
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
【0074】
メインRAM70には、制御状態フラグ、高確率フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄ゲームにおける保留個数を示すデータ等が存在する出力に関する変数、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数等が位置付けられている。
【0075】
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。高確率フラグは、大当り遊技状態である大当り遊技状態に移行する確率を相対的に高めるか否かを示すものである。
【0076】
大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定した場合に、導出表示される特別図柄を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、特別図柄及び装飾図柄の変動表示パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。尚、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用乱数カウンタを設けてもよい。
【0077】
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、第一シャッタ40aや第二シャッタ40bを駆動させ、第一大入賞口39aや第二大入賞口39bを開放する時間を計測するためのものである。尚、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていてもよい。
【0078】
大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技状態における第一大入賞口39aや第二大入賞口39bの開放回数(所謂、「ラウンド数」)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタは、ラウンド中に第一大入賞口39aや第二大入賞口39bに入賞し、第一カウントセンサ104及び第二カウントセンサ105を通過した遊技球の数を示すものである。更には、保留個数を示すデータは、始動口44へ遊技球が入賞したが、識別情報の可変表示が実行できないときに、当該可変表示を保留するが、その保留されている識別情報の可変表示回数を示すものである。
【0079】
尚、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0080】
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。尚、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。尚、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
【0081】
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図4に示すように、特別図柄表示装置33、特別図柄保留表示装置34、第一カウントセンサ104、第二カウントセンサ105、一般入賞球センサ106、108、110及び112、通過球センサ114及び115、始動入賞球センサ116、羽根部材駆動ソレノイド118、第一大入賞口ソレノイド120、第二大入賞口ソレノイド121、バックアップクリアスイッチ124などが接続されている。
【0082】
特別図柄表示装置33は、主制御回路60からの信号に応じて、特別図柄ゲームにおける識別情報としての特別図柄の可変表示を行うものである。
【0083】
特別図柄保留表示装置34は、主制御回路60からの信号に応じて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示するものである。
【0084】
第一カウントセンサ104、第二カウントセンサ105は、第一大入賞口39a、第二大入賞口39bに設けられている。これら第一カウントセンサ104、第二カウントセンサ105は、第一大入賞口39a、第二大入賞口39bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0085】
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dに設けられている。これら一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0086】
通過球センサ114、115は、球通過検出器54a及び54bに設けられている。これら通過球センサ114、115は、球通過検出器54a及び54bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0087】
始動入賞球センサ116は、始動口44に設けられている。この始動入賞球センサ116は、始動口44を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
【0088】
羽根部材駆動ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して羽根部材48に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材48を開放状態又は閉鎖状態とする。
【0089】
第一大入賞口ソレノイド120は、図1に示す第一シャッタ40aに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、第一シャッタ40aを駆動させ、第一大入賞口39aを開放状態又は閉鎖状態とする。
【0090】
第二大入賞口ソレノイド121は、図1に示す第二シャッタ40bに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、第二シャッタ40bを駆動させ、第二大入賞口39bを開放状態又は閉鎖状態とする。
【0091】
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
【0092】
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。具体的には、払出・発射制御回路126には、その払出・発射制御回路126を制御するためのCPU(図示せず)と、CPUに処理を実行させるためのプログラムが記憶されているROM(図示せず)と、CPUの作業領域であるRAM(図示せず)とが少なくとも備えられている。また、カードユニット150には、貸し出し用操作部82が接続されており、その操作に応じて、カードユニット150に操作信号が供給される。
【0093】
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。尚、払出装置128は、発射(投入)された遊技媒体が所定の領域を通過することにより遊技媒体を払出す払出手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、払出手段の駆動制御を行う払出制御手段の一例として採用されている。
【0094】
また、発射装置130には、上述した発射モータ、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射モータに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射モータにより遊技盤14に順次発射される。尚、このような発射装置130は、遊技者の操作に応じて遊技媒体を発射する発射手段の一例として採用されている。また、払出・発射制御回路126は、発射手段の駆動制御を行う発射制御手段の一例として採用されている。
【0095】
更には、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46(図1においては46L及び46R)から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ(図示せず)などを含むランプ132の制御等を行う。
【0096】
尚、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
【0097】
副制御回路200は、サブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプなどを含むランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、副制御回路200には、メニュー操作部84、ゲーム操作部88などが接続されており、その操作(操作状態)に応じて操作信号が副制御回路200に供給される。
【0098】
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
【0099】
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。具体的なプログラムについては後述する。
【0100】
また、プログラムROM208には、複数種類の演出パターンが記憶されている。これら演出パターンは、演出表示の進行に関するものである。演出表示は、識別情報の可変表示に応じて実行されるものである。
【0101】
尚、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、記憶手段としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0102】
また、本実施形態において、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200と、を別々に構成したが、これに限らず、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをメインROM68に記憶させ、メインCPU66により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM68に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
【0103】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等各種の変数等が位置付けられている。
【0104】
尚、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
【0105】
表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータなどから構成されている。
【0106】
表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。
【0107】
また、表示制御回路250は、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている。
【0108】
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データ、画像データに基づく画像を表示させる表示位置データを読み出し、装飾図柄を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データを一時的にフレームバッファに格納する。そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。
【0109】
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)などから構成されている。
【0110】
この音源ICは、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ46から音声を発生させる。
【0111】
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROMなどから構成されている。
【0112】
[大当り種別決定テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるメインROM68に記憶されている大当り種別決定テーブルについて図5を用いて説明する。尚、以下に説明する大当り種別決定テーブルがメインROM68に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがメインROM68に記憶されていればよい。
【0113】
メインROM68には、大当り遊技状態に移行させると決定された場合に、移行する大当り遊技状態の種別を決定するために参照される大当り種別決定テーブルが記憶されている。この大当り種別決定テーブルには、図5に示すように、大当り種別と、乱数値とが対応付けられている。
【0114】
具体的には、特別大当り遊技状態には乱数値が“0”〜“49”が対応しており、普通大当り遊技状態には乱数値が“50”〜“99”が対応している。つまり、特別大当り遊技状態に移行する確率、普通大当り遊技状態に移行する確率がともに“1/2”となっている。言い換えると、大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する確率、通常遊技状態に移行する確率がともに“1/2”となっている。尚、本実施形態においては、特別大当り遊技状態に移行し、その後に確変状態に移行する確率、普通大当り遊技状態に移行し、その後に通常遊技状態に移行する確率がともに“1/2”として設定されているが、これに限らず、例えば、特別大当り遊技状態に移行し、その後に確変状態に移行する確率が“1/3”、普通大当り遊技状態に移行し、その後に通常遊技状態に移行する確率がともに“2/3”として設定されていてもよい。
【0115】
[大入賞口開閉態様選択テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるメインROM68に記憶されている大入賞口開閉態様選択テーブルについて図6を用いて説明する。尚、以下に説明する大入賞口開閉態様選択テーブルがメインROM68に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがメインROM68に記憶されていればよい。
【0116】
メインROM68には、大当り遊技状態に移行させると決定された場合に、大入賞口39a及び39bの開閉態様の種別を決定するために参照される大入賞口開閉態様選択テーブルが記憶されている。この大当り種別決定テーブルには、図6に示すように、番号と、開閉態様と、最終信頼度画像と、特別大当り判定時乱数値と、普通大当り判定時乱数値とが対応付けられている。また、開閉態様には、第一大入賞口開放ラウンド数と、第二大入賞口開放ラウンド数とが含まれる。
【0117】
具体的には、番号1には、第一大入賞口開放ラウンド数が“0”、第二大入賞口開放ラウンド数が“15”、最終信頼度画像が“10%”がそれぞれ対応付けられている。番号2には、第一大入賞口開放ラウンド数が“1”、第二大入賞口開放ラウンド数が“14”、最終信頼度画像が“15%”がそれぞれ対応付けられている。番号3には、第一大入賞口開放ラウンド数が“2”、第二大入賞口開放ラウンド数が“13”、最終信頼度画像が“20%”がそれぞれ対応付けられている。番号4には、第一大入賞口開放ラウンド数が“3”、第二大入賞口開放ラウンド数が“12”、最終信頼度画像が“25%”がそれぞれ対応付けられている。番号5には、第一大入賞口開放ラウンド数が“4”、第二大入賞口開放ラウンド数が“11”、最終信頼度画像が“30%”がそれぞれ対応付けられている。番号6には、第一大入賞口開放ラウンド数が“5”、第二大入賞口開放ラウンド数が“10”、最終信頼度画像が“35%”がそれぞれ対応付けられている。番号7には、第一大入賞口開放ラウンド数が“6”、第二大入賞口開放ラウンド数が“19”、最終信頼度画像が“40%”がそれぞれ対応付けられている。番号8には、第一大入賞口開放ラウンド数が“7”、第二大入賞口開放ラウンド数が“8”、最終信頼度画像が“45%”がそれぞれ対応付けられている。番号9には、第一大入賞口開放ラウンド数が“8”、第二大入賞口開放ラウンド数が“7”、最終信頼度画像が“50%”がそれぞれ対応付けられている。番号10には、第一大入賞口開放ラウンド数が“9”、第二大入賞口開放ラウンド数が“6”、最終信頼度画像が“55%”がそれぞれ対応付けられている。番号11には、第一大入賞口開放ラウンド数が“10”、第二大入賞口開放ラウンド数が“5”、最終信頼度画像が“60%”がそれぞれ対応付けられている。番号12には、第一大入賞口開放ラウンド数が“11”、第二大入賞口開放ラウンド数が“4”、最終信頼度画像が“65%”がそれぞれ対応付けられている。番号13には、第一大入賞口開放ラウンド数が“12”、第二大入賞口開放ラウンド数が“3”、最終信頼度画像が“70%”がそれぞれ対応付けられている。番号14には、第一大入賞口開放ラウンド数が“13”、第二大入賞口開放ラウンド数が“2”、最終信頼度画像が“75%”がそれぞれ対応付けられている。番号15には、第一大入賞口開放ラウンド数が“14”、第二大入賞口開放ラウンド数が“1”、最終信頼度画像が“80%”がそれぞれ対応付けられている。番号16には、第一大入賞口開放ラウンド数が“15”、第二大入賞口開放ラウンド数が“0”、最終信頼度画像が“85%”がそれぞれ対応付けられている。
【0118】
また、特別大当りとなると決定された場合には、番号1には乱数値“0”〜“2”が対応付けられ、番号2には乱数値“3”〜“5”が対応付けられ、番号3には乱数値“6”〜“8”が対応付けられ、番号4には乱数値“9”〜“11”が対応付けられ、番号5には乱数値“12”〜“15”が対応付けられ、番号6には乱数値“16”〜“19”が対応付けられ、番号7には乱数値“20”〜“23”が対応付けられ、番号8には乱数値“24”〜“27”が対応付けられ、番号9には乱数値“28”〜“32”が対応付けられ、番号10には乱数値“33”〜“37”が対応付けられ、番号11には乱数値“38”〜“42”が対応付けられ、番号12には乱数値“43”〜“47”が対応付けられ、番号13には乱数値“48”〜“56”が対応付けられ、番号14には乱数値“57”〜“67”が対応付けられ、番号15には乱数値“68”〜“80”が対応付けられ、番号16には乱数値“81”〜“99”が対応付けられている。
【0119】
一方、普通大当りとなると決定された場合には、番号1には乱数値“0”〜“19”が対応付けられ、番号2には乱数値“20”〜“32”が対応付けられ、番号3には乱数値“33”〜“43”が対応付けられ、番号4には乱数値“44”〜“52”が対応付けられ、番号5には乱数値“53”〜“57”が対応付けられ、番号6には乱数値“58”〜“62”が対応付けられ、番号7には乱数値“63”〜“67”が対応付けられ、番号8には乱数値“68”〜“72”が対応付けられ、番号9には乱数値“73”〜“76”が対応付けられ、番号10には乱数値“77”〜“80”が対応付けられ、番号11には乱数値“81”〜“84”が対応付けられ、番号12には乱数値“85”〜“88”が対応付けられ、番号13には乱数値“89”〜“91”が対応付けられ、番号14には乱数値“92”〜“94”が対応付けられ、番号15には乱数値“95”〜“97”が対応付けられ、番号16には乱数値“98”〜“99”が対応付けられている。
【0120】
このように、特別大当り遊技状態に移行すると判定された場合における大入賞口の開放回数と、普通大当り遊技状態に移行すると判定された場合における大入賞口の開放回数とでは異なる。具体的には、特別大当り遊技状態に移行すると判定された場合には、普通大当り遊技状態に移行すると判定された場合と比べて高い確率で、第一大入賞口39aが開放する開閉態様が選択される。また、言い換えると、特別大当り遊技状態に移行した後に確変状態に移行すると判定された場合には、普通大当り遊技状態に移行した後に通常遊技状態に移行すると判定された場合と比べて高い確率で、第一大入賞口39aが開放する開閉態様が選択される。このため、第一大入賞口39a、第二大入賞口39bの選択の結果、大入賞口39a及び39bの変位態様で、特別大当り遊技状態に移行したのか普通大当り遊技状態に移行したのかが報知され、大当り遊技状態が終了した後に、確変状態に移行するか通常遊技状態に移行するかが報知されることとなる。
【0121】
このように、大当り遊技状態の終了後における遊技状態の種類に基づいて変位態様を決定することとなるため、可変入球装置の変位態様の種類によって、大当り遊技状態の終了後における遊技状態の種別を遊技者に示唆し、認識させることができ、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態の進行を予測させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、遊技に対する遊技者の技量によって遊技の有利不利が決定されるわけではないため、どのような遊技者であっても、興趣の減退なく、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、変位態様のバリエーションを増大させることができ、どのような遊技者であっても、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0122】
尚、本実施形態においては、左側における第一大入賞口39aが、第二大入賞口39bよりも優先的に選択され、例えば、第一大入賞口39aが14回、第二大入賞口39bが1回開閉される場合には、1ラウンド目から14ラウンド目までにおいては第一大入賞口39aが開閉制御され、15ラウンド目においては第二大入賞口39bが開閉制御されるが、これに限らず、例えば、第一大入賞口39aの開放回数、第二大入賞口39bの開放回数が決定された後に、それら開放回数に基づいて、所定のラウンドにおいて開放させる大入賞口がランダムに選択されるようにしてもよい。具体的には、例えば、第一大入賞口39aが14回、第二大入賞口39bが1回開閉される場合には、1ラウンド目から15ラウンド目のいずれか1ラウンドにおいて第二大入賞口39bが選択され、それ以外の14ラウンドにおいて第一大入賞口39aが選択される。
【0123】
[信頼度画像決定テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるプログラムROM208に記憶されている信頼度画像決定テーブルについて図7を用いて説明する。尚、以下に説明する信頼度画像決定テーブルがプログラムROM208に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがプログラムROM208に記憶されていればよい。
【0124】
プログラムROM208には、各ラウンドにおいて表示させることがある信頼度画像を決定するための信頼度画像決定テーブルが記憶されている。信頼度画像決定テーブルには、図7に示すように、ラウンド数と、加算信頼度画像を示すデータと、累積信頼度画像を示すデータと、が対応付けられている。
【0125】
具体的には、番号16が選択された場合の一例について図7を用いて説明する。
【0126】
1ラウンドには、加算信頼度画像を示すデータとして“20%”が、累積信頼度画像を示すデータとして“20%”がそれぞれ対応されている。また、2ラウンドから4ラウンドには、加算信頼度画像を示すデータが対応されておらず、累積信頼度画像を示すデータとして“20%”がそれぞれ対応されている。また、5ラウンドには、加算信頼度画像を示すデータとして“20%”が、累積信頼度画像を示すデータとして“40%”がそれぞれ対応されている。また、6ラウンドから8ラウンドには、加算信頼度画像を示すデータが対応されておらず、累積信頼度画像を示すデータとして“40%”がそれぞれ対応されている。また、9ラウンドには、加算信頼度画像を示すデータとして“20%”が、累積信頼度画像を示すデータとして“60%”がそれぞれ対応されている。また、10ラウンドには、加算信頼度画像を示すデータとして“5%”が、累積信頼度画像を示すデータとして“65%”がそれぞれ対応されている。また、11ラウンドから14ラウンドには、加算信頼度画像を示すデータが対応されておらず、累積信頼度画像を示すデータとして“65%”がそれぞれ対応されている。また、15ラウンドには、加算信頼度画像を示すデータとして“20%”が、累積信頼度画像を示すデータとして“85%”がそれぞれ対応されている。
【0127】
このように、1ラウンド、5ラウンド、9ラウンド、10ラウンド、15ラウンドにおいて、加算信頼度画像を示すデータが対応されており、それらのラウンドに以前における累積信頼度画像を示すデータと、そのラウンドにおける加算信頼度画像を示すデータとが累積的に累積信頼度画像を示すデータとして加算されることとなる。
【0128】
このように、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させる回数に対応した数値データに基づく数値画像を表示する。従って、数値画像の表示と変位態様とが対応付けられる、即ち、数値画像の表示と大当り遊技状態の種類とが対応付けられており、どのような遊技者であっても、数値画像によって、変位態様、遊技状態の種類などが容易に連想可能となり、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、数値画像であるため、どのような遊技者であっても、容易に認識することができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0129】
また、第一数値データに基づく第一数値画像を表示した後に、第二数値データに基づく第二数値画像を表示するとともに、第一数値データと第二数値データとを加算した第三数値データに基づく第三数値画像を表示することによって、数値データに基づく数値画像を表示する。このため、第一数値画像が表示された場合であっても、その後に、第二数値画像が表示され、その第二数値画像と第一数値画像とが加算された第三数値画像が表示されるため、例えば、第一数値画像が表示された場合であっても、その第一数値画像から発展するかもしれないという数値画像の表示に対する期待感を高揚させることができ、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、第一数値画像と第二数値画像との加算表示として第三数値画像が表示されるため、容易に認識することができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0130】
尚、上述したような信頼度画像決定テーブルにおいては、番号に対して、一対一対応で、ラウンド数と、加算信頼度画像を示すデータと、累積信頼度画像を示すデータとが対応付けられているが、これに限らず、例えば、番号に対して、一対多対応で、ラウンド数と、加算信頼度画像を示すデータと、累積信頼度画像を示すデータとが対応付けられ、複数種類のラウンド数と、複数種類の加算信頼度画像を示すデータと、複数種類の累積信頼度画像を示すデータとからいずれかを選択するようにしてもよい。
【0131】
[表示画面の説明]
また、上述した構成において実行される特別図柄ゲームに関する表示画面について図8及び図9を用いて説明する。
【0132】
[特別図柄ゲームの説明]
特別図柄表示装置33においては、図3に示すように、識別情報としての特別図柄が可変表示される。具体的には、特別図柄の導出表示がされている場合において、所定の可変表示開始条件が成立したときには、特別図柄の可変表示が実行される。そして、停止表示され、その導出表示された特別図柄が、非特定の表示態様(例えば、“0”から“9”などにならない態様、“−”)となったことを条件に、大当り遊技状態に移行せず、通常遊技状態等、現在の遊技状態が維持され、特定の表示態様(例えば、“0”から“9”など)となったことを条件に、遊技状態が大当り遊技状態に移行されることとなる。
【0133】
また、液晶表示装置32における表示領域32a上では、特別図柄表示装置33における特別図柄を装飾するための識別情報としての複数列の装飾図柄の可変表示が行われる。
【0134】
具体的には、特別図柄が導出表示されている場合には、図8(A)に示すように、装飾図柄も導出表示されている。そして、上述した所定の可変表示開始条件が成立したときには、特別図柄と同じように、図8(B)に示すように、装飾図柄の可変表示も実行される。そして、特別図柄が導出表示され前に、図8(C)に示すように、左列に装飾図柄が停止表示され、その後、右列に装飾図柄が停止表示される。そして、特別図柄が導出表示されるタイミングで、中列の装飾図柄が停止表示され、装飾図柄が導出表示されることとなる。
【0135】
また、導出表示される装飾図柄は、導出表示される特別図柄と関連性を有する。具体的には、特別図柄が“−”である場合には、装飾図柄は、非特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃わない態様)となり、特別図柄が“0”から“9”である場合には、装飾図柄は、特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃った態様)となる。つまり、全ての列が停止表示され、その導出表示された複数列の装飾図柄が、図8(D)に示すように、非特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃わない態様)となると、特別図柄が“−”として導出表示され、通常遊技状態等、現在の遊技状態が維持される。一方、複数列の装飾図柄が、図8(E)に示すように、リーチとなった後に、図8(F)に示すように、特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃った態様)となると、特別図柄が“0”から“9”として導出表示され、特別図柄ゲームにおける遊技状態が大当り遊技状態に移行されることとなる。
【0136】
尚、本実施形態においては、複数列の装飾図柄が、図8(F)に示すように、特定の表示態様のうち特別の表示態様(例えば、“1”、“3”、“5”、“7”、“9”が3個揃った態様)となった場合であっても、遊技状態が必ずしも特別大当り遊技状態に移行されるわけではなく、普通大当り遊技状態に移行されることもある。また、複数列の装飾図柄が、特定の表示態様のうち非特別の表示態様(例えば、“0”、“2”、“4”、“6”、“8”が3個揃った態様)となった場合であっても、遊技状態が必ずしも普通大当り遊技状態に移行されるわけではなく、特別大当り遊技状態に移行されることもある。
【0137】
このように装飾図柄の可変表示の結果が特定の表示態様となった場合には、大当り遊技状態に移行する。この大当り遊技状態において、液晶表示装置32では、図9(A)に示すように、確変状態に移行する信頼度を示す累積信頼度画像95、現在のラウンド数を示すラウンド数画像96、第一大入賞口39aの開放回数と第二大入賞口39bの開放回数とを示す開放回数画像97などが表示される。累積信頼度画像95は、上述した信頼度画像決定テーブル(図7参照)における累積信頼度画像を示すデータに対応する画像であり、1ラウンド目においては“00%”と表示されている。また、開放回数画像97は、例えば、1ラウンド目で左側に設けられた第一大入賞口39aが開放された場合には、“左:右=1:0”と表示される。
【0138】
また、液晶表示装置32には、累積信頼度画像95に加算される加算信頼度画像が表示される場合に、図9(A)に示すように、加算信頼度画像を表示させる旨の報知画像98が表示される。ここでは、報知画像98は、数値がスクロールするように変動表示されている。このような報知画像98は、加算信頼度画像を表示させる場合には必ず表示される。
【0139】
そして、図9(B)に示すように、加算信頼度画像99が表示され、その加算信頼度画像99を示すデータが、累積信頼度画像95を示すデータに加算されることとなる。具体的な一例としては、1ラウンド目において、その1ラウンド目開始時に、図9(A)に示すように、累積信頼度画像95が“00%”であり、報知画像98が表示される。そして、1ラウンド目終了時に、図9(B)に示すように、加算信頼度画像99が“20%”と表示されることによって、加算信頼度画像99として表示された“20%”が“00%”に加算された結果、累積信頼度画像95が“20%”と表示される。尚、ラウンド制御が進み、例えば、加算信頼度画像99が表示されない場合には、図9(C)に示すように、報知画像98が表示されない。
【0140】
また、5ラウンド目において、その5ラウンド目開始時に、図9(D)に示すように、累積信頼度画像95が“20%”であり、報知画像98が表示される。そして、5ラウンド目終了時に、図9(E)に示すように、加算信頼度画像99が“20%”と表示されることによって、加算信頼度画像99として表示された“20%”が、以前の累積信頼度画像95としての“20%”に加算された結果、累積信頼度画像95が“40%”と表示される。そして、15ラウンド目終了時に、図9(F)に示すように、加算信頼度画像99が“20%”と表示されることによって、加算信頼度画像99として表示された“20%”が、以前の累積信頼度画像95としての“65%”に加算された結果、累積信頼度画像95が“85%”と表示される。この累積信頼度画像95としての“85%”は、上述した信頼度画像決定テーブル(図7参照)における累積信頼度画像を示すデータに対応する画像であるとともに、上述した大入賞口開閉態様選択テーブル(図6参照)における最終信頼度画像を示すデータに対応する画像である。
【0141】
このように、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させる回数に対応した数値データに基づく数値画像を表示する。従って、数値画像の表示と変位態様とが対応付けられる、即ち、数値画像の表示と大当り遊技状態の種類とが対応付けられており、どのような遊技者であっても、数値画像によって、変位態様、遊技状態の種類などが容易に連想可能となり、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、数値画像であるため、どのような遊技者であっても、容易に認識することができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0142】
また、第一数値データに基づく第一数値画像(例えば、0%という累積信頼度画像など)を表示した後に、第二数値データに基づく第二数値画像(例えば、20%という加算信頼度画像など)を表示するとともに、第一数値データと第二数値データとを加算した第三数値データに基づく第三数値画像(例えば、20%という累積信頼度画像など)を表示することによって、数値データに基づく数値画像を表示する。このため、第一数値画像が表示された場合であっても、その後に、第二数値画像が表示され、その第二数値画像と第一数値画像とが加算された第三数値画像が表示されるため、例えば、第一数値画像が表示された場合であっても、その第一数値画像から発展するかもしれないという数値画像の表示に対する期待感を高揚させることができ、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、第一数値画像と第二数値画像との加算表示として第三数値画像が表示されるため、容易に認識することができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0143】
また、例えば、報知画像98の表示などによって、数値画像を表示させる以前に、当該数値画像を表示させる旨の報知を行う。従って、数値画像が表示される期待感をより一層高揚させることができ、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0144】
また、そのラウンド開始時において、大入賞口39a及び39bのいずれかが開放された場合には、図9(A)及び図9(D)に示すように、開放回数画像97が累積的に表示されることとなり、その結果、図9(F)に示すように、15ラウンドに亘り実行された大入賞口39a及び39bの開放制御の回数が報知されることとなる。
【0145】
このように、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させる回数を報知する。従って、可変入球装置の変位回数が報知されるため、容易に認識可能であり、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0146】
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図10から図12、図14から図23に示す。また、パチンコ遊技機10で実行される特別図柄制御処理(図12)の状態遷移について図13を用いて説明する。
【0147】
[メイン処理]
最初に、図10に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図12を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、識別情報に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS15)。この処理が終了した場合には、再度、ステップS15に処理を移す。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS15の処理を繰り返し実行することとなる。
【0148】
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図11を用いて説明する。
【0149】
最初に、図11に示すように、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS42)。そして、メインCPU66は、始動口44等への遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS43)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口(第一大入賞口39a及び第二大入賞口39b)の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS44)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS46)。つまり、このような処理を実行するメインCPU66や、第一大入賞口ソレノイド120、第二大入賞口ソレノイド121は、可変入球装置の可変制御を行う可変入球装置制御手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
【0150】
ステップS47においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、導出表示される識別情報の種類を示す導出図柄指定コマンド、識別情報の変動表示パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移す。
【0151】
そして、ステップS49の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
【0152】
[特別図柄制御処理]
図10のステップS15において実行されるサブルーチンについて図12を用いて説明する。尚、図12において、ステップS72からステップS80の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することとなる。
【0153】
最初に、図12に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
【0154】
尚、後述するステップS72からステップS80において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS80における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
【0155】
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図14を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、特別図柄ゲームにおける保留個数のチェックを行い、保留個数がある場合に、大当り判定、導出識別情報、識別情報の変動パターン等の決定を行う。また、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、今回決定された変動パターンに対応する変動時間を経過した後、ステップS73の処理を実行するように設定するのである。一方、保留個数がない場合には、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
【0156】
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
【0157】
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。つまり、大当りとなる場合には、識別情報の可変表示の結果が特定の表示態様に制御されるため、ステップS74を実行するメインCPU66は、識別情報の可変表示の結果が特定の表示態様となった場合には(所定の遊技状態移行条件が成立すると)、遊技者に相対的に有利な大当り遊技状態(普通大当り遊技状態、又は、特別大当り遊技状態)に移行させる制御を行うこととなる。つまり、このような処理を実行するメインCPU66は、後述するステップS105などにおいて判定された結果に基づいて、ステップS107において選択された大当り遊技状態(例えば、特別大当り遊技状態、普通大当り遊技状態など)に移行させる制御を行うこととなる。尚、このような処理を実行するメインCPU66は、大当り遊技状態移行制御手段の一例に相当する。そして、この場合において、メインCPU66は、後述するステップS112において決定された大入賞口39a及び39bの開閉態様に関するデータを含む大当り開始コマンドを示すデータを、メインRAM70の所定領域にセットする。具体的には、メインCPU66は、大入賞口開閉態様選択テーブル(図6参照)における番号を示すデータなどを含む大当り開始コマンドを示すデータを、メインRAM70の所定領域にセットする。これによって、大当り開始コマンドを示すデータは、図11のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大当り開始コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200においても、ステップS112において選択された大入賞口39a及び39bの開閉態様が認識可能となる。一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
【0158】
ステップS75においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。詳しくは図15を用いて後述するが、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口39a及び39b(第一大入賞口39a、第二大入賞口39b)を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。そして、メインCPU66は、ラウンド数を示すデータを含み、大入賞口39a及び39b(第一大入賞口39a、第二大入賞口39b)が開放中である旨の大入賞口開放中コマンドを示すデータを、メインRAM70の所定領域にセットする。これによって、大入賞口開放中コマンドを示すデータは、図11のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大入賞口開放中コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200においても、ラウンド数や、大入賞口39a及び39b(第一大入賞口39a、第二大入賞口39b)の状態が認識可能となる。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
【0159】
ステップS76においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS77の処理を実行するように設定するのである。そして、メインCPU66は、ラウンド数を示すデータを含み、大入賞口39a及び39b(第一大入賞口39a、第二大入賞口39b)が開放中である旨の大入賞口開放中コマンドを示すデータを、メインRAM70の所定領域にセットする。これによって、大入賞口開放中コマンドを示すデータは、図11のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大入賞口開放中コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200においても、ラウンド数や、大入賞口39a及び39b(第一大入賞口39a、第二大入賞口39b)の状態が認識可能となる。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移す。
【0160】
ステップS77においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが大入賞口入賞上限値以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たす(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39a及び39b(第一大入賞口39a、第二大入賞口39b)を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大入賞口内残留球監視時間が経過した後、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。尚、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移す。
【0161】
ステップS78においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を主に満たすか否かを判断する。メインCPU66は、このような条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS76の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移す。
【0162】
ステップS79においては、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS80の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
【0163】
ステップS80においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を“1”減少するように記憶更新する。そして、メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0164】
上述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図13に示すように、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図12に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS80の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図12に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することとなる。更には、メインCPU66は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図12に示すステップS77、ステップS78、ステップS76の処理を所定のタイミングで実行し、特定遊技を実行することとなる。尚、特定遊技が実行されている場合において、大当り遊技状態の終了条件(特定遊技終了条件)が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図12に示すステップS77からステップS80の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了することとなる。尚、特定遊技終了条件には、大当りラウンド最大継続数(上限ラウンド数、例えば、本実施形態においては15ラウンド又は2ラウンド)が終了したことが含まれている。
【0165】
[特別図柄記憶チェック処理]
図12のステップS72において実行されるサブルーチンについて図14を用いて説明する。
【0166】
最初に、図14に示すように、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かの判断を行い(ステップS101)、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。そして、ステップS102においては、保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、保留個数を示すデータが“0”であると判別した場合には、ステップS103に処理を移し、保留個数を示すデータが“0”であるとは判別しなかった場合には、ステップS104に処理を移す。
【0167】
ステップS103においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0168】
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
【0169】
ステップS105においては、大当り判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りの判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の大当り判定テーブルから1つの大当り判定テーブルを選択する。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、選択された大当り判定テーブルとを参照する。
【0170】
ステップS106においては、大当りであるか否かの判断を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS105の参照の結果に基づいて、大当りであるか否かを判断することとなる。メインCPU66は、大当りであると判別した場合には、ステップS107に処理を移し、大当りであるとは判別しなかった場合には、ステップS108に処理を移す。つまり、メインCPU66は、始動口44を遊技球が通過したことを条件に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるか否かの抽選を行うこととなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するメインCPU66は、大当り判定手段の一例に相当する。
【0171】
ステップS107においては、大当り図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を抽出し、その大当り図柄用乱数値に基づいて、識別情報としての特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。
【0172】
また、メインCPU66は、大当り種別決定テーブル(図5参照)を参照し、特別大当り遊技状態に移行させるか、普通大当り遊技状態に移行させるかを決定する。つまり、メインCPU66は、ステップS105、106によって大当り遊技状態に移行させると判定されたことを条件に、遊技者にとって相対的に有利な特別大当り遊技状態(第一の大当り遊技状態)、遊技者にとって相対的に不利な普通大当り遊技状態(第二の大当り遊技状態)のいずれかを選択することとなる。
【0173】
特に、メインCPU66は、特別大当り遊技状態に移行すると決定した場合には、特別大当り遊技状態が終了した後に、上述したステップS79において確変状態に移行させる制御を行うこととなる。一方、メインCPU66は、普通大当り遊技状態に移行すると決定した場合には、普通大当り遊技状態が終了した後に、通常遊技状態に移行させる制御を行うこととなる。つまり、メインCPU66は、大当り遊技状態の終了後における遊技状態として、遊技者にとって相対的に有利な確変状態(第一の遊技状態)、遊技者にとって相対的に不利な通常遊技状態(第二の遊技状態)のいずれかを選択することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するメインCPU66は、遊技状態選択手段の一例に相当する。
【0174】
このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、識別情報としての特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、図11のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS112に処理を移す。
【0175】
ステップS112において、大入賞口開閉態様選択処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられた大入賞口開閉態様選択用乱数カウンタから大入賞口開閉態様選択用乱数値を抽出する。そして、メインCPU66は、大入賞口開閉態様選択テーブル(図6参照)を参照し、ステップS106において決定された大当りの種別と、抽出した大入賞口開閉態様選択用乱数値とに基づいて、大入賞口開閉態様を選択し、大入賞口開閉態様を示す大入賞口開閉態様フラグとしてメインRAM70の所定領域にセットする。具体的には、メインCPU66は、例えば、大入賞口開閉態様選択テーブル(図6参照)における番号1を示すフラグとしてメインRAM70の所定領域にセットすることがある。つまり、メインCPU66は、大当り遊技状態に移行させると判定されたことを条件に、上述したステップS107において選択された遊技状態の種類に基づいて(例えば、大当り遊技状態終了後、確変状態に移行するか通常遊技状態に移行するかの選択結果など)、複数種類の開閉態様(変位態様)のうちいずれかを、大入賞口39a及び39bを開閉(変位)させる開閉態様(変位態様)として決定することとなる。特に、メインCPU66は、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させることを変位態様として決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するメインCPU66は、変位態様決定手段の一例に相当する。
【0176】
そして、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域にセットされた大入賞口開閉態様フラグに基づいて、第一大入賞口ソレノイド120、第二大入賞口ソレノイド121のいずれかに、開放制御するための信号を供給する。これによって、メインCPU66や、第一大入賞口ソレノイド120、第二大入賞口ソレノイド121は、決定された開閉態様(変位態様)で可変入球装置を変位させる制御を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
【0177】
このように、選択された大当り遊技状態の種類に基づいて、複数種類の変位態様のうちいずれかを可変入球装置を変位させる変位態様として決定し、その変位態様で可変入球装置を変位させる制御を行う。従って、大当り遊技状態の終了後における遊技状態の種類に基づいて変位態様を決定することとなるため、可変入球装置の変位態様の種類によって、大当り遊技状態の終了後における遊技状態の種別を遊技者に示唆し、認識させることができ、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態の進行を予測させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、遊技に対する遊技者の技量によって遊技の有利不利が決定されるわけではないため、どのような遊技者であっても、興趣の減退なく、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0178】
また、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させることを変位態様として決定する。従って、変位態様のバリエーションを増大させることができ、どのような遊技者であっても、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0179】
ステップS108においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄を、識別情報としての特別図柄に決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。このように記憶された特別図柄を示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、識別情報としての特別図柄が導出表示されることとなる。また、このように記憶された特別図柄を示すデータは、図11のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に導出図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、特別図柄に対応する装飾図柄が液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS109に処理を移す。
【0180】
ステップS109においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS107及びステップS108により決定された識別情報に基づいて、変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。そして、メインCPU66は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、識別情報の変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。メインCPU66は、このような識別情報の変動パターンを示すデータに基づいて、特別図柄の変動表示態様(特に、変動表示時間)を決定することとなる。このように記憶された識別情報の変動パターンを示すデータは、特別図柄表示装置33に供給される。これによって、特別図柄表示装置33に、識別情報としての特別図柄が、決定した変動パターンで、変動表示することとなる。また、このように記憶された識別情報の変動パターンを示すデータは、図11のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS110に処理を移す。
【0181】
ステップS110においては、決定した識別情報の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS109の処理により決定された変動パターンと、その変動パターンの変動時間を示す変動時間テーブルと、に基づいて、変動時間を算出し、その変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS111)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0182】
[大当り開始インターバル管理処理]
図12のステップS75において実行されるサブルーチンについて図15を用いて説明する。
【0183】
最初に、図15に示すように、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であるか否かの判断(ステップS141)、待ち時間タイマが“0”であるか否かの判断を行う(ステップS142)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値であり、かつ、待ち時間タイマが“0”であると判別した場合には、ステップS143に処理を移す。一方、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値であると判別しなかった場合、又は、待ち時間タイマが“0”であると判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0184】
ステップS143においては、大入賞口開放設定処理を実行する。詳しくは図17を用いて後述するが、メインCPU66は、大入賞口39を開放させる旨のデータ(大入賞口開閉態様を示すデータを含む)をメインRAM70に記憶する。そして、メインCPU66は、図11のステップS46の処理において、このように記憶されたデータを読み出し、大入賞口39を開放させる旨の信号を、第一大入賞口ソレノイド120や、第二大入賞口ソレノイド121に供給する。このように、メインCPU66などは、大入賞口39の開閉制御を行う。また、メインCPU66は、このように記憶されたデータを読み出し、大入賞口開放中コマンドを副制御回路200に供給する。この処理が終了した場合には、ステップS144に処理を移す。
【0185】
ステップS144においては、メインCPU66は、制御状態フラグとして大入賞口開放中を示す値(04)をセットする処理を実行する。そして、メインCPU66は、大入賞口開放中を示す時間を大入賞口開放時間タイマにセットする処理を実行する(ステップS145)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0186】
[大入賞口再開放待ち時間管理処理]
図12のステップS76において実行されるサブルーチンについて図16を用いて説明する。
【0187】
最初に、図16に示すように、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であるか否かの判断(ステップS171)、待ち時間タイマが“0”であるか否かの判断を行う(ステップS172)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値であり、かつ、待ち時間タイマが“0”であると判別した場合には、ステップS173に処理を移す。一方、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値であると判別しなかった場合、又は、待ち時間タイマが“0”であると判別しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
【0188】
ステップS173の処理においては、大入賞口開放回数カウンタに対して“1”増加する処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタから読み出された値に“1”を加算し、加算した値を大入賞口開放回数カウンタに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS174に処理を移す。
【0189】
ステップS174の処理においては、大入賞口開放設定処理を実行する。詳しくは図17を用いて後述するが、メインCPU66は、大入賞口39を開放させる旨のデータ(大入賞口開閉態様を示すデータを含む)をメインRAM70に記憶する。そして、メインCPU66は、図11のステップS46の処理において、このように記憶されたデータを読み出し、大入賞口39を開放させる旨の信号を、第一大入賞口ソレノイド120や、第二大入賞口ソレノイド121に供給する。このように、メインCPU66などは、大入賞口39の開閉制御を行う。また、メインCPU66は、このように記憶されたデータを読み出し、大入賞口開放中コマンドを副制御回路200に供給する。この処理が終了した場合には、ステップS175に処理を移す。
【0190】
ステップS175においては、メインCPU66は、制御状態フラグとして大入賞口開放中を示す値(04)をセットする処理を実行する。そして、メインCPU66は、大入賞口開放中に対応する時間を大入賞口開放時間タイマにセットする処理を実行する(ステップS176)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0191】
[大入賞口開放設定処理]
図15のステップS143、図16のステップS174において実行されるサブルーチンについて図17を用いて説明する。
【0192】
最初に、図17に示すように、大入賞口開閉態様フラグ参照処理を実行する(ステップS491)。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられた大入賞口開閉態様フラグを参照する。尚、この大入賞口開閉態様フラグは、上述したステップ112においてセットされる。
【0193】
そして、メインCPU66は、大入賞口開閉態様を示すデータをセットする(ステップS492)。この処理において、メインCPU66は、大入賞口開閉態様フラグに基づいて、その大入賞口開閉態様を示すデータを(大入賞口39を開放させる旨のデータに含まれる)をメインRAM70に記憶する。そして、メインCPU66は、図11のステップS46の処理において、このように記憶されたデータを読み出し、大入賞口39を開放させる旨の信号を、第一大入賞口ソレノイド120や、第二大入賞口ソレノイド121に供給する。このように、メインCPU66などは、第一大入賞口39a又は第二大入賞口39bの開閉制御を行う。
【0194】
また、メインCPU66は、このように記憶されたデータを読み出し、大入賞口開放中コマンドを副制御回路200に供給する。この大入賞口開放中コマンドには、大入賞口39a及び39bが開放中である旨のデータや、どの大入賞口39a及び39bが開放されているかを示すデータが含まれている。このように、大入賞口開放中コマンドを示すデータは、図11のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大入賞口開放中コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200においても、ラウンド数や、開放されている大入賞口39a及び39b(第一大入賞口39a、第二大入賞口39b)が認識可能となる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0195】
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図18を用いて説明する。尚、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
【0196】
最初に、図18に示すように、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS201)。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
【0197】
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数カウンタの乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
【0198】
ステップS203において、サブCPU206は、コマンド解析処理を実行する。詳しくは図21を用いて後述するが、受信したコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
【0199】
ステップS204において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。詳しくは図23を用いて後述するが、サブCPU206は、液晶表示装置32における画像の表示制御を行う。
【0200】
そして、サブCPU206は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種のランプ132の発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、再度、ステップS202に処理を移す。
【0201】
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202からステップS206の処理を繰り返し実行することとなる。
【0202】
[コマンド割込処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミング(例えば、コマンドを受信したタイミングなど)によりコマンド割込処理を実行することとなる。このコマンド割込処理について図19を用いて説明する。
【0203】
最初に、図19に示すように、サブCPU206は、レジスタの退避(ステップS221)行い、主制御回路60から受信した各種の受信コマンドを、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファに格納する(ステップS222)。そして、サブCPU206は、ステップS221において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS223)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0204】
[VDP割込処理]
また、副制御回路200では、所定のタイミング(例えば、表示装置における垂直同期のタイミング(1/60秒)など、一定の周期毎など)によりVDP割込処理を実行することとなる。このVDP割込処理について図20を用いて説明する。
【0205】
最初に、図20に示すように、サブCPU206は、レジスタの退避(ステップS231)行い、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたVDPカウンタを“1”増加させて記憶する(ステップS232)。このVDPカウンタは、画像を表示させるためのカウンタであり、画像を表示させるタイミングをカウントする。具体的には、垂直同期のタイミング毎に呼び出される本処理を実行する度に、VDPカウンタが“1”増加することとなる。これによって、後述する表示制御処理(図23参照)において、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”増加する毎に、表示制御を行うためのデータを表示制御回路250に供給することとなる。つまり、本処理を実行するサブCPU206は、画像を表示するためのタイミングをカウントしている。そして、サブCPU206は、ステップS231において退避させたレジスタを復帰させる(ステップS233)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0206】
[コマンド解析処理]
図18のステップS203において実行されるサブルーチンについて図21を用いて説明する。
【0207】
最初に、図21に示すように、サブCPU206は、受信コマンドがあるか否かを判断する(ステップS401)。この処理において、サブCPU206は、コマンド割込処理(図19参照)のステップS222においてコマンドバッファにコマンドが格納されているか否かによって、受信コマンドがあるか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、受信コマンドがあると判別した場合には、ワークRAM210の所定領域に位置付けられたコマンドバッファから、コマンドデータを読み出し(ステップS402)、ステップS403に処理を移す。一方、サブCPU206は、受信コマンドがないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0208】
つまり、ステップS402を実行するサブCPU206は、主制御回路60によって送信された各種のコマンド(例えば、変動パターン指定コマンド、導出図柄指定コマンドなど)を受信することとなる。
【0209】
ステップS403において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS404に処理を移す。一方、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS406に処理を移す。
【0210】
ステップS404において、サブCPU206は、演出パターン決定処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、装飾図柄の変動パターン、背景画像の演出パターンなど、各種の演出パターンを決定する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0211】
ステップS406において、サブCPU206は、大当り開始コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、大当り開始コマンドを受信したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、大当り開始コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS407に処理を移す。一方、サブCPU206は、大当り開始コマンドを受信していないと判別した場合には、ステップS408に処理を移す。
【0212】
ステップS407において、サブCPU206は、大当り開始コマンドに対応する大当り開始演出データをセットする。そして、サブCPU206は、所定のタイミングで、このようにワークRAM210の所定領域にセットされた大当り開始演出データを表示制御回路250などに供給する。そして、表示制御回路250は、液晶表示装置32に、大当り開始演出画像を表示させる。また、サブCPU206は、大当り開始コマンドに含まれる大入賞口39a及び39bの開閉態様を示すデータ(番号などのデータ)ワークRAM210の所定領域にセットする。これによって、副制御回路200において、大入賞口39a及び39bの開閉態様(番号など)が認識可能となる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0213】
ステップS408において、サブCPU206は、大入賞口開放中コマンドを受信したか否かを判断する。この処理において、サブCPU206は、ステップS402において読み出したコマンドデータに基づいて、大入賞口開放中コマンドを受信したか否かを判断することとなる。サブCPU206は、大入賞口開放中コマンドを受信したと判別した場合には、ステップS409に処理を移す。一方、サブCPU206は、大入賞口開放中コマンドを受信していないと判別した場合には、受信コマンドに対応する演出制御データをセットし(ステップS410)、本サブルーチンを終了する。尚、具体的な一例としては、サブCPU206は、導出図柄指定コマンドなどを受信することによって、導出表示させる装飾図柄を決定することとなる。
【0214】
ステップS409において、サブCPU206は、大入賞口開放演出制御処理を実行する。詳しくは図22を用いて後述するが、サブCPU206は、大入賞口開放中コマンドに対応する大入賞口開放中演出データをセットする。特に、サブCPU206は、液晶表示装置32に、開放回数画像97、報知画像98、加算信頼度画像99(ともに図9参照)を表示させることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0215】
[大入賞口開放中演出制御処理]
図21のステップS409において実行されるサブルーチンについて図22を用いて説明する。
【0216】
最初に、図22に示すように、大入賞口開放ラウンド数計数処理を実行する(ステップS421)。この処理において、サブCPU206は、大入賞口開放中コマンドに含まれる大入賞口39a及び39b(第一大入賞口39a、第二大入賞口39b)の開閉態様を示すデータに基づいて、大入賞口39a及び39bのいずれかを開放させると決定したラウンド数を計数し、ワークRAM210の所定領域に計数結果を記憶する(ステップS422)。具体的には、サブCPU206は、4ラウンド分第一大入賞口39aを開放すると決定しており、第二大入賞口39bを開放すると未だに決定していない場合において、5ラウンド目に第一大入賞口39aを開放すると決定したときには、ワークRAM210の所定領域に5:0という計数結果を記憶することとなる。
【0217】
そして、サブCPU206は、所定のタイミング(具体的にはラウンド開始時など)で、計数した開放決定ラウンド数を示すデータを表示制御250に供給する。そして、表示制御回路250は、開放決定ラウンド数を示すデータに基づいて、液晶表示装置32に開放回数画像97(図9参照)を表示させる。これによって、液晶表示装置32は、大入賞口39a及び39bのいずれかを開放させるラウンド開始時に、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させた回数を報知することとなる。尚、本実施形態において、このような液晶表示装置32は、決定回数報知手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS423に処理を移す。
【0218】
ステップS423において、サブCPU206は、期待度画像決定処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、信頼度画像決定テーブル(図7参照)を参照し、上述した大当り開始コマンドに含まれる番号と、大入賞口開放中コマンドに含まれるラウンド数を示すデータとに基づいて、加算期待度を表示させるか否かを判定し、その判定の結果、信頼度画像決定テーブル(図7参照)における加算信頼度画像を示すデータ、累積信頼度画像を示すデータ、加算期待度を表示させる旨のデータなど、期待度画像を示すデータを、ワークRAM210の所定領域に記憶する(ステップS424)。
【0219】
そして、サブCPU206は、所定のタイミング(具体的にはラウンド開始時など)で、加算期待度を表示させる旨のデータを表示制御250に供給する。そして、表示制御回路250は、加算期待度を表示させる旨のデータに基づいて、液晶表示装置32に報知画像98(図9参照)を表示させる。つまり、液晶表示装置32は、大入賞口39a及び39bのいずれかを開放させるラウンド開始時に、数値画像を表示させる以前に、その数値画像を表示させる旨の報知を行うこととなる。尚、本実施形態において、このような液晶表示装置32は、画像表示報知手段の一例に相当する。
【0220】
また、サブCPU206は、所定のタイミング(具体的にはラウンド終了時など)で、加算信頼度画像を示すデータ、累積信頼度画像を示すデータを表示制御250に供給する。そして、表示制御回路250は、加算信頼度画像を示すデータ、累積信頼度画像を示すデータに基づいて、液晶表示装置32に加算信頼度画像99、その加算信頼度画像99が加算された累積信頼度画像95(ともに図9参照)を表示させる。つまり、液晶表示装置32は、大入賞口39a及び39bのいずれかを閉鎖させるラウンド終了時に、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させた回数に対応した数値データに基づく数値画像を表示する。特に、液晶表示装置32は、第一数値データに基づく第一数値画像を表示した後に、第二数値データに基づく第二数値画像を表示するとともに、第一数値データと第二数値データとを加算した第三数値データに基づく第三数値画像を表示することによって、前記数値データに基づく数値画像を表示することとなる。尚、本実施形態において、このような液晶表示装置32、副制御回路200は、数値画像表示手段、画像表示報知手段、決定回数報知手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0221】
このように、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させる回数に対応した数値データに基づく数値画像を表示する。従って、数値画像の表示と変位態様とが対応付けられる、即ち、数値画像の表示と大当り遊技状態の種類とが対応付けられており、どのような遊技者であっても、数値画像によって、変位態様、遊技状態の種類などが容易に連想可能となり、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、数値画像であるため、どのような遊技者であっても、容易に認識することができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0222】
また、第一数値データに基づく第一数値画像を表示した後に、第二数値データに基づく第二数値画像を表示するとともに、第一数値データと第二数値データとを加算した第三数値データに基づく第三数値画像を表示することによって、数値データに基づく数値画像を表示する。このため、第一数値画像が表示された場合であっても、その後に、第二数値画像が表示され、その第二数値画像と第一数値画像とが加算された第三数値画像が表示されるため、例えば、第一数値画像が表示された場合であっても、その第一数値画像から発展するかもしれないという数値画像の表示に対する期待感を高揚させることができ、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、第一数値画像と第二数値画像との加算表示として第三数値画像が表示されるため、容易に認識することができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0223】
また、数値画像を表示させる以前に、当該数値画像を表示させる旨の報知を行う。従って、数値画像が表示される期待感をより一層高揚させることができ、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0224】
また、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させる回数を報知する。従って、可変入球装置の変位回数が報知されるため、容易に認識可能であり、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0225】
[表示制御処理]
図18のステップS204において実行されるサブルーチンについて図23を用いて説明する。
【0226】
最初に、図23に示すように、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”であるか否かを判断する(ステップS351)。この処理において、サブCPU206は、上述したVDP割込処理(図20参照)のステップS232においてカウントされているVDPカウンタからVDPカウンタ値を読み出し、“2”であるか否かを判断する。つまり、上述したように、VDP割込処理において、1/60s毎にVDPカウンタが“1”増加するため、サブCPU206は、1/30s経過したか否かを判断することとなる。この処理において、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”であると判別した場合には、ステップS352に処理を移す。一方、サブCPU206は、VDPカウンタが“2”ではないと判別した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0227】
ステップS352において、サブCPU206は、制御データ出力処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、画像を表示させるための制御データを、表示制御回路250に供給する。例えば、サブCPU206は、画像データを示すデータなど、演出を示す制御データを表示制御回路250に供給することとなる。そして、サブCPU206は、VDPカウンタに“0”をセットする(ステップS353)。そして、サブCPU206は、バンク切替指示を表示制御回路250に供給する(ステップS354)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
【0228】
尚、本実施形態においては、大当り遊技状態に移行すると判定したことを条件に、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を選択し、可変入球装置の変位態様を決定したが、これに限らず、例えば、大当り遊技状態に移行すると判定する以前に、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を選択してもよい。具体的な一例としては、大当り遊技状態が終了した後に、次回の大当り遊技状態に移行すると判定されるまでの間に、その次回の大当り遊技状態の終了後における遊技状態を選択するようにしてもよい。つまり、可変入球装置の変位態様を決定する以前に、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を選択するように構成できればよい。また、本実施形態においては、大当り遊技状態に移行すると判定し、かつ、大当り遊技状態の実行以前に、可変入球装置の変位態様を決定したが、これに限らず、例えば、大当り遊技状態の実行中であっても、各ラウンドにおける可変入球装置の変位態様を、そのラウンド実行前に決定してもよい。
【0229】
[第二の実施形態]
また、上述した実施形態においては、選択された大当り遊技状態に基づいて、大入賞口39a及び39bの開閉態様を決定したが、これに限らず、例えば、決定された大入賞口39a及び39bの開閉態様に基づいて、大当り遊技状態を選択してもよい。以下に好適な一実施形態について説明する。尚、上述した実施形態と同じような構成、制御、処理については説明を省略し、異なる構成、制御、処理について以下に説明する。
【0230】
[大入賞口開閉態様選択テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるメインROM68に記憶されている大入賞口開閉態様選択テーブルについて図24を用いて説明する。尚、以下に説明する大入賞口開閉態様選択テーブルがメインROM68に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがメインROM68に記憶されていればよい。
【0231】
大当り種別決定テーブルには、図24に示すように、番号と、開閉態様と、最終信頼度画像と、開放する大入賞口を選択するための振分率と、確変大当り遊技状態移行決定確率とが対応付けられている。また、開閉態様には、第一大入賞口開放ラウンド数と、第二大入賞口開放ラウンド数とが含まれる。
【0232】
具体的には、これら番号と、第一大入賞口開放ラウンド数と、第二大入賞口開放ラウンド数と、最終信頼度画像とは、上述した実施形態と同じように対応付けられている。
【0233】
また、開放する大入賞口を選択するための振分率は、番号1から番号16で同じ“1/16”となっている。そして、番号1が選択された場合には、“10/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号2が選択された場合には、“15/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号3が選択された場合には、“20/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号4が選択された場合には、“25/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号5が選択された場合には、“30/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号6が選択された場合には、“35/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号7が選択された場合には、“40/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号8が選択された場合には、“45/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号9が選択された場合には、“50/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号10が選択された場合には、“55/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号11が選択された場合には、“60/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号12が選択された場合には、“65/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号13が選択された場合には、“70/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号14が選択された場合には、“75/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号15が選択された場合には、“80/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定され、番号16が選択された場合には、“85/100”の確率で特別大当り遊技状態に移行すると決定される。
【0234】
このように、第一大入賞口39aの開放決定回数と、第二大入賞口39bの開放決定回数とでは、特別大当り遊技状態に移行する確率が異なる。具体的には、第一大入賞口39aの開放決定回数が多い場合には、第一大入賞口39aの開放決定回数が少ない場合よりも高い確率で、特別大当り遊技状態に移行すると判定されることとなる。このため、第一大入賞口39a、第二大入賞口39bの選択の結果、大入賞口39a及び39bの開閉態様で、特別大当り遊技状態に移行し易いか普通大当り遊技状態に移行し易いかが報知されることとなる。
【0235】
このように、複数種類の変位態様のうちいずれかを可変入球装置を変位させる変位態様として決定し、その変位態様に基づいて、大当り遊技状態を選択する。従って、可変入球装置の変位態様に基づいて大当り遊技状態の種類を決定することとなるため、可変入球装置の変位態様の種類によって、大当り遊技状態の種別を遊技者に示唆し、認識させることができ、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態の進行を予測させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、遊技に対する遊技者の技量によって遊技の有利不利が決定されるわけではないため、どのような遊技者であっても、興趣の減退なく、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0236】
尚、本実施形態においては、上述した実施形態における大当り種別決定テーブル(図5参照)は、メインROM68に記憶されていない。
【0237】
[特別図柄記憶チェック処理]
上述した実施形態における特別図柄記憶チェック処理(図14参照)と異なる処理について図25を用いて説明する。
【0238】
図25に示すように、ステップS106において大当りであると判別した場合には、メインCPU66は、大入賞口開閉態様選択処理を実行する(ステップS112)。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に位置付けられた大入賞口開閉態様選択用乱数カウンタから大入賞口開閉態様選択用乱数値を抽出する。そして、メインCPU66は、大入賞口開閉態様選択テーブル(図24参照)を参照し、抽出した大入賞口開閉態様選択用乱数値とに基づいて、大入賞口開閉態様を選択し、大入賞口開閉態様を示す大入賞口開閉態様フラグとしてメインRAM70の所定領域にセットする。具体的には、メインCPU66は、例えば、大入賞口開閉態様選択テーブル(図6参照)における番号1を示すフラグとしてメインRAM70の所定領域にセットすることがある。つまり、メインCPU66は、複数種類の開閉態様(変位態様)のうちいずれかを、大入賞口39a及び39bを開閉(変位)させる開閉態様(変位態様)として決定することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するメインCPU66は、変位態様決定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS107に処理を移す。
【0239】
ステップS107においては、大当り図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り図柄用乱数値を抽出し、その大当り図柄用乱数値に基づいて、識別情報としての特別図柄を決定し、その特別図柄を示すデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。
【0240】
また、メインCPU66は、大入賞口開閉態様選択テーブル(図24参照)を参照し、ステップS112において選択された大入賞口39a及び39bの開閉態様に基づいて、特別大当り遊技状態に移行する確率を設定する。例えば、ステップS112において番号1が選択された場合には、メインCPU66は、“10/100”の確率で、特別大当り遊技状態に移行させると確率を設定することとなる。そして、メインCPU66は、特別大当り遊技状態に移行させるか、普通大当り遊技状態に移行させるかを決定する。つまり、メインCPU66は、ステップS112において決定された大入賞口39a及び39bの開閉態様に基づいて、遊技者にとって相対的に有利な特別大当り遊技状態(第一の大当り遊技状態)、遊技者にとって相対的に不利な普通大当り遊技状態(第二の大当り遊技状態)のいずれかを、大当り遊技状態に移行する以前に選択することとなる。また、言い換えると、メインCPU66は、ステップS112において決定された大入賞口39a及び39bの開閉態様に基づいて、大当り遊技状態の終了後に、遊技者にとって相対的に有利な確変状態(第一の遊技状態)、遊技者にとって相対的に不利な通常遊技状態(第二の遊技状態)のいずれかを、大当り遊技状態に移行する以前に選択することとなる。尚、本実施形態において、このような処理を実行するメインCPU66は、大当り遊技状態選択手段の一例に相当する。
【0241】
このように、複数種類の変位態様のうちいずれかを可変入球装置を変位させる変位態様として決定し、その変位態様に基づいて、大当り遊技状態を選択する。従って、可変入球装置の変位態様に基づいて大当り遊技状態の種類を決定することとなるため、可変入球装置の変位態様の種類によって、大当り遊技状態の種別を遊技者に示唆し、認識させることができ、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態の進行を予測させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、遊技に対する遊技者の技量によって遊技の有利不利が決定されるわけではないため、どのような遊技者であっても、興趣の減退なく、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0242】
また、本実施形態においては、大当り遊技状態に移行すると判定したことを条件に、可変入球装置の変位態様を決定し、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を選択したが、これに限らず、例えば、大当り遊技状態に移行すると判定する以前に、可変入球装置の変位態様を決定してもよい。具体的な一例としては、大当り遊技状態が終了した後に、次回の大当り遊技状態に移行すると判定されるまでの間に、その次回の大当り遊技状態における変位態様を決定するようにしてもよい。つまり、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を選択する以前に、可変入球装置の変位態様を決定するように構成できればよい。また、本実施形態においては、大当り遊技状態に移行すると判定し、かつ、大当り遊技状態の実行以前に、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を選択したが、これに限らず、例えば、大当り遊技状態の実行中に、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を選択してもよい。また、例えば、大当り遊技状態の終了後に、大当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態を選択してもよい。
【0243】
[第三の実施形態]
尚、上述した実施形態においては、複数の大入賞口39a及び39bが設けられ、複数の大入賞口39a及び39bのいずれか一方が開放状態となるように選択されることによって、複数種類の変位態様が決定されたが、これに限らず、例えば、大当り遊技状態となった場合に、それら一方だけでなく、両者が開放状態に制御されてもよい。また、複数の大入賞口を設けずに、一つの大入賞口を設けるようにしてもよい。以下に好適な一実施形態について説明する。尚、上述した実施形態と同じような構成、制御、処理については説明を省略し、異なる構成、制御、処理について以下に説明する。
【0244】
[遊技機の構成]
図26に示すように、遊技盤14の遊技領域15には、一対の大入賞口39及びシャッタ40が設けられている。
【0245】
[大入賞口開閉態様選択テーブル]
上述したような構成のパチンコ遊技機10におけるメインROM68に記憶されている大入賞口開閉態様選択テーブルについて図27を用いて説明する。尚、以下に説明する大入賞口開閉態様選択テーブルがメインROM68に記憶されていない場合であっても、このような機能を有するデータ、プログラムがメインROM68に記憶されていればよい。
【0246】
大当り種別決定テーブルには、図27に示すように、番号と、開閉態様と、最終信頼度画像と、特別大当り判定時乱数値と、普通大当り判定時乱数値とが対応付けられている。開閉態様には、開閉種別と、開放角度とが含まれる。
【0247】
具体的には、番号1には、開閉種別として通常が、開放角度として75度が対応付けられ、番号2には、開閉種別としてスローが、開放角度として75度が対応付けられ、番号3には、開閉種別として高速が、開放角度として75度が対応付けられ、番号4には、開閉種別として揺動が、開放角度として75度が対応付けられ、番号5には、開閉種別として通常が、開放角度として70度が対応付けられ、番号6には、開閉種別としてスローが、開放角度として70度が対応付けられ、番号7には、開閉種別として高速が、開放角度として70度が対応付けられ、番号8には、開閉種別として揺動が、開放角度として70度が対応付けられ、番号9には、開閉種別として通常が、開放角度として80度が対応付けられ、番号10には、開閉種別としてスローが、開放角度として80度が対応付けられ、番号11には、開閉種別として高速が、開放角度として80度が対応付けられ、番号12には、開閉種別として揺動が、開放角度として80度が対応付けられ、番号13には、開閉種別として通常が、開放角度として90度が対応付けられ、番号14には、開閉種別としてスローが、開放角度として90度が対応付けられ、番号15には、開閉種別として高速が、開放角度として90度が対応付けられ、番号16には、開閉種別として揺動が、開放角度として90度が対応付けられている。尚、上述した実施形態における番号と、最終信頼度画像と特別大当り判定時乱数値と、普通大当り判定時乱数値とは、第一の実施形態と同じように対応付けられている。
【0248】
このように、大入賞口39、シャッタ40からなる可変入球装置が1つであっても、複数種類の開閉態様(変位態様)があり、それら複数種類の開閉態様のいずれかが選択されることによって、特別大当り遊技状態に移行するか、普通大当り遊技状態に移行するかが報知されることとなる。また、言い換えると、複数種類の開閉態様のいずれかが選択されることによって、大当り遊技状態が終了した後に、確変状態に移行するか通常遊技状態に移行するかが報知されることとなる。
【0249】
このように、選択された大当り遊技状態の種類に基づいて、複数種類の変位態様のうちいずれかを可変入球装置を変位させる変位態様として決定し、その変位態様で可変入球装置を変位させる制御を行う。従って、大当り遊技状態の終了後における遊技状態の種類に基づいて変位態様を決定することとなるため、可変入球装置の変位態様の種類によって、大当り遊技状態の終了後における遊技状態の種別を遊技者に示唆し、認識させることができ、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態の進行を予測させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、遊技に対する遊技者の技量によって遊技の有利不利が決定されるわけではないため、どのような遊技者であっても、興趣の減退なく、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0250】
また、複数種類の変位態様のうちいずれかを可変入球装置を変位させる変位態様として決定し、その変位態様に基づいて、大当り遊技状態を選択する。従って、可変入球装置の変位態様に基づいて大当り遊技状態の種類を決定することとなるため、可変入球装置の変位態様の種類によって、大当り遊技状態の種別を遊技者に示唆し、認識させることができ、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態の進行を予測させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、遊技に対する遊技者の技量によって遊技の有利不利が決定されるわけではないため、どのような遊技者であっても、興趣の減退なく、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0251】
[その他の実施形態]
尚、本実施形態においては、大当り遊技状態に移行すると判定された場合に、特別大当り遊技状態に移行した後に、確変状態に移行する場合と、普通大当り遊技状態に移行した後に、通常遊技状態に移行する場合とのいずれかが選択されるが、これに限らず、例えば、普通大当り遊技状態に移行した後に、確変状態に移行する場合と、特別大当り遊技状態に移行した後に、通常遊技状態に移行する場合とのいずれかが選択されるようにしてもよい。もちろん、これらの組合せのいずれかが所定確率で選択されるようにしてもよい。また、例えば、大当り遊技状態自体が一種類であり、特別大当り遊技状態と普通大当り遊技状態との区別がなく(有利不利がなく)、大当り遊技状態に移行した後の、確変状態に移行する場合と通常遊技状態に移行する場合とのいずれかが選択されるようにしてもよい。もちろん、これら大当り遊技状態の種類に関わらず、大当り遊技状態の終了後における遊技状態の選択が行われてもよい。
【0252】
また、本実施形態においては、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させた回数を報知するようにしたが、これに限らず、変位された回数を報知しなくてもよい。また、本実施形態においては、数値画像を表示させる以前に、その数値画像を表示させる旨の報知が行われたが、これに限らず、例えば、数値画像を表示させる旨の報知が所定確率で行われ、それ以外においては数値画像を表示させる旨の報知が行われないようにしてもよい。もちろん、数値画像を表示させる旨の報知が完全に行われなくてもよい。
【0253】
また、本実施形態においては、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させた回数に対応した数値データに基づく数値画像を表示する構成であり、特に、第一数値データに基づく第一数値画像を表示した後に、第二数値データに基づく第二数値画像を表示するとともに、第一数値データと第二数値データとを加算した第三数値データに基づく第三数値画像を表示することによって、数値データに基づく数値画像を表示する構成としたが、これに限らず、例えば、第一数値画像、第二数値画像、第三数値画像など、段階的に数値画像を表示せず、一回で数値画像を表示してもよい。もちろん、このような数値画像自体を表示させなくてもよい。
【0254】
また、本実施形態においては、大当り遊技状態の終了後における遊技状態のうち、遊技者にとって相対的に有利な第一の遊技状態として確変状態、遊技者にとって相対的に不利な第二の遊技状態として通常遊技状態を採用したが、これに限らず、例えば、第一の遊技状態として時短状態を採用するなど、第一の遊技状態、第二の遊技状態として他の遊技状態を採用してもよい。
【0255】
また、本実施形態においては、各種の報知を、画像を表示することによって実現したが、これに限らず、例えば、音声の発生、ランプの点滅などによって実現してもよい。もちろん、これらの組合せであってもよい。
【0256】
[遊技盤の構成]
尚、上述した実施形態においては、遊技盤14の全部を、透過性を有する部材によって構成したが、これに限らず、別の態様であってもよい。遊技盤の具体的な構成の例について図28を用いて説明する。尚、図28は、理解を容易とするために、複数の障害釘等を省略したものである。
【0257】
例えば、遊技盤の一部を、透過性を有さない部材で構成してもよい。具体的には、図28(A)に示すように、遊技盤314を、透過性を有する部材314aと平板状の透過性を有さない部材314b(例えば、木材)とを結合させて構成してもよい。もちろん、図28(A)に示すように、透過性を有する部材314aと、透過性を有さない部材314bとを単に結合させて構成するだけでなく、図28(B)に示すように、透過性を有する部材315aを、透過性を有さない部材315bで囲むように結合させる構成としてもよい。
【0258】
また、例えば、透過性を有する遊技盤の一部を遮蔽させる加工を施すように構成してもよい。例えば、図28(C)に示すように、透過性を有する遊技盤316の一部316bを、遮光性を有する色で塗装してもよい。これによって、符号316aに示すように、一部に透過性を有する遊技盤316を構成することができる。もちろん、塗装するかわりに、ブラスト加工、サンドペーパによる微細粗面を形成する光散乱加工を施し、可視光線が散乱してあたかも発光するかのように形成してもよい。
【0259】
つまり、遊技盤は、その一部分が少なくとも透過性を有するものであればよい。言い換えると、遊技領域15の全部又は一部の後方に位置する表示領域32aに、その遊技領域15の全部又は一部の近傍を介して前方から画像が視認可能に表示されるように構成すればよい。
【0260】
更には、上述した実施形態においては、一部又は全部に透過性を有する遊技盤14を用いたが、これに限らず、別の態様であってもよく、例えば、透過性を有さない遊技盤を用いてもよい。
【0261】
[表示装置の構成]
透過性を有さない遊技盤を用いた構成について図29を用いて説明する。
【0262】
図29に示すように、扉311には、表示装置332が備えられており、各種の演出画像が表示される。この表示装置332は、遊技者により触接された座標位置を検出するタッチパネル351と、保護カバーである透明アクリル板353、355と、それら透明アクリル板353、355の間に透明液晶表示装置から構成される液晶表示装置354と、が積層されている。この表示装置332(液晶表示装置354)は、表示領域に透過性の高い画像を表示可能となる。尚、液晶表示装置354は、表示領域に透過性の高い画像を表示するだけでなく、識別情報の可変表示、普通図柄の可変表示、演出用の演出画像の表示等を行う。
【0263】
また、この液晶表示装置354の上方及び下方には、液晶表示装置354のバックライトとしての照明装置の役割を果たす液晶バックライト352が設けられている。また、この液晶バックライト352は、電源供給時においては、点灯するように制御されている。このため、液晶バックライト352を常時電源供給時において常時駆動させることにより、液晶表示装置354に表示される画像を遊技者に対して明瞭に視認可能とさせる。この液晶バックライト352は、主として冷陰極管が採用されているが、本発明はこれに限らない。
【0264】
遊技盤314には障害釘313が打ちこまれている。この遊技盤314と扉311との間に遊技領域315が設けられ、その遊技領域315に発射された遊技球317が転動可能となる。
【0265】
尚、この表示装置332は、タッチパネル351、透明アクリル板353、355、液晶表示装置354、液晶バックライト352等を備えているが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、タッチパネル351、透明アクリル板353、355、液晶バックライト352等を備えることなく、液晶表示装置354のみを備えるように構成しても問題ない。
【0266】
このように、液晶表示装置354は、表示領域と、遊技盤314における遊技領域315の全部又は一部とが重なるように遊技盤314の前方に配設され、表示領域に透過性の高い画像を表示可能とするものであるので、遊技領域315の全部又は一部を、液晶表示装置354を介して前方から画像が視認可能に表示されることとなる。言い換えると、液晶表示装置354は、遊技盤314の前方に設けられ、透過して当該遊技盤314を視認可能であり、遊技に関する演出画像を表示する表示領域を有する装置である。
【0267】
尚、本実施形態においては、主制御回路60と副制御回路200との複数の制御回路を備えるように構成したが、これに限らず、別の構成としてもよく、例えば、図30に示すように、副制御回路200と主制御回路60とをワンボードに構成してもよい。
【0268】
尚、上述した実施形態においては、第1種パチンコ遊技機を例に挙げたが、これに限らず、羽根モノ、ヒコーキモノと称される第2種パチンコ遊技機、権利モノと称される第3種パチンコ遊技機、その他別の態様であってもよい。
【0269】
尚、本実施形態においては、図1に示すようなパチンコ遊技機に本発明を採用したが、ゲーム機などに適用してもよい。例えば、図31に示すように、ゲーム機600は、ゲームの進行を制御するとともに、各種の画像を表示させる制御、各種の音声を発生させる制御を行うゲーム機本体604と、ゲーム機本体604に電気的に接続され、各種の画像を表示する表示装置602と、ゲーム機本体604に電気的に接続され、遊技者によって操作可能な操作部606とから構成される。ゲーム機本体604は、上述したような制御を行う制御部(図示せず)を有する。また、このゲーム機本体604は、上述したような制御を制御部に行わせるためのプログラムが記憶された情報記憶媒体(例えば、CD−ROM、DVD−ROMなど)を着脱可能である。
【0270】
また、上述した実施形態においては、各種の処理をコンピュータに実行させるためのシミュレーションプログラムにも適用可能である。このシミュレーションプログラムは、上述した実施形態における各種の手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0271】
[シミュレーションプログラムの実施形態]
パチンコ遊技を模したシミュレーションプログラムについて図32を用いて説明する。尚、図32は、このシミュレーションプログラムを実行するコンピュータを示す概略図である。
【0272】
図32に示すように、コンピュータ300Aは、コンピュータ本体302、表示領域304aに画像を表示する表示装置304、操作部としてのキーボード306を備えている。コンピュータ本体302には、表示装置304と、キーボード306と、が電気的に接続されている。尚、本実施形態においては、キーボード306を操作部として構成したが、本発明はこれに限らず、操作可能であれば他の態様であってもよく、例えば、マウス、コントローラ等でもよい。
【0273】
コンピュータ本体302には、制御回路(図示せず)が内蔵されている。この制御回路は、CPU等からなる制御部(図示せず)と、各種のデータ、プログラム等を記憶する記憶部(図示せず)と、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等、コンピュータ300Aに挿脱可能な記憶媒体からデータを読み出すドライブ装置(図示せず)と、を備えている。また、制御回路は、表示装置304及びキーボード306等の外部装置を制御するためのインターフェイス回路(図示せず)を備えている。
【0274】
尚、本実施形態においては、コンピュータとしてパーソナルコンピュータを用いた構成としたが、本発明はこれに限らず、別の態様であってもよく、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末装置であってもよい。
【0275】
また、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体には、各種の情報が記憶された記憶手段が備えられている。
【0276】
また、本実施形態においては、上述した実施形態におけるパチンコ遊技を模したシミュレーションプログラムについて説明する。このシミュレーションプログラムは、具体的には以下のような処理(ステップ)をコンピュータに実行させるためのものである。
【0277】
(A1) 遊技球画像が転動可能な遊技領域に表示された始動領域を遊技球画像が通過したことを条件に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う大当り判定処理。
【0278】
(A2) 前記大当り判定処理において大当り遊技状態に移行させると判定されたことを条件に、前記遊技領域に表示される可変入球装置画像を、遊技球画像を受け入れ易く変位表示させる制御を行う可変入球装置表示制御処理。
【0279】
(A3) 前記大当り遊技状態の終了後における遊技状態として、遊技者にとって相対的に有利な第一の遊技状態、遊技者にとって相対的に不利な第二の遊技状態のいずれかを選択する遊技状態選択処理。
【0280】
(A4) 前記遊技状態選択処理において選択された遊技状態の種類に基づいて、複数種類の変位態様のうちいずれかを前記可変入球装置画像を変位表示させる変位態様として決定する変位態様決定処理。
【0281】
(A5) 前記可変入球装置表示制御処理において、前記変位態様決定処理において決定された変位態様で前記可変入球装置画像を変位表示させる制御を行う処理。
【0282】
(A6) 前記可変入球装置を変位させる変位態様として複数種類の変位態様のうちいずれかを決定する変位態様決定処理。
【0283】
(A7) 前記可変入球装置表示制御処理において、前記変位態様決定処理において決定された変位態様で前記可変入球装置画像を変位表示させる制御を行う処理。
【0284】
(A8) 前記遊技状態選択処理において、前記変位態様決定処理において決定された変位態様に基づいて、遊技状態を選択する処理。
【0285】
(A9) 前記変位態様決定処理において、前記遊技領域に表示された複数の可変入球装置画像のうちいずれかを変位表示させることを前記変位態様として決定する処理。
【0286】
(A10) 前記複数の可変入球装置画像のうちいずれかを変位させた回数に対応した数値データに基づく数値画像を表示させる制御を行う数値画像表示制御処理。
【0287】
(A11) 数値画像表示制御処理において、第一数値データに基づく第一数値画像を表示させた後に、第二数値データに基づく第二数値画像を表示させるとともに、第一数値データと第二数値データとを加算した第三数値データに基づく第三数値画像を表示させることによって、前記数値データに基づく数値画像を表示させる処理。
【0288】
(A12) 前記数値画像を表示させる以前に、当該数値画像を表示させる旨の報知を行う画像表示報知処理。
【0289】
(A13) 前記複数の可変入球装置画像のうちいずれかを変位させた回数を報知する決定回数報知処理。
【0290】
このように、(A1)から(A5)などの処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、選択された大当り遊技状態の種類に基づいて、複数種類の変位態様のうちいずれかを可変入球装置を変位させる変位態様として決定し、その変位態様で可変入球装置を変位させる制御を行う。従って、大当り遊技状態の終了後における遊技状態の種類に基づいて変位態様を決定することとなるため、可変入球装置の変位態様の種類によって、大当り遊技状態の終了後における遊技状態の種別を遊技者に示唆し、認識させることができ、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態の進行を予測させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、遊技に対する遊技者の技量によって遊技の有利不利が決定されるわけではないため、どのような遊技者であっても、興趣の減退なく、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0291】
また、(A1)から(A3)、(A6)から(A8)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、複数種類の変位態様のうちいずれかを可変入球装置を変位させる変位態様として決定し、その変位態様に基づいて、大当り遊技状態を選択する。従って、可変入球装置の変位態様に基づいて大当り遊技状態の種類を決定することとなるため、可変入球装置の変位態様の種類によって、大当り遊技状態の種別を遊技者に示唆し、認識させることができ、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態の進行を予測させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、遊技に対する遊技者の技量によって遊技の有利不利が決定されるわけではないため、どのような遊技者であっても、興趣の減退なく、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0292】
また、(A9)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させることを変位態様として決定する。従って、変位態様のバリエーションを増大させることができ、どのような遊技者であっても、可変入球装置の変位態様に関心を持たせ、可変入球装置を注視させることができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0293】
また、(A10)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させる回数に対応した数値データに基づく数値画像を表示する。従って、数値画像の表示と変位態様とが対応付けられる、即ち、数値画像の表示と大当り遊技状態の種類とが対応付けられており、どのような遊技者であっても、数値画像によって、変位態様、遊技状態の種類などが容易に連想可能となり、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、数値画像であるため、どのような遊技者であっても、容易に認識することができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0294】
また、(A11)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、第一数値データに基づく第一数値画像を表示した後に、第二数値データに基づく第二数値画像を表示するとともに、第一数値データと第二数値データとを加算した第三数値データに基づく第三数値画像を表示することによって、数値データに基づく数値画像を表示する。このため、第一数値画像が表示された場合であっても、その後に、第二数値画像が表示され、その第二数値画像と第一数値画像とが加算された第三数値画像が表示されるため、例えば、第一数値画像が表示された場合であっても、その第一数値画像から発展するかもしれないという数値画像の表示に対する期待感を高揚させることができ、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。また、第一数値画像と第二数値画像との加算表示として第三数値画像が表示されるため、容易に認識することができ、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0295】
また、(A12)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、数値画像を表示させる以前に、当該数値画像を表示させる旨の報知を行う。従って、数値画像が表示される期待感をより一層高揚させることができ、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0296】
また、(A13)の処理をコンピュータ300Aに実行させることにより、複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させる回数を報知する。従って、可変入球装置の変位回数が報知されるため、容易に認識可能であり、どのような遊技者であっても、大当り遊技状態中における興趣の向上を図ることができる。
【0297】
尚、本実施形態においては、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジ等、コンピュータ300Aに挿脱可能な記憶媒体に記憶されたシミュレーションプログラムに従い、制御部を各種の手段として機能させるように構成したが、本発明はこれに限らず、例えば、上述した記憶媒体よりコンピュータ300Aに内蔵された記憶部にプログラムをインストールし、コンピュータ300Aに内蔵された記憶部に記憶されたシミュレーションプログラムに従い、上述した実施形態における各種の手段として制御部を機能させるように構成してもよい。
【0298】
また、上述した実施形態においては、一つのコンピュータ300Aにおいて各種の処理を実行させるように構成したが、本発明はこれに限らず、他のコンピュータ(例えばゲームサーバ)と、それらの処理を別々に分けて実行させるように構成してもよい。
【0299】
他のコンピュータを用いて実行されるシミュレーションプログラムについて図33を用いて説明する。尚、図33は、シミュレーションプログラムを実行するゲームシステムを示す概略図である。
【0300】
図33に示すように、ネットワーク500には、コンピュータ300A、300B、…と、その他のコンピュータであるゲームサーバ400と、が接続されている。つまり、これらのコンピュータ300A、300B、…は、ゲームサーバ400に対して通信可能に接続されている。また、ゲームサーバ400は、制御部(図示せず)と、プログラムを記憶する記憶部(図示せず)と、を備え、制御部は、記憶部に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。
【0301】
この場合には、上述した実施形態において具体的に記載された処理を、コンピュータ300A、300B、…と、ゲームサーバ400とに、別々に分けて実行させるように構成してもよい。
【0302】
本実施形態におけるパチンコ遊技を模するシミュレーションプログラムの一例を挙げると、上述した(A1)から(A9)の処理を実行させるシミュレーションプログラムをゲームサーバ400の記憶部に記憶し、上述した(A10)から(A13)の処理を実行させるシミュレーションプログラムをコンピュータ300A、300B、…の記憶部に記憶する。これにより、ゲームサーバ400の制御部は、(A1)から(A9)の処理を実行し、コンピュータ300A、300B、…の制御部は、(A10)から(A13)の処理を実行することとなる。もちろん、上述した処理については一例である。
【0303】
尚、本実施形態においては、コンピュータ300A、300B、…の各々とゲームサーバ400とに、シミュレーションプログラムに含まれる各種の処理を実行させるように構成したが、本発明はこれに限らず、各種の処理を実行させるためのシミュレーションプログラムをゲームサーバ400に記憶し、コンピュータ300A、300B、…からゲームサーバ400に供給されるダウンロード要求に応じて、ゲームサーバ400からコンピュータ300A、300B、…にシミュレーションプログラムをダウンロードすることにより、コンピュータ300A、300B、…にシミュレーションプログラムを実行させるように構成してもよい。
【0304】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことを条件に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う大当り判定手段と、前記遊技領域に設けられ、前記大当り判定手段によって大当り遊技状態に移行させると判定されたことを条件に遊技球を受け入れ易く変位する可変入球装置と、前記可変入球装置の可変制御を行う可変入球装置制御手段と、前記大当り遊技状態の終了後における遊技状態として、遊技者にとって相対的に有利な第一の遊技状態、遊技者にとって相対的に不利な第二の遊技状態のいずれかを選択する遊技状態選択手段と、を備えた弾球遊技機であって、前記遊技状態選択手段によって選択された遊技状態の種類に基づいて、複数種類の変位態様のうちいずれかを前記可変入球装置を変位させる変位態様として決定する変位態様決定手段を備え、前記可変入球装置制御手段は、前記変位態様決定手段によって決定された変位態様で前記可変入球装置を変位させる制御を行う機能を有することを特徴とするものであるが、大当り判定手段、可変入球装置、可変入球装置制御手段、遊技状態選択手段、変位態様決定手段、数値画像表示手段、画像表示報知手段、決定回数報知手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
【0305】
尚、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0306】
【図1】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す外観図である。
【図2】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における遊技盤を示す正面図である。
【図4】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路及び副制御回路を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における大当り種別決定テーブルを示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における大入賞口開閉態様選択テーブルを示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における信頼度画像決定テーブルを示す説明図である。
【図8】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において表示される表示画面を示す説明図である。
【図9】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において表示される表示画面を示す説明図である。
【図10】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理の状態遷移を示す説明図である。
【図14】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図18】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図21】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図22】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図23】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図24】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における大入賞口開閉態様選択テーブルを示す説明図である。
【図25】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
【図26】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における遊技盤を示す正面図である。
【図27】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における大入賞口開閉態様選択テーブルを示す説明図である。
【図28】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における遊技盤を示す説明図である。
【図29】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において構成される扉と遊技盤とを示す断面図である。
【図30】本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路を示すブロック図である。
【図31】本発明の一実施形態のゲーム機を示す概略図である。
【図32】本発明の一実施形態のコンピュータを示す概略図である。
【図33】本発明の一実施形態のゲームシステムを示す概略図である。
【符号の説明】
【0307】
10 パチンコ遊技機
14 遊技盤
26 発射ハンドル
32 液晶表示装置
32a 表示領域
33 特別図柄表示装置
39a 第一大入賞口
39b 第二大入賞口
40a 第一シャッタ
40b 第二シャッタ
44 始動口
48 羽根部材
60 主制御回路
66 メインCPU
68 メインROM
70 メインRAM
116 始動入賞球センサ
120 第一大入賞口ソレノイド
121 第二大入賞口ソレノイド
200 副制御回路
206 サブCPU
208 プログラムROM
210 ワークRAM
250 表示制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことを条件に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う大当り判定手段と、
前記遊技領域に設けられ、前記大当り判定手段によって大当り遊技状態に移行させると判定されたことを条件に遊技球を受け入れ易く変位する可変入球装置と、
前記可変入球装置の可変制御を行う可変入球装置制御手段と、
前記大当り遊技状態の終了後における遊技状態として、遊技者にとって相対的に有利な第一の遊技状態、遊技者にとって相対的に不利な第二の遊技状態のいずれかを選択する遊技状態選択手段と、を備えた弾球遊技機であって、
前記遊技状態選択手段によって選択された遊技状態の種類に基づいて、複数種類の変位態様のうちいずれかを前記可変入球装置を変位させる変位態様として決定する変位態様決定手段を備え、
前記可変入球装置制御手段は、前記変位態様決定手段によって決定された変位態様で前記可変入球装置を変位させる制御を行う機能を有することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことを条件に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う大当り判定手段と、
前記遊技領域に設けられ、前記大当り判定手段によって大当り遊技状態に移行させると判定されたことを条件に遊技球を受け入れ易く変位する可変入球装置と、
前記可変入球装置の可変制御を行う可変入球装置制御手段と、
前記大当り遊技状態の終了後における遊技状態として、遊技者にとって相対的に有利な第一の遊技状態、遊技者にとって相対的に不利な第二の遊技状態のいずれかを選択する遊技状態選択手段と、を備えた弾球遊技機であって、
前記可変入球装置を変位させる変位態様として複数種類の変位態様のうちいずれかを決定する変位態様決定手段を備え、
前記可変入球装置制御手段は、前記変位態様決定手段によって決定された変位態様で前記可変入球装置を変位させる制御を行う機能を有し、
前記遊技状態選択手段は、前記変位態様決定手段によって決定された変位態様に基づいて、遊技状態を選択する機能を有することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の弾球遊技機において、
前記遊技領域に複数の前記可変入球装置が設けられ、
前記変位態様決定手段は、前記複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させることを前記変位態様として決定する機能を有することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項4】
請求項3に記載の弾球遊技機において、
前記複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させた回数に対応した数値データに基づく数値画像を表示する数値画像表示手段と、を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項5】
請求項4に記載の弾球遊技機において、
数値画像表示手段は、第一数値データに基づく第一数値画像を表示した後に、第二数値データに基づく第二数値画像を表示するとともに、第一数値データと第二数値データとを加算した第三数値データに基づく第三数値画像を表示することによって、前記数値データに基づく数値画像を表示する機能を有することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の弾球遊技機において、
前記数値画像を表示させる以前に、当該数値画像を表示させる旨の報知を行う画像表示報知手段を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項7】
請求項3から6のいずれかに記載の弾球遊技機において、
前記複数の可変入球装置のうちいずれかを変位させた回数を報知する決定回数報知手段を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項8】
遊技球画像が転動可能な遊技領域に表示された始動領域を遊技球画像が通過したことを条件に、遊技者に有利な大当り遊技状態に移行させるか否かの判定を行う大当り判定処理と、
前記大当り判定処理において大当り遊技状態に移行させると判定されたことを条件に、前記遊技領域に表示される可変入球装置画像を、遊技球画像を受け入れ易く変位表示させる制御を行う可変入球装置表示制御処理と、
前記大当り遊技状態の終了後における遊技状態として、遊技者にとって相対的に有利な第一の遊技状態、遊技者にとって相対的に不利な第二の遊技状態のいずれかを選択する遊技状態選択処理と、をコンピュータに実行させるシミュレーションプログラムであって、
前記遊技状態選択処理において選択された遊技状態の種類に基づいて、複数種類の変位態様のうちいずれかを前記可変入球装置画像を変位表示させる変位態様として決定する変位態様決定処理と、
前記可変入球装置表示制御処理において、前記変位態様決定処理において決定された変位態様で前記可変入球装置画像を変位表示させる制御を行う処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とするシミュレーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2006−296818(P2006−296818A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−124522(P2005−124522)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】