説明

微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理するチャンバ、システム、及び方法

【課題】微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理するチャンバ、システム及び方法をここに開示する。
【解決手段】一実施形態では、電気化学堆積チャンバは、微小フィーチャ工作物に第1の処理流動体の流れを運ぶように構成された第1のフローシステムを有している処理部を含む。チャンバは、電極と、電極に少なくとも隣接して第2の処理流動体の流れを運ぶように構成された第2のフローシステムとを有している電極部を更に含む。チャンバは、第1及び第2の処理流動体を分離するために処理部と電極部との間に無孔仕切りを更に含む。無孔仕切りは、陽イオン又は陰イオンが第1及び第2の処理流動体間の仕切りを通って流されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作物に組込まれた及び/又は集積された複数のマイクロデバイスを有している微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理するチャンバ、システム、及び方法に関する。マイクロデバイスは、サブミクロン・フューチャを含みうる。本発明の特定の形態は、第1の処理流動体と第2の処理流動体とを分離するための無孔仕切りを有している電気化学堆積チャンバに対して行われる。本出願の更なる形態は、(a)第1の処理流動体と第2の処理流動体との間の仕切り、及び(b)第2の処理流動体における複数の個別に動作可能な電極、を有している電気化学堆積チャンバに対して行われる。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体デバイス、イメージャ、及びディスプレイのような、マイクロエレクトロニクス・デバイスは、いくつかの異なる種類の機械(“ツール(工具)”)を用いてマイクロエレクトロニクス工作物の上に及び/又は中に一般的に製造される。多くの係る加工機械は、工作物で一つ以上の手順を実行する単一の加工局を有する。その他の加工機械は、個々の工作物又は一団の工作物で一連の異なる手順を実行する複数の加工局を有する。典型的な製造処理において、成長ステージ中に一つ以上の導電体の層が工作物に形成される。次いで、工作物は、電気的に隔離されたコンタクト及び/又は導電線を形成するために成長された導電層の部分を除去するためにエッチング及び/又は研磨手順(即ち、平坦化)の対象に一般的になる。
【0003】
金属又は他の素材を工作物にメッキするツールは、増大する有用な種類の加工機械になってきている。電気メッキ及び化学メッキ技術は、ブランケット層又はパターン化層を形成するために、銅、はんだ、パーマロイ、金、銀、プラチナ、電気泳動レジスト及びその他の素材を工作物に堆積するために用いることができる。典型的な銅メッキ処理は、化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)、化学メッキ処理、又はその他の適切な方法を用いて銅シード層を工作物の上に堆積することを含む。シード層を形成した後、シード層と電気処理溶液の存在下での陽極との間に適当な電位を供給することによって銅のブランケット層又はパターン化層が工作物上にメッキされる。次いで、工作物は、工作物を別の工作機械に転送する前に続いて起る手順で洗浄され、エッチングされ、及び/又はアニール(焼鈍し)される。
【0004】
図1は、コンテナ2の下部における液体吸入口3からの電気メッキ液の流れを受け容れるためのコンテナ2を含む単一-ウェハ処理局1の実施形態を示す。処理局1は、陽極4、複数の開口7を有しているプレート型ディフューザー6、及び工作物5を担持するための工作物ホルダー9を含むことができる。工作物ホルダー9は、電流を工作物5の表面上のシード層に供給する複数の電気コンタクトを含むことができる。シード層が陽極4に対して負の電位にバイアスされた場合、それは陰極として動作する。動作中、電気メッキ流体は、ディフューザー6の開口7を通り、かつ工作物5のメッキ面に対して、陽極4の回りを流れる。電気メッキ液は、陽極4と工作物5の表面上の陰極的シード層との間で電流を導通する電解液である。従って、電気メッキ液のイオンが工作物5の表面をメッキする。
【0005】
マイクロエレクトロニクス・デバイスを製造するために用いられるメッキ機械は、多くの特定の性能基準に合致しなければならない。例えば、多くのメッキ処理は、0.5μm以下の幅、そしてしばしば0.1μm以下の幅であるバイア又はトレンチ(溝)に小さなコンタクトを形成することができなければならない。メッキ金属がトレンチを完全に充たすようにトレンチ内のメッキ処理を改良するために、例えば、“促進剤”、“サプレッサー(抑制剤)”、及び“レベラー”のような有機添加剤の組合せを電気メッキ液に追加することができる。そのように、電気メッキ液の有機添加剤の適切な濃度を維持することは、非常に小さなフューチャを適切に充たすために重要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常のメッキ処理の一つの欠点は、有機添加剤が分解しかつ陽極の表面の近くで崩壊することである。また、有機添加剤が分解すると、メッキ液における有機添加剤の濃度及びそれらの関連分解生成物を制御することが難しく、貧弱なフューチャ充填及び不均一層を結果としてもたらしうる。更に、有機添加剤の分解は、欠陥又はその他の不均一性をもたらし得る副生成物を生成する。有機添加剤が陽極の近くで分解する速度を低減するために、例えば、燐銅陽極のような他の陽極を用いることができる。
【0007】
通常のメッキ処理の別の欠点は、電気メッキ液の有機添加剤及び/又は塩素イオンが純銅電極を変えることができるということである。これは、電解を変えることができ、不一貫性な処理及び不均一な層を結果としてもたらしうる。そこで、有機添加剤の弊害を低減するためにメッキ処理を改良する必要性が存在する。
【0008】
電気メッキの更に別の欠点は、工作物の表面で所望の電解を供給することである。メッキ液における電流の分布は、コンタクト面にわたるシード層の均一性、陽極の構成/状態、チャンバの構成、及びその他の要因の関数である。しかしながら、メッキ面の電流密度プロフィールは、メッキ・サイクル中に変化することができる。例えば、電流密度プロフィールは、素材がシード層の上にメッキされるときのメッキ・サイクル中に典型的に変化する。また、電流密度プロフィールは、(a)腐蝕するときに消費可能な陽極の形状が変化し、かつ(b)メッキ液の構成成分の濃度が変化しうるので、長期間にわたり変化することもできる。従って、工作物の表面で所望の電流密度を維持することは、困難でありうる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、部分的に、処理流動体を分離するための無孔仕切りを有する電気化学堆積チャンバに関する。チャンバは、有機添加剤が陽極に隣接する場合及び気泡又はその他の物質が処理流動体に入り込む場合にもたらされる問題を回避するために仕切り越える処理流動体の選択された素子(例えば、有機添加剤)の移動を制御すると同時に工作物に物質を電気メッキするために互いに相互作用する二つの異なるシステムに分配される。
【0010】
チャンバは、第1の処理流動体を工作物(即ち、動作電極)に供給するための処理部と、第1の処理流動体とは異なる第2の処理流動体の流れを運ぶための電極部と、及び電極部の電極(即ち、対極)とを含む。また、チャンバは、第1の処理流動体と第2の処理流動体との間に無孔仕切りを含む。無孔仕切りは、イオンに仕切りを通過させるが、しかし、非イオン・スペシーズが第1及び第2の処理流動体の間を通ることを抑止する。そのように、無孔仕切りは、第1の処理流動体が第2の処理流動体とは異なる化学特性を有することができるように互いに第1及び第2の処理流動体の成分を分離しかつ隔離する。例えば、第1の処理流動体は、有機添加剤を有している陰極電解液でありうるしかつ第2の処理流動体は、有機添加剤なし又は係る添加剤のより低い濃度の陽極電解液でありうる。
【0011】
無孔仕切りは、陰極電解液の有機添加剤が陽極へ移動することを実質的に防ぐことによりいくつかの利点を供給する。第1に、有機添加剤が陽極に入ることができないので、それらは、陽極を通って流れかつとメッキ処理を妨げる生成物に分解できない。第2に、有機添加剤は、陽極で分解しないので、それらは、それがより安価でありかつ陰極電解液の有機添加剤の濃度を制御することがより容易であるように陰極でゆっくりした速度で消費される。第3に、不動態化(パッシベーション)のリスクが低減されるか又は排除されるので、純銅陽極のような、より安価な陽極を陽極電解液で用いることができる。
【0012】
また、本発明は、(a)有機添加剤を移動すべく又はそれらによってもたらされる問題を排除すべく処理流動体間に多孔及び/又は無孔仕切りと、及び(b)工作物の表面で所望の電流密度を供給しかつ維持するために複数の独立して動作可能な電極と、を有する電気化学堆積チャンバに関する。また、これらもチャンバも、有機添加剤と陽極との間の相互作用により及び処理流動体の気泡又は粒子によりもたらされる問題を回避するために仕切り越える処理流動体の選択された素子(例えば、有機添加剤)の移動を制御すると同時に工作物に物質を電気メッキするために互いに相互作用する二つの異なるシステムに分配される。更に、独立して動作可能な電極は、単一電極だけを有するシステムと比較して工作物の表面における電界のより良い制御を提供する。
【0013】
チャンバは、第1の処理流動体を工作物(即ち、動作電極)に供給するための処理部と、第1の処理流動体とは異なる第2の処理流動体の流れを運ぶための電極部と、及び電極部の複数の電極(即ち、対極)とを含む。また、チャンバは、第1の処理流動体と第2の処理流動体との間の仕切りも含む。仕切りは、流動体及び小さな分子が第1と第2の処理流動体の間の仕切りを流れるようにする多孔質、親水性部材でありうる。代替的に、仕切りは、流動体が第1及び第2の処理流動体間を流れることを防ぐと同時に、イオンが流動体間を流れるようにする、無孔質、半透性、部材でありうる。また、仕切りは、多孔質領域及び無孔質領域を有している部材を備えうる。これらの実施形態の仕切りは、第1の処理流動体が第2の処理流動体とは異なる化学特性を有することができるように互いに第1及び第2の処理流動体の成分を分離及び/又は隔離する。例えば、第1の処理流動体は、有機添加剤を有している陰極電解液でありうるし、かつ第2の処理流動体は、有機添加剤なし又は係る添加剤のより少ない濃度の陽極電解液でありうる。
【0014】
本発明のこの形態における複数の電極は、工作物に電界を調整するために互いに独立して制御することができる。各電極は、電極の全てによって生成された電界が工作物の表面で所望のメッキ・プロフィールを供給するように電流レベルを有することができる。更に、各電極に印加された電流は、メッキされた層の厚みが増加するときに工作物の表面で発生する差を補償するためにメッキ・サイクル全体を通して独立して変化させることができる。
【0015】
電界を制御するための複数の電極とチャンバの仕切りとを有することの組合せは、かなりより効率的でかつかなり良好な品質の製品を生成するシステムを供給する。システムは、工作物に対して一つの処理流動体をそして電極に対して別の処理流動体を用いることは、単一処理溶液だけを用いることの悪影響が移動することを解決することを必要とせずに処理流動体が各領域における最良の使用に調整されるのでより効率的である。そのように、ツールは、流動体を調整するためにしばしば中断されることを必要としないし、かつそれはより少ない構成成分を消費する。システムは、(a)二つの異なる処理流動体を用いることが各処理流動体における重要な構成成分の濃度のより良い制御を許容し、かつ複数の電極を用いることが工作物の表面における電流密度のより良い制御を供給するので、より質の良い製品を生成する。
【実施例】
【0016】
ここで用いられるように、用語“微小フィーチャ工作物”又は“工作物”は、その上又はその中にマイクロデバイスが形成される基板を表す。典型的なマイクロデバイスは、マイクロ電子回路又はコンポーネント、薄膜記録ヘッド、データ記憶素子、マイクロ流体素子、及びその他の製品を含む。マイクロマシン又はマイクロメカニカルデバイスは、それらが集積回路の製造に用いられるものと同じ技術の大半を用いて製造されるので、この定義内に含まれる。基板は、半導体部品(例えば、シリコン・ウェハ又はガリウムヒ素・ウェハ)、非導電部品(例えば、様々なセラミック基板)、又は導電部品(例えば、ドープされたウェハ)でありうる。また、用語、電気化学処理又は堆積は、電気メッキ、電気エッチング、陽極酸化、及び/又は化学メッキを含む。
【0017】
微小フィーチャ工作物を処理するための電気化学堆積チャンバのいくつかの実施形態は、工作物の構造中又は上に金属又は電気泳動レジストを電解で堆積するために特に有用である。本発明による電気化学堆積チャンバは、従って、半導体基板又はその他の種類の工作物の中又はその上の微小フィーチャの製造におけるエッチング、リンス、又はその他の種類の湿式化学処理のための湿式化学処理チャンバを有するシステムで用いることができる。本発明による電気化学堆積チャンバ及び集積ツールのいくつかの実施形態は、本発明の特定の実施形態の完全な理解を提供するために図2A〜13及びそれらに対応する説明に示されている。当業者は、しかしながら、本発明が更なる実施形態を有しうるということ又は本発明が図2A〜13に示した実施形態の詳細のいくつかがなくても実施されうるということを理解するであろう。
【0018】
A.湿式化学処理システムの実施形態
図2Aは、微小フィーチャ工作物の電気化学堆積、電気研磨、又はその他の湿式化学処理のためのシステム100を概略的に示す。システム100は、(概略的に示す)ヘッド・アセンブリ104及び(概略的に示す)湿式化学容器110を有している電気化学堆積チャンバ102を含む。ヘッド・アセンブリ104は、容器110に対して処理サイトに工作物W又は一群の工作物を、装填し、非装填し、及び位置決めする。ヘッド・アセンブリ104は、導電層を工作物Wに噛み合せるように構成された複数の電気コンタクトを有するコンタクト・アセンブリを有している工作物ホルダーを典型的に含む。工作物ホルダーは、従って、電位を工作物W上の導電層に印加することができる。適切なヘッド・アセンブリ、工作物ホルダー、及びコンタクト・アセンブリは、ここのそれらの全体が参考文献として採り入れられる米国特許第6,228,232号、米国特許第6,280,583号、米国特許第6,303,010号、米国特許第6,309,520号、米国特許第6,309,524号、米国特許第6,471,913号、米国特許第6,527,925号、及び米国特許第6,569,297号、及び米国出願第09/733,608号及び米国出願第09/823,948号に開示されている。
【0019】
説明した容器110は、(概略的に示す)処理部120、(概略的に示す)電極部180、及び処理部120と電極部180との間の(概略的に示す)無孔仕切り170を含む。処理部120は、微小フィーチャ工作物Wを処理するための第1の処理流動体を含むように構成されている。電極部180は、電極190と電極190に少なくとも隣接する第2の処理流動体とを含むように構成されている。第2の処理流動体は、第1の処理流動体とは一般的に異なるが、しかし、それらは、あるアプリケーションでは同じでありうる。一般に、第1及び第2の処理流動体は、共通なイオンを有する。工作物が陰極に関する場合に、処理部120の第1の処理流動体は、陰極電解液でありかつ電極部180の第2の処理流動体は、陽極電解液である。しかしながら、電気研磨又はその他の堆積処理では、第1の流動体は、陽極電解液でありうるしかつ第2の流動体は、陰極電解液でありうる。
【0020】
システム100は、第1の処理流動体を格納しかつ循環する第1のフローシステム112と、第2の処理流動体を格納しかつ循環する第2のフローシステム192とを更に含む。第1のフローシステム112は、第1の処理流動体貯蔵器113、第1の処理流動体貯蔵器113と処理部120との間で第1の処理流動体の流れを運ぶための複数の流体管114、及び処理サイトと無孔仕切り170との間で第1の処理流動体の流れを運ぶための処理部120の(概略的に示す)複数のコンポーネント115を含みうる。第2のフローシステム192は、第2の処理流動体貯蔵器193、第2の処理流動体貯蔵器193と電極部180との間で第2の処理流動体の流れを運ぶための複数の流体管185、及び電極190と無孔仕切り170との間で第2の処理流動体の流れを運ぶための電極部180の(概略的に示す)複数のコンポーネント184を含みうる。第1及び第2の処理流動体の個々の構成物質の濃度は、第1及び第2の処理流動体貯蔵器113及び193で別々に制御することができる。例えば、銅のような金属は、対応する貯蔵器113又は193の第1及び/又は第2の処理流動体に追加することができる。更に、第1及び第2の処理流動体の温度及び/又は不要な素材又は気泡の除去は、第1及び第2のフローシステム112及び192で別々に制御することができる。
【0021】
無孔仕切り170は、第1の処理流動体を第2の処理流動体から分離及び/又は隔離するために処理部120と電極部180との間のインターフェイスの領域において第1及び第2の処理流動体間に位置決めされる。例えば、無孔仕切り170は、第1のフローシステム112と第2のフローシステム192との間の流動体の流れを抑止すると同時に、例えば、陽イオン(カチオン)及び/又は陰イオン(アニオン)のようなイオンに、第1及び第2の処理流動体の間の仕切り170を選択的に通過させる。そのように、電界、処理流動体間の電荷不均衡、及び/又は処理流動体における物質の濃度における差は、以下に詳述するように、無孔仕切り170の間でイオンを推進することができる。
【0022】
例えば、フィルタ媒体、伸長テフロン(Goretex)、及びフリット素材(ガラス、水晶(石英)、セラミック、等)のような、有孔仕切りとは対照的に、無孔仕切り170は、小さな分子及び流動体を含んでいる、非イオン種が仕切り170を通過することを抑止する。例えば、無孔仕切り170は、実質的に空スペースなしでありうる。その結果、第1及び第2のフローシステム112及び192が典型的な圧力で動作する場合に、流動体は、無孔仕切り170を通過することから抑止される。しかしながら、水は、浸透及び/又は電気浸透を介して無孔仕切り170を通って移送することができる。浸透は、第1及び第2の処理流動体におけるモル濃度が実質的に異なる場合に発生しうる。電気浸透は、水和層の形式のイオンを持っている電流で無孔仕切り170を通って水が運ばれるときに発生されうる。第1及び第2の処理流動体が類似するモル濃度を有しかつ電流が処理流動体を通過しない場合には、第1及び第2の処理流動体間の流動体の流れは、実質的阻止される。
【0023】
更に、無孔仕切り170は、処理流動体における気泡が仕切り170の部分を乾燥させないように親水性でありうるし、仕切り170を通る導電率を低減する。適切な無孔仕切り170は、DuPonにより製造されるNAFION膜、Sybron Chemicals Inc.により製造されるIonac膜、及びTokuyamaにより製造されるNeoSepta膜を含む。
【0024】
システム100を電気化学処理に用いる場合、電極190が陽極でありかつ工作物Wが陰極であるように電極190及び工作物に、電位を印加することができる。従って、第1及び第2の処理流動体は、それぞれ陰極分解液及び陽極分解液であり、かつ各流動体は、工作物W上にメッキされるべき金属イオンの溶液を含みうる。電極190と工作物Wとの間の電界は、陽極分解液から陰極分解液へ無孔仕切り170を通して正イオンを推進しうるか、又は反対の方向に負イオンを推進しうる。メッキ・アプリケーションでは、電気化学反応は、金属イオンが微小フィーチャ工作物W上に金属の固体層を形成すべく低減される微小フィーチャ工作物Wで発生する。電気化学エッチング及びその他の電気化学アプリケーションでは、電界は、反対方向にイオンを推進しうる。
【0025】
図2Aに示したシステム100の一つの特徴は、無孔仕切り170が第1及び第2の処理流動体を互いに分離しかつ隔離するが、しかしイオンを第1及び第2の処理流動体の間で通すということである。そのように、処理部120の流動体は、電極部180の流動体とは異なる化学特性を有することができる。例えば、第1の処理流動体は、有機添加剤を有している陰極分解液でありうるしかつ第2の処理流動体は、有機添加剤なしか又は係る添加剤のより少ない濃度の陽極分解液でありうる。発明の開示の部分で説明したように、陽極分解液における有機添加剤の欠如は、次のような効果を与える:(a)陰極分解液における分解有機物の副生成物を低減する;(b)有機添加物の消費を低減する;(c)陽極の不動態化を低減する;及び(d)純銅陽極の効率的使用を可能にする。
【0026】
また、図2Aに示したシステム100は、第1の処理流動体において銅イオン又はその他の金属イオンの所望の濃度を維持することに特に有効である。電気メッキ処理中に、多数の個々の微小フィーチャ工作物上での一貫した、繰返し可能な堆積を確実にするために第1の処理流動体における金属の濃度を正確に制御することが望ましい。例えば、銅が工作物W上に堆積される場合、工作物W上に銅の適切な層を堆積するために所望の範囲内に第1の処理流動体(例えば、陰極分解液)における銅の濃度を維持することが望ましい。システム100のこの態様を以下に詳述する。
【0027】
電気メッキ・アプリケーションにおいて第1の処理溶液における金属イオンの濃度を制御するために、図2Aに示したシステム100は、無孔仕切り170の特性、第1のフローシステム112のボリューム(体積・容積)、第2のフローシステム192の体積、及び第1及び第2の処理溶液における異なる酸濃度を用いる。一般に、第1の処理流動体における酸の濃度は、第2の処理流動体における酸の濃度よりも大きく、かつシステム100における第1の流動体の体積は、システム100における第2の流動体の体積よりも大きい。以下に詳述するように、これらの特徴は、工作物W上への一貫かつ均一な堆積を確実にするために所望に範囲内で第1の処理流動体における構成物質の濃度を維持すべく互いに作用する。説明のために、第1の処理流動体における酸の濃度を増大することの効果を、銅が工作物上に電気メッキされる実施形態を参照して説明する。当業者は、異なる金属を電気メッキすることができるし、及び/又は、原理をその他のアプリケーションにおけるその他の湿式化学処理に適用することができるということを認識するであろう。
【0028】
図2Bは、本発明の別の実施形態による微小フィーチャ工作物の電気化学堆積、電気研磨、又はその他の湿式化学処理のためのシステム100aを概略的に示す。システム100aは、図2Aに示したシステム100に類似し、それゆえに同様な参照番号は、図2A及び図2Bにおいて同様なコンポーネント(構成要素)を示す。システム100aは、(概略的に示す)ヘッド・アセンブリ104及び(概略的に示す)湿式化学容器110aを有している電気化学堆積チャンバ102を含む。ヘッド・アセンブリ104は、図2Aを参照して上述したように容器110aに対して処理サイトに工作物W又は一群の工作物を、装填し、非装填し、及び位置決めする。説明した容器110aは、(概略的に示す)処理部120a、(概略的に示す)電極部180a、及び処理部120aと電極部180aとの間の(概略的に示す)仕切り170aを含む。説明した実施形態の処理部120aは、仕切り170aから処理サイトの方向に突出している誘電体分配器142と、誘電体分配器142によって定義された複数のチャンバ130(130a−bとして個々に識別される)とを含む。チャンバ130a−bは、同心円状に構成することができかつ工作部位に隣接する対応する開口144a−bを有することができる。チャンバ130a−bは、微小フィーチャ工作物W間で第1の処理流動体を運ぶように構成されている。しかしながら、処理部120aは、誘電体分配器142及びチャンバ130を含まないかもしれないし、又は誘電体分配器142及びチャンバ130は、その他の構成を有するかもしれない。
【0029】
電極部180aは、誘電体分配器186と、誘電体分配器186によって定義された複数の分室(コンパートメント)184a−bと、及び対応する分室184a−b内に配置された複数の電極190a及び190bとを含んでいる。分室184a−bは、同心円状に配置することができかつ電極190a−bに少なくとも隣接して第2の処理流動体を運ぶように構成することができる。上記したように、第2の処理流動体は、第1の処理流動体とは一般的に異なるが、それらは、あるアプリケーションでは同じであり得る。一般に、第1及び第2の処理流動体は、共通なイオンを有する。工作物が陰極に関する場合に、処理部120aの第1の処理流動体は、陰極電解液でありかつ電極部180aの第2の処理流動体は、陽極電解液である。しかしながら、電気研磨又はその他の堆積処理では、第1の流動体は、陽極電解液でありうるしかつ第2の流動体は、陰極電解液でありうる。図2Bに示したシステム100aは、二つの同心円状の電極190a−bを含むが、その他の実施形態では、システムは、異なる数の電極を含むことができ、及び/又は電極は、異なる構成で配置することができる。
【0030】
システム100aは、第1の処理流動体を格納しかつ循環する第1のフローシステム112aと、第2の処理流動体を格納しかつ循環する第2のフローシステム112bとを更に含む。第1のフローシステム112aは、(a)第1の処理流動体貯蔵器113、(b)第1の処理流動体貯蔵器113と処理部120aとの間で第1の処理流動体の流れを運ぶための複数の流体管114、及び(c)処理サイトと仕切り170aとの間で第1の処理流動体の流れを運ぶためのチャンバ130a−bを含みうる。第2のフローシステム192aは、(a)第2の処理流動体貯蔵器193、(b)第2の処理流動体貯蔵器193と電極部180aとの間で第2の処理流動体の流れを運ぶための複数の流体管185、及び(c)電極190a−bと仕切り170aとの間で第2の処理流動体の流れを運ぶための分室184a−bを含みうる。第1及び第2の処理流動体の個々の構成物質の濃度は、第1及び第2の処理流動体貯蔵器113及び193で別々に制御することができる。例えば、銅のような金属は、対応する貯蔵器113又は193の第1及び/又は第2の処理流動体に追加することができる。更に、第1及び第2の処理流動体の温度及び/又は不要な素材又は気泡の除去は、第1及び第2のフローシステム112a及び192aで別々に制御することができる。
【0031】
仕切り170aは、第1の処理流動体を第2の処理流動体から分離及び/又は隔離するために処理部120aと電極部180aとの間のインターフェイスの領域において第1及び第2の処理流動体間に配置される。例えば、仕切り170aは、流動体及び小さな分子を第1及び第2の処理流動体間で仕切り170aを通して流れさせる、多孔、透水性膜でありうる。代替的に、仕切り170aは、第1と第2のフローシステム112及び192間の流動体の流れを阻止すると同時に、図2Aに示した無孔仕切り170に関して上述したように、例えば、陽イオン(カチオン)及び/又は陰イオン(アニオン)のような、イオンを、第1と第2の処理流動体間の仕切り170aを選択的に通過させる無孔質、半透性膜でありうる。いずれの場合でも、仕切り170aは、第1及び第2の処理流動体間を通ることから気泡、粒子、及び有機添加剤のような大きな分子を制限する。
【0032】
システム100aを電気化学処理に用いる場合、電極190a−bが陽極でありかつ工作物Wが陰極であるように電極190a−b及び工作物Wに電位を印加することができる。従って、第1及び第2の処理流動体は、それぞれ陰極分解液及び陽極分解液であり、かつ各流動体は、工作物W上にメッキされるべき金属イオンの溶液を含みうる。電極190a−bと工作物Wとの間の電界は、陽極分解液から陰極分解液へ無孔仕切り170aを通して正イオンを推進しうるか、又は反対の方向に負イオンを推進しうる。メッキ・アプリケーションでは、電気化学反応は、金属イオンが微小フィーチャ工作物W上に金属の固体層を形成すべく低減される微小フィーチャ工作物Wで発生する。電気化学エッチング及びその他の電気化学アプリケーションでは、電界は、反対方向にイオンを推進しうる。
【0033】
第1の電極190aは、電極部180aの第1の分室184aにおける第2の処理流動体の一部及び処理部120aの第1のチャンバ130aの第1の処理流動体の一部を通して処理サイトで工作物Wに電界を供給する。従って、第1の電極190aは、第1の開口144aを介して処理サイトに効果的に露出される電界を供給する。第1の開口144aは、第1の開口144aの上部で“仮想電極”を生成するように第1の電極190aの電界を形作る。効果があたかも第1の電極190aが第1の開口144aに配置されたかのようなに誘電体分配器142が第1の電極190aの電界を形作るので、これは“仮想電極”である。仮想電極は、上記で参考文献として採り入れられた米国特許出願第09/872,151号に詳細に記述されている。同様に、第2の電極190bは、電極部180aの第2の分室184bの第2の処理流動体の一部及び処理部120aの第2のチャンバ130bの第1の処理流動体の一部を通して工作物Wに電界を供給する。従って、第2の電極190bは、別の“仮想電極”を生成すべく第2の開口144bを介して処理サイトに効果的に露出される電界を供給する。
【0034】
稼動中、第1の電流が第1の電極190aに印加されかつ第2の電流が第2の電極190bに印加される。第1及び第2の電流は、それらが所与のときに互いに同じであるか又は異なりうるように互いに独立して制御される。更に、第1及び第2の電流は、メッキ・サイクル全体を通して動的に変化されうる。従って、第1及び第2の電極は、非一貫性又は不均一シード層並びにメッキ・サイクル中のメッキ層における変化を補償するためにかなり制御された電界を供給する。
【0035】
複数の独立的に動作可能な電極を有していることの利益に加えて、システム100aは、第1の処理流動体を第2の処理流動体から分離することに関して上述したシステム100と同様な利益を有することが期待される。上述したように、例えば、陽極分解液における有機添加剤の欠如は、以下の効果を供給する:(a)陰極分解液における分解有機物の副産物(副生成物)を低減する;(b)有機添加物の消費を低減する;(c)陽極の不動態化を低減する;及び(d)純銅陽極の効率的使用を可能にする。また、図2Bに示したシステム100aは、以下に詳述する理由に対して第1の処理流動体における銅イオン又はその他の金属イオンの所望の濃度を維持することに特に有効であることが期待される。
【0036】
B.電気化学堆積システムの動作
図3A〜3Hは、メッキ・サイクル中及びアイドル期間中のシステム100及び100aに対する陽極分解液及び陰極分解液における水素及び銅イオンの濃度の間の関係を図式的に示す。図3A〜3Hに関する以下の説明は、より特定的には、簡略のために図2Aに示すシステム100を動作するいくつかの実施形態を説明する。システム100aの陽極分解液及び陰極分解液の動作は、システム100におけるこれらの特徴の動作に実質的に類似するか又はそれに等しいものでありうる。そのように、以下の説明は、図2Bに示したシステム100aにも適用する。
【0037】
図3A及び3Bは、メッキ・サイクル中の第2の処理流動体(陽極分解液)及び第1の処理流動体(陰極分解液)の水素イオンの濃度をそれぞれ示す。電界は、メッキ・サイクル中に陽極分解液から陰極分解液へ無孔仕切り170(図2A)を横切って水素イオンを容易に推進する。結果として、水素イオンの濃度は、陽極分解液で減少しかつ陰極分解液で増加する。パーセント濃度変化又はモル濃度で測定されたように、陽極分解液の水素イオンの濃度における減少は、(a)説明したシステム100における陰極分解液の体積が陽極分解液の体積よりも大きく;かつ(b)陰極分解液の水素イオンの濃度が陽極分解液のものよりもかなり高いなので、一般的に陰極分解液の水素イオンの濃度における対応する増加よりもかなり大きい。
【0038】
図3C及び3Dは、メッキ・サイクル中の陽極分解液及び陰極分解液の銅イオンの濃度をグラフで示す。メッキ・サイクル中に、陽極は、陽極分解液の銅イオンを補充しかつ電界は、陽極分解液から陰極分解液へ無孔仕切り170を横切って銅イオンを推進する。陽極は、メッキ・サイクル中に陽極分解液へ銅イオンを補充する。そこで、図3Cに示すように、メッキ・サイクル中に陽極分解液の銅イオンの濃度が増加する。逆に、陰極分解液セルにおいて、図3Dは、微小フィーチャ工作物W上に層を形成するために銅イオンが消費されるのでメッキ・サイクル中に陰極分解液の銅イオンの濃度が最初は減少することを示す。
【0039】
図3E〜3Hは、図2Aのシステム100が使用されていない間の陽極分解液及び陰極分解液の水素及び銅イオンの濃度をグラフで示す。例えば、図3E及び3Fは、陰極分解液の酸のより大きな濃度が水素イオンを、無孔仕切り170を横切って陽極分解液に推進するのでシステム100が使用されていない間に水素イオンの濃度が陽極分解液で増加しかつ陰極分解液で減少することを示す。図3G及び3Hは、システム100が使用されていない間に銅イオンの濃度が陽極分解液で減少しかつ陰極分解液で増加することをグラフで示す。陽極分解液への水素イオンの移動は、銅イオンを陽極分解液から陰極分解液へ推進する電荷不均衡を生成する。従って、説明した実施形態の一つの特徴は、システム100が使用されていない場合、陽極分解液と陰極分解液における酸の濃度における差のために陰極分解液が銅で補充されるということである。この特徴の利点は、システム100が使用されていない間に陰極分解液における銅の所望の濃度を維持することができるということである。この特徴の別の利点は、無孔仕切り170を横切る銅イオンの増加した移動が、陽極の不動態化及び/又は塩結晶の形成をもたらしうる、銅による陽極分解液の飽和を防ぐということである。
【0040】
図2Aに示したシステム100の上述した動作は、部分的に、水素イオン(即ち、酸プロトン)及び銅の適切な濃度を選択することによって発生する。銅を堆積するためのいくつかの有用な処理において、第1の処理流動体における酸濃度は、約10g/lから200g/lでありうるし、かつ第2の処理流動体における酸濃度は、約0.1g/lから1.0g/lでありうる。代替的に、第1及び/又は第2の処理流動体の酸喉は、これらの範囲の外側でありうる。例えば、第1の処理流動体は、酸の第1の濃度を有しうるし、かつ第2の処理流動体は、第1の濃度よりも少ない酸の第2の濃度を有しうる。酸の第2の濃度に対する酸の第1の濃度の比率は、例えば、約10:1から約20,000:1でありうる。また、銅の濃度もパラメータである。例えば、多くの銅メッキ・アプリケーションにおいて、第1及び第2の処理流動体は、約10g/lと約50g/lの間の銅濃度を有しうる。上記範囲は、多くのアプリケーションに対して有用であるが、第1及び第2の処理流動体は、銅及び/又は酸のその他の濃度を有しうるということが理解されるであろう。
【0041】
他の実施形態では、無孔仕切りは、アニオン(陰イオン)性でありうるし、かつ電極は、第1の処理流動体における硫酸イオンの累積を防ぐために不活性陽極(即ち、プラチナ又は酸化イリジウム)でありうる。この実施形態では、第1及び第2の処理流動体における酸濃度又はpHは、類似でありうる。代替的に、第2の処理流動体は、流動体の導電率を増加するためにより高い濃度の酸を有しうる。流動体の銅を補充するために第1の処理流動体に銅塩(硫酸銅)を加えることができる。電流は、第1の処理流動体から第2の処理流動体へ硫酸を流すことにより仕切りを通って運ぶことができる。従って、硫酸イオンは、それらが堆積膜に悪影響を及ぼしうる第1の処理流動体において累積する可能性が低い。
【0042】
他の実施形態では、システムは、工作物から銅を電気化学的にエッチングすることができる。これらの実施形態では、第1の処理溶液(陽極分解液)は、銅イオンを含みうる電解液を包含する。電気化学エッチング中に、電極及び/又は工作物に電位を印加することができる。(例えば、銅のような)正イオンを第2の処理流動体(陰極電解液)に通すことを防ぐためにアニオン(陰イオン)性無孔仕切りを用いることができる。その結果、電流は、アニオン(陰イオン)によって運ばれ、かつ銅イオンは、電極に隣接して流れること及び電極上に堆積することから抑止される。
【0043】
説明したシステム100の上記動作は、陽極電解液及び陰極電解液の適切な体積を選択することによっても発生する。図2Aを再び参照すると、説明したシステム100の別の特徴は、それが対応する処理流動体貯蔵器113及び193そしてフローシステム112及び192に第1の処理流動体の第1の体積及び第2の処理流動体の第2の体積を有するということである。第1の体積と第2の体積との間の比は、約1.5:1から20:1でありうるし、かつ多くのアプリケーションでは約2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1又は10:1である。第1及び第2の処理流動体における体積の差は、第1の処理流動体における物質の濃度における変化を加減する。例えば、図3A及び3Bを参照して上述したように、水素イオンが陽極電解液から陰極電解液へ移動する場合、陰極電解液における水素イオンの濃度における変化率は、陰極電解液の体積が陽極電解液の体積よりも大きいので陽極電解液における水素イオンの濃度における変化よりも少ない。他の実施形態では、第1及び第2の体積は、約同じでありうる。
【0044】
C.電気化学堆積容器の実施形態
図4は、本発明の別の実施形態による湿式化学容器210の断面部分を示す概略等角図である。容器210は、微小フィーチャ工作物の電気化学堆積、電気研磨、陽極酸化、又はその他の湿式化学処理のためにシステム100及び100a(図2A及び2B)に類似するシステムで用いられるように構成されている。図4に示す容器210は、従って容器110又は110aの形式の一つの例である。そのように、容器210は、第1のフローシステム(212a−bとして部分的に示す)が処理のために第1の処理流動体を工作物に供給することができるように第1の処理流動体貯蔵器(図示省略)に結合することができる。容器210は、また、第2のフローシステム(292a−bとして部分的に示す)が第2の処理流動体を電極に隣接して運ぶことができるように第2の処理流動体貯蔵器(図示省略)に結合することもできる。
【0045】
説明した容器210は、処理部220、処理部220に結合された仕切り部260、及び仕切り部260に結合された電極部280を含む。処理部220、仕切り部260、及び電極部280は、別々のユニット(部)である必要がないが、それよりもそれらは、単一ユニットのセクション又はコンポーネントでありうる。処理部220は、シャーシ228を通って第1の処理流動体の流れを指向するために第1のフローシステム212aの第1の部分を有しているシャーシ228を含む。第1のフローシステム212aの第1の部分は、シャーシ228に取付けられた別個のコンポーネント及び/又はシャーシ228の複数の流動体通路を含むことができる。この実施形態では、第1のフローシステム212aの第1の部分は、導管215、複数のスロット217を有している第1のフローガイド216、及び副室(アンティチャンバ)218を含む。第1のフローガイドにおけるスロット217は、流れを放射状に副室218へ分配する。
【0046】
第1のフローシステム212aの第1の部分は、副室(アンティチャンバ)218からの流れを受け取る第2のフローガイド219を更に含む。第2のフローガイド219は、複数のオープニング(開口)222を有している側壁221と、複数のアパーチャ(孔)225を有しているフロープロジェクタ224とを含むことができる。オープニング222は、プロジェクタ224に向って内方向に放射状に突き出ている複数のフロー・コンポーネントを供給するために側壁221の回りに放射状に配置された垂直スロットでありうる。フロープロジェクト224のアパーチャ225は、上方向にかつ内方向に放射状に傾けられた複数の細長いスロット又はその他のオープニングでありうる。フロープロジェクタ224は、オープニング222から放射フロー・コンポーネントを受け取りかつアパーチャ225を通して流れの向きを変える。オープニング222及びアパーチャ225は、いくつかの異なる構成を有することができるということが理解されるであろう。例えば、アパーチャ225は、上方向に傾けられることなく内方向に放射状にフローを突き出すことができるか、又はアパーチャ225は、図4に示す角度よりも大きな角度で上方向に傾けることができる。アパーチャ225は、従って、約0°〜45°の範囲の角度で傾けることができ、かついくつかの特定の実施形態では、アパーチャ225は、約5°〜25°の角度で上方向に傾けることができる。
【0047】
また、処理部220は、電界を成形しかつ処理サイトに第1の処理流動体の流れを向けるためのフィールド成形モジュール240も含むことができる。この実施形態では、フィールド成形モジュール240は、第1のリム243aを有する第1のパーティション(区分)242a、第2のリム243bを有する第2のパーティション242b、及び第3のリム243cを有する第3のパーティション242c2を有している。第1のリム243aは、第1のオープニング244aを規定し、第1のリム243a及び第2のリム243bは、第2のオープニング244bを規定し、かつ第2のリム243b及び第3のリム243cは、第3のオープニング244cを規定する。処理部220は、その上を第1の処理流動体がリカバリー・チャネル247に流れることができるリム246を有しているウェヤー(weir)245を更に含むことができる。第3のリム243c及びウェヤー245は、第4のオープニング244dを規定する。フィールド成形モジュール240及びウェヤー245は、複数のボルト又はねじによって処理部220に取付けられ、かつ多数のシール249がシャーシ228とフィールド成形モジュール240との間に配置される。
【0048】
容器210は、図4に示したフィールド成形モジュール240を有していることに限定されない。その他の実施形態では、フィールド成形部は、その他の構成を有することができる。例えば、フィールド成形部は、第1のオープニングを規定している第1の誘電体部材と、第1のオープニングの上に第2のオープニングを規定している第2の誘電体部材とを有することができる。第1のオープニングは、第1のエリア(領域)を有することができかつ第2のオープニングは、第1のエリアとは異なる第2のエリアを有することができる。また、第1及び第2のオープニングは、異なる形状を有することもできる。
【0049】
説明した実施形態では、処理部220の第1のフローシステム212aの第1の部分は、副室(アンティチャンバ)218に流動体伝送する第1のチャネル230a、第2のオープニング244bに流動体が連通する第2のチャネル230b、第3のオープニング244cに流動体伝送する第3のチャネル230c、及び第4のオープニング244dに流動体伝送する第4のチャネル230dを更に含む。第1のフローシステム212aの第1の部分は、従って、処理サイトで所望の流動体フロー・プロフィールを供給するために第1の処理流動体を処理サイトに運ぶことができる。
【0050】
この特定の処理部220では、第1の処理流動体は、注入口214を通って入りかつ導管215及び第1のフローガイド216を通り抜ける。次いで、第1の処理流動体の流れは、副室218を介して第2のフローガイド219を通って上昇して流れる流動体の一部と、処理部220の第1のチャネル230aを通って下降して流れかつ仕切り部260に流れ込む流動体の別の一部とに二分する。第2のフローガイド219を通る上昇流は、フロープロジェクタ224及び第1のオープニング244aを通り抜ける。第1の処理流動体の流れの一部は、リム243aの上を上方向に通り、工作物に隣接する処理サイトを通り、そしてウェヤー245のリム246の上を流れる。第1の処理流動体の他の部分は、処理部220のチャネル230b−dのそれぞれを通って下方向に流れかつ仕切り部260に流れ込む。
【0051】
説明した容器210の電極部280は、電極アセンブリ及び第2のフローシステム292aの第1の部分を収容するコンテナ282を含む。説明したコンテナ282は、(284a−dとして個別に識別される)複数のコンパートメント284を規定する複数の分配器又は壁286を含む。このコンテナ282の壁286は、環状コンパートメント284を規定する同心環状分配器である。しかしながら、その他の実施形態では、壁は、非環状コンパートメントを生成するために異なる構成を有することができ及び/又は各コンパートメントは、セルに更に分割することができる。図4に示した特定の実施形態は、4つのコンパートメント284を有するが、しかしその他の実施形態では、コンテナ282は、電極を収容するためにあらゆる数のコンパートメントを含むことができる。また、コンパートメント284は、それを通って第2の処理流動体が流れる第2のフローシステム292aの第1の部分の一部を規定することもできる。
【0052】
容器210は、電極部280に配置された少なくとも一つの電極を更に含むことができる。図4に示した容器210は、第1のコンパートメント284aに第1の電極290a、第2のコンパートメント284bに第2の電極290b、第3のコンパートメント284cに第3の電極290c、及び第4のコンパートメント284dに第4の電極290dを含む。電極290a−dは、互いに同心に配置された環状又は円形導電体素子でありうる。その他の実施形態では、電極は、弓形部分(弓状セグメント)であるか又はその他の形状及び構成を有することができる。説明した実施形態では4つの電極290が示されているが、その他の実施形態は、単一の電極、2つの電極、等を含んでいる、異なる数の電極を含むことができる。
【0053】
この実施形態では、電極290は、電極290を電源に結合するために電極部280のコンテナ282を通って伸長する電気コネクタ・システム291に結合される。電極290は、メッキ・サイクル全体を通して一定電流を供給することができるか、又は電極290の一つ以上を通る電流は、工作物の特定のパラメータによりメッキ・サイクル中に変更することができる。更に、各電極290は、その他の電極290の電流とは異なる独自の電流を有することができる。電極290は、DC、パルス形、及びパルス・リバーズ波形で動作することができる。電極を動作するための適切な処理は、それら全体が参考文献としてここに採り入れられる、米国特許出願第09/849,505号;米国特許出願第09/866,391号;及び米国特許出願第09/866,463号に示されている。
【0054】
第2のフローシステム292aの第1の部分は、電極部280を通して第2の処理流動体を運ぶ。より特定的には、第2の処理流動体は、注入口285を通って電極部280に入り、そして流れは、コンパートメント284のそれぞれに第2の処理流動体の流れの一部として分配される。流動体がコンパートメント284を通って流れかつ仕切り部260に流れ込むときに、第2の処理流動体の部分は対応している電極290を横切って流れる。
【0055】
説明した仕切り部260は、電極290からの個々の電界にオープニング244a−dを通して作用させると同時に第2の処理流動体から第1の処理流動体を分離するために処理部220と電極部280との間にある。仕切り部260は、第1のフローシステム212aの第2の部分と、第2のフローシステム292bの第2の部分と、及び第2のフローシステム292の第2の処理流動体から第1のフローシステム212の第1の処理流動体を分離する無孔仕切り270とを含む。第1のフローシステム212bの第2の部分は、処理部220の第1のフローシステム212aの第1の部分と流動体伝送する。第1のフローシステム212bの第2の部分は、無孔仕切り270に隣接する(265a−dとして個々に識別される)複数の環状オープニング265と、処理部220の対応している環状オープニング265と対応しているチャネル230との間に伸長している(264a−dとして個々に識別される)複数のチャネル264と、及び対応している環状オープニング265と第1の排出口273との間に伸長している複数の通路272とを含む。そのように、第1の処理流動体は、処理部220のチャネル230a−dから仕切り部260の対応しているチャネル264a−dに流れる。仕切り部260のチャネル264a−dを通って流れた後、第1の処理流動体は、対応している通路272に対応している環状オープニング265を通って無孔仕切り270に一般的に並行な方向に流れる。第1の処理流動体は、通路272を通って流れかつ第1の排出口273を介して容器210から出る。
【0056】
第2のフローシステム292bの第2の部分は、電極部280の第2のフローシステム292bの第1の部分と流動体伝送である。第2のフローシステム292bの第2の部分は、仕切り270と電極部280の対応しているコンパートメント284との間に伸長している(266a−dとして個々に識別される)複数のチャネル266と、無孔仕切り270と第2の排出口275との間に伸長している複数の通路274とを含む。そのように、第2の処理流動体は、コンパートメント284a−dから対応しているチャネル266a−dにかつ無孔仕切り270にぶつかって流れる。第2の処理流動体の流れは、流動体が対応する通路274へ仕切り270と仕切り部260の表面263との間の仕切り270に一般的に並行な方向に流れることができるように処理部220に向けて無孔仕切り270を曲げる。第2の処理流動体は、通路274を通って流れかつ第2の排出口275を介して容器210から出る。
【0057】
無孔仕切り270は、第1及び第2の処理流動体を分離するために第1のフローシステム212bの第2の部分と第2のフローシステム292bの第2の部分との間に配置されている。無孔仕切り270は、イオンに第1及び第2の処理流動体間の仕切り270を通過させると同時に、第1のフローシステム212と第2のフローシステム292との間の流動体の流れを抑止するために半透性膜でありうる。上述したように、また、無孔仕切り270は、陽イオン又は陰イオン選択でもありうるし、従って、選択されたイオンだけに仕切り270を通過させる。流動体は、無孔仕切り270を通って流れることを抑止されるので、仕切り270は、目詰まりの対象ではない。
【0058】
電流は、電解液の存在でいずれかの方向に無孔仕切り270を通って流れることができる。例えば、電流は、チャネル266の第2の処理流動体から環状オープニング265の第1の処理流動体へ流れることができる。更に、無孔仕切り270は、処理流動体の気泡が仕切り270の部分を乾燥させずかつ電流をブロックしないように親水性でありうる。また、図4に示した無孔仕切り270は、仕切り270と仕切り部260の表面263との間で横方向に(例えば、環状になって)第2の処理流動体をチャネル266から対応している通路274へ流させるように可撓性である。無孔仕切り270は、第2の処理流動体が仕切り270に対して第1の処理流動体よりも大きな圧力を及ぼす場合に上方向に曲がることができる。
【0059】
また、容器210は、システムの電極290又はいずれかで形成される気泡を制御する。例えば、無孔仕切り270、仕切り部260の下方部分、及び電極部280は、第2の処理流動体の気泡が仕切り270にトラップ(捕捉)されるようになるのを防ぐために処理部220に対して傾けられる。第2の処理流動体の気泡がコンパートメント284及びチャネル266を通って上向きに移動する場合、無孔仕切り270の角度が付いた配向及び各チャネル266の上の仕切り270のそり(湾曲)は、各チャネル266に対応している表面263の上側に向けて仕切り270の下で横方向に気泡を移動させる。通路274は、除去のために第2の排出口275へ気泡を運ぶ。説明した無孔仕切り270は、約5°の角度αで配向される。更に実施形態では、仕切り270は、気泡を除去するのに十分である、5°よりも大きいか又は小さい角度で配向することができる。角度αは、従って、5°に限定されない。一般に、角度αは、気泡を高い側に移動させるために十分に大きいべきであるが、それが電界に悪影響を及ぼすように大きくはないようにすべきである。
【0060】
説明した仕切り部260の利点は、無孔仕切り270の角度αが、気泡が仕切り270の部分に対してトラップされかつ、電界に悪影響を及ぼす、仕切り270に誘電体エリアを生成することを防ぐということである。その他の実施形態では、仕切り270を傾ける代わりに又はそれに加えて処理流動体からガスを抜くためにその他のデバイスを用いることができる。そのように、無孔仕切り270は、全てのアプリケーションにおいて処理部220に対して傾ける必要がない。
【0061】
電極290と無孔仕切り270との間の間隔は、容器210に対する別の設計基準である。説明した容器210では、無孔仕切り270と各電極290との間の距離は、約同じである。例えば、無孔仕切り270と第1の電極290aとの間の距離は、無孔仕切り270と第2の電極290bとの間の距離と約同じである。代替的に、無孔仕切り270と各電極290との間の距離は、異なりうる。いずれの場合でも、無孔仕切り270と単一電極290の各弓形部分との間の距離は、約同じである。単一電極290の各部分と無孔仕切り270との間の均一な間隔は、電極290の部分と仕切り270との間の異なる間隔を有することに比較して電界に対してより正確な制御を供給することが期待される。第2の処理流動体がより少ない酸を有し、それゆえに導電率が低いので、無孔仕切り270と個々の電極290の個別の部分との間の距離における差は、工作物と仕切り270との間の距離における差よりも工作物における電界に大きな影響を有する。
【0062】
動作において、処理部220、仕切り部260、及び電極部280は、工作物に所望の電界プロフィール(例えば、電流密度)を供給するように一緒に動作する。第1の電極290aは、第1のチャネル230a、264a、及び266a、及び第1のコンパートメント284aに流れる第1及び第2の処理流動体の部分を通して工作物に電界を供給する。従って、第1の電極290aは、第1のオープニング244aを介して処理サイトに効果的に露出される電界を供給する。第1のオープニング244aは、第1のオープニング244aの上部に“仮想電極”を生成するために第1のパーティション242aのリム243aの構成により第1の電極290aの電界を形成する。フィールド形成モジュール240が、効果があたかも第1の電極290aが第1のオープニング244aに配置されたものであるかのように第1の電極290aの電界を形成するので、これは“仮想電極”である。仮想電極は、ここに参考文献として採り入れられる米国特許出願第09/872,151号に詳細に記述されている。同様に、第2、第3、及び第4の電極290b−dは、第2のチャネル230b、264b、及び266b、第3のチャネル230c、264c、266c、及び第4のチャネル230d、264d、及び266dにそれぞれ流れる第1及び第2の処理流動体の部分を通して処理サイトに電界を供給する。従って、第2、第3、及び第4の電極290b−dは、対応している仮想電極を生成するために第2、第3及び第4のオープニング244b−dをそれぞれ介して処理サイトに効果的に露出される電界を供給する。
【0063】
図5は、図4の湿式化学容器210の断面側面部分を示す概略側面図である。説明した容器210は、処理部220と仕切り部260との間に第1のインターフェイス素子250、及び仕切り部260と電極部280との間に第2のインターフェイス素子252を更に含む。この実施形態では、第1のインターフェイス素子250は、処理部220のチャネル230と仕切り部260の対応しているチャネル264との間の流動体伝送マイクロフューチャ工作物を許容するための複数のオープニング251を有しているシールである。シールは、対応しているチャネル230及び264内で電界を電気的に絶縁する誘電体物質である。同様に、第2のインターフェイス素子252は、仕切り部260のチャネル266と電極部280の対応しているコンパートメント284との間の流動体伝送を許容するための複数のオープニング253を有しているシールである。
【0064】
説明した容器210は、仕切り部260を処理部220に取付けるための第1の取付けアセンブリ254aと、電極部280を仕切り部260に取付けるための第2の取付けアセンブリ254bとを更に含む。第1及び第2の取付けアセンブリ254a−bは、一緒に対応している部を確実に保持するための速放性デバイスでありうる。例えば、第1及び第2の取付けアセンブリ254a−bは、クランプ・リング255a−bと、クランプ・リング255a−bを第1の位置と第2の位置との間で移動するラッチ256a−bとを含むことができる。ラッチ256a−bがクランプ・リング255a−bを第1の位置から第2の位置へ移動するときに、クランプ・リング255a−bの直径は、対応している部を一緒にクランプするために減少する。選択的に、第1及び第2の取付けアセンブリ254a−bが第1の位置から第2の位置へ移動するときに、取付けアセンブリ254a−bは、インターフェイス素子250及び252を圧縮しかつ互いに対して部を適切に位置決めするために対応している部を一緒に駆動する。この種の適切な取付けアセンブリは、その全体がここに参考文献として採り入れられる2003年6月6日に出願された米国特許出願第60/476,881号に詳細に開示されている。他の実施形態では、取付けアセンブリ254a−bは、速放性デバイスではないかもしれないしかつ複数のクランプ・リング、複数のラッチ、複数のボルト、又は他の種類の締め具(ファスナー)を含むことができる。
【0065】
図4及び5に示した容器210の一つの効果は、仕切り部260及び/又は電極部280の破損コンポーネントは、かなりの期間について処理部220を停止することなく置換することができるということである。仕切り部260及び/又は電極部280は、処理部220から迅速に取り除くことができ、そして取替用仕切り及び/又は電極部は、ほんの一瞬で取付けることができる。これは、コンポーネントを容器の元の位置で修理することを必要とするか又はチャンバ全体を容器から取り除くことを必要とする通常のシステムと比較して電極又は他の処理コンポーネントを修理するためのダウンタイム(休止時間、不稼働時間)をかなり低減する。
【0066】
仕切り部260の代替的実施形態は、図4及び5を参照して示しかつ説明した無孔仕り270の代わりに多孔仕切りを含むことができる。係る多孔仕切りは、第1及び第2のフローシステムを一般的に分離することができるが、しかし、多孔仕切りは、ある流動体を第1及び第2のフローシステム間で一般的に流させる。
【0067】
D.電気化学堆積容器の更なる実施形態
図6は、本発明の別の実施形態による湿式化学容器310の概略図である。容器310は、(概略的に示した)処理部320と、(概略的に示した)電極部380と、及び処理部320及び電極部380を分離している(概略的に示した)仕切り370とを含む。処理部320及び電極部380は、図4及び5を参照して上述した処理部220及び電極部280に一般的に類似しうる。例えば、処理部320は、処理サイトの工作物に向けて第1の処理流動体の流れを運ぶために第1のフローシステムの一部を含むことができ、かつ電極部380は、少なくとも一つの電極390と、電極390に少なくともの隣接して第2の処理流動体の流れを運ぶために第2のフローシステムの一部と、を含むことができる。仕切り370は、無孔仕切り又は多孔仕切りでありうる。
【0068】
容器210とは異なり、容器310は、個別の仕切り部を含まないが、それよりも仕切り370は、処理部320と電極部380との間に直接取付けられている。仕切り370は、さもなければ、無孔仕切り270と同じ方法で処理部320の第1の処理流動体と電極部380の第2の処理流動体とを分離する。容器210との別の違いは、仕切り370及び電極部380が処理部320に対して傾けられていないということである。
【0069】
第1及び第2の処理流動体は、図4及び5の容器210を参照して上述した流れ方向と反対の方向に容器310の中を流れることができる。より特定的には、第1の処理流動体は、仕切り370から工作物に向って経路F1に沿って流れかつ処理サイトに隣接して容器310を出ることができる。第2の処理流動体は、仕切り370から電極390に向って経路F2に沿って流れそれから容器310を出ることができる。その他の実施形態では、容器310は、第1及び/又は第2の処理流動体からガスを抜くデバイスを含むことができる。
【0070】
図7は、処理部420と、電極部480と、及び処理部420及び電極部480に対して傾けられた仕切り470とを有している容器410を概略的に示す。この実施形態は、それが個別の仕切り部を有していないしかつ仕切り470が無孔又は多孔であいうるという点で容器310に類似しているが、しかし容器410は、仕切り470がある角度で傾けられているという点で容器310とは異なる。代替的に、図8は、処理部520と、電極部580と、処理部520及び電極部580の間の仕切り570と、を含んでいる容器510を概略的に示す。容器510は、容器410に類似するが、しかし仕切り570及び電極部580は、両方とも容器510の処理部520に対して傾けられている。
【0071】
E.取付けモジュールを有する統合ツールの実施形態
図9は、一つ以上の湿式化学処理を実行することができる統合ツール600を概略的に示す。ツール600は、デッキ664と、複数の湿式化学処理局601と、及び移送システム605とを取り囲む筐体又はキャビネット602を含む。各処理局601は、容器、チャンバ、又はリアクタ610と、微小フィーチャ工作物Wをリアクタ610との間で転送するための工作物支持装置(例えば、リフト-回転部)613とを含む。容器、チャンバ、又はリアクタ610は、図2A〜8を参照して上述した容器のいずれか一つに一般的に類似しうる。局(ステーション)601は、スピン-リンス-ドライ・チャンバ、シード層修復チャンバ、洗浄カプセル、エッチング・カプセル、電気化学堆積チャンバ、及び/又はその他の種類の湿式化学処理容器を含むことができる。移送システム605は、直線トラック604と、ツール内の個々の工作物Wを移送するためにトラック604に沿って移動するロボット603とを含む。統合ツール600は、工作物Wを保持するための複数のコンテナ607を有している工作物装填/非装填(load/unload)部608を更に含む。動作において、ロボット603は、ツール600内の所定のワークフロー・スケジュールにより工作物Wをコンテナ607及び処理局601との間で移送する。例えば、個々の工作物Wは、シード層修復処理、メッキ処理、スピン-リンス-ドライ処理、及び焼鈍し処理を通り抜けることができる。代替的に、個々の工作物Wは、シード層修復処理を通り抜けられないか又はさもなければ異なるように処理されうる。
【0072】
図10Aは、本発明の実施形態による統合ツール600の一部を示している等角図である。統合ツール600は、フレーム(枠)662と、フレーム662に取付けられた寸法安定性取付けモジュール660と、複数の湿式化学処理チャンバ610と、複数の工作物支持装置613とを含む。また、ツール600は、移送システム605を含むこともできる。取付けモジュール660は、処理チャンバ610と、工作物支持装置613と、及び移送システム605とを担持する。
【0073】
フレーム662は、この技術分野で知られた方法で一緒に溶接された複数のポスト(柱)663及びクロス-バー(横棒)661を有する。複数の外側パネル及びドア(図10Aで図示省略)は、密閉形キャビネット602(図9)を形成するためにフレーム662に一般的に取付けられている。取付けモジュール660は、フレーム662内に少なくとも部分的に収納(収容)される。一実施形態では、取付けモジュール660は、フレーム662のクロス-バー661によって担持されるが、しかし、取付けモジュール660は、代替的に、ファシリティのフロア又は他の構造物の上に直接立てかけることができる。
【0074】
取付けモジュール660は、湿式化学処理チャンバ610、工作物支持装置613、及び移送システム605間の相対的位置を維持する、堅固な、安定構造体である。取付けモジュール660の一形態は、湿式化学処理チャンバ610、工作物支持装置613、及び移送システム605間の相対的位置が時間に対して変化しないように、それがフレーム662と比較してより堅固でありかつかなり大きな構造的完全性を有するということである。取付けモジュール660の別の形態は、それが、デッキ664の既知の位置に処理チャンバ610及び工作物支持装置613を位置決めするための正確な位置に位置決め素子を有する寸法安定性デッキ664を含むということである。一つの実施形態(図示省略)では、移送システム605がデッキ664に直接取付けられる。図10Aに示した構成では、取付けモジュール660は、寸法安定性プラットフォーム665も有し、かつ移送システム605は、プラットフォーム665に取付けられる。デッキ664及びプラットフォーム665は、デッキ664の位置決め素子及びプラットフォーム665の位置決め素子が互いに対して移動しないように互いに対して固定して位置決めされる。取付けモジュール660は、従って、湿式化学処理チャンバ610及び工作物支持装置613がデッキ664の正確な位置に置換部品を正確に位置決めするような方法で除去されかつ交換可能な部品で置換されるシステムを供給する。
【0075】
ツール600は、湿式化学処理チャンバ610、工作物支持装置613、又は移送システム605の頻繁な保守を必要とする厳しい仕様を有するアプリケーションに特に適する。湿式化学処理チャンバ610は、処理デッキ664からチャンバを単に取り外しかつチャンバ610を、デッキ664の位置決め素子と接続するように構成された取付けハードウェアを有している交換可能なチャンバで交換することによって修復又は保守することができる。取付けモジュール660が寸法安定性でありかつ交換処理チャンバ610の取付けハードウェアがデッキ664と接続するので、チャンバ610は、移送システム605を再調整することを必要とせずにデッキ664で交換することができる。これは、ツール600が厳しい性能仕様を有するアプリケーションで高い処理量を維持することができるように処理チャンバ610を修復すること又は保守することに関連付けられたダウンタイム(不稼働時間)をかなり低減することが期待される。
【0076】
図10Bは、移送システム605と、取付けモジュール660に取付けられた装填/非装填部608とを示しているツール600の平面図である。図10A及び10Bを一緒に参照して、トラック604は、プラットフォーム665に取付けられ、そして特に、それがチャンバ610及びデッキ664に取付けられた工作物支持装置613に対して正確に位置決めされるようにプラットフォーム665の位置決め素子と接続する。(工作物Wを把持するためのエンデ・エフェクタ606を含む)ロボット603は、従って、取付けモジュール660によって設定された固定された、寸法安定性基準フレームで工作物Wを移動する。図10Bを参照すると、ツール600は、キャビネット602に取付けモジュール660、湿式化学処理チャンバ610、工作物支持装置613、及び移送システム605を密閉するためにフレーム662に取付けられた複数のパネル666を更に含むことができる。代替的に、ツール600の一面又は両面のパネル666は、オープン・ツールを供給するために処理デッキ664の上の領域で取り除くことができる。
【0077】
F.寸法安定性取付けモジュールの実施形態
図11は、ツール600(図9〜10B)で使用する本発明の実施形態により構成された取付けモジュール660の等角図である。デッキ664は、堅固な(剛体の)第1のパネル666aと、第1のパネル666aの下に重ね合わせられた堅固な第2のパネル666bとを含む。第1のパネル666aは、外側部材であり、かつ第2のパネル666bは、外側部材に近接して並べられた内側部材である。代替的に、第1及び第2のパネル666a及び666bは、図11に示すものとは異なる構成を有することができる。複数のチャンバ容器(レセプタクル)667は、湿式化学処理チャンバ610(図10A)を受け容れるために第1のパネル666a及び第2のパネル666bに配置される。
【0078】
デッキ664は、複数の位置決め素子668と、第1のパネル666aにわたり正確なパターンで配置された取付け素子669とを更に含む。位置決め素子668は、正確な位置で第1のパネル666aに機械加工されたホール(穴)と、及び/又はホールに受け容れられる合くぎ又はピンとを含む。また、合くぎは、湿式化学処理チャンバ610(図10A)とインターフェイス(接続)するように構成されている。例えば、合くぎは、対応しているホール又は処理チャンバ610のその他のインターフェイス部材に受け容れることができる。その他の実施形態では、位置決め素子668は、第1のパネル666aのホールに位置決めされることなく第1のパネル666aから上方向に突き出ている円筒ピン又は円錐ピンのような、ピンを含む。デッキ664は、取付けモジュール660の正確な位置に個々の湿式化学処理チャンバを正確に位置決めするために各チャンバ容器(レセプタクル)667に配置された一組の第1のチャンバ位置決め素子668aを有する。また、デッキ664は、取付けモジュール660の正確な位置に個々の工作物支持装置613(図10A)を正確に位置決めするために各レセプタクル(容器)667の近くに一組の第1の支持位置決め素子668bも含むことができる。第1の支持位置決め素子668bは、工作物支持装置613の対応している位置決め素子と結合するように位置決めされかつ構成されている。取付け素子669は、デッキ664にチャンバ610及び工作物支持装置613を固定するためにボルト(ねじ)を受け容れる第1のパネル666aのねじ穴でありうる。
【0079】
また、取付けモジュール660は、デッキ664の長手方向の外側エッジに沿った外側プレート670aと、デッキ664の長手方向の内側エッジに沿った内側プレート670bと、及びデッキ664の両端に取付けられたエンド・プレート670cとを含む。移送プラットフォーム665は、内側プレート670b及びエンド・プレート670cに取付けられている。移送プラットフォーム665は、取付けモジュール660に移送システム605(図10A及び10B)のトラック604(図10A及び10B)を正確に位置決めするためのトラック位置決め素子668cを含む。例えば、トラック位置決め素子668cは、トラック604の対応している穴(ホール)、ピン、又はその他のインターフェイス(接続)部材と結合するピン又は穴(ホール)を含むことができる。移送プラットフォーム665は、プラットフォーム665にトラック604を固定するためにボルトを受け容れる、ねじ穴のような、取付け素子669を更に含むことができる。
【0080】
図12は、デッキ664の内部構造の一つの適切な実施形態を示している断面図であり、図13は、図12に示したデッキ664の一部の詳細図である。デッキ664は、外側プレート670aと内側プレート670bとの間で横方向に(側面に沿って)伸長している、梁のような、ブレーシング(支柱)671を含む。第1のパネル666aは、ブレーシング671の上側に取付けられ、かつ第2のパネル666bは、ブレーシング671の下側に取付けられている。デッキ664は、ブレーシング671に第1のパネル666a及び第2のパネル666bを固定する複数のスルーボルト672及びナット673を更に含むことができる。図13に最も良く示したように、ブレーシング671は、それを通ってスルーボルト672が伸長する複数のホール(穴)674を有している。ナット673は、これらのコンポーネント間の接続を強化するためにボルト672に溶接することができる。
【0081】
デッキ664のパネル及びブレーシングは、ステンレススチール、その他の合金、一体鋳物材料、又は繊維強化複合材で作ることができる。例えば、パネル及びプレートは、ニトロン50ステンレススチール、ハステロイ625合金鋼、又はマイカ(雲母)で充填された一体鋳物エポキシで作ることができる。繊維強化複合材は、硬化樹脂に炭素繊維又はケブラー(Kevlar)・メッシュを含むことができる。パネル666a及び666bに対する材料は、かなり堅固でかつ湿式化学処理で用いられる化学物質とコンパチブルであるべきである。ステンレススチールは、強力であるが湿式化学処理で用いられる電解溶液又は洗浄溶液の多くによって影響を及ぼされないので、多くのアプリケーションに大変適している。一実施形態では、パネル666a−b及びプレート670a−cは、0.125〜0.375インチ厚みのステンレススチールであり、かつより特定的には、それは0.250インチ厚みのステンレススチールでありうる。しかしながら、パネル及びプレートは、その他の実施形態において異なる厚みを有することができる。
【0082】
また、ブレーシング671は、ステンレススチール、繊維強化複合材、その他の合金、及び/又は一体鋳物材料でありうる。一実施形態では、ブレーシングは、0.5〜2.0インチ幅のステンレススチール梁でありうるし、より特定的には1.0インチ幅×2.0インチ高さのステンレススチール梁でありうる。その他の実施形態では、ブレーシング671は、金属(例えば、ステンレススチール、アルミニウム、チタン、等)、ポリマー、グラスファイバー又はその他の材料で作られた蜂の巣コア又はその他の構造でありうる。
【0083】
取付けモジュール660は、デッキ664の部分をアセンブルし、そしてエンド・プレート670cをデッキ664の部分に溶接又は接着することによって構築される。デッキ664のコンポーネントは、一般的に溶接なしでスルーボルト672により一緒に固定される。外側プレート670a及び内側プレート670bは、溶接及び/又は締め具(ファスナー)を用いてデッキ664及びエンド・プレート670cに取付けられる。次いで、プラットフォーム665は、エンド・プレート670c、及び内側プレート670bに確実に取付けられる。取付けモジュール660がアセンブルされる順番は、変わりうるしかつ上述した手順に限定されない。
【0084】
取付けモジュール660は、交換処理チャンバ610又は工作物支持装置613がデッキ664に取付けられる毎に移送システム605を再調整させることを必要としない範囲内でデッキ664の位置決め素子668a−bとプラットフォーム665の位置決め素子668cとの間で相対的位置を維持する、頑丈な、寸法安定性構造を供給する。取付けモジュール660は、一般的に、湿式化学処理チャンバ610、工作物支持装置613、及び移送システム605が取付けモジュール660に取付けられた場合に位置決め素子668a−bと668cとの間で相対的位置を維持するために十分に強い堅固な(剛性の)構造である。いくつかの実施形態では、取付けモジュール660は、位置決め素子668a−bと668cとの間の相対的位置を0.025インチ内に維持するように構成されている。その他の実施形態では、取付けモジュールは、位置決め素子668a−bと668cとの間の相対的位置を約0.005〜0.015インチ内に維持するように構成されている。そのように、デッキ664は、均一的にフラットな面を約0.025インチ内にしばしば維持し、そしてより特定の実施形態では約0.005〜0.015インチに維持する。
【0085】
上述より、本発明の特定の実施形態は、説明のためにここに記述されたが、しかし本発明の精神及び適用範囲から逸脱することなく様々な変更がなされうるということが理解されるであろう。例えば、上述した実施形態の様々な形態を異なる組合せで組合せることができるし、大きさ、材料、種類、及び/又は流動体の流れのような特徴は、異なりうる。従って、本発明は、添付した特許請求の範囲によるもの以外には限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】従来技術による電気メッキ・チャンバーの概略図である。
【図2A】本発明の一実施形態による微小フィーチャ工作物の電気化学堆積、電気研磨、又はその他の湿式化学処理のシステムを概略的に示す図である。
【図2B】本発明の別の実施形態による微小フィーチャ工作物の電気化学堆積、電気研磨、又はその他の湿式化学処理のシステムを概略的に示す図である。
【図3A−3H】本発明の一実施形態による図2A及び2Bのシステムが使用されていない間のメッキ・サイクル中の陽極液及び陰極液における水素イオンの濃度と銅イオンの濃度との間の関係をグラフで示す図である。
【図4】本発明の別の実施形態による湿式化学容器の断面部分を示す概略等角図である。
【図5】図4の容器の断面側面部分を示す概略側面図である。
【図6】本発明の別の実施形態による湿式化学容器の概略図である。
【図7】本発明の別の実施形態による湿式化学容器の概略図である。
【図8】本発明の別の実施形態による湿式化学容器の概略図である。
【図9】本発明の別の実施形態による湿式化学処理ツールの概略平面図である。
【図10A】本発明の別の実施形態による湿式化学処理ツールの部分を示す等角図である。
【図10B】本発明の別の実施形態により構成された湿式化学処理ツールの概略平面図である。
【図11】本発明の別の実施形態による湿式化学処理ツールで用いられる取付けモジュールの等角図である。
【図12】本発明の別の実施形態による湿式化学処理ツールで用いられる取付けモジュールの図11の線12−12に沿った断面図である。
【図13】より詳細に取付けモジュールのデッキの部分を示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小フィーチャ工作物に物質を堆積するための電気化学堆積チャンバであって、
第1の処理流動体の流れを微小フィーチャ工作物に運ぶように構成された第1のフローシステムを含んでいる処理部と;
前記処理部に結合され、電極及び少なくとも当該電極に隣接して第2の処理流動体の流れを運ぶように構成された第2のフローシステムを含んでいる電極部と;及び
第1及び第2の処理流動体を分離するための前記処理部と前記電極部との間の無孔仕切りとを備え、
前記無孔仕切りは、陽イオン又は陰イオンのいずれかに前記第1及び第2の処理流動体間の仕切りを通過させる物質であることを特徴とする電気化学堆積チャンバ。
【請求項2】
前記無孔仕切りは、陽イオンが前記第1及び第2の処理流動体間を通ることを抑止する陰イオン選択交換仕切りであることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項3】
前記無孔仕切りは、陰イオンが前記第1及び第2の処理流動体間を通ることを抑止する陽イオン選択交換仕切りであることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項4】
前記無孔仕切りは、可撓性であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項5】
前記無孔仕切りは、前記第1の処理流動体の流れを前記第2の処理流動体の流れから分離することを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項6】
前記無孔仕切りは、電解液の存在で電流に該無孔仕切りを通過させることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項7】
前記第1の処理流動体は、陰極電解液を含み、かつ
前記第2の処理流動体は、陽極電解液を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項8】
前記第1の処理流動体は、酸の約10g/lと約200g/lとの間の濃度を有し、
前記第2の処理流動体は、酸の約0.1g/lと約200g/lとの間の濃度を有することを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項9】
前記第2の処理流動体は、酸の約0.1g/lと約1.0g/lの間の濃度を有することを特徴とする請求項8に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項10】
前記第1の処理流動体が酸の第1の濃度を有し;かつ
前記第2の処理流動体が酸の第2の濃度を有し、前記第2の濃度に対する前記第1の濃度の比は、約1:1と約20,000:1との間であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項11】
前記電極部は、複数の電極を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項12】
前記電極は、第1の電極であり;
前記電極部は、第2の電極を更に備え;かつ
前記チャンバは、前記第1の電極と前記第2の電極との間に誘電体分配器を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項13】
前記電極によって誘導された前記第1の処理流動体の電界を形作るための電界成形モジュールを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項14】
前記無孔仕切りは、前記第2の処理流動体から気体を放出するために前記処理部に対して傾けられることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項15】
前記処理部及び前記電極部に結合され、前記無孔仕切りを含んでいる仕切り部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項16】
前記無孔仕切りは、第1の側面と、当該第1の側面に対向する第2の側面とを含み;
前記第1のフローシステムは、前記無孔仕切りの前記第1の側面に少なくとも隣接して前記第1の処理流動体を流すように構成され;かつ
前記第2のフローシステムは、前記無孔仕切りの前記第2の側面に少なくとも隣接して前記第2の処理流動体を流すように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項17】
前記電極は、純銅電極を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項18】
前記電極は、燐銅電極を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項19】
微小フィーチャ工作物に物質を堆積するための電気化学堆積チャンバであって、
処理サイトに微小フィーチャ工作物を位置決めするように構成された工作物ホルダーと、前記工作物上の層に電流を供給するように配置された複数の電気コンタクトと、を含んでいるヘッド・アセンブリと;及び
陰極電解液及び陽極電解液の一方を工作物に隣接して運ぶための処理部と、電極を有しかつ前記陰極電解液及び前記陽極電解液の他方を少なくとも前記電極に隣接して運ぶように構成された電極部と、及び前記処理部と前記電極部との間の半透性仕切りを含んでいる容器と、を備え
前記半透性仕切りは、陰イオン及び陽イオンの一つが前記陰極電解液と前記陽極電解液との間を通ることを選択的に抑止することを特徴とする電気化学堆積チャンバ。
【請求項20】
前記半透性仕切りは、陽イオン選択イオン交換仕切りか又は陰イオン選択イオン交換仕切りのいずれかであることを特徴とする請求項19に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項21】
前記半透性仕切りは、前記陽極電解液の流れから前記陰極電解液の流れを分離することを特徴とする請求項19に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項22】
前記処理部及び前記電極部に結合された仕切り部を更に備え、前記仕切り部は、半透性仕切りを含んでいることを特徴とする請求項19に記載の電気化学堆積チャンバ。
【請求項23】
微小フィーチャ工作物の湿式化学処理用リアクタであって、
微小フィーチャ工作物に第1の処理流動体を供給する処理部と;
電極を含む電極部と;
半透性陽イオン選択イオン交換仕切り又は半透性陰イオン選択交換仕切りのいずれかを含んでいる、前記処理部及び前記電極部の間の仕切り部と;
前記処理部の第1の部分と、前記処理部の前記第1の部分と流動体伝送する前記仕切り部の第2の部分とを含んでいる、前記第1の処理流動体を運ぶ第1のフローシステムと;
前記電極部の第1の部分と、前記電極部の前記第1の部分に流動体伝送する前記仕切り部の第2の部分とを含んでいる、前記電極に少なくとも隣接して第2の処理流動体を運ぶ第2のフローシステムと、を備え、
前記イオン交換仕切りは、前記第2のフローシステムの前記第2の処理流動体から前記第1のフローシステムの前記第1の処理流動体を分離することを特徴とするリアクタ。
【請求項24】
微小フィーチャ工作物の湿式化学処理用チャンバであって、
酸の約10g/lと約200g/lとの間の濃度を有している第1の処理流動体と;
前記第1の処理流動体を運びかつ微小フィーチャ工作物に該第1の処理流動体を供給するように構成された処理部と;
酸の約0.1g/lと約1.0g/lとの間の濃度を有している第2の処理流動体と;
前記第2の処理流動体を運びかつ該第2の処理流動体に隣接した電極を持っている電極部と;及び
前記第1及び第2の処理流動体を分離するための前記処理部と前記電極部との間の半透性仕切りと、
を備えていることを特徴とするチャンバ。
【請求項25】
前記半透性仕切りは、陽イオン又は陰イオンのいずれかが前記第1及び前記第2の処理流動体間を通ることを抑止することを特徴とする請求項24に記載のチャンバ。
【請求項26】
前記第1及び第2の処理流動体は、それぞれ銅の約10g/lと約50g/lとの間の濃度を有することを特徴とする請求項24に記載のチャンバ。
【請求項27】
微小フィーチャ工作物の湿式化学処理用チャンバであって、
酸の第1の濃度を有している第1の処理流動体と;
前記第1の処理流動体を運びかつ該第1の処理流動体を微小フィーチャ工作物に供給するように構成された処理部と;
酸の第2の濃度を有し、当該第2の濃度に対する前記第1の濃度の比が約10:1と約20,000:1との間である、第2の処理流動体と;
前記第2の処理流動体を運びかつ当該第2の処理流動体に隣接した電極を持っている電極部と;及び
前記第1及び第2の処理流動体を分離するための前記処理部と前記電極部との間の無孔仕切りとを備えていることを特徴とするチャンバ。
【請求項28】
前記無孔仕切りは、陰イオンが前記第1及び第2の処理流動体の間を通ることを抑止することを特徴とする請求項27に記載のチャンバ。
【請求項29】
前記第1及び第2の処理流動体は、それぞれ銅の約10g/lと約50g/lとの間の濃度を有することを特徴とする請求項27に記載のチャンバ。
【請求項30】
微小フィーチャ工作物の湿式化学処理用システムであって、
第1の電解液を微小フィーチャ工作物に供給する処理部と;
前記処理部と流動体伝送する第1の貯蔵器であり、当該第1の貯蔵器と該処理部とが前記第1の電解液の第1のボリュームを運ぶように構成された該第1の貯蔵器と;
第2の電解液を運びかつ当該第2の電解液に隣接した電極を持っている電極部と;
前記電極部と流動体伝送する第2の貯蔵器であり、当該第2の貯蔵器と該電極部とが前記第2の電解液の第2のボリュームを運ぶように構成され、前記第1の電解液の前記第1のボリュームが前記第2の電解液の前記第2のボリュームの少なくとも2倍である、該第2の貯蔵器と;
イオンが前記第2の電解液及び前記第1の電解液の間を通るようにさせると同時に前記第2の電解液及び前記第1の電解液を分離するための前記処理部と前記電極部との間の半透性仕切りと、
を備えていることを特徴とするシステム。
【請求項31】
前記第2の電解液の前記第2のボリュームに対する前記第1の電解液の前記第1のボリュームの比は、約1.5:1と約10:1との間であることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
銅の約10g/lと約50g/lの間の濃度を有する第1の電解液と、
銅の約10g/lと約50g/lの間の濃度を有する第2の電解液と、
を更に備えていることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
酸の約10g/lと約200g/lの間の濃度を有する第1の電解液と、
酸の約0.1g/lと約1.0g/lの間の濃度を有する第2の電解液と、
を更に備えていることを特徴とする請求項30に記載のシステム。
【請求項34】
微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理する方法であって、
リアクション・チャンバの微小フィーチャ工作物に少なくとも隣接して第1の処理流動体を流す段階と;
前記リアクション・チャンバの電極に少なくとも隣接して第2の処理流動体を流す段階と;
前記第1及び第2の処理流動体における電流の流れを設定するために前記電極に電位を印加する段階と;
陰イオン及び陽イオンの一つが前記第1及び第2の処理流動体の間を通ることを選択的に抑止するために半透性仕切りで該第1及び第2の処理流動体を分離する段階と
を具備することを特徴とする方法。
【請求項35】
前記第1及び第2の処理流動体を分離する段階は、電解液の存在で電流がそれを通るようにさせる仕切りで該第1及び第2の処理流動体を分離する段階を具備することを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1及び第2の処理流動体を分離する段階は、該第2の処理流動体の流れから該第1の処理流動体の流れを分離する段階を具備することを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の処理流動体を流す段階は、酸の約10g/lと約200g/lとの間の濃度を有している陰極電解液を流す段階を具備し;かつ
前記第2の処理流動体を流す段階は、酸の約0.1g/lと約1.0g/lとの間の濃度を有している陽極電解液を流す段階を具備することを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の処理流動体を流す段階は、酸の第1の濃度を有している陰極電解液を流す段階を具備し;かつ
前記第2の処理流動体を流す段階は、酸の第2の濃度を有している陽極電解液を流す段階を具備し、前記第2の濃度に対する前記第1の濃度の比は、約10:1と約20,000:1との間であることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記電極に前記電位を印加する段階は、複数の電極に電位を印加する段階を具備することを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記半透性仕切りは、第1の側面と当該第1の側面に対向する第2の側面とを含み、かつ前記方法は、前記半透性仕切りの前記第1の側面に少なくとも隣接して前記第1の処理流動体を流す段階と;及び
前記半透性仕切りの前記第2の側面に少なくとも隣接して前記第2の処理流動体を流す段階と
を更に具備することを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記第1の処理流動体は、前記仕切りを越えて第1の電荷を運ぶための第1の電荷運搬流動体であり;かつ
前記第2の処理流動体は、前記仕切りを越えて第2の電荷を運ぶための第2の電荷運搬流動体である
ことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項42】
前記第1及び第2の電荷運搬流動体は、陰イオンを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第1及び第2の電荷運搬流動体は、陽イオンを含むことを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記第1及び第2の電荷運搬流動体の電荷キャリヤは、リアクション・チャンバが動作している場合及び使用されていない場合に反対方向に移動することを特徴とする請求項41に記載の方法。
【請求項45】
微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理する方法であって、
湿式化学処理ツールの微小フィーチャ工作物に少なくとも隣接して酸の約10g/lと約200g/lとの間の濃度を有している第1の処理流動体を流す段階と;
前記湿式化学処理ツールの電極に少なくとも隣接して酸の約0.1g/lと約1.0g/lとの間の濃度を有している第2の処理流動体を流す段階と;
前記第1及び第2の処理流動体に電流の流れを設定するために前記電極に電位を印加する段階と;及び
半透性仕切りで前記第1の処理流動体と前記第2の処理流動体とを分離する段階とを具備することを特徴とする方法。
【請求項46】
微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理する方法であって、
湿式化学処理ツールの微小フィーチャ工作物に少なくとも隣接して第1のイオン濃度を有している第1の処理流動体を流す段階と;
前記湿式化学処理ツールの電極に少なくとも隣接して第2のイオン濃度を有している第2の処理流動体を流す段階と;
前記第1及び第2の処理流動体に電流の流れを設定するために前記電極に電位を印加する段階と;及び
半透性仕切りで前記第1の処理流動体と前記第2の処理流動体とを分離する段階とを具備し、前記第1及び第2のイオン濃度は、前記半透性仕切りを越える主要電荷キャリヤ及び濃度均衡を制御するように選択されることを特徴とする方法。
【請求項47】
微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理する方法であって、
湿式化学処理ツールの微小フィーチャ工作物に少なくとも隣接して酸の第1の濃度を有している第1の処理流動体を流す段階と;
前記湿式化学処理ツールの電極に少なくとも隣接して酸の第2の濃度を有している第2の処理流動体を流す段階であり、酸の前記第2の濃度に対する酸の前記第1の濃度の比が約10:1と約20,000:1との間にある該段階と;
前記第1及び第2の処理流動体に電流の流れを設定するために前記電極に電位を印加する段階と;及び
陽イオン選択イオン交換仕切りで前記第1及び第2の処理流動体を分離する段階とを具備することを特徴とする方法。
【請求項48】
微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理する方法であって、
湿式化学処理ツールの第1のフローシステムを通してかつ微小フィーチャ工作物に少なくとも隣接して陰極電解液を流す段階であり、前記第1のフローシステムが陰極電解液の第1のボリュームを運ぶように構成される、該段階と;
前記湿式化学処理ツールの第2のフローシステムを通してかつ電極に少なくとも隣接して陽極電解液を流す段階であり、前記第2のフローシステムが陽極電解液の第2のボリュームを運ぶように構成され、該陰極電解液の該第1のボリューが該陽極電解液の第2のボリューの少なくとも2倍である、該段階と;
前記第1及び第2の処理流動体に電流の流れを設定するために前記電極に電位を印加する段階と;及び
無孔仕切りで前記陰極電解液と前記陽極電解液とを分離する段階とを具備することを特徴とする方法。
【請求項49】
微小フィーチャ工作物に材料を堆積するための電気化学堆積チャンバであって、
処理サイトの微小フィーチャ工作物に第1の処理流動体の流れを運ぶように構成された第1のフローシステムを含んでいる処理部と;
電極コンパートメント及び第1のフローシステムから分離した第2のフローシステムを含み、該第2のフローシステムが該電極コンパートメントを通して第2の処理流動体の流れを運ぶように構成された、電極部と;
前記電極コンパートメントの複数の独立した電極と;及び
選択された物質が前記第1及び第2の処理流動体間を通ることを抑止するための前記処理部と前記電極部との間の仕切りと、
を備えていることを特徴とするチャンバ。
【請求項50】
前記電極は、第1の電極及び第2の電極を備え;かつ
前記電極部は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に誘電体分配器を更に備えていることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項51】
前記電極は、第1の電極と当該第1の電極と同心円に配置された第2の電極とを備え、かつ
前記処理部は、フィールド形成モジュールを更に備え、前記フィールド形成モジュールは、誘電体材料で構成されかつ前記第1の電極による影響を受けたイオンが通り抜けることができる処理サイトの第1のセクションに対向している第1の開口と、前記第2の電極による影響を受けたイオンが通り抜けることができる処理サイトの第2のセクションに対向している第2の開口とを有することを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項52】
前記仕切りは、非イオン・スペシーズが前記第1及び第2の処理流動体間を通ることを防ぐ無孔仕切りであることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項53】
前記仕切りは、陽イオン又は陰イオンのいずれかが前記第1及び第2の処理流動体間の仕切りを通り抜けるようにさせる半透性仕切りであることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項54】
前記仕切りは、前記第2の処理流動体の前記流れから前記第1の処理流動体の前記流れを分離する半透性仕切りであることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項55】
前記仕切りは、前記第1及び第2の処理流動体間の流動体の流れを許容する透水性仕切りであることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項56】
前記仕切りは、電解液の存在で電流を通過させる仕切りであることを特徴とする請求項49に記載チャンバ。
【請求項57】
前記電極は、対応する電界を選択的に誘導し;かつ
前記処理部は、前記電極によって誘導された前記電界を形成するフィールド形成モジュールを更に備えている、ことを特徴とする請求項49に記載チャンバ。
【請求項58】
前記電極は、第1の電極及び第2の電極を備え;かつ
前記電極部は、前記第1の電極に結合された第1の電気コネクタと、前記第2の電極に結合された第2の電気コネクタとを更に備え、前記第1及び第2の電極は、互いに独立して動作可能であることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項59】
酸の約10g/lと約200g/lとの間の濃度を有する第1の処理流動体と、
酸の約0.1g/lと約200g/lとの間の濃度を有する第2の処理流動体と
を更に備えていることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項60】
前記第2の処理流動体は、酸の約0.1g/lと約1.0g/lとの間の濃度を有することを特徴とする請求項58に記載のチャンバ。
【請求項61】
酸の第1の濃度を有する第1の処理流動体と、
酸の第2の濃度を有する第2の処理流動体とを更に備え、
前記第2の濃度に対する前記第1の濃度の比は、約1:1と約20,000:1との間であることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項62】
前記仕切りは、前記第2の処理流動体からガスを排出するために前記処理部に対して傾けられることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項63】
前記処理部及び前記電極部に結合された仕切り部を更に備え、前記仕切り部は、前記仕切りを含むことを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項64】
前記仕切りは、第1の側面と、当該第1の側面に対向する第2の側面とを含み;
前記第1のフローシステムは、前記仕切りの前記第1の側面に少なくとも隣接して前記第1の処理流動体を流すように構成され;かつ
前記第2のフローシステムは、前記仕切りの前記第2の側面に少なくとも隣接して前記第2の処理流動体を流すように構成されていることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項65】
前記電極は、純銅電極を備えていることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項66】
前記電極は、燐銅電極を備えていることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項67】
微小フィーチャ工作物に材料を堆積するための電気化学堆積チャンバであって、
処理サイトに微小フィーチャ工作物を位置決めするように構成された工作物ホルダーと、工作物の層に電流を供給するように配置された複数の電気コンタクトとを含んでいるヘッド・アセンブリと;
(a)前記工作物に隣接して陰極電解液及び陽極電解液の一つを運ぶための処理部と、(b)複数の電極を有しかつ前記電極に少なくとも隣接して前記陰極電解液及び前記陽極電解液の他方を運ぶように構成されている電極部と、及び(c)前記陰極電解液と前記陽極電解液とを分離するための前記処理部と前記電極部との間の仕切りとを含んでいる容器とを備えていることを特徴とするチャンバ。
【請求項68】
前記仕切りは、陽イオン又は陰イオンのいずれかが前記第1及び第2の処理流動体間の前記仕切りを通過するようにさせる半透性仕切りであることを特徴とする請求項67に記載のチャンバ。
【請求項69】
前記仕切りは、前記陰極電解液と前記陽極電解液との間の流動体の流れを許容する透水性仕切りであることを特徴とする請求項67に記載のチャンバ。
【請求項70】
前記仕切りは、前記陰極電解液と前記陽極電解液とを分離する無孔仕切りであることを特徴とする請求項67に記載のチャンバ。
【請求項71】
前記電極は、第1の電極と第2の電極とを備え;かつ
前記電極部は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に誘電体分配器を更に備えていることを特徴とする請求項67に記載のチャンバ。
【請求項72】
微小フィーチャ工作物の湿式化学処理用ツールであって、
微小フィーチャ工作物へ第1の処理流動体を運ぶための処理部と;
複数の電極を含んでいる電極部と;
仕切りを含んでいる、前記処理部と前記電極部との間の仕切り部と;
前記処理部の第1の部分と、前記処理部の前記第1の部分に流動体伝送する前記仕切り部の第2の部分とを含んでいる、第1の処理流動体を運ぶための第1のフローシステムと;
前記電極部の第1の部分と、前記電極部の前記第1の部分に流動体伝送する前記仕切り部の第2の部分とを含んでいる、前記電極に少なくとも隣接して第2の処理流動体を運ぶ第2のフローシステムとを備え、
前記仕切りは、前記第1のフローシステムの前記第1の処理流動体と前記第2のフローシステムの前記第2の処理流動体との間にあることを特徴とするツール。
【請求項73】
微小フィーチャ工作物の湿式化学処理用チャンバであって、
酸の約10g/lと約200g/lとの間の濃度を有している第1の処理流動体と;
前記第1の処理流動体を運びかつ微小フィーチャ工作物へ前記第1の処理流動体を運ぶように構成された処理部と;
酸の約0.1g/lと約1.0g/lとの間の濃度を有している第2の処理流動体と;
複数の電極を持ちかつ前記電極に隣接して前記第2の処理流動体を運ぶ電極部と;及び
前記第1及び第2の処理流動体を分離するための前記処理部と前記電極部との間の仕切りとを備えていることを特徴とするチャンバ。
【請求項74】
前記第1及び第2の処理流動体は、それぞれ銅の約10g/lと約50g/lの間の濃度を有することを特徴とする請求項73に記載のチャンバ。
【請求項75】
前記仕切りは、前記第2の処理流動体の流れから前記第1の処理流動体の流れを分離する無孔仕切りであることを特徴とする請求項73に記載のチャンバ。
【請求項76】
前記仕切りは、前記第1及び第2の処理流動体の間の流動体の流れを許容すると同時に有機添加剤が該仕切りを通過することを防ぐ多孔仕切りであることを特徴とする請求項73に記載のチャンバ。
【請求項77】
微小フィーチャ工作物の湿式化学処理用チャンバであって、
酸の第1の濃度を有している第1の処理流動体と;
前記第1の処理流動体を運びかつ微小フィーチャ工作物へ前記第1の処理流動体を運ぶように構成された処理部と;
酸の第2の濃度を有している第2の処理流動体であり、前記第2の濃度に対する前記第1の濃度の比が約10:1と約20,000:1との間にある、該第2の処理流動体と;
複数の電極を持ちかつ前記電極に隣接して前記第2の処理流動体を運ぶ電極部と;
有機添加剤が前記第1及び第2の処理流動体の間を通ることを抑止するための前記処理部と前記電極部との間の仕切りと
を備えていることを特徴とするチャンバ。
【請求項78】
前記仕切りは、前記第2の処理流動体の流れから前記第1の処理流動体の流れを分離する無孔仕切りであることを特徴とする請求項77に記載のチャンバ。
【請求項79】
前記仕切りは、前記第1及び第2の処理流動体の間の流動体の流れを許容する多孔仕切りであることを特徴とする請求項77に記載のチャンバ。
【請求項80】
前記第1及び第2の処理流動体は、それぞれ銅の約10g/lと約50g/lの間の濃度を有することを特徴とする請求項77に記載のチャンバ。
【請求項81】
微小フィーチャ工作物の湿式化学処理用システムであって、
第1の電解液を微小フィーチャ工作物に運ぶ処理部と;
前記処理部と流動体伝送する第1の貯蔵器であり、当該第1の貯蔵器及び前記処理部は、前記第1の電解液の第1のボリュームを運ぶように構成される、該第1の貯蔵器と;
第2の電解液を運びかつ当該第2の電解液に隣接した複数の電極を持っている電極部と;
前記電極部と流動体伝送する第2の貯蔵器であり、当該第2の貯蔵器及び前記電極部は、前記第2の電解液の第2のボリュームを運ぶように構成され、前記第1の電解液の前記第1のボリュームは、前記第2の電解液の前記第2のボリュームの少なくとも2倍である、該第2の貯蔵器と;及び
前記第2の電解液及び前記第1の電解液を分配するための前記処理部と前記電極部との間の仕切りと、
を備えていることを特徴とするシステム。
【請求項82】
前記第2の電解液の前記第2のボリュームに対する前記第1の電解液の前記第1のボリュームの比は、約1.5:1と約10:1の間であることを特徴とする請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
酸の約10g/lと約200g/lの間の濃度を有する第1の電解液と;及び
酸の約0.1g/lと約1.0g/lの間の濃度を有する第2の電解液とを更に備えていることを特徴とする請求項81に記載のシステム。
【請求項84】
銅の約10g/lと約50g/lの間の濃度を有する第1の電解液と;
銅の約10g/lと約50g/lの間の濃度を有する第2の電解液と、
を更に備えていることを特徴とする請求項81に記載のシステム。
【請求項85】
微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理する方法であって、
第1の処理流動体をリアクション・チャンバの微小フィーチャ工作物に少なくとも隣接して流す段階と;
第2の処理流動体を前記リアクション・チャンバの複数の電極に少なくとも隣接して流す段階と;
前記第1及び第2の処理流動体における電流の流れを設定するために個々の電極に独立した電流を印加する段階と;及び
仕切りで前記第1の処理流動体及び前記第2の処理流動体を分離する段階と、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項86】
前記第1及び前記第2の処理流動体を分離する段階は、前記第2の処理流動体の流れから前記第1の処理流動体の流れを分離する段階を具備することを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記第1及び前記第2の処理流動体を分離する段階は、有機添加剤が該第1の及び第2の処理流動体の間を通ることを抑止するために多孔仕切りで該第1及び第2の処理流動体を分離する段階を具備することを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記第1及び前記第2の処理流動体を分離する段階は、電流が電解液の存在で通り抜けるようにさせる仕切りで該第1及び第2の処理流動体を分離する段階を具備することを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項89】
前記第1の処理流動体を流す段階は、酸の約10g/lと約200g/lの間の濃度を有している陰極電解液を流す段階を具備し;かつ
前記第2の処理流動体を流す段階は、酸の約0.1g/lと約1.0g/lの間の濃度を有している陽極電解液を流す段階を具備することを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項90】
前記第1の処理流動体を流す段階は、酸の第1の濃度を有している陰極電解液を流す段階を具備し;かつ
前記第2の処理流動体を流す段階は、酸の第2の濃度を有している陽極電解液を流す段階を具備し、
前記酸の第2の濃度に対する前記酸の第1の濃度に対する比は、約10:1と約20,000:1との間であることを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項91】
前記個々の電極に独立した電流を印加する段階は、第1の電極に第1の電流を印加しかつ第2の電極に前記第1の電流とは異なる第2の電流を印加する段階を具備することを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項92】
前記電流をメッキ・サイクル中に動的に変化させる段階を更に具備することを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項93】
前記第1の処理流動体は、前記仕切りを越えて第1の電荷を運ぶための第1の電荷運搬流動体であり;かつ
前記第2の処理流動体は、前記仕切りを越えて第2の電荷を運ぶための第2の電荷運搬流動体であることを特徴とする請求項85に記載の方法。
【請求項94】
前記第1及び第2の電荷運搬流動体は、陰イオンを含むことを特徴とする請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記第1及び第2の電荷運搬流動体は、陽イオンを含むことを特徴とする請求項93に記載の方法。
【請求項96】
前記第1及び第2の電荷運搬流動体の電荷キャリヤは、リアクション・チャンバが動作している場合及びアイドルである場合に反対方向に移動することを特徴とする請求項93に記載の方法。
【請求項97】
微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理する方法であって、
電気化学堆積チャンバの微小フィーチャ工作物に少なくとも隣接して第1の処理流動体を流す段階と;
前記電気化学堆積チャンバの複数の電極に少なくとも隣接して第2の処理流動体を流す段階と;
前記第1及び第2の処理流動体における電流の流れを設定するために個々の電極に電位を印加する段階と;及び
有機添加剤が前記第1及び第2の処理流動体の間の仕切りを通り抜けることを抑止する段階とを具備することを特徴とする方法。
【請求項98】
微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理する方法であって、
湿式化学処理ツールの微小フィーチャ工作物に少なくとも隣接して酸の約10g/lと約200g/lの間の濃度を有している第1の処理流動体を流す段階と;
前記湿式化学処理ツールの複数の電極に少なくとも隣接して酸の約0.1g/lと約1.0g/lの間の濃度を有している第2の処理流動体を流す段階と;
前記第1及び第2の処理流動体における電流の流れを設定するために個々の電極に独立した電流を印加する段階と;及び
仕切りで前記第1の処理流動体及び前記第2の処理流動体を分離する段階とを具備することを特徴とする方法。
【請求項99】
微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理する方法であって、
湿式化学処理ツールの微小フィーチャ工作物に少なくとも隣接して酸の第1の濃度を有している第1の処理流動体を流す段階と;
前記湿式化学処理ツールの複数の電極に少なくとも隣接して酸の第2の濃度を有している第2の処理流動体を流す段階であり、前記酸の第2の濃度に対する前記酸の第1の濃度の比が約10:1と約20,000:1の間である、該段階と;
前記第1及び第2の処理流動体における電流の流れを設定するために個々の電極に独立した電位を印加する段階と;及び
仕切りで前記第1及び第2の処理流動体を分配する段階とを具備することを特徴とする方法。
【請求項100】
微小フィーチャ工作物を電気化学的に処理する方法であって、
湿式化学処理ツールの第1のフローシステムを通して微小フィーチャ工作物に少なくとも隣接して陰極電解液を流す段階であり、前記第1のフローシステムが前記陰極電解液の第1のボリュームを運ぶように構成されている、該段階と;
前記湿式化学処理ツールの第2のフローシステムを通して複数の電極に少なくとも隣接して陽極電解液を流す段階であり、前記第2のフローシステムが前記陽極電解液の第2のボリュームを運ぶように構成され、前記陰極電解液の前記第1のボリュームが前記陽極電解液の前記第2のボリュームの少なくとも2倍である、該段階と;
前記第1及び第2の処理流動体における電流の流れを設定するために個々の電極に独立した電位を印加する段階と;及び
仕切りで前記陰極電解液及び前記陽極電解液を分離する段階とを具備することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2007−534835(P2007−534835A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542549(P2006−542549)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/017800
【国際公開番号】WO2005/060379
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.Goretex
【出願人】(503437107)セミトゥール インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】