説明

微細構造ワークピースを処理するための湿式化学処理チャンバ

【解決手段】湿式化学処理チャンバは、被固定ユニットと、被固定ユニットに着脱可能に結合される着脱ユニットと、被固定ユニット及び着脱ユニットに接触するシールと、被固定ユニット及び/又は着脱ユニットに設けられる処理要素とから構成される。被固定ユニットは、被固定ユニットを介して処理流体を導くように構成されてなる第1の流路系統と、統合処理ツールにおけるプラットホームないしデッキに被固定ユニットをしっかりと取り付けるための取付固定具とを備える。着脱ユニットは、被固定ユニットにおける第1の流路系統へと及び/又は同流路系統から処理流体を導くように構成されてなる第2の流路系統を備える。シールに設けられたオリフィスを通って、処理流体は第1の流路系統と第2の流路系統との間を流れ、処理要素は、サブ・ミクロンの微細構造をもった微細構造ワークピースの表面を処理すべく処理流体に性質を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2003年6月6日に出願された米国特許出願第60/476,333号、2003年6月6日に出願された米国特許出願第60/476,881号、2003年6月6日に出願された米国特許出願第60/476,786号、及び、2003年6月6日に出願された米国特許出願第60/476,776号、を基礎とする優先権を主張し、これらの出願の全体をここに参照によって引用する。
本発明は、複数の微細デバイスがワークピースの内部及び/又は表面に統合されているような、微細構造ワークピースを処理するための装置及び方法に関する。微細デバイスは、サブミクロンの構造を有している。本発明の特有の観点は、被固定ユニットと、チャンバ内部の部品を保守すべく迅速に着脱可能である着脱ユニットとを備えてなる、湿式化学処理チャンバに関する。本発明の追加的な観点は、被固定ユニットと着脱可能な電極ユニットとを備えてなる、電気化学堆積チャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
微細デバイスの製造においては、単一の基板上に、数種類の材料層を堆積させたり加工したりして、多数の個別素子を生産している。例えば、フォトレジストや、導体材料、及び絶縁材料の層を堆積させ、パターニングし、現像し、エッチングし、平坦化し、さらにその他の操作を施して、基板の内部及び/又は表面に構造物を形成している。構造物の配列によって、集積回路や、超小型流体装置、及びその他の構造体が形成される。
微細構造ワークピース上に構造物を形成するには、湿式化学処理が一般的に用いられている。一般に、湿式化学処理を行う湿式化学処理ツールは、複数の独立した処理チャンバを備えていて、これらのチャンバはそれぞれ、洗浄、エッチング、材料の電気化学堆積、又はこれらの処理の組み合わせを実行する。図1は、1又は複数の湿式化学処理を実行可能であるような、統合ツール10を模式的に示している。ツール10は、プラットホーム22を備えたハウジングないしキャビネット20と、キャビネット20に取り付けられた複数の湿式処理チャンバ30と、搬送システム40とを具備している。また、ツール10は、ワークピースWをローディング/アンローディングするために、対応する処理チャンバ30に結合された昇降回転ユニット32を具備している。処理チャンバ30は、洗浄/乾燥チャンバや、クリーニング・カプセル、エッチング・カプセル、電気化学堆積チャンバ、又はその他のタイプの湿式化学処理容器である。搬送システム40は、直線状の軌道42と、軌道42上を移動するロボット44とを備えていて、ツール10内において個々のワークピースWを搬送する。統合ツール10はさらに、ワークピースWを保持する複数のコンテナ62を備えてなる、ワークピース貯蔵ユニット60を具備している。装置の運用動作時には、ツール10の所定の作業手順に従って、ロボット44が、ワークピースを、コンテナ62と処理チャンバ30との間にて行き来させて搬送する。
【0003】
統合された湿式化学処理ツールを運用する上でのひとつの難点は、処理チャンバについての修理及び/又は保守である。例えば、電気化学堆積チャンバにおいては、電極と電解液との間の反応によって電極が腐食分解するので、消耗品である電極は時間と共に劣化する。消耗電極の形状が変化すると、電場には変動が生じる。その結果、ワークピースにわたる堆積パラメータを所望の値に維持するには、定期的に消耗電極を交換しなければならない。ワークピースに接触する電気接点もまた、定期的に洗浄又は交換しなければならない。電気化学堆積チャンバを保守又は修理するには代表的に、それらのチャンバをツール10から取り外して、予備のチャンバと交換するか、ツールの現場で保守作業を行う。
【0004】
既存の湿式化学処理チャンバの修理又は保守に関するひとつの問題点は、電極を交換したり、処理チャンバ30におけるその他の構成要素を保守するために、ツールを長時間にわたってオフライン状態にしなければならないことである。処理チャンバ30をツール10から取り外したならば、プラットホーム22における空のステーションに、事前に保守された処理チャンバ30を取り付ける。処理チャンバ30がプラットホーム上の現場において保守される場合には、一般に昇降回転ユニット32を邪魔にならないように逸らせておき、オペレータは上方から処理チャンバ30に手を入れて、チャンバ30の中にある部品を修理又は交換する。例えば、消耗電極を交換するには、摩耗した電極をチャンバ30から係脱させて、新たな電極を据え付ける。これは、極めて厄介な作業であり、というのは、電極が配置されているチャンバ30の下方部分にアクセスできるような、ツール10における空間は限られているためである。チャンバ30を修理又は交換したならば、処理チャンバと協働できるように、ロボット44及び昇降回転ユニット32を再び較正する。
【0005】
摩耗した電極を交換したり、その他の構成要素をツール内部の現場で保守したり、または、チャンバを別のチャンバと交換したりする作業には、かなり長い作業時間がかかり、その間、ツールはワークピースの処理をできない。さらに、一般に毎回の修理の後には、修理されたチャンバについて、ロボット44及び昇降回転ユニット32に対して再び較正を行うが、これは時間を要する作業工程であって、処理チャンバを修理又は保守するためのダウン時間は長くなる。その結果、ツール10においてひとつだけの処理チャンバ30が仕様を満たさなくなった場合にあっては、ひとつの処理チャンバ30の修理のためにツールを停止させことはせずに、2以上の処理チャンバが性能仕様を満たさなくなるまで、ツール10の運用を継続する方がしばしば効率的である。すなわち、単一の処理チャンバ30に起因するスループットの損失は、1個の処理チャンバ30を修理又は保守するためにツール10をオフライン状態にする場合のスループットの損失ほどには大きくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、少なくとも2つの処理チャンバ30が仕様を満たさなくなるまで、ツール10の運用動作を続けるという実務は、ツール10のスループットに厳しい影響を与える。例えば、少なくとも2〜3の処理チャンバ30が仕様を満たさなくなるまで、ツール10に対して修理又は保守を行わないとするならば、ツールは、保守のためにオフライン状態にされるまでの期間、ツールの全能力のうちの一部の能力だけにて運転動作することになる。このことはツール10の運転コストを高騰させるが、というのは、スループットは、ただ単に、ツール10をオフライン状態にして、湿式処理チャンバ30を交換し、ロボット44に対して再び較正を行う間に低下するのみならず、ツールのオンライン状態にあっても、全能力のうちの一部の能力によって運転動作することのために低下する。さらに、構造物のサイズが小さくなると、電気化学堆積チャンバ30は、はるかに高度な性能仕様を一貫して満足する必要が生じる。このため、処理チャンバ30は、より早く、仕様を満たさなくなり、ツールは、より頻繁にシャット・ダウンすることになる。従って、電気化学堆積チャンバ及びその他のタイプの湿式化学処理チャンバにおいて、その修理及び/又は維持に関連したダウン時間は湿式化学処理ツールの運用コストを相当に高騰させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、迅速解放型の着脱ユニットを備えてなる湿式化学処理チャンバに関し、チャンバ内の処理要素を交換又は保守するのに要するダウン時間を、既存の湿式化学処理チャンバに比べて、短縮できるものである。本発明によるいくつかの実施形態の湿式化学処理チャンバにおいては、定期的な保守又は交換を必要とされる処理要素は、着脱ユニットに収容され、または、収容以外の方法によって支持されることになる。例えば、電極は、着脱ユニットの内部に収容される、ひとつのタイプの処理要素であり得る。そうした処理要素は、単に着脱ユニットをチャンバから取り外して、交換用の着脱ユニットを据え付けるだけで、迅速に交換できる。着脱ユニットにアクセスするには一般に、昇降回転ユニットを動かしたり、チャンバの頭部組立体を取り外したりする必要はない。また着脱ユニットは、容易にアクセス可能である、迅速解放型の機構を介して、チャンバに結合される。こうして、わずか数分以内に取り外して交換できる着脱ユニットにそうした構成要素を配置するならば、既存の湿式化学処理チャンバにあっては同一の作業に数時間を要していたのと比較して、電極やチャンバにおけるその他の処理要素を修理又は保守するためのダウン時間は短縮されることになる。
【0008】
本発明のひとつの実施形態においては、湿式化学処理チャンバは、被固定ユニットと、被固定ユニットに着脱可能に結合される着脱ユニットと、被固定ユニット及び着脱ユニットに接触するシールと、被固定ユニット及び/又は着脱ユニットに設けられる処理要素とから構成される。被固定ユニットは、被固定ユニットを介して処理流体を導くように構成されてなる第1の流路系統と、統合処理ツールにおけるプラットホームないしデッキに被固定ユニットをしっかりと取り付けるための取付固定具とを備える。着脱ユニットは、被固定ユニットにおける第1の流路系統へと及び/又は同流路系統から処理流体を導くように構成されてなる第2の流路系統を備える。シールに設けられたオリフィスを通って、処理流体は第1の流路系統と第2の流路系統との間を流れ、処理要素は、サブ・ミクロンの微細構造をもった微細構造ワークピースの表面を処理すべく処理流体に性質を与える。
【0009】
本発明の別の観点は、微細構造ワークピースを湿式化学処理するための統合ツールである。ひとつの実施形態においては、ツールは、複数の位置決め要素と取付要素とを備えている取付モジュールを具備している。この実施形態においては、湿式化学処理チャンバにおける被固定ユニットは、位置決め要素のひとつに係合すべき第1の介在部材と、取付モジュールにおける取付要素のひとつに係合すべき第1の固定具とから構成された取付固定具を備える。取付モジュールは、位置決め要素間の相対位置を維持すべく構成されていて、処理チャンバを別の処理チャンバに交換したり、ある着脱ユニットを別の着脱ユニットと交換したりしても、湿式化学処理チャンバへと、または、該チャンバから、ワークピースを搬送するための搬送システムを再較正する必要はない。
【0010】
また、本発明は、迅速解放型の着脱ユニットに少なくともひとつの電極が設けられた電気化学堆積チャンバに関し、摩耗した電極を交換するのに要するダウン時間を短縮できるものである。本発明のいくつかの実施形態による電気化学堆積チャンバにおいては、1又は複数の消耗電極は、着脱ユニットの内部に収容され、この着脱ユニットは、迅速に取り外されて別の着脱ユニットと交換される。従って、単に摩耗した電極が取り付けられている着脱ユニットを取り外し、新たな電極が取り付けられた交換用の着脱ユニットを据え付けるだけで、摩耗した電極を新たな電極に交換できる。着脱ユニットは、一般にはチャンバの下側部分であって、昇降回転ユニットを動かしたり、チャンバを上から開かなくても、これにアクセス可能である。また着脱ユニットは、容易にアクセス可能である、迅速解放型の機構を介して、チャンバに結合される。こうして、わずか数分以内に取り外して交換できる着脱ユニットに電極を配置するならば、既存の電気化学堆積チャンバにあっては電極交換作業に数時間を要していたのと比較して、電極を修理又は保守するためのダウン時間は大いに短縮されることになる。
【0011】
ひとつの実施形態においては、電気化学堆積チャンバは、頭部組立体と、頭部組立体の下方に設けられた容器とを具備している。頭部組立体は、微細構造ワークピースを処理位置に位置決めすべく構成されていて、ワークピース上の層に電流を流すべく構成された電気接点を備える。容器は、被固定ユニットをツールのデッキに取り付けるための取付固定具を備えている被固定ユニットと、ツールのデッキ下方に配置されるべき取付固定具の下方において、被固定ユニットに着脱可能に結合可能であるような着脱ユニットと、被固定ユニットと着脱ユニットとの間に設けられる介在要素であって、被固定ユニットと着脱ユニットとの間における処理流体の流れを制御するような上記介在要素と、着脱ユニットを着脱可能に被固定ユニットに結合させる取付装置と、を備える。また、電気化学堆積チャンバは、着脱ユニットの内部に電極を備えている。いくつかの特定の実施形態においては、着脱ユニットはさらに、処理流体を容器へ供給するための流体入口と、処理流体を容器から排出するための流体出口とを備えても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本願において、“微細構造ワークピース”又は“ワークピース”の用語は、微細デバイスが、その表面に及び/又は内部に形成されるような基板を意味する。代表的な微細デバイスには、微細電子回路や、回路の構成要素、薄膜記録ヘッド、情報記憶要素、超小型流体装置、及びその他の製品が含まれる。この定義の範囲内には、集積回路とほぼ同様なやり方で製造される、マイクロマシンや、マイクロ機械装置も含まれる。基板は、半導体片(例えば、ドープされたシリコンウエハ又はガリウム砒素ウエハ)や、絶縁体片(例えば、様々なセラミック基板)、または、導体片などである。
【0013】
いくつかの実施形態による、微細構造ワークピースに処理を行う湿式化学処理チャンバについて、ワークピースの構造の内部又は表面に、電解的に又は無電解的に、金属を堆積させたり、電気泳動レジストを堆積させりする電気化学堆積チャンバの文脈において述べる。しかしながら、本発明による湿式化学処理チャンバは、半導体基板又はその他のタイプのワークピースの内部及び/又は表面に微細構造を製造するための、エッチングや、洗浄、又はその他のタイプの湿式化学処理についても使用可能である。図2〜図17には、本発明のいくつかの実施形態による湿式化学処理チャンバと統合ツールとを示していて、以下の対応する説明では、本発明の特定の実施形態について説明する。しかしながら、当業者は、本発明はさらに追加的な実施例を有するであろうと共に、本発明は図2〜図17の詳細に限定させることなく実施が可能であることを理解するだろう。
【実施例1】
【0014】
[A.湿式化学処理チャンバの実施例]
図2には、構成要素の迅速な修理又は交換を可能とし、処理要素の保守に要するダウン時間を短縮できる、湿式化学処理チャンバ100を模式的に示している。処理チャンバ100は、湿式化学容器102と頭部104とを備えている。容器102は、ツールのデッキ106に支持されており、ツールには、いくつかの他の処理チャンバ(図示せず)や、ワークピースを自動的に取り扱うワークピース搬送装置(図示せず)が備えられる。容器102の中には、処理流体、処理流体を導くためのいくつかの構成要素、または、その他、ワークピースの処理のために処理流体に性質を与える要素が収容されている。頭部104は、昇降回転ユニット108によって支えられていて、該ユニットが頭部104を動かし、ワークピースをロード/アンロードし、容器102内の処理現場109に、ワークピースを位置決めする。ここで、処理チャンバ100が、ワークピースに物質を電解メッキする電気化学堆積ステーションである場合には、容器102は代表的に、流体の流路系統と少なくともひとつの電極とを備え、頭部104は代表的に、ワークピース上の導体層に係合すべく構成された複数の電気接点をもつ接点組立体を備えてなるような、ワークピースホルダを備える。処理チャンバ100が、洗浄チャンバや、その他のタイプのカプセルである場合には、容器102は、ワークピース面に流体を流すための複数の流体ディスペンサを備え、また、頭部104は代表的にワークピースホルダを備える。適当な電気化学堆積チャンバは、(a)米国特許第6,569,297号及び米国特許第6,660,137号、および、(b)米国特許公開公報第2003/0068837号、第2003/0079989号、第2003/0057093号、第2003/0070918号、第2002/0032499号、第2002/0139678号、第2002/0125141号、第2001/0032788号、第2003/0127337号、及び、第2004/0013808号に開示されているので、これらの文献の全体をここで参照して引用する。さらに、好適なワークピースホルダについては、米国特許第6,309,524号及び米国特許出願第6,527,925号、米国特許出願第2002/0000372号に開示されているので、これらの文献の全体をここで参照して引用する。
【0015】
容器102は、デッキ106に取り付けられた被固定ユニット110を備え、被固定ユニット110には着脱ユニット120が支持されている。被固定ユニット110は、シャーシ112と、第1の流路系統114(模式的に図示)と、取付固定具116(模式的に図示)とを備える。シャーシ112は、化学的に処理流体と互換性がある絶縁体のハウジングである。シャーシ112は例えば、高密度ポリマーや、その他の適当な材料から作られる。第1の流路系統114は、求められる流れを処理現場109に供給すべく構成されている。電気化学堆積チャンバにおいて、第1の流路系統114は、処理現場109の全体にわたって、ワークピースに対して垂直な方向で、実質的に均一な速度をもつような、流れを提供するように構成されている。取付固定具116は、シャーシ112から外側方向へ突出したフランジ又はリングであって、デッキ106の上面に係合する。取付固定具116は、後述の如く、デッキ106に対して被固定ユニット110を精密に位置決めできるように構成されている。被固定ユニット110はさらに、処理要素118(模式的に図示)を備え、被固定ユニット110を通って流れる処理流体に性質を与える。例えば、処理要素118は、処理現場109内の電場を整形する電場整形要素であったり、あるいは、フィルタや、膜、ノズル、又はその他のタイプの流体吐出器などである。処理要素118は、こうしたタイプの構造物を任意に組み合わせたものとすることができる。被固定ユニット110における、第1の流路系統114、取付固定具116、及び処理要素118として適した構造については、先に参照して引用した、米国特許出願第09/872,151号、及び米国特許出願第09/804,697号に開示されている。
【0016】
容器102における着脱ユニット120は、コンテナ122と、被固定ユニット110における第1の流路系統114へと及び/又は同流路系統114から処理流体を導くように構成されてなる第2の流路系統124(模式的に図示)と、処理流体に性質を与えるような処理要素(模式的に図示)とを備える。第2の流路系統124は、入口と出口とを備えていて、処理流体を第1の流路系統114へ送り届けたり、処理流体を第1の流路系統114から受け入れたりする。第1及び第2の流路系統は、互いに協働して、処理流体の所望の流れを処理現場に提供する。また、第1の流路系統114と第2の流路系統124とは、処理要素126に対して前進流を提供する。前進流の装置においては、処理流体は着脱ユニット120に設けた処理要素126を通り抜け、その後に、処理流体は処理現場109に到達する。また、第1及び第2の流路系統は、処理要素126に逆流を流すように構成しても良い。逆流型の構成においては、処理流体は処理現場109を通り抜けた後に、処理要素126を通過する。
【0017】
処理要素126は、着脱ユニット120の内部に配置される。処理要素126は、フィルタ、膜、または、電極などである。さらに、処理要素126は、複数の電極を同軸的な形態に配置され、または、ワークピースを電解メッキするのに適したその他の形態に配置されてなる、電極組立体であっても良い。さらに別の実施形態においては、処理要素126は組み合わせ、つまり、フィルタ、膜、電極、独立した電極区画室を形成するような電極間の絶縁仕切板、複数のノズルをもった噴霧棒、メッキ用パドル、または、その他の構成要素であって微細構造ワークピースの処理に使用されるもの、などを組み合わせたものでも良い。処理要素126は一般には、消耗可能な構成要素(例えば消耗電極)や、ワークピースの表面を保護すべく処理流体中に存する粒子状物質又はその他の不都合な成分を収集する要素(例えばフィルタや膜)、または、故障したり、クリーニングが必要であるような、その他の構成要素である。従って、着脱ユニット120に配置された処理要素126については、定期的な保守又は交換が施され、処理チャンバ100の性能は所定の仕様を満たすように維持される。そうした処理要素を、新品又は再生品の要素と迅速に交換するには、頭部104や、昇降回転ユニット108、又は被固定ユニット110を動かす必要はなく、単に当該着脱ユニット120を、交換用の着脱ユニットと取り替えるだけで良い。
【0018】
また、容器102は、被固定ユニット110と着脱ユニット120との間からの漏れを防ぐためのシール130を備えている。シールは代表的に、被固定ユニット110と着脱ユニット120との間に配置される。シール130は、少なくともひとつのオリフィスを備えていて、被固定ユニット110側の第1の流路系統114と、着脱ユニット120側の第2の流路系統124との間において、処理流体が流れられるようにしている。多くの実施形態においては、シール130は、オリフィスのパターンが設けられたガスケットであって、第1の流路系統114と第2の流路系統124との間において、流体が流れられるようにしている。シール130ないしガスケットは代表的に、圧縮可能な部材であって、流路系統における様々な流路間において、液体が漏れることを防止する。また、シール130を絶縁材料から作って、第1の流路系統114と第2の流路系統124との間を流れるときの、別々の流体の流れを電気的に隔てる。シール130として適した材料には、VITON(登録商標)や、独立気泡発泡材、独立気泡シリコン、エラストマー、ポリマー、ゴム、その他の材料がある。
【0019】
容器102はまた、着脱ユニット120を被固定ユニット110に取り付けるための取付組立体140を備える。取付組立体140は、例えば1個のクランプや複数のクランプなど、迅速解放型のユニットであって、着脱ユニット120を被固定ユニット110に対する所望の向きに案内し、着脱ユニット120を被固定ユニット110にしっかりと保持するものである。取付組立体140は、着脱ユニット120が被固定ユニット110に対して固定される第1の位置と、着脱ユニット120が被固定ユニット110から取り外される第2の位置との間において動けるように構成されている。いくつかの実施形態においては、取付組立体140が第2の位置から第1の位置へと動くことで、取付組立体140は着脱ユニット120を被固定ユニット110へ向けて駆動させる。この運動は、シール130を圧縮すると共に、着脱ユニット120を被固定ユニット110に対する所定位置に位置決めする。取付組立体140は、クランプリングや、複数のラッチ、複数のボルト、又はその他のタイプの固定具から構成することができる。
【0020】
図3には、着脱ユニットに設けた処理要素を修理又は交換するための、湿式化学処理チャンバ100の動作について模式的に示している。図2及び図3と同一の要素には対応する符号を付している。第1の着脱ユニット120aに設けられた流路系統124a及び/又は処理要素126aが、もはや仕様を満たさなくなると、第1の着脱ユニット120aは被固定ユニット110から取り外される。シール130もまた、取り外されるが、これは任意的事項である。次に、第2の着脱ユニット120bを据え付けるべく、これを被固定ユニット110に対して整列させ、取付組立体140を第2の着脱ユニット120bに係合させる。第2の着脱ユニット120bにおける流路系統124b及び処理要素126bは、新品又は再生品であって、処理チャンバ100は、微細構造ワークピースの処理に求められる仕様を満たすようになる。
【0021】
図2及び図3に示した処理チャンバ100のひとつの利点は、処理チャンバ100を相当の長時間にわたってシャットダウンさせることを必要とせずに、修理又は保守が必要とされる構成要素を迅速に、新品又は再生品の構成要素と交換できることである。被固定ユニット110から、ひとつの着脱ユニット120を取り外して、次に、交換用の着脱ユニット120を据え付けることは、数分以内にできる作業である。このため、従来装置にあってはツールの現場で構成要素を修理する必要があり、あるいは、チャンバ全体をツールから取り外す必要があったことと比較すると、電極又はその他の処理要素を修理するのに要するダウン時間は著しく短縮される。
処理チャンバ100についての別の利点は、着脱ユニット120の処理要素126を、容易にアクセス可能であるデッキ106の下側位置から、交換できることである。その結果、被固定ユニット110や、頭部104、又は昇降回転ユニット108のいずれをも動かす必要が無いまま、摩耗した処理要素を交換できる。このため、頭部104と昇降回転ユニット108とについて、被固定ユニット110に対する再度の位置決めの必要がないので、処理要素の保守に要するダウン時間はさらに短縮される。さらに、ワークピースを頭部104へ送り届けると共に頭部104からワークピースを回収するワークピース搬送装置に関しても、頭部104とかかるワークピース搬送装置との位置関係に変化はないので、処理チャンバ100に対しても再度の較正を行う必要がない。処理チャンバ100によれば、処理要素の交換に要するダウン時間が著しく短縮されることから、既存のツールと比較して、湿式化学処理ツールの生産性は著しく高まることが期待される。
【0022】
図4Aは、本発明の実施形態による容器102を示した断面図である。この実施形態では、被固定ユニット110はさらに、複数のハンガー180を備えていて、これらは被固定ユニット110の中心線に対して同一の半径位置に、または、その他のパターンにて、配置されている。ハンガー180は、取付組立体を保持するために、肩部182を有している。例えば、取付組立体140は、半径方向外方へ広がろうとするバネのリングであって、その開いた状態においては、ハンガー180に接しつつ、肩部182の上に載置される。被固定ユニット110はさらに、傾斜案内面183と、傾斜案内面183の上方に設けられたベアリング・リング面184と、シール面185とを備えている。案内面183は、環状の面、または、一連の弓形部分であって、半径増大につれて上方に傾斜している。ベアリング・リング184は、半径減少につれて上方に傾斜したベアリング面を有してなる、金属製のリングである。ベアリング・リング184は、他の材料から作っても良いが、それらは代表的に、シャーシ112の材料に比べて硬質の材料である。
【0023】
着脱ユニット120は、下面192と上面194とを有してなるリム190を備える。下面192と上面194とは、半径増大につれて上方に傾斜している。より詳しくは、上面194は、被固定ユニット110に設けた案内面183と合致するような角度にて傾斜している。着脱ユニット120はさらに、シール130を保持すべく構成されたシール面195と、摺動チャネル196a及び196bと、底面197とを備える。
取付組立体140は、着脱ユニット120における下面192に対して係合すべく構成された第1のリム172と、ベアリング・リング184のベアリング面に対して係合すべく構成された第2のリム174とを備える。取付組立体140に、ラッチ(図示せず)や、レバーを備え、リングを半径方向内方へと動かすことで、リングを固定位置にロックするようにしても良い。
【0024】
図4Bは、着脱ユニット120が被固定ユニット110に取り付けられた後における、容器102を示している。この動作については、取付組立体140が半径方向内方へ動くと、第1のリム172は着脱ユニット120における下面192に係合すると共に、第2のリム174はベアリング・リング184におけるベアリング面に係合する。第1のリム172が、下面192に沿って半径方向内方へ運動すると、着脱ユニット120を持ち上げて、被固定ユニット110へ向かわせる。着脱ユニット120が上方へ動くと、上面194は案内面183に係合して、着脱ユニット120を被固定ユニット110に対する所定位置に位置決めする。取付組立体140における第2のリム174は、ベアリング・リング184の傾斜面に沿って半径方向内方へ動いて、シール面185と195との間にあるシール130を締め付ける。取付組立体140に設けられたレバー(図示せず)を開位置から閉位置へと動かせば、取付組立体140にフープ応力が発生し、着脱ユニット120は被固定ユニット110に対してしっかりと保持される。
【実施例2】
【0025】
[B.電気化学堆積容器の一般的な実施形態]
図5には、電極その他の構成要素を迅速に交換することを可能とし、処理チャンバの保守に要するダウン時間を短縮できる、電気化学堆積チャンバ100aについて、模式的な断面図を示している。電気化学堆積チャンバ100aのいくつかの観点は、図2〜図4Bに示して説明した湿式化学チャンバ100と類似している。従って、図2〜図5において、対応する要素には対応する参照符号を付している。例えば、処理チャンバ100aは、湿式化学容器102と頭部104とから構成されている(模式的に図示)。
この実施形態においては、チャンバ100aに設けた処理要素118は、電場整形要素ないし電場整形モジュール(模式的に図示)であって、処理現場109内の電場を整形するものである。電場整形要素は、静電誘電インサートであって、処理現場109内の電流密度を制御する。また、電場整形要素は、動的部材であっても良く、メッキサイクル中に、処理現場109の電場を変化させるなどの制御を行う。この実施形態における処理要素118は、フィルタや、膜、又はこれらのタイプの構造物の任意の組み合わせでも良い。
【0026】
図5に示した実施形態によるチャンバ100aにおいては、着脱ユニット120に設けた処理要素126は、1又は複数の電極(模式的に図示)と、任意的な処理要素150(模式的に図示)とを備える。任意的である処理要素150は、フィルタ及び/又は膜などである。いくつかの実施形態による電極、フィルタ、及び膜については後述する。前進流の装置においては、処理流体の少なくとも一部分は着脱ユニット120に設けた処理要素を通り抜け、その後に、処理流体は処理現場109に到達する。また、第1及び第2の流路系統は、逆流を流すように構成しても良く、その場合には、処理流体は処理現場109を通り抜けた後、処理流体の少なくとも一部分が電極を通過する。
図6には、着脱ユニット120が被固定ユニット110に取り付けられた後における、チャンバ100aの容器102の様子を示している。運転の際には、図4Bに示したチャンバ100について述べた如く、着脱ユニット120は被固定ユニット110に結合される。
【0027】
図5に示した処理チャンバ100aのひとつの利点は、処理チャンバ100を相当の長時間にわたってシャットダウンさせることを必要とせずに、摩耗した電極を迅速に、新品又は再生品の電極に交換できることである。摩耗した電極130が含まれる着脱ユニット120は、迅速に被固定ユニット110から取り外され、次に、新品の電極130が含まれる交換用の着脱ユニット120を据え付けることは、数分以内にできる作業である。このため、従来装置にあってはツールの現場で構成要素を修理する必要があり、あるいは、チャンバ全体をツールから取り外す必要があったことと比較すると、電極又はその他の処理要素を修理するのに要するダウン時間は著しく短縮される。
処理チャンバ100についての別の利点は、着脱ユニット120の内部にある電極及び/又はその他の処理要素150を、容易にアクセス可能であるデッキ106の下側位置から、交換できることである。その結果、被固定ユニット110や、頭部104、又は昇降回転ユニット108のいずれをも動かす必要が無いまま、摩耗した処理要素を交換できる。このため、頭部104と昇降回転ユニット108とについて、被固定ユニット110に対する再度の位置決めの必要がないので、処理要素の保守に要するダウン時間はさらに短縮される。
【実施例3】
【0028】
[C.複数電極の電気化学堆積容器についての実施例]
図7〜図9に示した観点の実施形態による容器は、物質を電気化学的に堆積させるために複数の電極を有している。この実施形態についての多くの観点は、独立動作可能な4つの電極を備えた着脱ユニットの文脈において説明する。各電極は、他の電極とは独立して制御されるので、各電極が発生させる独立した電流密度は、メッキサイクル中に、一定のままにすることも、動的に変化させることもできる。電極を動作させる適当な工程については、米国特許出願第09/849,505号、米国特許出願第09/866,391号、及び米国特許出願第09/866,463号に開示されているので、これらすべての文献をここで参照して引用する。さらに、複数電極容器の別の実施形態にあっては、2以上の任意の組み合わせの電極を備えることができ、本発明は4つの電極に制限されるわけではないことを理解されたい。
【0029】
図7には、容器400の断面図を示していて、この容器は、デッキ(図示せず)にしっかりと取り付けられるべく構成されてなる被固定ユニット402と、被固定ユニット402に着脱可能に取り付けられる着脱ユニット404とを備えている。容器400についてのいくつかの観点は、チャンバ100aと類似しているので、図5〜図9において、対応する要素には対応する参照符号を付している。着脱ユニット404は、前述の如く、取付組立体140とハンガー180とを用いて、被固定ユニット402に着脱可能に取り付けられる。従って、着脱ユニット404は、図5及び図6の実施形態に関連して説明したように、短時間の間に、被固定ユニット402から取り外すことができる。
被固定ユニット402のシャーシ410は流路系統414を有していて、処理流体の流れをシャーシ410に通して導く。流路系統414は、上述した第1の流路系統114についての、ひとつの特別な実施形態である。流路系統414は、シャーシ410に取り付けられる別個の要素であるか、あるいは、流路系統414は、(a)シャーシ410に形成された流路と、(b)シャーシ410に取り付けられる別個の要素との組み合わせであるか、のいずれかである。この実施形態においては、流路系統414は、着脱ユニット404からの処理流体の流れを受け入れる入口415と、複数の溝孔417を備えてなる第1の流れ案内具416と、予備チャンバ418とを備える。第1の流れ案内具416に設けられた溝孔417は、予備チャンバ418へと放射方向に流れを分配する。
【0030】
流路系統414はさらに、予備チャンバ418からの流れを受け入れる、第2の流れ案内具420を備えている。第2の流れ案内具420は、複数の開口部422を有してなる側壁421と、複数の開口部425を有してなる流れ放出部424とを備える。開口部422は、側壁421のまわりに半径方向に配列された水平な溝孔であって、複数の流れの成分を、流れ放出部424へ向けた半径方向内方へと放出するものである。流れ放出部に設けられる開口部425は、複数の細長い溝孔又はその他の開口部であって、上方へ傾斜していると共に、半径方向内方へ傾斜している。流れ放出部424は、開口部422から半径方向の流れ成分を受け入れて、これを開口部425を通り抜けるように向け直す。開口部422及び開口部425は、いくつもの異なった構成によることができることを理解されたい。例えば、開口部425は、上方へ傾けることなく、流れを半径方向内方へ放出しても良いし、また、開口部425は図7に示した角度よりも大きな角度で、上方へ傾けても良い。従って、開口部は、0゜〜45゜の範囲で傾かせるが、いくつかの特定の実施形態においては、開口部の傾斜は約5゜〜25゜である。
【0031】
被固定ユニット402はまた、電場を整形すると共に、処理流体の流れを処理現場へ導くための、電場整形インサート440を備える。電場整形インサート440は、上述した被固定ユニット110に設けられる処理要素118についての、ひとつの特別な実施形態である。この実施形態においては、電場整形インサート440は、第1のリム443aを備えた第1の仕切442aと、第2のリム443bを備えた第2の仕切442bと、第3のリム443cを備えた第3の仕切442cと、を備える。第1のリム443aは、第1の開口部444aを形成している。第1のリム443aと第2のリム443bとは、第2の開口部444bを形成し、第2のリム443bと第3のリム443cとは、第3の開口部444cを形成している。被固定ユニット402はさらに、リム446をもった堰445を備えていて、処理流体はこれを乗り越えるようにして、回収通路447へと流入する。第3のリム443cと堰445とは、第4の開口部444dを形成している。電場整形ユニット440と堰445とは、複数のボルトないしネジ448によって被固定ユニット402に取り付けられていて、被固定ユニット402と、電場整形ユニット440及び堰445との間には、多数のシール449が配置されている。
【0032】
図8は、図7に示した容器400について、異なる位置での断面を示した断面図であって、被固定ユニット402と着脱ユニット404との相互関係を詳しく示している。図7及び図8を一緒に参照すると、着脱ユニット404は、電極組立体と第2の流路系統とを収容してなる、コンテナ510を備えている。電極組立体は、上述した処理要素126についての、ひとつの特別な実施形態であり、第2の流路系統は、上述した第2の流路系統124についての、ひとつの特別な実施形態である。コンテナ510は、上述の如く、シャーシ410に着脱可能に取り付けられる。この実施形態においては、コンテナ510は、複数の分割部ないし壁部512を備え、複数の区画室513が形成されている。図7及び図8に示した特定の実施形態においては、4つの区画室513を備えているけれども、別の実施形態にあっては、コンテナ510は、電極を独立させて収容するために、任意数の区画室を備えることができる。区画室513はまた、処理流体が通り抜ける、第2の流路系統の一部分を形成している。
【0033】
着脱ユニット404における第2の流路系統は、被固定ユニット402の入口415へと流れを供給する入口515と、区画室513からの流れを受け入れる出口516とを備えている。図5に示した特定の実施形態においては、被固定ユニット402における流路系統414はさらに、予備チャンバ418と第1の区画室513との間に設けられる第1の流路520aと、第2の開口部444bと第2の区画室513との間に設けられる第2の流路520bと、第3の開口部444cと第3の区画室513との間に設けられる第3の流路520cと、第4の開口部444dと第4の区画室513との間に設けられる第4の流路520dと、を備える。
【0034】
容器400はまた、被固定ユニット402と着脱ユニット404との間に介在要素530を備える。この実施形態においては、介在要素530は、複数の開口部532を備えていて、流路520a〜dと対応する区画室513との間を流体的に連通させている。シールは絶縁材料から作られていて、区画室513内と、対応する流路520a〜dとの電場を電気的に絶縁する。
容器400はさらに、複数の電極を着脱ユニット404に配置されて備えている。図7及び図8の実施形態においては、容器400は、第1の区画室513の内部に第1の電極551を、第2の区画室513の内部に第2の電極552を、第3の区画室513の内部に第3の電極553を、第4の区画室513の内部に第4の電極554を、備えている。電極551〜554は、環状ないし円形の導体要素であって、互いに同軸的に配置されている。しかしながら、電極は、弓形のセグメント又はその他の形状及び配置にしても良い。この実施形態では、各電極は、電極を電源に接続すべく、着脱ユニット404のコンテナ510を延通してなる電気コネクタ560に結合されている。電極551〜554のそれぞれは、メッキサイクル中にわたって一定の電流を提供したり、または、ワークピースの特定のパラメータに応じて、1又は複数の電極551〜554を流れる電流をメッキサイクル中に変化させたりする。さらに、各電極は、他の電極とは異なる独自の電流を流すこともできる。
【0035】
図8を参照すると、被固定ユニット402と、着脱ユニット404と、電極551〜554とは、互いに協働して、処理現場109において、処理流体の流れに所望のプロフィールを与え、電流にプロフィールを与える。この特定の実施形態においては、処理流体は、入口515及び415から流入して、第1の流れ案内具416を通り抜ける。そして、流体の流れは、予備チャンバ418を介して第2の流れ案内具420を通る上昇流の部分と、流路520aを通って第1の電極551を横切る下降流である他方の部分とに分岐する。第2の流れ案内具420を通る上昇流は、流れ放出部424及び第1の開口部444aを通り抜ける。従って、第1の電極551は、第1の仕切442aのリム443aで形成される第1の開口部444aを介して(図4参照)、処理現場109に電場を有効に与える。開口部444aは、リム443aの形態に応じて、第1の電極551による電場を整形する。流れの一部分は上昇してリム443aを乗り越え、処理現場109を通り抜け、さらに堰445のリム446の上を乗り越えて流れる。処理流体のその他の部分は、それぞれ流路520b〜dを通って下降し、電極552〜554へと流れる。第2の流路520bを通る流れの一部分は、第2の電極552を通り抜け、第1のリム443aと第2のリム443bとで形成される開口部444bが、第2の電極552による電場を整形する。同様に、第3の流路520cを通る流れは第3の電極553を通り抜け、また、第4の流路520dを通る流れは第4の電極554を通り抜ける。従って、開口部444cは第3の電極553による電場を整形し、開口部444dは第4の電極554による電場を整形する。次に、流れは区画室513を通り抜けて、出口516を介して、容器400から排出される。
【0036】
この流れのプロフィールは、逆流式になっていて、電極551〜554は処理現場109の下流側にあり、電極551〜554により処理流体に発生した気泡や粒状物質は、処理現場109から運び去られる。こうした下流側の構成は、消耗電極において特に有効であることが期待されるが、というのは、これらの電極は、ワークピースのメッキ面の欠陥の原因になり得る気泡や粒状物質を発生させるためである。
容器400によれば、既存の電気化学堆積チャンバと比較して、複数の電極の交換に関連したダウン時間が著しく短縮されることが期待される。図8を参照すると、すべての電極551〜554を新品の電極と交換するには、ただ単に、取付組立体140を開いて、被固定ユニット402から着脱ユニット404を取り外し、新品の電極を含む交換用の着脱ユニット404を被固定ユニット402の下方に位置決めし、取付組立体140を閉じるだけで良い。着脱ユニット404は、被固定ユニット402に対して外的に配置されているので、オペレータは、電極551〜554に達するために、従来のチャンバのように被固定ユニット402の上部開口部を介する必要はない。このため、ただ単に電極551〜554に迅速にアクセスできるのみならず、電場整形インサート440を取り外したり、再び据え付けたりする必要がないので、従来のチャンバと比較して時間の節約になる。実際には、摩耗した電極の含まれる着脱ユニットが取り外されたならば、直ちに、交換用の着脱ユニットを据え付ける準備が出来ているから、チャンバがオフラインの間に、電極551〜554を容器から分解することは必要でない。実施形態による容器102又は400を備えた電気化学堆積チャンバは、従来のチャンバと比較して、著しい短時間以内にオンラインに戻すことができる。
【0037】
図9は、別の実施形態による容器400について示した断面図である。この実施形態は、図7及び図8に示した実施形態と類似しているので、これらの図において、対応する要素には対応する参照符号を付している。図9に示した実施形態による容器400は、ガスケット620とライナー630とを有してなる介在要素610を備えている。ガスケット620は、被固定ユニット402と着脱ユニット404との間に配置され、ライナー630は、着脱ユニット404及び/又は被固定ユニット402の内部に配置される。ライナー630は、膜またはフィルタであり、区画室513内の気泡や粒状物質を捕捉して、それらが処理現場109へ移動することを防止する。フィルタの場合には、処理流体は、前進流の装置であるか逆流型の装置であるか、その流れに応じて、被固定ユニット402と着脱ユニット404との間のライナー630を通り抜ける。膜の場合には、ライナー630は、流体の流れに対しては不透過性であるが、電極551〜554から対応する流路520a〜dを通るイオンの通過は許容して、ワークピース表面をメッキするためのイオンを提供する。ライナー630は、複数の個別部分を、区画室513及び/又は流路520〜dの内部に配置されて有していても良い。ガスケット620はライナー630に取り付けられて、介在要素610は単一の部品として据え付けられ又は取り外される。
【0038】
図9に示した実施形態の容器400によれば、気泡や粒状物質が欠陥を作るような用途にとって、特に有効であることが期待される。ライナー630はさらに、気泡や粒状物質が処理現場109に達することを低減させることを理解されたい。また、図9に示した容器400は、被固定ユニットにおいてはひとつの処理流体が使用され、着脱ユニットにおいては別の処理流体が使用されるような用途にあっても有効である。そうした実施形態においては、着脱可能なライナー630は膜であって、区画室513から流路520a〜520dへとイオンが流れることは許容するけれども、処理流体が区画室513と流路520a〜520dの間を流れることは許容しない。
【0039】
図10は、本発明の追加的な実施形態による容器400について、様々な観点を示した底面斜視図である。容器400は、入口515を処理流体の供給源に結合させる第1の取付具701と、出口516を処理流体の保持タンクに結合させる第2の取付具702とを備える。ひとつの特定の実施形態においては、取付具701は雌型の取付具で、入口515は雄型の取付具であり、また、取付具702は雄型の取付具で、出口516は雌型の取付具である。雌型の取付具701を入口515に結合させ、雄型の取付具702を出口516に結合させることによって、処理流体の供給配管は、入口515だけに結合でき、処理流体の排出配管は、出口516だけに結合できる。従って、この構成によれば、着脱ユニット404が適切に据え付けられることが保証される。
また、図10には、取付組立体140がさらに詳しく示されている。この実施形態においては、取付組立体140は、クランプ・リング708とラッチ710とを備え、ラッチは、クランプ・リングを、その直径が第1の直径になるような第1の位置と、第1の直径よりも小さい第2の直径になるような第2の位置との間において動かす。ラッチ710によってクランプ・リングが第1の位置から第2の位置へと動かされると、クランプ・リング708の直径が小さくなって、着脱ユニット404を被固定ユニット402に対して締め付ける。
【0040】
図11は、本発明の別の実施形態による容器を示している。図11に示した容器のいくつかの特徴は、図7〜図10において説明したものと類似している。図11に示した容器800は、被固定ユニット810と、クランプ830によって被固定ユニット810に着脱可能に取り付けられる着脱ユニット820と、被固定ユニット810と着脱ユニット820との間に設けられる介在要素840とを備える。容器800と容器400との主たる相違点は、容器800は非平坦な介在要素840を有し、容器400は平坦な介在要素530を有している点にある。
【実施例4】
【0041】
[D.着脱ユニットを据え付け/取り外すためのキャリッジの実施例]
上述したチャンバはさらに、着脱ユニットを据え付け及び取り外すために、チャンバの下方にキャリッジを備える。以下に説明するいくつかの実施形態によるキャリッジは、図7〜図10に示した着脱ユニットとの関係において述べるが、キャリッジは、本発明のあらゆる着脱ユニットと併用できることを理解されたい。
図12Aは、着脱ユニット404(図7参照)を据え付け及び取り外すためのキャリッジ900を上から見て示した斜視図である。キャリッジ900のブラケット910は、ツールのデッキ106(図2参照)の下面に取り付けられる。キャリッジ900はさらに、案内レール912と端部ストッパ914とを備える。案内レール912は、摺動チャネル196a及び196b(図4A〜B、図5、図6、図8、及び図10)を受け入れ、端部ストッパ914は着脱ユニット404の丸い部分に対して係合する。使用に際しては、オペレータは、着脱ユニット404が端部ストッパ914に係合するまで、着脱ユニット404をレール912に沿って摺動させる。
【0042】
図12Bは、キャリッジ900について、追加的な観点を下から見て示した斜視図である。キャリッジ900が備えているアクチュータ920は、ハンドル922と、シャフト924と、シャフト924により動かされる昇降部926とを有している。アクチュータ920はさらに、昇降部926に結合され、結合部929の中に配置されたロッド928を備える。従って、ハンドルを回転させると、結合部929の内部においてロッド928が回転し、昇降部926が昇降する。着脱ユニットを据え付けるには、アクチュータ920を、図12Bに示した第1の位置として、レール912に沿って着脱ユニットを挿入する。次に、アクチュータ920を上方へ動かして(矢印R)、第2の位置とし、昇降部926によって、着脱ユニット404を被固定ユニット402へと上昇させる。アクチュータ920が回転して上方へ動くと、ハンドル922は、ブラケット910の底部フランジ931における隙間930を通り抜ける。アクチュータ920は、シャフト924に沿ってハンドル922を軸線方向に摺動させることで、第2の位置に保持されて、フランジ931はハンドル922を支える。
【0043】
キャリッジ900によれば、ひとつの着脱ユニットを別のものに交換する工程はさらに容易になる。第1に、キャリッジ900によって、着脱ユニット404が被固定ユニット402に対して概略整列されることが確保される。第2に、キャリッジによって、入口515と出口516とは、供給配管と排出配管とに対して整列される。第3に、キャリッジによれば、着脱ユニット404の据え付け及び取り外しが容易になるが、というのは、取付組立体140を同時に操作しなければならない状況において、オペレータは着脱ユニット404を被固定ユニット402に対して支えておく必要がなくなるためである。従って、キャリッジによれば、ひとつの着脱ユニットを別のものに交換するのに要する時間はさらに短縮されることが期待される。
【実施例5】
【0044】
[E.統合ツールの実施例]
図13は、本発明の実施形態による統合ツール1300の一部を示した平面図である。この実施形態においては、統合ツール1300は、フレーム1310と、フレーム1310に取り付けられ、寸法的に安定している取付モジュール1320と、複数の湿式化学処理チャンバ1370と、複数の昇降回転ユニット1380とを具備している。またツール1300は、搬送装置1390を備えている。取付モジュール1320は、処理チャンバ1370と、昇降回転ユニット1380と、搬送装置1390とを支持している。ツール1300における湿式化学処理チャンバ1370は、図2〜図12Bを参照して上述した、被固定ユニットと着脱ユニットとを備えてなる容器を具備している。
ツール1300におけるフレーム1310は、複数の支柱1311と横木1312とを、公知のやり方で互いに溶接されて有している。取付モジュール1320の少なくとも一部分は、フレーム1310の内部に収容されている。ひとつの実施形態における取付モジュール1320は、フレーム1310の横木1312によって支えられているけれども、別の実施形態においては、取付モジュール1320は、施設の床上に又はその他の構造物に、直接、据え付けても良い。
【0045】
取付モジュール1320は、堅固で安定した構造物になっていて、湿式化学処理チャンバ1370と、昇降回転ユニット1380と、搬送装置1390との間の相対的な位置関係を保つようになっている。取付モジュール1320についてのひとつの観点は、これが、フレーム1310に比べて、はるかに堅固であり、著しく強い構造的完全性を有していることであって、湿式化学処理チャンバ1370と、昇降回転ユニット1380と、搬送装置1390との間の相対的な位置関係は経時的に変化することがない。取付モジュール1320についての別の観点は、寸法的に安定したデッキ1330を備え、デッキ1330上の既知の位置に処理チャンバ1330と昇降回転ユニット1380とを位置決めすべく、正確な位置に、位置決め要素が設けられていることである。ひとつの実施形態(図示せず)においては、搬送装置1390は、デッキ1330上に直接、取り付けられる。別の実施形態においては、取付モジュール1320は、寸法的に安定したプラットホーム1350を備え、搬送装置1390はプラットホーム1350に取り付けられる。デッキ1330とプラットホーム1350とは、互いにしっかりと相対的に位置決めされていて、デッキ1330に設けられた位置決め要素と、プラットホーム1350に設けられた位置決め要素とが、互いに相対的に動くことはない。従って、取付モジュール1320が提供する系においては、湿式化学処理チャンバ1370と昇降回転ユニット1380とを取り外し、交換用の要素に置き換えることができ、交換用の要素は、デッキ1330上における正確な位置に、精密に位置決めされる。
【0046】
ツール1300は、湿式化学処理チャンバ1370や、昇降回転ユニット1380、又は搬送装置1390に対して、頻繁な保守を求めるような、仕様要件が厳しい用途に、特に適している。湿式化学処理チャンバ1370を修理又は保守するには、ただ単に、処理デッキ1330からチャンバを取り外し、チャンバ1370を、デッキ1330上に設けられた位置決め要素と相互作用すべく構成された取付ハードウェアを有するような交換可能なチャンバに置き換えるだけで良い。取付モジュール1320は寸法的に安定しており、また、交換用の処理チャンバ1370に備えられた取付ハードウェアがデッキ1330に対して相互作用するので、デッキ1330上のチャンバ1370を交換しても、搬送装置1390を再較正する必要はない。これにより、処理チャンバ1370の修理又は保守に関連したダウン時間を著しく短縮することが期待され、性能仕様が最も厳しい用途にあっても、ツールは高いスループットの状態を保つことができる。この観点によるツール1300は、チャンバを修理するために、被固定ユニット110(図2参照)を取り外さなければならない場合に特に有用である。
【0047】
搬送装置1390は、取付モジュール1320に取り付けられたロード/アンロード・モジュール1398からワークピースを取り出す。搬送装置1390は、軌道1392とロボット1394と、少なくともひとつのエンドエフェクタ1396とを具備している。軌道1392はプラットホーム1350に取り付けられている。より詳しくは、軌道1392は、プラットホーム1350に設けられた位置決め要素と相互作用して、デッキ1330に取り付けられたチャンバ1370及び昇降回転ユニット1380に対して、軌道1392を精密に位置決めしている。ロボット1394とエンドエフェクタ1396とは、取付モジュール1320によって確立される静止して寸法的に安定した基準系において移動する。ツール1300はさらに、取付モジュール1320と、湿式化学処理チャンバ1370と、昇降回転ユニット1380と、搬送装置1390とをキャビネット内に取り囲むように、フレーム1310に取り付けられてなる複数のパネル1399を具備している。別の実施形態においては、ツール1300の片側又は両側のパネルを、処理デッキ1330の上方領域から除去して、開放型のツールを提供しても良い。
【実施例6】
【0048】
[F.寸法的に安定した取付モジュールの実施例]
図14は、ツール1300において用いられる、本発明の実施形態による取付モジュール1320を示した斜視図である。本実施形態においては、デッキ1330は、堅固な第1のパネル1331と、第1のパネル1331の下方に重ね合わされた、堅固な第2のパネル1332とを備えている。第1のパネル1331は、外側部材であり、第2のパネル1332は、外側部材に並置された内側部材である。第1のパネル1331と第2のパネル1332は、図14に示した実施形態とは異なった構造を備えていても良い。第1のパネル1331及び第2のパネル1332には、複数のチャンバ受け部1333が設けられていて、湿式化学処理チャンバ1370を受け入れる(図13参照)。
デッキ1330はさらに、第1のパネル1331にわたって、複数の位置決め要素1334と複数の取付要素1335とを、精密なパターンに配列されて具備している。位置決め要素1334は、第1のパネル1331の精密な位置に精密な寸法にて機械加工された孔であって、湿式化学処理チャンバ1370(図13参照)と相互作用すべく構成されてなるダボ又はピンを受け入れる。別の実施形態においては、位置決め要素1334は、湿式化学処理チャンバ1370の合致する構造部分に受け入れられるべく、第1のパネル1331から上方に突出してなる円筒形又は円錐形のピンであっても良い。デッキ1330に設けられた第1組の位置決め要素1334は、各チャンバ受け部1333に配置されていて、取付モジュール1320上の正確な位置に、個々の湿式化学処理チャンバを精密に位置決めする。デッキ1330はまた、第2組の位置決め要素1334を各受け部1333の近くに備えていて、取付モジュール1320上の正確な位置に、個々の昇降回転ユニット1380を精密に位置決めする。取付要素1335は、第1のパネル1331に形成されたネジ孔であって、チャンバ1370と昇降回転ユニット1380とをデッキ1330に固定するためのボルトを受け入れる。
【0049】
また、取付モジュール1320は、デッキ1330の長手方向の外側縁部に沿って外側板1360を備え、デッキ1330の長手方向の内側縁部に沿って内側板1361を備え、デッキ1330の端部には端部板1362及び1364を取り付けられている。搬送プラットホーム1350は、内側板1361と端部板1362及び1364とに取り付けられている。搬送プラットホーム1350は、取付モジュール1320に、搬送装置1390の軌道1392(図13)を精密に位置決めするために、位置決め要素1354を備えている。搬送プラットホーム1350はさらに、軌道1392をプラットホーム1350に固定するボルトが受け入れられるような、タッピング孔などの取付要素を具備している。
【0050】
図15は、デッキ1330についての好ましい実施形態による内部構造を示した横断面図であり、図16は、図15に示したデッキの一部分を示した詳細図である。本実施形態においては、デッキ1330は、例えばジョイストなどであるブレーシング1340を備え、かかるブレーシングは、外側板1360と内側板1361との間にて横方向に延在している。第1のパネル1331は、ブレーシング1340の上側に取り付けられ、第2のパネル1332は、ブレーシング1340の下側に取り付けられている。デッキ1330はさらに、複数の貫通ボルト1342及びナット1344を備えていて、これらによって、第1のパネル1331と第2のパネル1332とがブレーシング1340に固定されている。図16に良く示されているように、ブレーシング1340は複数の孔を有していて、これらを通って貫通ボルト1342が延びている。ナット1344は、これらの構成要素の結合を高めるために、ボルト1342に溶接しても良い。
【0051】
デッキ1330におけるパネル及びブレーシングは、ステンレス鋼や、その他の金属合金、一体鋳物材料、又は繊維強化複合材料などから作られる。例えば、パネル及び側板は、ニトロニック50番のステンレス鋼、ハステロイ625番のステンレス合金、又はエポキシをマイカで充填した一体鋳物などから作られる。繊維強化複合材料としては、硬化樹脂内に、炭素繊維や、ケブラー(登録商標)のメッシュ網を含める。パネル1331及び1332に用いる素材は、高度に堅牢であって、湿式化学処理において使用される化学薬品に対する互換性を備えるべきである。ステンレス鋼は、多くの用途に適しているが、というのは、単に強度が高いだけでなく、湿式化学処理において用いられる多くの電解液や洗浄液による影響を受けないためである。ひとつの実施形態においては、パネル及び側板1331,1332,1360,1361,1362,1364は、0.125〜0.375インチ厚みのステンレス鋼であり、より詳しくは、0.250インチ厚みのステンレス鋼である。しかしながら、別の実施形態にあっては、これらのパネル及び側板は、異なる厚みのものでも良い。
【0052】
ブレーシング1340は、ステンレス鋼や、繊維強化複合材料、その他の金属合金、及び/又は一体鋳物材料などから作られる。ひとつの実施形態においては、ブレーシングは0.5〜2.0インチ幅のステンレス鋼のジョイストであり、より詳しくは、幅が1.0インチで高さが2.0インチであるようなステンレス鋼のジョイストである。他の実施形態においては、ブレーシング1340は、ハニカム構造のコア、軽量発泡金属、または、その他のタイプの発泡材や、ポリマー、ガラス繊維、又はその他の材料から作られる。
取付モジュール1320は、デッキ1330の部分を組み立ててから、溶接その他によって、デッキ1330の部分に側板1362及び1364を取り付けることによって構築される。デッキ1330の構成要素は一般に、溶接を用いずに、貫通ボルト1342を用いて、互いにしっかりと固定される。外側板1360と内側板1361とは、溶接及び/又は固定具を用いて、デッキ1330及び側板1362及び1364に取り付けられる。次に、プラットホーム1350を側板1362及び1364と、内側板1361とにしっかりと取り付ける。
【0053】
取付モジュール1320は、重量作業用の寸法的に安定した構造物を提供するものであり、デッキ1330に設けた位置決め要素1334と、プラットホーム1350に設けた位置決め要素1354との間の相対的な位置関係を範囲内に、すなわち、搬送装置1390を再較正する必要が、交換用の処理チャンバ1370や昇降回転ユニット1380をデッキ1330に搭載する毎に生じることが無いような範囲内に維持する。取付モジュール1320は一般に、堅固な構造になっていて、湿式化学処理チャンバ1370や、昇降回転ユニット1380、及び搬送装置1390を取付モジュール1320に取り付けたときに、位置決め要素1334及び1354の間における相対的な位置関係を維持できるだけの充分な強度を有する。いくつかの実施形態においては、取付モジュール1320は、位置決め要素1334及び1354の間の相対的な位置関係を、所定の基準位置に対して0.025インチの範囲内に維持できるように構成される。別の実施形態においては、取付モジュールは、位置決め要素1334及び1354の間の相対的な位置関係を、所定の基準位置に対して約0.005〜0.015インチの範囲内に維持できるように構成される。そうして、デッキ1330は通例、約0.025インチの範囲内の均一な平坦面に保たれ、さらに特定の実施形態では約0.005〜0.015インチの範囲内に保たれる。
【実施例7】
【0054】
[G.湿式化学処理チャンバの実施例]
図17は、湿式化学処理チャンバ1370とデッキ1330との間の介在部分を破断して示した斜視図である。チャンバ1370は、上述した処理容器102又は400と、取付固定具116とを具備している。取付固定具116と容器102/400とは、別々に構成されて、互いに結合されるようになっていても良い。そうした事例においては、取付固定具116は、寸法的に安定した材料、例えば、ステンレス鋼や、繊維強化複合材料、鋼合金、一体鋳物材料、又はその他の適当な堅固な材料から作られる。別の実施形態においては、取付固定具116は容器102/400と一体的になっていて、高密度ポリマー、又はその他の適当な材料から作られる。
【0055】
図17に示した取付固定具116は、デッキ1330に設けた位置決め要素1334に対して整列されるようなパターンに配置されてなる複数の介在部材1374を備えている。位置決め要素1334と介在部材1374とは、互いに嵌合して取付固定具116を精密に位置決めすべく構成されていて、デッキ1330上の所望の作業位置にあるチャンバ1370は、昇降回転ユニット1380及び搬送装置1390と共に作業できる。位置決め要素1334は、デッキ1330に精密に機械加工された組をなす孔と、孔に受け入れられたダボであり、介在部材1374はダボに嵌合すべく取付固定具116に精密に機械加工された孔である。ダボは、円筒形、球形、円錐形、又はその他の適当な形状をもったピンであって、デッキ1330に対する精密な位置に取付固定具116を整列させ位置決めするものであれば良い。取付固定具116はさらに、デッキ1330に設けた取付要素1335に対して整列されるべく配列された、複数の固定具1375を備える。固定具1375は、ボルト又はその他のネジ部材であって、取付要素1335にしっかりと係合して、取付固定具116をデッキ1330に対して固定する。従って、取付固定具116は、処理容器102/400を、デッキ上における固定された精密な位置に保持する。
【0056】
以上のように、本発明の特定の実施形態について、例示目的のために説明したけれども、発明の精神及び範囲から逸脱せずに、様々な改変を行うことが可能である。従って、本発明は、特許請求の範囲以外によっては限定されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、従来技術による湿式化学処理ツールを模式的に示した上面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態による、湿式化学処理チャンバを示した模式図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態による、湿式化学処理チャンバの動作を示した模式図である。
【図4A】図4Aは、本発明の実施形態による湿式化学処理チャンバについて、係脱した状態を模式的に示した断面図である。
【図4B】図4Bは、本発明の実施形態による湿式化学処理チャンバについて、組み立てられた状態を模式的に示した断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態による湿式化学処理チャンバについて、係脱した状態を模式的に示した断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態による湿式化学処理チャンバについて、組み立てられた状態を模式的に示した断面図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態による湿式化学処理チャンバを示した断面図である。
【図8】図8は、図7に示した電気化学堆積チャンバについて、別の断面について示した断面図である。
【図9】図9は、本発明の別の実施形態による電気化学堆積チャンバの容器について示した断面図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態による電気化学堆積チャンバについて、底面側を示した斜視図である。
【図11】図11は、本発明の別の実施形態による電気化学堆積チャンバについて示した断面図である。
【図12A】図12Aは、本発明の実施形態による着脱ユニットを、湿式化学処理チャンバにローディング/アンロードするためのキャリッジを上から見て示した斜視図である。
【図12B】図12Bは、本発明の実施形態による着脱ユニットを、湿式化学処理チャンバにローディング/アンロードするためのキャリッジを下から見て示した斜視図である。
【図13】図13は、本発明の別の観点による湿式化学処理チャンバを含む、湿式化学処理ツールを示した上面図である。
【図14】図14は、本発明の実施形態による湿式化学処理ツールにおいて、湿式化学処理チャンバを保持する、取付モジュールを示した斜視図である。
【図15】図15は、図14の線15−15に沿った断面図であって、本発明の実施形態による湿式化学処理チャンバを支持する取付モジュールを示した断面図である。
【図16】図16は、取付モジュールにおけるデッキの部分を詳細に示した断面図である。
【図17】図17は、本発明の実施形態による湿式化学処理ツールにおいて、取付モジュールによって支持される湿式化学処理チャンバについて、その一部を破断して示した模式的な斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細構造ワークピースを湿式化学処理するためのチャンバであって、このチャンバが、
被固定ユニットであって、被固定ユニットを介して処理流体を導くように構成されてなる第1の流路系統と、ツールにおける支持部材に被固定ユニットをしっかりと取り付けるための取付固定具とを備えてなる上記被固定ユニットと、
着脱ユニットであって、被固定ユニットにおける第1の流路系統へと及び/又は同流路系統から処理流体を導くように構成されてなる第2の流路系統と、サブ・ミクロンの微細構造をもった微細構造ワークピースの表面を処理すべく、処理流体に性質を与えるような処理要素と、を備えてなる上記着脱ユニットと、
着脱ユニットを被固定ユニットに着脱可能に結合させる取付装置であって、取付装置は、着脱ユニットを被固定ユニットに固定するような第1の位置と、着脱ユニットが被固定ユニットから解放されるような第2の位置と、をもってなる上記取付装置と、
を備えていることを特徴とするチャンバ。
【請求項2】
被固定ユニットの上方に配置された頭部をさらに備え、頭部は、ワークピースを処理現場に保持すべく構成されたワークピースホルダを具備していることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ。
【請求項3】
前記チャンバにおいて、
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていて、
チャンバはさらに頭部を備え、該頭部は、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有している、
ことを特徴とする請求項1に記載のチャンバ。
【請求項4】
前記チャンバにおいて、
処理要素は、絶縁体分割器によって互いに隔てられた、独立動作可能である複数の電極組立体を備え、電極組立体は着脱ユニットに配置されていて、
チャンバはさらに頭部を備え、該頭部は、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有している、
ことを特徴とする請求項1に記載のチャンバ。
【請求項5】
処理要素は、着脱ユニットの内部にフィルタを備えていることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ。
【請求項6】
処理要素は、膜の向こう側へ電流を導くように構成されてなる膜を備えていることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ。
【請求項7】
取付組立体は、着脱ユニットを被固定ユニットに対してクランプすべく、第1の位置から第2の位置へと半径方向内方へ動かされるように構成されてなるクランプ・リングを具備していることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ。
【請求項8】
被固定ユニットにおける第1のシール面と、着脱ユニットにおける第2のシール面との間に、さらにシールを備えていることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ。
【請求項9】
前記チャンバにおいて、
被固定ユニットはさらに、半径増大につれて上方に傾斜してなる傾斜案内面と、半径減少につれて上方に傾斜したベアリング面を有してなるベアリング・リングと、第1のシール面とを備え、
着脱ユニットはさらにリムを備え、半径増大につれて上方に傾斜してなる下面と、半径増大につれて上方に傾斜してなる上面と、第2のシール面とを備え、
第1のシール面と第2のシール面との間に設けられるシールと、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ。
【請求項10】
前記チャンバにおいて、
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていて、
チャンバはさらに、(a)頭部であって、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有しているような上記頭部と、(b)被固定ユニットの部分と着脱ユニットとの間に設けられるシールと、を備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のチャンバ。
【請求項11】
前記チャンバにおいて、
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていると共に、電極と処理現場との間にフィルタを備えていて、
チャンバはさらに、(a)頭部であって、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有しているような上記頭部と、(b)被固定ユニットの部分と着脱ユニットとの間に設けられるシールと、を備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のチャンバ。
【請求項12】
前記チャンバにおいて、
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていると共に、電極と処理現場との間に膜を備え、膜は電流を導くように構成されていて、
チャンバはさらに、(a)頭部であって、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有しているような上記頭部と、(b)被固定ユニットの部分と着脱ユニットとの間に設けられるシールと、を備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のチャンバ。
【請求項13】
微細構造ワークピースを湿式化学処理するためのチャンバであって、このチャンバが、
被固定ユニットであって、被固定ユニットを介して処理流体を導くように構成されてなる第1の流路系統と、ツールにおける支持面に被固定ユニットをしっかりと取り付けるための取付固定具とを備えてなる上記被固定ユニットと、
被固定ユニットに着脱可能に結合される着脱ユニットであって、被固定ユニットにおける第1の流路系統へと及び/又は同流路系統から処理流体を導くように構成されてなる第2の流路系統と、を備えてなる上記着脱ユニットと、
被固定ユニットと着脱ユニットとの間から処理流体が漏れることを防ぐべく、被固定ユニットと着脱ユニットとの間に設けられたシールであって、シールが有しているオリフィスを通って、処理流体が第1の流路系統と第2の流路系統との間を流れられるような上記シールと、
被固定ユニット及び/又は着脱ユニットに備えられた処理要素であって、サブ・ミクロンの微細構造をもった微細構造ワークピースの表面を処理すべく、処理流体に性質を与えるような処理要素と、
を備えていることを特徴とするチャンバ。
【請求項14】
被固定ユニットの上方に配置された頭部をさらに備え、頭部は、ワークピースを処理現場に保持すべく構成されたワークピースホルダを具備していることを特徴とする請求項13に記載のチャンバ。
【請求項15】
前記チャンバにおいて、
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていて、
チャンバはさらに頭部を備え、該頭部は、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有している、
ことを特徴とする請求項13に記載のチャンバ。
【請求項16】
前記チャンバにおいて、
処理要素は、絶縁体分割器によって互いに隔てられた、独立動作可能である複数の電極組立体を備え、電極組立体は着脱ユニットに配置されていて、
チャンバはさらに頭部を備え、該頭部は、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有している、
ことを特徴とする請求項13に記載のチャンバ。
【請求項17】
処理要素は、着脱ユニットの内部にフィルタを備えていることを特徴とする請求項13に記載のチャンバ。
【請求項18】
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていると共に、膜は、膜の向こう側へ電流を導くように構成されていることを特徴とする請求項13に記載のチャンバ。
【請求項19】
取付組立体は、着脱ユニットを被固定ユニットに対してクランプすべく、第1の位置から第2の位置へと半径方向内方へ動かされるように構成されてなるクランプ・リングを具備していることを特徴とする請求項13に記載のチャンバ。
【請求項20】
前記チャンバにおいて、
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていると共に、電極と処理現場との間にフィルタを備えていて、
チャンバはさらに頭部を備え、該頭部は、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有している、
ことを特徴とする請求項13に記載のチャンバ。
【請求項21】
前記チャンバにおいて、
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていると共に、電極と処理現場との間に膜を備え、膜は電流を導くように構成されていて、
チャンバはさらに頭部を備え、該頭部は、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有している、
ことを特徴とする請求項13に記載のチャンバ。
【請求項22】
微細構造ワークピースを湿式化学処理するための統合ツールであって、この統合ツールが、
複数の位置決め要素と取付要素とを備えている取付モジュールと、
取付モジュールに支持された湿式化学処理チャンバであって、湿式化学処理チャンバは、被固定ユニットと、着脱ユニットと、取付装置と、処理現場とを備え、ここにおいて、(a)被固定ユニットであって、被固定ユニットを介して処理流体を導くように構成されてなる第1の流路系統と、位置決め要素のひとつに係合すべき第1の介在部材と、取付要素のひとつに係合すべき第1の固定具とを備えてなる上記被固定ユニットを備え、(b)着脱ユニットであって、被固定ユニットにおける第1の流路系統へと及び/又は同流路系統から処理流体を導くように構成されてなる第2の流路系統と、サブ・ミクロンの微細構造をもった微細構造ワークピースの表面を処理すべく、処理流体に性質を与えるような処理要素と、を備えてなる上記着脱ユニットを備え、(c)着脱ユニットを被固定ユニットに着脱可能に結合させる取付装置を備え、(d)処理現場は、微細構造ワークピースを受け入れるように構成され、処理現場は、被固定ユニット又は着脱ユニットのうちのひとつに配置され、処理要素によって与えられた性質をもつ処理流体の一部分にワークピースを接触させるものであり、
ツールの内部にてワークピースを搬送すべく取付モジュールに支持された搬送システムと、
取付モジュールは、位置決め要素間の相対位置を維持すべく構成されていて、処理チャンバを別の処理チャンバに交換するとき、搬送システムを再較正する必要がない、
ことを特徴とする統合ツール。
【請求項23】
取付モジュールはさらに、堅固な第1のパネルと、第1のパネルの下側に重ねられている堅固な第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルとの間に設けられたジョイストと、第1のパネルとジョイストと第2のパネルとを貫通しているボルトとを備えたデッキを具備していることを特徴とする請求項22に記載のツール。
【請求項24】
取付モジュールはさらに、堅固な第1のパネルと、第1のパネルに並置された堅固な第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルとの間に設けられたブレーシングとを備えたデッキを具備していることを特徴とする請求項22に記載のツール。
【請求項25】
被固定ユニットの上方に配置された頭部をさらに備え、頭部は、ワークピースを処理現場に保持すべく構成されたワークピースホルダを具備していることを特徴とする請求項24に記載のツール。
【請求項26】
前記ツールにおいて、
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていて、
チャンバはさらに頭部を備え、該頭部は、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有している、
ことを特徴とする請求項24に記載のツール。
【請求項27】
被固定ユニットにおける第1のシール面と、着脱ユニットにおける第2のシール面との間に、さらにシールを備えていることを特徴とする請求項24に記載のツール。
【請求項28】
前記ツールにおいて、
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていて、
チャンバはさらに、(a)頭部であって、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有しているような上記頭部と、(b)被固定ユニットの部分と着脱ユニットとの間に設けられるシールと、を備えている、
ことを特徴とする請求項24に記載のツール。
【請求項29】
前記ツールにおいて、
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていると共に、電極と処理現場との間にフィルタを備えていて、
チャンバはさらに、(a)頭部であって、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有しているような上記頭部と、(b)被固定ユニットの部分と着脱ユニットとの間に設けられるシールと、を備えている、
ことを特徴とする請求項24に記載のツール。
【請求項30】
前記ツールにおいて、
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていると共に、電極と処理現場との間に膜を備え、膜は電流を導くように構成されていて、
チャンバはさらに、(a)頭部であって、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有しているような上記頭部と、(b)被固定ユニットの部分と着脱ユニットとの間に設けられるシールと、を備えている、
ことを特徴とする請求項24に記載のツール。
【請求項31】
微細構造ワークピースを湿式化学処理するための統合ツールであって、この統合ツールが、
複数の位置決め要素を備えている取付モジュールと、
取付モジュールに支持された湿式化学処理チャンバであって、湿式化学処理チャンバは、被固定ユニットと、被固定ユニットに着脱可能に結合される着脱ユニットと、被固定ユニットと着脱ユニットとの間に設けられるシールと、着脱ユニットに設けられた処理要素とを備え、ここにおいて、被固定ユニットは、位置決め要素のひとつに係合すべき第1の介在部材と、位置決め要素のひとつに係合すべき第1の固定具とを備えてなる上記湿式化学処理チャンバと、
ツールの内部にてワークピースを搬送すべく取付モジュールに支持された搬送システムであって、位置決め要素のひとつに係合すべき第2の介在部材と、取付要素のひとつに係合すべき第2の固定具とを備えてなる上記搬送システムと、
取付モジュールは、位置決め要素間の相対位置を維持すべく構成されていて、処理チャンバを別の処理チャンバに交換するとき、搬送システムを再較正する必要がない、
ことを特徴とする統合ツール。
【請求項32】
取付モジュールはさらに、堅固な第1のパネルと、第1のパネルの下側に重ねられている堅固な第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルとの間に設けられたジョイストと、第1のパネルとジョイストと第2のパネルとを貫通しているボルトとを備えたデッキを具備していることを特徴とする請求項31に記載のツール。
【請求項33】
取付モジュールはさらに、堅固な第1のパネルと、第1のパネルに並置された堅固な第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルとの間に設けられたブレーシングとを備えたデッキを具備していることを特徴とする請求項31に記載のツール。
【請求項34】
被固定ユニットの上方に配置された頭部をさらに備え、頭部は、ワークピースを処理現場に保持すべく構成されたワークピースホルダを具備していることを特徴とする請求項31に記載のツール。
【請求項35】
前記ツールにおいて、
処理要素は、着脱ユニットの内部に電極を備えていて、
チャンバはさらに頭部を備え、該頭部は、ワークピースを処理現場に保持して、ワークピースの導体層に係合すべき電気接点を備えてなるワークピースホルダを有している、
ことを特徴とする請求項31に記載のツール。
【請求項36】
サブ・ミクロンの構造をもった微細構造ワークピース上に物質を堆積させるための電気化学堆積チャンバであって、このチャンバが、
微細構造ワークピースを処理現場に配置すべく構成されたワークピースホルダを有してなる頭部組立体と、
処理流体を処理現場へ提供するための第1の流路系統を有してなる被固定ユニットと、
被固定ユニットにおける第1の流路系統に連通している、第2の流路系統を有してなる着脱ユニットと、
被固定ユニットと着脱ユニットとの間から処理流体が漏れることを防ぐシールと、
着脱ユニットを被固定ユニットに着脱可能に結合させる取付組立体と、
着脱ユニットに設けられた少なくとも第1の電極と、第1の電極に接続された第1の電気コネクタと、
を備えていることを特徴とするチャンバ。
【請求項37】
着脱ユニットに第2の電極をさらに備え、第1の電極と第2の電極との間に絶縁体分割器を備えていることを特徴とする請求項36に記載のチャンバ。
【請求項38】
第1の流路系統及び/又は第2の流路系統に、フィルタをさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載のチャンバ。
【請求項39】
第1の流路系統及び/又は第2の流路系統にさらに膜を備え、膜は電流を流すように構成されていることを特徴とする請求項36に記載のチャンバ。
【請求項40】
取付組立体は、着脱ユニットを被固定ユニットに対してクランプすべく、第1の位置から第2の位置へと半径方向内方へ動かされるように構成されてなるクランプ・リングを具備していることを特徴とする請求項36に記載のチャンバ。
【請求項41】
前記チャンバにおいて、
被固定ユニットはさらに、半径増大につれて上方に傾斜してなる傾斜案内面と、半径減少につれて上方に傾斜したベアリング面を有してなるベアリング・リングと、シールの片方に接触する第1のシール面とを備え、
着脱ユニットはさらにリムを備え、半径増大につれて上方に傾斜してなる下面と、半径増大につれて上方に傾斜してなる上面と、シールの他方に接触する第2のシール面とを備えている、
ことを特徴とする請求項36に記載のチャンバ。
【請求項42】
被固定ユニットはさらに、電極で誘導された電場を処理流体の中で整形する電場整形モジュールを備えていることを特徴とする請求項36に記載のチャンバ。
【請求項43】
前記チャンバがさらに、
着脱ユニットの第1の電極に対して同軸的に配置されてなる第2の電極と、
被固定ユニットに設けられた電場整形モジュールであって、電場整形モジュールは、絶縁材料から作られていて、第1の開口部が処理現場における第1の部分に対面し、この開口部を通って第1の電極によって影響されたイオンが通過し、第2の開口部が処理現場における第2の部分に対面し、この開口部を通って第2の電極によって影響されたイオンが通過するような、上記電場整形モジュールと、
を備えていることを特徴とする請求項36に記載のチャンバ。
【請求項44】
第2の電極に接続された第2の電気コネクタをさらに備え、第1の電極と第2の電極とは、互いに独立動作可能になっていることを特徴とする請求項43に記載のチャンバ。
【請求項45】
前記チャンバがさらに、
着脱ユニットの第1の電極に対して同軸的に配置されてなる第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた絶縁体分割器と、
被固定ユニットに設けられた電場整形モジュールであって、電場整形モジュールは、絶縁材料から作られていて、第1及び第2の電極によって生成された電場を処理流体の中で整形すべく構成されているような、上記電場整形モジュールと、
被固定ユニット及び/又は着脱ユニットに設けられたフィルタと、
を備えていることを特徴とする請求項36に記載のチャンバ。
【請求項46】
前記チャンバがさらに、
着脱ユニットの第1の電極に対して同軸的に配置されてなる第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた絶縁体分割器と、
被固定ユニットに設けられた電場整形モジュールであって、電場整形モジュールは、絶縁材料から作られていて、第1及び第2の電極によって生成された電場を処理流体の中で整形すべく構成されているような、上記電場整形モジュールと、
被固定ユニット及び/又は着脱ユニットに設けられ、電流を流すような膜と、
を備えていることを特徴とする請求項36に記載のチャンバ。
【請求項47】
着脱ユニットは、被固定ユニットの外部下方に配置されていることを特徴とする請求項36に記載のチャンバ。
【請求項48】
着脱ユニットはさらに、処理流体を流せるような、外部アクセス可能である流体取付具を備えていることを特徴とする請求項36に記載のチャンバ。
【請求項49】
サブ・ミクロンの構造をもった微細構造ワークピース上に物質を堆積させるための電気化学堆積チャンバであって、このチャンバが、
微細構造ワークピースを処理現場に配置すべく構成されたワークピースホルダと、ワークピースの層に電流を流すように構成された電気接点とを有してなる頭部組立体と、
容器であって、被固定ユニットをツールのデッキに取り付けるための取付固定具を備えている被固定ユニットと、ツールのデッキ下方に配置されるべき取付固定具の下方において、被固定ユニットに着脱可能に結合可能であって、外部アクセスが可能であるような着脱ユニットと、被固定ユニットと着脱ユニットとの間に設けられる介在要素であって、被固定ユニットと着脱ユニットとの間における処理流体を制御するような上記介在要素と、着脱ユニットを着脱可能に被固定ユニットに結合させる取付組立体と、
着脱ユニットに設けられた電極と、
を備えていることを特徴とするチャンバ。
【請求項50】
着脱ユニットに第2の電極をさらに備え、第1の電極と第2の電極との間に絶縁体分割器を備えていることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項51】
容器は、フィルタをさらに備えていることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項52】
容器は、電流を流すべく構成されてなる膜を備えていることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項53】
取付組立体は、着脱ユニットを被固定ユニットに対してクランプすべく、第1の位置から第2の位置へと半径方向内方へ動かされるように構成されてなるクランプ・リングを具備していることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項54】
前記チャンバにおいて、
介在要素は、被固定ユニットと着脱ユニットとの間に配置されたガスケットから構成されていて、
処理流体を流せるような、外部アクセス可能である流体取付具を備えている、
ことを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項55】
前記チャンバにおいて、
処理現場にあるワークピースに対して少なくとも実質的に垂直に、処理流体の流れを導くように構成された、容器に設けられた流路系統と、
容器に設けられ、電極で誘導された電場を処理流体の中で整形するための電場整形モジュールと、
を備えていることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項56】
前記チャンバにおいて、
着脱ユニットの第1の電極に対して同軸的に配置されてなる第2の電極と、
被固定ユニットに設けられた電場整形モジュールであって、電場整形モジュールは、絶縁材料から作られていて、電場整形モジュールは、第1の開口部がワークピース処理現場における第1の部分に対面し、この開口部を通って第1の電極によって影響されたイオンが通過し、第2の開口部がワークピース処理現場における第2の部分に対面し、この開口部を通って第2の電極によって影響されたイオンが通過するような、上記電場整形モジュールと、
を備えていることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項57】
前記チャンバがさらに、
着脱ユニットの第1の電極に対して同軸的に配置されてなる第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた絶縁体分割器と、
容器に設けられた電場整形モジュールであって、電場整形モジュールは、第1及び第2の電極によって生成された電場を処理流体の中で整形すべく構成されているような、上記電場整形モジュールと、
容器内の流路系統であって、処理現場にあるワークピースに対して少なくとも実質的に垂直に、処理流体の流れを導くような壁を備えている上記流路系統と、
処理流体に連通し、容器の中に配置されたフィルタと、
を備えていることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項58】
前記チャンバにおいて、
着脱ユニットの第1の電極に対して同軸的に配置されてなる第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた絶縁体分割器と、
容器に設けられた電場整形モジュールであって、電場整形モジュールは、第1及び第2の電極によって容器の内部に生成された電場を処理流体の中で整形すべく構成されているような、上記電場整形モジュールと、
容器内の流路系統であって、処理現場にあるワークピースに対して少なくとも実質的に垂直に、処理流体の流れを導くような壁を備えている上記流路系統と、
処理流体に電流を流すべく容器に設けられた膜と、
を備えていることを特徴とする請求項49に記載のチャンバ。
【請求項59】
微細構造ワークピースを湿式化学処理するための統合ツールであって、この統合ツールが、
複数の位置決め要素と取付要素とを備えている取付モジュールと、
電気化学堆積チャンバであって、微細構造ワークピースを処理現場に配置すべく構成されたワークピースホルダを有してなる頭部組立体と、被固定ユニットであって、処理現場に処理流体を提供し、ツールにおける支持面に被固定ユニットをしっかりと取り付けるための取付固定具とを備えてなる上記被固定ユニットと、被固定ユニットにおける第1の流路系統に連通している、第2の流路系統を有してなる着脱ユニットと、被固定ユニットと着脱ユニットとの間から処理流体が漏れることを防ぐシールと、着脱ユニットを被固定ユニットに着脱可能に結合させる取付組立体と、着脱ユニットに設けられた少なくとも第1の電極と、を備えてなる電気化学堆積チャンバと、
ツールの内部にてワークピースを搬送すべく取付モジュールに支持された搬送システムであって、位置決め要素のひとつに係合すべき第2の介在部材と、取付要素のひとつに係合すべき第2の固定具とを備えてなる上記搬送システムと、
取付モジュールは、位置決め要素間の相対位置を維持すべく構成されていて、処理チャンバを別の処理チャンバに交換するとき、搬送システムを再較正する必要がない、
ことを特徴とする統合ツール。
【請求項60】
取付モジュールはさらに、堅固な第1のパネルと、第1のパネルの下側に重ねられている堅固な第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルとの間に設けられたジョイストと、第1のパネルとジョイストと第2のパネルとを貫通しているボルトとを備えたデッキを具備していることを特徴とする請求項59に記載のツール。
【請求項61】
取付モジュールはさらに、堅固な第1のパネルと、第1のパネルに並置された堅固な第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルとの間に設けられたブレーシングとを備えたデッキを具備していることを特徴とする請求項59に記載のツール。
【請求項62】
着脱ユニットに第2の電極をさらに備え、第1の電極と第2の電極との間に絶縁体分割器を備えていることを特徴とする請求項62に記載のツール。
【請求項63】
第1の流路系統及び/又は第2の流路系統に、フィルタをさらに備えていることを特徴とする請求項59に記載のツール。
【請求項64】
第1の流路系統及び/又は第2の流路系統にさらに膜を備え、膜は電流を流すように構成されていることを特徴とする請求項59に記載のツール。
【請求項65】
取付組立体は、着脱ユニットを被固定ユニットに対してクランプすべく、第1の位置から第2の位置へと半径方向内方へ動かされるように構成されてなるクランプ・リングを具備していることを特徴とする請求項59に記載のツール。
【請求項66】
前記ツールにおいて、
被固定ユニットはさらに、半径増大につれて上方に傾斜してなる傾斜案内面と、半径減少につれて上方に傾斜したベアリング面を有してなるベアリング・リングと、シールの片方に接触する第1のシール面とを備え、
着脱ユニットはさらにリムを備え、半径増大につれて上方に傾斜してなる下面と、半径増大につれて上方に傾斜してなる上面と、シールの他方に接触する第2のシール面とを備えている、
ことを特徴とする請求項59に記載のツール。
【請求項67】
被固定ユニットはさらに、電極で誘導された電場を処理流体の中で整形する電場整形モジュールを備えていることを特徴とする請求項59に記載のツール。
【請求項68】
前記ツールがさらに、
着脱ユニットの第1の電極に対して同軸的に配置されてなる第2の電極と、
被固定ユニットに設けられた電場整形モジュールであって、電場整形モジュールは、絶縁材料から作られていて、第1の開口部が処理現場における第1の部分に対面し、この開口部を通って第1の電極によって影響されたイオンが通過し、第2の開口部が処理現場における第2の部分に対面し、この開口部を通って第2の電極によって影響されたイオンが通過するような、上記電場整形モジュールと、
ことを特徴とする請求項59に記載のツール。
【請求項69】
第2の電極に接続された第2の電気コネクタをさらに備え、第1の電極と第2の電極とは、互いに独立動作可能になっていることを特徴とする請求項68に記載のツール。
【請求項70】
前記ツールがさらに、
着脱ユニットの第1の電極に対して同軸的に配置されてなる第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた絶縁体分割器と、
被固定ユニットに設けられた電場整形モジュールであって、電場整形モジュールは、絶縁材料から作られていて、第1及び第2の電極によって生成された電場を処理流体の中で整形すべく構成されているような、上記電場整形モジュールと、
被固定ユニット及び/又は着脱ユニットに設けられたフィルタと、
を備えていることを特徴とする請求項49に記載のツール。
【請求項71】
前記ツールがさらに、
着脱ユニットの第1の電極に対して同軸的に配置されてなる第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた絶縁体分割器と、
被固定ユニットに設けられた電場整形モジュールであって、電場整形モジュールは、絶縁材料から作られていて、第1及び第2の電極によって生成された電場を処理流体の中で整形すべく構成されているような、上記電場整形モジュールと、
被固定ユニット及び/又は着脱ユニットに設けられ、電流を流すような膜と、
を備えていることを特徴とする請求項49に記載のツール。
【請求項72】
微細構造ワークピースを湿式化学処理するための統合ツールであって、この統合ツールが、
複数の位置決め要素と取付要素とを備えている取付モジュールと、
頭部組立体と容器とを備えてなる電気化学堆積チャンバであって、微細構造ワークピースを処理現場に配置すべく構成されたワークピースホルダと、ワークピースの層に電流を流すように構成された電気接点とを有してなる頭部組立体と、容器であって、被固定ユニットをツールのデッキに取り付けるための取付固定具を備えている被固定ユニットと、ツールのデッキ下方に配置されるべき取付固定具の下方において、被固定ユニットに着脱可能に結合可能であって、外部アクセスが可能であるような着脱ユニットと、被固定ユニットと着脱ユニットとの間に設けられる介在要素であって、被固定ユニットと着脱ユニットとの間における処理流体を制御するような上記介在要素と、着脱ユニットに設けられた電極と、着脱ユニットを着脱可能に被固定ユニットに結合させる取付組立体と、を備えてなる上記電気化学堆積チャンバと、
ツールの内部にてワークピースを搬送すべく取付モジュールに支持された搬送システムであって、位置決め要素のひとつに係合すべき第2の介在部材と、取付要素のひとつに係合すべき第2の固定具とを備えてなる上記搬送システムと、
取付モジュールは、位置決め要素間の相対位置を維持すべく構成されていて、処理チャンバを別の処理チャンバに交換するとき、搬送システムを再較正する必要がない、
ことを特徴とする統合ツール。
【請求項73】
取付モジュールはさらに、堅固な第1のパネルと、第1のパネルの下側に重ねられている堅固な第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルとの間に設けられたジョイストと、第1のパネルとジョイストと第2のパネルとを貫通しているボルトとを備えたデッキを具備していることを特徴とする請求項72に記載のツール。
【請求項74】
取付モジュールはさらに、堅固な第1のパネルと、第1のパネルに並置された堅固な第2のパネルと、第1のパネルと第2のパネルとの間に設けられたブレーシングとを備えたデッキを具備していることを特徴とする請求項72に記載のツール。
【請求項75】
着脱ユニットに第2の電極をさらに備え、第1の電極と第2の電極との間に絶縁体分割器を備えていることを特徴とする請求項72に記載のツール。
【請求項76】
容器は、フィルタをさらに備えていることを特徴とする請求項72に記載のツール。
【請求項77】
容器は、電流を流すべく構成されてなる膜を備えていることを特徴とする請求項72に記載のツール。
【請求項78】
取付組立体は、着脱ユニットを被固定ユニットに対してクランプすべく、第1の位置から第2の位置へと半径方向内方へ動かされるように構成されてなるクランプ・リングを具備していることを特徴とする請求項72に記載のツール。
【請求項79】
前記ツールにおいて、
介在要素は、被固定ユニットと着脱ユニットとの間に配置されたガスケットから構成されていて、
被固定ユニットはさらに、半径増大につれて上方に傾斜してなる傾斜案内面と、半径減少につれて上方に傾斜したベアリング面を有してなるベアリング・リングと、ガスケットの片方に接触する第1のシール面とを備え、
着脱ユニットはさらにリムを備え、半径増大につれて上方に傾斜してなる下面と、半径増大につれて上方に傾斜してなる上面と、ガスケットの他方に接触する第2のシール面とを備えている、
ことを特徴とする請求項72に記載のツール。
【請求項80】
前記ツールがさらに、
処理現場にあるワークピースに対して少なくとも実質的に垂直に、処理流体の流れを導くように構成された、容器に設けられた流路系統と、
容器に設けられ、電極で誘導された電場を処理流体の中で整形するための電場整形モジュールと、
を備えていることを特徴とする請求項72に記載のツール。
【請求項81】
前記ツールがさらに、
着脱ユニットの第1の電極に対して同軸的に配置されてなる第2の電極と、
被固定ユニットに設けられた電場整形モジュールであって、電場整形モジュールは、絶縁材料から作られていて、電場整形モジュールは、第1の開口部がワークピース処理現場における第1の部分に対面し、この開口部を通って第1の電極によって影響されたイオンが通過し、第2の開口部がワークピース処理現場における第2の部分に対面し、この開口部を通って第2の電極によって影響されたイオンが通過するような、上記電場整形モジュールと、
を備えていることを特徴とする請求項72に記載のツール。
【請求項82】
前記ツールがさらに、
着脱ユニットの第1の電極に対して同軸的に配置されてなる第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた絶縁体分割器と、
容器に設けられた電場整形モジュールであって、電場整形モジュールは、第1及び第2の電極によって生成された電場を処理流体の中で整形すべく構成されているような、上記電場整形モジュールと、
容器内の流路系統であって、処理現場にあるワークピースに対して少なくとも実質的に垂直に、処理流体の流れを導くような壁を備えている上記流路系統と、
処理流体に連通し、容器の中に配置されたフィルタと、
を備えていることを特徴とする請求項72に記載のツール。
【請求項83】
前記ツールがさらに、
着脱ユニットの第1の電極に対して同軸的に配置されてなる第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に設けられた絶縁体分割器と、
容器に設けられた電場整形モジュールであって、電場整形モジュールは、第1及び第2の電極によって容器の内部に生成された電場を処理流体の中で整形すべく構成されているような、上記電場整形モジュールと、
容器内の流路系統であって、処理現場にあるワークピースに対して少なくとも実質的に垂直に、処理流体の流れを導くような壁を備えている上記流路系統と、
処理流体に電流を流すべく容器に設けられた膜と、
を備えていることを特徴とする請求項72に記載のツール。
【請求項84】
電気化学堆積チャンバの内部においてワークピース上に物質を電気化学的に堆積する方法であって、この方法において使用される装置が、ワークピースホルダと処理位置を有する被固定ユニットをもった容器とを備えてなる頭部組立体と、被固定ユニットに着脱可能に取り付けられる第1の着脱ユニットと、第1の着脱ユニットに設けられた第1の電極とを備えていて、この方法が、
サブ・ミクロンの微細構造をもった第1のワークピース上に層を堆積させるべく、第1のワークピースを被固定ユニットにおける処理位置に位置決めし、容器内において処理流体に接触させ、第1のワークピースと第1の電極との間に電場を生成させる段階と、
第1の電極を交換すべく、第1の着脱ユニットを被固定ユニットから解放し、被固定ユニットの下側から着脱ユニットを取り外し、被固定ユニットの下方に第2の電極を配置しつつ第2の着脱ユニットを位置決めし、第2の着脱ユニットを被固定ユニットに着脱可能に取り付ける段階と、
サブ・ミクロンの微細構造をもった第2のワークピース上に層を堆積させるべく、第2のワークピースを被固定ユニットにおける処理位置に位置決めし、容器内において処理流体に接触させ、第2のワークピースと第2の電極との間に電場を生成させる段階と、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項85】
サブ・ミクロンの微細構造をもったワークピース上に物質を堆積させるために用いられる電気化学チャンバの使用方法であって、この方法が、
ワークピースホルダと処理位置を有する被固定ユニットをもった容器とを備えてなる頭部組立体と、被固定ユニットに着脱可能に取り付けられる第1の着脱ユニットと、第1の着脱ユニットに設けられた第1の電極とを備えてているような、電気化学堆積チャンバを提供する段階と、
被固定ユニットに対して外部の場所において、被固定ユニットから着脱ユニットを係脱させて、被固定ユニットから第1の着脱ユニットを取り外す段階と、
第2の電極を有してなる第2の着脱ユニットを、被固定ユニットの部分に着脱可能に取り付ける段階と、
を備えていることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2007−526394(P2007−526394A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515178(P2006−515178)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/017657
【国際公開番号】WO2005/001896
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(503437107)セミトゥール インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】