情報中継装置及びプログラム
【課題】情報記憶装置にある情報を、その情報記憶装置に対してアクセスできない配信先に配信することを配信元が希望する場合において、配信先が要求したときに情報記憶装置にあるその情報を配信できるようにする。
【解決手段】配信元ユーザαはコンテンツサーバ230内のコンテンツXを、コンテンツサーバ230にアクセスできない配信先ユーザβに配信しようとする場合、中継サーバ100にその旨を指示する。中継サーバ100は、コンテンツサーバ230にアクセスできるアカウント115を有しており、そのコンテンツXへのリンクに対応づけたアクセスIDをユーザβに送信する。ユーザβが中継サーバ100にログインし、そのアクセスIDを提示した場合、中継サーバ100はアカウント115を用いてコンテンツサーバ230にアクセスし、コンテンツXを取得してユーザβに転送する。
【解決手段】配信元ユーザαはコンテンツサーバ230内のコンテンツXを、コンテンツサーバ230にアクセスできない配信先ユーザβに配信しようとする場合、中継サーバ100にその旨を指示する。中継サーバ100は、コンテンツサーバ230にアクセスできるアカウント115を有しており、そのコンテンツXへのリンクに対応づけたアクセスIDをユーザβに送信する。ユーザβが中継サーバ100にログインし、そのアクセスIDを提示した場合、中継サーバ100はアカウント115を用いてコンテンツサーバ230にアクセスし、コンテンツXを取得してユーザβに転送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報中継装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介したユーザ間での情報の共有又は配信において、情報を取得しようとするユーザを認証することで、共有先又は配信先のユーザを限定する場合がある。このような場合、登録ユーザそれぞれの認証情報を管理する認証装置が配信対象の情報を保持するサーバの中又はネットワーク内などに設けられ、情報を取得しようとするユーザは、その認証装置に対して自身の認証情報を提示して認証を受けることで、サーバから情報を取得する。
【0003】
異なるネットワーク間で情報の共有や配信を行う場合、それらネットワークがそれぞれ個別のユーザ管理を行っている場合が少なくない。例えば、一つの企業のイントラネット内の異なる部門A(配信元)及び部門B(配信先)がそれぞれ別々のネットワークNA及びNBを用いており、それらネットワークNA及びNBがそれぞれ別々にユーザ管理を行っている場合である。この場合において、部門A内のユーザαが、ネットワークNA内のサーバSにある情報Xを、ネットワークNB内のコンピュータを操作する部門Bのユーザβに配信しようとしても、ユーザβはネットワークNAでは管理されていないのでネットワークNA内のサーバSにはアクセスできない。電子メールを用いてユーザαからユーザβに情報Xを送信することも考えられるが、例えばユーザβに対し常に情報Xの最新版を配信しようとする場合には更新の都度電子メールを送信する必要があり煩雑である。
【0004】
特許文献1には、多数のブログ(Web log)サーバをテーマごとに分類し、それらブログの中から、事前に各ユーザから登録された関心テーマに該当するものを表示するブログポータル画面のウェブページを生成し、ログインしてきたユーザにそのポータル画面を提供する情報閲覧装置が開示されている。この装置は、ユーザが閲覧したいブログをポータル画面上で選択すると、そのブログページをブログサーバから取得してユーザに転送する。
【0005】
特許文献2に示される情報仲介システムは、利用者が希望する情報を利用者が希望する組み合わせや形態で提供するための利用者希望情報をあらかじめ設定する希望設定手段と、希望設定手段の設定に基づいて複数の情報提供元から利用者が希望する情報を取得して当該取得した情報を利用者の希望する組み合わせや形態で利用者システムに提供する情報提供手段とを備え、提供した情報につき情報提供元において対応する情報に更新が発生した場合に、情報提供手段は当該更新後情報を取得して、最新の情報を利用者システムに提供するようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−122504号公報
【特許文献2】特開2003−016306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、情報記憶装置にある情報を、その情報記憶装置に対してアクセスできない配信先に配信することを配信元が希望する場合において、配信先が要求したときに情報記憶装置にあるその情報を配信できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、情報中継装置であって、情報記憶装置に対する当該情報中継装置のアカウント情報を記憶する第1の記憶手段と、情報記憶装置が記憶する配信対象情報を配信先のユーザに配信する配信指示を配信元のユーザから受けた場合に、前記配信対象情報に対応づけられたアクセス識別情報に対応づけて、前記配信先のユーザのユーザ識別情報を第2の記憶手段に記憶すると共に、前記アクセス識別情報を前記配信先のユーザに送信するアクセス識別情報送信手段と、前記配信先のユーザから、当該ユーザのユーザ識別情報及びアクセス識別情報に対応づけられた情報配信要求を受信した場合に、当該アクセス識別情報が当該ユーザ識別情報に対応づけて前記第2の記憶手段に記憶されていれば、前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置から当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報を取得し、取得した前記配信対象情報を前記配信先のユーザに送信する配信対象情報送信手段と、を備える情報中継装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、配信対象情報について前記配信先のユーザに付与するアクセス権の種類の指定を受け付けて第3の記憶手段に記憶するアクセス権指定受付手段と、前記配信先のユーザから前記配信対象情報に対する操作指示を受信した場合に、その操作指示が前記第3の記憶手段に記憶された、前記配信対象情報について前記配信先のユーザに付与されたアクセス権の種類に適合する場合にのみ、その操作指示に応じて前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置にアクセスし、前記情報記憶装置に記憶された当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報に対し、その操作指示に応じた操作を行う操作手段と、を更に備える。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記配信対象情報送信手段は、前記情報記憶装置から取得した配信対象情報に第1のトラックバックURLが含まれる場合、前記配信対象情報中の前記第1のトラックバックURLを、当該情報中継装置のホスト名と前記第1のトラックバックURLに対応づけられた識別情報とを含む第2のトラックバックURLに書き換え、この書き換えの後の配信対象情報を前記配信先のユーザに送信し、前記操作手段は、前記配信先のユーザから前記操作指示として前記第2のトラックバックURLに対するトラックバック指示を受け取った場合において、前記配信先のユーザにトラックバックを許可するアクセス権が与えられている場合には、前記第2のトラックバックURLに対応づけられた前記第1のトラックバックURLに対して前記トラックバック指示に応じたトラックバックを行う、ことを特徴する。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に係る発明において、前記アクセス識別情報送信手段は、更に、前記配信元のユーザからの前記配信指示として、当該配信指示の時点での前記配信対象情報を前記配信先のユーザに配信する旨の指示を受けた場合に、前記前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置から当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報を取得し、取得した配信対象情報を前記アクセス識別情報に対応づけて第4の記憶手段に記憶し、前記配信対象情報送信手段は、更に、前記配信先のユーザから、当該ユーザのユーザ識別情報及びアクセス識別情報に対応づけられた情報配信要求を受信した場合に、当該アクセス識別情報が当該ユーザ識別情報に対応づけて前記第2の記憶手段に記憶されており、かつ、前記アクセス識別情報に対応する配信対象情報が前記第4の記憶手段に記憶されていれば、前記第4の記憶手段に記憶された前記配信対象情報を前記配信先のユーザに送信する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に係る発明において、過去に受けた各配信指示に係る配信元のユーザと配信先のユーザと配信対象情報との関係を記録する記録手段と、今回の配信指示に係る配信元のユーザと配信先のユーザとについて、当該配信元のユーザが当該配信先のユーザに対して過去に配信した配信対象情報を前記記録手段から求め、求めたそれら配信対象情報のうち今回の配信指示に係る配信対象情報に関係する配信対象情報と、これら配信対象情報同士の関係と、の指定を前記配信元のユーザから受け付ける受付手段と、を備え、前記アクセス識別情報送信手段は、前記受付手段が受けた指定の内容を示す情報を前記アクセス識別情報に対応づけて前記配信先のユーザに送信する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、コンピュータを情報中継装置として機能させるためのプログラムであって、当該コンピュータを、情報記憶装置に対する当該情報中継装置のアカウント情報を記憶する第1の記憶手段、情報記憶装置が記憶する配信対象情報を配信先のユーザに配信する配信指示を配信元のユーザから受けた場合に、前記配信対象情報に対応づけられたアクセス識別情報に対応づけて、前記配信先のユーザのユーザ識別情報を第2の記憶手段に記憶すると共に、前記アクセス識別情報を前記配信先のユーザに送信するアクセス識別情報送信手段、前記配信先のユーザから、当該ユーザのユーザ識別情報及びアクセス識別情報に対応づけられた情報配信要求を受信した場合に、当該アクセス識別情報が当該ユーザ識別情報に対応づけて前記第2の記憶手段に記憶されていれば、前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置から当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報を取得し、取得した前記配信対象情報を前記配信先のユーザに送信する配信対象情報送信手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1又は6に係る発明によれば、情報記憶装置にある配信対象情報を、その情報記憶装置に対してアクセスできない配信先のユーザに配信することを配信元のユーザが希望する場合において、配信先のユーザが要求したときに情報記憶装置にあるその配信対象情報を配信できるようにすることができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、配信先のユーザが配信された配信対象情報に対して行った操作を、配信元のユーザがその配信先に付与したアクセス権の種類に適合する範囲内で情報記憶装置内のその配信対象情報に反映させることができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、情報記憶装置内にある配信対象情報へのトラックバックを、情報中継装置を介して実現することができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、配信指示の時点での配信対象情報と、配信先のユーザが要求した時点での配信対象情報とのどちらを配信先のユーザに送信するかを、配信元のユーザの指示に応じて切り換えることができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、今回配信する配信対象情報が過去に配信した配信対象情報のどれとどのような関係にあるのかを配信元のユーザが指定し、配信先のユーザに報せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態のシステムにおける情報(コンテンツ)配信の概略的な仕組みを説明するための図である。
【図2】中継サーバの内部構成の一例を示す図である。
【図3】ユーザDB(データベース)のデータ内容の一例を示す図である。
【図4】リンクDBのデータ内容の一例を示す図である。
【図5】リンクDBのデータ内容の別の一例を示す図である。
【図6】アクセス権DBのデータ内容の一例を示す図である。
【図7】配信指示受付部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】配信処理部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】第1の変形例の中継サーバの内部構成を示す図である。
【図10】第1の変形例の中継サーバが持つコンテンツDBのデータ内容の一例を示す図である。
【図11】第2の変形例におけるアクセス権DBのデータ内容の一例を示す図である。
【図12】第2の変形例における配信処理部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】第3の変形例におけるコンテンツ関係DBのデータ内容の一例を示す図である。
【図14】第3の変形例におけるコンテンツ間の関係の入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照して、この実施形態における情報(コンテンツ)配信の概要を説明する。図1では、ネットワークNA200からネットワークNB300へのコンテンツ配信を例にとる。ネットワークNA200とネットワークNB300とは、それぞれ別々のコンピュータネットワークであり、それぞれ別々のアカウント管理・アクセス制御システムの管理下にある。
【0021】
ここで、アカウントとは、ネットワーク内の資源(例えば、ネットワーク自体、ネットワーク内のコンピュータやプリンタなどの装置、コンピュータ内のファイルやプログラム)などを利用できる権利、及びその権利を持つ主体(ユーザ又はユーザグループ又はコンピュータなど)の識別情報(以下「ID」と呼ぶ)のことである。アカウントには、主体を認証するためのパスワード等の認証情報が対応づけられている。また、アクセス制御は、主体に資源へのアクセスを認めるか否か、及び認める場合に主体に許可する資源の利用の仕方(資源がファイルである場合、読み出しや書き込みなど)についての制御である。
【0022】
図1の例では、ネットワークNA200内のアカウント管理・アクセス制御が、1つのディレクトリサーバ220により行われるものとする。ただし、これは一例に過ぎない。この代わりに、アカウント管理(例えばユーザ認証)とアクセス制御とをネットワークNA200内の別々のサーバ乃至コンピュータが担当してもよい。また、アクセス制御を複数のサーバやコンピュータで分散処理してもよい。アクセス管理についても同様である。
【0023】
一方、ネットワークNB300内にも、当該ネットワーク内のアカウント管理・アクセス制御を担当するシステムが存在している。
【0024】
ネットワークNA200及びネットワークNB300は、例えば、一企業の部門ごとに構築されたネットワークであり、それぞれその企業のイントラネットの一部分(サブネットワーク)を構成する。この例では、部門Aに所属するユーザαのアカウントはディレクトリサーバ220により管理されており、そのアカウントによりネットワークNA200にログインしたり、ネットワークNA200内のコンピュータやその中のファイルにアクセスしたりすることができる。一方、部門Bに所属するユーザβのアカウントは、ネットワークNB300内のシステムで管理されており、ディレクトリサーバ220には登録されていないとする。この場合、ユーザβはディレクトリサーバ220によるユーザ認証に合格できないので、ネットワークNA200内のコンテンツサーバ230にはアクセスすることができない。したがってそのサーバ230内に記憶されているコンテンツX240にアクセスすることもできない。なお、コンテンツX240は、ユーザから他のユーザに配信される情報であれば、どのようなものであってもよく、またそのデータ形式も基本的にどのようなものであってもよい。コンテンツX240は、例えば、ファイルとしてコンテンツサーバ230内に保存されている。
【0025】
このような状況下で、ユーザαがユーザβに、ネットワークNA200内のコンテンツサーバ230に保存されたコンテンツX240を、そのコンテンツX240にアクセスできないユーザβに配信しようとする場合を考える。このような配信を実現するために、この実施形態のシステムは、中継サーバ100を備える。中継サーバ100は、ネットワークNA200及びネットワークNB300のどちらからもアクセス可能な場所に設けられている。中継サーバ100は、事前にネットワークNA200及びコンテンツサーバ230にアクセスするためのアカウント115を取得しているものとする。すなわち、この場合、このアカウント115についてのID及び認証情報は、ディレクトリサーバ220に登録されている。また、ディレクトリサーバ220には、このアカウント115が、コンテンツサーバ230にアクセスしてコンテンツをダウンロードする権限を持つ旨が登録されている。このような事前の登録は、例えば中継サーバ100又はネットワークNA200の管理者が行えばよい。また、図示は省略したが、中継サーバ100にはユーザαのアカウントが登録されており、ユーザαはこのアカウントを用いて中継サーバ100にログインし、コンテンツの配信指示を行うことができる。また、ユーザαはコンテンツXを配信するアクセス権を有しており、このアクセス権の情報は例えばディレクトリサーバ220に登録されている。
【0026】
ユーザαは、コンテンツサーバ230内のコンテンツX240をユーザβに配信しようとする場合、まずネットワークNA200内のクライアントPC(パーソナルコンピュータ)210を操作して、中継サーバ100にログインする。そして、中継サーバ100に対し、配信対象としてコンテンツX240を、配信先としてユーザβを指定する。
【0027】
ここで、ユーザβの中継サーバ100に対するアカウントb102は、事前に登録されているか、或いはこの指定に応じて作成される。また、中継サーバ100には、ユーザβに通知を送るために、そのアカウントb102と対応づけてユーザβの通知宛先情報(例えば電子メールアドレス)が登録されている。
【0028】
また、中継サーバ100は、叙述の配信対象及び配信先の指定に応じ、コンテンツサーバ230内のコンテンツX240にリンクされたアクセスID104を生成する。そして、ユーザβの通知宛先情報を用いて、そのアクセスID104をユーザβ宛に送信する。
【0029】
この通知を受けたユーザβは、コンテンツXが必要になったときに、アカウントb102を用いて中継サーバ100にログインし、アクセスID104を中継サーバ100に提示してコンテンツXを要求する。
【0030】
この要求を受けた中継サーバ100は、アカウント115を用いてコンテンツサーバ230にログインし、アクセスID104にリンクされたコンテンツX240をコンテンツサーバ230からダウンロードする。そして、ユーザβからの要求に対して、そのコンテンツX240をユーザβに返す。
【0031】
以上説明したように、この実施形態のシステムでは、コンテンツX240に直接アクセスできないユーザβに代わって、中継サーバ100がコンテンツXを取得してユーザβに提供する。配信元のユーザαが一度中継サーバ100に配信対象と配信先を指定すれば、ユーザβは、自分の必要なときに何度でも、コンテンツサーバ230内にあるコンテンツXの最新版を取得することができる。
【0032】
次に、図2を参照して、中継サーバ100の内部構成の一例を説明する。この例では、中継サーバ100は、アカウント記憶部110、ユーザDB(データベース)120、リンクDB130、アクセス権DB140、配信指示受付部150、及び配信処理部160を有する。アカウント記憶部110は、中継サーバ100のコンテンツサーバ230に対するアカウント115(例えば、当該中継サーバ100のIDと、パスワード等の認証情報と、の組であり、ディレクトリサーバ220に登録されている当該組の値と対応している)を記憶している。
【0033】
ユーザDB120は、中継サーバ100に登録された各ユーザのアカウント情報を記憶している。例えば、ユーザDB120には、図3に例示するように、ユーザIDに対応づけて、当該ユーザのユーザ名及び電子メールアドレス(通知宛先情報の一例)が登録されている。この「ユーザID」は、中継サーバ100におけるユーザの識別情報であり、例えば中継サーバ100が付与したユーザごとの一意な値である。このユーザIDは、ネットワークNA及びNBでのユーザ管理(例えばディレクトリサーバ220による管理)において用いられるユーザIDとは独立に付与されるものであってよい。また、「ユーザ名」は、主として人間が各ユーザを識別するためのユーザの名前である。このユーザ名は、当該ユーザ本人が登録してもよいし、後述する例のように配信元のユーザが配信先のユーザのユーザ名を登録してしてもよい。また、ユーザ名及び電子メールアドレス以外に、例えば所属部署や役職・役割などといった配信元ユーザを説明する他の情報をユーザDB120に登録してもよい。
【0034】
なお、ユーザDB120には、ユーザのグループを登録してもよい。ユーザDB120におけるグループについてのエントリは、例えば、当該グループに所属するユーザのIDのリストを含むものでよい。
【0035】
リンクDB130は、図4に例示するように、配信対象のコンテンツへのリンクを、アクセスIDに対応づけて記憶したデータベースである。ここで「アクセスID」は、配信元ユーザが配信先ユーザに与えた、配信対象コンテンツのアクセス権を一意に表す識別情報である。アクセスIDは、少なくとも配信対象コンテンツごとに異なる。また、配信対象コンテンツが同じであっても、配信「先」ユーザごとにアクセスIDを異ならせてもよい。同様に、配信対象コンテンツが同じであっても、配信「元」ユーザごとにアクセスIDを異ならせてもよい。
【0036】
また、図4の例では、配信対象コンテンツへのリンクはURL(Uniform Resource Locator)で表現されている。すなわち、この例では、コンテンツサーバ230は、配信対象コンテンツをHTTP(Hypertext Transfer Protocol)に従って提供する。より詳しくは、図4の例での配信対象コンテンツは、RSS(Really Simple Syndication又はRich Site Summary又はRDF Site Summary)フォーマットで記述されたデータである。RSSは、例えば、ウェブサイトの更新情報を簡単にまとめて配信するためのフォーマットとして利用されている。RSSのあるバージョンでは、データ形式の基礎となる枠組みとしてRDF(Resource Description Framework)を用いている。
【0037】
なお、配信対象コンテンツは、RSS準拠のサマリーデータに限るものではない。例えばAtom Syndication Format(RFC4287)に準拠したデータであってもよいし、一般的なHTMLファイルであってもよい。また、PDFファイルや、ワードプロセッサ等のアプリケーションで作成されたファイルであってもよい。
【0038】
また、コンテンツサーバ230がデータの提供(配信)に用いるプロトコルは、HTTPに限らず、FTP(File Transfer Protocol)などの他のプロトコルであってもよい。
【0039】
アクセスIDとして、配信対象コンテンツへのリンク(例えばURL)そのものを用いてもよい。しかし、リンクそのものをネットワークNAの外部に極力漏洩させないという立場を採用する場合は、アクセスIDとしては、リンクそのものを予測できない値を用いる。この場合、アクセスIDは、中継サーバ100が例えば自動採番により決定してもよい。また、この代わりに、リンクの文字列(又は配信対象コンテンツそのもの)のハッシュ値をアクセスIDとして用いれば、アクセスIDは配信対象コンテンツごとに異なったものとなる。また、リンクの文字列(又は配信対象コンテンツそのもの)と配信先(又は配信元)ユーザのIDとを組み合わせた値のハッシュ値をアクセスIDとすれば、アクセスIDは配信対象コンテンツと配信先(又は配信元)ユーザの組合せごとに異なったものとなる。また、更にアクセスID発行時の日時を組み合わせれば、配信対象コンテンツと配信先(又は配信元)ユーザの組合せが同じでも、発行ごとにアクセスIDを異ならせることができる。
【0040】
リンクDB130のデータ内容の別の例を図5に示す。この例は、配信対象コンテンツがRSS 1.0のデータ構造に従っている場合の例である。この場合、リンクDB130には、その配信対象コンテンツが含む、title(タイトル)、link(リンク)、description(ディスクリプション)、items(アイテム)の各値が、その配信対象コンテンツに対応するアクセスIDに対応づけて登録される。
【0041】
アクセス権DB140には、図6に例示するように、配信先ユーザごとに、そのユーザに与えられたアクセスIDが登録される。アクセス権DB140は、例えば、配信先ユーザがアクセス可能な配信対象コンテンツを識別するのに用いられる。配信先ユーザの欄には、配信先ユーザのユーザIDが記録される。また、図6の例では、配信先ユーザとアクセスIDのペアごとに、配信元ユーザのユーザIDを記録しているが、この配信元ユーザの情報は、例えば、そのアクセスIDの配信元を特定するのに用いられる。なお、単に配信対象コンテンツを配信先ユーザに配信するだけでよければ、配信元ユーザの情報は記録しなくてよい。
【0042】
なお、リンクDB130とアクセス権DB140とは、一体のデータベースとして構築しても良い。
【0043】
再び図2の説明に戻ると、配信指示受付部150は、配信元ユーザの操作するクライアントPC210から配信指示を受け、配信のための準備処理(配信先ユーザへのアクセスIDの送付等)を実行する(詳細は後述)。また、配信処理部160は、配信先ユーザのPC310からのアクセスIDを伴う要求に応じて、コンテンツサーバ240からコンテンツを取得し、クライアントPC310に提供する処理を行う(詳細は後述)。
【0044】
次に、図7を参照して、配信元ユーザが配信指示を行ったときの配信指示受付部150の処理の一例を説明する。なお、図7の処理が行われる前に、既に中継サーバ100に対して配信元ユーザαのユーザ登録がなされているものとする。すなわち、図7の処理の開始時点では、配信元ユーザαは、中継サーバ100に対するアカウント(例えばユーザIDと認証情報のペア)を持ち、そのアカウントの情報は中継サーバ100に登録されている。また、図7の処理手順のステップS10が開始される前に、配信元ユーザαは、そのアカウントを用いてクライアントPC210から中継サーバ100にログインしており、中継サーバ100はアカウント115を用いてネットワークNAにログインしているものとする。
【0045】
図7の手順では、まず、配信元ユーザαが、中継サーバ100に対してコンテンツサーバ230内にある配信対象コンテンツX240(図1参照)と配信先ユーザβを指定する(S10)。中継サーバ100は、この指定のための入力画面をクライアントPC210に提供する。
【0046】
例えば、配信対象コンテンツを指定するための入力画面は、例えば、ネットワークNA内のコンピュータ、フォルダ、ファイルの階層構造を表示し、その中から配信対象コンテンツのファイルを選択できるグラフィカルユーザインタフェース画面であってもよい。この場合、その入力画面には、ネットワークNA内のコンピュータ、フォルダ、ファイルのうち、配信元ユーザαがアクセス権を持つもののみを表示するようにしてもよい。配信元ユーザαがアクセス権を持つコンピュータ、フォルダ、ファイルは、ディレクトリサーバ220が保持する情報から求めればよい。また、アクセス権に段階がある場合は、配信元ユーザαが「配信可能」以上のレベルのアクセス権を持つファイルのみを表示するようにしてもよい。図1の例では、配信元ユーザαは、配信対象として選んだコンテンツX240に対して、配信可能レベル以上のアクセス権を持つものとする。
【0047】
また、配信先ユーザを指定するための入力画面は、例えば、中継サーバ100のユーザDB120に登録されたユーザのユーザ名と電子メールアドレスの一覧を表示し、その中から配信先を選択できるように構成されたグラフィカルユーザインタフェース画面でよい。選択されたユーザを示す情報は中継サーバ100に伝達される。この場合、ステップS12の判定結果はYesであり、配信指示受付部150は、ステップS14を経ずにステップS16に進む。
【0048】
また、この入力画面には、新規ユーザのユーザ名及び電子メールアドレスを入力するための入力欄が含まれていてもよい。配信元ユーザαが希望する配信先ユーザβがユーザDB120に未登録である場合には、ユーザαはその入力欄にユーザβのユーザ名及び電子メールアドレスを入力し、中継サーバ100に送信すればよい(S12の判定結果がNo)。この場合、中継サーバ100は、ユーザDB120にそのユーザβのアカウントbを作成する(S14)。すなわち、ユーザDB120に新たなアカウントのエントリを作成し、新たに生成したユーザIDの値をそのエントリのユーザID欄に、受信したユーザ名及び電子メールアドレスをそのエントリのユーザ名欄及びメールアドレス欄に、それぞれ登録する。その後、処理はステップS16に進む。
【0049】
このように配信元ユーザαからの指示に従い配信先ユーザβのアカウントを新規作成した場合、配信指示受付部150は、配信先ユーザβに対して、そのアカウントの情報(例えば配信元ユーザが入力したユーザ名とパスワード)を通知する。この通知は、そのアカウントの情報を記載した電子メールを配信先ユーザβに送信することにより行えばよい。配信先ユーザβは、受け取ったそのアカウント情報を用いて中継サーバ100にログインしてパスワードを自分の希望するものに変更し、また必要ならばユーザ名も変更することができる。また、所属部署などと言った他の情報を中継サーバ100に登録したり、変更したりすることができる。
【0050】
なお、この新規アカウント作成の通知には、そのアカウント作成の契機となった配信元ユーザを説明する情報(ユーザ名など)を含めてもよい。また、この通知を、この後ステップS20で行われるアクセスIDの通知と併せて、1つの電子メールで行ってもよい。
【0051】
ステップS16では、配信指示受付部150は、指定された配信先ユーザβに対し、指定された配信対象コンテンツX240を既に配信済みであるかどうかを、リンクDB130及びアクセス権DB140を参照して判定する。この判定では、配信対象コンテンツXに対応するアクセスIDがリンクDB130に登録されており、かつ、そのアクセスIDと配信先ユーザβとのペアがアクセス権DB140に登録されているならば、過去に配信済みと判定する(S16の判定結果がYes)。この場合、配信指示受付部150は、配信先ユーザβの電子メールアドレスに対し、過去に配信済みのそのアクセスIDを表示した電子メールを送信する(S20)。
【0052】
この例は、過去に配信対象コンテンツXを配信先ユーザβに配信済みであっても、指示されれば再びその配信対象コンテンツXに対するアクセスIDをユーザβに提供する場合の例である。この代わりに、過去に配信済みの配信対象コンテンツXを配信先ユーザβに重ねて配信することをしないように制御してもよい。この場合、ステップS16の判定結果がYesであれば、配信指示受付部150は、ステップS20は実行せずに、例えば過去に配信済みであることを示すメッセージを配信元ユーザαに返し、処理を終了すればよい。
【0053】
また、ステップS16の判定結果がYesである場合に、配信元ユーザαに対して過去にそのコンテンツを配信済みであることを通知し、同じコンテンツを再度配信するかどうかをユーザαに確認してもよい。
【0054】
過去に、配信先ユーザβに対して配信対象コンテンツXを配信していない場合は、配信指示受付部150は、その配信先ユーザβと配信対象コンテンツXとの組に対して一意なアクセスIDを生成する(S18)。そして、そのアクセスIDを配信対象コンテンツXのリンクと対応づけてリンクDB130に登録すると共に、そのアクセスIDと配信先ユーザβ(と配信元ユーザα)との組をアクセス権DB140に登録する。その後、配信指示受付部150は、配信先ユーザβに対してそのアクセスIDを電子メールにより通知する(S20)。
【0055】
ここで、アクセスIDを通知する電子メールは、例えば、アクセスIDを示す仮想的なURLを含むものでよい。仮想的なURLは、クライアントPCと中継サーバ100との間の通信プロトコルを指定する文字列(例えば”http://”)、中継サーバ100のホスト名が続き、その後にアクセスIDが続くようなものでよい。この電子メールを受け取った配信先ユーザβは、クライアントPC310上のメールクライアントソフトウエアのユーザインタフェース画面に表示されたそのURLをクリック操作等で選択することで、ウェブブラウザを介して中継サーバ100にアクセスIDを送信することができる。
【0056】
また、アクセスIDの通知手段として電子メールを用いるのはあくまで一例に過ぎない。他のプロトコルに従った通知手段を用いてもよい。
【0057】
このアクセスIDを通知する電子メールには、アクセスIDのほかに、配信先ユーザβへの説明文が含まれていてもよい。説明文は、例えば、配信元ユーザの情報及び配信対象コンテンツXの説明などを含むものでよい。配信元ユーザの情報は、例えばユーザ名や部署、役職などであり、これらはユーザDB120又はディレクトリサーバ220から取得すればよい。配信対象コンテンツXの説明は、当該コンテンツX内の属性情報から抽出(例えば、あらかじめ定められた属性項目を自動抽出)してもよいし、配信元ユーザが選択した配信対象コンテンツに対応づけて入力してもよい。
【0058】
次に図8を参照して、配信先ユーザβからの要求に応じて配信処理部160が実行する処理手順の一例を説明する。
【0059】
中継サーバ100からアクセスIDを受信した配信先ユーザβは、アクセスIDが指し示すコンテンツが必要となったときに、自分のアカウントを用いて中継サーバ100にログインし、中継サーバ100に対してそのアクセスIDを提示してコンテンツを要求する(S30)。具体的には、例えば、配信先ユーザβが、中継サーバ100から受け取った電子メールに示されるURL(中継サーバのホスト名とアクセスIDを含む)をクリックすると、クライアントPC310上のウェブブラウザが中継サーバ100に対してHTTPリクエストを送信する。中継サーバ100の配信処理部160は、このリクエストに応じ、ログイン画面をそのブラウザに返す。配信先ユーザβは、ブラウザに表示されたログイン画面に対し、自分のアカウントのユーザ名及びパスワード(あるいは他の種類の認証情報)を入力し、その入力結果の配信処理部160への送信をブラウザに指示する。この例では、以上のようにして、配信先ユーザβのアカウント情報と、要求対象のコンテンツに対応するアクセスIDとが中継サーバ100の配信処理部160に伝えられる。
【0060】
それらの情報を受けた配信処理部160は、まず入力されたアカウント情報がユーザDB120に登録された正しい情報であるかを確認する(S32。ユーザ認証)。正しくなければ、エラーメッセージをクライアントPC310のブラウザに返し(S34)、処理を終了する。また、ユーザ認証が成功すれば、ステップS30で受信したアクセスIDが、当該ユーザに対して付与されたものであるかどうかを、アクセス権DB140を参照して判定する(S36)。アクセス権DB140に、そのアクセスIDが当該ユーザのIDに対応づけて登録されていればこの判定の結果はYesとなり、ステップS40に進む。この判定の結果がNoの場合は、エラーメッセージをクライアントPC310のブラウザに返し(S38)、処理を終了する。
【0061】
ステップS36の判定結果がYesの場合、配信処理部160は、リンクDB130を参照してそのアクセスIDに対応するリンク情報を求め、そのリンク情報を用いてコンテンツサーバ230に対してコンテンツを要求する(S40)。例えば、リンクDB130のデータ内容が図4に示すようなものであり、アクセスIDが”Abc21342”であるとすると、配信処理部160は、リンク情報であるURL”http://uuu.ddd.co.jp/hoge.rss”に対応するHTTPリクエストを送出する。ここで、”uuu.ddd.co.jp”がコンテンツサーバ230のホスト名であるとすると、そのリクエストはコンテンツサーバ230に届く。
【0062】
なお、中継サーバ100はアカウント115を有しているので、そのアカウントを用いてネットワークNAにログインし、コンテンツサーバ230にログインすることができる。したがって、上述のリクエストはコンテンツサーバ230により受け付けられる。
【0063】
コンテンツサーバ230は、中継サーバ100から要求されたコンテンツが存在すれば、そのコンテンツを返し、なければそのコンテンツが存在しない旨を示すエラーメッセージを返す。このエラーメッセージを受け取った場合、配信処理部160は、エラーメッセージをクライアントPC310のブラウザに返し(S42)、処理を終了する。コンテンツサーバ230から要求に応じたコンテンツを受信した場合、配信処理部160は、そのコンテンツを、ステップS30で受信したクライアントPC310のブラウザからの要求に対する返信として、当該ブラウザに送信する(S44)。これにより、配信先ユーザβは、中継サーバ100から受信したアクセスIDに対応するコンテンツ(例えばRSSデータ)をブラウザで閲覧することができる。
【0064】
以上に説明したように、この実施形態では、配信先ユーザβがアカウントを持たないコンテンツサーバ230上のコンテンツを、中継サーバ100が取得し、配信先ユーザβに提供する。
【0065】
以上では、配信元ユーザαが1人のユーザを配信先に指定する場合を主な例として説明したが、配信元ユーザαは複数人のユーザを配信先として指定してもよい。この場合、配信元ユーザαが、それら複数の配信先ユーザに対して同一のアクセスIDを付与するか、ユーザごとに異なるアクセスID(配信対象コンテンツ自体は同一)を付与するかを指定できるようにしてもよい。
【0066】
また、同一コンテンツの配信先として複数のユーザが指定された場合に、それら各配信先ユーザに対して他の配信先ユーザの情報(例えばユーザ名)を(例えばアクセスIDの通知に含めて)通知してもよい。例えば、配信元ユーザαが配信先としてβ、γ、δを指定した場合、各配信先に対し、配信対象コンテンツがβ、γ、δに配信されたことを通知するのである。また、このような通知を行うか否かを配信元ユーザαが指定できるようにしてもよい。このような通知をしない場合、配信先ユーザには、同じコンテンツが他のどのユーザに配信されているかは分からない。
【0067】
また、同様に、配信元ユーザαが、配信先(一人又は複数人)に対する配信対象として複数のコンテンツを同時に(1つの入力画面で)指定できるようにしてもよい。この場合、アクセスIDは、コンテンツごとに異なる値とする。
【0068】
また、中継サーバ100が、ユーザに対し、そのユーザが過去に配信したコンテンツとその配信先を一覧表示した画面を提供するようにしてもよい。同様に、ユーザに、そのユーザが過去に配信を受けたコンテンツとその配信元を一覧表示した画面を提供してもよい。
【0069】
また、図1では、ネットワークNA内には1つのコンテンツサーバ230しか示されていないが、中継サーバ100は、コンテンツを提供するサーバがネットワークNA内に複数存在する場合でも、上述と同様の中継処理を行えばよい。また、1つの中継サーバ100が複数のネットワークからのコンテンツ配信を中継するようにしてももちろんよい。
【0070】
次に、実施形態の第1の変形例を説明する。上記実施形態では、配信元ユーザαが配信先ユーザβに対して配信対象コンテンツX240のリンクに対応づけられたアクセスIDを提供した。この場合、配信先ユーザβがアクセスIDを用いて要求を行えば、中継サーバ100を介してその時点でのコンテンツX(すなわち最新版)が配信先ユーザβに提供される。これに対し、この変形例では、そのように配信対象コンテンツの最新版を提供する仕組みに加え、配信指示の時点でのバージョン(いわゆるスナップショット)を提供する仕組みを提供する。最新版又は配信指示時点のバージョンのいずれを提供するかは、配信元ユーザαが、例えば中継サーバ100に配信指示を行う時点で指示する。
【0071】
図9にこの変形例における中継サーバ100の内部構成の例を示す。この例では、中継サーバ100は、図2に示した各要素の他に、コンテンツDB170を備える。コンテンツDB170には、配信元ユーザαがコンテンツの配信を指示した時点での当該コンテンツのスナップショットデータを登録する。
【0072】
コンテンツDB170に記憶されたデータ内容の一例を図10に示す。この例では、コンテンツDB170には、アクセスIDに対応づけて、配信対象コンテンツのデータ(スナップショット)を取得した日時と、配信対象コンテンツのデータそのものとが登録されている。
【0073】
この変形例では、配信指示受付部150は、配信元ユーザαから配信対象コンテンツと配信先ユーザの指定を受け付けた場合に、更に配信先ユーザが要求した時点の最新版を提供するか、又はその配信対象コンテンツの配信指示時点でのバージョンを提供するか、の指定をユーザから受け付ける。そして、配信元ユーザαが前者を指定した場合は、上記実施形態と同様、その配信対象コンテンツのリンク情報をリンクDB130に登録する。一方、配信元ユーザαが後者を指定した場合は、配信指示受付部150は、アカウント115を用いてコンテンツサーバ230にアクセスし、その配信対象コンテンツのリンク情報が指し示すコンテンツをコンテンツサーバ230から取得する。そして、取得したコンテンツを、アクセスIDとその時点の日時とに対応づけて、コンテンツDB170に登録する。このように、配信元ユーザαからの1つの配信指示に対しては、リンクがリンクDB130に登録されるか、その時点でのコンテンツそのものがコンテンツDB170に登録されるかの一方になる。
【0074】
また、この変形例では、配信処理部160は、配信先ユーザβからアクセスIDを伴うコンテンツ要求を受けた場合、リンクDB130及びコンテンツDB170からそのアクセスIDを含むエントリを検索する。この検索によりリンクDB130からリンクが検索された場合は、配信処理部160はそのリンクを用いてコンテンツサーバ230からコンテンツを取得して配信先ユーザβのクライアントPC310に提供する。一方、この検索によりコンテンツDB170からコンテンツが検索された場合は、そのコンテンツを配信先ユーザβのクライアントPC310に提供する。
【0075】
このようにコンテンツのスナップショットを配信する場合、中継サーバ100は、過去に配信先ユーザβに対し配信対象コンテンツのスナップショットを配信したことがある場合には、その中の最新のスナップショットと今回の配信指示時点のスナップショットとの差分を求め、その差分のみを配信先ユーザβに提供してもよい。また、中継サーバ100は、その差分を強調表示するよう配信対象コンテンツのスナップショットの内容を変更し、変更後の配信対象コンテンツを配信先ユーザβに提供するようにしてもよい。
【0076】
次に第2の変形例を説明する。この変形例では、配信元ユーザαが、配信対象コンテンツに対する配信先ユーザβのアクセス権の有無だけでなく、そのアクセス権の種類を指定する。
【0077】
アクセス権の種類には、例えば「閲覧可能」、「編集可能」、「再配布可能」、「コメント可能」、「トラックバック可能」などがある。「再配布可能」のアクセス権が付与された場合、配信先ユーザβは、配信対象コンテンツを、中継サーバ100を介して他のユーザに再配布することができる。
【0078】
また、「コメント可能」のアクセス権が付与された場合、配信先ユーザβは配信されたコンテンツに対してコメントを登録することができる。例えばコンテンツがブログである場合、ブログを閲覧したユーザはそのブログに対してコメントを入力することができる。入力されたコメントは、そのブログに対応づけてブログサーバに登録される。登録されたコメントは、例えばブログの内容の後に表示される。
【0079】
また、「トラックバック可能」のアクセス権が付与された場合、配信先ユーザβは配信されたコンテンツに対してトラックバックを行うことができる。トラックバックは、例えばブログの一機能としてよく知られている。トラックバックは、ブログ(ブログAと呼ぶ)を読んだユーザが自分自身のブログ(ブログBと呼ぶ)の中でブログAについて言及した場合に、ブログBのURLをブログA側のサーバに伝え、ブログAにブログBへのリンクを組み込ませる機能である。
【0080】
このように配信対象コンテンツについてのアクセス権として配信先ユーザβに対してどのような種類のアクセス権を付与するかは、例えば配信指示を行うときに配信元ユーザαが中継サーバ100に対して指定すればよい。中継サーバ100は、配信指示のための入力画面の1つとして、アクセス権の種類を指定する画面を提供し、その画面に対して配信元ユーザが選択したアクセス権の種類の情報を取得し、それを例えばアクセス権DB140に登録すればよい。この場合、アクセス権DB140には、例えば図11に示すように、「アクセス権」の欄に、配信元ユーザが付与したアクセス権の種類のリストが登録される。図示例では、記号C,T,R,E,Dは、順に、コメント可能、トラックバック可能、閲覧(のみ)可能、編集可能、再配布可能を意味する。
【0081】
中継サーバ100は、アクセスIDを配信先ユーザβに通知する際に、配信先ユーザβに与えられたアクセス権の種類を併せて通知してもよい。
【0082】
この変形例では、配信先ユーザβが配信されたコンテンツに対して編集、再配布、コメント入力、トラックバックなどの操作を行った場合、その操作指示(例えば編集後のコンテンツ、再配布指示、コメント内容、トラックバックするURLなど)がクライアントPC310から中継サーバ100に送信される。このとき操作指示は、アクセスIDと対応づけて中継サーバ100に送信される。この送信は、例えば、クライアントPC310上のウェブブラウザ(及び場合によってはそのコンテンツに埋め込まれたプログラム)の機能により実現される。
【0083】
この変形例では、中継サーバ100の配信処理部160は、図12に示すように、配信先のクライアントPC310からコンテンツに対する操作指示を受け取ると(S50)、その操作指示が、そのコンテンツに対して配信先ユーザβに付与されたアクセス権の種類に適合するかどうかを判定する(S52)。このとき、配信処理部160は、その配信先ユーザβに付与されたそのコンテンツ(アクセスIDにより特定される)に対するアクセス権の種類をアクセス権DB140から求め、配信先ユーザβから送信された操作指示がそれら求めた種類のいずれかに適合するかどうかを判定する。配信先ユーザからの操作指示が、そのユーザに認められたアクセス権の種類のいずれにも適合しない場合、配信処理部160は、配信先ユーザβに対して、例えば「あなたが指示した操作は許可されていません」などのエラーメッセージを返す(S54)。
【0084】
一方、配信先ユーザからの操作指示が、そのユーザに認められたアクセス権の種類のいずれかに適合した場合は、中継サーバ100は、コンテンツサーバ230内の当該アクセスIDに対応するリンクが指し示すコンテンツX240にアクセスし、そのコンテンツX240に対してその操作指示に応じた操作を行う(S56)。例えば、配信先ユーザβからの操作指示がコンテンツに対する編集指示である場合、配信処理部160は、その編集指示に従ってそのコンテンツに対して編集を行い、その編集結果をコンテンツサーバ230に書き戻す。また、操作指示がコンテンツの再配布指示である場合、配信先ユーザβから指定された再配布先のユーザの電子メールアドレスに対し、当該アクセスIDを示した電子メールを送信する。また、操作指示がコンテンツに対するコメント入力指示である場合、そのコメント指示に含まれるコメント内容を、アクセスIDに対応するリンクが指し示すコンテンツX240に登録する。また、操作指示がコンテンツに対するトラックバック指示である場合、そのトラックバック指示に含まれる配信先ユーザβのサイトのURLを、当該コンテンツに示されたトラックバックURLに対して送信する。
【0085】
なお、このように中継サーバ100を介したトラックバックを実現するには、例えば、配信処理部160が、コンテンツサーバ230からコンテンツ(例えばブログ)を取得して配信先ユーザβに送信する際に、そのコンテンツに含まれるトラックバックURLを変更すればよい。すなわち、コンテンツサーバ230から取得したコンテンツには、一般には、コンテンツサーバ230内のトラックバック処理アプリケーションと当該コンテンツを一意に示す識別情報との組を指し示すトラックバックURL(原URLと呼ぶ)が含まれる。ここで、配信先ユーザβがそのトラックバックURLに対してトラックバックを指示したとしても、配信先ユーザβはネットワークNA及びコンテンツサーバ230へのアクセス権を持たないので、配信元がトラックバックを許可していた場合でもそのトラックバック指示は受け付けられない。そこで、中継サーバ100の配信処理部160が、コンテンツサーバ230から取得した配信対象コンテンツの中のトラックバックURLを、中継サーバ100内のトラックバック処理アプリケーションと原URLを一意に示す識別情報との組を指し示すURL(変更後URLと呼ぶ)に書き換えた上で、そのコンテンツを配信先ユーザβに送信する。このとき、配信処理部160は、原URLと変更後URLとの対応関係を記憶しておく。このようにすれば、配信先ユーザβがその変更後URLに対するトラックバックを指示すると、そのトラックバック指示は中継サーバ100のトラックバック処理アプリケーションに届く。このアプリケーションは、上述の対応関係の情報からその変更後URLに対応する原URLを求め、その原URLに対してそのトラックバック指示を送る。これにより、配信先ユーザβからコンテンツサーバ230内の配信対象コンテンツXへのトラックバックが実現される。
【0086】
以上のようにして中継サーバ100を介してコンテンツサーバ230内の配信対象コンテンツXに対して配信先ユーザβから操作が行われた場合、中継サーバ100は、その操作についてのログを記録してもよい。ログには、例えば操作対象のコンテンツを表すアクセスID、操作の種類、操作日時などを記録すればよい。このログは、各ユーザから閲覧できるようにしても良い。この場合、ユーザに閲覧可能とするログ内容を、当該ユーザが配信元又は配信先であるコンテンツについてのログ内容のみに限定してもよい。
【0087】
また、この変形例では、中継サーバ100は、配信先ユーザβからの指示に対して配信対象コンテンツに対して操作を行った場合に、その操作についての情報を配信元ユーザαに対して例えば電子メールで通知してもよい。通知する操作についての情報は、例えば実行した操作の種類であり、更に操作のパラメータ(例えば再配信先)を含んでいてもよい。また、この場合、配信元ユーザαがそのような通知を希望するかどうかを中継サーバ100に指定できるようにしてもよい。
【0088】
また、配信対象コンテンツに対する配信先ユーザからの編集操作に応じてコンテンツサーバ230内の配信対象コンテンツを編集する場合に、元の配信対象コンテンツをバックアップ(予備)としてコンテンツサーバ230内に残すようにしてもよい。またそのようなバックアップを残すかどうかを配信元ユーザが中継サーバ100にあらかじめ指定できるようにしてもよい。
【0089】
次に第3の変形例を説明する。この変形例では、配信対象コンテンツが過去に配信先ユーザβに配信済みの他のコンテンツ(既配信コンテンツと呼ぶ)に対してどのような関係にあるかを、配信元ユーザαが中継サーバ100に対して指定する。そして、中継サーバ100が、その関係の情報を記録し、その情報に基づき配信元ユーザα又は配信先ユーザβに対しサービスを提供する。配信対象コンテンツと既配信コンテンツとの関係には、例えば前者が後者の改訂版であるという関係や、前者が後者の添付文書であるという関係など、様々なものが考えられる。
【0090】
この変形例では、中継サーバ100に、コンテンツ関係DB(図示省略)を設ける。コンテンツ関係DBのデータ内容の一例を図13に示す。この例では、コンテンツ関係DBには、図13に示すように、配信対象コンテンツごとに、これに対して関係を持つ既配信コンテンツと、配信対象コンテンツが既配信コンテンツに対する関係を示す情報とが登録される。図示の例では、配信対象コンテンツ及び既配信コンテンツは、アクセスIDで表されている。また、ユーザが配信対象コンテンツ及び既配信コンテンツを識別しやすくするために、それら各コンテンツの内容を説明する情報(例えばタイトルなど)を併せて登録しておいてもよい。
【0091】
この変形例では、配信指示受付部150は、配信元ユーザαに対し、既配信コンテンツに対する配信対象コンテンツの関係を入力する入力画面を提供すればよい。図14にそのような入力画面400の一例を示す。この例では、入力画面400には、配信先ユーザβに対して当該配信元ユーザαが過去に配信したことがあるコンテンツ(既配信コンテンツ。ノード412a〜412c)同士を、それらコンテンツ同士の関係を示す矢印で結んだ関係グラフ410が表示される。アクセス権DB140には、過去に配信したコンテンツのアクセスIDに対応づけて、配信元と配信先が記録されているので、これとコンテンツ関係DBの情報を組み合わせて関係グラフ410を作成すればよい。ノード412a〜412cはクリック操作などで選択可能となっており、配信元ユーザαは、今回の配信対象コンテンツと関係づけたい他のコンテンツのノードがそのグラフ410にあれば、そのノードを選択する。ここで、各ノードに既配信コンテンツをリンクしておき、配信元ユーザαの指示に応じて既配信コンテンツを表示し、ユーザαが既配信コンテンツの内容を確認できるようにしてもよい。
【0092】
また、配信元ユーザαは、選択した既配信コンテンツに対して今回の配信対象コンテンツがどのような関係にあるかを、関係の種類のリスト430から選択する。指定したい関係が既存の選択肢になければ、その他を選び、指定したい関係を表す語句を入力すればよい。配信対象コンテンツと関係づけたい既配信コンテンツが関係グラフ410中になければ、その旨を示すラジオボタン420を選択すればよい(この場合、リスト430からの選択は不要)。このような入力画面に対する入力結果を配信指示受付部150に送信すれば、配信指示受付部150はその関係をコンテンツ関係DBに登録する。また、配信指示受付部150は、その関係を表す説明文(例えば「***の改訂版です」)をアクセスIDと共に配信先ユーザβに通知してもよい。
【0093】
以上に説明した中継サーバ100は、一つの例では、汎用のコンピュータに上述の処理を表すプログラムを実行させることにより実現される。ここで、コンピュータは、例えば、ハードウエアとして、CPU等のマイクロプロセッサ、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリメモリ(ROM)等のメモリ(一次記憶)、HDD(ハードディスクドライブ)コントローラを経由して接続されたHDD、各種I/O(入出力)インタフェース等が、バスを介して接続された回路構成を有する。バスには、ローカルエリアネットワーク等のネットワークに接続するためのネットワークインタフェースが接続されていてもよい。また、そのバスに対し、例えばI/Oインタフェース経由で、CDやDVDなどの可搬型ディスク記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのディスクドライブ、フラッシュメモリなどの各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのメモリリーダライタなどが接続されてもよい。上に例示した各機能モジュールの処理内容が記述されたプログラムがCDやDVD等の記録媒体を経由して、又はネットワーク等の通信手段経由で、ハードディスクドライブ等の固定記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。インストールされたプログラムがRAMに読み出されCPU等のマイクロプロセッサにより実行されることにより、上に例示した中継サーバ100の機能が実現される。
【符号の説明】
【0094】
100 中継サーバ、110 アカウント記憶部、115 コンテンツサーバへのアカウント、120 ユーザDB、130 リンクDB、140 アクセス権DB、150 配信指示受付部、160 配信処理部、200 ネットワークNA、210 クライアントPC、220 ディレクトリサーバ、230 コンテンツサーバ、240 コンテンツ、300 ネットワークNB、310 クライアントPC。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報中継装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを介したユーザ間での情報の共有又は配信において、情報を取得しようとするユーザを認証することで、共有先又は配信先のユーザを限定する場合がある。このような場合、登録ユーザそれぞれの認証情報を管理する認証装置が配信対象の情報を保持するサーバの中又はネットワーク内などに設けられ、情報を取得しようとするユーザは、その認証装置に対して自身の認証情報を提示して認証を受けることで、サーバから情報を取得する。
【0003】
異なるネットワーク間で情報の共有や配信を行う場合、それらネットワークがそれぞれ個別のユーザ管理を行っている場合が少なくない。例えば、一つの企業のイントラネット内の異なる部門A(配信元)及び部門B(配信先)がそれぞれ別々のネットワークNA及びNBを用いており、それらネットワークNA及びNBがそれぞれ別々にユーザ管理を行っている場合である。この場合において、部門A内のユーザαが、ネットワークNA内のサーバSにある情報Xを、ネットワークNB内のコンピュータを操作する部門Bのユーザβに配信しようとしても、ユーザβはネットワークNAでは管理されていないのでネットワークNA内のサーバSにはアクセスできない。電子メールを用いてユーザαからユーザβに情報Xを送信することも考えられるが、例えばユーザβに対し常に情報Xの最新版を配信しようとする場合には更新の都度電子メールを送信する必要があり煩雑である。
【0004】
特許文献1には、多数のブログ(Web log)サーバをテーマごとに分類し、それらブログの中から、事前に各ユーザから登録された関心テーマに該当するものを表示するブログポータル画面のウェブページを生成し、ログインしてきたユーザにそのポータル画面を提供する情報閲覧装置が開示されている。この装置は、ユーザが閲覧したいブログをポータル画面上で選択すると、そのブログページをブログサーバから取得してユーザに転送する。
【0005】
特許文献2に示される情報仲介システムは、利用者が希望する情報を利用者が希望する組み合わせや形態で提供するための利用者希望情報をあらかじめ設定する希望設定手段と、希望設定手段の設定に基づいて複数の情報提供元から利用者が希望する情報を取得して当該取得した情報を利用者の希望する組み合わせや形態で利用者システムに提供する情報提供手段とを備え、提供した情報につき情報提供元において対応する情報に更新が発生した場合に、情報提供手段は当該更新後情報を取得して、最新の情報を利用者システムに提供するようにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−122504号公報
【特許文献2】特開2003−016306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、情報記憶装置にある情報を、その情報記憶装置に対してアクセスできない配信先に配信することを配信元が希望する場合において、配信先が要求したときに情報記憶装置にあるその情報を配信できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、情報中継装置であって、情報記憶装置に対する当該情報中継装置のアカウント情報を記憶する第1の記憶手段と、情報記憶装置が記憶する配信対象情報を配信先のユーザに配信する配信指示を配信元のユーザから受けた場合に、前記配信対象情報に対応づけられたアクセス識別情報に対応づけて、前記配信先のユーザのユーザ識別情報を第2の記憶手段に記憶すると共に、前記アクセス識別情報を前記配信先のユーザに送信するアクセス識別情報送信手段と、前記配信先のユーザから、当該ユーザのユーザ識別情報及びアクセス識別情報に対応づけられた情報配信要求を受信した場合に、当該アクセス識別情報が当該ユーザ識別情報に対応づけて前記第2の記憶手段に記憶されていれば、前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置から当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報を取得し、取得した前記配信対象情報を前記配信先のユーザに送信する配信対象情報送信手段と、を備える情報中継装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、配信対象情報について前記配信先のユーザに付与するアクセス権の種類の指定を受け付けて第3の記憶手段に記憶するアクセス権指定受付手段と、前記配信先のユーザから前記配信対象情報に対する操作指示を受信した場合に、その操作指示が前記第3の記憶手段に記憶された、前記配信対象情報について前記配信先のユーザに付与されたアクセス権の種類に適合する場合にのみ、その操作指示に応じて前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置にアクセスし、前記情報記憶装置に記憶された当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報に対し、その操作指示に応じた操作を行う操作手段と、を更に備える。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記配信対象情報送信手段は、前記情報記憶装置から取得した配信対象情報に第1のトラックバックURLが含まれる場合、前記配信対象情報中の前記第1のトラックバックURLを、当該情報中継装置のホスト名と前記第1のトラックバックURLに対応づけられた識別情報とを含む第2のトラックバックURLに書き換え、この書き換えの後の配信対象情報を前記配信先のユーザに送信し、前記操作手段は、前記配信先のユーザから前記操作指示として前記第2のトラックバックURLに対するトラックバック指示を受け取った場合において、前記配信先のユーザにトラックバックを許可するアクセス権が与えられている場合には、前記第2のトラックバックURLに対応づけられた前記第1のトラックバックURLに対して前記トラックバック指示に応じたトラックバックを行う、ことを特徴する。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に係る発明において、前記アクセス識別情報送信手段は、更に、前記配信元のユーザからの前記配信指示として、当該配信指示の時点での前記配信対象情報を前記配信先のユーザに配信する旨の指示を受けた場合に、前記前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置から当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報を取得し、取得した配信対象情報を前記アクセス識別情報に対応づけて第4の記憶手段に記憶し、前記配信対象情報送信手段は、更に、前記配信先のユーザから、当該ユーザのユーザ識別情報及びアクセス識別情報に対応づけられた情報配信要求を受信した場合に、当該アクセス識別情報が当該ユーザ識別情報に対応づけて前記第2の記憶手段に記憶されており、かつ、前記アクセス識別情報に対応する配信対象情報が前記第4の記憶手段に記憶されていれば、前記第4の記憶手段に記憶された前記配信対象情報を前記配信先のユーザに送信する、ことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に係る発明において、過去に受けた各配信指示に係る配信元のユーザと配信先のユーザと配信対象情報との関係を記録する記録手段と、今回の配信指示に係る配信元のユーザと配信先のユーザとについて、当該配信元のユーザが当該配信先のユーザに対して過去に配信した配信対象情報を前記記録手段から求め、求めたそれら配信対象情報のうち今回の配信指示に係る配信対象情報に関係する配信対象情報と、これら配信対象情報同士の関係と、の指定を前記配信元のユーザから受け付ける受付手段と、を備え、前記アクセス識別情報送信手段は、前記受付手段が受けた指定の内容を示す情報を前記アクセス識別情報に対応づけて前記配信先のユーザに送信する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、コンピュータを情報中継装置として機能させるためのプログラムであって、当該コンピュータを、情報記憶装置に対する当該情報中継装置のアカウント情報を記憶する第1の記憶手段、情報記憶装置が記憶する配信対象情報を配信先のユーザに配信する配信指示を配信元のユーザから受けた場合に、前記配信対象情報に対応づけられたアクセス識別情報に対応づけて、前記配信先のユーザのユーザ識別情報を第2の記憶手段に記憶すると共に、前記アクセス識別情報を前記配信先のユーザに送信するアクセス識別情報送信手段、前記配信先のユーザから、当該ユーザのユーザ識別情報及びアクセス識別情報に対応づけられた情報配信要求を受信した場合に、当該アクセス識別情報が当該ユーザ識別情報に対応づけて前記第2の記憶手段に記憶されていれば、前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置から当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報を取得し、取得した前記配信対象情報を前記配信先のユーザに送信する配信対象情報送信手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1又は6に係る発明によれば、情報記憶装置にある配信対象情報を、その情報記憶装置に対してアクセスできない配信先のユーザに配信することを配信元のユーザが希望する場合において、配信先のユーザが要求したときに情報記憶装置にあるその配信対象情報を配信できるようにすることができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、配信先のユーザが配信された配信対象情報に対して行った操作を、配信元のユーザがその配信先に付与したアクセス権の種類に適合する範囲内で情報記憶装置内のその配信対象情報に反映させることができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、情報記憶装置内にある配信対象情報へのトラックバックを、情報中継装置を介して実現することができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、配信指示の時点での配信対象情報と、配信先のユーザが要求した時点での配信対象情報とのどちらを配信先のユーザに送信するかを、配信元のユーザの指示に応じて切り換えることができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、今回配信する配信対象情報が過去に配信した配信対象情報のどれとどのような関係にあるのかを配信元のユーザが指定し、配信先のユーザに報せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態のシステムにおける情報(コンテンツ)配信の概略的な仕組みを説明するための図である。
【図2】中継サーバの内部構成の一例を示す図である。
【図3】ユーザDB(データベース)のデータ内容の一例を示す図である。
【図4】リンクDBのデータ内容の一例を示す図である。
【図5】リンクDBのデータ内容の別の一例を示す図である。
【図6】アクセス権DBのデータ内容の一例を示す図である。
【図7】配信指示受付部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】配信処理部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】第1の変形例の中継サーバの内部構成を示す図である。
【図10】第1の変形例の中継サーバが持つコンテンツDBのデータ内容の一例を示す図である。
【図11】第2の変形例におけるアクセス権DBのデータ内容の一例を示す図である。
【図12】第2の変形例における配信処理部の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】第3の変形例におけるコンテンツ関係DBのデータ内容の一例を示す図である。
【図14】第3の変形例におけるコンテンツ間の関係の入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照して、この実施形態における情報(コンテンツ)配信の概要を説明する。図1では、ネットワークNA200からネットワークNB300へのコンテンツ配信を例にとる。ネットワークNA200とネットワークNB300とは、それぞれ別々のコンピュータネットワークであり、それぞれ別々のアカウント管理・アクセス制御システムの管理下にある。
【0021】
ここで、アカウントとは、ネットワーク内の資源(例えば、ネットワーク自体、ネットワーク内のコンピュータやプリンタなどの装置、コンピュータ内のファイルやプログラム)などを利用できる権利、及びその権利を持つ主体(ユーザ又はユーザグループ又はコンピュータなど)の識別情報(以下「ID」と呼ぶ)のことである。アカウントには、主体を認証するためのパスワード等の認証情報が対応づけられている。また、アクセス制御は、主体に資源へのアクセスを認めるか否か、及び認める場合に主体に許可する資源の利用の仕方(資源がファイルである場合、読み出しや書き込みなど)についての制御である。
【0022】
図1の例では、ネットワークNA200内のアカウント管理・アクセス制御が、1つのディレクトリサーバ220により行われるものとする。ただし、これは一例に過ぎない。この代わりに、アカウント管理(例えばユーザ認証)とアクセス制御とをネットワークNA200内の別々のサーバ乃至コンピュータが担当してもよい。また、アクセス制御を複数のサーバやコンピュータで分散処理してもよい。アクセス管理についても同様である。
【0023】
一方、ネットワークNB300内にも、当該ネットワーク内のアカウント管理・アクセス制御を担当するシステムが存在している。
【0024】
ネットワークNA200及びネットワークNB300は、例えば、一企業の部門ごとに構築されたネットワークであり、それぞれその企業のイントラネットの一部分(サブネットワーク)を構成する。この例では、部門Aに所属するユーザαのアカウントはディレクトリサーバ220により管理されており、そのアカウントによりネットワークNA200にログインしたり、ネットワークNA200内のコンピュータやその中のファイルにアクセスしたりすることができる。一方、部門Bに所属するユーザβのアカウントは、ネットワークNB300内のシステムで管理されており、ディレクトリサーバ220には登録されていないとする。この場合、ユーザβはディレクトリサーバ220によるユーザ認証に合格できないので、ネットワークNA200内のコンテンツサーバ230にはアクセスすることができない。したがってそのサーバ230内に記憶されているコンテンツX240にアクセスすることもできない。なお、コンテンツX240は、ユーザから他のユーザに配信される情報であれば、どのようなものであってもよく、またそのデータ形式も基本的にどのようなものであってもよい。コンテンツX240は、例えば、ファイルとしてコンテンツサーバ230内に保存されている。
【0025】
このような状況下で、ユーザαがユーザβに、ネットワークNA200内のコンテンツサーバ230に保存されたコンテンツX240を、そのコンテンツX240にアクセスできないユーザβに配信しようとする場合を考える。このような配信を実現するために、この実施形態のシステムは、中継サーバ100を備える。中継サーバ100は、ネットワークNA200及びネットワークNB300のどちらからもアクセス可能な場所に設けられている。中継サーバ100は、事前にネットワークNA200及びコンテンツサーバ230にアクセスするためのアカウント115を取得しているものとする。すなわち、この場合、このアカウント115についてのID及び認証情報は、ディレクトリサーバ220に登録されている。また、ディレクトリサーバ220には、このアカウント115が、コンテンツサーバ230にアクセスしてコンテンツをダウンロードする権限を持つ旨が登録されている。このような事前の登録は、例えば中継サーバ100又はネットワークNA200の管理者が行えばよい。また、図示は省略したが、中継サーバ100にはユーザαのアカウントが登録されており、ユーザαはこのアカウントを用いて中継サーバ100にログインし、コンテンツの配信指示を行うことができる。また、ユーザαはコンテンツXを配信するアクセス権を有しており、このアクセス権の情報は例えばディレクトリサーバ220に登録されている。
【0026】
ユーザαは、コンテンツサーバ230内のコンテンツX240をユーザβに配信しようとする場合、まずネットワークNA200内のクライアントPC(パーソナルコンピュータ)210を操作して、中継サーバ100にログインする。そして、中継サーバ100に対し、配信対象としてコンテンツX240を、配信先としてユーザβを指定する。
【0027】
ここで、ユーザβの中継サーバ100に対するアカウントb102は、事前に登録されているか、或いはこの指定に応じて作成される。また、中継サーバ100には、ユーザβに通知を送るために、そのアカウントb102と対応づけてユーザβの通知宛先情報(例えば電子メールアドレス)が登録されている。
【0028】
また、中継サーバ100は、叙述の配信対象及び配信先の指定に応じ、コンテンツサーバ230内のコンテンツX240にリンクされたアクセスID104を生成する。そして、ユーザβの通知宛先情報を用いて、そのアクセスID104をユーザβ宛に送信する。
【0029】
この通知を受けたユーザβは、コンテンツXが必要になったときに、アカウントb102を用いて中継サーバ100にログインし、アクセスID104を中継サーバ100に提示してコンテンツXを要求する。
【0030】
この要求を受けた中継サーバ100は、アカウント115を用いてコンテンツサーバ230にログインし、アクセスID104にリンクされたコンテンツX240をコンテンツサーバ230からダウンロードする。そして、ユーザβからの要求に対して、そのコンテンツX240をユーザβに返す。
【0031】
以上説明したように、この実施形態のシステムでは、コンテンツX240に直接アクセスできないユーザβに代わって、中継サーバ100がコンテンツXを取得してユーザβに提供する。配信元のユーザαが一度中継サーバ100に配信対象と配信先を指定すれば、ユーザβは、自分の必要なときに何度でも、コンテンツサーバ230内にあるコンテンツXの最新版を取得することができる。
【0032】
次に、図2を参照して、中継サーバ100の内部構成の一例を説明する。この例では、中継サーバ100は、アカウント記憶部110、ユーザDB(データベース)120、リンクDB130、アクセス権DB140、配信指示受付部150、及び配信処理部160を有する。アカウント記憶部110は、中継サーバ100のコンテンツサーバ230に対するアカウント115(例えば、当該中継サーバ100のIDと、パスワード等の認証情報と、の組であり、ディレクトリサーバ220に登録されている当該組の値と対応している)を記憶している。
【0033】
ユーザDB120は、中継サーバ100に登録された各ユーザのアカウント情報を記憶している。例えば、ユーザDB120には、図3に例示するように、ユーザIDに対応づけて、当該ユーザのユーザ名及び電子メールアドレス(通知宛先情報の一例)が登録されている。この「ユーザID」は、中継サーバ100におけるユーザの識別情報であり、例えば中継サーバ100が付与したユーザごとの一意な値である。このユーザIDは、ネットワークNA及びNBでのユーザ管理(例えばディレクトリサーバ220による管理)において用いられるユーザIDとは独立に付与されるものであってよい。また、「ユーザ名」は、主として人間が各ユーザを識別するためのユーザの名前である。このユーザ名は、当該ユーザ本人が登録してもよいし、後述する例のように配信元のユーザが配信先のユーザのユーザ名を登録してしてもよい。また、ユーザ名及び電子メールアドレス以外に、例えば所属部署や役職・役割などといった配信元ユーザを説明する他の情報をユーザDB120に登録してもよい。
【0034】
なお、ユーザDB120には、ユーザのグループを登録してもよい。ユーザDB120におけるグループについてのエントリは、例えば、当該グループに所属するユーザのIDのリストを含むものでよい。
【0035】
リンクDB130は、図4に例示するように、配信対象のコンテンツへのリンクを、アクセスIDに対応づけて記憶したデータベースである。ここで「アクセスID」は、配信元ユーザが配信先ユーザに与えた、配信対象コンテンツのアクセス権を一意に表す識別情報である。アクセスIDは、少なくとも配信対象コンテンツごとに異なる。また、配信対象コンテンツが同じであっても、配信「先」ユーザごとにアクセスIDを異ならせてもよい。同様に、配信対象コンテンツが同じであっても、配信「元」ユーザごとにアクセスIDを異ならせてもよい。
【0036】
また、図4の例では、配信対象コンテンツへのリンクはURL(Uniform Resource Locator)で表現されている。すなわち、この例では、コンテンツサーバ230は、配信対象コンテンツをHTTP(Hypertext Transfer Protocol)に従って提供する。より詳しくは、図4の例での配信対象コンテンツは、RSS(Really Simple Syndication又はRich Site Summary又はRDF Site Summary)フォーマットで記述されたデータである。RSSは、例えば、ウェブサイトの更新情報を簡単にまとめて配信するためのフォーマットとして利用されている。RSSのあるバージョンでは、データ形式の基礎となる枠組みとしてRDF(Resource Description Framework)を用いている。
【0037】
なお、配信対象コンテンツは、RSS準拠のサマリーデータに限るものではない。例えばAtom Syndication Format(RFC4287)に準拠したデータであってもよいし、一般的なHTMLファイルであってもよい。また、PDFファイルや、ワードプロセッサ等のアプリケーションで作成されたファイルであってもよい。
【0038】
また、コンテンツサーバ230がデータの提供(配信)に用いるプロトコルは、HTTPに限らず、FTP(File Transfer Protocol)などの他のプロトコルであってもよい。
【0039】
アクセスIDとして、配信対象コンテンツへのリンク(例えばURL)そのものを用いてもよい。しかし、リンクそのものをネットワークNAの外部に極力漏洩させないという立場を採用する場合は、アクセスIDとしては、リンクそのものを予測できない値を用いる。この場合、アクセスIDは、中継サーバ100が例えば自動採番により決定してもよい。また、この代わりに、リンクの文字列(又は配信対象コンテンツそのもの)のハッシュ値をアクセスIDとして用いれば、アクセスIDは配信対象コンテンツごとに異なったものとなる。また、リンクの文字列(又は配信対象コンテンツそのもの)と配信先(又は配信元)ユーザのIDとを組み合わせた値のハッシュ値をアクセスIDとすれば、アクセスIDは配信対象コンテンツと配信先(又は配信元)ユーザの組合せごとに異なったものとなる。また、更にアクセスID発行時の日時を組み合わせれば、配信対象コンテンツと配信先(又は配信元)ユーザの組合せが同じでも、発行ごとにアクセスIDを異ならせることができる。
【0040】
リンクDB130のデータ内容の別の例を図5に示す。この例は、配信対象コンテンツがRSS 1.0のデータ構造に従っている場合の例である。この場合、リンクDB130には、その配信対象コンテンツが含む、title(タイトル)、link(リンク)、description(ディスクリプション)、items(アイテム)の各値が、その配信対象コンテンツに対応するアクセスIDに対応づけて登録される。
【0041】
アクセス権DB140には、図6に例示するように、配信先ユーザごとに、そのユーザに与えられたアクセスIDが登録される。アクセス権DB140は、例えば、配信先ユーザがアクセス可能な配信対象コンテンツを識別するのに用いられる。配信先ユーザの欄には、配信先ユーザのユーザIDが記録される。また、図6の例では、配信先ユーザとアクセスIDのペアごとに、配信元ユーザのユーザIDを記録しているが、この配信元ユーザの情報は、例えば、そのアクセスIDの配信元を特定するのに用いられる。なお、単に配信対象コンテンツを配信先ユーザに配信するだけでよければ、配信元ユーザの情報は記録しなくてよい。
【0042】
なお、リンクDB130とアクセス権DB140とは、一体のデータベースとして構築しても良い。
【0043】
再び図2の説明に戻ると、配信指示受付部150は、配信元ユーザの操作するクライアントPC210から配信指示を受け、配信のための準備処理(配信先ユーザへのアクセスIDの送付等)を実行する(詳細は後述)。また、配信処理部160は、配信先ユーザのPC310からのアクセスIDを伴う要求に応じて、コンテンツサーバ240からコンテンツを取得し、クライアントPC310に提供する処理を行う(詳細は後述)。
【0044】
次に、図7を参照して、配信元ユーザが配信指示を行ったときの配信指示受付部150の処理の一例を説明する。なお、図7の処理が行われる前に、既に中継サーバ100に対して配信元ユーザαのユーザ登録がなされているものとする。すなわち、図7の処理の開始時点では、配信元ユーザαは、中継サーバ100に対するアカウント(例えばユーザIDと認証情報のペア)を持ち、そのアカウントの情報は中継サーバ100に登録されている。また、図7の処理手順のステップS10が開始される前に、配信元ユーザαは、そのアカウントを用いてクライアントPC210から中継サーバ100にログインしており、中継サーバ100はアカウント115を用いてネットワークNAにログインしているものとする。
【0045】
図7の手順では、まず、配信元ユーザαが、中継サーバ100に対してコンテンツサーバ230内にある配信対象コンテンツX240(図1参照)と配信先ユーザβを指定する(S10)。中継サーバ100は、この指定のための入力画面をクライアントPC210に提供する。
【0046】
例えば、配信対象コンテンツを指定するための入力画面は、例えば、ネットワークNA内のコンピュータ、フォルダ、ファイルの階層構造を表示し、その中から配信対象コンテンツのファイルを選択できるグラフィカルユーザインタフェース画面であってもよい。この場合、その入力画面には、ネットワークNA内のコンピュータ、フォルダ、ファイルのうち、配信元ユーザαがアクセス権を持つもののみを表示するようにしてもよい。配信元ユーザαがアクセス権を持つコンピュータ、フォルダ、ファイルは、ディレクトリサーバ220が保持する情報から求めればよい。また、アクセス権に段階がある場合は、配信元ユーザαが「配信可能」以上のレベルのアクセス権を持つファイルのみを表示するようにしてもよい。図1の例では、配信元ユーザαは、配信対象として選んだコンテンツX240に対して、配信可能レベル以上のアクセス権を持つものとする。
【0047】
また、配信先ユーザを指定するための入力画面は、例えば、中継サーバ100のユーザDB120に登録されたユーザのユーザ名と電子メールアドレスの一覧を表示し、その中から配信先を選択できるように構成されたグラフィカルユーザインタフェース画面でよい。選択されたユーザを示す情報は中継サーバ100に伝達される。この場合、ステップS12の判定結果はYesであり、配信指示受付部150は、ステップS14を経ずにステップS16に進む。
【0048】
また、この入力画面には、新規ユーザのユーザ名及び電子メールアドレスを入力するための入力欄が含まれていてもよい。配信元ユーザαが希望する配信先ユーザβがユーザDB120に未登録である場合には、ユーザαはその入力欄にユーザβのユーザ名及び電子メールアドレスを入力し、中継サーバ100に送信すればよい(S12の判定結果がNo)。この場合、中継サーバ100は、ユーザDB120にそのユーザβのアカウントbを作成する(S14)。すなわち、ユーザDB120に新たなアカウントのエントリを作成し、新たに生成したユーザIDの値をそのエントリのユーザID欄に、受信したユーザ名及び電子メールアドレスをそのエントリのユーザ名欄及びメールアドレス欄に、それぞれ登録する。その後、処理はステップS16に進む。
【0049】
このように配信元ユーザαからの指示に従い配信先ユーザβのアカウントを新規作成した場合、配信指示受付部150は、配信先ユーザβに対して、そのアカウントの情報(例えば配信元ユーザが入力したユーザ名とパスワード)を通知する。この通知は、そのアカウントの情報を記載した電子メールを配信先ユーザβに送信することにより行えばよい。配信先ユーザβは、受け取ったそのアカウント情報を用いて中継サーバ100にログインしてパスワードを自分の希望するものに変更し、また必要ならばユーザ名も変更することができる。また、所属部署などと言った他の情報を中継サーバ100に登録したり、変更したりすることができる。
【0050】
なお、この新規アカウント作成の通知には、そのアカウント作成の契機となった配信元ユーザを説明する情報(ユーザ名など)を含めてもよい。また、この通知を、この後ステップS20で行われるアクセスIDの通知と併せて、1つの電子メールで行ってもよい。
【0051】
ステップS16では、配信指示受付部150は、指定された配信先ユーザβに対し、指定された配信対象コンテンツX240を既に配信済みであるかどうかを、リンクDB130及びアクセス権DB140を参照して判定する。この判定では、配信対象コンテンツXに対応するアクセスIDがリンクDB130に登録されており、かつ、そのアクセスIDと配信先ユーザβとのペアがアクセス権DB140に登録されているならば、過去に配信済みと判定する(S16の判定結果がYes)。この場合、配信指示受付部150は、配信先ユーザβの電子メールアドレスに対し、過去に配信済みのそのアクセスIDを表示した電子メールを送信する(S20)。
【0052】
この例は、過去に配信対象コンテンツXを配信先ユーザβに配信済みであっても、指示されれば再びその配信対象コンテンツXに対するアクセスIDをユーザβに提供する場合の例である。この代わりに、過去に配信済みの配信対象コンテンツXを配信先ユーザβに重ねて配信することをしないように制御してもよい。この場合、ステップS16の判定結果がYesであれば、配信指示受付部150は、ステップS20は実行せずに、例えば過去に配信済みであることを示すメッセージを配信元ユーザαに返し、処理を終了すればよい。
【0053】
また、ステップS16の判定結果がYesである場合に、配信元ユーザαに対して過去にそのコンテンツを配信済みであることを通知し、同じコンテンツを再度配信するかどうかをユーザαに確認してもよい。
【0054】
過去に、配信先ユーザβに対して配信対象コンテンツXを配信していない場合は、配信指示受付部150は、その配信先ユーザβと配信対象コンテンツXとの組に対して一意なアクセスIDを生成する(S18)。そして、そのアクセスIDを配信対象コンテンツXのリンクと対応づけてリンクDB130に登録すると共に、そのアクセスIDと配信先ユーザβ(と配信元ユーザα)との組をアクセス権DB140に登録する。その後、配信指示受付部150は、配信先ユーザβに対してそのアクセスIDを電子メールにより通知する(S20)。
【0055】
ここで、アクセスIDを通知する電子メールは、例えば、アクセスIDを示す仮想的なURLを含むものでよい。仮想的なURLは、クライアントPCと中継サーバ100との間の通信プロトコルを指定する文字列(例えば”http://”)、中継サーバ100のホスト名が続き、その後にアクセスIDが続くようなものでよい。この電子メールを受け取った配信先ユーザβは、クライアントPC310上のメールクライアントソフトウエアのユーザインタフェース画面に表示されたそのURLをクリック操作等で選択することで、ウェブブラウザを介して中継サーバ100にアクセスIDを送信することができる。
【0056】
また、アクセスIDの通知手段として電子メールを用いるのはあくまで一例に過ぎない。他のプロトコルに従った通知手段を用いてもよい。
【0057】
このアクセスIDを通知する電子メールには、アクセスIDのほかに、配信先ユーザβへの説明文が含まれていてもよい。説明文は、例えば、配信元ユーザの情報及び配信対象コンテンツXの説明などを含むものでよい。配信元ユーザの情報は、例えばユーザ名や部署、役職などであり、これらはユーザDB120又はディレクトリサーバ220から取得すればよい。配信対象コンテンツXの説明は、当該コンテンツX内の属性情報から抽出(例えば、あらかじめ定められた属性項目を自動抽出)してもよいし、配信元ユーザが選択した配信対象コンテンツに対応づけて入力してもよい。
【0058】
次に図8を参照して、配信先ユーザβからの要求に応じて配信処理部160が実行する処理手順の一例を説明する。
【0059】
中継サーバ100からアクセスIDを受信した配信先ユーザβは、アクセスIDが指し示すコンテンツが必要となったときに、自分のアカウントを用いて中継サーバ100にログインし、中継サーバ100に対してそのアクセスIDを提示してコンテンツを要求する(S30)。具体的には、例えば、配信先ユーザβが、中継サーバ100から受け取った電子メールに示されるURL(中継サーバのホスト名とアクセスIDを含む)をクリックすると、クライアントPC310上のウェブブラウザが中継サーバ100に対してHTTPリクエストを送信する。中継サーバ100の配信処理部160は、このリクエストに応じ、ログイン画面をそのブラウザに返す。配信先ユーザβは、ブラウザに表示されたログイン画面に対し、自分のアカウントのユーザ名及びパスワード(あるいは他の種類の認証情報)を入力し、その入力結果の配信処理部160への送信をブラウザに指示する。この例では、以上のようにして、配信先ユーザβのアカウント情報と、要求対象のコンテンツに対応するアクセスIDとが中継サーバ100の配信処理部160に伝えられる。
【0060】
それらの情報を受けた配信処理部160は、まず入力されたアカウント情報がユーザDB120に登録された正しい情報であるかを確認する(S32。ユーザ認証)。正しくなければ、エラーメッセージをクライアントPC310のブラウザに返し(S34)、処理を終了する。また、ユーザ認証が成功すれば、ステップS30で受信したアクセスIDが、当該ユーザに対して付与されたものであるかどうかを、アクセス権DB140を参照して判定する(S36)。アクセス権DB140に、そのアクセスIDが当該ユーザのIDに対応づけて登録されていればこの判定の結果はYesとなり、ステップS40に進む。この判定の結果がNoの場合は、エラーメッセージをクライアントPC310のブラウザに返し(S38)、処理を終了する。
【0061】
ステップS36の判定結果がYesの場合、配信処理部160は、リンクDB130を参照してそのアクセスIDに対応するリンク情報を求め、そのリンク情報を用いてコンテンツサーバ230に対してコンテンツを要求する(S40)。例えば、リンクDB130のデータ内容が図4に示すようなものであり、アクセスIDが”Abc21342”であるとすると、配信処理部160は、リンク情報であるURL”http://uuu.ddd.co.jp/hoge.rss”に対応するHTTPリクエストを送出する。ここで、”uuu.ddd.co.jp”がコンテンツサーバ230のホスト名であるとすると、そのリクエストはコンテンツサーバ230に届く。
【0062】
なお、中継サーバ100はアカウント115を有しているので、そのアカウントを用いてネットワークNAにログインし、コンテンツサーバ230にログインすることができる。したがって、上述のリクエストはコンテンツサーバ230により受け付けられる。
【0063】
コンテンツサーバ230は、中継サーバ100から要求されたコンテンツが存在すれば、そのコンテンツを返し、なければそのコンテンツが存在しない旨を示すエラーメッセージを返す。このエラーメッセージを受け取った場合、配信処理部160は、エラーメッセージをクライアントPC310のブラウザに返し(S42)、処理を終了する。コンテンツサーバ230から要求に応じたコンテンツを受信した場合、配信処理部160は、そのコンテンツを、ステップS30で受信したクライアントPC310のブラウザからの要求に対する返信として、当該ブラウザに送信する(S44)。これにより、配信先ユーザβは、中継サーバ100から受信したアクセスIDに対応するコンテンツ(例えばRSSデータ)をブラウザで閲覧することができる。
【0064】
以上に説明したように、この実施形態では、配信先ユーザβがアカウントを持たないコンテンツサーバ230上のコンテンツを、中継サーバ100が取得し、配信先ユーザβに提供する。
【0065】
以上では、配信元ユーザαが1人のユーザを配信先に指定する場合を主な例として説明したが、配信元ユーザαは複数人のユーザを配信先として指定してもよい。この場合、配信元ユーザαが、それら複数の配信先ユーザに対して同一のアクセスIDを付与するか、ユーザごとに異なるアクセスID(配信対象コンテンツ自体は同一)を付与するかを指定できるようにしてもよい。
【0066】
また、同一コンテンツの配信先として複数のユーザが指定された場合に、それら各配信先ユーザに対して他の配信先ユーザの情報(例えばユーザ名)を(例えばアクセスIDの通知に含めて)通知してもよい。例えば、配信元ユーザαが配信先としてβ、γ、δを指定した場合、各配信先に対し、配信対象コンテンツがβ、γ、δに配信されたことを通知するのである。また、このような通知を行うか否かを配信元ユーザαが指定できるようにしてもよい。このような通知をしない場合、配信先ユーザには、同じコンテンツが他のどのユーザに配信されているかは分からない。
【0067】
また、同様に、配信元ユーザαが、配信先(一人又は複数人)に対する配信対象として複数のコンテンツを同時に(1つの入力画面で)指定できるようにしてもよい。この場合、アクセスIDは、コンテンツごとに異なる値とする。
【0068】
また、中継サーバ100が、ユーザに対し、そのユーザが過去に配信したコンテンツとその配信先を一覧表示した画面を提供するようにしてもよい。同様に、ユーザに、そのユーザが過去に配信を受けたコンテンツとその配信元を一覧表示した画面を提供してもよい。
【0069】
また、図1では、ネットワークNA内には1つのコンテンツサーバ230しか示されていないが、中継サーバ100は、コンテンツを提供するサーバがネットワークNA内に複数存在する場合でも、上述と同様の中継処理を行えばよい。また、1つの中継サーバ100が複数のネットワークからのコンテンツ配信を中継するようにしてももちろんよい。
【0070】
次に、実施形態の第1の変形例を説明する。上記実施形態では、配信元ユーザαが配信先ユーザβに対して配信対象コンテンツX240のリンクに対応づけられたアクセスIDを提供した。この場合、配信先ユーザβがアクセスIDを用いて要求を行えば、中継サーバ100を介してその時点でのコンテンツX(すなわち最新版)が配信先ユーザβに提供される。これに対し、この変形例では、そのように配信対象コンテンツの最新版を提供する仕組みに加え、配信指示の時点でのバージョン(いわゆるスナップショット)を提供する仕組みを提供する。最新版又は配信指示時点のバージョンのいずれを提供するかは、配信元ユーザαが、例えば中継サーバ100に配信指示を行う時点で指示する。
【0071】
図9にこの変形例における中継サーバ100の内部構成の例を示す。この例では、中継サーバ100は、図2に示した各要素の他に、コンテンツDB170を備える。コンテンツDB170には、配信元ユーザαがコンテンツの配信を指示した時点での当該コンテンツのスナップショットデータを登録する。
【0072】
コンテンツDB170に記憶されたデータ内容の一例を図10に示す。この例では、コンテンツDB170には、アクセスIDに対応づけて、配信対象コンテンツのデータ(スナップショット)を取得した日時と、配信対象コンテンツのデータそのものとが登録されている。
【0073】
この変形例では、配信指示受付部150は、配信元ユーザαから配信対象コンテンツと配信先ユーザの指定を受け付けた場合に、更に配信先ユーザが要求した時点の最新版を提供するか、又はその配信対象コンテンツの配信指示時点でのバージョンを提供するか、の指定をユーザから受け付ける。そして、配信元ユーザαが前者を指定した場合は、上記実施形態と同様、その配信対象コンテンツのリンク情報をリンクDB130に登録する。一方、配信元ユーザαが後者を指定した場合は、配信指示受付部150は、アカウント115を用いてコンテンツサーバ230にアクセスし、その配信対象コンテンツのリンク情報が指し示すコンテンツをコンテンツサーバ230から取得する。そして、取得したコンテンツを、アクセスIDとその時点の日時とに対応づけて、コンテンツDB170に登録する。このように、配信元ユーザαからの1つの配信指示に対しては、リンクがリンクDB130に登録されるか、その時点でのコンテンツそのものがコンテンツDB170に登録されるかの一方になる。
【0074】
また、この変形例では、配信処理部160は、配信先ユーザβからアクセスIDを伴うコンテンツ要求を受けた場合、リンクDB130及びコンテンツDB170からそのアクセスIDを含むエントリを検索する。この検索によりリンクDB130からリンクが検索された場合は、配信処理部160はそのリンクを用いてコンテンツサーバ230からコンテンツを取得して配信先ユーザβのクライアントPC310に提供する。一方、この検索によりコンテンツDB170からコンテンツが検索された場合は、そのコンテンツを配信先ユーザβのクライアントPC310に提供する。
【0075】
このようにコンテンツのスナップショットを配信する場合、中継サーバ100は、過去に配信先ユーザβに対し配信対象コンテンツのスナップショットを配信したことがある場合には、その中の最新のスナップショットと今回の配信指示時点のスナップショットとの差分を求め、その差分のみを配信先ユーザβに提供してもよい。また、中継サーバ100は、その差分を強調表示するよう配信対象コンテンツのスナップショットの内容を変更し、変更後の配信対象コンテンツを配信先ユーザβに提供するようにしてもよい。
【0076】
次に第2の変形例を説明する。この変形例では、配信元ユーザαが、配信対象コンテンツに対する配信先ユーザβのアクセス権の有無だけでなく、そのアクセス権の種類を指定する。
【0077】
アクセス権の種類には、例えば「閲覧可能」、「編集可能」、「再配布可能」、「コメント可能」、「トラックバック可能」などがある。「再配布可能」のアクセス権が付与された場合、配信先ユーザβは、配信対象コンテンツを、中継サーバ100を介して他のユーザに再配布することができる。
【0078】
また、「コメント可能」のアクセス権が付与された場合、配信先ユーザβは配信されたコンテンツに対してコメントを登録することができる。例えばコンテンツがブログである場合、ブログを閲覧したユーザはそのブログに対してコメントを入力することができる。入力されたコメントは、そのブログに対応づけてブログサーバに登録される。登録されたコメントは、例えばブログの内容の後に表示される。
【0079】
また、「トラックバック可能」のアクセス権が付与された場合、配信先ユーザβは配信されたコンテンツに対してトラックバックを行うことができる。トラックバックは、例えばブログの一機能としてよく知られている。トラックバックは、ブログ(ブログAと呼ぶ)を読んだユーザが自分自身のブログ(ブログBと呼ぶ)の中でブログAについて言及した場合に、ブログBのURLをブログA側のサーバに伝え、ブログAにブログBへのリンクを組み込ませる機能である。
【0080】
このように配信対象コンテンツについてのアクセス権として配信先ユーザβに対してどのような種類のアクセス権を付与するかは、例えば配信指示を行うときに配信元ユーザαが中継サーバ100に対して指定すればよい。中継サーバ100は、配信指示のための入力画面の1つとして、アクセス権の種類を指定する画面を提供し、その画面に対して配信元ユーザが選択したアクセス権の種類の情報を取得し、それを例えばアクセス権DB140に登録すればよい。この場合、アクセス権DB140には、例えば図11に示すように、「アクセス権」の欄に、配信元ユーザが付与したアクセス権の種類のリストが登録される。図示例では、記号C,T,R,E,Dは、順に、コメント可能、トラックバック可能、閲覧(のみ)可能、編集可能、再配布可能を意味する。
【0081】
中継サーバ100は、アクセスIDを配信先ユーザβに通知する際に、配信先ユーザβに与えられたアクセス権の種類を併せて通知してもよい。
【0082】
この変形例では、配信先ユーザβが配信されたコンテンツに対して編集、再配布、コメント入力、トラックバックなどの操作を行った場合、その操作指示(例えば編集後のコンテンツ、再配布指示、コメント内容、トラックバックするURLなど)がクライアントPC310から中継サーバ100に送信される。このとき操作指示は、アクセスIDと対応づけて中継サーバ100に送信される。この送信は、例えば、クライアントPC310上のウェブブラウザ(及び場合によってはそのコンテンツに埋め込まれたプログラム)の機能により実現される。
【0083】
この変形例では、中継サーバ100の配信処理部160は、図12に示すように、配信先のクライアントPC310からコンテンツに対する操作指示を受け取ると(S50)、その操作指示が、そのコンテンツに対して配信先ユーザβに付与されたアクセス権の種類に適合するかどうかを判定する(S52)。このとき、配信処理部160は、その配信先ユーザβに付与されたそのコンテンツ(アクセスIDにより特定される)に対するアクセス権の種類をアクセス権DB140から求め、配信先ユーザβから送信された操作指示がそれら求めた種類のいずれかに適合するかどうかを判定する。配信先ユーザからの操作指示が、そのユーザに認められたアクセス権の種類のいずれにも適合しない場合、配信処理部160は、配信先ユーザβに対して、例えば「あなたが指示した操作は許可されていません」などのエラーメッセージを返す(S54)。
【0084】
一方、配信先ユーザからの操作指示が、そのユーザに認められたアクセス権の種類のいずれかに適合した場合は、中継サーバ100は、コンテンツサーバ230内の当該アクセスIDに対応するリンクが指し示すコンテンツX240にアクセスし、そのコンテンツX240に対してその操作指示に応じた操作を行う(S56)。例えば、配信先ユーザβからの操作指示がコンテンツに対する編集指示である場合、配信処理部160は、その編集指示に従ってそのコンテンツに対して編集を行い、その編集結果をコンテンツサーバ230に書き戻す。また、操作指示がコンテンツの再配布指示である場合、配信先ユーザβから指定された再配布先のユーザの電子メールアドレスに対し、当該アクセスIDを示した電子メールを送信する。また、操作指示がコンテンツに対するコメント入力指示である場合、そのコメント指示に含まれるコメント内容を、アクセスIDに対応するリンクが指し示すコンテンツX240に登録する。また、操作指示がコンテンツに対するトラックバック指示である場合、そのトラックバック指示に含まれる配信先ユーザβのサイトのURLを、当該コンテンツに示されたトラックバックURLに対して送信する。
【0085】
なお、このように中継サーバ100を介したトラックバックを実現するには、例えば、配信処理部160が、コンテンツサーバ230からコンテンツ(例えばブログ)を取得して配信先ユーザβに送信する際に、そのコンテンツに含まれるトラックバックURLを変更すればよい。すなわち、コンテンツサーバ230から取得したコンテンツには、一般には、コンテンツサーバ230内のトラックバック処理アプリケーションと当該コンテンツを一意に示す識別情報との組を指し示すトラックバックURL(原URLと呼ぶ)が含まれる。ここで、配信先ユーザβがそのトラックバックURLに対してトラックバックを指示したとしても、配信先ユーザβはネットワークNA及びコンテンツサーバ230へのアクセス権を持たないので、配信元がトラックバックを許可していた場合でもそのトラックバック指示は受け付けられない。そこで、中継サーバ100の配信処理部160が、コンテンツサーバ230から取得した配信対象コンテンツの中のトラックバックURLを、中継サーバ100内のトラックバック処理アプリケーションと原URLを一意に示す識別情報との組を指し示すURL(変更後URLと呼ぶ)に書き換えた上で、そのコンテンツを配信先ユーザβに送信する。このとき、配信処理部160は、原URLと変更後URLとの対応関係を記憶しておく。このようにすれば、配信先ユーザβがその変更後URLに対するトラックバックを指示すると、そのトラックバック指示は中継サーバ100のトラックバック処理アプリケーションに届く。このアプリケーションは、上述の対応関係の情報からその変更後URLに対応する原URLを求め、その原URLに対してそのトラックバック指示を送る。これにより、配信先ユーザβからコンテンツサーバ230内の配信対象コンテンツXへのトラックバックが実現される。
【0086】
以上のようにして中継サーバ100を介してコンテンツサーバ230内の配信対象コンテンツXに対して配信先ユーザβから操作が行われた場合、中継サーバ100は、その操作についてのログを記録してもよい。ログには、例えば操作対象のコンテンツを表すアクセスID、操作の種類、操作日時などを記録すればよい。このログは、各ユーザから閲覧できるようにしても良い。この場合、ユーザに閲覧可能とするログ内容を、当該ユーザが配信元又は配信先であるコンテンツについてのログ内容のみに限定してもよい。
【0087】
また、この変形例では、中継サーバ100は、配信先ユーザβからの指示に対して配信対象コンテンツに対して操作を行った場合に、その操作についての情報を配信元ユーザαに対して例えば電子メールで通知してもよい。通知する操作についての情報は、例えば実行した操作の種類であり、更に操作のパラメータ(例えば再配信先)を含んでいてもよい。また、この場合、配信元ユーザαがそのような通知を希望するかどうかを中継サーバ100に指定できるようにしてもよい。
【0088】
また、配信対象コンテンツに対する配信先ユーザからの編集操作に応じてコンテンツサーバ230内の配信対象コンテンツを編集する場合に、元の配信対象コンテンツをバックアップ(予備)としてコンテンツサーバ230内に残すようにしてもよい。またそのようなバックアップを残すかどうかを配信元ユーザが中継サーバ100にあらかじめ指定できるようにしてもよい。
【0089】
次に第3の変形例を説明する。この変形例では、配信対象コンテンツが過去に配信先ユーザβに配信済みの他のコンテンツ(既配信コンテンツと呼ぶ)に対してどのような関係にあるかを、配信元ユーザαが中継サーバ100に対して指定する。そして、中継サーバ100が、その関係の情報を記録し、その情報に基づき配信元ユーザα又は配信先ユーザβに対しサービスを提供する。配信対象コンテンツと既配信コンテンツとの関係には、例えば前者が後者の改訂版であるという関係や、前者が後者の添付文書であるという関係など、様々なものが考えられる。
【0090】
この変形例では、中継サーバ100に、コンテンツ関係DB(図示省略)を設ける。コンテンツ関係DBのデータ内容の一例を図13に示す。この例では、コンテンツ関係DBには、図13に示すように、配信対象コンテンツごとに、これに対して関係を持つ既配信コンテンツと、配信対象コンテンツが既配信コンテンツに対する関係を示す情報とが登録される。図示の例では、配信対象コンテンツ及び既配信コンテンツは、アクセスIDで表されている。また、ユーザが配信対象コンテンツ及び既配信コンテンツを識別しやすくするために、それら各コンテンツの内容を説明する情報(例えばタイトルなど)を併せて登録しておいてもよい。
【0091】
この変形例では、配信指示受付部150は、配信元ユーザαに対し、既配信コンテンツに対する配信対象コンテンツの関係を入力する入力画面を提供すればよい。図14にそのような入力画面400の一例を示す。この例では、入力画面400には、配信先ユーザβに対して当該配信元ユーザαが過去に配信したことがあるコンテンツ(既配信コンテンツ。ノード412a〜412c)同士を、それらコンテンツ同士の関係を示す矢印で結んだ関係グラフ410が表示される。アクセス権DB140には、過去に配信したコンテンツのアクセスIDに対応づけて、配信元と配信先が記録されているので、これとコンテンツ関係DBの情報を組み合わせて関係グラフ410を作成すればよい。ノード412a〜412cはクリック操作などで選択可能となっており、配信元ユーザαは、今回の配信対象コンテンツと関係づけたい他のコンテンツのノードがそのグラフ410にあれば、そのノードを選択する。ここで、各ノードに既配信コンテンツをリンクしておき、配信元ユーザαの指示に応じて既配信コンテンツを表示し、ユーザαが既配信コンテンツの内容を確認できるようにしてもよい。
【0092】
また、配信元ユーザαは、選択した既配信コンテンツに対して今回の配信対象コンテンツがどのような関係にあるかを、関係の種類のリスト430から選択する。指定したい関係が既存の選択肢になければ、その他を選び、指定したい関係を表す語句を入力すればよい。配信対象コンテンツと関係づけたい既配信コンテンツが関係グラフ410中になければ、その旨を示すラジオボタン420を選択すればよい(この場合、リスト430からの選択は不要)。このような入力画面に対する入力結果を配信指示受付部150に送信すれば、配信指示受付部150はその関係をコンテンツ関係DBに登録する。また、配信指示受付部150は、その関係を表す説明文(例えば「***の改訂版です」)をアクセスIDと共に配信先ユーザβに通知してもよい。
【0093】
以上に説明した中継サーバ100は、一つの例では、汎用のコンピュータに上述の処理を表すプログラムを実行させることにより実現される。ここで、コンピュータは、例えば、ハードウエアとして、CPU等のマイクロプロセッサ、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびリードオンリメモリ(ROM)等のメモリ(一次記憶)、HDD(ハードディスクドライブ)コントローラを経由して接続されたHDD、各種I/O(入出力)インタフェース等が、バスを介して接続された回路構成を有する。バスには、ローカルエリアネットワーク等のネットワークに接続するためのネットワークインタフェースが接続されていてもよい。また、そのバスに対し、例えばI/Oインタフェース経由で、CDやDVDなどの可搬型ディスク記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのディスクドライブ、フラッシュメモリなどの各種規格の可搬型の不揮発性記録媒体に対する読み取り及び/又は書き込みのためのメモリリーダライタなどが接続されてもよい。上に例示した各機能モジュールの処理内容が記述されたプログラムがCDやDVD等の記録媒体を経由して、又はネットワーク等の通信手段経由で、ハードディスクドライブ等の固定記憶装置に保存され、コンピュータにインストールされる。インストールされたプログラムがRAMに読み出されCPU等のマイクロプロセッサにより実行されることにより、上に例示した中継サーバ100の機能が実現される。
【符号の説明】
【0094】
100 中継サーバ、110 アカウント記憶部、115 コンテンツサーバへのアカウント、120 ユーザDB、130 リンクDB、140 アクセス権DB、150 配信指示受付部、160 配信処理部、200 ネットワークNA、210 クライアントPC、220 ディレクトリサーバ、230 コンテンツサーバ、240 コンテンツ、300 ネットワークNB、310 クライアントPC。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報中継装置であって、
情報記憶装置に対する当該情報中継装置のアカウント情報を記憶する第1の記憶手段と、
情報記憶装置が記憶する配信対象情報を配信先のユーザに配信する配信指示を配信元のユーザから受けた場合に、前記配信対象情報に対応づけられたアクセス識別情報に対応づけて、前記配信先のユーザのユーザ識別情報を第2の記憶手段に記憶すると共に、前記アクセス識別情報を前記配信先のユーザに送信するアクセス識別情報送信手段と、
前記配信先のユーザから、当該ユーザのユーザ識別情報及びアクセス識別情報に対応づけられた情報配信要求を受信した場合に、当該アクセス識別情報が当該ユーザ識別情報に対応づけて前記第2の記憶手段に記憶されていれば、前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置から当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報を取得し、取得した前記配信対象情報を前記配信先のユーザに送信する配信対象情報送信手段と、
を備える情報中継装置。
【請求項2】
前記配信元のユーザから、前記配信対象情報について前記配信先のユーザに付与するアクセス権の種類の指定を受け付けて第3の記憶手段に記憶するアクセス権指定受付手段と、
前記配信先のユーザから前記配信対象情報に対する操作指示を受信した場合に、その操作指示が前記第3の記憶手段に記憶された、前記配信対象情報について前記配信先のユーザに付与されたアクセス権の種類に適合する場合にのみ、その操作指示に応じて前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置にアクセスし、前記情報記憶装置に記憶された当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報に対し、その操作指示に応じた操作を行う操作手段と、
を更に備える請求項1記載の情報中継装置。
【請求項3】
前記配信対象情報送信手段は、前記情報記憶装置から取得した配信対象情報に第1のトラックバックURLが含まれる場合、前記配信対象情報中の前記第1のトラックバックURLを、当該情報中継装置のホスト名と前記第1のトラックバックURLに対応づけられた識別情報とを含む第2のトラックバックURLに書き換え、この書き換えの後の配信対象情報を前記配信先のユーザに送信し、
前記操作手段は、前記配信先のユーザから前記操作指示として前記第2のトラックバックURLに対するトラックバック指示を受け取った場合において、前記配信先のユーザにトラックバックを許可するアクセス権が与えられている場合には、前記第2のトラックバックURLに対応づけられた前記第1のトラックバックURLに対して前記トラックバック指示に応じたトラックバックを行う、
ことを特徴する請求項2記載の情報中継装置。
【請求項4】
前記アクセス識別情報送信手段は、更に、前記配信元のユーザからの前記配信指示として、当該配信指示の時点での前記配信対象情報を前記配信先のユーザに配信する旨の指示を受けた場合に、前記前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置から当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報を取得し、取得した配信対象情報を前記アクセス識別情報に対応づけて第4の記憶手段に記憶し、
前記配信対象情報送信手段は、更に、前記配信先のユーザから、当該ユーザのユーザ識別情報及びアクセス識別情報に対応づけられた情報配信要求を受信した場合に、当該アクセス識別情報が当該ユーザ識別情報に対応づけて前記第2の記憶手段に記憶されており、かつ、前記アクセス識別情報に対応する配信対象情報が前記第4の記憶手段に記憶されていれば、前記第4の記憶手段に記憶された前記配信対象情報を前記配信先のユーザに送信する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報中継装置。
【請求項5】
過去に受けた各配信指示に係る配信元のユーザと配信先のユーザと配信対象情報との関係を記録する記録手段と、
今回の配信指示に係る配信元のユーザと配信先のユーザとについて、当該配信元のユーザが当該配信先のユーザに対して過去に配信した配信対象情報を前記記録手段から求め、求めたそれら配信対象情報のうち今回の配信指示に係る配信対象情報に関係する配信対象情報と、これら配信対象情報同士の関係と、の指定を前記配信元のユーザから受け付ける受付手段と、
を備え、
前記アクセス識別情報送信手段は、前記受付手段が受けた指定の内容を示す情報を前記アクセス識別情報に対応づけて前記配信先のユーザに送信する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報中継装置。
【請求項6】
コンピュータを情報中継装置として機能させるためのプログラムであって、当該コンピュータを、
情報記憶装置に対する当該情報中継装置のアカウント情報を記憶する第1の記憶手段、
情報記憶装置が記憶する配信対象情報を配信先のユーザに配信する配信指示を配信元のユーザから受けた場合に、前記配信対象情報に対応づけられたアクセス識別情報に対応づけて、前記配信先のユーザのユーザ識別情報を第2の記憶手段に記憶すると共に、前記アクセス識別情報を前記配信先のユーザに送信するアクセス識別情報送信手段、
前記配信先のユーザから、当該ユーザのユーザ識別情報及びアクセス識別情報に対応づけられた情報配信要求を受信した場合に、当該アクセス識別情報が当該ユーザ識別情報に対応づけて前記第2の記憶手段に記憶されていれば、前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置から当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報を取得し、取得した前記配信対象情報を前記配信先のユーザに送信する配信対象情報送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
情報中継装置であって、
情報記憶装置に対する当該情報中継装置のアカウント情報を記憶する第1の記憶手段と、
情報記憶装置が記憶する配信対象情報を配信先のユーザに配信する配信指示を配信元のユーザから受けた場合に、前記配信対象情報に対応づけられたアクセス識別情報に対応づけて、前記配信先のユーザのユーザ識別情報を第2の記憶手段に記憶すると共に、前記アクセス識別情報を前記配信先のユーザに送信するアクセス識別情報送信手段と、
前記配信先のユーザから、当該ユーザのユーザ識別情報及びアクセス識別情報に対応づけられた情報配信要求を受信した場合に、当該アクセス識別情報が当該ユーザ識別情報に対応づけて前記第2の記憶手段に記憶されていれば、前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置から当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報を取得し、取得した前記配信対象情報を前記配信先のユーザに送信する配信対象情報送信手段と、
を備える情報中継装置。
【請求項2】
前記配信元のユーザから、前記配信対象情報について前記配信先のユーザに付与するアクセス権の種類の指定を受け付けて第3の記憶手段に記憶するアクセス権指定受付手段と、
前記配信先のユーザから前記配信対象情報に対する操作指示を受信した場合に、その操作指示が前記第3の記憶手段に記憶された、前記配信対象情報について前記配信先のユーザに付与されたアクセス権の種類に適合する場合にのみ、その操作指示に応じて前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置にアクセスし、前記情報記憶装置に記憶された当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報に対し、その操作指示に応じた操作を行う操作手段と、
を更に備える請求項1記載の情報中継装置。
【請求項3】
前記配信対象情報送信手段は、前記情報記憶装置から取得した配信対象情報に第1のトラックバックURLが含まれる場合、前記配信対象情報中の前記第1のトラックバックURLを、当該情報中継装置のホスト名と前記第1のトラックバックURLに対応づけられた識別情報とを含む第2のトラックバックURLに書き換え、この書き換えの後の配信対象情報を前記配信先のユーザに送信し、
前記操作手段は、前記配信先のユーザから前記操作指示として前記第2のトラックバックURLに対するトラックバック指示を受け取った場合において、前記配信先のユーザにトラックバックを許可するアクセス権が与えられている場合には、前記第2のトラックバックURLに対応づけられた前記第1のトラックバックURLに対して前記トラックバック指示に応じたトラックバックを行う、
ことを特徴する請求項2記載の情報中継装置。
【請求項4】
前記アクセス識別情報送信手段は、更に、前記配信元のユーザからの前記配信指示として、当該配信指示の時点での前記配信対象情報を前記配信先のユーザに配信する旨の指示を受けた場合に、前記前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置から当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報を取得し、取得した配信対象情報を前記アクセス識別情報に対応づけて第4の記憶手段に記憶し、
前記配信対象情報送信手段は、更に、前記配信先のユーザから、当該ユーザのユーザ識別情報及びアクセス識別情報に対応づけられた情報配信要求を受信した場合に、当該アクセス識別情報が当該ユーザ識別情報に対応づけて前記第2の記憶手段に記憶されており、かつ、前記アクセス識別情報に対応する配信対象情報が前記第4の記憶手段に記憶されていれば、前記第4の記憶手段に記憶された前記配信対象情報を前記配信先のユーザに送信する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報中継装置。
【請求項5】
過去に受けた各配信指示に係る配信元のユーザと配信先のユーザと配信対象情報との関係を記録する記録手段と、
今回の配信指示に係る配信元のユーザと配信先のユーザとについて、当該配信元のユーザが当該配信先のユーザに対して過去に配信した配信対象情報を前記記録手段から求め、求めたそれら配信対象情報のうち今回の配信指示に係る配信対象情報に関係する配信対象情報と、これら配信対象情報同士の関係と、の指定を前記配信元のユーザから受け付ける受付手段と、
を備え、
前記アクセス識別情報送信手段は、前記受付手段が受けた指定の内容を示す情報を前記アクセス識別情報に対応づけて前記配信先のユーザに送信する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報中継装置。
【請求項6】
コンピュータを情報中継装置として機能させるためのプログラムであって、当該コンピュータを、
情報記憶装置に対する当該情報中継装置のアカウント情報を記憶する第1の記憶手段、
情報記憶装置が記憶する配信対象情報を配信先のユーザに配信する配信指示を配信元のユーザから受けた場合に、前記配信対象情報に対応づけられたアクセス識別情報に対応づけて、前記配信先のユーザのユーザ識別情報を第2の記憶手段に記憶すると共に、前記アクセス識別情報を前記配信先のユーザに送信するアクセス識別情報送信手段、
前記配信先のユーザから、当該ユーザのユーザ識別情報及びアクセス識別情報に対応づけられた情報配信要求を受信した場合に、当該アクセス識別情報が当該ユーザ識別情報に対応づけて前記第2の記憶手段に記憶されていれば、前記第1の記憶手段に記憶された前記アカウント情報を用いて前記情報記憶装置から当該アクセス識別情報に対応づけられた前記配信対象情報を取得し、取得した前記配信対象情報を前記配信先のユーザに送信する配信対象情報送信手段、
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−191807(P2010−191807A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36900(P2009−36900)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]