説明

情報処理システム、メッセージ管理方法及びメッセージ管理プログラム

【課題】被監視装置から監視装置へのメッセージの転送負荷を軽減し、監視装置にメッセージを効率的に管理させる。
【解決手段】被監視装置10Aは、各状態を検出する状態検出部11と、検出情報からメッセージを生成するメッセージ生成部12と、メッセージと識別子とを記憶するメッセージ記憶部16と、生成されたメッセージが記憶部16に記憶されているメッセージに一致するか否かを判別するメッセージ判別部13と、記憶部16に識別子が記憶されている場合に識別子を読み出し、記憶されていない場合に新識別子を生成する識別子生成読み出し部14Aと、識別子とメッセージとを送信する送信部15とを備える。監視装置20Aは、受信部21と、識別子とメッセージとを共に受信した際に識別子とメッセージを記憶する識別子記憶部26と、識別子のみを受信した際に識別子記憶部26からメッセージを読み出すメッセージ復元部23Aと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメッセージを管理する機能を備えた情報処理システム、この情報処理システムにおけるメッセージ管理方法及びメッセージ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシステムが大規模化するにつれて、システムを維持するために必要な監視対象の数が増加し、監視する内容が複雑化している。それに伴い、システム全体を管理する管理サーバに、システムの状態を通知するメッセージの量が増加して、ネットワークに過剰な負荷がかかる場合がある。また、メッセージの集約や抽出等を処理するために、管理サーバに過剰な負荷がかかる場合がある。
【0003】
メッセージを送信する際に、新規メッセージにID(Identification)を付加して保存し、以後同一メッセージについてはIDだけを送信する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、メッセージを集約する処理として、監視システムの状態が変化することに応じて発行されるメッセージを発生順に保存し、新規発行されたメッセージと一致する最も古いメッセージを検索して、検索されたメッセージから新規発行されたメッセージまでの全メッセージを削除する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−099522号公報
【特許文献2】特開2007−183904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載されている技術では、発生確率の大小に関係なくメッセージIDを割り当てるため、メッセージIDの種類が増加し過ぎて、システムの効率が悪化する可能性がある。
【0007】
また、特許文献2に記載されている技術では、システムの状態を管理するために必要なメッセージを削除する可能性があり、システムの状態を全て監視することができないおそれがある。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、被監視装置から監視装置へのメッセージの転送負荷を軽減し、監視装置がメッセージを効率的に管理することができる情報処理システム、メッセージ管理方法及びメッセージ管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の観点に係るメッセージを管理する機能を備えた情報処理システムは、
監視装置と被監視装置とがネットワークを介して接続され、メッセージを管理する機能を備えた情報処理システムにおいて、
前記被監視装置は、
前記被監視装置の内部状態、及び/又は、前記被監視装置に接続された装置の状態、及び/又は、前記被監視装置が接続されたネットワークの状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段によって検出された状態を示すメッセージを生成するメッセージ生成手段と、
メッセージと該メッセージに対応した識別子とを記憶するメッセージ記憶手段と、
前記メッセージ生成手段によって生成されたメッセージが、前記メッセージ記憶手段に記憶された何れかのメッセージと一致するか否かを判別をするメッセージ判別手段と、
前記メッセージ判別手段によって一致すると判別されたことに応答して、前記メッセージ記憶手段から前記メッセージに対応した識別子を読み出し、前記メッセージ判別手段によって一致しないと判別されたことに応答して、前記メッセージ記憶手段に記憶されていない新しい識別子を生成し、生成された新しい前記識別子と前記メッセージとを対応させて前記メッセージ記憶手段に記憶させる識別子生成読み出し手段と、
前記識別子生成読み出し手段によって読み出された前記識別子又は、生成された新しい前記識別子と該識別子に対応した前記メッセージとを送信する送信手段とを備え、
前記監視装置は、
前記送信手段によって送信された前記識別子又は、前記識別子と前記メッセージとを受信する受信手段と、
メッセージと該メッセージに対応した識別子とを記憶する識別子記憶手段と、
前記受信手段によって前記識別子と前記メッセージとが受信されたことに応答して、前記受信手段で受信された識別子とメッセージとを前記識別子記憶手段に記憶させ、前記受信手段によって前記識別子のみが受信されたことに応答して、前記識別子記憶手段から前記識別子に対応したメッセージを読み出すメッセージ復元手段と、
受信された前記メッセージ又は、読み出された前記メッセージに基づいて、各前記状態に応じた処理を行う監視処理手段とを備える、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の観点に係る情報処理システムのメッセージ管理方法は、
監視装置と被監視装置とがネットワークを介して接続された情報処理システムのメッセージ管理方法において、
前記被監視装置が、前記被監視装置の内部状態、及び/又は、前記被監視装置に接続された装置の状態、及び/又は、前記被監視装置が接続されたネットワークの状態を検出する状態検出ステップと、
前記被監視装置が、前記状態検出ステップによって検出された状態を示すメッセージを生成するメッセージ生成ステップと、
前記被監視装置が、メッセージと該メッセージに対応した識別子とを記憶領域に記憶するメッセージ記憶ステップと、
前記被監視装置が、前記メッセージ生成ステップで生成されたメッセージが、前記メッセージ記憶ステップによって前記記憶領域に記憶された何れかのメッセージと一致するか否かを判別をするメッセージ判別ステップと、
前記被監視装置が、前記メッセージ判別ステップによって一致すると判別されたことに応答して、前記記憶領域から前記メッセージに対応した識別子を読み出し、前記メッセージ判別ステップによって一致しないと判別されたことに応答して、前記記憶領域に記憶されていない新しい識別子を生成し、生成された新しい前記識別子と前記メッセージとを対応させて前記記憶領域に記憶させる識別子生成読み出しステップと、
前記被監視装置が、前記識別子生成読み出しステップによって読み出された前記識別子又は、生成された新しい前記識別子と該識別子に対応した前記メッセージとを送信する送信ステップと、
前記監視装置が、前記送信ステップによって送信された前記識別子又は、前記識別子と前記メッセージとを受信する受信ステップと、
前記監視装置が、メッセージと該メッセージに対応した識別子とを識別子記憶領域に記憶する識別子記憶ステップと、
前記監視装置が、前記受信ステップによって前記識別子と前記メッセージとが受信されたことに応答して、前記受信ステップによって受信された識別子とメッセージとを前記識別子記憶領域に記憶させ、前記受信ステップによって前記識別子のみが受信されたことに応答して、前記識別子記憶領域から前記識別子に対応したメッセージを読み出すメッセージ復元ステップと、
前記監視装置が、受信した前記メッセージ又は、読み出された前記メッセージに基づいて、各前記状態に応じた処理を行う監視処理ステップとを含む、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
監視用コンピュータと監視対象であるコンピュータとがネットワークを介して接続され、メッセージを監視する機能を備えた情報処理システムにおいて、
前記監視対象であるコンピュータを、
前記被監視装置の内部状態、及び/又は、前記被監視装置に接続された装置の状態、及び/又は、前記被監視装置が接続されたネットワークの状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段によって検出された状態を示すメッセージを生成するメッセージ生成手段と、
メッセージと該メッセージに対応した識別子とを記憶するメッセージ記憶手段と、
前記メッセージ生成手段によって生成されたメッセージが、前記メッセージ記憶手段に記憶された何れかのメッセージと一致するか否かを判別をするメッセージ判別手段と、
前記メッセージ判別手段によって一致すると判別されたことに応答して、前記メッセージ記憶手段から前記メッセージに対応した識別子を読み出し、前記メッセージ判別手段によって一致しないと判別されたことに応答して、前記メッセージ記憶手段に記憶されていない新しい識別子を生成し、生成された新しい前記識別子と前記メッセージとを対応させて前記メッセージ記憶手段に記憶させる識別子生成読み出し手段と、
前記識別子生成読み出し手段によって読み出された前記識別子又は、生成された新しい前記識別子と該識別子に対応した前記メッセージとを送信する送信手段として機能させることを特徴とする。
【0012】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
監視用コンピュータと監視対象であるコンピュータとがネットワークを介して接続され、メッセージを監視する機能を備えた情報処理システムにおいて、
前記監視用コンピュータを、
前記送信手段によって送信された前記識別子又は、前記識別子と前記メッセージとを受信する受信手段と、
メッセージと該メッセージに対応した識別子とを記憶する識別子記憶手段と、
前記受信手段によって前記識別子と前記メッセージとが受信されたことに応答して、前記受信手段によって受信された識別子とメッセージとを前記識別子記憶手段に記憶させ、前記受信手段によって前記識別子のみが受信されたことに応答して、前記識別子記憶手段から前記識別子に対応したメッセージを読み出すメッセージ復元手段と、
受信された前記メッセージ又は、読み出された前記メッセージに基づいて、各前記状態に応じた処理を行う監視処理手段として機能させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
被監視装置から監視装置へのメッセージの転送負荷を軽減し、監視装置がメッセージを効率的に管理することができる情報処理システム、メッセージ管理方法及びメッセージ管理プログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るメッセージ管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】生成されたメッセージの一例を示す図である。
【図3】メッセージ記憶部のテーブルの一例を示す図表である。
【図4】送信用データの一例を示す図である。
【図5】更新後のメッセージ記憶部のテーブルの一例を示す図表である。
【図6】分類条件の一例を示す図である。
【図7】メッセージを送信する処理を示すフローチャートである。
【図8】メッセージを受信する処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るメッセージ管理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】メッセージ記憶部のテーブルの一例を示す図である。
【図11】更新後のメッセージ記憶部のテーブルの一例を示す図である。
【図12】識別子削除後の識別子記憶部の情報を示す図である。
【図13】識別子記憶部のテーブルの一例を示す図である。
【図14】更新後の識別子記憶部のテーブルの一例を示す図である。
【図15】メッセージを送信する処理を示すフローチャートである。
【図16】メッセージを受信する処理を示すフローチャートである。
【図17】グループの分類結果の一例を示す図である。
【図18】グループの分類結果の一例を示す図である。
【図19】識別子を削除する処理を示すフローチャートである。
【図20】ハ−ドウェアの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係るメッセージを管理する機能を備えた情報処理システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るメッセージを管理する機能を備えた情報処理システム100Aは、図1に示すように、ネットワークに接続された複数の被監視装置10Aと、監視装置20Aとを備える。
【0017】
被監視装置10Aは、状態検出部11と、メッセージ生成部12と、メッセージ判別部13と、識別子生成読み出し部14Aと、送信部15と、メッセージ記憶部16とを備える。
【0018】
状態検出部11は、被監視装置10Aの内部状態、被監視装置10Aに接続された各種の装置の状態及び、被監視装置10Aが接続されたネットワークの状態を検出して、検出された内容をメッセージ生成部12に出力する。
【0019】
例えば、被監視装置10Aがルータやスイッチ等の場合には、状態検出部11は、インターフェース毎のトラフィック、パケットロスやコリジョンの頻度等の状態を検出する。
例えばまた、被監視装置10Aがサーバの場合には、状態検出部11は、空きディスク容量、CPUの稼働状況、ユーザ数、稼働しているアプリケーション、サービス毎のトランザクション数やエラーの状況等を検出する。
例えば、被監視装置10Aにプリンター、コピー機等が接続されている場合には、状態検出部11は、被監視装置10Aに接続されているプリンター、コピー機等の稼働状況、インク不足、用紙不足、エラー発生状況等を検出する。
【0020】
なお、状態検出部11は、被監視装置10Aの内部状態、被監視装置10Aに接続された各種の装置の状態及び、被監視装置10Aが接続されたネットワークの状態のうちのいずれか1つまたは2つの状態を検出して、検出された内容をメッセージ生成部12に出力するものであっても良い。
【0021】
メッセージ生成部12は、状態検出部11が検出した監視対象の状態を示す情報に基づいて、図2に示すような、イベントやシステムの状況を示すメッセージを生成し、メッセージ判別部13に出力する。
【0022】
メッセージ判別部13は、メッセージ生成部12で生成されたメッセージと一致するメッセージがメッセージ記憶部16に記憶されているか否かを判別し、判別した結果を識別子生成読み出し部14Aに出力する。
例えば、メッセージ記憶部16は、図3に示すように、識別子とメッセージとを組みにして記憶している。メッセージ判別部13は、メッセージ生成部12から、「aaaa was ccc」(図2の1行目)のメッセージが生成されたことに応答して、メッセージ記憶部16に記憶されたメッセージ(図3の1行目の識別子「1」)と一致すると判別する。
例えばまた、メッセージ判別部13は、メッセージ生成部12から「xxxx host2 zzzzz」(図2の4行目)のメッセージが生成されたことに応答して、メッセージ記憶部16に記憶されているメッセージと一致しないと判別する。
【0023】
識別子生成読み出し部14Aは、メッセージ判別部13がメッセージ記憶部16に記憶されているメッセージと一致すると判別したことに応答して、メッセージ記憶部16から該メッセージに対応した識別子を読み出す。識別子生成読み出し部14Aは、図4(a)に示すように、読み出した識別子に、被監視装置10に接続されている装置別の識別番号や時刻等の情報を付加した送信用データを作成し、送信部15へ出力する。例えば、図4(a)では、装置別の識別番号「M−21」と時刻「2008・05・15 13:12:11」が識別子「1」に付加されている。
【0024】
また、識別子生成読み出し部14Aは、メッセージ判別部13がメッセージ記憶部16に記憶されているメッセージと一致しないと判別したことに応答して、メッセージ生成部12によって生成されたメッセージにメッセージ記憶部16に記憶されていない新しい識別子を割り当てる。識別子生成読み出し部14Aは、図4(b)に示すように、新しい識別子とメッセージとの情報に、装置別の識別番号や時刻等の情報を付加した送信用データを作成し、送信部15へ出力する。例えば、図4(b)では、装置別の識別番号「M−25」と時刻「2008・05・15 13:12:14」がメッセージ「xxx host1 zzzz」と識別子「4」に付加されている。
【0025】
さらに、識別子生成読み出し部14は、図5に示すように、メッセージ記憶部16に新しい識別子とメッセージとを組みにして記憶させる。
【0026】
送信部15は、無線送受信機、無線モデム、網終端装置及びそれらと接続するシリアルインターフェースまたはLAN(Local Area Network)インターフェース等から構成され、識別子生成読み出し部14Aによって出力された送信用データを監視装置20Aへ送信する。
【0027】
メッセージ記憶部16は、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成される。
メッセージ記憶部16は、前述した図3及び図5に示したように、識別子生成読み出し部14Aによってメッセージに対応して割り当てられた識別子と該メッセージとを記憶し、メッセージ判別部13や識別子生成読み出し部14Aの要求に応じて、記憶内容を出力する。
【0028】
監視装置20Aは、図1に示すように、受信部21と、識別子判別部22と、メッセージ復元部23Aと、メッセージ分類部24Aと、監視処理部25と、識別子記憶部26とを備える。
【0029】
監視装置20Aの受信部21は、送信部15と同様にLANインターフェース等から構成され、被監視装置10Aの送信部15から送信された識別子やメッセージ等を含む送信用データを受信する。また、受信部21は、受信した送信用データから識別子とメッセージとを取り出す。
【0030】
識別子判別部22は、受信部21が受信した送信用データにメッセージが含まれているか否かを判別して、判別した結果をメッセージ復元部23Aへ出力する。
【0031】
メッセージ復元部23Aは、識別子判別部22によってメッセージが含まれていないと判別されたことに応答して、受信した送信用データに含まれる識別子が、識別子記憶部26に記憶されている識別子のいずれかと一致するか否かを判別する。メッセージ復元部23Aは、一致すると判別したことに応答して、該識別子に対応したメッセージを識別子記憶部26から読み出して、メッセージ分類部24Aへ出力する。また、メッセージ復元部23Aは、識別子記憶部26に記憶されている識別子のいずれとも一致しないと判別したことに応答して、予め定められたエラー処理を行う。エラー処理の内容は、例えば、メッセージを送信した被監視装置10Aに、送信用データに含まれる識別子に対応するメッセージが識別子記憶部26に記憶されていないことを通知する等である。
【0032】
メッセージ復元部23Aは、識別子判別部22によってメッセージが含まれていると判別されたことに応答して、該メッセージをメッセージ分類部24Aへ出力し、且つ該識別子と該メッセージとを組みにして識別子記憶部26に記憶させる。
なお、メッセージ復元部23Aは、識別子とメッセージとを識別子記憶部26に記憶させるとき、受信した送信用データに含まれる識別子が、識別子記憶部26に記憶されている識別子のいずれかと一致するか否かを判別し、一致すると判別されたことに応答して、エラーメッセージを監視装置20Aの表示部の画面に表示する等のエラー処理を行っても良い。また、エラー処理では、一致すると判別された識別子とそれに対応するメッセージを識別子記憶部26に上書きしても良いし、上書きせず、廃棄しても良い。
【0033】
メッセージ分類部24Aは、メッセージ復元部23Aによって出力されたメッセージを予め決められた分類条件に対応するグループに分類して、監視処理部25へ出力する。
メッセージ分類部24Aの分類条件は、図6に示すように、正規表現によって定義される。各メッセージは、そのメッセージに含まれる文字列と分類条件とが一致するグループに分類される。例えば、「aaaa.xy」、「aaaa.efg」、「aaaa.qqqqqqq」等の文字列を含むメッセージは分類条件「aaaa.*」(図6の1行目)と一致するので、グループAに分類される。
【0034】
例えば、メッセージ分類部24Aは、正常動作時の各装置の稼働状況を管理する性能管理グループ、ネットワークや装置がダウンしたり、故障が発生したり等のシステムの障害の状況を管理する障害管理グループ、ウィルスに感染したり、外部から攻撃を受けたり等のシステムの安全性を確保するためのセキュリティ管理グループ等のメッセージの示す状況に応じて、監視処理部25が処理する処理別のグループにメッセージを分類する。
【0035】
さらに具体的には、メッセージ分類部24Aは、被監視装置10のCPU稼働状況、トラフィック状況、ユーザ数、空きディスク容量等の正常動作状況を示すメッセージを性能管理グループに分類する。
また、メッセージ分類部24Aは、被監視装置10であるサーバやルータのシステムダウン、被監視装置10のディスク障害、主電源の電力供給停止等の異常事態の状況を示すメッセージを障害管理グループに分類する。
さらに、メッセージ分類部24Aは、被監視装置10のウィルス感染、ファイアーフォールへの外部からの攻撃等のシステムの安全性に問題が生じた状況を示すメッセージをセキュリティ管理グループに分類する。
【0036】
監視処理部25は、メッセージ分類部24Aによって分類されたグループ毎に予め定められている方法によって、各メッセージを処理する。
例えば、上述した例で、監視処理部25は、受信したメッセージが性能管理グループに分類されたことに応答して、そのメッセージをハードディスク等の記憶装置上のファイルに出力して保存し、定期的に表やグラフ等にして監視装置20Aの表示部の画面に表示させる。表示された情報により、システムの現状を監視することができるとともに、システムの変更や拡張をする際の検討資料とすることができる。
監視処理部25は、受信したメッセージが障害管理グループに分類されたことに応答して、システム管理者やシステム管理会社にメールや電話によりメッセージで示された障害状況を通知したり、バックアップシステムを起動させたりする。
監視処理部25は、セキュリティ管理グループに分類されたメッセージを受信したことに応答して、ウィルスに感染した被監視装置10Aをネットワークから分離したり、新しいウィルスソフトを取得して被監視装置10Aに送信し、被監視装置10AのCPUにウィルスソフトを起動させたりする。
【0037】
識別子記憶部26は、メッセージ記憶部16と同様に構成され、前述した図3及び図5に示したように、受信部21によって受信された識別子とそれに対応したメッセージとを組にして記憶し、識別子判別部22やメッセージ復元部23Aやメッセージ分類部24Aの要求に応じて、記憶内容を出力する。
【0038】
次に、本発明の第1の実施形態の処理を時間順に説明する。
【0039】
まず、図7に示す被監視装置10Aのメッセージ送信処理1について説明する。
状態検出部11は、被監視装置10Aの正常動作時の状態を定期的に検出したり、異常事態が発生したことを検出して、検出内容をメッセージ生成部12に出力する。メッセージ生成部12は、検出された監視対象の検出内容を示す情報に基づいてメッセージを生成して、メッセージ判別部13へ出力する(ステップS101)。
メッセージ判別部13は、メッセージ生成部12で生成されたメッセージがメッセージ記憶部16に記憶されているメッセージと一致するかを判別する(ステップS102)。
【0040】
記憶されているメッセージと一致する場合(ステップS102;YES)、識別子生成読み出し部14Aは、メッセージ記憶部16に記憶されている該メッセージの識別子を読み出して、読み出された識別子を含む送信用データを作成して送信部15に出力する(ステップS111)。送信部15は、作成された送信用データを監視装置20Aへ送信する(ステップS113)。
【0041】
記憶されているメッセージと一致しない場合(ステップS102;NO)、識別子生成読み出し部14Aは、メッセージ記憶部16に記憶されていない新しい識別子を該メッセージに割り当て、メッセージ記憶部16に記憶させる(ステップS121)。さらに、識別子生成読み出し部14Aは、メッセージと新識別子とを含む送信用データを作成して送信部15へ出力する。送信部15は、作成された送信用データを監視装置20Aへ送信する(ステップS123)。
【0042】
次に、図8に示す監視装置20Aのメッセージ受信処理1について説明する。
受信部21は、送信用データを受信して、送信用データを識別子判別部22へ出力する(ステップS201)。
識別子判別部22は、送信用データにメッセージが含まれているか否かを判別して、判別した結果をメッセージ復元部23Aへ出力する(ステップS202)。
【0043】
メッセージ復元部23Aは、識別子判別部22によってメッセージが含まれていないと判別されたことに応答して(ステップS202;NO)、受信した送信用データに含まれる識別子が、識別子記憶部26に記憶されている識別子のいずれかと一致するか否かを判別する(ステップS211)。メッセージ復元部23は、一致すると判別したことに応答して(ステップS211;YES)、該識別子に対応したメッセージを識別子記憶部26から読み出して、復元メッセージとして、メッセージ分類部24Aへ出力する(ステップS212)。また、メッセージ復元部23Aは、一致しないと判別したことに応答して(ステップS211;NO)、予め定められたエラー処理を行う(ステップS210)。エラー処理の内容は、例えば、メッセージを送信した被監視装置10Aに、送信用データに含まれる識別子に対応するメッセージが識別子記憶部26に記憶されていないことを通知する等である。
【0044】
メッセージ復元部23Aは、識別子判別部22によってメッセージが含まれていると判別されたことに応答して(ステップS202;YES)、該メッセージを復元メッセージとしてメッセージ分類部24Aへ出力し、且つ該識別子と該メッセージとを組みにして識別子記憶部26に記憶させる(ステップS221)。
【0045】
メッセージ分類部24Aは、メッセージを所定の条件に基づいて分類し、メッセージが分類されたグループの情報を監視処理部25に出力する(ステップS222)。
監視処理部25は、メッセージ分類部24Aによって出力されたメッセージとグループの情報とに従い、グループ毎に定められている監視処理をする(ステップS203)。
例えば、分類されたグループに対応して、メッセージをファイルに出力したり、グラフとして画面に表示したり、メッセージの内容を管理者に通報したり、解析処理をしたりする。
【0046】
以上説明したように、本実施形態に係るメッセージを管理する機能を備えた情報処理システム100Aによれば、生成されたメッセージが記憶されている場合には、被監視装置10Aは、メッセージに対応した識別子と付加情報のみを送信するため、ネットワークの負荷を軽減することができる。
また、被監視装置10Aはメッセージが発生するたびに識別子を生成して、送信するため、監視装置20Aは被監視装置10Aの状態をリアルタイムで管理することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、生成回数が低いメッセージを整理する手段と、メッセージが属するグループを示すグループ情報とを記憶して、効率的にメッセージを処理する手段とを備えるメッセージを管理する機能を備えた情報処理システム100Bについて説明する。
【0048】
本実施形態に係るメッセージを管理する機能を備えた情報処理システム100Bは、図9に示すように、ネットワークに接続された複数の被監視装置10Bと、監視装置20Bとを備える。
図1と図9の同一の構成要素には同一の符号が付されており、同一の構成要素の説明は省略する。
【0049】
被監視装置10Bは、状態検出部11と、メッセージ生成部12と、メッセージ判別部13と、識別子生成読み出し部14Bと、送信部15と、メッセージ記憶部16、タイマ17と、識別子整理部18とを備える。
【0050】
被監視装置10Bの識別子生成読み出し部14Bは、メッセージ生成部12で生成されたメッセージとメッセージ記憶部16に記憶さているメッセージが一致するとメッセージ判別部13によって判別されたことに応答して、メッセージ記憶部16から該メッセージに対応する識別子を読み出して、送信部15に出力すると共に、識別子の生成回数情報の値に1を加える。
例えば、メッセージ記憶部16は、図10に示すように、識別子とメッセージと生成回数情報とを記憶している。メッセージ生成部12で生成されたメッセージがメッセージ記憶部16に記憶さているメッセージ「aaaa was cccc」と一致するとメッセージ判別部13によって判別されたことに応答して、識別子生成読み出し部14Bは、図11の1行目に示すように、メッセージ記憶部16に記憶されている識別子「1」の生成回数情報を「3」から「4」にする。
【0051】
識別子生成読み出し部14Bは、メッセージ生成部12で生成されたメッセージがメッセージ記憶部16に記憶さているメッセージと一致しないとメッセージ判別部13によって判別されたことに応答して、生成された新しい識別子と該メッセージと該識別子の生成回数情報の初期値「1」とをメッセージ記憶部16に記憶させる。
例えば、メッセージ生成部12で生成されたメッセージ「xxxx host1 zzzzz」がメッセージ記憶部16に記憶されているメッセージと一致しないとメッセージ判別部13によって判別されたことに応答して、識別子生成読み出し部14Bは、図11の4行目に示すように、新しい識別子「4」と該メッセージと生成回数情報の初期値1とをメッセージ記憶部16に記憶させる。
【0052】
メッセージ記憶部16は、前述した図10及び図11に示すように、生成回数情報の値をも記憶する。
【0053】
タイマ17は、所定の時刻ごとに識別子整理部18に割込信号を送信する。
例えば、タイマ17は、1日に一度ネットワークの利用頻度が少ない真夜中のある時刻に割込信号を送信する。
【0054】
識別子整理部18は、タイマ17からの割込信号に基づいて、各識別子に割り当てられた生成回数情報を減算する。識別子整理部18は、図12に示すように、生成回数情報を減算した結果、生成回数情報の値が「0」になった識別子をメッセージ記憶部16から削除する。
さらに、識別子整理部18は、メッセージ記憶部16の識別子を削除する際に、送信部15を介して、監視装置20Bへ該識別子の削除を指示する削除指示信号を送信する。
【0055】
監視装置20Bは、図9に示すように、受信部21と、識別子判別部22と、メッセージ復元部23Bと、メッセージ分類部24Bと、監視処理部25と、識別子記憶部26と、識別子整理部28とを備える。
【0056】
メッセージ復元部23Bは、受信部21が受信した送信用データにメッセージが含まれていると識別子判別部22によって判別されたことに応答して、新しいメッセージであることを示す信号とともに該メッセージをメッセージ分類部24Bへ出力する。
【0057】
メッセージ分類部24Bは、メッセージ復元部23Bから新しいメッセージであることを示す信号を受信したことに応答して、メッセージ復元部23Bから供給されたメッセージをグループに分類し、分類されたメッセージの属するグループを示すグループ情報と該メッセージとを監視処理部25に出力する。そして、メッセージ分類部24Bは、図13に示すように、識別子と該メッセージとグループ情報とを組みにして識別子記憶部26に記憶させる。
なお、メッセージ分類部24Bは、1つのメッセージを2以上のグループに分類することもできる。図13には、識別子「2」に対応するメッセージがグループAとグループBの2つのグループに分類された例を示す。
【0058】
例えば、識別子記憶部26に、図13に示すような、識別子とメッセージとグループ情報とが記憶されているとする。送信用データにメッセージ「xxxx host1 zzzzz」が含まれていると識別子判別部22によって判別されたことに応答して、メッセージ復元部23Bは新しいメッセージであることを示す信号とともに該メッセージをメッセージ分類部24Bへ出力する。メッセージ分類部24Bは、メッセージ復元部23Bから新しいメッセージであることを示す信号を受信したことに応答して、メッセージ「xxxx host1 zzzzz」をグループCに分類し、図14に示すように、識別子「4」と、メッセージ「xxxx host1 zzzzz」と、グループ「C」とを組みにして識別子記憶部26に記憶させる。
【0059】
なお、メッセージ復元部23Bは、送信用データにメッセージが含まれていると識別子判別部22によって判別されたことに応答して、該識別子と該メッセージとを識別子記憶部26に記憶させるとき、受信した送信用データに含まれる識別子が、識別子記憶部26に記憶されている識別子のいずれかと一致するか否かを判別し、一致すると判別されたことに応答して、エラーメッセージを監視装置20の表示部の画面に表示する等のエラー処理を行っても良い。また、エラー処理では、一致すると判別された識別子とそれに対応するメッセージとグループ情報を識別子記憶部26に上書きしても良いし、上書きせず、廃棄しても良い。
【0060】
メッセージ復元部23Bは、受信した送信用データにメッセージが含まれていないと識別子判別部22によって判別されたことに応答して、送信用データに含まれる識別子が、識別子記憶部26に記憶されている識別子のいずれかと一致するか否かを判別する。メッセージ復元部23Bは、一致すると判別したことに応答して、該識別子に対応したメッセージとグループ情報を識別子記憶部26から読み出して、監視処理部25へ出力する。また、メッセージ復元部23Bは、識別子記憶部26に記憶されている識別子のいずれとも一致しないと判別したことに応答して、予め定められたエラー処理を行う。エラー処理の内容は、例えば、メッセージを送信した被監視装置10Bに、送信用データに含まれる識別子に対応するメッセージが識別子記憶部26に記憶されていないことを通知する等である。
【0061】
例えば、識別子記憶部26に、図13に示すような、識別子とメッセージとグループ情報とが記憶されており、受信部21が、識別子「1」を含み、メッセージを含まない送信用データを受信したとする。この場合、メッセージ復元部23Bは、識別子判別部22によってメッセージが含まれていないと判別されたことに応答して、受信した送信用データに含まれる識別子「1」が、識別子記憶部26に記憶されている識別子「1」、「2」、「3」のいずれかと一致するか否かを判別する。メッセージ復元部23Bは、識別子記憶部26に記憶されている識別子「1」と一致すると判別したことに応答して、メッセージ「aaaa was cccc」のグループ情報を識別子記憶部26から読み出して、グループを「A」としたメッセージを監視処理部25に出力する。
【0062】
識別子整理部28は、受信部21を介して、識別子整理部18から削除指示信号を受信すると、削除指示信号に含まれる識別子に対応するメッセージとグループ情報を識別子記憶部26から削除する。
【0063】
次に、本発明の第2の実施形態の処理を時間順に説明する。
【0064】
まず、図15に示す、被監視装置10Bのメッセージ送信処理2について説明する。
第2の実施形態のメッセージ送信処理2は、図7に示す、第1の実施形態のメッセージ送信処理1に、生成回数情報の処理(ステップS112、S122)を追加した。
【0065】
生成されたメッセージがメッセージ記憶部16に記憶されているメッセージと一致する場合(ステップS102;YES)、識別子生成読み出し部14Bは、メッセージ記憶部16から識別子とメッセージを読み出し(ステップS111)、メッセージ記憶部16に記憶されている該識別子の生成回数情報に1を加算する(ステップS112)。送信部15は、生成された識別子を含む送信用データを監視装置20Bへ送信する(ステップS113)。
生成されたメッセージがメッセージ記憶部16に記憶されているメッセージと一致しない場合(ステップS102;NO)、識別子生成読み出し部14Bは、新識別子を割り当て、新識別子とメッセージをメッセージ記憶部16に記憶させ(ステップS121)、さらに該メッセージの生成回数情報を「1」に設定する(ステップS122)。送信部15は、新識別子とメッセージを含む送信用データを監視装置20Bへ送信する(ステップS123)。
【0066】
次に、図16に示す、監視装置20Bのメッセージ受信処理2について説明する。
第2の実施形態のメッセージ受信処理2は、図8に示す、第1の実施形態のメッセージ受信処理1に、メッセージが分類されたグループを記憶し、記憶したグループを読み出す処理(ステップS213、S223)を追加した。
【0067】
受信部21は、送信用データを受信し(ステップS201)し、識別子判別部22は、受信された送信用データにメッセージが含まれているか否かを判別する(ステップS202)。
メッセージ復元部23Bは、識別子判別部22によってメッセージが含まれていないと判別されたことに応答して(ステップS202;NO)、受信した送信用データに含まれる識別子が、識別子記憶部26に記憶されている識別子のいずれかと一致するか否かを判別する(ステップS211)。メッセージ復元部23は、一致すると判別したことに応答して(ステップS211;YES)、該識別子に対応したメッセージを識別子記憶部26から読み出して、復元メッセージとして、監視処理部25へ出力する(ステップS212)。更に、メッセージ復元部23は、該識別子に対応したグループ情報を識別子記憶部26から読み出して、監視処理部25へ出力する(ステップS213)。
例えば、識別子記憶部26に図13で示す、グループ情報が記憶されているとする。識別子「2」に対応するメッセージ「aaaa are cccc」を分類する場合は、メッセージ分類部24Bは、図17に示すように、識別子記憶部26からグループ「A、B」のグループ情報を読み出す。
【0068】
また、メッセージ復元部23Bは、一致しないと判別したことに応答して(ステップS211;NO)、予め定められたエラー処理を行う(ステップS210)。エラー処理の内容は、例えば、メッセージを送信した被監視装置10Aに、送信用データに含まれる識別子に対応するメッセージが識別子記憶部26に記憶されていないことを通知する等である。
【0069】
メッセージ復元部23Bは、識別子判別部22によってメッセージが含まれていると判別されたことに応答して(ステップS202;YES)、該メッセージを復元メッセージとしてメッセージ分類部24Bへ出力し、且つ該識別子と該メッセージとを組みにして識別子記憶部26に記憶させる(ステップS221)。
メッセージ分類部24Bは、メッセージを所定の条件に基づいてグループに分類し(ステップS222)、分類されたグループを識別子記憶部26に記憶させる(ステップS223)。
【0070】
例えば、メッセージ「xxxx host1 zzzzz」を分類する場合、図18に示すように、メッセージ分類部24Bは、所定の条件に従ってグループCに分類し、図14に示すように、グループ情報を、識別子記憶部26に記憶させる。
監視処理部25は、メッセージで示された各状況を、グループ毎に定められている監視処理をする(ステップS203)。
【0071】
次に、図19に示す、被監視装置10Bと監視装置20Bとの識別子削除処理について説明する。
【0072】
タイマ17は、所定の時間ごとに識別子整理部18に割込信号を送信する。
割込信号を受信した識別子整理部18は、メッセージ記憶部16に記憶されている識別子とメッセージと生成回数情報の組を記憶した順や識別番号順に1つ選択し(ステップS301)、該識別子の生成回数情報の値を1減算して(ステップS302)、減算後の生成回数情報の値が「0」か否かを判別する(ステップS303)。
【0073】
生成回数情報の値が「0」の場合(ステップS303;YES)、識別子整理部18は、メッセージ記憶部16から該識別子とメッセージと生成回数情報の組を削除する(ステップS304)。さらに、識別子整理部18は、送信部15を介して、該識別子を含む削除指示信号を監視装置20Bへ送信する(ステップS305)。受信部21を介して、削除指示信号を受信した識別子整理部28は、識別子記憶部26から該識別子とメッセージとグループ情報の組を削除する。
【0074】
生成回数情報が「0」でない場合(ステップS303;NO)若しくは、識別子の削除指示信号を送信した後(ステップS305)に、全ての識別子の確認が終わったかを判別する(ステップS306)。全識別子の確認が終わっていない場合(ステップS306;NO)、次の識別子を選択し(ステップS307)、ステップS302に戻る。全識別子の確認が終わった場合には(ステップS306;YES)、処理を終了する。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係るメッセージを管理する機能を備えた情報処理システム100Bによれば、定期的に生成回数が低い識別子を整理するので、識別子が増えすぎて、生成・復元・送信等の効率が悪化することや、記憶容量が増大し過ぎることを防止できる。
さらに、監視装置20Bは、メッセージを分類した際にグループをメッセージに対応させて記憶し、後に同じメッセージを処理する際に、メッセージを分類をせずに、記憶されているグループ情報を読み出すので、効率的にメッセージを処理することができる。
【0076】
なお、本実施形態では、識別子記憶部26は識別子とメッセージとグループ情報とを組みにしてテーブルに記憶し、メッセージ復元部23Bは、メッセージが含まれていない送信用データを受信した場合、その送信用データに含まれる識別子により識別子記憶部26を検索し、該識別子に対応したメッセージとグループ情報を識別子記憶部26から読み出した。しかし、第1の実施形態と同様に、識別子記憶部26は識別子とメッセージとを組みにして識別子記憶部26に記憶し、送信用データを受信したときにその送信用データに含まれる識別子に対応するメッセージを識別子記憶部26から読み出して、メッセージ分類部24Aがグループに分類しても良い。
【0077】
また、被監視装置10Bがタイマ17を個別に備えるのではなく、監視装置20Bがタイマを備えたり、タイマはネットワーク上に1つ備えられ、被監視装置10B及び監視装置20Bに割込信号を送信する構成でもよい。
【0078】
また、被監視装置10Bのメッセージ記憶部16と監視装置20Bの識別子記憶部26の双方に生成回数情報を記憶させ、同時刻に削除させる構成でもよい。
【0079】
また、本実施形態では、メッセージ生成部12によって生成されたメッセージがメッセージ記憶部16に記憶されているメッセージと一致する場合、識別子生成読み出し部14Bは、メッセージ記憶部16に記憶されている該識別子の生成回数情報に1を加算したが、メッセージ生成部12によって生成されたメッセージがメッセージ記憶部16に記憶されているメッセージと一致する場合、識別子生成読み出し部14Bは、メッセージ記憶部16に記憶されている該識別子の生成回数情報に予め定められた値を加算するようにしても良い。
また、本実施形態では、割込信号を受信した識別子整理部18は、識別子の生成回数情報の値を1減算したが、割込信号を受信した識別子整理部18は、予め定められた所定の値を減算するようにしても良い。
また、本実施形態では、生成回数情報の値が「0」の場合に、識別子整理部18がメッセージ記憶部16から該識別子とメッセージと生成回数情報の組を削除したが、生成回数情報の値が予め定められた基準値以下になった場合に識別子整理部18がメッセージ記憶部16から該識別子とメッセージと生成回数情報の組を削除するようにしても良い。
【0080】
また、上述した第1の実施形態と第2の実施形態において、監視処理部25は、供給されたメッセージを他の装置に出力してもよい。
【0081】
また、被監視装置10A、10Bと、監視装置20A、20Bとから構成されるメッセージを管理する機能を備えた情報処理システム100A、100Bの処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、図20に示すように、ネットワークに接続された通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。図20のコンピュータシステムは、例えば、制御部31と、主記憶部32と、外部記憶部33と、入力部34と、表示部35と、送信部36と、内部バス39を備えている。制御部31はCPU(Central Processing Unit)を含み、主記憶部32はRAM(Randam Access Memory)等を含む。制御部31は、主記憶部32に記憶されているプログラムを実行し、情報処理システム100A、100Bを実現する。
【0082】
例えば、メッセージを管理する処理を実行するためのプログラムを、コンピュータが読みとり可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、このプログラムをコンピュータにインストールすることにより、この処理を実行するメッセージを管理する機能を備えた情報処理システム100A、100Bを構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該プログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することでメッセージを管理する機能を備えた情報処理システム100A、100Bを構成してもよい。
【0083】
また、メッセージを管理する機能を備えた情報処理システム100A、100Bを、OS(Operating System)とアプリケーションプログラムの分担、又はOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合等には、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0084】
また、搬送波にプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS : Bulletin Board System)に情報処理システム100A、100Bのプログラムを掲示し、ネットワークを介して、このプログラムを配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、メッセージを管理する処理を実行できるように構成してもよい。
【0085】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、設計上の都合やその他の要因によって必要となる様々な修正や組み合わせは、請求項に記載されている発明や発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明の範囲に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0086】
10A、10B 被監視装置
11 状態検出部
12 メッセージ生成部
13 メッセージ判別部
14A、14B 識別子生成読み出し部
15 送信部
16 メッセージ記憶部
17 タイマ
18、28 識別子整理部
20A、20B 監視装置
21 受信部
22 識別子判別部
23A、23B メッセージ復元部
24A、23B メッセージ分類部
25 監視処理部
26 識別子記憶部
100A、100B 情報処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視装置と被監視装置とがネットワークを介して接続され、メッセージを管理する機能を備えた情報処理システムにおいて、
前記被監視装置は、
前記被監視装置の内部状態、及び/又は、前記被監視装置に接続された装置の状態、及び/又は、前記被監視装置が接続されたネットワークの状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段によって検出された状態を示すメッセージを生成するメッセージ生成手段と、
メッセージと該メッセージに対応した識別子とを記憶するメッセージ記憶手段と、
前記メッセージ生成手段によって生成されたメッセージが、前記メッセージ記憶手段に記憶された何れかのメッセージと一致するか否かを判別をするメッセージ判別手段と、
前記メッセージ判別手段によって一致すると判別されたことに応答して、前記メッセージ記憶手段から前記メッセージに対応した識別子を読み出し、前記メッセージ判別手段によって一致しないと判別されたことに応答して、前記メッセージ記憶手段に記憶されていない新しい識別子を生成し、生成された新しい前記識別子と前記メッセージとを対応させて前記メッセージ記憶手段に記憶させる識別子生成読み出し手段と、
前記識別子生成読み出し手段によって読み出された前記識別子又は、生成された新しい前記識別子と該識別子に対応した前記メッセージとを送信する送信手段とを備え、
前記監視装置は、
前記送信手段によって送信された前記識別子又は、前記識別子と前記メッセージとを受信する受信手段と、
メッセージと該メッセージに対応した識別子とを記憶する識別子記憶手段と、
前記受信手段によって前記識別子と前記メッセージとが受信されたことに応答して、前記受信手段で受信された識別子とメッセージとを前記識別子記憶手段に記憶させ、前記受信手段によって前記識別子のみが受信されたことに応答して、前記識別子記憶手段から前記識別子に対応したメッセージを読み出すメッセージ復元手段と、
受信された前記メッセージ又は、読み出された前記メッセージに基づいて、各前記状態に応じた処理を行う監視処理手段とを備える、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記被監視装置は、
メッセージ毎に、該メッセージが生成された回数を計数し、計数した値を生成回数情報として、該メッセージに対応させて前記メッセージ記憶手段に記憶させる生成回数記録手段と、
所定の時刻に、前記メッセージ記憶手段に記憶された各前記メッセージに対応した生成回数情報が示す値から所定の値を減算し、減算された値が所定の基準値以下になったことに応答して、当該基準値以下になった前記生成回数情報に対応する識別子とメッセージと生成回数情報とを前記メッセージ記憶手段から削除し、且つ、前記監視装置に対応する識別子を削除することを指示する削除指示信号を生成する整理手段とを備え、
前記送信手段が、前記整理手段によって生成された前記削除指示信号を送信し、
前記監視装置は、
前記受信手段によって前記送信手段が送信した前記削除指示信号をさらに受信し、
前記受信手段が受信した前記削除指示信号に応答して、前記識別子記憶手段から前記削除指示信号によって指示された識別子と該識別子に対応したメッセージとを削除する識別子整理手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記被監視装置は、
前記識別子生成読み出し手段が、前記メッセージ判別手段によって一致しないと判別されたことに応答して、前記生成回数情報を所定の初期値に設定して、生成された新しい前記識別子に対応させて当該初期値に設定された生成回数情報を前記メッセージ記憶手段に記憶させ、前記メッセージ判別手段によって一致すると判別されたことに応答して、前記メッセージ記憶手段に記憶された該メッセージに対応した生成回数情報が示す値に所定の値を加算し、
前記整理手段が、
所定の時刻に割込信号を出力するタイマと、
前記タイマが割込信号を出力したことに応答して、前記メッセージ記憶手段に記憶された前記生成回数情報が示す値から前記所定の値を減算する生成回数減算手段と、
前記生成回数減算手段によって減算された前記生成回数情報が示す値が、前記メッセージ記憶手段に記憶されたメッセージの削除を指示する基準値以下であるか否かを判別する生成回数判別手段と、
前記生成回数判別手段によって前記生成回数情報が示す値が前記基準値以下であると判別されたことに応答して、前記メッセージ記憶手段に記憶された前記生成回数情報と該生成回数情報に対応した前記メッセージと前記識別子とを削除すると共に、前記監視手段の識別子記憶手段に記憶された該識別子と該識別子に対応したメッセージとを削除する前記削除指示信号を生成するメッセージ整理手段とを備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記監視装置は、
前記受信手段が前記識別子と前記メッセージとを受信したことに応答して、受信したメッセージを所定の条件に従って所定のグループに分類し、分類したメッセージが属する少なくとも1つのグループを示すグループ情報を、受信した前記識別子と前記メッセージとに対応させて前記識別子記憶手段に記憶し、前記受信手段が前記識別子のみを受信したことに応答して、前記識別子記憶手段から、受信した識別子に対応した前記グループ情報を読み出すメッセージ分類手段を備え、
各グループには、処理内容が予め割り当てられており、前記監視処理手段は、予め割り当てられている処理によって各グループに属するメッセージを処理するグループ別処理手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
監視装置と被監視装置とがネットワークを介して接続された情報処理システムのメッセージ管理方法において、
前記被監視装置が、前記被監視装置の内部状態、及び/又は、前記被監視装置に接続された装置の状態、及び/又は、前記被監視装置が接続されたネットワークの状態を検出する状態検出ステップと、
前記被監視装置が、前記状態検出ステップによって検出された状態を示すメッセージを生成するメッセージ生成ステップと、
前記被監視装置が、メッセージと該メッセージに対応した識別子とを記憶領域に記憶するメッセージ記憶ステップと、
前記被監視装置が、前記メッセージ生成ステップで生成されたメッセージが、前記メッセージ記憶ステップによって前記記憶領域に記憶された何れかのメッセージと一致するか否かを判別するメッセージ判別ステップと、
前記被監視装置が、前記メッセージ判別ステップによって一致すると判別されたことに応答して、前記記憶領域から前記メッセージに対応した識別子を読み出し、前記メッセージ判別ステップによって一致しないと判別されたことに応答して、前記記憶領域に記憶されていない新しい識別子を生成し、生成された新しい前記識別子と前記メッセージとを対応させて前記記憶領域に記憶させる識別子生成読み出しステップと、
前記被監視装置が、前記識別子生成読み出しステップによって読み出された前記識別子又は、生成された新しい前記識別子と該識別子に対応した前記メッセージとを送信する送信ステップと、
前記監視装置が、前記送信ステップによって送信された前記識別子又は、前記識別子と前記メッセージとを受信する受信ステップと、
前記監視装置が、メッセージと該メッセージに対応した識別子とを識別子記憶領域に記憶する識別子記憶ステップと、
前記監視装置が、前記受信ステップによって前記識別子と前記メッセージとが受信されたことに応答して、前記受信ステップによって受信された識別子とメッセージとを前記識別子記憶領域に記憶させ、前記受信ステップによって前記識別子のみが受信されたことに応答して、前記識別子記憶領域から前記識別子に対応したメッセージを読み出すメッセージ復元ステップと、
前記監視装置が、受信した前記メッセージ又は、読み出された前記メッセージに基づいて、各前記状態に応じた処理を行う監視処理ステップとを含む、
ことを特徴とする情報処理システムのメッセージ管理方法。
【請求項6】
監視用コンピュータと監視対象であるコンピュータとがネットワークを介して接続され、メッセージを監視する機能を備えた情報処理システムにおいて、
前記監視対象であるコンピュータを、
前記被監視装置の内部状態、及び/又は、前記被監視装置に接続された装置の状態、及び/又は、前記被監視装置が接続されたネットワークの状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段によって検出された状態を示すメッセージを生成するメッセージ生成手段と、
メッセージと該メッセージに対応した識別子とを記憶するメッセージ記憶手段と、
前記メッセージ生成手段によって生成されたメッセージが、前記メッセージ記憶手段に記憶された何れかのメッセージと一致するか否かを判別をするメッセージ判別手段と、
前記メッセージ判別手段によって一致すると判別されたことに応答して、前記メッセージ記憶手段から前記メッセージに対応した識別子を読み出し、前記メッセージ判別手段によって一致しないと判別されたことに応答して、前記メッセージ記憶手段に記憶されていない新しい識別子を生成し、生成された新しい前記識別子と前記メッセージとを対応させて前記メッセージ記憶手段に記憶させる識別子生成読み出し手段と、
前記識別子生成読み出し手段によって読み出された前記識別子又は、生成された新しい前記識別子と該識別子に対応した前記メッセージとを送信する送信手段として機能させる、
ことを特徴とするメッセージ管理プログラム。
【請求項7】
監視用コンピュータと監視対象であるコンピュータとがネットワークを介して接続され、メッセージを監視する機能を備えた情報処理システムにおいて、
前記監視用コンピュータを、
前記送信手段によって送信された前記識別子又は、前記識別子と前記メッセージとを受信する受信手段と、
メッセージと該メッセージに対応した識別子とを記憶する識別子記憶手段と、
前記受信手段によって前記識別子と前記メッセージとが受信されたことに応答して、前記受信手段によって受信された識別子とメッセージとを前記識別子記憶手段に記憶させ、前記受信手段によって前記識別子のみが受信されたことに応答して、前記識別子記憶手段から前記識別子に対応したメッセージを読み出すメッセージ復元手段と、
受信された前記メッセージ又は、読み出された前記メッセージに基づいて、各前記状態に応じた処理を行う監視処理手段として機能させる、
ことを特徴とするメッセージ管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−211494(P2010−211494A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56628(P2009−56628)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】