説明

情報処理装置、その表示制御方法、及び表示制御プログラム

【課題】画像処理装置に接続された複数のメモリメディから所望のメモリメディアを容易に選択することができるようにする。
【解決手段】画像処理装置は、メモリメディアが接続される複数のメディアインタフェース108〜110を備え、メディアインタフェースに接続されたメモリメディア201〜203に記録されたデータを処理する。画像処理装置には、当該画像処理装置の外観イメージを示すデバイス外観情報が記憶されており、記憶制御部103はメモリメディアが複数のメディアインタフェースのいずれかに接続された際、当該メモリメディアを識別するメディア識別情報とこのメモリメディアが接続されたメディアインタフェースを識別するインタフェース識別情報を得る。メモリメディア表示制御部206はメディア識別情報及びインタフェース識別情報に応じて、デバイス外観情報で示される画像処理装置の外観イメージにおけるメモリメディアの接続状態を示すメディア接続画面を生成して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リムーバブルメディア及びフラッシュメモリ等のメモリメディアが接続されて当該メモリメディアとデジタルデータを送受する情報処理装置、その表示制御方法、及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パーソナルコンピュータに代表される情報処理装置においては、汎用インタフェースにリムーバブルメディア又はフラッシュメモリ等のメモリメディアが接続される。そして、情報処理装置は、情報処理に当たってメモリメディアとのデジタルデータの送受を行う。この際、情報処理装置から当該メモリメディアにデジタルデータを書き込めば、簡単にデジタルデータをメモリメディアによって持ち運ぶことができる。
【0003】
例えば、メモリメディアとして、CFカード(Compact Flash Card)、SDメモリ(Secure Digital Memory Card)、及びUSB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリ等が知られている。例えば、1つの情報処理装置からUSBデータ伝送路の規格に基づいてリムーバブルメディアにデジタルデータを書き込み、他の情報処理装置に当該リムーバブルメディアを接続してデジタルデータの読み出しが行われる。
【0004】
リムーバブルメディア及びフラッシュメモリ等のメモリメディアを情報処理装置に接続する際には、USB接続端子にメモリメディアを差し込むだけで、OS(オペレーティングシステム)が自動的にメモリメディアの認識を行って、デジタルデータの読み書きが可能となる。
【0005】
情報処理装置には、複数のメモリメディアを接続することが可能であるが、情報処理装置に接続された複数のメモリメディアの中から、ユーザが所望の一つのメモリメディアを選択することには煩わしさが伴う。
【0006】
一般に、メモリメディアが情報処理装置に接続された際には、情報処理装置(つまり、OS)は当該メモリメディアにドライブ名(例:E:¥)を割り当てる。任意のメモリメディアを指定する際には、ユーザはドライブ名とメモリメディアとが一覧となった一覧リストから、接続の際に割り当てられたドライブ名と合致するメモリメディアを指定する必要がある。よって、複数のメモリメディアが情報処理装置に接続されている場合には、ユーザが誤ったドライブを選択してしまう可能性がある。
【0007】
このような問題を解決するため、メモリメディアからラベル名と文書ファイル名とを呼び出してリストを作成して、メモリメディアを特定させるようにしたものがある。ここでは、リストファイル作成の際に、CPUがメモリメディアにデバイス識別子であるラベル名が設定されていないことを検出すると、このメモリメディアにラベル名を設定する。
【0008】
一方、メモリメディアにラベル名が設定されていれば、当該メモリメディアからラベル名と文書ファイル名を読み出してリストファイルメモリに格納するようにしている。そして、ファイル選択の際、CPUはこのリストファイルメモリの内容をリスト表示する(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
ところで、メモリメディアを情報処理装置から取り外す際には、ユーザは安全な取り外しのための処理を実行させる必要がある。この処理を実行させずにメモリメディアを情報処理装置から取り外すと、OSの動作が不安定になる等の状況を引き起こすことがある。このためにも、ユーザが任意のメモリメディアを正確に指定できるようにする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平8−166898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように、情報処理装置に接続されたメモリメディアにアクセスする際には、メモリメディアに割り当てられたドライブ名を覚えておく必要があるばかりでなく、メモリメディアに登録されているラベル名及び保存されている文書ファイル名等の属性をユーザが予め把握しておく必要もある。
【0012】
このため、複数のメモリメディアが情報処理装置に接続されている際には、ユーザが誤ったメモリメディアを選択してしまい、所望のメモリメディアを選択する際に手間が掛かってしまうという課題がある。
【0013】
従って、本発明の目的は、ユーザが複数のメモリメディアから所望のメモリメディアを容易に選択することのできる情報処理装置、表示制御方法、及び表示制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明による情報処理装置は、メモリメディアが接続される複数のメディアインタフェースを備え、前記メディアインタフェースに接続された前記メモリメディアに記録されたデータを処理する情報処理装置において、前記情報処理装置の外観イメージを示すデバイス外観情報が記憶された記憶手段と、前記メモリメディアが前記複数のメディアインタフェースのいずれかに接続された際、当該メモリメディアを識別するメディア識別情報と、前記メモリメディアが接続されたメディアインタフェースを識別するインタフェース識別情報を得る識別手段と、前記メディア識別情報及び前記インタフェース識別情報に応じて、前記デバイス外観情報で示される前記情報処理装置の外観イメージにおける前記メモリメディアの接続状態を示すメディア接続画面を生成して表示するメモリメディア表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明による表示制御方法は、メモリメディアが接続される複数のメディアインタフェースを備え、前記メディアインタフェースに接続された前記メモリメディアに記録されたデータを処理する情報処理装置で用いられ前記メモリメディアの接続に関する接続情報を表示制御する表示制御方法において、前記情報処理装置には、該情報処理装置の外観イメージを示すデバイス外観情報が記憶された記憶手段が備えられており、前記メモリメディアが前記複数のメディアインタフェースのいずれかに接続された際、当該メモリメディアを識別するメディア識別情報と、前記メモリメディアが接続されたメディアインタフェースを識別するインタフェース識別情報を得る識別ステップと、前記メディア識別情報及び前記インタフェース識別情報に応じて、前記デバイス外観情報で示される前記情報処理装置の外観イメージにおける前記メモリメディアの接続状態を示すメディア接続画面を生成して表示するメモリメディア表示制御ステップとを有することを特徴とする。
【0016】
本発明による表示制御プログラムは、メモリメディアが接続される複数のメディアインタフェースを備え、前記メディアインタフェースに接続された前記メモリメディアに記録されたデータを処理する情報処理装置で用いられ前記メモリメディアの接続に関する接続情報を表示制御する表示制御プログラムにおいて、前記情報処理装置には、該情報処理装置の外観イメージを示すデバイス外観情報が記憶された記憶手段が備えられており、前記情報処理装置に、前記メモリメディアが前記複数のメディアインタフェースのいずれかに接続された際、当該メモリメディアを識別するメディア識別情報と、前記メモリメディアが接続されたメディアインタフェースを識別するインタフェース識別情報を得る識別ステップと、前記メディア識別情報及び前記インタフェース識別情報に応じて、前記デバイス外観情報で示される前記情報処理装置の外観イメージにおける前記メモリメディアの接続状態を示すメディア接続画面を生成して表示するメモリメディア表示制御ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数のメモリメディアが接続可能である場合に、情報処理装置の外観においてメディアインタフェースに対応付けてメモリメディアの接続状態を示すメディア接続画面を表示するようにしたので、ユーザにとっては、直感的に所望のメモリメディアを選択することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態による情報処理装置の一つである画像処理装置の一例のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すCPUの機能を説明するための機能ブロック図である。
【図3】図2で説明したメディアテーブル及び外観イメージ情報の一例を説明するための図であり、(a)はメディアテーブルの一例を示す図であり、(b)は外観イメージ情報で表される画像形成装置の外観及びUSBインタフェースの位置を示す図である。
【図4】図2に示すCPUで実行されるメモリメディア接続画面の表示処理を説明するためのフロー図である。
【図5】図1に示すタッチパネルディスプレイに表示されるメモリメディア接続画面の一例を示す図である。
【図6】図1に示す画像処理装置にメモリメディアが接続された際の処理の一例を説明するためのフロー図である。
【図7】図1に示すハッチパネルディスプレイ107に表示されるメモリメディア接続画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態による情報処理装置の一例について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、情報処理装置の一つのである画像処理装置を例に挙げて説明するが、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置についても同様にして本発明を適用することができる。
【0020】
(第1の実施形態)
図1は本発明の実施の形態による情報処理装置の一つである画像処理装置の一例のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0021】
図1を参照すると、画像処理装置100は、CPU101、メモリ102、補助記憶装置103、スキャナ装置104、送受信装置105、印刷装置106(印刷部)、タッチパネルディスプレイ107、及び複数のUSBインタフェース108〜110(メディアインタフェース)を備えている。そして、これら各ブロックは内部バス111によって相互に接続されている。
【0022】
CPU101は画像処理装置100の全体について制御を司る。メモリ102はRAM及びROMを有しており、プログラム及びデジタルデータ(以下単にデータと呼ぶ)の格納場所として用いられる。
【0023】
補助記憶装置103は、例えば、ハードディスク等の大容量記憶装置であり、この補助記憶装置103には大容量のデータが保管されるとともに、プログラムの実行コードが保持される。つまり、補助記憶装置103にはメモリ102と比較して、長時間保持する必要があるデータが記憶されることになる。
【0024】
スキャナ104は、紙原稿等を光学的にスキャンして、紙原稿等から画像データを得る。送受信装置105は外部機器との間でデータの送受信を行う。例えば、送受信装置105はFAX送信、E−Mail送信、及びSMB(サーバメッセージブロック)送信等を行う。
【0025】
印刷装置106は、CPU101の制御下で前述の画像データ又は送受信装置を介して受信した画像データを、例えば、電子写真プロセスに応じて紙媒体に印刷する。なお、印刷装置106はインクによる印刷を行うようにしてもよい。
【0026】
タッチパネルディスプレイ107は、ユーザに対して各種情報を表示するとともに、ユーザから指示を入力する。USBインタフェース108〜110は、USBの規格に対応した様々なメモリメディア又はUSBデバイスの接続を行うためのインタフェースである。
【0027】
例えば、USBインタフェース108〜110には、メモリメディアの他に、USBデバイスとしてマウス、キーボード、ディスクドライブ、デジカメ、又は携帯電話等の電子機器が接続される。
【0028】
なお、図1に示す例では、USBインタフェース108〜110のみが示されているが、例えば、画像処理装置100はPCI又はPCカードスロットに代表される種々のインタフェースを備えるようにしてもよい。また、USBインタフェース等のメディアインタフェースに接続されるメモリメディアは、USBメモリ以外にもCFカード、SDメモリ等の様々なメモリメディアであってよい。
【0029】
USBインタフェース108〜110のいずれかに接続されたメモリメディアは、画像処理装置100の各機能と連携して用いられる。例えば、メモリメディアが補助記憶装置103と連携した場合には、補助記憶装置103とメモリメディアとの間でデータが直接送受される。
【0030】
また、メモリメディアがスキャナ装置104と連携した場合には、スキャナ装置104によって作成されたデジタルデータが、USBインタフェース108〜110のいずれかに接続されたメモリメディアに直接書き込まれる。
【0031】
さらに、メモリメディアが送受信装置105と連携した場合には、送受信装置105によって受信されたデータ(例えば、画像データ)が、USBインタフェース108〜110のいずれかを介してメモリメディアに書き込まれる。そして、メモリメディアに保持されたデータは、送受信装置105によって送信される。メモリメディアが印刷装置106と連携した場合には、メモリメディアに保持されたデータ(例えば、画像データ)に応じて印刷装置106が印刷を実行する。
【0032】
なお、USBインタフェース108〜110に接続されたメモリメディア間において、CPU101の制御下でデータを相互に転送することができる。そして、上述のデータの転送はCPU101の制御下で実行される。
【0033】
図2は、図1に示すCPU101の機能を説明するための機能ブロック図である。
【0034】
図2において、CPU101は、データアクセス部204、記憶制御部205、及びメモリメディア表示制御部206を有している。図示の例では、メモリメディア201〜203がそれぞれUSBインタフェース108〜110に接続されているものとする。
【0035】
データアクセス部204(アクセス手段)は、USBインタフェース108〜110を介してメモリメディア201〜203をアクセスしてデータの読出し及び書込みを実行する。メモリメディア201〜203と補助記憶装置103、スキャナ装置104、送受信装置105、及び印刷装置106の少なくとも一つとを連携させる際には、データアクセス部204を介してデータの送受が行われる。
【0036】
記憶制御部205(識別手段)はUSBインタフェース108〜110を介してメモリメディア201〜203のメモリメディアID(メディア識別情報)及びその接続位置情報(インタフェース識別情報)を取得する。この接続位置情報とは、メモリメディアが接続されたUSBインタフェースの位置を表す情報である。そして、記憶制御部205はメモリメディアIDに接続位置情報を対応付けてメディアテーブルとしてメモリ102又は補助記憶装置103に格納する。
【0037】
なお、補助記憶装置103には、画像処理装置100の外観を示す外観イメージと当該外観イメージ上におけるUSBインタフェース108〜110の位置とが外観イメージ情報として記憶されている。
【0038】
図3は、図2で説明したメディアテーブル及び外観イメージ情報の一例を説明するための図である。そして、図3(a)はメディアテーブルの一例を示す図であり、図3(b)は、外観イメージ情報で表される画像形成装置101の外観及びUSBインタフェースの位置を示す図である。
【0039】
図3(a)に示すように、メディアテーブルは、メモリメディアIDとこのメモリメディアIDに対応付けられた接続位置情報(以下単に位置情報と呼ぶ)とを備えている。この位置情報は、例えば、画像処理装置100に設けられたUSBインタフェースポートの画像処理装置100上の位置を示す情報である。そして、USBインタフェースポート毎(つまり、USBインタフェース毎)に番号が付けられている。つまり、位置情報はメモリメディアが接続されているUSBインタフェースの位置を識別するための情報である。
【0040】
図示の例では、USBインタフェース108〜110に対応するUSBインタフェースポートにそれぞれ位置情報として番号”108”〜”110が付与されている。そして、ここでは、メモリメディアID”0201”〜”0203”を有するメモリメディアがそれぞれ位置情報”108”〜”110”のUSBインタフェースポートに接続されていることが示されている。
【0041】
一方、図3(b)に示すように、デバイス外観情報は画像処理装置100の外観上のメモリメディア201〜203の接続位置が視覚的に示されている。図示の例では、画像処理装置100の外観イメージ100AにUSBインタフェース108〜110が示され、メモリメディアIDに対応する位置情報”108”〜”110”が視覚的に示されている。
【0042】
メモリメディア表示制御部206(表示制御手段)は、後述するようにして、記憶制御部205を介してメモリ102又は補助記憶装置103からメディアテーブル及び外観イメージ情報を取得する。メモリメディア表示制御部206は、メディアテーブルの位置情報に応じて、画像処理装置100の外観イメージ上にその位置をプロットする。そして、メモリメディア表示制御部206はメモリメディアの位置を画像処理装置100の外観イメージとともにメモリメディア接続画面としてタッチパネルディスプレイ107に表示する。
【0043】
図4は、図2に示すCPU101で実行されるメモリメディア接続画面の表示処理を説明するためのフロー図である。
【0044】
図2及び図4を参照して、いま、図2に示すUSBインタフェース108〜110にそれぞれメモリメディア201〜203が接続されたものとする。USBインタフェース108〜110にそれぞれメモリメディア201〜203が接続されると、記憶制御部205はUSBインタフェース108〜110を介してメモリメディアID(メディア識別情報)を取得する。
【0045】
さらに、記憶制御部205はメモリメディア108〜110が接続されたUSBインタフェースの位置を示す位置情報(インタフェース識別情報)を取得する(ステップS501)。そして、前述したように、記憶制御部205は、メモリメディアIDと位置情報とを対応付けたメディアテーブルをメモリ102又は補助記憶装置103に記憶する。
【0046】
続いて、例えば、タッチパネルディスプレイ107からメモリメディア接続画面表示指示を受けると、メモリメディア表示制御部206は、記憶制御部205を介して、メモリ102又は補助記憶装置103から、メディアテーブル及び外観イメージ情報を取得する。そして、メモリメディア表示制御部206はメディアテーブル及び外観イメージ情報に応じてメモリメディア接続画面を生成する(ステップS502)。
【0047】
つまり、メモリメディア表示制御部206は、メモリメディアID及び位置情報に応じて、デバイス外観情報で示される画像処理装置100の外観イメージにおけるメモリメディアの接続状態を示すメディア接続画面を生成することになる。
【0048】
次に、メモリメディア表示制御部206は当該メモリメディア接続画面をタッチパネルディスプレイ107に表示する。
【0049】
図5は、図1に示すタッチパネルディスプレイ107に表示されるメモリメディア接続画面の一例を示す図である。
【0050】
図5において、ここでは、メモリメディア接続画面上で取り外すメモリメディアを選択する例が示されている。画像処理装置100の外観イメージ100Aには、メモリメディアボタン601〜603が表示される。ここで、メモリメディアボタン601は、USBインタフェース108にメモリメディアが接続された際に表示されるボタンである。
【0051】
同様に、メモリメディアボタン602はUSBインタフェース109にメモリメディアが接続された際に表示されるボタンであり、メモリメディアボタン603はUSBインタフェース110にメモリメディアが接続された際に表示されるボタンである。
【0052】
ユーザがメモリメディアボタン601、602、又は603を押下げると、メモリメディア表示制御部206は押下げられたメモリメディアボタンを選択状態とする。そして、選択状態となったメモリメディアボタンを再度押下げると、メモリメディア表示制御部206は当該メモリメディアボタンの選択状態を解除する。
【0053】
ここでは、ユーザは、取り外したいメモリメディアを、図5に示すメモリメディア接続画面で選択する。つまり、ユーザは、取り外したいメモリメディアに対応するメモリメディアボタンを選択状態とする。続いて、ユーザが取り外しボタン604を押下げると、メモリメディア表示制御部206は該当するメモリメディアのライトキャッシュを書き出す処理を行って、メモリメディアを安全に取り外せるようにする。
【0054】
なお、メモリメディア表示制御部206はライトキャッシュ処理を終了すると、取り外し可をメモリメディア接続画面に表示するが、この際、ユーザがOKボタン605を押下げると、メモリメディア表示制御部206は取り外し処理を終了する。
【0055】
上述の第1の実施形態よれば、画像処理装置に存在するUSBインタフェースの位置と当該USBインタフェースに接続されたメモリメディアを示すメモリメディア接続画面を表示するようにしたので、ユーザは直感的にメモリメディアの位置を知ることができる。この結果、ユーザフレンドリーとなって操作性を向上させることができる。
【0056】
(第2の実施形態)
図6は、図1に示す画像処理装置100にメモリメディアが接続された際の処理の一例を説明するためのフロー図である。ここでは、当該接続処理は図1に示すCPU101が行うものとして説明する。
【0057】
図1及び図6を参照して、CPU101は、USBインタフェース108〜110にメモリメディアが接続されたか否かについて監視している(ステップS701)。USBインタフェース108〜110の少なくとも1つにメモリメディアが接続されないと(ステップS701において、NO)、CPU101は待機する。
【0058】
一方、USBインタフェース108〜110の少なくとも1つにメモリメディアが接続されると(ステップS701において、NO)、CPU101は、前述したメモリメディアIDと当該メモリメディアが接続されたUSBインタフェースの位置情報を取得する(ステップS702)。そして、前述したように、メディアテーブルがメモリ102又は外部記憶装置103に格納される。
【0059】
続いて、CPU101はユーザによってデータ保存、データ利用、及びメモリメディア取り出しのいずれの操作が行われたについて判定する(ステップS703)。
【0060】
いま、操作がデータ保存であると判定すると、データアクセス部204(図2)はメモリメディアに対するアクセス権を取得するとともに、メモリメディアからその空き容量に係る情報を取得する(ステップS704)。そして、データアクセス部204はメモリメディアにライトプロテクトが施されているか否かについて判定する(ステップS705)。
【0061】
ライトプロテクトが施されていると判定すると(ステップS705において、YES)、データアクセス部204はデータの書き込みができないため、当該メモリメディアの選択を不可とする(つまり、選択不可メディアとする。ステップS706)。そして、選択不可である旨の通知をメモリメディア表示制御部206に送る。これによって、メモリメディア表示制御部206は記憶制御部205を介してメモリ102又は補助記憶装置103からメディアテーブル及びデバイス外観情報を読み込む。そして、前述したように、メモリメディア接続画面を生成する(ステップS708)。この際、メモリメディア表示制御部206は選択不可であるメモリメディアをメモリメディア接続画面上で特定する。
【0062】
続いて、メモリメディア表示制御部206は、メモリメディア接続画面をタッチパネルディスプレイ107に表示して(ステップS709)、処理を終了する。この際、選択不可であるメモリメディアに対応するメモリメディアボタンは、例えば、網掛けで表示される。なお、選択不可メディアである旨のメッセージを表示するようにしてもよい。
【0063】
ライトプロテクトが施されていないと判定すると(ステップS705において、NO)、データアクセス部204は当該メモリメディアに空き容量が存在するか否かについて判定する(ステップS707)。
【0064】
空き容量が存在しないと判定すると(ステップS707において、NO)、データアクセス部204は処理をステップS706に移行して、当該メモリメディアの選択を不可とする。一方、空き容量が存在すると判定すると(ステップS707において、YES)、データアクセス部204は当該メモリメディアの選択を可として、その旨メモリメディア表示制御部206に通知する。
【0065】
これによって、メモリメディア表示制御部206は、ステップS708においてメモリメディア接続画面を生成する。この際、メモリメディア表示制御部206は選択可であるメモリメディアをメモリメディア接続画面上で特定することになる。そして、メモリメディア表示制御部206は、ステップS709で当該メモリメディア接続画面をタッチパネルディスプレイ107に表示して、処理を終了する。
【0066】
ステップS703において、操作がデータ利用であると判定すると、データアクセス部204(図2)はメモリメディアに対するアクセス権の有無に係る情報を取得するとともに、メモリメディアから保存すべきデータ(以下保存データと呼ぶ)の有無に係る情報を取得する(ステップS710)。そして、データアクセス部204は当該メモリメディアに対してアクセス権があるか否かについて判定する(ステップS711)。
【0067】
アクセス権がないと判定すると(ステップS711において、NO)、データアクセス部204はデータに対するアクセスができないため、当該メモリメディアの選択を不可とする(つまり、選択不可メディアとする。ステップS712)。そして、選択不可である旨の通知をメモリメディア表示制御部206に送る。
【0068】
これによって、メモリメディア表示制御部206は、前述したように、メモリメディア接続画面を生成する(ステップS714)。この際、メモリメディア表示制御部206は選択不可であるメモリメディアをメモリメディア接続画面上で特定する。
【0069】
続いて、メモリメディア表示制御部206は、メモリメディア接続画面をタッチパネルディスプレイ107に表示して(ステップS715)、処理を終了する。
【0070】
アクセス権があると判定すると(ステップS711において、YES)、データアクセス部204は当該メモリメディアに保存データがあるか否かについて判定する(ステップS713)。保存データがないと判定すると(ステップS713において、NO)、データアクセス部204は処理をステップS712に移行して、当該メモリメディアの選択を不可とする。
【0071】
一方、保存データがあると判定すると(ステップS713において、YES)、データアクセス部204は当該メモリメディアの選択を可として、その旨メモリメディア表示制御部206に通知する。
【0072】
これによって、メモリメディア表示制御部206は、ステップS714においてメモリメディア接続画面を生成する。この際、メモリメディア表示制御部206は選択可であるメモリメディアをメモリメディア接続画面上で特定することになる。そして、メモリメディア表示制御部206は、ステップS715で当該メモリメディア接続画面をタッチパネルディスプレイ107に表示して、処理を終了する。
【0073】
ステップS703において、操作がメモリメディア取り外しであると判定すると、データアクセス部204(図2)はメモリメディアの動作状況(例えば、初期状態、認識スタンバイ、取り外し処理中、読み込み中、及び保存中)に係る情報を取得する(ステップS716)。そして、データアクセス部204はメモリメディアが動作中であるか否かについて判定する(ステップS717)。
【0074】
動作中であると判定すると(ステップS717において、YES)、データアクセス部204は、取り外しができないため、当該メモリメディアの選択を不可とする(つまり、選択不可メディアとする。ステップS718)。そして、選択不可である旨の通知をメモリメディア表示制御部206に送る。
【0075】
これによって、メモリメディア表示制御部206は、前述したように、メモリメディア接続画面を生成する(ステップS719)。この際、メモリメディア表示制御部206は選択不可であるメモリメディアをメモリメディア接続画面上で特定する。
【0076】
続いて、メモリメディア表示制御部206は、メモリメディア接続画面をタッチパネルディスプレイ107に表示して(ステップS720)、処理を終了する。
【0077】
動作中でないと判定すると(ステップS717において、NO)、データアクセス部204は当該メモリメディアの選択を可として、その旨メモリメディア表示制御部206に通知する。
【0078】
これによって、メモリメディア表示制御部206は、ステップS719においてメモリメディア接続画面を生成する。この際、メモリメディア表示制御部206は選択可であるメモリメディアをメモリメディア接続画面上で特定することになる。そして、メモリメディア表示制御部206は、ステップS720で当該メモリメディア接続画面をタッチパネルディスプレイ107に表示して、処理を終了する。
【0079】
図7は、図1に示すハッチパネルディスプレイ107に表示されるメモリメディア接続画面の一例を示す図である。ここでは、図6で説明したステップS720において表示されるメモリメディア接続画面が示されている。
【0080】
図7において、ここでは、メモリメディアボタン603がグレーアウト(網掛け)表示されている。そして、メモリメディアボタン603の直下には、「保存中のため取り外しできません」という文言が表示されている。つまり、メモリメディアボタン603の直下には、メッセージ表示領域802が規定され、このメッセージ表示領域802に「保存中のめ取り外しできない」旨のメッセージが表示される。
【0081】
これによって、ユーザは取り外し選択の後に警告メッセージが表示されることなく、事前に選択できないことを表示によって認識することができる。このため、ユーザは余計な処理を行わなくても済むようになる。
【0082】
このように、第2の実施形態では、選択した操作に応じて選択可又は選択不可であるメモリメディアであることを、メモリメディア接続画面上に表示するようにしたので、ユーザは所望のメモリメディアを容易に選択することができることになる。そして、ユーザは、ドライブ名及びラベル名等の属性を意識することなく、画像処理装置の外観図上で画像処理装置に接続されているメモリメディアが示されたメモリメディア接続画面で直感的にメモリメディアを把握することができる。
【0083】
上述の説明から明らかなように、図2において、データアクセス部204がアクセス手段として機能し、記憶制御部205が識別手段として機能する。また、メモリメディア表示制御部206が表示制御手段として機能することになる。
【0084】
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0085】
例えば、上記の実施の形態の機能を表示制御方法として、画像処理装置100に接続されるメモリメディアの接続に関する接続情報を表示する際、この表示制御方法を画像処理装置100が備えるコンピュータに実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有する表示制御プログラムを画像処理装置100が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0086】
この際、表示制御方法及び表示制御プログラムは、少なくとも識別ステップ及びメモリメディア表示制御ステップを有することになる。なお、表示制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
【0087】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0088】
100 画像処理装置
101 CPU
107 タッチパネルディスプレイ
108、109、110 USBインタフェース
201、202、203 メモリメディア
204 データアクセス部
205 記憶制御部
206 メモリメディア表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリメディアが接続される複数のメディアインタフェースを備え、前記メディアインタフェースに接続された前記メモリメディアに記録されたデータを処理する情報処理装置において、
前記情報処理装置の外観イメージを示すデバイス外観情報が記憶された記憶手段と、
前記メモリメディアが前記複数のメディアインタフェースのいずれかに接続された際、当該メモリメディアを識別するメディア識別情報と、前記メモリメディアが接続されたメディアインタフェースを識別するインタフェース識別情報を得る識別手段と、
前記メディア識別情報及び前記インタフェース識別情報に応じて、前記デバイス外観情報で示される前記情報処理装置の外観イメージにおける前記メモリメディアの接続状態を示すメディア接続画面を生成して表示するメモリメディア表示制御手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記メディアインタフェースに接続された前記メモリメディアをアクセスしてデータの読出し又は書込みを行うアクセス手段を備え、
前記メモリメディア表示制御手段は、前記データアクセス手段による前記データの書込みが不可であると、当該書込み不可のメモリメディアを選択不可メディアとして前記メモリメディア接続画面に示すことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記メディアインタフェースに接続された前記メモリメディアをアクセスしてデータの読出し又は書込みを行うアクセス手段を備え、
前記メモリメディア表示制御手段は、前記データアクセス手段による前記データの読出しが不可であると、当該読出し不可のメモリメディアを選択不可メディアとして前記メモリメディア接続画面に示すことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記メディアインタフェースに接続された前記メモリメディアを取り外す際、前記メモリメディア表示制御手段は、前記メモリメディアの動作状況に応じて当該メモリメディアの取り外しが不可であると判定すると、該取り外しが不可であるメモリメディアを選択不可メディアとして、前記メモリメディア接続画面に示すことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記データに応じて印刷を実行する印刷部を少なくとも備えることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記メモリメディアは、CFカード、SDカード、及びUSBメモリのいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
メモリメディアが接続される複数のメディアインタフェースを備え、前記メディアインタフェースに接続された前記メモリメディアに記録されたデータを処理する情報処理装置で用いられ前記メモリメディアの接続に関する接続情報を表示制御する表示制御方法において、
前記情報処理装置には、該情報処理装置の外観イメージを示すデバイス外観情報が記憶された記憶手段が備えられており、
前記メモリメディアが前記複数のメディアインタフェースのいずれかに接続された際、当該メモリメディアを識別するメディア識別情報と、前記メモリメディアが接続されたメディアインタフェースを識別するインタフェース識別情報を得る識別ステップと、
前記メディア識別情報及び前記インタフェース識別情報に応じて、前記デバイス外観情報で示される前記情報処理装置の外観イメージにおける前記メモリメディアの接続状態を示すメディア接続画面を生成して表示するメモリメディア表示制御ステップとを有することを特徴とする表示制御方法。
【請求項8】
メモリメディアが接続される複数のメディアインタフェースを備え、前記メディアインタフェースに接続された前記メモリメディアに記録されたデータを処理する情報処理装置で用いられ前記メモリメディアの接続に関する接続情報を表示制御する表示制御プログラムにおいて、
前記情報処理装置には、該情報処理装置の外観イメージを示すデバイス外観情報が記憶された記憶手段が備えられており、
前記情報処理装置に、
前記メモリメディアが前記複数のメディアインタフェースのいずれかに接続された際、当該メモリメディアを識別するメディア識別情報と、前記メモリメディアが接続されたメディアインタフェースを識別するインタフェース識別情報を得る識別ステップと、
前記メディア識別情報及び前記インタフェース識別情報に応じて、前記デバイス外観情報で示される前記情報処理装置の外観イメージにおける前記メモリメディアの接続状態を示すメディア接続画面を生成して表示するメモリメディア表示制御ステップとを実行させることを特徴とする表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−48292(P2012−48292A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187170(P2010−187170)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】