説明

情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラム

【課題】楽譜データを合奏演奏者間で共同使用でき、かつ、楽譜データの改変や不正コピーを防止することができる情報処理装置、制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、楽譜送信指示を入力すると、楽譜データDMの利用権情報に基づいて楽譜の送信が許可されているか否かを判定し、送信が許可されていると判定した場合にのみ送信を行う。さらに、送信を行う際は、情報処理装置は、送信対象の楽譜データDMの利用権情報を送信および保存を許可しない利用権情報に書き換えて送信する。また、情報処理装置は、楽譜保存指示を入力すると、楽譜データDMの利用権情報に基づいて楽譜の保存が許可されているか否かを判定し、保存が許可されていると判定した場合にのみ保存を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラムに関し、楽譜を表示するための楽譜データの改変および不正コピーを制限する情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子楽器やパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)においては、楽譜データに基づいて楽譜を表示できるものがある。この楽譜データは、これらの装置に予め記録されている楽譜データや、楽譜作成ソフトを使ってユーザが作成した楽譜データに限らず、近年では、インターネットを介してダウンロードすることによって購入できるようにもなっている。これにより、電子楽器やPCのユーザは、電子楽器やPCの表示画面に所望の楽曲の楽譜を表示させることができ、演奏練習などに役立てることができるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、複数の楽器で合奏を行おうとする場合は、各楽器の演奏者は同一の楽譜データをインターネットなどを介して購入する必要がある。しかしながら、インターネットショッピングなどに不慣れな演奏者や、音楽に詳しくない初心者にとっては、購入作業が煩雑で、操作ミスなどで異なった楽譜データを購入してしまう場合が生じやすい。
一方、かかる演奏事情を考慮して、楽譜データの販売者が、購入された楽譜データを複数人で使用できるように複製可能にしたとすると、意図しない第三者にまで楽譜データが流出し、楽譜データの改変や不正コピーが発生してしまうおそれがある。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、楽譜データを合奏演奏者間で共同使用でき、かつ、楽譜データの改変や不正コピーを防止することができる情報処理装置、制御方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述課題を解決するため、本発明は、楽譜情報と前記楽譜情報の保存が許可されているか否かを表す保存許可フラグとから構成される楽譜データが外部から入力される楽譜データ入力手段と、前記楽譜データ入力手段に入力された楽譜データを記録する記録手段と、メモリカードに対してデータの読み書きを行うカード制御手段と、前記記録手段または前記メモリカードへの楽譜データの保存指示が入力される指示入力手段と、前記指示入力手段に入力された指示に基づいて、該指示に対応する制御処理を行う制御手段とを備え、前記制御手段は、前記指示入力手段に楽譜データの前記記録手段または前記メモリカードへの保存指示が入力された場合には、保存を指示された楽譜データを前記記録手段から読み出し、読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存の不許可を表していると該楽譜データを前記記録手段から削除する制御処理を行い、読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存許可を表しており、保存先が前記記録手段であると該楽譜データを前記記録手段に記録する制御処理を行い、読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存許可を表しており、保存先が前記メモリカードであると該楽譜データの保存許可フラグを保存不許可に変更し、前記カード制御手段を制御して該楽譜データを前記メモリカードに記録する制御処理を行うことを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0006】
本発明においては、前記楽譜データは、前記楽譜情報の送信が許可されているか否かを表す送信許可フラグを有し、前記記録手段に記録された楽譜データを他の情報処理装置に送信する送信手段を有し、前記制御手段は、前記指示入力手段に楽譜データの送信指示が入力された場合には、送信を指示された楽譜データを前記記録手段から読み出し、読み出した楽譜データの送信許可フラグを送信不許可に変更して該楽譜データを前記送信手段に送信させる制御処理を行ってもよい。
【0007】
また、本発明は、楽譜情報と前記楽譜情報の保存が許可されているか否かを表す保存許可フラグとから構成される楽譜データが外部から入力される楽譜データ入力ステップと、前記楽譜データ入力手段に入力された楽譜データを記録手段に記録する記録ステップと、メモリカードに対してデータの読み書きを行うカード制御ステップと、前記記録手段または前記メモリカードへの楽譜データの保存指示が入力される指示入力ステップと、前記指示入力手段に入力された指示に基づいて、該指示に対応する制御処理を行う制御ステップとを備え、前記制御ステップは、前記指示入力ステップにて楽譜データの前記記録手段または前記メモリカードへの保存指示が入力された場合には、保存を指示された楽譜データを前記記録手段から読み出し、読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存の不許可を表していると該楽譜データを前記記録手段から削除する制御処理を行い、読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存許可を表しており、保存先が前記記録手段であると該楽譜データを前記記録手段に記録する制御処理を行い、読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存許可を表しており、保存先が前記メモリカードであると該楽譜データの保存許可フラグを保存不許可に変更し、前記カード制御ステップにより該楽譜データを前記メモリカードに記録する制御処理を行うことを特徴とする情報処理装置の制御方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、コンピュータに、楽譜情報と前記楽譜情報の保存が許可されているか否かを表す保存許可フラグとから構成される楽譜データが外部から入力される楽譜データ入力ステップと、前記楽譜データ入力手段に入力された楽譜データを記録手段に記録する記録ステップと、メモリカードに対してデータの読み書きを行うカード制御ステップと、前記記録手段または前記メモリカードへの楽譜データの保存指示が入力される指示入力ステップと、前記指示入力手段に入力された指示に基づいて、該指示に対応する制御処理を行う制御ステップとを実行させ、前記制御ステップは、前記指示入力ステップにて楽譜データの前記記録手段または前記メモリカードへの保存指示が入力された場合には、保存を指示された楽譜データを前記記録手段から読み出し、読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存の不許可を表していると該楽譜データを前記記録手段から削除する制御処理を行い、読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存許可を表しており、保存先が前記記録手段であると該楽譜データを前記記録手段に記録する制御処理を行い、読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存許可を表しており、保存先が前記メモリカードであると該楽譜データの保存許可フラグを保存不許可に変更し、前記カード制御ステップにより該楽譜データを前記メモリカードに記録する制御処理を行うことを特徴とするプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、本発明によれば、楽譜データを合奏演奏者間で共同使用でき、かつ、楽譜データの改変や不正コピーを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。以下に示す実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。
【0011】
(1) 実施形態の構成
(1.1)楽譜型情報処理装置の外観構成
図1は、本発明の実施形態に係る楽譜型情報処理装置の外観図である。この楽譜型情報処理装置1は、一般的な紙ベースの楽譜とほぼ同様の大きさに形成されており、ユーザが事前購入した楽譜データに基づいて楽譜を表示する機能などを備え、演奏時に譜面台に載せることによって紙ベースの楽譜と同様に使用できる装置である。なお、楽譜データの購入方法は、インターネットからダウンロードする公知の方法で購入すればよいので説明は省略する。
【0012】
図1に示すように、この楽譜型情報処理装置1は、略矩形形状の薄型ボディからなり、左右に楽譜などを表示する表示画面2、3を有している。この表示画面2、3は、図2に示すように、液晶表示パネル10A、10Bの上面に透明のタッチパネル11A、11Bを各々設けて構成され、指やスタイラスペンによる表示画面2、3の押圧操作と押圧位置とがタッチパネル11A、11Bによって検出できるようになっている。また、図1において、4は、電源スイッチなどを含む操作スイッチ群である。すなわち、この楽譜型情報処理装置1は、ユーザからの指示を操作スイッチ群4の操作や表示画面2、3の押圧操作を介して入力するようになっている。
【0013】
また、この楽譜型情報処理装置1の左側の筐体5と右側の筐体6は、ヒンジ機構Sによって回転可能に連結され、ノートブックや楽譜(楽譜集)と同じように、開閉可能に構成されている。これにより、この楽譜型情報処理装置1は、図3に示すように、左右の筐体5、6を閉じることによって、全体形状を小さくでき、持ち運びを容易に行うことができる。また、この閉状態では、表示画面2、3などが外部に露出しないのでこれらが破損する場合などを防止することができる。
【0014】
また、この楽譜型情報処理装置1は、カメラ7、マイクロホン8およびスピーカ9を有している。カメラ7は、開状態(図1の状態)でこの楽譜型情報処理装置1の前面、つまり、表示された楽譜を見て演奏を行う演奏者を撮影するために設けられている。マイクロホン8は、指向性を有するマイクロホンが適用され、開状態でこの楽譜型情報処理装置1の前面からの音声、つまり、演奏者の演奏音や音声を入力するために設けられている。また、スピーカ9は、この楽譜型情報処理装置1に記録されたMIDI(Musical Instrument Digital Interface)データまたは音声データから生成した音声を放音するためのものである。また、この楽譜型情報処理装置1は、メモリカードのリーダ/ライタ12を内蔵しており、図示しない側面位置にメモリカード用のスロットを有している。
【0015】
(1.2)楽譜型情報処理装置の電気的構成
次に、図4を参照して、楽譜型情報処理装置1の電気的構成を説明する。同図において、CPU(Central Processing Unit)20は、バス(BUS)21を介して接続された各部の動作を制御することによって、楽譜型情報処理装置1全体を制御する。RAM(Random Access Memory)22は、CPU20のバッファメモリやワークメモリとして使用されるメモリであり、イメージデータやプログラムデータなどが一時記憶される。
【0016】
また、制御プログラムメモリ23、楽譜データメモリ24、ユーザデータメモリ25は、例えば、磁気ディスクまたはEEP−ROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの記録装置から構成されている。制御プログラムメモリ23には、CPU20に各種の処理(後述する楽譜表示処理、通信処理など)を行わせるための処理手順を示した制御プログラム群が記録されている。また、楽譜データメモリ24には、複数の楽曲の楽譜データが記録されており、ユーザデータメモリ25には、撮影データや録音データなどの画像や音声のデータなどが記録されるようになっている
【0017】
無線通信部26は、CPU20の制御の下にアンテナを介して図示しないルータや他の楽譜型情報処理装置1やPCなどと無線でデータ通信を行うものであり、例えば、Bluetooth(登録商標)などの無線LANに対応する無線モジュールが適用される。楽譜型情報処理装置1は、この無線通信部26によってルータを介してインターネットに接続することにより、インターネットを介して楽譜データをダウンロードしたり、他の楽譜型情報処理装置1との間で一対一通信、または一対多通信を行うことにより、他の楽譜型情報処理装置1から楽譜データを受信できるようになっている。
【0018】
また、MIDIインターフェース27は、この楽譜型情報処理装置1をMIDIインターフェースを備える電子楽器やPCとの間でMIDIデータを通信するためのものである。また、音源28は、CPU20の制御の下に音声データまたはMIDIデータから音声信号を生成し、図示しないディジタルアナログ変換回路を介してスピーカ9から放音させるものである。
【0019】
(1.3)楽譜データの構成
次に本実施形態で用いる楽譜データについて説明する。
本実施形態で用いる楽譜データDMは、図5に一例を示すように、従来の楽譜データに対応する楽譜情報DM1に加えて、この楽譜情報DM1の利用範囲を特定するための利用権情報DM2を有している。具体的には、利用権情報DM2は、楽譜データDMの保存を許可する保存許可フラグFSと、楽譜データDMの送信を許可する送信許可フラグFTとが記述されている。ここで、保存許可フラグFSが[1]の場合は、保存が許可されていることを示し、[0]の場合は保存が許可されていないことを示している。また、送信許可フラグFTが[1]の場合は、送信が許可されていることを示し、[0]の場合は送信が許可されていないことを示している。
【0020】
また、図5に示す例では、楽譜情報DM1は、音高情報、リズム情報および頁情報のフィールドを含んでおり、音高情報には、さらに音階情報とオクターブ情報とが含まれている。音階情報は、「ド(C)」などの音階を数字を用いて表しており、具体的には、「ド」=「0」を基準に半音の幅を「1」として音階を指定している。例えば、「1」は、「ド」より半音高い「ド#1」を表し、「2」は、「ド」よりも1音高い「レ」を表している。
【0021】
また、オクターブ情報は、基準音に対するオクターブの高低を正負符号「+」および「−」で表すとともに、基準音に対するオクターブの間隔を数字で表している。例えば、「+1」は、基準音から1オクターブ高い音を指定しており、「−1」は、基準音から1オクターブ低い音を指定する。従って、音階情報が「1」で、オクターブ指定情報が「+1」の場合は、基準の「ド」よりも1オクターブ高い「ド#」を表している。
【0022】
一方、リズム情報は、音の長さの基準とする4分音符を「1」として数字で音の長さを表している。例えば、「0.5」は、4分音符の半分の音の長さであるから、8分音符を指定し、「4」は、4分音符の4倍の音の長さであるから、全音符を指定している。また、頁情報は、音高情報やリズム情報などが、楽譜データにおける何頁目に属するかを指定している。また、楽譜データには、上述した情報以外に、演奏時のテンポを指定するテンポ情報、曲の題名、作曲者名、作詞家名などを示す情報を含んでいる。
【0023】
そして、この楽譜型情報処理装置1は、CPU20がユーザの指示に基づいて対応する楽曲の楽譜データDMを読み出し、所定のアルゴリズムで五線譜の楽譜の画像データを頁単位で生成することにより、楽譜の各頁を表示画面2および3にそれぞれ表示できるようになっている。
【0024】
(1.4)楽譜型情報処理装置の処理内容
次に、この楽譜型情報処理装置1が行う各種処理について説明する。
この楽譜型情報処理装置1は、複数の動作モードを有しており、動作モードを切り替えることにより、インターネット接続、データ通信、楽譜表示、撮影および録音を行う。具体的には、この楽譜型情報処理装置1は、動作モードとして、インターネットモード、通信モード、楽譜表示モード、撮影モードおよび録音モードを備えている。以下、各動作モードを楽譜データDMの取り扱いに着目しながら説明する。
【0025】
a.インターネットモード
インターネットモードは、インターネットに接続する動作モードであり、このモードが選択されると、CPU20は、制御プログラムメモリ23に記録された所定のブラウザ用プログラムを読み出して実行することにより、ブラウザを起動し、ルータを介してインターネットに接続する。そして、CPU20は、タッチパネル11A、11Bなどを介して入力したユーザの指示に基づいて、任意のURL(Uniform Resource Locator)のHP(Home Page)にアクセスして画像データなどを取得し、対応する画像を表示する。
【0026】
従って、ユーザは、従来のPCと同様に、インターネットをブラウジングすることができ、また、上記楽譜データDMのダウンロードサービスを提供するサーバにアクセスすることによって、所望の楽曲の楽譜データDMをダウンロードすることができるようになっている。この場合、楽譜データDMの供給元のサーバは、利用権情報DM2の保存許可フラグFSと送信許可フラグFTとを両方とも[1]に設定した楽譜データDMを送信するようになっている。すなわち、購入者の楽譜型情報処理装置1には、保存および送信が許可された楽譜データDMが楽譜データメモリ24に記録されるようになっている。
【0027】
b.通信モード
通信モードは、他の楽譜型情報処理装置1と無線接続することによって、無線ネットワーク(例えば、Bluetooth接続など)を構成し、この無線ネットワーク内の指定された1台または全ての楽譜型情報処理装置1との間で、楽譜データメモリ24に記録された楽譜データDMや、ユーザデータメモリ25に記録されたデータを通信するモードである。ここで、本実施形態に係る楽譜型情報処理装置1は、楽譜データDMの送信の場合には、CPU20が送信対象の楽譜データDMが送信を許可されているか否かを判定し、送信が許可されている場合にのみ楽譜データDMを送信するようになっている。なお、楽譜データDM以外のデータ(動画データや音声データなど)は、上記判定を行うことなく、宛先の楽譜型情報処理装置1に送信する。
【0028】
次に、楽譜データDMの送信の場合におけるCPU20の処理手順を図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、楽譜型情報処理装置1において、このモードの際に表示される図示しない操作ボタンの操作を介して楽譜データDMの送信指示を入力すると、CPU20は、楽譜データメモリ24に記憶された楽譜データDMのファイル名を表示画面2および3に表示し、ユーザに対して送信対象の楽譜データDMの選択を促す(ステップS1)。なお、ユーザが楽譜データDMのファイル名を直接入力するようにしてもよいし、楽譜データメモリ24に記憶された楽譜データDMをサムネール表示してその中から選択するようにしてもよい。
【0029】
そして、送信対象の楽譜データDMが選択されると、CPU20は、その楽譜データDMを読み出して(ステップS2)、読み出した楽譜データDMの利用権情報DM2の送信許可フラグFTが[1]か否かを判定する(ステップS3)。このとき、送信許可フラグFTが[1]の場合は、CPU20は、この楽譜データDMの送信許可フラグFTと保存許可フラグFSとを[0]に変更した後に(ステップS4)、宛先の楽譜型情報処理装置1に送信する(ステップS5)。すなわち、送信対象の楽譜データDMが送信が許可されていた場合は、送信と保存を許可しない設定に利用権情報DM2が書き換えられた楽譜データDMが宛先の楽譜型情報処理装置1に送信される。
【0030】
これに対して、ステップS3の判断において、送信許可フラグFTが[0]であった場合は、CPU20は、楽譜データDMの送信処理を中止する中止処理を行った後(ステップS6)、処理を終了する。ここで、中止処理とは、例えば、「この楽譜データの送信は許可されていません」などのメッセージを表示する処理である。すなわち、送信対象の楽譜データDMが送信が許可されていない場合は、楽譜データDMの送信が禁止される。
【0031】
このように、楽譜型情報処理装置1は、楽譜データDMの利用権情報DM2に基づいて楽譜データDMを送信するか否かを選択するように構成されており、楽譜データDMを送信する場合でも、送信が許可されない利用権情報DM2に書き換えた楽譜データDMを送信するので、送信先の楽譜型情報処理装置1からこの楽譜データDMが再び他の楽譜型情報処理装置1に送信される場合を確実に防止できるようになっている。従って、本実施形態においては、購入時の楽譜データDMを記録している楽譜型情報処理装置1、つまり、楽譜データDMの購入者の楽譜型情報処理装置1しか楽譜データDMを送信することができず、購入者が楽譜データDMの流出先を管理できるようになっている。
【0032】
c.楽譜表示モード
楽譜表示モードは、楽器演奏のための楽譜を表示する動作モードであり、このモードが選択されると、CPU20は、制御プログラムメモリ23に記録された楽譜表示用プログラムを読み出して実行することにより、上記通信モードの場合と同様に、楽譜データメモリ24に記憶された楽譜データDMのファイル名を表示画面2および3に表示するなどして、ユーザに対して表示対象の楽譜データDMの選択を促す。なお、楽譜データメモリ24には、上記通信モードにて他の購入者の楽譜型情報処理装置1から送信された楽譜データDMも記録されている。
【0033】
そして、ユーザにより楽譜データDMが選択されると、CPU20は、楽譜データメモリ24から対応する楽譜データDMを読み出し、1頁目と2頁目の楽譜画像データを生成することにより、1頁目と2頁目の楽譜を表示画面2と表示画面3とにそれぞれ頁単位で表示させる。この場合の表示例を図7に示すように、表示画面2には、各種操作を指示するための操作ボタン群30および40がさらに表示される。具体的には、操作ボタン群30は、頁送り、頁戻し、頁の最初に戻る、楽譜の保存および編集、といった楽譜操作や、手書き画像の消去、保存および各種設定、といった処理を指示するためのソフトウェアボタンであり、操作ボタン群40は、動作モードの切り替えを指示するためのソフトウェアボタンである。
【0034】
また、この楽譜表示処理において、CPU20は、図8に示すように、表示画像Pを複数のレイヤに対応付けて表示するレイヤ表示処理を行い、この図では、第1レイヤL1に楽譜画像や操作ボタン群30、40の画像を表示する場合を示している。なお、ここでは、第2レイヤL2〜第nレイヤLnには何も画像は表示されていない。そして、CPU20は、液晶表示パネル10A、10Bを駆動して表示画像Pの左領域の画像Plを液晶表示パネル10Aに表示させ、右領域の画像Prを液晶表示パネル10Bに表示させることにより、1頁目の楽譜を表示画面2に表示し、2頁目の楽譜を表示画面3に表示させる。
【0035】
次に、CPU20は、タッチパネル11A、11Bを介して検出した押圧位置に基づき、操作ボタン群30の楽譜操作の操作ボタンが押圧操作されたことを検出すると、第1レイヤL1に表示される楽譜の頁を変更して表示画像Pを更新する処理を行う。例えば、頁送りボタンが押圧操作された時は、第1レイヤL1に表示する楽譜画像を2頁後の楽譜画像に更新することによって、表示画面2および3に表示される楽譜をそれぞれ2頁後の楽譜に変更させる。また、CPU20は、タッチパネル11A、11Bを介して操作ボタン群40のいずれかが押圧操作されたことを検出すると、動作モードを切り替える処理を行う。
【0036】
また、CPU20は、タッチパネル11A、11Bを介して検出した押圧位置が操作ボタン群30および40以外の位置の場合は、この位置の軌跡の画像データ(以下、「手書きデータ」という。)を生成し、図9に示すように、この位置の軌跡を第2レイヤL2にリアルタイムに表示させることによって、表示画面2および3に楽譜画像と該位置の軌跡とを重ねて表示させる。また、CPU20は、図10または図11に示すように、この手書きデータにその時点の楽譜の頁、楽譜データDMのファイル名、表示レイヤ(第2レイヤL2)などを特定するための付加情報をつけてRAM22に記憶しておき、上述した楽譜頁変更処理の際に、この付加情報を参照することにより、変更後の頁に対応する手書きデータがあれば、この位置の軌跡の画像を第2レイヤL2に表示し、無ければ第2レイヤL2には何も表示させない。なお、図10は1頁分の手書きデータに付加情報をつけて記憶した場合の概念図であり、図11は連続する2頁分の手書きデータに付加情報をつけて記憶した場合の概念図であり、いずれの方法を採用してもよい。これにより、ユーザは、一般の紙ベースの楽譜と同様に、スタイラスペンなどによって電子楽譜に直接文字や絵柄などの手書き画像を書き込むことができる。
【0037】
ここで、本実施形態においては、手書き画像(押圧位置の軌跡)を第2レイヤL2に表示する場合を示しているが、CPU20は、ユーザの設定変更に従って手書き画像を表示するレイヤを任意に変更し、他のレイヤ(第3レイヤL3〜第nレイヤLn)に表示する場合でも同じ処理を行う。従って、複数のレイヤに手書き画像を書き込むことも可能である。なお、手書き画像を表示した時の色や点の大きさ(線の太さ)についても各レイヤ毎に操作者が任意に設定できるようにしてもよい。また、楽譜画像と操作ボタン群30、40を表示するレイヤも第1レイヤL1に限らず、楽譜画像と手書き画像を表示するレイヤが異なる範囲で任意のレイヤに表示させることが可能である。なお、楽譜画像と操作ボタン群30、40の画像は同一レイヤに限らず、異なるレイヤに表示させるようにしてもよい。
【0038】
また、CPU20は、操作ボタン群30の操作や設定に応じて第1レイヤL1〜第nレイヤLnの表示/非表示を制御することにより、ユーザの操作に応じて楽譜と手書き画像を同時に表示させたり、楽譜のみを表示させたり、手書き画像だけを表示させたり、所定のレイヤの手書き画像だけを表示させたり、といった切り替え表示を行う。すなわち、この楽譜型情報処理装置1は、楽譜と手書き画像とを異なるレイヤで表示しているので、楽譜または手書き画像の非表示処理を簡易に行うことができる。
【0039】
また、CPU20は、操作ボタン群30の手書き画像の保存の操作ボタンが操作された場合は、指定されたレイヤの手書きデータを付加情報とともに読み出し、ユーザデータメモリ25またはメモリカードに保存する処理を行う。また、CPU20は、ユーザデータメモリ25またはメモリカードに記録された手書きデータの読み出しが指示された場合は、このデータに含まれる付加情報に基づいて、楽譜データメモリ24に対応する楽譜データDMが記録されているか検索し、楽譜データDMが記録されている場合は、この楽譜データDMを読み出して表示させるとともに、表示した楽譜の頁に対応する手書きデータがある場合は、上述と同様に、この手書きデータの画像を指定されたレイヤに表示する。これにより、操作者は、自身の手書きデータだけをメモリカードに記憶して持ち運ぶようにすれば、自身の楽譜型情報処理装置1で書き込んだ手書き画像を含む楽譜を他の楽譜型情報処理装置1でも表示させることができる。
【0040】
従って、この楽譜型情報処理装置1は、紙ベースの一般的な楽譜と同様に、楽譜の連続する頁を同時に表示したり、頁をめくることが可能なだけでなく、表示された楽譜に自由に書き込みを行うことができる。
【0041】
また、この楽譜型情報処理装置1において、操作ボタン群30の楽譜の保存の操作ボタンが操作された場合は、CPU20は、保存対象の楽譜データDMが保存を許可されているか否かを判定し、保存が許可されている場合にのみ楽譜データDMを保存する処理を行うようになっている。
【0042】
ここで、楽譜データDMの保存の場合におけるCPU20の処理手順を図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、楽譜型情報処理装置1において、保存対象(現在表示中)の楽譜データDMの利用権情報DM2を参照して、保存許可フラグFSが[1]か否かを判定する(ステップS10)。このとき、保存許可フラグFSが[1]の場合は、CPU20は、ユーザに対して楽譜データDMの保存先の選択を促し、選択された保存先がメモリカードか否かを判断する(ステップS11)。
【0043】
このとき、選択された保存先がメモリカードの場合は、CPU20は、この楽譜データDMの送信許可フラグFTと保存許可フラグFSとを[0]に変更した後に(ステップS12)、メモリカードに保存するのに対し(ステップS13)、選択された保存先がメモリカードではない場合、つまり、保存先が楽譜データメモリ24であった場合は、利用権情報DM2の内容を変更することなく、楽譜データDMを保存する(ステップS13)。
【0044】
ここで、楽譜データDMを保存する場合には、第2レイヤL2〜第nレイヤLnに表示した手書きデータおよび付加情報を読み出して、これらデータと第1レイヤL1に表示した楽譜情報と対応づけることによって1つの楽譜データDMとして楽譜データメモリ24に記録するようになっている。そして、CPU20は、この楽譜データDMを表示する際は、楽譜データDMに含まれる付加情報に基づいて、表示する楽譜の頁に対応する手書きデータがあると判定した場合は、この手書きデータの画像を指定されたレイヤに表示することにより、前回書き込まれた手書き画像を含む楽譜を表示させることができるようになっている。
【0045】
一方、ステップS10の判断において、保存許可フラグFSが[0]であった場合は、CPU20は、楽譜データDMの保存を中止する中止処理を行った後(ステップS14)、この楽譜データDMを楽譜データメモリ24から削除する処理を行う(ステップS15)。ここで、中止処理とは、楽譜データDMの保存が許可されていない旨などを表示してユーザに通知する処理である。すなわち、利用権情報DM2に基づいて保存が許可されていないと判断される楽譜データDMは、表示可能ではあるが、保存することができず、この結果、一回しか表示できないように利用が制限される。
【0046】
さらに、楽譜データDMをメモリカードに保存する場合は、保存と送信が許可されない利用権情報DM2に書き換えた楽譜データDMを保存するので、メモリカードから読み出した楽譜データDMについても、一回しか表示できず、送信することもできないように利用が制限される。また、CPU20は、この楽譜情報処理装置1の電源をオフする指示、および、この動作モードの終了指示などを入力した場合にも保存許可フラグFSを参照し、保存許可フラグFSが[0]の場合は、この楽譜データDMを楽譜データメモリ24から削除する処理を行うことにより、保存が許可されていないと判断される楽譜データDMを確実に削除するようになっている。
【0047】
従って、本実施形態に係る楽譜型情報処理装置1は、楽譜データDMの利用権情報DM2に基づいて楽譜データDMを保存するか否かを選択するように構成されており、楽譜データDMを保存する場合でも、他の楽譜型情報処理装置1によって楽譜データDMを読み出し可能なメモリカードに保存する場合は、保存と送信が許可されない利用権情報DM2に書き換えて楽譜データDMを保存する。このため、メモリカードから読み出した楽譜データDMについても、一回しか表示できず、かつ、送信もできないように利用が制限される。
【0048】
これにより、保存が許可されている購入時の楽譜データDMを記録している楽譜型情報処理装置1だけが楽譜データDMの送信や保存を行うことができるので、購入者は、合奏演奏を希望する者の楽譜型情報処理装置1に楽譜データDMを送信するか、メモリカードに記録(保存)して渡せば、合奏相手の楽譜型情報処理装置1にも同じ楽曲の楽譜を表示させることができる一方で、合奏終了後は合奏相手の楽譜型情報処理装置1から楽譜データを削除させることができる。従って、購入者以外の者の楽譜データDMの再利用や改変を確実に制限することができる。
【0049】
なお、保存が許可されていない楽譜データDMを表示した際に入力された手書き画像は、この楽譜データDMを削除する際に合わせて削除するようにしてもよいし、手書きデータを付加情報とともにユーザデータメモリ25に記録して、ユーザが適宜利用できるようにしてもよい。
【0050】
d.撮影モード
撮影モードは、演奏者を撮影するモードであり、このモードが選択されると、CPU20は、カメラ7の撮影画像50を表示画面3に表示させる。図13に撮影モードの表示例を示すように、表示画面3には、撮影画像50に加えて、録画開始、録画停止、再生、といった処理を指示するための操作ボタン群60が表示されるとともに、表示画面2に、撮影モードへの切り替え前に表示されていた楽譜、若しくは演奏者が指定した楽譜データDMに対応する楽譜のいずれかが表示されるようになっている。
【0051】
そして、操作ボタン群60の操作に応じて、CPU20は、カメラ7を介して入力した撮影画像50に対応する動画データと、マイクロホン8を介して入力した音声データとをユーザデータメモリ25に同期をとって記録していく録画処理、若しくは録画停止処理、またはユーザデータメモリ25に予め記録した動画および音声のデータの再生処理などを行うようになっている。この録画処理において、動画データは、MPEG(Moving Picture Experts Group)2またはモーションJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の映像符号化アルゴリズムで圧縮符号化処理を行う一方、音声データはMPEG1(レイヤ2)等の音声符号化アルゴリズムで圧縮符号化処理を行って記録するようにしてもよい。さらに、動画データだけを記録できるようにしてもよい。
【0052】
また、このモードにおいても、楽譜表示モードと同様に、操作ボタン群30の操作により楽譜操作が可能で、かつ、電子楽譜に手書き画像を書き込んだり、手書きデータだけを保存することが可能である。なお、このモードにおいては、表示画面2にしか電子楽譜が表示されないので、頁送りボタンや頁戻しボタンが押圧操作された場合は、楽譜表示モードの場合と異なり、電子楽譜を1頁単位で変更するようになっている。なお、撮影画像50を表示画面2に表示し、電子楽譜を表示画面3に表示するようにしてもよく、操作者がいずれの表示画面に撮影画像50を表示するかを選択できるようにしてもよい。
【0053】
これにより、この撮影モードにおいては、電子楽譜と撮影画像50とを隣り合う位置に表示することができるので、演奏者は、一方の表示画面2に表示された電子楽譜を見て楽器演奏などを行うと同時に、他方の表示画面3に表示された自身の演奏姿をモニタしながら簡易に撮影を行うことができる。
【0054】
e.録音モード
録音モードは、演奏音や歌声を録音するモードであり、このモードが選択されると、CPU20は、録音開始、録音停止、再生、といった処理を指示するための図示しない操作ボタン群を表示画面3に表示させ、これら操作ボタンの押圧操作に応じてマイクロホン8を介して入力した音声データをユーザデータメモリ25に記録したり、ユーザデータメモリ25に記録された音声データを再生する。
【0055】
また、このモードにおいても、撮影モードと同様に、表示画面2には、録音モードへの切り替え前に表示されていた楽譜、若しくは演奏者が指定した楽譜データDMに対応する楽譜が表示される。これにより、演奏者は、一方の表示画面2に表示された電子楽譜を見て楽器演奏などを行うと同時に、他方の表示画面3に表示された操作ボタンを操作して自身の演奏音や歌声を簡易に録音することができる。
【0056】
(2) 補足
本願発明は、上述した実施形態に限らず種々の態様にて実施することができる。例えば、以下のような変形実施が可能である。
(2.1)
上述の実施形態では、購入時の楽譜データDMを記録する楽譜型情報処理装置1から楽譜データDMを送信する場合や楽譜データDMをメモリカードに記録する時は、常に、その楽譜データDMの利用権情報DM2を書き換えて送信および保存を禁止する場合について述べたが、送信および保存を禁止するか否かを購入者が設定できるようにしてもよい。このようにすれば、購入者が楽譜データのバックアップをとったり、自身が所有するPCや他の楽譜型情報装置1でも楽譜データの保存や送信が可能となる。
【0057】
(2.2)
また、上述の実施形態では、楽譜データDMの購入者は自由に楽譜データDMを送信したり、保存することができる場合について述べたが、ダウンロードサービスを提供するサーバが購入者の希望などに応じて利用権情報DM2の各フラグFSおよびFTを書き換えて、楽譜データDMを提供するようにしてもよい。このようにすれば、例えば、サーバが送信許可フラグFT=[0]、保存許可フラグFS=[1]の楽譜データを送信すれば、購入者が保存はできるが送信はできないようにする、といったことが可能となる。従って、購入者は、合奏使用予定の楽譜データについては保存および送信が許可された楽譜データを購入し、自身のみが使用する楽譜データについては保存のみが許可された楽譜データを購入する、といった選択が可能となる。
【0058】
(2.3)
また、上述の実施形態では、この楽譜型情報処理装置1がインターネットモード、通信モード、楽譜表示モード、撮影モードおよび録音モードの動作モードを有する場合について述べたが、動作モードはインターネットモード、通信モードおよび楽譜表示モードのみでもよい。少なくとも、楽譜型情報処理装置1は、インターネットまたはメモリカードなどを介して、送信および保存が許可された楽譜データDMを外部から取得する手段、他の楽譜型情報処理装置1に楽譜データを送信する手段、楽譜データに基づいて楽譜を表示したり、保存する手段があればよい。
【0059】
(2.4)
また、上述の実施形態では、利用権情報DM2を、保存許可フラグFSと、送信許可フラグFTとから構成する場合について述べたが、1つのフラグで保存と送信を許可するか否かを設定するようにしてもよい。また、これらのフラグ情報に加えて、編集を許可するか否かを設定するフラグなどをさらに追加してもよい。また、本発明は、フラグ情報を用いる場合に限らず、保存や送信を許可するか否かを識別可能な識別情報を広く適用することができる。
【0060】
(2.5)
また、上述の各実施形態では、主にタッチパネル11A、11Bを介してユーザの指示を入力する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、タッチパネル以外のタブレットやマウス等の各種の入力デバイスを適用してもよいことは言うまでもなく、マイクロホン8を介して入力した音声に基づいてユーザの指示を入力するようにしてもよい。
【0061】
(2.6)
上述の実施形態では、楽譜型情報処理装置1が表示装置(表示画面2、3、液晶表示パネル10A、10Bなど)を備え、この表示装置に電子楽譜などを表示する場合について述べたが、この楽譜型情報処理装置1に接続された別体の表示装置に電子楽譜などを表示するようにしてもよい。また、楽譜データDMに基づいて送信や保存を制限可能な機器は、上述した楽譜型情報処理装置1に限らず、PC、PDA(Personal Digital Assistants)などのコンピュータ(情報処理装置を含む)に広く適用することが可能である。
【0062】
(2.7)
また、上述の実施形態では、外部から受信した楽譜データDMの表示や、楽譜データDMの送信や保存の制限(利用権情報DM2の書き換えなど)、といった処理を行うための制御プログラムを予め楽譜型情報処理装置1に格納しておく場合について述べたが、図14に示すように、この制御プログラムを磁気記録媒体、光記録媒体、半導体記録媒体などのコンピュータが読み取り可能な記録媒体120に記録し、コンピュータ130がこのプログラムを読み取って実行するようにしてもよい。また、図15に示すように、この制御プログラムをサーバ140に格納し、ネットワークを介してサーバ140が送信要求のあった楽譜型情報処理装置1などの情報処理装置やコンピュータ(PC)150などに送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態に係る楽譜型情報処理装置の外観図である。
【図2】楽譜型情報処理装置の表示画面の構成を示す図である。
【図3】楽譜型情報処理装置の筐体を閉じた状態を示す外観図である。
【図4】楽譜型情報処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】楽譜データの内容を示す図である。
【図6】楽譜データ送信時の処理を示すフローチャートである。
【図7】楽譜型情報処理装置の楽譜表示モードの説明に供する図である。
【図8】楽譜型情報処理装置の楽譜表示時の表示画像のレイヤ構造を説明する図である。
【図9】楽譜型情報処理装置の楽譜と手書き画像表示時の表示画像のレイヤ構造を説明する図である。
【図10】手書きデータの管理方法の説明に供する図である
【図11】手書きデータの他の管理方法の説明に供する図である
【図12】楽譜データ保存時の処理を示すフローチャートである。
【図13】楽譜型情報処理装置の撮影モードの説明に供する図である。
【図14】制御プログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録する場合の説明に供する図である。
【図15】制御プログラムをネットワークを介してサーバから送信する場合の説明に供する図である。
【符号の説明】
【0064】
1……楽譜型情報処理装置、2、3……表示画面、4……操作スイッチ群、30、40……操作ボタン群、5、6……筐体、7……カメラ、8……マイクロホン、9……スピーカ、10A、10B……液晶表示パネル、11A、11B……タッチパネル、20……CPU(制御手段)、21……バス、22……RAM、23……制御プログラムメモリ、24……楽譜データメモリ(記録手段)、25……ユーザデータメモリ、26……無線通信部、27……MIDIインターフェース、28……音源、50……撮影画像、DM……楽譜データ、DM1……楽譜情報、DM2……利用権情報、FS……保存許可フラグ、FT……送信許可フラグ、L1〜Ln……レイヤ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽譜情報と前記楽譜情報の保存が許可されているか否かを表す保存許可フラグとから構成される楽譜データが外部から入力される楽譜データ入力手段と、
前記楽譜データ入力手段に入力された楽譜データを記録する記録手段と、
メモリカードに対してデータの読み書きを行うカード制御手段と、
前記記録手段または前記メモリカードへの楽譜データの保存指示が入力される指示入力手段と、
前記指示入力手段に入力された指示に基づいて、該指示に対応する制御処理を行う制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記指示入力手段に楽譜データの前記記録手段または前記メモリカードへの保存指示が入力された場合には、
保存を指示された楽譜データを前記記録手段から読み出し、
読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存の不許可を表していると該楽譜データを前記記録手段から削除する制御処理を行い、
読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存許可を表しており、保存先が前記記録手段であると該楽譜データを前記記録手段に記録する制御処理を行い、
読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存許可を表しており、保存先が前記メモリカードであると該楽譜データの保存許可フラグを保存不許可に変更し、前記カード制御手段を制御して該楽譜データを前記メモリカードに記録する制御処理を行うこと
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記楽譜データは、前記楽譜情報の送信が許可されているか否かを表す送信許可フラグを有し、
前記記録手段に記録された楽譜データを他の情報処理装置に送信する送信手段を有し、
前記制御手段は、
前記指示入力手段に楽譜データの送信指示が入力された場合には、
送信を指示された楽譜データを前記記録手段から読み出し、
読み出した楽譜データの送信許可フラグを送信不許可に変更して該楽譜データを前記送信手段に送信させる制御処理を行うこと
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
楽譜情報と前記楽譜情報の保存が許可されているか否かを表す保存許可フラグとから構成される楽譜データが外部から入力される楽譜データ入力ステップと、
前記楽譜データ入力手段に入力された楽譜データを記録手段に記録する記録ステップと、
メモリカードに対してデータの読み書きを行うカード制御ステップと、
前記記録手段または前記メモリカードへの楽譜データの保存指示が入力される指示入力ステップと、
前記指示入力手段に入力された指示に基づいて、該指示に対応する制御処理を行う制御ステップと
を備え、
前記制御ステップは、
前記指示入力ステップにて楽譜データの前記記録手段または前記メモリカードへの保存指示が入力された場合には、
保存を指示された楽譜データを前記記録手段から読み出し、
読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存の不許可を表していると該楽譜データを前記記録手段から削除する制御処理を行い、
読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存許可を表しており、保存先が前記記録手段であると該楽譜データを前記記録手段に記録する制御処理を行い、
読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存許可を表しており、保存先が前記メモリカードであると該楽譜データの保存許可フラグを保存不許可に変更し、前記カード制御ステップにより該楽譜データを前記メモリカードに記録する制御処理を行うこと
を特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項4】
コンピュータに、
楽譜情報と前記楽譜情報の保存が許可されているか否かを表す保存許可フラグとから構成される楽譜データが外部から入力される楽譜データ入力ステップと、
前記楽譜データ入力手段に入力された楽譜データを記録手段に記録する記録ステップと、
メモリカードに対してデータの読み書きを行うカード制御ステップと、
前記記録手段または前記メモリカードへの楽譜データの保存指示が入力される指示入力ステップと、
前記指示入力手段に入力された指示に基づいて、該指示に対応する制御処理を行う制御ステップと
を実行させ、
前記制御ステップは、
前記指示入力ステップにて楽譜データの前記記録手段または前記メモリカードへの保存指示が入力された場合には、
保存を指示された楽譜データを前記記録手段から読み出し、
読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存の不許可を表していると該楽譜データを前記記録手段から削除する制御処理を行い、
読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存許可を表しており、保存先が前記記録手段であると該楽譜データを前記記録手段に記録する制御処理を行い、
読み出した楽譜データの保存許可フラグが保存許可を表しており、保存先が前記メモリカードであると該楽譜データの保存許可フラグを保存不許可に変更し、前記カード制御ステップにより該楽譜データを前記メモリカードに記録する制御処理を行うこと
を特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−83707(P2008−83707A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−257967(P2007−257967)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【分割の表示】特願2002−40573(P2002−40573)の分割
【原出願日】平成14年2月18日(2002.2.18)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】