説明

情報処理装置及びプログラム

【課題】動きに関する複数の情報を、もとの波形を崩すことなく、全体的にバランスよく位置あわせすることが困難であるという課題があった。
【解決手段】物体の動きに関する経時的な情報である動作情報を複数受け付ける動作情報受付部101と、複数の動作情報間の、時間軸方向の位置関係を変更する動作情報変更部102と、複数の動作情報について、各動作情報間の相関に関する情報である相関情報を取得する相関情報取得部103と、相関情報取得部103が取得した相関情報に基づいて、各動作情報間の相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を取得する動作情報取得部104と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の動き、特に、スポーツ等を行っている際の人間の動きに関する情報等を処理する情報処理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の動きを数値化したデータとして取得するためのツールとして、物体の位置と動きを測定するもの等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなツールを使うことで、人間や動物等の物体の経時的な動きを、波形グラフ等で表示することが可能となる。このため、人体の動きを解析することが可能となり、その解析結果から、例えば、人体の故障しやすい箇所等を予測することが可能となると考えられる。
【特許文献1】特表2001−518185号公報(第1頁、第1図等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような人間や動物等の動きの情報を解析する場合、データ同士を比較したり、複数の情報の平均を求めたりすることが不可欠であり、このような場合には、複数の情報を、もとの波形を崩すことなく、時間軸方向において位置あわせをして配置できるようにする必要がある。
【0005】
しかしながら、従来は、このような複数の情報を揃えて配置するための装置や方法が確立されていなかった。このため、人間や動物等の動きの情報を解析する際には、複数の情報を、解析者等が、経験や勘に基づいて、揃えることとなり、この結果、得られる情報の客観性が欠けてしまい、情報の信頼性が低くなるとともに、情報の再現性がよくないという課題があった。特に、複雑な動きの情報を解析する場合には、複雑な動きに含まれるどの特定の動きに着目して情報を位置あわせするか等によっても、情報間の位置関係が異なってくるため、位置あわせにおいて考慮すべき要素が多くなり、客観的に情報の位置あわせを行うことが困難であった。
【0006】
例えば、同じ動きを2回行って、それぞれの動きから、動きを表す波形を取得し、この波形同士を位置あわせすることを考える。このとき、2回の動きの開始から終了までの時間が大きく異なると、例えば、動きの開始時を位置あわせすると、動きの終了に近づくにつれて波形間の位置のずれが大きくなることが考えられる。また、波形の特定のピーク同士を合わせたとしても、他の部分での波形間の位置のずれが大きくなることが考えられる。このように、波形同士を波形全体のバランスを考えて客観的に位置あわせすることが困難であった。
【0007】
また、一方の動きの波形を変形することで、波形同士の開始時間と終了時間とを合わせて、波形を位置あわせすることも考えられる。しかしながら、人間の動き等は、動作全体の継続時間等に応じて、細かい動きのタイミングやフォーム等が異なる。例えば、人間がゆっくり走る場合のフォームと、速く走る場合のフォームとでは、フォームが全く異なる。従って、ゆっくり走る場合のフォームから得られた動きを示す波形の継続時間を、速く走る場合の動きを示す波形の継続時間に合わせて変形したとしても、速く走る場合の動きを示す波形とは全く異なるものとなる。このため、このように波形を変形して位置あわせすることは、特に動きを解析する場合等における、動きを表す波形の位置あわせには適切ではない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる情報処理装置は、物体の動きに関する経時的な情報である動作情報を複数受け付ける動作情報受付部と、前記複数の動作情報間の、時間軸方向の位置関係を変更する動作情報変更部と、複数の動作情報について、各動作情報間の相関に関する情報である相関情報を取得する相関情報取得部と、前記相関情報に基づいて、各動作情報間の相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を取得する動作情報取得部と、を備えたものである。
【0009】
かかる構成により、複数の動作情報を時間軸方向において、動作情報全体のバランスを考えて客観的に位置あわせすることができ、複数の動作情報から、信頼性が高く、再現性に優れた情報を得ることが可能となる。
【0010】
また、前記情報処理装置において、前記動作情報変更部は、少なくとも一つ以上の動作情報を時間軸方向にずらして、前記複数の動作情報間の、時間軸方向の位置関係を変更する。
【0011】
かかる構成により、複数の動作情報を時間軸方向において、動作情報全体のバランスを考えて客観的に位置あわせすることができ、複数の動作情報から、信頼性が高く、再現性に優れた情報を得ることが可能となる。
【0012】
また、前記情報処理装置において、前記相関情報取得部は、前記複数の動作情報の2以上の所定の時刻における値に基づいて相関情報を取得する。
【0013】
かかる構成により、複数の動作情報を時間軸方向において、動作情報全体のバランスを考えて客観的に位置あわせすることができ、複数の動作情報から、信頼性が高く、再現性に優れた情報を得ることが可能となる。
【0014】
また、前記情報処理装置において、前記相関情報は、前記複数の動作情報の2以上の所定の時刻における値の差の絶対値の平均値である。
【0015】
かかる構成により、複数の動作情報を時間軸方向において、動作情報全体のバランスを考えて客観的に位置あわせすることができ、複数の動作情報から、信頼性が高く、再現性に優れた情報を得ることが可能となる。
【0016】
また、前記情報処理装置において、前記動作情報取得部は、前記平均値が小さくなる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を取得する。
【0017】
かかる構成により、複数の動作情報を時間軸方向において、動作情報全体のバランスを考えて客観的に位置あわせすることができ、複数の動作情報から、信頼性が高く、再現性に優れた情報を得ることが可能となる。
【0018】
また、前記情報処理装置において、前記動作情報取得部が取得した複数の動作情報を合成する動作情報合成部と、前記動作情報合成部が合成した動作情報を出力する出力部とを、さらに備えた。
【0019】
かかる構成により、複数の動作情報から、信頼性が高く、再現性に優れた動作情報を合成することが可能となる。
【0020】
また、前記情報処理装置において、前記動作情報合成部は、前記動作情報取得部が取得した複数の動作情報の、複数の時刻における値の平均をそれぞれの時刻の値とする。
【0021】
かかる構成により、複数の動作情報から、信頼性が高く、再現性に優れた動作情報を合成することが可能となる。
【0022】
また、前記情報処理装置において、前記動作情報受付部が受け付ける動作情報は、2つであり、当該動作情報の一方の動作情報は、前記出力部の出力する動作情報である。
【0023】
かかる構成により、3つ以上の動作情報から、信頼性が高く、再現性に優れた動作情報を合成することが可能となる。また、一度に処理する動作情報が2つであるので、情報の処理量を削減して、処理速度の遅い情報処理装置においても、処理時間を短時間で終わらせることが可能となる。
【0024】
また、前記情報処理装置において、前記動作情報合成部が合成した動作情報を解析する動作情報解析部をさらに備え、前記出力部は、前記動作情報解析部の解析結果を出力する。
【0025】
かかる構成により、複数の動作情報に基づいて合成した、信頼性が高く、再現性に優れた動作情報を代表値として、動作情報の解析を行うこととなり、信頼性及び再現性が高い、高品質な解析結果を得ることが可能となる。
【0026】
また、前記情報処理装置において、前記動作情報は、バレーボールを行う際の動作に関する情報である。
【0027】
かかる構成により、各バレーボール選手について、選手の体の状態や、どのような故障が起こりやすいかといったこと等を客観的に判断するための情報を提供することが可能となる。また、この情報を解析した結果を出力することにより、専門的な知識が不足している人でも、改善のためのアドバイス等を行うことが可能となる。
【0028】
また、前記情報処理装置において、前記動作情報は、野球を行う際の動作に関する情報である。
【0029】
かかる構成により、各野球選手について、選手の体の状態や、どのような故障が起こりやすいかといったこと等を客観的に判断するための情報を提供することが可能となる。また、この情報を解析した結果を出力することにより、専門的な知識が不足している人でも、改善のためのアドバイス等を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明による情報処理装置等によれば、複数の動作情報から、信頼性が高く、再現性に優れた情報を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、情報処理装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素およびステップは同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0032】
図1は、本実施の形態による情報処理装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る情報処理装置100は、動作情報受付部101と、動作情報変更部102と、相関情報取得部103と、動作情報取得部104と、動作情報合成部105と、動作情報解析部106と、出力部107とを備えている。
【0033】
動作情報受付部101は、物体の動きに関する経時的な情報である動作情報を複数受け付ける。「物体」は、どのようなものであってもよい。例えば、人間や動物の、一部、及び全体でもよく、また、バットやテニスラケット、ゴルフクラブ等の人間が扱うことによって動きが生じる器具であってもよい。「物体の動き」とは、例えば、物体の移動や、回転、変形等である。本実施の形態においては、特に、人間がスポーツを行う際の、人間、あるいは人間がスポーツに利用する器具等の動きを示す。例えば、サッカーでボールを蹴るときの選手の足の動きや、バレーボールでスパイクを打つときの選手の体の動き、野球でピッチャーがボールを投げるときの手の動き、野球でバッターがボールを打つときのバットの動き、テニスでサーブを打つときのラケットの動き等である。「物体の動きに関する」情報とは、具体的には、物体の動きを示す情報を数値化した情報や、この数値化した情報に基づいて算出した情報等である。「経時的な情報」とは、異なる時刻ごとの情報を有していることを意味する。動作情報は、例えば、所定の時間ごとにサンプリングした物体の空間上の座標情報である。また、所定のサンプリング時間間隔ごとにサンプリングした一あるいは複数の物体上の2箇所以上の座標情報に基づいて算出されたベクトル情報や、物体の角度を示す情報であってもよい。動作情報のデータ構造は問わない。このような動作情報を物体から取得する装置や技術としては、例えば、人間の動きをとらえるためのモーションキャプチャー装置やこれに関する技術等が広く知られている。このような動作情報を取得する技術については、公知技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。動作情報受付部101は、このようなモーションキャプチャー装置等の他の装置からの動作情報をネットワークやバス等を介して受け付けてもよい。また、動作情報受付部101の受け付ける入力は、キーボードや、マウスからの入力、磁気ディスク、光ディスクからの読み込み等、どのような入力であってもよい。動作情報受付部101は、キーボードや光ディスクドライブ等の入力手段を含んでもよいし、含まなくてもよい。また、他の装置からの動作情報を受け付けるための、モデムやネットワーク等の受信を行うための受信デバイスを含んでもよい。動作情報受付部101は、例えば、キーボードや光ディスクドライブ等の入力手段のデバイスドライバーや、受信デバイスを駆動するドライバー等により実現され得る。
【0034】
動作情報変更部102は、動作情報受付部101の受け付けた複数の動作情報間の、時間軸方向の位置関係を変更する。具体的には、動作情報変更部102は、動作情報受付部101の受け付けた複数の動作情報の少なくとも1つ以上の全体を、時間軸方向にずらす、すなわち平行に移動させることで、動作情報間の時間軸方向の位置関係を変更する。ここで述べる位置関係とは、具体的には、複数の動作情報間の相対的な位置の関係である。例えば、全ての動作情報を同じ方向に、同じ値だけずらした場合は、相対的な位置関係は変化せず、例えば、動作情報のうちの一つだけをずらした場合、相対的な位置関係が変化する。動作情報変更部102が各動作情報を時間軸方向にずらす幅、すなわちずらす値は、固定値であっても、任意の値であってもよい。また、常に一定の値であっても、一定でなくてもよい。また、所定の値の倍数であってもよい。この時間軸方向にずらす値が、どのような値かは問わない。動作情報変更部102が各動作情報を時間軸方向にずらす値は、各動作情報が、物体の位置等を所定のサンプリング時間間隔でサンプリングすることで得られた情報等のように、所定の時間間隔ごとの値を有する情報、もしくはこれに基づいて算出された情報等である場合には、この所定の時間間隔を単位とした値とすることが好ましい。複数の動作情報間で、サンプリングにより得られた実測値同士を、位置関係を変更した後も揃えることができるからである。動作情報変更部102は、動作情報受付部101の受け付けた全ての動作情報を入力として、これらの位置関係を変更した後、位置関係を変更した全ての動作情報を出力する場合について説明するが、位置関係を変更するために、時間軸方向にずらす必要のある動作情報のみを入力として、ずらした後の動作情報のみを出力するようにしてもよい。この場合、後述する動作情報取得部104は、ずらしていない動作情報を、動作情報受付部101から直接取得する必要がある。動作情報変更部102は、例えば、MPUやメモリ等で実現され得る。動作情報変更部102の動作は、例えば、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、専用回路等のハードウェアで実現しても良い。また、動作情報変更部102が時間軸方向の位置関係を変更した動作情報をメモリ等の記憶媒体に一時的に蓄積するようにしてもよい。
【0035】
相関情報取得部103は、複数の動作情報について、各動作情報間の相関に関する情報である相関情報を取得する。具体的には、相関情報取得部103は、複数の動作情報の2以上の所定の時刻における値に基づいて相関情報を取得する。通常は、相関情報取得部103は、複数の動作情報の2以上の所定の時刻における値に基づいて相関情報を算出して取得する。相関情報取得部103が相関情報を取得する際に、取得元となる複数の動作情報は、動作情報受付部101が受け付けた状態のままの複数の動作情報を含んでもよいし、含まなくてもよい。ここでは、相関情報取得部103が、動作情報受付部101が受け付けた複数の動作情報についての相関情報を取得するとともに、動作情報変更部102が、時間軸方向の位置関係を変更した複数の動作情報についても、位置関係が異なるものごとに、相関情報を取得する場合について説明する。この相関情報は、複数の動作情報間の相関、すなわち関連の度合いを示す情報であれば、どのような情報であるかは問わない。具体的には、複数の動作情報の2以上の所定の時刻における値の差の絶対値の平均値や、差の絶対値の和である。また、差の2乗や3乗等のべき乗の平均値や、和等であってもよい。また、所定の時刻において得られる各動作情報の複数の値から最小二乗法により求めた値の平均や、和等であってもよい。相関情報は、数値で表されるものでなくてもよい。例えば、複数の動作情報の2以上の所定の時刻における値の差の絶対値の平均値等に応じた、「高」、「低」等の数値以外で示される相関情報を、平均値と相関情報との関係を定義するテーブル等から取得するようにしてもよい。この2以上の所定の時刻としては、上述したようなサンプリング時間間隔の整数倍の時間間隔を互いに隔てた2以上の時刻を設定することが好ましい。補間等を行った情報ではなく、サンプリング等により実際に採取された情報同士を用いて相関情報を求めることができるからである。相関情報のデータ構造は問わない。相関情報取得部103は、例えば、MPUやメモリ等で実現され得る。相関情報取得部103の動作は、例えば、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、専用回路等のハードウェアで実現しても良い。また、相関情報取得部103が取得した相関情報をメモリ等の記憶媒体に一時的に蓄積するようにしてもよい。
【0036】
動作情報取得部104は、相関情報取得部103が取得した相関情報に基づいて、各動作情報間の相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を取得する。具体的には、動作情報取得部104は、相関情報取得部103が、動作情報受付部101が受け付けた複数の動作情報について取得した相関情報や、動作情報変更部102により位置関係が変更された複数の動作情報について取得した相関情報を比較して、複数の動作情報間の相関が最適であることを示す相関情報が得られる位置関係にある複数の動作情報を取得する。「相関が最適となる」とは、通常は、相関度が高くなることであり、具体的には、相関情報が、上述したような複数の動作情報間の複数の時刻における値の差の絶対値の平均値であれば、その平均値が最も小さいものが、相関が最適であることを示している。ただし、必要に応じて、最も小さい平均値よりも少し値の大きい平均値が得られる複数の動作情報を、相関が最適であると判断するように設定してもよい。動作情報取得部104は、各動作情報間の相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を、どのように取得してもよい。例えば、動作情報変更部102により構成された、相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報が、メモリ等に蓄積されている場合には、この複数の動作情報をメモリ等から取得するようにすればよい。また、動作情報変更部102が、各動作情報間の相関が最適となる時間軸方向の位置関係を示す情報を有している場合には、この位置関係を示す情報に基づいて、動作情報受付部101の受け付けた複数の動作情報を適宜ずらすことで、各動作情報間の相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する動作情報を構成し、これを取得するようにしてもよい。動作情報取得部104は、例えば、MPUやメモリ等で実現され得る。動作情報取得部104の動作は、例えば、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、専用回路等のハードウェアで実現しても良い。また、動作情報取得部104が取得した相関情報をメモリ等の記憶媒体に一時的に蓄積するようにしてもよい。
【0037】
動作情報合成部105は、動作情報取得部104が取得した複数の動作情報を合成する。「合成」とは、具体的には、複数の動作情報に基づいて、1以上の動作情報を構成することである。動作情報合成部105は、複数の動作情報をどのように合成してもよい。例えば、動作情報合成部105は、動作情報取得部104が取得した複数の動作情報の、複数の時刻における値の平均値をそれぞれの時刻の値とする1つの動作情報を構成する。この平均値は、加重平均により得られる平均値であってもよい。また、動作情報取得部104が取得した複数の動作情報の、複数の時刻における値から最小二乗法等に基づいて算出した値を、それぞれの時刻の値とする1つの動作情報を構成する。この複数の時刻は、複数の動作情報が、値を有している全ての時刻とすることが、精度の高いデータを得るうえで好ましい。動作情報合成部105は、例えば、MPUやメモリ等で実現され得る。動作情報合成部105の動作は、例えば、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、専用回路等のハードウェアで実現しても良い。
【0038】
動作情報解析部106は、動作情報合成部105が合成した動作情報を解析する。動作情報解析部106は、どのように、動作情報を解析するようにしてもよい。例えば、動作情報解析部106は、あらかじめ比較用の動作情報をメモリ等に用意しておき、この比較用の動作情報と、動作情報合成部105が合成した動作情報とを比較して、その相関を示す情報を取得し、この取得した情報により構成される解析結果を得るようにしてもよい。また、動作情報解析部106は、この相関を示す情報と、その相関に応じた動作情報の解析結果についての評価やコメント等とをあらかじめテーブル等に対応付けて格納しておき、このテーブルから、取得した相関を示す情報に応じた評価やコメントを取り出して、評価やコメントにより構成される解析結果を得るようにしてもよい。ここでの相関を示す情報として、相関情報取得部103が取得する相関情報と同様の情報を取得して利用するようにしてもよい。動作情報解析部106は、例えば、MPUやメモリ等で実現され得る。動作情報解析部106の動作は、例えば、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、専用回路等のハードウェアで実現しても良い。
【0039】
出力部107は、動作情報解析部106が解析した解析結果を出力する。この出力とは、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷、音出力、外部の装置への送信等を含む概念である。出力部107は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部107は、出力処理を行うソフトウェアまたは、出力処理を行うソフトウェアと出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0040】
次に、本実施の形態の情報処理装置100の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。なお、ここでは、動作情報受付部101が受け付ける動作情報が、2つである場合について説明する。
【0041】
(ステップS201)動作情報受付部101が、2つの動作情報を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、ステップS201へ進み、受け付けていない場合、ステップS201に戻る。ここでは、仮にこの2つの動作情報を、第一の動作情報、及び第二の動作情報とする。
【0042】
(ステップS202)相関情報取得部103は、第一の動作情報と第二の動作情報との相関情報を取得する。この相関情報を取得する処理の具体例については、図3において詳細に説明する。
(ステップS203)相関情報取得部103は、ステップS202で取得した相関情報をメモリ等に蓄積する。
(ステップS204)動作情報変更部102は、カウンターKを初期値である1に設定する。
(ステップS205)動作情報変更部102は、動作情報受付部101の受け付けた第一及び第二の動作情報を取得する。
【0043】
(ステップS206)動作情報変更部102は、動作情報受付部101の受け付けた第二の動作情報を、時間軸方向に、あらかじめ設定された所定量m(mは正の値)のK倍の値だけ移動させる。これにより、第一の動作情報と第二の動作情報との時間軸方向の位置関係が、動作情報受付部101が受け付けた時点での、第一の動作情報と第二の動作情報との時間軸方向の位置関係に対して変更される。動作情報変更部102は、位置関係を変更した第一の動作情報と第二の動作情報とをメモリ等に蓄積する。
【0044】
(ステップS207)相関情報取得部103は、ステップS206において、動作情報変更部102において、時間軸方向の位置関係が変更された第一の動作情報と第二の動作情報との相関情報を、ステップS202と同様の処理を用いて取得する。
(ステップS208)相関情報取得部103は、取得した相関情報をメモリ等に蓄積する。
【0045】
(ステップS209)動作情報変更部102は、カウンターKの値が、あらかじめ設定された値であるj(jは1以上の整数)未満であるか否かを判定する。このjは、第二の動作情報を、時間軸方向にずらす際の最大値を設定するための値であり、第二の動作情報が時間軸方向にずらす値の最大値は、上述した所定量mのj倍、すなわちm×jとなる。このjを、どのような値に設定してもよい。例えば、第二の動作情報を最大値m×(j+1)だけずらした場合に、第一及び第二の動作情報の主要と考えられる部分同士がほぼ重なり合わなくなるような値に設定する。カウンターKの値がj未満であれば、ステップS210に進み、j以上であれば、ステップS211へ進む。
【0046】
(ステップS210)動作情報変更部102は、カウンターKの値を1インクリメントする。そして、ステップS206へ戻る。
【0047】
(ステップS211)動作情報取得部104は、メモリ等に蓄積されている相関情報取得部103の取得した複数の相関情報を比較して、複数の動作情報間の相関が最適であることを示す相関情報を判定する。例えば、相関情報として、値が小さくなるにつれて、動作情報間の相関が高くなることを示すような情報を用いた場合、動作情報取得部104は、相関情報の値の最も小さいものを判定する。
【0048】
(ステップS212)動作情報取得部104は、ステップS211において判定した複数の動作情報間の相関が最適であることを示す相関情報に対応した時間軸方向の位置関係を有する第一及び第二の動作情報を、動作情報変更部102もしくは動作情報受付部101から取得する。
【0049】
(ステップS213)動作情報合成部105は、ステップS212において取得した、第一及び第二の動作情報を合成して、1つの動作情報を得る。この合成の処理の具体例については後述する。
(ステップS214)動作情報解析部106は、ステップS213において合成した動作情報を解析する。この解析の処理の具体例については後述する。
(ステップS215)出力部107は、ステップS214において得られた解析結果を出力する。そして処理を終了する。
【0050】
なお、ここでは、カウンターKを用いて、このカウンターKの値が値jになるまで、相関情報取得部103が、時間軸方向の位置関係をずらした第一及び第二の動作情報を構成するようにしたが、例えば、相関情報取得部103の出力する相関情報の変化に基づいて、動作情報変更部102が第一及び第二の動作情報間の位置関係を更にずらすか否かを判定するようにしてもよい。例えば、相関情報取得部103の出力する相関情報が、所定の回数以上連続して、前回に出力された相関情報よりも、第一及び第二の動作情報間の相関が低いことを示す値であった場合に、時間軸方向の位置関係の変更を終了するようにしてもよい。
【0051】
また、動作情報受付部101が受け付けた状態の第一及び第二の動作情報についての相関情報を取得しない場合には、ステップS202及びステップS203の処理は省略してよい。この場合、上述したjの値は2以上とする必要がある。
【0052】
次に、図2のステップS202及びステップS207における相関情報を取得する処理の具体例については、図3のフローチャートを用いて詳細に説明する。ここでは、相関情報が、複数の時刻における第一の動作情報と第二の動作情報との差の絶対値の平均値である場合について説明する。なお、この場合、この平均値が小さいほど、第一の動作情報と第二の動作情報との相関が高く、第一の動作情報と第二の動作情報との相関が最適であると判断するものとする。
【0053】
(ステップS300)相関情報取得部103は、カウンターnを1に設定する。
(ステップS301)相関情報取得部103は、第一の動作情報の値、及び第二の動作情報の値を取得する時刻である取得時刻TAを、所定の開始時刻に設定する。所定の開始時刻は、どのように設定してもよい。例えば、所定の開始時刻TSを、第一または第二の動作情報のサンプリング等が開始された時刻に設定してもよいし、この時刻から少し時間が経過した時刻に設定してもよい。
【0054】
(ステップS302)相関情報取得部103は、取得時刻TAに、第一の動作情報の値があるか否かを判定する。ある場合、ステップS303へ進み、ない場合、ステップS307へ進む。
【0055】
(ステップS303)相関情報取得部103は、取得時刻TAに、第二の動作情報の値があるか否かを判定する。ある場合、ステップS304へ進み、ない場合、ステップS307へ進む。ステップS302およびステップS303の処理は、第一及び第二の動作情報が実測値であった場合においてデータの欠落が合った場合に、その時刻の値の取得を行わないようにするための処理である。
【0056】
(ステップS304)相関情報取得部103は、取得時刻TAにおける第一の動作情報の値、及び第二の動作情報の値を取得する。
(ステップS305)相関情報取得部103は、第一の動作情報と第二の動作情報との差の絶対値を取得する。取得結果をメモリ等に蓄積する。
(ステップS306)相関情報取得部103は、カウンターnを1インクリメントする。
【0057】
(ステップS307)相関情報取得部103は、取得時間TAの値を、値pだけインクリメントする。この値pは、第一及び第二の動作情報の値の差の絶対値を取得する複数の時刻間の間隔を設定する時間間隔である。
【0058】
(ステップS308)取得時刻TAが、所定の終了時刻以内であるか否かを判定する。所定の時刻以内であれば、ステップS302へ進み、最終の時刻を越えている場合、ステップS309へ進む。所定の終了時刻はどのような時刻に設定してもよい。例えば、動き情報の対象とする動きが、終了すると考えられる平均的な時間に基づいて設定した時刻であってもよいし、このような時刻よりも早い時刻でもよいし、遅い時刻でもよい。ただし、遅い時刻に設定すると、動き情報の対象とする動き以外の動きに関する情報の差の絶対値も取得することとなり、精度の高い情報が得られない場合がある。
(ステップS309)ステップS305において蓄積した差の絶対値の和を求める。
【0059】
(ステップS310)相関情報取得部103は、ステップS309において求めた差の絶対値の和を、カウンターnの値で除算して、複数の時刻において取得した第一の動作情報と第二の動作情報との差の絶対値の平均値を取得する。取得した平均値を上位関数にリターンする。この平均値が上述したように相関情報である。
【0060】
次に、具体例について説明する。図4は、本実施の形態に係る情報処理装置の概略図である。動作取得装置200は、動作情報を取得するための装置である。ここで用いている動作取得装置200は、動きの測定対象となる物体に取り付けた1以上の光反射マーカー201から得られる反射光を受光センサー202により受光し、その反射光から、光反射マーカーの空間座標の経時的に計測するものである。この光反射マーカーの空間座標の経時的な座標情報、あるいはこの座標情報を用いて導き出した値等が、動作情報である。このような動作取得装置200としては、例えばVICON(Vicon Peak社製)等がある。ここでは、動作取得装置200で取得された複数の動作情報が、ネットワークを介して、情報処理装置100に入力されるものとする。
【0061】
この具体例では、バレーボールの選手がスパイクのためのジャンプ(以下、スパイクジャンプと称す)を行う際の脚部近傍の動きを、情報処理装置100を用いて解析する場合について説明する。
【0062】
バレーボール選手にとって深刻な疾患として、ジャンパー膝といわれるものがある。この疾患は、バレーボール選手のスパイクジャンプのフォームの違いによって起こりやすさが異なると考えられる。このため、被験者のスパイクジャンプ時のフォームと、実際ジャンパー膝となった選手のスパイクジャンプ時のフォームとを比較して、その相関を求めることにより、被験者のフォームが、ジャンパー膝となりやすいフォームであるか否か等を判断して、被験者に、その判断結果を知らせることで、フォームの改良等により、ジャンパー膝の発生を予防したりすることが可能となる。このためには、まず、被験者のスパイクジャンプ時の平均的なフォームを把握する必要があり、そのためには、複数回のスパイクジャンプ時の動作情報を測定により取得し、これらの動作情報同士を合成して、その被験者の平均的なスパイクジャンプ時の動作情報を得る必要がある。このため、ここでは、まず、被験者について、2回のスパイクジャンプ時の動きを測定して、この測定結果から2つの動作情報を取得し、その動作情報を合成する。
【0063】
図5(a)、及び図5(b)はバレーボール選手の下半身の正面図及び背面図である。まず、図5に示すように、バレーボール選手の骨盤に3つ、左右の大腿に2つずつ、左右の下腿に3つずつの光反射マーカー201を取り付け、同じ選手にスパイクジャンプを2回行わせ、動作取得装置200を用いてこれらのマーカー201の空間座標を経時的に計測する。この計測時のサンプリングレートは240Hzとする。つまり、サンプリング時間間隔は1/240秒とする。この計測結果から、両側の股関節と膝関節の屈曲角を計算する。左右の股関節の屈曲角(以下、股関節屈曲角と称す)としては、図6に示すように、骨盤の3つの光反射マーカーで直行座標系(x、y、z)を設定して、左右の大腿の2つの光反射マーカーの座標からそれぞれ求められるベクトルを、この直交座標の矢状面、すなわち体を左右対称に切る面とこれに平行な面、に相当する面に、投影した場合の二次元的な屈曲角を求める。同様に、右の膝関節の屈曲角(以下、膝関節屈曲角と称す)としては、図6に示すように、右の脚のそれぞれの、下腿の3つの光反射マーカー201で直交座標系(x'、y'、z')を設定し、右の大腿の2つの光反射マーカー201の座標から求められるベクトルを、この直交座標の矢状面に相当する面に、投影した場合の屈曲角を求める。同様に、左の膝関節屈曲角としては、図6に示すように、左の脚のそれぞれの、下腿の3つの光反射マーカー201で直交座標系(x"、y"、z")を設定し、左の大腿の2つの光反射マーカー201の座標から求められるベクトルを、この直交座標の矢状面に相当する面に、投影した場合の屈曲角を求める。そして、1回のスパイクジャンプから得られた光反射マーカーの空間座標の情報から求められた左右の股関節屈曲角、及び左右の股関節屈曲角を、一つの動作情報として、情報処理装置100に出力する。ここでは、計2回のスパイクジャンプについての計測を行うことから、2つの動作情報が出力される。このような光反射マーカーの空間座標から、人体の様々な動きについての情報を取得するための構成や処理については、公知技術であるのでここでは説明を省略する。
【0064】
情報処理装置100の動作情報受付部101は、動作取得装置200から出力される2つの動作情報を受け付ける。動作情報受付部101の受け付ける動作情報は、図7(a)及び図7(b)に示すような2つの動作情報であり、ここでは、図7(a)に示す動作情報を第一の動作情報、図7(b)に示すような動作情報を第二の動作情報とする。第一の動作情報は、右の股関節屈曲角711、左の股関節屈曲角712、右の膝関節屈曲角713、及び左の膝関節屈曲角714の4つの情報を有している。また、第二の動作情報は、右の股関節屈曲角721、左の股関節屈曲角722、右の膝関節屈曲角723、及び左の膝関節屈曲角724の4つの情報を有している。すなわち、それぞれの動作情報が、4つの曲線から構成されている。なお、図7において、横軸はサンプリング開始からのサンプリング数を示しており、縦軸は、各動作情報の値を示す。かかることは、本実施の形態の他のグラフにおいても同様である。
【0065】
つぎに、相関情報取得部103は、第一の動作情報と第二の動作情報との相関情報として、複数の時刻における第一の動作情報と第二の動作情報との差の絶対値の平均値を求める。なお、ここでは、第一及び第二の動作情報がそれぞれ4つの情報、すなわち4つの曲線を有していることから、異なる時刻ごとに第一及び第二の動作情報との間で、対応する4つの情報間の差の絶対値の和を求めていき、最終的にその差の絶対値の和の平均値を求めるようにしてもよいが、このようにすると、4つの情報がそろっていない時刻の値を、無視することとなってしまい、正確な結果が得られないおそれがある。このため、ここでは、4つの情報のそれぞれについて、異なる時刻ごとに差の絶対値を求めていき、最終的に、4つの情報のそれぞれについて平均値を求め、さらにその4つの平均値の平均を求めるようにする。このように、本実施の形態においては、必要に応じて、計算の順序等を変更してもよい。
【0066】
相関情報取得部103は、平均値を求めるために、まず、同時刻における第一の動作情報と第二の動作情報を構成する各情報間の差の絶対値を求める。時刻iにおける右の股関節屈曲角711と右の股関節屈曲角721との差の絶対値をδRHi、左の股関節屈曲角712と左の股関節屈曲角722との差の絶対値をδLHi、右の膝関節屈曲角713と右の膝関節屈曲角723との差の絶対値をδRKi、及び左の膝関節屈曲角714と左の膝関節屈曲角724との差の絶対値をδLKiとすると、図8のようになる。
【0067】
まず、所定の開始時刻における、右の股関節屈曲角711と右の股関節屈曲角721との差の絶対値、左の股関節屈曲角712と左の股関節屈曲角722との差の絶対値、右の膝関節屈曲角713と右の膝関節屈曲角723との差の絶対値、及び左の膝関節屈曲角714と左の膝関節屈曲角724との差の絶対値をそれぞれ求める。このとき、これらの対となる情報のうちのいずれか一方でも情報がない場合には、その差は算出しない。所定の開始時刻は、ここでは10点目のサンプリング点、すなわちサンプリング開始時刻から、1/24秒後の時刻とする。そして、取得したぞれぞれの差の絶対値をメモリ等に蓄積する。
【0068】
相関情報取得部103は、同様の差の絶対値を求める処理を、動作情報のサンプリング時刻ごとに繰り返し行う。この処理は、あらかじめ設定された終了時刻まで行われる。ここでは終了時刻は、120点目のサンプリング点、すなわち、サンプリング開始時刻から、0.5秒後の時刻とする。
【0069】
そして、相関情報取得部103が、上記の全てのサンプリング時刻における差の絶対値を求めた後、これらの差の絶対値の平均値を求める。ここで、右の股関節屈曲角711と右の股関節屈曲角721との差の絶対値の平均値εRHは、取得した差の数をnとすると、以下の式(1)で表される。また、左の股関節屈曲角712と左の股関節屈曲角722との差の絶対値の平均値εLHは、同様に、以下の式(2)で表される。右の膝関節屈曲角713と右の膝関節屈曲角723との差の絶対値の平均値εRKは、同様に、以下の式(3)で表される。左の膝関節屈曲角714と左の膝関節屈曲角724との差の絶対値の平均値εLKは、同様に、以下の式(4)で表される。
【0070】
【数1】

【0071】
なお、式(1)から式(4)において、第一の動作情報と第二の動作情報との間で差が得られなかった場合には、差の値を0として加算を行うとともに、取得した差の数nに加えないようにする。
【0072】
そして、相関情報取得部103が、平均値εRH、εLH、εRK、εLKの平均値ε、すなわち(εRH+εLH+εRK+εLK)/4を求める。この平均値εが、動作情報受付部101が受け付けた第一の動作情報と第二の動作情報との相関情報である。
【0073】
つぎに、動作情報変更部102において、第二の動作情報全体を時間軸方向に1サンプリング時間間隔、すなわち1/240秒だけずらして、時間軸方向の位置関係が、1サンプリング時間間隔だけずれた第一の動作情報と第二の動作情報とを構成する。この動作情報は、図9に示すようになる。
そして、この第一の動作情報と第二の動作情報とについて、相関情報取得部103が、上記と同様にεを求める。
【0074】
さらに、このように、動作情報変更部102において、第二の動作情報を1サンプリング時間間隔だけ更にずらして、時間軸方向の位置関係が、1サンプリング時間間隔だけ更にずれた第一の動作情報と第二の動作情報とを構成し、この第一の動作情報と第二の動作情報とについて、相関情報取得部103が上記と同様にεを求める処理を繰り返す。このような処理を、ここでは12回繰り返す。
【0075】
図10(a)〜図10(f)は、動作情報変更部102において時間軸方向の位置関係を変更した第一及び第二の動作情報と、εとの関係を示す図である。図10(a)は動作情報受付部101が受け付けた状態の第一及び第二の動作情報、図10(b)は第二の動作情報を5サンプリング点右にずらした状態の第一及び第二の動作情報、図10(c)は図10(b)の状態から第二の動作情報を4サンプリング点右にずらした状態の第一及び第二の動作情報、図10(d)から図10(f)は、図10(c)に示した状態から第二の動作情報を順次1サンプリング点右にずらした状態の第一及び第二の動作情報を示している。この図から、図10(e)の状態の第一及び第二の動作情報のεが最も小さいことが分かる。
【0076】
動作情報取得部104は、相関情報取得部103が取得したε同士を比較し、このεが最も小さくなる第一及び第二の動作情報を、動作情報変更部102から取得する。ここでは、εの値が最も小さい値3.02となる、図10(e)に示すような時間軸方向の位置関係を有する第一の動作情報と第二の動作情報とを取得する。
【0077】
動作情報合成部105は、動作情報取得部104が取得した、図10(e)に示すような第一の動作情報と、第二の動作情報とを合成する。ここでは、各サンプリング時間における第一の動作情報の値と、第二の動作情報の値との平均値を、そのサンプリング時間における合成した動作情報の値に設定していくことで、合成した動作情報を構成する。合成した動作情報は、図11に示すようになる。
【0078】
このようにして、2つの動作情報の相関を、2つの動作情報の時間軸方向の位置関係をずらしながら求め、相関が最も高くなるよう、2つの動作情報の時間軸方向の位置あわせを行うことで、2つの動作情報のそれぞれの波形を変更することなく、かつ、客観的に最適と考えられる位置関係となるように、2つの動作情報の時間軸方向の位置あわせを行うことができる。そして、このように位置あわせした状態の2つの動作情報を合成して動作情報を得ることで、信頼性が高く、かつ再現性の高い、動作情報を得ることができる。したがって、このように合成した動作情報を、被験者の代表的なスパイクジャンプ時の動作情報として用いることで、より正確なフォームの解析が可能となる。
【0079】
つぎに、動作情報解析部106において、動作情報合成部105において合成した被験者の動作情報の解析を行う。以下、動作情報解析部106による動作情報の解析処理の具体例について、図12のフローチャートを用いて説明する。この処理は、図2のステップS214の処理に相当する。なお、この動作情報解析部106には、あらかじめ、上記の動作情報を取得する処理と同様の処理を、ジャンパー膝の選手と、ジャンパー膝ではない正常な選手とについて行った結果として取得された、ジャンパー膝の選手と、ジャンパー膝ではない選手との代表的なスパイクジャンプ時の動作情報がメモリ等に格納されているものとする。
(ステップS1201)動作情報解析部106は、動作情報合成部105から動作情報を取得する。
【0080】
(ステップS1202)動作情報解析部106は、ステップS1201において取得した被験者の動作情報と、メモリ等に格納されている正常な選手の動作情報との相関情報を取得する。例えば、上述したステップS201からステップS211において説明した処理と同様の処理により、2つの動作情報の時間軸方向の位置関係をずらすことで得られる2つの動作情報間の相関情報のうちで、最も相関が高いことを示す相関情報を取得する。ここでは、被験者の動作情報と正常な選手の動作情報との時間軸方向の位置関係をずらした場合においてそれぞれ得られる、各サンプリング時間における動作情報間の差の絶対値の平均値のうちの、最も小さい値を取得する。
【0081】
(ステップS1203)動作情報解析部106は、ステップS1202と同様に、ステップS1201において取得した被験者の動作情報と、メモリ等に格納されているジャンパー膝の選手の動作情報との相関情報を取得する。なお、ステップS1202とステップS1203との処理順序は問わない。
【0082】
(ステップS1204)動作情報解析部106は、ステップS1202とステップS1203とにおいて取得された相関情報を比較する。ステップS1202において得られた相関情報が、ステップS1203において得られた相関情報よりも相関が高い場合、ステップS1205へ進み、相関が高くない場合には、ステップS1206へ進む。ここでは、ステップS1202とステップS1203とにおいて取得された平均値のうちの、値が小さいもののほうが相関が高いこととなる。なお、ステップS1202において得られた相関情報と、ステップS1203において得られた相関情報とが、相関が同じであることを示している場合にも、ステップS1205へ進むようにしてもよい。
(ステップS1205)被験者のスパイクジャンプ時のフォームに問題がないことを示す情報を解析結果として出力する。そして処理を終了する。
(ステップS1206)被験者のスパイクジャンプ時のフォームについて、ジャンパー膝が起こりうる可能性があることを示す警告を解析結果として出力する。
【0083】
出力部107は、動作情報解析部106の出力する解析結果を、ディスプレイ等に表示する。図13(a)、図13(b)は、出力部107によりディスプレイに出力された表示例を示す図であり、図13(a)は、上記のステップS1205において得られた解析結果に基づく表示例であり、図13(b)は、上記のステップS1206において得られた解析結果に基づく表示例である。この表示により、被験者は、自分のスパイクジャンプ時のフォームが、ジャンパー膝を起こしやすいものであるのか否かを知ることができる。
【0084】
このように、被験者の動作情報と正常な選手の動作情報との相関、及び被験者の動作情報とジャンパー膝の選手の動作情報との相関を、2つの動作情報を時間軸方向に客観的に位置あわせした上でそれぞれ求めることができるため、信頼性が高い解析結果を出力することが可能となる。したがって、今までは、医師やトレーナー等の、経験や主観等に頼る部分の多かったフォーム等の解析を、客観的に行うことができ、信頼性および再現性の高い解析を行うことができる。また、客観的に解析した結果を出力することで、グラフ等の動作情報を解析する経験や技術のないユーザでも、容易に信頼性の高い解析結果を得ることが可能となる。
【0085】
なお、ここでは、動作情報解析部106が、被験者のフォームがジャンパー膝を起こしやすいフォームであるか否かだけを解析するようにしたが、ジャンパー膝以外の他の疾患が、スパイクジャンプ時のフォームと何らかの関係があると分かっている場合には、このような疾患を持つ選手の代表的なフォームを蓄積しておき、このフォームと被験者の代表的なフォームとの相関情報を、上記のように正常なフォームと被験者の代表的なフォームとの相関情報と比較していくようにすることで、ジャンパー膝以外の疾患を起こしやすいフォームであるか、あるいは何らかの疾患の初期症状が現れているか等を解析することが可能である。
【0086】
また、本具体例においては、各動作情報が複数の情報、すなわち4つの曲線から構成される場合について説明したが、本実施の形態が、動作情報が一つの情報、すなわち一つの曲線から構成される場合においても適用できるものであることはいうまでもない。
【0087】
以上、本実施の形態によれば、複数の動作情報を、時間軸方向において客観的に位置あわせすることが可能となる。また、これらの複数の動作情報を処理することで、信頼性が高く、再現性に優れた情報、例えば、合成した動作情報や、解析結果等の情報、を得ることが可能となる。
【0088】
なお、上記実施の形態の具体例においては、情報処理装置100が2つの動作情報を処理する場合について説明したが、情報処理装置100が3以上の動作情報を処理するようにしてもよい。この場合、例えば、動作情報変更部102が、各動作情報を必要に応じてずらすことで、各動作情報間の時間軸方向の位置関係が異なるものとなるような動作情報の組み合わせを複数用意するようにし、それぞれについて、相関情報取得部103が上述したように相関情報を求め、最適な相関情報が得られる時間軸方向の位置関係にある動作情報を動作情報取得部104が取得するようにすればよい。
【0089】
また、本実施の形態においては、図2のステップS206において示したように、第一の動作情報と第二の動作情報との時間軸方向の位置関係を変化させるために、第二の動作情報をmという所定量ずつずらす代わりに、あらかじめ、値の大きい第一の所定量、例えばサンプリング時間間隔の5倍の値で第二の動作情報を順次ずらして、第一の動作情報と第二の動作情報との相関情報を求めていき、この相関情報から、相関が最適である時間軸方向の位置関係が得られた後、この位置関係の前後の位置関係において、前記第一の所定量よりも値の小さい第二の所定量、例えばサンプリング時間間隔の1倍の値、で第二の動作情報全体を順次ずらして、第一の動作情報と第二の動作情報との相関情報を求めていき、相関が最適である時間軸方向の位置関係にある第一の動作情報と第二の動作情報とを取得するようにしてもよい。このように処理を行うことにより、値の小さい所定量のみで第二の動作情報をずらしていく場合よりも、少ない情報処理量で、動作情報間の相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する第一の動作情報と第二の動作情報とを取得することが可能となる。また、このような動作情報間の相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する第一の動作情報と第二の動作情報を求める処理として、いわゆる2分検索法等の、検索において処理を高速化するために用いられる方法を応用してもよい。
【0090】
なお、上記実施の形態において、情報処理装置100が2つの動作情報を処理するものである場合に、最初に2つの動作情報を処理させて動作情報合成部105に2つの動作情報を合成した後、この合成した動作情報を、新たな動作情報とともに、動作情報受付部101に入力するようにして、情報処理装置100に、3以上の動作情報を処理させるようにしてもよい。
【0091】
以下、動作情報合成部105が合成した動作情報を、新たな動作情報とともに、動作情報受付部101に入力するようにして、情報処理装置100に、3以上の動作情報を処理させるようにした場合における情報処理装置100の動作を、図14に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図において、図2と同一符号は同一または相当する処理を示している。ここでは、r(r≧3の整数)個の動作情報を情報処理装置100が合成する場合について説明する。また、このr個の動作情報は、動作取得装置等がメモリ等に蓄積しているものとし、この蓄積している各動作情報を、情報処理装置100からの要求に応じて、動作取得装置等が情報処理装置100に出力するものとする。
【0092】
(ステップS1401)動作情報受付部101は、カウンターFを1に設定する。
(ステップS1402)動作情報受付部101は、F番目の動作情報とF+1番目の動作情報とを受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、ステップS202へ進み、受け付けていない場合、ステップS1402に戻る。F番目の動作情報は上記実施の形態において説明した第一の動作情報に相当し、F+1番目の動作情報は第二の動作情報に相当する。
【0093】
(ステップS1403)動作情報合成部105は、F+1がrより小さいか否かを判定する。rより小さければ、ステップS1404に進み、小さくなければステップS214に進む。
(ステップS1404)動作情報受付部101は、カウンターFを1インクリメントする。
【0094】
(ステップS1405)動作情報受付部101は、ステップS213で合成した動作情報と、F+1番目の動作情報とを受け付ける。ステップS213で合成した動作情報は、第一の動作情報に相当し、F+1番目の動作情報は、第二の動作情報に相当する。そして、ステップS202へ戻る。
【0095】
以上のような処理を行うことにより、情報処理装置100が一度に受け付けて処理する動作情報が2つであっても、3以上の動作情報の処理が処理可能となる。ここで、情報処理装置100が3以上の動作情報を受け付けて処理を行う場合、動作情報間の時間軸方向の位置関係の組み合わせは、非常に多くなるため、動作情報の合成を行うまでの情報の処理量が増えてしまう。このため、処理速度の遅い情報処理装置では、処理に非常に時間がかかる。これに対し、図14に示すように、2つの動作情報の合成を行い、さらにこの合成結果と新たな動作情報との合成を行う、という処理を繰り返すことにより、情報の処理量を削減して、処理速度の遅い情報処理装置においても、処理時間を短時間で終わらせることが可能となる。
【0096】
なお、本実施の形態においては、バレーボールの選手の動きについて、解析を行った場合について説明したが、野球の選手の動きについて解析を行う場合についても適用できるものである。例えば、中村達昭、他4名、「投球障害の発生要因に対する動作解析的研究の試み」関西臨床スポーツ医・科学研究会誌9、p.31−32、1999には、野球のピッチャーの投球動作の動作情報をモーションキャプチャー装置を用いて取得することが開示されている。このような動作情報の解析に、本実施の形態のような、情報処理装置100を用いることで、信頼性が高く、再現性のよい解析結果を得ることが可能となる。また、本実施の形態の情報処理装置は、動作情報さえ取得できれば、野球以外の他のスポーツにも適用可能なものであることは、いうまでもない。
【0097】
また、本実施の形態において、動作情報取得部104の取得した情報を、合成したり、また、合成した情報を解析したりする必要がない場合には、動作情報合成部105、動作情報解析部106は省略して、動作情報取得部104の取得した複数の動作情報を出力部107が、出力するようにしてもよい。
【0098】
なお、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0099】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記各実施の形態における情報処理装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータに、物体の動きに関する経時的な情報である動作情報を複数受け付ける動作情報受付ステップと、前記複数の動作情報間の、時間軸方向の位置関係を変更する動作情報変更ステップと、複数の動作情報について、各動作情報間の相関に関する情報である相関情報を取得する相関情報取得ステップと、前記相関情報に基づいて、各動作情報間の相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を取得する動作情報取得ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0100】
また、このプログラムは、前記プログラムにおいて、前記動作情報変更ステップは、少なくとも一つ以上の動作情報を時間軸方向にずらして、前記複数の動作情報間の、時間軸方向の位置関係を変更するものである。
【0101】
また、このプログラムは、前記プログラムにおいて、前記相関情報取得ステップは、前記複数の動作情報の2以上の所定の時刻における値に基づいて相関情報を取得するものである。
【0102】
また、このプログラムは、前記プログラムにおいて、前記相関情報は、前記複数の動作情報の2以上の所定の時刻における値の差の絶対値の平均値としたものである。
【0103】
また、このプログラムは、前記プログラムにおいて、前記動作情報取得ステップは、前記平均値が小さくなる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を取得するものである。
【0104】
また、このプログラムは、前記プログラムにおいて、コンピュータに、前記動作情報取得ステップで取得した複数の動作情報を合成する動作情報合成ステップと、前記動作情報合成ステップで合成した動作情報を出力する出力ステップとを、さらに実行させるためのものである。
【0105】
また、このプログラムは、前記プログラムにおいて、前記動作情報合成ステップは、前記動作情報取得ステップで取得した複数の動作情報の、複数の時刻における値の平均をそれぞれの時刻の値とする動作情報を構成するものである。
【0106】
また、このプログラムは、前記プログラムにおいて、コンピュータに、前記動作情報合成ステップで合成した動作情報を解析する動作情報解析ステップをさらに実行させ、前記出力ステップは、前記動作情報解析ステップの解析結果を出力するものである。
【0107】
また、このプログラムは、前記プログラムにおいて、前記動作情報受付ステップで受け付ける動作情報は、2つであり、当該動作情報の一方の動作情報は、前記出力ステップで出力する動作情報としたものである。
【0108】
なお、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。
【0109】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は物体の動きに関する情報を処理する情報処理装置等として適しており、特に、スポーツ等を行っている際の人間の動きに関する情報等を処理したり、解析したりする情報処理装置等として適している。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の実施の形態による情報処理装置の構成を示すブロック図
【図2】同情報処理装置の動作を説明するためのフローチャート
【図3】同情報処理装置の動作を説明するためのフローチャート
【図4】同情報処理装置の構成を示す概略図
【図5】同情報処理装置が受け付ける動作情報を説明するための図
【図6】同情報処理装置が受け付ける動作情報を説明するための図
【図7】同情報処理装置が受け付けた動作情報を示す図
【図8】同情報処理装置が受け付けた動作情報間の差を示す図
【図9】同情報処理装置がずらした動作情報を示す図
【図10】同情報処理装置がずらした動作情報を示す図
【図11】同情報処理装置が合成した動作情報を示す図
【図12】同情報処理装置の動作を説明するためのフローチャート
【図13】同情報処理装置の表示例を示す図
【図14】同情報処理装置の動作を説明するためのフローチャート
【符号の説明】
【0112】
100 情報処理装置
101 動作情報受付部
102 動作情報変更部
103 相関情報取得部
104 動作情報取得部
105 動作情報合成部
106 動作情報解析部
107 出力部
200 動作取得装置
201 光反射マーカー
711 股関節屈曲角
712 股関節屈曲角
713 膝関節屈曲角
714 膝関節屈曲角
721 股関節屈曲角
722 股関節屈曲角
723 膝関節屈曲角
724 膝関節屈曲角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の動きに関する経時的な情報である動作情報を複数受け付ける動作情報受付部と、
前記複数の動作情報間の、時間軸方向の位置関係を変更する動作情報変更部と、
複数の動作情報について、各動作情報間の相関に関する情報である相関情報を取得する相関情報取得部と、
前記相関情報に基づいて、各動作情報間の相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を取得する動作情報取得部と、を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記動作情報変更部は、少なくとも一つ以上の動作情報を時間軸方向にずらして、前記複数の動作情報間の、時間軸方向の位置関係を変更する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記相関情報取得部は、
前記複数の動作情報の2以上の所定の時刻における値に基づいて相関情報を取得する請求項1または請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記相関情報は、
前記複数の動作情報の2以上の所定の時刻における値の差の絶対値の平均値である請求項1から請求項3いずれか記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記動作情報取得部は、
前記平均値が小さくなる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を取得する請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記動作情報は、物体の動きを所定のサンプリング時間間隔でサンプリングして得られた情報であり、
前記動作情報変更部は、動作情報の少なくとも1つ以上を、前記サンプリング時間間隔の整数倍を単位として時間軸方向にずらして、前記各動作情報間の時間軸方向の位置関係を変更する請求項1から請求項5いずれか記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記相関情報は、前記複数の動作情報の、前記サンプリング時間を単位とした2以上の所定の時刻における値の差の絶対値の平均値である請求項6記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記動作情報取得部が取得した複数の動作情報を合成する動作情報合成部と、
前記動作情報合成部が合成した動作情報を出力する出力部とを、さらに備えた請求項1から請求項7いずれか記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記動作情報合成部は、
前記動作情報取得部が取得した複数の動作情報の、複数の時刻における値の平均をそれぞれの時刻の値とする動作情報を構成する請求項8記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記動作情報受付部が受け付ける動作情報は、2つであり、
当該動作情報の一方の動作情報は、前記出力部の出力する動作情報である請求項8または9記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記動作情報合成部が合成した動作情報を解析する動作情報解析部をさらに備え、
前記出力部は、前記動作情報解析部の解析結果を出力する請求項1から請求項10いずれか記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記動作情報は、バレーボールを行う際の動作に関する情報である請求項1から請求項11いずれか記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記動作情報は、野球を行う際の動作に関する情報である請求項1から請求項11いずれか記載の情報処理装置。
【請求項14】
複数の動作情報間の相関に関する情報である相関情報を、当該複数の動作情報を時間軸方向の位置関係が異なるように配置した複数の場合について取得し、この相関情報に基づいて、相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を取得する情報処理装置。
【請求項15】
物体の動きに関する経時的な情報である動作情報を複数受け付ける動作情報受付ステップと、
前記複数の動作情報間の、時間軸方向の位置関係を変更する動作情報変更ステップと、
複数の動作情報について、各動作情報間の相関に関する情報である相関情報を取得する相関情報取得ステップと、
前記相関情報に基づいて、各動作情報間の相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を取得する動作情報取得ステップと、を備えたことを特徴とする情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータに、
物体の動きに関する経時的な情報である動作情報を複数受け付ける動作情報受付ステップと、
前記複数の動作情報間の、時間軸方向の位置関係を変更する動作情報変更ステップと、
複数の動作情報について、各動作情報間の相関に関する情報である相関情報を取得する相関情報取得ステップと、
前記相関情報に基づいて、各動作情報間の相関が最適となる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を取得する動作情報取得ステップと、を実行させるためのプログラム。
【請求項17】
前記動作情報変更ステップは、少なくとも一つ以上の動作情報を時間軸方向にずらして、前記複数の動作情報間の、時間軸方向の位置関係を変更する請求項15記載のプログラム。
【請求項18】
前記相関情報取得ステップは、
前記複数の動作情報の2以上の所定の時刻における値に基づいて相関情報を取得する請求項15または請求項16記載のプログラム。
【請求項19】
前記相関情報は、前記複数の動作情報の2以上の所定の時刻における値の差の絶対値の平均値である請求項15から請求項17いずれか記載のプログラム。
【請求項20】
前記動作情報取得ステップは、
前記平均値が小さくなる時間軸方向の位置関係を有する複数の動作情報を取得する請求項18記載のプログラム。
【請求項21】
コンピュータに、
前記動作情報取得ステップで取得した複数の動作情報を合成する動作情報合成ステップと、
前記動作情報合成ステップで合成した動作情報を出力する出力ステップとを、さらに実行させるための請求項1から請求項7いずれか記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記動作情報合成ステップは、
前記動作情報取得ステップで取得した複数の動作情報の、複数の時刻における値の平均をそれぞれの時刻の値とする動作情報を構成する請求項19記載のプログラム。
【請求項23】
コンピュータに、
前記動作情報合成ステップで合成した動作情報を解析する動作情報解析ステップをさらに実行させ、
前記出力ステップは、前記動作情報解析ステップの解析結果を出力する請求項19または請求項20記載のプログラム。
【請求項24】
前記動作情報受付ステップで受け付ける動作情報は、2つであり、
当該動作情報の一方の動作情報は、前記出力ステップで出力する動作情報である請求項19から請求項21いずれか記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−288983(P2006−288983A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117694(P2005−117694)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成16年11月23日 エルゼビア社(Elsevier)サイエンス・ダイレクト(電子ジャーナル)にてインターネットアドレス(http://dx.doi.org/doi:10.1016/j.jbiomech.2004.09.017)に発表
【出願人】(505140649)
【Fターム(参考)】