説明

情報処理装置及びプログラム

【課題】医療施設での内臓脂肪計測診断における利便性を向上させる。
【解決手段】PACS30の制御部31は、内臓脂肪計測対象判定プログラム352と協働して、記憶部35に記憶されているDICOM画像データに含まれる付帯情報に基づいて、内臓脂肪計測対象判定テーブル353を更新する。制御部31は、この内臓脂肪計測対象判定テーブル353を参照して、記憶部35に記憶されているDICOM画像データが内臓脂肪計測の対象となるか否かを判定する。制御部31は、内臓脂肪計測の対象となると判定したDICOM画像データを、通信部34を介して、内臓脂肪計測装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、メタボリックシンドロームへの関心の高まりから、内臓脂肪の計測が注目されている。例えば、家庭用の内臓脂肪計測装置として、インピータンスを計測して内臓脂肪率を算出する装置が知られている。また、病院や診療所等の医療施設においては、CT装置において撮影された断層画像(医用画像)を用いて、内臓脂肪率の計測が行われている(特許文献1参照)。
【0003】
一般的に、医療施設で内臓脂肪率の計測を行う場合、患者の被ばくを考慮し、CT装置において医用画像を1枚のみ撮影する。一方、内臓脂肪率の計測を目的としない場合、CT装置は、通常、複数枚の医用画像を撮影する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−222410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、医療施設での内臓脂肪計測診断では、医用画像の撮影後、その日のうちに、患者に計測結果の説明を行う場合が多い。そのため、スピーディーなワークフローが求められている。
【0006】
しかし、医療施設において、内臓脂肪率の計測対象の医用画像と、それ以外の医用画像とが混在して管理されている場合、医師は、手動で内臓脂肪率の計測対象の医用画像を抽出する必要があり、不便であった。
【0007】
本発明は、上述したような課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、医療施設での内臓脂肪計測診断における利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の情報処理装置は、
医用画像と当該医用画像に付帯する付帯情報とを取得し、前記付帯情報に基づいて前記医用画像が内臓脂肪計測の対象となるか否かを判定し、内臓脂肪計測の対象となる医用画像を出力する制御手段、
を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記取得した医用画像と付帯情報とを記憶する記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、前記記憶手段により記憶されてから所定時間経過している医用画像を抽出し、当該抽出した医用画像に対して、内臓脂肪計測の対象となるか否かを判定する。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
医用画像に対して内臓脂肪計測処理を行う内臓脂肪計測装置に医用画像を送信する送信手段を更に備え、
前記制御手段は、前記送信手段を制御して、内臓脂肪計測の対象となる医用画像を前記内臓脂肪計測装置に送信させる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
医用画像に対して内臓脂肪計測処理を行う内臓脂肪計測手段を更に備え、
前記制御手段は、内臓脂肪計測の対象となる医用画像を前記内臓脂肪計測手段に出力する。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記付帯情報に基づいて、前記医用画像の中から、同一シリーズの医用画像が他に無い医用画像を抽出し、当該医用画像を内臓脂肪計測の対象とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記付帯情報に基づいて、前記医用画像の中から、撮影部位が腹部である医用画像を抽出し、当該医用画像を内臓脂肪計測の対象とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記付帯情報に基づいて、前記医用画像の中から、CT装置によって撮影された医用画像を抽出し、当該医用画像を内臓脂肪計測の対象とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、
前記制御手段は、前記付帯情報に基づいて、前記医用画像の中から、モダリティLUT及び画素間隔情報を有している医用画像を抽出し、当該医用画像を内臓脂肪計測の対象とする。
【0016】
請求項9に記載のプログラムは、
コンピュータを、
医用画像と当該医用画像に付帯する付帯情報とを取得し、前記付帯情報に基づいて前記医用画像が内臓脂肪計測の対象となるか否かを判定し、内臓脂肪計測の対象となる医用画像を出力する制御手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1、9に記載の発明によれば、制御手段は、医用画像と当該医用画像に付帯する付帯情報とを取得し、前記付帯情報に基づいて前記医用画像が内臓脂肪計測の対象となるか否かを判定し、内臓脂肪計測の対象となる医用画像を出力する。
【0018】
そのため、ユーザが内臓脂肪計測の対象となる医用画像の選択操作を行う必要が無く、医療施設での内臓脂肪計測診断における利便性を向上させることができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、情報処理装置は医用画像と付帯情報とを記憶する記憶手段を備え、情報処理装置の制御手段は、前記記憶手段により記憶されてから所定時間経過している医用画像を抽出し、当該抽出した医用画像に対して、内臓脂肪計測の対象となるか否かを判定する。
【0020】
そのため、この情報処理装置を、医用画像を保存管理する装置(例えば、PACS)に適用することができる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、内臓脂肪計測処理を行う装置が、この情報処理装置とは別の装置としてシステムを構築することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、医療施設での内臓脂肪計測診断における利便性を更に向上させることができる。
【0023】
請求項5〜8に記載の発明によれば、内臓脂肪計測対象の医用画像がより正確に抽出される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】医用画像システムのシステム構成図である。
【図2】DICOM画像データのデータ構成図である。
【図3】PACSのブロック図である。
【図4】DICOM画像データ管理DBにおける管理テーブルの関連図である。
【図5】内臓脂肪計測対象判定テーブルのデータ構成図である。
【図6】内臓脂肪計測対象判定処理のフローチャートである。
【図7】内臓脂肪計測対象判定処理の具体例である。
【図8】PACSのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の情報処理装置を図1のPACS30に適用した場合の実施形態について図1〜図6を参照して説明する。
【0026】
[医用画像システムのシステム構成]
先ず、PACS30を有する医用画像システム100の概要について図1を用いて説明する。
【0027】
図1は、医用画像システム100のシステム構成の一例を示すブロック図である。図1によれば、医用画像システム100は、RIS10と、モダリティ20と、PACS30と、内臓脂肪計測装置40と、から構成されている。上記の各装置はLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0028】
RIS10は、放射線科部門内における診療予約、診断結果のレポート、実績管理、材料在庫管理等の情報管理を行う。RIS10は、図示しない電子カルテシステム等において生成された撮影オーダ情報をモダリティ20に送信する。
【0029】
モダリティ20は、RIS10から受信した撮影オーダ情報に従って、患者を撮影し、医用画像の画像データ(医用画像データ)を生成する撮影装置である。また、モダリティ20は、前記撮影オーダ情報に基づいて、前記画像データに関する付帯情報を生成する。そして、モダリティ20は、前記画像データ(以下、実画像データと称す。)に当該付帯情報を付帯させて、DICOM規格に則ったDICOM画像データを生成し、PACS30に送信する。モダリティ20としては、主に、CT装置が適用可能である。ここで、DICOMとは、医用画像の通信及び保存フォーマットに関する標準規格であり、この規格に準拠することで、異なる医療機器間での相互通信性が確保される。
【0030】
図2に、モダリティ20が生成するDICOM画像データのデータ構成図を示す。前述したように、DICOM画像データは、付帯情報と実画像データとから構成される。また、付帯情報は、患者情報、検査情報、シリーズ情報及び画像識別情報を含む。
【0031】
患者情報は、患者ID、患者氏名、性別、生年月日、住所、職業等の患者に関する情報である。検査情報は、検査を識別する検査ID、検査名、検査日時、受付番号、検査目的、検査内容等の検査に関する情報である。シリーズ情報は、シリーズ番号、モダリティ名、手技、撮影部位、撮影方向、撮影技師名等の、一つの検査の中で生成されるモダリティ毎の一連の医用画像の単位(シリーズ)に関する情報である。画像識別情報は、画像を識別するSOPインスタンスUID、画像番号、画像サイズ等の医用画像に関する情報である。
【0032】
図1に戻り、PACS30は、モダリティ20において生成されたDICOM画像データを保存管理し、検索やデータ解析を行うデータベースシステムである。PACS30は、モダリティ20から受信したDICOM画像データに含まれる付帯情報に基づいて当該DICOM画像データを、例えば、リレーショナルデータベースに蓄積記憶していく。そして、PACS30は、読影医等の操作指示に応じて指定された患者IDや検査ID等を検索キーとしてDICOM画像データを検索し、画像ビューワやイメージャに出力する。PACS30は、患者IDや検査ID等の検索キーを含むDICOM画像データ取得要求を外部機器から受信すると、この取得要求に応じたDICOM画像データを検索して外部機器に提供(送信)する。
【0033】
また、PACS30は、保存管理しているDICOM画像データの付帯情報等に基づいて、このDICOM画像データが内臓脂肪計測の対象となるか否かを判定し、内臓脂肪計測の対象となるDICOM画像データを内臓脂肪計測装置40に送信する。
【0034】
内臓脂肪計測装置40は、PACS30から送信されたDICOM画像データの実画像データに対して、内臓脂肪計測処理を行う装置である。内臓脂肪計測装置40は、内臓脂肪計測処理の処理結果をPACS30に送信する。PACS30は、この処理結果(処理結果情報)を保存し管理する。
【0035】
ここで、内臓脂肪計測装置40が行う内臓脂肪計測処理について概要を説明する。まず。内臓脂肪計測装置40は、ユーザ操作等に基づいて、医用画像(断層画像)における体表全体を囲む第1関心領域(ROI)を設定する。次に、内臓脂肪計測装置40は、皮下脂肪層の内側の腹壁筋層に第2関心領域(ROI)を設定する。次に、内臓脂肪計測装置40は、第1関心領域から脂肪画素数を算出する。同様に、内臓脂肪計測装置40は、第2関心領域から脂肪画素数を算出する。そして、内臓脂肪計測装置40は、算出したそれぞれの脂肪画素数に基づいて、内臓脂肪計測の処理結果情報(例えば、内臓脂肪率等)を算出する。以上が内臓脂肪計測処理である。
【0036】
[PACSの機能的構成]
図3に、PACS30の機能的構成を示す。
【0037】
図3に示すように、PACS30は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、記憶部35を備えて構成され、各部はバス36により接続されている。
【0038】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、PACS30の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、操作部32から入力される操作信号又は通信部34により受信される指示信号に応じて、記憶部35に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0039】
操作部32は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。
【0040】
表示部33は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、制御部31から入力される表示データに基づいて各種画面を表示する。
【0041】
通信部34は、LAN(Local Area Network)アダプタ、ルータ、TA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNを介して接続されたモダリティ20や内臓脂肪計測装置40等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0042】
記憶部35は、ハードディスク等から構成され、制御プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。また、記憶部35は、モダリティ20により生成されたDICOM画像データを記憶する。
【0043】
また、記憶部35は、DICOM画像データを管理するためのデータベースプログラムであるDICOM画像データ管理DB351を記憶する。DICOM画像データ管理DB351と制御部31との協働により、記憶部35に記憶されているDICOM画像データを管理する。
【0044】
図4に、DICOM画像データ管理DB351における管理テーブルの関連図を示す。
【0045】
図4に示すように、DICOM画像データ管理DB351は、患者情報テーブルT1、検査情報テーブルT2、シリーズ情報テーブルT3、画像識別情報テーブルT4等の管理テーブルから構成される。
【0046】
患者情報テーブルT1は、管理対象となるDICOM画像データの付帯情報に含まれる患者情報を管理する管理テーブルである。患者情報テーブルT1は、「患者ID」「患者氏名」「性別」「生年月日」「住所」「職業」等の項目から成る1又は複数のレコードから構成される。
【0047】
検査情報テーブルT2は、管理対象となるDICOM画像データの付帯情報に含まれる検査情報を管理する管理テーブルである。検査情報テーブルT2は、「検査ID」「検査名」「検査日時」「受付番号」「検査目的」「検査内容」等の項目から成る1又は複数のレコードから構成される。
【0048】
シリーズ情報テーブルT3は、管理対象となるDICOM画像データの付帯情報に含まれるシリーズ情報を管理する管理テーブルである。シリーズ情報テーブルT3は、「シリーズ番号」「モダリティ名」「手技」「撮影部位」「撮影方向」「撮影技師名」等の項目から成る1又は複数のレコードから構成される。
【0049】
画像識別情報テーブルT4は、管理対象となるDICOM画像データの付帯情報に含まれる画像識別情報を管理する管理テーブルである。画像識別情報テーブルT4は、「SOPインスタンスUID」「画像番号」「画像サイズ」等の項目から成る1又は複数のレコードから構成される。
【0050】
これらの管理テーブルは、DICOM画像データ管理DB351内で管理されるローカルID(LID)により関連付けられる。具体的に、患者情報テーブルT1の1レコードに対して、検査情報テーブルT2の1又は複数のレコードが関連付けられる。検査情報テーブルT2の1レコードに対して、シリーズ情報テーブルT3の1又は複数のレコードが関連付けられる。シリーズ情報テーブルT3の1レコードに対して、画像識別情報テーブルT4の1又は複数のレコードが関連付けられる。
【0051】
図3に戻り、記憶部35は、内臓脂肪計測対象判定プログラム352を記憶する。内臓脂肪計測対象判定プログラム352と制御部31との協働により、内臓脂肪計測対象判定処理を行う。ここで、内臓脂肪計測対象判定処理とは、記憶部35に記憶されているDICOM画像データの付帯情報等に基づいて、このDICOM画像データが内臓脂肪計測の対象となるか否かを判定し、内臓脂肪計測の対象となるDICOM画像データを出力する処理である。
【0052】
また、記憶部35は、内臓脂肪計測対象判定テーブル353を記憶する。内臓脂肪計測対象判定テーブル353は、内臓脂肪計測対象判定処理において、生成、更新及び参照される。
【0053】
図5に、内臓脂肪計測対象判定テーブル353のデータ構成を示す。内臓脂肪計測対象判定テーブル353は、「シリーズLID」「検査LID」「モダリティ」「部位」「受信時間」「内臓脂肪処理済フラグ」等の項目から成る1又は複数のレコードから構成される。ここで、1レコードは、1シリーズに対応する。
【0054】
項目「シリーズLID」は、DICOM画像データ管理DB351のシリーズ情報テーブルT3のレコードに対応するローカルIDである。項目「検査LID」は、検査情報テーブルT2のレコードに対応するローカルIDである。項目「モダリティ」「部位」はシリーズ情報テーブルT2の項目「モダリティ名」「撮影部位」に対応する。
【0055】
また、項目「受信時間」は、PACS30が対応するシリーズのDICOM画像データをモダリティ20から受信し始めた時刻である。
【0056】
項目「内臓脂肪処理済フラグ」は、対応するシリーズのDICOM画像データが、内臓脂肪計測対象となるか否かを示すフラグである。制御部31は、内臓脂肪計測対象判定処理において、このフラグを更新する。ここで、内臓脂肪処理済フラグの値「1」は「ON」に該当し、対応するシリーズが内臓脂肪計測処理済であることを意味する。一方、内臓脂肪処理済フラグの値「0」は「OFF」に該当し、対応するシリーズが内臓脂肪計測処理未実施であることを意味する。
【0057】
PACS30の制御部31は、モダリティ20からDICOM画像データを受信すると、このDICOM画像データを記憶部35に記憶させ、DICOM画像データ管理DB351の各テーブルを更新する。
【0058】
そして、制御部31は、DICOM画像データDB351を参照して、内臓脂肪計測対象判定テーブル353に対応するレコードを追加する。ここで、制御部31は、同シリーズのDICOM画像データを受信し始めた時刻を、追加するレコードの項目「受信時間」の値とする。また、制御部31は、追加するレコードの項目「内臓脂肪処理済フラグ」の値をOFFに設定する。
【0059】
[内臓脂肪計測対象判定処理]
次に、PACS30の制御部31が、内臓脂肪計測対象判定プログラム352と協働して行う内蔵脂肪計測対象判定処理について、図6を用いて説明する。
【0060】
まず、制御部31は、タイマー計測を開始する(ステップS1)。制御部31は、タイマー計測で、一定時間(例えば5分)が経過した場合(ステップS2;YES)、内臓脂肪計測対象判定テーブル353を読み出す(ステップS3)。
【0061】
そして、制御部31は、読み出した内臓脂肪計測対象判定テーブル353を構成するレコードのうち、項目「内臓脂肪処理済フラグ」が「OFF」であるレコードを抽出する(ステップS4)。
【0062】
ステップS4において、該当するレコードが無い場合(ステップS5;YES)、制御部31は、内臓脂肪計測対象判定処理を終了する。そして、制御部31は、タイマーをリセットし、再びタイマー計測を開始する(ステップS1)。
【0063】
一方、ステップS4において、該当するレコードが有る場合(ステップS5;NO)、制御部31は、抽出したレコードの項目「受信時間」を参照し、モダリティ20からのDICOM画像データを受信後、一定時間が経過しているシリーズに対応するレコードを更に抽出する(ステップS6)。
【0064】
ステップS6において、該当するレコードが無い場合(ステップS7;YES)、制御部31は、ステップS4において、抽出したレコードの項目「内臓脂肪処理フラグ」の値を「OFF」から「ON」に変更する(ステップS11)。そして、制御部31は、内臓脂肪計測対象判定処理を終了する。そして、制御部31は、タイマーをリセットし、再びタイマー計測を開始する(ステップS1)
【0065】
一方、ステップS6において、該当するレコードが有る場合(ステップS7;NO)、制御部31は、抽出したレコードが内臓脂肪計測処理対象か否かを判定する(ステップS8)。
【0066】
具体的に、制御部31は、抽出したレコードのうち、項目「モダリティ」が「CT」であり、項目「部位」が「ABDOMEN(腹部)」であり、該当するシリーズの画像数が1画像であり、且つ該当するレコードのDICOM画像データがモダリティLUT及び画素間隔の情報を有しているレコードを内臓脂肪計測処理対象であると判定する。なお、この判定は、上述の条件に限定されない。制御部31は、様々な条件を設定可能である。
【0067】
ステップS8において、内臓脂肪計測処理対象となるレコードが無い場合(ステップS9;NO)、制御部31は、ステップS4において、抽出したレコードの項目「内臓脂肪処理フラグ」の値を「OFF」から「ON」に変更する(ステップS11)。そして、制御部31は、内臓脂肪計測対象判定処理を終了する。そして、制御部31は、タイマーをリセットし、再びタイマー計測を開始する(ステップS1)
【0068】
一方、ステップS8において、内臓脂肪計測処理対象となるレコードが有る場合(ステップS9;YES)、制御部31は、処理対象となるレコードに該当するDICOM画像データを内臓脂肪計測装置40に通信部34を介して送信する(ステップS10)。
【0069】
そして、制御部31は、ステップS4において、抽出したレコードの項目「内臓脂肪処理フラグ」の値を「OFF」から「ON」に変更する(ステップS11)。そして、制御部31は、内臓脂肪計測対象判定処理を終了する。そして、制御部31は、タイマーをリセットし、再びタイマー計測を開始する(ステップS1)。
【0070】
[内臓脂肪計測対象判定処理の具体例]
次に、図7を用いて内臓脂肪計測対象判定処理の具体例について説明する。本説明において、内臓脂肪計測対象判定テーブル353のレコードの項目の値が変化していくが、それぞれ、内臓脂肪計測対象判定テーブル353a、353b、353cとする。
【0071】
まず、制御部31は、内臓脂肪計測対象判定テーブル353を読み出す。制御部31は、各レコードの項目「内臓脂肪処理済フラグ」を参照し、値が「0(OFF)」となっているレコードを抽出する(図6のステップS4に対応)。即ち、制御部31は、シリーズLIDが「2」「3」「4」「5」のレコードを抽出する(内臓脂肪計測対象判定テーブル353a参照)。
【0072】
次に、制御部31は、抽出した各レコードの項目「受信時間」と現在時刻を参照し、一定時間が経過しているレコードを更に抽出する(図6のステップS6に対応)。現在時刻を「12:25:00」とし、一定時間を「00:05:00」とすると、制御部31は、シリーズLIDが「2」「3」「4」のレコードを抽出する(内臓脂肪計測対象判定テーブル353b参照)。
【0073】
次に、制御部31は、更に抽出した各レコードの項目「モダリティ」が「CT」であり、項目「部位」が「ABDOMEN(腹部)」であり、該当するシリーズの画像数が1画像であり、且つ該当するレコードのDICOM画像データがモダリティLUT及び画素間隔の情報を有しているレコードを抽出する(図6のステップS8に対応)。即ち、制御部31は、シリーズLIDが「4」のレコードを抽出する(内臓脂肪計測対象判定テーブル353c参照)。そして、制御部31は、シリーズLIDが「2」「3」のレコードの項目「内臓脂肪処理済フラグ」の値を「1(ON)」に変更する(図6のステップS11に対応)。
【0074】
そして、制御部31は、シリーズLID「4」に関連付けられているDICOM画像データを、記憶部35から読み出し、内臓脂肪計測対象として、通信部34を介して内臓脂肪計測装置40に送信する。
【0075】
以上、本実施形態によれば、PACS30の制御部31は、内臓脂肪計測対象判定プログラム352と協働して、記憶部35に記憶されているDICOM画像データに含まれる付帯情報に基づいて、内臓脂肪計測対象判定テーブル353を更新する。制御部31は、この内臓脂肪計測対象判定テーブル353を参照して、記憶部35に記憶されているDICOM画像データが内臓脂肪計測の対象となるか否かを判定する。制御部31は、内臓脂肪計測の対象となると判定したDICOM画像データを、通信部34を介して、内臓脂肪計測装置40に送信する。
【0076】
そのため、ユーザが内臓脂肪計測の対象となる医用画像の選択操作を行う必要が無く、医療施設での内臓脂肪計測診断における利便性を向上させることができる。
【0077】
尚、本実施形態における記述は、本発明に係る情報処理装置の一例であり、これに限定されるものではない。システム及び各装置の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
【0078】
例えば、PACS30に内臓脂肪計測装置40の機能を組み込んでもよい。具体的に、図8に示すように、PACS30の記憶部35は新たに内臓脂肪計測プログラム354を記憶する。PACS30の制御部31は、内臓脂肪計測プログラム354と協働して、内臓脂肪計測処理対象としたDICOM画像データに対して、内臓脂肪計測処理を行う。そして、制御部31は、処理結果を記憶部35に記憶させる。
【0079】
また、本実施形態では、プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記憶媒体、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等を適用することが可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 RIS
20 モダリティ
30 PACS
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 通信部
35 記憶部
36 バス
40 内臓脂肪計測装置
100 医用画像システム
351 DICOM画像データ管理DB
352 内臓脂肪計測対象判定プログラム
353 内臓脂肪計測対象判定テーブル
354 内臓脂肪計測プログラム
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像と当該医用画像に付帯する付帯情報とを取得し、前記付帯情報に基づいて前記医用画像が内臓脂肪計測の対象となるか否かを判定し、内臓脂肪計測の対象となる医用画像を出力する制御手段、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記取得した医用画像と付帯情報とを記憶する記憶手段を更に備え、
前記制御手段は、前記記憶手段により記憶されてから所定時間経過している医用画像を抽出し、当該抽出した医用画像に対して、内臓脂肪計測の対象となるか否かを判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
医用画像に対して内臓脂肪計測処理を行う内臓脂肪計測装置に医用画像を送信する送信手段を更に備え、
前記制御手段は、前記送信手段を制御して、内臓脂肪計測の対象となる医用画像を前記内臓脂肪計測装置に送信させる、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
医用画像に対して内臓脂肪計測処理を行う内臓脂肪計測手段を更に備え、
前記制御手段は、内臓脂肪計測の対象となる医用画像を前記内臓脂肪計測手段に出力する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記付帯情報に基づいて、前記医用画像の中から、同一シリーズの医用画像が他に無い医用画像を抽出し、当該医用画像を内臓脂肪計測の対象とする、
請求項1〜4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記付帯情報に基づいて、前記医用画像の中から、撮影部位が腹部である医用画像を抽出し、当該医用画像を内臓脂肪計測の対象とする、
請求項1〜5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記付帯情報に基づいて、前記医用画像の中から、CT装置によって撮影された医用画像を抽出し、当該医用画像を内臓脂肪計測の対象とする、
請求項1〜6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記付帯情報に基づいて、前記医用画像の中から、モダリティLUT及び画素間隔情報を有している医用画像を抽出し、当該医用画像を内臓脂肪計測の対象とする、
請求項1〜7の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータを、
医用画像と当該医用画像に付帯する付帯情報とを取得し、前記付帯情報に基づいて前記医用画像が内臓脂肪計測の対象となるか否かを判定し、内臓脂肪計測の対象となる医用画像を出力する制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−67390(P2011−67390A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220869(P2009−220869)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】