説明

情報処理装置

【課題】インタフェースを追加する必要が無く、BIOSソフトウェアの変更も不要で、シャットダウン処理中の電力供給停止を回避し、且つ停電から1次側電源が復帰した場合に自動起動する情報処理装置を提供する。
【解決手段】1次側電源1から電力の供給を受けるコンピュータ2aであって、1次側電源1により電力供給が行われている場合には当該電力を使用して電力の供給を行い、1次側電源による電力供給が停止している場合にはバッテリ4を使用して電力の供給を行う電源部3aと、通常電力供給の有無に基づいてコンピュータ2aを起動させる起動開始信号を生成する起動/終了制御部11と、通常電力が供給され、且つ1次側電源断信号が生成された場合にコンピュータ2aの終了処理を行う旨の判定を行い、通常電力供給が停止され、且つ起動開始信号が生成された場合にコンピュータ2aの起動処理を行う旨の判定を行う起動/終了処理判定部10とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、停電等により1次側電源供給が断たれた場合に適切にシャットダウン処理を行うとともに、電源供給が復帰した場合に自動的に起動する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Windows(登録商標)等の一般に広く普及しているオペレーティングシステムは、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置に保存されたシステムファイルのデータを不揮発性のメモリ等の主記憶装置にロードして動作する。このオペレーティングシステムは、主記憶装置上のシステムのデータを更新し、HDD等の補助記憶装置に書き戻す等の動作を頻繁に行っているため、停電等により急にコンピュータの電源が切れると補助記憶装置に保存したシステムファイルに不整合が起こり、コンピュータが正常に動作しなくなることが考えられる。また、データベース機能等を有するコンピュータにおいても同様にデータのバックアップが終了する前に電源が切れて保存データが破壊される等の問題が考えられ、突然の電源断が及ぼす影響は大きい。
【0003】
これらの問題に対する対処として無停電電源装置(Uninterruptible Power Supply:UPS)を使用して停電が発生している間の電力を供給する手法が広く用いられている。無停電電源装置は、停電時に供給できる電力がバッテリを使用した一時的なものであるため、停電時の電力供給を行うとともに、自己が有する通知機能を用いてオペレーティングシステムに1次側電源からの電力供給が断たれた旨を通知し、コンピュータ側においてアプリケーションの終了処理及びオペレーティングシステムのシャットダウン処理が適切に行われるように動作する。
【0004】
また、一部の高機能な無停電電源装置は、停電発生時に上述した通知機能でオペレーティングシステムにシャットダウン処理を行わせるのみならず、1次側電源が復旧した場合にコンピュータを自動的に起動させる機能をオプションとして有するものもある。
【0005】
すなわち、一般的な無停電電源装置は、1次側電源断時の自動シャットダウン等、終了処理に重点を置いた機能となっており、自動起動処理についてはオプションとして提供しているものが多い。しかしながら、無停電電源装置とともに設置されるコンピュータは、データベースサーバや管理サーバ等の常時稼動を前提とした用途も多いため、終了処理のみならず自動起動機能も重要となる。特にこのようなコンピュータは、無人運転での運用も多く、さらに遠隔地やセキュリティ室等の操作者が容易に触れることのできない場所に設置されることもあり、自動起動機能は必須である。
【0006】
ここで、一般に広く用いられている自動起動手段は、コンピュータのBIOS(Basic Input Output System)ソフトウェアの電源管理機能を利用するものである。具体的には、「電力供給が行われたら必ずコンピュータの電源をオンする」という設定がBIOSソフトウェア上で行われたコンピュータに対し、無停電原電装置は、1次側電源の復帰を検知した後、所定時間経過後にコンピュータに供給する電力をいったん切断し、再度供給を開始することによりコンピュータを自動的に起動させることができる。
【0007】
図9は、一般的な無停電電源装置17及びコンピュータ2の構成を示すブロック図である。図9に示すように、無停電電源装置17は、バッテリ18、リレースイッチ19、及び制御部22を備えており、1次側電源1から電力を受けている。ここで、1次側電源1は、例えば一般的な商用電源であり、通常時において無停電電源装置17を介してコンピュータ2に電力を供給している。
【0008】
また、コンピュータ2は、電源部3、メイン回路部5、及び電源スイッチ12を備えている。メイン回路部5は、内部にCPU6、メモリ7、HDD8、BIOS−ROM9、及び起動/終了処理判定部10を有している。また、BIOS−ROM9は、上述したように「電力供給が行われたら必ずコンピュータの電源をオンする」という設定がされているものとする。
【0009】
図10は、図9に示す無停電電源装置17とコンピュータ2の動作を示すタイムチャート図である。図10を用いて、図9に示す無停電電源装置17とコンピュータ2との動作を簡単に説明する。まず、時刻tまでの間において、コンピュータ2は通常の「動作中」である。なお、図10において、「UPS電力供給」は、コンピュータ2に対する無停電電源装置17による電力供給であり、時刻tまでの間において1次側電源1の1次側電力をそのまま供給している。
【0010】
時刻tに停電等の理由により1次側電力供給23が断たれると、無停電電源装置17内の制御部22は、1次側電力供給23が断たれたことを検知し、リレースイッチ19を操作してバッテリ18による電力供給に切り替える。さらに、制御部22は、1次側電力供給23が断たれたことを通知するためにH(High)レベルの電源断信号25をコンピュータ2内部のメイン回路部5に出力する。
【0011】
コンピュータ2内の電源部3は、バッテリ18により電力供給27を受け、メイン回路部5に対して通常電力28及びスタンバイ電力29を供給する。
【0012】
メイン回路部5内の起動/終了処理判定部10は、通常電力28が電源部3から供給されているとともに電源断信号25を受け取ったことにより、1次側電力供給23が断たれたと判断し、CPU6にシャットダウン処理を開始させる。
【0013】
時刻tにおいてシャットダウン処理が終了すると、コンピュータ2の状態が「待機中」となるので、メイン回路部5の起動/終了処理判定部10(あるいはCPU6)は、電力供給開始指示信号24をL(Low)レベルにして電源部3に出力する。電源部3は、Lレベルの電力供給開始指示信号24に基づいて通常電力28の供給を停止するが、スタンバイ電力29の供給は継続する。
【0014】
その後、時刻tにおいて1次側電力が復帰すると、無停電電源装置17内の制御部22は、1次側電力が復帰したことを検知し、1次側電源断信号25をLレベルにするとともに、リレースイッチ19を操作して1次側電源1による電力供給に切り替える。さらに、制御部22は、時間のカウンタをスタートさせ、所定時間経過後の時刻tに無停電電源装置17からの電力供給を一時停止させる。これに伴い、電源部3は、メイン回路部5に対するスタンバイ電力29供給を停止する。
【0015】
その後、時刻tにおいて制御部22は、無停電電源装置17からの電力供給を再開させる。これに伴い、電源部3は、メイン回路部5に対するスタンバイ電力29供給を再開する。
【0016】
起動/終了処理判定部10は、通常電力28の供給が無い状態でスタンバイ電力29の供給が開始されたことにより起動処理を開始する旨の判定を行い、CPU6がBIOSソフトウェアの電源管理機能によりコンピュータ2を起動させる。起動/終了処理判定部10は、起動処理が終了した時刻tに電力供給開始指示信号24をHレベルにして電源部3に出力する。電源部3は、Hレベルの電力供給開始指示信号24に基づいて通常電力28の供給を再開する。
【0017】
以上のような動作により、コンピュータ2は、停電等により1次側電力供給23が断たれてシャットダウンした場合においても、1次側電力供給23復帰時に自動的に起動することができる。
【0018】
なお、UPSにより自動的にコンピュータを起動させる方法として、上述したBIOSソフトウェアの電力管理機能を使う方法の他に、WOL(Wake On LAN)機能を用いて自動起動を行う方法が挙げられる。この場合において、UPSは、1次側電力供給23が復帰したことを検知した際に、イーサネット(登録商標)ケーブルを介してコンピュータに対して起動開始信号26を出力する。
【0019】
特許文献1には、負荷機器への給電を開始または停止するタイミングをより簡単に制御できる情報処理装置、無停電電源装置等が記載されている。この無停電電源装置は、ユーザからの指令に基づいて外部から供給される入力電力に異常が発生した場合にバッテリにより負荷機器へのバックアップ給電を行う時間の上限である最長時間を設定する設定手段と、入力電力を監視する監視手段と、入力電力の異常が検出された場合、最長時間を上限としてバックアップ給電を行うように制御する給電制御手段とを備えている。
【0020】
したがって、無停電電源装置のバックアップ時間を簡単に制御することができ、無停電電源装置のバッテリの無駄な放電を抑え、バッテリの早期劣化を防止することができる。
【0021】
さらに、この無停電電源装置において、上述した設定手段は、ユーザからの指令に基づいて、負荷機器への給電の開始を遅延する時間である遅延時間をさらに設定する。給電制御手段は、負荷機器への給電を停止している場合に入力電力が正常な状態になったとき、入力電力が正常な状態になってから遅延時間が経過した後に、負荷機器への給電を開始するように制御するようにすることができる。
【0022】
これにより、簡単に無停電電源装置の給電の開始を適切な時間だけ遅延させることができ、無停電電源装置が給電を開始したときに、無停電電源装置に接続されている負荷機器を確実に起動させることができる。
【0023】
また、特許文献1に記載の無停電電源装置は、ユーザからの指令に基づいて、負荷機器への給電の開始を遅延する時間である遅延時間を設定する設定手段と、外部から供給される入力電力を監視する監視手段と、負荷機器への給電を停止している場合に入力電力が正常な状態になったとき、入力電力が正常な状態になってから遅延時間が経過した後に、負荷機器への給電を開始するように制御する給電制御手段とを備えている。
【0024】
この場合における無停電電源装置は、ユーザからの指令に基づいて、負荷機器への給電の開始を遅延する時間である遅延時間が設定され、外部から供給される入力電力が監視され、負荷機器への給電を停止している場合に入力電力が正常な状態になったとき、入力電力が正常な状態になってから遅延時間が経過した後に、負荷機器への給電を開始するように制御される。
【0025】
したがって、この無停電電源装置によれば、容易に給電の開始を適切な時間だけ遅延させることができ、給電を開始した時点で無停電電源装置に接続されている負荷機器を確実に起動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特開2007−37282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
しかしながら、図9,10で説明したような従来の自動起動手段は、コンピュータ本体側のBIOSソフトウェアがWake On LAN機能や電源管理機能に対応している必要があり、さらに当該ソフトウェア上の設定変更により有効にする必要がある。
【0028】
また、無停電電源装置は、いったん電力供給を停止・再開するためのリレースイッチが必要になり機器が大きくなるという問題点もある。この問題は特許文献1に記載の装置にも該当し、特に、コンピュータの設置環境によっては設置スペースが限られる場合もあり、複数のコンピュータに対して同じ数の無停電電源装置を設置する場合にはその制限はさらに厳しくなる。
【0029】
この解決策として停電時にコンピュータに電力を供給するためのバッテリをコンピュータ本体の電源回路に組み込み、無停電電源装置の機能を実現する構成も考えられるが、この構成ではリレースイッチを組み込むことはほぼ不可能である。
【0030】
また、イーサネット(登録商標)のWake On LAN機能を用いた場合にも、無停電電源装置にイーサネット(登録商標)機能を組み込むとともに、コンピュータと無停電電源装置とをイーサネット(登録商標)ケーブルで接続するといった必要があるため、コストや設置スペースの面で不利である。
【0031】
また、図9に示す従来装置において、コンピュータのシャットダウン処理中に1次側電源1が復帰した場合には、シャットダウン処理中にもかかわらず電力供給が強制オフされる可能性がある。この問題について、図11を用いて説明する。図11は、図9に示す無停電電源装置17とコンピュータ2の動作を示すタイムチャート図の別例である。
【0032】
まず、時刻tまでの間において、コンピュータ2が通常の「動作中」であり、時刻tに停電等の理由により1次側電力供給23が断たれるまでは、図10で説明した動作と同じである。しかしながら、1次側電力供給23は、コンピュータ2がシャットダウン処理の最中である時刻tにおいて復帰しており、この点で図10と異なる。
【0033】
この場合に、無停電電源装置17内の制御部22は、1次側電力が復帰したことを検知し、1次側電源断信号25をLレベルにするとともに、リレースイッチ19を操作して1次側電源1による電力供給に切り替える。さらに、制御部22は、時間のカウンタをスタートさせ、所定時間経過後の時刻tに無停電電源装置17からの電力供給を一時停止させる。これに伴い、電源部3は、メイン回路部5に対する通常電力28供給とスタンバイ電力29供給とのいずれも停止する。したがって、コンピュータ2は、正常終了できない可能性がある。
【0034】
その後、時刻tにおいて制御部22は、無停電電源装置17からの電力供給を再開させる。これに伴い、電源部3は、メイン回路部5に対する通常電力28供給とスタンバイ電力29供給とを再開する。しかしながら、コンピュータ2は、時刻tにおいて依然としてシャットダウン処理中であるため、自動起動することはできない。
【0035】
時刻tにおいてシャットダウン処理が終了すると、コンピュータ2の状態が「待機中」となるので、メイン回路部5の起動/終了処理判定部10(あるいはCPU6)は、電力供給開始指示信号24をL(Low)レベルにして電源部3に出力する。電源部3は、Lレベルの電力供給開始指示信号24に基づいて通常電力の供給を停止するが、スタンバイ電力29の供給は継続する。しかしながら、無停電電源装置17による電力供給の停止/再開動作は既に行われてしまっているので、コンピュータ2は、自動起動を行うことができない。
【0036】
このような問題は、無停電電源装置17のカウント時間(1次側電力供給23が断たれてからUPSによる電力供給をいったん停止するまでの時間、すなわち図11における時刻t〜t間)をコンピュータ2のシャットダウン処理時間よりも長く設定することにより回避できるようにも思われるが、いくつかの阻害要因がある。例えば、無停電電源装置17とコンピュータ2との間におけるカウンタ設定値の不一致や、コンピュータ2におけるプログラムの負荷等によりシャットダウン処理時間が通常よりも長くなる場合が挙げられる。
【0037】
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するもので、ネットワークケーブルやリレースイッチ等のインタフェースを追加する必要が無く、BIOSソフトウェアの変更も不要であるとともに、シャットダウン処理中の電力供給停止を回避し、且つ停電から1次側電源が復帰した場合に自動起動する情報処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0038】
本発明に係る情報処理装置は、上記課題を解決するために、1次側電源から電力の供給を受ける情報処理装置であって、前記1次側電源による電力供給の有無を検知して検知結果に応じた1次側電源断信号を生成するとともに、1次側電源により電力供給が行われている場合には当該電力を使用して通常電力とスタンバイ電力との供給を行い、1次側電源による電力供給が停止している場合には内部のバッテリを使用して通常電力とスタンバイ電力との供給を行う電源部と、前記電源部による通常電力供給の有無に基づいて当該情報処理装置を起動させるための起動開始信号を生成する制御部と、前記電源部により通常電力が供給され、且つ前記1次側電源の電力供給が停止しているために前記電源部により1次側電源断信号が生成された場合に当該情報処理装置の終了処理を行う旨の判定を行うとともに、前記電源部による通常電力供給が停止され、且つ前記制御部により起動開始信号が生成された場合に当該情報処理装置の起動処理を行う旨の判定を行う判定部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、ネットワークケーブルやリレースイッチ等のインタフェースを追加する必要が無く、BIOSソフトウェアの変更も不要であるとともに、シャットダウン処理中の電力供給停止を回避し、且つ停電から1次側電源が復帰した場合に自動起動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例1の形態の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1の形態の情報処理装置の起動/終了制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例1の形態の情報処理装置の動作を示すフローチャート図である。
【図4】本発明の実施例1の形態の情報処理装置の各部の状態を示すタイムチャート図である。
【図5】本発明の実施例1の形態の情報処理装置の各部の状態を示すタイムチャート図の別例である。
【図6】本発明の実施例1の形態の情報処理装置の起動/終了制御部の詳細な構成の変形例を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施例2の形態の情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施例2の形態の情報処理装置の起動/終了制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図9】従来の無停電電源装置及びコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図10】従来の無停電電源装置とコンピュータの動作を示すタイムチャート図である。
【図11】従来の無停電電源装置とコンピュータの動作を示すタイムチャート図の別例である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の情報処理装置の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0042】
図1は、本発明の実施例1の情報処理装置の構成を示すブロック図であり、コンピュータ2aが本発明の情報処理装置に対応する。図1を参照して、情報処理装置の構成を説明する。本実施例のコンピュータ2aは、1次側電源1から電力の供給を受ける情報処理装置であり、図1に示すように、電源部3a、メイン回路部5、起動/終了制御部11、及び電源スイッチ12により構成される。すなわち、図9で説明した従来の構成と異なり、本実施例のコンピュータ2aは、無停電電源装置が不要である。
【0043】
電源部3aは、1次側電源1による電力供給の有無を検知して検知結果に応じた1次側電源断信号25を生成するとともに、1次側電源により電力供給が行われている場合には当該電力を使用して通常電力28とスタンバイ電力29との供給を行い、1次側電源による電力供給が停止している場合には内部のバッテリ4を使用して通常電力28とスタンバイ電力29との供給を行う。
【0044】
メイン回路部5は、CPU6、メモリ7、HDD8、BIOS−ROM9、及び起動/終了処理判定部10を有している。ここで、互いに内部バスで接続されたCPU6、メモリ7、HDD8、及びBIOS−ROM9は、従来のコンピュータが有している構成であり、既知の技術であるため説明を省略する。
【0045】
起動/終了処理判定部10は、本発明の判定部に対応し、電源部3aにより通常電力28が供給され、且つ1次側電源1の電力供給が停止しているために電源部3aにより1次側電源断信号25が生成された場合に当該情報処理装置(コンピュータ2a)の終了(シャットダウン)処理を行う旨の判定を行う。さらに、起動/終了処理判定部10は、電源部3aによる通常電力28供給が停止され、且つ起動/終了制御部11により起動開始信号26が生成された場合に当該情報処理装置(コンピュータ2a)の起動処理を行う旨の判定を行う。
【0046】
また、起動/終了処理判定部10は、当該情報処理装置(コンピュータ2a)の起動処理を行う旨の判定を行った場合に、通常電力28の供給を開始するための電力供給開始指示信号24を生成する。電源部3aは、起動/終了処理判定部10により生成された電力供給開始指示信号24に基づいて通常電力28の供給を開始する。
【0047】
起動/終了制御部11は、本発明の制御部に対応し、電源部3aによる通常電力28供給の有無に基づいて当該情報処理装置(すなわちコンピュータ2a)を起動させるための起動開始信号26を生成する。
【0048】
ただし、本明細書において、コンピュータ2aを起動(あるいは終了)するとは、メイン回路部5を起動(終了)することを指し、その他の部分(電源部3aや起動/終了制御部11)まで起動(終了)するものではない。したがって、起動/終了処理判定部10は、起動処理あるいは終了処理を行う旨の判定を行った後に、判定結果に応じてCPU6に起動処理あるいは終了処理をさせる。
【0049】
図2は、本実施例のコンピュータ2aの起動/終了制御部11の詳細な構成を示すブロック図である。起動/終了制御部11は、図2に示すように、起動/終了制御部電源13、カウンタ回路14、次回自動起動開始判定部15、及び起動/終了処理開始信号生成部16を有している。
【0050】
起動/終了制御部電源13は、電源部3aにより供給されたスタンバイ電力29を使用して、起動/終了制御部11全体に電力を供給する。
【0051】
カウンタ回路14は、本発明の計時部に対応し、電源部3aからの通常電力28供給を受け、電源部3aによる通常電力28の供給が停止してから所定時間経過後に時間経過信号30を生成する。ただし、カウンタ回路は、後述する次回自動起動開始判定部15により自動起動を行うと判定された場合にのみ動作するものとし、次回自動起動開始判定部15により自動起動を行わないと判定された場合には、時間経過信号30を生成しない。
【0052】
次回自動起動開始判定部15は、1次側電源1が復帰した場合に自動起動を行うか否かを判定する。例えば、次回自動起動開始判定部15は、ユーザにより予め入力された設定に基づいて自動起動を行うか否かを判定する。すなわち、起動/終了制御部11は、次回自動起動開始判定部15を備えることにより、予め入力された設定に基づいて起動開始信号26を生成するか否かを決定することができる。本実施例においては、ユーザによる設定が起動/終了処理判定部10に保存されており、起動/終了処理判定部10が当該設定を設定信号31として次回自動起動開始判定部15に出力することにより、次回自動起動開始判定部15は、ユーザにより予め入力された設定を参照し、自動起動を行うか否かを判定することができる。
【0053】
なお、次回自動起動開始判定部15は、ユーザによる次回起動の設定ができない情報処理装置においては必ずしも必須の構成ではない。次回自動起動開始判定部15が無い構成とする場合には、カウンタ回路14は、電源部3aによる通常電力28の供給停止のみを条件として、所定時間経過後に時間経過信号30を生成する。
【0054】
起動/終了処理開始信号生成部16は、本発明の生成部に対応し、カウンタ回路14により生成された時間経過信号30に基づいて起動開始信号26を生成する。
【0055】
なお、電源スイッチ12は、コンピュータ等の情報処理装置に設けられている一般的な電源スイッチである。したがって、起動/終了処理開始信号生成部16は、カウンタ回路14の動作によらず、通常時(1次側電源1が正常に電力供給を行っている場合)にユーザにより電源スイッチ12が最初にオンされた場合には、起動開始信号26を生成して、メイン回路部5に起動処理させる。
【0056】
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。図3は、本実施例の情報処理装置の動作を示すフローチャート図である。また、図4は、本実施例の情報処理装置の各部の状態を示すタイムチャート図である。図3及び図4を用いて本実施例の情報処理装置(コンピュータ2a)の動作を説明する。なお、図3においては、最初に停電が発生し、コンピュータ2aの終了(シャットダウン)処理が行われている状態から説明する。
【0057】
まず、図4の時刻tまでの間において、コンピュータ2aは通常の「動作中」である。また、電源部3aは、メイン回路部5と起動/終了制御部11とに対して、1次側電源1の1次側電力を利用して、時刻tまでの間に通常電力28とスタンバイ電力29とを供給している。
【0058】
時刻tに停電等の理由により1次側電力供給23が断たれると、電源部3aは、1次側電力供給23が断たれたことを検知し、Hレベルの1次側電源断信号25を生成するとともに、内部のバッテリ4を使用して通常電力28とスタンバイ電力29とを供給する。
【0059】
メイン回路部5内の起動/終了処理判定部10は、電源部3aにより通常電力28が供給され、且つ1次側電源1の電力供給23が停止しているために電源部3aにより1次側電源断信号25が生成されているので、コンピュータ2aのシャットダウン(終了)処理を行う旨の判定を行う。これにより、CPU6は、起動/終了処理判定部10の判定結果に基づいて、メイン回路部5の終了処理を行う。
【0060】
一方、起動/終了制御部11内のカウンタ回路14は、電源部3aによる通常電力28の供給が停止したか否かを判断する(図3のステップS1)。カウンタ回路14は、この通常電力28供給の有無を確認する動作により、シャットダウン処理が終了したか否かを判断する。
【0061】
図4の時刻tにおいてシャットダウン処理が終了すると、コンピュータ2の状態が「待機中」となるので、メイン回路部5の起動/終了処理判定部10は、電力供給開始指示信号24をLレベルにして電源部3aに出力する。電源部3aは、Lレベルの電力供給開始指示信号24に基づいて通常電力28の供給を停止するが、スタンバイ電力29の供給は継続する。
【0062】
起動/終了制御部11内のカウンタ回路14は、電源部3aによる通常電力28の供給が停止したことを検知し、メイン回路部5によるシャットダウン処理が終了したと判断する。次に、起動/終了制御部11は、予め入力された設定に基づいて起動開始信号26を生成するか否かを決定する。具体的には、カウンタ回路14は、次回自動起動開始判定部15により次回自動起動開始設定信号31がセット済か否かを判断し(ステップS2)、セット済であれば、電源部3aによる通常電力28の供給が停止しているという条件の下、カウンタをスタートさせる(ステップS3)。また、次回自動起動開始判定部15により次回自動起動開始設定信号31がセット済でない場合には、カウンタ回路14は、そこで処理を終了する。
【0063】
なお、次回自動起動開始判定部15は、上述したように、ユーザにより予め入力された設定に基づいて自動起動を行うか否かを判定し、自動起動を行うと判定した場合に次回自動起動開始設定信号31をセットするものとする。
【0064】
その後、時刻tにおいて1次側電力が復帰すると、電源部3aは、1次側電力が復帰したことを検知し、1次側電源断信号25をLレベルにするとともに、バッテリ4による電力供給を停止して1次側電源1による電力供給に切り替える。ただし、電源部3aは、時刻tの前後においてメイン回路部5及び起動/終了制御部11に対する電力供給状態を変化させず、通常電力28供給を停止状態に維持するとともに、スタンバイ電力29供給を継続する。
【0065】
一方、カウンタ回路14は、1次側電力供給23が復帰するのを待つために、電源部3aによる通常電力28の供給が停止(時刻t)してから所定時間が経過するまで待機する(ステップS4)。その後、カウンタ回路14は、所定時間経過後の時刻tにおいて1次側電力供給23が復帰し(ステップS5)且つ通常電力28供給がされていない場合(ステップS6)に時間経過信号30を生成する。
【0066】
なお、カウンタ回路14は、1次側電力供給23が復帰しているか否かについて、例えば電源部3aから1次側電源断信号25を受け取ることにより判断することができる。あるいは、1次側電力供給23が復帰したか否かをカウンタ回路14が判断しない構成とする場合には、起動/終了処理判定部10が1次側電力供給23が復帰したか否かに基づいて起動処理を開始する構成とする。すなわち、起動/終了処理判定部10は、1次側電源断信号25に基づいて1次側電源1の電力供給が停止している場合には、起動開始信号26が生成されたか否かにかかわらず当該情報処理装置(コンピュータ2a)の起動処理を行う旨の判定を行わない。この場合には、ステップS5の判断は、ステップS9の起動開始信号26が出力された後に、起動/終了処理判定部10により行われる。
【0067】
いずれにしても、起動/終了処理判定部10は、1次側電源1による電力供給が復帰していない場合には、自動起動を行わない旨の判定をして終了する(ステップS6)。
【0068】
なお、カウンタ回路14がステップS6において通常電力28供給の有無を確認するのは、自動起動を行う前に既にユーザが電源スイッチ12等を操作して起動させている場合があるからであり、電源スイッチ12との競合を防止するためである。仮に通常電力28が供給されている場合には、カウンタ回路14は、時間経過信号30を生成せずに終了する(ステップS8)。
【0069】
起動/終了処理開始信号生成部16は、時刻tにおいてカウンタ回路14により生成された時間経過信号30に基づいて起動開始信号26を生成し、起動/終了処理判定部10に出力する(ステップS9)。起動/終了処理判定部10は、電源部3aによる通常電力28供給が停止され、且つ起動/終了制御部11(起動/終了処理開始信号生成部16)により起動開始信号26が生成されたことにより、起動処理を行う旨の判定を行い、CPU6に起動処理を開始させる。また、起動/終了処理判定部10は、起動処理が終了した時刻tに電力供給開始指示信号24をHレベルにして電源部3aに出力する。電源部3aは、Hレベルの電力供給開始指示信号24に基づいて通常電力28の供給を再開する。
【0070】
以上のような動作により、コンピュータ2aは、停電等により1次側電力供給23が断たれてシャットダウンした場合においても、1次側電力供給23復帰時に自動的に起動することができる。すなわち、本実施例における起動/処理制御部11は、通常電力28供給が断たれたことをトリガとして電源スイッチ入力を模擬し、コンピュータ2aの起動/終了処理を制御するものである。
【0071】
図5は、本実施例の情報処理装置の各部の状態を示すタイムチャート図の別例であり、シャットダウン処理中に1次側電力供給23が復帰した場合を示している。まず、図5の時刻tまでコンピュータ2aが通常の「動作中」であり、時刻tに停電等の理由により1次側電力供給23が断たれてシャットダウン処理を開始するまでの動作は、図4の場合と同じである。
【0072】
時刻tにおいてシャットダウン処理中に1次側電力が復帰すると、電源部3aは、1次側電力が復帰したことを検知し、1次側電源断信号25をLレベルにするとともに、バッテリ4による電力供給を停止して1次側電源1による電力供給に切り替える。ただし、電源部3aは、時刻tの前後においてメイン回路部5及び起動/終了制御部11に対する電力供給状態を変化させず、通常電力28供給とスタンバイ電力29供給とを継続する。
【0073】
一方、起動/終了制御部11内のカウンタ回路14は、電源部3aによる通常電力28の供給が停止したか否かを判断する。カウンタ回路14は、この通常電力28供給の有無を確認する動作により、シャットダウン処理が終了したか否かを判断する。
【0074】
時刻tにおいてシャットダウン処理が終了すると、コンピュータ2の状態が「待機中」となるので、メイン回路部5の起動/終了処理判定部10は、電力供給開始指示信号24をLレベルにして電源部3aに出力する。電源部3aは、Lレベルの電力供給開始指示信号24に基づいて通常電力28の供給を停止するが、スタンバイ電力29の供給は継続する。
【0075】
起動/終了制御部11内のカウンタ回路14は、電源部3aによる通常電力28の供給が停止したことを検知し、メイン回路部5によるシャットダウン処理が終了したと判断する。次に、起動/終了制御部11は、図4の場合と同様に、予め入力された設定に基づいて起動開始信号26を生成するか否かを決定する。ここでは、予めユーザにより自動起動を行う旨の設定がされており、次回自動起動開始判定部15により次回自動起動開始設定信号31がセットされているものとする。
【0076】
カウンタ回路14は、電源部3aによる通常電力28の供給が停止(時刻t)してから所定時間が経過するまで待機し、所定時間経過後の時刻tにおいて1次側電力供給23が復帰し且つ通常電力28供給がされていないので、時間経過信号30を生成する。上述したように、必ずしもカウンタ回路14が1次側電力供給23の復帰の有無について判断する必要は無く、起動/終了制御部11が起動開始信号26を生成した後に、起動/終了処理判定部10が1次側電力供給23の復帰の有無を判断し、復帰している場合にのみ起動処理を開始する構成としてもよい。
【0077】
いずれにしても、起動/終了処理判定部10は、1次側電源1による電力供給が復帰していない場合には、自動起動を行わない旨の判定をして終了する。
【0078】
起動/終了処理開始信号生成部16は、時刻tにおいてカウンタ回路14により生成された時間経過信号30に基づいて起動開始信号26を生成し、起動/終了処理判定部10に出力する。起動/終了処理判定部10は、電源部3aによる通常電力28供給が停止され、且つ起動/終了制御部11(起動/終了処理開始信号生成部16)により起動開始信号26が生成されたことにより、起動処理を行う旨の判定を行い、CPU6に起動処理を開始させる。また、起動/終了処理判定部10は、起動処理が終了した時刻tに電力供給開始指示信号24をHレベルにして電源部3aに出力する。電源部3aは、Hレベルの電力供給開始指示信号24に基づいて通常電力28の供給を再開する。
【0079】
以上のような動作により、コンピュータ2aは、シャットダウン処理中に1次側電力供給23が復帰したとしても、シャットダウン処理中に強制的に電力供給を断つこともなく、シャットダウン処理終了後に適切に起動することができる。
【0080】
上述のとおり、本発明の実施例1の形態に係る情報処理装置によれば、ネットワークケーブルやリレースイッチ等のインタフェースを追加する必要が無く、BIOSソフトウェアの変更も不要であるとともに、シャットダウン処理中の電力供給停止を回避し、且つ停電から1次側電源が復帰した場合に自動起動することができる。
【0081】
すなわち、本実施例のコンピュータ2aは、バッテリ4を有する電源3aや通常電力28供給の有無を検知して起動処理開始のタイミングを制御する起動/処理制御部11を備えているので、従来の装置のように外部に無停電電源装置を用意する必要も無く最小限のコストや設置スペースで済むとともに、無停電電源装置による強制的な電力供給停止がシャットダウン処理中に行われることも無い。
【0082】
さらに、本実施例のコンピュータ2aは、カウンタ回路14を備えることにより通常電力28の供給が停止してから所定時間経過後に起動処理開始のきっかけとなる時間経過信号30を生成するので、1次側電力供給23の復帰を待つことができる。所定時間経過後においても1次側電力供給23が復帰していない場合には、上述したように起動/終了処理判定部10が当該情報処理装置(コンピュータ2a)の起動処理を行う旨の判定を行わないので、誤って起動することもない。
【0083】
また、起動処理を行う場合に、起動/終了処理判定部10が通常電力28の供給を開始するための電力供給開始指示信号24を生成して電源部3aに通常電力28を供給させるので、コンピュータ2aは適切に起動して動作を開始することができる。
【0084】
さらに、起動/終了制御部11は、次回自動起動開始判定部15を備えることにより、予め入力された設定に基づいて起動開始信号26を生成するか否かを決定することができる。
【0085】
なお、図6は、本実施例の情報処理装置の起動/終了制御部11の変形例を示すブロック図である。図2に示す起動/終了制御部11と異なる点は、カウンタ回路14と起動/終了処理開始信号生成部16との間にスイッチ20を設けている点である。
【0086】
図2で説明した起動終了制御部11を備えた場合のコンピュータ2aは、図3乃至図5で説明したように、通常電力28供給の停止をきっかけに起動を開始する構成を有している。したがって、オペレーティングシステムやコンピュータの動作に影響の無い短時間での電源断等で通常電力28供給が一瞬途切れると、コンピュータ2aの動作中に意図しない起動開始信号26が生成され、誤動作を引き起こす可能性が考えられる。そこで、本実施例のコンピュータ2aは、図6のようなスイッチ20を設けて誤動作を防止することができる。
【0087】
スイッチ20は、電源部3aによる通常電力28供給が停止している場合にオンするとともに、電源部3aによる通常電力28供給が行われている場合にオフする。このスイッチ20の働きにより、カウンタ回路14は、通常電力28供給時に時間経過信号30を起動/終了処理開始信号生成部16に出力することができない。すなわち、この場合における起動/終了制御部11は、起動開始信号26を生成する際に、電源部3aにより通常電力28が供給されている場合には起動開始信号26の生成を中止する。これにより、本実施例のコンピュータ2aは、動作中において起動開始信号26が生成されず、一瞬の通常電力28供給断等に起因する誤動作を防止することができる。特に、カウンタ回路14は、所定時間経過後にのみ時間経過信号30を生成するので、その間に通常電力28供給が復帰している可能性が高く、スイッチ20は、カウンタ回路14と組み合わせることで確実に誤動作を防止することができる。
【実施例2】
【0088】
図7は、本発明の実施例2の情報処理装置の構成を示すブロック図である。図1と異なる点は、1次側電源1と起動/終了制御部11とが接続されている点である。また、図8は、本実施例のコンピュータ2aの起動/終了制御部11の詳細な構成を示すブロック図である。図2に示す起動/終了制御部11と異なる点は、カウンタ回路14の代わりにANDロジック回路21を備えている点である。
【0089】
ANDロジック回路21は、1次側電源1、電源部3a、次回自動起動開始判定部15、及び起動/終了処理開始信号生成部16に接続されており、電源部3aによる通常電力28の供給が停止し且つ1次側電源1により電力が供給されている場合にAND信号32を生成する。なお、1次側電源1は、電力供給の状態を示す電力供給信号33を出力している。ANDロジック回路21は、電力供給信号33に基づいて1次側電源1による電力供給の有無を判断する。起動/終了処理開始信号生成部16は、ANDロジック回路21により生成されたAND信号32に基づいて起動開始信号26を生成する。
【0090】
すなわち、起動/終了制御部11は、電源部3aによる通常電力28の供給が停止し、且つ1次側電源1により電力が供給されている場合に起動開始信号26を生成する。
【0091】
なお、ANDロジック回路21は、実施例1におけるカウンタ回路14と同様に、次回自動起動開始判定部15により次回自動起動開始設定信号31がセット済か否かを判断し、セット済であれば、上述した条件の下、AND信号32を生成する。さらに、ANDロジック回路21は、1次側電源1による電力供給の有無について、電源部3aから電源断信号25を受け取ることで判断してもよい。その場合には、1次側電源1と起動/終了制御部11内のANDロジック回路21とを接続する必要はなく、ANDロジック回路21は、電源部3aから電源断信号25と通常電力28供給とを受けることによりAND条件を判断する。
【0092】
その他の構成は、実施例1と同様であり、重複した説明を省略する。
【0093】
次に、上述のように構成された本実施の形態の作用を説明する。本実施例のコンピュータ2aは、基本的には実施例1のコンピュータ2aと同様の動作を行うが、カウンタ回路14のように1次側電力供給23の復帰を待つのと異なり、1次側電力供給23が復帰してANDロジック回路21のAND条件を満たした場合に起動処理を開始する。したがって、本実施例のコンピュータ2aは、図4,5の場合には時刻tの時点で起動処理を開始する。
【0094】
その他の作用は、実施例1と同様であり、重複した説明を省略する。
【0095】
上述のとおり、本発明の実施例2の形態に係る情報処理装置によれば、実施例1の効果に加え、1次側電源1による電力供給が再開されたときに確実且つ迅速に起動処理を開始することができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明に係る情報処理装置は、停電等により1次側電源供給が断たれた場合に適切にシャットダウン処理を行うとともに、電源供給が復帰した場合に自動的に起動するコンピュータ等の情報処理装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0097】
1 1次側電源
2,2a コンピュータ
3,3a 電源部
4 バッテリ
5 メイン回路部
6 CPU
7 メモリ
8 HDD
9 BIOS−ROM
10 起動/終了処理判定部
11 起動/終了処理制御部
12 電源スイッチ
13 起動/終了制御部電源
14 カウンタ回路
15 次回自動起動開始判定部
16 起動/終了処理開始信号生成部
17 無停電電源装置
18 バッテリ
19 リレースイッチ
20 スイッチ
21 ANDロジック回路
22 制御部
23 1次側電力供給
24 電力供給開始指示信号
25 電源断信号
26 起動開始信号
27 UPS電力供給
28 通常電力
29 スタンバイ電力
30 時間経過信号
31 設定信号
32 AND信号
33 電力供給信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次側電源から電力の供給を受ける情報処理装置であって、
前記1次側電源による電力供給の有無を検知して検知結果に応じた1次側電源断信号を生成するとともに、1次側電源により電力供給が行われている場合には当該電力を使用して通常電力とスタンバイ電力との供給を行い、1次側電源による電力供給が停止している場合には内部のバッテリを使用して通常電力とスタンバイ電力との供給を行う電源部と、
前記電源部による通常電力供給の有無に基づいて当該情報処理装置を起動させるための起動開始信号を生成する制御部と、
前記電源部により通常電力が供給され、且つ前記1次側電源の電力供給が停止しているために前記電源部により1次側電源断信号が生成された場合に当該情報処理装置の終了処理を行う旨の判定を行うとともに、前記電源部による通常電力供給が停止され、且つ前記制御部により起動開始信号が生成された場合に当該情報処理装置の起動処理を行う旨の判定を行う判定部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記電源部による通常電力の供給が停止してから所定時間経過後に時間経過信号を生成する計時部と、
前記計時部により生成された時間経過信号に基づいて前記起動開始信号を生成する生成部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記電源部による通常電力の供給が停止し、且つ前記1次側電源により電力が供給されている場合に前記起動開始信号を生成することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、当該情報処理装置の起動処理を行う旨の判定を行った場合に、通常電力の供給を開始するための電力供給開始指示信号を生成し、
前記電源部は、前記判定部により生成された電力供給開始指示信号に基づいて通常電力の供給を開始することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記1次側電源断信号に基づいて前記1次側電源の電力供給が停止している場合には、前記起動開始信号が生成されたか否かにかかわらず当該情報処理装置の起動処理を行う旨の判定を行わないことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、予め入力された設定に基づいて前記起動開始信号を生成するか否かを決定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記起動開始信号を生成する際に、前記電源部により通常電力が供給されている場合には前記起動開始信号の生成を中止することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−166886(P2011−166886A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−24559(P2010−24559)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】