説明

情報取得装置

【課題】自車両の走行経路以外の経路から自車両の走行経路に進入する物体の情報を詳細に取得することができる情報取得システムを提供する。
【解決手段】 情報取得装置2は、先行車両M1、M2が取得した自車両の走行経路以外の経路上に存在する障害物の情報を取得する車々間通信部23、障害物の動きを推定する障害物動き推定部41、障害物が自車両の走行経路に進入する可能性があるか否かを判定する経路進入判定部42、推定結果に基づいて路側装置1に対し障害物の詳細な情報を要求する障害物情報要求部43を備えている。これにより、自車両の走行経路以外の経路から自車両の走行経路に進入する障害物の情報を詳細に取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路側装置との通信により自車両の走行経路に応じた物体の情報を取得する情報取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報取得装置として、例えば特開2001−84490号公報に記載されるように、走行車両情報を取得し、その走行する車両の目的地へ向かう際に必要な交通情報を抽出し、その車両へ情報提供するものが知られている。この装置は、自車両に対し必要な交通情報をより詳細に取得して、車両の運転者に対するサービスを向上させようとするものである。
【特許文献1】特開2001−84490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した情報取得装置にあっては、自車両の走行経路上に存在する障害物の情報を選択的に取得することができるが、走行経路以外の経路から自車両の走行経路に移動してくる障害物への対応を十分に行うことができなかった。
【0004】
そこで本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、自車両の走行経路以外の経路から自車両の走行経路に進入する物体の情報を詳細に取得することができる情報取得装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち本発明に係る情報取得装置は、路側装置との通信により自車両の走行経路に応じた情報を取得する情報取得装置において、自車両の前方を走行する先行車両が取得した自車両の走行経路以外の経路上に存在する物体の情報を車々間通信により取得する情報取得手段と、情報取得手段により取得された物体の情報に基づいて、物体の動きを推定する推定手段と、推定手段により推定された物体の推定結果に基づいて、路側装置に対し物体の詳細な情報を要求する情報要求手段と、を備えて構成されている。
【0006】
この発明によれば、自車両の走行経路以外の経路上に存在する物体の情報を先行車両から取得し、物体の動きを推定して、更にその推定結果に基づいて路側装置に対し物体の詳細な情報を要求するので、走行経路以外の経路から自車両の走行経路に進入する物体の詳細な情報を確実に取得することができる。このように自車両に影響を及ぼす物体の詳細な情報を取得することにより、これらの物体の細かい動きを把握することができる。
【0007】
また本発明に係る情報取得装置において、推定手段により推定された物体の推定結果に基づいて、物体が自車両の走行経路に進入する可能性があるか否かを判定する経路進入判定手段を更に備えることが好適である。
【0008】
この発明によれば、物体が自車両の走行経路に進入する可能性があるか否かを判定することにより、走行経路に進入する物体を特定することができるので、その物体の詳細な情報のみを取得することができる。従って、走行経路に進入しない物体情報の取得を省くことが可能となり、物体の詳細な情報の取得処理を迅速に行える。
【0009】
また本発明に係る情報取得装置において、推定手段は、先行車両から取得された物体の時系列の位置情報の差分を取ることにより、物体の動きを推定することが好適である。
【0010】
この発明によれば、物体の時系列の位置情報の差分を取ることにより物体の動きを推定するので、推定の精度を高めることができる。
【0011】
また本発明に係る情報取得装置において、情報要求手段は、路側装置に対して、物体の情報がその他の情報よりも高い精度で送信されることを要求することが好適である。
【0012】
この発明によれば、物体の情報をその他の情報よりも高い精度で取得することが可能となるので、物体に関する詳細な情報を確実に取得することができる。
【0013】
また本発明に係る情報取得装置において、自車両と先行車両とは、車群を形成していることが好適である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、自車両の走行経路以外の経路から自車両の走行経路に進入する物体の情報を詳細に取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の実施形態に係る情報取得装置を用いた情報取得システムの概略構成図である。この情報取得システムは、路側装置と車両との通信により車両の走行計画に応じた情報を取得するシステムであり、例えば道路側に設置される路側装置1と車両に設置される情報取得装置2を備えて構成されている。
【0017】
路側装置1は、通信制御部10及び通信部11を備えて構成されている。通信制御部10は、通信部11における送信及び受信の制御、通信データの記録などを行うものであり、例えばCPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。この通信制御部10は、通信エリア内を走行する車両に対しその車両の走行経路に応じた情報を提供する機能を有している。また、この通信制御部10は、障害物の位置情報や車両の停止位置情報等を記憶している。この位置情報は、異なる複数の精度で記憶されている。
【0018】
例えば、図2に示すように、三つの異なる精度の位置情報が記録されている。図2(a)は、低精度の位置情報を示すものである。低精度の位置情報は、ヘッダーS0、第一データ部S1により構成されている。第一データ部S1は、車両の停止先まで距離データを1m単位で示すものである。図2(b)は、中精度の位置情報を示すものである。中精度の位置情報は、ヘッダーS0、第一データ部S1、第二データ部S2により構成されている。第二データ部S2は、車両の停止先まで距離データにおける1m未満の端数を0.1m単位で示すものである。図2(c)は、高精度の位置情報を示すものである。高精度の位置情報は、ヘッダーS0、第一データ部S1、第二データ部S2、第三データ部S3により構成されている。第三データ部S3は、車両の停止先まで距離データにおける0.1m未満の端数を0.01m単位で示すものである。
【0019】
例えば、車両の停止先までの距離が123.45mである場合、第一データ部S1は123mのデータを有しており、第二データ部S2は0.4mのデータを有しており、第三データ部S3は0.05mのデータを有している。
【0020】
このように、低精度、中精度、高精度の位置情報において、共通するデータ部分を共有する構成とすることにより、記録すべき位置情報のデータ量を低減することができる。
【0021】
通信制御部10は、車両からの要求に応じてその車両に中精度及び高精度の位置情報を送信することができる。例えば、通信制御部10は、車両から特定の障害物に関する詳細な情報が要求された場合に、その車両に対してその特定の障害物の中精度及び高精度の位置情報を送信する。
【0022】
通信部11は、情報信号の送受信を行うものであり、アンテナ12で受信した信号を通信制御部10に入力し、通信制御部10から出力される信号を送信する。この通信部11及びアンテナ12は、車両が走行する走行路の近傍、例えば走行路の上方又は側方に設置され、走行する車両に対しスポット通信できるようになっている。通信部11及びアンテナ12として、好ましくは光ビーコンが用いられるが、光ビーコン以外のものを用いてもよい。
【0023】
情報取得装置2は、車両に搭載され、路側装置1との路車間通信、及び他車両との車々間通信により情報を取得し、取得した情報に基づいて運転支援を実行するものである。この情報取得装置2は、運転支援ECU(Electronic Control Unit)20、路車間通信部21、車々間通信部23、HMI(Human MachineInterface)25を備えている。
【0024】
運転支援ECU20は、全体の制御を行うものであり、例えばCPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。この運転支援ECU20は、障害物の位置、車両の停止位置などの情報を通信により取得し、車両の運転者に対し注意喚起、警告、制御介入などを適宜実行する。
【0025】
路車間通信部21は、インフラ側の路側装置1と通信するものであって、アンテナ22を通じて車両情報の送信、自車両の走行経路に応じた障害物等を含む情報の受信を行う。
【0026】
車々間通信部23は、他車両と通信を行う通信手段であって、例えば車群を組んで走行している場合、車群内の他の車両との通信に用いられる。この車々間通信部23は、アンテナ24を通じて他車両と通信を行い、路側装置1との路車間通信により取得した情報を車々間通信によって情報を送受信し合う。これにより、車群内における情報の共有が可能となる。例えば、車群内において、路側装置1との通信により取得した周囲の障害物の位置情報を送受信し合うことにより、障害物の位置情報を共有する。
【0027】
HMI25は、情報取得装置2におけるインターフェースとして機能するものであり、情報取得装置2の操作スイッチなどの入力部と、スピーカ、モニタなどの運転支援出力部を備えて構成されている。
【0028】
ブレーキECU31は、車両のブレーキ制御を行うものであり、運転支援として制御介入する場合に運転支援ECU20から制御信号を受けて車両の強制的な制動を実行する。エンジンECU32は、車両のエンジン制御を行うものであり、運転支援として制御介入する場合に運転支援ECU20から制御信号を受けて車両の強制的な走行駆動を実行する。操舵ECU33は、車両の操舵制御を行うものであり、運転支援として制御介入する場合に運転支援ECU20から制御信号を受けて車両の強制的な操舵動作を実行する。
【0029】
なお、情報取得装置2において、制御介入を行わない場合にはブレーキECU31、エンジンECU32、操舵ECU33のいずれか又は全部の設置を省略する場合もある。また、車両が車群を組んで走行するものでない場合には、車々間通信部23の設置を省略する場合もある。
【0030】
また、運転支援ECU20は、障害物動き推定部41、経路進入判定部42、障害物情報要求部43を備えている。障害物動き推定部41は、車群内で共有する障害物の位置情報に対し時間の差分を取ることにより、障害物の動きを推定し、その推定した結果を経路進入判定部42へ出力する。
【0031】
経路進入判定部42は、障害物動き推定部41から出力された障害物の動きの推定結果に基づいて、その障害物が車群構成車両の経路に進入する可能性があるか否かを判定するものである。この経路進入判定部42は、障害物が車群構成車両の経路に進入する可能性があると判定した場合に、その判定結果を障害物情報要求部43に出力する。障害物情報要求部43は、経路進入判定部42から出力された判定結果に基づいて、路側装置1に特定の障害物に関する中精度及び高精度の位置情報を要求するものである。
【0032】
次に、本実施形態に係る情報取得システムの動作について説明する。
【0033】
図3は、車両が交差点の手前を走行している場合における本実施形態に係る情報取得装置の動作の説明図である。図3に示すように、情報取得装置2を搭載した車両M1、M2、M3が交差点T1の手前を走行している。手前の交差点T1は、十字路であり、直進方向に方路B、左折方向に方路D、右折方向に方路Eが延びている。車両M1、M2、M3の走行位置から手前の交差点T1までの走行路は、方路Aである。交差点T2は、信号機Sが設置された十字路であり、直進方向に方路C、左折方向に方路F、右折方向に方路Gが延びている。交差点T1の手前には、路側装置1が設置されている。
【0034】
車両M1〜M3は、車群を組んで走行しており、情報取得装置2の車々間通信部23を通じて少なくとも自車両の位置、車速、走行経路の情報を互いに通信している。車両M1〜M3は、例えば隊列走行している場合、先行している順番で路側装置1と順次通信を行い、走行経路に応じた情報を受信する。図3において、車両M1、M2は、それぞれ路側装置1との通信により走行経路に応じた経路上に存在する障害物の情報、道路線形情報等の情報を取得し、路側装置1を通り過ぎている。一方、車両M3は、アンテナ12と接近して通信領域に入り、路車間通信部21を通じて路側装置1と通信を行う。本実施形態において、車両M1、M2は特許請求の範囲に記載の先行車両に相当し、車両M3は特許請求の範囲に記載の自車両に相当する。
【0035】
交差点T1の付近では、自転車(動障害物)B1が一定の速度で交差点T1に接近している。方路Eでは、自転車(動障害物)B2が一定の速度で交差点T1から遠ざかっている。方路Gでは、車両(静止障害物)M10がパーキングエリア内に駐車している。
【0036】
また、図3において、時刻t1にける自転車B1、B2及び駐車車両M10の位置情報は、車群の先頭を走行する車両M1が路側装置1から受信した位置情報であり、時刻t2における自転車B1,B2及び駐車車両M10の位置情報は、車両M1の後方を走行する車両M2が路側装置1から受信した位置情報である。
【0037】
図4は、本実施形態に係る情報取得装置の動作を示すフローチャートである。以下の動作は、所定の周期で繰り返し実行される。
【0038】
まず、図4のS10に示すように、他車情報を受信したか否かが判断される。他車の車両情報を受信していない場合には、制御処理を終了する。一方、他車の車両情報を受信している場合は、他車の車両情報の読み込み処理が行われる(S12)。この他車の車両情報は、他車の車両位置情報、走行経路情報、車速情報のみならず、他車が路側装置1との通信により取得した周囲の障害物の位置情報も含む。例えば、車両M3の運転支援ECU20は、車両M1、M2が受信した時刻t1、t2における自転車B1、B2及び駐車車両M10の位置情報をそれぞれ読み込む。
【0039】
そして、S14に移行し、障害物動きの推定処理が行われる。車両M3の障害物動き推定部41は、時刻t1とt2における自転車B1、B2及び駐車車両M10の位置情報を時間的につなぎ合わせ、これらの障害物の動きを推定する。推定処理の結果、駐車車両M10は静止障害物と判断され、その後の処理対象から除外される。一方、自転車B1、B2は動障害物と判断される。そして、動障害物である自転車B1、B2に対しては、ある時刻(例えば時刻t3)におけるそれぞれの位置情報が算出される。
【0040】
S14が終了すると、S16に移行し、障害物が経路に進入する可能性があるか否かが判定される。経路進入判定部42は、障害物の動きの推定結果に基づいて、自転車B1,B2が車群構成車両の経路に進入する可能性があるか否かを判定する。進入する可能性がないと判定された場合には、制御処理を終了する。一方、進入する可能性があると判定された場合には、障害物情報要求部43にその判定結果を出力する。図3に示すように、自転車B1、B2のうち、自転車B1のみが車群構成車両の経路に進入可能性があるので、経路進入判定部42は自転車B1の判定結果を障害物情報要求部43に出力する。
【0041】
そして、S18に移行し、障害物の詳細な情報の要求が行われる。障害物情報要求部43は、S16で判定した結果に基づいて、路側装置1に対して自転車B1の中精度及び高精度の位置情報を要求する。なお、この場合、車群構成車両の経路に進入可能性のない自転車B2の中精度及び高精度の位置情報も要求してもよい。S18が終了すると、S20に移行し、路側装置1から送信された自転車B1、B2に関する詳細な位置情報を受信する。S20の処理を終えたら、一連の制御処理を終了する。
【0042】
図5は、情報取得システムにおける路車間通信処理のフローチャートである。この図5における制御処理は、路車間通信における路側装置1の受信処理を示したものであり、例えば路側装置1の通信制御部10によって所定の周期で繰り返し実行される。
【0043】
まず、図5のS22に示すように、車両情報を受信したか否かが判断される。この判断は、例えば通信部11において車両から車両情報の入力があったか否かに基づいて行われる。図3においては、車両M1〜M3がアンテナ12の位置を通過する場合、それぞれの車両から車両情報が送信され、路車間通信装置1がこれらの車両情報を受信する。
【0044】
S22にて車両情報を受信していないと判断された場合には、制御処理を終了する。一方、S22にて車両情報を受信したと判断された場合には、車両情報の読み込みが行われる(S24)。このとき、車両情報には、車群ID、車群構成台数、車群内における走行順位、走行経路情報などが含まれている。
【0045】
このとき、走行経路情報は、送信した車両の走行していく方路の情報を含むものである。例えば、車両M3の走行経路が方路A、B、Fである場合、車両M3は、アンテナ12に向けて方路A、B、Fの情報を送信する。そして、路側装置1は、車両情報の一つとしてその走行経路情報を受信し記録する。
【0046】
S24が終了すると、S26に移行し、走行経路に応じた情報送信処理が行われる。この処理では、図6に示すように路側装置1において送信すべき情報のうち、障害物の情報に関しては低精度の情報が送信される。障害物情報は、方路における路上の障害物であり、自転車などの動障害物と、駐車車両などの静止障害物とを含む情報である。
【0047】
すなわち、車両M1〜M3に対して、それぞれの走行経路に応じて、システム情報、信号情報、方路A〜G上に存在する障害物情報などの情報が送信される。そして、これらの障害物情報については、低精度の位置情報が選択され車両M1〜M3に送信される。図6において、車両M1〜M3について斜線となっている項目が選択され送信された情報である。システム情報、信号情報、障害物情報は、現在状態に基づくリアルタイム情報である。
【0048】
そして、S28に移行し、障害物に関する詳細な位置情報の要求があるか否かが判断される。要求がないと判断された場合には、制御処理を終了する。一方、S28にて要求があると判断された場合には、障害物の詳細な位置情報が送信される(S30)。このとき、要求に応じて障害物の中精度及び高精度の位置情報が送信される。
【0049】
例えば、車両M3は、上述の制御処理で得られた結果に基づいて、路側装置1に対して方路B、D、Eに存在する障害物の詳細な位置情報を要求する。これによって、方路B、D、Eに存在する障害物の中精度及び高精度の位置情報が選択され車両M3に送信される(図6参照)。なお、この場合、車両M3は、方路B、D、Eに存在する障害物の詳細な位置情報をその他の情報より優先的に要求し受信することも可能である。そして、S30の処理を終えたら、一連の制御処理を終了する。
【0050】
以上のように、本実施形態に係る情報取得装置2によれば、自車両の走行経路以外の経路上に存在する自転車B1、B2、駐車車両M10の位置情報を先行車両M1、M2から取得し、取得した位置情報に基づいてこれらの障害物の動きを推定し、更にその推定結果に基づいて路側装置1に対し自転車B1、B2の詳細な位置情報を要求するので、自車両の走行経路以外の経路から自車両の走行経路に進入する自転車B1の詳細な情報を確実に取得することができる。このように自車両に影響を及ぼす自転車B1の詳細な情報を取得することにより、自転車B1の細かい動きを把握することができ、自転車B1への対応を十分に行うことが可能となる。
【0051】
また、自転車B1、B2が自車両の走行経路に進入する可能性があるか否かを判定することにより、走行経路に進入する自転車B1を特定することができるので、自転車B1の詳細な情報のみを取得することができる。従って、走行経路に進入しない自転車B2の情報の取得を省くことが可能となり、障害物の詳細な情報の取得処理を迅速に行える。更に、先行車両M1、M2から取得された自転車B1、B2の時系列の位置情報の差分を取ることにより、これらの障害物の動きを推定するので、推定の精度を高めることができる。
【0052】
なお、上述した実施形態は本発明に係る情報取得システムの一例を説明したものであり、本発明に係る情報取得システムは本実施形態に記載したものに限定されるものではない。本発明に係る情報取得システムは、各請求項に記載した要旨を変更しないように実施形態に係る情報取得システムを変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
【0053】
例えば、上記の実施形態は、路側装置1から送信される障害物の情報は位置で表現され、それを2台以上の時間差をつけて受信した車群により障害物の動きを推定した例であるが、障害物が位置と速度ベクトルで表される場合には、1台の車両のみで障害物の動きの推定ができ、その車両の後続車両が走行経路の要求に応じて、障害物の存在しそうな経路を追加することも考えられる。また、車両1台で全方路の障害物の情報を取得してもよく、車両1台で全方路の障害物の情報を取得できない場合には、複数台で分担して取得してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態に係る情報取得装置を用いた情報取得システムの概略構成図である。
【図2】図1の路車間通信装置における送信情報の説明図である。
【図3】車両が交差点の手前を走行している場合における本実施形態に係る情報取得装置の動作の説明図である。
【図4】本実施形態に係る情報取得装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】情報取得システムにおける路車間通信処理のフローチャートである。
【図6】情報取得システムにおける送信情報の説明図である。
【符号の説明】
【0055】
1…路側装置、2…情報取得装置、20…運転支援ECU、21…路車間通信部、23…車々間通信部、41…障害物動き推定部、42…経路進入判定部、43…障害物情報要求部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側装置との通信により自車両の走行経路に応じた情報を取得する情報取得装置において、
自車両の前方を走行する先行車両が取得した自車両の走行経路以外の経路上に存在する物体の情報を車々間通信により取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段により取得された前記物体の情報に基づいて、前記物体の動きを推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された前記物体の推定結果に基づいて、前記路側装置に対し前記物体の詳細な情報を要求する情報要求手段と、
を備えることを特徴とする情報取得装置。
【請求項2】
前記推定手段により推定された前記物体の推定結果に基づいて、前記物体が自車両の走行経路に進入する可能性があるか否かを判定する経路進入判定手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の情報取得装置。
【請求項3】
前記推定手段は、先行車両から取得された前記物体の時系列の位置情報の差分を取ることにより、前記物体の動きを推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報取得装置。
【請求項4】
前記情報要求手段は、前記路側装置に対して、前記物体の情報がその他の情報よりも高い精度で送信されることを要求することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の情報取得装置。
【請求項5】
前記自車両と前記先行車両とは、車群を形成していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報取得装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−3252(P2010−3252A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−163606(P2008−163606)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】