説明

情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供用プログラム

【課題】地点情報を検索するためのキーワード検索時において、ユーザが入力キーワードに対応するキーワード属性を選択する負担を軽減することのできる情報提供装置を提供する。
【解決手段】ユーザにより入力され得るキーワード、当該キーワードに対応するキーワード属性、及び判定値を対応付けるキーワード属性ファイルKFを参照し、入力キーワードに対応付けられている判定値と、判定基準値との比較に基づいてキーワード属性を抽出し、抽出したキーワード属性と、入力キーワードとに基づいて検索対象情報を検索してユーザに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現在位置から目的地までの経路を探索し、ユーザを目的地まで導くための案内を行うナビゲーション装置が普及している。ナビゲーション装置では、まず目的地を設定するために目的地として設定すべき地点を示す地点情報(例えば、緯度経度情報、住所情報)を検索する必要がある。そこで、名称検索、住所検索、電話番号検索など様々な地点情報を検索する技術が公開されている(例えば、特許文献1、2)。名称検索は、施設の名称に含まれる文字列(キーワード)に基づいて地点情報を検索する検索方法である。住所検索は、ユーザに「地方(東北、関東、中部、関西など)」→「都道府県」→「市区町村」→・・・と段階的にエリアを選択させることで地点情報を検索する方法である。電話番号検索は、施設の電話番号に基づいて施設を絞り込み、地点情報を検索する方法である。
【0003】
また、キーワード検索によって地点を検索する方法もよく知られている。キーワード検索を行う場合には、キーワードの入力に際して、入力キーワードを何れの属性(例えば、住所、施設名称、ジャンル)として取り扱うかを選択しなければならなかった。例えば、「○×△□」という名称のラーメン屋を検索する場合には、キーワードの入力前に入力キーワードを「飲食店」属性(又は「ラーメン屋」属性)として取り扱うことを選択した後に、五十音キーによって「○×△□」と入力する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−271084号公報
【特許文献2】特開2008−249451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の技術では、ユーザはキーワード検索を行う際に、入力キーワードを何れの属性として取り扱うのが最適であるかを判断するのに戸惑い負担となる場合があった。
【0006】
本願は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、地点情報を検索するためのキーワード検索時におけるユーザの負担を軽減することのできる、情報提供装置、情報提供方法、及び情報提供用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願の一つの観点において請求項1に記載の情報提供装置は、ユーザにより入力されたキーワードと、当該キーワードに対応するキーワード属性とに基づいて検索対象情報を検索してユーザに提供する情報提供装置であって、ユーザにより入力され得るキーワードに対して一又は複数のキーワード属性を対応付けるとともに、当該キーワード属性毎に判定値を紐付ける属性対応情報を記憶する記憶手段と、前記属性対応情報を参照して、前記入力されたキーワードに対応付けられているキーワード属性に紐付けられている前記判定値と、前記キーワード属性の抽出基準とする所定の抽出用閾値と、に基づいてキーワード属性を抽出する抽出処理を行う抽出手段と、前記抽出手段によって抽出されたキーワード属性と、前記入力されたキーワードとに基づいて前記検索対象情報を検索してユーザに提供する提供手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本願の他の観点において請求項10に記載の情報提供方法は、ユーザにより入力され得るキーワードに対して一又は複数のキーワード属性を対応付けるとともに、当該キーワード属性毎に判定値を紐付ける属性対応情報を参照して、ユーザにより入力されたキーワードに対応付けられているキーワード属性に紐付けられている前記判定値と、前記キーワード属性の抽出基準とする所定の抽出用閾値と、に基づいてキーワード属性を抽出する抽出工程と、前記抽出工程で抽出したキーワード属性と、前記入力されたキーワードとに基づいて検索対象情報を検索してユーザに提供する提供工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
更に、本願の他の観点では、請求項11に記載の情報提供用プログラムは、ユーザにより入力され得るキーワードに対して一又は複数のキーワード属性を対応付けるとともに、当該キーワード属性毎に判定値を紐付ける属性対応情報を記憶する記憶手段、を備え、ユーザにより入力されたキーワードと、当該キーワードのキーワード属性とに基づいて検索対象情報を検索してユーザに提供する情報提供装置に含まれるコンピュータを、前記属性対応情報を参照して、前記入力されたキーワードに対応付けられているキーワード属性に紐付けられている前記判定値と、前記キーワード属性の抽出基準とする所定の抽出用閾値と、に基づいてキーワード属性を抽出する抽出処理を行う抽出手段、前記抽出手段によって抽出されたキーワード属性と、前記入力されたキーワードとに基づいて前記検索対象情報を検索してユーザに提供する提供手段、として機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態における情報提供装置及び情報提供方法を利用したナビゲーション装置100の具体的な構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施形態にかかるナビゲーション装置100のHDドライブ102内に記録されているキーワード属性ファイルの構成の一例を示す図である。
【図3】実施形態におけるキーワード入力画面300の一例を示す図である。
【図4】実施形態における検索用ワークファイルWFの一例を示す図である。
【図5】実施形態における検索方法選択画面400の一例を示す図である。
【図6】実施形態における検索方法選択画面500の一例を示す図である。
【図7】実施形態における検索結果画面600の一例を示す図である。
【図8】実施形態における検索用ワークファイルWFの一例を示す図である。
【図9】実施形態における検索用ワークファイルWFの一例を示す図である。
【図10】実施形態における検索方法選択画面700の一例を示す図である。
【図11】実施形態における検索方法選択画面800の一例を示す図である。
【図12】実施形態における検索結果画面900の一例を示すである。
【図13】実施形態における検索用ワークファイルWFの一例を示す図である。
【図14】実施形態におけるシステム制御部101による地点検索処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】実施形態におけるシステム制御部101によるキーワード検索処理(I)の一例を示すフローチャートである。
【図16】実施形態におけるシステム制御部101によるキーワード属性抽出処理(I)の一例を示すフローチャートである。
【図17】実施形態におけるシステム制御部101によるキーワード検索処理(II)の一例を示すフローチャートである。
【図18】実施形態におけるシステム制御部101によるキーワード属性抽出処理(II)の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[1]実施形態
[1.1]実施形態におけるナビゲーション装置100の構成
まず、図1を参照しつつ、本実施形態にかかるナビゲーション装置100の構成について説明する。同図に示すように、本実施形態にかかるナビゲーション装置100は、システム制御部101と、HDドライブ102とROM(Read Only Memory)/RAM(Random Access Memory)103と、DVDドライブ104と、GPS(Global Positioning System)受信部105と、操作部106と、表示制御部107と、表示部108と、音声制御部109と、スピーカ110と、これら各要素間を相互に接続するデータバス111と、を有する。
【0012】
ナビゲーション装置100は、地図表示用のデータや地点検索用のデータをHDドライブ102に記録しており、これらのデータを利用することにより名称検索、周辺検索、電話番号検索、キーワード検索等の各種の地点検索を行う機能を実現している。なお、周辺検索とは地図上においてユーザが指定した地点の周辺に存在する各種施設に関する地点情報を検索する検索方法である。また、キーワード検索とは、ユーザにより入力されたキーワード(以下、入力キーワードという)から導き出される施設や住所等に関する地点情報を検索する検索方法である。ナビゲーション装置100においては、当該機能を利用して検索された地点情報を利用しつつ、ナビゲーション装置100の現在位置から目的地として設定された地点までの最適な経路が算出される。
【0013】
また、HDドライブ102には、図2に示すようなキーワード属性ファイルKFが記録されている。なお、図2は、HDドライブ102に記録されているキーワード属性ファイルKFのファイル構成の一例を示す図である。キーワード属性ファイルKFは、上記キーワード検索において用いられるファイルである。
【0014】
キーワード属性ファイルKFは、キーワード201、キーワード属性202、判定値203を要素に含む複数のキーワード属性レコードKRによって形成されている。キーワード201としては、キーワード検索機能が利用される際に入力キーワードとして入力され得るキーワードが記述されている。キーワード属性202は、キーワード201として記述されているキーワードをキーワード検索においてどのような属性として取り扱うかを記述している。すなわち、一のキーワードに対して一又は複数のキーワード属性が対応付けられている。例えば、図2の例ではキーワード「五反田」のキーワード属性として「施設名称」、「住所」が記述されている。キーワード「五反田」をキーワード属性「施設名称」として取り扱う場合には、施設名称に「五反田」を含む施設が検索され、キーワード「五反田」をキーワード属性「住所」として取り扱う場合には、住所に「五反田」を含む住所が検索される。
【0015】
判定値203は、入力キーワードを何れのキーワード属性として取り扱うべきかを判断する際に基準となる値である。具体的には、判定値が所定の判定基準値以上であるキーワード属性が抽出され(以下、判定値比較処理という)、抽出されたキーワード属性が1つである場合には当該キーワード属性と入力キーワードとに基づいて地点情報が検索される。また、抽出されたキーワード属性が複数である場合には、それらのキーワード属性の中から何れかのキーワード属性をユーザに選択させた上で、当該選択されたキーワード属性と入力キーワードとに基づいて地点情報が検索される。また、1つのキーワード201に割り当てられる判定値の合計は「100」である。なお、初期状態において判定値は、各キーワードが何れのキーワード属性として扱われることが多いかという経験則などに応じて予め設定されたり、各キーワード属性の判定値が均等となるように設定されたりする。但し、判定値は、上述したようにユーザにより何れかのキーワード属性が選択された場合には、次回以降、判定値比較処理においてユーザにより選択された当該キーワード属性が抽出されやすくなるように値が更新される。すなわち、図2に示したキーワード属性ファイルKFは、何れかの時点におけるキーワード属性ファイルKFの一例を示している。
【0016】
なお、HDドライブ102に記録されている地点検索用のデータには、キーワード属性と入力キーワードとに基づいて地点検索を行うためのデータが含まれており、キーワード属性と入力キーワードとに基づいて地点検索が行われる場合には、当該データが参照される。
【0017】
また、GPS受信部105は、測地衛星の発信するGPS電波を受信し、この受信したGPS電波に基づいてナビゲーション装置100の現在位置に対応する緯度/経度を算出し、当該算出した緯度/経度をGPSデータとしてシステム制御部101に出力する。
【0018】
表示制御部107には、HDドライブ102から読み出されたマップデータや、各種機能を実現する際に用いられる画面を表示するための画面表示用データが入力される。この表示制御部107は、システム制御部101による制御の下、これらの入力されたマップデータ等に基づいてバッファメモリ(図示しない)上に地図に対応する画像データを生成し、この生成した画像データを所定のタイミングにてバッファメモリから読み出して、表示部108に出力する。なお、表示部108は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)や有機EL(Electro Luminescent)パネル、液晶表示パネル等、如何なる表示装置により構成しても良い。
【0019】
操作部106は、テンキーやカーソルキー、決定キー等の各種キーを有するリモートコントロール装置等により構成されており、ユーザの入力操作に対応した制御信号をシステム制御部101に出力する。なお、操作部106は、表示部108に設けたタッチパネルなどの他の入力装置で構成することとしてもよい。
【0020】
音声制御部109は、システム制御部101の制御の下、音声信号を生成し、その生成した音声信号をスピーカ110を介して拡声する。かかる音声制御部109の機能により、本実施形態にかかるナビゲーション装置100は、例えば、次の交差点における車両の進行方向をユーザに告知する。
【0021】
システム制御部101は、主としてCPU(Central Processing Unit)により構成されると共に、GPS受信ポート、キー入力ポート、表示部制御ポート等の各種入出力ポートを含み、ナビゲーション装置100の全体的な機能を統括的に制御する。かかる制御に際して、システム制御部101は、ROM/RAM103に記録されている制御プログラムを読み出して各処理を実行し、当該ROM/RAM103に処理中のデータを一時的に保持する。
【0022】
例えば、システム制御部101は、HDドライブ102に記録されている各種ファイルの更新処理や、各種の検索を実行する。また、システム制御部101は、現在位置から目的地までの最適な経路を算出すると共に、当該算出された経路に対応する経路誘導情報が現在位置に対応する地図上に表示されるように、表示制御部107を制御する。
【0023】
[1.2]実施形態におけるキーワード検索時の画面遷移と処理の流れ
次に、図3〜図13を参照しつつ本実施形態にかかるナビゲーション装置100において、キーワード検索により目的地となる地点を検索し、目的地を設定するまでの流れについて具体的に説明する。
【0024】
まず、本実施形態にかかるナビゲーション装置100において、ユーザはキーワード検索を行い、目的地となる地点を設定しようとする場合、まず、操作部106に対して所定のキーワード検索開始操作を行うことが必要となる。なお、この際の具体的な操作内容については任意であり、例えば、キーワード検索開始ボタンを操作部106のリモートコントロール装置に設けておき、当該ボタンが押下された時点で処理を開始するようにしても良い。
【0025】
所定のキーワード検索開始操作が行われると、図3に示すようなキーワード検索専用のキーワード入力画面300が表示部108に表示される。キーワード入力画面300には、キーワード入力領域301、変換ボタン302、確定ボタン303、検索ボタン304、五十音入力キー305が含まれる。ユーザは、五十音入力キー305、変換ボタン302、確定ボタン303を用いてキーワードをキーワード入力領域301に入力することができる。例えば、五十音入力キー305を用いて仮名入力し、変換ボタン302を押すことにより当該仮名入力された文字をカタカナや漢字などに変換し、確定ボタン303を押すことにより当該変換された文字を確定させることができる。なお、スペースキー305SPにより各キーワード間にスペースを挿入して各キーワードを区切ることにより、複数のキーワードを同時に入力することができる。ユーザは、キーワード入力領域301にキーワードを入力した後、検索ボタン304を押すことにより、キーワード入力領域301に入力された入力キーワードに基づいて目的地となる地点の検索を開始させることができる。なお、表示部108に表示される各種画面におけるキー、ボタン等に対してユーザが操作を行うことや、キー、ボタン等を押すことは、当該ユーザがリモートコントロール装置のカーソルキーで当該各種画面におけるボタン等を選択状態として、更にリモートコントロール装置の決定キーを押すことにより実現される。
【0026】
次に、ユーザがキーワード入力領域301に入力キーワードを入力し、検索ボタン304を押した後の流れについて説明する。
【0027】
[1.2.1]入力キーワードが1つの場合
ここでは、入力キーワードが1つの場合の一例として、入力キーワードが「横浜」1つであった場合について説明する。ユーザにより検索ボタン304が押されると、まず、キーワード属性ファイルKFに基づいて検索用ワークファイルWFが作成される。検索用ワークファイルWFは、図4(a)に示すように、キーワード属性ファイルKFにおける入力キーワードに対応するキーワード属性レコードKRのみを複製することにより作成される作業用ファイルである。ここでは、入力キーワードが「横浜」のみであることから、キーワード「横浜」の検索用ワークファイルWFが作成されることとなる。
【0028】
検索用ワークファイルWFが作成されると、次いで、検索用ワークファイルWFの中にキーワード属性が「住所」であるレコードが存在するか否かが判定される。このとき、キーワード属性が「住所」であるレコードが存在する場合には、次いで、入力キーワードが、GPSデータの示す現在位置から所定の範囲内に含まれる地点を示す住所を表すキーワードであるか否かが判定される。
【0029】
なお、ここでいう「所定の範囲」は適宜適当に設定することができる。例えば、その一例として、現在位置を含む都道府県を、「所定の範囲」とすることができる。具体的には、現在位置が「川崎市」の何れかの地点であり、入力キーワードが「横浜」であれば同じ神奈川県内なので、入力キーワードが、現在位置から所定の範囲内に含まれる地点を示す住所を表すキーワードであると判定される。また、他の例として、現在位置から所定距離(例えば20km)の範囲や、現在位置から所定時間(例えば、30分)内に移動できる範囲を、「所定の範囲」とすることもできる。なお、住所を示す入力キーワードがあるエリアを表す場合には、当該住所の代表点を基準として判定が行われる。
【0030】
このとき、入力キーワードの示す住所が現在位置から所定の範囲外の地点を示す場合には、検索用ワークファイルWFにおけるキーワード属性「住所」に紐付けられている判定値から所定減算値(本実施形態では一例として、「20」とする。但し、適宜、他の値とすることができる。)を一時的に減算するとともに、1つのキーワードに割り当てられている判定値の合計が「100」を維持できるように他のキーワード属性と紐付けられた判定値に対して均等に値を加算する(但し、値を減算することにより判定値が「0」以下となってしまうキーワード属性がある場合には、判定値の更新を行わない)、現在位置考慮処理が行われる。ここで、図4(b)に示す検索用ワークファイルWFは、図4(a)に示した検索用ワークファイルWFに対して現在位置考慮処理が行われた後の状態を表している。一方、入力キーワードの示す住所が現在位置から所定の範囲内の地点を示す場合には、当該現在位置考慮処理は行われない。この現在位置考慮処理により、入力キーワードが現在位置から所定の範囲外の地点を示す住所を表すキーワードである場合には、判定値比較処理においてキーワード属性として「住所」が抽出されにくくなる。なお、現在位置考慮処理により補正された判定値は、判定値比較処理後に補正前の状態に戻されるため、現在位置考慮処理が行われる場合には、補正前の判定値が一時的に退避される。
【0031】
次いで、判定値比較処理が行われる。具体的には、検索用ワークファイルWFに含まれる各判定値と判定基準値(本実施形態では一例として、入力キーワードが1つの場合は「40」とする。但し、適宜、キーワードに対応するキーワード属性の数等に基づいて他の値とすることができる。)が比較され、判定基準値以上の判定値と紐付けられているキーワード属性が抽出される。なお、上記現在位置考慮処理が行われた場合には、判定値比較処理後に検索用ワークファイルWFの判定値は補正前の状態に戻される。
【0032】
[1.2.1.1]ケース1−1(判定値比較処理で抽出されたキーワード属性が複数の場合)
図4(a)に示す検索用ワークファイルWFに含まれる各判定値と判定基準値に基づいて判定値比較処理が行われた場合には、キーワード属性として「住所」と「中華ジャンル」が抽出される。この場合には、「住所」と「中華ジャンル」の何れのキーワード属性と、入力キーワードとに基づいて地点検索を行うかをユーザに選択させるために、キーワード入力画面300から図5に示すような検索方法選択画面400に画面が遷移する。
【0033】
検索方法選択画面400には、検索方法表示領域401a、401b、「別の検索」ボタン406が含まれる。検索方法表示領域401a、401bには、判定値比較処理によって抽出されたキーワード属性の何れかをユーザに選択させるべく、それぞれキーワード属性に対応する検索方法が表示される。各検索方法表示領域401には、検索用ワークファイルWFの判定値が大きい方から順に、ユーザに選択させるキーワード属性が表示される。すなわち、図4(a)に示すように「住所」の方が「中華ジャンル」よりも紐付けられている判定値が大きいため、検索方法表示領域401aに「横浜を住所で検索」と表示され、検索方法表示領域401bに「横浜を中華ジャンルで検索」と表示される。ここで、ユーザは、何れのキーワード属性(検索方法)に基づいて地点検索を行うかを選択することができる。具体的には、カーソルキーを操作することによって何れかの検索方法表示領域401を選択状態として、決定キーを操作することによって当該選択状態とした検索方法表示領域401に対応するキーワード属性(検索方法)を選択することができる。ユーザにより何れかのキーワード属性が選択されると、所定の学習ルールに従って検索用ワークファイルWFの判定値が更新される。
【0034】
ここで、ユーザにより何れかのキーワード属性が選択された場合における学習ルールについて説明する。当該学習ルールは適宜適当に設定することができる。例えば、その一例として、ユーザにより何れかのキーワード属性が選択された場合には、検索用ワークファイルWFにおける当該選択されたキーワード属性と紐付けられた判定値に所定加算値(本実施形態では一例として、「10」とする。但し、適宜、他の値とすることができる。)を加算するとともに、1つのキーワードに割り当てられている判定値の合計が「100」を維持できるように他のキーワード属性と紐付けられた判定値から均等に値を減算する(但し、値を減算することにより判定値が「0」以下となってしまうキーワード属性がある場合には、全ての判定値の更新を行わない)、という学習ルールでもよい。なお、図4(c)は、図4(a)に示す検索用ワークファイルWFの判定値が、ユーザによってキーワード属性「住所」が選択された場合に、当該学習ルール(所定加算値が「10」の場合)に従って更新された後の検索用ワークファイルWFを示す図ある。また、その他の例として、所定加算値を、加算対象となる判定値の大きさや他のキーワード属性に紐付けられている判定値の大きさに応じて変化させることとしてもよい。例えば、あるキーワード属性の判定値が「100」に近ければ近いほど(又は「0」に近ければ近いほど)、所定加算値を小さくすることとしてもよい。このように、ユーザがキーワード属性を選択したことに基づいて、学習ルールに従って判定値を更新することを、本実施形態では学習処理という。
【0035】
また、図5に示す検索方法選択画面400の「別の検索」ボタン406がユーザにより操作されると、検索用ワークファイルWFの全てのキーワード属性(図4(a)に示す検索用ワークファイルWFの場合「住所」、「中華ジャンル」、「施設名称」)の中の何れのキーワード属性と、入力キーワードとに基づいて地点検索を行うかをユーザに選択させるために、検索方法選択画面400から図6に示すような検索方法選択画面500に画面が遷移する。
【0036】
検索方法選択画面500には、検索方法表示領域501a、501b、501cが含まれる。検索方法表示領域501a、501b、501cには、検索用ワークファイルWFにおける全てのキーワード属性の中から何れかをユーザに選択させるべく、それぞれキーワード属性に対応する検索方法が表示される。検索方法選択画面400と同様に、各検索方法表示領域501には、検索用ワークファイルWFの判定値が大きい方から順に、ユーザに選択させるキーワード属性が表示される。ユーザは、検索方法選択画面400の場合と同様に、何れのキーワード属性(検索方法)に基づいて地点検索を行うかを選択することができる。ここで、ユーザにより何れかのキーワード属性が選択された場合には、上述したのと同様に、所定の学習ルールに従って検索用ワークファイルWFの判定値が更新される。なお、当該学習ルールに従って、ユーザがキーワード属性「施設名称」を選択した場合における、更新前の検索用ワークファイルWFを図4(a)に示し、更新後の検索用ワークファイルWFを図4(d)に示す。このように、検索方法選択画面500においてユーザによりキーワード属性が選択された場合にも、学習処理が行われる。
【0037】
検索方法選択画面400又は検索方法選択画面500において、ユーザにより何れかのキーワード属性が選択されると、当該選択されたキーワード属性と入力キーワードとに基づいて地点検索が行われ、検索方法選択画面400、500から図7に示すような検索結果画面600に画面が遷移する。検索結果画面600には、キーワード・キーワード属性表示領域601、検索結果表示領域602、「別の検索」ボタン606が含まれる。キーワード・キーワード属性表示領域601には、何れの入力キーワードと、何れのキーワード属性とに基づいて地点検索が行われたかを示す情報が表示される。図7の例では、入力キーワード「横浜」とキーワード属性「住所」とに基づいて地点検索が行われことが示されている。検索結果表示領域602には、キーワード属性と入力キーワードとに基づいて行われた地点検索の結果が表示される。検索結果表示領域602内の検索された各地点情報を表示している各領域はカーソルキーによって選択状態とすることができる。図7の例では、地点情報として「神奈川県横浜市港北区」と表示している領域602Sが選択状態であることを示している。ユーザは、検索結果表示領域602内の何れかの領域を選択状態とした上で決定ボタンを押すことにより、当該選択状態にある領域に表示されている地点情報の示す地点を目的地として決定することができる。目的地が決定されると、検索用ワークファイルWFに基づいて、キーワード属性ファイルKFにおける該当するキーワード属性レコードKRの判定値が更新される。
【0038】
また、ユーザにより「別の検索」ボタン606が操作された場合には、それまでに学習処理によって更新された検索用ワークファイルWFの判定値が学習処理前の状態に戻される。その上で、キーワード・キーワード属性表示領域601に示されているキーワード属性以外のキーワード属性を、検索用ワークファイルWFにおける全てのキーワード属性の中から改めてユーザに選択させるために、検索結果画面600から検索方法選択画面500に画面が遷移する。
【0039】
[1.2.1.2]ケース1−2(判定値比較処理で抽出されたキーワード属性が1つの場合)
一方、図8に示す検索用ワークファイルWFに含まれる各判定値と判定基準値に基づいて判定値比較処理が行われた場合には、キーワード属性として「住所」のみが抽出される。この場合には、当該判定値比較処理によって抽出されたキーワード属性と入力キーワードとに基づいて地点検索が行われ、キーワード入力画面300から直接、図7に示す検索結果画面600に画面が遷移する。検索結果画面600が表示されてからの流れは、ケース1−1において検索結果画面600が表示された場合と同様である。但し、ケース1−2において、検索結果画面600が最初に表示された際に、「別の検索」ボタン606が押されることなく、検索結果表示領域602に表示されている地点情報に基づいて目的地が決定された場合には一度も学習処理が行われず、検索用ワークファイルWFに基づくキーワード属性ファイルKFの判定値を更新する処理も行われない。
【0040】
[1.2.2]入力キーワードが複数の場合
次に、入力キーワードが複数の場合の一例として、入力キーワードが「五反田」と「ラーメン」の2つであった場合について説明する。キーワード入力画面300における検索ボタン304がユーザにより押されると、入力キーワードが1つの場合と同様に、キーワード属性ファイルKFに基づいて検索用ワークファイルWFが作成される。ここでは、入力キーワードが「五反田」と「ラーメン」であることから、図9(a)に示すように、キーワード「五反田」、「ラーメン」の検索用ワークファイルWFが作成されることとなる。
【0041】
検索用ワークファイルWFが作成されると、次いで、検索用ワークファイルWFの中にキーワード属性が「住所」であるレコードが存在するか否かが判別され、上記現在位置考慮処理を行うか否かが判別される。現在位置考慮処理の概要については既に説明しているのでここでは説明を省略する。なお、検索用ワークファイルWFの中にキーワード属性が「住所」であるレコードが複数存在する場合には、それぞれ個別に上記現在位置考慮処理を行うか否かが判別される。
【0042】
次いで、検索用ワークファイルWFに含まれるキーワード属性同士からなるキーワード属性組が編成される。具体的には、検索用ワークファイルWFに含まれる各キーワード属性であって、それぞれ異なるキーワードに対応付けられているキーワード属性の組合せからなるキーワード属性組が編成される。図9(a)の例では、「五反田(施設名称)+ラーメン(施設名称)」からなる組と、「五反田(施設名称)+ラーメン(ラーメンジャンル)」からなる組と、「五反田(住所)+ラーメン(施設名称)」からなる組と、「五反田(住所)+ラーメン(ラーメンジャンル)」からなる組と、が編成される。
【0043】
次いで、判定値比較処理が行われる。入力キーワードが複数の場合における判定値比較処理では、キーワード属性組を構成するキーワード属性に紐付けられている判定値と判定基準値との比較によって、キーワード属性組が抽出される。入力キーワードが複数の場合における判定値比較処理の一例として、本実施形態では、(A)キーワード属性組を構成するキーワード属性に紐付けられている判定値を合算して得られる合算判定値が合算判定基準値(本実施形態では一例として、入力キーワードが2つの場合は「100」とする。但し、適宜、キーワードに対応するキーワード属性の数等に基づいて他の値とすることができる。)以上であるキーワード属性組であって、(B)キーワード属性組を構成する全てのキーワード属性に紐付けられている判定値が判定基準値(本実施形態では一例として、入力キーワードが2つの場合は「30」とする。但し、適宜、キーワードに対応するキーワード属性の数等に基づいて他の値とすることができる。)以上である、キーワード属性組が抽出される。なお、上記(A)又は(B)の少なくとも何れか一方の条件を満たすキーワード属性組を抽出する構成としてもよい。また、上記現在位置考慮処理が行われた場合には、判定値比較処理後に検索用ワークファイルWFの判定値は補正前の状態に戻される。
【0044】
[1.2.2.1]ケース2−1(判定値比較処理で抽出されたキーワード属性組が複数の場合)
図9(a)に示すように、「五反田(施設名称)+ラーメン(施設名称)」の組の合算判定値は「40+10=50」、「五反田(施設名称)+ラーメン(ラーメンジャンル)」の組の合算判定値は「40+90=130」、「五反田(住所)+ラーメン(施設名称)」の組の合算判定値は「60+10=70」、「五反田(住所)+ラーメン(ラーメンジャンル)」の組の合算判定値は「60+90=150」である。よって上記(A)の条件を充足するのは「五反田(施設名称)+ラーメン(ラーメンジャンル)」の組と、「五反田(住所)+ラーメン(ラーメンジャンル)」の組である。また、これらのキーワード属性組を構成する五反田(施設名称)、五反田(住所)、ラーメン(ラーメンジャンル)の各キーワード属性は「30」以上であり、上記(B)の条件も充足する。よって、図9(a)の例では、判定値比較処理によって、「五反田(施設名称)+ラーメン(ラーメンジャンル)」の組と、「五反田(住所)+ラーメン(ラーメンジャンル)」の組が抽出される。このように、判定値比較処理によって複数のキーワード属性組が抽出された場合には、何れのキーワード属性組を構成するキーワード属性と、入力キーワードとに基づいて地点検索を行うかをユーザに選択させるために、キーワード入力画面300から図10に示すような検索方法選択画面700に画面が遷移する。
【0045】
検索方法選択画面700には、検索方法表示領域701a、701b、「別の検索」ボタン706が含まれる。検索方法表示領域701a、701bには、判定値比較処理によって抽出されたキーワード属性組の何れかをユーザに選択させるべく、それぞれキーワード属性組に対応する検索方法が表示される。各検索方法表示領域701には、キーワード属性組毎に算出された合算判定値が大きい方から順に、ユーザに選択させるキーワード属性組が表示される。ここで、ユーザは、何れのキーワード属性組(検索方法)に基づいて地点検索を行うかを選択することができる。ユーザにより何れかのキーワード属性組が選択されると、所定の学習ルールに従って、選択されたキーワード属性組を構成するキーワード属性に紐付けられている検索用ワークファイルWFの判定値が更新される。
【0046】
ここで、ユーザにより何れかのキーワード属性組が選択された場合における学習ルールについて説明する。当該学習ルールは適宜適当に設定することができる。例えば、その一例として、ユーザにより何れかのキーワード属性組が選択された場合には、検索用ワークファイルWFにおける当該選択されたキーワード属性組を構成する各キーワード属性と紐付けられた判定値に所定加算値(本実施形態では一例として、「10」とする。但し、適宜、他の値とすることができる。)を加算するとともに、1つのキーワードに割り当てられている判定値の合計が「100」を維持できるように他のキーワード属性と紐付けられた判定値から均等に値を減算する(但し、値を減算することにより判定値が「0」以下となってしまうキーワード属性がある場合には、当該キーワード属性に対応するキーワードに係る全ての判定値の更新を行わない。)、という学習ルールでもよい。なお、図9(b)は、図9(a)に示す検索用ワークファイルWFの判定値が、ユーザによってキーワード属性組「五反田(住所)+ラーメン(ラーメンジャンル)」が選択された場合に、当該学習ルール(上記所定加算値が「10」の場合)に従って更新された後の検索用ワークファイルWFを示す図ある。また、その他の例として、所定加算値を、加算対象となる判定値や他のキーワード属性に紐付けられている判定値の大きさに応じて変化させることとしてもよい。例えば、あるキーワード属性の判定値が「100」に近ければ近いほど(又は「0」に近ければ近いほど)、所定加算値を小さくすることとしてもよい。
【0047】
また、検索方法選択画面700の「別の検索」ボタン706がユーザにより操作されると、判定値比較処理のために編成された全てのキーワード属性組の中から何れのキーワード属性組を構成するキーワード属性と、入力キーワードとに基づいて地点検索を行うかをユーザに選択させるために、検索方法選択画面700から図11に示す検索方法選択画面800に画面が遷移する。
【0048】
検索方法選択画面800には、検索方法表示領域801a、801b、801c、801dが含まれる。検索方法表示領域801a、801b、801c、801dには、判定値比較処理のために編成された全てのキーワード属性組の中から何れかをユーザに選択させるべく、それぞれキーワード属性組に対応する検索方法が表示される。各検索方法表示領域801には、編成されたキーワード属性組の合算判定値が大きい方から順に、ユーザに選択させるキーワード属性組が表示される。ユーザは、検索方法選択画面700の場合と同様に、何れのキーワード属性組(検索方法)に基づいて地点検索を行うかを選択することができる。ここで、ユーザにより何れかのキーワード属性組が選択された場合にも、上述したのと同様に、所定の学習ルールに従って検索用ワークファイルWFの判定値が更新される。なお、当該学習ルールに従って、ユーザがキーワード属性組「五反田(住所)+ラーメン(施設名称)」を選択した場合における、更新前の検索用ワークファイルWFを図9(a)に示し、更新後の検索用ワークファイルWFを図9(c)に示す。このように、検索方法選択画面800においてユーザによりキーワード属性組が選択された場合にも、学習処理が行われる。
【0049】
検索方法選択画面700又は検索方法選択画面800において、ユーザにより何れかのキーワード属性組が選択されると、当該選択されたキーワード属性組を構成するキーワード属性と、入力キーワードとに基づいて地点検索が行われ、検索方法選択画面700、800から図12に示すような検索結果画面900に画面が遷移する。検索結果画面900には、キーワード・キーワード属性表示領域901、検索結果表示領域902、「別の検索」ボタン906が含まれる。キーワード・キーワード属性表示領域901には、何れの入力キーワードと、何れのキーワード属性組とにより地点検索が行われたかを示す情報が表示される。図12の例では、入力キーワード「五反田」、「ラーメン」と、キーワード属性「五反田(施設名称)」、「ラーメン(ラーメンジャンル)」とに基づいて地点検索が行われことが示されている。検索結果表示領域902には、キーワード属性組を構成するキーワード属性と、入力キーワードとに基づいて行われた地点検索の結果が表示される。検索結果表示領域902内の検索された各地点情報を表示している各領域は、検索結果表示領域602(図7参照)と同様にカーソルキーによって選択状態とすることができる。図12の例では、地点情報として「××ラーメン五反田店」と表示している領域902Sが選択状態であることを示している。ユーザは、検索結果表示領域902内の何れかの領域を選択状態として上で決定ボタンを押すことにより、当該選択状態にある領域に表示されている地点情報の示す地点を目的地として決定することができる。目的地が決定されると、検索用ワークファイルWFに基づいて、キーワード属性ファイルKFの判定値が更新される。また、ユーザにより「別の検索」ボタン906が押された場合には、それまでに学習処理によって更新された検索用ワークファイルWFの判定値は、学習処理前の状態に戻される。その上で、キーワード・キーワード属性表示領域901に示されているキーワード属性組以外のキーワード属性組を、編成された全てのキーワード属性組の中から改めてユーザに選択させるために、検索結果画面900から検索方法選択画面800に画面が遷移する。
【0050】
[1.2.2.2]ケース2−2(判定値比較処理で抽出されたキーワード属性組が1つの場合)
一方、図13に示す検索用ワークファイルWFに基づいて編成されるキーワード属性組のうち、上記(A)及び(B)の条件を充足する組は、合算判定値が「80+90=170」である「五反田(住所)+ラーメン(ラーメンジャンル)」の組のみである。当該キーワード属性組が判定値比較処理によって抽出されると、当該抽出されたキーワード属性組を構成するキーワード属性と、入力キーワードとに基づいて地点検索が行われ、キーワード入力画面300から直接、図12に示すような検索結果画面900に画面が遷移する。検索結果画面900が表示されてからの流れは、ケース2−1において検索結果画面900が表示された場合と同様である。但し、ケース2−2において、検索結果画面900が最初に表示された際に、「別の検索」ボタン906が押されることなく、検索結果表示領域902に表示されている地点情報に基づいて目的地が決定された場合には一度も学習処理が行われず、検索用ワークファイルWFに基づくキーワード属性ファイルKFの判定値を更新する処理も行われない。
【0051】
[1.3]実施形態におけるシステム制御部101の動作
次いで、図14〜図18を参照しつつ本実施形態にかかるナビゲーション装置100において、キーワード検索により目的地となる地点を検索し、目的地を決定する際の動作について具体的に説明する。
【0052】
[1.3.1]地点検索処理
上述したように、所定のキーワード検索開始操作が行われると、システム制御部101は地点検索処理を開始する。図14に示すように、システム制御部101は、まず、HDドライブ102に対して制御信号を出力して、図3に示すようなキーワード入力画面300が表示部108に表示されるように表示制御部107を制御する(S101)。このとき、システム制御部101は、ユーザによる五十音入力キー305、変換ボタン302、確定ボタン303に対する操作を検出し、適宜、キーワード入力領域301に文字が表示されるように、表示制御部107を制御する。
【0053】
次に、システム制御部101は、キーワード入力画面300を表示部108に表示させている間、ユーザにより検索ボタン304が押されたことを検出するまで検出待ち状態とする(S102)。システム制御部101は、検索ボタン304が押されたことを検出した場合には、次いで、入力されたキーワードの数を判別する(S103)。このとき、システム制御部101は、入力されたキーワードの数は1つであると判別したときには、図15を用いて後述するキーワード検索処理(I)を行い(S104)、地点検索処理を終了する。一方、システム制御部101は、入力されたキーワードの数は2つ以上であると判別したときには、図17を用いて後述するキーワード検索処理(II)を行い(S105)、地点検索処理を終了する。なお、図示しないが、システム制御部101は、入力されたキーワードの数が0である場合には、キーワードを入力させるべくS101に移行する。
【0054】
[1.3.2]キーワード検索処理(I)
次に、図15を用いてキーワード検索処理(I)について説明する。図15に示すように、システム制御部101は、まず、キーワード種別ファイルKFを参照し、入力キーワードに基づいて、検索用ワークファイルWFを作成する(S111)。なお、入力キーワードが、キーワード種別ファイルKFのキーワード201と一致しない場合には、その旨をユーザに警告するとともに入力キーワードを変更するように指示するメッセージを表示させる。
【0055】
次いで、システム制御部101は、図16を用いて後述するキーワード属性抽出処理(I)を行い(S112)、S113に移行する。キーワード属性抽出処理(I)では、判定値比較処理が行われる。より具体的には、検索用ワークファイルWFに記述された判定値と判定基準値とに基づいて、入力キーワードに対応付けられているキーワード属性が抽出される。
【0056】
次いで、システム制御部101は、S112の処理で抽出されたキーワード属性の数が2以上であるか否かを判別する(S113)。このとき、システム制御部101は、抽出されたキーワード属性の数が2以上であると判別したときには、次いで、抽出したキーワード属性に基づいて、図5に示すような検索方法選択画面400が表示部108に表示されるように表示制御部107を制御する。次いで、システム制御部101は、検索方法選択画面400において、操作されたのは「別の検索」ボタン406であるか又は何れかの検索方法表示領域401であるかを判別する(S115)。このとき、システム制御部101は、操作されたのは「別の検索」ボタン406であると判別したときには、S119の処理に移行する。一方、システム制御部101は、操作されたのは何れかの検索方法表示領域401であると判別したときには、S120の処理に移行する。
【0057】
他方、システム制御部101は、S113の処理において、S112の処理で抽出されたキーワード属性の数が2以上ではないと判別したときには、次いで、S112の処理で抽出されたキーワード属性の数が1であるか否かを判別する(S116)。このとき、システム制御部101は、抽出されたキーワード属性の数が1ではない(すなわち、抽出されたキーワード属性の数が0である)と判別したときには、S119の処理に移行する。一方、システム制御部101は、抽出されたキーワード属性の数が1であると判別したときには、抽出したキーワード属性と入力キーワードとに基づいて地点検索を行い、図7に示すような検索結果画面600が表示部108に表示されるように表示制御部107を制御する(S117)。次いで、システム制御部101は、検索結果画面600において、操作されたのは「別の検索」ボタン606であるか、又は、検索結果表示領域602内の検索された地点情報を表示している何れかの領域であるかを判別する(S118)。このとき、システム制御部101は、操作されたのは検索結果表示領域602内の検索された地点情報を表示している何れかの領域であると判別したときには、S125の処理に移行する。一方、システム制御部101は、操作されたのは「別の検索」ボタン606であると判別したときには、S119の処理に移行する。
【0058】
システム制御部101は、S115の処理において、操作されたのは「別の検索」ボタン406であると判別したとき、S116の処理において、抽出されたキーワード属性の数が1ではないと判別したとき、S118の処理において、操作されたのは「別の検索」ボタン606であると判別したとき、又は後述するS123の処理を行った後には、次いで、検索用ワークファイルWFの全てのキーワード属性に基づいて、図6に示すような検索方法選択画面500が表示部108に表示されるように表示制御部107を制御する(S119)。システム制御部101は、検索方法選択画面500が表示されている際、何れかの検索方法表示領域501が操作されたことを検知すると、S120の処理に移行する。
【0059】
次いで、システム制御部101は、S115の処理において、操作されたのは何れかの検索方法表示領域401であると判別したとき、又はS119の処理で何れかの検索方法表示領域501が操作されたことを検知したときには、選択された検索方法に基づいて検索用ワークファイルWFの判定値を仮更新する(S120)。具体的には、システム制御部101は、上述したように、ユーザにより何れかのキーワード属性が選択された場合における学習ルールに従って、検索用ワークファイルWFの判定値を仮更新する。なお、選択された検索方法とは、S115の処理において、操作されたと判別した検索方法表示領域401に対応する検索方法(キーワード属性)、又は、S119の処理において、操作されたと検知した検索方法表示領域501に対応する検索方法(キーワード属性)のことである。
【0060】
次いで、システム制御部101は、HDドライブ102に記録されている地点検索用のデータを参照し、選択された検索方法(キーワード属性)と入力キーワードとに基づいて地点検索を行い、図7に示すような検索結果画面600が表示部108に表示されるように表示制御部107を制御する(S121)。
【0061】
次いで、システム制御部101は、検索結果画面600において、操作されたのは「別の検索」ボタン606であるか、又は、検索結果表示領域602内の検索された地点情報を表示している何れかの領域であるかを判別する(S122)。このとき、システム制御部101は、操作されたのは「別の検索」ボタン606であると判別したときには、S120の処理で仮更新した検索用ワークファイルWFの判定値を仮更新前の状態に戻し(S123)、S119の処理に移行する。一方、システム制御部101は、操作されたのは検索結果表示領域602内の検索された地点情報を表示している何れかの領域であると判別したときには、次いで、検索用ワークファイルWFの判定値に基づいて、キーワード種別ファイルKFの判定値を更新し(S124)、S125の処理に移行する。
【0062】
システム制御部101は、S118の処理において、操作されたのは検索結果表示領域602内の検索された地点情報を表示している何れかの領域であると判別したとき、又は、S124の処理を行った後には、S118又はS122の処理において、検索結果表示領域602における操作されたと判別した領域に表示されている地点情報の示す地点を目的地として決定し(S125)、キーワード検索処理(I)を終了する。
【0063】
[1.3.3]キーワード属性抽出処理(I)
次に、図16を用いてキーワード属性抽出処理(I)について説明する。図16に示すように、システム制御部101は、まず、S111(図15参照)で作成した検索用ワークファイルWFのキーワード属性に「住所」が含まれているか否かを判別する(S141)。このとき、システム制御部101は、検索用ワークファイルWFのキーワード属性に「住所」が含まれていないと判別したときには、S145の処理に移行する。一方、システム制御部101は、検索用ワークファイルWFのキーワード属性に「住所」が含まれていると判別したときには、現在位置を取得する(S142)。
【0064】
次に、システム制御部101は、入力キーワードが現在位置から所定の範囲内に含まれる地点を示す住所を表すキーワードであるか否かを判別する(S143)。このとき、システム制御部101は、入力キーワードが現在位置から所定の範囲外の地点を示す住所を表すキーワードであると判別したときには、上述した現在位置考慮処理を行う(S144)。一方、システム制御部101は、入力キーワードが現在位置から所定の範囲内に含まれる地点を示す住所を表すキーワードであると判別したときには、S145の処理に移行する。
【0065】
次いで、システム制御部101は、S141の処理において、検索用ワークファイルWFのキーワード属性に「住所」が含まれないと判別したとき、S143の処理において、入力キーワードが現在位置から所定の範囲内に含まれる地点を示す住所を表すキーワードであると判別したとき、又は、S144の処理を行った後には、次いで、検索用ワークファイルWFを参照し、判定値が判定基準値(本実施形態では「40」)以上のキーワード属性を抽出する(S145)。
【0066】
次いで、システム制御部101は、S144の処理において、現在位置考慮処理を行ったか否かを判別する(S146)。このとき、システム制御部101は、現在位置考慮処理を行ったと判別したときには、現在位置考慮処理前の状態に検索用ワークファイルの判定値を戻し(S147)、キーワード属性抽出処理(I)を終了する。一方、システム制御部101は、現在位置考慮処理を行っていないと判別したときには、そのままキーワード属性抽出処理(I)を終了する。
【0067】
[1.3.4]キーワード検索処理(II)
次に、図17を用いてキーワード検索処理(II)について説明する。図17に示すように、システム制御部101は、まず、キーワード種別ファイルKFを参照し、入力キーワードに基づいて、検索用ワークファイルWFを作成する(S161)。なお、入力キーワードが、キーワード種別ファイルKFのキーワード201と一致しない場合には、その旨をユーザに警告するとともに入力キーワードを変更するように指示するメッセージを表示させる。
【0068】
次いで、システム制御部101は、図18を用いて後述するキーワード属性抽出処理(II)を行い(S162)、S163に移行する。キーワード属性抽出処理(II)では、判定値比較処理が行われる。より具体的には、検索用ワークファイルWFに基づいて編成されるキーワード属性組の合算判定値と合算判定基準値との比較や、キーワード属性組を構成するキーワード属性の判定値と判定基準値との比較に基づいて、入力キーワードに対応付けられているキーワード属性が抽出される。
【0069】
次いで、システム制御部101は、S162の処理で抽出されたキーワード属性組の数が2以上であるか否かを判別する(S163)。このとき、システム制御部101は、抽出されたキーワード属性組の数が2以上であると判別したときには、次いで、抽出したキーワード属性組に基づいて、図10に示すような検索方法選択画面700が表示部108に表示されるように表示制御部107を制御する。次いで、システム制御部101は、検索方法選択画面700において、操作されたのは「別の検索」ボタン706であるか又は何れかの検索方法表示領域701であるかを判別する(S165)。このとき、システム制御部101は、操作されたのは「別の検索」ボタン706であると判別したときには、S169の処理に移行する。一方、システム制御部101は、操作されたのは何れかの検索方法表示領域701であると判別したときには、S170の処理に移行する。
【0070】
他方、システム制御部101は、S163の処理において、S162の処理で抽出されたキーワード属性組の数が2以上ではないと判別したときには、次いで、S162の処理で抽出されたキーワード属性組の数が1であるか否かを判別する(S166)。このとき、システム制御部101は、抽出されたキーワード属性組の数が1ではない(すなわち、抽出されたキーワード属性組の数が0である)と判別したときには、S169の処理に移行する。一方、システム制御部101は、抽出されたキーワード属性組の数が1であると判別したときには、抽出したキーワード属性組を構成するキーワード属性と入力キーワードとに基づいて地点検索を行い、図12に示すような検索結果画面900が表示部108に表示されるように表示制御部107を制御する(S167)。次いで、システム制御部101は、検索結果画面900において、操作されたのは「別の検索」ボタン906であるか、又は、検索結果表示領域902内の検索された地点情報を表示している何れかの領域であるかを判別する(S168)。このとき、システム制御部101は、操作されたのは検索結果表示領域902内の検索された地点情報を表示している何れかの領域であると判別したときには、S175の処理に移行する。一方、システム制御部101は、操作されたのは「別の検索」ボタン906であると判別したときには、S169の処理に移行する。
【0071】
システム制御部101は、S165の処理において、操作されたのは「別の検索」ボタン706であると判別したとき、S166の処理において、抽出されたキーワード属性組の数が1ではないと判別したとき、S168の処理において、操作されたのは「別の検索」ボタン906であると判別したとき、又は後述するS173の処理を行った後には、次いで、後述するS195(図18参照)の処理で編成した全てのキーワード属性組に基づいて、図11に示すような検索方法選択画面800が表示部108に表示されるように表示制御部107を制御する(S169)。システム制御部101は、検索方法選択画面800が表示されている際、何れかの検索方法表示領域801が操作されたことを検知すると、S170の処理に移行する。
【0072】
次いで、システム制御部101は、S165の処理において、操作されたのは何れかの検索方法表示領域701であると判別したとき、又はS169の処理で何れかの検索方法表示領域801が操作されたことを検知したときには、選択された検索方法に基づいて検索用ワークファイルWFの判定値を仮更新する(S170)。具体的には、システム制御部101は、上述したように、ユーザにより何れかのキーワード属性組が選択された場合における学習ルールに従って、検索用ワークファイルWFの判定値を仮更新する。なお、選択された検索方法とは、S165の処理において、操作されたと判別した検索方法表示領域701に対応する検索方法(キーワード属性)、又は、S169の処理において、操作されたと検知した検索方法表示領域801に対応する検索方法(キーワード属性)のことである。
【0073】
次いで、システム制御部101は、HDドライブ102に記録されている地点検索用のデータを参照し、選択された検索方法(キーワード属性組を構成するキーワード属性)と入力キーワードとに基づいて地点検索を行い、図12に示すような検索結果画面900が表示部108に表示されるように表示制御部107を制御する(S171)。
【0074】
次いで、システム制御部101は、検索結果画面900において、操作されたのは「別の検索」ボタン906であるか、又は、検索結果表示領域902内の検索された地点情報を表示している何れかの領域であるかを判別する(S172)。このとき、システム制御部101は、操作されたのは「別の検索」ボタン906であると判別したときには、S170の処理で仮更新した検索用ワークファイルWFの判定値を仮更新前の状態に戻し(S173)、S169の処理に移行する。一方、システム制御部101は、操作されたのは検索結果表示領域902内の検索された地点情報を表示している何れかの領域であると判別したときには、次いで、検索用ワークファイルWFの判定値に基づいて、キーワード種別ファイルKFの判定値を更新し(S174)、S175の処理に移行する。
【0075】
システム制御部101は、S168の処理において、操作されたのは検索結果表示領域902内の検索された地点情報を表示している何れかの領域であると判別したとき、又は、S174の処理を行った後には、S168又はS172の処理において、検索結果表示領域902における操作されたと判別した領域に表示されている地点情報の示す地点を目的地として決定し(S175)、キーワード検索処理(II)を終了する。
【0076】
[1.3.5]キーワード属性抽出処理(II)
次に、図18を用いてキーワード属性抽出処理(II)について説明する。図18に示すように、システム制御部101は、まず、S161(図17参照)で作成した検索用ワークファイルWFのキーワード属性に「住所」が含まれているか否かを判別する(S191)。このとき、システム制御部101は、検索用ワークファイルWFのキーワード属性に「住所」が含まれていないと判別したときには、S195の処理に移行する。一方、システム制御部101は、検索用ワークファイルWFのキーワード属性に「住所」が含まれていると判別したときには、現在位置を取得する(S192)。
【0077】
次に、システム制御部101は、入力キーワードが現在位置から所定の範囲内に含まれる地点を示す住所を表すキーワードであるか否かを判別する(S193)。このとき、システム制御部101は、入力キーワードが現在位置から所定の範囲外の地点を示す住所を表すキーワードであると判別したときには、上述した現在位置考慮処理を行う(S194)。一方、システム制御部101は、入力キーワードが現在位置から所定の範囲内に含まれる地点を示す住所を表すキーワードであると判別したときには、S195の処理に移行する。
【0078】
次いで、システム制御部101は、S191の処理において、検索用ワークファイルWFのキーワード属性に「住所」が含まれないと判別したとき、S193の処理において、入力キーワードが現在位置から所定の範囲内に含まれる地点を示す住所を表すキーワードであると判別したとき、又は、S194の処理を行った後には、次いで、検索用ワークファイルKFを参照し、異なるキーワードに対応するキーワード属性によってキーワード属性組を編成する(S195)。
【0079】
次いで、システム制御部101は、編成したキーワード属性組毎に、キーワード属性組を構成するキーワード属性の判定値に基づいて合算判定値を算出する(S196)。
【0080】
次いで、システム制御部101は、合算判定値が合算判定基準値(本実施形態では「100」)以上であって、組を構成する全キーワード属性が判定基準値(本実施形態では「30」)以上であるキーワード属性組を抽出する(S197)。
【0081】
次いで、システム制御部101は、S194の処理において、現在位置考慮処理を行ったか否かを判別する(S198)。このとき、システム制御部101は、現在位置考慮処理を行ったと判別したときには、現在位置考慮処理前の状態に検索用ワークファイルの判定値を戻し(S199)、キーワード属性抽出処理(II)を終了する。一方、システム制御部101は、現在位置考慮処理を行っていないと判別したときには、そのままキーワード属性抽出処理(II)を終了する。
【0082】
以上説明したようにナビゲーション装置100は、ユーザにより入力され得るキーワードに対して一又は複数のキーワード属性を対応付けるとともに、当該キーワード属性毎に判定値を紐付けたキーワード属性ファイルKF(本願の「属性対応情報」の一例)を記憶するHDドライブ102(本願の「記憶手段」の一例)と、キーワード属性ファイルKFの一部を複製した検索用ワークファイルWFを参照して、ユーザにより入力されたキーワードに対応付けられているキーワード属性であって、当該キーワード属性に紐付けられている判定値が判定基準値(本願の「抽出用閾値」の一例)以上であるキーワード属性を抽出する判定値比較処理(本願の「抽出処理」の一例)を行うシステム制御部101(本願の「抽出手段」の一例)と、当該抽出したキーワード属性と、ユーザにより入力されたキーワードとに基づいて目的地設定のための地点情報(本願の「検索対象情報」の一例)を検索する地点検索を行い、検索結果をユーザに提供するために検索結果画面600のような検索結果画面が表示部208に表示されるように表示制御部107を制御する行うシステム制御部101(本願の「提供手段」の一例)と、を備える構成を有している。
【0083】
この構成により、ナビゲーション装置100は、HDドライブ102が、ユーザにより入力され得るキーワードに対して一又は複数のキーワード属性を対応付けるとともに、当該キーワード属性毎に判定値を紐付けたキーワード属性ファイルKFを記憶し、システム制御部101は、キーワード属性ファイルKFの一部を複製した検索用ワークファイルWFを参照して、ユーザにより入力されたキーワードに対応付けられているキーワード属性に紐付けられている判定値が判定基準値以上であるキーワード属性を抽出する判定値比較処理を行い、当該抽出したキーワード属性と、ユーザにより入力されたキーワードとに基づいて目的地設定のための地点情報を検索する地点検索を行い、検索結果をユーザに提供するために検索結果画面600のような検索結果画面が表示部208に表示されるように表示制御部107を制御する。
【0084】
したがって、ナビゲーション装置100によれば、地点検索するためのキーワード検索時において、入力キーワードと判定値比較処理によって抽出されたキーワード属性とに基づいて地点検索が行われることから、ユーザは当該入力キーワードを何れのキーワード属性として取り扱うのが最適であるかを判断することなく検索結果を得ることができ、負担が軽減される。
【0085】
また、システム制御部101(本願の「キーワード属性取得手段」の一例)は、判定値比較処理で抽出したキーワード属性が複数である場合に、当該複数のキーワード属性の中から何れかのキーワード属性(検索方法)をユーザに選択させるために当該抽出した複数のキーワード属性を検索方法選択画面400に示すような検索方法選択画面を用いて告知し、当該告知したキーワード属性(検索方法)の中からユーザが選択したキーワード属性を取得して、当該取得したキーワード属性と入力キーワードとに基づいて地点検索を行い、検索結果をユーザに提供するために検索結果画面600のような検索結果画面が表示部208に表示されるように表示制御部107を制御する。これにより、判定値比較処理で抽出されたキーワード属性が1つのみでない場合であっても、ユーザは期待する検索結果を得ることができる。
【0086】
更に、システム制御部101(本願の「更新手段」の一例)は、判定値比較処理で抽出したキーワード属性が複数である場合に、検索方法選択画面400のような検索方法選択画面においてユーザにより何れかのキーワード属性(検索方法)が選択されたことに基づいて、次回の判定値比較処理において当該選択されたキーワード属性に紐付けられている判定値が判定基準値以上の値となるか、又は、当該判定値と当該判定基準値との差が小さくなるか、何れか一方となるように当該判定値を更新(「10」を加算)する。これにより、次回以降、ユーザにより選択されたキーワード属性が判定値比較処理により抽出されやすくなり、ユーザは検索方法選択画面400のような検索方法選択画面においてキーワード属性を選択することなく検索結果を得ることができやすくなる。
【0087】
更にまた、本実施形態では現在位置考慮処理を行っているが、現在位置に代えて、例えばユーザにより選択された位置を基準位置として基準位置考慮処理を行う構成としてもよい。すなわち、システム制御部101(本願の「特定位置取得手段」の一例)は、入力キーワードが現在位置(本願の「特定位置」の一例)又はユーザにより選択された基準位置(本願の「特定位置」の一例)から所定の範囲内に含まれない地点を示す住所を表すキーワードであって、当該入力キーワードに対して住所がキーワード属性として対応付けられている場合には、当該キーワード属性である住所に紐付けられている判定値が判定基準値未満の値となるか、又は、当該判定値と当該判定基準値との差が小さくなるか、何れか一方となるように当該判定値一時的に更新(「20」を減算)した上で、判定値比較処理でキーワード属性を抽出する。なお、システム制御部101が、入力キーワードが現在位置又はユーザにより選択された基準位置から所定の範囲内に含まれる地点を示す住所を表すキーワードであって、当該入力キーワードに対して住所がキーワード属性として対応付けられている場合には、当該キーワード属性である住所に紐付けられている判定値が判定基準値以上の値となるか、又は、当該判定値と当該判定基準値との差が小さくなるか、何れか一方となるように当該判定値を一時的に更新(「20」を加算)した上で、判定値比較処理でキーワード属性を抽出する、構成であっても良い。これにより、判定値比較処理において現在位置又は基準位置に応じてキーワード属性「住所」が抽出されにくくなったり、抽出されやすくなったりすることとなり、現在位置又は基準位置が考慮された検索結果が得られやすくなる。
【0088】
更にまた、システム制御部101は、検索方法選択画面400のような検索方法選択画面における検索方法表示領域401のような検索方法表示領域には、判定値が大きい方から順に、ユーザに選択させる検索方法(キーワード属性)を表示させる。ここで、本実施形態では、判定値比較処理においてユーザが抽出されることを期待しているキーワード属性に紐付けられている判定値ほど大きい値とする構成となっているが、これとは逆に、ユーザが抽出されることを期待しているキーワード属性に紐付けられている判定値ほど小さい値とするとともに、判定値比較処理では判定値が判定基準値以下であるキーワード属性を抽出する構成としても良い。当該構成とした場合には、システム制御部101は、検索方法選択画面における検索方法表示領域には、判定値が小さい方から順に、ユーザに選択させる検索方法(キーワード属性)を表示させることとする。また、本実施形態においては、判定値比較処理において複数のキーワード属性が抽出された場合には、検索方法選択画面を表示することによって抽出されたキーワード属性を告知しているが、これに代えて、スピーカ110から出力させる音声によって告知することとしてもよい。このように、選択対象であるキーワード属性がユーザによって選択される可能性が高い方から順に告知されることから、ユーザが何れかを選択する際に選択しやすくなる。
【0089】
更にまた、システム制御部101(本願の「計数手段」、「変更手段」の一例)が、検索方法選択画面400、500のような検索方法選択画面において「別の検索」ボタン406、506のような「別の検索」ボタンが押された回数を計数し、当該回数に基づいて、判定基準値以上の判定値の数が多くなるように当該判定基準値を変更する構成としてもよい。例えば、検索方法選択画面を10回表示したうち、5回以上「別の検索」ボタンが押された場合には、判定基準値を「5」引き下げることとしてもよい。これにより、判定値比較処理においてより多くのキーワード属性が抽出されやすくなるため、判定値比較処理において複数のキーワード属性が抽出されたにもかかわらず、その中にユーザが選択したいと考えているキーワード属性がない、という事態が発生する回数を減らすことができる。
【0090】
更にまた、システム制御部101(本願の「キーワード属性組抽出手段」の一例)は、複数のキーワードが入力された場合には、キーワード属性ファイルKFの一部を複製した検索用ワークファイルWFを参照して、入力キーワードに対応付けられている各キーワード属性であって、それぞれ異なる入力キーワードに対応付けられているキーワード属性の組合せによって構成されるキーワード属性組を編成し、当該キーワード属性組を構成する各キーワード属性に紐付けられている判定値と、合算判定基準値(本願の「組抽出用閾値」の一例)との比較に基づいてキーワード属性組を抽出し、当該抽出したキーワード属性組を構成するキーワード属性と、各入力キーワードとに基づいて目的地設定のための地点情報を検索する地点検索を行い、検索結果をユーザに提供するために検索結果画面900のような検索結果画面が表示部208に表示されるように表示制御部107を制御する。これにより、地点検索するためのキーワード検索時において、入力キーワードと判定値比較処理によって抽出されたキーワード属性組を構成するキーワード属性とに基づいて地点検索が行われることから、ユーザは各当該入力キーワードを何れの属性として取り扱うのが最適であるかを判断することなく検索結果を得ることができ、負担が軽減される。
【0091】
更にまた、システム制御部101(本願の「キーワード属性組取得手段」の一例)は、判定値比較処理で抽出したキーワード属性組が複数である場合に、当該複数のキーワード属性組の中から何れかのキーワード属性(検索方法)組をユーザに選択させるために当該抽出した複数のキーワード属性組を検索方法選択画面700のような検索方法選択画面を用いて告知し、当該告知したキーワード属性(検索方法)組の中からユーザが選択したキーワード属性組を取得して、当該取得したキーワード属性組を構成するキーワード属性と入力キーワードとに基づいて地点検索を行い、検索結果をユーザに提供するために検索結果画面900のような検索結果画面が表示部208に表示されるように表示制御部107を制御する。これにより、判定値比較処理で抽出されたキーワード属性組が一つのみでない場合であっても、ユーザは期待する検索結果を得ることができる。
【0092】
なお、本実施形態において、システム制御部101は、キーワード属性ファイルKFの一部を複製した検索用ワークファイルWFに対して現在位置考慮処理、判定値比較処理、学習処理等を行ったり、検索用ワークファイルWFを参照してキーワード属性組を編成したりしているが、これは処理中における不測の事態によってキーワード属性ファイルKFを損傷してしまう可能性を軽減するためである。したがって、キーワード属性ファイルKFに対して直接これらの処理を行ったり、キーワード属性ファイルKFを参照してキーワード属性組を編成したりすることとしてもよい。但し、この場合には、不測の事態が起こった場合に備えてキーワード属性ファイルKFのバックアップファイルを作成しておくなどの措置を講ずるのが好ましい。
【0093】
また、上述したシステム制御部101による処理に相当するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録しておき、これらのプログラムを、キーワード属性ファイルKFを記憶する記憶部を備える情報提供装置に含まれるコンピュータで読み出して実行することにより、当該コンピュータを本実施形態におけるナビゲーション装置100内のシステム制御部101として活用することもできる。
【符号の説明】
【0094】
100 ナビゲーション装置
101 システム制御部(抽出手段、提供手段、キーワード属性取得手段、更新手段、特定位置取得手段、計数手段、変更手段、キーワード属性組抽出手段、キーワード属性組取得手段の一例)
102 HDドライブ(記憶手段の一例)
103 ROM/RAM
104 DVDドライブ104
105 GPS受信部
106 操作部
107 表示制御部
108 表示部(表示手段の一例)
109 音声制御部
110 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより入力されたキーワードと、当該キーワードに対応するキーワード属性とに基づいて検索対象情報を検索してユーザに提供する情報提供装置であって、
ユーザにより入力され得るキーワードに対して一又は複数のキーワード属性を対応付けるとともに、当該キーワード属性毎に判定値を紐付ける属性対応情報を記憶する記憶手段と、
前記属性対応情報を参照して、前記入力されたキーワードに対応付けられているキーワード属性に紐付けられている前記判定値と、前記キーワード属性の抽出基準とする所定の抽出用閾値と、に基づいてキーワード属性を抽出する抽出処理を行う抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出されたキーワード属性と、前記入力されたキーワードとに基づいて前記検索対象情報を検索してユーザに提供する提供手段と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置であって、
前記抽出手段によって抽出されたキーワード属性が複数である場合に、当該複数のキーワード属性の中から何れかのキーワード属性をユーザに選択させるために当該抽出された複数のキーワード属性を告知し、当該告知したキーワード属性の中からユーザが選択したキーワード属性を取得するキーワード属性取得手段を、
更に備え、
前記提供手段は、前記キーワード属性取得手段によって何れかのキーワード属性が取得された場合に、当該取得されたキーワード属性と、前記入力されたキーワードとに基づいて前記検索対象情報を検索してユーザに提供する、ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報提供装置であって、
前記キーワード属性取得手段により何れかのキーワード属性が取得されたことに基づいて、次回の前記抽出処理において当該取得されたキーワード属性に紐付けられている判定値が前記抽出用閾値を超える値となるか、又は、当該判定値と当該抽出用閾値との差が小さくなるか、何れか一方となるように当該判定値を更新する更新手段を、
更に備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報提供装置であって、
現在位置又はユーザにより選択された位置を特定位置として取得する特定位置取得手段、
を更に備え、
前記抽出手段は、前記入力されたキーワードが前記取得された特定位置から所定の範囲内に含まれない地点を示す住所を表すキーワードであって、当該入力されたキーワードに対して住所がキーワード属性として対応付けられている場合には、当該キーワード属性である住所に紐付けられている前記判定値が前記抽出用閾値を超えない値となるか、又は、当該判定値と当該抽出用閾値との差が小さくなるか、何れか一方となるように当該判定値を一時的に更新した上でキーワード属性を抽出する、ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報提供装置であって、
現在位置又はユーザにより選択された位置を特定位置として取得する特定位置取得手段を、
更に備え、
前記抽出手段は、前記入力されたキーワードが前記設定された特定位置から所定の範囲内に含まれる地点を示す住所を表すキーワードであって、当該入力されたキーワードに対して住所がキーワード属性として対応付けられている場合には、当該キーワード属性である住所に紐付けられている前記判定値が前記抽出用閾値を超える値となるか、又は、当該判定値と当該抽出用閾値との差が小さくなるか、何れか一方となるように当該判定値を一時的に更新した上でキーワード属性を抽出する、ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
請求項2乃至5の何れか一項に記載の情報提供装置であって、
前記キーワード属性取得手段は、前記抽出手段によって抽出されたキーワード属性が複数である場合に当該複数のキーワード属性の中から何れかのキーワード属性を選択させるために当該抽出された複数のキーワード属性を、各当該キーワード属性と紐付けられている判定値に基づく降順又は昇順の何れか一方の順序でユーザに告知する、ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
請求項2乃至6の何れか一項に記載の情報提供装置であって、
前記キーワード属性取得手段が、前記抽出手段によって抽出された複数のキーワード属性をユーザに告知したにもかかわらず、当該ユーザにより何れのキーワード属性も選択しないことが選択された回数を計数する計数手段と、
前記計数された回数に基づいて、前記抽出用閾値を超える前記判定値の数が多くなるように当該抽出用閾値を変更する変更手段と、
更に備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の情報提供装置であって、
複数のキーワードが入力された場合において、
前記属性対応情報を参照し、当該入力されたキーワードに対応付けられている各キーワード属性であって、それぞれ異なるキーワードに対応付けられているキーワード属性の組合せによって構成されるキーワード属性組を編成し、当該キーワード属性組を構成する各キーワード属性に紐付けられている判定値と、当該キーワード属性組の抽出基準とする所定の組抽出用閾値との比較に基づいてキーワード属性組を抽出するキーワード属性組抽出手段を、
更に備え、
前記提供手段は、更に、前記キーワード属性組抽出手段によって抽出されたキーワード属性組を構成するキーワード属性と、前記入力されたキーワードとに基づいて前記検索対象情報を検索してユーザに提供する、ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項9】
請求項8に記載の情報提供装置であって、
前記キーワード属性組抽出手段によって抽出されたキーワード属性組が複数である場合に、当該複数のキーワード属性組の中から何れかのキーワード属性組をユーザに選択させるために当該抽出された複数のキーワード属性組を告知し、当該告知したキーワード属性組の中からユーザが選択したキーワード属性組を取得するキーワード属性組取得手段を、
更に備え、
前記提供手段は、前記キーワード属性組取得手段によって何れかのキーワード属性組が取得された場合に、当該取得されたキーワード属性組を構成するキーワード属性と、前記入力されたキーワードとに基づいて前記検索対象情報を検索してユーザに提供する、ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項10】
ユーザにより入力され得るキーワードに対して一又は複数のキーワード属性を対応付けるとともに、当該キーワード属性毎に判定値を紐付ける属性対応情報を参照して、ユーザにより入力されたキーワードに対応付けられているキーワード属性に紐付けられている前記判定値と、前記キーワード属性の抽出基準とする所定の抽出用閾値と、に基づいてキーワード属性を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で抽出したキーワード属性と、前記入力されたキーワードとに基づいて検索対象情報を検索してユーザに提供する提供工程と、
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【請求項11】
ユーザにより入力され得るキーワードに対して一又は複数のキーワード属性を対応付けるとともに、当該キーワード属性毎に判定値を紐付ける属性対応情報を記憶する記憶手段、
を備え、ユーザにより入力されたキーワードと、当該キーワードのキーワード属性とに基づいて検索対象情報を検索してユーザに提供する情報提供装置に含まれるコンピュータを、
前記属性対応情報を参照して、前記入力されたキーワードに対応付けられているキーワード属性に紐付けられている前記判定値と、前記キーワード属性の抽出基準とする所定の抽出用閾値と、に基づいてキーワード属性を抽出する抽出処理を行う抽出手段、
前記抽出手段によって抽出されたキーワード属性と、前記入力されたキーワードとに基づいて前記検索対象情報を検索してユーザに提供する提供手段、
として機能させることを特徴とする情報提供用プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2010−244388(P2010−244388A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93779(P2009−93779)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【出願人】(500230347)株式会社エムビーエイ (22)
【Fターム(参考)】