説明

情報端末

【課題】表示画面の縁部とケーシング11の縁部との間の隙間18が狭い狭額縁の情報端末において、狭額縁の印象を損なうことなく、インカメラ用窓111とアンテナ収容部16とを設置可能にする手段を提供する。
【解決手段】本発明に係るLTE端末10は、箱型のケーシング11と、ケーシング11の使用者側の表面11eに設けられた液晶パネル12と、ケーシング11の下部側面11aを貫通して設けられたインカメラ用窓111と、ケーシング11の内部に設けられてインカメラ用窓111を通して外部の画像を取得するインカメラ13と、使用者側からの光を反射してインカメラ用窓111を通してインカメラ13へ導くミラー14と、を備えるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者側の画像を取得するインカメラ用窓と、アンテナを収容するアンテナ収容部とを有する情報端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等の情報端末としては、箱型のケーシングにおける使用者側の表面に表示画面が設けられ、使用者側の画像を取得するインカメラ用窓や、通信用のアンテナを収容するアンテナ収容部を有するものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、情報端末の外観デザインとしては、表示画面の縁部とケーシングの縁部との間の隙間が非常に狭い、いわゆる狭額縁のデザインが近年好まれる傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−223634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の情報端末では、ケーシングにおける使用者側の表面にインカメラ用窓が設けられる。従って、表示画面の縁部とケーシングの縁部との間に、インカメラ用窓を設置可能な広い隙間を確保する必要があり、狭額縁の印象が損なわれるという問題があった。
また、従来の情報端末では、アンテナが比較的大型の場合、表示画面の縁部とケーシングの縁部との間にアンテナ収容部を設けるための広い隙間を確保する必要があり、狭額縁の印象が損なわれるという問題もあった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、表示画面の縁部とケーシングの縁部との間の隙間が狭い狭額縁の情報端末において、狭額縁の印象を損なうことなく、インカメラ用窓とアンテナ収容部とを設置可能にする手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。すなわち、本発明に係る情報端末は、箱型のケーシングと、前記ケーシングの使用者側の表面に設けられた表示画面と、前記ケーシングの側面を貫通して設けられたインカメラ用窓と、前記ケーシングの内部に設けられて前記インカメラ用窓を通して外部の画像を取得する撮像手段と、使用者側からの光を反射して前記インカメラ用窓を通して前記撮像手段へ導くミラーと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る情報端末によれば、インカメラ用窓がケーシングの側面に設けられるため、表示画面の縁部とケーシングの縁部との間の隙間を狭くすることで狭額縁のデザインとすることができる。また、ミラーを介することにより、撮像手段で使用者側の画像を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係るLTE端末についてインカメラの使用状態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るLTE端末についてインカメラの不使用状態を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の実施形態に係るLTE端末(情報端末)の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るLTE端末10についてインカメラ13の使用状態を示す概略斜視図である。また、図2は、本実施形態に係るLTE端末10についてインカメラ13の不使用状態を示す概略斜視図である。
【0011】
LTE端末10は、図1及び図2に示すように、ケーシング11と、液晶パネル12(表示画面)と、インカメラ13(撮像手段)と、ミラー14と、操作部15と、アンテナ収容部16と、制御部17と、を備えるものである。
【0012】
ケーシング11は、図1及び図2に示すように、箱型の外形を有している。そして、図2に示すように、使用者側から見てケーシング11の下部側面11aを貫通して、略円形のインカメラ用窓111が形成されている。
尚、このインカメラ用窓111の形状は本実施形態に限定されず適宜設計変更が可能である。また、インカメラ用窓111が形成される位置は、下部側面11aに限られず、上部側面11bや左側面11cや右側面11dであってもよい。
【0013】
液晶パネル12は、図1及び図2に示すように、平面視で略矩形の外形を有し、ケーシング11における使用者側の表面11eに設けられている。そして、この液晶パネル12の縁部とケーシング11の縁部との間の隙間18は、その幅が狭く形成されている。このように、LTE端末10はいわゆる狭額縁にデザインされている。
尚、液晶パネル12の外形や大きさは、ケーシング11の形状や大きさに応じて適宜設計変更が可能である。また、本発明に係る表示画面は、情報を表示可能な画面であれば足り、本実施形態の液晶パネル12には限定されない。
【0014】
インカメラ13は、図1及び図2に示すように、ケーシング11の内部に収容され、インカメラ用窓111を通して外部の画像を取得可能な向きに設置されている。
【0015】
ミラー14は、図1及び図2に示すように、ケーシング11の下部側面11aに開閉可能に設けられている。より詳細には、ミラー14は、図1に示すようにインカメラ用窓111を覆う閉止位置Phと、図2に示すようにインカメラ用窓111を露呈させる開放位置Pkとへ移動可能となっている。ここで、開放位置Pkでは、図2に示すように、ケーシング11の下部側面11aに対してミラー14が略45°の角度をなす状態となる。
【0016】
操作部15は、図1及び図2に示すように、使用者側から見てケーシング11の左側面11cに設けられている。この操作部15は、長穴151、及びその内部に設けられた操作つまみ152を有している。そして、この操作つまみ152を長穴151の内部でスライドさせることにより、使用者がミラー14の開閉を操作できるようになっている。
尚、操作部15は、ミラー14の開閉を切り替え可能であれば任意の構成とすることができる。
【0017】
アンテナ収容部16は、図1及び図2に示すように、ケーシング11の下部側面11aに略平行して延びるようにして設けられ、その両端部はケーシング11にそれぞれ接続されている。これにより、アンテナ収容部16は、ケーシング11の下部側面11aに設けられたミラー14を包囲するようにして設けられている。そして、図に詳細は示さないが、アンテナ収容部16の内部には、LTE(Long Term Evolution)規格で外部と通信を行うためのLTEアンテナが収容されている。
尚、アンテナ収容部16を設ける位置は本実施形態に限定されず、ケーシング11の任意の位置とすることができる。
【0018】
制御部17は、図1及び図2に示すように、ケーシング11に収容して設けられ、その内部に設けられた記憶領域には所定のテレビ電話ソフト171が格納されている。この制御部17は、操作部15及びミラー14に対して電気的に接続され、操作部15から入力される信号に基づいてミラー14の開閉を制御する役割を果たす。また、制御部17は、インカメラ13の動作を制御する役割も果たす。
【0019】
次に、本発明の実施形態に係るLTE端末10の作用効果について説明する。
まず、インカメラ13の不使用時には、図1に示すように、制御部17による制御を受けて、ミラー14は閉止位置Phに位置し、インカメラ用窓111を覆っている。この時、制御部17は、テレビ電話ソフト171を停止させている。
【0020】
一方、インカメラ13の使用時には、使用者が操作つまみ152を長穴151の内部でスライドさせる。そうすると、それを検知した制御部17がミラー14の動作を制御することにより、図2に示すように開放位置Pkへとミラー14を移動させる。これにより、インカメラ用窓111が露呈した状態となり、使用者側からの光が、ケーシング11の下部側面11aに対して略45°の角度をなすミラー14に反射されることにより、インカメラ用窓111を通してケーシング11の内部へと導かれるようになる。
【0021】
その後、制御部17が、インカメラ13の動作を制御することにより、使用者側の画像を取得する。また、制御部17は、ミラー14の開放に連動してテレビ電話ソフト171を起動する。これにより、使用者は、操作部15によるワンタッチの操作のみによって、ミラー14を開放させると同時に、テレビ電話での通話が可能となる。
【0022】
ここで、インカメラ用窓111がケーシング11の下部側面11aに設けられているため、インカメラ用窓111をケーシング11の使用者側の表面11eに設ける場合と比較すると、液晶パネル12の縁部とケーシング11の縁部との間の隙間18を幅狭に形成することができる。これにより、LTE端末10について狭額縁の印象を損なうことなく、インカメラ用窓111を設けることができる。
【0023】
また、LTEアンテナを収容するアンテナ収容部16が、ケーシング11とは別体として、ケーシング11とは所定幅の空間19を介して設けられている。従って、液晶パネル12の縁部とケーシング11の縁部との間にLTEアンテナを収容する場合と比較すると、両者の間の隙間18を幅狭に形成することができる。これにより、LTE端末10について狭額縁の印象を損なうことなく、LTEアンテナを設けることができる。
【0024】
また、アンテナ収容部16がミラー14を包囲するように設けられているため、開放位置Pkに位置するミラー14がアンテナ収容部16によって保護されるという利点もある。
【0025】
尚、上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ、或いは動作手順等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0026】
10 LTE端末
11 ケーシング
111 インカメラ用窓
11a 下部側面
11b 上部側面
11c 左側面
11d 右側面
11e 表面
12 液晶パネル
13 インカメラ
14 ミラー
15 操作部
151 長穴
152 操作つまみ
16 アンテナ収容部
17 制御部
171 テレビ電話ソフト
18 隙間
19 空間
Ph 閉止位置
Pk 開放位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱型のケーシングと、
前記ケーシングの使用者側の表面に設けられた表示画面と、
前記ケーシングの側面を貫通して設けられたインカメラ用窓と、
前記ケーシングの内部に設けられて前記インカメラ用窓を通して外部の画像を取得する撮像手段と、
使用者側からの光を反射して前記インカメラ用窓を通して前記撮像手段へ導くミラーと、
を備えることを特徴とする情報端末。
【請求項2】
前記ミラーが、前記インカメラ用窓を開放または閉止するように、前記ケーシングの側面に開閉可能に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記ミラーの開閉を操作する操作部を備えることを特徴とする請求項2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記ミラーの開放を検知した場合にテレビ電話ソフトを起動する制御部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項5】
通信用のアンテナを収容するアンテナ収容部が、前記ケーシングから突出して設けられたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報端末。
【請求項6】
前記アンテナ収容部が、前記ミラーを包囲して設けられたことを特徴とする請求項5に記載の情報端末。
【請求項7】
前記アンテナが、LTE通信規格に対応していることを特徴とする請求項5または6に記載の情報端末。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−5312(P2013−5312A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136086(P2011−136086)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】