説明

情報表示装置

【課題】 従来の情報表示装置にあっては、梁の前に奥行のある箱状の表示板を取り付ける構造であったため、梁に対して働く大きなモーメントに耐えることができる梁と支柱とを使用しなければならないといった問題があった。
【解決手段】 路側に立設された支柱1に対して所望の間隔を隔てて固定された接合用突起を有する上下の梁2,3と、該梁に対して該接合用突起を介して固定された枠状の表示板フレーム5と、該表示板フレーム5に対してLED等の表示素子をマトリックス状に配置した表示ユニットを複数個配置した表示部6と、該表示板フレーム5に対して取り付けた保守用の裏面扉7とから構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路側に立設された柱に取り付けたLED等の表示素子からなる情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における情報表示装置にあっては、特開平10−252023号公報、特開2000−250429号公報に開示されているように、路側に立設された支柱に対して2本の梁が水平方向に取付けられ、この梁の前面にLED等の表示素子を配置した奥行のある箱状の表示板が固定されていた。
【特許文献1】特開平10−252023号公報
【特許文献2】特開2000−250429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記した従来の情報表示装置にあっては、梁の前に奥行のある箱状の表示板を取り付ける構造であったため、梁に対して働く大きなモーメントに耐えることができる梁と支柱とを使用しなければならないといった問題があった。
そのために、サイズと重量が大きくなり製作/運搬/設置が煩雑となるだけでなく、設置した場所の美観を損ねるといった問題があった。
【0004】
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、支柱に対して取付けられる梁に対して梁の間に配置される表示板フレームと、該表示板フレームに取付けられる表示ユニットとから構成したので、構造が簡単でコストの低減を図ることができると共に梁が軽くなることによって設置も容易に行え、かつ、薄型となることでデザイン的にも斬新性がある情報表示装置を提供せんとするにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の情報表示装置は前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、路側に立設された支柱に対して所望の間隔を隔てて固定された接合用突起を有する上下の梁と、該梁に対して該接合用突起を介して固定された枠状の表示板フレームと、該表示板フレームに対してLED等の表示素子をマトリックス状に配置した表示ユニットを複数個配置した表示部と、該表示板フレームに対して取り付けた保守用の裏面扉とから構成したものである。
【0006】
請求項2の手段は、請求項1の情報表示装置は、前記表示板フレームに固定され前記表示ユニットの外周部を覆う飾り枠を前記表示板フレームに取付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は前記したように、支柱に取付けられた上下の梁の間に表示板フレームを取付け、該表示板フレームに表示ユニットを取付けたことにより、情報表示装置として厚みが薄く前方に対する捻りモーメントが少なくなることから支柱と梁の部材を軽減でき、製作/運搬/設置が容易になると共に斬新なデザインとなるといった特長がある。
【0008】
また、表示板フレームと梁とが一体化されたことにより、LED等から表示板内に出た熱を表示板の外周だけでなく表示板フレーム⇒梁(支柱)へと伝搬させて放熱することができるといった効果がある。
【0009】
また、上下に梁の間に表示板フレームを配置する構造としたことにより、背面に大きな保守用扉を設けることができるため、保守を容易とすると共に、表示板を一層薄型化することができるといった効果がある。
【0010】
さらに、表示板フレームに固定され前記表示ユニットの外周部を覆う飾り枠を表示板フレームに取付けたことにより、外部から見て綺麗に、かつ、スマートに見えると共に、太陽光による板内の温度上昇を減少させる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、支柱に取付けられた上下の梁に表示板フレームを取付け、該表示板フレームに表示ユニットを取付けたものである。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の情報表示装置の一実施例を図面と共に説明する。
1は路側に立設された支柱にして、上方の2か所には円板状の取付金具とリブとから構成されるフランジ11が取付けられ、また、支柱1の背面側には梯子12が取付けられている。2,3は一端に前記支柱1のフランジ11に円板状の取付金具を介して一体に取付けられる梁側のフランジ21を備えた一対のパイプ状の梁にして、該梁2と3を結ぶ垂線に対して上部梁2には後傾した状態の接合用突起(固定金具)22が下面側に形成され、また、下部梁3の上面側には前記垂線に対して前傾した状態の接合用突起(固定金具)32が形成されている。また、上部梁2の前面側には注意灯4を取付けるための3つの取付金具23が形成されている。
【0013】
5は枠状に形成された表示板フレームにして、左右両端の上下には前記接合用突起22,32に嵌合される突出部51が突出して形成されている。また、表示板フレーム5には複数の桟52(図面では4個)が等間隔に形成されている。さらに、外周枠の両面には多数の飾り枠固定金具53が形成されている。
【0014】
61はLED等の表示素子をマトリックス状に配置した表示ユニットにして、背面側には表示素子を点灯駆動するための回路が設けられ、その背面には表示板フレーム5に対して扉71が開閉自在に取付けられている。そして、各表示ユニット61は前記表示板フレーム5の桟52によって区切られた空間に入る大きさに形成されている。
なお、複数の表示ユニット61によって図1に図示する表示部6が形成されている。
【0015】
8はカーボンファイバー等の軽量材で形成された飾り枠にして、前記表示板フレーム5の固定金具53に対してボルト等の手段によって固定される。9は前記下部梁3に対して水平状態で取付けられる足場にして、該足場9には回動自在な手すり91が取付けられ、修理等の必要があり保守員が足場9に登る時に手すり91を起立状態とすることで、保守員の安全を確保し、また、通常時には足場9側に倒した状態とすることで美観の向上を図っている。
【0016】
なお、前記の構成において、表示板とは、表示板フレーム5や表示部6や裏面扉7から構成する板本体を指し、情報表示装置とは、表示板に梁2,3と支柱1を含めた情報提供設備全体を指している。
【0017】
このように構成した本発明の情報表示装置は、支柱1に取付けられた梁2の接合用突起22と梁3の接合用突起32に、表示板フレーム5の突出部51に挿入されているので、該表示板フレーム5は前方に所望角度(例えば、3°)傾いてボルト等によって取付けられている。従って、表示板フレーム5に取付けられている5個の表示ユニット61は前方に傾いて取付けられるので、走行車両は情報表示装置に対して比較的近い位置まで表示部6に表示される情報を見ることができる。
【0018】
また、表示板フレーム5と梁2,3とが接合用突起22,32を介して接合される構造であるため表示板内の熱を梁に対して逃がすことが可能である。
なお、図示では、上下各2箇所の接合用突起を用いているが、2箇所以上の接合用突起によって表示板と梁とを接合し放熱効果を高めてもよいし、表示板フレーム5に小孔を設けて表示板内の熱を梁2,3に直接逃がすようにしてもよい。
【0019】
また、上部梁2には注意灯4が取付けられているので、走行車両のドライバーに対して黄色や赤色の光を点滅することで、表示部6の情報を注意して見せることができる。さらに、表示板フレーム5には飾り枠8が表示板フレーム5に並列して取付けられている表示ユニット61の外周を覆うと共に表示板フレーム5をも覆うので、美観を損なうことがなく、かつ、情報表示装置を一層薄く見せて斬新性を与えることができる。
また、太陽光を遮断するので、表示板内の温度上昇を抑える効果がある。
【0020】
また、表示ユニット61の何れかに故障等の不都合が発生した場合には、支柱1の梯子11から足場9に登り、かつ、安全性を確保するために手すり91を起立させた状態で不都合の発生している表示ユニット61の裏面まで移動し扉71を開放することで、従来のように奥行の大きな筐体を必要とすることなく、背面側から表示ユニットの保守を行うことができる。
【0021】
なお、図示した情報表示装置は表示ユニット61が5個の場合を示しているが、必要とする情報提供の内容に応じた個数の表示ユニットからなる情報表示装置を製作することが可能である。
【0022】
また、前記した実施例にあっては、3個の注意灯4を上部梁2に取付けたものを示したが、注意灯4は3個に限定されるものではなく、それ以上あるいはそれ以下、または注意灯4を取付けなくともよく、また、図4に示すように「東名高速道路」等の道路名を表示する案内表示板9を前記注意灯4と共に上部梁2に取付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る情報表示装置を前面から見た斜視図である。
【図2】同上の情報表示装置を背面側から見た斜視図である。
【図3】分解斜視図である。
【図4】上部梁に注意灯と共に案内表示板を取付けた状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
1 支柱
2 上部梁
3 下部梁
4 注意灯
5 表示板フレーム
6 表示部
7 裏面扉
8 飾り枠
9 足場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側に立設された支柱に対して所望の間隔を隔てて固定された接合用突起を有する上下の梁と、
該梁に対して該接合用突起を介して固定された枠状の表示板フレームと、
該表示板フレームに対してLED等の表示素子をマトリックス状に配置した表示ユニットを複数個配置した表示部と、
該表示板フレームに対して取り付けた保守用の裏面扉と、
から構成したことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記表示板フレームに固定され前記表示ユニットの外周部を覆う飾り枠を前記表示板フレームに取付けたことを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−127977(P2008−127977A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−318058(P2006−318058)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(000243881)名古屋電機工業株式会社 (107)
【Fターム(参考)】