情報通信システム、情報通信方法
【課題】ユーザもしくはコンテンツ配信者の判断で音声通話を遮蔽することなくコンテンツ放送を利用でき、家内接続装置に接続された機器の種類や構成および動作状態に関わらずに緊急放送や緊急呼を優先して実行でき確実に告知することができ、災害時に停電などが起きても、確実にユーザに災害情報を伝える。
【解決手段】宅内音声配信サービス端末1と、電話端末2と、音声配信コンテンツ3と、音声配信サービスサーバ4と、一般呼の電話端末5と、緊急呼の電話端末6と、音声配信仮想網7と、電話網8と、を備える。音声配信サービスサーバ4と宅内音声配信サービス端末1が連携して動作し、音声配信サービスの途中で行政サービス10からの緊急放送が発信された場合は、音声配信サービスよりも優先してそれらの発信をユーザ9へIITや発光手段の明滅や強制的な鳴動でユーザ9へ緊急の発信を確実に伝える。
【解決手段】宅内音声配信サービス端末1と、電話端末2と、音声配信コンテンツ3と、音声配信サービスサーバ4と、一般呼の電話端末5と、緊急呼の電話端末6と、音声配信仮想網7と、電話網8と、を備える。音声配信サービスサーバ4と宅内音声配信サービス端末1が連携して動作し、音声配信サービスの途中で行政サービス10からの緊急放送が発信された場合は、音声配信サービスよりも優先してそれらの発信をユーザ9へIITや発光手段の明滅や強制的な鳴動でユーザ9へ緊急の発信を確実に伝える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信網を介した音声通話と放送を行うための情報通信システム、情報通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、電話回線などの公衆回線網を介したオフトーク通信サービス(登録商標)が実施されている。これは電話回線の空き時間を利用して、情報提供センタからの音声情報等を単独電話等を利用するユーザに提供するサービスである。サービスの提供を受けるユーザの家庭等では家内接続装置が設置されて、これに電話機やスピーカ等が接続されている。音楽やニュース番組、ラジオ番組などのコンテンツ放送はスピーカから再生され、再生音量はたとえばスピーカに備わるボリュームをコントロールすることで行われる。また、自然災害などの緊急時には自治体等から緊急放送が行われる。この緊急放送は、地震や津波、台風、火事、洪水、大雪、雪崩、地すべりなどの自然災害に関して、被害発生に備える必要のある地域住民に対し、避難勧告や避難命令、そのほか自治体からの指示などを伝えるための重要な通信である(非特許文献参照)。
【非特許文献1】http://www.ntt-west.co.jp/info/databook/pdf/164.pdf
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のオフトーク通信サービス(登録商標)等の情報通信システムや情報通信方法では、家内接続装置によりコンテンツ放送や緊急放送と音声通話をそれぞれ電話機とスピーカに振り分けていた。このため、電話機の音声通話とスピーカからの発声はそれぞれ機能するものの、電話機に付属する子機ではコンテンツ放送や緊急放送を受信することはできなかった。
【0004】
また、従来の楽曲配信サービスではユーザが能動的に楽曲配信サービスのチャネルを選択して再生したときのみ動作し、緊急呼の優先や、あるいは電話機の子機へ接続するための交換機能を持たなかった。
【0005】
このような課題に鑑み、本発明は、ユーザもしくはコンテンツ配信者の判断で音声通話を遮蔽することなくコンテンツ放送を利用でき、家内接続装置に接続された機器の種類や構成および動作状態に関わらずに緊急放送や緊急呼を優先して実行でき確実に告知することができ、災害時に停電などが起きても、確実にユーザに災害情報を伝えることが可能な情報通信システム、情報通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、情報通信網を介して電話サービスの提供と音声配信サービスおよびテキスト配信サービスの提供を行うための情報通信システムにおいて、前記音声配信サービスおよび前記テキスト配信サービスにより提供される音声配信コンテンツおよびテキスト配信コンテンツを記憶するためのコンテンツサーバと、緊急事態の発生に応じて緊急告知を配信するための告知サーバと、前記情報通信網を介して前記コンテンツサーバと前記告知サーバが接続された主装置と、前記主装置に接続されて前記電話サービスによる音声通話をするための電話端末と、前記主装置に接続されて前記音声配信サービスによる前記音声配信コンテンツを再生するためのコンテンツ再生手段と、前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを画像表示するための映像受信端末と、前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを前記映像受信端末に画像表示して通知するためのコンテンツ通知手段と、を備え、前記緊急告知に応じて随時、前記音声通話の中断、もしくは前記音声配信コンテンツの再生の中断、のいずれかを前記主装置が選択して前記緊急事態の発生を告知し、および、前記緊急告知に応じて随時に前記映像受信端末に画像表示中の任意の映像を中断することなく前記テキスト配信コンテンツの表示、または音声により前記緊急事態の発生を告知する。
【0007】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1において、前記コンテンツ再生手段に代えて、前記音声配信コンテンツの再生は前記電話端末およびその子機によって実行され、前記電話端末および前記子機の非使用時において前記緊急告知に応じて予め設定された所定音量で前記音声配信コンテンツを再生する。
【0008】
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または2において、前記主装置による前記音声通話の中断または完了後に接続されて、前記電話端末を介して音声入力された任意のメッセージを記録するための伝言サーバを備える。
【0009】
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記情報通信網は、前記電話サービスにおいては前記主装置と接続してSIPにより管理されたIPサービス網であり、前記音声配信サービスにおいては前記主装置と接続してhttpで通信するIPサービス網であり、前記主装置と前記電話端末の接続はSIPにより管理されたIP網である。
【0010】
また、請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記主装置は、前記緊急事態の発生を告げるための音声コンテンツを再生可能に記憶するための音源ファイル保存手段と、停電時において電源供給するための無停電電源手段と、を備えている。
【0011】
また、請求項6に記載の本発明は、情報通信網を介して電話サービスの提供と音声配信サービスおよびテキスト配信サービスの提供を行うための情報通信方法において、コンテンツサーバにおいて前記音声配信サービスおよび前記テキスト配信サービスにより提供される音声配信コンテンツおよびテキスト配信コンテンツを記憶するステップと、告知サーバにおいて緊急事態の発生に応じて緊急告知を配信するステップと、主装置において前記情報通信網を介して前記コンテンツサーバと前記告知サーバが接続されるステップと、電話端末において前記主装置に接続されて前記電話サービスによる音声通話をするステップと、コンテンツ再生手段において前記主装置に接続されて前記音声配信サービスによる前記音声配信コンテンツを再生するステップと、映像受信端末において前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを画像表示するステップと、コンテンツ通知手段において前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを前記映像受信端末に画像表示して通知するステップと、を有し、前記緊急告知に応じて随時、前記音声通話の中断、もしくは前記音声配信コンテンツの再生の中断、のいずれかを前記主装置が選択して前記緊急事態の発生を告知するステップと、および、前記緊急告知に応じて随時に前記映像受信端末に画像表示中の任意の映像を中断することなく前記テキスト配信コンテンツの表示、または音声により前記緊急事態の発生を告知するステップとを有する。
【0012】
また、請求項7に記載の本発明によれば、請求項6において、前記コンテンツ再生手段に代えて、前記音声配信コンテンツの再生が前記電話端末およびその子機によって実行されるステップと、前記電話端末および前記子機の非使用時において前記緊急告知に応じて予め設定された所定音量で前記音声配信コンテンツが再生されるステップとを有する。
【0013】
また、請求項8に記載の本発明によれば、請求項6または7において、伝言サーバが前記主装置による前記音声通話の中断または完了後に接続されて、前記電話端末を介して音声入力された任意のメッセージを記録するステップを有する。
【0014】
また、請求項9に記載の本発明によれば、請求項6〜8のいずれかにおいて、前記情報通信網は、前記電話サービスにおいては前記主装置と接続してSIPにより管理されたIPサービス網であり、前記音声配信サービスにおいては前記主装置と接続してhttpで通信するIPサービス網であり、前記主装置と前記電話端末の接続はSIPにより管理されたIP網である。
【0015】
また、請求項10に記載の本発明は、請求項6〜9のいずれかにおいて、前記主装置は、前記緊急事態の発生を告げるための音声コンテンツを再生可能に記憶するための音源ファイル保存手段と、停電時において電源供給するための無停電電源手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザもしくはコンテンツ配信者の判断で音声通話を遮蔽することなくコンテンツ放送を利用でき、家内接続装置に接続された機器の種類や構成および動作状態に関わらずに緊急放送や緊急呼を優先して実行でき確実に告知することができ、災害時に停電などが起きても、確実にユーザに災害情報を伝えることが可能な情報通信システム、情報通信方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の実施の形態の情報通信システムを説明するための説明図を示している。この図1には、宅内音声配信サービス端末1と、電話端末2と、音声配信コンテンツ3と、音声配信サービスサーバ4と、一般呼の電話端末5と、緊急呼の電話端末6と、音声配信仮想網7と、電話網8が示されている。ユーザ9は電話端末2や音声配信コンテンツ3等を利用する利用者である。また、これらの構成によりユーザ9に提供されるサービスの受け持ち区分は、行政サービス10と、定額課金網サービス11と、従量課金電話サービス12と、の3種類であり、これらのサービス区分は光ファイバ13を介して宅内音声配信サービス端末1へ提供される。
【0018】
この図1の構成において、行政サービス10にて音声配信コンテンツ3を配信するために音声配信サービスサーバ4が設置される。音声配信サービスサーバ4には音声配信コンテンツ3が記憶されており、外部からの要求に応じて音声配信コンテンツ3を提供する。音声配信サービスサーバ4は定額課金網サービス11が提供する音声配信仮想網7に接続しており、光ファイバ13を介して宅内音声配信サービス端末1に接続している。
【0019】
宅内音声配信サービス端末1は音声配信サービスサーバ4から配信された音声配信コンテンツ3を電話端末2へ提供する。電話端末2は、たとえば音声配信コンテンツ3を音声として再生可能な音声配信端末を兼ねた構成とすることで、ユーザ9は電話端末2から再生される音声配信コンテンツ3を利用することができる。
【0020】
また、一般呼の電話端末5や緊急呼の電話端末6は従量課金サービス12にて提供される電話網8と光ファイバ13を介して宅内音声配信サービス端末1へ接続している。電話端末2を通じてユーザ9は一般呼の電話端末5や緊急呼の電話端末6と音声通話することが可能である(電話サービス)。
【0021】
これらの電話サービスや音声配信サービスを電話端末2で提供するために、電話サービスにおいては、宅内音声配信サービス端末1と接続することによって主にSIP(Session Initiation Protocol)により管理されたギャランティーなIPサービス網を構成している。また、音声配信サービスにおいては、宅内音声配信サービス端末1と接続することによって主にhttpで通信するベストエフォートなIPサービス網を構成している。そして宅内音声配信サービス端末1と電話端末2とを接続してSIPで管理されたIP網を構成している。
【0022】
また、上記のシステムを用いてこれまでの音声サービス以外に映像コンテンツ、文字コンテンツを送信することが可能である。またダウンロードしたコンテンツを一時的に保存(キャッシュ)する機能を有するので、回線を占有せず速やかに必要なコンテンツを入手できる。そして、ダウンロードされたコンテンツは回線が切断されたローカル環境でも繰り返し再生することができる。
【0023】
こうした構成により、音声配信サービスサーバ4と宅内音声配信サービス端末1が連携して動作している。たとえば通常は宅内音声配信サービス端末1と電話端末2により音声通話が可能であり、あるいは宅内音声配信サービス端末1と音声配信サービスサーバ4により音声配信サービスを受けることができる。そして、音声配信サービスの途中で緊急呼の電話端末6や行政サービス10からの緊急放送が発信された場合は、音声配信サービスよりも優先してそれらの発信をユーザ9へ伝達する。伝達方法としては、たとえばユーザ9が電話端末2にて通話中の場合は、IIT(通信中着信表示音)により通知し、または電話端末2に備える発光手段を明滅させたり強制的に鳴動させたりすることにより、ユーザ9へ緊急の発信を確実に伝えている。
【0024】
次の図2には、本発明の実施の形態に係る情報通信システムの動作を説明するためのシーケンス図を示している。
【0025】
この図2には、音声配信サービスサーバ4などを含むコンテンツサーバ(httpサーバ)20と、緊急告知を配信するための告知サーバ(httpまたはSIPサーバ)21と、コンテンツサーバ20と告知サーバ21に情報通信網を介して接続する主装置22と、非通話中の対応子機23と、対応STB(Set Top Box)24と、他者と通話中の対応子機25と、音声による伝言メッセージを記憶する災害伝言サーバ26が示されている。
【0026】
また、図3〜10には、コンテンツサーバ20と、告知サーバ21と、主装置22と、非通話中の対応子機23と、対応STB24と、他者と通話中の対応子機25と、災害伝言サーバ26と、図2には示されていないパソコン型端末50の構成が示されている。
【0027】
図3は告知サーバ21の内部構成を示しており、告知サーバ21の全体の動作を制御するためのシステム制御部210と、主装置22などの告知やコンテンツを利用する側の利用装置を識別して利用を認証するための利用主装置識別・認証211と、この利用主装置識別・認証211内に記憶され認証に用いられる利用主装置番号情報データ212と、緊急告知するための緊急告知データ213と、この緊急告知データ213に含まれるコンテンツ格納位置データ214および緊急度データ215と、告知のためのセッションを制御するセッション制御部216と、回線の制御を行うための回線制御部(送受信制御部)217が示されている。
【0028】
次に、図4はコンテンツサーバ20の内部構成を示しており、コンテンツサーバ20の全体の動作を制御するためのシステム制御部200と、主装置22などの告知やコンテンツを利用する側の利用装置を識別して利用を認証するためのサーバ主装置間相互認証201と、このサーバ主装置間相互認証201に備わる機能としての告知サーバ自身を証明する機能202および利用主装置を認証する機能203と、コンテンツとそのコンテンツが格納してある位置を記憶しているコンテンツおよびコンテンツ格納位置204が示されている。また、このコンテンツおよびコンテンツ格納位置204に格納されているコンテンツ格納位置詳細データ205と、音声コンテンツ206と、テキストコンテンツ207と、リッチコンテンツ208が示されている。さらにコンテンツサーバ20による告知のためのセッションを制御するセッション制御部(コンテンツ配信)209と、回線との接続に関する制御を行うための回線制御部(送受信制御部)210を備えている。
【0029】
次の図5と図6は、主装置22の構成を示している。図2に示した主装置22には、図5に示す告知受信部分221と、図6に示すコンテンツ受信部分222が同時に備えられている。
【0030】
図5に示す告知受信部分221は、全体の動作を制御するためのシステム制御部223と、主装置22に接続されて利用する端末の情報を格納している利用端末データベース225と、この利用端末データベース225に記憶されている利用端末内線番号234と利用端末外線番号235と、緊急告知データ227と、この緊急告知データ227に含まれる緊急度データ236と、セッション制御部(告知送受信・電話)229と、回線制御部(送受信制御部)231を備えている。
【0031】
また、図6に示すコンテンツ受信部分222は、システム制御部224と、サーバ主装置間相互認証226と、このサーバ主装置間相互認証226に備わる告知サーバ自身を証明する機能237と利用主装置を認証する機能238と、コンテンツおよびコンテンツ格納位置228に格納された一時保存コンテンツ・音声等239と、セッション管理機能230と、このセッション管理機能230に備わるリッチコンテンツセッション数制限240と、リッチコンテンツセッション強制接続241と、音声セッション開始終了監視242と、音声セッション強制接続243と、セッション制御部(コンテンツ受信・送信)232と、回線制御部(送受信制御部)233が備わる。
【0032】
次の図7は主装置22に接続される利用端末の一例としての対応子機23の構成を示している。この図7に示す対応子機23は、システム制御部44と、ユーザを識別するためのユーザ識別45およびそれに備わる番号情報等46と、電話機能27およびそれに備わる電話機能28と電話割込機能29と、緊急告知データ30に含まれた緊急度データ31と、セッション制御部(告知受信・電話)32と、回線制御部(送受信制御部)33を備えている。
【0033】
次の図8は主装置22に接続される利用端末の一例として対応STB24の構成を示している。この図8に示されるSTB24は、システム制御部39と、緊急告知データ40に含まれた緊急度データ41と、セッション制御部(告知受信・コンテンツ受信)42と、回線制御部(送受信制御部)43を備えている。
【0034】
次の図9は主装置22に接続可能なパソコン50を利用装置の一例として示している。なお、このパソコン50は図2中には示されていないが、主装置22に接続して利用することが可能である。このパソコン50は、システム制御部34と、緊急告知データ35に含まれた緊急度データ36と、セッション制御部(告知受信・コンテンツ受信)37と、回線制御部(送受信制御部)38を備えている。
【0035】
そして、次の図10は災害伝言サーバ26の構成例を示している。この図10に示す災害伝言サーバ26は、システム制御部261と、伝言データを格納するための伝言データ格納部262と、この伝言データ格納部262に備わる伝言データ格納263と利用者番号データ格納264と、セッション制御部265と、回線制御部266が備わる。
【0036】
次に、再び図2を参照して、まず、告知サーバ21が緊急告知をユーザなどの利用者へ告知するために、緊急告知をプッシュ配信する(S1)。このプッシュ配信は主装置22に対して実行され、その後一旦終了する(S2)。次に、主装置22は告知サーバ21からの緊急告知を受けて、コンテンツサーバ20に対して通話中断要求音声のファイルを要求して取得する(S3)。ここで取得する通話中断要求音声とは、ユーザ9(図1参照)が電話で音声通話中だった場合に受話器から流す通話中断の要求をする音声であり、通話に重ねるかあるいは中断させて告知するための音声ファイルである。
【0037】
なお、告知サーバ21から主装置22へプッシュ配信する際には相互に認証機能を持たせてもよい。この認証方法としては、たとえば公開鍵によるPKI(Public Key Infrastructure)認証機能を実装することが好ましい。
【0038】
次に、主装置22は他者と通話中の対応子機25に対して「緊急放送が入りました」等の通話中断要求音声の送信により告知を行う。この告知は、通話中端末に先の通話中断要求音声またはIITを送信することで実行される(S4)。この告知を受けて(他者と通話中の)対応子機25のユーザ9は告知内容を認識し、同時に通話の中断が実行される(S5)。
【0039】
通話中断された他者と通話中の対応子機25ではユーザ9の操作により緊急放送の視聴が実行される(S6)。この視聴が済むとユーザ9が対応子機25の所定のボタン操作を行うことにより緊急放送視聴終了の信号が主装置22へ送信される(S11)。
【0040】
次に、主装置22はユーザ9からの緊急放送視聴終了を確認するための信号送信(S11による)を確認して、視聴正常終了したと認識してコンテンツサーバ20へ確認信号を送る(S12)。なお、ユーザ9の操作により伝言預託が要求された場合は(S14)、主装置22がこれを検知して災害伝言サーバ26と対応子機25を接続する(S13)。こうしてユーザ9の伝言は災害伝言サーバ26に録音される。
【0041】
また、非通話中の対応子機23へ緊急放送を行う場合は、主装置22が告知サーバ21からの緊急告知のプッシュ配信(S1)を受けた後、緊急放送音声のファイルをコンテンツサーバ20へ要求して取得する(S7)。取得した緊急放送音声ファイルは対応子機23へ送信され、強制的に音声として再生される(S8)。
【0042】
上述の制御について、さらに詳しく図11を参照して説明する。
【0043】
この図11には緊急呼の通知処理についてのフロー図を示している。この図11には、利用端末60と、利用主装置61と、告知・配信サーバ62が示されている。利用端末60は図2に示す非通話中の対応子機23や対応STBおよび他者と通話中の対応子機25、図9に示すパソコン50を含んでいる。利用主装置61は図2に示す主装置22を含んでいる。告知・配信サーバ62は図2に示すコンテンツサーバ20や告知サーバ21を含んでいる。
【0044】
まず、利用端末60と利用主装置61との間で音声通話が行われている(S100、S200)場合の緊急呼の処理を説明する。この状態において、告知・配信サーバ62から緊急事態を感知して緊急呼告知処理(S300)が実行されて緊急呼通知が利用主装置61へ配信される。利用主装置61は緊急呼処理(S201)を実行し、通話中の利用端末60の通話に割り込んで割込音を発して通知する。この場合、利用端末60がアナログ信号処理方式である場合は、アナログ信号の割込音を割り込ませる(S101)。この割込み音を認知して通話中のユーザは通話の切断処理(電話を切る)を行う(S102)。なお、告知・配信サーバ62より緊急事態をユーザへ伝えるための文言等のコンテンツを緊急に配信するための緊急コンテンツ配信処理がされた場合(S301)は、利用主装置61との間で通信を行い、コンテンツをダウンロードするためのhttpの情報を取得し、コンテンツのダウンロードを行うコンテンツ処理が実行される(S202)。
【0045】
また、利用端末60がデジタル信号処理方式である場合は、利用端末60に備わるLAN端末子機が利用主装置61による緊急呼処理(S203)からの緊急呼通知を受信する(S103)。その後、利用端末60が緊急呼非対応LAN端末である場合(S104)は、利用主装置61から利用端末60への通知処理(S204)に対しては無視し、利用主装置61側は利用端末60の通話を強制切断するか、あるいは何もしない。その後、ユーザによる通話の切断処理(S105)を行う。
【0046】
また、利用端末60が緊急呼対応LAN端末である場合(S106)は、LAN端末子機から割込音を音声通話中に発生させる(S107)。ユーザはこの割込音を認知して緊急事態であることを知り、ユーザによる切断処理が行われる(S108)。
【0047】
次に、利用端末60が稼動しておらず通話非使用状態である場合(S109)は、利用主装置61における緊急呼処理(S205)による緊急呼出に応じてLAN端末子機が通知を受信する(S110)。ここでユーザが緊急事態を告げる警告音声などのコンテンツを聴取した場合(S112)は緊急呼対応処理は終了する(S113)。また、利用主装置61は利用端末60からの終了通知を受けて終了する(S207)。なお、利用端末60においてユーザが最後までコンテンツ聴取せずに途中で切断した場合は、異常終了通知が利用主装置61へ発せられるが、やはり同様に終了する(S207)。
【0048】
なお、告知・配信サーバ62から利用端末60へ直接に緊急コンテンツ配信処理を実行してもよい(S302)。告知・配信サーバ62から利用端末60へ緊急コンテンツが配信され、利用端末60ではユーザがコンテンツに応答することで対応が行われる(S111)。この応答はユーザによるコンテンツ音声の聴取と、ボタン等の押し下げによる応答処理により、告知・配信サーバ62はユーザの応答を認識する。この応答により利用端末60は終了し(S113)、この終了通知は利用主装置61を介して告知・配信サーバ62へも通知され、告知・配信サーバ62も緊急呼通知処理を終了する(S303)。
【0049】
次の図12には、図11に示した緊急呼通知処理が完了した後に利用端末から利用主装置へ自動接続される場合の制御に係るフロー図を示している。このフロー図が示す処理は図2に示されたS11〜S14部分に相当する。
【0050】
まず、図12に示す利用主装置61において図11にて示した最初の緊急呼処理が終了している(S500)。また利用端末60は通話非使用状態(S400)である。ここで、利用主装置61に緊急呼処理の要求(S501)があると、緊急呼処理が開始される(S502)。この緊急呼処理としては、利用端末60への緊急呼出と、災害伝言サーバ63への接続要求がされる。
【0051】
利用端末60ではLAN端末子機が利用主装置61からの緊急呼出の通知を受信する(S401)。また、災害伝言サーバ63は利用主装置61からの接続要求に応じて接続受信する(S600)。この接続受信後、災害伝言サーバ63に接続のための空きチャンネルがあれば接続が開始される(S601)。この接続開始に伴い災害伝言サーバ63から利用主装置61へ接続許可が要求される。
【0052】
次に利用主装置61を介して利用端末60と災害伝言サーバ63との間で接続が確立されて、相互の通信が行われる。この通信において、災害伝言サーバ63は緊急コンテンツ配信処理(S602)を実行し、利用端末60へコンテンツを配信する。利用端末60では配信されたコンテンツに応答する。この応答は配信されたコンテンツ音声を利用端末60を介して聴取したユーザが、その応答のために例えばボタン押下げによる応答処理を行うことで可能となる。このコンテンツとしては、例えば災害時における知人や肉親への伝言を録音したり、あるいは自分宛に録音されたメッセージを聴取し、聴取の確認などが含まれる。
【0053】
そして、利用端末60にてコンテンツへの対応が終わり終了すると(S403)、終了通知が災害伝言サーバ63へ送信されて、災害伝言サーバ63の処理も終了する(S603)。なお、ユーザが利用端末60にてコンテンツへの対応を途中で中止した場合(メッセージを最後まで聞かなかった場合など)は、異常終了として異常終了通知が災害伝言サーバ63へ送信され終了する。
【0054】
次に、図2において対応STB24へ緊急文字放送を行う場合は、主装置22が告知サーバ21からの緊急告知のプッシュ配信(S1)を受けた後、緊急放送テキストのファイルをコンテンツサーバ20へ要求して取得する(S9)。取得した緊急文字放送のファイルは対応STB24へ送信され、緊急文字放送を強制的に画面表示させるためのキャプションを実行する(S10)。
【0055】
なお、このような対応STB24への緊急文字放送を行うには、図13に示す緊急放送テキストの送受信処理が必要である。この図13には、対応STB24などを含むSTB型利用端末64と、主装置22を含む発呼側となる主装置65と、告知サーバ21を含む配信サーバ66が示されている。
【0056】
まず、STB型利用端末64が起動状態にされている(S700)。ここで、緊急事態の発生などを受けて配信サーバ66にて緊急呼告知処理が実行される(S900)。この緊急呼告知処理により例えば告知サーバ21からの緊急告知送信が行われる。この送信内容としては、テキスト情報送信である。
【0057】
主装置65は緊急呼告知送信を受けて緊急呼処理を実行する(S800)。この緊急呼処理に伴い通信を開始し、緊急告知である旨をSTB型利用端末64へ通知する。STB型利用端末64はこの通知を受けて、自身が緊急告知対応型である場合は緊急告知対応機能の情報を主装置65へたとえば「180+SDP」として送信する。この送信に対して主装置65から緊急告知対応機能の情報応答がなければ接続が切断されて終了する(S801)。
【0058】
また、主装置65が緊急告知対応機能を備えている場合は、配信サーバ66から既に送信されて受け取っているテキスト情報をSTB型利用端末64へ送信する。この送信後、たとえば両者間で「200OK←→BYE」といった通信を行い通信が終了する。この終了後にSTB型利用端末64のディスプレイ上にテキスト情報を字幕割込表示する(S701)。
【0059】
また、図9に示したパソコン50を利用端末として、これにURL文字列などのリッチコンテンツを送信するための処理について図14と図15のフロー図を参照して説明する。
【0060】
図14には、パソコン50などの対応PC型利用端末67と、主装置65と、配信サーバ66が示されている。
【0061】
まず、緊急事態の発生などを受けて配信サーバ66が緊急呼告知処理を開始する(S1200)。これにより告知サーバ21から緊急告知送信としてテキスト情報が主装置65へ送信される。この緊急告知送信を受けて主装置65は緊急呼処理を開始する(S1100)。この緊急処理において主装置65から対応PC型利用端末67へ通信を開始し、緊急告知である旨を通知する。
【0062】
次に、対応PC型利用端末67が緊急告知に対応可能な対応端末であれば、対応機能の情報を主装置65へ「180+SDP」として送信する。なお、対応PC型利用端末67から緊急告知対応機能の情報応答がなければ通信を切断して、終了する(S1101)。
【0063】
主装置65は対応機能の情報を受信すると、配信サーバ66から受信したURL情報を対応PC型利用端末67へ送信する。対応PC型利用端末67はURL情報を受け取った後に主装置65との間で「200OK←→BYE」の交信をもって通信終了する。
【0064】
その後、対応PC型利用端末67では取得したURL情報によりコンテンツ視聴を行う(S1001)。このURLは配信サーバ66内のコンテンツが格納されている位置を示し、このURLへ対応PC型利用端末67がアクセスしてコンテンツを取得する(S1201)。
【0065】
次の図15には、パソコン50などの利用端末が緊急呼告知に対応していない場合において、それらの利用端末へ緊急告知するための処理をフロー図に示している。
【0066】
図15において、緊急呼告知に対応する機能を持たない利用端末として非対応PC型利用端末67と、インターネット上の別のwwwサーバに接続している主装置65と、緊急告知を行うための告知・配信サーバ62が示されている。
【0067】
主装置65はHttp仮想プロキシとして動作しており、インターネット上の他のwwwサーバに接続している(S1400)。非対応PC型利用端末67はHttp通信状態であり(S1300)、主装置65をHttp仮想プロキシとしてインターネットに接続している。
【0068】
この状態において、告知・配信サーバ62が何らかの緊急事態を受けて緊急呼告知処理を開始する(S1500)。告知・配信サーバ62としてたとえば告知サーバ21からの緊急告知送信がテキスト情報送信として主装置65へ送信される。主装置65はこの送信を受信し、緊急呼処理を開始する(S1401)。この緊急呼処理として、動作中のHttp仮想プロキシをOffにしてインターネット(www)接続もOffにする。こうしてHttp通信が切断され、非対応PC型利用端末67においてHttp通信が切断される(S1301)。
【0069】
次に、非対応PC型利用端末67はHttp通信が切断されたことを検知して、再びHttp通信を確立するために主装置65へHttp通信を試みる(S1302)。主装置65はHttp仮想プロキシを起動しHttp強制リダイレクトを実行する(S1402)。そして告知・配信サーバ62へ接続して配信されてくる緊急コンテンツを取得する(S1501)。
【0070】
非対応PC型利用端末67は主装置65が仮想プロキシとして動作しているので(S1403)、告知・配信サーバ62から配信されるコンテンツ(S1502)をコンテンツ視聴することができる(S1303)。ここで視聴されるコンテンツは緊急告知をするためのコンテンツであり、ユーザがインターネットを利用中であっても強制的にこの緊急告知を行うことができる。
【0071】
次の図3には、本実施の形態とオフトーク通信サービスおよびCATV防災システムのそれぞれの機能を比較した表を示している。この表では音声配信サービスや電話サービスにおいて想定される状況として、一般放送時において電話の着信がある場合を「一般放送時、電話着信」とし、電話の通話時において一般放送が開始される場合を「電話通話時一般放送開始」としている。また、一般放送時において緊急放送を開始する場合を「一般放送時緊急放送開始」とし、電話通話時において緊急放送を開始する場合を「電話通話時緊急放送開始」としている。
【0072】
まず、「一般放送時、電話着信」の場合は、オフトーク通信サービスでは音声放送を切断し電話の着信を実行する。CATV防災システムでは、放送を継続し電話の着信を行う。これらに対し、本実施の形態によれば電話端末などの子機でNETラジオ(インターネットラジオ)の音声を視聴している場合は強制的に切断し、電話着信を行う。
【0073】
次に、「電話通話時一般放送開始」の場合は、オフトーク通信サービスでは電話通話は継続され音声放送は聞こえない。CATV防災システムでは、電話通話と関係ない通信網であるので空欄とし、本実施の形態においても電話通話時か一般放送の視聴のいずれか一方であるため空欄とする。
【0074】
次に、「一般放送時緊急放送開始」の場合は、オフトーク通信サービスでは緊急放送が開始される。CATV防災システムではやはり緊急放送が開始される。本実施の形態においても緊急放送が開始される。
【0075】
次に、「電話通話時緊急放送開始」の場合は、オフトーク通信サービスでは緊急放送開始を電話通話に音声で重ねて流し、電話を切るように促す。ユーザは通話を切断して緊急放送にチャンネルを合わせ、緊急放送を聴く(図3に示された動作パターン※1)。CATV防災システムでは緊急放送を本体スピーカより設定音量にかかわらず予め設定された所定の音量(たとえば最大音量)で送出し、緊急放送の録音も開始するが、電話による通話は継続する(図3に示された動作パターン※2)。
【0076】
そして、本実施の形態においては、ユーザ任意の設定により図3に示された先述の動作パターン※1と動作パターン※2の2種類の動作パターンのうちのいずれか一方を選択して設定することができる。すなわち、動作パターン※1を選択すると、電話での通話中に通話切断のメッセージが流れる。通話を切断するとすべての子機から緊急放送が流れ、同時に緊急放送の内容を録音開始する。緊急放送をユーザが聴き終わるとIVR(Interactive Voice Response)が動作して自治体などが設置したセンター(災害伝言サーバ26等)にユーザがメッセージを録音できる。また、動作パターン※2を選択した場合は、本体(宅内音声配信サービス端末1、主装置22等)スピーカから緊急放送が最大音量で流れ、緊急放送の内容も録音開始される。その後、動作パターン※1と同様に、緊急放送をユーザが聴き終わるとIVRが動作して自治体などが設置したセンターにユーザがメッセージを録音できる。
【0077】
以上説明した実施の形態においては、その緊急時の告知方法として音声とテキストの2通りの方法を実現している。この場合の具体的な実施の一例としては、テキスがメール配信ではなくセットトップボックスのテレビ画像上に字幕のようにポップアップされる。また、テキストデータは「災害状況を伝える平文」と「災害状況コンテンツ(平文、地図等)へのリンクの2種類がありこれも端末側で識別して表示することができる。
【0078】
また、本実施の形態において、緊急通報として通知されるコンテンツと端末の関連については、まず、非使用時の電話端末に音声コンテンツを配信することを実現している。緊急告知時に自動でスピーカホン動作を行い、音量も最大に自動調整している。このため、電話をスピーカとして使用することもでき、町内放送(ラジオ再送信)のスピーカと兼用する必要もなくなる。さらに、町内放送がうるさいといった理由でスピーカがoffにされる可能性も解消され、端末に強制的に音声コンテンツを流すことができる。
【0079】
また、使用時の電話端末に音声コンテンツを配信することができる。たとえば、緊急告知時に「プ・プ・プ・・・」と邪魔音が入り、通話を切って緊急告知を聞くよう促すことが可能になる。従来の電話網オフトークとは異なり、通話と緊急告知(放送)の両方を同時に流すことも可能になる。さらに、IP網に適用すれば「ひかり電話(登録商標)」チャネルと「http」データ通信を両方使って通話と緊急告知を同時に使用することもできる。
【0080】
また、セットトップボックス(有線放送)にテキストを配信することが可能になる。セットトップボックスの映像を中断せずに映像上にテキスが字幕として表示でき、有線放送でテキストデータを載せるために所定の放送局(地場ケーブルテレビ局等)内の設備からテキストを映像に重畳する必要も無くすことができる。
【0081】
また、本実施の形態ではテキストデータは放送局ではなくIP網を通じてユーザ宅のセットトップボックス内で字幕として重畳されるので、放送局外の施設から(たとえば警察、消防、役所、県庁外局、中央省庁等)テキストコンテンツ配信を行うことが可能になる。
【0082】
また、セットトップボックス(有線放送)にURL情報を配信することができる。たとえば、セットトップボックスの映像を中断し、強制的に別の映像や画像およびテキストを表示し、緊急時の速報映像や避難経路地図等を表示することができる。
【0083】
また、必要に応じてメーラーを持つ端末(たとえばメール機能つき電話機子機、携帯電話など)を適用することにより、緊急放送の内容などをメールで配信してもよい。
【0084】
また、本実施の形態では、SIPネットワークを用いることにより、IP網で音声配信を行うことを可能にしている。これによりオフトーク通信のような使用中の通話サービスの中断も必要なくなる。このような本実施の形態では「ひかり電話(登録商標)」とWeb網を併用するため、通話に警告や緊急告知が入りながら、ユーザ判断で通話を続行することも可能にしている。
【0085】
また、緊急放送においてテレビやスピーカを使用して一方的に映像音声を流すことなく、端末の電源や音量の制御も可能になり、「実際に告知が届いているのか分からない」といった問題の発生も解消することができる。すなわち、本実施の形態では、音声端末に電話を使用するのでつながれば確実に音源が起動し、逆につながらなかったことも把握できる。
【0086】
また、映像やテキスト、画像を収めたURLを送信することで必要に応じて2次的な情報を配信することも可能になり、緊急通報や震源や被災地情報および近隣の避難経路地図の提供に有効である。
【0087】
また、本実施の形態を用いて、例えば災害時における安否確認掲示板や安否確認電話サービスの提供を行ってもよい。こうしたサービス提供において「掲示板に書き込まれた情報を電話アクセスで読み上げる」「安否確認電話サービスに録音された安否情報をWebから聞くことができる」など、電話とWebのネットワークを併用することが可能になる。
【0088】
このように、本実施の形態を適用した緊急告知によれば、通話チャネル(ひかり電話(登録商標)、SIP網)とは別の経路(Web網)を使用することができるので、緊急告知を聞くためにあえて使用中の通話や放送を中断する必要を無くすことができる。
【0089】
以上説明した本発明の実施の形態によれば、ユーザもしくはコンテンツ配信者の判断で音声通話を遮蔽することなくコンテンツ放送を利用でき、家内接続装置に接続された機器の種類や構成および動作状態に関わらずに緊急放送や緊急呼を優先して実行でき確実に告知することができ、災害時に停電などが起きても、確実にユーザに災害情報を伝えることが可能な情報通信システム、情報通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施の形態の情報通信システムを説明するための説明図を示す。
【図2】本発明の実施の形態に係る情報通信システムの動作を説明するためのシーケンス図を示す。
【図3】本発明の実施の形態に係る告知サーバの内部構成を示す。
【図4】本発明の実施の形態に係るコンテンツサーバの内部構成を示す。
【図5】本発明の実施の形態に係る主装置が備える告知受信部分の内部構成を示す。
【図6】本発明の実施の形態に係る主装置が備えるコンテンツ受信部分の内部構成を示す。
【図7】本発明の実施の形態に係る主装置に接続される利用端末の一例としての対応子機の構成を示す。
【図8】本発明の実施の形態に係る主装置に接続される利用端末の一例として対応STBの構成を示す。
【図9】本発明の実施の形態に係る主装置に接続可能なパソコンを利用装置の一例として示す。
【図10】本発明の実施の形態に係る災害伝言サーバの構成例を示す。
【図11】本発明の実施の形態に係る緊急呼の通知処理についてのフロー図を示す。
【図12】本発明の実施の形態に係る緊急呼通知処理が完了した後に利用端末から利用主装置へ自動接続される場合の制御に係るフロー図を示す。
【図13】本発明の実施の形態に係る緊急放送テキストの送受信処理に係るフロー図を示す。
【図14】本発明の実施の形態に係るパソコンを利用端末として、これにURL文字列などのリッチコンテンツを送信するための処理に係るフロー図を示す。
【図15】本発明の実施の形態に係るパソコンを利用端末として、これにURL文字列などのリッチコンテンツを送信するための処理に係るフロー図を示す。
【図16】本実施の形態とオフトーク通信サービスおよびCATV防災システムのそれぞれの機能を比較した表を示す。
【符号の説明】
【0091】
1 宅内音声配信サービス端末
2 電話端末
3 音声配信コンテンツ
4 音声配信サービスサーバ
5 電話端末(一般呼)
6 電話端末(緊急呼)
7 音声配信仮想網
8 電話網
20 コンテンツサーバ(httpサーバ)
21 告知サーバ(httpまたはSIPサーバ)
22 主装置
34、39、44200、210、223、224、261 システム制御部
32、37、42、209、216、229、232、265 セッション制御部
33、38、43、210、217、231、233、266 回線制御部
221 告知受信部分
222 コンテンツ受信部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信網を介した音声通話と放送を行うための情報通信システム、情報通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、電話回線などの公衆回線網を介したオフトーク通信サービス(登録商標)が実施されている。これは電話回線の空き時間を利用して、情報提供センタからの音声情報等を単独電話等を利用するユーザに提供するサービスである。サービスの提供を受けるユーザの家庭等では家内接続装置が設置されて、これに電話機やスピーカ等が接続されている。音楽やニュース番組、ラジオ番組などのコンテンツ放送はスピーカから再生され、再生音量はたとえばスピーカに備わるボリュームをコントロールすることで行われる。また、自然災害などの緊急時には自治体等から緊急放送が行われる。この緊急放送は、地震や津波、台風、火事、洪水、大雪、雪崩、地すべりなどの自然災害に関して、被害発生に備える必要のある地域住民に対し、避難勧告や避難命令、そのほか自治体からの指示などを伝えるための重要な通信である(非特許文献参照)。
【非特許文献1】http://www.ntt-west.co.jp/info/databook/pdf/164.pdf
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のオフトーク通信サービス(登録商標)等の情報通信システムや情報通信方法では、家内接続装置によりコンテンツ放送や緊急放送と音声通話をそれぞれ電話機とスピーカに振り分けていた。このため、電話機の音声通話とスピーカからの発声はそれぞれ機能するものの、電話機に付属する子機ではコンテンツ放送や緊急放送を受信することはできなかった。
【0004】
また、従来の楽曲配信サービスではユーザが能動的に楽曲配信サービスのチャネルを選択して再生したときのみ動作し、緊急呼の優先や、あるいは電話機の子機へ接続するための交換機能を持たなかった。
【0005】
このような課題に鑑み、本発明は、ユーザもしくはコンテンツ配信者の判断で音声通話を遮蔽することなくコンテンツ放送を利用でき、家内接続装置に接続された機器の種類や構成および動作状態に関わらずに緊急放送や緊急呼を優先して実行でき確実に告知することができ、災害時に停電などが起きても、確実にユーザに災害情報を伝えることが可能な情報通信システム、情報通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、情報通信網を介して電話サービスの提供と音声配信サービスおよびテキスト配信サービスの提供を行うための情報通信システムにおいて、前記音声配信サービスおよび前記テキスト配信サービスにより提供される音声配信コンテンツおよびテキスト配信コンテンツを記憶するためのコンテンツサーバと、緊急事態の発生に応じて緊急告知を配信するための告知サーバと、前記情報通信網を介して前記コンテンツサーバと前記告知サーバが接続された主装置と、前記主装置に接続されて前記電話サービスによる音声通話をするための電話端末と、前記主装置に接続されて前記音声配信サービスによる前記音声配信コンテンツを再生するためのコンテンツ再生手段と、前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを画像表示するための映像受信端末と、前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを前記映像受信端末に画像表示して通知するためのコンテンツ通知手段と、を備え、前記緊急告知に応じて随時、前記音声通話の中断、もしくは前記音声配信コンテンツの再生の中断、のいずれかを前記主装置が選択して前記緊急事態の発生を告知し、および、前記緊急告知に応じて随時に前記映像受信端末に画像表示中の任意の映像を中断することなく前記テキスト配信コンテンツの表示、または音声により前記緊急事態の発生を告知する。
【0007】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1において、前記コンテンツ再生手段に代えて、前記音声配信コンテンツの再生は前記電話端末およびその子機によって実行され、前記電話端末および前記子機の非使用時において前記緊急告知に応じて予め設定された所定音量で前記音声配信コンテンツを再生する。
【0008】
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または2において、前記主装置による前記音声通話の中断または完了後に接続されて、前記電話端末を介して音声入力された任意のメッセージを記録するための伝言サーバを備える。
【0009】
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記情報通信網は、前記電話サービスにおいては前記主装置と接続してSIPにより管理されたIPサービス網であり、前記音声配信サービスにおいては前記主装置と接続してhttpで通信するIPサービス網であり、前記主装置と前記電話端末の接続はSIPにより管理されたIP網である。
【0010】
また、請求項5に記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記主装置は、前記緊急事態の発生を告げるための音声コンテンツを再生可能に記憶するための音源ファイル保存手段と、停電時において電源供給するための無停電電源手段と、を備えている。
【0011】
また、請求項6に記載の本発明は、情報通信網を介して電話サービスの提供と音声配信サービスおよびテキスト配信サービスの提供を行うための情報通信方法において、コンテンツサーバにおいて前記音声配信サービスおよび前記テキスト配信サービスにより提供される音声配信コンテンツおよびテキスト配信コンテンツを記憶するステップと、告知サーバにおいて緊急事態の発生に応じて緊急告知を配信するステップと、主装置において前記情報通信網を介して前記コンテンツサーバと前記告知サーバが接続されるステップと、電話端末において前記主装置に接続されて前記電話サービスによる音声通話をするステップと、コンテンツ再生手段において前記主装置に接続されて前記音声配信サービスによる前記音声配信コンテンツを再生するステップと、映像受信端末において前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを画像表示するステップと、コンテンツ通知手段において前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを前記映像受信端末に画像表示して通知するステップと、を有し、前記緊急告知に応じて随時、前記音声通話の中断、もしくは前記音声配信コンテンツの再生の中断、のいずれかを前記主装置が選択して前記緊急事態の発生を告知するステップと、および、前記緊急告知に応じて随時に前記映像受信端末に画像表示中の任意の映像を中断することなく前記テキスト配信コンテンツの表示、または音声により前記緊急事態の発生を告知するステップとを有する。
【0012】
また、請求項7に記載の本発明によれば、請求項6において、前記コンテンツ再生手段に代えて、前記音声配信コンテンツの再生が前記電話端末およびその子機によって実行されるステップと、前記電話端末および前記子機の非使用時において前記緊急告知に応じて予め設定された所定音量で前記音声配信コンテンツが再生されるステップとを有する。
【0013】
また、請求項8に記載の本発明によれば、請求項6または7において、伝言サーバが前記主装置による前記音声通話の中断または完了後に接続されて、前記電話端末を介して音声入力された任意のメッセージを記録するステップを有する。
【0014】
また、請求項9に記載の本発明によれば、請求項6〜8のいずれかにおいて、前記情報通信網は、前記電話サービスにおいては前記主装置と接続してSIPにより管理されたIPサービス網であり、前記音声配信サービスにおいては前記主装置と接続してhttpで通信するIPサービス網であり、前記主装置と前記電話端末の接続はSIPにより管理されたIP網である。
【0015】
また、請求項10に記載の本発明は、請求項6〜9のいずれかにおいて、前記主装置は、前記緊急事態の発生を告げるための音声コンテンツを再生可能に記憶するための音源ファイル保存手段と、停電時において電源供給するための無停電電源手段と、を備えている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザもしくはコンテンツ配信者の判断で音声通話を遮蔽することなくコンテンツ放送を利用でき、家内接続装置に接続された機器の種類や構成および動作状態に関わらずに緊急放送や緊急呼を優先して実行でき確実に告知することができ、災害時に停電などが起きても、確実にユーザに災害情報を伝えることが可能な情報通信システム、情報通信方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の実施の形態の情報通信システムを説明するための説明図を示している。この図1には、宅内音声配信サービス端末1と、電話端末2と、音声配信コンテンツ3と、音声配信サービスサーバ4と、一般呼の電話端末5と、緊急呼の電話端末6と、音声配信仮想網7と、電話網8が示されている。ユーザ9は電話端末2や音声配信コンテンツ3等を利用する利用者である。また、これらの構成によりユーザ9に提供されるサービスの受け持ち区分は、行政サービス10と、定額課金網サービス11と、従量課金電話サービス12と、の3種類であり、これらのサービス区分は光ファイバ13を介して宅内音声配信サービス端末1へ提供される。
【0018】
この図1の構成において、行政サービス10にて音声配信コンテンツ3を配信するために音声配信サービスサーバ4が設置される。音声配信サービスサーバ4には音声配信コンテンツ3が記憶されており、外部からの要求に応じて音声配信コンテンツ3を提供する。音声配信サービスサーバ4は定額課金網サービス11が提供する音声配信仮想網7に接続しており、光ファイバ13を介して宅内音声配信サービス端末1に接続している。
【0019】
宅内音声配信サービス端末1は音声配信サービスサーバ4から配信された音声配信コンテンツ3を電話端末2へ提供する。電話端末2は、たとえば音声配信コンテンツ3を音声として再生可能な音声配信端末を兼ねた構成とすることで、ユーザ9は電話端末2から再生される音声配信コンテンツ3を利用することができる。
【0020】
また、一般呼の電話端末5や緊急呼の電話端末6は従量課金サービス12にて提供される電話網8と光ファイバ13を介して宅内音声配信サービス端末1へ接続している。電話端末2を通じてユーザ9は一般呼の電話端末5や緊急呼の電話端末6と音声通話することが可能である(電話サービス)。
【0021】
これらの電話サービスや音声配信サービスを電話端末2で提供するために、電話サービスにおいては、宅内音声配信サービス端末1と接続することによって主にSIP(Session Initiation Protocol)により管理されたギャランティーなIPサービス網を構成している。また、音声配信サービスにおいては、宅内音声配信サービス端末1と接続することによって主にhttpで通信するベストエフォートなIPサービス網を構成している。そして宅内音声配信サービス端末1と電話端末2とを接続してSIPで管理されたIP網を構成している。
【0022】
また、上記のシステムを用いてこれまでの音声サービス以外に映像コンテンツ、文字コンテンツを送信することが可能である。またダウンロードしたコンテンツを一時的に保存(キャッシュ)する機能を有するので、回線を占有せず速やかに必要なコンテンツを入手できる。そして、ダウンロードされたコンテンツは回線が切断されたローカル環境でも繰り返し再生することができる。
【0023】
こうした構成により、音声配信サービスサーバ4と宅内音声配信サービス端末1が連携して動作している。たとえば通常は宅内音声配信サービス端末1と電話端末2により音声通話が可能であり、あるいは宅内音声配信サービス端末1と音声配信サービスサーバ4により音声配信サービスを受けることができる。そして、音声配信サービスの途中で緊急呼の電話端末6や行政サービス10からの緊急放送が発信された場合は、音声配信サービスよりも優先してそれらの発信をユーザ9へ伝達する。伝達方法としては、たとえばユーザ9が電話端末2にて通話中の場合は、IIT(通信中着信表示音)により通知し、または電話端末2に備える発光手段を明滅させたり強制的に鳴動させたりすることにより、ユーザ9へ緊急の発信を確実に伝えている。
【0024】
次の図2には、本発明の実施の形態に係る情報通信システムの動作を説明するためのシーケンス図を示している。
【0025】
この図2には、音声配信サービスサーバ4などを含むコンテンツサーバ(httpサーバ)20と、緊急告知を配信するための告知サーバ(httpまたはSIPサーバ)21と、コンテンツサーバ20と告知サーバ21に情報通信網を介して接続する主装置22と、非通話中の対応子機23と、対応STB(Set Top Box)24と、他者と通話中の対応子機25と、音声による伝言メッセージを記憶する災害伝言サーバ26が示されている。
【0026】
また、図3〜10には、コンテンツサーバ20と、告知サーバ21と、主装置22と、非通話中の対応子機23と、対応STB24と、他者と通話中の対応子機25と、災害伝言サーバ26と、図2には示されていないパソコン型端末50の構成が示されている。
【0027】
図3は告知サーバ21の内部構成を示しており、告知サーバ21の全体の動作を制御するためのシステム制御部210と、主装置22などの告知やコンテンツを利用する側の利用装置を識別して利用を認証するための利用主装置識別・認証211と、この利用主装置識別・認証211内に記憶され認証に用いられる利用主装置番号情報データ212と、緊急告知するための緊急告知データ213と、この緊急告知データ213に含まれるコンテンツ格納位置データ214および緊急度データ215と、告知のためのセッションを制御するセッション制御部216と、回線の制御を行うための回線制御部(送受信制御部)217が示されている。
【0028】
次に、図4はコンテンツサーバ20の内部構成を示しており、コンテンツサーバ20の全体の動作を制御するためのシステム制御部200と、主装置22などの告知やコンテンツを利用する側の利用装置を識別して利用を認証するためのサーバ主装置間相互認証201と、このサーバ主装置間相互認証201に備わる機能としての告知サーバ自身を証明する機能202および利用主装置を認証する機能203と、コンテンツとそのコンテンツが格納してある位置を記憶しているコンテンツおよびコンテンツ格納位置204が示されている。また、このコンテンツおよびコンテンツ格納位置204に格納されているコンテンツ格納位置詳細データ205と、音声コンテンツ206と、テキストコンテンツ207と、リッチコンテンツ208が示されている。さらにコンテンツサーバ20による告知のためのセッションを制御するセッション制御部(コンテンツ配信)209と、回線との接続に関する制御を行うための回線制御部(送受信制御部)210を備えている。
【0029】
次の図5と図6は、主装置22の構成を示している。図2に示した主装置22には、図5に示す告知受信部分221と、図6に示すコンテンツ受信部分222が同時に備えられている。
【0030】
図5に示す告知受信部分221は、全体の動作を制御するためのシステム制御部223と、主装置22に接続されて利用する端末の情報を格納している利用端末データベース225と、この利用端末データベース225に記憶されている利用端末内線番号234と利用端末外線番号235と、緊急告知データ227と、この緊急告知データ227に含まれる緊急度データ236と、セッション制御部(告知送受信・電話)229と、回線制御部(送受信制御部)231を備えている。
【0031】
また、図6に示すコンテンツ受信部分222は、システム制御部224と、サーバ主装置間相互認証226と、このサーバ主装置間相互認証226に備わる告知サーバ自身を証明する機能237と利用主装置を認証する機能238と、コンテンツおよびコンテンツ格納位置228に格納された一時保存コンテンツ・音声等239と、セッション管理機能230と、このセッション管理機能230に備わるリッチコンテンツセッション数制限240と、リッチコンテンツセッション強制接続241と、音声セッション開始終了監視242と、音声セッション強制接続243と、セッション制御部(コンテンツ受信・送信)232と、回線制御部(送受信制御部)233が備わる。
【0032】
次の図7は主装置22に接続される利用端末の一例としての対応子機23の構成を示している。この図7に示す対応子機23は、システム制御部44と、ユーザを識別するためのユーザ識別45およびそれに備わる番号情報等46と、電話機能27およびそれに備わる電話機能28と電話割込機能29と、緊急告知データ30に含まれた緊急度データ31と、セッション制御部(告知受信・電話)32と、回線制御部(送受信制御部)33を備えている。
【0033】
次の図8は主装置22に接続される利用端末の一例として対応STB24の構成を示している。この図8に示されるSTB24は、システム制御部39と、緊急告知データ40に含まれた緊急度データ41と、セッション制御部(告知受信・コンテンツ受信)42と、回線制御部(送受信制御部)43を備えている。
【0034】
次の図9は主装置22に接続可能なパソコン50を利用装置の一例として示している。なお、このパソコン50は図2中には示されていないが、主装置22に接続して利用することが可能である。このパソコン50は、システム制御部34と、緊急告知データ35に含まれた緊急度データ36と、セッション制御部(告知受信・コンテンツ受信)37と、回線制御部(送受信制御部)38を備えている。
【0035】
そして、次の図10は災害伝言サーバ26の構成例を示している。この図10に示す災害伝言サーバ26は、システム制御部261と、伝言データを格納するための伝言データ格納部262と、この伝言データ格納部262に備わる伝言データ格納263と利用者番号データ格納264と、セッション制御部265と、回線制御部266が備わる。
【0036】
次に、再び図2を参照して、まず、告知サーバ21が緊急告知をユーザなどの利用者へ告知するために、緊急告知をプッシュ配信する(S1)。このプッシュ配信は主装置22に対して実行され、その後一旦終了する(S2)。次に、主装置22は告知サーバ21からの緊急告知を受けて、コンテンツサーバ20に対して通話中断要求音声のファイルを要求して取得する(S3)。ここで取得する通話中断要求音声とは、ユーザ9(図1参照)が電話で音声通話中だった場合に受話器から流す通話中断の要求をする音声であり、通話に重ねるかあるいは中断させて告知するための音声ファイルである。
【0037】
なお、告知サーバ21から主装置22へプッシュ配信する際には相互に認証機能を持たせてもよい。この認証方法としては、たとえば公開鍵によるPKI(Public Key Infrastructure)認証機能を実装することが好ましい。
【0038】
次に、主装置22は他者と通話中の対応子機25に対して「緊急放送が入りました」等の通話中断要求音声の送信により告知を行う。この告知は、通話中端末に先の通話中断要求音声またはIITを送信することで実行される(S4)。この告知を受けて(他者と通話中の)対応子機25のユーザ9は告知内容を認識し、同時に通話の中断が実行される(S5)。
【0039】
通話中断された他者と通話中の対応子機25ではユーザ9の操作により緊急放送の視聴が実行される(S6)。この視聴が済むとユーザ9が対応子機25の所定のボタン操作を行うことにより緊急放送視聴終了の信号が主装置22へ送信される(S11)。
【0040】
次に、主装置22はユーザ9からの緊急放送視聴終了を確認するための信号送信(S11による)を確認して、視聴正常終了したと認識してコンテンツサーバ20へ確認信号を送る(S12)。なお、ユーザ9の操作により伝言預託が要求された場合は(S14)、主装置22がこれを検知して災害伝言サーバ26と対応子機25を接続する(S13)。こうしてユーザ9の伝言は災害伝言サーバ26に録音される。
【0041】
また、非通話中の対応子機23へ緊急放送を行う場合は、主装置22が告知サーバ21からの緊急告知のプッシュ配信(S1)を受けた後、緊急放送音声のファイルをコンテンツサーバ20へ要求して取得する(S7)。取得した緊急放送音声ファイルは対応子機23へ送信され、強制的に音声として再生される(S8)。
【0042】
上述の制御について、さらに詳しく図11を参照して説明する。
【0043】
この図11には緊急呼の通知処理についてのフロー図を示している。この図11には、利用端末60と、利用主装置61と、告知・配信サーバ62が示されている。利用端末60は図2に示す非通話中の対応子機23や対応STBおよび他者と通話中の対応子機25、図9に示すパソコン50を含んでいる。利用主装置61は図2に示す主装置22を含んでいる。告知・配信サーバ62は図2に示すコンテンツサーバ20や告知サーバ21を含んでいる。
【0044】
まず、利用端末60と利用主装置61との間で音声通話が行われている(S100、S200)場合の緊急呼の処理を説明する。この状態において、告知・配信サーバ62から緊急事態を感知して緊急呼告知処理(S300)が実行されて緊急呼通知が利用主装置61へ配信される。利用主装置61は緊急呼処理(S201)を実行し、通話中の利用端末60の通話に割り込んで割込音を発して通知する。この場合、利用端末60がアナログ信号処理方式である場合は、アナログ信号の割込音を割り込ませる(S101)。この割込み音を認知して通話中のユーザは通話の切断処理(電話を切る)を行う(S102)。なお、告知・配信サーバ62より緊急事態をユーザへ伝えるための文言等のコンテンツを緊急に配信するための緊急コンテンツ配信処理がされた場合(S301)は、利用主装置61との間で通信を行い、コンテンツをダウンロードするためのhttpの情報を取得し、コンテンツのダウンロードを行うコンテンツ処理が実行される(S202)。
【0045】
また、利用端末60がデジタル信号処理方式である場合は、利用端末60に備わるLAN端末子機が利用主装置61による緊急呼処理(S203)からの緊急呼通知を受信する(S103)。その後、利用端末60が緊急呼非対応LAN端末である場合(S104)は、利用主装置61から利用端末60への通知処理(S204)に対しては無視し、利用主装置61側は利用端末60の通話を強制切断するか、あるいは何もしない。その後、ユーザによる通話の切断処理(S105)を行う。
【0046】
また、利用端末60が緊急呼対応LAN端末である場合(S106)は、LAN端末子機から割込音を音声通話中に発生させる(S107)。ユーザはこの割込音を認知して緊急事態であることを知り、ユーザによる切断処理が行われる(S108)。
【0047】
次に、利用端末60が稼動しておらず通話非使用状態である場合(S109)は、利用主装置61における緊急呼処理(S205)による緊急呼出に応じてLAN端末子機が通知を受信する(S110)。ここでユーザが緊急事態を告げる警告音声などのコンテンツを聴取した場合(S112)は緊急呼対応処理は終了する(S113)。また、利用主装置61は利用端末60からの終了通知を受けて終了する(S207)。なお、利用端末60においてユーザが最後までコンテンツ聴取せずに途中で切断した場合は、異常終了通知が利用主装置61へ発せられるが、やはり同様に終了する(S207)。
【0048】
なお、告知・配信サーバ62から利用端末60へ直接に緊急コンテンツ配信処理を実行してもよい(S302)。告知・配信サーバ62から利用端末60へ緊急コンテンツが配信され、利用端末60ではユーザがコンテンツに応答することで対応が行われる(S111)。この応答はユーザによるコンテンツ音声の聴取と、ボタン等の押し下げによる応答処理により、告知・配信サーバ62はユーザの応答を認識する。この応答により利用端末60は終了し(S113)、この終了通知は利用主装置61を介して告知・配信サーバ62へも通知され、告知・配信サーバ62も緊急呼通知処理を終了する(S303)。
【0049】
次の図12には、図11に示した緊急呼通知処理が完了した後に利用端末から利用主装置へ自動接続される場合の制御に係るフロー図を示している。このフロー図が示す処理は図2に示されたS11〜S14部分に相当する。
【0050】
まず、図12に示す利用主装置61において図11にて示した最初の緊急呼処理が終了している(S500)。また利用端末60は通話非使用状態(S400)である。ここで、利用主装置61に緊急呼処理の要求(S501)があると、緊急呼処理が開始される(S502)。この緊急呼処理としては、利用端末60への緊急呼出と、災害伝言サーバ63への接続要求がされる。
【0051】
利用端末60ではLAN端末子機が利用主装置61からの緊急呼出の通知を受信する(S401)。また、災害伝言サーバ63は利用主装置61からの接続要求に応じて接続受信する(S600)。この接続受信後、災害伝言サーバ63に接続のための空きチャンネルがあれば接続が開始される(S601)。この接続開始に伴い災害伝言サーバ63から利用主装置61へ接続許可が要求される。
【0052】
次に利用主装置61を介して利用端末60と災害伝言サーバ63との間で接続が確立されて、相互の通信が行われる。この通信において、災害伝言サーバ63は緊急コンテンツ配信処理(S602)を実行し、利用端末60へコンテンツを配信する。利用端末60では配信されたコンテンツに応答する。この応答は配信されたコンテンツ音声を利用端末60を介して聴取したユーザが、その応答のために例えばボタン押下げによる応答処理を行うことで可能となる。このコンテンツとしては、例えば災害時における知人や肉親への伝言を録音したり、あるいは自分宛に録音されたメッセージを聴取し、聴取の確認などが含まれる。
【0053】
そして、利用端末60にてコンテンツへの対応が終わり終了すると(S403)、終了通知が災害伝言サーバ63へ送信されて、災害伝言サーバ63の処理も終了する(S603)。なお、ユーザが利用端末60にてコンテンツへの対応を途中で中止した場合(メッセージを最後まで聞かなかった場合など)は、異常終了として異常終了通知が災害伝言サーバ63へ送信され終了する。
【0054】
次に、図2において対応STB24へ緊急文字放送を行う場合は、主装置22が告知サーバ21からの緊急告知のプッシュ配信(S1)を受けた後、緊急放送テキストのファイルをコンテンツサーバ20へ要求して取得する(S9)。取得した緊急文字放送のファイルは対応STB24へ送信され、緊急文字放送を強制的に画面表示させるためのキャプションを実行する(S10)。
【0055】
なお、このような対応STB24への緊急文字放送を行うには、図13に示す緊急放送テキストの送受信処理が必要である。この図13には、対応STB24などを含むSTB型利用端末64と、主装置22を含む発呼側となる主装置65と、告知サーバ21を含む配信サーバ66が示されている。
【0056】
まず、STB型利用端末64が起動状態にされている(S700)。ここで、緊急事態の発生などを受けて配信サーバ66にて緊急呼告知処理が実行される(S900)。この緊急呼告知処理により例えば告知サーバ21からの緊急告知送信が行われる。この送信内容としては、テキスト情報送信である。
【0057】
主装置65は緊急呼告知送信を受けて緊急呼処理を実行する(S800)。この緊急呼処理に伴い通信を開始し、緊急告知である旨をSTB型利用端末64へ通知する。STB型利用端末64はこの通知を受けて、自身が緊急告知対応型である場合は緊急告知対応機能の情報を主装置65へたとえば「180+SDP」として送信する。この送信に対して主装置65から緊急告知対応機能の情報応答がなければ接続が切断されて終了する(S801)。
【0058】
また、主装置65が緊急告知対応機能を備えている場合は、配信サーバ66から既に送信されて受け取っているテキスト情報をSTB型利用端末64へ送信する。この送信後、たとえば両者間で「200OK←→BYE」といった通信を行い通信が終了する。この終了後にSTB型利用端末64のディスプレイ上にテキスト情報を字幕割込表示する(S701)。
【0059】
また、図9に示したパソコン50を利用端末として、これにURL文字列などのリッチコンテンツを送信するための処理について図14と図15のフロー図を参照して説明する。
【0060】
図14には、パソコン50などの対応PC型利用端末67と、主装置65と、配信サーバ66が示されている。
【0061】
まず、緊急事態の発生などを受けて配信サーバ66が緊急呼告知処理を開始する(S1200)。これにより告知サーバ21から緊急告知送信としてテキスト情報が主装置65へ送信される。この緊急告知送信を受けて主装置65は緊急呼処理を開始する(S1100)。この緊急処理において主装置65から対応PC型利用端末67へ通信を開始し、緊急告知である旨を通知する。
【0062】
次に、対応PC型利用端末67が緊急告知に対応可能な対応端末であれば、対応機能の情報を主装置65へ「180+SDP」として送信する。なお、対応PC型利用端末67から緊急告知対応機能の情報応答がなければ通信を切断して、終了する(S1101)。
【0063】
主装置65は対応機能の情報を受信すると、配信サーバ66から受信したURL情報を対応PC型利用端末67へ送信する。対応PC型利用端末67はURL情報を受け取った後に主装置65との間で「200OK←→BYE」の交信をもって通信終了する。
【0064】
その後、対応PC型利用端末67では取得したURL情報によりコンテンツ視聴を行う(S1001)。このURLは配信サーバ66内のコンテンツが格納されている位置を示し、このURLへ対応PC型利用端末67がアクセスしてコンテンツを取得する(S1201)。
【0065】
次の図15には、パソコン50などの利用端末が緊急呼告知に対応していない場合において、それらの利用端末へ緊急告知するための処理をフロー図に示している。
【0066】
図15において、緊急呼告知に対応する機能を持たない利用端末として非対応PC型利用端末67と、インターネット上の別のwwwサーバに接続している主装置65と、緊急告知を行うための告知・配信サーバ62が示されている。
【0067】
主装置65はHttp仮想プロキシとして動作しており、インターネット上の他のwwwサーバに接続している(S1400)。非対応PC型利用端末67はHttp通信状態であり(S1300)、主装置65をHttp仮想プロキシとしてインターネットに接続している。
【0068】
この状態において、告知・配信サーバ62が何らかの緊急事態を受けて緊急呼告知処理を開始する(S1500)。告知・配信サーバ62としてたとえば告知サーバ21からの緊急告知送信がテキスト情報送信として主装置65へ送信される。主装置65はこの送信を受信し、緊急呼処理を開始する(S1401)。この緊急呼処理として、動作中のHttp仮想プロキシをOffにしてインターネット(www)接続もOffにする。こうしてHttp通信が切断され、非対応PC型利用端末67においてHttp通信が切断される(S1301)。
【0069】
次に、非対応PC型利用端末67はHttp通信が切断されたことを検知して、再びHttp通信を確立するために主装置65へHttp通信を試みる(S1302)。主装置65はHttp仮想プロキシを起動しHttp強制リダイレクトを実行する(S1402)。そして告知・配信サーバ62へ接続して配信されてくる緊急コンテンツを取得する(S1501)。
【0070】
非対応PC型利用端末67は主装置65が仮想プロキシとして動作しているので(S1403)、告知・配信サーバ62から配信されるコンテンツ(S1502)をコンテンツ視聴することができる(S1303)。ここで視聴されるコンテンツは緊急告知をするためのコンテンツであり、ユーザがインターネットを利用中であっても強制的にこの緊急告知を行うことができる。
【0071】
次の図3には、本実施の形態とオフトーク通信サービスおよびCATV防災システムのそれぞれの機能を比較した表を示している。この表では音声配信サービスや電話サービスにおいて想定される状況として、一般放送時において電話の着信がある場合を「一般放送時、電話着信」とし、電話の通話時において一般放送が開始される場合を「電話通話時一般放送開始」としている。また、一般放送時において緊急放送を開始する場合を「一般放送時緊急放送開始」とし、電話通話時において緊急放送を開始する場合を「電話通話時緊急放送開始」としている。
【0072】
まず、「一般放送時、電話着信」の場合は、オフトーク通信サービスでは音声放送を切断し電話の着信を実行する。CATV防災システムでは、放送を継続し電話の着信を行う。これらに対し、本実施の形態によれば電話端末などの子機でNETラジオ(インターネットラジオ)の音声を視聴している場合は強制的に切断し、電話着信を行う。
【0073】
次に、「電話通話時一般放送開始」の場合は、オフトーク通信サービスでは電話通話は継続され音声放送は聞こえない。CATV防災システムでは、電話通話と関係ない通信網であるので空欄とし、本実施の形態においても電話通話時か一般放送の視聴のいずれか一方であるため空欄とする。
【0074】
次に、「一般放送時緊急放送開始」の場合は、オフトーク通信サービスでは緊急放送が開始される。CATV防災システムではやはり緊急放送が開始される。本実施の形態においても緊急放送が開始される。
【0075】
次に、「電話通話時緊急放送開始」の場合は、オフトーク通信サービスでは緊急放送開始を電話通話に音声で重ねて流し、電話を切るように促す。ユーザは通話を切断して緊急放送にチャンネルを合わせ、緊急放送を聴く(図3に示された動作パターン※1)。CATV防災システムでは緊急放送を本体スピーカより設定音量にかかわらず予め設定された所定の音量(たとえば最大音量)で送出し、緊急放送の録音も開始するが、電話による通話は継続する(図3に示された動作パターン※2)。
【0076】
そして、本実施の形態においては、ユーザ任意の設定により図3に示された先述の動作パターン※1と動作パターン※2の2種類の動作パターンのうちのいずれか一方を選択して設定することができる。すなわち、動作パターン※1を選択すると、電話での通話中に通話切断のメッセージが流れる。通話を切断するとすべての子機から緊急放送が流れ、同時に緊急放送の内容を録音開始する。緊急放送をユーザが聴き終わるとIVR(Interactive Voice Response)が動作して自治体などが設置したセンター(災害伝言サーバ26等)にユーザがメッセージを録音できる。また、動作パターン※2を選択した場合は、本体(宅内音声配信サービス端末1、主装置22等)スピーカから緊急放送が最大音量で流れ、緊急放送の内容も録音開始される。その後、動作パターン※1と同様に、緊急放送をユーザが聴き終わるとIVRが動作して自治体などが設置したセンターにユーザがメッセージを録音できる。
【0077】
以上説明した実施の形態においては、その緊急時の告知方法として音声とテキストの2通りの方法を実現している。この場合の具体的な実施の一例としては、テキスがメール配信ではなくセットトップボックスのテレビ画像上に字幕のようにポップアップされる。また、テキストデータは「災害状況を伝える平文」と「災害状況コンテンツ(平文、地図等)へのリンクの2種類がありこれも端末側で識別して表示することができる。
【0078】
また、本実施の形態において、緊急通報として通知されるコンテンツと端末の関連については、まず、非使用時の電話端末に音声コンテンツを配信することを実現している。緊急告知時に自動でスピーカホン動作を行い、音量も最大に自動調整している。このため、電話をスピーカとして使用することもでき、町内放送(ラジオ再送信)のスピーカと兼用する必要もなくなる。さらに、町内放送がうるさいといった理由でスピーカがoffにされる可能性も解消され、端末に強制的に音声コンテンツを流すことができる。
【0079】
また、使用時の電話端末に音声コンテンツを配信することができる。たとえば、緊急告知時に「プ・プ・プ・・・」と邪魔音が入り、通話を切って緊急告知を聞くよう促すことが可能になる。従来の電話網オフトークとは異なり、通話と緊急告知(放送)の両方を同時に流すことも可能になる。さらに、IP網に適用すれば「ひかり電話(登録商標)」チャネルと「http」データ通信を両方使って通話と緊急告知を同時に使用することもできる。
【0080】
また、セットトップボックス(有線放送)にテキストを配信することが可能になる。セットトップボックスの映像を中断せずに映像上にテキスが字幕として表示でき、有線放送でテキストデータを載せるために所定の放送局(地場ケーブルテレビ局等)内の設備からテキストを映像に重畳する必要も無くすことができる。
【0081】
また、本実施の形態ではテキストデータは放送局ではなくIP網を通じてユーザ宅のセットトップボックス内で字幕として重畳されるので、放送局外の施設から(たとえば警察、消防、役所、県庁外局、中央省庁等)テキストコンテンツ配信を行うことが可能になる。
【0082】
また、セットトップボックス(有線放送)にURL情報を配信することができる。たとえば、セットトップボックスの映像を中断し、強制的に別の映像や画像およびテキストを表示し、緊急時の速報映像や避難経路地図等を表示することができる。
【0083】
また、必要に応じてメーラーを持つ端末(たとえばメール機能つき電話機子機、携帯電話など)を適用することにより、緊急放送の内容などをメールで配信してもよい。
【0084】
また、本実施の形態では、SIPネットワークを用いることにより、IP網で音声配信を行うことを可能にしている。これによりオフトーク通信のような使用中の通話サービスの中断も必要なくなる。このような本実施の形態では「ひかり電話(登録商標)」とWeb網を併用するため、通話に警告や緊急告知が入りながら、ユーザ判断で通話を続行することも可能にしている。
【0085】
また、緊急放送においてテレビやスピーカを使用して一方的に映像音声を流すことなく、端末の電源や音量の制御も可能になり、「実際に告知が届いているのか分からない」といった問題の発生も解消することができる。すなわち、本実施の形態では、音声端末に電話を使用するのでつながれば確実に音源が起動し、逆につながらなかったことも把握できる。
【0086】
また、映像やテキスト、画像を収めたURLを送信することで必要に応じて2次的な情報を配信することも可能になり、緊急通報や震源や被災地情報および近隣の避難経路地図の提供に有効である。
【0087】
また、本実施の形態を用いて、例えば災害時における安否確認掲示板や安否確認電話サービスの提供を行ってもよい。こうしたサービス提供において「掲示板に書き込まれた情報を電話アクセスで読み上げる」「安否確認電話サービスに録音された安否情報をWebから聞くことができる」など、電話とWebのネットワークを併用することが可能になる。
【0088】
このように、本実施の形態を適用した緊急告知によれば、通話チャネル(ひかり電話(登録商標)、SIP網)とは別の経路(Web網)を使用することができるので、緊急告知を聞くためにあえて使用中の通話や放送を中断する必要を無くすことができる。
【0089】
以上説明した本発明の実施の形態によれば、ユーザもしくはコンテンツ配信者の判断で音声通話を遮蔽することなくコンテンツ放送を利用でき、家内接続装置に接続された機器の種類や構成および動作状態に関わらずに緊急放送や緊急呼を優先して実行でき確実に告知することができ、災害時に停電などが起きても、確実にユーザに災害情報を伝えることが可能な情報通信システム、情報通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施の形態の情報通信システムを説明するための説明図を示す。
【図2】本発明の実施の形態に係る情報通信システムの動作を説明するためのシーケンス図を示す。
【図3】本発明の実施の形態に係る告知サーバの内部構成を示す。
【図4】本発明の実施の形態に係るコンテンツサーバの内部構成を示す。
【図5】本発明の実施の形態に係る主装置が備える告知受信部分の内部構成を示す。
【図6】本発明の実施の形態に係る主装置が備えるコンテンツ受信部分の内部構成を示す。
【図7】本発明の実施の形態に係る主装置に接続される利用端末の一例としての対応子機の構成を示す。
【図8】本発明の実施の形態に係る主装置に接続される利用端末の一例として対応STBの構成を示す。
【図9】本発明の実施の形態に係る主装置に接続可能なパソコンを利用装置の一例として示す。
【図10】本発明の実施の形態に係る災害伝言サーバの構成例を示す。
【図11】本発明の実施の形態に係る緊急呼の通知処理についてのフロー図を示す。
【図12】本発明の実施の形態に係る緊急呼通知処理が完了した後に利用端末から利用主装置へ自動接続される場合の制御に係るフロー図を示す。
【図13】本発明の実施の形態に係る緊急放送テキストの送受信処理に係るフロー図を示す。
【図14】本発明の実施の形態に係るパソコンを利用端末として、これにURL文字列などのリッチコンテンツを送信するための処理に係るフロー図を示す。
【図15】本発明の実施の形態に係るパソコンを利用端末として、これにURL文字列などのリッチコンテンツを送信するための処理に係るフロー図を示す。
【図16】本実施の形態とオフトーク通信サービスおよびCATV防災システムのそれぞれの機能を比較した表を示す。
【符号の説明】
【0091】
1 宅内音声配信サービス端末
2 電話端末
3 音声配信コンテンツ
4 音声配信サービスサーバ
5 電話端末(一般呼)
6 電話端末(緊急呼)
7 音声配信仮想網
8 電話網
20 コンテンツサーバ(httpサーバ)
21 告知サーバ(httpまたはSIPサーバ)
22 主装置
34、39、44200、210、223、224、261 システム制御部
32、37、42、209、216、229、232、265 セッション制御部
33、38、43、210、217、231、233、266 回線制御部
221 告知受信部分
222 コンテンツ受信部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報通信網を介して電話サービスの提供と音声配信サービスおよびテキスト配信サービスの提供を行うための情報通信システムにおいて、
前記音声配信サービスおよび前記テキスト配信サービスにより提供される音声配信コンテンツおよびテキスト配信コンテンツを記憶するためのコンテンツサーバと、
緊急事態の発生に応じて緊急告知を配信するための告知サーバと、
前記情報通信網を介して前記コンテンツサーバと前記告知サーバが接続された主装置と、
前記主装置に接続されて前記電話サービスによる音声通話をするための電話端末と、
前記主装置に接続されて前記音声配信サービスによる前記音声配信コンテンツを再生するためのコンテンツ再生手段と、
前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを画像表示するための映像受信端末と、
前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを前記映像受信端末に画像表示して通知するためのコンテンツ通知手段と、を備え、
前記緊急告知に応じて随時、前記音声通話の中断、もしくは前記音声配信コンテンツの再生の中断、のいずれかを前記主装置が選択して前記緊急事態の発生を告知し、
および、前記緊急告知に応じて随時に前記映像受信端末に画像表示中の任意の映像を中断することなく前記テキスト配信コンテンツの表示、または音声により前記緊急事態の発生を告知すること
を特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
前記コンテンツ再生手段に代えて、前記音声配信コンテンツの再生は前記電話端末およびその子機によって実行され、
前記電話端末および前記子機の非使用時において前記緊急告知に応じて予め設定された所定音量で前記音声配信コンテンツを再生すること
を特徴とする請求項1に記載の情報通信システム。
【請求項3】
前記主装置による前記音声通話の中断または完了後に接続されて、前記電話端末を介して音声入力された任意のメッセージを記録するための伝言サーバを備えること
を特徴とする請求項1または2に記載の情報通信システム。
【請求項4】
前記情報通信網は、
前記電話サービスにおいては前記主装置と接続してSIPにより管理されたIPサービス網であり、
前記音声配信サービスにおいては前記主装置と接続してhttpで通信するIPサービス網であり、
前記主装置と前記電話端末の接続はSIPにより管理されたIP網であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報通信システム。
【請求項5】
前記主装置は、
前記緊急事態の発生を告げるための音声コンテンツを再生可能に記憶するための音源ファイル保存手段と、
停電時において電源供給するための無停電電源手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報通信システム。
【請求項6】
情報通信網を介して電話サービスの提供と音声配信サービスおよびテキスト配信サービスの提供を行うための情報通信方法において、
コンテンツサーバにおいて前記音声配信サービスおよび前記テキスト配信サービスにより提供される音声配信コンテンツおよびテキスト配信コンテンツを記憶するステップと、
告知サーバにおいて緊急事態の発生に応じて緊急告知を配信するステップと、
主装置において前記情報通信網を介して前記コンテンツサーバと前記告知サーバが接続されるステップと、
電話端末において前記主装置に接続されて前記電話サービスによる音声通話をするステップと、
コンテンツ再生手段において前記主装置に接続されて前記音声配信サービスによる前記音声配信コンテンツを再生するステップと、
映像受信端末において前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを画像表示するステップと、
コンテンツ通知手段において前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを前記映像受信端末に画像表示して通知するステップと、を有し、
前記緊急告知に応じて随時、前記音声通話の中断、もしくは前記音声配信コンテンツの再生の中断、のいずれかを前記主装置が選択して前記緊急事態の発生を告知するステップと、
および、前記緊急告知に応じて随時に前記映像受信端末に画像表示中の任意の映像を中断することなく前記テキスト配信コンテンツの表示、または音声により前記緊急事態の発生を告知するステップと
を有することを特徴とする情報通信方法。
【請求項7】
前記コンテンツ再生手段に代えて、前記音声配信コンテンツの再生が前記電話端末およびその子機によって実行されるステップと、
前記電話端末および前記子機の非使用時において前記緊急告知に応じて予め設定された所定音量で前記音声配信コンテンツが再生されるステップと
を有することを特徴とする請求項6に記載の情報通信方法。
【請求項8】
伝言サーバが前記主装置による前記音声通話の中断または完了後に接続されて、前記電話端末を介して音声入力された任意のメッセージを記録するステップを有することを特徴とする請求項6または7に記載の情報通信方法。
【請求項9】
前記情報通信網は、
前記電話サービスにおいては前記主装置と接続してSIPにより管理されたIPサービス網であり、
前記音声配信サービスにおいては前記主装置と接続してhttpで通信するIPサービス網であり、
前記主装置と前記電話端末の接続はSIPにより管理されたIP網であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の情報通信方法。
【請求項10】
前記主装置は、
前記緊急事態の発生を告げるための音声コンテンツを再生可能に記憶するための音源ファイル保存手段と、
停電時において電源供給するための無停電電源手段と、
を備えていることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の情報通信方法。
【請求項1】
情報通信網を介して電話サービスの提供と音声配信サービスおよびテキスト配信サービスの提供を行うための情報通信システムにおいて、
前記音声配信サービスおよび前記テキスト配信サービスにより提供される音声配信コンテンツおよびテキスト配信コンテンツを記憶するためのコンテンツサーバと、
緊急事態の発生に応じて緊急告知を配信するための告知サーバと、
前記情報通信網を介して前記コンテンツサーバと前記告知サーバが接続された主装置と、
前記主装置に接続されて前記電話サービスによる音声通話をするための電話端末と、
前記主装置に接続されて前記音声配信サービスによる前記音声配信コンテンツを再生するためのコンテンツ再生手段と、
前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを画像表示するための映像受信端末と、
前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを前記映像受信端末に画像表示して通知するためのコンテンツ通知手段と、を備え、
前記緊急告知に応じて随時、前記音声通話の中断、もしくは前記音声配信コンテンツの再生の中断、のいずれかを前記主装置が選択して前記緊急事態の発生を告知し、
および、前記緊急告知に応じて随時に前記映像受信端末に画像表示中の任意の映像を中断することなく前記テキスト配信コンテンツの表示、または音声により前記緊急事態の発生を告知すること
を特徴とする情報通信システム。
【請求項2】
前記コンテンツ再生手段に代えて、前記音声配信コンテンツの再生は前記電話端末およびその子機によって実行され、
前記電話端末および前記子機の非使用時において前記緊急告知に応じて予め設定された所定音量で前記音声配信コンテンツを再生すること
を特徴とする請求項1に記載の情報通信システム。
【請求項3】
前記主装置による前記音声通話の中断または完了後に接続されて、前記電話端末を介して音声入力された任意のメッセージを記録するための伝言サーバを備えること
を特徴とする請求項1または2に記載の情報通信システム。
【請求項4】
前記情報通信網は、
前記電話サービスにおいては前記主装置と接続してSIPにより管理されたIPサービス網であり、
前記音声配信サービスにおいては前記主装置と接続してhttpで通信するIPサービス網であり、
前記主装置と前記電話端末の接続はSIPにより管理されたIP網であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報通信システム。
【請求項5】
前記主装置は、
前記緊急事態の発生を告げるための音声コンテンツを再生可能に記憶するための音源ファイル保存手段と、
停電時において電源供給するための無停電電源手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報通信システム。
【請求項6】
情報通信網を介して電話サービスの提供と音声配信サービスおよびテキスト配信サービスの提供を行うための情報通信方法において、
コンテンツサーバにおいて前記音声配信サービスおよび前記テキスト配信サービスにより提供される音声配信コンテンツおよびテキスト配信コンテンツを記憶するステップと、
告知サーバにおいて緊急事態の発生に応じて緊急告知を配信するステップと、
主装置において前記情報通信網を介して前記コンテンツサーバと前記告知サーバが接続されるステップと、
電話端末において前記主装置に接続されて前記電話サービスによる音声通話をするステップと、
コンテンツ再生手段において前記主装置に接続されて前記音声配信サービスによる前記音声配信コンテンツを再生するステップと、
映像受信端末において前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを画像表示するステップと、
コンテンツ通知手段において前記主装置に接続されて前記テキスト配信サービスによる前記テキスト配信コンテンツを前記映像受信端末に画像表示して通知するステップと、を有し、
前記緊急告知に応じて随時、前記音声通話の中断、もしくは前記音声配信コンテンツの再生の中断、のいずれかを前記主装置が選択して前記緊急事態の発生を告知するステップと、
および、前記緊急告知に応じて随時に前記映像受信端末に画像表示中の任意の映像を中断することなく前記テキスト配信コンテンツの表示、または音声により前記緊急事態の発生を告知するステップと
を有することを特徴とする情報通信方法。
【請求項7】
前記コンテンツ再生手段に代えて、前記音声配信コンテンツの再生が前記電話端末およびその子機によって実行されるステップと、
前記電話端末および前記子機の非使用時において前記緊急告知に応じて予め設定された所定音量で前記音声配信コンテンツが再生されるステップと
を有することを特徴とする請求項6に記載の情報通信方法。
【請求項8】
伝言サーバが前記主装置による前記音声通話の中断または完了後に接続されて、前記電話端末を介して音声入力された任意のメッセージを記録するステップを有することを特徴とする請求項6または7に記載の情報通信方法。
【請求項9】
前記情報通信網は、
前記電話サービスにおいては前記主装置と接続してSIPにより管理されたIPサービス網であり、
前記音声配信サービスにおいては前記主装置と接続してhttpで通信するIPサービス網であり、
前記主装置と前記電話端末の接続はSIPにより管理されたIP網であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の情報通信方法。
【請求項10】
前記主装置は、
前記緊急事態の発生を告げるための音声コンテンツを再生可能に記憶するための音源ファイル保存手段と、
停電時において電源供給するための無停電電源手段と、
を備えていることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の情報通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−10881(P2009−10881A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172610(P2007−172610)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【出願人】(399040405)東日本電信電話株式会社 (286)
【Fターム(参考)】
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